JP2001004346A - 検査装置及び検査方法 - Google Patents

検査装置及び検査方法

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JP2001004346A
JP2001004346A JP11170133A JP17013399A JP2001004346A JP 2001004346 A JP2001004346 A JP 2001004346A JP 11170133 A JP11170133 A JP 11170133A JP 17013399 A JP17013399 A JP 17013399A JP 2001004346 A JP2001004346 A JP 2001004346A
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light
film
wavelength
change
reflectance
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Masaki Kagawa
正毅 香川
Minoru Kikuchi
稔 菊地
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成膜された膜質に依らず高い反射率で成膜欠
陥を検査する。 【解決手段】 出射する光の波長を設定する制御部7を
有し、少なくとも検査対象となる膜が成膜された光記録
媒体1に対して、上記制御部7で設定された波長の光を
出射する分光器4と、上記分光器4から出射された光が
反射してなる反射光を受光する受光部5を有し、当該反
射光の反射率変化を検出する検出器6とを備え、上記制
御部7では、検査対象の膜に応じて、反射率変化が大と
なる波長領域の光が設定される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、相変化光ディスク
等の光記録媒体の成膜欠陥等を検査する際に使用される
検査装置及び検査方法に関する。
【0002】
【従来の技術】情報記録の分野においては、光学式情報
記録方式に関する研究が各所で進められている。この光
学式情報記録方式は、情報の記録再生が非接触で行える
こと、磁気記録方式と比較して一桁以上も高い密度記録
を達成できること、再生専用型、追記型又は書換可能型
の各形態に対応できる等の利点を有している。また、こ
の光学式情報記録方式は、安価な高容量ファイルの実現
を可能とする方式として、産業用から民生用まで幅広い
用途に対応することができる。
【0003】このような光学式情報記録方式を用いた媒
体としては、円盤状に形成された光ディスクを例示する
ことができる。この光ディスクには、ROM(Read Onl
y memory)的に使用される、音楽情報が記録されたディ
ジタルオーディオディスクや画像情報等が記録された光
学式ビデオディスク等の再生専用型、また、RAM(Ra
ndom Access Memory)的に使用される、光磁気ディスク
や相変化光ディスク等の書換可能型等がある。
【0004】この再生専用型の光ディスクは、透明基板
の一主面上に反射膜を有するような構成とされ、この透
明基板の一主面上に、照射される光の波長の1/4程度
の光学的深さを有する凹凸状のプリピットを有してい
る。そして、この再生専用型の光ディスクでは、凹凸状
のプリピットに所定の波長の光が照射され、当該プリピ
ットで生じる光の干渉よる反射率の変化を検出すること
により再生が行われる。
【0005】一方、書換可能型の光磁気ディスクは、透
明基板の一主面上に磁性膜及び反射膜を有している。そ
して、この光磁気ディスクでは、磁性膜の磁化が上向き
或いは下向きに揃った領域として記録ピットが形成さ
れ、この記録ピットとして情報信号が記録されている。
この光磁気ディスクでは、記録ピットに対して所定の波
長の光を照射し、磁化方向の変化に起因した反射光のカ
ー回転角の変化を検出することにより記録ピットが再生
される。
【0006】また、書換可能型の相変化光ディスクで
は、透明基板の一主面上に相変化膜及び反射膜を有して
いる。そして、この相変化光ディスクでは、結晶状態と
された相変化膜にアモルファス状態の領域として記録ピ
ットが形成され、この記録ピットとして情報信号が記録
されている。相変化光ディスクでは、相変化膜に対して
所定の波長の光を照射し、結晶状態の相変化膜とアモル
ファス状態の相変化膜との反射率の変化を検出すること
により記録ピットが再生される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したよ
