JP3703228B2 - ダイヤモンド砥石とその製造方法および工具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に難研削材料の精密研磨・研削などに適したダイヤモンド砥石に関するものであり、特に高い研削効率と平滑仕上げ性とを有すると共に、砥石の損耗が少なく、かつ目立てが容易なダイヤモンド砥石とその製造方法、およびこのダイヤモンド砥石を用いた工具に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、Si3N4、アルミナ、ジルコニア、Al2O3・TiCセラミックスなど難研削性のセラミックスや超硬合金がさまざまな分野で多用されるようになり、これら難研削材料の研磨・研削(以下、「加工」という)が製品コストの中で大きなウエイトを占めるようになってきている。
【0003】
従来、これらの難研削材料の加工には、砥粒としてダイヤモンドなど高硬度を有するいわゆる「超砥粒」を用いた砥石が用いられ、被加工物の材質、寸法、形状、研磨度、取りしろ、加工能率、加工精度、加工品質などさまざまな要求に対応して、その加工方式や研削盤が決められ、それと同時に最も有効とされる砥石の形状、寸法、仕様が決定される。
【0004】
超砥粒を含む砥石は「超砥粒砥石」と呼ばれ、一般に、超砥粒を結合材によって保持して構成され、その結合材の種類によって、例えば結合材として合成樹脂を用いたレジンボンド砥石、ガラス質を用いたビトリファイドボンド砥石、金属を用いたメタルボンド砥石などが目的により使い分けられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし一般に、前記のいずれの型の砥石であっても、従来のものは不可避的に次の三つの問題点を有していた。
その一は、加工中に、砥面から突出した砥粒先端の切り刃が摩耗するという問題である。切り刃が摩耗すれば加工不能の平坦部が増大する。この平坦部を除去するため砥石は頻繁に「目立て」を行い、摩耗した砥粒を砥面から脱落させて除去する必要があった。しかし、この目立て作業は、摩耗していない砥粒も同時に脱落させることになるので、砥石の損耗を速め不経済であるばかりでなく、加工工数を増やし、更には自動化の障害にもなって作業効率を低下させていた。
【0006】
その二は、加工速度の問題である。一般に従来の砥石において、加工速度を上げようとすれば砥粒の粒径を大きくする必要があり、砥粒径を大きくすれば被加工面の仕上げが粗くなるという相反関係があって、加工速度と被加工面の平滑仕上げ性とを両立させることはできなかった。そこで、従来は、最初に砥粒径が大きい砥石で粗加工し、次いで砥粒径の小さい砥石を用いて仕上げを行っていた。場合によっては3段階に砥粒径の異なる砥石を用いることもあり、この問題が工数を著しく増大させ、作業効率を低下させていた。
【0007】
その三は、砥粒の脱落の問題である。砥粒は結合材の結合力に依存して砥石に接合されているが、この結合力に限度があるため、加工中に脱落(刃こぼれ)を起こす。砥面から砥粒が脱落すれば研磨・研削力が低下するので、目立てを行って新しい砥粒の切り刃を露出させる必要があった。この作業も砥石の損耗を速め、加工工数を増やし、自動化の障害にもなって経済性を低下させていた。
【0008】
