JP2001002947A - 難燃樹脂組成物 - Google Patents

難燃樹脂組成物

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JP2001002947A
JP2001002947A JP11178376A JP17837699A JP2001002947A JP 2001002947 A JP2001002947 A JP 2001002947A JP 11178376 A JP11178376 A JP 11178376A JP 17837699 A JP17837699 A JP 17837699A JP 2001002947 A JP2001002947 A JP 2001002947A
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flame
resin
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resin composition
melting point
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JP11178376A
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Kazuo Yoshida
和郎 吉田
Yoshinori Kobayashi
好教 小林
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、PTFEを熱可塑性樹
脂に配合する際の問題点やPTFEを含有する難燃樹脂
組成物の特性上の問題点を解決することであり、難燃
性、耐衝撃性、外観等に優れた難燃樹脂組成物を提供す
ることにある。 【解決手段】 あらかじめ粉状添加剤および/または粉
状樹脂と低融点添加剤とを混合し混合粒子を形成した後
にPTFEを混合して得た特定の粒状テトラフルオロエ
チレンマスターバッチを熱可塑性樹脂および難燃剤と溶
融混練りしてなる難燃樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外力により凝集す
ることなく、取り扱いが容易なテトラフルオロエチレン
マスターバッチを配合してなる難燃樹脂組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】テトラフルオロエチレン樹脂(以下、P
TFEと記述する。)は、熱可塑性樹脂に少量添加する
ことにより、熱可塑性樹脂の難燃化における滴下防止や
摩耗性改良として効果が大きいことが知られている。
【0003】一般に、熱可塑性樹脂にPTFEを添加す
る場合は、PTFEの融点が熱可塑性樹脂の加工温度よ
り高いためにPTFEの融点以下で混練りされる。PT
FEは、剪断力を受けることにより容易に繊維化したり
凝集し易く、熱可塑性樹脂に混練り添加されたPTFE
は、ネットワーク状に繊維化して滴下防止などの効果を
発揮すると言われている。しかしながら、PTFEのこ
のような繊維化や凝集し易さは、取り扱いの上では非常
に厄介であり、取り扱い性の向上技術が種々提案されて
いる。例えば、公開特許公報平10−30046にはP
TFEを予め、高級脂肪酸類の分散剤で処理して用いる
方法が提案されている。
【0004】一般的に、PTFEは粉体であるため、そ
のままの粉体を用いた場合には飛散による作業環境の汚
染を生じたり、熱可塑性樹脂と混合する際、或いは押出
機への供給に際し、上記の性質を有するためにPTFE
同士が凝集するブロッキング現象を生じたり、供給装置
や押出機の内壁やスクリュウに付着し、安定して供給混
練りすることが難しいだけでなく、押出機ダイヘッドに
装着したスクリーンに目詰まりして押出を続けることが
できない事態に至る場合も発生した。また、このように
して混練りされた樹脂組成物は、PTFEの分散性が良
くないために成型品の表面にPTFEの凝集物がしばし
ば観察され、衝撃強度が低下するなどの問題点を有して
いた。
【0005】一方従来より取り扱い性を向上させるため
に、PTFEを高濃度に含有する粒状組成物が検討さ
れ、公開特許公報平09−324124、平09−32
4071、平09−324072、平09−32407
3、平09−324074、平09−324092、平
09−324093などには粒状PTFE組成物が開示
されている。しかしながら、これらの特許公報で開示さ
れた技術においてもPTFEの分散性は充分ではなく、
押出混練りを長時間継続することが困難であったり、性
能が充分に発揮されないなどの問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は上記問
題に鑑み、PTFEを熱可塑性樹脂に配合する際の問題
点やPTFEを含有する難燃樹脂組成物の特性上の問題
