JP2009123263A - 情報の記録再生方法 - Google Patents

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Toshinori Sugiyama
寿紀 杉山
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Abstract

【課題】記録層が2層以上である光記録媒体において、低価格の為に製造プロセスマージンを向上させる必要がある。
【解決手段】少なくとも情報の記録あるいは再生を行う領域がミラー面である基板1の表面に高反射率金属層2を形成した多層光記録媒体を用い、スペーサー層上に形成された記録層の凹凸部の両方にカバー層9を介してビーム10により記録あるいは再生を行う。すべての記録面においてオン・グルーブ記録となり、従来と同じ記録容量でありながら、記録層が半分でよく、スペーサー層の厚さも半分にでき、結果的には従来に比べて光記録媒体の低価格化が可能となる。また、各記録層における表面反射率及び裏面反射率の値をほぼ同じとし、各記録面の幅をd5<d4<d3<d2<d1<d0とすることにより、各記録面での検出光量をほぼ同じにすることができる。
【選択図】図6

Description

本発明は、情報の多層光記録媒体等に関し、より詳しくは、ほぼ同じ記録容量でありながら従来よりも安価な多層光記録媒体に関する。
近年、マルチメディア(multi media)化に対応して、大量のデータを高密度で記録し、かつ迅速に記録再生する情報記録媒体としての光記録媒体(光ディスクなど)が注目されている。
このような光記録媒体のさらなる大容量化の方法として、複数の情報記録層を積層した多層光記録媒体を利用する方法が知られている。多層光記録媒体としては、2層再生専用型ディスク(2層DVD−ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory))や2層追記型ディスク(2層DVD−R(Digital Versatile Disk Recordable))等がすでに商品化されている。同様に、2層書き換え型ディスクも開発が進められている。さらに、次世代の光記録、例えば、追記型ブルーレイディスク(BD−R(Blu−ray Disc Recordable))においては、レーザ光源の波長を405nm程度、NAを0.85とすることにより、より大きな記録密度を得ることができ、既に2層BD−Rも製品化されている。
従来技術においては、チルトマージンや球面収差補正の観点から現状ではビームの入射側のカバー層表面から一番奥の記録層まで距離を100μm程度にする必要がある為に各スペーサー層の厚みをそれぞれ薄くしており、更に層間クロストークを抑制する為にスペーサー層の厚みの差が最小で2μm程度と小さくなる場合がある。従って、多層光記録媒体の製造過程で各スペーサー層の厚みや一様性を正確にモニターし、最終的な製造マージンを高くする必要がある。
ここで、図7を用いて従来の6層光記録媒体の製造プロセスを説明する。まず、凹凸溝を有する厚さ1.1mmのポリカーボネイト(PC)基板100上にL0記録層101をスパッタ法により形成した。L0記録層101は、少なくとも記録膜の両側を誘電体層で挟んだ形態となっており、片側の誘電体層と基板100の間に金属反射層を設けている。その後、L0記録層101の上にT0スペーサー層102を形成し、更にT0スペーサー層102の上にL1記録層103を形成した。スペーサー層は、紫外線硬化樹脂を使った2P法やシートを使ったナノプリント法を用いて10〜30μm程度形成している。以後、スペーサー層104、106、108、110と記録層105、107、109、111を交互に形成し、最後にL5記録層111の上にカバー層112を形成して6層光記録媒体が完成する。記録あるいは再生の時は、カバー層112側からビーム113を入射する。従来技術ではビーム113の入射方向に対して手前側の記録面に記録を行う。即ち、実際に記録を行う記録面は記録層数と同じ6面である(S0〜S5:ビームの入射方向に対して光学的に一番奥側にある記録面から手前側の記録面に向かって番号を順番につけた)。なお、凹凸部を有する記録層の場合には、ビームの進行方向に対して、手前側の記録面(ここでは凸部)にビームを集光して記録を行う場合をオン・グルーブ記録と呼び、奥側の記録面(ここでは凹部)にビームを集光して記録を行う場合をイン・グルーブ記録と呼ぶことにする。
