JP2010218646A - 光学的情報記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】記録層が変質することなく、超解像層として用いる相変化層を結晶化することができる、追記型の超解像光学的情報記録媒体及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明にかかる光学的情報記録媒体は、第1の波長を有する第1のレーザ光が照射されることにより、情報が記録される記録層13を備える。また、レーザ光の光源と記録層13との間に形成され、第2の波長を有する第2のレーザ光が照射されることにより結晶化される相変化層17を備える。さらに、記録層13と相変化層17との間には、第1のレーザ光に対する透過率が第2のレーザ光に対する透過率よりも高い、中間層15を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は光学的情報記録媒体に関し、特に追記型の超解像光学的情報記録媒体に関する。
レーザ光照射により情報の再生を行う光学的情報記録媒体の1例として、光ディスクが知られている。光ディスクはその機能によって、記録された情報の再生だけを行う再生専用型(ROM:Read Only Memory)と、1回だけ記録可能な追記型、データの書き換えが可能な書き換え型とに区分される。このうちROMは、射出成型という技術を用いることで、廉価にかつ高速に大量複製ができることから、画像あるいはパッケージソフト等の配布媒体として広く普及している。ROMの普及に牽引される形で、追記型及び書き換え型の市場も拡大してきた。今後、画像の高品質化がさらに進展することを考慮すると、光ディスクにはさらなる大容量化が望まれる。
光ディスクの容量は、情報の再生に用いられるレーザ光のビーム径に依存している。ビーム径が小さいほど、より高密度な情報を誤り無く再生することが可能となる。レーザダイオードから出射した光は、対物レンズを通じて集束するが、回折の影響により一点には集束されず、有限の大きさを有する集光スポットが形成される。一般にこれを回折限界と呼んでおり、レーザ光の波長がλ、対物レンズの開口数がNAである場合、λ/(4NA) が再生分解能の限界となる。
例えば、λ=405nm、NA=0.65の場合には、156nm以下の長さのピットを正確に読みとることはできない。156nm以下の長さのピットを正確に読みとるには、レーザ光の波長を405nmより短くするか、対物レンズの開口数を0.65より大きくする必要がある。しかし、現在のレーザ技術では、短波長のレーザを提供するのには限界がある。また、405nmより短い波長の光に対しては、光ディスクに一般的に用いられているポリカーボネート基板が透明ではなくなってしまう。さらに、開口数を大きくしようにも、高NAの対物レンズは製造コストが高いといった問題がある。さらに、対物レンズの開口数が大きくなるほど、ピックアップと光ディスク間の距離が小さくなるため、光ヘッドと光ディスクが衝突して光ディスク表面が損傷し、データ損失が生じる恐れが大きくなる。
この問題に対する対策として、特許文献1に開示されているような、回折限界を超えて再生分解能を向上させる媒体超解像技術が知られている。媒体超解像においては、温度あるいは光強度により、光学特性が非線形に変化する超解像層を利用した媒体が用いられる。
図6は、相変化層を超解像層として用いた場合の、一般的な光ディスクの上面図である。図6では、超解像光ディスクの透明基板に予め形成された、記録マークであるピット60の列を拡大して表している。この光ディスク上に、対物レンズを通過したレーザ光が照射されて、集光スポット61が形成される。また、照射されたレーザ光は相変化層に吸収され、相変化層の温度が上昇する。温度が上昇した領域のうち、特に相変化層の融点を超えた溶融領域では、相変化層が固相状態から液相状態に変化することで反射率が上昇し、記録マークを再生する開口62として機能することになる。この結果、再生に寄与する開口62の大きさを、回折限界で決まる集光スポット61のサイズよりも小さくできる。よって、回折限界以下の微小な記録マークの情報を、超解像再生信号として読み取ることができる。
また、こうした相変化層はROMのみではなく、特許文献2に記載されている追記型の光ディスクのような光学的情報記録媒体においても超解像層として利用することが可能である。
特開平5−89511号公報 特開2004−220687号公報