上記の三つの問題点を解決することは、特にダイヤモンドなど高価な砥粒を使用する難研削材用の砥石においてはきわめて重要であって、これらの問題を同時に解決し得る砥石が強く求められていた。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、従ってその目的は、目立て作業が省力化でき、平滑仕上げ性を維持したまま加工速度を増大させることができ、かつ砥面からの砥粒の脱落が抑制されて長時間安定した加工が継続できるダイヤモンド砥石を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するための手段として本発明は、粒径が10μm以下のダイヤモンド砥粒と一次結合材粒子とが焼結されてなる粒径10μm〜200μmの範囲内の一次焼結体が、二次結合材粒子と二次的に焼結されてなり、前記二次結合材粒子の粒径及び材質が前記一次結合材粒子と異なり、前記二次結合材粒子の融点が前記一次結合材粒子より低く、前記一次結合材粒子がW、Ta、Ir、Hf、Re、Os、Pt、Zr、Nb、Mo、およびこれらの酸化物、炭化物、窒化物からなる群から選ばれた1種以上であり、前記二次結合材粒子がFe、Co、Cr、Ti、鋳鉄、Ni、Zr、これらを含む合金、およびガラス質の群から選ばれた1種以上からなり、砥石全体の気孔率が10容量%〜65容量%の範囲内であり、前記二次結合材粒子の粒径が前記一次焼結体粒子の粒径の0.05〜0.5倍の範囲内であり、前記二次結合材粒子が焼結後に多孔質を構成してなることを特徴とする。
【0010】
前記の一次結合材粒子は、その融点が1600℃以上であり、かつその粒径がダイヤモンド砥粒の平均粒径の0.05倍〜0.5倍の範囲内であることが好ましい。
【0013】
本発明はまた、前記のダイヤモンド砥石を製造するに際して、粒径が10μm以下であるダイヤモンド砥粒と一次結合材粒子とを含む混合物を不活性雰囲気中で加圧下に一次焼結し、得られた焼結体を粉砕分級して粒径が10μm〜200μmの範囲内である一次焼結体を形成し、この一次焼結体を二次的に焼結する工程を含むダイヤモンド砥石の製造方法を提供する。ただし前記一次結合材粒子は、W、Ta、Ir、Hf、Re、Os、Pt、Zr、Nb、Mo、およびこれらの酸化物、炭化物、窒化物からなる群から選ばれた1種以上からなるものであり、前記二次結合材粒子がFe、Co、Cr、Ti、鋳鉄、Ni、Zr、これらを含む合金、およびガラス質の群から選ばれた1種以上からなるものである。
前記において、形成された一次焼結体は、この一次結合材粒子より低い融点を有する二次結合材粒子と混合し、不活性雰囲気中で加圧下に二次焼結することが好ましい。
また前記において、Tmを絶対温度Kで表す一次結合材粒子の融点または液相生成温度としたとき、前記一次焼結を0.5Tm以下の焼結温度に30分以内の時間保持して行うことが好ましい。
また前記において、Tmを絶対温度Kで表す二次結合材粒子の融点または液相生成温度としたとき、前記二次焼結を0.5Tm以下の焼結温度に30分以内の時間保持して行うことが好ましい。
更に本発明は、前記のダイヤモンド砥石を用いて作成された工具を提供する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を一実施形態によって説明する。
図1に模式的に示すように、この実施形態のダイヤモンド砥石(以下、「本砥石」という)10は、ダイヤモンド砥粒(以下、単に「砥粒」という)1と一次結合材粒子2とが焼結されてなる一次焼結体3…が、二次結合材粒子4と二次的に焼結されてなっている。
【0015】
この砥粒1は10μm以下の粒径を有するものであり、一次結合材粒子2は、例えばW(タングステン、融点3400℃)など、融点が1600℃以上のものであり、かつその粒径は砥粒1の平均粒径の0.05倍〜0.5倍の範囲内とされている。また一次焼結体3の粒径Dは、2μm〜200μmの範囲内とされている。
【0016】
二次結合材粒子4は、例えばCo(融点1490℃)など、その融点が一次結合材粒子2より低いものから選択されている。
本砥石10は、粒子の焼結体であるから、本質的に多孔質であって、その組織内部に気孔5…が形成されている。その気孔率は10容量%〜65容量%の範囲内とされている。
【0017】
