JP2005206698A - 難燃性ポリカーボネート樹脂組成物 - Google Patents

難燃性ポリカーボネート樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】 耐湿熱性に優れると共に耐衝撃性、熱安定性、加工性、透明性等にも優れ、塩素や臭素を含む化合物を使用せずに難燃性を向上させた難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 構造粘性指数Nが1.2以上の芳香族ポリカーボネート樹脂100〜20重量%を含むポリカーボネート樹脂100重量部、下記一般式(B−1)又は(B−2)で示される難燃剤0.001〜5重量部を配合してなる難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。
【化1】

(mは1〜12の整数、Mはアルカリ金属又はアルカリ土類金属、qはMがアルカリ金属の場合は2、Mがアルカリ土類金属の場合は1を示す。)
【化2】

(Rfは、置換されていても良い、総炭素原子数2〜12のパーフルオロアルキル基、M’はアルカリ金属又はアルカリ土類金属を示し、nはM’の価数と同数。)。
【選択図】 なし

Description

本発明は、難燃性ポリカーボネート樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、耐衝撃性、耐熱性、熱安定性、加工性等に優れ、かつ塩素、臭素化合物系の難燃剤を使用しない透明難燃性ポリカーボネート樹脂組成物に関する。
ポリカーボネート樹脂は優れた機械的性質を有しており、自動車分野、OA機器分野、電気・電子分野、その他の工業分野における部品製造用材料として広く利用されている。一方、OA機器、家電製品等の用途を中心に、部品製造用材料としての合成樹脂材料には難燃化の要望が強く、これらの要望に応えるために、多数の難燃剤、難燃化した樹脂組成物が開発され提案されている。
従来、ポリカーボネート樹脂の難燃化には、難燃化の効果が顕著である塩素や臭素を含有する化合物が使用されてきた。しかし、塩素や臭素を含有する化合物はこれを配合した樹脂組成物の熱安定性を低下させたり、成形時に成形機スクリューや成形金型等を腐食させる等の欠点がある他、近年は製品の廃棄、回収時に環境汚染を惹起することが問題となっている。そのため、塩素や臭素を含有する化合物の減量を目的として、例えば、リン酸エステル系化合物、又はリン酸エステル系化合物とフェノール系安定剤とを併用した難燃性樹脂組成物が提案されている。しかし、こうしたリン系難燃性ポリカーボネート樹脂組成物においては、耐衝撃性や熱安定性が低下し、さらにポリカーボネート樹脂の特徴である透明性が阻害されるという欠点を有し、その用途が制限されてきた。
塩素系又は臭素系化合物や、リン系難燃剤を使用せずにポリカーボネート樹脂の透明性を保持したまま難燃性を付与する技術として、例えば特許文献1にはポリカーボネート樹脂に4〜8個の炭素原子を有するパーフルオロアルカンスルホン酸アルカリ金属塩を配合した組成物が提案されている。しかし、ここに記載の技術では、燃焼時間の低減効果はあるものの燃焼時に滴下が起こり、直下の材料を発火させるという問題や、難燃性を高めるために多量に難燃剤を添加した場合、透明性が損なわれるという問題が発生する。また高温や高湿雰囲気に曝された場合、Izod衝撃強度等の機械的物性が低下する、すなわち耐湿熱性に劣る問題があった。
特許文献2には、ポリカーボネート樹脂に1〜3個の炭素原子を有するパーフルオロアルカンスルホン酸アルカリ金属塩を配合した組成物が提案されている。この難燃剤は、特許文献1のパーフルオロアルカンスルホン酸アルカリ金属塩よりも少ない添加量でポリカーボネート樹脂に難燃性を付与することができ、透明性を損なわず耐湿熱性を向上させる効果はあるが、燃焼時における滴下防止効果は不十分である。
特許文献3には、ポリカーボネート樹脂に芳香族スルホン酸の金属塩を配合した組成物が提案されている。この難燃剤を使用した樹脂組成物は、燃焼時間低減の効果や、燃焼時のたれ落ち防止効果が有るが、芳香族基または芳香族基の置換基に塩素原子及び/または臭素原子の置換基が必要であり、本質的に臭素系または塩素系の難燃剤と同じ問題を有している。
特許文献4には、芳香族ポリカーボネート樹脂と特定の分岐化剤を用いて製造した分岐状ポリカーボネート樹脂との混合物に、パーフルオロブタンスルホン酸カリウムのような有機アルカリ金属塩及び/またはアルカリ土類金属塩を配合した組成物が提案されている。しかし、実施例のデータを見た限りでは、混合樹脂組成物の難燃性は確保されているものの、耐湿熱性は不明であり、流動性または透明性等についても十分とは言えない。
特許文献5には、溶融法で製造され構造粘性指数Nが1.1以上の芳香族ポリカーボネート樹脂と直鎖状芳香族ポリカーボネート樹脂とからなるポリカーボネート樹脂組成物にパーフルオロモノスルホン酸カリウム塩等の有機スルホン酸金属塩を配合してなる透明樹脂組成物が提案されている。本樹脂組成物は難燃性や透明性は確保されているが、耐湿熱性が十分とはいい難かった。
