JP2001235800A - 画像焼付け方法、露光ヘッド、および画像焼付け装置 - Google Patents

画像焼付け方法、露光ヘッド、および画像焼付け装置

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JP2001235800A
JP2001235800A JP2000045200A JP2000045200A JP2001235800A JP 2001235800 A JP2001235800 A JP 2001235800A JP 2000045200 A JP2000045200 A JP 2000045200A JP 2000045200 A JP2000045200 A JP 2000045200A JP 2001235800 A JP2001235800 A JP 2001235800A
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Hidetoshi Nishikawa
英利 西川
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Noritsu Koki Co Ltd
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Noritsu Koki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カラー画像を感光材料に焼付けるにあたっ
て、全ての色成分の光について、同種の光変調機構を採
用しながら、効率の良い画像焼付けを行うことができる
低コストの画像焼付け方法、露光ヘッドおよび画像焼付
け装置を提供する。 【解決手段】 各色成分の光を変調してカラー画像を表
示する画素列としての赤色光変調部10R、緑色光変調
部10Gおよび青色光変調部10Bを備えた光変調器1
0と、光変調器10に対向配置された同一の受光面12
aを有し、各画素列の像を印画紙11上に結像させる結
像レンズアレイ12とを備え、各色成分の光に対する印
画紙11の発色率が相対的に最小を示す赤色光変調部1
0Rの画素から発せられる光束が上記受光面に対し張る
立体角θR を、相対的に最大とするように、光変調器1
0の中央に赤色光変調部10Rを配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感光材料にカラー
画像を焼付ける画像焼付け方法、その画像焼付け方法の
実施に用いる露光ヘッド、およびその露光ヘッドを備え
た画像焼付け装置に関し、特に、カラー画像を表示する
赤色画素、緑色画素、青色画素の各画素列同士の位置関
係に工夫を加えることによって、赤色画素から発せられ
る赤色光に対する感光材料の発色率を高めることのでき
る画像焼付け方法、露光ヘッド、および画像焼付け装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、カラー画像情報をデジタルデータ
として処理し、印画紙などの感光材料に対する露光を上
記デジタルデータに基づいて制御することによって、感
光材料にカラー画像を焼付ける画像焼付け装置が普及し
つつある。
【0003】そのような画像焼付け装置の一構成例を図
8に示す。この画像焼付け装置では、ペーパーマガジン
101・102から並行して引き出され、搬送される印
画紙103・104に対して、カラー画像を焼付けるた
めに、印画紙103・104の搬送方向に沿って、青色
露光ヘッド105B1 ・105B2 、緑色露光ヘッド1
06G1 ・106G2 および赤色露光ヘッド107R
が、順に所定間隔を置いて配置されている。
【0004】青色露光ヘッド105B1 ・105B2
よび緑色露光ヘッド106G1 ・106G2 は、それぞ
れ青色光および緑色光を発するVFD(Vacuum Fluores
centDisplay; 真空蛍光表示管)アレイで構成されてい
る。また、赤色露光ヘッド107Rは、赤色光を発する
LED(Light Emitting Diode; 発光ダイオード)アレ
イで構成されている。この例では、VFDおよびLED
の各配列ピッチは、主走査方向の記録密度として、例え
ば300dpi(dots per inch) に対応できるように設
計されている。
【0005】なお、印画紙103・104を2連並送す
る構成としているのは、単位時間あたりの焼付け枚数、
すなわち画像焼付け装置のプリント能力を倍増させるた
めである。ただし、赤色露光ヘッド107Rは、印画紙
103・104にまたがる長尺状であるのに対して、青
色露光ヘッド105B1 ・105B2 および緑色露光ヘ
ッド106G1 ・106G2 は、印画紙103・104
のそれぞれに合わせて2本ずつに分割配置されている。
これは、VFDアレイを用いた露光ヘッドを長尺に形成
することが難しいという、作製上の制約に起因してい
る。
【0006】このように構成された青色露光ヘッド10
5B1 、緑色露光ヘッド106G1および赤色露光ヘッ
ド107Rには、フィルムスキャナ部108で読み取っ
た1本目のフィルムの画像データが、露光制御部109
におけるデータ処理を介して駆動データに変換され、印
画紙103に対する各ヘッド105B1 ・106G1
107Rの位置に応じ、露光タイミングをずらして供給
される。
【0007】これにより、青色光、緑色光および赤色光
による印画紙103の主走査方向に対する露光が、この
順に一定のタイムラグを持ちながら行われ、赤色露光ヘ
ッド107Rにおける赤色光の露光が行われた時点で、
1ラインの画像焼付けが完了する。このような1ライン
の画像焼付けが、印画紙103の搬送によって副走査方
向に繰り返されることによって、フィルムの画像が1駒
ずつ印画紙103に焼付けられる。なお、副走査方向の
記録密度は、印画紙103・104の搬送制御によっ
て、主走査方向の記録密度300dpiに等しくなる。
また、上記のような露光制御は、タンデム露光方式と呼
ばれている。
【0008】同様に、印画紙104に対して、フィルム
スキャナ部108で読み取った2本目のフィルムの画像
データに基づく焼付けが行われる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
画像焼付け装置では、青色露光ヘッド105B1 ・10
5B2 、緑色露光ヘッド106G1 ・106G2 および
赤色露光ヘッド107Rを、全て同種の発光素子で構成
することができない。これは、以下の理由による。
【0010】まず、発光素子をLEDだけに揃えること
ができないのは、青色発光LEDアレイおよび緑色発光
LEDアレイが、まだ開発途上にあるためである。
