JP2001009732A - ビトリファイドボンド砥石及びその製造方法 - Google Patents
ビトリファイドボンド砥石及びその製造方法Info
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】切れ味が良好で且つ砥石摩耗量が少なく、加工
精度が向上したビトリファイドボンド砥石を提供する。 【解決手段】立方晶窒化ホウ素砥粒(平均粒径22〜3
6μm)8容量部と、炭化ホウ素砥粒(平均粒径3〜1
9μm)5容量部と、これらの砥粒を保持するビトリフ
ァイドボンド相52容量部と、実質的に酸化していない
Co粒子(平均粒径1.5μm)35容量部と、体積率
1.5%の気孔とを含み、前記Co粒子は、前記ビトリ
ファイドボンド相に分散するビトリファイドボンド砥
石。
精度が向上したビトリファイドボンド砥石を提供する。 【解決手段】立方晶窒化ホウ素砥粒(平均粒径22〜3
6μm)8容量部と、炭化ホウ素砥粒(平均粒径3〜1
9μm)5容量部と、これらの砥粒を保持するビトリフ
ァイドボンド相52容量部と、実質的に酸化していない
Co粒子(平均粒径1.5μm)35容量部と、体積率
1.5%の気孔とを含み、前記Co粒子は、前記ビトリ
ファイドボンド相に分散するビトリファイドボンド砥
石。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はビトリファイドボン
ド砥石及びその製造方法に関し、特に、ホーニング加工
やベアリングのレース面の超仕上げ加工など、ドレッシ
ングを行わずに研削加工を行う場合に好適に用いられる
ビトリファイドボンド砥石及びその製造方法、特に、ビ
トリファイドボンド中に充填材を含有せしめた砥石、そ
の中でも砥粒としてCBN(立方晶窒化ホウ素、以下同
様。)砥粒やダイヤモンド砥粒の超砥粒と炭化ホウ素砥
粒を用いたビトリファイドボンド超砥粒砥石及びその製
造方法に関するものである。
ド砥石及びその製造方法に関し、特に、ホーニング加工
やベアリングのレース面の超仕上げ加工など、ドレッシ
ングを行わずに研削加工を行う場合に好適に用いられる
ビトリファイドボンド砥石及びその製造方法、特に、ビ
トリファイドボンド中に充填材を含有せしめた砥石、そ
の中でも砥粒としてCBN(立方晶窒化ホウ素、以下同
様。)砥粒やダイヤモンド砥粒の超砥粒と炭化ホウ素砥
粒を用いたビトリファイドボンド超砥粒砥石及びその製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、超砥粒ホーニング加工用砥石は高
価な超砥粒を用いることから高い砥粒保持力が要求され
るため、結合材として実用的にはメタルボンドが主に用
いられている。
価な超砥粒を用いることから高い砥粒保持力が要求され
るため、結合材として実用的にはメタルボンドが主に用
いられている。
【0003】超仕上げ砥石では切りくずの排出性、切れ
刃の自生発刃が重要であることから、有気孔のビトリフ
ァイドボンド砥石が使用されている。
刃の自生発刃が重要であることから、有気孔のビトリフ
ァイドボンド砥石が使用されている。
【0004】一方、以下に挙げるような構造のビトリフ
ァイドボンド砥石も提案されている。
ァイドボンド砥石も提案されている。
【0005】カップ形状砥石として、特開平9−103
965号公報には、平均砥粒が60μm以下である超砥
粒と、加熱下にこの超砥粒と融合して融合相を形成し得
る結合材とからなり、この結合材が連続気孔を有する多
孔質体であり、この結合材と超砥粒との界面にそれらの
融合相が形成され、この融合相の厚みが1.5μmであ
る多孔質超砥粒砥石が提案されている。
965号公報には、平均砥粒が60μm以下である超砥
粒と、加熱下にこの超砥粒と融合して融合相を形成し得
る結合材とからなり、この結合材が連続気孔を有する多
孔質体であり、この結合材と超砥粒との界面にそれらの
融合相が形成され、この融合相の厚みが1.5μmであ
る多孔質超砥粒砥石が提案されている。
【0006】また別に、軸付砥石として、特公平7−5
7473号公報には、500〜1000℃の融点を持つ
セラミックス結合材100容量部に対し、金属粒子5〜
30容量部を混ぜた結合材により超砥粒が結合され、砥
石の見掛け密度が70%以上である超砥粒ビトリファイ
ドボンド砥石が提案されている。
7473号公報には、500〜1000℃の融点を持つ
セラミックス結合材100容量部に対し、金属粒子5〜
30容量部を混ぜた結合材により超砥粒が結合され、砥
石の見掛け密度が70%以上である超砥粒ビトリファイ
ドボンド砥石が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、メタルボンド
を用いた超砥粒ホーニング砥石には次のような問題点が
ある。
を用いた超砥粒ホーニング砥石には次のような問題点が
ある。
【0008】(1)第1の問題点は、メタルボンドから
なる結合相は無気孔のためにボンドの後退性が悪く、切
れ味の持続性や切りくずの排出性が劣るということであ
る。 (2)第2の問題点は、砥粒とメタルボンドが化学的に
結合していないため、砥粒の突き出しが大きくなると砥
粒が容易に脱落するということである。
なる結合相は無気孔のためにボンドの後退性が悪く、切
れ味の持続性や切りくずの排出性が劣るということであ
る。 (2)第2の問題点は、砥粒とメタルボンドが化学的に
結合していないため、砥粒の突き出しが大きくなると砥
粒が容易に脱落するということである。
【0009】また、従来、ビトリファイドボンドを用い
て有気孔かつ砥粒とボンドが化学的に結合された砥石を
製造することは可能ではあったが、研削時、砥石に印加
する荷重と砥石摩耗との関係がクリティカルであり、す
なわち、僅かに荷重が過大であっても、自生発刃が生じ
難く、被削材の目標除去量が取れないことから、自生発
刃が必要なホーニング加工用砥石として、実用的なもの
は提供されていない。また、超仕上げ加工用には使用さ
れているものの、一般砥石との性能差が小さいため、更
なる高性能な超砥粒砥石が求められている。
て有気孔かつ砥粒とボンドが化学的に結合された砥石を
製造することは可能ではあったが、研削時、砥石に印加
する荷重と砥石摩耗との関係がクリティカルであり、す
なわち、僅かに荷重が過大であっても、自生発刃が生じ
難く、被削材の目標除去量が取れないことから、自生発
刃が必要なホーニング加工用砥石として、実用的なもの
は提供されていない。また、超仕上げ加工用には使用さ
れているものの、一般砥石との性能差が小さいため、更
なる高性能な超砥粒砥石が求められている。
【0010】また、カップ形状砥石として、特開平9−
103965号公報に提案されたような有気孔(多孔
質)のビトリファイドボンド砥石には次のような問題点
がある。(1)第1の問題点は、結合相の構造が有気孔
であることによって砥粒保持力が低いため、一定の取代
(被削材の除去量)を確保しつつ砥石摩耗量を低減する
ことには限界があるということである。(2)第2の問
題点は、砥粒を取り囲む融合相を形成するためのプロセ
スが複雑であるということである。
103965号公報に提案されたような有気孔(多孔
質)のビトリファイドボンド砥石には次のような問題点
がある。(1)第1の問題点は、結合相の構造が有気孔
であることによって砥粒保持力が低いため、一定の取代
(被削材の除去量)を確保しつつ砥石摩耗量を低減する
ことには限界があるということである。(2)第2の問
