JP2001008436A - 渦電流式減速装置 - Google Patents

渦電流式減速装置

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JP2001008436A
JP2001008436A JP11174552A JP17455299A JP2001008436A JP 2001008436 A JP2001008436 A JP 2001008436A JP 11174552 A JP11174552 A JP 11174552A JP 17455299 A JP17455299 A JP 17455299A JP 2001008436 A JP2001008436 A JP 2001008436A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 制動トルクを増大させること。 【解決手段】 制動ドラム7の内周面に近接した外周壁
12を含むケース10と、ケース10内に支持された非
磁性体からなる支持筒20と、支持筒20に周方向に間
隔をおいて配設されかつ周方向両端に磁極面を有する複
数の磁石22と、磁石22の各々の磁極面にそれぞれ密
着して支持筒20の外周面に配設された複数の強磁性部
材24とを備えた渦電流式減速装置。強磁性部材24の
各々の周方向の一端部には磁石22の各々よりも半径方
向外側に延び出す突出部24bが形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両、特にトラッ
ク等の大型車両のメインブレーキであるフットブレーキ
を補助するために適用される渦電流式減速装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】本出願人であるいすゞ自動車株式会社が
先に開発し、そして同社から出願された特願平9−17
2910号明細書に開示された渦電流式減速装置は、回
転軸に連結された制動ドラムと、制動ドラムの内側に同
軸に配設された環状のケースとを備えている。ケース
は、制動ドラムの内周面に近接した外周壁を備えてい
る。ケース内には強磁性体からなる支持筒が軸方向移動
可能に支持されている。支持筒には周方向に等間隔おい
て複数の永久磁石が支持されている。磁石の各々は、半
径方向両端に磁極面を有すると共に周方向に交互に異極
となるよう配設されている。ケースの上記外周壁の、磁
石の各々の外面を覆う部分は強磁性体の薄板から構成さ
れ、また磁石の各々間の空隙を覆う部分は非磁性体の薄
板から構成されている。支持筒は、アクチュエータによ
って、磁石の各々における磁極面の片面(半径方向外側
面)が薄板の対応する強磁性体と対向する制動位置と、
制動ドラムの内側から軸方向外側に退避する非制動位置
とに軸方向に往復移動させられる。制動時には、磁石、
強磁性体、制動ドラム、前記強磁性体と周方向に隣接す
る他の強磁性体、前記磁石と周方向に隣接する他の磁石
及び支持筒の間に磁気回路が形成され、制動ドラムに渦
電流に基づく制動トルクが発生する。非制動時には、磁
石の各々の磁界は制動ドラムに及ばなくなり、制動が解
除される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記渦電流式減速装置
においては、磁石の各々の磁極が半径方向に向けられて
おり、したがって、磁極の片面(半径方向外側面)が制
動ドラムの内周面に薄板からなる強磁性体を介して対向
し、他面(半径方向内側面)が支持筒に密着するよう位
置付けられるので、制動時における磁気回路が支持筒を
迂回し、磁石と制動ドラム内周面との間の磁束の流れは
磁石の片面側だけであるので、磁束の量が少なくなって
いる。このため、車両(自動車)においては、低速域
(一般には10〜40km/h)における渦電流の発生
量が少なく、十分な制動トルクが得られない。低速域で
の制動トルクをアップするためには、磁石の周方向長さ
を大きくしなければならなかった。すなわち磁石の体積
を大きくしなければ制動トルクをアップさせることがで
きなかった。
【0004】本発明は上記事実に基づいてなされたもの
であり、その目的は、従来と同じ体積の磁石を使用して
従来よりも大きな制動トルクが得られる、新規な渦電流
式減速装置を提供することである。
【0005】本発明の他の目的は、従来と同じ体積の磁
石を使用して自動車の低速域における制動トルクを従来
よりも増大させることができる、新規な渦電流式減速装
置を提供することである。
【0006】本発明の更に他の目的は、磁石側に設けら
れた強磁性部材の、制動ドラムの内周面に対向する先端
部における磁束密度を高めることを可能にし、その結
果、制動トルクを増大させることができる、新規な渦電
流式減速装置を提供することである。
【0007】本発明のその他の目的及び特徴は、本発明
に従って構成された渦電流式減速装置の実施形態につい
て添付図面を参照して詳細に説明する後の記載から明ら
かになるであろう。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の一局面によれ
ば、制動ドラムと、制動ドラムの内周面に近接した外周
壁を含むケースと、ケース内に支持された非磁性体から
なる支持筒と、支持筒の外周部に周方向に間隔をおいて
配設されかつ周方向両端に磁極面を有する複数の磁石
と、磁石の各々の磁極面にそれぞれ実質上密着して支持
筒の外周面に配設された複数の強磁性部材とを備え、強
磁性部材の各々には、各々の基部から磁石よりも半径方
向外側に延び出す突出部が形成され、突出部の各々の先
端の周方向幅は上記基部の先端部における周方向幅より
も狭く形成される、ことを特徴とする渦電流式減速装
置、が提供される。
【0009】本発明の他の局面によれば、制動ドラム
と、制動ドラムの内周面に近接した外周壁を含むケース
と、ケース内に支持された非磁性体からなる支持筒と、
支持筒の外周部に周方向に間隔をおいて配設されかつ周
方向両端に磁極面を有する複数の磁石と、磁石の各々の
磁極面にそれぞれ実質上密着して支持筒の外周面に配設
された複数の強磁性部材とを備え、磁石の各々及び強磁
性部材の各々は、支持筒の全周にわたって交互に周方向
に実質上密着して配設されかつ制動ドラムの軸方向から
見て細長い実質上矩形状をなすと共に長手方向が半径方
向に向けられて配置され、磁石の各々は周方向に対向す
る磁極面が相互に同極となるように配設され、強磁性部
材の各々は磁石の各々よりも半径方向外側に延び出すよ
う構成される、ことを特徴とする渦電流式減速装置、が
提供される。
【0010】本発明の更に他の局面によれば、制動ドラ
ムと、制動ドラムの内周面に近接した外周壁を含むケー
スと、ケース内に軸方向に並列して支持された非磁性体
からなる支持筒と、支持筒の各々の外周部に周方向に間
隔をおいて配設されかつ周方向両端に磁極面を有すると
共に支持筒の各々間で並列される複数の磁石と、磁石の
各々の磁極面にそれぞれ実質上密着して支持筒の各々に
配設されると共に支持筒の各々間で並列される一対の強
磁性部材とを備え、支持筒の各々における強磁性部材の
各々には、各々の基部から磁石よりも半径方向外側に延
び出す突出部が形成され、突出部の各々の先端の周方向
幅は上記基部の先端部における周方向幅よりも狭く形成
される、ことを特徴とする渦電流式減速装置、が提供さ