特許文献6には、ペルフルオロジスルホン酸化合物のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩が、ポリカーボネート樹脂の難燃剤として提案されている。本樹脂組成物は、難燃剤の使用量が低減されているため、厚み1/12インチの試験片において良好な難燃性を示すとともに耐湿熱性に優れている。しかしながら、更に薄い領域における難燃性や透明性等、より性能の優れた難燃性組成物の開発が望まれている。
特公昭47−40445号公報 特公昭54−32465号公報 特公昭57−43099号公報 特許第3129374号公報 特開2000−336260号公報 特開2003−246986号公報
本発明は上記状況に鑑みなされたものであって、本発明の目的は次のとおりである。
1.耐衝撃性、耐熱性、熱安定性、加工性等に優れた透明難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を提供すること。
2.塩素や臭素を含む化合物を使用せずに難燃性を向上させた透明難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を提供すること。
上記課題を解決するために、本発明者等は検討を重ね、構造粘性指数が1.2以上の芳香族ポリカーボネート樹脂と特定のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩を組み合わせることにより、解決し得ることを知り、本発明に到達した。すなわち本発明の要旨は、芳香族ポリカーボネート樹脂(A−1)0〜80重量%と、構造粘性指数Nが1.2以上の芳香族ポリカーボネート樹脂(A−2)100〜20重量%とよりなる基体ポリカーボネート樹脂(A)100重量部に対して、下記一般式(B−1)または下記一般式(B−2)で示されるパーフルオロアルキレンジスルホン酸化合物のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩から選ばれる少なくとも1種の難燃剤(B)を0.001〜5重量部配合してなる難燃性ポリカーボネート樹脂組成物に存する。
(式中、mは1〜12の整数を示し、Mはアルカリ金属又はアルカリ土類金属を示す。qはMがアルカリ金属の場合は2を、Mがアルカリ土類金属の場合は1を意味する。)、
(式中、Rfは、炭素原子数4〜7個のパーフルオロシクロアルキル基で置換されていても良い、総炭素原子数2〜12個の直鎖又は分岐状パーフルオロアルキレン基であり、M’はアルカリ金属又はアルカリ土類金属を示し、nはM’の価数と同数である。)。
1.本発明に係わる難燃性ポリカーボネート樹脂組成物は、高い難燃性を有し、1.6mmの薄片においてもV−0の難燃性を示すと共に、耐湿熱性、透明性に優れている。更に、熱安定性、衝撃強度等にも優れ、高い流動性をも兼ね備えている。かかる本発明の難燃性樹脂組成物から得られる成形品は、高い難燃性を有すると共に、ポリカーボネート樹脂本来の特性を兼ね備えている。
2.本発明に係る難燃性ポリカーボネート樹脂組成物の難燃剤は、塩素や臭素を含まないので、成形時に使用する成形機のシリンダー、成形金型等の腐食の問題が大幅に改良され、環境汚染の恐れも少ない。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明で使用する芳香族ポリカーボネート樹脂(A−1)は、難燃性ポリカーボネート樹脂組成物の基体樹脂を構成するもので、芳香族ジヒドロキシ化合物またはこれと少量のポリヒドロキシ化合物を、ホスゲンまたはジフェニルカーボネート等の炭酸のジエステルと反応させることによって製造される熱可塑性芳香族ポリカーボネート重合体または共重合体である。この樹脂の製造方法は特に限定されるものではなく、ホスゲン法(界面重合法)、または、溶融法(エステル交換法)等の公知の方法によって製造することができる。さらに、溶融法で製造され末端基のOH基量を調整して製造された芳香族ポリカーボネート樹脂であっても良い。
原料の芳香族ジヒドロキシ化合物としては、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(=ビスフェノールA)、テトラメチルビスフェノールA、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,4−ジヒドロキシジフェニル等が挙げられる。これらの中でも特に好ましいのは、ビスフェノールAである。
本発明に使用される芳香族ポリカーボネート樹脂(A−1)として好ましいのは、ビスフェノールAから誘導されるポリカーボネート樹脂、またはビスフェノールAと他の芳香族ジヒドロキシ化合物とから誘導されるポリカーボネート共重合体が挙げられる。芳香族ポリカーボネート樹脂は、原料成分の異なる2種以上の重合体及び/または共重合体の混合物であってもよい。難燃性をさらに高める目的で、シロキサン構造を有するポリマーあるいはオリゴマーを共重合させることもできる。
