JP2005353144A - 光ディスクおよび光ディスク製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 多層光ディスクの各情報記録層の再生特性を良好とし、また、ディスク製造を容易とする。
【解決手段】 L0層およびL1層の膜材料として純銀または銀の合金を使用する。反射膜2の膜厚は20nm〜45nmの範囲で、望ましくは30nm±5nmとする。この膜厚によると、ピットが埋まる問題を生ぜず、良好にL0層を再生でき、また、UV硬化のために必要な透過率を確保できる。L1層の半透過反射膜4は、反射率の規格とL0層への透過率を考慮に入れて、半透過反射膜4の膜厚は、8nm〜25nmの範囲で、望ましくは13nm±5nmとする。
【選択図】 図6
【解決手段】 L0層およびL1層の膜材料として純銀または銀の合金を使用する。反射膜2の膜厚は20nm〜45nmの範囲で、望ましくは30nm±5nmとする。この膜厚によると、ピットが埋まる問題を生ぜず、良好にL0層を再生でき、また、UV硬化のために必要な透過率を確保できる。L1層の半透過反射膜4は、反射率の規格とL0層への透過率を考慮に入れて、半透過反射膜4の膜厚は、8nm〜25nmの範囲で、望ましくは13nm±5nmとする。
【選択図】 図6
Description
この発明は、例えば2以上の情報層を有する高密度光ディスクに適用される光ディスクおよび光ディスク製造方法に関する。
Blu−ray Disc(以下、BDと適宜表記する)は、片面単層で約25Gバイト、片面2層で約50Gバイトの記録容量を有する高密度光ディスクである。BDの種類として、書き換え可能なディスクに関する規格は既に提案され、追記可能なディスク、および再生専用のディスクについての規格の検討がされている。
BD規格では、記録再生用ビームスポット径を小とするために、光源波長を405nmとし、対物レンズの開口数NA(Numerical Aperture)を0.85と大きくしている。CD(Compact Disc)規格では、光源波長:780nm、NA:0.45、スポット径:2.
11μmであり、DVD(Digital Versatile Disc)規格では、光源波長:650nm、NA:0.6、スポット径:1.32μmである。BD規格では、スポット径を0.58μmまで絞ることができ、DVDと比して、約1/5とすることができる。さらに、対物レンズの開口数NAを高めた結果、ディスク面とレーザ光の光軸がなす角度の90°からの傾きに許される角度誤差(チルト・マージンと称される)が小さくなるので、情報層を覆うカバー層を0.1mmまで薄くしている。
11μmであり、DVD(Digital Versatile Disc)規格では、光源波長:650nm、NA:0.6、スポット径:1.32μmである。BD規格では、スポット径を0.58μmまで絞ることができ、DVDと比して、約1/5とすることができる。さらに、対物レンズの開口数NAを高めた結果、ディスク面とレーザ光の光軸がなす角度の90°からの傾きに許される角度誤差(チルト・マージンと称される)が小さくなるので、情報層を覆うカバー層を0.1mmまで薄くしている。
図1は、この発明を適用できるBD規格の高密度光ディスクの構造を示す。図1Aは、単層構造を示し、参照符号1が1.1mm厚みのポリカーボネイト(以下、PCと適宜略す)からなる基板を示す。
基板1は、射出成形で原盤ピットが転写されたもので、基板1に対して反射膜2が被着されている。反射膜2に対して、0.1mmの光透過層であるカバー層3が貼り合わされている。カバー層3は、あらかじめ打ち抜かれたPCシート5をUV硬化型接着剤4にて貼り合せ、表層部にハードコート6を施したものである。
図1Bは、2層構造を示す。単層構造と同様に、1.1mmの基材に全反射膜である反射膜2を形成し、その上に、中間層と呼ばれる光透過層7上に半透過反射膜8(透過率が50%程度)を形成し、更にカバー層3を貼り合せた情報層を2層有するディスクである。レーザ光の入射方向(ハードコート6側)から見て100μmの深さに反射膜2が形成され、75μmの深さに半透過反射膜8が形成される。
図1Bに示す片面2層ディスクの場合では、レーザ光の入射方向から見て100μmの深さにある反射膜2を基準層(第0記録層、L0層と呼ばれる)とし、75μmの深さに追加する記録層を第1記録層(L1層)と定義している。