題点は、砥粒を取り囲む融合相を形成するためのプロセ
スが複雑であるということである。
【0011】また別に、軸付砥石として、特公平7−5
7473号公報に提案されたようなビトリファイドボン
ド砥石にも次のような問題点がある。(1)第1の問題
点は、比較的粗い砥石(#325より粗)のドレス面で
研削する場合にはよいが、この砥石を仮に自生発刃の必
要なホーニング加工・超仕上げ加工に適用する場合を想
定すると、ホーニング加工・超仕上げ加工においては、
ボンド自体の後退性が適度にあることが不可欠であるの
に、該砥石では、ボンドマトリックスの硬さが硬すぎ、
自生発刃が生じにくく、該砥石はホーニング加工・超仕
上げ用として不適当であるということである。 (2)第2の問題点は、ボンドマトリックスが緻密でな
く、十分な砥粒保持力が発現されないということであ
る。
7473号公報に提案されたようなビトリファイドボン
ド砥石にも次のような問題点がある。(1)第1の問題
点は、比較的粗い砥石(#325より粗)のドレス面で
研削する場合にはよいが、この砥石を仮に自生発刃の必
要なホーニング加工・超仕上げ加工に適用する場合を想
定すると、ホーニング加工・超仕上げ加工においては、
ボンド自体の後退性が適度にあることが不可欠であるの
に、該砥石では、ボンドマトリックスの硬さが硬すぎ、
自生発刃が生じにくく、該砥石はホーニング加工・超仕
上げ用として不適当であるということである。 (2)第2の問題点は、ボンドマトリックスが緻密でな
く、十分な砥粒保持力が発現されないということであ
る。
【0012】以上のように、現状、ノードレスで行われ
るホーニング加工用砥石として、実用に耐える超砥粒ビ
トリファイドボンド砥石は提供されていないものであ
る。また、超仕上げ用砥石についても、一般砥石を置き
換えるのに十分な高性能(長寿命)超砥粒砥石が求めら
れている。
るホーニング加工用砥石として、実用に耐える超砥粒ビ
トリファイドボンド砥石は提供されていないものであ
る。また、超仕上げ用砥石についても、一般砥石を置き
換えるのに十分な高性能(長寿命)超砥粒砥石が求めら
れている。
【0013】本発明の第1の目的は、切れ味が良好で且
つ砥石摩耗量が少なく、加工精度が向上したビトリファ
イドボンド砥石を提供することである。また、本発明の
第2の目的は、切れ味が良好で且つ砥石摩耗量が少な
く、加工精度が向上したビトリファイドボンド砥石を製
造することができる、ビトリファイドボンド砥石の製造
方法を提供することである。
つ砥石摩耗量が少なく、加工精度が向上したビトリファ
イドボンド砥石を提供することである。また、本発明の
第2の目的は、切れ味が良好で且つ砥石摩耗量が少な
く、加工精度が向上したビトリファイドボンド砥石を製
造することができる、ビトリファイドボンド砥石の製造
方法を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の視点によ
れば、砥粒と、前記砥粒を保持するビトリファイドボン
ド相と、1種以上の実質的に酸化していない金属粒子
と、体積率5%以下の気孔とを含むビトリファイドボン
ド砥石であって、前記金属粒子は、700℃での酸化物
の標準生成自由エネルギーΔG゜が−600kJ・mo
l-1O2以上で、平均粒径が10μm以下であり、前記
ビトリファイドボンド相100容量部に対して35〜1
00容量部の割合で分散し、前記砥粒として、ダイヤモ
ンド砥粒及び立方晶窒化ホウ素砥粒のうちの少なくとも
1種の超砥粒と、平均粒径が前記超砥粒と同等ないしそ
れ以下である有効量の炭化ホウ素砥粒を含有するビトリ
ファイドボンド砥石により上記目的を達成することがで
きる。
れば、砥粒と、前記砥粒を保持するビトリファイドボン
ド相と、1種以上の実質的に酸化していない金属粒子
と、体積率5%以下の気孔とを含むビトリファイドボン
ド砥石であって、前記金属粒子は、700℃での酸化物
の標準生成自由エネルギーΔG゜が−600kJ・mo
l-1O2以上で、平均粒径が10μm以下であり、前記
ビトリファイドボンド相100容量部に対して35〜1
00容量部の割合で分散し、前記砥粒として、ダイヤモ
ンド砥粒及び立方晶窒化ホウ素砥粒のうちの少なくとも
1種の超砥粒と、平均粒径が前記超砥粒と同等ないしそ
れ以下である有効量の炭化ホウ素砥粒を含有するビトリ
ファイドボンド砥石により上記目的を達成することがで
きる。
【0015】上記本発明の砥石では、全砥粒に占める炭
化ホウ素砥粒の割合を20〜80容量%にすることがで
きる。また、前記金属粒子の熱膨張係数を0〜100℃
で10〜20×10-6℃-1の範囲にすることができる。
また、二硫化モリブデン、潤滑性窒化ホウ素(六方晶、
乱層構造等の立方晶以外の潤滑性のもの)、及び黒鉛か
ら選択される1種以上の潤滑剤を体積率0.05〜5%
含むことができる。
化ホウ素砥粒の割合を20〜80容量%にすることがで
きる。また、前記金属粒子の熱膨張係数を0〜100℃
で10〜20×10-6℃-1の範囲にすることができる。
また、二硫化モリブデン、潤滑性窒化ホウ素(六方晶、
乱層構造等の立方晶以外の潤滑性のもの)、及び黒鉛か
ら選択される1種以上の潤滑剤を体積率0.05〜5%
含むことができる。
【0016】また、本発明の第2の視点によれば、砥粒
と、ビトリファイドボンド相源となる粉末と、1種以上
の金属粒子とを含む混合粉末を、通電加熱焼結法により
前記金属粒子が実質的に化学反応しない条件で焼結する
ビトリファイドボンド砥石の製造方法であって、前記金
属粒子として、700℃での酸化物の標準生成自由エネ
ルギーΔG゜が−600kJ・mol-1O2以上で、平
均粒径が10μm以下である金属粒子を、前記ビトリフ
ァイドボンド相源となる粉末100容量部に対して35
〜100容量部の割合で用い、前記砥粒として、ダイヤ
モンド砥粒及び立方晶窒化ホウ素砥粒のうちの少なくと
も1種の超砥粒と、平均粒径が前記超砥粒と同等ないし
それ以下である有効量の炭化ホウ素砥粒を含有する砥粒
を用いるビトリファイドボンド砥石の製造方法により上
記目的を達成することができる。
と、ビトリファイドボンド相源となる粉末と、1種以上
の金属粒子とを含む混合粉末を、通電加熱焼結法により
前記金属粒子が実質的に化学反応しない条件で焼結する
ビトリファイドボンド砥石の製造方法であって、前記金
属粒子として、700℃での酸化物の標準生成自由エネ
ルギーΔG゜が−600kJ・mol-1O2以上で、平
均粒径が10μm以下である金属粒子を、前記ビトリフ
ァイドボンド相源となる粉末100容量部に対して35
〜100容量部の割合で用い、前記砥粒として、ダイヤ
モンド砥粒及び立方晶窒化ホウ素砥粒のうちの少なくと
も1種の超砥粒と、平均粒径が前記超砥粒と同等ないし
それ以下である有効量の炭化ホウ素砥粒を含有する砥粒
を用いるビトリファイドボンド砥石の製造方法により上
記目的を達成することができる。
【0017】上記本発明の製造方法では、前記砥粒とし
て、全砥粒に占める炭化ホウ素砥粒の割合が20〜80
容量%である砥粒を用いることができる。なお、本発明
において数値範囲の記載は、両端値のみならず、その中
に含まれる全ての任意の中間値を含むものとする。以
下、本発明の着想について説明する。
て、全砥粒に占める炭化ホウ素砥粒の割合が20〜80
容量%である砥粒を用いることができる。なお、本発明
において数値範囲の記載は、両端値のみならず、その中
に含まれる全ての任意の中間値を含むものとする。以
下、本発明の着想について説明する。
