JP2009123265A - 光記録媒体及び記録再生方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】記録層の層数によらず、確実な記録/再生を行う。
【解決手段】ビームの入射方向に対して一番奥のL0記録層よりも更に奥側に形成している高反射率金属層Rでビームを反射させて、光学的に一番奥にあるS0記録面に対応する球面収差補正を最初に行うことにより、その後の各記録面(S0〜S5)へ記録/再生が確実に行える。この時、入射ビームに対して一番奥側にあるL0記録層と前記高反射率層Rとの間の距離をT0、光記録媒体表面から一番奥のS0記録面までの距離をMT、光記録媒体表面から一番手前のL0記録層までの距離をCLとすると、T0≦(MT−CL)/2なる関係式を満足する光記録媒体を用いる。
【選択図】図7

Description

本発明は、光記録媒体及び記録再生方法に関し、より詳しくは、ほぼ同じ記録容量でありながら従来よりも安価な光記録媒体、及びそれに適した記録再生方法に関する。
近年、マルチメディア(multi media)化に対応して、大量のデータを高密度で記録し、かつ迅速に記録再生する情報記録媒体としての光記録媒体(光ディスクなど)が注目されている。
このような光記録媒体のさらなる大容量化の方法として、複数の情報記録層を積層した多層光記録媒体を利用する方法が知られている。多層光記録媒体としては、2層再生専用型ディスク(2層DVD−ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory))や2層追記型ディスク(2層DVD−R(Digital Versatile Disk Recordable))等がすでに商品化されている。同様に、2層書き換え型ディスクも開発が進められている。さらに、次世代の光記録、例えば、追記型ブルーレイディスク(BD−R(Blu−ray Disc Recordable))においては、レーザ光源の波長を405nm程度、NAを0.85とすることにより、より大きな記録密度を得ることができ、既に2層BD−Rも製品化されている。
また、3層以上の情報記録層を有する多層光記録媒体において、情報記録層間での多重反射による影響を低減するために、隣り合う情報記録層間に設ける光透過性のスペーサー層の厚みを変える方式が検討されている。例えば、4層の場合には3つのスペーサー層の厚みをすべて変えることにより、情報記録層間での多重反射、いわゆるゴーストスポットによる層間クロストークを効果的に抑制している。
また、特許文献1に記載されているように、記録層が1つの1層光記録媒体、及び記録層が複数の多層光記録媒体において、第1記録層はディスクの厚み方向において、記録又は再生の為のビームが入射されるカバー層表面からの距離を同一にし、第2記録層以降は第1記録層よりもカバー層表面に近づく位置に形成するなどして記録再生特性の向上と光記録媒体生産性の向上、及びコストダウンを促進している。
特開2003−346379号公報
従来技術においては、チルトマージンや球面収差補正の観点から、ビームの入射側のカバー層表面から一番奥の記録層まで距離を100μm程度にする必要があった。そのため、各スペーサー層の厚みをそれぞれ薄くしており、更に層間クロストークを抑制する為にスペーサー層の厚みの差が最小で2μm程度と小さくなる場合がある。従って、多層光記録媒体の製造過程で各スペーサー層の厚みや一様性を正確にモニターし、最終的な製造マージンを高くする必要がある。
