JP2001006705A - 燃料電池及びその製造方法 - Google Patents
燃料電池及びその製造方法Info
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- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P70/00—Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
- Y02P70/50—Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 空気ガス及び燃料ガスのリークを防止し気密
性を保持する優れた周辺シール構造を備えた燃料電池を
提供する。 【解決手段】 多孔質電極基材1全周の端部周辺に、カ
ーボンブラック、PTFEディスパージョンを含むペー
スト状シール材を充填処理し、空気極及び燃料極基材充
填シール層21、23を形成する。次に、多孔質電極基
材1の片面中央部に触媒ペーストを塗布し、空気極及び
燃料極触媒層2、3を各々形成した後、多孔質電極基材
1端部周辺上に炭化珪素粉末とフッ素系樹脂からなる未
熱処理のシート状テープを加圧接着し、各々の触媒層と
隙間及び段差の無い空気極及び燃料極周辺シール層2
2、24を形成する。これらの基材充填シール層及び周
辺シール層は、電解質を含浸保持したウエットシールと
しての機能を十分に発揮し、空気ガス及び燃料ガスの電
極端部周辺からのリークを完全に防止できる。
性を保持する優れた周辺シール構造を備えた燃料電池を
提供する。 【解決手段】 多孔質電極基材1全周の端部周辺に、カ
ーボンブラック、PTFEディスパージョンを含むペー
スト状シール材を充填処理し、空気極及び燃料極基材充
填シール層21、23を形成する。次に、多孔質電極基
材1の片面中央部に触媒ペーストを塗布し、空気極及び
燃料極触媒層2、3を各々形成した後、多孔質電極基材
1端部周辺上に炭化珪素粉末とフッ素系樹脂からなる未
熱処理のシート状テープを加圧接着し、各々の触媒層と
隙間及び段差の無い空気極及び燃料極周辺シール層2
2、24を形成する。これらの基材充填シール層及び周
辺シール層は、電解質を含浸保持したウエットシールと
しての機能を十分に発揮し、空気ガス及び燃料ガスの電
極端部周辺からのリークを完全に防止できる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料電池に関し、
特に電極端部周辺の気密性の向上に関するものである。
特に電極端部周辺の気密性の向上に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図5は、例えば特開昭58−44672
号公報に示された従来の燃料電池における単セル構造を
模式的に示す部分断面図である。図において、1は多孔
質電極基材、2は空気極触媒層で、多孔質電極基材1と
空気極触媒層2により空気極5を構成している。また、
3は燃料極触媒層で、多孔質電極基材1と燃料極触媒層
3により燃料極6を構成している。4は空気極5と燃料
極6の両電極間に挟持されたマトリックスで、マトリッ
クス4、空気極5及び燃料極6により単セル7を構成し
ている。また、8は多孔質電極基材1の端部に形成され
た端部周辺含浸層、9は単セル7の端部周辺からのガス
リークを防止するため、単セル端部周辺と端面に形成さ
れたフッ素系樹脂等からなる端部接着剤塗布層である。
さらに、11は空気ガス流路を有する空気極多孔質カー
ボン板、12は燃料ガス流路を有する燃料極多孔質カー
ボン板である。また、図6は例えば特開昭58−164
153号公報に示された従来の他の単セル構造を模式的
に示す部分断面図である。図において、10aは単セル
7を構成する空気極5、マトリックス4及び燃料極6の
それぞれの端部周辺からのガスリークを防止するため樹
脂性フィルムで包囲形成した端部フィルム被覆層、10
bは単セル7全体の端部周辺からのガスリークを防止す
るため樹脂性フィルムで包囲形成した端部フィルム被覆
層である。なお、図中、同一、相当部分には同一符号を
付し、説明を省略する。
号公報に示された従来の燃料電池における単セル構造を
模式的に示す部分断面図である。図において、1は多孔
質電極基材、2は空気極触媒層で、多孔質電極基材1と
空気極触媒層2により空気極5を構成している。また、
3は燃料極触媒層で、多孔質電極基材1と燃料極触媒層
3により燃料極6を構成している。4は空気極5と燃料
極6の両電極間に挟持されたマトリックスで、マトリッ
クス4、空気極5及び燃料極6により単セル7を構成し
ている。また、8は多孔質電極基材1の端部に形成され
た端部周辺含浸層、9は単セル7の端部周辺からのガス
リークを防止するため、単セル端部周辺と端面に形成さ
れたフッ素系樹脂等からなる端部接着剤塗布層である。
さらに、11は空気ガス流路を有する空気極多孔質カー
ボン板、12は燃料ガス流路を有する燃料極多孔質カー
ボン板である。また、図6は例えば特開昭58−164
153号公報に示された従来の他の単セル構造を模式的
に示す部分断面図である。図において、10aは単セル
7を構成する空気極5、マトリックス4及び燃料極6の
それぞれの端部周辺からのガスリークを防止するため樹
脂性フィルムで包囲形成した端部フィルム被覆層、10
bは単セル7全体の端部周辺からのガスリークを防止す
るため樹脂性フィルムで包囲形成した端部フィルム被覆
層である。なお、図中、同一、相当部分には同一符号を
付し、説明を省略する。
【0003】次に、動作を説明する。図5に示す従来の
燃料電池では、空気極多孔質カーボン板11と燃料極多
孔質カーボン板12は、空気及び燃料の反応ガスを供給
すると共に、電池反応に必要な電解質を保持する。一
方、空気極5及び燃料極6の各電極の触媒層である空気
極触媒層2と燃料極触媒層3を支持する多孔質電極基材
1も、多孔質のカーボン材で構成されており、空気極多
孔質カーボン板11及び燃料極多孔質カーボン板12か
ら供給されるガスをそれぞれ空気極触媒層2と燃料極触
媒層3に拡散させる。また、空気極触媒層2、燃料極触
媒層3に必要な電解質はそれぞれ空気極多孔質カーボン
板11、燃料極多孔質カーボン板12から供給され、そ
れぞれの触媒層に供給された空気ガス及び燃料ガスは、
電解質を保持したマトリックス4を介して反応し発電す
る。この時、各電極の多孔質電極基材1の端部や、空気
極多孔質カーボン板11及び燃料極多孔質カーボン板1
2と各電極との接合周辺部及び各電極とマトリックス4
との接合部周辺から各反応ガスが漏れないように、リー
ク防止策として端部周辺含浸層8及び端部接着剤塗布層
9が形成されている。また、図6に示す従来例では、セ
ルの動作は図5に示す従来例と同様であるが、反応ガス
のリーク防止策として、マトリックス4、空気極5及び
燃料極6それぞれの端部周辺を樹脂製フィルムで包囲形
成したフィルム被覆層10aと、単セル7全体の端部周
辺部を樹脂製フィルムで包囲形成したフィルム被覆層1
0b等のドライシールを設けている。
燃料電池では、空気極多孔質カーボン板11と燃料極多
孔質カーボン板12は、空気及び燃料の反応ガスを供給
すると共に、電池反応に必要な電解質を保持する。一
方、空気極5及び燃料極6の各電極の触媒層である空気
極触媒層2と燃料極触媒層3を支持する多孔質電極基材
1も、多孔質のカーボン材で構成されており、空気極多
孔質カーボン板11及び燃料極多孔質カーボン板12か
ら供給されるガスをそれぞれ空気極触媒層2と燃料極触
媒層3に拡散させる。また、空気極触媒層2、燃料極触
媒層3に必要な電解質はそれぞれ空気極多孔質カーボン
板11、燃料極多孔質カーボン板12から供給され、そ
れぞれの触媒層に供給された空気ガス及び燃料ガスは、
電解質を保持したマトリックス4を介して反応し発電す
る。この時、各電極の多孔質電極基材1の端部や、空気
極多孔質カーボン板11及び燃料極多孔質カーボン板1
2と各電極との接合周辺部及び各電極とマトリックス4
との接合部周辺から各反応ガスが漏れないように、リー