この図に示すように、6層光記録媒体を作製する場合、少なくとも記録層作製プロセス数が6回、スペーサー層形成プロセス数が5回、カバー層形成プロセス数が1回の合計12プロセスが必要となりそれに伴って材料費も高くなっていく。
更に、各プロセスにマージンを見込んで形成しているが、プロセス数が多い為に最終的に出来上がったディスクにおける各種パラメータがスペック外になる可能性があった。例えば、各記録層の膜厚や光学特性、各スペーサー層の膜厚や一様性、各記録層の半径方向における偏芯量などである。このようなことから各パラメータ値をスペック内に収めることができたとしてもディスク1枚あたりの価格が高くなってしまう問題もあった。
ここで、凹凸部を有する記録層の場合には、凸部と凹部の両方に記録を行う従来技術でいうランド・グルーブ記録方式を用いると、実質的に記録層数を半分に減らせる。しかし、この光記録媒体を用いて記録あるいは再生を行う場合、従来のようにカバー層側からビームを入射して凸部あるいは凹部にビームを集光すると、グルーブの影響でビームの集中度が異なるという問題がある。即ち、数値計算によるシミュレーションによると、オン・グルーブ記録ではビームがグルーブ内に集中するのに対して、イン・グルーブ記録ではビームがグルーブの外側まで広がるのである。
本発明は、このような従来技術における問題点を解決し、従来とほぼ同じ記録容量で比較した場合に製造プロセス数が少なくかつ製造マージンを確保した安価な多層光記録媒体を提供することにある。
かかる課題を解決するために、本発明では、ビームの進行方向にほぼ垂直面である記録面を一つの記録層に対して二つ以上有する光記録媒体において、少なくとも情報の記録あるいは再生を行う領域が高反射率金属層を形成したミラー面である基板を用い、かつ前記光記録媒体にレンズを介してビームを入射し、その入射方向に対して一つの記録層における手前側にある記録面に記録あるいは再生を行った場合、もう一方の奥側にある記録面への記録あるいは再生をビームの入射方向に対して一番奥に形成されている高反射率金属層で一旦反射させて戻ってきたビームで行い、さらに前記高反射率金属層に一番近い記録層における表面反射率及び裏面反射率の値がほぼ同じであることを特徴としている。さらに記録層が2層以上ある場合には、各記録層とも表面反射率及び裏面反射率をほぼ同じとすることにより、各記録面への記録再生制御が容易になり好ましい。またこの時、各記録層の膜構造を同じにすると光記録媒体の製造プロセスが簡単になると共に製造プロセスマージンが広がり媒体の低価格化が可能となる。
更に、各記録層における情報の記録あるいは再生を行う領域は溝部を有し、少なくとも前記溝部の溝幅が隣同士の記録層で異なることを特徴としている。さらに、場合によってはビームの入射側に近い記録層から奥側の記録層に向かって段々と狭くなっている。この時、一番奥側の記録層の溝幅に関しては溝ピッチの半分よりも広くしている。
本発明に用いる多層光記録媒体は、各記録面の幅がすべての記録面で異なっていることを特徴としており、少なくともビームの入射方向に対して一番手前側にある記録面の幅とそのすぐ奥側にある記録面の幅を比較した場合、前記手前側の記録面の幅を狭くしている。要するに、集光したビームスポット内における記録面の占める面積の割合を奥側ほど大きくして検出光量を大きくするためである。