ここで、図8を用いて従来の6層光記録媒体の製造プロセスを説明する。まず、凹凸溝を有する厚さ1.1mmのポリカーボネイト(PC)基板100上にL0記録層101をスパッタ法により形成した。L0記録層101は、少なくとも記録膜の両側を誘電体層で挟んだ形態となっており、片側の誘電体層と基板100の間に金属反射層を設けている。その後、L0記録層101の上にT0スペーサー層102を形成し、更にT0スペーサー層102の上にL1記録層103を形成した。スペーサー層は、紫外線硬化樹脂を使った2P法やシート状のナノプリント法を用いて10〜30μm程度形成している。以後、スペーサー層104、106、108、110と記録層105、107、109、111を交互に形成し、最後にL5記録層111の上にカバー層112を形成して6層光記録媒体が完成する。なお、L0記録層101以外の記録層は、少なくとも記録膜の両側を誘電体層で挟んだ形態となっている。記録あるいは再生の時は、カバー層112側からビーム113を入射する。従来技術ではビーム113の入射方向に対して手前側の記録面に記録を行う。即ち、実際に記録を行う記録面は記録層数と同じ6面である(S0〜S5:ビームの入射方向に対して光学的に一番奥側にある記録面から手前側の記録面に向かって番号を順番につけた)。なお、凹凸部を有する記録層の場合には、ビームの進行方向に対して、手前側の記録面(ここでは凸部)にビームを集光して記録を行う場合をオン・グルーブ記録と呼び、奥側の記録面(ここでは凹部)にビームを集光して記録を行う場合をイン・グルーブ記録と呼ぶことにする。なお、以後、図面上においては、L0記録層をL0、L1記録層をL1、L2記録層をL2、L3記録層をL3、L4記録層をL4、L5記録層をL5と表示し、更に、S0記録面をS0、S1記録面をS1、S2記録面をS2、S3記録面をS3、S4記録面をS4、S5記録面をS5と表示し、更に、T0スペーサー層をT0、T1スペーサー層をT1、T2スペーサー層をT2、T3スペーサー層をT3、T4スペーサー層をT4、カバー層をCLと表示する。
この図に示すように、6層光記録媒体を作製する場合、少なくとも記録層作製プロセス数が6回、スペーサー層形成プロセス数が5回、カバー層形成プロセス数が1回の合計12プロセスが必要となりそれに伴って材料費も高くなっていく。
更に、各プロセスにマージンを見込んで形成しているが、プロセス数が多い為に最終的に出来上がったディスクにおける各種パラメータがスペック外になる可能性があった。例えば、各記録層の膜厚や光学特性、各スペーサー層の膜厚や一様性、各記録層の半径方向における偏心量などである。このようなことから各パラメータ値をスペック内に収めることができたとしてもディスク1枚あたりの価格が高くなってしまう問題もあった。
ここで、凹凸部を有する記録層の場合には、凸部と凹部の両方に記録を行う従来技術でいうランド・グルーブ記録方式を用いると、実質的に記録層数を半分に減らせる。しかし、この多層光記録媒体を用いて記録あるいは再生を行う場合、従来のようにカバー層側からビームを入射して凸部あるいは凹部にビームを集光すると、グルーブの影響でビームの集中度が異なるという問題がある。即ち、数値計算によるシミュレーションによると、オン・グルーブ記録ではビームがグルーブ内に集中するのに対して、イン・グルーブ記録ではビームがグルーブの外側まで広がるという問題がある。
本発明は、このような従来技術における問題点を解決し、従来とほぼ同じ記録容量で比較した場合に製造プロセス数が少なくかつ製造マージンを確保した安価な光記録媒体、及びそれに適した記録再生方法を提供することにある。
かかる課題を解決するために、本発明では、ビームの進行方向にほぼ垂直面である記録面を一つの記録層に対して少なくとも二つ以上有し、かつ、ビームの入射方向に対して一番奥の記録層よりも更に奥側に少なくとも情報の記録あるいは再生を行うデータ領域がミラー面である高反射率金属層を形成している光記録媒体を用い、入射ビームに対して一番奥側にある記録層と前記高反射率層との間の距離を、カバー層表面から一番奥の記録面までの距離からカバー層の厚さを引いた値の半分以下としている。ここでの距離は光学的距離をいう。これを具体的な式で表すと、入射ビームに対して一番奥側にある記録層と前記高反射率層との間の距離(T0スペーサー層の厚さに対応)をT0、チルトマージンと球面収差補正マージンを満足するカバー層表面から一番奥の記録面S0までの距離をMT、カバー層表面から一番手前の記録層までの距離(カバー層の厚さに対応)をCLとすると、