上述した構造の高密度ディスクを再生する場合、ピットは光源波長(405nm)の約1/4の深さを有し、レーザスポットが螺旋のトラックに沿って進み、その通路においてピ
ットとランドの交互の連続の上に焦点が合う時、レーザ光の弱めあい干渉または強めあい干渉が生じる。暗から明へのまたは明から暗への光の強度のオンとオフの変化によって、「1」(論理的な1を意味する)と「0」(論理的な0を意味する)のデジタルデータの流れの基本が形成される。すなわち、ある一定の時間間隔において光の強度の変化がないとき、デジタル信号は「0」であり、暗から明へのまたは明から暗への光の強度の変化があるとき、デジタル信号は「1」である。このように読み取られた信号が復調、エラー訂正処理、復号等の処理を受けて音楽・映像・コンピュータプログラミングデータのようなユーザにとって意味のある形式の再生データが得られる。
ットとランドの交互の連続の上に焦点が合う時、レーザ光の弱めあい干渉または強めあい干渉が生じる。暗から明へのまたは明から暗への光の強度のオンとオフの変化によって、「1」(論理的な1を意味する)と「0」(論理的な0を意味する)のデジタルデータの流れの基本が形成される。すなわち、ある一定の時間間隔において光の強度の変化がないとき、デジタル信号は「0」であり、暗から明へのまたは明から暗への光の強度の変化があるとき、デジタル信号は「1」である。このように読み取られた信号が復調、エラー訂正処理、復号等の処理を受けて音楽・映像・コンピュータプログラミングデータのようなユーザにとって意味のある形式の再生データが得られる。
したがって、光の強度の変化を読み出すために、レーザ光をディスクから検出器上へ反射する、反射性のコーティング、すなわち反射膜がディスク上に存在することが重要である。
図1Bに示すような多層ディスクの生産において、レーザ入射面からみて最も遠いL0層の反射膜2は、BD規格における波長405nmであるレーザ光を効率よく反射させるための高反射材料を成膜する必要がある。一方、レーザ入射面からみて、近いL1層の半透過反射膜は、入射されたレーザの一部を反射し、一部を透過する機能を有する必要がある。すなわち、その層の強度の変化を読み出すための反射性と、L0の強度の変化を読み取らせるための透過性とを兼ね備えた材料を成膜する必要がある。
すなわち、2層構造のBDでは、レーザ入射面からみて最も遠い層であるL0層の記録再生はレーザ入射面からみてL0層より手前側のL1層を通して行われるため、上述したようにL0層の反射膜は十分な反射性を持ち、L1層上の反射膜は、透過性と反射性を兼ね備える必要がある。当然ながらL1層自身でも記録再生が必要であるので、L0層とL1層との間で光を分け合うという意味から、L0層およびL1層からの反射光量が同等になることが目標とされている。
従来、上述した反射膜のターゲット(膜材料)としては、金、シリコン、アルミ、アルミ合金等が用いられてきた(特許文献1参照)。
ところで、BDにおいて、L0層の反射膜2を成膜する工程で、図2Aに示すように反射膜2を厚くすると、基板1に形成されているピットが埋まってしまい、正しい信号を読み取ることができなくなる。図2Bに示すように、最適な膜厚の反射膜2を成膜する必要がある。
従来から光ディスクの反射膜の材料として用いられている金反射膜の光学特性を図3に示す。図3において、参照符号31は、透過率の波長に対する特性を示し、参照符号32は、反射率の波長に対する特性を示し、参照符号33は、吸収率の波長に対する特性を示す。
反射率の変化32に示すように、BD規格の光源波長405nmでの反射率が約19%であり、この波長での吸収率が大きく、透過率の特性31で示すように、透過率が47%程度しかない。そのため、2 層構造ディスクの半透過反射膜(L1層)の材料として金を用いた場合には、L0層からの戻りの光量を多くするためには全反射膜を厚く成膜し、反射率を高める必要がある。しかしながら、上述したように、厚く成膜した場合、ピットが埋まり、良好な再生信号の読み取りができなくなる問題が生じる。このような理由から、金はBDの半透過反射膜の材料としては不適である。また、金はコストが高いというデメリットもある。