れる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適実施形態を添
付図面を参照して更に詳細に説明する。なお、図1〜図
16において実質上同一部分は同一符号で示されてい
る。図1を参照して、図示しないトラックにおけるトラ
ンスミッションの出力軸(回転軸)2には、半径方向外
方に延びるフランジ部4が取り付けられている。フラン
ジ部4には、パーキングブレーキ用の制動ドラム6と、
渦電流式減速装置用のロータである制動ドラム7とが複
数のボルト8により共締めされている。以上の構成によ
り制動ドラム7は出力軸2に連結される。制動ドラム7
は鉄などの透磁率の大なる強磁性体から形成されてい
る。制動ドラム7の半径方向外側及び軸方向の外側には
複数の冷却フィン9が一体に設けられている。制動ドラ
ム7の内側(環状空間の内側)には、中空円環状のケー
ス10が同軸に配設されている。図示しないミッション
ケースに装着されたケース10は、全体がほぼ円筒形状
をなす外周壁12と、外周壁12よりも小径の内周壁1
4と、外周壁12及び内周壁14の軸方向両端において
それらを連結するように配設された円環状の端壁16及
び18とから構成されている。ケース10の軸方向のほ
ぼ半分は、制動ドラム7の内側(円錐面からなる開放端
を除く内周面の内側)に配置されている。ケース10
は、全体が例えばアルミニウムなどの非磁性体から構成
されている。
【0012】ケース10における外周壁12の、制動ド
ラム7の軸方向の外側に位置付けられた軸方向の一部分
である外側部分12aと、外側部分12aの軸方向の一
端から半径方向内側に延びる端壁16と、端壁16の半
径方向内端から軸方向の他端に向かって制動ドラム7の
内側まで延びる内周壁14とは、縦断面において、水平
方向に向けられたほぼチャンネル形状(外周壁12の外
側部分12aよりも内周壁14の方がほぼ倍ほど長いの
で長さ違いのチャンネル形状)をなすよう、例えばアル
ミニウムなどの非磁性体から一体に形成されている。ま
た、外周壁12の、制動ドラム7の内側において制動ド
ラム7の内周面に近接して位置付けられた内側近接部分
12bを含む軸方向の他の部分は、例えばアルミニウム
などの非磁性体からなる薄板から筒状体をなすように一
体に形成されている(逆にこの部分を、鉄などの強磁性
体からなる薄板により形成する実施形態も成立する)。
半径方向に延在する端壁18はアルミニウムなどの非磁
性体からなるリング形状に形成されている。ケース10
はこれら三つの環状部材から構成されている。外周壁1
2の外側部分12aは制動ドラム7とほぼ同じ肉厚に形
成されている。制動ドラム7の軸方向の開放端及び外周
壁12の外側部分12aの軸方向の開放端は、それぞれ
相互に間隔をおいて対向する円錐面をなしている。外周
壁12の、薄板からなる内側近接部分12bの軸方向の
一端部には内側近接部分12aの円錐面に整合する傾斜
部12cが形成され、軸方向の他端には、半径方向内側
に延びるフランジ部12dが形成されている。ケース1
0における内周壁14の、制動ドラム7の内側に位置す
る軸方向の他端には、半径方向内方に延びる環状のフラ
ンジ部12eが形成されている。端壁18は内周壁14
にフランジ部12eを介してボルト12fにより結合さ
れ、外周壁12の、内側近接部分12bを含む軸方向の
他の部分は、その傾斜部12cを外側部分12aの円錐
面にボルト12gにより締結することにより外側部分1
2aに結合されると共に、そのフランジ部12dを端壁
18の外周縁部の外側にボルト12hにより締結するこ
とにより端壁18に結合される。ケース10の円環状の
中空部は、図1に示すように縦断面がほぼ矩形状をなし
ている。
【0013】図1及び図2を参照して、ケース10の中
空部内には、例えばアルミニウムなどの非磁性体からな
る支持筒20が軸方向移動可能に支持されている。円筒
形状をなす支持筒20の外周部には、断面がチャンネル
形状をなす環状の溝20aが設けられている。支持筒2
0の溝20a内には、複数の磁石22及び強磁性部材2
4が、溝20aの全周にわたって交互に周方向に実質上
密着して配設されている。この構成により、磁石22の
各々及び強磁性部材24の各々の軸方向への移動が溝2
0aの軸方向両側壁によって阻止され、安定した保持が
確保される。磁石22及び強磁性部材24の各々の半径
方向内側の部位は溝20a内に実質上密着して嵌合され
ている。磁石22の各々は、ほぼ直方体形状をなす永久
磁石から構成され、それぞれ周方向両端に磁極面を有す
ると共に相互に周方向に間隔をおいて対向する磁極面の
極性が同極(N−N、S−S)となるように配列されて
いる。磁石22の各々は、図2に示すように、支持筒2
0の軸方向から見て(すなわち制動ドラム7の軸方向か
ら見て)、細長い矩形状をなすと共にその長手方向が半
径方向に向けられるよう配置されている。強磁性部材2
4の各々は、磁石22の各々の先端(半径方向外側先
端)よりも半径方向外側に延び出すよう構成され、強磁
性部材24の各々における半径方向外側先端の周方向幅
は、隣接する磁石22の半径方向外側先端と実質上同じ
半径方向部位(強磁性部材24の各々が半径方向外側に
延び出す基部の先端)の周方向幅よりも短く形成され
る。磁石22の各々を周方向に挟んで位置する強磁性部
材24の各々の、対応する磁石22を周方向に挟んだ部
位であって、強磁性部材24の各々の半径方向外側先端
よりも半径方向内側の部位には、磁石22の半径方向外
側先端面と実質上同じ半径方向レベルを有する取付面が
それぞれ形成されている。
【0014】更に具体的に説明すると、強磁性部材24
の各々は、図2に示すように、支持筒20の軸方向から
見て、ほぼ矩形状をなしかつ周方向の両端が磁石22に
密着される基部(磁石22の上記先端から半径方向外側
へ突出しない部分である基部)24aと、基部24aの
先端(半径方向外側先端)における周方向の中央部から
半径方向外側に延び出すよう形成された突出部24bと
からなる。突出部24bの各々は、上記軸方向から見
て、基部24aの上記先端から延び出すにしたがって相
互に近付くよう傾斜した周方向両側面と、ほぼ平坦に形
成された先端面とからなり、全体としてほぼ台形状をな
している。磁石22及び強磁性部材24の各々が支持筒
20の溝20a内に嵌合された状態で、強磁性部材24
の各々における基部24aの周方向両端面は対応する磁
石22の磁極面に実質上密着させられる。基部24aの
各々の半径方向外側先端における突出部24bの周方向
両側には、取付面(肩)24cが形成されている。取付
面24cの各々は、基部24aの各々の上記先端を規定
すると共に、隣接する磁石22の上記先端と実質上同じ
半径方向レベルに位置付けられている。強磁性部材24
の各々の突出部24bの半径方向外側先端の周方向幅
は、隣接する磁石22の半径方向外側先端と実質上同じ
半径方向レベルにおける強磁性部材24の周方向幅、し
たがって基部24aの半径方向外側先端部の周方向幅よ
りも狭く形成されている。強磁性部材24の各々及び磁
石22の各々は、それぞれにおいて実質上同一の断面形
状で上記軸方向にほぼ同じ長さ延在するよう形成されて
いる。
【0015】磁石22及び強磁性部材24の各々が支持
筒20の溝20a内に嵌合された状態で、強磁性部材2
4の各々の取付面24cは、対応する磁石22を周方向
に挟んで位置付けられる。磁石22の各々を周方向に挟