【0018】本発明者は、砥粒と、前記砥粒を保持する
ビトリファイドボンド相と、700℃での酸化物の標準
生成自由エネルギーΔG゜が−600kJ・mol-1O
2以上であって焼成時に実質的に酸化されず、平均粒径
が10μm以下であり、かつ、前記ビトリファイドボン
ド相100容量部に対して35〜100容量部が該ビト
リファイドボンド相中に微細に分散して存在する1種又
は2種以上の金属粒子と、砥石中体積率5%以下の気孔
と、を含むビトリファイドボンド砥石は、上記目的を達
成することができるということを見出した。
ビトリファイドボンド相と、700℃での酸化物の標準
生成自由エネルギーΔG゜が−600kJ・mol-1O
2以上であって焼成時に実質的に酸化されず、平均粒径
が10μm以下であり、かつ、前記ビトリファイドボン
ド相100容量部に対して35〜100容量部が該ビト
リファイドボンド相中に微細に分散して存在する1種又
は2種以上の金属粒子と、砥石中体積率5%以下の気孔
と、を含むビトリファイドボンド砥石は、上記目的を達
成することができるということを見出した。
【0019】しかしながら、上記砥石は、次のような欠
点を有することが判明した。即ち、上記砥石において、
高価な超砥粒を用いる場合には、超砥粒の集中度(含有
率)を下げた砥石を製造したいという要求があるので、
単純に超砥粒の集中度を下げた砥石を製造したところ、
このような低集中度の砥石は、研削時において1個1個
の超砥粒にかかる負荷が大きくなり超砥粒が脱粒しやす
くなり、また、超砥粒を十分に分散させて製造すること
が困難なので超砥粒の分布の乱れ(分散むら)が性能低
下につながり、安定した性能を得ることができないので
ある。
点を有することが判明した。即ち、上記砥石において、
高価な超砥粒を用いる場合には、超砥粒の集中度(含有
率)を下げた砥石を製造したいという要求があるので、
単純に超砥粒の集中度を下げた砥石を製造したところ、
このような低集中度の砥石は、研削時において1個1個
の超砥粒にかかる負荷が大きくなり超砥粒が脱粒しやす
くなり、また、超砥粒を十分に分散させて製造すること
が困難なので超砥粒の分布の乱れ(分散むら)が性能低
下につながり、安定した性能を得ることができないので
ある。
【0020】そこで、本発明者は、上記砥石において、
超砥粒の集中度を低下させた分を炭化ホウ素砥粒で補
い、超砥粒の集中度は低下させるが砥石における全ての
砥粒の含有率は一定以上に保つことにより、上記欠点を
解消できるということを見出し本発明を完成するに至っ
た。即ち、砥石における超砥粒の一部を炭化ホウ素砥粒
で置き換えることにより、超砥粒の集中度を低下させる
ことが可能になると共に炭化ホウ素砥粒も砥粒として働
くので、1個1個の砥粒にかかる負荷を低下させること
ができる。よって、耐用(砥石の寿命)を大きく低下さ
せないで、価格をさげることができ、また、超砥粒を用
い砥粒率が同程度の従来の砥石と比較して切味も向上し
ているのである。
超砥粒の集中度を低下させた分を炭化ホウ素砥粒で補
い、超砥粒の集中度は低下させるが砥石における全ての
砥粒の含有率は一定以上に保つことにより、上記欠点を
解消できるということを見出し本発明を完成するに至っ
た。即ち、砥石における超砥粒の一部を炭化ホウ素砥粒
で置き換えることにより、超砥粒の集中度を低下させる
ことが可能になると共に炭化ホウ素砥粒も砥粒として働
くので、1個1個の砥粒にかかる負荷を低下させること
ができる。よって、耐用(砥石の寿命)を大きく低下さ
せないで、価格をさげることができ、また、超砥粒を用
い砥粒率が同程度の従来の砥石と比較して切味も向上し
ているのである。
【0021】上記砥石の砥粒として超砥粒を用いた場
合、その超砥粒の一部として炭化ホウ素砥粒以外の他の
フィラー材(充填材)、例えば、炭化ケイ素(SiC)
やアルミナ(Al2O3)を用いることも考えられるが、
本発明で炭化ホウ素(B4C)を選択した理由は、炭化
ホウ素がSiCやAl2O3よりも導電性が高いので、製
造方法として通電加熱焼結法(抵抗焼結、プラズマ放電
焼結等)を用いた場合、焼結性が向上し、マトリックス
を緻密とするため、超砥粒の保持力がより高くなり耐用
性改善に貢献するからである。炭化ホウ素(B4C)、
炭化ケイ素、及びアルミナのそれぞれのHV硬さ及び電
気抵抗(Ω・cm)を表1に示す。
合、その超砥粒の一部として炭化ホウ素砥粒以外の他の
フィラー材(充填材)、例えば、炭化ケイ素(SiC)
やアルミナ(Al2O3)を用いることも考えられるが、
本発明で炭化ホウ素(B4C)を選択した理由は、炭化
ホウ素がSiCやAl2O3よりも導電性が高いので、製
造方法として通電加熱焼結法(抵抗焼結、プラズマ放電
焼結等)を用いた場合、焼結性が向上し、マトリックス
を緻密とするため、超砥粒の保持力がより高くなり耐用
性改善に貢献するからである。炭化ホウ素(B4C)、
炭化ケイ素、及びアルミナのそれぞれのHV硬さ及び電
気抵抗(Ω・cm)を表1に示す。
【0022】
【表1】
【0023】本発明の一視点における製造方法では、通
電加熱焼結法を用いる。その理由は、次のとおりであ
る。炭化ホウ素(B4C)砥粒は、HV硬度で3000
という、ダイヤモンド砥粒、CBN砥粒に次ぐ硬度を持
ちながら酸化分解されやすく、特に細粒では600℃程
度で酸化することから、通常のビトリファイド砥石とし
て、製造することが難しかった。例えば、有気孔のビト
リファイド砥石を製造する場合のように、窯で数時間に
わたって焼結すると、炭化ホウ素砥粒(特に、細粒の炭
化ホウ素砥粒)は、化学反応する(例えば、雰囲気中の
酸素と反応し酸化分解する)ため製造が困難である。し
かし、通電加熱焼結法によれば、比較的低温かつ短時間
で炭化ホウ素砥粒の化学反応なしに本発明のビトリファ
イドボンド砥石を簡単に製造することができるのであ
る。従って、本発明のビトリファイドボンド砥石及びそ
の製造方法によれば、硬度がSiC砥粒と超砥粒との間
にあって従来あまり使用されてこなかった炭化ホウ素砥
粒を有効に活用することができるようになるのである。
電加熱焼結法を用いる。その理由は、次のとおりであ
る。炭化ホウ素(B4C)砥粒は、HV硬度で3000
という、ダイヤモンド砥粒、CBN砥粒に次ぐ硬度を持
ちながら酸化分解されやすく、特に細粒では600℃程
度で酸化することから、通常のビトリファイド砥石とし
て、製造することが難しかった。例えば、有気孔のビト
リファイド砥石を製造する場合のように、窯で数時間に
わたって焼結すると、炭化ホウ素砥粒(特に、細粒の炭
化ホウ素砥粒)は、化学反応する(例えば、雰囲気中の
酸素と反応し酸化分解する)ため製造が困難である。し
かし、通電加熱焼結法によれば、比較的低温かつ短時間
で炭化ホウ素砥粒の化学反応なしに本発明のビトリファ
イドボンド砥石を簡単に製造することができるのであ
る。従って、本発明のビトリファイドボンド砥石及びそ
の製造方法によれば、硬度がSiC砥粒と超砥粒との間
にあって従来あまり使用されてこなかった炭化ホウ素砥
粒を有効に活用することができるようになるのである。
【0024】本発明によるビトリファイドボンド砥石は
以下のような利点を有する。(1)焼結時に酸化されに
くい前記特定の金属粒子を含有し、焼結時における前記
金属粒子の変質が防止されているため、前記金属粒子は
粒径が小さい微細なものを選択して製造することができ
る。(2)含有する前記特定の金属粒子の粒径が微細で
あることにより、ボンドマトリックスが緻密・均一とな