本砥石10は、例えば下記の方法により製造することができる。すなわち、先ず、粒径が10μm以下である砥粒1と、例えばWなど、融点が1600℃以上であり、かつ粒径が砥粒1の平均粒径の0.05倍〜0.5倍の範囲内とされた一次結合材粒子2とを好適な割合で混合し、この混合物を、例えば放電プラズマ焼結法(以下、「SPS法」という)などの粉体焼結法によって、不活性雰囲気中で加圧下に一次焼結し、得られた焼結体を粉砕し分級して2μm〜200μmの範囲内の粒径を有する一次焼結体3を形成する。
【0018】
次に、この一次焼結体3を、例えばCoなど、一次結合材粒子2より低い融点を有する二次結合材粒子4と混合し、この混合物を型に充填し、例えばSPS法などの粉体焼結法によって、不活性雰囲気中で加圧下に二次焼結を行う。
【0019】
本砥石10は、砥粒1の粒径が10μm以下とされ、きわめて微小なので、加工に際して被加工面を平滑に仕上げることができる。この砥粒1は、融点が1600℃以上であり、かつ平均粒径が砥粒1の0.05倍〜0.5倍とされた一次結合材粒子2と、粉体焼結法によって焼結されているので、砥粒1と一次結合材粒子2とが界面に形成される融着相によって強固に結合し、しかも接触界面の面積が十分に大きいので、砥粒1と一次結合材粒子2とが強力に接合しており、砥石10からの砥粒1の脱落、すなわち刃こぼれが防止される。
【0020】
本砥石10は、一次焼結体3が、一次結合材粒子2より融点が低く結合力が比較的弱い二次結合材粒子4により二次的に焼結されているので、加工中の砥面においては二次結合材粒子4が先に除去され、砥面にポケット6を形成することによって摩耗した砥粒の脱落を促進し、目立て効果が得られる。すなわち、自生発刃作用によって目立て作業の頻度を低減させることができる。
【0021】
また、一次焼結体3は、粒子相互の結合強度が高いので、砥粒1自体の粒径は小さいが、加工中の砥面においては一次焼結体3が粒径が大きい砥粒と同様の挙動を示し、被加工面の平滑仕上げ性を損ずることなく加工速度を上げることができる。すなわち、被加工面の平滑仕上げ性と加工速度とを高いレベルで両立させることができる。
【0022】
本砥石10は、組織内部に気孔5…を有していて、その気孔率は10容量%〜65容量%の範囲内とされているので、十分量の冷却液を含浸させることができ、摩擦熱による砥粒1の変質や刃こぼれを効果的に防止できるばかりでなく、砥面においては、この気孔5がポケット6を形成するので、切り屑や脱落した砥粒を収容し、加工性能を長時間にわたって維持することができる。
【0023】
次に、本発明の超砥粒砥石を構成する諸要素について詳しく説明する。
本砥石10に用いられる砥粒1はダイヤモンドである。このダイヤモンドは、単結晶のものであっても多結晶のものであってもよく、天然ダイヤモンド、人造ダイヤモンドのいずれも使用できる。本砥石は砥粒として、最高硬度を有するダイヤモンドを用いているので、例えばセラミックス材料などの硬い難研削材であっても、研磨・研削することができる。
【0024】
砥粒1の粒径は10μm以下とされている。10μmを越えると、例えばこの砥石を精密研削や磁気ヘッドのラッピングなどに用いる場合に、被加工面の仕上げが粗くなって不適当となる。粒径の下限は特に限定されないが、例えば0.5μm未満となると、粒子が微細にすぎて加工能力が十分に発現できなくなるので、好ましい粒径範囲は、0.5μm〜10μmの範囲内、更に好ましくは0.5μm〜4μmの範囲内である。
【0025】
