JP2001004544A - ラマン分光装置 - Google Patents

ラマン分光装置

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JP2001004544A
JP2001004544A JP17082599A JP17082599A JP2001004544A JP 2001004544 A JP2001004544 A JP 2001004544A JP 17082599 A JP17082599 A JP 17082599A JP 17082599 A JP17082599 A JP 17082599A JP 2001004544 A JP2001004544 A JP 2001004544A
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Hiroshi Yamaguchi
博 山口
Hiroaki Shidara
広明 設楽
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のラマン分光装置では困難であった数十
乃至数百μmオーダーの中間領域の測定対象物に対し、
従来装置よりも高感度で測定できるラマン分光装置を提
供する。 【解決手段】 測定試料3aの側面にレ−ザ光が入射さ
れ、前記入射方向に対して垂直方向に散乱する光を集光
する集光光学系を備えると共に、前記集光光学系が測定
試料からの出射光路上に配置された複数の集光手段3
b、3cからなり、かつ前記複数の集光手段の一つ3b
が測定試料3aに近接して配置されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ラマン分光装置に
関し、特に部品、材料中の微小部分の成分、構造の分析
に好適に使用できるラマン分光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ラマン分光装置は、単色光を測定物質に
照射し、測定物質からのラマン散乱光を分光測定して物
質の成分、構造等を知るために用いられる光学機器であ
る。近年、この装置に使用される検出器等の機器が高性
能になり、また光源としてレーザ光が採用されるに至
り、その検出感度、分解能等が飛躍的に向上している。
そのため、最近では、例えば半導体ウエハ上の微小異物
の同定、ガラス、セラミックスあるいは炭素材料の結晶
構造の同定や結晶性の評価、有機物の同定等、種々の分
野で広く用いられるようになっている。このラマン分光
装置は、通常、レーザ光源、試料室、集光光学系、分光
器、検出器で構成されている。
【0003】一般に、ラマン分光装置は試料室として、
測定対象物の大きさに応じたマクロ試料室とミクロ試料
室の2室を備え、前者は数百μm乃至mmオーダーの大
きさの測定領域を対象とし、後者はμmオーダーの領域
の測定を対象としている。前記マクロ試料室用の集光光
学系には、通常、カメラレンズのようなマクロ集光手段
を用い、ミクロ試料室用の集光光学系には、通常、顕微
鏡に用いられるようなレンズが用いられている。また検
出器としては、光電子増倍管やフォトダイオードアレイ
等のセンサーが用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のラマ
ン分光装置におけるマクロ試料室は、数百μm乃至mm
オーダの大きさの測定領域を対象とし、ミクロ試料室は
μmオーダの大きさの測定領域を対象としている。その
ため、測定領域が数十乃至数百μmオーダの大きさの場
合には、ミクロ試料室、あるいはマクロ試料室のいずれ
かにおいて測定することになるが、いずれの場合にも正
確な測定を行うことができなかった。
【0005】即ち、従来のラマン分光装置を用いて、試
料中の微小部分を測定分析する場合、集光光学系に顕微
鏡に用いられるレンズを用いるミクロ測定室で測定する
のが一般的である。このミクロ測定室での測定は、レー
ザ光を試料に垂直に入射させ、その入射光路上に出射さ
れたラマン散乱光を集光、検出することによって行われ
る。したがって、測定試料に対して、レーザ光が斜めか
ら入射する場合、あるいは測定試料の側面から入射する
場合には、正確な測定ができない。そのため、測定試料
によっては、このラマン分光装置による測定方法を適用
できない場合があった。
【0006】また、ミクロ試料室を用いるミクロ光学系
では、レーザ光を1μmまで絞り込むことができるが、
このミクロ光学系では測定試料の上からレーザ光を照射
(入射)し、照射(入射)方向と反対方向に帰ってくる