ク防止策として端部周辺含浸層8及び端部接着剤塗布層
9が形成されている。また、図6に示す従来例では、セ
ルの動作は図5に示す従来例と同様であるが、反応ガス
のリーク防止策として、マトリックス4、空気極5及び
燃料極6それぞれの端部周辺を樹脂製フィルムで包囲形
成したフィルム被覆層10aと、単セル7全体の端部周
辺部を樹脂製フィルムで包囲形成したフィルム被覆層1
0b等のドライシールを設けている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来の燃
料電池では、空気極触媒層2、燃料極触媒層3に供給さ
れた空気ガス、燃料ガスが電解質を介して反応し発電す
るものであるため、単セル7端部周辺から反応ガスが漏
れ、空気ガスと燃料ガスが接すると発電効果が低下する
だけでなく、発熱反応が生じる。また、ガスの混合状態
によっては、異常な昇温による触媒層劣化の促進や爆発
等の危険が発生することがあり、単セル7端部周辺のガ
スリーク防止が重要であった。しかしながら、図5に示
すような従来のフッ素系樹脂よりなる端部接着剤塗布層
9の場合、接着剤硬化時の熱処理による収縮や気泡によ
るピンホールの発生、または塗布層の厚さの不均一等の
品質面の問題点や、単セル端面への塗布時に液垂れ等が
発生するという施工作業性の問題点があった。さらに、
端部接着剤塗布層9は柔らかく、外的な要因で剥がれや
すいという恐れもあった。一方、図6に示すようなフッ
素系樹脂よりなる端部フィルム被覆層10a、10bの
場合には、被覆部分が面内中央部分よりも厚くなってし
まい、段差を解消するための特別な施工が必要であるこ
と、また、フィルム施工時、溶融等の熱処理時に各触媒
層やマトリックス4が高温に晒され、電池特性に悪影響
を及ぼすという問題点があった。さらには、被覆部分が
緻密化して硬くなり、ハンドリング等により非被覆面と
の境界に亀裂等が発生する恐れがあること、またフィル
ム被覆のため作業工程が複雑になる等の問題点もあっ
た。なお、上記従来例の他、一般的なガスリーク防止策
として、単セル端部周辺シール部にフッ素系樹脂パッキ
ンを挿入する事例もあるが、単セル端面とパッキンの隙
間からの反応ガスの漏洩があることや、空気ガス、燃料
ガスを供給する多孔質カーボン板との気密接合性等にも
問題があった。
料電池では、空気極触媒層2、燃料極触媒層3に供給さ
れた空気ガス、燃料ガスが電解質を介して反応し発電す
るものであるため、単セル7端部周辺から反応ガスが漏
れ、空気ガスと燃料ガスが接すると発電効果が低下する
だけでなく、発熱反応が生じる。また、ガスの混合状態
によっては、異常な昇温による触媒層劣化の促進や爆発
等の危険が発生することがあり、単セル7端部周辺のガ
スリーク防止が重要であった。しかしながら、図5に示
すような従来のフッ素系樹脂よりなる端部接着剤塗布層
9の場合、接着剤硬化時の熱処理による収縮や気泡によ
るピンホールの発生、または塗布層の厚さの不均一等の
品質面の問題点や、単セル端面への塗布時に液垂れ等が
発生するという施工作業性の問題点があった。さらに、
端部接着剤塗布層9は柔らかく、外的な要因で剥がれや
すいという恐れもあった。一方、図6に示すようなフッ
素系樹脂よりなる端部フィルム被覆層10a、10bの
場合には、被覆部分が面内中央部分よりも厚くなってし
まい、段差を解消するための特別な施工が必要であるこ
と、また、フィルム施工時、溶融等の熱処理時に各触媒
層やマトリックス4が高温に晒され、電池特性に悪影響
を及ぼすという問題点があった。さらには、被覆部分が
緻密化して硬くなり、ハンドリング等により非被覆面と
の境界に亀裂等が発生する恐れがあること、またフィル
ム被覆のため作業工程が複雑になる等の問題点もあっ
た。なお、上記従来例の他、一般的なガスリーク防止策
として、単セル端部周辺シール部にフッ素系樹脂パッキ
ンを挿入する事例もあるが、単セル端面とパッキンの隙
間からの反応ガスの漏洩があることや、空気ガス、燃料
ガスを供給する多孔質カーボン板との気密接合性等にも
問題があった。
【0005】本発明は、上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、空気ガス及び燃料ガスのリーク
を防止し気密性を保持する優れた周辺シール構造を備え
た燃料電池を提供することを目的とする。
ためになされたもので、空気ガス及び燃料ガスのリーク
を防止し気密性を保持する優れた周辺シール構造を備え
た燃料電池を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる燃料電池
は、空気極、燃料極及び両電極間に挟持されたマトリッ
クスよりなる単セルと、空気ガス流路を有する空気極多
孔質カーボン板と燃料ガス流路を有する燃料極多孔質カ
ーボン板の間に空気ガスと燃料ガスを分離するセパレー
タ板が挟持された複合セパレータ板を交互に積層してな
る燃料電池において、各電極は、多孔質電極基材と、こ
の多孔質電極基材端部周辺にシール材を充填処理して形
成された基材充填シール層と、多孔質電極基材の片面中
央部に塗布形成された触媒層と、多孔質電極基材端部周
辺上に触媒層と隙間及び段差の無いように平滑に形成さ
れた周辺シール層を備えたものである。また、基材充填
シール層は、矩形の多孔質電極基材の全周または対向す
る二辺の端部周辺に形成されているものである。さら
に、周辺シール層は、矩形の多孔質電極基材の全周また
は対向する二辺の端部周辺上に形成されているものであ
る。
は、空気極、燃料極及び両電極間に挟持されたマトリッ
クスよりなる単セルと、空気ガス流路を有する空気極多
孔質カーボン板と燃料ガス流路を有する燃料極多孔質カ
ーボン板の間に空気ガスと燃料ガスを分離するセパレー
タ板が挟持された複合セパレータ板を交互に積層してな
る燃料電池において、各電極は、多孔質電極基材と、こ
の多孔質電極基材端部周辺にシール材を充填処理して形
成された基材充填シール層と、多孔質電極基材の片面中
央部に塗布形成された触媒層と、多孔質電極基材端部周
辺上に触媒層と隙間及び段差の無いように平滑に形成さ
れた周辺シール層を備えたものである。また、基材充填
シール層は、矩形の多孔質電極基材の全周または対向す
る二辺の端部周辺に形成されているものである。さら
に、周辺シール層は、矩形の多孔質電極基材の全周また
は対向する二辺の端部周辺上に形成されているものであ
る。
【0007】また、周辺シール層は、炭化珪素粉末とフ
ッ素系樹脂からなる未熱処理のシート状テープよりなる
ものである。また、周辺シール層は、カーボンブラック
とフッ素系樹脂からなる未熱処理のシート状テープより
なるものである。さらに、周辺シール層は、接着剤を介
して多孔質電極基材に接着されているものである。ま
た、接着剤は、水溶系または有機溶剤系のフッ素系樹脂
ディスパージョンよりなるものである。さらに、フッ素
系樹脂ディスパージョンとして、PTFE(ポリテトラ
フルオロエチレン)またはFEP(テトラフルオロエチ
レン- ヘキサフルオロプロピレン共重合体)等を用い、
それらの粒子固形物含有量を5〜60%の範囲としたも
のである。また、接着剤は、水溶性または水及び有機溶
剤に溶解するセルロース系材料よりなるものである。さ
らに、セルロース系材料として、ヒドロキシプロピルセ
ルロース、メチルセルロース、またはヒドロキシプロピ
ルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロー
ス等を用い、それらの溶解濃度を0. 5〜10%の範囲
としたものである。
ッ素系樹脂からなる未熱処理のシート状テープよりなる
ものである。また、周辺シール層は、カーボンブラック
とフッ素系樹脂からなる未熱処理のシート状テープより
なるものである。さらに、周辺シール層は、接着剤を介
して多孔質電極基材に接着されているものである。ま
た、接着剤は、水溶系または有機溶剤系のフッ素系樹脂
ディスパージョンよりなるものである。さらに、フッ素
系樹脂ディスパージョンとして、PTFE(ポリテトラ
フルオロエチレン)またはFEP(テトラフルオロエチ