点を解決することであり、燃焼時の滴下防止性、耐衝撃
性、外観等に優れた難燃樹脂組成物を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは燃焼時の滴
下防止性、耐衝撃性、外観等に優れた難燃樹脂組成物を
鋭意検討した結果、PTFEが高濃度に含有された特定
の粒状テトラフルオロエチレンマスターバッチを熱可塑
性樹脂および難燃剤と溶融混練りすることにより目的が
達成されることを見出し、本発明に至った。
【0008】すなわち本発明は、テトラフルオロエチレ
ン樹脂(a−1)、合成樹脂用の粉状添加剤および/ま
たは粉状合成樹脂(a−2)、および(a−2)よりも
低い融点を有する合成樹脂用の低融点添加剤(a−3)
から成り、(a−1)/((a−2)+(a−3))の
重量比が0.5/99.5〜50/50の範囲、および
(a−2)/(a−3)の重量比が1/5〜50/1の
範囲にあり、かつ(a−3)の融点以上に保持して(a
−2)と(a−3)とを混合し、その混合粒子が生成し
始めた後、次いで(a−1)を混合することにより得ら
れた球形または球形近似の形状を有する粒状のテトラフ
ルオロエチレンマスターバッチ(A)を、熱可塑性樹脂
(B)および難燃剤(C)の合計量100重量部に対し
て、0.1〜30重量部溶融混練りしてなる難燃樹脂組
成物である。
【0009】本発明に用いられるテトラフルオロエチレ
ン樹脂(a−1)は、テトラフルオロエチレンの単独重
合体およびテトラフルオロエチレンとジフルオロエチレ
ン、トリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン
等との共重合体である。
【0010】これらのPTFEの製造方法は、米国特許
第2,393,697号および米国特許第2,534,
058号に開示され、例えばテトラフルオロエチレンを
水性媒体中で過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等の
ラジカル開始剤を用いて、7〜70kg/cm2の加圧
下、0〜200℃の温度で重合し、次いで懸濁液、分散
液または乳濁液から凝析により、または沈殿によりポリ
テトラフルオロエチレン粉末が得られる。
【0011】例えば、4フッ化エチレンモノマーを原料
とし、過酸化物を用いたラジカル重合による乳化重合
法、もしくは懸濁重合法により製造される。また、フッ
素原子の一部を別の置換基もしくは元素で置き換えた変
性タイプも用いられる。この方法によって得られるPT
FEは、粉体もしくはディスパージョンの形態を取る
が、高度に結晶質となりかつ容易にネットワーク状に繊
維化するものが好ましい。
【0012】本発明に用いられる合成樹脂用の粉状添加
剤(a−2)は、一般に熱可塑性合成樹脂に配合して用
いられる常温で粉状の添加剤であって、無機充填剤、着
色剤、熱安定剤、滑剤、難燃剤、帯電防止剤、紫外線吸
収剤などが挙げられ、2種以上を併用することもでき
る。その中で、特に無機充填剤や融点が100℃以上の
高融点添加剤が好ましい。
【0013】本発明に用いられる粉状の合成樹脂(a−
2)は、一般に粉状の重合体として得られたものの他に
塊状の樹脂を粉砕したものも用いることができる。
【0014】本発明に用いられる低融点添加剤(a−
3)は、粒状化するに際しての粉状物の粘着剤として必
要であり、粒状化した後もその混合物の粒形を保持させ
る賦形剤の役割を果たしている。その具体的な添加剤と
しては、可塑剤、熱安定剤、滑剤、難燃剤、帯電防止
剤、紫外線吸収剤、オリゴマーなどが挙げられ、2種以
上を併用することもできる。
【0015】低融点添加剤(a−3)は合成樹脂用の粉
状添加剤(a−2)よりも低い融点または軟化点をもつ
必要があり、作り易さから常温以上100℃以下の融点
をもつものが好ましい。融点が常温以下であり常温では
液状のものも単独または併用して用いられるが、液状物
の量が多くなるにしたがい、できあがった粒状テトラフ
ルオロエチレン樹脂組成物の表面がべとついたり、柔ら
かくなるために保管性や取り扱い性が劣るものとなる。
【0016】本発明に用いられる球形または球形近似の
形状を有する粒状のテトラフルオロエチレンマスターバ
ッチ(A)を得るには、ヘンシェルミキサー、スーパー
ミキサーとして知られたジャケット付きの高速ミキサー
あるいはそれに準じた一定温度に槽内を保持できる構造
の高速混合機を用いて、上記成分を以下の手順で混合す
ることにより粒状化する方法が好ましく、高速ミキサー
を唯一の混合機として用いる他に、高速ミキサーと他の
高速剪断攪拌機を併用する方法も用いられる。
【0017】その際、高速ミキサーのジャケットを(a
−3)低融点添加剤の融点以上に保持して(a−2)と
(a−3)とを混合し、その混合粒子が生成し始めた
後、次いで(a−1)PTFEを投入して短時間で混合
することが望ましい。このようにして得られたPTFE
を含有する粒状混合物は、(a−3)を賦形剤として含
