JP2007141289A - 光情報記録再生装置及び光情報記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】波長の変化に対応した超解像層を搭載し、大容量かつ低消費電力、高速回転化に対応可能な光ディスクを得る。
【解決手段】少なくとも基板と、その記録面上に形成された反射層と、光情報記録層と、温度変化にともなって透過率が可逆的に変化する超解像層と、これらを保護するための保護層を有し、この光情報記録媒体の分光反射率曲線において、ある波長域に反射率の極小値を有する波長λminと、上記レーザー光の波長λ0との間に、0.94λ0≦λmin≦1.05λ0なる関係が存在する光情報記録媒体、及びそれを用いた光情報記録装置。
【選択図】図1
【解決手段】少なくとも基板と、その記録面上に形成された反射層と、光情報記録層と、温度変化にともなって透過率が可逆的に変化する超解像層と、これらを保護するための保護層を有し、この光情報記録媒体の分光反射率曲線において、ある波長域に反射率の極小値を有する波長λminと、上記レーザー光の波長λ0との間に、0.94λ0≦λmin≦1.05λ0なる関係が存在する光情報記録媒体、及びそれを用いた光情報記録装置。
【選択図】図1
Description
本発明は、高い超解像効果を有する大容量の光情報記録装置及び光情報記録媒体に関する。
近年の光通信を用いた情報化社会の発展により、大容量の情報を高速で通信できる通信システムの構築が必要となっている。このような大容量高速光通信を展開するために必要不可欠な光デバイスとして、大容量の光情報を蓄積するための光情報記録媒体が挙げられる。さらにテレビ画像などの映像のデジタル化、高精細化などの高画質化に伴い、これらを高画質状態に保ち、かつ長時間記録可能な大容量光情報記録媒体の開発が急務である。
現在、光情報記録媒体として、片面4.7GBの容量を有するDVDが、コンピューター用途のほか、ビデオなどの大容量動画を扱うための媒体として広く普及している。このDVDは、直接基板に情報が書き込まれた読み出し専用のROM(DVD−ROM)の他、書換え可能な記録再生媒体としても実用化が進んでいる。このような光情報記録媒体の高記録密度化を目的とした開発が行われており、情報記録の高密度化を達成する手段として、CDなどに使われていたレーザー(780nm)よりも短波長の650nmのレーザー光を用いている。しかし、コンピューターグラフィックスやデジタルハイビジョン映像等の大容量の情報を扱うためには、さらにその4〜5倍の高記録密度化を達成する必要がある。これを達成するため、さらに短波長の青色半導体レーザー(波長405nm)を用いる光ディスクの開発が行われ、片面23.3GBの光ディスクが実用化されている。
更なる光ディスク大容量化の技術として、多層記録、多値記録、超解像記録方式などの開発が行われている。これらの次世代の大容量化を担う技術として、超解像記録は最も有力な大容量化技術の一つである。
超解像記録方式とは、超解像層によるレーザー集光機能、あるいはマスク機能を用いて照射されるレーザービーム径を小さくして記録面上に照射させる記録方式である。光ディスクの記録層や保護層、反射層などの多層膜構造中に形成される超解像層の光学定数(屈折率(n)、消衰係数(k))の可逆的な変化によってもたらされる大容量記録方式の一つである。超解像層に読み書き用のレーザーが照射されると、超解像層がレーザー光を吸収して温度が上昇したり、基底状態にある電子が励起状態にしたりすることにより、レーザーが照射されている間だけ屈折率、消衰係数が変化し、レーザーがなくなるとまた元の状態に戻る。
光ディスクはレーザー光がディスクに照射され、ディスクで反射されてピックアップに帰ってくる光の光量の大小によって記録部と非記録部を判定し、再生を行う。しかし、この超解像層の可逆的な光学定数の変化により、このピックアップに帰ってくる光の領域を、通常照射されるレーザー光の照射面積よりも小さくすることができる。すなわち、光学的マスク効果により、読み出せる領域を小さくすることにより、分解能を向上させることが可能である。
なお、ここで消衰係数(k)とは材料の光の吸収係数に比例した量であり、吸収係数の大きい材料ほど大きな値になる。また、この屈折率(n)及び吸収係数(k)の2つの定数をまとめて光学定数と呼ぶ。
これまで、この超解像層として特許文献1記載のように、コバルト酸化物系の薄膜材料などが用いられてきた。この薄膜の大きな屈折率変化により、超解像効果により大容量の光ディスクが得られている。
近年の光ディスクの大容量化に伴い、照射されるレーザーの波長が従来の650nmからより短波長の405nmへと移行するに伴い、屈折率変化が十分とはいえず、大きな集光機能効果が得られにくいという問題が生じてきている。またこの屈折率変化がレーザー照射パワーに対して徐々に変化するために、十分な集光機能効果が得られ難いという問題がある。本発明は、これらの問題点を解消することを課題とする。
本発明の光情報記録再生装置は、少なくとも、光情報記録媒体より光情報を読み書きするための波長λ0のレーザー光を出射するレーザー光源と、このレーザー光を前記光情報記録媒体に集光照射するためのレンズ系と、前記光情報記録媒体からの信号を受光するための受光部とを備えたピックアップ部と、前記光情報記録媒体を支持し、かつ回転駆動を与えるためのスピンドルおよびスピンドルモーターとを有する。前記光情報記録媒体は少なくとも基板と、その記録面上に形成された反射層と、光情報記録層と、温度変化にともなって透過率が可逆的に変化する超解像層と、これらを保護するための保護層を有し、この光情報記録媒体の分光反射率曲線において、波長域において反射率の極小値を有する波長λminと、上記レーザー光の波長λ0との間に、0.94λ0≦λmin≦1.05λ0なる関係が存在する。
なお、前記記録媒体の構成としては、記録面上にピットを形成し、温度変化に伴って複素屈折率が可逆的に変化する超解像層を有するタイプ、および2つの相間の相変化により光情報を記録する記録層と、温度変化に伴って複素屈折率が可逆的に変化する超解析層との組み合わせを含む。
また本発明の光情報記録媒体は、少なくとも基板と、その記録面上に形成された反射層と、光情報記録層と、温度変化にともなって透過率が可逆的に変化する超解像層と、これらを保護するための保護層を有し、この光情報記録媒体の分光反射率曲線において、波長域において反射率の極小値を有する波長λminと、上記レーザー光の波長λ0との間に、0.94λ0≦λmin≦1.05λ0なる関係が存在する。
本発明によれば、波長の変化に対応した超解像層を搭載し、大容量かつ低消費電力、高速回転化に対応可能な光ディスクを得ることができ、低いレーザーパワーで高速回転にも対応できる。
本発明の最良の実施形態を例示する。本発明の実施形態による光情報記録再生装置は、少なくとも、光情報記録媒体より光情報を読み書きするための波長λ0のレーザー光を出射するレーザー光源と、このレーザー光を前記光情報記録媒体に集光照射するためのレンズ系と、前記光情報記録媒体からの信号を受光するための受光部とを備えたピックアップ部と、前記光情報記録媒体を支持し、かつ回転駆動を与えるためのスピンドルおよびスピンドルモーターとを有する。前記光情報記録媒体は、少なくとも記録面上に光情報が記録された記録ピットを有する基板上に形成された反射層と、この反射層上に形成された第一の誘電体保護層と、この誘電体保護層上に形成された温度変化にともなって複素屈折率が可逆的に変化する超解像層と、この超解像層上に形成された第二の誘電体保護層からなり、第二の誘電体保護層は低屈折率誘電体層と高屈折率誘電体層の繰り返しの積層体から構成され、かつこの光情報記録媒体の分光反射率曲線において、波長域において反射率の極小値を有する波長λminと、上記レーザー光の波長λ0との間に、λminの間に、0.94λ0≦λmin≦1.05λ0なる関係が存在する。
本発明の他の実施形態による光情報記録再生装置における光情報記録媒体は、少なくとも基板上に形成された反射層と、この反射層上に形成された第一の誘電体保護層と、この誘電体保護層上に形成された第一の相と第二の相の間の相変化によって光情報を記録する記録層と、この記録膜上に形成された温度変化にともなって複素屈折率が可逆的に変化する超解像層と、この超解像層上に形成された低屈折率誘電体層と、この低屈折率誘電体層上に形成された高屈折率誘電体層から構成され、かつ上記記録層が第一の相と第二の相のいずれかの状態にあるときの分光反射率曲線において、波長域において反射率の極小値を有する波長λminと、上記レーザー光の波長λ0との間に、0.94λ0≦λmin≦1.05λ0なる関係が存在する。
