JP2001006882A - 透明導電性積層体及びエレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

透明導電性積層体及びエレクトロルミネッセンス素子

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JP2001006882A
JP2001006882A JP11172995A JP17299599A JP2001006882A JP 2001006882 A JP2001006882 A JP 2001006882A JP 11172995 A JP11172995 A JP 11172995A JP 17299599 A JP17299599 A JP 17299599A JP 2001006882 A JP2001006882 A JP 2001006882A
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bis
hydroxyphenyl
transparent conductive
polyarylate
polymer
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JP11172995A
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English (en)
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Takamasa Akizuki
隆昌 秋月
Mitsunobu Sato
光伸 佐藤
Tomohiro Hamada
知宏 濱田
Akihiko Hasegawa
明彦 長谷川
Koichi Motoume
孝一 本梅
Masaaki Fujiwara
正明 藤原
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Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性に優れたポリアリレートを含有する高
純度の高分子成形物を基材とし、発光輝度の耐久性を向
上できるエレクトロルミネッセンス素子用透明導電性積
層体及びエレクトロルミネッセンス素子を提供する。 【解決手段】高分子成形物と透明導電性層が積層されて
なり、高分子成形物が下記の2つの条件を満たすことを
特徴とするエレクトロルミネッセンス素子用透明導電性
積層体である。 (1)ポリアリレート単位を1〜100重量%含有す
る。 (2)二価フェノール又は二価カルボン酸からなる残留
モノマーの含有量が3000ppm以下である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エレクトロルミネ
ッセンス(以下ELと略記する)素子用透明導電性積層
体及びEL素子に関するものであり、より詳しくは耐熱
性に優れたポリアリレートを含有する高純度の高分子成
形物を基材とし、EL素子に使用してその発光輝度の減
衰を抑制し、耐久性を向上させるのに好適な透明導電性
積層体及びEL素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】EL素子とは、電界を印加したり電流を
注入することで発光する発光体層を基板面上に形成させ
た発光素子であり、厚さが非常に薄い発光体となり得る
ので、時計、ポケットベル(登録商標)、携帯電話など
の携帯情報機器、液晶ディスプレイや看板など広い分野
に利用されている。
【0003】EL素子は、発光体層に用いる材料によっ
て無機EL素子と有機EL素子とに大別される。無機E
L素子としては、透明導電性積層体として透明な基材と
透明導電性層からなる積層体を用い、この透明導電性積
層体上に発光体層、誘電体層、裏面電極を順次形成さ
せ、透明導電性層及び裏面電極から交流電界を印加して
発光させるタイプのものが広く知られている。ここで誘
電体層は発光体層により強い電界を印加させ発光効率を
向上させるために挿入される。無機EL素子は一般に発
光部に電界を作用させ、電子をこの電界中で加速して発
光中心を励起させて発光させるため、その駆動電圧とし
て高い電圧が必要である。
【0004】一方、有機EL素子としては、一般的には
発光効率を高めるためにホール輸送層が設けられ、電子
注入電極とホール注入電極とからそれぞれ電子とホール
とを発光部内に注入し、電子とホールを発光中心で再結
合させることにより有機分子を励起状態にし、この有機
分子が励起状態から基底状態に戻るとき蛍光を発光する
タイプのものが知られている。有機EL素子は印加電圧
を大幅に低減し得る特徴があるため、次世代表示素子と
して近年盛んに開発が進められているが、物理的または
熱的な耐久性が乏しいという問題点もある。
【0005】EL素子の性能を決定する重要な特性とし
ては、発光効率と耐久性とがあり、現在ではますます高
い性能が求められている。特に有機EL素子の開発にお
ける重要な課題は、耐久性の向上すなわち長時間の駆動
に伴う発光輝度の減衰を抑制し、実用的に耐えうるもの
とする技術を確立することである。
【0006】ところで、EL素子用の透明導電性積層体
においては、通常ガラスや高分子成形物が基材に用いら
れている。ガラスを基材に用いた場合には、重く割れや
すいという欠点があるが、高分子成形物を用いた場合に
は軽くて割れないという利点があり、さらに高分子成形
物が可撓性を有するフィルム状である場合には屈曲性を
有するという利点をもっており、より広範な分野に利用
できる。そのような高分子成形物の材料としては、耐熱
性(寸法安定性等)、光学特性(透明性等)及び電気的
特性(絶縁破壊電圧等)に優れたポリアリレートが好適
であり、特開平−234816号公報には、ポリアリレ
ート成形物上に主としてインジウムとスズから酸化物で
構成される透明導電性層を設けた耐熱性の良い透明導電
性積層体が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、通常ポ
リアリレートは二価フェノールと二価カルボン酸(主に
テレフタル酸又はイソフタル酸)との反応により合成さ
れ、これらの残留モノマーをはじめとする各種の不純物
を含んでいる。これらの不純物の影響のためか、ポリア
リレートを基材とする透明導電性積層体をEL素子に用
いた場合、発光輝度が安定せず、耐久性に劣るという問
題があることがわかった。このような状況に鑑み、本発
明の課題は、耐熱性に優れたポリアリレートを含有する
高純度の高分子成形物を基材とし、発光輝度の耐久性を
向上できるEL素子用透明導電性積層体及びEL素子を
提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこのような
課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、有機EL
素子、無機EL素子に関わらず、上記したような基材に
含まれる不純物が発光効率や耐久性(発光輝度の寿命)
に悪影響を与えることを見いだし、特にポリアリレート
フィルムを基材に用いたEL素子における発光輝度の経
時的低下が、単にフィルムの吸湿性や熱収縮性のみなら
ず、フィルム表面の残留モノマー、残留触媒、残留溶
媒、水分等の低分子化合物に影響されることをことをつ
きとめ、さらなる検討の結果、二価フェノール及び二価
カルボン酸の残留モノマーの量を低減させたポリアリレ
ートを基材に用いることにより、上記のような問題が大
幅に改善されることを見いだし、本発明に到達した。
【0009】すなわち、本発明の要旨は、第一に、高分
子成形物と透明導電性層が積層されてなり、高分子成形
物が下記の2つの条件を満たすことを特徴とするエレク
トロルミネッセンス素子用透明導電性積層体である。 (1)ポリアリレート単位を1〜100重量%含有す
る。 (2)二価フェノール又は二価カルボン酸からなる残留
モノマーの含有量が3000ppm以下である。
【0010】第二に、上記の透明導電性積層体を有する
エレクトロルミネッセンス素子である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
まず、本発明の透明導電性積層体において使用される高
分子成形物について説明する。高分子成形物としては、
可視光線において透明なものであれば、板状であっても
フィルム状であってもよいが、生産性、可とう性、透明
電極としての機能及びEL素子全体の厚さを考慮し、厚
さ50〜250μm程度のフィルムが好ましい。なお、
高分子成形物の透明性としては、波長550nmの光線
の光線透過率が50%以上であることが好ましく、70
%以上がより好ましい。
【0012】また、高分子成形物には、ポリアリレート
単位が含有され、その含有率としては、1〜100重量
%の範囲にあることが必要であり、30〜100重量%
が好ましく、50〜100重量%が特に好ましい。含有
率が1重量%未満では高分子成形物の耐熱性が低下する
ため、この上に透明導電性層を蒸着させる際の熱や、E
L素子を製造する工程で加えられる熱等で変形するおそ
れがある。
【0013】ポリアリレート単位としては、二価フェノ
ール成分と芳香族二価カルボン酸成分から構成されるも
のであり、下記式[1]で示される構造単位が好ましい。
【0014】
【化1】 (式[1]中、R1〜R8は、各々独立に水素原子、ハロゲ
ン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、アリル基、フェ
ニル基、ニトロ基からなる群より選ばれ、Xは、単結
合、酸素原子、硫黄原子、アルキレン基、アルキリデン
基、シクロアルキレン基、シクロアルキリデン基、ハロ
置換アルキレン基、フェニルアルキリデン基、置換フェ
ニルアルキリデン基、カルボニル基、スルホニル基、カ
ルボキシルアルキレン基、カルボキシルアルキリデン
基、アルコキシカルボニルアルキレン基、アルコキシカ
ルボニルアルキリデン基、フルオレン基、置換フルオレ
ン基、イサチン基、アルキルシラン基、ジアルキルシラ
ン基からなる群より選ばれる。)
【0015】高分子成形物において、ポリアリレート以
外に含有される高分子としては、特に限定されないが、
耐熱性と透明性に優れている点から、ポリエステルやポ
リカーボネートが好ましい。特にポリカーボネートとし
ては、下記式[2]に示す構造単位を有することが好まし
い。
【0016】
【化2】
【0017】このとき、高分子成形物にポリアリレート
単位以外の構造単位が含有される場合においては、ポリ
アリレート樹脂と他の樹脂との混合物であってもよい
が、ポリアリレート単位と他の構造単位との共重合体で
あることが好ましい。高分子成形物がポリアリレートも
しくは上記の共重合体からなる場合、耐熱性の指標とな
るガラス転移温度(Tg)としては、180℃以上であ
ることが好ましい。ポリアリレートにおいては、その構
成成分を選ぶことにより、Tgを200℃以上にするこ
とができるが、上記の共重合体においてポリアリレート
以外の構造単位を共重合させる際には、Tgを180℃
以上に保てる範囲内で共重合させることが好ましい。
【0018】また、高分子成形物における二価フェノー
ル又は二価カルボン酸からなる残留モノマーの含有率と
しては、3000ppm以下でなければならず、好まし
くは2000ppm以下、より好ましくは1000pp
m以下である。これらの残留モノマーが高分子成形物に
存在する理由は、通常ポリアリレートを重合する際の原
料として用いられたものが、高分子鎖中に取り込まれず
に残留するためであるが、これらの含有率が3000p
pmを超えると、EL素子の発光効率や耐久性を低下さ
せる。
【0019】なお、上記の残存モノマーやオリゴマーが
EL素子の性能を低下させる理由については、以下のよ
うに考えられる。すなわち、ポリマー中に残存モノマー
が多く存在する場合、既に報告されている(T. Kajiyam
a, et. al., Macromolecule,28巻, 3482〜3484ページ,
1995年など)ように、これらはこのポリマーの成形物中
において空気との界面、即ち表面に集中して存在するた
め、これらの残留モノマーは、成形時に成形物表面に移
行し、透明導電性積層体においては、透明導電性層と接
触することになる。その後、透明導電性積層体上に発光
体層や誘電体層又は電荷輸送層等を形成させてEL素子
とした場合、残留モノマーは極性を帯びているため、透
明導電性層や上記の各層に対し電荷移動阻害や余分な電
力消費等の悪影響をおよぼし、結果として、発光体層自
体の性質が劣化しなくとも、EL素子全体において発光
効率が低下したような現象が見られると考えられる。
【0020】また、高分子成形物に含まれる有機溶媒及
び水の量としては、それぞれ2000ppm以下が好ま
しく、1000ppm以下がより好ましい。この有機溶
媒及び水の量は、高分子成形物上に透明導電性層を蒸着
により形成させる際に、アウトガスによる蒸着抜けを抑
制する点からも、できるだけ少ない方がよい。高分子成
形物中に含まれる有機溶媒又は水の量が2000ppm
を超えると、透明導電性層の導電性が低下する傾向にあ
るので好ましくない。
【0021】また、高分子成形物には、耐熱性をさらに
向上させるために、特性を損なわない範囲で、ヒンダー
ドフェノール系、ヒンダードアミン系、チオエーテル系、
燐系等の各種酸化防止剤が添加されていてもよい。
【0022】ポリアリレートについて、より詳細に説明
する。本発明におけるポリアリレートは、二価フェノー
ルと芳香族二価カルボン酸のハライドとを原料として、
好ましくは界面重合法によって合成されて得られる。そ