T0≦(MT−CL)/2
となる。
更に、記録層間の距離が10μm以上であれば、ピンホール光学系や偏光スリット光学系などを用いると迷光除去の効果が更に大きいので、T0は5μm以上が好ましい(T0の2倍が記録層間であるため)。よって、
5μm≦T0≦(MT−CL)/2
が成り立つようにT0スペーサー層を形成するのが良い。記録層が1層の場合にはT0=(MT−CL)/2が迷光の影響が一番少ないので好ましい。なお、前記チルトマージンと球面収差補正マージンを満足するカバー層表面から一番奥の記録面までの距離MTはビームの波長、絞り込みレンズのNA、チルトマージンや球面収差補正マージンで変わる数字であるが、本実施例で用いた半導体レーザのビーム波長(405nm)及び絞り込みレンズ(NA0.85)においては約100μmである。従って、本実施例においては、
5μm≦T0≦(100μm−CL)/2
が成り立つ。
ここでの高反射率金属層としては、少なくとも情報の記録あるいは再生を行うデータ領域がミラー面である基板上に設けるのが好ましい。更に、記録あるいは再生するためのビームの波長において、入射してきたビームの90%以上ミラー面で反射することが可能な材質の金属を用いている(反射率90%以上)。例えば、銀、アルミニウムなどの金属やそれらを含む合金である。また、記録膜としては高透過率が必要であるために、窒化物系あるいは酸化物系の材料を必要に応じて使い分けた。また、各記録面での反射率及び吸収率を最適化するために、記録膜及び誘電体層(ZnS−SiOなど)の膜厚で最適化する。更に、本発明で用いる記録層には金属反射層が形成されていないことも特徴である。
また、本発明の光記録媒体は、記録層の層数によらず、ビームが入射する光記録媒体の表面から高反射率金属層までの距離が同じである。更に、ビームが入射する光記録媒体の表面から一番手前にある記録層までの距離(CL)が同じでもある。
本発明では、レーザ光源から出射されたビームを光記録媒体に照射し、情報の記録あるいは再生を行う記録再生方法において、ビームの進行方向にほぼ垂直面である記録面を一つの記録層に対して少なくとも二つ以上有する光記録媒体を用い、ビームの入射方向に対して一番奥の記録層よりも更に奥側に形成している高反射率金属層でビームを反射させて、光学的に一番奥にある記録面に対応する球面収差補正を最初に行うことを特徴としている。これにより、層数が異なっても光学的に一番奥にある記録面までの距離が同じとなる為、すべての記録面への球面収差補正が容易となる。
本発明では、光記録媒体にレンズを介してビームを入射し、任意の一つの記録層における一番外の両側の記録面に記録あるいは再生を行う場合、前記ビームの入射方向に対して、前記の二つの記録面においてビームの集光方向が逆である。例えば、各記録層の両側の記録面が凹凸部のそれぞれの表面に対応している場合、凹部と凸部でビームの集光方向が逆である。この時、二つの記録面への記録においては、両記録面共にビームの進行方向に対して手前側の記録面に記録を行うことが可能となる(オン・グルーブ記録)。
また、凹凸部の両方に記録を行うので、隣の記録トラックからのクロストークやクロスイレーズの影響が考えられる。そこで本発明に用いた多層光記録媒体においては、溝深さを従来よりも深くして溝断面における記録層の厚さを薄くしている。場合によっては、段差部で記録膜を断絶させても良い。また、マークピッチを狭くしてトラックピッチを広くすることもクロストークやクロスイレーズの影響を低減する効果がある。
本発明によれば、記録層数が多くなればなるほど従来技術に比べて製造マージンの確保ができ、低価格化の効果が大きい。