本発明では、前記多層光記録媒体にレンズを介してビームを入射し、任意の一つの記録層における一番外の両側の記録面に記録あるいは再生を行う場合、前記ビームの入射方向に対して、前記の二つの記録面においてビームの集光方向が逆である。例えば、各記録層の両側の記録面が凹凸部のそれぞれの表面に対応している場合、凹部と凸部でビームの集光方向が逆である。この時、二つの記録面への記録においては、両記録面共にビームの進行方向に対して手前側の記録面に記録を行うことが可能となる(オン・グルーブ記録)。
さらに、前記多層光記録媒体にレンズを介してビームを入射し、その入射方向に対して一つの記録層における手前側にある記録面に記録あるいは再生を行った場合、もう一方の奥側にある記録面への記録あるいは再生は、ビームの入射方向に対して一番奥に形成されている高反射率金属層で一旦反射させて戻ってきたビームで行うことを特徴としている。例えば、各記録層の両側の記録面が凹凸部のそれぞれの表面に対応している場合、その入射方向に対して一つの記録層における手前側にある凸部の記録面に記録あるいは再生を行った場合、もう一方の奥側にある凹部の記録面への記録あるいは再生は、ビームの入射方向に対して一番奥に形成されている高反射率金属層で一旦反射させて逆方向に戻ってきたビームで行う。
ここで用いた高反射率金属層は入射してきたビームの90%以上反射することが可能な材質の金属を用いている(反射率90%以上)。例えば、銀、アルミニウムなどの金属やそれらを含む合金である。また、各記録層は少なくとも情報を記録する記録膜及び保護膜で形成されており、これら各記録層には金属膜を設けていない。さらに、ビームの入射方向に対して一番奥にある高反射率金属層とその手前にある第1の記録層とは接しておらず、透明樹脂などのスペーサー層で隔てられている。ただ、一般的に記録層間の距離が10μm以内と近い場合には、層間クロストークが急に大きくなることが知られている。そこで、層間クロストークの影響を少なくするために本発明における高反射率金属層とそれに一番近い記録層との距離は少なくとも5μm以上離れているのが好ましい(記録層間距離としては10μm以上離れている)。
また、凹凸部の両方に記録を行うので、隣の記録トラックからのクロストークやクロスイレーズの影響が考えられる。そこで本発明に用いた多層光記録媒体においては、溝深さを従来よりも深くして溝断面における記録層の厚さを薄くしている。場合によっては、段差部で記録膜を断絶させても良い。
更に、BCA(Burst Cutting Area)を高反射率金属層のみに設けることにより、確実なBCA記録再生が可能となり好ましい。
本発明によれば、記録層数が多くなればなるほど従来技術に比べて製造マージンの確保ができ、低価格化の効果が大きい。
かくして本発明によれば、ほぼ同じ記録容量であるにもかかわらず、製造プロセス数が少ないために安価な多層光記録媒体が提供される。
以下、図面に基づき、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
(実施例)
図1は、本実施例における3層光記録媒体の構造断面図を示したものである。記録層は3層であるが実際に記録を行う記録面は6面ある。
厚さ1.1mmのポリカーボネイト(PC)基板1上に高反射率金属層2をスパッタ法により形成した。少なくとも、情報の記録あるいは再生を行う領域においては、基板1の表面がミラー面(平坦部:凹凸溝やピット列ではない)であることが本実施例の特徴である。次に、この高反射率金属層2上に表面が凹凸溝であるT0スペーサー層3を8μm程度形成した。その上にL0記録層4をスパッタ法により形成した。L0記録層4は、少なくとも記録膜の両側を誘電体層で挟んだ形態となっており、金属反射層は設けていない。本実施例では高反射率金属層2とL0記録層4との間が入射ビームの焦点深度以上隔てていることも特徴の一つである。その後、L0記録層4の上にT1スペーサー層5を8μm程度形成し、更にT1スペーサー層5の上にL1記録層6を形成した。