有した(a−2)との粒状物を内殻とした構造を取るも
のと推定され、結果としてほとんどの粒子が球形または
球形近似の形状を有し、その粒子の大きさは成分の種
類、組成および混合条件により直径0.1mm程度から
5mm程度のものまで得られる。本発明における球形ま
たは球形近似の形状とは、球に近い形状全般を指し、ラ
グビーボールに近い楕円球も含まれ、また粒子の表面は
必ずしも滑らかではない。
【0018】本発明に用いられる球形または球形近似の
形状を有する粒状のテトラフルオロエチレンマスターバ
ッチ(A)を構成する各成分(a−1)、(a−2)お
よび(a−3)の割合は、粒状化することができればい
かなる割合でも構わないが、粒状化できる好ましい範囲
としては、(a−1)/((a−2)+(a−3))の
重量比が0.5/99.5〜50/50の範囲、および
(a−2)/(a−3)の重量比が1/5〜50/1の
範囲である。製造し易さからのより好ましい範囲は、
(a−1)/((a−2)+(a−3))の重量比が1
/99〜20/80の範囲、および(a−2)/(a−
3)の重量比が2/1〜20/1の範囲である。
【0019】本発明で用いられるテトラフルオロエチレ
ンマスターバッチ(A)は、PTFEの飛散や凝集がな
く、加工装置への付着もない取り扱い性に優れたテトラ
フルオロエチレンマスターバッチであり、熱可塑性樹脂
(B)および難燃剤(C)とともに溶融混合することに
より難燃性、耐衝撃性、外観等に優れた本発明の難燃樹
脂組成物を得ることができる。各成分の割合は、熱可塑
性樹脂(B)および難燃剤(C)の合計量100重量部
に対し、テトラフルオロエチレンマスターバッチ(A)
が0.1〜30重量部の範囲、好ましくは0.5〜10
重量部の範囲である。本発明の難燃樹脂組成物を得るに
は、難燃樹脂組成物にPTFEとして0.01〜2重量
部、好ましくは0.02〜1重量部存在することが重要
であり、0.01重量部以下では燃焼時の滴下防止効果
がなく、2重量部以上は機械物性のて低下や外観を悪化
させるだけでなく経済的に不利である。
【0020】本発明に用いられる熱可塑性樹脂(B)と
しては、各種のホモポリマー、コポリマーおよびこれら
のゴム強化ポリマー或いはポリマーアロイが挙げられ、
特に制限するものではない。具体的例としては、ポリス
チレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、ポリメ
チルメタクリレート等のビニル化合物の単独重合体およ
び共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフェ
ニレンエーテル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブ
チレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアミド
およびこれらをゴム質重合体で補強したもの、およびこ
れらのポリマーアロイが挙げられる。
【0021】本発明に用いられる難燃剤(C)として
は、一般に可燃性の熱可塑性樹脂の難燃として用いられ
るものであればいずれも用いることができ、例えばハロ
ゲン系、リン系の難燃剤が挙げられる。
【0022】ハロゲン系難燃剤としては芳香族ハロゲン
化合物、ハロゲン化芳香族系重合体、ハロゲン化シアヌ
レート樹脂等が挙げられ、好ましくはブロム化ビスフェ
ノール系エポキシ樹脂、ブロム化ビスフェノール系フェ
ノキシ樹脂、ブロム化ビスフェノール系ポリカーボネー
ト樹脂、ブロム化ポリスチレン樹脂、ブロム化架橋ポリ
スチレン樹脂、ブロム化ビスフェノールシアヌレート樹
脂、ブロム化ポリフェニレンエーテル、デカブロモジフ
ェニルオキサイド、テトラブロモビスフェノールAおよ
びそのオリゴマー、ブロム化アルキルトリアジン化合物
などが挙げられる。
【0023】また、リン系難燃剤としては、例えばトリ
メチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリプ
ロピルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリペ
ンチルホスフェート、トキヘキシルホスフェート、トリ
シクロヘキシルホスフェート、トリフェニルホスフェー
ト、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフ
ェート、クレジルジフェニルホスフェート、ジクレジル
フェニルホスフェート、ジメチルエチルホスフェート、
メチルジブチルホスフェート、エチルジプロピルホスフ
ェート、ヒドロキシフェニルジフェニルホスフェート等
のリン酸エステルやこれらを各種置換基で変性した化合
物、各種の縮合タイプのリン酸エステル化合物、リンと
窒素を含有するホスファゼン誘導体など化合物又は混合
物などが挙げられるが、縮合リン酸エステル化合物が好