図4は、従来から光ディスクの反射膜の材料として用いられているアルミニウム反射膜の光学特性を示す。図4において、参照符号41は、透過率の波長に対する特性を示し、参照符号42は、反射率の波長に対する特性を示し、参照符号43は、吸収率の波長に対する特性を示す。
特性42に示すように、光源波長405nmでの反射率を約15%とした場合、特性41に示すように透過率は約67%程度あり、半透過反射膜としての光学的特性を満たしている。しかしながら、アルミニウムは安定性が十分でないため、アルミニウムを材料として用いることは、空気中の酸素や水分解による劣化を起こし、膜面が剥離して膨れが生じたり、またピンホールが発生したりして、信号の読み取り誤差が増加するため、不適である。
上述したようなアルミニウムの問題を解決するために、従来からアルミニウムを合金化することが提案されてきた。しかし、合金中の第二成分の含有量が少なくては充分な耐久性が得られず、逆に合金中の第二成分の含有量が多くなると反射率が低くなってしまうという問題があり、反射率が高くかつ耐久性もよい反射膜の条件を満たさないため、アルミニウム系の材料は不適である。
図5は、DVDの半透過反射膜として一般的に使用されているシリコンをポリカーボネート(以下、PCと適宜略する。)基板に成膜した時のシリコン反射膜の分光透過率の波長に対する特性を示す。図5に示すように、DVD規格の光源波長650nmにおいては約50%と十分であるのに対して、BD規格の光源波長405nmにおいては約15%程度しかなく、シリコンもBDの半透過反射膜材料として用いることは不適である。
したがって、この発明の目的は、優れた光学特性を有する反射膜が成膜された、良好な再生特性を有する光ディスクおよび光ディスクの製造方法を提供することにある。
上述した課題を解決するために、この発明の第1の態様は、少なくとも2層の情報記録層を有する光ディスクにおいて、
各情報記録層の反射膜を銀または銀合金により形成した光ディスクである。
各情報記録層の反射膜を銀または銀合金により形成した光ディスクである。
この発明の第2の態様は、少なくとも2層の情報記録層を有する光ディスクにおいて、
基板上に第1の情報記録層を有し、第1の情報記録層上に中間層を有し、中間層上に第2の情報記録層を有し、第2の情報記録層上に光透過層を有し、
第1および第2の情報記録層の反射膜が銀または銀合金により形成された光ディスクである。
基板上に第1の情報記録層を有し、第1の情報記録層上に中間層を有し、中間層上に第2の情報記録層を有し、第2の情報記録層上に光透過層を有し、
第1および第2の情報記録層の反射膜が銀または銀合金により形成された光ディスクである。
この発明の第3の態様は、基板上に第1の情報記録層を有し、第1の情報記録層上に中間層を有し、中間層上に第2の情報記録層を有し、第2の情報記録層上に光透過層を有する光ディスクの製造方法において、
ディスク基板成形工程と、成形基板冷却工程と、第1の情報記録層成膜工程と、中間層形成工程と、情報ピット転写工程と、第2の情報記録層成膜工程と、転写基板剥離工程と、光透過層形成工程とを有し、
第1の情報記録層成膜工程と第2の情報記録層成膜工程とで、純銀または銀合金をターゲットとするスパッタリング法で第1および第2の情報記録層を成膜する光ディスク製造方法である。
ディスク基板成形工程と、成形基板冷却工程と、第1の情報記録層成膜工程と、中間層形成工程と、情報ピット転写工程と、第2の情報記録層成膜工程と、転写基板剥離工程と、光透過層形成工程とを有し、
第1の情報記録層成膜工程と第2の情報記録層成膜工程とで、純銀または銀合金をターゲットとするスパッタリング法で第1および第2の情報記録層を成膜する光ディスク製造方法である。
この発明によれば、単層および2層構造ディスクの反射膜の材料として純銀もしくは銀合金を用いることにより、良好な再生特性を有する。また、かかるディスクを低コストで製造することができる。さらに、ディスク製造時にはPC基板側からのUV硬化が可能であり、また、2層構造のディスクにおいては、2種類の反射膜の膜材料を同一材料にすることで、1台の装置での成膜も可能であるため、ディスクを生産性よく製造できる。