一次結合材粒子2としては、融点が1600℃以上の素材を用いることが好ましい。一次結合材として好適な素材の例としては、W、Ta、Ir、Hf、Re、Os、Pt、Zr、Nb、Mo、これらの酸化物、炭化物、窒化物、またはこれらのいずれか2種以上の混合物などを挙げることができる。これらの高融点粒子は、焼結したとき砥粒1との結合力が強く、しかも結合材粒子2どうしの融着によって形成される焼結組織体は、適度の崩落性を有しているので、加工時に、砥石自体の物理的強度は高く、砥粒1を強力に保持しながら、しかも目立て性が良好であり、目詰まりし難く自生発刃作用があり、研削抵抗が小さく、効率のよい研削が可能となる。これら素材の融点、ヤング率、好ましい焼結温度、ダイヤモンドとの接合強度の一例を表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】
前記の一次結合材粒子2は、その粒径が砥粒1の平均粒径の0.05倍〜0.5倍の範囲内とされていることが好ましい。0.05倍未満では砥粒1との接触面積が大きくなるので接合強度は大となるが、気孔率および気孔径が小さくなり、砥石10に十分な潤滑冷却効果が得られず不都合となる。0.5倍を越えると、砥粒1との接触面積が小さくなるので接合強度が低下し、刃こぼれを起こし易くなる。この観点から、一次結合材粒子2の粒径は、砥粒1の平均粒径の0.1倍〜0.25倍の範囲内とすることが更に好ましい。
【0028】
一次焼結体3は、前記の砥粒1と一次結合材粒子2とを含む混合物を、真空または不活性ガスなどの不活性雰囲気中で加圧下に一次焼結し、得られた焼結体を粉砕分級することによって得られる。
砥粒1と一次結合材粒子2との混合割合は、特に限定されるものではないが、砥粒:一次結合材粒子の容量比で1:0.5〜1:3の範囲内とすることが好ましい。1:0.5より一次結合材粒子2の割合が少ない場合は、砥粒1の密度が高すぎるため一次焼結体3の強度が低下し、砥石10が脆くなる。1:3より一次結合材粒子の割合が多い場合は、加工能力が低下する。
【0029】
砥粒1と一次結合材粒子2との混合に際しては、例えばエタノールなどの揮発性液体を添加し、ボールミルなどで液中分散を行い、その後に減圧乾燥などによって液体成分を除去し、粉体混合物を得ることが好ましい。この方法によれば、一次焼結体3の組織内における砥粒1の凝集が防止され、砥粒が一次結合材組織中に均一に分散するようになる。
【0030】
前記粉体混合物の一次焼結は、前記のSPS法、またはホット・アイソスタチック・プレス法(以下、「HIP法」という)などの粉体焼結法によって行うことが好ましい。これらの焼結法によれば、砥粒1と一次結合材粒子2との界面における拡散、反応、固溶などが均一に行われ、本砥石の強度が均一になる。
【0031】
SPS法は、例えば図2に概略を示す放電プラズマ焼結装置(SPS装置)を用いて行うことができる。図2において、このSPS装置は、筒状の型21と、この型21に嵌合する上部パンチ23および下部パンチ24と、これら上下のパンチ23、24に挟まれた粉体混合物25の温度を測定する熱電対26とを有している。この上部パンチ23および下部パンチ24は、型21に充填された粉体混合物25を上下から挟圧するためのプレス(図示せず)に連結されていると共に、粉体混合物25にパルス電流を印加するためのそれぞれの電極を構成している。
このSPS装置において、少なくとも上下のパンチ23,24に挟まれた部分はチャンバ(図示せず)内に収容され、このチャンバ内は真空に排気されるか、または不活性ガスが導入されるようになっている。
【0032】
砥粒1と一次結合材粒子2とからなる粉体混合物25は、型21に所定量が充填され、チャンバ内が真空にされ、または不活性ガスで置換された後に、上部パンチ23および下部パンチ24で上下から所定の圧力で圧縮され、次いでパルス電流が印加される。
【0033】
このSPS法によれば、通電電流を調節することにより、粉体混合物25を所定の焼結温度に均一に素早く昇温することができ、また温度管理や焼結時間管理も厳密に行うことができる。上記のSPS法に用いることができるSPS装置としては、例えば住友石炭鉱業社製モデルSPS−2050型放電プラズマ焼結装置などを挙げることができる。