る。(3)ボンドマトリックスが緻密・均一であるた
め、十分な砥粒保持力が得られる。(4)十分な砥粒保
持力が得られるため、ビトリファイドボンド(ガラス)
に対する前記特定の金属粒子の含有量を増加することが
できる。(5)前記特定の金属粒子の存在比が高いこと
により、ボンドマトリックスの硬さが柔らかくなる。ま
た、前記特定の金属粒子の存在比の調節により、ボンド
マトリックスの硬さをコントロールすることができる。
(6)斯くして、砥粒保持力・切れ味の両立が達成され
る。
以下のような利点を有する。(1)焼結時に酸化されに
くい前記特定の金属粒子を含有し、焼結時における前記
金属粒子の変質が防止されているため、前記金属粒子は
粒径が小さい微細なものを選択して製造することができ
る。(2)含有する前記特定の金属粒子の粒径が微細で
あることにより、ボンドマトリックスが緻密・均一とな
る。(3)ボンドマトリックスが緻密・均一であるた
め、十分な砥粒保持力が得られる。(4)十分な砥粒保
持力が得られるため、ビトリファイドボンド(ガラス)
に対する前記特定の金属粒子の含有量を増加することが
できる。(5)前記特定の金属粒子の存在比が高いこと
により、ボンドマトリックスの硬さが柔らかくなる。ま
た、前記特定の金属粒子の存在比の調節により、ボンド
マトリックスの硬さをコントロールすることができる。
(6)斯くして、砥粒保持力・切れ味の両立が達成され
る。
【0025】次に、本発明によるビトリファイドボンド
砥石を用いた研削加工時の現象を説明する。すなわち、
本発明によるビトリファイドボンド砥石で被削材を研削
すると、被削材の被削面上の凹凸によりビトリファイド
ボンドからなる結合相も削られ後退していき、新たな砥
粒ないし砥粒の新たな切れ刃部分が出現する。これと共
に、結合相中に分散されている金属粒子も砥石表面から
徐々に放出される。放出された金属粒子は、遊離砥粒と
して機能して、被削材を研磨する。このような金属粒子
の研削補助効果により被削材の仕上げ面の面粗度が向上
される。また、金属粒子の放出により砥石面にチップポ
ケットが形成され、斯くして砥石面と被削材との接触面
積が減少することにより、研削抵抗がさらに低下する。
従って、本発明によるビトリファイドボンド砥石は研削
能力及び研削精度の両方が優れている。
砥石を用いた研削加工時の現象を説明する。すなわち、
本発明によるビトリファイドボンド砥石で被削材を研削
すると、被削材の被削面上の凹凸によりビトリファイド
ボンドからなる結合相も削られ後退していき、新たな砥
粒ないし砥粒の新たな切れ刃部分が出現する。これと共
に、結合相中に分散されている金属粒子も砥石表面から
徐々に放出される。放出された金属粒子は、遊離砥粒と
して機能して、被削材を研磨する。このような金属粒子
の研削補助効果により被削材の仕上げ面の面粗度が向上
される。また、金属粒子の放出により砥石面にチップポ
ケットが形成され、斯くして砥石面と被削材との接触面
積が減少することにより、研削抵抗がさらに低下する。
従って、本発明によるビトリファイドボンド砥石は研削
能力及び研削精度の両方が優れている。
【0026】また、本発明によるビトリファイドボンド
砥石においては、ビトリファイドボンドからなる結合相
中に金属粒子が微細に分散しているため、研削中に結合
相は適度に後退し、良好な切れ味が持続される。さら
に、ビトリファイドボンドは砥粒と化学的に結合してい
るため、砥粒保持力が高く、砥石摩耗量が少ない。
砥石においては、ビトリファイドボンドからなる結合相
中に金属粒子が微細に分散しているため、研削中に結合
相は適度に後退し、良好な切れ味が持続される。さら
に、ビトリファイドボンドは砥粒と化学的に結合してい
るため、砥粒保持力が高く、砥石摩耗量が少ない。
【0027】本発明によるビトリファイドボンド砥石
は、砥石の緻密性、研削能率が高く、加工精度も高いた
め、切込量や切込速度などの研削条件に対する制限が緩
和され、既存の研削加工装置を用いることができる。
は、砥石の緻密性、研削能率が高く、加工精度も高いた
め、切込量や切込速度などの研削条件に対する制限が緩
和され、既存の研削加工装置を用いることができる。
【0028】また、本発明によるビトリファイドボンド
砥石においては、添加する金属粒子の熱膨張係数αを選
択することによって、ビトリファイドボンドからなる結
合相の後退度を制御することができる。金属粒子の熱膨
張係数αがビトリファイドボンドのそれに比べて大きす
ぎる場合は、本発明のビトリファイドボンド砥石を製造
する際の焼結時、あるいは製造後の研削加工時に結合相
のマトリックスと金属粒子の界面にクラックが発生し、
研削加工時に結合相がすぐに後退するため、砥石摩耗が
大きくなる。金属粒子の熱膨張係数αをビトリファイド
ボンドのそれと整合させることにより、上述の金属粒子
の添加効果が一層発揮される。
砥石においては、添加する金属粒子の熱膨張係数αを選
択することによって、ビトリファイドボンドからなる結
合相の後退度を制御することができる。金属粒子の熱膨
張係数αがビトリファイドボンドのそれに比べて大きす
ぎる場合は、本発明のビトリファイドボンド砥石を製造
する際の焼結時、あるいは製造後の研削加工時に結合相
のマトリックスと金属粒子の界面にクラックが発生し、
研削加工時に結合相がすぐに後退するため、砥石摩耗が
大きくなる。金属粒子の熱膨張係数αをビトリファイド
ボンドのそれと整合させることにより、上述の金属粒子
の添加効果が一層発揮される。
【0029】
【発明の実施の形態】次に、本発明の好ましい実施の形
態を説明する。
態を説明する。
【0030】〔ビトリファイドボンド砥石〕本発明のビ
トリファイドボンド砥石は、砥粒として、ダイヤモンド
砥粒及び立方晶窒化ホウ素砥粒のうちの少なくとも1種
の超砥粒と、有効量の炭化ホウ素砥粒(組成B4Cの砥
粒)を含有する。本発明のビトリファイドボンド砥石が
含有する全砥粒に占める炭化ホウ素砥粒の含有率は、好
ましくは、20〜80容量%にする。炭化ホウ素砥粒の
前記含有率は、20容量%以上でないと低コスト化のメ
リットが小さい傾向があり、逆に、80容量%を越える
と、超砥粒の含有率が少なすぎ、耐用が十分なものとな
らない傾向がある。
トリファイドボンド砥石は、砥粒として、ダイヤモンド
砥粒及び立方晶窒化ホウ素砥粒のうちの少なくとも1種
の超砥粒と、有効量の炭化ホウ素砥粒(組成B4Cの砥
粒)を含有する。本発明のビトリファイドボンド砥石が
含有する全砥粒に占める炭化ホウ素砥粒の含有率は、好
ましくは、20〜80容量%にする。炭化ホウ素砥粒の
前記含有率は、20容量%以上でないと低コスト化のメ
リットが小さい傾向があり、逆に、80容量%を越える
と、超砥粒の含有率が少なすぎ、耐用が十分なものとな
らない傾向がある。
【0031】本発明のビトリファイドボンド砥石では、
前記炭化ホウ素砥粒の平均粒径は前記超砥粒の平均粒径
と同等ないしそれ以下にする。炭化ホウ素砥粒は、副砥
粒として働くため、超砥粒よりも平均粒径が大きい炭化
ホウ素砥粒を砥石に含有させた場合には、前記平均粒径
が大きい炭化ホウ素砥粒の脱落によりマトリックス強度
の低下の影響が大きくなる。
前記炭化ホウ素砥粒の平均粒径は前記超砥粒の平均粒径
と同等ないしそれ以下にする。炭化ホウ素砥粒は、副砥
粒として働くため、超砥粒よりも平均粒径が大きい炭化
ホウ素砥粒を砥石に含有させた場合には、前記平均粒径
が大きい炭化ホウ素砥粒の脱落によりマトリックス強度
の低下の影響が大きくなる。