以下、この発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。この発明は、片面読み取りの多層ディスクに対して適用できる。一実施形態は、図1に示した構成の高密度ディスクに対してこの発明を適用したものである。一実施形態では、L0層の反射膜2およびL1層の半透過反射膜4を銀または銀合金で形成するものである。好ましくは、各層の材料が同一材料とされる。L0層とL1層との間で、同一材料を使用することによって、1台の成膜装置で2層を製作することが可能となる。
銀は、合金化することで耐久性の良い反射膜を得ることができ、しかも合金中の第二成分の含有量が多くなってもアルミニウムと比較して反射率が高いことから、レーザ光を効率よく反射させることができる。
図6は、この発明の一実施形態によるディスクの膜材料が純銀である場合の、銀反射膜の光学特性を示すグラフである。参照符号61は、透過率特性を示し、参照符号62は、反射率特性を示し、参照符号63は、吸収率特性を示す。
純銀の場合、光源波長405nmでの反射率を約16%とした場合、特性61に示すように透過率が約75%と高いため、光源波長405nmにおける透過率が50%になるように成膜した場合でも、銀反射膜の反射率は、金やアルミニウムと比較して高くすることができるため、L1層の再生安定性を高めることができる。
以上の点から青色レーザ光を用いた片側読み出し2層ディスク例えば2層高密度ディスクの半透過反射膜材料としては、銀やその合金を用いることが望ましい。銀反射膜を形成する方法としては、DCスパッタリング法が望ましい。
DCスパッタリング法は、例えば真空蒸着法、イオンプレーティング法といったその他の成膜方法と比較して以下のような利点を有する。
1 枚あたりの成膜時間が短い。
装置を小型化できる。
枚葉処理が可能である。
合金を成膜しやすい。
面内膜厚均一性が高い。
1 枚あたりの成膜時間が短い。
装置を小型化できる。
枚葉処理が可能である。
合金を成膜しやすい。
面内膜厚均一性が高い。
この発明の一実施形態による高密度ディスクは、これまでのCD等とは異なり、成膜側から読み取りが行われる。2層構造のディスクにおいては、L1層上の半透過反射膜4の透過率も考慮にいれて、L0層の全反射膜2の膜厚は20nm〜45nmの範囲で、望ましくは30nm±5nmとする。この膜厚によると、ピットが埋まる問題を生ぜず、良好にL0層を再生でき、また、UV硬化のために必要な透過率を確保できる。
L1層の半透過反射膜4は、L0層の反射膜2と同様の合金ターゲットを用いてスパッタリング法にて成膜される。反射率の規格とL0層への透過率を考慮に入れて、半透過反射膜4の膜厚は、8nm〜25nmの範囲で、望ましくは13nm±5nmとする。
さらに、後述するように、一実施形態では、中間層にUV硬化型シートを使用しており、原盤にUV硬化型シートを加圧することで、原盤のL1層のピットをUV硬化型シートに転写している。その後、UV硬化型シートに紫外線(UV)を照射し、シートを硬化させる必要がある。原盤として、Ni(ニッケル)原盤を使用した場合には、基板の面から紫外線を照射するようになされる。このために、L0層が成膜された基板が紫外線を透過させることが好ましい。
図7は、L0層として上述した銀または銀合金の反射膜2を成膜したPC基板の分光透過率を示す。銀反射膜は薄膜であるため、銀を成膜したPC基板は、波長350±50nmの光の透過率が10〜35%とされる。例えば波長360nm程度の紫外線において約25〜30%の透過率を有する。このことから、UV硬化工程において、加圧転写工程を行った後、UV硬化型シートをNi原盤に密着し、そのまま金型に保持したまま、UV照射装置によりUV照射を行い、UV硬化型シートを容易に硬化させることができる。
図8および図9は、この発明の一実施形態によるBD規格の高密度ディスクの製造方法の流れを示す図である。図8および図9に示す製造工程は、一連の流れであるが、作図スペースの制約上二つの図面に分割して示されている。
図8を参照して、高密度ディスクの製造方法の概略を説明する。破線に囲まれた参照符号S21の工程はL0ピット転写工程を示す。参照符号S1はL0層用原盤作成工程であり、スタンパとも呼ばれる、映画、音楽等の情報がマスタリング工程によってピットとして記録された原盤が作成される。成形工程S2では、原盤作成工程S1で作成された原盤と成形材料11、例えばPCを用いて基板1が作成される。次に冷却工程S3において、成形された基板が、冷却装置によって冷却される。