【0011】一方、発光素子をVFDだけに揃えること
ができないのは、仮に、赤色露光ヘッド107Rを赤色
発光VFDアレイで構成したとすると、LEDアレイで
構成した場合に比べて、赤色露光ヘッド107Rによる
露光時間を長くする必要が生じ、その分、プリント能力
が低下せざるを得なくなるからである。
【0012】では、なぜ、赤色露光ヘッド107Rによ
る露光時間を長くする必要が生じるかについて、その理
由を説明する。端的に述べれば、VFDはLEDより発
光強度が小さいことに加えて、印画紙などの感光材料の
分光感度が、青色光および緑色光に対して高く、赤色光
に対しては低いためである。
【0013】例えば、図9に、上記印画紙103・10
4のように、デジタルカラープリントに適した印画紙の
分光感度を示す。一般に、カラープリント用印画紙は、
青色光によって感光するイエロー発色層、緑色光によっ
て感光するマゼンタ発色層、赤色光によって感光するシ
アン発色層が基材層上に積層された構成になっている。
図9の分光感度曲線は、各色光による露光時間を等しく
して、同一の目標濃度に達するために必要な露光量(1
-3J/m2 )を波長を変えながら求め、波長(nm)
を横軸に取り、求めた露光量の逆数を感度として縦軸に
対数目盛りでプロットして得たものである。
【0014】感度は対数で表されているので、赤色光に
対する感度は、青色光および緑色光に対する各感度と比
べて、桁違いに低いことがわかる。
【0015】このような印画紙の感光特性を、センシト
メーターで測定した各色光の露光量(ルクス・秒)の対
数値と濃度との関係で表したグラフが図10である。な
お、このグラフを得るための青色光(B)、緑色光
(G)、赤色光(R)の各露光時間は同一である。
【0016】図10から、各色光の露光量を一定にした
場合、得られる濃度は、ほぼB,G,Rの順に小さくな
ることがわかる。因みに、最大濃度に達するまでに必要
な各色光のエネルギーレベルEeTは、測定に用いた光
の波長λを、 λ(B)=477nm、λ(G)=543nm、λ
(R)=690nm とすると、 EeT(B)=0.28×10-3(J/m2 ) EeT(G)=1.26×10-3(J/m2 ) EeT(R)=8.90×10-3(J/m2 ) となる。
【0017】このように、プリント能力は、印画紙のシ
アン発色層を赤色光で発色させるのに必要な時間に依存
するといってよい。したがって、上記従来の画像焼付け
装置では、赤色露光ヘッド107Rの発光素子に、VF
Dより発光強度の高いLEDを用い、シアン発色層の発
色時間の短縮を図っている。
【0018】以上のように、上記従来の画像焼付け装置
の構成では、各色光の光源に異種の発光素子を用いざる
を得ないので、例えばVFD用の駆動回路とLED用の
駆動回路とが別々に必要になる。このため、画像焼付け
装置のコスト高を招来するという問題が派生する。
【0019】また、各色光の光源として、異種の発光素
子を用いるため、光源の寿命等が、例えば青色光および
緑色光と赤色光との間で相違することになり、画像焼付
け装置のメンテナンスが煩雑になるという問題も派生す
る。
【0020】さらに、仮に、発光素子をVFDに揃える
とすれば、シアン発色層の発色時間を短縮するには、赤
色露光ヘッドに印加する駆動電圧を上げなければなら
ず、これが、画像焼付け装置の消費電力を増大させると
いう問題も派生する。
【0021】本発明は、上記の問題に鑑みてなされたも
のであり、その目的は、各色光の露光ヘッドに異種の構
成を持ち込むことなく、印画紙のシアン発色層を効率よ
く発色させ、画像焼付け装置のプリント能力を向上させ
ることのできる低コストの画像焼付け方法、露光ヘッド
および画像焼付け装置を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る画
像焼付け方法は、上記の課題を解決するために、カラー
画像を表示する複数色成分の画素を色成分毎に配列した
画素列を、結像光学系の同一受光面に対向配置し、各色
成分の光に対する感光材料の発色率が相対的に最小を示
す画素列の画素から発せられる光束が、上記受光面に対
し張る立体角を相対的に最大とした状態で、各画素列の
像を結像光学系を介して感光材料上に結像させることを
特徴としている。
【0023】上記の構成において、感光材料の発色率
は、単位時間あたりに感光材料に照射される光エネルギ
ー量と、感光材料の感度とに依存するので、カラー画像
を表示するための複数色成分毎に相違するものである。
すると、画像焼付けに要する全体の時間は、感光材料の
発色率が最小となる色成分の画素列の像を焼付けるのに
要する時間によって支配されることになる。
【0024】したがって、感光材料の発色率が相対的に
最小となる色成分の光が、単位時間あたりに感光材料が
受ける光照射量を、他の色成分の光より多くすれば、画
像焼付け速度を向上させることができる。
【0025】特に、上記構成のように、各色成分の画素
列を結像光学系の同一受光面に対向配置する場合には、
感光材料の発色率が相対的に最小となる色成分の画素列
の画素から発せられる光束が、受光面に対し張る立体角
を相対的に最大とすれば、単位時間あたりに感光材料が
受ける光照射量を、他の色成分の光より多くすることが
できる。
【0026】これにより、感光材料の発色率が相対的に
最小となる色成分の光の発光量または透過光量の変調機
構を、それ以外の色成分の光の変調機構と異種のものと
することなく、全ての色成分の光について、同種の光変
調機構を採用しながら、効率の良い画像焼付けを行うこ
とができる。
【0027】なお、各色成分の光に対する感光材料の発
色率が相対的に最小を示す画素列の画素から発せられる
光束が、上記受光面に対し張る立体角を相対的に最大と
する代わりに、各色成分の光に対する感光材料の感度が
相対的に最小を示す画素列の画素から発せられる光束
が、上記受光面に対し張る立体角を相対的に最大とする
ようにしてもよい。
【0028】請求項2の発明に係る画像焼付け方法は、
上記の課題を解決するために、カラー画像を表示する複
数色成分の画素を、走査露光系の主走査方向に色成分毎
に配列し、各色成分の画素列の像を、走査露光系の副走
査方向に所定間隔を置いて、感光材料上に順次結像させ
る画像焼付け方法において、各色成分の光に対する感光
材料の発色率が相対的に最小を示す画素列の画素から発
せられる光束が、結像光学系の同一受光面に対し張る立
体角を相対的に最大とした状態で焼付けを行うことを特
徴としている。
【0029】上記の構成において、各色成分の画素列の
像を、走査露光系の副走査方向に所定間隔を置いて、感
光材料上に順次結像させる、いわゆるタンデム露光方式
によって画像焼付けを行う場合には、各色成分の画素列