のような二価フェノールを例示すれば、2-メチル-4,4'-
ジヒドロキシビフェニル、3-メチル-4,4'-ジヒドロキシ
ビフェニル、2-クロロ-4,4'-ジヒドロキシビフェニル、3-
クロロ-4,4'-ジヒドロキシビフェニル、3,3'-ジメチル-
4,4'-ジヒドロキシビフェニル、2,2'-ジメチル-4,4'-ジ
ヒドロキシビフェニル、2,3'-ジメチル-4,4'-ジヒドロキ
シビフェニル、3,3'-ジクロロ-4,4'-ジヒドロキシビフェ
ニル、3,3'-ジ-t-ブチル-4,4'-ジヒドロキシビフェニル、
3,3'-ジメトキシ-4,4'-ジヒドロキシビフェニル、2,2-ビ
ス(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン(テト
ラメチルビスフェノールA)、9,9-ビス(4-ヒドロキシフ
ェニル)フルオレン、9,9-ビスクレゾールフルオレン、
9,9-ビス(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)フル
オレン3,3',5,5'-テトラメチル-4,4'-ジヒドロキシビフ
ェニル、3,3',5,5'-テトラ-t-ブチル-4,4'-ジヒドロキシ
ビフェニル、3,3',5,5'-テトラクロロ-4,4'-ジヒドロキ
シビフェニル、2,2'-ジヒドロキシ-3,3'-ジメチルビフェ
ニル、3,3'-ジフルオロ-4,4'-ビフェノール、2,2'-ジヒド
ロキシ-3,3',5,5'-テトラメチルビフェニル、3,3',5,5'-
テトラフルオロ-4,4'-ビフェノール、2,2',3,3',5,5'-ヘ
キサメチル-4,4'-ビフェノール、ビス(4-ヒドロキシフェ
ニル)メタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、
ビス(4-メチル-2-ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3,5
-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)メタン、1,1-ビス(4-
ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2-ビス(4-ヒド
ロキシフェニル)-4-メチルペンタン、2,2-ビス(4-ヒドロ
キシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3-メチル-4-ヒドロキ
シフェニル)プロパン、2,2-ビス(3,5-ジメチル-4-ヒドロ
キシフェニル)プロパン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニ
ル)-1-フェニルエタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニ
ル)-2-エチルヘキサン、2,2-ビス(3-フェニル-4-ヒドロ
キシフェニル)プロパン、ビス(3-メチル-4-ヒドロキシフ
ェニル)メタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ブタ
ン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-2-メチルプロパ
ン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2-ビ
ス(4-ヒドロキシフェニル)オクタン、1,1-ビス(3-メチル
-4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2-ビス(3-ア
リル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3-イソ
プロピル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3-
tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス
(3-secブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1-ビ
ス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-tertブチルフェニル)-2-
メチルプロパン、4,4'-[1,4-フェニレン-ビス(1-メチル
エチリデン)]ビス(3-メチル-4-ヒドロキシフェニル)、1,
1-ビス(3-フェニル-4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキ
サン、ビス(2-ヒドロキシフェニル)メタン、2,4'-メチレ
ンビスフェノール、ビス(3-メチル-4-ヒドロキシフェニ
ル)メタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
1,1-ビス(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)エタン、1,1-
ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3-メチル-ブタン、ビス(2-
ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)メタン、1,1-ビス(4-
ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1-ビス(3-メチ
ル-4-ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、3,3-ビス(4-
ヒドロキシフェニル)ペンタン、3,3-ビス(3-メチル-4-ヒ
ドロキシフェニル)ペンタン、3,3-ビス(3,5-ジメチル-4-
ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2-ビス(2-ヒドロキシ-
3,5-ジメチルフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキ
シフェニル)ノナン、1,1-ビス(3-メチル-4-ヒドロキシフ
ェニル)-1-フェニルエタン、1,1-ビス(3,5-ジメチル-4-
ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2-ビス(4-ヒド
ロキシフェニル)デカン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニ
ル)デカン、1,1-ビス(2-ヒドロキシ-3-tertブチル-5-メ
チルフェニル)メタン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)ジフ