【0032】前記超砥粒が平均粒径の相違する2種以上
の超砥粒を含有する場合には、前記炭化ホウ素砥粒の平
均粒径は、前記2種以上の超砥粒のそれぞれの平均粒径
のうちの最も小さい平均粒径に対して同等ないしそれ以
下にする。
の超砥粒を含有する場合には、前記炭化ホウ素砥粒の平
均粒径は、前記2種以上の超砥粒のそれぞれの平均粒径
のうちの最も小さい平均粒径に対して同等ないしそれ以
下にする。
【0033】本発明によるビトリファイドボンド砥石
は、その好ましい実施の形態において、砥石中、ビトリ
ファイドボンド相100容量部に対して、金属粒子を3
5〜100容量部、より好ましくは40〜90容量部、
さらに好ましくは50〜80容量部とする。ビトリファ
イドボンド相100容量部に対して金属粒子が35容量
部未満存在する場合には、研削補助効果やチップポケッ
ト生成源としての効果が低い傾向がある。一方、ビトリ
ファイドボンド相100容量部に対して、金属粒子が1
00容量部より多く存在する場合には、砥粒の保持力が
低下し、砥石摩耗量が大きくなる傾向がある。
は、その好ましい実施の形態において、砥石中、ビトリ
ファイドボンド相100容量部に対して、金属粒子を3
5〜100容量部、より好ましくは40〜90容量部、
さらに好ましくは50〜80容量部とする。ビトリファ
イドボンド相100容量部に対して金属粒子が35容量
部未満存在する場合には、研削補助効果やチップポケッ
ト生成源としての効果が低い傾向がある。一方、ビトリ
ファイドボンド相100容量部に対して、金属粒子が1
00容量部より多く存在する場合には、砥粒の保持力が
低下し、砥石摩耗量が大きくなる傾向がある。
【0034】本発明のビトリファイドボンド砥石では、
好ましくは、ビトリファイドボンドから主として構成さ
れる結合相を実質的に無気孔とする。これによって、砥
粒の保持力が向上され、砥石摩耗量が減少され、砥石の
強度も向上される。
好ましくは、ビトリファイドボンドから主として構成さ
れる結合相を実質的に無気孔とする。これによって、砥
粒の保持力が向上され、砥石摩耗量が減少され、砥石の
強度も向上される。
【0035】本発明のビトリファイドボンド砥石には、
好ましくは5体積%以上の超砥粒を含有させ、より好ま
しくは5〜30体積%の超砥粒を含有させる。
好ましくは5体積%以上の超砥粒を含有させ、より好ま
しくは5〜30体積%の超砥粒を含有させる。
【0036】本発明のビトリファイドボンド砥石は、5
容量%以下(好ましくは3容量%以下、より好ましくは
1容量%以下)の気孔を含有することができる。
容量%以下(好ましくは3容量%以下、より好ましくは
1容量%以下)の気孔を含有することができる。
【0037】[好適な用途]本発明によるビトリファイ
ドボンド砥石は、仕上げ加工、超仕上げ加工用に好適で
ある。又、ホーニング加工用(研削用)としても好適に
用いられる。図1は、本発明の砥石の一実施例の棒状の
ホーニング加工用砥石の斜視図である。図1のホーニン
グ加工用砥石は、台金2の外周面に、複数の本発明によ
るビトリファイドボンド砥石1(セグメント砥石)が接
合されたものである。
ドボンド砥石は、仕上げ加工、超仕上げ加工用に好適で
ある。又、ホーニング加工用(研削用)としても好適に
用いられる。図1は、本発明の砥石の一実施例の棒状の
ホーニング加工用砥石の斜視図である。図1のホーニン
グ加工用砥石は、台金2の外周面に、複数の本発明によ
るビトリファイドボンド砥石1(セグメント砥石)が接
合されたものである。
【0038】本発明によるビトリファイドボンド砥石
は、ワークを研削することによる自生発刃が良好である
ため、ホーニング加工用砥石など、ノードレスで使用さ
れる砥石として好適に用いられる。なお、本発明は、図
1に示したような形態に限られず、種々の形態で実施可
能であり、例えば、任意の形状の砥石に本発明を適用す
ることができる。
は、ワークを研削することによる自生発刃が良好である
ため、ホーニング加工用砥石など、ノードレスで使用さ
れる砥石として好適に用いられる。なお、本発明は、図
1に示したような形態に限られず、種々の形態で実施可
能であり、例えば、任意の形状の砥石に本発明を適用す
ることができる。
【0039】〔ビトリファイドボンド砥石の製造方法〕
次に、本発明による好ましいビトリファイドボンド砥石
の製造方法を説明する。
次に、本発明による好ましいビトリファイドボンド砥石
の製造方法を説明する。
【0040】本発明のビトリファイドボンド砥石の製造
方法では、上述したような本発明で特定する砥粒、ビト
リファイドボンド相源となる粉末と、前記特定の金属粒
子の混合粉末を通電加熱焼結法により焼結する。前記混
合粉末における各原料の配合比は、製造しようとする本
発明のビトリファイドボンド砥石の構造に応じて適宜設
定する。
方法では、上述したような本発明で特定する砥粒、ビト
リファイドボンド相源となる粉末と、前記特定の金属粒
子の混合粉末を通電加熱焼結法により焼結する。前記混
合粉末における各原料の配合比は、製造しようとする本
発明のビトリファイドボンド砥石の構造に応じて適宜設
定する。
【0041】通電加熱焼結法としては、例えば、抵抗焼
結、プラズマ放電焼結、真空加圧焼結等の各方法があ
る。前記混合粉末に対する加圧力は、得られる焼結体の
気孔率が5容量%以下になるように(好ましくは、実質
的に気孔が消滅するように)予備実験により適宜設定す
るべきである。焼結条件は、ビトリファイドボンド相源
となる粉末の組成によっても異なるが、加圧力を5〜5
0MPa、最高温度を550〜900℃、保持時間は6
00℃以上が20分以下(さらには10分以下)が好ま
しい。焼結は、大気雰囲気、不活性雰囲気のいずれにお
いても可能である。
結、プラズマ放電焼結、真空加圧焼結等の各方法があ
る。前記混合粉末に対する加圧力は、得られる焼結体の
気孔率が5容量%以下になるように(好ましくは、実質
的に気孔が消滅するように)予備実験により適宜設定す
るべきである。焼結条件は、ビトリファイドボンド相源
となる粉末の組成によっても異なるが、加圧力を5〜5
0MPa、最高温度を550〜900℃、保持時間は6
00℃以上が20分以下(さらには10分以下)が好ま
しい。焼結は、大気雰囲気、不活性雰囲気のいずれにお
いても可能である。
【0042】なお、本発明の製造方法では、例えばプラ
ズマ放電焼結装置(例えば特公昭45−22206号公
報に開示)を使用することが好ましい。この装置を用い
た方法によれば焼結時間を非常に短縮できるため、添加
した金属粒子の酸化や反応を回避することができる。焼
結時の時間としては、600℃から最高温度に到達する
までの時間、最高温度での保持時間、最高温度から60
0℃までの降温時間の合計を10分以下とすることが好
ましい。
ズマ放電焼結装置(例えば特公昭45−22206号公
報に開示)を使用することが好ましい。この装置を用い
た方法によれば焼結時間を非常に短縮できるため、添加
した金属粒子の酸化や反応を回避することができる。焼
結時の時間としては、600℃から最高温度に到達する
までの時間、最高温度での保持時間、最高温度から60
0℃までの降温時間の合計を10分以下とすることが好
ましい。
【0043】特に、プラズマ放電焼結法を用いることに
より、従来の成形後焼成というプロセスでは作製不可能
であった組成のビトリファイドボンド砥石が製造でき
る。
より、従来の成形後焼成というプロセスでは作製不可能
であった組成のビトリファイドボンド砥石が製造でき
る。