の像間距離を縮める方が、各画素列の像を同一ライン上
に合一させやすくなる。
【0030】したがって、副走査方向の像間距離を縮め
るためには、各色成分の画素列同士の間隔を狭めなけれ
ばならない。この結果、各色成分の画素列毎に結像光学
系の受光面を独立して設けることが困難となるので、各
色成分の画素列に結像光学系の同一受光面を対向させる
方式が採られる。
【0031】この場合に、各色成分の光に対する感光材
料の発色率が相対的に最小を示す画素列の画素から発せ
られる光束が、結像光学系の同一受光面に対し張る立体
角を相対的に最大とした状態で焼付けを行えば、既に説
明したとおりの理由によって、全ての色成分の光につい
て、同種の光変調機構を採用しながら、タンデム露光方
式による画像焼付けを最も効率良く、かつ色ずれを防止
した高精度で行うことができる。
【0032】請求項3の発明に係る画像焼付け方法は、
上記の課題を解決するために、カラー画像を表示する複
数色成分の画素を、走査露光系の主走査方向に色成分毎
に配列し、各色成分の画素列の像を、走査露光系の副走
査方向に所定間隔を置いて、感光材料上に順次結像させ
る画像焼付け方法において、各画素列の画素から発せら
れる各光束が、結像光学系の同一受光面に対し張る立体
角を、各色成分の光に対する感光材料の発色率が小さい
ほど大きくなる状態で焼付けを行うことを特徴としてい
る。
【0033】上記の構成によれば、上記立体角を、各色
成分の光に対する感光材料の発色率が小さいほど大きく
なる状態とすれば、既に説明したとおり、単位時間あた
りに感光材料が受ける光照射量を、感光材料の発色率が
小さい色成分の光ほど大きくすることができるので、全
ての色成分の光について、同種の光変調機構を採用しな
がら、効率の良い画像焼付けを行うことができる。
【0034】請求項4の発明に係る画像焼付け方法は、
上記の課題を解決するために、請求項1ないし3のいず
れか1項に記載された複数色成分の画素は、赤色画素、
緑色画素および青色画素であり、赤色画素から発せられ
る光束が、上記受光面に対し張る立体角を相対的に最大
とした状態で焼付けを行うことを特徴としている。
【0035】上記の構成において、カラー画像の焼付け
は、通常、光の三原色、すなわち赤色光、緑色光、青色
光を用いて行われるものであり、感光材料の分光感度
は、一般に、青色光、緑色光、赤色光の順に小さくなっ
ている。また、光のエネルギー自体も、青色光、緑色
光、赤色光の順に小さい。
【0036】したがって、赤色光に対する感光材料の発
色率が最小となるので、赤色画素について、上記立体角
を相対的に最大とすることにより、単位時間あたりに感
光材料が受ける光照射量を、他の色成分の光より多くす
ることができ、効率の良い画像焼付けを行うことができ
る。
【0037】請求項5の発明に係る画像焼付け方法は、
上記の課題を解決するために、請求項1ないし3のいず
れか1項に記載された複数色成分の画素は、赤色画素、
緑色画素および青色画素であり、各画素列の画素から発
せられる各光束が、上記受光面に対し張る立体角を
θR 、θG 、θB とすると、 θR >θG ≧θB となる関係を満たす状態で焼付けを行うことを特徴とし
ている。
【0038】上記の構成によれば、3つの立体角θR
θG 、θB を、各色成分の光に対する感光材料の発色率
が小さい順に、θR >θG >θB という大小関係となる
ように設定すれば、感光材料の発色率が小さい色成分の
画素ほど、焼付け速度を速めることができる。したがっ
て、全ての色成分の光について、同種の光変調機構を採
用しながら、プリント能力を高めることができる。
【0039】また、赤色画素の立体角θR を相対的に大
きくすることによって、赤色光の焼付け速度が、発色率
の最も高い青色光の焼付け速度とほぼ等しくなる場合に
は、発色率が青色光より少し低い緑色光について、緑色
光の焼付け速度がプリント能力を支配してしまうことに
ならないように、立体角をθG >θB という関係に設定
することが必要になる。
【0040】しかし、赤色画素の立体角θR を相対的に
最大としてもなお、赤色光の焼付け速度が、他の色光よ
り遅い場合には、必ずしも立体角をθG >θB という関
係に設定しなくてもよい。すなわち、緑色光の焼付け速
度が、赤色光の焼付け速度より遅くならない範囲で、θ
G <θB という関係になってもよいし、θG =θB とい
う関係になってもよい。
【0041】請求項6の発明に係る露光ヘッドは、上記
の課題を解決するために、カラー画像を表示する複数色
成分の画素を色成分毎に配列した画像表示部と、各色成
分の画素列に対向配置された同一受光面を有し、各画素
列の像を感光材料上に結像させる結像光学系(例えば、
セルフォックレンズアレイ等)とを備え、各色成分の光
に対する感光材料の発色率が相対的に最小を示す画素列
の画素から発せられる光束が上記受光面に対し張る立体
角が、相対的に最大となるように、上記画像表示部に各
画素列を配置したことを特徴としている。
【0042】上記の構成によれば、既に説明したとおり
の理由によって、各色成分の画素列を同種の発光量変調
機構(例えばLEDアレイ)または透過光量変調機構
(例えば液晶シャッタアレイ等)で構成しながら、効率
の良い画像焼付けを行うことが可能な露光ヘッドを提供
することができる。
【0043】請求項7の発明に係る露光ヘッドは、上記
の課題を解決するために、カラー画像を表示する複数色
成分の画素を、走査露光系の主走査方向に色成分毎に配
列した画像表示部と、各色成分の画素列の像を、搬送さ
れる感光材料に対して、その搬送方向に所定間隔を置い
て順次結像させる結像光学系とを備えた露光ヘッドにお
いて、各色成分の光に対する感光材料の発色率が相対的
に最小を示す画素列の画素から発せられる光束が結像光
学系の同一受光面に対し張る立体角が、相対的に最大と
なるように、上記画像表示部に各画素列を配置したこと
を特徴としている。
【0044】上記の構成によれば、既に説明したとおり
の理由によって、全ての色成分の光について、同種の光
変調機構を採用しながら、タンデム露光方式による画像
焼付けを最も効率良く、かつ色ずれを防止した高精度で
行うことが可能な露光ヘッドを提供することができる。
【0045】請求項8の発明に係る露光ヘッドは、上記
の課題を解決するために、カラー画像を表示する複数色
成分の画素を、走査露光系の主走査方向に色成分毎に配
列した画像表示部と、各色成分の画素列の像を、搬送さ
れる感光材料に対して、その搬送方向に所定間隔を置い
て順次結像させる結像光学系とを備えた露光ヘッドにお
いて、各画素列の画素から発せられる各光束が結像光学
系の同一受光面に対し張る立体角が、各色成分の光に対
