JP2001005110A - 写真焼付装置およびこれを備えた写真処理装置 - Google Patents

写真焼付装置およびこれを備えた写真処理装置

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JP2001005110A
JP2001005110A JP11171629A JP17162999A JP2001005110A JP 2001005110 A JP2001005110 A JP 2001005110A JP 11171629 A JP11171629 A JP 11171629A JP 17162999 A JP17162999 A JP 17162999A JP 2001005110 A JP2001005110 A JP 2001005110A
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photosensitive material
photographic
lcs
incident
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JP11171629A
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Hidetoshi Nishikawa
英利 西川
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Noritsu Koki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 印画紙7上に形成される未露光領域Bをなく
し、画質の向上を図る。 【解決手段】 ライトガイド13の光出射面13aのX
−X’方向の幅aを変化させると、LCS11に入射す
る光の入射角度が変化することに鑑み、光出射面13a
の異なる位置から出射された光がLCS11の各画素1
1aに異なる方向から入射することで、本来、未露光領
域Bとなる領域に光を照射することができるように上記
幅aを設定する。このとき、印画紙7上の露光領域Aが
隣接して形成されるように上記幅aを設定しただけで
は、露光領域Aの境界部分の発色度が弱いために筋ムラ
が形成されるおそれがあるので、隣接する露光領域Aが
重畳して形成されるように上記幅aを設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光変調素子として
例えば液晶シャッタ(Liquid Crystal Shutter;以下L
CSと略記する)を用いて印画紙を露光する写真焼付装
置であって、画質の良好な画像が印画紙に焼き付けられ
るように印画紙を露光できる写真焼付装置と、これを備
えた写真処理装置とに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、印画紙を搬送しながら、その
搬送方向とは垂直方向のラインごとに露光を行うことに
より、印画紙に画像を焼き付ける写真焼付装置として、
例えば図10(a)に示す構成のものが知られている。
この種の写真焼付装置は、青色、緑色、赤色に対応する
B光、G光、R光を出射する露光ヘッドを3段積みに配
置してなっており、各露光ヘッドからB光、G光、R光
を平行に出射して印画紙を露光する構成となっている。
【0003】各露光ヘッドは、光源としてのランプと、
フィルタと、LCSと、セルフォックレンズとを備えて
いる。なお、説明の便宜上、B光を出射する露光ヘッド
においては、上記の各構成部材をランプ51、フィルタ
52B、LCS53B、セルフォックレンズ54Bと称
することにする。同様に、上記各構成部材を、G光を出
射する露光ヘッドにおいては、ランプ51、フィルタ5
2G、LCS53G、セルフォックレンズ54Gと、R
光を出射する露光ヘッドにおいては、ランプ51、フィ
ルタ52R、LCS53R、セルフォックレンズ54R
と称することにする。
【0004】各ランプ51は、例えば白色光を出射す
る。フィルタ52B・52G・52Rは、それぞれ、ラ
ンプ51からの白色光のうちイエロー成分、マゼンタ成
分、シアン成分をカットし、B光、G光、R光をそれぞ
れLCS53B・53G・53Rに供給する。
【0005】LCS53B・53G・53Rは、例えば
図10(b)に示すように、画像データに応じて光の透
過を制御する画素を例えば2ライン分、千鳥状に配して
なっており、その長手方向が印画紙55の搬送方向とは
垂直方向となるように配置される。なお、以下では、印
画紙55の搬送方向を副走査方向、上記搬送方向に垂直
な方向を主走査方向と述べる場合もある。
【0006】セルフォックレンズ54B・54G・54
Rは、LCS53B・53G・53Rの各画素に対応し
たレンズをそれぞれ備えており、LCSの各画素を介し
て得られる光を印画紙55に結像させる。したがって、
セルフォックレンズ54B・54G・54Rは、LCS
53B・53G・53Rと同様に、印画紙55の搬送方
向とは垂直方向に長尺のものとなっている。
【0007】このような構成により、各ランプ51から
の白色光がそれぞれフィルタ52B・52G・52Rに
入射すると、フィルタ52B・52G・52Rからそれ
ぞれB光、G光、R光が出射され、LCS53B・53
G・53Rに入射する。そして、LCS53B・53G
・53Rの各画素にて画像データに応じて変調された光
が、セルフォックレンズ54B・54G・54Rを介し
て、搬送中の印画紙55に照射される。
【0008】つまり、この構成では、各露光ヘッドから
のB光、G光、R光を、互いに異なる画素に照射してい
るが、印画紙55を搬送することによって印画紙55の
各画素にB光、G光、R光が順次重ね打ちされ、全体と
してカラー画像が得られるようになっている。
【0009】また、各LCSの1ラインの画素間には、
通常、各画素を駆動するための配線等を覆うようにブラ
ックマトリクスが形成されており、このブラックマトリ
クスが光の透過を制御できない光非制御領域を形成して
いる。しかし、各LCSでは、2ライン分の画素が千鳥
状に配置されていることにより、一方のラインの画素間
に形成されるブラックマトリクスと対応する位置に他方
のラインの画素が存在しているので、印画紙55を搬送
しながら露光した際に、各LCSの一方のラインの画素
間のブラックマトリクスと印画紙55上で対応する領域
に、各LCSの他方のラインの画素を透過する光が照射
される。これにより、各LCSのブラックマトリクスの
影が印画紙55に焼き付けられるのを回避でき、画質の