む取付面24cの各々は、強磁性部材24の各々の半径
方向外側先端面(突出部24bの先端面)よりも半径方
向内側の位置に位置付けられると共に、磁石22の半径
方向外側先端面と実質上同じ半径方向レベルを有するよ
う位置付けられる。磁石22の各々を周方向に挟む取付
面24cの各々に跨がって取付部材26が配置され、強
磁性部材24の各々及び磁石22の各々は、取付部材2
6を介してボルト27により支持筒20に離脱自在に装
着(固着)される。この構成により、一つの磁石22
と、これを周方向に挟んで位置する二つの強磁性部材2
4とを、一体的に半径方向外側から支持筒20に対し押
さえ付ける形態で効率的に固定できる。ボルト27の各
々はアルミニウム等の非磁性体からなり、各々の頭部
は、強磁性部材24の各々の突出部24bの先端面より
も半径方向内側に位置付けられることが好ましい。取付
部材26はステンレスあるいはアルミニウム等の非磁性
体からなり、矩形状の平坦な板あるいはブロック体から
構成される。なお、取付部材26の各々の周方向両端部
及び強磁性部材24の各々の取付面24cには、ボルト
27がそれぞれ挿入される貫通孔が半径方向に延在する
よう形成され、支持筒20の溝20aの底部にはボルト
27の各々が係合されるねじ孔が形成されている。これ
らの貫通孔及びねじ孔は同軸上に位置付けられるよう形
成される。ボルト27は、強磁性部材24の各々の取付
面24cについて少なくとも1個使用され、必要に応じ
てその数を増加すればよい。強磁性部材24の各々が磁
石22と共に支持筒20に装着された状態において、強
磁性部材24の各々の突出部24bの半径方向外側先端
面は、薄板からなる外周壁12bを介して制動ドラム7
の内周面に近接して対向させられる(上記先端面は制動
ドラム7の内周面に面する対向面を規定する)。
【0016】ケース10には、支持筒20を軸方向に往
復移動させて制動と非制動との切換を行なうアクチュエ
ータであるエアシリンダ機構30が付設されている。エ
アシリンダ機構30は、ケース10の端壁16の外側に
装着されたシリンダ32と、シリンダ32内に摺動自在
に収容されたピストン34と、ピストン34と支持筒2
0とを連結するピストンロッド36とを備えている。ピ
ストンロッド36は、端壁16を貫通してピストン34
からケース10の中空部内に延びるよう配設され支持筒
20に連結されている。
【0017】シリンダ32内はピストン34により二つ
の室に区画され、一方の室(図1において左側の室)
に、圧力エア供給源である図示しないエアタンクから圧
力エアが供給されると、ピストン34及びピストンロッ
ド36を介して支持筒20、磁石22の各々及び強磁性
部材24の各々が一体に図1において右方に移動させら
れて、制動ドラム7の内側である制動位置に位置付けら
れる。またこの制動状態において、シリンダ32内の他
方の室(図1において右側の室)に図示しないエアタン
クから圧力エアが供給されると、ピストン34及びピス
トンロッド36を介して支持筒20、磁石22の各々及
び強磁性部材24の各々が一体に図1において左方に移
動させられて、制動ドラム7の内側から退避した非制動
位置に位置付けられる。なお、エアシリンダ機構30は
周方向に等間隔をおいて複数個、例えば3個配設される
ことが好ましい。
【0018】以上のように構成された渦電流式減速装置
を作動させて、走行中のトラックに制動(補助制動)を
作用させる(制動ONとする)場合には、エアシリンダ
機構30を作動させて支持筒20、磁石22の各々及び
強磁性部材24の各々を制動位置に位置付ける(図1に
おいて実線で示される位置及び図2参照)。制動ドラム
7の内側において、磁石22の各々と、磁石22の各々
を周方向に挟んで位置する強磁性部材24の各々及び制
動ドラム7との間に、薄板からなる外周壁12を通過し
て磁気回路がそれぞれ形成されるので(図2参照)、制
動ドラム7には渦電流が発生し、制動ドラム7に対する
制動が作動させられる。上記したように、磁石22の各
々は周方向両端に磁極面を有し、強磁性部材24の各々
は、磁石22の各々の磁極面にそれぞれ実質上密着して
配置されると共に、磁石22の各々よりも半径方向外側
に延び出すよう構成されているので、制動時、磁石22
の磁極の両面と制動ドラム7の内周面との間に強磁性部
材24を介して磁気回路が形成される。すなわち、磁石
22と制動ドラム7内周面との間の磁束の流れは磁石2
2の両面側で形成され、しかも制動時における磁気回路
が従来のように支持筒20を迂回することがないので、
従来に較べて磁束の量が大幅に増加し、したがって制動
トルクが大幅にアップされる。その結果、従来と同じ体
積の磁石22を使用して従来よりも大きな制動トルクが
得られる。また、従来と同じ体積の磁石22を使用して
自動車の低速域(一般には10〜40km/h)におけ
る渦電流の発生量を従来よりもアップさせることがで
き、したがって従来よりも大きな制動トルクが得られ
る。
【0019】また、上記したように、強磁性部材24の
各々には、各々の基部24aから磁石22よりも半径方
向外側に延び出す突出部24bが形成され、突出部24
bの各々の先端の周方向幅は上記基部24aの先端部に
おける周方向幅よりも狭く形成されているので(いわゆ
る絞り形状をなすので)、上記のように制動時に磁気回
路が形成された状態において、強磁性部材24の各々の
半径方向外側先端部(突出部24bの先端部)に磁束を
集めることができ、該先端部における磁束密度が高めら
れる。その結果、制動トルクが増大させられる。
【0020】制動を解除させて非制動に切り換える(制
動をOFFに切り換える)場合には、エアシリンダ機構
30を作動させて磁石22の各々及び強磁性部材24の
各々を非制動位置に位置付ける(図1において2点鎖線
で示される位置参照)。磁石22の各々及び強磁性部材
24の各々は、支持筒20と一体に制動ドラム7の内側
から軸方向外側に退避させられ、ケース10の外周壁1
2a(制動ドラム7の外側に位置付けられた上記外側部
分12a)に包囲された位置に位置付けられる。その結
果、磁石22の各々は、制動ドラム7に対し磁気を及ぼ
さなくなり、制動ドラム7には渦電流が発生しないの
で、制動が完全に解除される。
【0021】上記実施形態において、磁石22の各々の
磁極面と強磁性部材24の各々の対応する周方向面とが
全周にわたって相互に実質上密着した状態で支持筒20
の外周部に組み付けることができるのであれば、支持筒
20の軸方向から見た、各々の周方向の密着面の形状は
どのようなものであってもよい。例えば、1個の磁石2
2の周方向の両端面(磁極面)は(したがってこれを周
方向に挟んで位置する強磁性部材24の各々の、磁石2
2の磁極面に密着させられる周方向の端面)は、支持筒
20の軸方向から見て、支持筒20の軸心を通る直線と
それぞれ一致するよう形成される実施形態、あるいは支
持筒20の軸方向から見て、半径方向外側に向かって互
いに近付くよう傾斜して形成される実施形態(図3参
照)、あるいはまた支持筒20の軸方向から見て、半径
方向外側に向かって互いに離れるよう傾斜して形成され
る実施形態(図4参照)、等の実施形態を挙げることが
できる。図3に示す実施形態においては、特に磁石22
が抜けにくい構成であるといえる。上記説明から明らか
なように、磁石22の各々及び磁石22の各々の磁極面
にそれぞれ実質上密着して配設された強磁性部材24の