また、より好ましい実施形態においては、上記レーザー光の波長λ0と、波長λminとの間に、
0.97λ0≦λmin≦1.0λ0なる関係が存在する。上記レーザー光の波長λ0における上記光情報記録媒体の反射率Rは3〜50%であることが好ましい。
0.97λ0≦λmin≦1.0λ0なる関係が存在する。上記レーザー光の波長λ0における上記光情報記録媒体の反射率Rは3〜50%であることが好ましい。
また、上記超解像層はFe、Co、Ga、Zn、Cr、Niから選ばれる金属の酸化物であり、より好ましくは上記超解像層はFe2O3、Co3O4、NiO、CoO、ZnO、Ga2O3、Fe2O3−Ga2O3、Cr2O3から構成される。
さらに、上記第一、第二の誘電体保護層は、SiO2、ZnS−SiO2、TiO2、Nb2O5−CeO2−SiO2から選ばれる誘電体層であり、かつ第二の誘電体層を構成する低屈折率層はSiO2、高屈折率層はZnS−SiO2、TiO2、Nb2O5−CeO2−SiO2から選ばれる誘電体層であり、上記超解像層はFe2O3、Co3O4、NiO、CoO、ZnO、Ga2O3、Fe2O3−Ga2O3、Cr2O3から選ばれる金属酸化物であり、かつ上記反射層はAg、Al、Au、Ti、Pt、Pd、Cuから選ばれる単体の金属あるいはこれらから構成される。
さらに、本発明の実施形態による光情報記録媒体は、少なくとも記録面上に光情報が記録された記録ピットを有する基板上に形成された反射層と、この反射層上に形成された第一の誘電体保護層と、この誘電体保護層上に形成された温度変化にともなって複素屈折率が可逆的に変化する超解像層と、この超解像層上に形成された第二の誘電体保護層からなる。上記第二の誘電体保護層は低屈折率誘電体層と高屈折率誘電体層の繰り返しの積層体から構成され、かつこの光情報記録媒体の分光反射率曲線において、波長λminに反射率の極小値が存在し、上記レーザー光の波長λ0と、λminの間に、0.94λ0≦λmin≦1.05λ0なる関係が存在する。
また、更に他の実施形態においては、少なくとも基板上に形成された反射層と、この反射層上に形成された第一の誘電体保護層と、この誘電体保護層上に形成された第一の相と第二の相の間の相変化によって光情報を記録する記録層と、この記録膜上に形成された温度変化にともなって複素屈折率が可逆的に変化する超解像層と、この超解像層上に形成された低屈折率誘電体層と、この低屈折率誘電体層上に形成された高屈折率誘電体層から構成される。上記記録層が第一の相と第二の相のいずれかの状態にあるときの分光反射率曲線において、波長λminに反射率の極小値が存在し、上記レーザー光の波長λ0と、λminの間に、0.94λ0≦λmin≦1.05λ0なる関係が存在する。
上記レーザー光の波長λ0と、波長λminとの間に、0.97λ0≦λmin≦1.0λ0
なる関係が存在する。
なる関係が存在する。
また、上記超解像層はFe、Co、Ga、Zn、Cr、Niから選ばれる金属の酸化物であり、より好ましくは、上記超解像層はFe2O3、Co3O4、NiO、CoO、ZnO、Ga2O3、Fe2O3−Ga2O3、Cr2O3から選ばれる。
さらに上記第一、第二の誘電体保護層は、SiO2、ZnS−SiO2、TiO2、Nb2O5−CeO2−SiO2から選ばれる誘電体保護層であり、かつ第二の誘電体保護層を構成する低屈折率層はSiO2、高屈折率層はZnS−SiO2、TiO2、Nb2O5−CeO2−SiO2から選ばれる誘電体層であり、上記超解像層はFe2O3、Co3O4、NiO、CoO、ZnO、Ga2O3、Fe2O3−Ga2O3、Cr2O3から選ばれる金属酸化物であり、かつ上記反射層はAg、Al、Au、Ti、Pt、Pd、Cuから選ばれる単体の金属あるいはこれらから構成される。
ポリカーボネート基板上にAgやAlを主成分とする合金金属反射膜を10〜300nm、SiO2,ZnS−SiO2などの誘電体膜を10〜50nm形成した後、Ge−Sb−Te系合金、有機色素系の記録膜を10〜50nm程度形成する。さらにSiO2等の低屈折率膜を10〜50nm形成した後、レーザー照射によって屈折率が変化する薄膜材料であるFe2O3、Co3O4、NiO、CoO、ZnO、Ga2O3、Fe2O3−Ga2O3、Cr2O3を超解像層として20〜100nm形成する。その後、分光光学特性調整のため、SiO2などの低屈折率膜を10〜50nm形成し、さらにZnS−SiO2などの高屈折率膜を10〜50nm形成する。さらにSiO2などの低屈折率膜、ZnS−SiO2などの高屈折率膜をそれぞれ繰り返して10〜50nm形成する。この薄膜上にポリカーボネートシートをUV硬化樹脂を用いて貼り付け、光情報記録媒体を作成した。用いるレーザー波長によって閾値が生じるように、膜厚を調整した。
本発明では、上記の光情報記録媒体に、読み書きのための波長405nmのレーザーをNA=0.85のレンズを用いて集光照射した。上記のような光ディスク、及び再生装置の組み合わせによって、最も高い超解像効果が得られ、高記録密度を達成できた。以下本発明を実施例により詳細に説明する。
(実施例1)
本発明で検討した光情報記録再生装置、光情報記録媒体を詳細に説明する。なお、以下に示す実施例の検討は、この光情報記録再生装置を用いて行ったものである。図1に、本発明で作製した光情報記録再生装置のブロック図を示す。光情報記録媒体としての光ディスク(100)の種類を判別する媒体判別手段(101)を有している。光ディスクは、モータ回路制御手段(102)により制御されるモータ(103)の回転軸に、直接または間接に接続された回転機構に一時的に固定される。ピックアップ(104)内の光源である波長λのレーザーと反射光を検知する検知部により、光ディスクの情報を光信号として読取る。また、ピックアップ内の光源により、光ディスクに情報を記憶する。またピックアップはピックアップ移動ドライバ(123)によりトラック方向の位置決めがなされる。
本発明で検討した光情報記録再生装置、光情報記録媒体を詳細に説明する。なお、以下に示す実施例の検討は、この光情報記録再生装置を用いて行ったものである。図1に、本発明で作製した光情報記録再生装置のブロック図を示す。光情報記録媒体としての光ディスク(100)の種類を判別する媒体判別手段(101)を有している。光ディスクは、モータ回路制御手段(102)により制御されるモータ(103)の回転軸に、直接または間接に接続された回転機構に一時的に固定される。ピックアップ(104)内の光源である波長λのレーザーと反射光を検知する検知部により、光ディスクの情報を光信号として読取る。また、ピックアップ内の光源により、光ディスクに情報を記憶する。またピックアップはピックアップ移動ドライバ(123)によりトラック方向の位置決めがなされる。
光信号は、プリアンプ(105)、読出し信号処理手段(106)、アドレス読取手段(107)、クロック同期信号読取り手段(108)を経て、再生信号復調手段(109)を介し、再生データ送出手段(110)により、装置外へ出力される。再生データは、表示装置やスピーカ等の所定の出力手段により出力されるか、または、パーソナルコンピュータなどの情報処理装置により、データ処理が行われる。
本実施例では、通常の記録再生に用いられる回路系のほか、任意のレーザー波長を選択可能なレーザー選択手段(111)を設けた。本発明の光情報記録装置では、レーザー光源として波長780nm、650nm、635nm、405nmの半導体レーザーを搭載した。レーザー選択手段の出力に基づき、レーザーパワー制御情報解析手段(112)の解析に基づいて、ピークパワー決定手段(113)にて使用されるピークパワーが決定される。また、同様に読み出しパワー決定手段(119)にて読み出しパワーが決定される。