低下が回避されている。
【0010】しかし、図10(a)の構成は、各色に対
応した露光ヘッドを別々に設ける構成のため、印画紙5
5上の各画素にB光、G光、R光を正確に重ね打ちする
ためには、印画紙55の搬送速度や各露光ヘッドにおけ
る露光タイミングを一定とするならば、各露光ヘッドを
主走査方向および副走査方向に高精度で配置しなければ
ならない。しかし、実際、そのような位置設定は非常に
難しく、結果的には上記配置の位置ズレに起因する主走
査方向および副走査方向への各色間の画素ズレ(色ズ
レ)が発生しやすい。また、セルフォックレンズを用い
た場合は、各レンズに対応する印画紙55上の画素の中
心付近に光量が集中しやすく、各画素において光量ムラ
(高周波のムラ)が発生する。
【0011】そこで、セルフォックレンズを用いずにB
光、G光、R光の印画紙への照射を1つの露光ヘッドで
行うようにすることで、上記光量ムラおよび複数の露光
ヘッドの配置の位置ズレに起因する上記の画素ズレを回
避するようにした写真焼付装置が従来から提案されてい
る。この写真焼付装置は、図11に示すように、光源6
1と、ライトガイド62と、凹面鏡63と、蒲鉾レンズ
64と、LCS65とからなる露光ヘッドを備えてい
る。このうち、凹面鏡63、蒲鉾レンズ64およびLC
S65と印画紙66とを結ぶ光軸は、印画紙66の紙面
に対して垂直となるように設けられている。
【0012】なお、説明の便宜上、図11において、方
向を以下のように定義しておく。すなわち、印画紙66
の搬送方向をY−Y’方向、印画紙66の紙面内におい
て上記搬送方向と垂直な方向をX−X’方向、印画紙6
6の紙面に垂直な方向をZ−Z’方向とする。また、上
記各方向を含む平面については、単に、XY平面、YZ
平面、ZX平面と記載することにする。
【0013】光源61は、例えばハロゲンランプとリフ
レクタとを含んで構成されている。リフレクタは、ハロ
ゲンランプからの光をライトガイド62の光入射面へ反
射させることができる形状に設定されている。
【0014】ライトガイド62は、光源61からの光を
凹面鏡63が配置されている方向に導くものであり、そ
の光出射面は、点光源とみなすことができるような微小
面積で形成されている。上記光出射面を点光源に近づけ
る意味は、上記光出射面からの光を凹面鏡63にて略平
行光に変換してLCS65に導くためである。LCS6
5に拡散光ではなく略平行光を入射させることにより、
光の利用効率を上げることができる。
【0015】なお、上記光出射面が完全な点光源であれ
ば、凹面鏡63の光反射面の形状を最適化することによ
って、凹面鏡63にて反射される光は完全な平行光とな
る。しかし、厳密に言えば、上記光出射面はあくまでも
面であり、完全な点光源ではない。そのため、凹面鏡6
3にて完全な平行光は得られないので、上記では凹面鏡
63にて反射される光を略平行光と記載した。
【0016】なお、図11中の斜視図、垂直投影面、水
平投影面に示した一点鎖線は、ライトガイド62におけ
る光出射面の中心から出射された光の光路を示してお
り、光出射面の中心から出射される光は凹面鏡63にて
平行光に変換されることを示している。
【0017】凹面鏡63は、ライトガイド62の光出射
面からの光を蒲鉾レンズ64が配置されている方向へ反
射させるものである。ここで、露光ヘッドの斜視図左側
に示した、上記露光ヘッドの垂直投影面で示すように、
凹面鏡63における光反射面はZX平面に対しては垂直
である。また、露光ヘッドの斜視図下側に示した、上記
露光ヘッドの水平投影面で示すように、凹面鏡63にお
ける光反射面は放物線状またはそれに近い形状となって
いる。これにより、ライトガイド62からの光は、凹面
鏡63にて反射されることにより、X−X’方向におい
て略平行光となって蒲鉾レンズ64に入射する。
【0018】蒲鉾レンズ64は、凹面鏡63からの反射
光をLCS65を介して印画紙66上に集光させるもの
である。ここで、蒲鉾レンズ64のYZ平面の断面は、
上記垂直投影面に示すように凸レンズを2枚貼り合わせ
た形状となっている。これにより、凹面鏡63からの反
射光は、蒲鉾レンズ64にてY−Y’方向に屈折し、印
画紙66のX−X’方向の1ラインに集光する。一方、
蒲鉾レンズ64のZX平面の断面は、上記水平投影面に
示すように長方形となっている。これにより、凹面鏡6
3からの反射光は、蒲鉾レンズ64にてX−X’方向に
は屈折せず、そのままLCS65方向へ直進するように
なっている。
【0019】LCS65は、画像データに応じて光の透
過を制御する複数の画素がX−X’方向に並び、これが
3ライン並設してなっている。各ラインの画素は、それ
ぞれR、G、Bのカラーフィルタを備えており、各画素
に対応する色の光が印画紙66に照射される。
【0020】上記の構成により、光源61から出射され
た光はライトガイド62に入射し、ライトガイド62の
内部をライトガイド62の形状に沿って進み、その光出
射面から凹面鏡63に向けて扇状に拡散しながら出射さ
れる。凹面鏡63に入射した光は、凹面鏡63にてZX
平面で略平行光となる光に変換され、蒲鉾レンズ64に
入射する。蒲鉾レンズ64では、入射光がY−Y’方向
にのみ屈折されてLCS65の各ラインの画素に入射す
る。これにより、LCS65の3ラインの画素を透過し
た光が、印画紙66上でX−X’方向で1ラインに集光
する。印画紙66を搬送しながらこのようなライン露光
を行うことにより、所望のカラー画像が印画紙66上に
焼き付けられる。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図11に示
す構成においては、LCS65のX−X’方向に並ぶ画
素間には、図10(b)の構成と同様のブラックマトリ
クスが形成されている。したがって、X−X’方向に並
ぶ画素が3ライン分、並設されていることにより、上記
のブラックマトリクスも3ライン分、並設されることに
なる。その結果、LCS65においては、上記ブラック
マトリクスがY−Y’方向につながったブラックストラ
イプが形成される。このブラックストライプは、言うま
でもなく、光の透過を制御できない光非制御領域を形成
している。
【0022】このとき、図11の構成では、LCS65
の各画素に入射した光は当該画素を透過し、印画紙65
に到達するが、LCS65のブラックストライプに入射
した光は当該ブラックストライプにて遮断され、印画紙
65には到達しない。その結果、印画紙66には上記ブ
ラックストライプの影が未露光部として形成され、画質
が損なわれるという問題が生ずる。