そして、L1記録層6の上にT2スペーサー層7を14μm形成し、更にT2スペーサー層7の上にL2記録層8を形成した。各スペーサー層は、紫外線硬化樹脂を使った2P法やシート状のナノプリント法を用いて形成している。最後にL2記録層8の上にカバー層9を45μm程度形成してディスクが完成する。記録あるいは再生の時は、カバー層9側から絞り込みレンズにより集光された波長405nmのビーム10を入射させる。また、本実施例で用いる高反射率金属層2としては、ビーム10の波長において、入射してきたビームの90%以上ミラー面で反射することが可能な材質の金属を用いている(反射率90%以上)。例えば、銀、アルミニウムなどの金属やそれらを含む合金である。また、記録膜としては高透過率が必要であるために、窒化物系あるいは酸化物系の材料を必要に応じて使い分けた。
図1に示すように、従来と同じ記録面が6面(S0〜S5)であり記録容量としては従来の6層光記録媒体とほぼ同じであるが、記録層作製プロセス数が3回、スペーサー層形成プロセス数が3回、カバー層形成プロセス数が1回の合計で7プロセスとなり、従来に比べて、記録層作製プロセス数が0.5倍、スペーサー層形成が0.6倍と各プロセス数を少なくすることができる。即ち、従来に比べてプロセス数が大幅に減ることにより最終的な製造マージンが広くなり、更に、カバー層9の表面と基板1の表面とのトータル厚さが薄くすることもできる為に材料費が抑えられ、結果的に多層光記録媒体の低価格化が可能となる。
なお、本実施例では、各記録層の記録面の呼び名として、次のように規定した。即ち、カバー層9側からビーム10を入射し、一番手前のL2記録層8における記録面としては、L2記録層8の手前側の記録面(凸部)をS5、奥側の記録面(凹部)をS0とした。同様に、L1記録層6における記録面としては、L1記録層6の手前側の記録面(凸部)をS4、奥側の記録面(凹部)をS1とした。同様に、L0記録層4における記録面としては、L0記録層4の手前側の記録面(凸部)をS3、奥側の記録面(凹部)をS2とした。
ここで、図2を用いて、3層光記録媒体における製造プロセスの一例を説明する。
まず少なくとも情報の記録あるいは再生を行う領域がミラー面である基板1を用い、その表面に高反射率金属層2を形成する。そしてその上にT0スペーサー層3となる紫外線硬化樹脂を塗布し、少なくとも表面に凹凸溝を有する透明スタンパ11を押し当てる(図2(A))。そして透明スタンパ11を介してT0スペーサー層3に紫外線露光機12により紫外線を適度に露光し、透明スタンパ11の凹凸部をT0スペーサー層3に転写する(図2(B))。透明スタンパ11を剥がした後、T0スペーサー層3の表面にL0記録層4をスパッタ法により形成する(図2(C))。続けて、L0記録層4上にT1スペーサー層5となる紫外線硬化樹脂を塗布し、少なくとも表面に凹凸部を有する透明スタンパ13を押し当てる(図2(D))。そして透明スタンパ13を介してT1スペーサー層5に紫外線露光機14により紫外線を適度に露光し、透明スタンパ13の凹凸部をT1スペーサー層5に転写する(図2(E))。透明スタンパ13を剥がした後、T1スペーサー層5の表面にL1記録層6をスパッタ法により形成する(図2(F))。続けて、L1記録層6上にT2スペーサー層7となる紫外線硬化樹脂を塗布し、表面の凹凸部にL2記録層8を形成した透明なカバーシート層9を押し当てる(図2(G))。そして透明なカバーシート層9を介してT2スペーサー層7に紫外線露光機15により紫外線を適度に露光し両者を接着する(図2(H))。これらのプロセスを経て本実施例で用いる3層光記録媒体が完成する(図2(I))。なお、本実施例ではナノプリント法で形成したカバーシート層9を用いたが、2P法を用いてL2記録層の凹凸部を形成しても良い。各スペーサー層の形成に2P法を用いた場合には、前記の透明スタンパの使用枚数も従来に比べて半分の数ですむ為、低価格化に有利である。