各々は、支持筒20の全周にわたって交互に周方向に実
質上密着して配設されているが、これらの組付を容易に
するため、強磁性部材24の少なくとも1個を周方向に
2分割してもよい。図2の2点鎖線はこの分割ラインを
示す。組立時、周方向の隙間はこの分割部に適宜のシム
(強磁性体からなるシム)を圧入することで容易に調整
することができる。
【0022】更にはまた、強磁性部材24の各々及び磁
石22の各々は、取付部材26を介してボルト27によ
り半径方向外側から支持筒20に締結される形態で装着
されているが、取付部材26もボルト27も使用せずに
接着により装着する実施形態もある。更にはまた、取付
部材26を使用せずにボルト27のみにより強磁性部材
24の各々の取付面24cから支持筒20に締結する実
施形態もある。このボルト27のみ使用の実施形態にお
いて、対応する取付面24cにボルト27のための座ぐ
りを形成し、ボルト27の頭部の頂面と取付面24cと
がほぼ同一面上に位置付けられるよう構成した場合に
は、ボルト27を強磁性体により構成してもよい。また
ボルト27のみ使用の実施形態において、突出部24b
の半径方向外側先端と取付面24cとの半径方向の段差
を比較的大きく構成した場合(突出部24bの、基部2
4aの上記先端からの突出量を大きくした場合)にも、
ボルト27を強磁性体により構成してもよい。ボルト2
7の各々を強磁性体、例えば鉄により構成した場合には
非磁性体から構成する場合に較べてコストを低減するこ
とができる。
【0023】更にはまた、強磁性部材24の各々におけ
る突出部24bは、図2に示すように、上記軸方向から
見て、ほぼ台形状をなしているが、ほぼ矩形状であって
もよいし、矩形状とすると共にこの矩形状の上記先端面
における周方向の両角部に面取りを施した形状であって
もよい。更にはまた、上記実施形態においては、支持筒
20に環状の溝20aが形成され、磁石22の各々及び
強磁性部材24の各々は、溝20a内に嵌合されて取付
部材26を介してボルト27により締結(磁石22の各
々はその半径方向外側先端が取付部材26により押さえ
られることにより固定)されているが、これに代えて、
支持筒20に溝20aを形成することなく、リング形状
をなす一対のサイドプレートを支持筒20の軸方向両端
に当接させてボルトにより締結することにより支持筒2
0の外周面との間で環状の溝を形成し、該溝内に磁石2
2の各々及び強磁性部材24の各々を上記のように配置
し、強磁性部材24の各々とサイドプレートの各々とを
ボルトにより締結する実施形態もある。
【0024】図5には本発明による渦電流式減速装置の
他の実施形態の要部が示されている。強磁性部材24の
各々において、上記取付面24cは、対応する磁石22
を周方向に挟んだ部位のみに形成され、突出部24b
は、該磁石22に対し周方向の反対側の端部に1個だけ
形成されている。強磁性部材24の各々の、磁石22と
密着する周方向端に対し反対側の周方向端には、相互に
密着しうる端面24dが形成されている。端面24dの
各々は、対応する強磁性部材24の基部24aにおける
半径方向内側の部位に形成され、支持筒20の軸方向か
ら見て、支持筒20の軸心を通る直線と一致するよう形
成されている。端面24dの各々の半径方向外側先端と
対応する突出部24bの上記外側先端との間は、上記軸
方向から見て、半径方向外側に向かうにしたがって強磁
性部材24の周方向幅が狭くなるよう傾斜している。図
5に示す渦電流式減速装置のその他の構成は、図1及び
図2に示す渦電流式減速装置の実施形態と実質上同一で
あるので説明は省略する。図5に示す渦電流式減速装置
の実施形態においては、周方向に相互に隣接する強磁性
部材24の各々同士が、半径方向内側の部位に形成され
た端面24dの各々において密着するよう構成されてい
るので、組付が先の実施形態よりも容易である。端面2
4dの各々間に隙間が生じたときには、強磁性体からな
る適宜のシムを圧入することにより容易に調整すること
ができる。
【0025】図6には本発明による渦電流式減速装置の
更に他の実施形態の要部が示されている。この実施形態
において、強磁性部材24の各々の突出部24bは、上
記軸方向から見て、ほぼ逆台形状をなすよう形成されて
いる。すなわち、突出部24bの各々の上記先端の周方
向幅は、各々の基部24aの上記先端における周方向幅
よりも大きく形成されている。突出部24bの各々の周
方向両端面は、上記軸方向から見て、半径方向外側に向
かうにしたがって相互に周方向に離れてゆくように傾斜
しており、かつ該両端面の各々と上記先端面との間の両
角部は鋭角をなすよう構成されている。図6に示す渦電
流式減速装置のその他の構成は、図1及び図2に示す渦
電流式減速装置の実施形態と実質上同一であるので説明
は省略する。図6に示す渦電流式減速装置の実施形態に
おいては、強磁性部材24の各々の突出部24bの半径
方向外側先端における周方向の両角部が、上記軸方向か
ら見て、鋭角をなすよう形成されているので、突出部2
4bの各々の上記先端部と制動ドラム7の内周面との間
の磁束の流れにおける磁気飽和が効果的に防止される。
【0026】図7には本発明による渦電流式減速装置の
更に他の実施形態の要部が示されている。この実施形態
において、強磁性部材24の各々の突出部24bの周方
向の両端面は、上記軸方向から見て、周方向の一方(制
動ドラム7の回転方向−図7において反時計方向)に向
かってほぼ平行に傾斜して延びるよう構成されている。
したがって突出部24bの各々の上記先端面と周方向の
端面であって上記回転方向の下流側の端面との間の角部
は、上記軸方向から見て、鋭角をなすよう形成され、ま
た突出部24bの各々の上記先端面と周方向の反対側の
端面(上記回転方向の上流側の端面)との間の角部は、
上記軸方向から見て、鈍角をなすよう形成されている。
この構成により、突出部24bの各々の上記先端部の特
に上記下流側と制動ドラム7の内周面との間の磁束の流
れにおける磁気飽和が効果的に防止される。図7に示す
渦電流式減速装置のその他の構成は、図1及び図2に示
す渦電流式減速装置の実施形態と実質上同一であるので
説明は省略する。
【0027】図8には本発明による渦電流式減速装置の
更に他の実施形態の要部が示されている。この実施形態
において、強磁性部材24の各々の突出部24bは、基
部24aの周方向の一端部(制動ドラム7の回転方向−
図8において反時計方向の下流側端部)に形成されてい
る。基部24a及び突出部24bは、上記軸方向から見
て、ほぼ矩形状をなしている。磁石22及び強磁性部材
24の各々は接着により相互にそして支持筒20に固着
されている。図8に示す渦電流式減速装置のその他の構
成は、図1及び図2に示す渦電流式減速装置の実施形態
と実質上同一であるので説明は省略する。
【0028】図9には本発明による渦電流式減速装置の
更に他の実施形態の要部が示されている。この実施形態
において、磁石22の各々及び強磁性部材24の各々
が、支持筒20の溝20a内の全周にわたって交互に周
方向に実質上密着して配設されている。磁石22の各々
は、図9に示すように、支持筒20の軸方向から見て、
細長い矩形状をなすと共にその長手方向が半径方向に向
けられるよう配置されている。磁石22の各々は、それ
ぞれ周方向両端に磁極面を有すると共に相互に周方向に
間隔をおいて対向する磁極面の極性が同極(N−N、S