【0023】本発明は、上記の問題点を解決するために
なされたもので、その目的は、印画紙上に形成されるブ
ラックストライプの影を消すことができ、これによって
画質の良好な画像を印画紙上に焼き付けることができる
写真焼付装置と、これを備えた写真処理装置とを提供す
ることにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る写
真焼付装置は、上記の課題を解決するために、所定の色
の画像データに応じて入射光を変調する複数の光制御領
域と、上記各光制御領域間に形成される光非制御領域と
を有し、変調した光を感光材料に供給する光変調素子
と、光出射面から出射される光を上記光変調素子に供給
する光出射手段とを備え、上記光出射手段からの光を上
記各光制御領域を介して感光材料に照射することにより
上記感光材料上に画像を焼き付ける写真焼付装置におい
て、上記光出射面の異なる位置から出射された光が上記
光変調素子の各光制御領域に異なる方向から入射するこ
とで、入射光が上記光非制御領域に入射したときには到
達しない感光材料上の領域が露光されるように、上記光
出射面の形状が設定されていることを特徴としている。
【0025】上記の構成によれば、光出射手段の光出射
面が点ではなく面であるため、光変調素子の各光制御領
域には、光出射面の異なる位置から出射された光が様々
な方向から入射する。光変調素子の光入射面に対する光
の入射角は、光出射面の形状に応じて変化するので、こ
の光出射面の形状を適切に設定することによって、所定
の上記入射角を持つ光を上記光出射面から出射させるこ
とができる。
【0026】ここで、上記構成では、入射光が上記光非
制御領域に入射したときには到達しない感光材料上の領
域(上記光非制御領域と上記感光材料上で対応する領域
であり、以下、未露光領域と称する)が露光されるよう
な入射角を持つ光が、光出射面の形状の設定によって作
り出される。これにより、感光材料の露光時には、感光
材料上に未露光領域が形成されることがないので、未露
光領域の形成によって生ずる画質低下を回避することが
できる。
【0027】請求項2の発明に係る写真焼付装置は、上
記の課題を解決するために、請求項1の構成において、
上記光変調素子の隣接する光制御領域にそれぞれ異なる
方向から入射する上記光出射手段からの光が、入射光が
上記隣接する光制御領域間の光非制御領域に入射したと
きには到達しない感光材料上の領域に重なって照射され
るように、上記光出射面の形状が設定されていることを
特徴としている。
【0028】一般に、1個の光制御領域と感光材料上で
対応する露光領域における発色度は、当該露光領域の中
心ほど高く、中心から遠ざかるにつれて低下する特性が
ある。したがって、露光領域を隣接して形成した場合に
は、その境界部分の発色度が低いために、画像全体とし
て見た場合に、発色度の低い部分がつながって薄い筋が
現れやすい。
【0029】これに対して、本発明では、光出射面の形
状の上記設定により、未露光領域に光が重なって照射さ
れる、つまり、露光領域が重畳されるので、各露光領域
端部の発色度を上げることができ、その結果、上記の筋
ムラを解消して画質を一段と向上させることができる。
また、各露光領域を重畳させることにより、各露光領域
同士がなめらかにつながることになり、画素のスムージ
ング効果を得ることもできる。
【0030】請求項3の発明に係る写真焼付装置は、上
記の課題を解決するために、請求項1または2の構成に
おいて、上記光変調素子は、複数の光制御領域からなる
列を、所定の色に対応して少なくとも1列有しており、
上記光制御領域の配列方向の幅に応じた幅を持つ光束
(例えば略平行光の光束)が上記光変調素子に導かれる
ように、上記光出射手段からの光を変換する光変換手段
をさらに備えていることを特徴としている。
【0031】上記の構成によれば、光出射手段からの光
が光変調素子以外の部分に照射されないので、光出射手
段からの光の利用効率を上げることができる。また、光
変調素子には、例えば略平行光の光束が光変換手段から
供給されるので、拡散光を出射する光出射手段を用いて
も、各光制御領域には一様に光が供給される。これによ
り、未露光領域の消し具合にムラが生じるのを回避する
ことができる。
【0032】また、光変換手段を設けない場合には、光
変調素子に一様な光を供給するために、拡散光を出射す
る光出射手段を光変調素子から所定距離だけ離して配置
する必要があるが、光変換手段を設けることにより、各
構成部材をコンパクトにまとめることができ、装置の小
型化を図ることもできる。
【0033】請求項4の発明に係る写真焼付装置は、上
記の課題を解決するために、光を出射する光出射手段
と、所定の色の画像データに応じて入射光を変調する複
数の光制御領域と、上記各光制御領域間に形成される光
非制御領域とを有し、変調した光を感光材料に供給する
光変調素子とを備え、感光材料を搬送しながら上記光出
射手段からの光を上記各光制御領域を介して上記感光材
料に照射することにより上記感光材料上に画像を焼き付
ける写真焼付装置において、上記光変調素子は、各色に
対応する上記複数の光制御領域を同一基板上に有してお
り、上記複数の光制御領域は、各色ごとに千鳥配置され
ていることを特徴としている。
【0034】上記の構成によれば、複数の光制御領域が
各色ごとに千鳥配置されているので、感光材料を搬送す
ると共に光出射手段から光変調素子に光を照射したとき
に、光変調素子の一方のラインにおける光非制御領域と
感光材料上で対応する領域に、他方のラインの光制御領
域を介して得られる光を照射することができる。これに
より、感光材料上で本来未露光領域となる部分が露光さ
れるので、未露光領域の形成によって生ずる画質低下を
回避することができる。
【0035】また、光変調素子における各色に対応する
複数の光制御領域が同一基板上に形成されているので、
各色ごとに別々の基板上に光制御領域を形成した光変調
素子を組み合わせて用いる場合のように、各光変調素子
の配置における位置精度が要求されない。これにより、
所定の光制御領域を各色ごとに対応するように同一基板
上に形成しさえすれば、所定の光制御領域における色ズ
レを回避することができる。
【0036】請求項5の発明に係る写真処理装置は、上
記の課題を解決するために、請求項1ないし4のいずれ
かに記載の写真焼付装置と、上記写真焼付装置によって
画像が焼き付けられた感光材料を現像する現像部と、上
記現像部にて現像された感光材料を乾燥させる乾燥部と
を備えていることを特徴としている。
【0037】上記の構成によれば、感光材料に対する焼