ラマン散乱光を検出するため、気泡上下のガラス材から
のバックグラウンドレベルが高く、検出感度が低いとい
う問題があった。
【0007】そのため、例えばガラス中に内包された数
十乃至数百μmの大きさの気泡中のガス成分を分析する
場合、一般的に測定試料をマクロ試料室において測定し
ている。マクロ試料室においては、前記バックグラウン
ドを抑制するために、照射方向に対し垂直に散乱する光
を集光するいわゆる「90°散乱法」による測定が行わ
れる。即ち、このマクロ試料室での測定は、レーザ光を
測定試料の側面から入射させ、前記入射方向に対し垂直
に散乱する光を集光、検知するものである。このマクロ
試料室における測定によれば、ミクロ試料室の場合に比
べバックグラウンドを抑制する効果は認められるもの
の、完全に除去することは困難であった。
【0008】また、測定試料へレーザ光を照射し、気泡
内のガス成分から発せられるラマン散乱光をマクロ光学
系で検出する際、散乱光が気泡の内面で屈折されて発散
する。即ち、試料ガラスの気泡内面自体が凹レンズ面と
なることにより散乱光が発散するため、集光効率が低下
して、正確な測定分析ができないという課題があった。
また、気泡外のガラス部分からのバックグラウンドの妨
害により、検出感度が低下し、正確な測定分析ができな
いという課題があった。
【0009】一方、バックグラウンド除去を解決する方
法として、光学系の途中に絞りを置き、気泡周辺からの
光をカットする方法もあるが、この方法では、絞りの光
学系内における設置位置を厳密に調整しなければなら
ず、また絞り径を気泡の大きさに合わせて変えなければ
ならず、実用上好ましいものでない。
【0010】本発明は、カメラレンズ等のマクロ光学系
で集光するマクロ試料室での測定では、数百μmより小
さい微小部分の測定が困難であるという課題、及び測定
すべき対象物が微量成分の場合には、マクロ光学系を用
いても充分な感度が得られず、正確な測定ができないと
いう課題を解決するためになされたものであり、従来装
置に比べて、高感度で測定できるラマン分光装置を提供
することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明にかかるラマン分
光装置は、測定試料にレ−ザ光を照射し、前記測定試料
からの散乱光を集光光学系によって集光し、集光した散
乱光を検出器で検出することにより、測定対象からのラ
マン散乱光を計測するラマン分光装置において、測定試
料の側面にレ−ザ光が入射され、前記入射方向に対して
垂直方向に散乱する光を集光する集光光学系を備えると
共に、前記集光光学系が測定試料からの出射光路上に配
置された複数の集光手段からなり、かつ前記複数の集光
手段の一つが測定試料に近接して配置されていることを
特徴としている。
【0012】ここで、前記集光手段が、集光レンズであ
ることが望ましいく、前記複数の集光手段が、焦点の異
なる凸レンズであることが望ましい。また前記集光光学
系は、集光手段の焦点距離を変更できる機能を有するこ
とが望ましい。更に、前記検出器が2次元検出器である
ことが望ましく、また前記2次元検出器がCCDからな
る検出器であることが望ましい。
【0013】本発明のラマン分光装置は、測定試料から
の散乱光を集光する集光光学系に用いる集光手段、例え
ば、集光レンズ等を散乱光の出射光路上に直列に互いに
間隔を隔てて複数配列し、かつ、前記複数の集光手段
(集光レンズ)の一つが測定試料に近接して配置されて
いることが構成上の特徴である。これにより、散乱光の
集光効率が従来のラマン分析装置に比較して著しく高ま
り、従来装置では、困難であった数十乃至数百μmオー
ダの測定対象物を高感度で精度良く測定できる。
【0014】マクロ集光光学系における複数の集光手段
として、例えば、第1、第2の二組の集光レンズを設
け、第1の集光レンズを測定試料に近接配置した本発明
にかかるラマン分光装置では、測定試料から発した散乱
光は、先ず前記試料に近接して配置された第1の集光レ
ンズにより集光され、前記集光された散乱光が、第2の
集光レンズにより更に集光される。
【0015】ここで、集光レンズの焦点、特に、第1の
集光レンズの焦点は、測定試料の大きさ(より正確に
は、ガラス内気泡等の測定対象物の大きさ)によって変
えることのできるものが好ましい。例えば、焦点距離の
異なる凸レンズを交換できるようにしても良く、あるい
はズーム機能を持たせた集光手段を用いても良い。な
お、選択する焦点距離は、測定対象物の大きさと第2の
集光レンズ及びその後の光学系の拡大倍率を勘案して決
定される。