−S)となるように配列されている。強磁性部材24の
各々は、上記軸方向から見て、細長い矩形状をなすと共
にその長手方向が半径方向に向けられるよう配置されて
いる。強磁性部材24の各々の周方向幅は、磁石22の
各々とほぼ同じ程度に比較的薄く形成され、磁石22の
各々の半径方向外側先端よりも半径方向外側に延び出す
よう構成されている。磁石22の各々及び強磁性部材2
4の各々は、その半径方向内側の部位が支持筒20の溝
20a内に嵌合され、接着により装着されている。
【0029】図9に示す渦電流式減速装置のその他の構
成は、図1及び図2に示す渦電流式減速装置の実施形態
と実質上同一であるので説明は省略する。図9に示す実
施形態においては、磁石22の各々及び強磁性部材24
の各々の周方向幅、特に強磁性部材24の各々の周方向
幅が先の実施形態における強磁性部材24の各々の(基
部24aの)周方向幅に比較して著しく狭い(薄い)の
で、支持筒20に先の実施形態に比較してより多数の磁
石22及び強磁性部材24を配設することが可能にな
る。その結果、磁石22側と制動ドラム7の内周面との
間に形成される磁束の流路の数が大幅に増大され、した
がって制動トルクが増大される。この実施形態において
も、図1及び図2に示す発明と同様に、強磁性部材24
の、制動ドラム7の内周面に対向する先端部における磁
束密度を高めることを可能にし、その結果、制動トルク
を増大させることができる、との効果が得られることは
いうまでもない。
【0030】図9に示す実施形態において、強磁性部材
24の各々の突出部24bは、上記軸方向から見てほぼ
矩形状をなしているが、上記軸方向から見てほぼ台形状
をなすよう形成してもよい。図10にはこのように構成
された実施形態が示されている。すなわち、この実施形
態においては、強磁性部材24の各々の延び出した先端
の周方向幅は、延び出す基端の周方向幅よりも狭く形成
されている。図10に示す突出部24bの形状は図1及
び図2を参照して説明した先の実施形態におけると実質
上同じである。
【0031】図1〜図10を参照して説明した渦電流式
減速装置の実施形態においては、磁石22の各々及び強
磁性部材24の各々が、支持筒20の溝20a内の全周
にわたって交互に周方向に実質上密着して配設されてい
るが、磁石22と該磁石22を周方向に挟んで位置する
一対の強磁性部材24の組が、周方向に等間隔をおいて
配設される実施形態もある。図11には、このような実
施形態の要部が示されている。この実施形態において
は、図5に示す実施形態と同じように、強磁性部材24
の各々において、上記取付面24cは、対応する磁石2
2を周方向に挟んだ部位のみに形成され、突出部24b
は、該磁石22に対し周方向の反対側の端部に1個だけ
形成されている。強磁性部材24の各々の、基部24a
は、上記軸方向から見て、ほぼ矩形状をなしている。強
磁性部材24の各々の、磁石22と密着する周方向端に
対して反対側の周方向端同士は、それぞれ周方向に等間
隔をおいて位置付けられている。図11に示す渦電流式
減速装置のその他の構成は、図1及び図2に示す渦電流
式減速装置の実施形態と実質上同一であるので説明は省
略する。制動時には、各組における磁石22、強磁性部
材24の各々と制動ドラム7の内周面との間に、上記外
周壁12bを通過して磁気回路がそれぞれ独立して形成
され、制動が作動させられる。
【0032】図11に示す渦電流式減速装置の実施形態
においては、磁石22と該磁石22を周方向に挟んで位
置する一対の強磁性部材24の組が、周方向に等間隔を
おいて配設されるよう構成されているので、磁石22の
各々及び強磁性部材24の各々が、支持筒20の溝20
a内の全周にわたって交互に周方向に実質上密着して配
設された先の実施形態に較べて、組付が先の実施形態よ
りも容易である。図11に示す渦電流式減速装置は、図
3〜図10により説明した渦電流式減速装置の実施形態
におけると同様に、図1及び図2に示す渦電流式減速装
置の特徴ある構成を備えているので、同様に磁束密度を
高めることができ、制動トルクを増大させることができ
る。なおこのように、磁石22と該磁石22を周方向に
挟んで位置する一対の強磁性部材24の組が、周方向に
等間隔をおいて配設される実施形態においては、磁石2
2の各々は、相互に周方向に間隔をおいて対向する磁極
面の極性が同極(N−N及びS−S)となるように配列
される実施形態の他に、異極(N−S)となるように配
列する実施形態も成立する(後述する図12及び図13
に示す実施形態においても同じことがいえる)。
【0033】図12には、図11に示す渦電流式減速装
置の変形例が示されている。この実施形態においては、
磁石22と該磁石22を周方向に挟んで位置する一対の
強磁性部材24の組の各々において、磁石22を周方向
に挟んで位置する強磁性部材24の各々の突出部24b
は、半径方向外側に向かうにしたがって周方向に離れる
よう傾斜して配設されている。突出部24bの各々の周
方向の両端面は、上記軸方向から見て、直線状に延びる
傾斜面からなる。磁石22と該磁石22を周方向に挟ん
で位置する一対の強磁性部材24の組の各々における突
出部24bの各々のうち、制動ドラム7の回転方向(図
12において反時計方向)の下流側の突出部24bにお
ける、上記先端面の下流側の角部、及び、上記回転方向
の上流側の突出部24bにおける、上記先端面の上流側
の角部は、それぞれ鋭角に形成されている。その他の構
成は図11に示す実施形態と実質上同一であり、説明は
省略する。この実施形態においては、図6及び図7に示
す実施形態と同様に、突出部24bの各々の上記先端部
と制動ドラム7の内周面との間の磁束の流れにおける磁
気飽和が効果的に防止される。
【0034】図13には、図12に示す渦電流式減速装
置の更に他の変形例が示されている。この実施形態にお
いては、磁石22と該磁石22を周方向に挟んで位置す
る一対の強磁性部材24の組の各々において、突出部2
4bの各々の周方向端面であって、該磁石22を周方向
に挟んで対向する端面の各々が、上記軸方向から見てア
ール形状に形成されている。突出部24bの各々には図
12に示す実施形態と同じ角部が鋭角に形成されてい
る。また強磁性部材24の各々の取付面24cには座ぐ
り部が形成され、この座ぐり部に取付部材26が配置さ
れるよう構成されている。その他の構成は図12に示す
実施形態と実質上同一であり、説明は省略する。この実
施形態においても、図6及び図7に示す実施形態と同様
に、突出部24bの各々の上記先端部と制動ドラム7の
内周面との間の磁束の流れにおける磁気飽和が効果的に
防止される。また座ぐり部の存在により、取付部材26
がより安定して取付面24cに配置される。
【0035】図1〜図13に示す渦電流式減速装置にお
いて、制動と非制動との切換(ON−OFF)は、磁石
22の支持筒20をエアシリンダ機構30により軸方向
に往復移動させることにより行なうよう構成されている
が、これに代えて、図14及び図15に示すように、ケ
ース40内に磁石22の静止支持筒50及び可動支持筒
52を軸方向に並列して(隣接して)配設し、エアシリ
ンダ機構60により可動支持筒52を周方向に正逆回動
させることにより、制動と非制動との切換を行なうよう
構成する他の実施形態もある。図14及び図15を参照
して、制動ドラム7の内側には、中空円環状のケース4