図3は、本実施例における各記録面へ記録あるいは再生を行った時のビームの集光状態を示したものである。まず、記録面S5に記録あるいは再生を行う場合には、図3(A)のようにカバー層9を介して記録面S5にビーム10を集光してやればよい。また、記録面S4においては図3(B)に示すように、更にビーム10の焦点位置を奥側に移動させ、T2スペーサー層7も介して記録面S4にビーム10を集光してやればよい。更に、一番奥に位置するL0記録層4の手前側の記録面S3おいては図3(C)に示すように、更にビーム10の焦点位置を奥側に移動させ、T1スペーサー層5も介して記録面S3にビーム10を集光してやればよい。ここまでの各記録層の手前側の記録面(S5〜S3)においては、すべてオン・グルーブ記録である。そして、記録面S3よりも更に焦点位置を奥側に移動させると、PC基板1上に形成した高反射率金属層2にビーム10は焦点が合い、更にビーム10の焦点を移動すると高反射率金属層2によりカバー層9側に90%以上反射され、そして更に焦点を移動すると図3(D)に示すように記録面S2にビーム10の焦点を合わせることができる。即ち、L0記録層4の記録面S3の反対側にある記録面S2にも記録あるいは再生が可能となるのである。従来技術ではこの記録面S2への記録あるいは再生時はカバー層9側からビーム10を集光させて行っていた(イン・グルーブ記録)が、本実施例ではカバー層9側とは反対方向からビーム10を記録面S2に集光させることができる(オン・グルーブ記録)のである。同様にして、更にビーム10の焦点位置をカバー層側へ移動させて記録面S1への記録あるいは再生(図3(E))、更に記録面S0への記録あるいは再生(図3(F))が可能となる。このように各記録層の奥側の記録面(S2〜S0)においても、すべてオン・グルーブ記録となる。
図3においては、記録面S5から順番に記録面S0までビームを集光させる例を示したが、実際の記録あるいは再生時には、逆の記録面S0から記録面S5まで順に行っても良い。高反射率金属層2を基準とした場合には、記録面S3から記録面S5に、記録面S2から記録面S0の順に、もしくはL0記録層からL2記録層の順に両面ずつ記録あるいは再生を行った方が好ましい。もちろん、順不同で記録あるいは再生をするなど必要に応じて記録面の順番を決めてよい。
なお、2層光記録媒体においては説明しなかったが記録媒体の製造方法、記録あるいは再生時の集光状態などは本実施例と同様である。要するに、記録層は2層であるが実際に記録を行う記録面は4面あり、従来の4層光記録媒体とほぼ同じ記録容量であるが、記録層作製プロセス数が2回、スペーサー層形成プロセス数が2回、カバー層形成プロセス数が1回の合計で5プロセスとなり、従来に比べて、記録層作製プロセス数が0.5倍、スペーサー層形成が0.67倍と各プロセス数を少なくすることができる。即ち、従来に比べてプロセス数が大幅に減ることにより最終的な製造マージンが広くなり、更に、カバー層の表面と基板の表面とのトータル厚さが薄くなる為に材料費が抑えられ、結果的に多層光記録媒体の低価格化が可能となる。以下、他の層数の多層光記録媒体も同様である。
本発明のように従来技術に比べて同じ記録容量で比較して記録層の層数を減らすことができるが、実際に記録及び再生を行うと各記録層の光学特性により検出光量や吸収光量が大きく異なる。そこで、例として、3層光記録媒体(記録面は6面)について光学シミュレーションを実施した。なお、本実施例では高反射率金属層Rで実質的にビームの90%程度反射され、その後記録面S2⇒S1⇒S0とビームが進行するので、シミュレーションでは図4に示すように、ちょうど記録面S3と記録面S2との間に反射率が0%で透過率が90%で吸収率が10%の仮想膜R’を形成していると仮定して計算を実施した。また、グルーブ(案内溝)による透過率減少0%、反射率減少25%とする。グルーブ幅は各記録層で同じとした。