うな光ディスクでは、透明基板の一主面上に、スパッタ
リング法や蒸着法といった薄膜形成法により磁性膜や相
変化膜といった記録膜及び/又は反射膜が形成される。
また、上述したような光ディスクでは、記録膜や反射膜
だけではなく、誘電体膜等を薄膜形成法により形成する
場合もある。このとき、記録膜等は、薄膜形成法により
均一な厚みで形成されなければならない。記録膜等が均
一な厚みでない場合、光ディスクでは、面内において均
一な記録再生特性を示すことができない。このため、光
ディスクを製造するに際して、薄膜形成法により成膜さ
れた記録膜等の成膜欠陥等を検査しなければならない。
【0008】記録膜の成膜欠陥を検査する際には、検査
対象の記録膜等に対して光を照射し、当該光の反射率を
測定することにより行われる。すなわち、検査対象の記
録膜等に光を照射すると膜厚の変化に応じて反射率が変
化するため、反射光を検出して光の反射率を測定するこ
とによって、記録膜等の膜厚変動を測定することができ
るのである。
【0009】しかしながら、従来の検査装置では、検査
対象の記録膜等に対して照射される光の反射率が低い場
合が多く、反射率の変化を測定することが困難であると
いった問題があった。特に、相変化光ディスクを製造す
る際、成膜後の相変化膜の反射率が低いため、成膜欠陥
を精度良く検査することができない。このため、相変化
光ディスクでは、相変化膜全体を結晶化させる初期化処
理を行った後、結晶化することにより反射率を向上させ
た相変化膜に対して光を照射して成膜欠陥を検査してい
た。相変化光ディスクの場合は、特に、初期化処理後ま
で成膜欠陥を検査できないため、成膜欠陥を反映させて
成膜条件等をフィードバック制御するまでに長時間を要
してしまう。このため、従来の検査装置では、特に、相
変化光ディスクを製造する際に成膜欠陥を検出して歩留
まりを向上させることが困難であるといった問題があっ
た。
【0010】そこで、本発明は、上述した問題点を鑑み
て案出されたものであり、成膜された膜質に依らず高い
反射率で成膜欠陥を検査することのできる検査装置及び
検査方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成せん
ものと本発明者が鋭意検討した結果、成膜された膜の反
射率が光の波長に依存して変化し、成膜された膜に応じ
て照射する光の波長を調節すると反射率変化が大となる
といった知見を得、本発明を完成するに至った。
【0012】すなわち、本発明に係る検査装置は、出射
する光の波長を設定する制御部を有し、少なくとも検査
対象となる膜が成膜された光記録媒体に対して、上記制
御部で設定された波長の光を出射する光出射部と、上記
光出射部から出射された光が反射してなる反射光を受光
する受光部を有し、当該反射光の反射率変化を検出する
検出器とを備え、上記制御部では、検査対象の膜に応じ
て、反射率変化が大となる波長領域の光が設定されるこ
とを特徴とするものである。
【0013】以上のように構成された本発明に係る検査
装置は、光出射部から出射した所定の波長の光を検査対
象の膜に照射し、この光の反射光を検出器で受光すると
ともに光の反射率変化を検出器で検出する。このとき、
検査装置は、検査対象の膜に応じて照射する光の波長を
制御部にて制御している。検査装置は、膜に応じた波長
の光を照射するため、大きな反射率変化を検出すること
となる。
【0014】また、上述した目的を達成した本発明に係
る検査方法は、少なくとも検査対象となる膜が形成され
た光記録媒体に対して、当該検査対象の膜に応じて設定
された波長の光を照射し、上記所定の波長の光の反射光
を検出し、上記反射光の反射率変化を検出することによ
って、検査対象の膜の成膜欠陥を検出することを特徴と
するものである。
【0015】以上のように構成された本発明に係る検査
方法は、検査対象となる膜に応じて照射する光の波長を
設定している。このため、この手法では、大きな反射率
変化を検出することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る検査装置及び
検査方法について図面を参照しながら詳細にに説明す
る。
【0017】検査装置は、図1に模式的に示すように、
所定の膜が成膜された光ディスク1が回転自在に載置さ
れる載置台2と、載置台2を所定の回転速度で回転させ
る回転軸3と、載置台2に載置された光ディスク1に対
して所定の波長の光を照射する出射部4及び光ディスク
で反射した反射光を受光する受光部5を有する検出部6
と、出射部4から出射される光の波長を制御する波長制