ェニルメタン、テルペンジフェノール、1,1-ビス(3-tert
ブチル-4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1-ビ
ス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-tertブチルフェニル)-2-
メチルプロパン、2,2-ビス(3-シクロヘキシル-4-ヒドロ
キシフェニル)プロパン、ビス(3,5-ジtertブチル-4-ヒド
ロキシフェニル)メタン、ビス(3,5-ジsecブチル-4-ヒド
ロキシフェニル)メタン、1,1-ビス(3-シクロヘキシル-4-
ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1-ビス(2-ヒド
ロキシ-3,5-ジtertブチルフェニル)エタン、1,1-ビス(3-
ノニル-4-ヒドロキシフェニル)メタン、2,2-ビス(3,5-ジ
tertブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1-ビス
(2-ヒドロキシ-3,5-ジtertブチル-6-メチルフェニル)メ
タン、1,1-ビス(3-フェニル-4-ヒドロキシフェニル)-1-
フェニルエタン、α,α'-ビス(4-ヒドロキシフェニル)酢
酸ブチルエステル、1,1-ビス(3-フルオロ-4-ヒドロキシ
フェニル)メタン、ビス(2-ヒドロキシ-5-フルオロフェニ
ル)メタン、2,2-ビス(3-フルオロ-4-ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、1,1-ビス(3-フルオロ-4-ヒドロキシフェニ
ル)-1-フェニルメタン、1,1-ビス(3-フルオロ-4-ヒドロ
キシフェニル)-1-(p-フルオロフェニル)メタン、1,1-ビ
ス(4-ヒドロキシフェニル)-1-(p-フルオロフェニル)メ
タン、2,2-ビス(3-クロロ-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニ
ル)プロパン、2,2-ビス(3,5-ジクロロ-4-ヒドロキシフェ
ニル)プロパン、2,2-ビス(3-クロロ-4-ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、1,1-ビス(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェ
ニル)メタン、2,2-ビス(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェ
ニル)プロパン、2,2-ビス(3-ニトロ-4-ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)ジメチルシラ
ン、ビス(2,3,5-トリメチル-4-ヒドロキシフェニル)-1-
フェニルメタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ドデ
カン、2,2-ビス(3-メチル-4-ヒドロキシフェニル)ドデカ
ン、2,2-ビス(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)ドデ
カン、1,1-ビス(3-tertブチル-4-ヒドロキシフェニル)-1
-フェニルエタン、1,1-ビス(3,5-ジtertブチル-4-ヒドロ
キシフェニル)-1-フェニルエタン、1,1-ビス(2-メチル-4
-ヒドロキシ-5-シクロヘキシルフェニル)-2-メチルプロ
パン、1,1-ビス(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-tertブチルフェニ
ル)エタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン酸
メチルエステル、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロ
パン酸エチルエステル、2,2',3,3',5,5'-ヘキサメチル-
4,4'-ビフェノール、ビス(2-ヒドロキシフェニル)メタ
ン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタン、1,2-ビス(4-ヒ
ドロキシフェニル)エタン、2-(4-ヒドロキシフェニル)-2
-(2-ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(2-ヒドロキシ-
3-アリルフェニル)メタン、1,1-ビス(2-ヒドロキシ-3,5-
ジメチルフェニル)-2-メチルプロパン、1,1-ビス(2ーヒ
ドロキシ-5-tertブチルフェニル)エタン、ビス(2-ヒドロ
キシ-5-フェニルフェニル)メタン、1,1-ビス(2-メチル-4
-ヒドロキシ-5-tertブチルフェニル)ブタン、ビス(2-メ
チル-4-ヒドロキシ-5-シクロヘキシルフェニル)メタン、
2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ペンタデカン、2,2-ビ
ス(3-メチル-4-ヒドロキシフェニル)ペンタデカン、2,2-
ビス(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)ペンタデカ
ン、1,2-ビス(3,5-ジtertブチル-4-ヒドロキシフェニル)
エタン、ビス(2-ヒドロキシ-3,5-ジtertブチルフェニル)
メタン、2,2-ビス(3-スチリル-4-ヒドロキシフェニル)プ
ロパン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1-(p-ニトロ
フェニル)エタン、ビス(3,5-ジフルオロ-4-ヒドロキシフ
ェニル)メタン、ビス(3,5-ジフルオロ-4-ヒドロキシフェ
ニル)-1-フェニルメタン、ビス(3,5-ジフルオロ-4-ヒド
ロキシフェニル)ジフェニルメタン、ビス(3-フルオロ-4-
ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、2,2-ビス(3-ク
ロロ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1-ビス(4-ヒド
ロキシフェニル)-3,3-ジメチル-5-メチル-シクロヘキサ
ン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,3-ジメチル-5,5
-ジメチル-シクロヘキサン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェ
ニル)-3,3-ジメチル-4-メチル-シクロヘキサン、1,1-ビ
ス(4-ヒドロキシフェニル)-3,3-ジメチル-5-エチル-シ
