JP2001008583A - 中通し釣竿及びその製造方法 - Google Patents

中通し釣竿及びその製造方法

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JP2001008583A
JP2001008583A JP11201427A JP20142799A JP2001008583A JP 2001008583 A JP2001008583 A JP 2001008583A JP 11201427 A JP11201427 A JP 11201427A JP 20142799 A JP20142799 A JP 20142799A JP 2001008583 A JP2001008583 A JP 2001008583A
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rod
fishing line
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fishing
prepreg
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JP11201427A
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Yasutoku Harada
泰徳 原田
Takashi Yagashira
隆志 家頭
Akira Yasui
晃 安井
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Ryobi Ltd
Original Assignee
Ryobi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 釣糸ガイド突部の少なくとも釣糸と接触する
部分の表面を円滑にし、釣糸の円滑な案内特性を確保
し、しかも、工程を簡略化して製造コストを低廉に維持
することが可能な中通し釣竿及びその製造方法を提供す
る。 【解決手段】 竿管形成用の芯金1に、厚肉部分2aと
薄肉部分2b、とからなる剥離テープ2を、薄肉部分が
折れ曲がって、これに隣接する剥離テープの厚肉部分に
重合させて、厚肉部分と薄肉部分との間に凹部3、を形
成するように巻回する。巻回された剥離テープの外側に
竿管本体形成用プリプレグ4を巻回する。これを加圧焼
成して、竿管本体形成用プリプレグを溶融させて、その
一部を凹部内に浸入させる。その後、芯金及び剥離テー
プを除去し、凹部に対応する釣糸ガイド突部を内面に有
する竿管を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、中通し釣竿及びそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】中通し釣竿は、竿管の内部を釣糸が通過
するように構成されており、竿管内面に釣糸を案内する
ための螺旋状又はリング状の突部が形成されている。
【0003】この種の中通し釣竿に関して、特開平8−
140532号公報には、竿管内において、釣糸を円滑
に案内して挿通抵抗を小さくできる中通し釣竿の製造方
法が開示されている(以下、「先行技術」という)。
【0004】先行技術による中通し釣竿の製造方法は、
芯金(即ち、マンドレル)の表面上に第1剥離テープ
(即ち、厚さの厚い捲回部材)を、巻回方向に沿って凹
部(即ち、隙間)が形成されるように、芯金の軸線方向
に間隔をあけて巻回する工程と、上記凹部を、第2剥離
テープ(即ち、厚さの薄い柔軟部材)で覆う工程と、こ
の第2剥離テープの上から上記凹部内に釣糸ガイド形成
部材を配置する工程と、その上に、竿管本体形成用プリ
プレグ(即ち、繊維強化プリプレグ)を巻回する工程
と、これを加圧焼成する工程と、その後、芯金を引き抜
くと共に、第1及び第2剥離テープを除去する工程とか
らなっている。
【0005】加圧焼成工程において、竿管本体形成用プ
リプレグは溶融して、その一部が、上述した凹部内に浸
入し、これは固化して、釣糸ガイド突条を形成するが、
先行技術によれば、この凹部内に第2剥離テープが配置
されているため、これにより、釣糸ガイド突条の表面が
ある程度円滑になる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、先行技
術において、第2剥離テープを巻回する際に、凹部内に
おいて、第2剥離テープの隣接する側縁が相互に重ね合
わされると、そこに段部が形成される。この段部の高さ
は、第2剥離テープの厚さに対応して、極めて微少であ
るものの、竿管本体形成用プリプレグの溶融した一部
が、この凹部内に浸入し、これが固化すると、形成され
た釣糸ガイド突条の表面において、上記段部に対応する
位置にバリが形成される。このように形成されたバリ
は、釣糸ガイド突条の円滑な案内特性を阻害する。しか
も、第1及び第2の2種類の異なる厚さの剥離テープを
使用しているため、これらの巻回工程が煩雑であるのみ
ならず、その除去工程も同様に煩雑であり、容易ではな
い。
【0007】また、先行技術は、外表面の幅方向におけ
る中央の位置に、長さ方向に伸びる凹部を連続的に形成
した厚い剥離テープを上述した第1剥離テープとして使