付処理、現像処理、乾燥処理を一元管理の下に連続して
行うことができるので、使用者に操作上の負担をかける
ことなしに、多量の写真を連続的にプリント処理するこ
とができる。
【0038】
【発明の実施の形態】〔実施の形態1〕本発明の実施の
一形態について、図1(a)(b)ないし図6に基づい
て説明すれば、以下の通りである。
【0039】本実施形態に係る写真処理装置は、図2に
示すように、焼付部1(写真焼付装置)と、ペーパーマ
ガジン2と、現像部3と、乾燥部4と、PC(Personal
Computer) 5とを備えている。
【0040】焼付部1は、図3に示すように、ペーパー
マガジン2から搬送される感光材料としての印画紙7を
画像データに応じて露光する露光部6を備えている。こ
の露光部6により、画像データに応じた画像が印画紙7
上に焼き付けられる。なお、露光部6の詳細な構成につ
いては後述する。
【0041】ペーパーマガジン2は、所定サイズの印画
紙7をロール状に収納するものであり、同図では例えば
2種類のサイズの印画紙7に対応して、焼付部1の上部
に2個配されている。各ペーパーマガジン2からの印画
紙7を選択的に切り換えて搬送することにより、所定サ
イズの印画紙7に画像を焼き付けることができる。
【0042】現像部3は、焼付部1にて画像が焼き付け
られた印画紙7を、現像処理液を吹きつけながら搬送す
ることによって現像処理を行う。乾燥部4は、現像部3
において現像処理がなされた印画紙7を乾燥させること
によって、プリントの最後の処理を行う。なお、乾燥後
の印画紙7は、図示しないカッターにより画像の1コマ
ずつ切り離される。PC5は、プリントすべき画像の画
像データの保存や、該画像データに対する各種データ処
理等を行う。
【0043】このように、本実施形態に係る写真処理装
置は、印画紙7の露光、現像処理、乾燥処理を一元管理
の下に連続して行う構成となっている。よって、使用者
に操作上の負担をかけることなしに、多量の写真を連続
的にプリントすることが可能となっている。
【0044】次に、上記した露光部6の構成について説
明する。図4に示すように、露光部6は、光出射部8
(光出射手段)と、凹面鏡9(光変換手段)と、蒲鉾レ
ンズ10と、LCS11(光変調素子)とを備えてい
る。このうち、凹面鏡9、蒲鉾レンズ10およびLCS
11と印画紙7とを結ぶ光軸は、印画紙7の紙面に対し
て垂直となるように設けられている。また、本実施形態
では、印画紙7の搬送と同時に露光を行う、いわゆる走
査露光方式を採用している。
【0045】なお、以下での説明の便宜上、各図面で示
される方向を以下のように定義しておく。すなわち、印
画紙7の搬送方向をY−Y’方向、印画紙7の紙面内に
おいて上記搬送方向と垂直な方向をX−X’方向、印画
紙7の紙面に垂直な方向をZ−Z’方向とする。また、
上記各方向を含む平面については、単に、XY平面、Y
Z平面、ZX平面と記載することにする。
【0046】光出射部8は、光源12とライトガイド1
3とから構成されている。光源12は、例えばハロゲン
ランプなどから構成されるランプ部と、ランプ部から出
射された光をライトガイド13の光入射面の方向へ反射
させるリフレクタと、ランプ部およびリフレクタを所定
位置に支持するとともに、ランプ部に電力を供給するた
めのソケット部などから構成されている。ランプ部から
発せられる光は、青色、緑色、赤色の各色成分の光を全
て含んだ光であり、やや赤みがかった白色光となってい
る。やや赤みがかった白色光としたのは、印画紙7では
赤色の発色特性が他の色に比べて弱く、この赤色を補う
ためである。
【0047】ライトガイド13は、光源12から出射さ
れた光を凹面鏡9が配置されている方向へ導くものであ
る。このライトガイド13は、例えばガラスなどの透明
物質で構成されており、光の伝導方向に垂直な方向の断
面において、その中心部から周縁部にかけて屈折率が不
連続的に変化したものとなっている。これにより、光入
射面から入射した光は、全反射を繰り返すことによって
内部を伝搬し、光出射面13aから凹面鏡9に向かって
扇状に出射される。
【0048】なお、本発明は、ライトガイド13の光出
射面13aの形状に特徴があるが、この点については後
述する。
【0049】凹面鏡9は、ライトガイド13の光出射面
13aから出射された光を、蒲鉾レンズ10が配置され
ている方向へ反射させるものである。ここで、露光部6
の斜視図左側に示した、上記露光部6の垂直投影面で
は、凹面鏡9における光反射面はZX平面に対しては垂
直に示されているが、実際には、上記光反射面における
入射角と反射角とが等しくなるように凹面鏡9が少し傾
けて配置されており、上記光反射面がZX平面に対して
略垂直となっている。
【0050】また、露光部6の斜視図下側に示した、上
記露光部6の水平投影面で示すように、凹面鏡9におけ
る光反射面は放物線状またはそれに近い形状となってい
る。これにより、ライトガイド13からの光は、凹面鏡
9にて反射されることにより、ZX平面において略平行
光となって蒲鉾レンズ10を介してLCS11の全ての
画素に入射するようになる。つまり、ライトガイド13
からの光は、凹面鏡9での変換によって、後述するLC
S11の各色の画素の配列方向(X−X’方向)の幅に
応じた幅の光束となってLCS11に導かれるようにな
る。このようにLCS11に拡散光ではなく、略平行光
となる光束を入射させることにより、光の利用効率を上
げることができる。
【0051】なお、LCS11からZ−Z’方向にある
凹面鏡9を見た場合、LCS11のどのドットからもラ
イトガイド13の光出射面13aが見える。このこと
は、凹面鏡9からLCS11に向かう光が平行に近い光
であることを示している。
【0052】蒲鉾レンズ10は、凹面鏡9からの反射光
がLCS11の各列の画素を介して印画紙7上の1ライ
ンに集光するように、上記反射光をY−Y’方向に屈折
させるものである。具体的には、蒲鉾レンズ10のYZ
平面の断面は、上記垂直投影面に示すように凸レンズを
2枚貼り合わせた形状となっている。これにより、凹面
鏡9からの反射光は、蒲鉾レンズ10にてY−Y’方向
に屈折し、LCS11を介して印画紙7のX−X’方向
の1ラインに集光する。つまり、LCS11の各列の画
素を透過した光はY−Y’方向においては1点に集光す
る。したがって、Y−Y’方向における画素ズレ(色ズ
レ)は生じない。一方、蒲鉾レンズ10のZX平面の断
面は、上記水平投影面に示すように長方形となってい
る。これにより、凹面鏡9からの反射光は、蒲鉾レンズ