クロヘキサン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,3-ジ
メチル-5-メチル-シクロペンタン、1,1-ビス(3,5-ジメチ
ル-4-ヒドロキシフェニル)-3,3-ジメチル-5-メチル-シ
クロヘキサン、1,1-ビス(3,5-ジフェニル-4-ヒドロキシ
フェニル)-3,3-ジメチル-5-メチル-シクロヘキサン、1,1
-ビス(3-メチル-4-ヒドロキシフェニル)-3,3-ジメチル-
5-メチル-シクロヘキサン、1,1-ビス(3-フェニル-4-ヒド
ロキシフェニル)-3,3-ジメチル-5-メチル-シクロヘキサ
ン、1,1-ビス(3,5-ジクロロ-4-ヒドロキシフェニル)-3,3
-ジメチル-5-メチル-シクロヘキサン、1,1-ビス(3,5-ジ
ブロモ-4-ヒドロキシフェニル)-3,3-ジメチル-5-メチル
-シクロヘキサン等があげられ、これらの中から1種類又
は2種類以上を用いることができる。
【0023】上記した中でも特に好ましい二価フェノー
ルとしては、ビスフェノールAと称される2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビスフェノール
Cと称される2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロパン、ビスフェノールZと称される
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサ
ン、ビスフェノールAPと称される1,1−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、テトラメ
チルビスフェノールAと称される2,2−ビス(3,5
−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、9,
9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,
9−ビスクレゾールフルオレン、9,9−ビス(3,5
−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレンが挙
げられる。
【0024】また、芳香族二価カルボン酸としては、フ
タル酸が好ましく、フタル酸としては、テレフタル酸と
イソフタル酸のモル比(テレ/イソ比)が1/9〜9/
1であることが好ましく、1/1が特に好ましい。
【0025】なお、ポリアリレートの末端は、末端封止
剤と呼ばれるフェノール、クレゾール、p-tert-ブチルフ
ェノール、o-フェニルフェノール等の一価フェノール類、
安息香酸クロライド、メタンスルホニルクロライド、フェ
ニルクロロホルメート等の一価の酸クロライド類、メタ
ノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、
n-ブタノール、2-ブタノール、ペンタノール、ヘキサノー
ル、ドデシルアルコール、ステアリルアルコール、ベンジ
ルアルコール、フェネチルアルコール等の一価のアルコ
ール類、酢酸、プロピオン酸、オクタン酸、シクロヘキサン
カルボン酸、安息香酸、トルイル酸、フェニル酢酸、p-tert
-ブチル安息香酸、p-メトキシフェニル酢酸等の一価のカ
ルボン酸等で封止されていてもよい。
【0026】ポリアリレートの製造方法としては、水と
相溶しない有機溶剤に溶解せしめた二価カルボン酸ハラ
イドとアルカリ水溶液に溶解せしめた二価フェノールと
を混合する界面重合法(W.M.Eareckson J.Poly.Sci.XL39
9 1959年、特公昭40-1959号公報)が好適に採用される。界
面重合法は、溶液重合法と比較して反応が速く、そのため
カルボン酸ハライドの加水分解を最小限に抑える事が可
能であり、また、特に後述する重合触媒を選ぶことによ
り高分子量のポリマーを得ることができる。しかしなが
ら、カルボン酸の副生を完全に抑えることはできず、結
果として二価カルボン酸の残留モノマーが生じる。
【0027】界面重合法によるポリアリレートの製造方
法の例をさらに詳細に説明すると、二価フェノールのア
ルカリ水溶液を調製し、重合触媒及び必要に応じて分子
量を調節する目的で末端封止剤を添加する。ここで用い
ることができるアルカリには、水酸化ナトリウムや水酸
化カリウム等がある。また、重合触媒としては、分子量
が高いポリマーが得られるものであれば特に限定はされ
ないが、トリブチルベンジルアンモニウムハライド、テ
トラブチルアンモニウムハライド、テトラブチルホスホ
ニウムハライド、トリブチルベンジルホスホニウムハラ
イドが高分子量でカルボキシル価の低いポリマーを与え
る点で好ましい。4級アンモニウム塩のアルキル鎖の短
い、トリメチルベンジルアンモニウムハライド、トリエ
チルベンジルアンモニウムハライド等では、重合する二
価フェノールの種類によっては高分子量のポリマーを得
ることができないので好ましくない。 一方、水と相溶せず、かつポリアリレートを溶解するよう
な溶媒、例えば塩化メチレン、1,2-ジクロロエタン、クロ
ロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼン、1,1,2,2-テトラ
クロロエタン、1,1,1-トリクロロエタン、o-、m-、p-ジクロ
ロベンゼンなどの塩素系溶媒、トルエン、ベンゼン、キシ
レンなどの芳香族系炭化水素などに二価カルボン酸ハラ
イドを溶解させた溶液を調製する。そして、この溶液
を、上記の二価フェノールのアルカリ水溶液に混合し、
好ましくは25℃以下の温度で1〜5時間撹拌しながら反
応させることによってポリアリレートが得られる。 なお、ポリアリレートもしくはこれを含む高分子成形物
中に存在する上記の重合触媒の量、すなわち残留触媒の
量としては、1000ppm以下であることが好まし
く、500ppm以下がより好ましい。
【0028】また、ポリアリレートもしくはこれを含む
高分子成形物のカルボキシル価としては、30モル/ト
ン以下であることが好ましい。カルボキシル価が30モ
ル/トンを超えると、特に高分子成形物が薄いフィルムで
ある場合に湿熱時における寸法変化が著しくなって透明
導電性層の破損につながる場合があるので好ましくな
い。
【0029】さらに言えば、ポリアリレートもしくはこ
れを含む高分子成形物中に存在するアルカリ金属量とし
ては、30ppm以下であることが望ましい
【0030】本発明に用いられるポリアリレートの分子
量は、前述した末端封止材料の添加量によって調節する
ことができる。本発明に好適なポリアリレートもしくは
これを含む高分子成形物の分子量をインヘレント粘度で
表わすと、テトラクロロエタンを粘度測定溶媒に用い
た、25℃における1g/dl溶液のインヘレント粘度
としては、好ましくは0.7以上、より好ましくは0.