用することも開示している。先行技術の開示によれば、
この剥離テープは、隣接する側縁間に隙間を形成するこ
となく、これらが相互に突き合わされるように巻回され
る。しかしながら、実際問題として、このような巻回を
実現することは非常に困難であり、剥離テープの隣接す
る側縁間には僅かながらも隙間が形成される。上述した
加圧焼成工程の際に、竿管本体形成用プリプレグの溶融
した一部が、このように不可避的に生じた隙間内に浸入
し、これが固化すると、形成された釣糸ガイド突条の表
面において、上記隙間に対応する位置にバリが形成され
る。
【0008】本発明の目的は、釣糸ガイド突部の少なく
とも釣糸と接触する部分の表面を円滑にし、釣糸の円滑
な案内特性を確保し、しかも、工程を簡略化して製造コ
ストを低廉に維持することが可能な中通し釣竿及びその
製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、請求項1の本発明の中通し釣竿の製造方法は、
竿管形成用の芯金(1、11、21、31、41)に、
厚肉部分(2a、12a、22a、32a、42a)と
薄肉部分(2b、12b、22b、32b、42b)と
からなる剥離テープ(2、12、22、32、42)
を、前記薄肉部分(2b、12b、22b、32b、4
2b)が折れ曲がって、これに隣接する剥離テープ
(2、12、22、32、42)の厚肉部分(2a、1
2a、22a、32a、42a)に重合させて、前記厚
肉部分(2a、12a、22a、32a、42a)と前
記薄肉部分(2b、12b、22b、32b、42b)
との間に凹部(3、13、23、33、43)を形成す
るように巻回し、このように巻回された剥離テープ
(2、12、22、32、42)の外側に竿管本体形成
用プリプレグ(4、14、44)を巻回し、これを加圧
焼成して、前記竿管本体形成用プリプレグ(4、14、
44)を溶融させて、その一部を前記凹部(3、13、
23、33、43)内に浸入させた後、前記芯金(1、
11、21、31、41)及び前記剥離テープ(2、1
2、22、32、42)を除去し、前記凹部(3、1
3、23、33、43)に対応する釣糸ガイド突部(G
1、G2、G3、G4、G5、G6、G7)を内面に有
する竿管(RO)を形成することを特徴とする。
【0010】請求項2の本発明の方法は、請求項1の方
法において、前記剥離テープ(2、12、22、32、
42)を巻回する工程と、前記竿管本体形成用プリプレ
グ4、14、44)を巻回する工程との間に、前記凹部
(3、13、23、33、43)内に釣糸ガイド形成部
材(5、15、45)を配置する工程を行なうことを特
徴とする。
【0011】請求項3の本発明の方法は、請求項1又は
請求項2の方法において、前記凹部(3、13、43)
を、前記芯金(1、11、41)の軸線方向に切った断
面形状において、竿先側に垂直面(G1a、G2a、G
3a、G4f)を有する不等辺四角形状に形成すること
を特徴とする。
【0012】請求項4の本発明の方法は、請求項1乃至
請求項3の何れかの方法において、前記凹部(43)内
に位置する前記薄肉部分(42b)の端部(42z)に
よって、前記釣糸ガイド突部(G7)には、前記芯金
(41)の略軸線方向に切った断面形状において、竿元
側に貯水可能な形状を有する段部(G7e)が形成され
ることを特徴とする。
【0013】請求項5の本発明の中通し釣竿は、請求項
1乃至請求項4の何れかの方法によって製造されること
を特徴とする。
【0014】請求項6の本発明の中通し釣竿は、請求項
5の中通し釣竿において、前記釣糸ガイド突部(G1、
G2、G3、G4、G5、G6)の頂部(G1d、G2
d、G3d、G4d、G5a、G6c)に円弧状面が形
成されていることを特徴とする。
【0015】請求項7の本発明の中通し釣竿は、請求項
5又は請求項6の中通し釣竿において、前記釣糸ガイド
突部(G2)の頂部(G2d)から前記竿管(RO)の
前方側に伸びる前方側傾斜面(G2b)と前記頂部(G
2d)を通る垂線(VL)との間の角度(α)が、前記
頂部(G2d)から前記竿管(RO)の後方側に伸びる
後方側傾斜面(G2c)と前記垂線(VL)との角度
(β)よりも小さいことを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】図1及び図2を参照して本発明の
第1実施形態に係る中通し釣竿の製造方法を以下に説明
する。
【0017】本発明の中通し釣竿の第1実施形態に係る
製造方法は、剥離テープ巻回工程と、釣糸ガイド形成素
材配置工程と、プリプレグ巻回工程と、加圧焼成工程
と、芯金及び剥離テープ除去工程と、撥水処理工程とか
らなっている。
【0018】剥離テープ巻回工程は、竿管形成用の芯金
1に剥離テープ2を螺旋状に巻回することによって行わ
れる。ここで、剥離テープ2は、図1に示すように、全
体の幅の約半分の幅で、長さ方向に連続して伸びる厚肉
部分2aと、この厚肉部分2aの一方の側縁に一体的に
形成され、全体の幅の約半分の幅で、長さ方向に連続し
て伸びる薄肉部分2bとから構成されている。薄肉部分
2bは、厚肉部分2aの厚さの約半分の厚さを有してい
る。この剥離テープ2としては、加熱変形し難く、剥離
性に優れた材料、例えば、ポリオレフィン系樹脂やフッ