かくして本発明によれば、従来とほぼ同じ記録容量で比較した場合に製造プロセス数が少なくかつ製造マージンを確保した安価な光記録媒体、及びそれに適した記録再生方法を提供する
以下、図面に基づき、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
(実施例1)
図1は、本実施例における3層光記録媒体の構造断面図を示したものである。記録層は3層であるが実際に記録を行う記録面は6面ある。
厚さ1.1mmのポリカーボネイト(PC)基板1上に高反射率金属層2をスパッタ法により100nm程度形成した(なお、図面上では高反射率金属層2を以下Rと表示する)。少なくとも、ユーザーが情報の記録あるいは再生を行うデータ領域及び光記録媒体固有のユニークIDを記録する為のBCA領域においては、前記高反射率金属層2の表面がミラー面(平坦部:凹凸溝やピット列ではない)であることが本発明の特徴である。本実施例ではデータ領域及びBCA領域がミラー面である基板1を用いた。次に、この高反射率金属層2上に表面が凹凸溝であるT0スペーサー層3を8μm程度形成した。その上にL0記録層4をスパッタ法により形成した。本実施例では高反射率金属層2とL0記録層4との間が入射ビームの焦点深度以上隔てていることも特徴の一つである。その後、L0記録層4の上にT1スペーサー層5を8μm程度形成し、更にT1スペーサー層5の上にL1記録層6を形成した。そして、L1記録層6の上にT2スペーサー層7を14μm形成し、更にT2スペーサー層7の上にL2記録層8を形成した。各スペーサー層は、紫外線硬化樹脂を使った2P法やシート状のナノプリント法を用いて形成している。最後にL2記録層8の上にカバー層9を45μm程度形成してディスクが完成する。なお、本実施例で用いたすべての記録層は、少なくとも記録膜の両側を誘電体層で挟んだ形態となっており、誘電体層に接して金属反射層は設けていない。記録あるいは再生の時は、カバー層9側から絞り込みレンズにより集光された波長405nmのビーム10を入射させる。また、本実施例で用いる高反射率金属層2としては、ビーム10の波長において、入射してきたビームの90%以上ミラー面で反射することが可能な材質の金属を用いている(反射率90%以上)。例えば、銀、アルミニウムなどの金属やそれらを含む合金である。また、記録膜としては高透過率が必要であるために、窒化物系あるいは酸化物形の材料を必要に応じて使い分けた。また、各記録面での反射率及び吸収率を最適化するために、記録膜及び誘電体層(ZnS−SiOなど)の膜厚で最適化している。本実施例では厚さを1.1mmの基板1を用いたが、これに限るものではない。
この図に示すように、従来と同じ記録面が6面(S0〜S5)であり記録容量としては従来の6層光記録媒体とほぼ同じであるが、記録層作製プロセス数が3回、スペーサー層形成プロセス数が3回、カバー層形成プロセス数が1回の合計で7プロセスとなり、従来に比べて、記録層作製プロセス数が0.5倍、スペーサー層形成が0.6倍と各プロセス数を少なくすることができる。即ち、従来に比べてプロセス数が大幅に減ることにより最終的な製造マージンが広くなり、更に、カバー層9の表面と基板1の表面とのトータル厚さが薄くなる為に材料費が抑えられ、結果的に多層光記録媒体の低価格化が可能となる。
なお、本実施例では、各記録層の記録面の呼び名として、次のように規定した。即ち、カバー層9側からビーム10を入射し、一番手前のL2記録層8における記録面としては、L2記録層8の手前側の記録面(凸部)をS5記録面、奥側の記録面(凹部)をS0記録面とした。同様に、L1記録層6における記録面としては、L1記録層6の手前側の記録面(凸部)をS4記録面、奥側の記録面(凹部)をS1記録面とした。同様に、L0記録層4における記録面としては、L0記録層4の手前側の記録面(凸部)をS3記録面、奥側の記録面(凹部)をS2記録面とした。