8〜2.5である。インヘレント粘度が0.7未満であ
ると耐熱性が不十分な場合があり、また後述するような
方法でキャストフィルムを製造するとき、フィルム製造
のためのポリマードープ液の粘度が不足してフィルム成
膜性に劣る場合があるので好ましくない。一方2.5を
超えるとドープ液の粘度が上がりすぎてドープ液の吐出
が困難になる場合があり好ましくない。
【0031】また、ポリアリレート中に存在する残留モ
ノマー、残留触媒、アルカリ金属等の不純物の量を低減
させる方法としては、再沈法、遠心分離法もしくはこれ
らを組み合わせた方法が採用できるが、特に、特開平1
1−049853号公報に示されているような、界面重
合法で得られたポリアリレートを含む有機相溶液に対
し、例えば循環スラリー装置を用いて、温水中に攪拌下
に有機相溶液と温水とを連続的に加えてポリアリレート
を分散させかつ有機溶媒を留去しながら、この分散スラ
リーを攪拌、循環させつつその一部を抜き取ってゆくと
いうような温水造粒法が、界面重合で得られるポリアリ
レート樹脂から不純物を除くのに有用であり、本発明に
好ましく用いられる。
【0032】次に本発明においてポリアリレート単位を
含有する高分子成形物、例えば高分子フィルムを製造す
る方法について説明する。本発明におけるポリアリレー
トは、塩化メチレン、クロロホルム、テトラヒドロフラ
ン、トルエン等の汎用有機溶媒への高い溶解性を有して
おり、高分子フィルムの製造方法としては、このような
性質を応用したキャストフィルム成膜法が好ましい。キ
ャストフィルム成膜法においては、有機溶媒にポリアリ
レート樹脂もしくはポリアリレート単位を含む樹脂を溶
解させたドープ液を調製し、このドープ液をスチールベ
ルトや、ドープ液の溶媒に侵されないフィルム、もしく
は硝子板等の上に展開させ、しかる後に溶媒を除去する
ことにより高分子フィルムが得られる。なお、上記のド
ープ液には、高分子フィルムの特性を損なわない範囲
で、酸化防止剤等の各種添加剤を添加してもよい。
【0033】また、上記の高分子フィルムを製造する
際、残留する有機溶媒や水分の量ができるだけ少なくな
るようにするために、好ましくは60℃〜120℃程度
の雰囲気下で1〜3日間程度保持して、有機溶媒や水分
を十分に揮散させることが好ましい。
【0034】次に、透明導電性層について説明する。本
発明において、基材である高分子成形物上に積層される
透明導電性層としては、導電性を有しかつ薄膜形成時に
透明性を有するものがよく、例えば鉄、ステンレス、
銀、金、白金、パラジウム、ロジウム、ジルコニウム、
クロム、ニッケル、ニオブ等の金属、酸価スズ、酸価亜
鉛、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化チタン、酸
化ジルコニウム、あるいは酸化インジウム−酸化スズ系
(ITO)等の金属酸化物及びこれらの合金等、特に好
ましくはITOを、スパッタリング法、真空蒸着法、イ
オンプレーティング法、CVD法、ゾルゲル法、分子線
エピタキシー法、プラズマガン法等によって形成させる
ことができる。特に、DCマグネトロンスパッタリング
法、デュアルマグネトロンスパッタリング法等で形成さ
せた透明導電性層が、密度が高く、また基材である高分
子成形物との密着性に優れ、成膜速度も速いため、好適
に用いられる。なお、これらの透明導電性層は単層でも
よいが2層以上の複層にすることもできる。
【0035】透明導電性層の厚みとしては、通常5〜7
50nmが好ましく、10〜500nmがより好まし
い。透明導電性層の厚さが5nm未満であると導電性が
不足する傾向があり、一方、750nmを超えるとひび
割れ等の欠陥が生じ易く導電性に悪影響を及ぼす傾向が
ある。透明導電性層の表面電気抵抗値としては、1Ω/
□〜1000Ω/□が好ましく、50Ω/□〜500Ω
/□がより好ましい。また、透明導電性層の透明性とし
ては、波長550nmの光線の光線透過率が50%以上
であることが好ましく、70%以上がより好ましい。
【0036】以上のように高分子成形物上に透明性導電
層を積層して得られる本発明の透明導電性積層体から、
常法によりEL素子を得ることができる。本発明によっ
て得られるEL素子の構造の例を図1及び図2に示す。
このとき、高分子成形物(高分子フィルム)の少なくと
も片側に、ガスバリア性や接着性、反射防止性を向上す
る目的で、金属酸化物膜層や窒化物層、炭化物層、ダイ
ヤモンド薄膜層、高分子薄膜層、有機物薄膜層、無機物
微粒子層、有機物微粒子層のうちの少なくとも一層を設
けることは、この工程により著しく生産性や発光効率を
低下させる場合を除いては、好ましい態様である。
【0037】なお、本発明の目的とするところは、EL
素子の発光体層自体の改良と言うよりも、基材である高
分子成形物中の残留モノマー等の不純物による透明導電
性層の劣化、及びその結果としての発光輝度の減衰を解
消することである。したがって、本発明におけるEL素
子の発光体層や、無機EL素子における誘電体層、有機
EL素子におけるホール輸送層としては、特に限定され
ず、通常EL素子に用いられるものを組み合わせて使用
することができる。
【0038】
【実施例】次に、本発明を実施例および比較例によって
具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるもの
ではなく、本発明の思想を逸脱しない範囲で種々の変形
および応用が可能である。 なお、高分子成形物である高分子フィルムについては、
これを細断したものを試料として、以下のような方法で
その特性を評価した。 1)インヘレント粘度 粘度測定溶媒として、1,1,2,2−テトラクロロエ
タンを用い、濃度1g/dl、温度25℃の条件で測定
した。 2)カルボキシル価 試験管に試料0.15gを精秤し、ベンジルアルコール
5mlを加えて加熱溶解させ、さらにクロロホルム10
mlを加えて混合した。これにフェノールレッドを指示
薬として用い、撹拌下、0.1NのKOHベンジルアル
コール溶液で中和適定を行い、カルボキシル価を求め
た。 3)残留モノマーの含有量 試料100mgに5mlのクロロホルムを加えて溶解さ
せ、アセトニトリルを加えて再沈殿させることにより、
試料中に含まれていた残留モノマーを抽出した。この溶
液から沈殿を濾過して取り除き、濾液をHPLC装置
(ヒューレットパッカード社製HP-1100)にて以下の測
定条件で定量分析することにより、残留モノマーである