10にてX−X’方向には屈折せず、そのままLCS1
1方向へ直進するようになっている。
【0053】LCS11は、所定の色の画像データに応
じて入射光を変調する複数の画素(光制御領域)と、上
記各画素間に形成されるブラックマトリクス(光非制御
領域)とを有しており、各画素にて変調された光を印画
紙7に供給する。本実施形態のLCS11では、赤色に
対応する複数の画素、緑色に対応する複数の画素、青色
に対応する複数の画素が、それぞれ、X−X’方向にラ
イン状に配されており、3ラインが並設された構成とな
っている。したがって、各ラインにおける隣接画素間の
ブラックマトリクスは、3ラインの並設によってY−
Y’方向につながり、Y−Y’方向のブラックストライ
プが形成されている。本実施形態では、上述のように各
ラインの画素を透過した光は、X−X’方向の1ライン
に集光するので、各ラインの光の透過制御を同時に行う
ことができ、制御が楽になる。
【0054】ここで、本実施形態では、LCS11にお
ける光の透過制御を、R、G、Bの各色に対応する画素
を開けている時間、すなわち、光の透過時間で行うよう
にしている。これにより、搬送中の印画紙7に形成され
る、R、G、Bの各色に対応する領域の面積が異なるよ
うになり、これによって階調が表現されるようになって
いる。なお、光の透過時間を制御する以外にも、光の透
過率を制御することによって階調を表現するようにして
もよい。
【0055】次に、上記構成の露光部6における露光動
作について説明する。光出射部8の光源12から出射さ
れた光は、直接またはその一部が光源12のリフレクタ
によって反射されてライトガイド13の光入射面に入射
する。上記光入射面に入射した光は、ライトガイド13
の内部で全反射を繰り返しながらライトガイド13の形
状に沿って進み、光出射面13aから凹面鏡9に向けて
扇状に拡散されて出射される。
【0056】凹面鏡9で反射された光は、その後、X−
X’方向には略平行光となって蒲鉾レンズ10に入射す
る一方、Y−Y’方向には若干の拡散光(垂直投影面参
照)となって蒲鉾レンズ10に入射する。そして、上記
入射光は、X−X’方向には蒲鉾レンズ10にて屈折さ
れずに略平行光のままで、Y−Y’方向には蒲鉾レンズ
10にて屈折されてLCS11に入射する。
【0057】LCS11では、各画素における画像デー
タに応じた透過制御が行われることにより、R、G、B
に対応した各ラインの画素を透過した光が、印画紙7の
X−X’方向の1ラインに集光して照射される。印画紙
7をY−Y’方向に搬送しながら、このような印画紙7
の露光をX−X’方向の1ラインごとに行うことによ
り、所望のカラー画像が印画紙7上に焼き付けられる。
【0058】次に、ライトガイド13の光出射面13a
の形状について、図1(a)(b)に基づいて説明す
る。なお、図1(a)(b)は、印画紙7上の未露光領
域Bを露光する原理を説明するための図面であるが、説
明を簡略化するため、図面上では凹面鏡9の図示を省略
している。また、凹面鏡9を介してLCS11に照射さ
れる光は略平行光であるにもかかわらず、図面上では略
平行光とは言い難い光となっているが、同図(a)
(b)では、印画紙7上の未露光領域Bを露光する原理
を説明するためにLCS11の画素部を拡大して示した
結果、略平行光となっていないだけであり、実際は略平
行光であることを先に断っておく。また、略平行光と
は、LCS11の光入射面に垂直な光軸とのなす角が微
小範囲の光とする。
【0059】図1(a)に示すように、ライトガイド1
3の光出射面13aが点光源に近づくように、その幅a
がX−X’方向に小さく設定されている場合、通常、光
出射面13aにおいて異なる位置から異なる方向に出射
された光であっても、各光が凹面鏡9にてX−X’方向
に略平行光に変換されてLCS11に入射する。その結
果、印画紙7上には、LCS11の各画素11aに対応
した露光領域Aが形成される。一方、各画素11a・1
1a間には、光の透過を制御できない領域11b(ブラ
ックストライプ)が形成されているため、印画紙7上に
は上記領域11bに対応した未露光領域Bが上記露光領
域Aと隣接して形成される。
【0060】つまり、面状の光源を用いた場合、X−
X’方向ではいわゆるピンホールカメラの原理によって
印画紙7が露光される。ピンホールカメラとは、針穴写
真機または微細な穴をレンズの代わりに使ったカメラの
ことであり、レンズを用いずに、暗箱の前面に小さく開
けた穴から内部に差し込むごくわずかな光によってフィ
ルム面に映像を得ようとするものである。上記の穴が図
1(a)(b)では光出射面13aに対応している。
【0061】ここで、光出射面13aのX−X’方向の
幅aを図1(a)の場合よりも大きくすると、図1
(b)に示すように、光出射面13aの例えばX−X’
方向における両端部から出射された光はそれぞれ、LC
S11の光入射面に対して図1(a)の場合よりも斜め
から入射する。これにより、各画素11aを透過する光
によって形成される印画紙7上の露光領域Aが図1
(a)の場合に比べてX−X’方向に大きくなる一方、
隣接した画素11a・11a間の領域11bと印画紙7
上で対応する領域が狭くなる。
【0062】以上のことは、LCS11の光入射面に対
する光の入射角は、光出射面13aの形状に応じて変化
し、また、この光出射面13aの形状を適切に設定する
ことによって、所定の入射角を持つ光を上記光出射面1
3aから出射させることができることを意味している。
【0063】そこで、本発明では、図1(b)のよう
に、つまり、光出射面13aの異なる位置から出射され
た光がLCS11の各画素11aに異なる方向から入射
することで、入射光が領域11bに入射したときには到
達しない印画紙7上の領域、すなわち、領域11bと印
画紙7上で対応する領域が全て露光されるように、光出
射面13aの幅aを設定した。これにより、未露光領域
Bが露光されるような入射角を持つ光が、光出射面13
aの形状の上記設定によって作り出されることになり、
その結果、未露光領域Bをなくして画質の良好な画像を
印画紙7に焼き付けることが可能となる。
【0064】つまり、本発明は、光出射面13aが点で
はなく面であることにより、光出射面13aにおける異
なる位置から出射された光が完全な平行光とはならずに
異なる方向からLCS11に入射することを利用して、
本来ならば未露光領域Bとなる領域を露光するようにし
たものである。
【0065】なお、本実施形態では、露光部6が凹面鏡
9を備えた例について説明したが、必ずしも凹面鏡9が