本装置は、読取り専用の光情報記録媒体(ROM:Read Only Memory型)のほか、追記型光ディスク(WO:Write Once型)、書換え可能型光ディスク(RW:Re−Writable型)の記録可能型光情報記録媒体に対して情報が読み書きできるようにした。情報記録の際には、ピークパワー決定手段(113)の出力がパワー比決定手段(114)を介して記録パワーDCアンプ(115)と消去パワーDCアンプ(116)を経由してレーザドライバ(117)に入力され、ピックアップ内の光源を制御した。同様に読み出しパワーDCアンプ(118)を介して読み出しパワー決定手段(119)の出力はレーザドライバ(117)に入力され、ピックアップ内の光源を制御する。
波長により焦点や焦点深度が異なるため、レーザーの選択に伴いオートフォーカシング機構可能な構造とした。さらに、ディスクに集光機能層が搭載され、トラッキング幅が細くなるのに対応して、トラッキング誤差検出手段(126)に高密度記録用のものを別に設け、媒体にあわせたトラッキングができるようにした。このトラッキング誤差検出手段(126)の情報はコントローラ(124)、ピックアップ制御回路(125)を介してピックアップに伝達される。また、媒体の反射率差を利用して媒体の種別判別機構を設け、これにより媒体種の違いにあわせてオートでトラッキングできるように設計した。
データ記録の際は、記録データ受入手段(120)から記録データが入力され、記録データ変調手段(121)でデータ変調され、記録タイミング補正手段(122)を介してレーザドライバに入力され、ピックアップ内の光源を制御する。
図1のような構成とすることにより、波長の異なる光記録媒体をコンパチブルに使用できるだけでなく、大容量化などにより記録容量の異なるディスクを一台の装置で取り扱うことが可能となる。なお、光情報再生記録装置は、その目的・用途により、適宜その構成に変更を加えて使用しても良い。
図2に、記録可能型光情報記録媒体のディスクに記録マークとスペースを記録するのに用いた記録波形を示す。マークを記録するために、記録パワーPw(mW)の出力をτw秒、及び低出力のPr(mW)の出力をτr秒照射するパルスの対を作り、これを繰り返して照射して、ひとつの記録マークを形成した。図2では3Tの場合について示してある。この3Tをτmとし、このτmと同じ時間のτsの間、Pe(mW)のパワーの光を照射し、スペースを記録した。これを同一半径のトラック一周について記録した。そしてτwとτrを変化させ、記録マーク長を変化させてそれぞれのマーク長に対するCN比を計測した。
本実施例においては、レーザー波長λを405nmとし、ピックアップ(104)内のレンズのNAとして0.85とした。このとき、記録パワーPwを4mW〜12mWまで変化させた。Peは1mW〜4mWまで変化させた。また読み出し専用のROM型ディスク、記録可能型双方における読出しパワーPrは0.3〜1.5mWまで変化させた。
次に、本発明で検討した光情報記録媒体について詳細に説明する。まず、再生専用のROM型ディスクについて述べる。図3に、本発明で作製した光情報記録媒体(光ディスク)の断面の模式図を示す。図3において、1は基板、2は反射層、3は誘電体保護層、4は超解像層、5、7は低屈折率保護層、6、8は高屈折率保護層である。また9はカバー層、10はカバー層をディスク上に固着するための接着剤、11は記録ピットである。本発明の光ディスクでは、このカバー層9側より読み書き用のレーザーが基板面上に集光照射され、基板1の表面に形成された記録ピット11の再生を行った。
本実施例では、1の基板として外径120mmφ、内径15mmφ、厚さ1.1mmのポリカーボネート基板を用いた。この基板上には光情報を記録した記録ピット11が、ディスク内周部から連続的にスパイラル状に形成されている。記録ピット11は基板1の表面に深さ22nmの凹部として形成した。この記録ピット11のスパイラルの半径方向におけるピッチは310nmでとした。また、円周内に記録ピットを形成していない部分を同心円状に形成し、鏡面部の反射率評価に用いた。この部位をミラー面と呼ぶ。
本検討のROM基板1の作成は下記のようにして行った。まず電子線感光性のレジストを100nm塗布したSiの単結晶原盤に、所望の形状の記録ピットを円周状に記録した。記録は、r−θ方向に駆動可能な電子線描画装置を用いた。記録後、反応性イオンエッチング法を用いて、レジスト及びSi原盤のエッチングを行った。このエッチングにより、記録ピット深さ約40nmの凹状の記録ピットがSi原盤上に形成できた。さらにこの原盤上にNiメッキを施し、約0.3ミクロンのNi箔を形成した。これをSi原盤上からはがし、ネガのNiスタンパを作製した。このスタンパを内径15mmφ、外径120mmφに加工した。このスタンパを樹脂型にセットし、射出成型によってポリカーボネート基板を作製した。
2〜8に示す各薄膜材料は、マグネトロンスパッタリング法を用いて、順次、1の基板上に形成した。2の反射層にはAl系、またはAg系合金反射膜を用いた。膜厚は50nmとした。スパッタ用ターゲットには同組成の合金ターゲットを用い、純Arガスを成膜ガスとしてDC電源で成膜した。
3の誘電体保護層には、80ZnS−20SiO2(mol%)の非晶質膜を用いた。成膜は、純Arガスを用いてRFスパッタリング法で行った。
4の超解像層として、50Fe2O3−50Ga2O3(mol%)を用いた。成膜は、RFマグネトロンスパッタ法を用い、スパッタガスとしてAr+5%O2ガスを用いた。ターゲットとして、152.4mmφのFe2O3ターゲット上に、マグネトロンで電界が集中するエロージョン領域に、所望の組成となるように10mm角のGa2O3チップを必要数搭載し、上記薄膜を形成した。
5、7の低屈折率保護層には、非晶質のSiO2膜を用いた。また6、8の高屈折率保護層として80ZnS−20SiO2(mol%)の非晶質膜を用いた。これら2〜8の各層の膜厚は、全薄膜の光学定数(屈折率、消衰係数)及び膜厚により定まる反射率が最適になるように設計した。
2〜8の成膜が終了した後、9のカバー層を形成した。カバー層9には外径119.5mmφ、内径23mmφ、厚さ0.085mmのポリカーボネートシートを用いた。またカバー層をディスク上に固着するための接着剤10として、紫外線硬化樹脂を用いた。本実施例では、光の散乱、損失を抑えるため、硬化後の屈折率がカバー層9と同じになる樹脂を選定した。なお、カバー層9は本実施例のように接着剤5で貼り合せされるほか、紫外線硬化樹脂層を0.1mm塗布することにより接着剤無しで形成されるものであってもよい。
まず、2〜8の薄膜を形成した基板1上の薄膜形成面に、接着剤10をスピンコートした。スピン回転数は5,000〜10,000回転/分とした。その後、カバー層9と基板1の中心軸を、治具を用いて合わせて真空チャンバー内に搬送し、真空脱気しながら基板1の接着剤10塗布面とカバー層1を密着させ、上部から加圧した。この真空脱気、加圧の工程は約5秒〜1分行った。その後、カバー層側から紫外線ランプを用いて紫外線を照射し、紫外線硬化樹脂である接着剤10を硬化させた。紫外線照射時間は約5秒とした。硬化後の接着剤10の膜厚は、0.015mmとなるようにした。
本実施例では、超解像効果を生じさせるための薄膜材料として、超解像層4が形成されている。この薄膜の非線形光学特性を検討するため、超解像層4のみを同じくRFスパッタリング法を用いてガラス基板上に形成し、加熱しながら分光光学的特性の評価を行った。
図4に、分光光学特性の評価に用いた分光光度計の概略図を示す。測定装置として、(株)日立製作所製分光光度計U−4100を用いた。12は白色光源、13は波長選択用の分光器、14はビームスプリッター、15は光シャッター、16は光ディテクター、20は光軸切り替えのためのミラーである。白色光源12から出射した光は分光器13で波長選択され、ビームスプリッター14で、参照光17と、測定光18に1:1の強度で分割される。参照光17は光シャッター15を介して光ディテクター16に導入される。一方、測定光18は測定試料19を透過したのち、光シャッター15を介してディテクター16に入射する。
参照光17と測定光18は、光シャッター15によって切り替えられてディテクター16に入射する。そして、式1を用いて透過率を計算した。式1において、Trは透過率、Iは測定光強度、I0は入射光強度である。また光学系による損失を補正するため、試料19を挿入しない状態でのTrが1.0となるように補正を行った。本測定では、測定の波長を300nm〜1000nmとし、1nm間隔でサンプリングを行った。また各測定波長の中心波長に対して±2.5nmの波長幅とした。また波長スキャンスピードを300nm/分とした。白色光源12として、タングステンランプを用いた。