レン- ヘキサフルオロプロピレン共重合体)等を用い、
それらの粒子固形物含有量を5〜60%の範囲としたも
のである。また、接着剤は、水溶性または水及び有機溶
剤に溶解するセルロース系材料よりなるものである。さ
らに、セルロース系材料として、ヒドロキシプロピルセ
ルロース、メチルセルロース、またはヒドロキシプロピ
ルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロー
ス等を用い、それらの溶解濃度を0. 5〜10%の範囲
としたものである。
【0008】また、本発明に係わる燃料電池の製造方法
は、空気極及び燃料極の各電極を構成する多孔質電極基
材の端部周辺にペースト状のシール材を充填処理し、基
材充填シール層を形成する工程と、多孔質電極基材の片
面中央部に触媒ペーストをスクリーン印刷等により塗布
し、各電極の触媒層を形成する工程と、多孔質電極基材
端部周辺上に、炭化珪素粉末またはカーボンブラックと
フッ素系樹脂よりなる未熱処理のシート状テープを配置
し加圧接着することにより、触媒層と隙間及び段差の無
い平滑な周辺シール層を形成する工程を含んで製造する
ようにしたものである。また、周辺シール層を形成する
工程において、多孔質電極基材端部周辺上に、ロール
法、スプレー法または印刷法、刷毛塗り等により接着剤
を塗布した後、シート状テープを配置し加圧接着するも
のである。さらに、周辺シール層を形成する工程におい
て、多孔質電極基材端部周辺上にシート状テープを配置
し、加圧プレス、加圧ローラまたはハンドローラを用い
て加圧接着するものである。
は、空気極及び燃料極の各電極を構成する多孔質電極基
材の端部周辺にペースト状のシール材を充填処理し、基
材充填シール層を形成する工程と、多孔質電極基材の片
面中央部に触媒ペーストをスクリーン印刷等により塗布
し、各電極の触媒層を形成する工程と、多孔質電極基材
端部周辺上に、炭化珪素粉末またはカーボンブラックと
フッ素系樹脂よりなる未熱処理のシート状テープを配置
し加圧接着することにより、触媒層と隙間及び段差の無
い平滑な周辺シール層を形成する工程を含んで製造する
ようにしたものである。また、周辺シール層を形成する
工程において、多孔質電極基材端部周辺上に、ロール
法、スプレー法または印刷法、刷毛塗り等により接着剤
を塗布した後、シート状テープを配置し加圧接着するも
のである。さらに、周辺シール層を形成する工程におい
て、多孔質電極基材端部周辺上にシート状テープを配置
し、加圧プレス、加圧ローラまたはハンドローラを用い
て加圧接着するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】実施の形態1.以下に、本発明の
実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明
の実施の形態1における燃料電池の単セル構造を示す模
式的断面図である。図において、1は空気極及び燃料極
の各電極を構成する多孔質電極基材、2は多孔質電極基
材1の片面中央部に塗布形成された空気極触媒層、21
は多孔質電極基材1端部周辺にシール材を充填処理して
形成された空気極基材充填シール層、22は多孔質電極
基材1端部周辺上に空気極触媒層2と隙間及び段差の無
いように平滑に形成された空気極周辺シール層であり、
多孔質電極基材1、空気極触媒層2及び空気極基材充填
シール層21、空気極周辺シール層22により空気極5
を構成している。また、3は多孔質電極基材1の片面中
央部に塗布形成された燃料極触媒層、23は多孔質電極
基材1端部周辺にシール材を充填処理して形成された燃
料極基材充填シール層、24は多孔質電極基材1端部周
辺上に燃料極触媒層3と隙間及び段差の無いように平滑
に形成された燃料極周辺シール層であり、多孔質電極基
材1、燃料極触媒層3及び燃料極基材充填シール層2
3、燃料極周辺シール層24により燃料極6を構成して
いる。また、4は空気極5と燃料極6の両電極間に挟持
されたシート状のマトリックスであり、マトリックス
4、空気極5及び燃料極6により単セル7を構成してい
る。さらに、11は空気ガス流路を有する空気極多孔質
カーボン板、12は燃料ガス流路を有する燃料極多孔質
カーボン板、13は空気ガスと燃料ガスを分離するセパ
レータ板であり、空気極多孔質カーボン板11及び燃料
極多孔質カーボン板12の間にセパレータ板13を挟持
し一体化した複合セパレータ板14と単セル7を交互に
積層することにより燃料電池が構成されている。
実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明
の実施の形態1における燃料電池の単セル構造を示す模
式的断面図である。図において、1は空気極及び燃料極
の各電極を構成する多孔質電極基材、2は多孔質電極基
材1の片面中央部に塗布形成された空気極触媒層、21
は多孔質電極基材1端部周辺にシール材を充填処理して
形成された空気極基材充填シール層、22は多孔質電極
基材1端部周辺上に空気極触媒層2と隙間及び段差の無
いように平滑に形成された空気極周辺シール層であり、
多孔質電極基材1、空気極触媒層2及び空気極基材充填
シール層21、空気極周辺シール層22により空気極5
を構成している。また、3は多孔質電極基材1の片面中
央部に塗布形成された燃料極触媒層、23は多孔質電極
基材1端部周辺にシール材を充填処理して形成された燃
料極基材充填シール層、24は多孔質電極基材1端部周
辺上に燃料極触媒層3と隙間及び段差の無いように平滑
に形成された燃料極周辺シール層であり、多孔質電極基
材1、燃料極触媒層3及び燃料極基材充填シール層2
3、燃料極周辺シール層24により燃料極6を構成して
いる。また、4は空気極5と燃料極6の両電極間に挟持
されたシート状のマトリックスであり、マトリックス
4、空気極5及び燃料極6により単セル7を構成してい
る。さらに、11は空気ガス流路を有する空気極多孔質
カーボン板、12は燃料ガス流路を有する燃料極多孔質
カーボン板、13は空気ガスと燃料ガスを分離するセパ
レータ板であり、空気極多孔質カーボン板11及び燃料
極多孔質カーボン板12の間にセパレータ板13を挟持
し一体化した複合セパレータ板14と単セル7を交互に
積層することにより燃料電池が構成されている。
【0010】次に、本実施の形態における燃料電池の電
極部の製造方法を図2を用いて説明する。まず、例えば
160mm×160mm×0. 2mmの矩形の多孔質電極基材
1全周の端部周辺巾30mmに、粒子径10〜80nmのカ
ーボンブラック、増粘剤及び純水を混合撹拌し、粉砕処
理後、結着剤としてPTFE(ポリテトラフルオロエチ
レン)ディスパージョン及び界面活性剤を加えて混合分
散処理して作製したペースト状のシール材をロール充填
処理し、乾燥させ、空気極基材充填シール層21、燃料
極基材充填シール層23をそれぞれ形成する(図2
(a))。次に、多孔質電極基材1の片面中央部に、空
気極5及び燃料極6それぞれの触媒ペーストをスクリー
ン印刷法で100mm×100mm寸法に塗布し、その後乾
燥、焼成、加圧処理をして、空気極触媒層2及び燃料極
触媒層3をそれぞれ形成する(図2(b))。なお、上
記触媒ペーストは、白金を含む触媒粉と溶剤及び増粘剤
等の添加物を加えて混合撹拌し、粉砕処理後、結着剤と
してPTFEディスパージョン及び界面活性剤等の助剤
を加えて混合分散処理し作製した。
極部の製造方法を図2を用いて説明する。まず、例えば
160mm×160mm×0. 2mmの矩形の多孔質電極基材
1全周の端部周辺巾30mmに、粒子径10〜80nmのカ
ーボンブラック、増粘剤及び純水を混合撹拌し、粉砕処
理後、結着剤としてPTFE(ポリテトラフルオロエチ
レン)ディスパージョン及び界面活性剤を加えて混合分
散処理して作製したペースト状のシール材をロール充填
処理し、乾燥させ、空気極基材充填シール層21、燃料
極基材充填シール層23をそれぞれ形成する(図2
(a))。次に、多孔質電極基材1の片面中央部に、空
気極5及び燃料極6それぞれの触媒ペーストをスクリー