【0044】焼結時に用いる型を製品形状とすること
で、ニアネット焼結で砥石を製造することができる。こ
の方法を使用することにより、コスト増大の要因となっ
ている仕上げ加工プロセスを省略することができる。
で、ニアネット焼結で砥石を製造することができる。こ
の方法を使用することにより、コスト増大の要因となっ
ている仕上げ加工プロセスを省略することができる。
【0045】[原料]次に、本発明のビトリファイドボ
ンド砥石を製造する際の好ましい原料について説明す
る。
ンド砥石を製造する際の好ましい原料について説明す
る。
【0046】〈金属粒子〉ビトリファイドボンドの熱膨
張係数は、一般的に4〜8×10-6℃-1の範囲である。
よって、金属粒子としては、熱膨張係数αが0〜100
℃で10〜20×10-6℃-1、好ましくは10〜18×
10-6℃-1、より好ましくは10〜17×10-6℃-1の
範囲にあり、融点Tmが1000℃以上であり、700
℃での酸化物の標準生成自由エネルギーΔG゜が−60
0kJ・mol-1O2以上、好ましくは−500kJ・
mol-1O2以上、より好ましくは−400kJ・mo
l-1O2以上のものが望ましい。なお、本発明が規定す
る特性を具備するものであれば、金属粒子として合金粒
子を用いてもよく、二種以上の金属粒子を混合してもよ
い。
張係数は、一般的に4〜8×10-6℃-1の範囲である。
よって、金属粒子としては、熱膨張係数αが0〜100
℃で10〜20×10-6℃-1、好ましくは10〜18×
10-6℃-1、より好ましくは10〜17×10-6℃-1の
範囲にあり、融点Tmが1000℃以上であり、700
℃での酸化物の標準生成自由エネルギーΔG゜が−60
0kJ・mol-1O2以上、好ましくは−500kJ・
mol-1O2以上、より好ましくは−400kJ・mo
l-1O2以上のものが望ましい。なお、本発明が規定す
る特性を具備するものであれば、金属粒子として合金粒
子を用いてもよく、二種以上の金属粒子を混合してもよ
い。
【0047】ビトリファイドボンド砥石、特にノードレ
スで加工が行われる砥石として、好ましくは、金属粒子
の700℃での酸化物の標準生成自由エネルギーΔG゜
を−600kJ・mol-1O2以上、その熱膨張係数α
を0〜100℃で10〜20×10-6℃-1とする。
スで加工が行われる砥石として、好ましくは、金属粒子
の700℃での酸化物の標準生成自由エネルギーΔG゜
を−600kJ・mol-1O2以上、その熱膨張係数α
を0〜100℃で10〜20×10-6℃-1とする。
【0048】金属粒子を酸化するのに要するエネルギ
ー、すなわち、酸化物の標準生成自由エネルギーΔG゜
によって、砥石焼結時に金属粒子が変質するか否かが決
まり、変質した場合は、金属粒子の添加効果を十分に得
ることができない。
ー、すなわち、酸化物の標準生成自由エネルギーΔG゜
によって、砥石焼結時に金属粒子が変質するか否かが決
まり、変質した場合は、金属粒子の添加効果を十分に得
ることができない。
【0049】好ましい金属粒子は、例えばCo、Cu、
Ni等の微細な金属粒子である。熱膨張係数α、融点T
m、酸化物の標準生成自由化エネルギーΔG゜の組合せ
から、Coが最も好ましいが、他の金属を選択してもよ
い。
Ni等の微細な金属粒子である。熱膨張係数α、融点T
m、酸化物の標準生成自由化エネルギーΔG゜の組合せ
から、Coが最も好ましいが、他の金属を選択してもよ
い。
【0050】金属粒子の平均粒径は10μm以下が望ま
しい。金属粒子の平均粒径はより好ましくは8μm以
下、さらに好ましくは5μm以下である。金属粒子の平
均粒径が10μmより大きいと、ボンドマトリックスの
緻密性が得られない傾向があるため、十分な砥粒の保持
力が得られない傾向がある。
しい。金属粒子の平均粒径はより好ましくは8μm以
下、さらに好ましくは5μm以下である。金属粒子の平
均粒径が10μmより大きいと、ボンドマトリックスの
緻密性が得られない傾向があるため、十分な砥粒の保持
力が得られない傾向がある。
【0051】〈砥粒〉砥粒としては、ダイヤモンド砥粒
及びCBN砥粒の超砥粒のうちの少なくとも1種と、炭
化ホウ素砥粒を用いる。また、本発明の効果を著しく損
なわない範囲で、アルミナ、炭化ケイ素などの一般砥粒
を用いることもできる。さらに、ゾルゲル焼結法によっ
て得られた砥粒(例えばアルミナ砥粒)を用いてもよ
い。
及びCBN砥粒の超砥粒のうちの少なくとも1種と、炭
化ホウ素砥粒を用いる。また、本発明の効果を著しく損
なわない範囲で、アルミナ、炭化ケイ素などの一般砥粒
を用いることもできる。さらに、ゾルゲル焼結法によっ
て得られた砥粒(例えばアルミナ砥粒)を用いてもよ
い。
【0052】砥粒の平均粒径は使用目的によっても異な
るが、製造上の理由から1〜600μm程度が好まし
い。1μm未満ではビトリファイドボンド及び金属粒子
との混合時に分散性が悪くなり、均一性が低下する傾向
がある。また、600μmより大きいと製造の際の焼結
時に、焼結後に得られる砥石内の気孔率の制御が困難と
なる。
るが、製造上の理由から1〜600μm程度が好まし
い。1μm未満ではビトリファイドボンド及び金属粒子
との混合時に分散性が悪くなり、均一性が低下する傾向
がある。また、600μmより大きいと製造の際の焼結
時に、焼結後に得られる砥石内の気孔率の制御が困難と
なる。
【0053】〈ビトリファイドボンド〉ビトリファイド
ボンドとして、粘土、長石、フラックスを混合したもの
を用いることができる。詳細には、ビトリファイドボン
ドを、ガラスフリット、天然ないし生原料、例えば、ホ
ウ珪酸ソーダガラス、結晶化ガラス、石英ガラスから得
ることができる。ビトリファイドボンドの種類を例示す
ると、ホウケイ酸系ガラス、鉛ホウケイ酸系ガラス(こ
れらは特に超砥粒の場合に適する)、リン酸塩系ガラ
ス、ケイ酸塩系ガラス、その他の酸化物系ガラス、ハラ
イド系ガラス、カルコゲナイド系ガラス、PMMA(ポ
リメタクリル酸メチル)などの有機ガラス、メタロイド
系合金ガラスなどである。さらに、各種の網目形成体、
中間体、網目修飾体を添加してもよい。
ボンドとして、粘土、長石、フラックスを混合したもの
を用いることができる。詳細には、ビトリファイドボン
ドを、ガラスフリット、天然ないし生原料、例えば、ホ
ウ珪酸ソーダガラス、結晶化ガラス、石英ガラスから得
ることができる。ビトリファイドボンドの種類を例示す
ると、ホウケイ酸系ガラス、鉛ホウケイ酸系ガラス(こ
れらは特に超砥粒の場合に適する)、リン酸塩系ガラ
ス、ケイ酸塩系ガラス、その他の酸化物系ガラス、ハラ
イド系ガラス、カルコゲナイド系ガラス、PMMA(ポ
リメタクリル酸メチル)などの有機ガラス、メタロイド
系合金ガラスなどである。さらに、各種の網目形成体、
中間体、網目修飾体を添加してもよい。
【0054】〈潤滑剤〉本発明の好ましい実施形態にお
いて、本発明の砥石は、二硫化モリブデン、六方晶窒化
ホウ素、及び黒鉛から選択される1種又は2種以上の固
体潤滑剤を、体積率で0.05〜5%含むことができ
る。これらの潤滑剤の平均粒径は、好ましくは10μm
以下(より好ましくは8μm以下、さらに好ましくは5
μm以下)にする。なお、焼結を比較的低温から短時間
で行うことにより、上記潤滑剤の変質が防止される。
いて、本発明の砥石は、二硫化モリブデン、六方晶窒化
ホウ素、及び黒鉛から選択される1種又は2種以上の固
体潤滑剤を、体積率で0.05〜5%含むことができ
る。これらの潤滑剤の平均粒径は、好ましくは10μm