芳香族ポリカーボネート樹脂(A−1)の分子量を調節するために、芳香族ポリカーボネート樹脂(A−1)の重合反応を、一価の芳香族ヒドロキシ化合物の存在下で行ってもよい。一価の芳香族ヒドロキシ化合物の具体例としては、m−及びp−メチルフェノール、m−及びp−プロピルフェノール、p−tert−ブチルフェノール及びp−長鎖アルキル置換フェノール等が挙げられる。
本発明に使用される芳香族ポリカーボネート樹脂(A−1)の分子量は、メチレンクロライドを溶媒として用い、温度25℃で測定された溶液粘度より換算した粘度平均分子量が16,000〜40,000の範囲のものが好適であり、中でも特に好ましいのは18,000〜30,000である。また、芳香族ポリカーボネート樹脂(A−1)の構造粘性指数Nは、1.1以下であることが好ましい。
本発明の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物の基体をなすもう一つの成分(A−2)は、構造粘性指数Nが1.2以上の芳香族ポリカーボネート樹脂であり、これはポリカーボネート樹脂が分岐鎖を有することを意味する。
なお、「構造粘性指数N」とは、例えば、下記に示す様に、文献(小野木重治著「化学者のためのレオロジー」、第15〜16頁)に記載の式(1.15)及び(1.17)より、応力σを消去し、数式より所定のγの2点間を直線近似して、傾き(1−N)/N及びN値を求める{式(i)〜(iii)参照}。傾きについては、粘度挙動が大きく異なる低せん断領域で評価することができる。因みに、γ=12.16sec−1及びγ=24.32sec−1でのηからN値を決定することができる。
D=γ=a×σ (1.15)
η=σ/D=σ/γ (1.17)
γ=a×(η )×(γ) (i)
η=(1/a)(1/N)×γ〔(1−N)/N〕 (ii)
Logη=〔(1−N)/N〕×Logγ+C (iii)
(上記の式において、N:構造粘性指数、a:定数、ηa:見かけの粘度、D:速度勾配、γ:剪断速度、σ:剪断応力、C:定数、をそれぞれ意味する)。
本発明に使用される構造粘性指数Nが1.2以上の芳香族ポリカーボネート樹脂は、例えば、特開平8−259687号公報、特開平8−245782号公報に記載されているように、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルを溶融状態でエステル交換する製造法(溶融法)において、使用するエステル交換触媒の条件または製造条件を選択することにより、分岐剤を添加することなく、構造粘性指数が高く、加水分解安定性に優れた芳香族ポリカーボネート樹脂を得ることができる。
また、構造粘性指数Nが1.2以上の芳香族ポリカーボネート樹脂(A−2)は、分岐剤の存在下、常法に従って、ホスゲン法或いは溶融法(エステル交換法)で重合することにより製造することも出来る。使用される分岐剤の具体例としては、例えば、フロログルシン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−2、4,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニルヘプテン−3、1,3,5−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン等で示されるポリヒドロキシ化合物、また3,3−ビス(4−ヒドロキシアリール)オキシインドール(=イサチンビスフェノール)、5−クロルイサチンビスフェノール、5,7−ジクロルイサチンビスフェノール、5−ブロムイサチンビスフェノール等が挙げられる。その使用量は、芳香族ジヒドロキシ化合物に対して0.01〜10モル%の範囲であり、特に好ましくは0.1〜3モル%の範囲である。
構造粘性指数Nが1.2以上の芳香族ポリカーボネート樹脂(A−2)の分子量は、メチレンクロライドを溶媒として用い、温度25℃で測定された溶液粘度より換算した粘度平均分子量が16,000〜100、000の範囲が好適であり、中でも特に好ましいのは18,000〜30,000である。
本発明に係る難燃性ポリカーボネート樹脂組成物の基体樹脂組成物(A)は、芳香族ポリカーボネート樹脂(A−1)0〜80重量%と、構造粘性指数Nが1.2以上の芳香族ポリカーボネート樹脂(A−2)20〜100重量%とよりなる。構造粘性指数Nが1.2以上の芳香族ポリカーボネート樹脂の割合が上記範囲より少ない場合は、難燃性が不十分となる。
上記の基体芳香族ポリカーボネート樹脂に配合する本発明に係る難燃剤(B)は、次の式(B−1)又は式(B−2)に示されるパーフルオロアルキレンジスルホン酸化合物のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩から選ばれる少なくとも1種である。