する感光材料の発色率が小さいほど大きくなるように、
上記画像表示部に各画素列を配置したことを特徴として
いる。
【0046】上記の構成によれば、既に説明したとおり
の理由によって、全ての色成分の光について、同種の光
変調機構を採用しながら、タンデム露光方式による画像
焼付けを最も効率良く、かつ色ずれを防止した高精度で
行うことが可能な露光ヘッドを提供することができる。
【0047】請求項9の発明に係る露光ヘッドは、上記
の課題を解決するために、請求項6ないし8のいずれか
1項に記載の複数色成分の画素は、赤色画素、緑色画素
および青色画素であり、各色成分の光に対する感光材料
の発色率が相対的に最小を示す赤色画素列を、上記画像
表示部の中央に配置し、その両側に緑色画素列および青
色画素列を配置したことを特徴としている。
【0048】上記の構成によれば、画像表示部と結像光
学系の同一受光面とを対向させた場合に、画像表示部の
中央に配置した画素列の画素から発せられる光束が上記
受光面に対し張る立体角は、画像表示部の中央から端部
寄りに配置した画素列の立体角より大きくすることがで
きる。これは、画像表示部上の画素の位置が、中央から
端部に近づくほど、有限面積の受光面から外へ外れる光
束が増大するからである。
【0049】したがって、感光材料の発色率が相対的に
最小を示す赤色画素列を、上記画像表示部の中央に配置
することによって、赤色画素から発せられる光束によっ
て、単位時間あたりに感光材料が受ける光照射量を、他
の色成分の光より多くすることができるので、効率の良
い画像焼付けを行うことが可能な露光ヘッドを提供する
ことができる。
【0050】請求項10の発明に係る露光ヘッドは、上
記の課題を解決するために、請求項6ないし8のいずれ
か1項に記載の複数色成分の画素は、赤色画素、緑色画
素および青色画素であり、各画素列の画素から発せられ
る各光束が、上記受光面に対し張る立体角をθR
θG 、θB とすると、 θR >θG ≧θB となる関係が満たされるように、上記画像表示部に赤色
画素列、緑色画素列および青色画素列を配置したことを
特徴としている。
【0051】上記の構成によれば、請求項5の発明と同
様の作用によって、全ての色成分の光について、同種の
光変調機構を採用しながら、プリント能力を高めること
が可能な露光ヘッドを提供することができる。
【0052】請求項11の発明に係る画像焼付け装置
は、上記の課題を解決するために、請求項6ないし10
のいずれか1項に記載の露光ヘッドを備えたことを特徴
としている。
【0053】上記の構成によれば、本発明に係る画像焼
付け装置は、全ての色成分の光について、同種の光変調
機構を採用しながら、プリント能力を高めることが可能
な露光ヘッドを備えているので、異種の光変調機構を備
えた場合のように、別種の駆動回路を設ける必要が無
い。したがって、プリント能力の高い画像焼付け装置を
低コストで提供することができる。
【0054】また、全ての色成分の光について、同種の
光変調機構を採用する結果、色成分によって露光ヘッド
の寿命やメンテナンスが変わらないので、操作しやすい
画像焼付け装置を提供することができる。
【0055】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態について図
1ないし図7に基づいて説明すれば、以下のとおりであ
る。
【0056】図4は、本発明の実施の形態に係る画像焼
付け装置の外観を示す斜視図である。この画像焼付け装
置は、焼付け部1と、現像処理部2と、乾燥部3とを備
えた構成となっている。
【0057】焼付け部1の役割は、ペーパーマガジン4
から搬送される感光材料としての印画紙に対して、デジ
タル画像データに基づいて光量を変調した光を照射する
ことにより露光を行うことである。該デジタル画像デー
タは、外部コンピュータから入力されてもよいし、ある
いは内部スキャナでネガフィルムの画像を読み取って得
ることもできる。
【0058】現像処理部2の役割は、焼付け部1におい
て露光が行われた印画紙を、現像処理液を吹きつけなが
ら、あるいは現像処理液に浸しながら搬送することによ
って、現像処理を行うことである。乾燥部3の役割は、
現像処理部2において現像処理がなされた印画紙を乾燥
させることによって、プリントの仕上げ処理を行うこと
である。
【0059】このように、本実施形態に係る画像焼付け
装置は、印画紙の露光、現像処理、乾燥処理を一元管理
の下に連続して行う構成となっている。よって、使用者
に操作上の負担をかけることなしに、多量の画像を連続
的にプリントすることが可能となっている。
【0060】焼付け部1の外部には、光源部5、導光部
6、および露光ヘッド7が設けられている。なお、露光
ヘッド7の構成については、後で詳細に説明するが、光
源部5および導光部6は、PLZTや液晶等の透過光量
変調素子をアレイ状に配置した光変調器を備える露光ヘ
ッド7と組み合わせる場合に必要となる。したがって、
そのような光変調器の代わりに、VFDやLEDのよう
な発光光量変調素子を露光ヘッド7にアレイ状に設ける
場合には、光源部5および導光部6は不要となる。な
お、自己発光型の発光光量変調器として、VFDアレイ
やLEDアレイの他に、CRT(Cathode Ray Tube; 陰
極線管)を用いることもできる。
【0061】なお、上記PLZTは、ジルコン酸鉛(P
bZrO3 )とチタン酸鉛(PbTiO3 )とを適当な
比率で固溶体としたもの(PZT)に、ランタンを添加
してホットプレスして得られる(Pb1-x Lax )(Z
y Ti1-y 1-x/4 3 系固溶体である。PLZT
は、液晶と同様に偏光板と組み合わせ、電圧を印加する
ことによって、光の透過光量を制御することができる。
【0062】上記光源部5は、図1に示すように、例え
ばハロゲンランプなどの拡散光源から構成されるランプ
部8、およびランプ部8から出射した光を導光部6が配
置されている方向に反射させるリフレクタ9、ランプ部
8およびリフレクタ9を所定位置に支持するとともに、
ランプ部8に電力を供給するための図示しないソケット
部などから構成されている。ランプ部8から発せられる
光は、青色、緑色、赤色の各色成分の光を全て含んだ白
色光である。
【0063】ただし、印画紙において、赤色光に対する
感度が他の色光に比べて低いことを補うために、ランプ
部8は、やや赤みがかった白色光を発光するものであっ
てもよい。また、ランプ部8から出射される光の光路に
対して、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン
(C)の各色のフィルタを設け、減色方式によって調光
を行う調光フィルタを用いて、赤みがかった白色光を作