ましい。
【0024】難燃剤(C)としての好ましいリン酸エス
テル化合物は、”特定の二官能フェノール”による結合
構造と”特定の単官能フェノール”による末端構造を有
する。”特定の二官能フェノール”としては、レゾルシ
ン、ハイドロキノン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン〔通称ビスフェノールA〕、2,2−
ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパ
ン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4
−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタンなどの
ビスフェノール類が挙げられるが、これに限定されな
い。特にビスフェノールAが好ましい。
【0025】”特定の単官能フェノール”としては、無
置換フェノール、モノアルキルフェノール、ジアルキル
フェノール、トリアルキルフェノールを単独または2種
以上の混合物として使用できる。特にフェノール、クレ
ゾール、ジメチルフェノール(混合キシレノール)、
2,6−ジメチルフェノール、トリメチルフェノールが
好ましい。
【0026】これらのリン系化合物は単独あるいは2種
以上組み合わせて用いることができる。
【0027】これらの中で、一般式(I)で表されるリ
ン酸エステル化合物が特に好ましい。
【0028】
【化1】
【0029】(式中、Q1、Q2、Q3、Q4は、炭素
数1から6のアルキル基、または水素を表し、R1、R
2、R3、R4はメチル基、または水素を表す。nは1
以上の整数を、n1、n2は0から2の整数を示し、m
1、m2、m3、m4は、1から3の整数を示す。)
で、表される。
【0030】一般式(I)におけるQ1、Q2、Q3、
Q4のうち特に好ましいのは水素、またはメチル基であ
る。
【0031】一般式(I)におけるR1、R2で好まし
いのは水素であり、R3、R4で好ましいのははメチル
基である。
【0032】一般式(I)におけるnは1以上の整数で
あってその数により耐熱性、加工性が異なってくる。好
ましいnの範囲は1〜5である。また該リン酸エステル
はn量体の混合物であってもかまわない。
【0033】本発明の樹脂組成物には、更に他の特性を
付与するため、または本発明の効果を損なわない範囲で
他の添加剤、例えば各種無機充填剤、ガラス繊維やカー
ボン繊維などの繊維状強化剤、可塑剤、酸化防止剤、及
び紫外線吸収剤などの安定剤、帯電防止剤、離型剤、染
顔料、あるいはその他の樹脂を添加することができる。
【0034】本発明の難燃樹脂組成物の製造方法は、特
に規定するものではなく、押出機、加熱ロール、ニーダ
ー、バンバリーミキサー等の混練機を用いて溶融混練す
ることにより製造することができる。その中でも押出機
による混練りが、生産性の面で好ましい。
【0035】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。
【0036】
【製造例1】内容量20リットルのジャケット付きスー
パーミキサー(川田製作所製)を用い、70℃の温水で
ジャケットを加温したところに、(a−2)成分として
の平均粒径約4μの炭酸カルシウム(無機充填剤)1k
g、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスフ
ァイト(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製の熱安定
剤)0.5kgおよび粉状のステアリン酸カルシウム
(滑剤)0.4kg、(a−3)成分としてのトリフェ
ニルホスフェート(難燃剤または可塑剤)0.21kg
を仕込んで600rpmで混合する。
【0037】内容物温度が70℃に達し、粉立ちがおさ
まり、粒状になりかかったところで(a−1)PTFE
ファインパウダー(ダイキン工業製、商品名ポリフロン
FA500)を0.25kg投入し、更に5分程度混合
を続けた。内容物のほとんどは、直径0.5〜4mm程
度の球形類似の粒状物(テトラフルオロエチレンマスタ
ーバッチ−1とする。)であった。
【0038】
【製造例2】内容量20リットルのジャケット付きスー
パーミキサー(川田製作所製)を用い、70℃の温水で
ジャケットを加温したところに、(a−2)成分として
の粉状のポリフェニレンエーテル1.0kg、トリス
(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト(チ
バ・スペシャルティ・ケミカルズ製の熱安定剤)0.5
kgおよび粉状のステアリン酸亜鉛0.5kg、(a−
3)成分としてのオクダデシル−3−(3,5−ジ−t
−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製熱安定剤)0.