上述の超解像機能を有する相変化層を、追記型の光学的情報記録媒体に適用する場合の動作について説明する。図7及び8は、相変化層を超解像層として用いた場合の、追記型の光学的情報記録媒体の記録マーク位置を示す記録層の断面図(a)と、相変化層の上面図(b)である。
情報の記録の際には、図7(a)に示す記録層74へ記録光が照射されて記録マーク75が形成される。また、図7(b)に示すように、成膜直後の相変化層70は一般に非晶質状態であるため、記録開始前においては、相変化層70は非晶質状態である。記録光が照射される、記録マーク75が形成される部分の相変化層70の一部には、融点以上に昇温して溶融し、その後結晶化する結晶領域71が形成される。また、結晶領域71の周辺領域では、相変化層70は溶融しないものの、結晶化温度以上にまで昇温するため結晶化する結晶領域72が形成される。相変化層70で結晶化されない部分はそのまま非晶質状態で残り、非晶質領域73となる。
超解像再生を行う場合は、図8(b)に示すように、トラック中心部では、記録の際に形成された結晶領域71より狭い範囲の溶融部81において、相変化層70が溶融後結晶化する。これは、記録パワに比べて再生パワの方が低いためである。この結果、再生ビームが形成する集光スポット82内には、R1(非晶質)、R2(溶融)、R3(溶融後結晶)、R4(溶融せずに結晶)の4種類の反射率を有する領域が混在することとなる。より微小な記録マークの再生を可能とするには、マスク(溶融部)とマスク外の反射率コントラストを大きくする必要がある。ところが、追記型の光ディスクは、記録感度や再生光耐性等、設計上の制約が多く、各膜の膜厚を自由には変化させられないので、例えば、R2を、R1、R3及びR4のいずれに対しても大きくすることは難しい。また、R1、R3及びR4の反射率をほぼ等しくしておかないと、その反射率の差が不要なノイズとなって信号に混入するため、再生信号のS/N(Signal/Noise)を低下させてしまう。
この問題を解決するには、記録層74への記録開始に先立って、図9のように相変化層70を広範囲にわたって結晶化して、結晶領域91を形成する初期化を行うことが考えられる。相変化層の結晶化(初期化)は、DVD−RAM(Digital Versatile Disk − Random Access Memory)やDVD−RW(Digital Versatile Disk − ReWritable)などに適用される初期化装置を用いて行うことができる。相変化層は初期化条件に依存して様々な結晶状態を取りうるが、超解像再生の際に、集光スポット中心で生じる溶融結晶状態と同一となるよう、相変化層が溶融する程度の高パワのレーザ光を照射して初期化を行うことが好ましい。
しかしながら、上述のような追記型の光ディスクにおいては、初期化の際に記録層もレーザ光を吸収して変質してしまう。この結果、初期化後は、記録層が記録済み状態となってしまい、本来記録すべきデータを記録できなくなるという問題が生じる。
本発明は、記録層が変質することなく、超解像層として用いる相変化層を結晶化することができる、追記型の超解像光学的情報記録媒体及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様の光学的情報記録媒体は、第1の波長を有する第1のレーザ光が照射されることにより情報が記録される記録層と、レーザ光の光源と前記記録層との間に形成され、第2の波長を有する第2のレーザ光が照射されることにより結晶化される相変化層と、前記記録層と前記相変化層との間に形成され、前記第1のレーザ光に対する透過率が前記第2のレーザ光に対する透過率よりも高い中間層とを少なくとも備えるものである。
本発明の一態様の光学的情報記録媒体の製造方法は、第1の波長を有する第1のレーザ光が照射されることにより情報が記録される記録層を形成する工程と、第2の波長を有する第2のレーザ光が照射されることにより結晶化される相変化層を、レーザ光の光源と前記記録層との間に形成する工程と、前記第1のレーザ光に対する透過率が前記第2のレーザ光に対する透過率よりも高い中間層を、前記記録層と前記相変化層との間に形成する工程とを少なくとも備える。
本発明によれば、記録層が変質することなく、超解像層として用いる相変化層を結晶化することができる、追記型の超解像光学的情報記録媒体及びその製造方法を提供することができる。
実施の形態1にかかる光学的情報記録媒体の断面図である。 実施の形態2にかかる光学的情報記録媒体の断面図である。 実施例2にかかる光学的情報記録媒体の断面図である。 実施例3にかかる光学的情報記録媒体の断面図である。 比較例3にかかる光学的情報記録媒体の断面図である。 光学的情報記録媒体の上面図である。 光学的情報記録媒体の記録層の断面図(a)、相変化層の上面図(b)である。 光学的情報記録媒体の記録層の断面図(a)、相変化層の上面図(b)である。 光学的情報記録媒体の記録層の断面図(a)、相変化層の上面図(b)である。