図4において、21は試料を固定するための試料ホルダー、22は試料を加熱するためのヒーター、23は温度、昇温速度を変化させるための温度コントローラである。この加熱機構を使用して、試料の温度を変化させながら各温度における分光透過率の測定を行った。測定光18は、試料ホルダー21、加熱ヒーター22に設けられた光透過用ピンホール24を透過する。測定は30℃、100℃、200℃、300℃、400℃、500℃の各温度で行い、昇温速度を20℃/分とした。また同様に降温の過程でも透過率の測定を行った。薄膜の膜厚は100nmとした。
図5に、本実施例で用いた超解像層4の50Fe2O3−50Ga2O3(mol%)薄膜の分光透過率曲線の温度変化を示す。この薄膜では波長400nm近傍から低波長側では光が吸収され、透過率が低下した。また長波長側では80%以上の高い透過率となった。温度上昇に伴い、透過率が低下する波長が長波長側にシフトしていくことが分かる。これに伴い、400nm近傍の波長では、透過率が低下する現象が見られた。また降温での測定では、可逆的にもとの光学特性に戻っていく様子が観測された。
このように、今回超解像層4として用いた50Fe2O3−50Ga2O3(mol%)薄膜は、加熱、冷却などの温度変化に対して光学特性が可逆的に変化する薄膜であることが分かる。
次に、この超解像層4を図3に示す光ディスク構造に成膜し、温度変化に対する反射率の温度依存性を測定した。本検討では、加熱による反射率変化を測定するため、図3に示す基板1にポリカーボネート基板を用いず、ガラス基板を用いた。図6に、本検討で用いた反射率測定用の光学系を示す。測定装置として、(株)日立製作所製分光光度計U−4100を用いた。図6において、12は白色光源、13は波長選択用の分光器、14はビームスプリッター、15は光シャッター、16は光ディテクター、20は光軸切り替えのためのミラーである。白色光源12から出射した光は分光器13で波長選択され、ビームスプリッター14で、参照光17と、測定光18に1:1の強度で分割される。参照光17は光シャッター15を介して光ディテクター16に導入される。一方、測定光18は測定試料上から入射角5°で入射して試料上で反射したのち、光シャッター15を介してディテクター16に入射する。
参照光17と測定光18は、光シャッター15によって切り替えられてディテクター16に入射する。そして、式2を用いて反射率を計算した。式2において、Pは反射率、Iは測定光強度、I0は参照光強度である。反射率は、純Al薄膜の反射率が1.0となるように補正を行った。本測定では、測定の波長を300nm〜1000nmとし、1nm間隔でサンプリングを行った。また各測定波長の中心波長に対して±2.5nmの波長幅とした。また波長スキャンスピードを300nm/分とした。白色光源12として、タングステンランプを用いた。測定は30℃、150℃、250℃、350℃の各温度で行い、昇温速度を20℃/分とした。また同様に降温の過程でも反射率の測定を行った。
図6において、21は試料を固定するための試料ホルダー、22は試料を加熱するためのヒーター、23は温度、昇温速度を変化させるための温度コントローラである。この加熱機構を使用して、試料の温度を変化させながら各温度における分光反射率の測定を行った。
表1に、測定に供した実施例及び比較例の膜構造を示す。表1に示すように、ガラス基板1上に反射層2としてAl−3%Ti(at%)、誘電体保護層3としてSiO2、超解像層4として50Fe2O3−50Ga2O3(mol%)、低屈折率層5としてSiO2、高屈折率層6として80ZnS−20SiO2(mol%)、さらに低屈折率層7としてSiO2、高屈折率層8として80ZnS−20SiO2(mol%)を形成した。本検討では、図3に示すカバー層9、10は形成せず、厚さ0.1mmのカバーガラスを試料上に載せて実験を行った。表1中に示す実施例1〜6、比較例1は、それぞれの層の膜厚を変化させて形成したものである。表1中には、波長405nmにおける反射率の測定値と、分光反射率曲線中に見られた反射率の極小値を与える波長λminを併記した。また表2には、比較例2として超解像層4として光学的比線形性を有さない80ZnS−20SiO2(mol%)を形成したものを作製した。
図7に、30℃で測定した実施例1、3、4、6の分光反射率曲線を示す。いずれの実施例においても、波長380〜430nmの間に、反射率曲線の極小値が存在していた。そして波長405nmにおける反射率を見ると、実施例1では50%、実施例3では21%、実施例4では13%、実施例6では52%であった。
次に、これらの実施例の積層体を加熱し、加熱による分光反射率曲線の変化を調べた。図8に測定の一例として、実施例4の分光反射率曲線の温度変化の測定結果を示す。温度上昇に伴って分光反射率曲線が長波長側にシフトしていくことが分かる。これは図5に示したように、加熱過程によって超解像層4の光学特性が長波長側にシフトするためと考えられる。
同様の測定を実施例1〜6、比較例1、2についても行い、波長405nmにおける反射率の変化を測定温度に対して求めた。図9に、測定温度に対する波長405nmの相対反射率を示す。縦軸は、30℃における反射率の値を1として、各温度における反射率を30℃で測定した反射率で規格化した値とした。実施例4では、反射率は150℃程度までほぼ一定であり、その温度より高温では反射率が上昇した。実施例5、6では、反射率は室温から単調に増加していたが、実施例6では相対反射率の上昇の度合いが実施例5よりも小さかった。また実施例1〜3では、相対反射率は低下していた。低下の度合いは、実施例3が最も大きく、350℃では30℃で測定される反射率の50%に低下した。比較例2では、温度の変化に対して反射率の変化は全く見られなかった。比較例1では、若干反射率の上昇が見られたが、その程度は2%程度と非常に小さかった。
以上に示した表1、表2に示した実施例1〜6及び比較例1、2の膜構成を有する図3に示す形状の光ディスクを作成し、その特性を評価した。まず、入射光強度に対する反射光強度のプロットを行った。本実験では、図1に示す光ディスク記録再生装置のオートフォーカス機構のみを使用し、トラッキング機構は使用せず、ディスク上に形成した記録ピットを形成していない鏡面部(ミラー面)上の反射率分布を測定した。図10に、光ディスクのミラー面の入射光強度(Pr(mW))に対して、反射光強度(Vout(mV))を表1に示した各ディスクの反射率(R(%))で規格化した値を示す。なお、本検討における入射光強度は、試料面上でのレーザー光強度であることを意味する。なお、反射光強度は、入射光強度が0.3mWのときの反射光強度で規格化した相対反射光強度としてプロットした。
実施例4では、入射光強度が0.5mWよりも低パワー側ではほぼ線形に反射光強度が上昇していたが、0.5mW以上で線形に対して増大した。実施例5、6では線形に対して反射光強度が低パワー側から上昇した。反射光強度上昇の度合いは、実施例6よりも5のほうが大きかった。さらに実施例1、2、3では反射光強度は線形に対して低下していった。また比較例1では、反射光強度は入射パワーに対して線形に変化していた。また比較例2では、線形に対して若干反射光強度の上昇が見られたが、その度合いは他の実施例に比べると小さく、非線形性が小さかった。
次に、これらの光ディスクのROM型状の記録ピットの再生特性を評価した。本検討で用いたROMの記録ピットは、周期的に記録マークが形成されているCN評価用の記録パターンを用いた。図11に、本検討で用いたROMの記録ピットパターンの平面図を示す。図11において、25は記録マークである記録ピット、26はスペースである。記録ピット25の長さはLmであり、記録周期はLwである。また同一トラック内には単一の記録マークが記録されている。今回の検討では、Lw=2Lmとして検討を行った。またトラックピッチはTpであり、本実験ではTp=320nmとした。本実験では、Lmを60nm、80nm、100nm、120nm、160nm、240nm、480nmとして検討を行った。また再生時の回転の線速度を4.56m/秒とし、スチルモードで単一トラックの再生特性を評価した。