【0016】上記したように、第1の集光レンズを、測
定試料に近接して配置することにより、測定試料からの
散乱光が、広角度に散乱した散乱光であっても、そのほ
とんどを集光させることができ、そしてこの第1の集光
レンズを通過した散乱光を第2のレンズに取り込むこと
ができる。このことは、測定対象物の拡大倍率を変える
ことでもあり、これにより従来装置では非常に困難であ
った上記中間領域の大きさの対象物の測定が可能とな
る。なお、第1のレンズは可能な限り測定試料に近接し
て配置することが重要で、これにより集光効率が向上す
る。
【0017】また、本発明のラマン分光装置において、
検出器として2次元検出器を用いたものは、測定対象物
以外からのラマン散乱光を除外し、バックグラウンドレ
ベルを低減させて、測定対象物からのラマン散乱光を選
択的に分離検出することができる。即ち、試料中におけ
る測定対象物の周辺材料等、対象物以外の材料に起因し
て生ずるバックグランドの影響を除外することができ
る。前記2次元検出器は、CCD(電荷結合素子)、フ
ォトダイオードアレイ、チャネルプレート等のいずれを
用いても良いが、CCDは検出速度が速く、好ましい。
2次元検出器での検出位置をハード又はコンピュータ制
御等で制御することにより、所定位置のラマン散乱光を
検出することができる。
【0018】このように、本発明のラマン分光装置に装
備された特定の集光光学系と2次元検出器とを組み合わ
せで連携操作することにより、前記集光光学系で効率良
く集光して得られたラマン散乱光を、2次元検出器上に
結像させ、測定対象物からのラマン散乱光を検出でき
る。これにより、測定対象物が前記した範囲の微小サイ
ズのものであっても、目的とする領域において、バック
グラウンドレベルが低減された高感度のラマン散乱光ス
ペクトルデータを容易に得ることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施形態を図面
を参照して更に詳細に説明する。なお、図1は、本発明
のラマン分光装置の一例を示す模式図である。図1に示
したラマン分光装置は、アルゴンレーザ等のレーザ光源
1と、ミクロ測定試料2aを収容するミクロ試料室2と
マクロ測定試料3aを収容するマクロ試料室3の各試料
室と、回折格子分光方式の分光器4と、CCDを用いた
2次元検出器5と、前記2次元検出器5の検出位置を制
御すると共に、デ−タを演算処理し、ラマン散乱光スペ
クトルデータを得る制御装置(コントローラ)6及び演
算処理装置7と、ミクロ試料室用の集光レンズ2b、マ
クロ試料室用の第1、第2集光レンズ3b、3c等の集
光手段と、反射ミラー10、11、12、13と、スリ
ット14と、その他入射光や散乱光の光路系統に配設さ
れる光学部材とから構成されている。
【0020】特に、本発明にかかるラマン分光装置で
は、マクロ試料室に設置される散乱光の集光光学系が複
数の集光手段からなり、その一つが測定試料に近接して
配置されている点に特徴があり、図1に示すように、前
記集光手段として第1及び第2の集光用凸レンズ3b、
3cが互いに所定の間隔を置いて配置され、かつ第1の
集光用凸レンズ3bは測定試料3aの真上に近接して配
置されている。ここで、第1の集光用凸レンズ3bの中
心線と測定試料3aの測定対象との距離を具体的に示す
と、その距離は前記第1の集光用凸レンズ3bの焦点の
1/2〜1/10である。なお、ミクロ集光光学系につ
いては従来のものと変わりないため、詳述しないが、そ
の集光光学系の集光手段は従来と同様な顕微鏡レンズが
用いられる。
【0021】また、マクロ集光光学系の集光用凸レンズ
としては、例えば、カメラ等の光学機器に用いられるよ
うな、単体レンズ又は複数のレンズ部材を組み合わせた
組み合わせ凸型レンズを使用することができる。また、
マクロ集光光学系における集光手段がレンズの場合、前
記集光光学系の構造は、焦点を異にする凸レンズを交換
可能に配置できる構造にするか、あるいはまた、ズーム
構造のようにレンズの焦点距離を任意に変更調節できる
構造とすることが好ましい。マクロ集光光学系をこのよ
うな構造にすることにより、試料中の測定対象物の測定
対象(領域)の大きさに応じて、その測定に適当な焦点
距離の集光レンズに交換したり、またズーム機構を利用
して焦点距離を適当な距離に調節することができ、その
集光率(拡大率)を測定対象(領域)の大きさに応じた
最適値に設定して測定を実施することができる。
【0022】また、ラマン散乱光の強度は入力光に対し
通常10-5乃至10-7程度と極微弱であるため、レーザ
光源は可視領域に波長を持つ出力の大きい光源、例えば