実施の形態1
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、実施の形態1にかかる光学的情報記録媒体の構成を模式的に示す断面図である。この光学的情報記録媒体は、図1に示すように、基板10側から順に、Ag合金からなる反射層11、誘電体層12、記録層13、誘電体層14、Ag合金からなる中間層15、誘電体層16、相変化層17、誘電体層18、光透過層19が積層されている。
この光学的情報記録媒体において、相変化層17の結晶化(初期化)を行うために、初期化光として、例えば波長810nmのレーザ光を照射すると、相変化層17は光吸収により温度が上昇して溶融し、その後冷却されて結晶化する。
また、中間層15に用いられているAg合金は、例えば、赤色光(波長にしておよそ650〜810nmの範囲)に対する透過率が低い。従って、相変化層17を透過した初期化光は、中間層15で阻止され、記録層13にはほとんど到達しない。よって、記録層13が初期化光を吸収して変質することを防止できる。
また、相変化層17は初期化光を吸収して発熱する。そして、その熱が拡散し、他の層の温度を上昇させる。しかし、Ag合金の熱拡散率は十分に高いので、ヒートシンクとして機能する。よって、記録層13の温度上昇を十分に低く抑えることができる。従って、熱拡散による温度上昇に起因する記録層13の変質も併せて防ぐことができる。
また、Ag合金は、情報の記録・再生に用いられる、例えば波長405nm前後の記録再生光に対しては透過率が高い。よって、記録再生光は、中間層15を透過して記録層13に到達するので、中間層15が記録及び再生の障害となることはない。
従って、本構成によれば、記録層13が変質することなく、相変化層17の初期化を行うことができる、追記型の超解像光学的情報記録媒体を実現することができる。
実施例1
実施例1では、実施の形態1にかかる光学的情報記録媒体において、厚さ1.1mm、直径120mmのポリカーボネートからなる基板10側から順に、厚さ100nmのAgPdCuからなる反射層11、厚さ20nmのSiNからなる誘電体層12、厚さ10nmのCoからなる記録層13、厚さ30nmのZnS−SiOからなる誘電体層14、厚さ10nmのAgPdCuからなる中間層15、厚さ70nmのZnS−SiOからなる誘電体層16、厚さ10nmのSb80Te20からなる相変化層17、厚さ35nmのZnS−SiOからなる誘電体層18をスパッタリングにより積層し、さらにその上に、厚さ0.1mmの紫外線硬化樹脂からなる光透過層19を積層した。
また、基板10には、ピッチ0.32μm、深さ20nmのトラッキング用案内溝を形成した。(不図示)。
本実施例では、初期化光には波長810nmのレーザ光を、記録再生光には波長405nmのレーザ光を用いた。
本実施例の中間層15である、厚さ10nmのAgPdCu膜における光の透過率を測定したところ、初期化光に対しては約20%であったのに比べ、記録再生光に対しては約60%とより高い透過率を実現することができた。
また、本実施例の記録層13における初期化光の吸収率は1.1%(設計値)と、記録層13の変質を防ぐのに十分な程度に低い値であった。
この光学的情報記録媒体において、NA=0.55の光ヘッドを有する初期化装置を用い、初期化光を照射して相変化層17の結晶化を行った。具体的には、初期化時間短縮のために、初期化装置に搭載されているレーザ光の集光スポット径は約100μmとした。また、線速7.5m/s、照射レーザパワ800mWの条件において、集光スポットをディスク1回転あたり50μmずつ半径方向に移動させて初期化を行った。
初期化後にNA=0.85の光ヘッドを用いて記録再生光を照射し、線速4.92m/s、記録クロック周波数132MHzの条件で(1−7)変調されたランダムデータの記録再生を行ったところ、記録パワ15mW、再生パワ2.7〜3.3mWの範囲において、10−5以下の良好な誤り率が得られた。
従って、実施例1では、記録層13が変質して記録済み状態になることなく、相変化層17の結晶化を行うことができた。
なお、例えば、中間層を有しない構成の光学的情報記録媒体において、誘電体層や相変化層の材料選択や層の厚さを最適化することで、初期化光に対する記録層の吸収率を本実施例と同程度にできる可能性はある。しかし、この制約を課した上で、記録再生光による良好な記録再生特性を確保するのは困難である。