再生特性は、上記の記録マークを再生し、再生信号をスペクトラムアナライザーを用いて、単一信号を記録媒体をある回転速度で再生したときに相当する周波数の信号強度(C、キャリア)と、その周波数におけるノイズ(N)を求め、その比(CN比)により評価した。さらに再生パワーを変化させ、CN比の変化を測定した。
図12、13に、各マーク長に対する実施例1〜6、比較例1、2のCN比の変化を示す。再生パワーは図12では1.5mWとし、図13では0.3mWとした。図12を見ると、比較例では、再生パワーが大きいと若干CN比が改善されているが、これは再生パワーに比例した信号強度の伸びに対応するものであり、実質的な超解像効果ではない。
実施例1〜6では、この比較例よりも高いCN比が得られており、超解像効果が生じていることが分かる。また実施例1〜6では、60nmの記録マークにおいて35〜40dB以上のCN比が得られており、分解能向上効果が生じていることが分かる。特に、実施例4では、60nmの記録マークにおけるCN比が42dBと高いCN比が得られており、分解能向上効果が高かった。しかしながら、実施例6では、60nm、80nmのマークのCN比が35dB以下となっており、分解能の向上は見られたものの、その効果が十分ではないことが分かった。また比較例1、2では、マーク長120nm以下では全く信号が検出されなかった。
以上の結果より、高い超解像効果を示す光ディスク構成について示す。図14、15、16に、各実施例の光ディスク面上でのレーザービーム強度分布の模式図を示す。実施例1、2、3は、図9、10に示す結果より、再生光パワーの上昇に伴って反射率が低下する光ディスク構成になっていた。従って、レーザービームスポット内の反射率分布は、図14に示すようになっている。すなわち、レーザー光照射によってディスク状の薄膜材料の温度が上昇し、反射率が低下する。つまり、図14に示すレーザービームスポットのレーザー光の進行方向の後ろ側の反射率が通常のビームの反射率に対して低く、この領域ではレーザービームがこの領域でマスクされている方式である。この方式をフロント・アパーチャー方式と呼ぶ。
一方、図15に示すように、実施例5、6では、図9、10に示す結果より、再生光パワーの上昇に伴って反射率が上昇する光ディスク構成になっている。従って、レーザービームスポット内の反射率分布は、図15に示すようになっている。すなわち、レーザー光照射によってディスク状の薄膜材料の温度が上昇し、反射率が上昇する。つまり、図15に示すレーザービームスポットのレーザー光の進行方向の後ろ側の反射率が通常のビームの反射率に対して高く、この領域から情報を読み出す方式である。この方式をリア・アパーチャー方式と呼ぶ。
しかしながら、図14、15いずれの場合も、読出し領域とマスク領域との境界が不明瞭であり、かつ熱分布の立ち上がりが緩慢なため、反射率の変化がなだらかになっている。一方、図16に示すように、実施例4の場合では、温度150℃まで反射率の変化が生じず、それより高温で反射率変化が生じるため、図14、15に示されるような反射率の不明瞭な領域が存在しない。従って、読出し領域以外の部分のマスク領域からの反射を著しく低減することができるため、読出し領域のサイズを小さくすることができ、分解能向上の効果が高いと考えられる。
図8に示した実施例4における400nm近傍の分光反射率の変化の模式図を図17に示す。実施例4では、測定する波長405nmにおいて、30℃と150℃で測定される分光透過率曲線が交わっている。このため、30℃から150℃の間では若干反射率の低下が見られるもののほぼ反射率は一定であり、150℃以上で急激に反射率が上昇し始めるという特異な反射率変化を示すことが分かる。
また、例えば実施例3の場合では、実施例4と同様な分光反射曲線の温度変化を示すものの、反射率曲線の極小値の波長が390nm近傍にあるため、波長405nmでは加熱による反射率変化は単調減少となる。従って、図9、10に示すような反射率変化を示し、フロント・アパーチャー方式の超解像現象が見られる。実施例3の場合における分光反射率の温度変化の模式図を図18に示す。
さらに、例えば実施例5の場合では、やはり実施例4と同様な分光反射率曲線の温度変化を示すものの、反射率曲線の極小値の波長が420nm近傍にあるため、波長405nmでは加熱による反射率変化は単調増加となる。従って、図9、10に示すような反射率変化を示し、リア・アパーチャー方式の超解像現象が見られる。実施例3の場合の分光反射率の温度変化の模式図を図19に示す。
上記より、実施例1、2、3に示すフロント・アパーチャー方式の超解像方式、実施例5,6に示すリア・アパーチャー方式における超解像方式のいずれの場合も超解像効果を得ることができるが、実施例4に示すように室温から、室温より高温の任意の温度までの温度範囲において、再生に用いるレーザー波長で分光反射率が一定になっている方が、レーザービームスポット内の反射率分布がより明瞭になるため、高い超解像効果を得ることができる。
ところで、比較例2では、層の構成が実施例1〜6と非常に類似しているにも関わらず反射率変化、超解像効果を得ることができなかった。これは、比較例1の反射率が62.4%と高く、図9に示した相対反射率の変化が大きくなかったことが原因と考えられる。図20に、表1に示したディスクの反射率に対する再生パワー1.5mWのときの60nmのマークのCN比の変化を示す。回転の線速度は4.56m/sである。反射率の上昇とともにCN比が低下していき、50%を超えるとCN比が35dB以下となることが分かる。これは、反射率が上昇すると、レーザー光の吸収率が低下するため、照射されたレーザー光が効率的に熱に変換されないこと、および元来の反射率が高いため、相対反射率は小さくなることなどが原因として挙げられる。
図20より、超解像効果を得るためにはディスクの反射率は50%以上であることが好ましい。また、本実施例中には示していないが、検討中、ディスクの反射率が3%に満たない場合には、反射光量が低すぎ、ディスクのオートフォーカス機構、トラッキング機構が作動せず、測定ができない状態であった。以上より、光ディスクの反射率は、3〜50%であることが好ましい。
また、図21に、表1に示したディスクの反射率に対する再生パワー1.5mWのときの60nmのマークのCN比の、分光反射率曲線の極小値を与える波長λminを測定波長λ0で規格化した値(λmin/λ0)に対する依存性を示す。λmin/λ0が0.94以上1.05以下であれば、35dB以上の高いCN比が得られることが分かった。すなわち、λminが、0.94λ0≦λmin≦1.05λ0の範囲にあれば、高い超解像効果を得ることが可能であった。0.94λ0>λmin、λmin>1.05λ0では、λminが測定波長から外れすぎるため、高い超解像効果を得ることができなかった。
次に、実施例4に示すような温度変化が室温以上のある温度まで一定である領域が存在する性質を有する光ディスク構造について検討した。いろいろなλminを有するディスク構造について相対反射率の温度変化を調べた結果、0.97λ0≦λmin≦1.0λ0のとき、室温以上の温度で反射率がある任意の温度まで一定値である温度領域が存在し、より高い超解像効果が得られることが分かった。0.97λ0>λminでは、反射率が温度上昇に対して単調に上昇する反射率上昇型のリア・アパーチャータイプの超解像効果となった。さらにλmin>1.05λ0では、反射率が温度上昇に対して単調に低下する反射率低下型のフロント・アパーチャータイプの超解像効果となった。
(実施例2)
次に、表1に示した層構造を有する光ディスクを、様々な材料系について検討した。表3に、各実施例の膜を構成する各薄膜の種類と膜厚、405nmにおける反射率、λmin、及び再生パワー1.5mWで60nmマークを再生したときのCN比を示す。実施例7、8では、高屈折率層6、8としてTiO2、50Nb2O5−30CeO2−20SiO2(mol%)を用いた例について示す。これらの場合も、60nmマークのCN比が38〜42dBという高いCN比が得られた。実施例9〜13は、超解像層4としてCo3O4、Fe2O3、ZnO、NiO、Cr2O3を用いた例である。これらについても、60nmマークのCN比が35〜40dBと、高いCN比が得られた。さらに実施例14〜16では、反射層2としてAgを主成分とする合金を用いた実施例であるが、いずれの実施例においても38〜39dBの高いCN比が得られた。また実施例17、18は反射層2としてAg、Alの金属を用いた場合の実施例であるが、いずれも37〜39dBと高いCN比が得られた。