次に図2を用いて、3層光記録媒体における製造プロセスの一例を説明する。
まず少なくともデータ領域がミラー面である基板1を用い、その表面に高反射率金属層2を形成する。そしてその上にT0スペーサー層3となる紫外線硬化樹脂を塗布し、少なくともデータ領域に対応する部分の表面に凹凸部を有する透明スタンパ11を押し当てる(図2(A))。そして透明スタンパ11を介してT0スペーサー層3に紫外線露光機12により紫外線を適度に露光し、透明スタンパ11の凹凸部をT0スペーサー層3に転写する(図2(B))。透明スタンパ11を剥がした後、T0スペーサー層3の表面にL0記録層4をスパッタ法により形成する(図2(C))。続けて、L0記録層4上にT1スペーサー層5となる紫外線硬化樹脂を塗布し、少なくともデータ領域に対応する部分の表面に凹凸部を有する透明スタンパ13を押し当てる(図2(D))。そして透明スタンパ13を介してT1スペーサー層5に紫外線露光機14により紫外線を適度に露光し、透明スタンパ13の凹凸部をT1スペーサー層5に転写する(図2(E))。透明スタンパ13を剥がした後、T1スペーサー層5の表面にL1記録層6をスパッタ法により形成する(図2(F))。続けて、L1記録層6上にT2スペーサー層7となる紫外線硬化樹脂を塗布し、シート表面にL2記録層8を形成した透明なカバーシート層9を押し当てる(図2(G))。そして透明なカバーシート層9を介してT2スペーサー層7に紫外線露光機15により紫外線を適度に露光し両者を接着する(図2(H))。これらのプロセスを経て本実施例で用いる3層光記録媒体が完成する(図2(I))。なお、本実施例ではナノプリント法で形成したカバーシート層9を用いたが、2P法を用いてL2記録層の凹凸部を形成しても良い。この場合、各スペーサー層の形成に2P法をすべて用いた場合には、前記の透明スタンパの使用枚数も従来に比べて半分の数ですむ為、低価格化に有利である。
図3は、本実施例における各記録面へ記録あるいは再生を行った時のビームの集光状態を示したものである。まず、記録面S5に記録あるいは再生を行う場合には、図3(A)のようにカバー層9を介して記録面S5にビーム10を集光してやればよい。また、記録面S4においては図3(B)に示すように、更にビーム10の焦点位置を奥側に移動させ、T2スペーサー層7も介して記録面S4にビーム10を集光してやればよい。更に、一番奥に位置する記録層L0の手前側の記録面S3おいては図3(C)に示すように、更にビーム10の焦点位置を奥側に移動させ、T1スペーサー層5も介して記録面S3にビーム10を集光してやればよい。ここまでの各記録層の手前側の記録面(S5〜S3)においては、すべてオン・グルーブ記録である。そして、記録面S3よりも更に焦点位置を奥側に移動させると、PC基板1上に形成した高反射率金属層2にビーム10は焦点が合い、更にビーム10の焦点を移動すると高反射率金属層2によりカバー層9側に90%以上反射され、そして更に焦点を移動すると図3(D)に示すように記録面S2にビーム10の焦点を合わせることができる。即ち、L0記録層の記録面S3の反対側にある記録面S2にも記録あるいは再生が可能となるのである。従来技術ではこの記録面S2への記録あるいは再生時はカバー層9側からビーム10を集光させて行っていた(イン・グルーブ記録)が、本実施例ではカバー層9側とは反対方向からビーム10を記録面S2に集光させることができる(オン・グルーブ記録)のである。同様にして、更にビーム10の焦点位置をカバー層側へ移動させて記録面S1への記録あるいは再生(図3(E))、更に記録面S0への記録あるいは再生(図3(F))が可能となる。このように各記録層の奥側の記録面(S2〜S0)においても、すべてオン・グルーブ記録となる。