素系樹脂等が使用される。また、剥離テープ2として、
ポリビニルアルコール等の水溶性テープを使用してもよ
い。
【0019】厚肉部分2aの一方側の側縁、即ち、厚肉
部分2aと薄肉部分2bとの連結部分と反対側の側縁に
は、図1に示すように、傾斜面2xが形成されており、
この傾斜面2xと、厚肉部分2aの底面との間の角度θ
1が約45度に保持されている。一方、厚肉部分2aの
他方側の側縁、即ち、厚肉部分2aと薄肉部分2bとの
連結部分側の側縁には、上記傾斜面2xと逆向きに傾斜
した他の傾斜面2yが形成されており、この傾斜面2y
と薄肉部分2bの上面との間の角度θ2が約135度に
保持されている。
【0020】上述した剥離テープ2は、薄肉部分2bが
折れ曲がって、これに隣接する厚肉部分2aに重合され
るように、芯金1の外周面に巻回される。即ち、薄肉部
分2bが厚肉部分2aに重ね合わされることによって、
厚肉部分2aの傾斜面2xに沿って折り曲げられ、その
結果、薄肉部分2bの折曲げ前の状態においては、上述
したように、傾斜面2yと薄肉部分2bの上面との間の
角度θ2が約135度に保持されているが、このような
折曲げ状態においては、その間の角度θ3は、約90度
に保持され、その部分に凹部3が形成される。剥離テー
プ2の巻回状態において、その薄肉部分2bは上述した
ように厚肉部分2aに重ね合わされるが、このとき、薄
肉部分2bの端面2zは、厚肉部分2aの上面と上述し
た傾斜面2yとの連結部分である角部に配置されてい
る。このように芯金1の外周面に剥離テープ2を螺旋状
に巻回することによって、凹部3も同様に螺旋状に連続
して形成される。従って、このようにして形成される螺
旋状の凹部3の、芯金1の軸線方向に相互に隣接する部
分間の距離は、剥離テープ2の厚肉部分2aの幅と実質
的に同一である。
【0021】このように螺旋状の凹部3の、芯金1の軸
線方向に相互に隣接する部分間の距離は、剥離テープ2
の厚肉部分2aの幅によって決定され、しかも、後述す
るように、この凹部2に対応した位置に釣糸ガイド突部
G1が形成される。従って、厚肉部分2aの幅の異なる
複数種類の剥離テープを準備すれば、中通し釣竿の長さ
方向の異なる部分において、釣糸ガイド突部G1のピッ
チを任意に変更することができる。
【0022】即ち、この第1実施形態においては、中通
し釣竿は、1番竿から5番竿までの5本の竿管から構成
される振出式釣竿であり、1番竿、即ち、穂先竿のため
に、図2(a)に示す剥離テープ2Fが使用され、2番
竿、即ち、穂持竿のために、図2(b)に示す剥離テー
プ2Mが使用され、更に、3番竿及び4番竿のために、
図2(c)に示す剥離テープ2Rが使用される。これら
剥離テープ2F、2M、2Rの何れにおいても、厚肉部
分2aと薄肉部分2bとは、実質的に同一の幅を有して
いるが、図2(b)に示した剥離テープ2Mの厚肉部分
2aは、図2(a)に示した剥離テープ2Fの厚肉部分
2aの約2倍の長さを有し、一方、図2(c)に示した
剥離テープ2Rの厚肉部分2aは、図2(a)に示した
剥離テープ2Fの厚肉部分2aの約3倍の長さを有して
いる。このように、中通し釣竿において、竿尻から穂先
側に向かって、厚肉部分2aの幅が狭い異なる種類の剥
離テープ2R、2M、2Fを使用し、これによって、中
通し釣竿における釣糸ガイド突部G1のピッチを、竿尻
から穂先側に向かって順次狭くすることができる。
【0023】釣糸ガイド形成素材配置工程は、上述した
ように剥離テープ2を巻回することによって形成された
螺旋状の凹部3内に、釣糸ガイド形成素材5を配置する
ことによって行なわれる。
【0024】釣糸ガイド形成素材5は、釣糸ガイド突部
G1の芯材を構成するガイド体であって、4本のカーボ
ン繊維(1K:…7μX1000本)を編み込むことに
よって得られる編組からなっている。即ち、釣糸ガイド
形成素材5は、上記編組として構成された芯材に熱硬化
性樹脂を含浸させることによって得られる。上記芯材を
形成する材料として、カーボン繊維以外に、ガラス繊
維、セラミック繊維、ポリエチレンテレフタレート(P
ET)繊維、ナイロン繊維等を使用してもよい。上述し
たように芯材は、繊維を編み込むことによって形成され
ているため、中通し釣竿の釣糸ガイドとして通常使用す
るために、複数本の繊維を単に束ねて捻ることによって
得られた所謂「ヤーン」に比して、釣糸ガイド形成素材
5の直径方向における大きな強度が得られ、この方向に
おける潰れに対する抵抗力が大きく、従って、加圧され
ても、横断面において実質的に真円形状が保持される。
勿論、釣糸ガイド形成素材5は、上述した構造を有して
いることが望ましいが、この釣糸ガイド形成素材5とし
て、上述したヤーンを使用してもよい。
【0025】プリプレグ巻回工程は、芯金1の外周面に
このように巻回された剥離テープ2及び釣糸ガイド形成
素材5の上に、図1に示すように、竿管本体形成用プリ
プレグ4を巻回することによって行われる。
【0026】上述したプリプレグ4は、内側層と、外側
層とから構成される。内側層は、カーボン等の補強繊維
に熱硬化性樹脂が含浸されたプリプレグシートであり、
この補強繊維の配向方向は、釣糸ガイド形成素材5の芯
金1の軸方向に対する巻回角度と実質的に一致する。外
側層も同様に、カーボン等の補強繊維に熱硬化性樹脂が
含浸されたプリプレグシートであるが、この補強繊維の