次に、表1に示した層構造を有する光ディスクを、様々な材料系について検討した。表3に、各実施例の膜を構成する各薄膜の種類と膜厚、405nmにおける反射率、λmin、及び再生パワー1.5mWで60nmマークを再生したときのCN比を示す。実施例7、8では、高屈折率層6、8としてTiO2、50Nb2O5−30CeO2−20SiO2(mol%)を用いた例について示す。これらの場合も、60nmマークのCN比が38〜42dBという高いCN比が得られた。実施例9〜13は、超解像層4としてCo3O4、Fe2O3、ZnO、NiO、Cr2O3を用いた例である。これらについても、60nmマークのCN比が35〜40dBと、高いCN比が得られた。さらに実施例14〜16では、反射層2としてAgを主成分とする合金を用いた実施例であるが、いずれの実施例においても38〜39dBの高いCN比が得られた。また実施例17、18は反射層2としてAg、Alの金属を用いた場合の実施例であるが、いずれも37〜39dBと高いCN比が得られた。
以上より、本発明の光情報記録媒体として、超解像層4としてはFe、Co、Ga、Zn、Cr、Niから選ばれる金属の酸化物が好ましく、より好ましくはFe2O3、Co3O4、NiO、CoO、ZnO、Ga2O3、Fe2O3−Ga2O3、Cr2O3のいずれかにより構成されることが好ましい。
また上記第一、第二の誘電体層としては、SiO2、ZnS−SiO2、TiO2、Nb2O5−CeO2−SiO2から選ばれる誘電体層が好ましく、かつ第二の誘電体保護層を構成する低屈折率層はSiO2、高屈折率層はZnS−SiO2、TiO2、Nb2O5−CeO2−SiO2から選ばれる誘電体保護層であることが好ましい。さらに上記反射層はAg、Al、Au、Ti、Pt、Pd、Cuから選ばれる単体の金属あるいはこれらから構成される合金であることが好ましい。
(実施例3)
次に、本発明で作製した記録可能型光ディスクの実施例について詳細に述べる。図22に、本発明で作製した記録可能型光ディスクの半径方向における断面の模式図を示す。図22において、1は基板、2は反射層、3、3’は誘電体保護層、200は記録層、4は超解像層、5は低屈折率保護層、6は高屈折率保護層である。また9はカバー層、10はカバー層をディスク上に固着するための接着剤、211はレーザービームの案内溝を形成するランド、212はグルーブである。本発明の光ディスクでは、このカバー層9側より読み書き用のレーザーが基板面上に集光照射され、基板1の表面に形成されたグルーブ212側に記録再生を行った。
次に、本発明で作製した記録可能型光ディスクの実施例について詳細に述べる。図22に、本発明で作製した記録可能型光ディスクの半径方向における断面の模式図を示す。図22において、1は基板、2は反射層、3、3’は誘電体保護層、200は記録層、4は超解像層、5は低屈折率保護層、6は高屈折率保護層である。また9はカバー層、10はカバー層をディスク上に固着するための接着剤、211はレーザービームの案内溝を形成するランド、212はグルーブである。本発明の光ディスクでは、このカバー層9側より読み書き用のレーザーが基板面上に集光照射され、基板1の表面に形成されたグルーブ212側に記録再生を行った。
本実施例では、1の基板として外径120mmφ、内径15mmφ、厚さ1.1mmのポリカーボネート基板を用いた。この基板上には読み書きのためのレーザー光を案内するための案内溝を形成するランド211とグルーブ212がディスク内周部から連続的にスパイラル状に形成されている。グルーブ212は基板1の表面に深さ22nmの凹部として形成した。この案内溝のスパイラルの半径方向におけるピッチを320nmとした。
2〜6及び200の各薄膜材料は、マグネトロンスパッタリング法を用いて、順次、1の基板上に形成した。2の反射層にはAl系、またはAg系合金反射膜を用いた。膜厚は50nmとした。スパッタ用ターゲットには同組成の合金ターゲットを用い、純Arガスを成膜ガスとしてDC電源で成膜した。
3、3’の誘電体保護層には、80ZnS−20SiO2(mol%)の非晶質膜を用いた。成膜は、純Arガスを用いてRFスパッタリング法で行った。
200の記録層として、Ge−Sb−Te系相変化薄膜を用いた。成膜は、純Arガスを用いてRFスパッタリング法で行った。この薄膜は、スパッタ直後のAs−depoの状態では非晶質であるが、後に述べる初期化工程で結晶化され、記録時に、再度非晶質化してこの非晶質部分が記録マークとなる。本実施例では、非晶質相を第一の相と呼び、結晶相を第二の相と呼ぶ。
4の超解像層として、50Fe2O3−50Ga2O3(mol%)を用いた。成膜は、RFマグネトロンスパッタ法を用い、スパッタガスとしてAr+5%O2ガスを用いた。ターゲットとして、152.4mmφのFe2O3ターゲット上に、マグネトロンで電界が集中するエロージョン領域に、所望の組成となるように10mm角のGa2O3チップを必要数搭載し、上記薄膜を形成した。
5の低屈折率保護層には、非晶質のSiO2膜を用いた。また6の高屈折率保護層として80ZnS−20SiO2(mol%)の非晶質膜を用いた。これら2〜6及び200の各層の膜厚は、全薄膜の光学定数(屈折率、消衰係数)及び膜厚により定まる反射率が最適になるように設計した。
2〜6及び200の成膜が終了した後、9のカバー層を形成した。カバー層9には外径119.5mmφ、内径23mmφ、厚さ0.085mmのポリカーボネートシートを用いた。またカバー層をディスク上に固着するための接着剤10として、紫外線硬化樹脂を用いた。本実施例では、光の散乱、損失を抑えるため、硬化後の屈折率がカバー層9と同じになる樹脂を選定した。なお、カバー層9は本実施例のように接着剤5で貼り合せされるほか、紫外線硬化樹脂層を0.1mm塗布することにより接着剤無しで形成されるものであってもよい。
まず、薄膜を形成した基板1上の薄膜形成面に、接着剤10をスピンコートした。スピン回転数は5,000〜10,000回転/分とした。その後、カバー層9と基板1の中心軸を、治具を用いて合わせて真空チャンバー内に搬送し、真空脱気しながら基板1の接着剤10塗布面とカバー層1を密着させ、上部から加圧した。この真空脱気、加圧の工程を約5秒〜1分行った。その後、カバー層側から紫外線ランプを用いて紫外線を照射し、紫外線硬化樹脂である接着剤10を硬化させた。紫外線照射時間は約5秒とした。硬化後の接着剤10の膜厚は、0.015mmとなるようにした。
次に、カバー層を形成した光ディスクの初期化を行った。初期化用のレーザーは波長810nmの半導体レーザーであり、ディスク半径方向のビーム直径が96μmのものを用いた。初期化時のレーザーパワーを500mW、回転の線速度を3m/秒とした。また半径方向の送りピッチを48μmとした。この初期化工程により、相変化層200が結晶化し、記録可能な状態になる。
情報の記録は、図2に示すような記録波形を用いて行った。記録再生に使用したレーザー波長は405nmである。本検討では、記録のための記録パワーPwを12mWとし、Peを1mW、Pbを0.1mWとした。また再生時のディスクの線速度を4.56m/秒とし、再生パワーPrを変化させて再生パワーに対する超解像効果を検討した。図2におけるτw、τrを短くすることで、微小な記録マークを形成した。
記録マーク長は、(実施例1)のROM型光ディスクの場合と同様、60nm、80nm、100nm、120nm、160nm、240nm、480nmとして図11に示すものと同様な単一記録マークを同一トラック上に形成し、CN比を評価することで検討を行った。CN評価方法は(実施例1)に準じた。
表4に、本実施例で検討した記録可能型光ディスクの膜構成と、記録層が結晶相であるときの分光反射率曲線から得られた波長405nmにおける結晶相反射率、並びに分光反射率曲線の極小値(結晶相のλmin(nm))、並びに再生パワー1.5mWにおける60nmのマークのCN比変化を示す。