なお、2層光記録媒体においては説明しなかったが記録媒体の製造方法、記録あるいは再生時の集光状態などは本実施例と同様である。要するに、記録層は2層であるが実際に記録を行う記録面は4面あり、従来の4層光記録媒体とほぼ同じ記録容量であるが、記録層作製プロセス数が2回、スペーサー層形成プロセス数が2回、カバー層形成プロセス数が1回の合計で5プロセスとなり、従来に比べて、記録層作製プロセス数が0.5倍、スペーサー層形成が0.67倍と各プロセス数を少なくすることができる。即ち、従来に比べてプロセス数が大幅に減ることにより最終的な製造マージンが広くなり、更に、カバー層の表面と基板の表面とのトータル厚さが薄くなる為に材料費が抑えられ、結果的に多層光記録媒体の低価格化が可能となる。以下、他の層数の多層光記録媒体も同様である。
図4は、本発明の実施形態による光記録媒体に記録再生を実施するための記録再生装置の概略構成を示す図である。図4において、記録再生装置は、光記録媒体17と、それを回転させる為のスピンドル16と、チャッキングを安定させる為のクランプ18と、記録再生を行う為の光ピックアップ19と、を少なくとも備えている。また、本実施例の記録再生装置は、記録/再生信号の入出力をするためのインターフェース部20と、記録する為の信号を符号化し、かつ、光ピックアップによって読み取られた再生信号を復号する信号処理部21と、フォーカス/トラッキングサーボ信号を生成するフォーカス/トラッキングサーボ回路22と、フォーカス/トラッキングサーボ回路22からのサーボ信号に応じて光ピックアップ19を作動させる光ヘッドアクセス機構23と、スピンドル16の回転速度を制御する為の回転制御回路24と、を少なくとも備えている。なお、光ピックアップ19内には、レーザ光源となる半導体レーザや反射光を検出する為のフォトディテクタ、絞り込みレンズ、前記絞り込みレンズを介してレーザビームを光記録媒体上に照射し、またその反射ビームをフォトディテクタに導く為の光学系が形成されている。本実施例では波長405nmの高出力半導体レーザを用い、絞り込みレンズのNAは0.85である。更に、ビームの球面収差を補正する機構も備わっている。ここでは、液晶素子を用いた球面収差補正板を用いた。
記録層の層数が異なる光記録媒体を種々製造する場合、記録層をどのような形態で形成するかによって更なる生産性の向上を図ることができる。例えば、従来技術において、記録層が1つの1層光記録媒体、及び記録層が複数の多層光記録媒体において、第1記録層はディスクの厚み方向において、記録又は再生の為のビームが入射されるカバー層表面からの距離を同一にし、第2記録層以降は第1記録層よりもカバー層表面に近づく位置に形成するなどして記録再生特性の向上と光記録媒体生産性の向上、及びコストダウンを促進している。この形成方法を本実施例で適用すると、図5に示すように、L0記録層はディスクの厚み方向において、記録又は再生の為のビームが入射されるカバー層表面からの距離(本実施例では光学的距離を言う)を同一にし、L1記録層以降はL0記録層よりもカバー層表面に近づく位置に形成することになる。ここで、従来技術においても本実施例においても、ビームの入射方向において、光学的に一番遠くにある記録面はS0記録面である(図8及び図5)。従来技術の場合にはこのS0記録面に対応する記録層(図8においてはL0記録層)にのみユニークIDが、例えばBCAとして記録されており、かつカバー層の表面からS0記録面までの光学的距離が同じだったので、層数によらずまずL0記録層(S0記録面)に球面収差補正を実行し、かつ、すぐにBCA領域に記録されている情報を読み出すことが可能であった。しかし、本実施例の場合には、高反射率金属膜で反射させて各記録層の奥側の記録面にビームを照射する為に、例えば3層光記録媒体(図5(C))におけるS0記録面はL2記録層の奥側にある記録面となる。従って、本実施例において、従来技術のように光学的に一番奥にある記録面に最初にビームを照射し球面収差補正を実施しようとすると、カバー層の表面からS0記録面までの光学的距離が層数によって異なってしまう。