配向方向は、芯金1の軸方向と一致する。
【0027】従って、竿管本体形成用プリプレグ巻回工
程は、上述したように巻回された剥離テープ2及び釣糸
ガイド形成素材5の外側に、先ず、上述した内側層を巻
回し、次いで、そのまわりに、外側層を巻回することに
よって行なわれる。
【0028】尚、これらの内側層及び外側層は、それぞ
れ上述したプリプレグシートを細幅に裁断することによ
って得られるスリットテープであってもよい。
【0029】加圧焼成工程は、巻回された竿管本体形成
用プリプレグ4のまわりに緊締テープ(図示せず)を巻
回し、これを焼成することによって行なわれる。この焼
成時に、竿管本体形成用プリプレグ4の合成樹脂は溶融
し、その一部は凹部3内に浸入する。
【0030】芯金及びテープ除去工程は、加圧焼成工程
完了後に、緊締テープを除去し、芯金1を抜き取り、そ
して、剥離テープ2を除去することによって行なわれ
る。
【0031】撥水処理工程は、撥水処理液を、浸漬等の
方法により、竿管ROの内面に付着させ、乾燥させるこ
とによって行なわれる。撥水処理液は、表面からフッ素
原子を取り除く等の、化学処理が施された4弗化エチレ
ン樹脂固体潤滑粉を、バインダーとしてのフッ素系共重
合物を含む希釈剤、例えば、MTF−TFM,1.3ピ
ストリフルオロメチルベンゼンに分散させることによっ
て得られる。竿管ROの内面に付着した撥水処理液中の
希釈剤は蒸発して、竿管ROの内面にバインダーによっ
てフッ素固体潤滑粉が付着する。これにより、竿管RO
の内面にフッ素固体潤滑粉が浸透し、非常に優れた撥水
性、非粘着性が得られる。
【0032】上述した撥水処理工程が終了した後、中通
し釣竿の竿管ROの製造が完了する。図3は、このよう
にして得られた竿管ROの部分縦断面図である。図3に
示すように、竿管ROの内面には、釣糸ガイド突部G1
が突出している。この釣糸ガイド突部G1は、竿管RO
の縦断面において、垂直面G1aと、前方傾斜面G1b
と、後方傾斜面G1cと、底面G1eとを有する不等辺
四角形状に形成されている。
【0033】ここで、前方傾斜面G1bと後方傾斜面G
1cとの結合部分である頂部G1dは、剥離テープ2に
おける厚肉部分2aと薄肉部分2bとの連結部分によっ
て形成され、この連結部分は、薄肉部分2bが図1にお
いて二点鎖線で示したように折れ曲がることによって、
円滑な凹面として形成される。従って、加圧焼成工程中
に、溶融した合成樹脂が凹部3内に浸入し、その後固化
することによって形成された釣糸ガイド突部G1の頂部
G1dは、上述した円滑な凹面に対応して、円滑な凸
面、即ち、円弧状に形成されている。
【0034】上述したように、剥離テープ2の薄肉部分
2bが折り曲げられた状態において、図1に示した角度
θ3が約90度に保持されていることに起因して、上述
した頂部G1dの角度、即ち、前方傾斜面G1bと後方
傾斜面G1cとの間の角度θ4(図3参照)も同様に、
約90度に保持される。また、後方傾斜面G1cと底面
G1eとの間の角度θ6は、剥離テープ2の厚肉部分2
aの傾斜面2xとその底面との間の角度θ1に対応し
て、約45度に保持されている。ここで、垂直面G1a
は、竿管ROの内面に対して垂直に位置しているため、
前方傾斜面G1bと垂直面G1aとの間の角度θ5は約
135度に保持される。
【0035】図3に示すように、上述した釣糸ガイド突
部G1において、垂直面G1aは竿管ROの前方側に、
そして、後方傾斜面G1cは竿管ROの後方側にそれぞ
れ配置される。図3において、矢印Fは竿管ROの前方
側、即ち、竿先側を、矢印Rは竿管ROの後方側、即
ち、竿元側をそれぞれ示す。従って、釣糸は、釣糸ガイ
ド突部G1の円滑な凸面を有する頂部G1dによって点
接触するようにして案内され、釣糸との抵抗の低減を効
果的に図ることができる。しかも、垂直面G1aは、竿
管RO内に浸入した水が頂部G1d側に運ばれることを
回避し、その頂部G1dへの水の付着を防止する。一
方、後方傾斜面G1cは、竿管RO内に浸入した水の前
方への排出を容易にする。
【0036】尚、上述したように、前方傾斜面G1bと
後方傾斜面G1cとの間の角度θ4を約90度に保持す
る一方、後方傾斜面G1cと底面G1eとの間の角度θ
6を約45度に保持することが最も望ましいが、角度θ
4を90度±30度の範囲内に保持する一方、角度θ6
を45度±30度の範囲内に保持してもよい。
【0037】角度θ4を上述した範囲内の値に保持する
ことによって、釣糸を点接触させ、且つ、滑らかな円弧
状面によって釣糸を傷つけることがない。この効果は、
角度θ4を約90度に保持した場合に最大に発揮され
る。尚、角度θ4が120度を超えて大きくなると、釣
糸が頂部と線接触する傾向になり、釣糸と頂部との接触
面積が増加して、釣糸の抵抗が大きくなる。一方、角度
θ4が60度未満になると、釣糸が頂部に引っかかる虞
があり、特に、ポリエチレン(PE)ラインを使用した
場合には、その傾向が強くなる。
【0038】しかも、上述したように、撥水処理行程を
施すことによって、竿管ROの内面がフッ素固体潤滑粉
によって優れた潤滑性を有するのみならず、適度な表面
硬度をと優れた撥水性を有するため、釣糸抵抗の低減を
効果的に図ることができる。
【0039】尚、釣糸ガイド形成素材5として、上述し