る構成を採用してもよい。
【0064】導光部6(図4参照)は、光源部5からの
光を露光ヘッド7に導くものであり、ミラートンネルを
備えていることが好ましい。ミラートンネルは、例え
ば、内周面に光反射面が形成された筒状のミラートンネ
ル本体と、ミラートンネル本体における光入射側および
光出射側の両開口部に設けられた拡散板とを備えてい
る。ミラートンネルに入射した光は、光入射側の拡散板
によって拡散されてミラートンネル本体の内部に進入す
る。そして、進入した光は、ミラートンネル本体内部の
光反射面によって反射・拡散を繰り返し、光出射側の拡
散板において再度拡散される。このミラートンネルによ
って、光源が有する光源むらを除去し、空間的な光量分
布の均一な光を露光ヘッド7に入射させることができ
る。
【0065】次に、露光ヘッド7の構成を説明する。図
2に示すように、露光ヘッド7は、PLZTシャッタア
レイや液晶シャッタアレイ等の透過光量変調型、あるい
はVFDアレイ、LEDアレイ、CRT等の自己発光型
の光変調器10(画像表示部)と、光変調器10から印
画紙11側に出射される画像光を印画紙11上に結像さ
せるセルフォックレンズ(登録商標)アレイのような結
像レンズアレイ12(結像光学系)とを備えている。
【0066】光変調器10は、図1に示すように、カラ
ー画像を表示するための色成分に依らず、同種の光変調
機構を備えている。これにより、光変調機構の駆動回路
を共通化することができ、異種の光変調機構を設けた場
合のように、別々の駆動回路を備える必要が無いので、
画像焼付け装置のコストを下げることができる。また、
光変調機構が同種であれば、同時期に同内容のメンテナ
ンスが可能となり、メンテナンスの簡素化を図ることが
できる。
【0067】例えば、光変調器10は、カラーフィルタ
付き液晶シャッタアレイで構成された、赤色光の透過光
量を変調する赤色光変調部10R、緑色光の透過光量を
変調する緑色光変調部10Gおよび青色光の透過光量を
変調する青色光変調部10Bを備えている。各変調部1
0R・10G・10Bには、液晶シャッタが、例えば3
00dpiの画素密度で、印画紙11の搬送方向(副走
査方向)A(図1および図2参照)に直交する主走査方
向に各々ライン状に配列されている。
【0068】さらに、赤色光変調部10Rは、光変調器
10における主走査方向に平行な中央ライン上に配置さ
れている。これに対し、青色光変調部10Bは、赤色光
変調部10Rに対して搬送方向Aの上流側に並設され、
緑色光変調部10Gは、赤色光変調部10Rに対して搬
送方向Aの下流側に並設されている。
【0069】これにより、青色光変調部10Bの画素か
ら発せられる光束は、結像レンズアレイ12を通り、図
1に示すように、搬送方向Aの上流側において印画紙1
1上に集光され、青色光変調部10Bの画素がライン状
に結像される。同様に、赤色光変調部10Rの画素およ
び緑色光変調部10Gの画素が、搬送方向Aの下流側に
おける互いに異なる位置において、印画紙11上に順番
にライン状に結像される。
【0070】このように、青色光変調部10B、赤色光
変調部10R、緑色光変調部10Gを副走査方向にずら
して配置し、印画紙11に対する青色光、赤色光、緑色
光の各露光タイミングをずらす、いわゆるタンデム露光
方式では、各色光間の露光間隔を縮める方が、各色光の
露光位置を一点、あるいは一線上に合一させやすくな
る。このため、タンデム露光方式では、ドットずれ(色
ずれ)の発生を抑える観点から、青色光変調部10B、
赤色光変調部10R、緑色光変調部10Gの副走査方向
における互いの配設ピッチを縮めることが望ましいこと
になる。
【0071】しかしながら、各色光間の露光間隔を数m
m以下のレベルに縮めようとすると、結像レンズアレイ
12を、各変調部10R・10G・10B毎に独立に設
けることが困難になる。したがって、各変調部10R・
10G・10Bに対して1基の結像レンズアレイ12を
配置する構成を採用することにした。
【0072】しかも、結像レンズアレイ12の搬送方向
Aに沿う幅は、製造上およびコスト上の制約から、望む
だけ広くすることは不可能であって、図2に示すよう
に、セルフォックレンズ13の数列程度(図2では4
列)をアレイ状に配置する構成とするのが、製造的にも
コスト的にも現実的である。
【0073】本発明は、各変調部10R・10G・10
Bに対して、搬送方向Aに沿う幅に制限の有る1基の結
像レンズアレイ12を配置する構成を採用し、各変調部
10R・10G・10Bと結像レンズアレイ12の受光
面12a(同一受光面)との配置関係を工夫したもので
ある。その工夫点を以下に説明する。
【0074】図1に示すように、赤色光変調部10Rの
画素から発せられる光束が、受光面12aに対し張る立
体角をθR 、青色光変調部10Bの画素から発せられる
光束が、該受光面12aに対し張る立体角をθB 、緑色
光変調部10Gの画素から発せられる光束が、該受光面
12aに対し張る立体角をθG とする。
【0075】すると、本発明において最も重要な構成上
の特徴として、光変調器10において、θR が、3つの
立体角の中で最大値となるように、該受光面12aに対
する各変調部10R・10G・10Bの配設位置が定め
られている。
【0076】さらに、好ましくは、 θR >θG >θB ・・・(1) となる大小関係を満たすように、該受光面12aに対す
る各変調部10R・10G・10Bの配設位置が定めら
れている。例えば、図3では、上記(1)式の関係を満
たすように、緑色光変調部10Gの配設位置を、青色光
変調部10Bと比べて赤色光変調部10R寄りに配置、
言い換えれば、青色光変調部10Bを緑色光変調部10
Gと比べて赤色光変調部10Rから、光変調器10の端
部側へ遠ざけるように配置する。
【0077】上記(1)式にて示す立体角の順番は、各
色成分の光に対する印画紙11の発色率または分光感度
の低い順番に一致させている。すなわち、各色成分の光
に対する印画紙11の発色率または分光感度の大小順序
は、図9に基づいて既に説明したように、低い方から、
赤色光、緑色光、青色光の順なので、この色光の順番に
上記(1)式にて示す立体角の順番を一致させている。
【0078】なお、上記発色率は、単位時間あたりに感
光材料に照射される光エネルギー量と、感光材料の分光
感度とに依存する。すなわち、発色率が高い場合とは、
画素から発せられる光束による感光材料への光照射が多
い場合、および/または当該光束に対する感光材料の分
光感度が高い場合であり、発色率が低い場合とは、これ
らと逆の場合である。
【0079】立体角を上記(1)式のように設定する
と、受光面12aの受光量は、赤色光に対して最大とな
り、青色光に対して最小となる。このことは、図3から