一方、本実施例で用いたような中間層を設ければ、記録層における初期化光の吸収率は必然的に小さくなる。よって、記録再生光を用いた記録再生特性のみに着目して各層の厚みを最適化すれば良く、簡易に追記型の超解像光学的情報記録媒体を得ることができる。
比較例1
実施例1と同様の構成の光学的情報記録媒体を用いて、相変化層17を初期化せずに、情報の記録及び再生を行った。記録の際の線速および記録クロック周波数は実施例1と同様とした。本比較例では、相変化層17の初期化を行わなかったため、記録開始の際の相変化層17は非晶質状態であり、記録パワは14mWと実施例1よりやや低かった。また、再生パワを様々に変化させたが、10−3以下の誤り率を得ることはできなかった。これは、記録再生光の集光スポット内に非晶質領域や結晶領域が混在し、S/Nが低くなってしまったことが原因と考えられる。
よって、相変化層17の初期化を行うことにより、誤り率を低減し、かつ再生の際のS/Nを向上させることができることを確認できた。
実施の形態2
図2は、実施の形態2にかかる光学的情報記録媒体の構成を模式的に示す断面図である。この光学的情報記録媒体は、図2に示すように、基板20側から順に、Ag合金からなる反射層21、誘電体層22、記録層23、屈折率の異なる2種類の誘電体層が繰り返して形成されている中間層25、相変化層27、誘電体層28、光透過層29が積層されている。
中間層25の光の透過率は、中間層25の設計を最適化することで、記録再生光に対しては高く、初期化光に対しては低くすることができる。中間層25は上述のように、屈折率の異なる2種類の誘電体層が繰り返し形成されている。ここで、一方の誘電体層の屈折率をn、もう一方の誘電体層の屈折率をnとし、n>nとする。初期化光の波長をλとして、中間層25の初期化光に対する透過率を小さくするには、それぞれの誘電体層の厚みを、λ/4n及びλ/4nとすれば、中間層25は初期化光に対する高反射条件を満たし、初期化光が透過することを阻止できる。
従って、本構成によれば、記録層23が変質することなく、相変化層27の初期化を行うことができる、追記型の超解像光学的情報記録媒体を実現することができる。
実施例2
実施例2では、実施の形態2にかかる光学的情報記録媒体において、中間層を3層の誘電体層で構成した。図3は、実施例2にかかる光学的情報記録媒体の構成を模式的に示す断面図である。実施例2では、図3に示すように、中間層251を、誘電体層251a、誘電体層251b、誘電体層251cで構成した。その他の構成は図2と同様であるので、説明を省略する。
具体的には、厚さ1.1mm、直径120mmのポリカーボネートからなる基板20に、基板20側から順に、厚さ100nmのAgPdCuからなる反射層21、厚さ20nmのSiNからなる誘電体層22、厚さ10nmのCoからなる記録層23、3層の誘電体層251a〜cで構成された中間層251、厚さ10nmのSb80Te20からなる相変化層27、厚さ50nmのZnS−SiOからなる誘電体層28をスパッタリングにより積層し、さらにその上に、厚さ0.1mmの紫外線硬化樹脂からなる光透過層29を積層した。
中間層251は、厚さ135nmのSiOからなる誘電体層251bと、それを挟みこむ厚さ90nmのZnS−SiOからなる誘電体層251a及びcを積層して構成した。
また、基板20には、ピッチ0.32μm、深さ20nmのトラッキング用案内溝を形成した(不図示)。
本実施例では、初期化光には波長810nmのレーザ光を、記録再生光には波長405nmのレーザ光を用いた。
上述の中間層251の光の透過率を測定したところ、初期化光に対しては約40%であったのに比べ、記録再生光に対しては約85%と高い値とすることができた。
また、記録層23における、初期化光に対する吸収率は1.5%(設計値)と、記録層23の変質を防止するのに十分に低い値であった。
本実施例にかかる光学的情報記録媒体について、NA=0.55の光ヘッドを有する初期化装置を用い、初期化光を照射して相変化層27の結晶化を行った。具体的には、線速7.5m/s、照射レーザパワ700mWの条件において、集光スポットをディスク1回転あたり50μmずつ半径方向に移動させて初期化を行った。
初期化後にNA=0.85の光ヘッドを用いて記録再生光を照射し、線速4.92m/s、記録クロック周波数132MHzの条件で(1−7)変調されたランダムデータの記録再生を行ったところ、記録パワ13mW、再生パワ2.3〜2.8mWの範囲において、10−5以下の良好な誤り率が得られた。