たようなひも状の編組やヤーンではなく、長手方向に繊
維が配向されたスリットテープを剥離テープ2の巻回後
に全長に亘って巻回して、釣糸ガイド突部を形成しても
よい。
【0040】図4は、上述した釣糸ガイド突部G1の変
形例を示している。即ち、図3に示した釣糸ガイド突部
G1においては、頂部G1dを通る垂線と前方傾斜面G
1bとの間の角度が、上記垂線と後方傾斜面G1cとの
間の角度と実質的に同一であるように設定されている
が、図4に示した釣糸ガイド突部G2においては、頂部
G2dを通る垂線VLと前方傾斜面G2bとの間の角度
αが、上記垂線VLと後方傾斜面G2cとの間の角度β
よりも小さく設定されている。勿論、この釣糸ガイド突
部G2は、上述した釣糸ガイド突部G1における垂直面
G1aに対応する垂直面G2aを有している。このよう
な構造により、後方傾斜面G2cは、上述した後方傾斜
面G1cと同様に水の排出を容易にする一方、前方傾斜
面G2bは、釣糸を竿管RO内に導くときに、釣糸をし
ごいて水滴を掻き落とす作用を有する。
【0041】次に、図7乃至図9を参照して本発明の第
2実施形態に係る中通し釣竿の製造方法を以下に説明す
る。この第2実施形態に係る方法は、上述した第1実施
形態に係る方法の改良である。即ち、第1実施形態に係
る方法によれば、剥離テープ2の巻回状態において、そ
の薄肉部分2bは厚肉部分2aに重ね合わされ、このと
き、薄肉部分2bの端面2zは、厚肉部分2aの上面と
傾斜面2yとの連結部分である角部に配置されることを
前提に説明したが、場合によっては、図5に示すよう
に、薄肉部分2bの端面2zが、厚肉部分2aの上面と
傾斜面2yとの連結部分である角部に到達しない可能性
がある。
【0042】この場合には、凹部3は、図1に示す凹部
3のように好ましい形状を有さず、図5に示すように変
形した形状を露呈する。その結果、形成された釣糸ガイ
ド突部G3は、図3に示した釣糸ガイド突部G1の垂直
面G1a、前方傾斜面G1b、頂部G1d、後方傾斜面
G1c、底面G1eにそれぞれ対応する垂直面G3a、
前方傾斜面G3b、頂部G3d、後方傾斜面G3c、底
面G3eを有するのみならず、垂直面G3aを竿管RO
の前方側に偏倚させることによって形成された段部G3
fをも有する。このような形状を有する釣糸ガイド突部
G3においては、段部G3f上に水滴が乗り上げて、こ
れが頂部G3dに付着する虞がある。
【0043】このような問題に鑑み、本発明の第2実施
形態に係る方法においては、剥離テープ12が、図7に
示す形状を有している。即ち、剥離テープ12は、第1
実施形態におけると同様に、厚肉部分12aと薄肉部分
12bとから構成されており、この厚肉部分12aは、
第1実施形態における傾斜面2xに対応する傾斜面12
xを有しているが、同第1実施形態における他の傾斜面
2yに対応する面が、垂直面12vと、その下端から連
続する傾斜面12yとの2つの面によって構成されてい
る。
【0044】上述した厚肉部分12aにおいて、傾斜面
12xと、厚肉部分12aの底面との間の角度θ7は、
図1に示した角度θ1と同様に約45度に保持され、一
方、他の傾斜面12yと、厚肉部分12aの底面との間
の角度θ9も同様に約45度に保持されている(図7参
照)。また、厚肉部分の上面と垂直面12vとの間の角
度θ8は約90度に保持されている。
【0045】本発明の第2実施形態に係る方法は、上述
した形状を有する剥離シート12を使用することを除
き、本発明の第1実施形態に係る方法におけると同一の
剥離テープ巻回工程、釣糸ガイド形成素材配置工程、プ
リプレグ巻回工程、加圧焼成工程、芯金及び剥離テープ
除去工程、並びに、撥水処理工程からなっている。従っ
て、これらの行程の説明を省略する。尚、図7及び図8
において、対応する構成要素に付した符号は、第1実施
形態における構成要素に付した符号に「10」をそれぞ
れ付加したものである。
【0046】図8は、加圧焼成行程後の状態を示す部分
断面図である。図8に示すように、剥離テープ12の薄
肉部分12bの端面12zは、厚肉部分12aの上面と
垂直面12vとの連結部分まで到達していない。このよ
うな状態であっても、加圧焼成行程を行なうことによ
り、竿管本体形成用プリプレグ14の合成樹脂が溶融
し、その一部は凹部13内に浸入する。このとき、溶融
した合成樹脂の一部は、薄肉部分12bの端面12z側
にも浸入する。
【0047】その結果、図9に示すような形状を有する
釣糸ガイド突部G4が竿管ROの内面に形成される。こ
の釣糸ガイド突部G4は、図3に示した釣糸ガイド突部
G1の垂直面G1a、前方傾斜面G1b、頂部G1d、
後方傾斜面G1c、底面G1eにそれぞれ対応する垂直
面G4a、前方傾斜面G4b、頂部G4d、後方傾斜面
G4c、底面G4eを有するのみならず、垂直面G4a
を竿管ROの前方側に偏倚させることによって形成され
た段部G4fをも有するが、この段部G4fと前方傾斜
面G4bとの間には他の垂直面G4gが形成されてい
る。従って、たとえ、上述したように段部G4fが形成
され、水滴がこの段部G4fを乗り上げても、上述した
他の垂直面G4gによって水滴が頂部G4dに付着する
ことが回避される。
【0048】次に、図10及び図11を参照して本発明
の第3実施形態に係る中通し釣竿の製造方法を以下に説