ここでは、記録膜として、屈折率(n)が2.5で消衰係数(k)が0.25の酸化物系の材料を用いた。また記録膜の両側をZnS−SiO誘電体層で挟んだ形態の記録層とした。また本実施例では、記録層に注目すると、記録面S5〜記録面S3が表面反射率で、記録面S2〜記録面S0が裏面反射率であるが、記録面に注目するとすべてにおいて表面反射率となる。以下の表において、「表面反射率」とは、単層での各記録面においてビームが入射する表面側の反射率を言い、「透過率」とは、単層での各記録面の透過率を言い、「検出光量」とは、各記録面からの見かけ上の反射率(記録再生装置で検出される各記録層からの反射率)を言い、「吸収光量」とは、各記録面での吸収量をいう。
この時、各記録層の膜構造を考慮することにより以下の4つのパターンが考えられる。
・パターンA:3層すべての記録層の膜構造が同じで各記録面の表面反射率も同じ場合
・パターンB:3層すべての記録層の膜構造が同じで各記録面の表面反射率が二つに分かれる場合
・パターンC:3層すべての記録層の膜構造が異なり各記録面の表面反射率も異なる場合(検出光量が各記録面でほぼ一定)
・パターンD:3層すべての記録層の膜構造が異なり各記録面の表面反射率も異なる場合(吸収光量が各記録面でほぼ一定)
このうち、記録再生装置にも負担が少なく媒体が安くできるパターンAが好ましい。
一例として、パターンAの「3層すべての記録層の膜構造が同じで各記録面の表面反射率も同じ場合」についての具体的なシミュレーション結果を表1に示す。
Figure 2009123263

この膜構造は、L0記録層〜L2記録層の3層すべてにおいて表面反射率と裏面反射率が同じことを意味している。上記の各記録面の表面反射率及び透過率を得るには、3層の記録層とも、記録膜の膜厚が5nm、両側のZnS−SiO誘電体層の厚さを共に34nmとすれば良い。この結果を図5に示した。本実施例においては、各記録層の両側の記録面において透過率は同じである(S5=S0、S4=S1、S3=S2)。その為に、従来の膜構造で可能であった、各記録面の検出光量と吸収光量を同じにすることはできない。しかし、パターンAの場合には表面反射率も透過率もすべての記録面で同じにしているので、計算式により各記録面での検出光量と吸収光量を予想することは可能であり、記録面間の数値の差は小さい。したがって、記録再生装置で各記録面への記録時あるいは再生時のレーザパワーを制御することにより安定に記録再生が可能となる。場合によっては、各記録面でのOPC(Optimum Power Control)処理を行って最適なレーザパワーを求めても良い。
更に、上記のシミュレーションでは各記録層の溝幅を同じにしたが、実際には溝幅を変える事により各記録面の検出光量を制御することもできる。例えば、図6に示すように記録面S5から記録面S0に記録面幅を広くすれば良い。ここで、記録面S5の記録面幅をd5、記録面S4の記録面幅をd4、記録面S3の記録面幅をd3、記録面S2の記録面幅をd2、記録面S1の記録面幅をd1、記録面S0の記録面幅をd0とすると、d5<d4<d3<d2<d1<d0である(溝ピッチTp=d5+d0=d4+d1=d3+d2)。要するに、集光したビームスポット内における記録面の占める面積の割合が大きいほど検出光量は大きくなるため、図5で示したようなパターンAにおいては検出光量の傾向とは反対の傾向を示すので、結果的に各記録面における検出光量をほぼ同じにすることも可能である。更に、記録面の幅を広くすることにより吸収光量も多くできる傾向なので好ましい。別な言い方をすれば、各記録層の溝幅をカバー層9側からみて手前側の記録層から奥側の記録層に向かって段々と狭くしていけばよい(図6では、d0>d1>d2)。この時、一番奥側の記録層の溝幅(ここではd2)に関しては溝ピッチの半分よりも広くした方が各記録層の検出光量の大きさをほぼ同じにしやすい。もちろん、溝幅の変え方は記録層数の数や膜構造の違いによりその都度決めればよい。