以下(より好ましくは8μm以下、さらに好ましくは5
μm以下)にする。なお、焼結を比較的低温から短時間
で行うことにより、上記潤滑剤の変質が防止される。
【0055】
【実施例】次に、本発明の一実施例に係るビトリファイ
ドボンド砥石及びその製造方法を説明する。なお、本発
明は以下の実施例に限定されるものではない。
ドボンド砥石及びその製造方法を説明する。なお、本発
明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0056】[実施例1〜2]CBN砥粒(TYPE−
I 平均粒径22〜36μm)と、Co粉末(平均粒径
1.5μm)と、B4C砥粒(TETRABOR 平均
粒径3〜19μm)と、重量%でSiO2:40〜55
%、Al2O3:10〜20%、B2O3:15〜25%、
Na2O:1〜4%、MgO:2〜8%、Li2O:2〜
8%、CaO:1〜5%を含有するB2O3・Al2O3・
SiO2系のビトリファイドボンド粉末(平均粒径3.
0μm)とを、下記の表2に示す割合(容量比)となる
ように混合し、直径:φ30mm×厚さ:4.5mmの
寸法になるように、大気雰囲気中、温度600℃に2分
間保持、加圧力300kgf/cm2の条件でプラズマ
放電焼結を行い砥石構造の円板を作製した。その円板か
ら幅:3.0mm×厚さ:3.0mm×長さ:20.0
mmの棒状試験片を切り出し、実施例1〜2に係るビト
リファイドボンド砥石片を作製した。
I 平均粒径22〜36μm)と、Co粉末(平均粒径
1.5μm)と、B4C砥粒(TETRABOR 平均
粒径3〜19μm)と、重量%でSiO2:40〜55
%、Al2O3:10〜20%、B2O3:15〜25%、
Na2O:1〜4%、MgO:2〜8%、Li2O:2〜
8%、CaO:1〜5%を含有するB2O3・Al2O3・
SiO2系のビトリファイドボンド粉末(平均粒径3.
0μm)とを、下記の表2に示す割合(容量比)となる
ように混合し、直径:φ30mm×厚さ:4.5mmの
寸法になるように、大気雰囲気中、温度600℃に2分
間保持、加圧力300kgf/cm2の条件でプラズマ
放電焼結を行い砥石構造の円板を作製した。その円板か
ら幅:3.0mm×厚さ:3.0mm×長さ:20.0
mmの棒状試験片を切り出し、実施例1〜2に係るビト
リファイドボンド砥石片を作製した。
【0057】[比較例1〜2]一方、比較例1〜2とし
て、下記の表2に示す割合(容量比)となるように前記
原料粉末を混合する以外は、上記実施例1〜2と同様に
して、比較例1〜2に係るビトリファイドボンド砥石片
を作製した。
て、下記の表2に示す割合(容量比)となるように前記
原料粉末を混合する以外は、上記実施例1〜2と同様に
して、比較例1〜2に係るビトリファイドボンド砥石片
を作製した。
【0058】上記実施例1〜2及び比較例1〜2のそれ
ぞれのビトリファイドボンド砥石片の気孔率(容量%)
と3点曲げ強度(比較例2基準)の物性評価結果、消費
電力、取代、面粗度、研削比の研削試験結果を表2に示
す。
ぞれのビトリファイドボンド砥石片の気孔率(容量%)
と3点曲げ強度(比較例2基準)の物性評価結果、消費
電力、取代、面粗度、研削比の研削試験結果を表2に示
す。
【0059】
【表2】
【0060】実施例1〜2の各砥石片は、比較例1の砥
石片と比較すると、取代が多く、面粗度が小さく、研削
比が高く優れている。なお、消費電力については、実施
例1の砥石片は、比較例1の砥石片より優れているが、
実施例2の砥石片は、比較例1の砥石片よりも多い。
石片と比較すると、取代が多く、面粗度が小さく、研削
比が高く優れている。なお、消費電力については、実施
例1の砥石片は、比較例1の砥石片より優れているが、
実施例2の砥石片は、比較例1の砥石片よりも多い。
【0061】実施例1〜2の砥石片は、比較例2の砥石
片と比較すると、消費電力が少なく、面粗度が細かく、
取代も同等以上であり優れている。また、実施例1の砥
石片は、比較例2の砥石片と比較すると、CBN砥粒の
使用量がおよそ40%程度低く、安価であるにもかかわ
らず、研削比は、比較例2の砥石片と比較すると19%
低いだけである。
片と比較すると、消費電力が少なく、面粗度が細かく、
取代も同等以上であり優れている。また、実施例1の砥
石片は、比較例2の砥石片と比較すると、CBN砥粒の
使用量がおよそ40%程度低く、安価であるにもかかわ
らず、研削比は、比較例2の砥石片と比較すると19%
低いだけである。
【0062】実施例2の砥石片は、B4Cを増やした結
果であるが、比較例2の砥石片と比較すると、取代(研
削量)がかなりふえ、研削比が同等となっているにもか
かわらず、CBN砥粒の含有量が少ないので安価な砥石
である。なお、比較例1の砥石片は取代が少なく使用に
耐えないが、比較例2の砥石片は使用可能である。
果であるが、比較例2の砥石片と比較すると、取代(研
削量)がかなりふえ、研削比が同等となっているにもか
かわらず、CBN砥粒の含有量が少ないので安価な砥石
である。なお、比較例1の砥石片は取代が少なく使用に
耐えないが、比較例2の砥石片は使用可能である。
【0063】
【発明の効果】本発明のビトリファイドボンド砥石は、
前記特定の構成により、ビトリファイドボンド結合相の
構造を緻密・均一とすることができ且つ、ボンドマトリ
ックスの硬さを柔らかくできるため、研削加工時、十分
な砥粒の保持力が発揮されると共に、前記結合相が適度
に後退して自生発刃が起こる。よって、本発明のビトリ
ファイドボンド砥石は、砥石摩耗量が少なく、切れ味も
良好である。これらの効果により、研削加工条件に対す
る制限が緩和され、被研削材や研削加工装置の態様に応
じた最適の加工条件が設定できるようになる。ビトリフ
ァイドボンドからなる緻密な結合相を形成しても、これ
らの効果は維持される。
前記特定の構成により、ビトリファイドボンド結合相の
構造を緻密・均一とすることができ且つ、ボンドマトリ
ックスの硬さを柔らかくできるため、研削加工時、十分
な砥粒の保持力が発揮されると共に、前記結合相が適度
に後退して自生発刃が起こる。よって、本発明のビトリ
ファイドボンド砥石は、砥石摩耗量が少なく、切れ味も
良好である。これらの効果により、研削加工条件に対す
る制限が緩和され、被研削材や研削加工装置の態様に応
じた最適の加工条件が設定できるようになる。ビトリフ
ァイドボンドからなる緻密な結合相を形成しても、これ
らの効果は維持される。
【0064】また、本発明のビトリファイドボンド砥石
は、超砥粒の含有率が小さい場合でも、研削中に超砥粒
が十分摩滅しない前に異常に早く脱粒してしまうことを
防止することができるので、砥石の寿命は大きく低下せ
ず、適正な寿命を有する。さらに、本発明のビトリファ
イドボンド砥石の構成によれば、超砥粒の含有率が小さ
い場合でも、砥粒を均一に分布させて製造することがで
きるので、砥石の性能低下を防止することができ、安定
した性能を得ることができる。
は、超砥粒の含有率が小さい場合でも、研削中に超砥粒
が十分摩滅しない前に異常に早く脱粒してしまうことを
防止することができるので、砥石の寿命は大きく低下せ
ず、適正な寿命を有する。さらに、本発明のビトリファ
イドボンド砥石の構成によれば、超砥粒の含有率が小さ
い場合でも、砥粒を均一に分布させて製造することがで
きるので、砥石の性能低下を防止することができ、安定
した性能を得ることができる。
【0065】また、本発明によるビトリファイドボンド