明する。本発明の第3実施形態に係る方法は、異なる形
状を有する剥離シート22を使用することを除き、本発
明の第1実施形態に係る方法におけると同一の剥離テー
プ巻回工程、釣糸ガイド形成素材配置工程、プリプレグ
巻回工程、加圧焼成工程、芯金及び剥離テープ除去工
程、並びに、撥水処理工程からなっている。従って、こ
れらの行程の説明を省略する。尚、図10及び図11に
おいて、対応する構成要素に付した符号は、第1実施形
態における構成要素に付した符号に「20」をそれぞれ
付加したものである。
【0049】剥離テープ22は、第1実施形態における
と同様に、厚肉部分22aと薄肉部分22bとから構成
されているが、厚肉部分22aは、第1実施形態におけ
る傾斜面2x及び他の傾斜面2yに対応する位置に、湾
曲面22x及び他の湾曲面22yをそれぞれ有してい
る。湾曲面22xの曲率は、他の湾曲面22yの曲率よ
りも大きい。また、薄肉部分22bの端面22zは、上
述した他の湾曲面22yの曲率と同一の曲率をもって円
弧状に形成されている。
【0050】このような剥離テープ22は、第1実施形
態におけると同様の方法で、芯金21に巻回される。剥
離テープ22の薄肉部分22bは、厚肉部分22aに重
ね合わされるが、このとき、薄肉部分22bの端面22
zは、図10に示すように、他の湾曲面22yと一致し
て、同一の曲率の曲面を形成する。
【0051】図11は、上述した第3実施形態に係る方
法によって製造された中通し釣竿における竿管ROの部
分縦断面図である。この方法によれば、図11に示すよ
うに、竿管ROの内面に半円形の断面形状を有する釣糸
ガイド突部G5が形成される。この釣糸ガイド突部G5
は、上述したように半円形の断面形状を有しているが、
釣糸はその頂部G5aによって案内される。
【0052】次に、図12及び図13を参照して本発明
の第4実施形態に係る中通し釣竿の製造方法を以下に説
明する。本発明の第4実施形態に係る方法は、異なる形
状を有する剥離シート32を使用することを除き、本発
明の第1実施形態に係る方法におけると同一の剥離テー
プ巻回工程、釣糸ガイド形成素材配置工程、プリプレグ
巻回工程、加圧焼成工程、芯金及び剥離テープ除去工
程、並びに、撥水処理工程からなっている。従って、こ
れらの行程の説明を省略する。尚、図12及び図13に
おいて、対応する構成要素に付した符号は、第1実施形
態における構成要素に付した符号に「30」をそれぞれ
付加したものである。
【0053】剥離テープ22は、第1実施形態における
と同様に、厚肉部分32aと薄肉部分32bとから構成
され、しかも、厚肉部分32aは、第1実施形態におけ
る傾斜面2x及び他の傾斜面2yに対応する位置に、傾
斜面32x及び他の傾斜面32yをそれぞれ有している
が、薄肉部分32bの端面32zは、上述した他の傾斜
面32yと同一の傾斜角度を有する傾斜面として構成さ
れている。
【0054】このような剥離テープ32は、第1実施形
態におけると同様の方法で、芯金31に巻回される。剥
離テープ32の薄肉部分32bは、厚肉部分32aに重
ね合わされるが、このとき、薄肉部分32bの端面32
zは、図12に示すように、他の傾斜面32yと同一平
面上に位置する。
【0055】図13は、上述した第4実施形態に係る方
法によって製造された中通し釣竿における竿管ROの部
分縦断面図である。この方法によれば、図13に示すよ
うに、竿管ROの内面に略三角形の断面形状を有する釣
糸ガイド突部G6が形成される。この釣糸ガイド突部G
6は、前方傾斜面G6aと、後方傾斜面G6bと、頂部
G6cとを有する略三角形の断面形状を有しているが、
釣糸はその頂部G6cによって案内される。
【0056】次に、図14を参照して本発明の第5実施
形態に係る中通し釣竿の製造方法を以下に説明する。本
発明の第5実施形態に係る方法は、異なる形状を有する
剥離シート42を使用することを除き、本発明の第1実
施形態に係る方法におけると同一の剥離テープ巻回工
程、釣糸ガイド形成素材配置工程、プリプレグ巻回工
程、加圧焼成工程、芯金及び剥離テープ除去工程、並び
に、撥水処理工程からなっている。従って、これらの行
程の説明を省略する。尚、図14において、対応する構
成要素に付した符号は、第1実施形態における構成要素
に付した符号に「40」をそれぞれ付加したものであ
る。
【0057】剥離テープ42は、第1実施形態における
と同様に、厚肉部分42aと薄肉部分42bとから構成
されているが、薄肉部分42bは、図14に示すよう
に、厚肉部分42aの幅の約6分の1の著しく短い幅を
有している。
【0058】このような剥離テープ42は、第1実施形
態におけると同様の方法で、芯金41に巻回されるが、
剥離テープ42の薄肉部分42bは、厚肉部分32aの
上面まで到達することなく、その傾斜面42xに重ね合
わされる。
【0059】第5実施形態に係る方法によって製造され
た中通し釣竿においては、形成された釣糸ガイド突部G
7の形状(図15参照)は、図14に示した凹部43の
形状に対応しており、釣糸ガイド突部G7の後端部、即
ち、芯金41の略軸線方向に切った断面形状において、
竿元側には、剥離テープ42における薄肉部分42bの
端部42zによって段部G7eが形成される。
【0060】即ち、釣糸ガイド突部G7は、図15に示