0が同軸に配設されている。ケース40はそのほぼ全体
が制動ドラム7の内側に配置されている。図示しないミ
ッションケースに装着されたケース40は、全体がほぼ
円筒形状をなす外周壁42と、外周壁42よりも小径の
内周壁44と、外周壁42及び内周壁44の軸方向両端
においてそれらを連結するように配設された円環状の端
壁46及び48とから構成されている。外周壁42は全
体として円筒状の薄板から構成されると共に、図14に
示すように制動ドラム7の内側に配置されかつ制動ドラ
ム7の内周面に近接して配置されている。薄板からなる
外周壁42は、端壁46及び48の外周面を覆うよう複
数のボルトにより固定されている。端壁46及び48
は、それぞれその半径方向内側の端部が、内周壁44の
軸方向両端において半径方向内側に向かって延びるよう
形成されたフランジ部に複数のボルトにより固定される
ことにより内周壁44に固定されている。ケース40
は、後述する強磁性部材42aの各々を除き、全体が例
えばアルミニウムなどの非磁性体から構成されている。
ケース40の円環状の中空部は、図14に示すように縦
断面がほぼ矩形状をなしている。
【0036】ケース40内の内周壁44には、それぞれ
非磁性体からなる静止支持筒50と可動支持筒52とが
軸方向に並列して支持されている。静止支持筒50及び
可動支持筒52の基本的構成は図1及び図2により説明
した実施形態における支持筒20と実質上同一であり、
各々の外周部には、断面がチャンネル形状をなす環状の
溝50a及び52aが設けられている。静止支持筒50
は内周壁44及び端壁48に固定され、可動支持筒52
は内周壁44に一対のベアリング54を介して正逆回動
可能に支持されている。静止支持筒50の溝50a内に
は、磁石22の各々及び強磁性部材24の各々が、図1
及び図2に示す実施形態におけると実質上同じ形態で配
設されている。また可動支持筒52の溝52a内にも、
磁石22の各々及び強磁性部材24の各々が、図1及び
図2に示す実施形態における同じ形態で一体に配設され
ている。磁石22の各々及び強磁性部材24の各々は、
静止支持筒50及び可動支持筒52間で並列しうるよう
(隣接しうるよう)配設されている(換言すれば、互い
に同じ形態で配列されている)。静止支持筒50及び可
動支持筒52間で並列された磁石22同士は相互に同極
となる。
【0037】静止支持筒50及び可動支持筒52の強磁
性部材24の各々の軸方向の一側であって半径方向外側
端部には、相互に軸方向に接近する方向に延び出る突起
部24eが形成されている。ケース40の外周壁42に
は、周方向に等間隔をおいて複数の強磁性体からなる強
磁性部材42aが一体に配設されている。強磁性部材4
2aの各々は、静止支持筒50及び可動支持筒52の各
々間で並列される強磁性部材24の各々に対応してその
一方(静止支持筒50の強磁性部材24)から他方(可
動支持筒52の強磁性部材24)にわたって軸方向に延
在するよう外周壁42に配設されている。したがって、
外周壁42の強磁性部材42aの各々は、静止支持筒5
0及び可動支持筒52の各々間で並列される強磁性部材
24の各々及び制動ドラム7の内周面に対向するよう配
設される。外周壁42は全体が薄板から構成されてお
り、そのうち強磁性部材42aの各々は鉄板等から構成
され、その他の部分は非磁性体、例えばアルミニウム板
あるいはステンレス板等の非磁性部材42bから構成さ
れ、それぞれ周方向の端部が溶接等により一体に結合さ
れている。
【0038】ケース40には、可動支持筒52を静止支
持筒50に対して正逆回動させて制動と非制動との切換
を行なうアクチュエータであるエアシリンダ機構60が
付設されている。図14に示すように、エアシリンダ機
構60は、ケース40の端壁46に固定されたシリンダ
62と、シリンダ62内に摺動自在に収容されたピスト
ン64と、ピストン64に連結されたピストンロッド6
6と、ピストンロッド66と可動支持筒52とを図示し
ないユニバーサルジョイントを介して連結する連結アー
ム68とを備えている。連結アーム68は、端壁46
に、図の表裏方向に延びるよう形成されたスリットを貫
通してピストンロッド66の先端からケース40の中空
部内に延びるよう配設され、可動支持筒52に連結され
ている。エアシリンダ機構60の軸線は、可動支持筒5
2の接線方向と一致するよう配置される。エアシリンダ
機構60は、周方向に等間隔をおいて複数個、例えば2
個配置されることが好ましい。
【0039】シリンダ62内はピストン64により二つ
の室に区画され、一方の室に、圧力エア供給源である図
示しないエアタンクから圧力エアが供給されると、ピス
トン64、ピストンロッド66及び連結アーム68を介
して可動支持筒52、可動支持筒52における磁石22
の各々及び強磁性部材24の各々が一体に一方向に、後
述する非制動位置から磁石22の各々における1ピッチ
だけ回動させられる。可動支持筒52における磁石22
の各々及び強磁性部材24の各々は制動位置に位置付け
られる。これにより、可動支持筒52における磁石22
の各々は、静止支持筒50の磁石22の各々の同極側に
並列して位置付けられ(同極同士が隣接され)、また可
動支持筒52における強磁性部材24の各々は、静止支
持筒50における強磁性部材24の各々の同極側に並列
して位置付けられる(同極同士が隣接される)。その結
果、可動支持筒52における磁石22の各々及び強磁性
部材24の各々、静止支持筒50における磁石22の各
々及び強磁性部材24の各々、及び制動ドラム7との間
に、外周壁42の強磁性部材42aの各々を介して磁気
回路が形成されるので(図15参照)、制動ドラム7に
対する制動が作動させられる。
【0040】またこの制動状態において、シリンダ62
内の他方の室に圧力エアが供給されると、ピストン6
4、ピストンロッド66及び連結アーム68を介して可
動支持筒52、可動支持筒52における磁石22の各々
及び強磁性部材24の各々が一体に、上記制動位置から
逆方向に磁石22の各々における1ピッチだけ回動させ
られる。可動支持筒52における磁石22の各々及び強
磁性部材24の各々は非制動位置に位置付けられる。こ
れにより、可動支持筒52における磁石22の各々は、
静止支持筒50の磁石22の各々の異極側に並列して位
置付けられ(異極同士が隣接され)、また可動支持筒5
2における強磁性部材24の各々は、静止支持筒50に
おける強磁性部材24の各々の異極側に並列して位置付
けられる(異極同士が隣接される)。可動支持筒52の
強磁性部材24の各々の突起部24eと、静止支持筒5
0の強磁性部材24の各々の突起部24eとは、それぞ
れ、相互に接近して対向させられしかも互いに異極同士
であるので、それらの間に短絡的な磁気流路が形成さ
れ、制動ドラム7に対する磁気的な遮断が効果的に行な
われる。また、可動支持筒52における磁石22の各々
及び強磁性部材24の各々と、静止支持筒50における
磁石22の各々及び強磁性部材24の各々との間に、外
周壁42の強磁性部材42aの各々を介して磁気回路が
短絡的に形成され、制動ドラム7側への磁気洩れが防止
される。
【0041】上記説明から明らかなように、図14及び
図15に示す渦電流式減速装置は、図1及び図2を参照
して説明した先の実施形態と実質上同じ特徴を有する構
成を備えているので、実質上同一の作用効果が達成され
る。なお、ケース40内に磁石22の静止支持筒50及