25kgを仕込んで600rpmで混合する。
【0039】内容物温度が70℃に達し、粉立ちがおさ
まり、粒状になりかかったところで(a−1)PTFE
ファインパウダーを0.25kg投入し、更に5分程度
混合を続けた。内容物のほとんどは、直径0.2〜1m
m程度の球形類似の粒状物(テトラフルオロエチレンマ
スターバッチ−2とする。)であった。
【0040】
【実施例1】30℃のクロロホルム溶液で測定したηs
p/cが0.54のポリ−2,6−ジメチル−1,4−
フェニレンエーテルを30重量部、ゴム含量約9%の体
積平均ゴム粒子径が約1.5μmのゴム補強ポリスチレ
ンを58重量部、トリフェニルホスフェートを11重量
部および製造例1のテトラフルオロエチレンマスターバ
ッチ−1を1重量部の割合で、加熱シリンダーの最高温
度を300℃に設定したスクリュー直径40mmの二軸
押出機に供給し、スクリュー回転数300rpmで約2
時間連続して溶融混練りした。ストランドを冷却裁断し
て樹脂組成物ペレットを得た。その間、押出機のダイヘ
ッドには200メッシュのスクリーンを装着したが目詰
まりすることなく押出性は良好であった。
【0041】得られた樹脂組成物ペレットを、シリンダ
ー温度240℃および金型温度60℃に設定された型締
め圧力80トンの射出成形機により射出成形を行い、物
性試験片を得た。以下の試験法により難燃性試験および
物性試験を行い、表1の結果を得た。
【0042】(1)難燃性試験 UL−94 垂直燃焼試験に基ずき、1/16インチ厚
みの射出成形試験片を用いて測定した。ランクV−0が
最も優れ、V−1、V−2、HBの順に劣る。
【0043】(2)引っ張り試験 ASTM D638に基づき引張り強度および伸度を測
定した。
【0044】(3)落錘衝撃試験 50mm×90mm×厚み2.5mmの平板成形片を用
い、東洋精機製作所(株)製、商品名、グラフィックイ
ンパクトテスターにより落錘衝撃強度としての全吸収エ
ネルギー値(J:ジュール)を測定した。
【0045】(4)外観 射出成形された50mm×90mm×厚み2.5mmの
平板を目視判定し、PTFEの分散性を評価した。PT
FEの凝集物が見られない場合は○、凝集物が見られる
場合は×とした。
【0046】
【実施例2】実施例1において、トリフェニルホスフェ
ートに代えて縮合タイプのリン酸エステル化合物を主成
分とするリン系難燃剤(大八化学製、商品名CR74
1)を14重量部、テトラフルオロエチレンマスターバ
ッチ−1に代えて製造例2のテトラフルオロエチレンマ
スターバッチ−2を1重量部とした以外は同様にして溶
融混練りを行った。スクリーンは目詰まりすることなく
押出性は良好であった。得られた樹脂組成物ペレット
を、実施例3と同様に評価し、表1の結果を得た。
【0047】
【比較例1】実施例1において、テトラフルオロエチレ
ンマスターバッチ−1に代えて、PTFEファインパウ
ダー(ダイキン工業製、商品名ポリフロンFA500)
とステアリン酸カルシウムとの重量比1/4の予備混合
物を0.5重量部、二軸押出機に供給し、スクリュー回
転数300rpmにて溶融混練りした。押出機のダイヘ
ッドには200メッシュのスクリーンを装着したが、混
練り開始5分ほどで目詰まりによりダイヘッドの樹脂圧
が上昇し、押出運転の継続はできなかった。
【0048】次に、スクリーンを目の粗い40メッシュ
に代えて押し出し運転することにより、ストランドを冷
却裁断して樹脂組成物ペレットを得た。得られたペレッ
トを、実施例1と同様に評価し、表1の結果を得た。
【0049】
【比較例2】実施例2において、テトラフルオロエチレ
ンマスターバッチ−1を配合せずに同様に押し出し運転
することにより、ストランドを冷却裁断して樹脂組成物
ペレットを得た。得られたペレットを、実施例1と同様
に評価し、表1の結果を得た。
【0050】
【実施例3】ポリブタジエンの含有量15重量%で、ス
チレン/アクリロニトリル=75/25(重量比)のA
BS樹脂100重量部に対し、難燃剤としてテトラブロ