明らかである。すなわち、立体角θB ・θG の上に立体
角θR を重ねると、青色光変調部10Bには、(θR
θB )に対応する非受光領域P(斜線部)が生じる一
方、緑色光変調部10Gには、(θR −θG )に対応す
る非受光領域Q(斜線部)が生じる。すると、 (θR −θB )>(θR −θG ) となる。この関係は、青色光変調部10Bの画素が発す
る光量の内、結像レンズアレイ12に入射できない光量
が、緑色光変調部10Gにおいて入射できない光量より
多いことを意味している。
【0080】このように、赤色光変調部10Rを光変調
器10における主走査方向に平行な中央ライン上に配置
することによって、三色光の中で赤色光について、結像
レンズアレイ12の受光量を最大にすることができるの
で、印画紙11の分光感度の低さを補うことができ、赤
色光変調部10Rの露光時間を短縮することができる。
【0081】また、このような立体角の設定によって、
赤色光変調部10Rの露光時間を、青色光変調部10B
の露光時間にほぼ等しくすることができる場合には、緑
色光変調部10Gの露光時間も青色光変調部10Bの露
光時間にほぼ等しくなるように、各立体角は、上記
(1)式にて示す関係を満たすことが好ましい。これに
より、緑色光に対する印画紙11の分光感度が、青色光
の場合より少し低い点を補うことができる。
【0082】その一方で、赤色光変調部10Rを光変調
器10の中央位置に配置してもなお、赤色光変調部10
Rの露光時間が青色光変調部10Bおよび緑色光変調部
10Gの露光時間より長くなる場合には、赤色光変調部
10Rの露光時間がプリント速度を決定することになる
ため、立体角が、 θR >θG =θB ・・・(2) となる関係となってもよい。
【0083】さらに、緑色光変調部10Gの露光時間
が、赤色光変調部10Rの露光時間より長くならない範
囲で、θG <θB という関係になってもよい。
【0084】ここで、結像レンズアレイ12を構成する
セルフォックレンズ13について付言しておく。
【0085】セルフォックレンズ13は、円柱形状から
なる中実のレンズであり、円柱の軸方向に垂直な断面に
おいて、中心部へいくほど屈折率が大きくなっている。
このようなセルフォックレンズ13の一方の端面から光
が入射すると、図5中における1点鎖線のように、一定
の周期をもって蛇行しながらセルフォックレンズ13内
を進む。
【0086】図5(a)および(b)は、2本のセルフ
ォックレンズ13・13が隣接並置されている場合の結
像光束の状態を示す説明図である。これらの図に示すよ
うに、光出射面のある1点から出射した光は、結像面に
おいてもある1点に集束するとともに、その位置も変化
していないことを特徴としている。すなわち、光の出射
点とセルフォックレンズ13との相対位置に影響される
ことなく、光の出射点の位置と結像点の位置とが、正立
像として1対1で対応することになる。
【0087】また、図5(a)および(b)において、
光出射面の左側、および結像面の右側に、それぞれの光
の出射点および結像点における主となる光の方向(代表
光)を矢印で示している。さらに、光出射面には、画素
の大きさを仮想的に示している。この画素における上側
のエッジおよび下側のエッジから出射される光は、それ
ぞれ異なる方向となる代表光からなっている。
【0088】上記のような結像が可能な光学系であれ
ば、結像レンズアレイ12は、セルフォックレンズアレ
イに限定されるものではなく、他のマイクロレンズアレ
イを採用することができる。
【0089】なお、ここまでの説明では、各変調部10
R・10G・10Bを、同種の光変調機構として、カラ
ーフィルタ付き液晶シャッタアレイで構成していたが、
前述したように、VFDアレイ、LEDアレイ、CRT
等の自己発光型光源から選択した光変調器で構成しても
よい。自己発光型の光変調器を用いる場合には、図1に
おいて、露光ヘッド7の構成自体を変えることなく、ラ
ンプ部8およびリフレクタ9を省略すればよい。
【0090】また、各変調部10R・10G・10Bを
反射型光変調器としてのDMD(登録商標;Digital Mi
cro-mirror Device )で構成してもよい。この場合に
は、赤色光、緑色光、青色光を分離生成し得る光源を、
各変調部10R・10G・10Bを結像レンズアレイ1
2側から光照射することができる位置に配置する。
【0091】DMDは、1つの画素として1枚の微小ミ
ラーを有し、微小ミラーの反射面を電圧のON・OFF
に応じて回動させることにより、結像レンズアレイ12
の受光面12aに対する導光をスイッチングするデバイ
スである。階調表現は、例えば電圧のON時間を画素毎
に制御することによって、受光面12aに対する導光時
間を変えることで行われる。
【0092】次に、本発明の他の構成例として、結像レ
ンズアレイ12の代わりにRMLA(登録商標/RMLA;R
oof Mirror Lens Array 、株式会社リコー)を用いた場
合について図6および図7を参照して説明する。
【0093】RMLAは、図6に示すように、光路分離
ミラー14、高密度レンズアレイ15および高密度ルー
フミラーアレイ16で構成されている。光路分離ミラー
14は、その上方に位置する画像表示部17から放射さ
れる画像光をほぼ直角に反射し、その反射光の進行方向
に配された高密度レンズアレイ15に反射光を入射させ
る第1反射面(結像光学系の同一受光面)と、鋸歯状の
反射面を持ち、高密度レンズアレイ15に隣り合わせに
配された高密度ルーフミラーアレイ16によって折り返
され、再び光路分離ミラー14に戻って来る戻り光を、
画像表示部17の対向位置にほぼ直角に反射して像18
として結像させる第2反射面とを備えている。
【0094】このような構成のRMLAを用いることに
より、画像表示部17と像18との間の物像間距離を短
縮し、露光ヘッド7の薄型化を図ることができる。
【0095】この場合にも、図7に示すとおり、光路分
離ミラー14の第1反射面14aに対して赤色光変調部
10Rの画素から発せられる光束が張る立体角φR 、青
色光変調部10Bの画素から発せられる光束が張る立体
角φB 、緑色光変調部10Gの画素から発せられる光束
が張る立体角φG について、 φR >φG ≧φB となる関係が成り立つように、光変調器19における各
変調部10R・10G・10Bの配置を決定すればよ
い。
【0096】第1反射面14aにおける受光量の大小に
は、図3に基づいて受光面12aの受光量を説明したの
と全く同様の理由があてはまる。したがって、赤色光変
調部10Rを光変調器19における主走査方向に平行な
中央ライン上に配置することによって、三色光の中で赤