従って、実施例2では、記録層23が変質して記録済み状態になることなく、相変化層27の結晶化を行うことができた。
実施例3
なお、中間層の誘電体層の層数を増やすことで、初期化光に対する透過率をさらに低下させることが可能である。図4は実施例3にかかる光学的情報記録媒体の構成を模式的に示す断面図である。実施例3では、図4に示すように、中間層252を、5層の誘電体層252a〜eにより構成した。その他の構成は図2と同様であるので、説明を省略する。
具体的には、中間層252は、厚さ90nmのZnS−SiOからなる誘電体層252a、c及びeと、厚さ135nmのSiOからなる誘電体層252b及びdを交互に積層して構成した。その他の、反射層21、誘電体層22、記録層23、相変化層27、誘電体層28、光透過層29の層厚及び組成については実施例2同様であるので、説明を省略する。
なお、本実施例では、初期化光には波長810nmのレーザ光を、記録再生光には波長405nmのレーザ光を用いた。
本実施例の中間層252の透過率を測定したところ、初期化光に対しては約20%となり、実施例1におけるAgPdCuの単層膜と同等の値とすることができた。すなわち、実施例3の中間層252を用いても、実施例1と同様の作用効果を得ることができた。
比較例2
実施例2と同様の構成の光学的情報記録媒体を用いて、相変化層27の初期化をすることなく、情報の記録及び再生を行った。記録の際の線速および記録クロック周波数は実施例2と同様とした。本比較例では、相変化層27の初期化を行わなかったため、記録開始の際の相変化層27は非晶質状態であり、記録パワは12.5mWと実施例1よりやや低かった。再生パワを様々に変化させたが、10−3以下の誤り率を得ることはできなかった。これは、比較例1の場合と同様に、記録再生光の集光スポット内に、非晶質領域や結晶領域が混在し、S/Nが低くなってしまったことが原因と考えられる。
よって、相変化層27の初期化を行うことにより、誤り率を低減し、かつ再生の際のS/Nを向上させることができることを確認できた。
比較例3
また、比較例3として、上述の中間層を設けない光学的情報記録媒体において、相変化層の初期化と情報の記録及び再生を行った。図5は、比較例3にかかる光学的情報記録媒体の構成を模式的に示す断面図である。この光学的情報記録媒体は、図5に示すように、厚さ1.1mm、直径120mmのポリカーボネートからなる基板50に、基板50側から順に、厚さ100nmのAgPdCuからなる反射層51、厚さ30nmのSiNからなる誘電体層52、厚さ10nmのCoからなる記録層53、厚さ20nmのZnS−SiOからなる誘電体層54、厚さ10nmのSb80Te20からなる相変化層57、厚さ55nmのZnS−SiOからなる誘電体層58をスパッタリングにより積層し、さらにその上に、厚さ0.1mmの紫外線硬化樹脂からなる光透過層59を積層した。
また、基板50には、ピッチ0.32μm、深さ20nmのトラッキング用案内溝を形成した(不図示)。
本比較例では、初期化光には波長810nmのレーザ光を、記録再生光には波長405nmのレーザ光を用いた。
また、各層の厚さは、記録再生光のレーザ光を記録層53に照射して情報の記録及び再生を行うに際し、記録前後での反射率変化が大きくなるように設定した。本比較例の光学的情報記録媒体では、初期化光に対する記録層53の吸収率は8%(設計値)であった。
実施例1と同様の初期化装置を用いて、線速7.5m/s、照射レーザパワ800mWで、集光スポットをディスク1回転あたり50μmずつ半径方向に移動させて相変化層57の初期化を行った。
初期化後にNA=0.85の光ヘッドを用いて記録再生光を照射し、線速4.92m/s、記録クロック周波数132MHzの条件で(1−7)変調されたランダムデータの記録及び再生を行ったものの、記録層53が初期化の際に変質してしまい、記録そのものを行うことができなかった。
すなわち、追記型の超解像光学的情報記録媒体において、本発明にかかる中間層を設けることにより、中間層を設けない場合には不可能であった、相変化層の結晶化後に情報の記録再生が可能になったことを確認できた。
その他の実施の形態
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、使用するレーザ光についても、入手が可能な他の波長のレーザ光源を使用できる。例えば、記録再生光には、380〜430nmの波長範囲のレーザ光を用いることができる。また、初期化光には、680〜900nmの波長範囲のレーザ光を用いることができる。
中間層はAgPdCuに限らず、AgBi、AgPdTiなどの他のAg合金を用いることができる。