アルゴンレーザ光源、ヘリウムレーザ光源等が用いられ
る。
【0023】更に、前記2次元検出器として、チャンネ
ルプレ−ト、フォトダイオードアレイ、CCD等の検出
器を用いることができ、これらの内ではCCDが最も好
適である。ラマン散乱光の検出器として2次元検出器を
用いることによって、試料中の所定位置にある測定対象
物からの散乱光を、それ以外から発せられる散乱光と識
別して除外し、対象物からのラマン散乱光像をより正確
に捉えることができる。更にまた、本発明にかかるラマ
ン分光装置に用いられる他の部材、例えば分光器の回折
格子、反射ミラー、スリット、入射レーザ光の集光に用
いるレンズ等は、それ自体公知の一般にこの種のラマン
分光装置に用いられる部材を使用することができる。
【0024】次に、本発明にかかるラマン分光装置にお
けるマクロ試料室3での測定動作の概略について説明す
ると、レーザ光源1から発せられたレーザ光照射ビーム
は、マクロ試料室3内に設けられた3個の小型の反射ミ
ラー11、12、13により入射光路Aの方向を変えつ
つ、測定試料3aの側面から水平に前記試料3aに入射
する。そして、測定試料3aの入射部分から、入射光線
に対して、垂直方向に散乱された散乱光は、試料の直上
に配置されている第1の集光レンズ3bで集光され、更
に、第1の集光レンズ3bに対し所定間隔を隔て配置さ
れた第2の集光レンズ3cで集光される。この集光され
た散乱光光束Bは、反射ミラー10により方向を変え、
凸レンズ及びスリット14を経由して分光器4内に入
り、ここで回折格子4aにより分光される。そして、前
記分光されたラマン散乱光は2次元検出器5により検出
され、制御装置6及び演算処理装置7により、演算処理
され前記演算処理装置7のCRT上に測定結果が表示さ
れる。
【0025】なお、ミクロ試料室2での測定の場合は、
レーザ光源1から発せられたレーザ光照射ビームは、反
射ミラー10により方向を変えてミクロ試料室2内に入
り測定試料2aを照射する。ミクロ試料室2では、入射
光と同一光路上に発する散乱光を集光レンズ2bで集光
する。集光された散乱光はマクロ試料室3の集光散乱光
の場合と同様に、凸レンズ及びスリットを経由して分光
器4内に入り、ここで回折格子4aにより分光される。
そして、分光されたラマン散乱光は2次元検出器5によ
り検出され、測定結果が演算処理装置7のCRT上に測
定結果が表示される。
【0026】
【実施例】次に、本発明にかかるラマン分光装置、及び
従来のラマン分光装置を用いて、比較検討を行った。ま
ず、内部に水素ガスを含有する相当直径100乃至20
0μmの気泡を内包する石英ガラス素材から気泡部分を
含む部分を切り出して直方体とし、機械研磨でその3面
を鏡面に研磨したものを測定試料とした。次いで、マク
ロ光学系に焦点距離50mmのカメラレンズを取り付
け、検出器に光電子増倍管を備え、検出窓を約5mmと
した市販の従来型ラマン分光装置を用意した。先ず、こ
の従来型装置のマクロ試料室に前記気泡含有石英ガラス
測定試料をセットし、常法により測定してラマン分光ス
ペクトル図を得た。このスペクトル図のパターンの内、
水素ガスピークが現れるべき部分のスペクトルパターン
を図2(a)に示した(比較例)。図2(a)から、従
来装置による測定では水素ガスのピークが高いバックグ
ラウンドに埋没して検出されないことがわかる。
【0027】次に、この装置の検出器を前記光電子増倍
管からCCDに変更し、周辺材料から来るバックグラウ
ンドの除去を試みた。このCCD2次元検出器は、横方
向、即ち波長分散方向が1024チャンネル、縦方向、
即ち位置分解方向が256チャンネルであり、縦方向の
長さは7mm、1チャンネル当たり27μmの大きさで
ある。この検出器を交換した装置のマクロ試料室に、前
記気泡含有石英ガラス試料をセットし、装置を稼動させ
て、前記CCD2次元検出器の1024×256チャン
ネル全てを計測し、コンピューター処理により横方向の
波長分散、縦方向の位置分散を求めた。
【0028】こうして得られたラマンスペクトルパター
ンの縦方向を20分割して得た3次元スペクトルの中央
部分を図3に示す。なお、図3は1スペクトル当たり1
2乃至13チャンネル分を積算して求めたもので、図の
X軸目盛りはラマン光の波数(cm-1)を、Y軸目盛り
は検出位置(各々のスペクトル:スペクトラム数)を、
Z軸目盛りはラマン光の強度をカウント数(秒-1)とし
て表す。
【0029】図3において、低周波側のピークは石英ガ
ラスのO−Si−Oネットワーク構造に係わるもので、