色光について、第1反射面14aの受光量を最大にする
ことができるので、印画紙11の分光感度の低さを補う
ことができ、赤色光変調部10Rの露光時間を短縮し、
効率の良いカラー画像の焼付けを行うことができる。
【0097】
【発明の効果】請求項1の発明に係る画像焼付け方法
は、以上のように、カラー画像を表示する複数色成分の
画素を色成分毎に配列した画素列を、結像光学系の同一
受光面に対向配置し、各色成分の光に対する感光材料の
発色率が相対的に最小を示す画素列の画素から発せられ
る光束が、上記受光面に対し張る立体角を相対的に最大
とした状態で、各画素列の像を結像光学系を介して感光
材料上に結像させるものである。
【0098】それゆえ、感光材料の発色率が相対的に最
小となる色成分の光が、単位時間あたりに感光材料が受
ける光照射量を、他の色成分の光より多くすることがで
きる。これにより、感光材料の発色率が相対的に最小と
なる色成分の光の発光量または透過光量の変調機構を、
それ以外の色成分の光の変調機構と異種のものとするこ
となく、全ての色成分の光について、同種の光変調機構
を採用しながら、効率の良い画像焼付けを行うことがで
きるという効果を奏する。
【0099】上記の方法は、請求項2の発明に係る画像
焼付け方法のように、カラー画像を表示する複数色成分
の画素を、走査露光系の主走査方向に色成分毎に配列
し、各色成分の画素列の像を、走査露光系の副走査方向
に所定間隔を置いて、感光材料上に順次結像させる、い
わゆるタンデム露光方式による画像焼付け方法にも適用
することができる。
【0100】それゆえ、各色成分の画素列同士の間隔を
狭め、副走査方向の像間距離を縮めることによって、色
ずれを防止した高画質の焼付けを行う場合に、特に効率
を良くすることができるという効果を奏する。
【0101】また、上記の方法は、請求項3の発明に係
る画像焼付け方法のように、各画素列の画素から発せら
れる各光束が、結像光学系の同一受光面に対し張る立体
角を、各色成分の光に対する感光材料の発色率が小さい
ほど大きくなる状態で焼付ける方式で実施してもよい。
【0102】さらに、上記の方法は、請求項4の発明に
係る画像焼付け方法のように、上記複数色成分の画素
を、赤色画素、緑色画素および青色画素とし、赤色画素
から発せられる光束が、上記受光面に対し張る立体角を
相対的に最大とした状態で焼付けを行う方式で実施して
もよい。
【0103】さらに、上記の方法は、請求項5の発明に
係る画像焼付け方法のように、上記複数色成分の画素
を、赤色画素、緑色画素および青色画素とし、各画素列
の画素から発せられる各光束が、上記受光面に対し張る
立体角をθR 、θG 、θB とすると、 θR >θG ≧θB となる関係を満たす状態で焼付けを行う方式で実施して
もよい。
【0104】請求項6の発明に係る露光ヘッドは、以上
のように、カラー画像を表示する複数色成分の画素を色
成分毎に配列した画像表示部と、各色成分の画素列に対
向配置された同一受光面を有し、各画素列の像を感光材
料上に結像させる結像光学系とを備え、各色成分の光に
対する感光材料の発色率が相対的に最小を示す画素列の
画素から発せられる光束が上記受光面に対し張る立体角
が、相対的に最大となるように、上記画像表示部に各画
素列を配置した構成である。
【0105】上記の方法の実施に好適な、効率の良い画
像焼付けを行うことが可能な露光ヘッドを提供すること
ができるという効果を奏する。
【0106】上記構成の露光ヘッドは、請求項7の発明
に係る露光ヘッドのように、カラー画像を表示する複数
色成分の画素を、走査露光系の主走査方向に色成分毎に
配列した画像表示部と、各色成分の画素列の像を、搬送
される感光材料に対して、その搬送方向に所定間隔を置
いて順次結像させる結像光学系とを備えた、いわゆるタ
ンデム露光方式の露光ヘッドに適用することができる。
【0107】この場合、各色成分の画素列同士の間隔を
狭め、副走査方向の像間距離を縮めることによって、色
ずれを防止した高画質の焼付けを行う場合に、特に効率
を良くすることが可能な露光ヘッドを提供できるという
効果を奏する。
【0108】上記構成の露光ヘッドは、請求項8の発明
に係る露光ヘッドのように、各画素列の画素から発せら
れる各光束が結像光学系の同一受光面に対し張る立体角
が、各色成分の光に対する感光材料の発色率が小さいほ
ど大きくなるように、上記画像表示部に各画素列を配置
した構成としてもよい。
【0109】また、上記構成の露光ヘッドは、請求項9
の発明に係る露光ヘッドのように、上記複数色成分の画
素を、赤色画素、緑色画素および青色画素とし、各色成
分の光に対する感光材料の発色率が相対的に最小を示す
赤色画素列を、上記画像表示部の中央に配置し、その両
側に緑色画素列および青色画素列を配置した構成として
もよい。
【0110】それゆえ、赤色画素から発せられる光束に
よって、単位時間あたりに感光材料が受ける光照射量
を、他の色成分の光より多くすることができるので、効
率の良い画像焼付けを行うことが可能な露光ヘッドを提
供することができるという効果を奏する。
【0111】さらに、上記構成の露光ヘッドは、請求項
10の発明に係る露光ヘッドのように、上記複数色成分
の画素を、赤色画素、緑色画素および青色画素とし、各
画素列の画素から発せられる各光束が、上記受光面に対
し張る立体角をθR 、θG 、θB とすると、 θR >θG ≧θB となる関係が満たされるように、上記画像表示部に赤色
画素列、緑色画素列および青色画素列を配置した構成と
してもよい。
【0112】請求項11の発明に係る画像焼付け装置
は、以上のように、請求項6ないし10のいずれか1項
に記載の露光ヘッドを備えた構成である。
【0113】それゆえ、本発明に係る画像焼付け装置
は、全ての色成分の光について、同種の光変調機構を採
用しながら、プリント能力を高めることが可能な露光ヘ
ッドを備えているので、異種の光変調機構を備えた場合
のように、別種の駆動回路を設ける必要が無い。したが
って、プリント能力の高い画像焼付け装置を低コストで
提供することができる。
【0114】また、全ての色成分の光について、同種の
光変調機構を採用する結果、色成分によって露光ヘッド
の寿命やメンテナンスが変わらないので、操作しやすい
画像焼付け装置を提供することができるという効果を奏
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る露光ヘッドの構成例を側面から見
て概観的に示す説明図である。
【図2】図1に示す露光ヘッドを模式的に示す斜視図で
ある。
【図3】図1に示す露光ヘッドにおいて、各色成分の画
素から発せられる光束が結像光学系の受光面に対して張
る立体角の大小関係を示す説明図である。