必要ということではない。凹面鏡9を設けずにライトガ
イド13の光出射面13aをLCS11方向に向けて配
置してもよい。この場合でも、光出射面13aを幅aを
調節することで、LCS11の各画素11aに入射する
光の入射角度を調整できることに変わりはない。それゆ
え、凹面鏡9を設けない場合でも、上記幅aを適切に調
節することで未露光領域Bを消すことが可能となる。
【0066】ただし、光出射面13aがLCS11に近
づきすぎると、光出射面13aからは拡散光が出射され
ているため、LCS11の各画素11aに入射する光の
入射角度が画素ごとに異なってくる。その結果、ブラッ
クストライプの影を一様に消せなくなる。つまり、ブラ
ックストライプの影を消せる部分と消せない部分とが生
じる。そこで、このような事態を回避するために、凹面
鏡9を設けない場合には、LCS11に略平行光を供給
することができるように、ライトガイド13をLCS1
1から所定距離離れたところに配置することが必要であ
る。これにより、各画素11aに入射する光の入射角度
を各画素11aにおいてほぼ一様にすることができ、ブ
ラックストライプの影を一様に消すことが可能となる。
【0067】このことから、凹面鏡9を設けない場合に
は、ライトガイド13をLCS11から遠ざけて配置す
ることで露光部6が大型化することになるが、凹面鏡9
を設けることで露光部6をコンパクトにまとめることが
でき、写真焼付装置の小型化を図ることができると言え
る。
【0068】ところで、印画紙7の発色特性は、露光領
域A内でも一様でないのが一般的である。図5(a)
は、光出射面13aの幅aを図1(b)のように設定し
た場合における印画紙7の露光領域Aにおける発色特性
を示しているが、このように露光領域Aの中心から遠ざ
かるほど、印画紙7の発色度は落ちる。したがって、図
1(b)のように、隣接した画素11a・11aに異な
る方向から入射した光が印画紙7上で重ならないように
する場合においては、ブラックストライプの影を消せる
とは言っても、印画紙7上の画素の境界部分をほとんど
発色させることができないために、上記境界部分がくっ
きりと現れ、これによって印画紙7上の画像が見た目に
違和感のある画像となってしまう場合がある。
【0069】そこで、例えば図5(b)に示すように、
隣接する露光領域Aがオーバーラップするように、つま
り、隣接した画素11a・11aに異なる方向から入射
する光が、上記隣接した画素11a・11a間の領域1
1bと印画紙7上で対応する領域に重なって照射される
ように、光出射面13aの幅aを設定するようにしても
よい。この場合、露光領域Aの配列ピッチはそのままで
露光領域AのX−X’方向の幅だけが変わることにな
る。
【0070】このように隣接する露光領域Aをオーバー
ラップさせることにより、露光領域A単独では発色度の
落ちる境界部分の発色度を上げることができる。その結
果、露光領域Aの境界部分を目立たなくして、違和感の
ほとんどない画像を得ることができる。つまり、隣接す
る露光領域Aを自然につなげて画素をスムージングする
ことができる。
【0071】また、図6は、本発明の露光部6のYZ平
面における断面図を示している。なお、図6では、説明
を簡略化する意味で、凹面鏡9の図示を省略している。
ここで、蒲鉾レンズ10の屈折率および焦点距離、LC
S11におけるY−Y’方向の画素ピッチ、印画紙7の
搬送速度等を一定と考えた場合、LCS11のR、G、
Bの各色に対応する画素11R、11G、11Bを1個
ずつ透過して印画紙7上に形成される露光領域CのY−
Y’方向の幅は、光出射面13aのY−Y’方向の幅b
に応じて決まる。なお、1個の露光領域Cは、印画紙7
上で1個の画素に対応している。
【0072】そこで、本発明では、露光領域CのY−
Y’方向の幅が、露光領域CのX−X’方向の幅と同じ
になるように、光出射面13aのY−Y’方向の幅bを
設定した。これにより、印画紙7上で露光領域Cの形状
が正方形となるので、複数の露光領域Cからなる画像が
偏平となるのを回避することができる。
【0073】なお、上記のように光出射面13aの形状
が設定された露光部6を用いて印画紙7の搬送速度を最
適化することで、印画紙7におけるY−Y’方向のドッ
トの目立ち方を緩和することができる。つまり、印画紙
7の搬送速度を速くすればY−Y’方向においてドット
とドットが離れ、逆に搬送速度を遅くすればY−Y’方
向においてドット同士が若干重なるようになるので、印
画紙7の搬送速度を適切に調整することにより、Y−
Y’方向の画素のスムージングを適切に行うことが可能
となる。
【0074】なお、以上では、ライトガイド13を設け
た場合の光出射面13aの形状について説明したが、ラ
イトガイド13を必ず用いなければならないということ
ではない。例えば、ライトガイド13の光出射面13a
の位置に、開口の大きさを調節できる絞りを設け、この
絞りに対して凹面鏡9とは反対側に光源12を配置する
構成とすれば、この絞りにおける上記開口のX−X’方
向、Y−Y’方向の幅を本実施形態のように設定すれば
よいだけのことである。なお、この構成の場合、上記の
光源12として、形状の小さい、指向性のほとんどない
LEDを適用してもよい。
【0075】〔実施の形態2〕本発明の他の実施の形態
について、図7ないし図9(a)(b)に基づいて説明
すれば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、実施
の形態1と同一の構成には同一の部材番号を付記し、そ
の説明を省略する。
【0076】本実施形態では、実施の形態1の構成にお
いて、ライトガイド13の光出射面13aの幅aを任意
の幅としていると共に、LCS11の代わりに図7に示
すLCS21を設けている。このLCS21は、赤、
緑、青の各色に対応する画素21R、21G、21Bを
X−X’方向にそれぞれ2ラインずつ、計6ライン備え
ている。そして、画素21R、21G、21Bは、各色
ごとに千鳥配置されている。つまり、一方のラインにお
ける隣接画素間のブラックマトリクスと隣接する位置
に、上記ラインと同一の色における他方のラインの画素
が配置されている。
【0077】このように、1つの基板上に各色の画素を
同時に設けているので、各色ごとに別々の基板上に画素
を形成したLCSを複数配置する従来の場合とは異な
り、各LCSの配置位置ズレに起因する各色同士の画素
ズレは勿論生じない。
【0078】また、画素21R、21G、21Bを各色
ごとに千鳥配置していることにより、任意のラインにお
けるブラックマトリクスと印画紙7上で対応する位置