すように、滑らかな凸面状に形成された頂部G7dと、
この頂部G7dに連続してこれよりも前方側に形成され
た前方凸面G7aと、頂部G7dに連続してこれよりも
後方側に形成された後方凸面G7cと、この後方凸面G
7cに連続してこれよりも後方側に形成された溝状の段
部G7eと、この段部G7eに連続してこれよりも後方
側に形成された後方凹面G7bとを有している。
【0061】上述した段部G7eは、釣竿内に浸入した
水を貯めるための補助タンクとして作用するもので、こ
れは釣糸ガイド突部G7の頂部G7dよりも後方且つ下
方に位置するため、釣糸案内特性に影響を与えることは
ない。
【0062】上述した第5実施形態に係る方法によれ
ば、薄肉部分42bの幅が著しく短いため、剥離テープ
42の製造が容易である。
【0063】上述した第5実施形態に係る方法によって
製造された中通し釣竿においては、釣糸巻き取りの際、
釣糸ガイド突部G7の頂部G7dによってしごききれず
に竿管内に滞留する水滴Wは、先ず、補助タンクとして
作用する上記段部G7eに蓄積される。この段部G7e
が水滴Wで満たされ、これをオーバーフローした水滴
は、釣糸ガイド突部G7、G7間における竿管内面上に
蓄積される。
【0064】投擲の際の釣糸放出時には、特に、スピニ
ングリールにおいては、釣糸は螺旋の状態で竿管内に入
り込み、竿先から放出される。この時、釣糸は竿管内に
おいても螺旋状を維持しており、このような螺旋状の釣
糸は上記段部G7e内の水滴Wと接触する。ここで、投
擲後、釣竿は竿先が下向きに保持された状態に置かれる
ため、水が竿管内を流れ落ちる。段部G7e内の水滴が
付着した釣糸は、このような水の流れと共に釣竿の竿先
から放出される。従って、釣糸の放出が円滑に行なわれ
ると共に、釣竿内の水滴の排出が効果的に行なわれる。
【0065】一方、投擲後、あたりを待つまでに潮の流
れに任せて釣糸を自然に放出するときなどは、釣糸に若
干の張力が加えられ、その結果、釣糸は螺旋状になるこ
となく、頂部G7dに当接する。この状態では、釣糸は
段部G7e内の水滴と接触することなく、従って、摺動
抵抗が少なく糸滑りがよい。
【0066】このように竿管内に滞留した水滴を効率よ
く排出できるので、長時間の釣りを行なっても、釣糸の
抵抗を長期間に亘って小さく維持することができ、釣竿
が水滴によって重くなることがない。また、段部G7e
により、釣糸が釣糸ガイド突部G7、G7間の竿管内面
底部に多く溜まった水にべったり付着するのを防止して
いるので、摺動抵抗が少なくなる。
【0067】
【発明の効果】請求項1に記載したように、本発明の中
通し釣竿の製造方法は、剥離テープを厚肉部分と薄肉部
分とによって構成し、剥離テープの巻回時に薄肉部分が
折れ曲がって隣り合う剥離テープの厚肉部分に重なり、
厚肉部分と薄肉部分とで竿管内面に螺旋状又はリング状
に突出する突部が形成される凹部を設けるようにしたの
で、形成される釣糸ガイド突部にバリを発生させず、表
面の滑らかな釣糸ガイド突部を有する中通し釣竿を非常
に簡単な方法で製造することができる。また、薄肉部分
は滑らかに折れ曲がるので、厚肉部分を確実に密着する
ことができ、合成樹脂の流入によるバリを発生させるこ
とがない。
【0068】請求項1の方法において、請求項2に記載
したように、剥離テープを巻回する工程と、竿管本体形
成用プリプレグを巻回する工程との間に、凹部内に釣糸
ガイド形成部材を配置する工程を行なえば、釣糸ガイド
突部の強度を向上し、安定した釣糸案内特性を確保する
ことができる。
【0069】請求項1又は請求項2の方法において、請
求項3に記載したように、凹部を、芯金の軸線方向に切
った断面形状において、竿先側に垂直面を有する不等辺
四角形状に形成すれば、釣糸ガイド突部の頂部に水滴が
付着せず、糸滑りが良く、且つ、竿管内に浸入した水滴
を容易に排出できる。
【0070】請求項1乃至請求項3の何れかの方法にお
いて、請求項4に記載したように、凹部内に位置する薄
肉部分の端部によって、釣糸ガイド突部に、芯金の略軸
線方向に切った断面形状において、竿元側に貯水可能な
形状を有する段部を形成すれば、釣糸放出時に、この段
部に蓄積された水滴を釣糸に付着させて竿管外に排出す
ることができ、釣糸の放出を円滑に行なうことができ
る。また、長時間に亘って釣りを行なっても、釣糸抵抗
が増大することなく、竿が重くなることもなく、非常に
使い心地の良い釣竿を得ることができる。
【0071】請求項1乃至請求項4の何れかの方法によ
って製造された、請求項5に記載した中通し釣竿によれ
ば、表面の滑らかな釣糸ガイド突部が得られ、これによ
って、円滑な釣糸案内特性が確保される。
【0072】請求項5の中通し釣竿において、請求項6
に記載したように、釣糸ガイド突部の頂部に円弧状面を
形成すれば、頂部に当接する釣糸を傷つけることがな
く、耐久性が向上し、また、釣糸を円滑に案内でき、糸
滑りが良くなる。また、竿管内に浸入した水滴の排出も
容易に行える。
【0073】請求項5又は請求項6の中通し釣竿におい
て、請求項7に記載したように、釣糸ガイド突部の頂部
から竿管の前方側に伸びる前方側傾斜面と頂部を通る垂
線との間の角度が、頂部から竿管の後方側に伸びる後方
側傾斜面と垂線との角度よりも小さくすれば、竿管内に
浸入した水滴を容易に排出でき、且つ、釣糸が竿管内に