残留フェノール量と残留フタル酸量を求めた。 測定条件 :カラム Wakopak Wakosil 5C18-200T 4.6mm×150mm カラム温度 40℃ キャリア CH3CN/H2O 検出器 PDA 4)残留触媒含有量 試料5gをクロロホルム100mlに溶解させた後、こ
れを5000mlのメタノールに滴下して樹脂を沈殿さ
せた。次に、樹脂を分離してメタノールを濃縮し、この
中に存在する触媒の量をガスクロマトグラフィー装置
(ヒューレットパッカード社製 HP−5890 Se
riesII)にて以下の条件で定量し、樹脂中の残量と
した。 測定条件 :カラム メチルシリコンキャピラリー (5m×i.d. 0.53mm) カラム温度 250 ℃ キャリアガス He 検出器 FID 5)アルカリ金属含有量 試料0.5gをH2SO4、HNO3、HClO4を用いて
湿式分解し、これをIPC発光分析装置(日本ジャーレ
ルアッシュ社製ICAP575−II)によって定量分析
して求めた。なお、上記の湿式分解においては、マイク
ロウェーブ分解装置(Milestone社製、 MLS-1200Mega)
及び付属のサンプルホルダー(MDR1000/160/60ローター)
を使用し、以下の4ステップで湿式分解を行った。 ・第1ステッフ゜:H2SO4を3ml添加 250ワット/5分間、0ワット/1分間,400ワット/5分間、500ワ
ット/8分間 ・第2ステッフ゜:HNO3を2ml添加 250ワット/5分間、0ワット/1分間,400ワット/5分間、500ワ
ット/7分間 ・第3ステッフ゜:HNO3を1ml添加 250ワット/5分間、0ワット/1分間,400ワット/5分間、500ワ
ット/7分間 ・第4ステッフ゜:HClO4を1ml添加 250ワット/5分間、0ワット/1分間,400ワット/5分間、500ワ
ット/7分間 6)水分含有量(カールフィッシャー法) 試料を160℃で30分間加熱し蒸発した水分を乾燥窒
素とともに滴定槽に通気し、水分を電力滴定用発生液
(三菱化成製アクアミクロンAX)に吸収させて、電力滴
定法により水分を反応させるのに要した電気量から水分
量を求めた。 7)有機溶媒含有量 試料0.5gにトルエンまたはベンゼン10mlを加え
溶解させた後、メタノールを加えることによりポリマー
を再沈殿させ全量を50mlとした。この溶液2mlに
内部標準としてのn−プロパノール50μgを加え、こ
れを試料溶液としてガスクロマトグラフィー(ヒューレ
ットパッカード社製HP-6890Series GCSystem、カラム
はCP-PoraPLOTQ)による測定を行い、高分子フィルムに
残留していた有機溶媒を定量した。
【0039】また、EL素子の耐久性は以下の方法で発
光輝度を測定することにより評価した。すなわち、EL
素子の電源としては、無機EL素子には100V/40
0Hzのインバータ電源を使用し、有機EL素子には1
00Vの直流電源を使用した。発光輝度の測定には、輝
度計(ミノルタ製LS−110)を使用し、EL素子を
温度50℃、湿度60%RHの雰囲気下で継続発光さ
せ、その初期の発光輝度I0と300時間後の発光輝度
300を測定した。このようにして発光輝度の変化を調
べ、発光輝度の比、I300/I0でEL素子の耐久性を評
価した。
【0040】実施例1〜5 撹拌装置を備えた反応容器中に、ビスフェノールA、ビ
スフェノールC、テトラメチルビスフェノールA等の二
価フェノールと、水を二価フェノール量に対して30倍
重量と、末端停止剤である p−tert−ブチルフェノ
ール(以下、PTBPと略す) 、水酸化ナトリウム、重
合触媒であるトリ−n−ブチルベンジルアンモニウムク
ロライドをそれぞれ下記表1に示す量で仕込んで水相を
調製した。これとは別に、二価フェノールと等モル量の
テレフタル酸クロライド/イソフタル酸クロライド=1
/1混合物(以下、MPCと略す)を、MPCの量に対
して25倍重量の塩化メチレンに溶解させて有機相を調
製し、先の水相中に強撹拌下で添加して、20℃で3時
間、ポリアリレートの重合反応を行った。この後、反応
溶液が弱酸性となるように酢酸を添加して反応を停止
し、水相と有機相を分離した。これを、有機相が中性と
なるまで水洗を繰り返し、この水洗後の有機相100重
量部を、50℃の水60重量部の中に強攪拌下で徐々に
添加してゆく温水造粒法により、不純物量を低減させた
ポリアリレート樹脂粉末を得た。
【0041】上記で得られたポリアリレート樹脂粉末を
塩化メチレンに溶解させて、樹脂濃度15重量%のドー
プを調製した。このドープを用い、キャスト法により、
厚さが75μmの高分子フィルムを製造した。そして、
上記の高分子フィルムの一方の面に、ターゲットに酸価
スズを10重量%含有した酸化インジウムを、スパッタ
リングガスにアルゴン/酸素酸素混合ガスを用いて、1
-3Torrの雰囲気下でのマグネトロンDCスパッタ
リング法により、厚さ50nmのITO層からなる透明
導電層を形成して、透明導電性積層体を得た。
【0042】比較例1〜5 実施例1〜5と同様の方法でポリアリレートの重合反応
を行った。ただし、不純物を低減させる温水造粒法を行
うことなく有機相を分離、乾燥してポリアリレート樹脂
粉末を得た。これらのポリアリレート樹脂粉末を用い
て、実施例1〜5と同様の操作により高分子フィルムを
製造し、透明導電性積層体を得た。なお、実施例1〜5
及び比較例1〜5におけるポリアリレート重合反応の仕
込み条件について下記表1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】実施例6 実施例1で得られたポリアリレート樹脂粉末90重量部
とポリカーボネート樹脂(住友ダウ製K200−03)
10重量部とを混合し、二軸ニーダー(東芝製TEM−
100)を用いることにより、290℃にて5分間溶融
混練した樹脂を得た。この樹脂を用いて、実施例1と同
様の操作により高分子フィルムを製造し、透明導電性積
層体を得た。
【0045】比較例6 比較例1で得られたポリアリレート樹脂粉末90重量部
とポリカーボネート樹脂(住友ダウ製K200−03)
10重量部とを混合し、実施例6と同様の操作により溶
融混練した樹脂を得て、高分子フィルムを製造し、透明
導電性積層体を得た。
【0046】なお、上記の実施例及び比較例において製
造した高分子フィルムの特性について評価した結果を下
記表2に示す。
【0047】
【表2】
【0048】[無機EL素子の作製]上記の実施例及び比
較例で得られた透明導電性積層体を使用して、以下の方
法により順番に各層を形成して分散型無機EL素子を作