ン印刷法で100mm×100mm寸法に塗布し、その後乾
燥、焼成、加圧処理をして、空気極触媒層2及び燃料極
触媒層3をそれぞれ形成する(図2(b))。なお、上
記触媒ペーストは、白金を含む触媒粉と溶剤及び増粘剤
等の添加物を加えて混合撹拌し、粉砕処理後、結着剤と
してPTFEディスパージョン及び界面活性剤等の助剤
を加えて混合分散処理し作製した。
【0011】続いて、空気極5及び燃料極6各々の多孔
質電極基材1端部周辺上、すなわち先に多孔質電極基材
1端部周辺に形成された空気極基材充填シール層21及
び燃料極基材充填シール層23面上に、炭化珪素粉末と
フッ素系樹脂からなる未熱処理のシート状テープを配置
し加圧接着することにより、それぞれの触媒層と隙間及
び段差の無い平滑な空気極周辺シール層22及び燃料極
周辺シール層24を形成する(図2(c))。本実施の
形態では、平均粒径0. 5〜5μmの炭化珪素粉末と結
着剤としてPTFEディスパージョン、純水及び助剤を
加え、混合分散後、乾燥して作製した乾燥粉末に可塑剤
を加えて混練、圧延し、その後脱脂して所定の厚さに成
形して得た幅30mmの未熱処理のシート状テープを用
い、加圧プレスにより面圧1. 0MPa以上で加圧接着
した。以上の工程により作製された空気極5及び燃料極
6を150mm×150mmの寸法に切断した後、これらの
電極間に160mm×160mmのシート状のマトリックス
4を挟持し組立て、小形単セルの燃料電池を作製した。
なお、マトリックス4は、平均粒径0. 5〜3. 0μm
の炭化珪素粉末と結着剤としてPTFEディスパージョ
ン、純水及び助剤を加え、混合分散後、乾燥して作製し
た乾燥粉末に可塑剤を加えて混練、圧延し、その後脱脂
して所定の厚さに成形して得た。
質電極基材1端部周辺上、すなわち先に多孔質電極基材
1端部周辺に形成された空気極基材充填シール層21及
び燃料極基材充填シール層23面上に、炭化珪素粉末と
フッ素系樹脂からなる未熱処理のシート状テープを配置
し加圧接着することにより、それぞれの触媒層と隙間及
び段差の無い平滑な空気極周辺シール層22及び燃料極
周辺シール層24を形成する(図2(c))。本実施の
形態では、平均粒径0. 5〜5μmの炭化珪素粉末と結
着剤としてPTFEディスパージョン、純水及び助剤を
加え、混合分散後、乾燥して作製した乾燥粉末に可塑剤
を加えて混練、圧延し、その後脱脂して所定の厚さに成
形して得た幅30mmの未熱処理のシート状テープを用
い、加圧プレスにより面圧1. 0MPa以上で加圧接着
した。以上の工程により作製された空気極5及び燃料極
6を150mm×150mmの寸法に切断した後、これらの
電極間に160mm×160mmのシート状のマトリックス
4を挟持し組立て、小形単セルの燃料電池を作製した。
なお、マトリックス4は、平均粒径0. 5〜3. 0μm
の炭化珪素粉末と結着剤としてPTFEディスパージョ
ン、純水及び助剤を加え、混合分散後、乾燥して作製し
た乾燥粉末に可塑剤を加えて混練、圧延し、その後脱脂
して所定の厚さに成形して得た。
【0012】以上の製造方法によって得られた空気極及
び燃料極周辺シール層22、24は、それぞれ空気極触
媒層2、燃料極触媒層3と面内で隙間及び段差が無く平
滑であった。また、多孔質電極基材1との接着界面は機
械的な圧着のみで、シワや剥がれもなく平滑に接合して
いた。これは、周辺シール層の材料として、柔らかくフ
レキシブルな炭化珪素粉末とフッ素系樹脂よりなる未熱
処理のシート状テープを用いたため、加圧接着により多
孔質電極基材1に容易に密着すると共に、同一面内の各
触媒層と隙間無く平滑に形成することができたものであ
る。このため、従来のフッ素系樹脂よりなる端部フィル
ム被覆層(図6)の例のように、電極端部周辺の段差を
解消するための特別な施工が必要無く、製造上の作業性
が向上した。また、常温で施工できるため高温に晒され
ることもなく、従来のように電極端部周辺のみが硬くな
り、ハンドリング等により亀裂が発生することもなかっ
た。
び燃料極周辺シール層22、24は、それぞれ空気極触
媒層2、燃料極触媒層3と面内で隙間及び段差が無く平
滑であった。また、多孔質電極基材1との接着界面は機
械的な圧着のみで、シワや剥がれもなく平滑に接合して
いた。これは、周辺シール層の材料として、柔らかくフ
レキシブルな炭化珪素粉末とフッ素系樹脂よりなる未熱
処理のシート状テープを用いたため、加圧接着により多
孔質電極基材1に容易に密着すると共に、同一面内の各
触媒層と隙間無く平滑に形成することができたものであ
る。このため、従来のフッ素系樹脂よりなる端部フィル
ム被覆層(図6)の例のように、電極端部周辺の段差を
解消するための特別な施工が必要無く、製造上の作業性
が向上した。また、常温で施工できるため高温に晒され
ることもなく、従来のように電極端部周辺のみが硬くな
り、ハンドリング等により亀裂が発生することもなかっ
た。
【0013】さらに、本実施の形態において作製された
燃料電池の性能を検証した結果、空気ガス及び燃料ガス
のリークは発生せず、正常な特性が得られた。これは、
各電極の多孔質電極基材1端部周辺に形成された空気極
及び燃料極基材充填シール層21、23と、各々の触媒
層周辺に形成された空気極及び燃料極周辺シール層2
2、24が、いずれも電解質を含浸保持したウエットシ
ールとしての機能を十分に発揮し、空気極多孔質カーボ
ン板11及び燃料極多孔質カーボン板12より供給され
る空気ガス及び燃料ガスの電極端部周辺からのリークを
完全に防止できたためである。特に、空気極及び燃料極
周辺シール層22、24は、未熱処理で撥水性がないた
め電解質が浸透、含浸され易く、ウエットシール性に優
れていると共に、空気極及び燃料極触媒層2、3、空気
極及び燃料極周辺シール層22、24は共にマトリック
ス4との密着性も良好であるため、界面抵抗が低減され
イオン伝導抵抗が低減できる効果もある。なお、本実施
の形態では、空気極及び燃料極基材充填シール層21、
23を、矩形の多孔質電極基材1全周の端部周辺に形成
したが、各電極の両サイドである対向する二辺の端部周
辺にのみ形成しても良い。同様に、空気極及び燃料極周
辺シール層22、24を、矩形の多孔質電極基材1全周
の端部周辺上に形成したが、各電極の両サイドである対
向する二辺の端部周辺上にのみ形成しても良い。
燃料電池の性能を検証した結果、空気ガス及び燃料ガス
のリークは発生せず、正常な特性が得られた。これは、
各電極の多孔質電極基材1端部周辺に形成された空気極
及び燃料極基材充填シール層21、23と、各々の触媒
層周辺に形成された空気極及び燃料極周辺シール層2
2、24が、いずれも電解質を含浸保持したウエットシ
ールとしての機能を十分に発揮し、空気極多孔質カーボ
ン板11及び燃料極多孔質カーボン板12より供給され
る空気ガス及び燃料ガスの電極端部周辺からのリークを
完全に防止できたためである。特に、空気極及び燃料極
周辺シール層22、24は、未熱処理で撥水性がないた
め電解質が浸透、含浸され易く、ウエットシール性に優
れていると共に、空気極及び燃料極触媒層2、3、空気
極及び燃料極周辺シール層22、24は共にマトリック
ス4との密着性も良好であるため、界面抵抗が低減され
イオン伝導抵抗が低減できる効果もある。なお、本実施
の形態では、空気極及び燃料極基材充填シール層21、
23を、矩形の多孔質電極基材1全周の端部周辺に形成
したが、各電極の両サイドである対向する二辺の端部周
辺にのみ形成しても良い。同様に、空気極及び燃料極周
辺シール層22、24を、矩形の多孔質電極基材1全周
の端部周辺上に形成したが、各電極の両サイドである対
向する二辺の端部周辺上にのみ形成しても良い。
【0014】実施の形態2.図3は、本発明の実施の形
態2における燃料電池の電極構造を示す模式的断面図で
ある。図において、25は各電極の多孔質電極基材1と
空気極または燃料極周辺シール層22、24間に塗布さ
れた水溶系または有機溶剤系のフッ素系樹脂ディスパー
ジョンよりなる接着剤である。なお、図中、同一、相当
部分には同一符号を付し、説明を省略する。また、多孔