図23に、表4の実施例19に示した薄膜の積層構造の室温における非晶質相と結晶相の分光反射率曲線の変化を示す。ここで非晶質相とは記録層200として形成した4Ge−2Sb−7Te薄膜がそれぞれ非晶質のときと結晶質のときの分光反射率曲線である。この図に示すように、本実施例では、非晶質相、結晶質相のいずれの場合も波長400nm近傍に分光反射率曲線の極小値が存在していることが分かる。
図24に、記録層200が結晶質相のときの、30℃から350℃までの加熱過程における反射率曲線の変化を示す。測定方法は(実施例1)の方法に準じた。(実施例1)に示すROMの場合と同様に、反射率曲線が長波長側にシフトし、波長405nmでは、室温での反射率は7.9%であったが、350℃では13.1%と反射率が増加した。この変化は可逆的であり、加熱後に室温に冷却すると、ほぼ8%程度に戻った。
図25に、波長405nmにおける実施例19の記録可能型光ディスクの記録層200が結晶質の状態の加熱による相対反射率の変化を示す。この図において、各温度の反射率は30℃における反射率で規格化した値を用いた。350℃における反射率は室温における反射率の約1.7倍に増加していた。
次に、実施例19に示した薄膜構造を有する図22に示す光ディスクを作製した。上述した初期化手法を用いて、初期化による結晶化後、読出しパワーPr(mW)を変化させて反射率強度の変化を調べた。図26に、図25に示す反射率で規格化した反射光強度の読出しパワー依存性を示す。図中の破線は、Pr=0.3mWのときの反射率から線形に反射率が変化するときの反射光強度を示したものである。図26より、1.5mWの読出しパワーにおいて、反射光強度が非常に大きく変化していることが分かった。
この光ディスクに、図11に示すのと同様な単一パターンを記録し、マーク長に対するCN比を求めた。結果を図27に示す。図27中には、Pr=0.3mWのときと、Pr=1.5mWの双方の場合について示す。再生時の回転の線速度は4.56m/秒とした。図27に示すようにPr=0.3mWのときはマーク長120nm以下で急激なCN比の低下が見られたが、Pr=1.5mWでは60nm程度の短マークまでCN比が高く、マーク長60nmでのCN比が約36dBと、高い値を有していた。
表4に示す実施例19〜24、比較例3は、反射層2としてAl、97Al−3Ti(mol%)、Ag、95Ag−2.5Pd−2.5Cu(mol%)、誘電体保護層3、3’として80ZnS−20SiO2(mol%)、SiO2、記録層200として4Ge−2Sb−7Te、2Ge−2Sb−5Te、5Ge−2Sb−11Te、超解像層4として50Fe2O3−50Ga2O3(mol%)、低屈折率層5としてSiO2、高屈折率層6として80ZnS−20SiO2(mol%)を、各薄膜の膜厚を調整して得られたものである。また比較例4は、超解像層4として非線形光学特性を有さない80ZnS−20SiO2(mol%)を形成したものである。
表4の実施例19〜24を見ると、いずれも結晶相反射率が6.8%〜30%の間にあり、また結晶相のλminが385nmから425nm、すなわち0.94λ0≦λmin≦1.05λ0の範囲にあるため、良好なCN比が得られた。特に、実施例23では、結晶相のλminが394nmと、0.97λ0≦λmin≦1.0λ0の範囲にあり、反射率変化が150℃程度まで一定で、それ以上の温度で上昇しはじめる変化をしていたため、CN比は41dBと、非常に良好な値を示した。
一方、比較例3では、結晶相のλminが379nmと、0.94λ0≦λmin≦1.0の範囲外であり、かつ結晶相反射率が50.2%と高かったため、良好なCN比が得られなかった。また比較例4では、屈折率が変化する成分である超解像層4が非線形光学特性がないZnS−SiO2系薄膜であったので、分解能向上の効果が見られなかった。また(実施例1)のROMディスクの場合と同様、初期化後のディスク反射率が3%以下の場合、反射光量が低すぎ、オートフォーカス、オートトラッキング機構が機能しなかった。従って、ディスクの反射率は3〜50%であることが好ましい。
以上の実施例では、結晶相の反射率が加熱によって可逆的に変化する例について述べたが、非晶質相の反射率も同様に変化しており、いずれかの反射率が加熱によって変化すれば、上記の分解能向上が確認できることが分かった。
以上より、本発明の書換え可能型光情報記録媒体は、少なくとも基板上に形成された反射層と、この反射層上に形成された第一の誘電体保護層と、この誘電体保護層上に形成された第一の相と第二の相の間の相変化によって光情報を記録する記録層と、この記録膜上に形成された温度変化にともなって複素屈折率が可逆的に変化する超解像層と、この超解像層上に形成された低屈折率誘電体層と、この低屈折率誘電体層上に形成された高屈折率誘電体層から構成され、かつ上記記録層が第一の相(非晶質相)と第二の相(結晶相)のいずれかの状態にあるときの分光反射率曲線において、ある波長域において反射率の極小値を持つ波長λminと、上記レーザー光の波長λ0と、λminとの間に、0.94λ0≦λmin≦1.05λ0なる関係が存在すると良好なCN比が得られた。さらに好ましくは、上記レーザー光の波長λ0と、λminの間に、97λ0≦λmin≦1.00λ0なる関係が存在すると、より良好な特性が得られた。
本発明による超解像層を搭載した光情報記録媒体は、低いレーザーパワーで高速回転にも対応でき、かつ成膜プロセスも従来のプロセスを踏襲したものであり、かつ大容量の光情報記録媒体が得られるため、その利用可能性はきわめて高い。
1…基板、2…反射層、3…誘電体保護層、4…超解像層、5…低屈折率保護層、6…高屈折率保護層、7…低屈折率保護層、8…高屈折率保護層、9…カバー層、10…接着剤、11…記録ピット、12…白色光源、13…分光器、14…ビームスプリッター、15…光シャッター、16…光ディテクター、17…参照光、18…測定光、19…測定試料、20…ミラー、21…試料ホルダー、22…ヒーター、23…温度コントローラ、24…光透過用ピンホール、25…記録ピット、26…スペース、100…光ディスク、101…媒体判別手段、102…モータ回路制御手段、103…モータ、104…ピックアップ、105…プリアンプ、106…読出し信号処理手段、107…アドレス読取手段、108…クロック同期信号読取り手段、109…再生信号復調手段、110…再生データ送出手段、111…レーザー選択手段、112…レーザーパワー制御情報解析手段、113…ピークパワー決定手段、114…パワー比決定手段、115…記録パワーDCアンプ、116…消去パワーDCアンプ、117…レーザドライバ、118…読み出しパワーDCアンプ、119…読み出しパワー決定手段、120…記録データ受入手段、121…記録データ変調手段、122…記録タイミング補正手段、123…ピックアップ移動ドライバ、124…コントローラ、125…ピックアップ制御回路、126…トラッキング誤差検出手段、200…記録層、211…ランド、212…グルーブ。
Claims (15)
- 少なくとも、光情報記録媒体より光情報を読み書きするための波長λ0のレーザー光を出射するレーザー光源と、このレーザー光を前記光情報記録媒体に集光照射するためのレンズ系と、前記光情報記録媒体からの信号を受光するための受光部とを備えたピックアップ部と、前記光情報記録媒体を支持し、かつ回転駆動を与えるためのスピンドルおよびスピンドルモーターとを有する光情報記録再生装置であり、
前記光情報記録媒体は、少なくとも基板と、その記録面上に形成された反射層と、光情報記録層と、温度変化にともなって透過率が可逆的に変化する超解像層と、これらを保護するための保護層を有し、この光情報記録媒体の分光反射率曲線において、ある波長域に反射率の極小値を有する波長λminと、上記レーザー光の波長λ0との間に、
0.94λ0≦λmin≦1.05λ0
なる関係が存在することを特徴とする光情報記録再生装置。 - 少なくとも、光情報記録媒体より光情報を読み書きするための波長λ0のレーザー光を出射するレーザー光源と、このレーザー光を前記光情報記録媒体に集光照射するためのレンズ系と、前記光情報記録媒体からの信号を受光するための受光部とを備えたピックアップ部と、前記光情報記録媒体を支持し、かつ回転駆動を与えるためのスピンドルおよびスピンドルモーターとを有する光情報記録再生装置であり、