導かれる際に釣糸に付着した水滴をしごき落とすことが
でき、糸滑りが更に良好になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る中通し釣竿の製造
方法を示す部分概略断面図
【図2】第1実施形態に係る製造方法において使用され
る剥離テープを示す断面図
【図3】第1実施形態に係る製造方法によって得られた
釣糸ガイド突部の断面図
【図4】図3に示した釣糸ガイド突部の変形例を示す断
面図
【図5】第1実施形態に係る製造方法において、剥離テ
ープの端部がずれて巻回された状態を示す断面図
【図6】図5に示した剥離テープの巻回状態に基づいて
形成された釣糸ガイド突部の断面図
【図7】本発明の第2実施形態に係る中通し釣竿の製造
方法において使用される剥離テープを示す図
【図8】第2実施形態に係る中通し釣竿の製造方法にお
ける加圧焼成行程後の状態を示す部分断面図
【図9】第2実施形態に係る製造方法によって得られた
釣糸ガイド突部の断面図
【図10】本発明の第3実施形態に係る中通し釣竿の製
造方法において使用される剥離テープの巻回状態を示す
部分断面図
【図11】第3実施形態に係る製造方法によって得られ
た釣糸ガイド突部の断面図
【図12】本発明の第4実施形態に係る中通し釣竿の製
造方法において使用される剥離テープの巻回状態を示す
部分断面図
【図13】第4実施形態に係る製造方法によって得られ
た釣糸ガイド突部の断面図
【図14】本発明の第5実施形態に係る中通し釣竿の製
造方法において使用される剥離テープの巻回状態を示す
部分断面図
【図15】第5実施形態に係る製造方法によって得られ
た釣糸ガイド突部の断面図
【符号の説明】
1、11、21、31、41 芯金 2、12、22、32、42 剥離テープ 2a、12a、22a、32a、42a 厚肉部分 2b、12b、22b、32b、42b 薄肉部分 3、13、23、33、43 凹部 4、14、44 竿管本体形成用プリプレグ G1、G2、G3、G4、G5、G6、G7 釣糸ガイ
ド突部 G7e 段部 5、15、45 釣糸ガイド形成素材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安井 晃 広島県府中市目崎町762番地 リョービ株 式会社内 Fターム(参考) 2B019 AA02 AB37 AB51 AC00 BA07

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 竿管形成用の芯金に、厚肉部分と薄肉部
    分とからなる剥離テープを、前記薄肉部分が折れ曲がっ
    て、これに隣接する剥離テープの厚肉部分に重合させ
    て、前記厚肉部分と前記薄肉部分との間に凹部を形成す
    るように巻回し、このように巻回された剥離テープの外
    側に竿管本体形成用プリプレグを巻回し、これを加圧焼
    成して、前記竿管本体形成用プリプレグを溶融させて、
    その一部を前記凹部内に浸入させた後、前記芯金及び前
    記剥離テープを除去し、前記凹部に対応する釣糸ガイド
    突部を内面に有する竿管を形成することを特徴とする中
    通し釣竿の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記剥離テープを巻回する工程と、前記
    竿管本体形成用プリプレグを巻回する工程との間に、前
    記凹部内に釣糸ガイド形成部材を配置する工程を行なう
    ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記凹部を、前記芯金の軸線方向に切っ
    た断面形状において、竿先側に垂直面を有する不等辺四
    角形状に形成することを特徴とする請求項1又は請求項
    2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記凹部内に位置する前記薄肉部分の端
    部によって、前記釣糸ガイド突部には、前記芯金の略軸
    線方向に切った断面形状において、竿元側に貯水可能な
    形状を有する段部が形成されることを特徴とする請求項
    1乃至請求項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項4の何れかの方法に
    よって製造された中通し釣竿。
  6. 【請求項6】 前記釣糸ガイド突部の頂部に円弧状面が
    形成されていることを特徴とする請求項5に記載の中通
    し釣竿。
  7. 【請求項7】 前記釣糸ガイド突部の頂部から前記竿管
    の前方側に伸びる前方側傾斜面と前記頂部を通る垂線と
    の間の角度が、前記頂部から前記竿管の後方側に伸びる
    後方側傾斜面と前記垂線との角度よりも小さいことを特
    徴とする請求項5又は請求項6に記載の中通し釣竿。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006075053A (ja) * 2004-09-08 2006-03-23 Shimano Inc 中通し竿用の竿体及び中通し竿
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