御部7と、受光部5で受光した反射光の強度変化を測定
する測定部8とを備えている。
【0018】ここで、光ディスク1としては、再生専用
型のディジタルオーディオディスクや光学式ビデオディ
スク、有機色素を含有する記録層を有する追記型光ディ
スク、磁性層を有する光磁気ディスク及び相変化膜を有
する相変化光ディスク等を例示することができる。
【0019】相変化光ディスクは、図2に示すように、
透明基板10上に順次積層された、第1の誘電体膜1
1、相変化膜12、第2の誘電体膜13、反射膜14及
び保護層15を有する一対のディスク半体16が保護層
15同士を接着層17を介して接合されて構成されてい
る。また、ディスク半体16の直径は、約120mmで
ある。
【0020】この相変化ディスクにおいて、透明基板1
0は、例えば、ポリカーボネイト等の合成樹脂を射出成
形することにより形成され、厚みが約0.6mmとなっ
ている。第1の誘電体膜11及び第2の誘電体膜13
は、例えば、ZnS−SiO2等からなり、相変化膜1
2の酸化防止効果及び照射される光の多重干渉による増
幅効果のために配設されている。相変化膜12は、例え
ば、GeSbTe系の材料からなる。反射膜14は、例
えば、Au或いはAl等からなり照射される光を反射さ
せる膜である。保護層15は、例えば、紫外線硬化型樹
脂等からなり、相変化膜12の酸化防止効果及び傷つき
防止効果を付与するための膜である。接着層17は、例
えば、遅硬性紫外線硬化型樹脂等からなり、一対のディ
スク半体16を貼り合わせるための層である。
【0021】また、検出部6において、出射部4は、光
源を備える光学系を有し、載置台2に載置された光ディ
スク1の主面と対向する位置に配設される。検出部6に
は、波長制御部7が接続され、当該波長制御部7からの
制御信号が供給される。出射部4の光源は、波長制御部
7からの制御信号に基づいて所定の波長の光を出射する
ことができる。出射された光は、出射部4の光学系を介
して光ディスク1の主面に照射されることとなる。
【0022】具体的に、出射部4及び波長制御部7は、
いわゆる分光器であっても良い。この分光器は、所望の
波長の光のみを出射させることができ、光の波長を容易
に設定することができる。また、出射部4が所定の波長
の光を照射する半導体レーザを複数有してなり、波長制
御部7がこれら複数の半導体レーザの駆動を制御するよ
うな構成であっても良い。
【0023】検出部6において、受光部5は、受光した
光の強度に応じた検出信号を出力するフォトディテクタ
を有し、出射部4と隣接した位置に配設される。このフ
ォトディテクタは、出射部4から出射された光が光ディ
スク1上にて反射してなる反射光の光軸上に配設され
る。また、この受光部5には、測定部8が接続されてい
る。このため、フォトディテクタは、測定部8に対して
検出信号を出力することとなる。
【0024】さらに、検出部6には、図示しないが、載
置台2に載置された光ディスク1の半径方向(図1中矢
印aで示す方向)に駆動させる駆動手段が配設されてい
る。この駆動手段は、検出部6を図1中矢印aで示す方
向に駆動させることによって、出射部4から出射された
光を光ディスク1の内周側から外周側に亘って照射させ
ることができる。
【0025】このように構成された検査装置は、例え
ば、上述した相変化光ディスクの製造工程において、相
変化膜12の成膜欠陥を検査する際に使用される。相変
化光ディスクを製造する際には、第1の誘電体膜11、
相変化膜12、第2の誘電体膜13及び反射膜14を、
スパッタリング法や真空蒸着法等の薄膜形成手法により
この順で順次成膜する。次に、保護層15をスピンコー
ティング法等の手法により形成し、ディスク半体16を
作製する。次に、ディスク半体16を一対用意し、保護
層15同士が対向するように接着層17を介して接合す
る。そして、接着層17が乾燥した後に、相変化膜12
を結晶化する初期化処理を施すことにより相変化型光デ
ィスクを製造する。
【0026】検査装置は、上述した相変化型光ディスク
の製造工程において、成膜した第1の誘電体膜11、相
変化膜12、第2の誘電体膜13及び反射膜14の成膜
欠陥を検査する。すなわち、検査装置は、これら第1の
誘電体膜11、相変化膜12、第2の誘電体膜13及び
反射膜14を成膜した後、全体としての厚みムラを検査
する。なお、この検査装置は、第1の誘電体膜11、相
変化膜12、第2の誘電体膜13又は反射膜14のそれ
ぞれに対する成膜欠陥を検査することもできる。
【0027】第1の誘電体膜11、相変化膜12、第2
の誘電体膜13及び反射膜14の全体の厚みムラを検査
する際には、先ず、透明基板10が出射部4と対向する