【0034】
一方、HIP法は、例えば前記の粉体混合物に成形助材としてワックスなどを加え、単軸プレスなどを用いて圧力10MPa程度に加圧して粉体圧縮成形物をつくり、この粉体圧縮成形物を真空中約800℃に加熱してワックスの除去と仮焼結とを行い、次いで形状整形の後に、真空または不活性ガス雰囲気中で熱圧を加えて本焼結を行い焼結体を得る方法である。
【0035】
いずれの焼結方法においても、焼結は、不活性ガスまたは酸素分圧が0.01MPa以下の雰囲気中で行うことが好ましい。酸素分圧が0.01MPaを越える雰囲気で熱圧を加えて焼結を行うと、砥粒や結合材が酸化して損失となる惧れがあるからである。不活性ガスとしては、N2 またはArなどが好適に用いられる。場合によっては、水素などの還元性雰囲気ガスを用いることもできる。
【0036】
焼結に際して、焼結温度は0.5Tm(Tmは、絶対温度゜Kで表す結合材の融点または液相生成温度)以下とすることが好ましい。焼結温度を0.5Tm以下とし、好適な圧力、例えば5MPa〜50MPaの圧力を加えることによって、砥粒と結合材粒子、および結合材粒子どうしがそれぞれの粒子表層部のみによって融着し、砥石自体の強度を維持しながら適度の気孔率を有し、かつ適度の崩落性を有して自生発刃作用を現し、良好な研削性が維持されるようになる。選択された一次結合材粒子2の好適な焼結温度範囲の例を表1に示す。
【0037】
また、焼結に際して、前記の焼結温度に保持する時間は30分以内とすることが好ましい。液相を生じる温度に30分を越えて保持すると、砥粒が著しく減量するからである。この観点から、焼結温度と焼結時間とが厳密に制御できるSPS法は好適である。
【0038】
得られた焼結物は、粉砕し分級して粒径が2μm〜200μmの範囲内となる区分を一次焼結体3とする。一次焼結体3の粒径が2μm未満では、本砥石の構成がもたらす利点が現れず、加工速度が通常の超砥粒仕上げ砥石と変わらなくなる。また200μmを越えると、一次焼結体が粗砥粒と同様に作用して平滑加工性が低下する。この観点から一次焼結体3の粒径は、10μm〜100μmの範囲内とすることが更に好ましい。
【0039】
次に、得られた一次焼結体3を砥石型に充填して二次焼結する。この二次焼結は、一次焼結体3のみを型に充填し、熱圧を加えて一次焼結体3どうしを融着させる方法によって行ってもよい。しかし、粒径および/または材質が一次結合材粒子2とは異なる二次結合材粒子4を、これら一次焼結体3の間に介在させて焼結することが好ましい。このとき用いる二次結合材粒子4は、前記の一次焼結体3に用いた一次結合材粒子2より低い融点を有するものであることが好ましい。
【0040】
二次結合材粒子4の好ましい素材としては、例えばFe、Co、Cr、Ti、鋳鉄、Ni、Zr、これらを含む合金、またはガラス質物質を挙げることができる。これら素材の融点、ヤング率、および好適な焼結温度を表2に示す。
【0041】
【表2】
【0042】
二次結合材粒子4の粒径は、特に限定されないが、一次焼結体3の0.05倍〜0.5倍の範囲内とすることが好ましい。0.05倍未満では気孔率および気孔径が小さくなり、砥石10に十分な潤滑冷却効果が得られず、不都合となる。0.5倍を越えると、一次焼結体3との接触面積が低下して接合強度が低下し、砥石の強度が低下する。
【0043】
前記の一次焼結体3と二次結合材粒子4とを含む混合物を、一次焼結の場合と同様にして、ただし目的とする砥石形状に対応する型に充填して二次焼結する。一次焼結体3と二次結合材粒子4との混合割合は、特に限定されるものではないが、一次焼結体3:二次結合材粒子4の容量比で1:0.5〜1:2.5の範囲内とすることが好ましい。1:0.5より二次結合材粒子4の割合が少ない場合は、一次焼結体3の密度が高すぎるため本砥石の構成がもたらす利点が現れず、自生発刃性などが低下する。1:2.5より二次結合材粒子4の割合が多い場合は研削能力が低下する。