び可動支持筒52を軸方向に並列して配設し、エアシリ
ンダ機構60により可動支持筒52を周方向に正逆回動
させることにより、制動と非制動との切換を行なうよう
構成する上記実施形態は、図3〜図13に示す形態の渦
電流式減速装置においても適用することができる。
【0042】図16には、図14及び図15を参照して
説明した渦電流式減速装置の実施形態において、ケース
40の外周壁42を薄板から構成するのではなく、それ
よりも比較的厚い円筒部材から構成する実施形態が示さ
れている。この実施形態において、端壁46と一体に形
成された外周壁42はアルミニウム等の非磁性体からな
り、図14及び図15に示す実施形態の強磁性部材42
aに相当する部位には、それぞれ鉄等からなる強磁性部
材43が一体に埋め込み形成されている。その他の構成
は、図14及び図15を参照して説明した渦電流式減速
装置の実施形態と実質上同一であり、説明は省略する。
この実施形態においても、図14及び図15に示す実施
形態と同様に、図1及び図2を参照して説明した先の実
施形態と実質上同じ特徴を有する構成を備えているの
で、実質上同一の作用効果が達成される。なお、先に説
明した図14及び図15に示す渦電流式減速装置の実施
形態は、外周壁42が薄板から構成されているので、図
16に示す渦電流式減速装置の実施形態よりも比較的軽
量である。なお上記説明から明らかなように、図14〜
図16に示す渦電流式減速装置は、図1及び図2に示す
先の実施形態と比較して、使用される磁石22の数が多
いので、得られる制動力は先の実施形態よりも強力であ
るといえる。
【0043】図17には、図16に示す渦電流式減速装
置の実施形態において、ケース40内に可動支持筒52
のみを配設し、静止支持筒50を排除した形態の、渦電
流式減速装置の他の実施形態が示されている。可動支持
筒52には、磁石22の各々及び強磁性部材24の各々
が、図15に示す実施形態、したがって図2に示す実施
形態と実質上同一の形態で配設されている。ケース40
の外周壁42には、複数の強磁性部材43が図16に示
す実施形態と実質上同一の形態で一体に配設されてい
る。
【0044】図17に示す渦電流式減速装置を作動させ
て制動を作動させる場合には、上記実施形態と同様にエ
アシリンダ機構60を作動させて、可動支持筒52にお
ける磁石22の各々及び強磁性部材24の各々を、後述
する非制動位置から、一体に一方向に磁石22の各々の
1/2ピッチだけ回動させて制動位置に位置付ける。こ
れにより可動支持筒52における強磁性部材24の各々
の突出部24bは、外周壁42の、対応する強磁性部材
43に対向して位置付けられる。その結果、可動支持筒
52における磁石22の各々及び強磁性部材24の各々
と制動ドラム7との間に、それぞれ外周壁42の強磁性
部材43の各々を介して磁気回路が形成されるので、制
動ドラム7に対する制動が作動させられる。
【0045】制動を解除させて制動をOFFに切り換え
る場合には、エアシリンダ機構60を作動させて可動支
持筒52における磁石22の各々及び強磁性部材24の
各々を、上記制動位置から、逆方向に磁石22の各々の
1/2ピッチだけ回動させて非制動位置に位置付ける。
これにより、可動支持筒52における強磁性部材24の
突出部24bの各々は、外周壁42の、強磁性部材43
の各々間に位置する非磁性体の部分に対向して位置付け
られる。その結果、磁石22の各々と制動ドラム7との
間には磁気回路が形成されないので、制動ドラム7に対
する制動は解除される。上記説明から明らかなように、
図17に示す渦電流式減速装置は、図14〜図16に示
す先の実施形態と比較して、構成が簡単で低コストで製
造可能であるが、先の実施形態の方が使用される磁石2
2の数が多いので、得られる制動力は先の実施形態の方
が強力であるといえる。図17に示す渦電流式減速装置
は、図1及び図2に示す実施形態と実質上同じ特徴を有
する構成を備えているので、実質上同一の作用効果が達
成される。
【0046】以上、本発明を実施形態に基づいて添付図
面を参照しながら詳細に説明したが、本発明は上記実施
形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱す
ることなく、更に他の種々の変形あるいは修正が可能で
ある。例えば、図14及び図15に示す実施形態におい
ては、それぞれ、制動ドラム7の内周面に近接して配置
されたケース40の外周壁42(薄板からなる)には、
周方向に非磁性体で仕切られて複数の強磁性部材42a
が配設されているが、外周壁42全体をアルミニウム等
の非磁性体又は鉄等の強磁性体から構成する実施形態も
成立する。また、上記実施形態において、磁石22の各
々は永久磁石により形成されているが、これに代えて電
磁石を使用する実施形態もある。電磁石は周知のとおり
コイルと鉄心の組合せ体であるため、電磁石を上記実施
形態において磁石22に置き換えて使用する場合には、
電磁石の各々は上記した制動位置に常時固定され、制動
(ON)と非制動(OFF)との切り換えは、電磁石の
各々を励磁するか又は非励磁とするか、により行なわれ
る。したがって磁石22の各々を電磁石に置き換えて使
用する実施形態においては、支持筒は全て固定され、支
持筒を軸方向に往復移動させるためのエアシリンダ機構
30あるいは支持筒を正逆回動させるためのエアシリン
ダ機構60は不要となる。また、上記実施形態におい
て、強磁性部材24の突出部24bの上記先端の周方向
幅及び突出部24bの延び出す高さ(突出部24bの、
上記先端から上記基端までの深さ)は、所望する制動ト
ルク特性に応じて自由に選定することができる。その場
合、突出部24bの上記先端の半径方向位置が一定であ
るとすると、磁石22の半径方向長さが短くなることも
あるので、磁石22の上記軸方向長さを増加させること
で対応すればよい。
【0047】
【発明の効果】本発明による渦電流式減速装置によれ
ば、従来と同じ体積の磁石を使用して従来よりも大きな
制動トルクが得られる。また、従来と同じ体積の磁石を
使用して自動車の低速域における制動トルクを従来より
も増大させることができる。更にはまた、磁石側に設け
られた強磁性部材の、制動ドラムの内周面に対向する先
端部における磁束密度を高めることを可能にし、その結
果、制動トルクを増大させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による渦電流式減速装置の実施形態の要
部を示す縦断面図。
【図2】図1に示す渦電流式減速装置の制動状態を示す
要部横断面図。
【図3】本発明による渦電流式減速装置の他の実施形態
の要部を示す横断面図。
【図4】本発明による渦電流式減速装置の更に他の実施
形態の要部を示す横断面図。
【図5】本発明による渦電流式減速装置の更に他の実施
形態の要部を示す横断面図。
【図6】本発明による渦電流式減速装置の更に他の実施
形態の要部を示す横断面図。
【図7】本発明による渦電流式減速装置の更に他の実施
形態の要部を示す横断面図。
【図8】本発明による渦電流式減速装置の更に他の実施
形態の要部を示す横断面図。
【図9】本発明による渦電流式減速装置の更に他の実施
形態の要部を示す横断面図。
【図10】本発明による渦電流式減速装置の更に他の実
施形態の要部を示す横断面図。
【図11】本発明による渦電流式減速装置の更に他の実