製した。 ・発光体層 N,N−ジメチルホルムアミド100mlあたり、20
gのシアノエチルプルランを溶解させたものをバインダ
ーとし、このバインダー1gに対して硫化亜鉛粉末(平
均粒径20μm)2gを分散させて発光体層材料とし
た。この発光体層材料を透明導電層の上にバーコーター
を用いて厚さ30μmで塗布し、乾燥させることによ
り、発光体層を形成した。 ・誘電体層 上記の発光体層材料に用いたバインダー1gに対してチ
タン酸バリウム粉末(平均粒径20μm)2gを添加し
たものを誘電体層材料とし、これをバーコーターを用い
て厚さ40μmで塗布し、乾燥させることにより、誘電
体層を形成した。 ・裏面電極 真空蒸着法により、厚み0.4μmのアルミニウム薄膜
を形成した。
【0049】[有機EL素子の作製]上記の実施例及び比
較例で得られた透明導電性積層体を、中性洗剤、アセト
ン、エタノールを用いて超音波洗浄し、煮沸エタノール
中から引き上げて乾燥し、次いで、表面をUV/O3
浄した。これを用いて、以下の方法により順番に各層を
形成して有機EL素子を作製した。 ・ホール注入層 真空蒸着装置を用い、10-4Torrまで減圧した雰囲
気下で、4,4’,4’’-トリス(−N−(3−メチル
フェニル)−N−フェニルアミノ)トリフェニルアミン
を蒸着速度0.2nm/秒で蒸着し、厚さ35nmのホ
ール注入層を形成した。 ・ホール輸送層 次いで、上記の減圧状態を保ったまま、N,N’−ジフ
ェニル−N,N’−m−トリル−4,4’−ジアミノ−
1,1’−ビフェニルを蒸着速度0.2nm/秒で蒸着
し、厚さ35nmのホール輸送層を形成した。 ・電子注入及び発光体層 次いで、上記の減圧状態を保ったまま、トリス(8-キノ
リノラト)アルミニウムを蒸着速度0.2nm/秒で蒸
着して、厚さ50nmの電子注入及び発光体層を形成し
た。 ・裏面電極 さらに、減圧を保ったまま、Mg−Agを共蒸着(2元
蒸着)で蒸着速度比Mg:Ag=10:1の条件で20
0nmの厚さに成膜した。
【0050】上記のようにして得られたそれぞれの無機
EL素子及び有機EL素子を、50℃、60%RHの雰
囲気下で300時間継続発光させ、上記した方法によっ
て耐久性を評価した。その結果を下記表3に示す。
【0051】
【表3】
【0052】上記表3の結果から、本発明の透明導電性
積層体は、二価フェノールや二価カルボン酸(フタル
酸)の残留モノマーの含有量が少ない高分子成形物(高
分子フィルム)を基材としているので、これを用いた本
発明のEL素子においては、発光輝度の耐久性が向上し
ていることがわかった。
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の透明導電性積層体は、基材の高分子成形物にポリアリ
レートを含有するため耐熱性に優れており、しかも、そ
の高分子成形物において不純物として存在する残留モノ
マーの量が低減されているので、これを用いてEL素子
を作製した場合には、上記の残留モノマーによる悪影響
が抑えられ、発光輝度を安定させてその耐久性を向上さ
せることができる。したがって、本発明の透明導電性積
層体は、無機EL素子及び有機EL素子用として好適に
利用でき、これを用いて得られるEL素子は、発光体層
が本来有する特性が十分に生かされ、発光効率及び耐久
性に優れたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における無機EL素子の構造の一例を示
す断面図である。
【図2】本発明における有機EL素子の構造の一例を示
す断面図である。
【符号の説明】
1 透明導電性積層体 2 高分子成形物(フィルム) 3 透明導電性層 4 発光体層 5 誘電体層 6 裏面電極(金属層) 7 ホール注入層 8 ホール輸送層 9 電子注入及び発光体層
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年7月19日(1999.7.1
9)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】また、芳香族二価カルボン酸としては、
レフタル酸とイソフタル酸が好ましく、そのモル比(テ
レ/イソ比)としては、1/9〜9/1であることが好
ましく、1/1が特に好ましい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長谷川 明彦 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内 (72)発明者 本梅 孝一 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内 (72)発明者 藤原 正明 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内 Fターム(参考) 3K007 AB00 AB02 AB03 AB14 CA05 CA06 CB01 DA04 DA05 DB02 DB03 EB04 EC01 FA01 5G307 FA02 FB01 FC02 FC06 FC10

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高分子成形物と透明導電性層が積層され
    てなり、高分子成形物が下記の2つの条件を満たすこと
    を特徴とするエレクトロルミネッセンス素子用透明導電
    性積層体。 (1)ポリアリレート単位を1〜100重量%含有す
    る。 (2)二価フェノール又は二価カルボン酸からなる残留
    モノマーの含有量が3000ppm以下である。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の透明導電性積層体を有す
    るエレクトロルミネッセンス素子
JP11172995A 1999-06-18 1999-06-18 透明導電性積層体及びエレクトロルミネッセンス素子 Pending JP2001006882A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007059128A (ja) * 2005-08-23 2007-03-08 Canon Inc 有機el表示装置およびその製造方法
JP2011222530A (ja) * 2011-07-05 2011-11-04 Canon Inc 有機el表示装置およびその製造方法

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