【0044】
二次焼結には、一次焼結の場合と同様に、不活性雰囲気下でのSPS法、HIP法などの粉体焼結法を用いることが好ましい。焼結温度は、一次結合材粒子2より低い融点を有する二次結合材粒子4を用いる場合は、これに対応して、一次焼結より低くすることが好ましい。これによって、砥粒を変質させたり一次焼結体3の結合強度に影響を与えることなく二次焼結を行うことができる。二次焼結における好適な焼結温度範囲の例を表2に示す。二次焼結に際して、前記の焼結温度に保持する時間は30分以内とすることが好ましい。
【0045】
本砥石10は、研磨・研削用の砥石として、セラミックスや超硬合金など難研削材料の研磨・研削や例えば磁気ヘッドのラッピングなどの精密加工分野に使用できるほか、やすり、研削用バイト、ドリル、ボーリング用刃先などの工具または工具部材として有利に使用することができる。従って、本発明の砥石を用いたこれらの工具または工具部材も本発明に含まれるものである。
【0046】
次に本発明を実施例により更に詳しく説明する。
(実施例)
砥粒1として粒径範囲2μm〜4μmのダイヤモンドを用い、一次結合材粒子2として粒径範囲0.39μm〜0.52μmのWを用い、砥粒1:一次結合材粒子2の容量比を25:32として混合し、この混合物にエタノールを添加し、スラリー状とした上でボールミル中で液中分散法により混合分散を行い、終了後にエタノールを減圧除去して、結合材中に超砥粒が均一に分散した粉体混合物を得た。
【0047】
得られた粉体混合物を図2に示したSPS装置を用いて焼結した。グラファイト製の型21に前記の粉体混合物を充填し、雰囲気を0.01MPa以下に減圧し、上部パンチ23および下部パンチ24を駆動して粉体混合物25を10MPaに加圧すると共に双方のパンチ間にパルス電流を印加し、1260℃に5分間加熱した。
【0048】
この焼結物を粉砕分級し、粒径範囲10μm〜20μmの一次焼結体3を形成した。この一次焼結体3と、二次結合材粒子4として平均粒径5μmの鋳鉄粉とを容積比25:25で攪拌混合し、SPS装置の中子付きの型に充填し、10MPaの加圧下、780℃に5分間加熱して焼結し、カップ砥石の形状に成形された本砥石10を製造した。
得られた本砥石10の気孔率は38.20容量%であり、ビッカース硬度は73.3kgf/mm2 、曲げ強度は37.6MPaであった。
【0049】
実施例の本砥石を用いて研削試験を行った。研削試験としては、砥石のヤング率や研削盤の剛性や馬力の影響を受けない湿式定圧研削法を採用した。被研削体としては、Al2O3・TiCセラミックス(曲げ強さ588MPa、マイクロビッカース硬さ19GPa)の断面2mm×5mmのブロックを用いた。また、比較例1として市販のビトリファイド砥石、および比較例2として多孔質鋳鉄ボンド砥石を用い、同様に試験した。
【0050】
試験は、各砥石を研削盤に装着し、それぞれの試料の砥面に前記の被研削体の断面を1MPaの一定荷重で押圧し、被研削体の除去量を経時的に測定する方法で行った。結果を図3に示す。図3の点Xは、研削不能となった時点を示す。
【0051】
試験の結果、実施例の砥石は、960秒の測定期間中、研削量がほとんど衰えることなく上昇し、更に長時間研削の継続が可能であった。この実施例における研削速度は、粒径10μm〜20μmの粗砥粒を用いた従来型の砥石とほぼ同等であり、しかも被研削面の平滑性は粒径2μm〜4μmの超砥粒を用いた従来型の砥石とほぼ同等であり、本砥石が研削効率と平滑仕上げ性とを高いレベルで両立させていることがわかる。また、長時間の研削能力の持続は、刃こぼれが少ないこと、および目立て間隔が延長できることを示している。