質電極基材1、空気極及び燃料極基材充填シール層2
1、23、空気極触媒層2及び燃料極触媒層3の寸法及
び製造方法は、上記実施の形態1と同様であるので説明
を省略する。
態2における燃料電池の電極構造を示す模式的断面図で
ある。図において、25は各電極の多孔質電極基材1と
空気極または燃料極周辺シール層22、24間に塗布さ
れた水溶系または有機溶剤系のフッ素系樹脂ディスパー
ジョンよりなる接着剤である。なお、図中、同一、相当
部分には同一符号を付し、説明を省略する。また、多孔
質電極基材1、空気極及び燃料極基材充填シール層2
1、23、空気極触媒層2及び燃料極触媒層3の寸法及
び製造方法は、上記実施の形態1と同様であるので説明
を省略する。
【0015】本実施の形態では、各電極の多孔質電極基
材1端部周辺に設けられた空気極基材充填シール層21
及び燃料極基材充填シール層23面上に、水溶系のフッ
素系樹脂ディスパージョンよりなる接着剤25、例えば
PTFEディスパージョンを粒子固形物含有量が5〜6
0%の範囲の原液または純水で希釈調整したものを全面
または部分的に塗布した。接着剤25の塗布方法として
は、ロール法、スプレー法または印刷法、刷毛塗り等の
方法が用いられる。その後、すでに各触媒層が形成され
た多孔質電極基材1全周の端部周辺上に、上記実施の形
態1と同様の炭化珪素粉末とPTFEディスパージョン
等からなる幅30mmの未熱処理シート状テープを配置
し、加圧プレスにより面圧0. 5MPa以上で加圧接着
して、空気極周辺シール層22及び燃料極周辺シール層
24を形成した。以上の工程により作製された空気極5
及び燃料極6の両電極間に、上記実施の形態1と同様に
マトリックス4を挟持し組立て、小形単セルの燃料電池
を作製した。
材1端部周辺に設けられた空気極基材充填シール層21
及び燃料極基材充填シール層23面上に、水溶系のフッ
素系樹脂ディスパージョンよりなる接着剤25、例えば
PTFEディスパージョンを粒子固形物含有量が5〜6
0%の範囲の原液または純水で希釈調整したものを全面
または部分的に塗布した。接着剤25の塗布方法として
は、ロール法、スプレー法または印刷法、刷毛塗り等の
方法が用いられる。その後、すでに各触媒層が形成され
た多孔質電極基材1全周の端部周辺上に、上記実施の形
態1と同様の炭化珪素粉末とPTFEディスパージョン
等からなる幅30mmの未熱処理シート状テープを配置
し、加圧プレスにより面圧0. 5MPa以上で加圧接着
して、空気極周辺シール層22及び燃料極周辺シール層
24を形成した。以上の工程により作製された空気極5
及び燃料極6の両電極間に、上記実施の形態1と同様に
マトリックス4を挟持し組立て、小形単セルの燃料電池
を作製した。
【0016】以上の製造方法によって得られた空気極及
び燃料極周辺シール層22、24は、上記実施の形態1
と同様に、それぞれの触媒層と面内で隙間及び段差が無
く平滑であり、多孔質電極基材1との接着界面も、シワ
や剥がれもなく強固に接合しており、ハンドリング作業
等においても問題はなかった。さらに、本実施の形態で
は、空気極及び燃料極周辺シール層22、24を接着剤
25を介して多孔質電極基材1に接着させることによ
り、製造作業が容易になり、加圧時も低面圧で処理する
ことができた。また、本実施の形態において接着剤25
として用いたフッ素系樹脂ディスパージョンは、空気極
及び燃料極基材充填シール層21、23及び空気極触媒
層2、燃料極触媒層3、空気極及び燃料極周辺シール層
22、24及びマトリックス4にも結着剤として使用さ
れている材料であり、耐電解質性や耐熱性に優れてお
り、さらに接着剤25として使用する際には常温で施工
でき、未熱処理であるため電解質の浸透性も良好で、電
池特性に悪影響を与えることなく強い接着力が得られる
効果がある。また、本実施の形態において作製された燃
料電池の性能を検証した結果、空気ガス及び燃料ガスの
リークは発生せず、正常な特性が得られた。
び燃料極周辺シール層22、24は、上記実施の形態1
と同様に、それぞれの触媒層と面内で隙間及び段差が無
く平滑であり、多孔質電極基材1との接着界面も、シワ
や剥がれもなく強固に接合しており、ハンドリング作業
等においても問題はなかった。さらに、本実施の形態で
は、空気極及び燃料極周辺シール層22、24を接着剤
25を介して多孔質電極基材1に接着させることによ
り、製造作業が容易になり、加圧時も低面圧で処理する
ことができた。また、本実施の形態において接着剤25
として用いたフッ素系樹脂ディスパージョンは、空気極
及び燃料極基材充填シール層21、23及び空気極触媒
層2、燃料極触媒層3、空気極及び燃料極周辺シール層
22、24及びマトリックス4にも結着剤として使用さ
れている材料であり、耐電解質性や耐熱性に優れてお
り、さらに接着剤25として使用する際には常温で施工
でき、未熱処理であるため電解質の浸透性も良好で、電
池特性に悪影響を与えることなく強い接着力が得られる
効果がある。また、本実施の形態において作製された燃
料電池の性能を検証した結果、空気ガス及び燃料ガスの
リークは発生せず、正常な特性が得られた。
【0017】なお、本実施の形態では、水溶系または有
機溶剤系のフッ素系樹脂ディスパージョンよりなる接着
剤25として、水溶系のPTFEディスパージョンより
なる接着剤を用いたが、これに限定されるものではな
く、FEP(テトラフルオロエチレン- ヘキサフルオロ
プロピレン共重合体)等を用いることもでき、いずれの
場合もその粒子固形物含有量が5〜60%であることが
望ましく、特に、接着強度とコストの面から10〜30
%の範囲とすることが望ましい。
機溶剤系のフッ素系樹脂ディスパージョンよりなる接着
剤25として、水溶系のPTFEディスパージョンより
なる接着剤を用いたが、これに限定されるものではな
く、FEP(テトラフルオロエチレン- ヘキサフルオロ
プロピレン共重合体)等を用いることもでき、いずれの
場合もその粒子固形物含有量が5〜60%であることが
望ましく、特に、接着強度とコストの面から10〜30
%の範囲とすることが望ましい。
【0018】実施の形態3.本発明の実施の形態3にお
ける燃料電池の電極構造は、上記実施の形態2と同様で
あるので、図3を流用して説明する。なお、多孔質電極
基材1、空気極及び燃料極基材充填シール層21、2
3、空気極触媒層2及び燃料極触媒層3の寸法及び製造
方法は、上記実施の形態1と同様であるので説明を省略
する。本実施の形態では、上記実施の形態2と同様に、
各電極の多孔質電極基材1端部周辺に設けられた空気極
基材充填シール層21及び燃料極基材充填シール層23
面上に、水溶系のフッ素系樹脂ディスパージョンよりな
る接着剤25を塗布した。その後、すでに各触媒層が形
成された多孔質電極基材1全周の端部周辺上に、上記実
施の形態2では炭化珪素粉末とPTFEディスパージョ
ン等からなる未熱処理シート状テープを配置したが、本
実施の形態では、カーボンブラックとフッ素系樹脂から
なる巾30mmの未熱処理のシート状テープを配置した。
このシート状テープは、平均粒径10〜80nmのカーボ
ンブラックと結着剤としてPTFEディスパージョンと
純水及び助剤を加え、混合、粉砕、分散処理後に乾燥し
て作製した乾燥粉末に可塑剤を加えて混練、圧延し、そ
の後脱脂して所定の厚さに成形して得た。その後、加圧
プレスにより面圧0. 5MPa以上で加圧接着し、空気
極周辺シール層22及び燃料極周辺シール層24を形成
した。以上の工程により作製された空気極5及び燃料極
6の両電極間に、上記実施の形態1と同様にマトリック
ス4を挟持し組立て、小形単セルの燃料電池を作製し
た。
ける燃料電池の電極構造は、上記実施の形態2と同様で
あるので、図3を流用して説明する。なお、多孔質電極
基材1、空気極及び燃料極基材充填シール層21、2
3、空気極触媒層2及び燃料極触媒層3の寸法及び製造
方法は、上記実施の形態1と同様であるので説明を省略
する。本実施の形態では、上記実施の形態2と同様に、
各電極の多孔質電極基材1端部周辺に設けられた空気極