に、これと隣接するラインの画素を透過した光が照射さ
れる。これにより、ライトガイド13の光出射面13a
の幅aを実施の形態1のように設定しなくても、ブラッ
クマトリクスの影を消すことが可能となる。勿論、実施
の形態1・2を組み合わせる、すなわち、光出射面13
aの幅aを実施の形態1のように設定したライトガイド
13とLCS21とを用いて露光部6を構成してもよ
い。
【0079】ところで、LCS21の代わりに、図8に
示すように、カラーフィルタを備えていないモノクロの
LCS31を設けると共に、回転フィルタ32を光源1
2とライトガイド13との間に設ける構成としてもよ
い。
【0080】LCS31は、光の透過部となる画素31
aを2ライン分有しており、各画素31aはLCS21
の場合と同様に千鳥状に配置されている。これにより、
図7の構成と同様の効果を得ることができる。すなわ
ち、一方のラインにおけるブラックマトリクスと印画紙
7上で対応する領域に、他方のラインの画素31aを透
過した光を照射することができ、ブラックマトリクスの
影を消すことができる。なお、画素31aを千鳥配置せ
ずにX−X’方向に一列に形成してもよく、この場合に
は、ライトガイド13の光出射面13aの形状を実施の
形態1のように設定すればよい。
【0081】一方、回転フィルタ32は、R、G、Bの
各色に対応するフィルタを備えた円盤状のものであり、
各色のフィルタが順次、光源12とライトガイド13と
の間の光路中に挿入されるように回転する。したがっ
て、LCS31には、回転フィルタ32を透過したR、
G、Bの各色の光が順次入射するようになり、モノクロ
のLCS31を用いた場合でもカラー画像が印画紙7に
焼き付けられる。
【0082】なお、図8の構成は、回転フィルタ32を
用いてR、G、Bの各色の光を順次LCS31に供給す
る構成のため、R、G、Bの各色の光による印画紙7の
露光を各色同時に行うことはできない。したがって、印
画紙7上において例えばRの露光を終えた画素にGの露
光を行おうとしても、その間の印画紙7の搬送によっ
て、Rの露光を終えた画素からずれた位置にGの露光を
行うことになる。
【0083】このとき、1つの色について印画紙7上に
形成される画素が正方形であるとするならば、R、G、
Bの各色の露光によって図9(a)に示す画素7R、7
G、7Bが印画紙7上に形成される。したがって、画素
7R、7G、7Bをまとめて同一の画素31aに対応す
る1つの画素として見た場合は、この画素が印画紙搬送
方向に伸びた画素となってしまい、画像が偏平してしま
うおそれがある。
【0084】そこで、図9(b)に示すように、画素7
R、7G、7Bをまとめて同一の画素31aに対応する
1つの画素として見た場合に、当該画素が正方形となる
ように、ライトガイド13の光出射面13aの形状(幅
aおよびb)を設定するか、印画紙7の搬送速度を調節
することが望ましい。これにより、R、G、B間で画素
が若干ずれていても、画像が偏平となるのを防ぐことが
できる。
【0085】なお、回転フィルタ32を設ける代わり
に、光源12をR、G、Bの各色を出射する複数の光源
で構成し、各色の光を順次ライトガイド13に入射させ
る構成としてもよい。
【0086】なお、以上では、光出射面13aからの光
を反射させてLCS11方向に導くことができる凹面鏡
9を配置した例を示したが、光出射面13aからの光を
屈折させて略平行光を出射することができるようなレン
ズを、ライトガイド13とLCS11との光路中に配置
する構成であっても構わない。
【0087】また、以上では、光変調素子としてLCS
11を例に挙げて説明したが、光シャッタであればよ
く、例えばPLZT素子であってもよい。
【0088】
【発明の効果】請求項1の発明に係る写真焼付装置は、
以上のように、光出射面の異なる位置から出射された光
が上記光変調素子の各光制御領域に異なる方向から入射
することで、入射光が上記光非制御領域に入射したとき
には到達しない感光材料上の領域が露光されるように、
上記光出射面の形状が設定されている構成である。
【0089】それゆえ、光出射面の形状の適切な設定に
よって、未露光領域が露光されるような入射角を持つ光
を作りだすことができるので、このような光で未露光領
域を露光することにより、未露光領域の形成によって生
ずる画質低下を回避することができるという効果を奏す
る。
【0090】請求項2の発明に係る写真焼付装置は、以
上のように、請求項1の構成において、上記光変調素子
の隣接する光制御領域にそれぞれ異なる方向から入射す
る上記光出射手段からの光が、入射光が上記隣接する光
制御領域間の光非制御領域に入射したときには到達しな
い感光材料上の領域に重なって照射されるように、上記
光出射面の形状が設定されている構成である。
【0091】それゆえ、光出射面の形状の上記設定によ
って、未露光領域に光が重なって照射される、つまり、
露光領域が重畳されるので、各露光領域端部の発色度を
上げることができる。その結果、請求項1の構成による
効果に加えて、発色度の低い部分がつながることによっ
て生じる筋ムラを解消して画質を一段と向上させること
ができるという効果を奏する。また、各露光領域を重畳
させることにより、各露光領域同士がなめらかにつなが
ることになり、画素のスムージング効果を得ることがで
きるという効果を併せて奏する。
【0092】請求項3の発明に係る写真焼付装置は、以
上のように、請求項1または2の構成において、上記光
変調素子は、複数の光制御領域からなる列を、所定の色
に対応して少なくとも1列有しており、上記光制御領域
の配列方向の幅に応じた光束が上記光変調素子に導かれ
るように、上記光出射手段からの光を変換する光変換手
段をさらに備えている構成である。
【0093】それゆえ、請求項1または2の構成による
効果に加えて、光出射手段からの光が光変調素子以外の
部分に照射されないので、光出射手段からの光の利用効
率を上げることができるという効果を奏する。また、光
変調素子には、例えば略平行光の光束が光変換手段から
供給されるので、拡散光が直接光変調素子に照射される
ときのように、未露光領域の消し具合にムラが生じるこ
とがない。
【0094】また、光変換手段を設けることにより、光
変調素子に一様な光を供給するために、光出射手段を光
変調素子から所定距離だけ離して配置する必要がなく、
その結果、各構成部材をコンパクトにまとめて装置の小
型化を図ることができるという効果を併せて奏する。
【0095】請求項4の発明に係る写真焼付装置は、以
上のように、光変調素子は、各色に対応する上記複数の