【0052】
これに対して、比較例1のビトリファイド砥石は低い研削量(約75mm3 )で研削速度が低下し、比較例2の多孔質鋳鉄ボンド砥石は短時間(約360秒)で研削不能となった。
【0053】
図4(a)は、本砥石における一次焼結体の粒子組織の一例を示す顕微鏡写真図である。この一次焼結体は、超砥粒として粒径1μm〜2μmのダイヤモンドを用い、結合材として粒径0.39μm〜0.52μmのW粒子を用い、1260℃、20MPaの条件で焼成し、粉砕分級して得られたものである。この一次焼結体は、粒径が約3μm〜5μmとされていて、二次焼結を行うことによって本砥石を製造することができるものである。
【0054】
図4(b)は、前記図4(a)に示した一次焼結体を粒径1μm〜2μmのCo粒子(二次結合材粒子)と混合し二次焼結して得られた本発明のダイヤモンド砥石の粒子組織の一例を示す顕微鏡写真図である。この図から、一次焼結体が崩壊することなく、塊状のまま二次結合材粒子によって結合されていることがわかる。
【0055】
本発明のダイヤモンド砥石は、カップ砥石または薄刃砥石の形状でセラミックスなど超硬材料の研削・切断に有利に使用できる。図5(a)は、本発明のカップ砥石30を用いて、例えばAl2O3・TiCセラミックスなどの超硬被研削材Sを研削している状態を示している。図5(b)は、本発明の薄刃砥石31を用いて、例えばAl2O3・TiCセラミックスなどの超硬被研削材Sを切断している状態を示している。
【0056】
本発明の超砥粒砥石は特に、Al2O3・TiCセラミックス基板から磁気ヘッドのヘッドチップを製造する際などに有利に使用できる。このヘッドチップの製造方法の一例を図6(a)(b)(c)によって説明する。
図6(a)に示すように、先ずAl2O3・TiCセラミックス基板40に、コア41、コイル42、および接続パッド43からなる磁気ヘッド素子44を薄膜法により形成する。次に、この磁気ヘッド素子44…が多数並列して形成されたウエハ状のAl2O3・TiCセラミックス基板40を、並列した磁気ヘッド素子44…の両側の線45,45に沿って、本発明のダイヤモンド薄刃砥石を用いて切断する。これによって、図6(b)に示すように、磁気ヘッドのスライドレール(46)となる断面46を有する棒状体47が得られる。次に、この断面46に、本発明のダイヤモンドカップ砥石を用いて垂直方向にスライド面48となる溝を研削する。これによってスライドレール46が形成される。次に、本発明のダイヤモンド薄刃砥石を用いて棒状体47を磁気ヘッド素子44ごとに垂直に切断すれば、図6(c)に示すように、磁気ヘッド素子44とスライドレール46とスライド面48とを有するヘッドチップ50が製造できる。
【0057】
前記のヘッドチップ50の製造に際しては、本発明の薄刃砥石およびカップ砥石が用いられているので、研削・切断の仕上げ面はきわめて平滑であり、また砥石の耐久性が高いので目立ての回数も減少し、高品質のヘッドチップが高い生産効率で製造できるようになった。
【0058】
【発明の効果】
本砥石は、粒径が10μm以下であるダイヤモンド砥粒と一次結合材粒子とが焼結されてなる粒径が2μm〜200μmの範囲内である一次焼結体が、二次的に焼結されてなるものであるので、従来の砥石の問題点であった目立て作業の省力化、加工速度と平滑仕上げ性との両立化、および刃こぼれの抑制の三つの課題が、いずれも高いレベルで解決できる。
【0059】
従って、本砥石を用いて作成された本発明の研磨・研削用砥石、研削用バイト、ドリル、ボーリング用刃先などの工具または工具部材は、セラミックスや超硬合金など難研削材料の研磨・研削や磁気ヘッドのラッピングなどの精密加工分野で、大幅な作業効率の向上、自動化を含めた省力化、コスト低減などを達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のダイヤモンド砥石の一実施例における断面模式図