基材充填シール層21及び燃料極基材充填シール層23
面上に、水溶系のフッ素系樹脂ディスパージョンよりな
る接着剤25を塗布した。その後、すでに各触媒層が形
成された多孔質電極基材1全周の端部周辺上に、上記実
施の形態2では炭化珪素粉末とPTFEディスパージョ
ン等からなる未熱処理シート状テープを配置したが、本
実施の形態では、カーボンブラックとフッ素系樹脂から
なる巾30mmの未熱処理のシート状テープを配置した。
このシート状テープは、平均粒径10〜80nmのカーボ
ンブラックと結着剤としてPTFEディスパージョンと
純水及び助剤を加え、混合、粉砕、分散処理後に乾燥し
て作製した乾燥粉末に可塑剤を加えて混練、圧延し、そ
の後脱脂して所定の厚さに成形して得た。その後、加圧
プレスにより面圧0. 5MPa以上で加圧接着し、空気
極周辺シール層22及び燃料極周辺シール層24を形成
した。以上の工程により作製された空気極5及び燃料極
6の両電極間に、上記実施の形態1と同様にマトリック
ス4を挟持し組立て、小形単セルの燃料電池を作製し
た。
【0019】以上の製造方法によって得られた空気極及
び燃料極周辺シール層22、24は、上記実施の形態1
と同様に、それぞれの触媒層と面内で隙間及び段差が無
く平滑であり、多孔質電極基材1との接着界面も、シワ
や剥がれもなく強固に接合しており、ハンドリング作業
等においても問題はなかった。さらに、本実施の形態に
おいて空気極及び燃料極周辺シール層22、24として
用いたシート状テープは、カーボンブラックの粒子が細
かいため、緻密で強度があり、取り扱い作業も容易であ
った。また、本実施の形態において作製された燃料電池
の性能を検証した結果、空気ガス及び燃料ガスのリーク
は発生せず、正常な特性が得られた。
び燃料極周辺シール層22、24は、上記実施の形態1
と同様に、それぞれの触媒層と面内で隙間及び段差が無
く平滑であり、多孔質電極基材1との接着界面も、シワ
や剥がれもなく強固に接合しており、ハンドリング作業
等においても問題はなかった。さらに、本実施の形態に
おいて空気極及び燃料極周辺シール層22、24として
用いたシート状テープは、カーボンブラックの粒子が細
かいため、緻密で強度があり、取り扱い作業も容易であ
った。また、本実施の形態において作製された燃料電池
の性能を検証した結果、空気ガス及び燃料ガスのリーク
は発生せず、正常な特性が得られた。
【0020】実施の形態4.本発明の実施の形態4にお
ける燃料電池の電極構造は、上記実施の形態2と同様で
あるので、図3を流用して説明する。なお、多孔質電極
基材1、空気極及び燃料極基材充填シール層21、2
3、空気極触媒層2及び燃料極触媒層3の寸法及び製造
方法は、上記実施の形態1と同様であるので説明を省略
する。本実施の形態では、多孔質電極基材1端部周辺上
に塗布する接着剤25として、水溶性または水及び有機
溶剤に溶解するセルロース系材料よりなる接着剤を使用
した。本実施の形態では、ヒドロキシプロピルメチルセ
ルロース粉末を溶液濃度0. 5〜10%となるように純
水で溶解調整したもので、この接着剤25をすでに各触
媒層が形成された多孔質電極基材1の端部周辺上に塗布
した後、上記実施の形態1と同様の炭化珪素粉末とPT
FEディスパージョン等からなる巾30mmの未熱処理シ
ート状テープを配置し、加圧プレスにより面圧0. 5M
Pa以上で加圧接着し、空気極周辺シール層22及び燃
料極周辺シール層24を形成した。以上の工程により作
製された空気極5及び燃料極6の両電極間に、上記実施
の形態1と同様にマトリックス4を挟持し組立て、小形
単セルの燃料電池を作製した。
ける燃料電池の電極構造は、上記実施の形態2と同様で
あるので、図3を流用して説明する。なお、多孔質電極
基材1、空気極及び燃料極基材充填シール層21、2
3、空気極触媒層2及び燃料極触媒層3の寸法及び製造
方法は、上記実施の形態1と同様であるので説明を省略
する。本実施の形態では、多孔質電極基材1端部周辺上
に塗布する接着剤25として、水溶性または水及び有機
溶剤に溶解するセルロース系材料よりなる接着剤を使用
した。本実施の形態では、ヒドロキシプロピルメチルセ
ルロース粉末を溶液濃度0. 5〜10%となるように純
水で溶解調整したもので、この接着剤25をすでに各触
媒層が形成された多孔質電極基材1の端部周辺上に塗布
した後、上記実施の形態1と同様の炭化珪素粉末とPT
FEディスパージョン等からなる巾30mmの未熱処理シ
ート状テープを配置し、加圧プレスにより面圧0. 5M
Pa以上で加圧接着し、空気極周辺シール層22及び燃
料極周辺シール層24を形成した。以上の工程により作
製された空気極5及び燃料極6の両電極間に、上記実施
の形態1と同様にマトリックス4を挟持し組立て、小形
単セルの燃料電池を作製した。
【0021】以上の製造方法によって得られた空気極及
び燃料極周辺シール層22、24は、上記実施の形態1
と同様に、それぞれの触媒層と面内で隙間及び段差が無
く平滑であり、多孔質電極基材1との接着界面も、シワ
や剥がれもなく強固に接合しており、ハンドリング作業
等においても問題はなかった。また、本実施の形態にお
いて使用されたセルロース系の接着剤25は、電池特性
に悪影響を与えることなく、低溶液濃度で強固な接着力
が得られた。さらに、水及び有機溶剤のいずれにも溶解
するため使い易く塗布性も良好であり、シート状テープ
を配置する作業も行い易く、加圧時も低面圧で処理する
ことができた。また、本実施の形態において作製された
燃料電池の性能を検証した結果、空気ガス及び燃料ガス
のリークは発生せず、正常な特性が得られた。なお、本
実施の形態では、セルロース系接着剤としてヒドロキシ
プロピルメチルセルロース粉末を用いたが、これに限定
されものではなく、ヒドロキシプロピルセルロース、メ
チルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース等
を用いることができ、いずれの場合もその溶液濃度は、
接着強度及び粘度に関係した塗布性の面から0. 5〜1
0%の範囲とすることが望ましい。
び燃料極周辺シール層22、24は、上記実施の形態1
と同様に、それぞれの触媒層と面内で隙間及び段差が無
く平滑であり、多孔質電極基材1との接着界面も、シワ
や剥がれもなく強固に接合しており、ハンドリング作業
等においても問題はなかった。また、本実施の形態にお
いて使用されたセルロース系の接着剤25は、電池特性
に悪影響を与えることなく、低溶液濃度で強固な接着力
が得られた。さらに、水及び有機溶剤のいずれにも溶解
するため使い易く塗布性も良好であり、シート状テープ
を配置する作業も行い易く、加圧時も低面圧で処理する
ことができた。また、本実施の形態において作製された
燃料電池の性能を検証した結果、空気ガス及び燃料ガス
のリークは発生せず、正常な特性が得られた。なお、本
実施の形態では、セルロース系接着剤としてヒドロキシ
プロピルメチルセルロース粉末を用いたが、これに限定
されものではなく、ヒドロキシプロピルセルロース、メ
チルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース等
を用いることができ、いずれの場合もその溶液濃度は、
接着強度及び粘度に関係した塗布性の面から0. 5〜1
0%の範囲とすることが望ましい。
【0022】実施の形態5.図4は、本発明の実施の形
態5における燃料電池の電極の製造方法を示す部分断面
図である。図において、26は多孔質電極基材1端部周
辺上に空気極及び燃料極周辺シール層22、24を加圧
接着する工程において用いられるハンドローラである。
なお、図中、同一、相当部分には同一符号を付し、説明
を省略する。また、多孔質電極基材1、空気極及び燃料
極基材充填シール層21、23、空気極触媒層2及び燃
料極触媒層3の寸法及び製造方法は、上記実施の形態1
と同様であるので説明を省略する。なお、本実施の形態
では、接着剤25として、上記実施の形態2と同様の水
溶系PTFEディスパージョンを希釈調整したものを用
い、空気極及び燃料極周辺シール層22、24として、