光制御領域を同一基板上に有しており、上記複数の光制
御領域は、各色ごとに千鳥配置されている構成である。
【0096】それゆえ、複数の光制御領域が各色ごとに
千鳥配置されているので、感光材料を搬送すると共に光
出射手段から光変調素子に光を照射したときに、光変調
素子の一方のラインにおける光非制御領域と感光材料上
で対応する領域に、他方のラインの光制御領域を介して
得られる光を照射することができる。これにより、未露
光領域をなくして未露光領域の形成によって生ずる画質
低下を回避することができるという効果を奏する。
【0097】また、光変調素子における各色に対応する
複数の光制御領域が同一基板上に形成されているので、
各色ごとに別々の基板上に光制御領域を形成した光変調
素子を組み合わせて用いる場合のように、各光変調素子
の配置における位置精度が要求されない。これにより、
所定の光制御領域を各色ごとに対応するように同一基板
上に形成しさえすれば、所定の光制御領域における色ズ
レを回避することができるという効果を併せて奏する。
【0098】請求項5の発明に係る写真処理装置は、以
上のように、請求項1ないし4のいずれかに記載の写真
焼付装置と、上記写真焼付装置によって画像が焼き付け
られた感光材料を現像する現像部と、上記現像部にて現
像された感光材料を乾燥させる乾燥部とを備えている構
成である。
【0099】それゆえ、感光材料に対する焼付処理、現
像処理、乾燥処理を一元管理の下に連続して行うことが
できるので、使用者に操作上の負担をかけることなし
に、多量の写真を連続的にプリント処理することができ
るという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、印画紙に未露光領域が形成される原
理を説明するための説明図であり、(b)は、上記未露
光領域を消すことができる原理を説明するための説明図
である。
【図2】本発明の写真処理装置の概略の構成を示す斜視
図である。
【図3】上記写真処理装置が備える焼付部の概略の構成
を示す断面図である。
【図4】上記焼付部が備える露光部の概略の構成を示す
斜視図である。
【図5】(a)は、露光領域が隣接して形成される場合
における印画紙の発色度を示す説明図であり、(b)
は、露光領域が重畳して形成される場合における印画紙
の発色度を示す説明図である。
【図6】ライトガイドの光出射面から出射された光が蒲
鉾レンズおよびLCSの各列の画素を介して印画紙上の
1点に集光することを説明するための説明図である。
【図7】上記露光部の他の構成を示す斜視図である。
【図8】上記露光部のさらに他の構成を示す斜視図であ
る。
【図9】(a)は、LCSの所定画素と印画紙上で対応
する画素が印画紙搬送方向に伸びた形状となっている場
合を示す説明図であり、(b)は、上記画素が正方形と
なっている場合を示す説明図である。
【図10】(a)は、異なる色を出射する露光ヘッドを
複数備えた従来の写真焼付装置の概略の構成を示す斜視
図であり、(b)は、上記各露光ヘッドが備えるLCS
の画素配置を示す平面図である。
【図11】異なる色の光を印画紙上の1ラインに集光さ
せて露光を行う従来の写真焼付装置の概略の構成を示す
斜視図である。
【符号の説明】
1 焼付部(写真焼付装置) 3 現像部 4 乾燥部 7 印画紙(感光材料) 8 光出射部(光出射手段) 9 凹面鏡(光変換手段) 11 LCS(光変調素子) 11a 画素(光制御領域) 11b 領域(光非制御領域) 12 光源(光出射手段) 13 ライトガイド(光出射手段) 13a 光出射面 21 LCS(光変調素子) 31 LCS(光変調素子) 31a 画素(光制御領域)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定の色の画像データに応じて入射光を変
    調する複数の光制御領域と、上記各光制御領域間に形成
    される光非制御領域とを有し、変調した光を感光材料に
    供給する光変調素子と、 光出射面から出射される光を上記光変調素子に供給する
    光出射手段とを備え、上記光出射手段からの光を上記各
    光制御領域を介して感光材料に照射することにより上記
    感光材料上に画像を焼き付ける写真焼付装置において、 上記光出射面の異なる位置から出射された光が上記光変
    調素子の各光制御領域に異なる方向から入射すること
    で、入射光が上記光非制御領域に入射したときには到達
    しない感光材料上の領域が露光されるように、上記光出
    射面の形状が設定されていることを特徴とする写真焼付
    装置。
  2. 【請求項2】上記光変調素子の隣接する光制御領域にそ
    れぞれ異なる方向から入射する上記光出射手段からの光
    が、入射光が上記隣接する光制御領域間の光非制御領域
    に入射したときには到達しない感光材料上の領域に重な
    って照射されるように、上記光出射面の形状が設定され
    ていることを特徴とする請求項1に記載の写真焼付装
    置。
  3. 【請求項3】上記光変調素子は、複数の光制御領域から
    なる列を、所定の色に対応して少なくとも1列有してお
    り、 上記光制御領域の配列方向の幅に応じた幅を持つ光束が
    上記光変調素子に導かれるように、上記光出射手段から
    の光を変換する光変換手段をさらに備えていることを特
    徴とする請求項1または2に記載の写真焼付装置。
  4. 【請求項4】光を出射する光出射手段と、 所定の色の画像データに応じて入射光を変調する複数の
    光制御領域と、上記各光制御領域間に形成される光非制
    御領域とを有し、変調した光を感光材料に供給する光変
    調素子とを備え、感光材料を搬送しながら上記光出射手
    段からの光を上記各光制御領域を介して上記感光材料に
    照射することにより上記感光材料上に画像を焼き付ける
    写真焼付装置において、 上記光変調素子は、各色に対応する上記複数の光制御領
    域を同一基板上に有しており、上記複数の光制御領域
    は、各色ごとに千鳥配置されていることを特徴とする写
    真焼付装置。
  5. 【請求項5】請求項1ないし4のいずれかに記載の写真
    焼付装置と、 上記写真焼付装置によって画像が焼き付けられた感光材
    料を現像する現像部と、 上記現像部にて現像された感光材料を乾燥させる乾燥部
    とを備えていることを特徴とする写真処理装置。
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