例えば、1層光記録媒体の場合(図5(A))には、カバー層表面からS0記録面までの距離は、CL+2×T0となり、2層光記録媒体の場合(図5(B))には、カバー層表面からS0記録面までの距離は、CL+2×(T1+T0)となり、3層光記録媒体の場合(図5(C))には、カバー層表面からS0記録面までの距離は、CL+2×(T2+T1+T0)となる。更に、本発明の場合にはミラー面である高反射率金属層を設けている為に、この高反射率金属層に一番近い記録層(図5においてはL0記録層)を記録/再生を行おうとすると迷光の影響が出やすい。例えば、図6のように記録層が1層の場合は、記録面S1にビームの焦点が合っている時に(図6(A))、T0スペーサー層の厚さが薄い場合には記録面S1を透過したビームが高反射率金属層で反射され、同じ絞り込みレンズ内を戻って行きクロストークなどの迷光となり問題である。また、記録面S0にビームの焦点が合っている時にも(図6(B))、T0スペーサー層の厚さが薄い場合には記録面S0を透過したビームが同じ絞り込みレンズ内を戻って行きクロストークなどの迷光となり問題となる。そこで、本実施例においては、層数が1層や2層と少ない場合には、図7に示すように、入射ビームに対して一番奥側にある記録層と高反射率金属層との間の距離(T0スペーサー層の厚さ)を厚くしている。本実施例においては、入射ビームに対して一番奥側にある記録層と前記高反射率層との間の距離(T0スペーサー層の厚さ)を、カバー層表面から一番奥の記録面までの距離からカバー層の厚さを引いた値の半分以下としている。これを具体的な式で表すと、入射ビームに対して一番奥側にある記録層と前記高反射率層との間の距離(T0スペーサー層の厚さ)をT0、チルトマージンと球面収差補正マージンを満足するカバー層表面から一番奥の記録面S0までの距離をMT、カバー層表面から一番手前の記録層までの距離(カバー層の厚さ)をCL、とすると、
T0≦(MT−CL)/2
となる。
更に、記録層間の距離が10μm以上であれば、ピンホール光学系や偏光スリット光学系などを用いると迷光除去の効果が更に大きいので、T0は5μm以上が好ましい(T0の2倍が記録層間であるため)。よって、
5μm≦T0≦(MT−CL)/2
が成り立つようにT0スペーサー層を形成するのが良い。記録層が1層の場合にはT0=(MT−CL)/2が迷光の影響が一番少ないので好ましい。なお、前記チルトマージンと球面収差補正マージンを満足するカバー層表面から一番奥の記録面までの距離MTはビームの波長、絞り込みレンズのNA、チルトマージンや球面収差補正マージンで変わる数字であるが、本実施例で用いた半導体レーザのビーム波長(405nm)及び絞り込みレンズ(NA0.85)においては約100μmである。従って、本実施例においては、
5μm≦T0≦(100μm−CL)/2
が成り立つ。
本実施例では、ビームの入射方向に対して一番奥の記録層よりも更に奥側に形成している高反射率金属層でビームを反射させて、光学的に一番奥にある記録面S0に対応する球面収差補正を最初に行うことを特徴としている。これにより、層数が異なっても光学的に一番奥にある記録面S0までの距離が同じである為、すべての記録面への球面収差補正が容易となる。
以上のように、本発明の光記録媒体およびそれに適した記録再生方法を用いることにより、従来技術の光記録媒体に比べて安価な光記録媒体が提供される。
実施例における3層光記録媒体の構造断面図 実施例における3層光記録媒体の製造プロセス説明図 実施例における3層光記録媒体の各記録面でのビームの集光状態説明図 実施例における記録再生装置の概略説明図 実施例における記録層の層数が異なる光記録媒体の記録層の構成例 実施例における迷光によるビームの影響を説明するための図 実施例における迷光の影響が少ない光記録媒体の記録層の構成例 従来例における6層光記録媒体の構造断面図