ように、ディスク半体16を載置台2上に載置する。そ
して、出射部4から出射される光の光軸がディスク半体
16の外周端に位置するように、駆動手段によって検出
部6を移動させる。
【0028】次に、この状態で、出射部4の光源から所
定の波長の光を出射し、ディスク半体16の外周端を照
射する。ディスク半体16に照射した光は、反射膜14
で反射して反射光となり、受光部5のフォトディテクタ
に入射することとなる。このフォトディテクタは、入射
した光の強度に応じた検出信号を出力する。
【0029】次に、駆動手段により検出部6をディスク
半体16の内周側に向かって移動させ、出射部4から出
射された光をディスク半体16の半径方向に走査させ
る。このとき、フォトディテクタには、出射された光の
反射光が入射し続けることになる。したがって、フォト
ディテクタからは、入射する反射光の強度に応じた検出
信号が出力され続けることとなる。
【0030】照射された光は、第1の誘電体膜11、相
変化膜12、第2の誘電体膜13の全体の膜厚が変化す
ると、異なる反射率となる。言い換えると、反射光は、
第1の誘電体膜11、相変化膜12、第2の誘電体膜1
3の全体の膜厚が変化すると、異なる強度でフォトディ
テクタに入射することとなる。したがって、検出信号
は、第1の誘電体膜11、相変化膜12、第2の誘電体
膜13の全体の膜厚の変化に基づいたものとなる。
【0031】測定部8には、この検出信号が出力され
る。このため、測定部8は、この検出信号に基づいて第
1の誘電体膜11、相変化膜12及び第2の誘電体膜1
3の全体の膜厚が変化を検出することができる。この測
定部8では、ディスク半体16の半径方向の厚みの変化
を測定することによって、載置台2に載置されたディス
ク半体16における成膜欠陥を検出することができる。
【0032】このとき、反射光の強度、すなわち、反射
率は、出射される光の波長に応じて変化する。言い換え
ると、出射された光の波長が異なると、反射率が異なる
のである。また、反射光の強度変化量、すなわち、反射
率の変化量は、出射された光の波長に依存して変化す
る。言い換えると、出射された光の波長が異なると、異
なる反射率変化を示すのである。
【0033】この検査装置では、光源から出射される光
の波長を波長制御部7で設定している。詳しくは、出射
部4及び波長制御部7が分光器である場合には、波長制
御部7で設定された波長に基づいた制御信号が光源に出
力されることによって、設定された波長の光を出射す
る。このとき、波長制御部7では、検査対象の膜質及び
膜構成に応じて、反射率変化量が大となるような波長を
選択することが好ましい。また、波長制御部7では、反
射率変化量が大であり、更に反射率自体が大きな値とな
るような波長を選択することがより好ましい。
【0034】例えば、相変化光ディスクの場合、図3に
示すように、相変化膜12が成膜された状態でアモルフ
ァスであるため、従来より用いられている780nm程
度の波長の光では非常に低い反射率となっている。な
お、この図3で使用した相変化光ディスクは、厚み95
nmのZnS−SiO2膜(第1の誘電体膜11に相
当。)、厚み25nmのGe2Sb2Tb5膜(相変化膜
12に相当。)、厚み15nmのZnS−SiO2
(第2の誘電体膜13に相当。)及び厚み100nmの
Al合金膜(反射膜14に相当。)から構成されてい
る。
【0035】また、この図2で使用した相変化光ディス
クにおいて、第1の誘電体膜11に相当するZnS−S
iO2膜の厚みを±10nm変化させたときの反射率
と、相変化膜12に相当するGe2Sb2Tb5膜を±5
nm変化させたときの反射率と、第2の誘電体膜13に
相当するZnS−SiO2膜を±5nm変化させたとき
の反射率とを測定した。第1の誘電体膜11の膜厚を変
化させた結果を図4に示し、相変化膜12の膜厚を変化
させた結果を図5に示し、第2の誘電体膜13の膜厚を
変化させた結果を図6に示す。
【0036】これら図4乃至図6からわかるように、従
来より用いられている780nm程度の波長の光では、
膜厚の変化に起因する反射率の変化が小となっている。
また、従来より用いられている780nm程度の波長の
光では、反射率が10%以下といった非常に小さな値と
なっている。これにより、従来より用いられている78
0nm程度の波長の光では、膜厚の変化に起因する反射
率変化を殆ど検出することができない。このため、従来
より用いられている780nm程度の波長の光を用いて
検査を行う場合には、相変化膜12の反射率を大とする
ために、相変化膜12の初期化処理を行う必要があっ
た。
【0037】これに対して、照射する光の波長を約60