次に、L0層の全反射膜である反射膜2の形成工程S22が行われる。形成工程S22のL0スパッタ工程S4では、スパッタ装置を使用してターゲット12の成分が基板上に被着される。上述したように、この発明の一実施形態では、ターゲットとして銀もしくは純銀が用いられ、成膜方法として、DCスパッタ法が一例として用いられている。
次に、中間層形成工程S23が行われる。中間層5は、中間層貼り合わせ装置を用いてUV硬化型シートを貼り合わせることで形成される。UV硬化型シートは、両面に第1および第2セパレートフィルムが積層されたものである。UV硬化型シート材料13がハーフ抜き工程S51および第1セパレートフィルム剥離工程S52の処理を受けて全反射膜である反射膜2上に貼り合わされる。
次に、L1ピット転写工程S24が行われる。L1ピット転写工程S24は、第2セパレートフィルム剥離工程S6、加圧転写工程S7、UV硬化工程S8、ディスク剥離工程S9の4工程からなる。
まず、第2セパレートフィルム剥離工程S6において、UV硬化型シートの第2セパレートフィルムが剥離される。別工程で製作されたL1原盤を用いて、ローラ転写装置で加圧転写工程S7が行われ、UV硬化型シート上にL1ピットが転写される。
そして、第1回目のUV硬化工程S8においてUV硬化型シートに対してUV照射装置を用いてUV照射が行われ、転写されたピットのパターンが固定される。ディスク剥離工程S9において、ディスク剥離装置を用いてディスクが原盤から剥離される。ここで、ディスクとは基板1にUV硬化型シートが被着され、さらにUV硬化型シート上にL1ピットが転写されたものを意味する。
図9を参照してさらに高密度ディスクの製造方法について説明する。半透過反射膜形成工程S25において、加圧転写工程S7で形成されたL1ピット上に半透過反射膜4が成膜される。L1スパッタリング工程S10では、上述したL0スパッタリング工程S4と同様にスパッタ装置を用いて、DCスパッタ法によりターゲット15である純銀もしくは銀合金の成分が基板上に被着される。
次に、カバー層作成工程S26が行われる。カバー層作成工程S26は、UV硬化型接着剤塗布工程S11、PCシート貼り合わせ工程S12、第2回目のUV硬化工程S13の3工程からなる。
UV硬化型接着剤塗布工程S11において、UV硬化型接着剤16が半透過反射膜4上に塗布される。そして、PCシート17をディスクと近い形に打ち抜き、PCシート打ち抜き工程S12においてディスクに対して貼り合わされる。第2回目のUV硬化工程S13では、UV硬化接着剤が接着され、カバー層3が形成される。カバー層作成工程S26においては、PCフィルムカバー層貼り合わせ装置が用いられ、工程が行われる。
ハードコート塗布工程S27は、ハードコート塗布工程S14、第3回目のUV硬化工程S15からなる。ハードコート塗布工程S14において、PCシート上にハードコート材料、例えばUV硬化型ハードコート剤18が、ハードコート塗布装置を用いて塗布され、その後、第3回目のUV硬化工程S15が行われる。
以上のような工程で作成された2層構造のディスクは、検査工程S28で、検査装置を用いて欠陥の有無が検査され、ディスクが完成する(工程S29)。なお、単層構造のディスクを製造する場合は、反射膜のスパッタリング工程S22が行われた後は、L1ピット転写工程S24および半透過反射膜形成工程S25がスキップされ、カバー層作成工程S26が行われ、その後2層構造のディスク作成時と同様の工程を経て、ディスクが完成する。
図10を参照して、上述した加圧転写工程S7について説明する。図10に示すように、UV硬化型シート108および反射膜2が成膜済のディスク107が貼り合わされたディスクがセンターピン103の先端に嵌合され、位置決めされる。センターピン103、金型104が上昇することにより、加圧ローラ102とNi原盤109とに挟み込まれる状態とされる。
ローラユニット101が矢印106で示す方向に移動し、加圧ローラ102が、ディスクのUV硬化型シート108をNi原盤109に対して押し付け、加圧ローラ102が回転し、Ni原盤109のピットパターンがUV硬化型シート108に対して転写される。この場合、金型104およびNi原盤109がシリンダ110a、110bによって上方に押し上げられる。シリンダ110a、110b以外に2本のシリンダが設けられ、合計4本のシリンダの推力111a、111bによって加圧力が発生する。