【図2】 放電プラズマ焼結装置の一例を示す断面図
【図3】 実施例と比較例における研削時間と研削量との関係を示すグラフ
【図4】 (a)は一次焼結体、(b)は二次焼結された本発明のダイヤモンド砥石の粒子組織の一例を示す顕微鏡写真図
【図5】 (a)(b)はそれぞれ、本発明の超砥粒砥石の異なる使用形態の例を示す斜視図
【図6】 (a)(b)(c)は本発明の超砥粒砥石の一適用例である磁気ヘッドのヘッドチップを製造する工程を示す斜視図
【符号の説明】
1……ダイヤモンド砥粒
2……一次結合材粒子
3……一次焼結体
4……二次結合材粒子
5……気孔
6……ポケット
10…ダイヤモンド砥石
21…型
23…上部パンチ
24…下部パンチ
25…粉体混合物
26…熱電対
Claims (7)
- 粒径が10μm以下のダイヤモンド砥粒と一次結合材粒子とが焼結されてなる粒径10μm〜200μmの範囲内の一次焼結体が、二次結合材粒子と二次的に焼結されてなり、
前記二次結合材粒子の粒径及び材質が前記一次結合材粒子と異なり、前記二次結合材粒子の融点が前記一次結合材粒子より低く、前記一次結合材粒子がW、Ta、Ir、Hf、Re、Os、Pt、Zr、Nb、Mo、およびこれらの酸化物、炭化物、窒化物からなる群から選ばれた1種以上であり、前記二次結合材粒子がFe、Co、Cr、Ti、鋳鉄、Ni、Zr、これらを含む合金、およびガラス質の群から選ばれた1種以上からなり、砥石全体の気孔率が10容量%〜65容量%の範囲内であり、前記二次結合材粒子の粒径が前記一次焼結体粒子の粒径の0.05〜0.5倍の範囲内であり、前記二次結合材粒子が焼結後に多孔質を構成してなることを特徴とするダイヤモンド砥石。 - 前記一次結合材粒子の融点が1600℃以上であり、かつその粒径がダイヤモンド砥粒の平均粒径の0.05倍〜0.5倍の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載のダイヤモンド砥石。
- 請求項1に記載のダイヤモンド砥石を製造するに際して、粒径が10μm以下であるダイヤモンド砥粒と一次結合材粒子とを含む混合物を不活性雰囲気中で加圧下に一次焼結し、得られた焼結体を粉砕分級して粒径が10μm〜200μmの範囲内である一次焼結体を形成し、この一次焼結体を二次的に焼結することを特徴とするダイヤモンド砥石の製造方法。
ただし前記一次結合材粒子は、W、Ta、Ir、Hf、Re、Os、Pt、Zr、Nb、Mo、およびこれらの酸化物、炭化物、窒化物からなる群から選ばれた1種以上からなるものであり、前記二次結合材粒子がFe、Co、Cr、Ti、鋳鉄、Ni、Zr、これらを含む合金、およびガラス質の群から選ばれた1種以上からなるものである。 - 前記一次焼結体を、この一次結合材粒子より低い融点を有する二次結合材粒子と混合し、不活性雰囲気中で加圧下に二次焼結することを特徴とする請求項3に記載のダイヤモンド砥石の製造方法。
- Tmを絶対温度Kで表す一次結合材粒子の融点または液相生成温度としたとき、前記一次焼結を0.5Tm以下の焼結温度に30分以内の時間保持して行うことを特徴とする請求項3に記載の超砥粒砥石の製造方法。
- Tmを絶対温度Kで表す二次結合材粒子の融点または液相生成温度としたとき、前記二次焼結を0.5Tm以下の焼結温度に30分以内の時間保持して行うことを特徴とする請求項3に記載の超砥粒砥石の製造方法。
- 前記請求項1または請求項2に記載のダイヤモンド砥石を用いて作成された工具。
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