施形態の要部を示す横断面図。
【図12】本発明による渦電流式減速装置の更に他の実
施形態の要部を示す横断面図。
【図13】本発明による渦電流式減速装置の更に他の実
施形態の要部を示す横断面図。
【図14】本発明による渦電流式減速装置の更に他の実
施形態の要部を示す縦断面図。
【図15】図14に示す渦電流式減速装置の制動状態を
示す要部横断面図。
【図16】本発明による渦電流式減速装置の更に他の実
施形態の要部を示す縦断面図。
【図17】本発明による渦電流式減速装置の更に他の実
施形態の要部を示す縦断面図。
【符号の説明】
7 制動ドラム 10、40 ケース 12、42 外周壁 20 支持筒 20a 溝 22 磁石 24、42a 強磁性部材 24c 取付面 26 取付部材 30、60 エアシリンダ機構 50 静止支持筒 52 可動支持筒

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制動ドラムと、制動ドラムの内周面に近
    接した外周壁を含むケースと、ケース内に支持された非
    磁性体からなる支持筒と、支持筒の外周部に周方向に間
    隔をおいて配設されかつ周方向両端に磁極面を有する複
    数の磁石と、磁石の各々の磁極面にそれぞれ実質上密着
    して支持筒の外周面に配設された複数の強磁性部材とを
    備え、強磁性部材の各々には、各々の基部から磁石より
    も半径方向外側に延び出す突出部が形成され、突出部の
    各々の先端の周方向幅は上記基部の先端部における周方
    向幅よりも狭く形成される、ことを特徴とする渦電流式
    減速装置。
  2. 【請求項2】 制動ドラムと、制動ドラムの内周面に近
    接した外周壁を含むケースと、ケース内に支持された非
    磁性体からなる支持筒と、支持筒の外周部に周方向に間
    隔をおいて配設されかつ周方向両端に磁極面を有する複
    数の磁石と、磁石の各々の磁極面にそれぞれ実質上密着
    して支持筒の外周面に配設された複数の強磁性部材とを
    備え、磁石の各々及び強磁性部材の各々は、支持筒の全
    周にわたって交互に周方向に実質上密着して配設されか
    つ制動ドラムの軸方向から見て細長い実質上矩形状をな
    すと共に長手方向が半径方向に向けられて配置され、磁
    石の各々は周方向に対向する磁極面が相互に同極となる
    ように配設され、強磁性部材の各々は磁石の各々よりも
    半径方向外側に延び出すよう構成される、ことを特徴と
    する渦電流式減速装置。
  3. 【請求項3】 強磁性部材の各々の延び出した先端の周
    方向幅は、延び出す基端の周方向幅よりも狭く形成され
    る、請求項2記載の渦電流式減速装置。
  4. 【請求項4】 上記外周壁には、支持筒における強磁性
    部材の各々の突出部の先端面及び制動ドラムの内周面に
    対向する複数の強磁性部材が配設される、請求項1〜3
    のいずれか1項に記載の渦電流式減速装置。
  5. 【請求項5】 磁石の各々は永久磁石から構成され、支
    持筒はケース内に正逆回動可能に支持され、支持筒を正
    逆回動させて制動と非制動との切換を行なうアクチュエ
    ータを備えている、請求項4記載の渦電流式減速装置。
  6. 【請求項6】 磁石の各々は永久磁石から構成され、支
    持筒はケース内に軸方向移動可能に支持され、支持筒を
    軸方向に往復移動させて制動と非制動との切換を行なう
    アクチュエータを備えている、請求項1〜4のいずれか
    1項に記載の渦電流式減速装置。
  7. 【請求項7】 制動ドラムと、制動ドラムの内周面に近
    接した外周壁を含むケースと、ケース内に軸方向に並列
    して支持された非磁性体からなる支持筒と、支持筒の各
    々の外周部に周方向に間隔をおいて配設されかつ周方向
    両端に磁極面を有すると共に支持筒の各々間で並列され
    る複数の磁石と、磁石の各々の磁極面にそれぞれ実質上
    密着して支持筒の各々に配設されると共に支持筒の各々
    間で並列される一対の強磁性部材とを備え、支持筒の各
    々における強磁性部材の各々には、各々の基部から磁石
    よりも半径方向外側に延び出す突出部が形成され、突出
    部の各々の先端の周方向幅は上記基部の先端部における
    周方向幅よりも狭く形成される、ことを特徴とする渦電
    流式減速装置。
  8. 【請求項8】 磁石の各々は永久磁石から構成され、支
    持筒の一方はケースに固定された静止支持筒からなり、
    支持筒の他方はケースに正逆回動可能に支持された可動
    支持筒からなり、可動支持筒を正逆回動させて制動と非
    制動との切換を行なうアクチュエータを備えている、請
    求項7記載の渦電流式減速装置。
  9. 【請求項9】 上記外周壁には、支持筒の各々間で並列
    される強磁性部材の各々の突出部の先端面及び制動ドラ
    ムの内周面に対向して該強磁性部材の一方から他方にわ
    たって延在する複数の強磁性部材が配設される、請求項
    7記載の渦電流式減速装置。
  10. 【請求項10】 上記外周壁は薄板から構成される、請
    求項1、2又は7のいずれか1項に記載の渦電流式減速
    装置。
  11. 【請求項11】 磁石の各々を周方向に挟んで位置する
    強磁性部材の各々の上記基部の先端であって、対応する
    磁石を周方向に挟んだ部位には、該磁石の先端面と実質
    上同じ半径方向レベルを有する取付面が形成され、強磁
    性部材の各々及び該磁石は、取付面の各々に跨がって配
    置された非磁性体からなる取付部材を介してボルトによ
    り支持筒に装着される、請求項1、2又は7のいずれか
    1項に記載の渦電流式減速装置。
  12. 【請求項12】 磁石の各々及び磁石の各々の磁極面に
    それぞれ実質上密着して配設された強磁性部材の各々
    は、支持筒の全周にわたって交互に周方向に実質上密着
    して配設され、磁石の各々は周方向に対向する磁極面が
    相互に同極となるように配設される、請求項1又は請求
    項7記載の渦電流式減速装置。
  13. 【請求項13】 磁石と該磁石を周方向に挟んで位置す
    る一対の強磁性部材の組が、周方向に間隔をおいて配設
    される、請求項1又は請求項7記載の渦電流式減速装
    置。
  14. 【請求項14】 支持筒の外周部には断面がチャンネル
    形状をなす環状の溝が設けられ、支持筒における磁石の
    各々及び強磁性部材の各々の半径方向内側の部位は溝内
    に嵌合される、請求項1、2又は7のいずれか1項に記
    載の渦電流式減速装置。
  15. 【請求項15】 支持筒の軸方向両端には非磁性体から
    なる環状のサイドプレートが離脱自在に配設され、支持
    筒の外周面とサイドプレートの各々との間には断面がチ
    ャンネル形状をなす環状の溝が形成され、支持筒におけ
    る磁石の各々及び強磁性部材の各々の半径方向内側の部
    位は溝内に嵌合保持される、請求項1、2又は7のいず
    れか1項に記載の渦電流式減速装置。
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