周辺の石英ガラス材からの散乱光を受光していることを
示している。この図において、検出位置を表すY軸方向
の中央部分で上記石英ガラスのO−Si−Oに由来する
ピークが低下しているが、これは気泡の部分であり、周
辺のガラス部と気泡の部分を識別することが可能である
ことを示している。即ち、2次元検出器を用いた上記測
定により、周辺材料からのバックグラウンドから気泡内
成分(水素)に由来するピークを分離検出できること示
している。
【0030】この図3におけるY軸方向中央部分で(ス
ペクトル7〜9)石英ガラスのO−Si−Oに由来する
ピークが低下した部分、即ち気泡部分のスペクトルを拡
大し、水素ピークが現れるべき部分を見た結果、図2
(b)に示したように気泡成分である水素のピークが検
出されることが確認できた。上記の方法は、試料の位置
合せに特に面倒な調整を要せず、測定に要する時間を従
来の1/5に短縮できた。
【0031】更に、集光効率と検出効率を高めるため、
上記検出器を交換した装置のマクロ集光光学系を変更
し、既存の集光レンズと試料との間に、前記試料に近接
して集光用凸レンズ(焦点距離5mm、レンズ径6m
m)を追加設置した。この装置を用いて、前記測定試料
を、上記と同様に2次元検出測定した(実施例)。測定
により得られた気泡部のスペクトル図を図2(c)に示
す。この装置を用いた測定では、気泡の拡大率は従来の
場合の約1.5倍となり、周辺からのバックグラウンド
が著しく低減されてS/B比(スペクトル:バックグラ
ウンド比)が向上し、検出強度は約2倍に向上した。
【0032】
【発明の効果】本発明のラマン分光装置を用いて測定試
料を2次元検出測定することにより、ラマン分光法によ
る微小対象物の測定を高感度で、しかも、短時間にかつ
容易に行うことができる。即ち、数十乃至数百μmのサ
イズの微小測定対象物の測定が、従来装置の数倍から数
十倍もの高感度で実施でき、中間絞りの調整等の面倒な
操作を要することがないため、測定に要する時間を従来
の1/5に短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のラマン分光装置の一実施形態
を示す模式図である。
【図2】図2は、水素ガス気泡を内包する石英ガラスの
気泡部分のスペクトルであって、(a)は従来装置、
(b)は検出器にCCD2次元検出器を用いた装置、
(c)は本発明に係る装置の各スペクトル図である。
【図3】図3は、2次元検出器による3次元スペクトル
図である。
【符号の説明】
1 レーザ光源 2 ミクロ試料室 2a 測定試料 2b 集光レンズ 3 マクロ試料室 3a 測定試料 3b 第1集光レンズ 3c 第2集光レンズ 4 分光器 4a 回折格子 5 2次元検出器(CCD) 6 制御装置(コントローラ) 7 演算処理装置 10 回転ミラー 11 反射ミラー 12 反射ミラー 13 反射ミラー A レーザ照射光の光路 B 散乱光の光束

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 測定試料にレ−ザ光を照射し、前記測定
    試料からの散乱光を集光光学系によって集光し、集光し
    た散乱光を検出器で検出することにより、測定対象から
    のラマン散乱光を計測するラマン分光装置において、 測定試料の側面にレ−ザ光が入射され、前記入射方向に
    対して垂直方向に散乱する光を集光する集光光学系を備
    えると共に、 前記集光光学系が測定試料からの出射光路上に配置され
    た複数の集光手段からなり、かつ前記複数の集光手段の
    一つが測定試料に近接して配置されていることを特徴と
    するラマン分光装置。
  2. 【請求項2】 前記集光手段が、集光レンズであること
    を特徴とする請求項1に記載されたラマン分光装置。
  3. 【請求項3】 前記複数の集光手段が、焦点の異なる凸
    レンズであることを特徴とする請求項2に記載されたラ
    マン分光装置。
  4. 【請求項4】 前記集光光学系は、集光手段の焦点距離
    を変更できる機能を有することを特徴とする請求項1ま
    たは請求項2に記載されたラマン分光装置。
  5. 【請求項5】 前記検出器が2次元検出器であることを
    特徴とする請求項1に記載されたラマン分光装置。
  6. 【請求項6】 前記2次元検出器がCCDからなる検出
    器であることを特徴とする請求項5に記載されたラマン
    分光装置。
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