また、上述の波長範囲の記録再生光及び初期化光を用いる場合には、Ag合金からなる中間層の厚みは、記録再生光及び初期化光の透過率のバランスをとるために、5〜15nmの範囲とすることが望ましい。
また、中間層はAg合金に限らず、Al合金、Ni合金等の他の一般的な金属材料を用いることができる。
誘電体層の組成は、ZnS−SiOとSiOを入れ換えてもよい。
また、誘電体層の組成は、ZnS-SiO2、SiO2、SiNに限られず、例えば、Ta2Ox等の他の誘電体を用いることができる。さらに、相変化層の組成もSb80Te20に限らずGeSbTe、GeBiTe、BiTe、AgInSbTe等を用いることができる。
10 基板 11 反射層 12 誘電体層 13 記録層
14 誘電体層 15 中間層 16 誘電体層 17 相変化層
18 誘電体層 19 光透過層
20 基板 21 反射層 22 誘電体層 23 記録層
25 中間層 27 相変化層 28 誘電体層 29 光透過層
50 基板 51 反射層 52 誘電体層 53 記録層
54 誘電体層 57 相変化層 58 誘電体層
59 光透過層
60 ピット 61 集光スポット 62 開口
70 相変化層 71 結晶領域 72 結晶領域 73 非晶質領域
74 記録層 75 記録マーク
81 溶融部 82 集光スポット
91 結晶領域
251 中間層
251a 誘電体層 251b 誘電体層 251c 誘電体層
252 中間層
252a 誘電体層 252b 誘電体層 252c 誘電体層
252d 誘電体層 252e 誘電体層

Claims (12)

  1. 第1の波長を有する第1のレーザ光が照射されることにより情報が記録される記録層と、
    レーザ光の光源と前記記録層との間に形成され、第2の波長を有する第2のレーザ光が照射されることにより結晶化される相変化層と、
    前記記録層と前記相変化層との間に形成され、前記第1のレーザ光に対する透過率が前記第2のレーザ光に対する透過率よりも高い中間層とを少なくとも備える光学的情報記録媒体。
  2. 前記中間層はAgを含む合金からなることを特徴とする請求項1に記載の光学的情報記録媒体。
  3. 前記Ag合金はAgPdCuであることを特徴とする請求項2に記載の光学的情報記録媒体。
  4. 前記中間層の厚さは5nm以上15nm以下であることを特徴とする請求項2または3に記載の光学的情報記録媒体。
  5. 前記中間層の厚さは実質的に10nmであることを特徴とする請求項4に記載の光学的情報記録媒体。
  6. 前記中間層は、それぞれ組成の異なる第1の誘電体層と第2の誘電体層が交互に積層されていることを特徴とする請求項1に記載の光学的情報記録媒体。
  7. 前記第1の誘電体層はZnS−SiOからなり、前記第2の誘電体層はSiOからなることを特徴とする請求項6に記載の光学的情報記録媒体。
  8. 前記第1のレーザ光の波長をλ、前記第2のレーザ光の波長をλとして、
    380nm≦λ≦430nm及び680nm≦λ≦900nmであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の光学的情報記録媒体。
  9. λは実質的に405nmであり、λは実質的に810nmであることを特徴とする請求項8に記載の光学的情報記録媒体。
  10. 前記第1の誘電体層における前記第2のレーザ光に対する屈折率をn、前記第2の誘電体層における前記第2のレーザ光に対する屈折率をnとして、
    前記第1の誘電体層の厚さはλ/4nであり、前記第2の誘電体層の厚さはλ/4nであることを特徴とする請求項8または9に記載の光学的情報記録媒体。
  11. 前記第2の波長のレーザ光を照射して相変化層を結晶化した後に、前記第1のレーザ光を記録層に照射して情報の記録及び再生を行うことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の光学的情報記録媒体。
  12. 第1の波長を有する第1のレーザ光が照射されることにより情報が記録される記録層を形成する工程と、
    第2の波長を有する第2のレーザ光が照射されることにより結晶化される相変化層を、レーザ光の光源と前記記録層との間に形成する工程と、
    前記第1のレーザ光に対する透過率が前記第2のレーザ光に対する透過率よりも高い中間層を、前記記録層と前記相変化層との間に形成する工程とを少なくとも備える光学的情報記録媒体の製造方法。
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