0nm以下とした場合には、膜厚の変化に起因する反射
率の変化量が大きくなることがわかる。さらに、照射す
る光の波長を約600nm以下とした場合には、反射率
自体が比較的大きな値を示す。このことから、検査装置
は、照射する光の波長を約600nm以下に規定するこ
とによって、膜厚の変化に起因する反射率の変化を確実
に検出することができる。したがって、検査装置は、厚
みムラといった成膜欠陥を確実に検査することができ
る。
【0038】特に、この検査装置では、照射する光の波
長を規定することによって、相変化膜12を結晶化して
反射率を向上させなくとも反射率変化を十分に検出する
ことができる。このため、この検査装置によれば、相変
化膜12に対する初期化処理後でなく、ディスク半体1
6を作製した後に成膜欠陥を検査することができる。し
たがって、この検査装置によれば、成膜条件等に対する
フィードバック制御を成膜直後に早急に行うことがで
き、歩留まりを大幅に向上させることができる。
【0039】なお、検査装置において、光ディスク1に
対して照射される光は、当該光ディスク1の種類、特
に、膜構成及び膜質によって好ましい波長が異なる。例
えば、再生専用型の光ディスクや光磁気ディスク等にお
いては、上述した波長と異なり、好ましい波長を検討す
る必要がある。一般に、波長が680nm以下になる
と、反射率変化量及び反射率が大となる傾向にある。し
たがって、680nm以下の波長の光を使用することに
よって、膜厚の変化に起因する反射率変化を確実に検出
することができる。
【0040】具体的に、680nm以下の波長の光を出
射する場合には、出射部4及び波長制御部7が分光器で
はなく、出射部4が複数の半導体レーザを有してなり、
波長制御部7がこれら複数の半導体レーザの駆動を制御
するような構成であっても良い。この場合、半導体レー
ザとしては、いかなるものを使用しても良く、従来用い
られている780nmの波長の光を出射するもの、63
0〜650nmの波長の光を出射する赤色半導体レーザ
や更に短波長の光を出射する青色半導体レーザ等を使用
することができる。
【0041】また、この検査装置では、異なる波長を有
する複数の光を照射してそれぞれの反射率変化を測定す
ることが好ましい。このように、異なる波長を有する複
数の光を使用することにより、一方の光に対する反射率
変化が小である場合でも、膜厚の変化に起因する反射率
変化を確実に検査することができる。言い換えると、異
なる波長を有する複数の光を使用することによって、検
査装置は、より精度の高い検査を行うことができる。
【0042】このように異なる波長を有する複数の光を
使用する際には、出射部4及び波長制御部7が分光器で
あるものを使用しても良いが、出射部4が複数の半導体
レーザを有してなり、波長制御部7がこれら複数の半導
体レーザの駆動を制御するようなものを使用するほうが
好ましい。なぜならば、分光器を用いた場合には、検査
対象の膜に最適な波長を容易に設定でき、優れた精度で
検査を行うことができるが、出射部4が複数の半導体レ
ーザを有する場合には、光の波長が既定であり、それら
の波長が最適値とは限らないからである。このため、波
長制御部7により駆動制御された複数の半導体レーザを
用いると、単一の光で検査した場合と比較してより精度
良く検査を行うことができる。なお、出射部4及び波長
制御部7が分光器であるものを使用した場合も、異なる
波長を有する複数の光を用いることによって、同様によ
り精度良く検査を行うことができる。
【0043】一方、図4乃至図6から、第1の誘電体膜
11、相変化膜12及び第2の誘電体膜13それぞれの
場合において、膜厚の変化に起因する反射率変化が一様
でないことがわかる。言い換えると、第1の誘電体膜1
1の膜厚が変化した場合、相変化膜12の膜厚が変化し
た場合及び第2の誘電体膜13の膜厚が変化した場合そ
れぞれにおいて、反射率変化の振る舞いが異なる。この
ため、照射する光の波長を変化させつつ反射率を測定す
ることによって、反射率変化の振る舞いを測定すること
ができる。そして、この反射率変化の振る舞いを測定す
ることによって、膜厚が変化した膜を特定することがで
きる。
【0044】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように本発明に係
る検査装置では、検査対象の膜に応じて照射する光の波
長を制御部にて制御している。このため、検査装置は、
膜に応じた波長の光を照射するため、大きな反射率変化
を検出することとなる。したがって、検査装置は、成膜
された膜質に依らず高い反射率で成膜欠陥を検査するこ