砥石においては、所定範囲の熱膨張係数を有する金属粒
子を用いることによって、製造する際の焼結時、あるい
は製造後の研削加工時に、ビトリファイドボンドからな
るマトリックスと金属粒子の界面にクラックが発生せ
ず、砥石の強度低下が防止されると共に、砥石の摩耗が
減少される。さらに、添加する金属粒子の熱膨張係数を
選択することにより、被研削材や研削加工装置の態様に
応じて、結合相の後退度を制御することが可能である。
砥石においては、所定範囲の熱膨張係数を有する金属粒
子を用いることによって、製造する際の焼結時、あるい
は製造後の研削加工時に、ビトリファイドボンドからな
るマトリックスと金属粒子の界面にクラックが発生せ
ず、砥石の強度低下が防止されると共に、砥石の摩耗が
減少される。さらに、添加する金属粒子の熱膨張係数を
選択することにより、被研削材や研削加工装置の態様に
応じて、結合相の後退度を制御することが可能である。
【0066】本発明のビトリファイドボンド砥石の製造
方法によれば、上記効果を有する本発明のビトリファイ
ドボンド砥石を簡単に製造することができる。本発明の
ビトリファイドボンド砥石及びその製造方法の各々によ
れば、従来使用されることが少なかった炭化ケイ素砥粒
を有効に活用することができる。
方法によれば、上記効果を有する本発明のビトリファイ
ドボンド砥石を簡単に製造することができる。本発明の
ビトリファイドボンド砥石及びその製造方法の各々によ
れば、従来使用されることが少なかった炭化ケイ素砥粒
を有効に活用することができる。
【図1】本発明の砥石の一実施例の棒状のホーニング加
工用砥石の斜視図である。
工用砥石の斜視図である。
1 ビトリファイドボンド砥石(セグメント砥石) 2 台金
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B24D 3/02 310 B24D 3/02 310A
Claims (6)
- 【請求項1】砥粒と、前記砥粒を保持するビトリファイ
ドボンド相と、1種以上の実質的に酸化していない金属
粒子と、体積率5%以下の気孔とを含むビトリファイド
ボンド砥石であって、 前記金属粒子は、700℃での酸化物の標準生成自由エ
ネルギーΔG゜が−600kJ・mol-1O2以上で、
平均粒径が10μm以下であり、前記ビトリファイドボ
ンド相100容量部に対して35〜100容量部の割合
で分散し、 前記砥粒として、ダイヤモンド砥粒及び立方晶窒化ホウ
素砥粒のうちの少なくとも1種の超砥粒と、平均粒径が
前記超砥粒と同等ないしそれ以下である有効量の炭化ホ
ウ素砥粒を含有することを特徴とするビトリファイドボ
ンド砥石。 - 【請求項2】全砥粒に占める炭化ホウ素砥粒の割合が2
0〜80容量%であることを特徴とする請求項1に記載
のビトリファイドボンド砥石。 - 【請求項3】前記金属粒子の熱膨張係数が0〜100℃
で10〜20×10-6℃-1の範囲にあることを特徴とす
る請求項1〜2のいずれか一に記載のビトリファイドボ
ンド砥石。 - 【請求項4】二硫化モリブデン、潤滑性窒化ホウ素、及
び黒鉛から選択される1種以上の潤滑剤を体積率0.0
5〜5%含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか
一に記載のビトリファイドボンド砥石。 - 【請求項5】砥粒と、ビトリファイドボンド相源となる
粉末と、1種以上の金属粒子とを含む混合粉末を、通電
加熱焼結法により前記金属粒子が実質的に化学反応しな
い条件で焼結するビトリファイドボンド砥石の製造方法
であって、 前記金属粒子として、700℃での酸化物の標準生成自
由エネルギーΔG゜が−600kJ・mol-1O2以上
で、平均粒径が10μm以下である金属粒子を、前記ビ
トリファイドボンド相源となる粉末100容量部に対し
て35〜100容量部の割合で用い、 前記砥粒として、ダイヤモンド砥粒及び立方晶窒化ホウ
素砥粒のうちの少なくとも1種の超砥粒と、平均粒径が
前記超砥粒と同等ないしそれ以下である有効量の炭化ホ
ウ素砥粒を含有する砥粒を用いることを特徴とするビト
リファイドボンド砥石の製造方法。 - 【請求項6】前記砥粒として、全砥粒に占める炭化ホウ
素砥粒の割合が20〜80容量%である砥粒を用いるこ
とを特徴とする請求項5に記載のビトリファイドボンド
砥石の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17818499A JP2001009732A (ja) | 1999-06-24 | 1999-06-24 | ビトリファイドボンド砥石及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17818499A JP2001009732A (ja) | 1999-06-24 | 1999-06-24 | ビトリファイドボンド砥石及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001009732A true JP2001009732A (ja) | 2001-01-16 |
Family
ID=16044078
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17818499A Withdrawn JP2001009732A (ja) | 1999-06-24 | 1999-06-24 | ビトリファイドボンド砥石及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001009732A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101231110B1 (ko) * | 2005-06-15 | 2013-02-07 | 가부시기가이샤 디스코 | 비트리파이드 본드 숫돌 및 그 제조방법 |
JP2016147359A (ja) * | 2015-02-13 | 2016-08-18 | 株式会社ディスコ | 研削砥石 |
JP2017001136A (ja) * | 2015-06-10 | 2017-01-05 | 株式会社ディスコ | 研削砥石 |
US9941536B2 (en) | 2012-10-09 | 2018-04-10 | Honda Motor Co., Ltd. | Fuel cell module |
-
1999
- 1999-06-24 JP JP17818499A patent/JP2001009732A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101231110B1 (ko) * | 2005-06-15 | 2013-02-07 | 가부시기가이샤 디스코 | 비트리파이드 본드 숫돌 및 그 제조방법 |
US9941536B2 (en) | 2012-10-09 | 2018-04-10 | Honda Motor Co., Ltd. | Fuel cell module |
JP2016147359A (ja) * | 2015-02-13 | 2016-08-18 | 株式会社ディスコ | 研削砥石 |
JP2017001136A (ja) * | 2015-06-10 | 2017-01-05 | 株式会社ディスコ | 研削砥石 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20060905 |