前記光情報記録媒体は、少なくとも記録面上に光情報が記録された記録ピットを有する基板上に形成された反射層と、この反射層上に形成された第一の誘電体保護層と、この誘電体保護層上に形成された温度変化にともなって複素屈折率が可逆的に変化する超解像層と、この超解像層上に形成され、第二の誘電体保護層からなり、第二の誘電体保護層は低屈折率誘電体層と高屈折率誘電体層の繰り返しの積層体から構成され、かつこの光情報記録媒体の分光反射率曲線において、ある波長域に反射率の極小値を有する波長λminと、上記レーザー光の波長λ0との間に、
0.94λ0≦λmin≦1.05λ0
なる関係が存在することを特徴とする光情報記録再生装置。 - 少なくとも、光情報記録媒体より光情報を読み書きするための波長λ0のレーザー光を出射するレーザー光源と、このレーザー光を前記光情報記録媒体に集光照射するためのレンズ系と、前記光情報記録媒体からの信号を受光するための受光部とを備えたピックアップ部と、前記光情報記録媒体を支持し、かつ回転駆動を与えるためのスピンドルおよびスピンドルモーターとを有する光情報記録再生装置であり、
前記光情報記録媒体は、少なくとも基板上に形成された反射層と、この反射層上に形成された第一の誘電体保護層と、この誘電体保護層上に形成された第一の相と第二の相の間の相変化によって光情報を記録する記録層と、この記録膜上に形成された温度変化にともなって複素屈折率が可逆的に変化する超解像層と、この超解像層上に形成された低屈折率誘電体層と、この低屈折率誘電体層上に形成された高屈折率誘電体層から構成され、かつ上記記録層が第一の相と第二の相のいずれかの状態にあるときの分光反射率曲線において、ある波長域に反射率の極小値を有する波長λminと、上記レーザー光の波長λ0との間に、
0.94λ0≦λmin≦1.05λ0
なる関係が存在することを特徴とする光情報記録再生装置。 - 上記レーザー光の波長λ0と、波長λminとの間に、
0.97λ0≦λmin≦1.0λ0
なる関係が存在することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光情報記録再生装置。 - 上記レーザー光の波長λ0における上記光情報記録媒体の反射率Rが3〜50%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光情報記録再生装置。
- 上記超解像層はFe、Co、Ga、Zn、Cr、Niから選ばれる金属の酸化物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光情報記録再生装置。
- 上記超解像層はFe2O3、Co3O4、NiO、CoO、ZnO、Ga2O3、Fe2O3−Ga2O3、Cr2O3から選ばれた超解像層であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光情報記録再生装置。
- 上記第一及び第二の誘電体保護層は、SiO2、ZnS−SiO2、TiO2、Nb2O5−CeO2−SiO2から選ばれる誘電体保護層であり、かつ第二の誘電体保護層を構成する低屈折率層はSiO2、高屈折率層はZnS−SiO2、TiO2、Nb2O5−CeO2−SiO2から選ばれる誘電体層であり、上記超解像層はFe2O3、Co3O4、NiO、CoO、ZnO、Ga2O3、Fe2O3−Ga2O3、Cr2O3から選ばれる金属酸化物であり、かつ上記反射層はAg、Al、Au、Ti、Pt、Pd、Cuから選ばれる単体の金属あるいはこれらから構成される合金であることを特徴とする請求項2又は3に記載の光情報記録再生装置。
- 少なくとも基板と、その記録面上に形成された反射層と、光情報記録層と、温度変化にともなって透過率が可逆的に変化する超解像層と、これらを保護するための保護層を有し、この光情報記録媒体で光情報の読み書きに使用するレーザー光の分光反射率曲線において、ある波長域に反射率の極小値を有する波長λminと、上記レーザー光の波長λ0との間に、
0.94λ0≦λmin≦1.05λ0
なる関係が存在することを特徴とする光情報記録媒体。 - 少なくとも記録面上に光情報が記録された記録ピットを有する基板上に形成された反射層と、この反射層上に形成された第一の誘電体保護層と、この誘電体保護層上に形成された温度変化にともなって複素屈折率が可逆的に変化する超解像層と、この超解像層上に形成された第二の誘電体保護層を有し、第二の誘電体保護層は低屈折率誘電体層と高屈折率誘電体層の繰り返しの積層体から構成され、かつこの光情報記録媒体で光情報の読み書きに使用するレーザー光の分光反射率曲線において、ある波長域に反射率の極小値を有する波長λminと、上記レーザー光の波長λ0との間に、
0.94λ0≦λmin≦1.05λ0
なる関係が存在することを特徴とする光情報記録媒体。 - 少なくとも基板上に形成された反射層と、この反射層上に形成された第一の誘電体保護層と、この誘電体保護層上に形成された第一の相と第二の相の間の相変化によって光情報を記録する記録層と、この記録膜上に形成された温度変化にともなって複素屈折率が可逆的に変化する超解像層と、この超解像層上に形成された低屈折率誘電体層と、この低屈折率誘電体層上に形成された高屈折率誘電体層から構成され、かつ上記記録層が第一の相と第二の相のいずれかの状態にあるときの、光情報記録媒体で光情報の読み書きに使用するレーザー光の分光反射率曲線において、ある波長域に反射率の極小値を有する波長λminと、上記レーザー光の波長λ0との間に、
0.94λ0≦λmin≦1.05λ0
なる関係が存在することを特徴とする光情報記録媒体。 - 上記レーザー光の波長λ0と、波長λminとの間に、
0.97λ0≦λmin≦1.0λ0
なる関係が存在することを特徴とする請求項9〜11のいずれかに記載の光情報記録媒体。 - 上記超解像層はFe、Co、Ga、Zn、Cr、Niから選ばれる金属の酸化物であることを特徴とする請求項9〜11のいずれかに記載の光情報記録媒体。
- 上記超解像層はFe2O3、Co3O4、NiO、CoO、ZnO、Ga2O3、Fe2O3−Ga2O3、Cr2O3から選ばれる酸化物層であることを特徴とする請求項9〜11及び13のいずれかに記載の光情報記録媒体。
- 上記第一、第二の誘電体保護層は、SiO2、ZnS−SiO2、TiO2、Nb2O5−CeO2−SiO2から選ばれる誘電体保護層であり、かつ第二の誘電体保護層を構成する低屈折率層はSiO2、高屈折率層はZnS−SiO2、TiO2、Nb2O5−CeO2−SiO2から選ばれる誘電体保護層であり、上記超解像層はFe2O3、Co3O4、NiO、CoO、ZnO、Ga2O3、Fe2O3−Ga2O3、Cr2O3から選ばれる金属酸化物であり、かつ上記反射層はAg、Al、Au、Ti、Pt、Pd、Cuから選ばれる単体の金属あるいはこれらから構成される合金であることを特徴とする請求項10又は11に記載の光情報記録媒体。
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JP2005330005A JP2007141289A (ja) | 2005-11-15 | 2005-11-15 | 光情報記録再生装置及び光情報記録媒体 |
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JP (1) | JP2007141289A (ja) |
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---|---|---|---|---|
JP2009238293A (ja) * | 2008-03-26 | 2009-10-15 | Nec Corp | 光学情報記録媒体 |
JP2010218646A (ja) * | 2009-03-18 | 2010-09-30 | Nec Corp | 光学的情報記録媒体及びその製造方法 |
-
2005
- 2005-11-15 JP JP2005330005A patent/JP2007141289A/ja not_active Abandoned
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