上記実施の形態1と同様の炭化珪素粉末とPTFEディ
スパージョン等からなる未熱処理のシート状テープを用
いた。
態5における燃料電池の電極の製造方法を示す部分断面
図である。図において、26は多孔質電極基材1端部周
辺上に空気極及び燃料極周辺シール層22、24を加圧
接着する工程において用いられるハンドローラである。
なお、図中、同一、相当部分には同一符号を付し、説明
を省略する。また、多孔質電極基材1、空気極及び燃料
極基材充填シール層21、23、空気極触媒層2及び燃
料極触媒層3の寸法及び製造方法は、上記実施の形態1
と同様であるので説明を省略する。なお、本実施の形態
では、接着剤25として、上記実施の形態2と同様の水
溶系PTFEディスパージョンを希釈調整したものを用
い、空気極及び燃料極周辺シール層22、24として、
上記実施の形態1と同様の炭化珪素粉末とPTFEディ
スパージョン等からなる未熱処理のシート状テープを用
いた。
【0023】本実施の形態では、各電極の多孔質電極基
材1端部周辺上に、接着剤25を塗布後、炭化珪素粉末
とPTFEディスパージョン等からなる幅30mmの未熱
処理シート状テープを配置し、上記実施の形態1〜4で
用いた加圧プレスに代わって、ハンドローラ26により
強く押しながら加圧接着し、空気極周辺シール層22及
び燃料極周辺シール層24を形成した。なお、ハンドロ
ーラ26の代わりに加圧ローラを用いてもよい。以上の
製造方法によって得られた空気極及び燃料極周辺シール
層22、24は、上記実施の形態1〜4と同様に、それ
ぞれの触媒層と面内で隙間及び段差が無く平滑であり、
多孔質電極基材1との接着界面も、シワや剥がれもなく
強固に接合しており、ハンドリング作業等においても問
題はなかった。また、本実施の形態において作製された
燃料電池の性能を検証した結果、空気ガス及び燃料ガス
のリークは発生せず、正常な特性が得られた。
材1端部周辺上に、接着剤25を塗布後、炭化珪素粉末
とPTFEディスパージョン等からなる幅30mmの未熱
処理シート状テープを配置し、上記実施の形態1〜4で
用いた加圧プレスに代わって、ハンドローラ26により
強く押しながら加圧接着し、空気極周辺シール層22及
び燃料極周辺シール層24を形成した。なお、ハンドロ
ーラ26の代わりに加圧ローラを用いてもよい。以上の
製造方法によって得られた空気極及び燃料極周辺シール
層22、24は、上記実施の形態1〜4と同様に、それ
ぞれの触媒層と面内で隙間及び段差が無く平滑であり、
多孔質電極基材1との接着界面も、シワや剥がれもなく
強固に接合しており、ハンドリング作業等においても問
題はなかった。また、本実施の形態において作製された
燃料電池の性能を検証した結果、空気ガス及び燃料ガス
のリークは発生せず、正常な特性が得られた。
【0024】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、多孔質
電極基材端部周辺上に、炭化珪素粉末またはカーボンブ
ラックとフッ素系樹脂よりなる未熱処理のシート状テー
プを配置し加圧接着することにより、触媒層と隙間及び
段差の無い平滑な周辺シール層を容易に形成することが
できるので、従来のように触媒層とシール層の段差を解
消するための特別な施工が必要なく、さらにシール層が
硬くなりハンドリング等により亀裂が発生することもな
いため、作業性及び生産性が向上する。また、多孔質電
極基材端部周辺にシール材を充填処理して形成された基
材充填シール層と上記周辺シール層が、いずれも電解質
を含浸保持したウエットシールとしての機能を十分に発
揮するため、空気極多孔質カーボン板及び燃料極多孔質
カーボン板より供給される空気ガス及び燃料ガスの電極
端部周辺からのリークを完全に防止することができる。
電極基材端部周辺上に、炭化珪素粉末またはカーボンブ
ラックとフッ素系樹脂よりなる未熱処理のシート状テー
プを配置し加圧接着することにより、触媒層と隙間及び
段差の無い平滑な周辺シール層を容易に形成することが
できるので、従来のように触媒層とシール層の段差を解
消するための特別な施工が必要なく、さらにシール層が
硬くなりハンドリング等により亀裂が発生することもな
いため、作業性及び生産性が向上する。また、多孔質電
極基材端部周辺にシール材を充填処理して形成された基
材充填シール層と上記周辺シール層が、いずれも電解質
を含浸保持したウエットシールとしての機能を十分に発
揮するため、空気極多孔質カーボン板及び燃料極多孔質
カーボン板より供給される空気ガス及び燃料ガスの電極
端部周辺からのリークを完全に防止することができる。
【図1】 本発明の実施の形態1における燃料電池の単
セル構造を示す模式的断面図である。
セル構造を示す模式的断面図である。
【図2】 本発明の実施の形態1における燃料電池の電
極の製造方法を示す模式的断面図である。
極の製造方法を示す模式的断面図である。
【図3】 本発明の実施の形態2〜4における燃料電池
の電極構造を示す模式的断面図である。
の電極構造を示す模式的断面図である。
【図4】 本発明の実施の形態5における燃料電池の電
極の製造方法を示す部分断面図である。
極の製造方法を示す部分断面図である。
【図5】 従来の燃料電池における単セル構造を示す模
式的部分断面図である。
式的部分断面図である。
【図6】 従来の別の燃料電池における単セル構造を示
す模式的部分断面図である。
す模式的部分断面図である。
1 多孔質電極基材、2 空気極触媒層、3 燃料極触
媒層、4 マトリックス、5 空気極、6 燃料極、7
単セル、8 端部周辺含浸層、9 端部接着剤塗布
層、10a、10b 端部フィルム被覆層、11 空気
極多孔質カーボン板、12 燃料極多孔質カーボン板、
13 セパレータ板、14 複合セパレータ板、21
空気極基材充填シール層、22 空気極周辺シール層、
23 燃料極基材充填シール層、24 燃料極周辺シー
ル層、25 接着剤、26 ハンドローラ。
媒層、4 マトリックス、5 空気極、6 燃料極、7
単セル、8 端部周辺含浸層、9 端部接着剤塗布
層、10a、10b 端部フィルム被覆層、11 空気
極多孔質カーボン板、12 燃料極多孔質カーボン板、
13 セパレータ板、14 複合セパレータ板、21
空気極基材充填シール層、22 空気極周辺シール層、
23 燃料極基材充填シール層、24 燃料極周辺シー
ル層、25 接着剤、26 ハンドローラ。
Claims (13)
- 【請求項1】 空気極、燃料極及び上記両電極間に挟持
されたマトリックスを有するなる単セルと、空気ガス流
路を有する空気極多孔質カーボン板と燃料ガス流路を有
する燃料極多孔質カーボン板の間に空気ガスと燃料ガス
を分離するセパレータ板が挟持された複合セパレータ板
を交互に積層してなる燃料電池において、 上記各電極は、多孔質電極基材と、この多孔質電極基材
端部周辺にシール材を充填処理して形成された基材充填
シール層と、上記多孔質電極基材の片面中央部に塗布形
成された触媒層と、上記多孔質電極基材端部周辺上に上
記触媒層と隙間及び段差の無いように平滑に形成された
周辺シール層を備えたことを特徴とする燃料電池。 - 【請求項2】 基材充填シール層は、矩形の多孔質電極
基材の全周または対向する二辺の端部周辺に形成されて
いることを特徴とする請求項1記載の燃料電池。 - 【請求項3】 周辺シール層は、矩形の多孔質電極基材
の全周または対向する二辺の端部周辺上に形成されてい
ることを特徴とする請求項1または請求項2記載の燃料
電池。 - 【請求項4】 周辺シール層は、炭化珪素粉末とフッ素
系樹脂からなる未熱処理のシート状テープよりなること
を特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項記載の
燃料電池。 - 【請求項5】 周辺シール層は、カーボンブラックとフ
ッ素系樹脂からなる未熱処理のシート状テープよりなる
ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項記
載の燃料電池。 - 【請求項6】 周辺シール層は、接着剤を介して多孔質