以上のように、本発明の多層光記録媒体およびそれに適した情報の記録再生方法を用いることにより、従来技術の多層光記録媒体に比べて安価な多層光記録媒体が提供される。
実施例における3層光記録媒体の構造断面図 実施例における3層光記録媒体の製造プロセス説明図 実施例における3層光記録媒体の各記録面でのビームの集光状態説明図 実施例におけるシミュレーションで用いた仮想膜R’の位置関係 実施例における各記録面での検出光量&吸収光量(一例) 実施例における各記録面の幅の大小関係を示した図 従来例における6層光記録媒体の構造断面図
符号の説明
1、100 ポリカーボネイト基板
2 高反射率金属層
3、102 T0スペーサー層
4、101 L0記録層
5、104 T1スペーサー層
6、103 L1記録層
7、106 T2スペーサー層
8、105 L2記録層
9、112 カバー層
10、113 ビーム
11、13 透明スタンパ
12、14、15 紫外線露光機
107 L3記録層
108 T3スペーサー層
109 L4記録層
110 T4スペーサー層
111 L5記録層
S0、S1、S2、S3、S4、S5 記録面
R’ 仮想膜
d0、d1、d2、d3、d4、d5 記録面の幅
Tp 溝ピッチ

Claims (8)

  1. ビームが照射されることで情報の記録あるいは再生が可能な多層光記録媒体において、
    上記高反射率金属層は、少なくとも情報の記録あるいは再生を行う領域に対応する場所にミラー面を有し、
    上記高反射率金属層に一番近い記録層の表面反射率の値と裏面反射率の値とが略同一であることを特徴とする多層光記録媒体。
  2. 請求項1記載の情報の多層光記録媒体において、各記録層における表面反射率及び裏面反射率の値とが略同一であることを特徴とする多層光記録媒体。
  3. ビームの進行方向にほぼ垂直面である記録面を一つの記録層に対して二つ以上有する多層光記録媒体において、少なくとも情報の記録あるいは再生を行う領域が高反射率金属層を形成したミラー面である基板を用い、さらに各記録層における情報の記録あるいは再生を行う領域は溝部を有し、少なくとも前記溝部の溝幅が隣同士の記録層で異なることを特徴とする情報の多層光記録媒体。
  4. 請求項3記載の情報の多層光記録媒体において、少なくともビームの入射方向に対して一番手前側にある記録層の溝幅とそのすぐ奥側にある記録層の溝幅を比較した場合、前記一番手前側の記録層の溝幅が広いことを特徴とする情報の多層光記録媒体。
  5. 請求項4記載の情報の多層光記録媒体において、前記記録層の溝幅がビームの入射側に近い方の記録層から奥側の記録層に向かって段々と狭くなっていることを特徴とする情報の多層光記録媒体。
  6. 請求項5記載の情報の多層光記録媒体において、前記ビームの入射方向に対して一番奥側の記録層の溝幅が当該記録層の溝ピッチの半分よりも広いことを特徴とする情報の多層光記録媒体。
  7. ビームの進行方向にほぼ垂直面である記録面を一つの記録層に対して二つ以上有する光記録媒体において、少なくとも情報の記録あるいは再生を行う領域が高反射率金属層を形成したミラー面である基板を用い、さらに各記録面の幅がすべての記録面で異なっていることを特徴とする情報の多層光記録媒体。
  8. 請求項7記載の情報の多層光記録媒体において、少なくともビームの入射方向に対して一番手前側にある記録面の幅とそのすぐ奥側にある記録面の幅を比較した場合、前記一番手前側の記録面の幅が狭いことを特徴とする情報の多層光記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012089211A (ja) * 2010-10-21 2012-05-10 Tdk Corp 多層光記録媒体

Cited By (1)

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