【図4】図1に示す露光ヘッドを備えた画像焼付け装置
の外観を示す斜視図である。
【図5】(a)(b)は、図1に示す露光ヘッドが備え
るセルフォックレンズの光学作用を示す説明図である。
【図6】本発明に係る露光ヘッドの他の構成例を模式的
に示す斜視図である。
【図7】図6に示す露光ヘッドにおいて、各色成分の画
素から発せられる光束が結像光学系の受光面に対して張
る立体角の大小関係を示す説明図である。
【図8】従来の画像焼付け装置の構成を模式的に示す説
明図である。
【図9】一般的な感光材料の分光感度曲線を示す説明図
である。
【図10】図9に示す分光感度を持つ感光材料の感光特
性を、濃度と露光量の対数との関係で示す説明図であ
る。
【符号の説明】
7 露光ヘッド 10 光変調器(画像表示部) 10R 赤色光変調部(画素列、赤色画素列) 10G 緑色光変調部(画素列、緑色画素列) 10B 青色光変調部(画素列、青色画素列) 11 印画紙(感光材料) 12a 受光面(同一受光面) 12 結像レンズアレイ(結像光学系) 14 光路分離ミラー(結像光学系) 14a 第1反射面(同一受光面) 15 高密度レンズアレイ(結像光学系) 16 高密度ルーフミラーアレイ(結像光学系) θR 立体角 θG 立体角 θB 立体角 φR 立体角 φG 立体角 φB 立体角

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カラー画像を表示する複数色成分の画素を
    色成分毎に配列した画素列を、結像光学系の同一受光面
    に対向配置し、各色成分の光に対する感光材料の発色率
    が相対的に最小を示す画素列の画素から発せられる光束
    が、上記受光面に対し張る立体角を相対的に最大とした
    状態で、各画素列の像を結像光学系を介して感光材料上
    に結像させることを特徴とする画像焼付け方法。
  2. 【請求項2】カラー画像を表示する複数色成分の画素
    を、走査露光系の主走査方向に色成分毎に配列し、各色
    成分の画素列の像を、走査露光系の副走査方向に所定間
    隔を置いて、感光材料上に順次結像させる画像焼付け方
    法において、 各色成分の光に対する感光材料の発色率が相対的に最小
    を示す画素列の画素から発せられる光束が、結像光学系
    の同一受光面に対し張る立体角を相対的に最大とした状
    態で焼付けを行うことを特徴とする画像焼付け方法。
  3. 【請求項3】カラー画像を表示する複数色成分の画素
    を、走査露光系の主走査方向に色成分毎に配列し、各色
    成分の画素列の像を、走査露光系の副走査方向に所定間
    隔を置いて、感光材料上に順次結像させる画像焼付け方
    法において、 各画素列の画素から発せられる各光束が、結像光学系の
    同一受光面に対し張る立体角を、各色成分の光に対する
    感光材料の発色率が小さいほど大きくなる状態で焼付け
    を行うことを特徴とする画像焼付け方法。
  4. 【請求項4】上記複数色成分の画素は、赤色画素、緑色
    画素および青色画素であり、赤色画素から発せられる光
    束が、上記受光面に対し張る立体角を相対的に最大とし
    た状態で焼付けを行うことを特徴とする請求項1ないし
    3のいずれか1項に記載の画像焼付け方法。
  5. 【請求項5】上記複数色成分の画素は、赤色画素、緑色
    画素および青色画素であり、各画素列の画素から発せら
    れる各光束が、上記受光面に対し張る立体角をθR 、θ
    G 、θB とすると、 θR >θG ≧θB となる関係を満たす状態で焼付けを行うことを特徴とす
    る請求項1ないし3のいずれか1項に記載の画像焼付け
    方法。
  6. 【請求項6】カラー画像を表示する複数色成分の画素を
    色成分毎に配列した画像表示部と、 各色成分の画素列に対向配置された同一受光面を有し、
    各画素列の像を感光材料上に結像させる結像光学系とを
    備え、 各色成分の光に対する感光材料の発色率が相対的に最小
    を示す画素列の画素から発せられる光束が上記受光面に
    対し張る立体角が、相対的に最大となるように、上記画
    像表示部に各画素列を配置したことを特徴とする露光ヘ
    ッド。
  7. 【請求項7】カラー画像を表示する複数色成分の画素
    を、走査露光系の主走査方向に色成分毎に配列した画像
    表示部と、各色成分の画素列の像を、搬送される感光材
    料に対して、その搬送方向に所定間隔を置いて順次結像
    させる結像光学系とを備えた露光ヘッドにおいて、 各色成分の光に対する感光材料の発色率が相対的に最小
    を示す画素列の画素から発せられる光束が結像光学系の
    同一受光面に対し張る立体角が、相対的に最大となるよ
    うに、上記画像表示部に各画素列を配置したことを特徴
    とする露光ヘッド。
  8. 【請求項8】カラー画像を表示する複数色成分の画素
    を、走査露光系の主走査方向に色成分毎に配列した画像
    表示部と、各色成分の画素列の像を、搬送される感光材
    料に対して、その搬送方向に所定間隔を置いて順次結像
    させる結像光学系とを備えた露光ヘッドにおいて、 各画素列の画素から発せられる各光束が結像光学系の同
    一受光面に対し張る立体角が、各色成分の光に対する感
    光材料の発色率が小さいほど大きくなるように、上記画
    像表示部に各画素列を配置したことを特徴とする露光ヘ
    ッド。
  9. 【請求項9】上記複数色成分の画素は、赤色画素、緑色
    画素および青色画素であり、各色成分の光に対する感光
    材料の発色率が相対的に最小を示す赤色画素列を、上記
    画像表示部の中央に配置し、その両側に緑色画素列およ
    び青色画素列を配置したことを特徴とする請求項6ない
    し8のいずれか1項に記載の露光ヘッド。
  10. 【請求項10】上記複数色成分の画素は、赤色画素、緑
    色画素および青色画素であり、各画素列の画素から発せ
    られる各光束が、上記受光面に対し張る立体角をθR
    θG 、θB とすると、 θR >θG ≧θB となる関係が満たされるように、上記画像表示部に赤色
    画素列、緑色画素列および青色画素列を配置したことを
    特徴とする請求項6ないし8のいずれか1項に記載の露
    光ヘッド。
  11. 【請求項11】請求項6ないし10のいずれか1項に記
    載の露光ヘッドを備えたことを特徴とする画像焼付け装
    置。
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