図11を参照して、上述したUV硬化工程S8について詳細に説明する。図11示すように、加圧転写工程S7において、金型104上で、L1ピットが転写されたディスク(基板107およびUV硬化型シート108)に対して、基板107の側からUV照射装置112によってUV光113が照射される。上述したように銀を成膜したPC基板は、銀膜が薄膜であるため、波長360nm程度の紫外線では、約25〜30%程度の透過率を有することから、UV硬化型シート108をNi原盤109に密着し、金型104に保持したまま、UV照射装置112でUV照射をし、容易に硬化させることができる。
この発明の一実施形態によれば、上述したように、反射膜2および半透過反射膜4を銀もしくは純銀を用いて成膜することで、良好な再生特性を有するBDを低コストで生産性よく製造できる。
以上、この発明の実施形態について具体的に説明したが、この発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。例えばこの発明は、3層以上の情報記録層を有する光ディスクに対しても適用することができる。また、BD以外の光ディスクの反射膜および半透過反射膜の形成に対して適用することができる。
1・・・PC基板
2・・・反射膜
3・・・カバー層
3a・・・UV硬化型接着剤
3b・・・PCシート
3c・・・ハードコート
4・・・半透過反射膜
5・・・中間層
2・・・反射膜
3・・・カバー層
3a・・・UV硬化型接着剤
3b・・・PCシート
3c・・・ハードコート
4・・・半透過反射膜
5・・・中間層
Claims (8)
- 少なくとも2層の情報記録層を有する光ディスクにおいて、
各情報記録層の反射膜を銀または銀合金により形成した光ディスク。 - 少なくとも2層の情報記録層を有する光ディスクにおいて、
基板上に第1の情報記録層を有し、上記第1の情報記録層上に中間層を有し、上記中間層上に第2の情報記録層を有し、上記第2の情報記録層上に光透過層を有し、
上記第1および第2の情報記録層の反射膜が銀または銀合金により形成された光ディスク。 - 請求項2において、
上記第1の情報記録層の膜厚が20nm〜45nmの範囲に選定された光ディスク。 - 請求項2において、
上記第2の情報記録層の膜厚が20nm〜45nmの範囲に選定された光ディスク。 - 請求項2において、
上記第1の情報記録層が形成された上記基板の波長350±50nmの光の透過率が10〜35%とされた光ディスク。 - 基板上に第1の情報記録層を有し、上記第1の情報記録層上に中間層を有し、上記中間層上に第2の情報記録層を有し、上記第2の情報記録層上に光透過層を有する光ディスクの製造方法において、
ディスク基板成形工程と、成形基板冷却工程と、第1の情報記録層成膜工程と、中間層形成工程と、情報ピット転写工程と、第2の情報記録層成膜工程と、転写基板剥離工程と、光透過層形成工程とを有し、
上記第1の情報記録層成膜工程と上記第2の情報記録層成膜工程とで、銀または銀合金をターゲットとするスパッタリング法で上記第1および第2の情報記録層を成膜する光ディスク製造方法。 - 請求項6において、
1台のスパッタリング装置によって、上記第1の情報記録層成膜工程と、上記第2の情報記録層成膜工程とがなされる光ディスク製造方法。 - 請求項6において、
上記中間層がUV硬化型シートによって形成され、
上記中間層形成工程は、上記UV硬化型シートを第1の情報記録層が形成された上記基板上に貼り付ける工程であり、
上記情報ピット転写工程は、固定された原盤に上記基板および上記UV硬化型シートを重ね、上記基板側からローラによって加圧を行うことでピットを転写し、その後、上記基板側から紫外線を照射して上記UV硬化型シートを硬化する工程である光ディスク製造方法。
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JP2010218646A (ja) * | 2009-03-18 | 2010-09-30 | Nec Corp | 光学的情報記録媒体及びその製造方法 |
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