とができる。
【0045】また、本発明に係る検査方法は、検査対象
となる膜に応じて照射する光の波長を設定している。こ
のため、この手法では、大きな反射率変化を検出するこ
とができる。したがって、この手法によれば、成膜され
た膜質に依らず高い反射率で成膜欠陥を検査することが
でき、信頼性を大幅に向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る検査装置の構成を示す概略構成図
である。
【図2】この検査装置に用いられる光ディスクの一例と
して示す相変化光ディスクの要部断面図である。
【図3】相変化光ディスクにおいて、照射される光の波
長と反射率との関係を示す特性図である。
【図4】第1の誘電体膜の膜厚を変化させた際の照射さ
れる光の波長と反射率との関係を示す特性図である。
【図5】相変化膜の膜厚を変化させた際の照射される光
の波長と反射率との関係を示す特性図である。
【図6】第2の誘電体膜の膜厚を変化させた際の照射さ
れる光の波長と反射率との関係を示す特性図である。
【符号の説明】
1 光ディスク、2 載置台、3 回転軸、4 出射
部、5 受光部、6 検出部、7 波長制御部、8 測
定部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2F065 AA30 AA49 BB03 CC03 CC31 FF44 GG06 GG23 HH04 JJ18 LL67 MM02 NN06 PP13 2G051 AA71 AB02 BA06 BA08 BA10 CA02 CB01 DA08

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 出射する光の波長を設定する制御部を有
    し、少なくとも検査対象となる膜が成膜された光記録媒
    体に対して、上記制御部で設定された波長の光を出射す
    る光出射部と、 上記光出射部から出射された光が反射してなる反射光を
    受光する受光部を有し、当該反射光の反射率変化を検出
    する検出器とを備え、 上記制御部では、検査対象の膜に応じて、反射率変化が
    大となる波長領域の光が設定されることを特徴とする検
    査装置。
  2. 【請求項2】 上記光出射部は、波長の異なる複数の光
    を出射することを特徴とする請求項1記載の検査装置。
  3. 【請求項3】 上記光出射部は、上記制御部で設定され
    た一対の光を検査対象の膜に対して照射することを特徴
    とする請求項1記載の検査装置。
  4. 【請求項4】 上記制御部で設定された一対の光は、照
    射される光の波長に対する当該光の反射光変化の極小ピ
    ークを除く波長領域から選ばれることを特徴とする請求
    項3記載の検査装置。
  5. 【請求項5】 上記制御部で設定された一対の光は、上
    記極小ピークを挟む領域から選ばれることを特徴とする
    請求項3記載の検査装置。
  6. 【請求項6】 上記一対の光のうち一方が770nm〜
    790nmの波長であり、他方が630nm〜650n
    mであることを特徴とする請求項3記載の検査装置。
  7. 【請求項7】 上記制御部で設定された光の波長が68
    0nm以下であることを特徴とする請求項1記載の検査
    装置。
  8. 【請求項8】 上記光出射部は、分光器からなることを
    特徴とする請求項1記載の検査装置。
  9. 【請求項9】 少なくとも検査対象となる膜が形成され
    た光記録媒体に対して、当該検査対象の膜に応じて設定
    された波長の光を照射し、 上記所定の波長の光の反射光を検出し、 上記反射光の反射率変化を検出することによって、検査
    対象の膜の成膜欠陥を検出することを特徴とする検査方
    法。
  10. 【請求項10】 上記反射光の反射率変化が大となる波
    長領域の光を光記録媒体に対して照射することを特徴と
    する請求項9記載の検査方法。
  11. 【請求項11】 光記録媒体に対して波長の異なる複数
    の光を照射することを特徴とする請求項9記載の検査方
    法。
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US7586595B2 (en) 2003-11-17 2009-09-08 Tdk Corporation Method of scanning and scanning apparatus

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