モビスフェノールAを19重量部および三酸化アンチモ
ンを3重量部、熱安定剤としてジブチルスズマレエート
を0.5重量部、さらに製造例1のテトラフルオロエチ
レンマスターバッチ−1を3重量部の割合で、加熱シリ
ンダーの最高温度を240℃に設定したスクリュー直径
30mmの二軸押出機に供給し、スクリュー回転数15
0rpmで約2時間連続して溶融混練りした。ストラン
ドを冷却裁断して樹脂組成物ペレットを得た。その間、
押出機のダイヘッドには200メッシュのスクリーンを
装着したが目詰まりすることなく押出性は良好であっ
た。
【0051】得られた樹脂組成物ペレットを、シリンダ
ー温度220℃および金型温度60℃に設定された型締
め圧力80トンの射出成形機により射出成形を行い、物
性試験片を得た。上記試験法により難燃性試験および物
性試験を行い、表1の結果を得た。
【0052】
【表1】
【0053】
【発明の効果】本発明は、PTFEを熱可塑性樹脂に配
合する際の取り扱い上の問題点、すなわち、PTFE同
士の凝集、フィーダー、押出機のホッパースクリュー等
への付着凝集、押出機ダイヘッドに装着したスクリーン
の目詰り等のトラブルを防止し、また、PTFEの分散
性を向上したことにより、従来のPTFEを含有する難
燃樹脂組成物の特性上の問題点を解決し、燃焼時の滴下
防止性、耐衝撃性、外観等に優れた難燃樹脂組成物を提
供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 AA01W BB03W BB12W BC03W BC06W BC11X BD15Y CD12X CF06W CF07W CG00W CG03X CH07W CH07X CH08X CL00W EJ056 EU186 FD13X FD136

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テトラフルオロエチレン樹脂(a−
    1)、合成樹脂用の粉状添加剤および/または粉状合成
    樹脂(a−2)、および(a−2)よりも低い融点を有
    する合成樹脂用の低融点添加剤(a−3)から成り、
    (a−1)/((a−2)+(a−3))の重量比が
    0.5/99.5〜50/50の範囲、および(a−
    2)/(a−3)の重量比が1/5〜50/1の範囲に
    あり、かつ(a−3)の融点以上に保持して(a−2)
    と(a−3)とを混合し、その混合粒子が生成し始めた
    後、次いで(a−1)を混合することにより得られた球
    形または球形近似の形状を有する粒状のテトラフルオロ
    エチレンマスターバッチ(A)を、熱可塑性樹脂(B)
    および難燃剤(C)の合計量100重量部に対して、
    0.1〜30重量部溶融混練りしてなる難燃樹脂組成
    物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2005054355A1 (en) * 2003-12-04 2005-06-16 Bromine Compounds Ltd. Flame retardant additive of fluoropolymers in flame retardants
JP2015078277A (ja) * 2013-10-16 2015-04-23 日本ポリプロ株式会社 難燃樹脂組成物

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US8247076B2 (en) 2003-12-04 2012-08-21 Bromine Compounds Ltd. Flame retardant additive of fluoropolymers in flame retardants
JP2015078277A (ja) * 2013-10-16 2015-04-23 日本ポリプロ株式会社 難燃樹脂組成物

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