符号の説明
1、100 ポリカーボネイト基板
2 高反射率金属層
3、102 T0スペーサー層
4、101 L0記録層
5、104 T1スペーサー層
6、103 L1記録層
7、106 T2スペーサー層
8、105 L2記録層
9、112 カバー層
10、113 記録/再生の為のビーム
11、13 透明スタンパ
12、14、15 紫外線露光機
16 スピンドル
17 光記録媒体
18 クランプ
19 光ピックアップ
20 インターフェース部
21 信号処理部
22 フォーカス/トラッキングサーボ回路
23 光ヘッドアクセス機構
24 回転制御回路
107 L3記録層
108 T3スペーサー層
109 L4記録層
110 T4スペーサー層
111 L5記録層
L0、L1、L2、L3、L4、L5 記録層
S0、S1、S2、S3、S4、S5 記録面
T0、T1、T2、T3、T4 スペーサー層
CL カバー層
R 高反射率金属層

Claims (7)

  1. ビームが照射されることで情報の記録あるいは再生が可能な光記録媒体において、
    上記光記録媒体は、基板と、記録層群と、高反射率金属層と、カバー層とを少なくとも有し、
    上記記録層群は少なくとも1以上の記録層を有し、かつ、上記各記録層は第一の記録領域および第二の記録領域を有し、
    上記高反射率金属層は、少なくとも上記記録層群における情報の記録あるいは再生を行う領域に対応する場所にミラー面を有し、
    上記基板の上に、上記記録層と、上記高反射率金属層と、上記カバー層とが、順次形成され、
    上記記録層群を構成する記録膜のうち上記高反射率金属層に最も近い記録膜と上記高反射率金属層との間の距離をT0、チルトマージンと球面収差補正マージンを満足する光記録媒体表面から一番奥の記録面までの距離をMT、上記カバー層の上記ビームの入射面から上記記録層群を構成する記録膜のうち上記カバー層に最も近い記録膜までの距離をCLとすると、T0≦(MT−CL)/2なる関係式を満足することを特徴とする光記録媒体。
  2. 請求項1記載の光記録媒体において、前記T0が5μm以上であることを特徴とする光記録媒体。
  3. 請求項1記載の光記録媒体において、記録層が1層の場合には、T0=(MT−CL)/2なる関係式を満足することを特徴とする光記録媒体。
  4. 請求項1記載の光記録媒体において、チルトマージンと球面収差補正マージンを満足する光記録媒体表面から一番奥の記録面までの距離が約100μmであることを特徴とする光記録媒体。
  5. 請求項1記載の光記録媒体において、記録層群を構成する記録層の数によらず、ビームが入射する上記カバー層の表面から上記高反射率金属層までの距離が同じであり、更に、ビームが入射する上記カバー層の表面から上記記録層群を構成する記録層のうち上記カバー層に最も近い記録層までの距離も同じであることを特徴とする光記録媒体。
  6. 請求項1記載の光記録媒体において、上記記録層群を構成する記録層を複数設ける場合、前記一番手前にある記録層に近い方から順に記録層を形成していることを特徴とする光記録媒体。
  7. ビームを光記録媒体に照射して情報の記録あるいは再生を行う記録再生方法において、
    上記光記録媒体には請求項1に記載の光記録媒体を用い、
    情報の記録あるいは再生時には、上記ビームを前記カバー層側から入射し、
    前記記録層の第一の記録領域に対してはビームの入射方向側からビームを照射して情報を記録あるいは再生し、一方、前記記録層の第二の記録領域に対してはビームの入射方向から見て一番奥側に形成されている前記高反射率金属層で反射してきたビームで情報を記録または再生することを特徴とする記録再生方法。
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