電極基材に接着されていることを特徴とする請求項1〜
請求項5のいずれか一項記載の燃料電池。 - 【請求項7】 接着剤は、水溶系または有機溶剤系のフ
ッ素系樹脂ディスパージョンよりなることを特徴とする
請求項6記載の燃料電池。 - 【請求項8】 フッ素系樹脂ディスパージョンとして、
PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)またはFEP
(テトラフルオロエチレン- ヘキサフルオロプロピレン
共重合体)等を用い、それらの粒子固形物含有量を5〜
60%の範囲としたことを特徴とする請求項7記載の燃
料電池。 - 【請求項9】 接着剤は、水溶性または水及び有機溶剤
に溶解するセルロース系材料よりなることを特徴とする
請求項6記載の燃料電池。 - 【請求項10】 セルロース系材料として、ヒドロキシ
プロピルセルロース、メチルセルロース、またはヒドロ
キシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチ
ルセルロース等を用い、それらの溶解濃度を0. 5〜1
0%の範囲としたことを特徴とする請求項9記載の燃料
電池。 - 【請求項11】 空気極及び燃料極の各電極を構成する
多孔質電極基材の端部周辺にペースト状のシール材を充
填処理し、基材充填シール層を形成する工程、 上記多孔質電極基材の片面中央部に触媒ペーストをスク
リーン印刷等により塗布し、上記各電極の触媒層を形成
する工程、 上記多孔質電極基材端部周辺上に、炭化珪素粉末または
カーボンブラックとフッ素系樹脂よりなる未熱処理のシ
ート状テープを配置し加圧接着することにより、上記触
媒層と隙間及び段差の無い平滑な周辺シール層を形成す
る工程を備えたことを特徴とする燃料電池の製造方法。 - 【請求項12】 周辺シール層を形成する工程におい
て、多孔質電極基材端部周辺上に、ロール法、スプレー
法または印刷法、刷毛塗り等により接着剤を塗布した
後、シート状テープを配置し加圧接着することを特徴と
する請求項11記載の燃料電池の製造方法。 - 【請求項13】 周辺シール層を形成する工程におい
て、多孔質電極基材端部周辺上にシート状テープを配置
し、加圧プレス、加圧ローラまたはハンドローラを用い
て加圧接着することを特徴とする請求項11または請求
項12記載の燃料電池の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17895199A JP3462123B2 (ja) | 1999-06-24 | 1999-06-24 | 燃料電池及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17895199A JP3462123B2 (ja) | 1999-06-24 | 1999-06-24 | 燃料電池及びその製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001006705A true JP2001006705A (ja) | 2001-01-12 |
JP3462123B2 JP3462123B2 (ja) | 2003-11-05 |
Family
ID=16057518
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17895199A Expired - Fee Related JP3462123B2 (ja) | 1999-06-24 | 1999-06-24 | 燃料電池及びその製造方法 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3462123B2 (ja) |
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004088779A1 (ja) * | 2003-03-28 | 2004-10-14 | Honda Motor Co., Ltd. | 固体高分子型燃料電池及びその燃料電池用の電極構造体 |
JP2005158690A (ja) * | 2003-10-27 | 2005-06-16 | Mitsubishi Electric Corp | 燃料電池およびその製造方法 |
JP2007048472A (ja) * | 2005-08-05 | 2007-02-22 | Toyota Motor Corp | 燃料電池 |
JP2008177047A (ja) * | 2007-01-18 | 2008-07-31 | Mitsubishi Materials Corp | 燃料電池 |
JP2009026493A (ja) * | 2007-07-17 | 2009-02-05 | Toshiba Corp | 膜・電極接合体およびその製造方法 |
JP2010033970A (ja) * | 2008-07-30 | 2010-02-12 | Nissan Motor Co Ltd | 燃料電池、燃料電池の製造方法および車両 |
JP2010532074A (ja) * | 2007-06-29 | 2010-09-30 | Nok株式会社 | 燃料電池のためのガス拡散ユニット |
JP2013179078A (ja) * | 2007-08-02 | 2013-09-09 | Sharp Corp | 燃料電池スタックおよび燃料電池システム |
JP2017509128A (ja) * | 2014-03-24 | 2017-03-30 | ジョンソン、マッセイ、フュエル、セルズ、リミテッドJohnson Matthey Fuel Cells Limited | 膜シールアセンブリ |
JP2017515261A (ja) * | 2014-03-24 | 2017-06-08 | ジョンソン、マッセイ、フュエル、セルズ、リミテッドJohnson Matthey Fuel Cells Limited | 方法 |
-
1999
- 1999-06-24 JP JP17895199A patent/JP3462123B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004088779A1 (ja) * | 2003-03-28 | 2004-10-14 | Honda Motor Co., Ltd. | 固体高分子型燃料電池及びその燃料電池用の電極構造体 |
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JP4648191B2 (ja) * | 2003-03-28 | 2011-03-09 | 本田技研工業株式会社 | 固体高分子型燃料電池及びその燃料電池用の電極構造体 |
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JP2009026493A (ja) * | 2007-07-17 | 2009-02-05 | Toshiba Corp | 膜・電極接合体およびその製造方法 |
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JP2017509128A (ja) * | 2014-03-24 | 2017-03-30 | ジョンソン、マッセイ、フュエル、セルズ、リミテッドJohnson Matthey Fuel Cells Limited | 膜シールアセンブリ |
JP2017515261A (ja) * | 2014-03-24 | 2017-06-08 | ジョンソン、マッセイ、フュエル、セルズ、リミテッドJohnson Matthey Fuel Cells Limited | 方法 |
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JP3462123B2 (ja) | 2003-11-05 |
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