(式中、mは1〜12の整数を示し、Mはアルカリ金属又はアルカリ土類金属を示す。qはMがアルカリ金属の場合は2を、Mがアルカリ土類金属の場合は1を意味する。)
(式中、Rfは、炭素原子数4〜7個のパーフルオロシクロアルキル基で置換されていても良い、総炭素原子数2〜12個の直鎖又は分岐状パーフルオロアルキレン基であり、M’はアルカリ金属又はアルカリ土類金属を示し、nはM’の価数と同数である。)
(B−1)または(B−2)で示されるパーフルオロアルカンジスルホン酸化合物のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩は、従来より一般的に難燃剤として使用されている1つのスルホン酸基を有するパーフルオロアルカンモノスルホン酸アルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩と比較して少量の添加で高い難燃性を発揮することができる。
(B−1)の塩を形成するアルカリ金属としては、Li、Na、K、Rb、Csが挙げられ、また、アルカリ土類金属としてはMg、Ca、Sr、又はBaが挙げられる。これらの中では、アルカリ金属塩としては、Li、Na、Kの塩が、アルカリ土類金属塩としてはMg、Caの塩がポリカーボネート樹脂との相溶性及び難燃性付与の点から好ましい。mは1〜12の整数である。好ましくは1〜8である。mの数が12を超えると樹脂組成物との相溶性が悪化する。
(B−1)で示されるパーフルオロアルキレンジスルホン酸塩の具体例としては、パーフルオロメタンジスルホン酸、パーフルオロエタンジスルホン酸、パーフルオロプロパンジスルホン酸、パーフルオロイソプロパンジスルホン酸、パーフルオロブタンジスルホン酸、パーフルオロペンタンジスルホン酸、パーフルオロヘキサンジスルホン酸、パーフルオロヘプタンジスルホン酸、パーフルオロオクタンジスルホン酸等の塩が挙げられる。これらの中ではパーフルオロプロパンジスルホン酸、またはパーフルオロブタンジスルホン酸の塩がポリカーボネート樹脂との相溶性及び難燃性付与の点から好ましい。
(B−2)の難燃性化合物はパーフルオロアルキレンジスルホン酸イミド化合物のM’がLi、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr又はBaの金属塩である。これらの中ではアルカリ金属塩としてはLi、Na、K塩が、アルカリ土類金属塩としてはMg、Ca塩がポリカーボネート樹脂との相溶性及び難燃性付与の点から好ましい。Rfは直鎖状又は分岐状パーフルオロアルキレン基であり、4〜7個の炭素原子のパーフルオロシクロアルキル基で置換されていてもよい。このRfに含まれる炭素の総数は2〜12個である。炭素原子が12個を超えるとポリカーボネート樹脂との相溶性が悪化し、透明性の確保が難しくなる。
(B−2)で示される難燃性化合物の具体例としては、パーフルオロエタンジスルホン酸イミド、パーフルオロプロパンジスルホン酸イミド、パーフルオロブタンジスルホン酸イミド、パーフルオロペンタンジスルホン酸イミド、ヘキサンジスルホン酸イミド等の塩が挙げられる。これらの中ではパーフルオロプロパンジスルホン酸イミド、またはパーフルオロブタンジスルホン酸イミドの塩がポリカーボネート樹脂との相溶性及び難燃性付与の点から好ましい。
(B−1)または(B−2)で示される難燃性化合物は、例えば特開2003−246986号公報で示されるような公知の方法によって製造することができる。(B−1)または(B−2)は単独で用いても良く、また混合して用いてもよい。
(B−1)または(B−2)で示される化合物から選ばれる少なくとも1種からなる難燃性化合物(B)の配合量は、芳香族ポリカーボネート樹脂(A−1)0〜80重量%と、構造粘性指数Nが1.2以上の芳香族ポリカーボネート樹脂(A−2)100〜20重量%とよりなる基体ポリカーボネート樹脂組成物(A)100重量部に対して、0.001〜5重量部であり、好ましくは0.001〜0.5重量部、より好ましくは0.001〜0.2重量部である。難燃性化合物(B)の配合量が0.001重量部未満では目的とする難燃化効果が得られず、5重量部を超えると耐湿熱性が低下すると共に、難燃性、透明性も低下する。
また、本発明に係わる難燃性樹脂組成物(基体樹脂Aに難燃剤Bを配合した組成物)の構造粘性指数Nと、高化式フローテスターによる流れ値Qは、特定の関係を有することが実験的に見出された。
すなわち、後述の実施例で得られた本発明に係る難燃性ポリカーボネート樹脂組成物の構造粘性指数Nを縦軸、高化式フローテスターによる流れ値Q(以下、単にQ値ということがある)を横軸として、プロットした場合、図1に示すように、難燃性試験でV−0合格となり優れた難燃性を発揮する組成物は何れも点線の上側の領域にある。一方、図1の点線の下側の領域にあると難燃性試験でV−0合格とならず難燃性が劣る。実験によると、図1において点線の上側の領域にある樹脂組成物は、構造粘性指数Nが1.05以上で、かつ、N値とQ値との関係が、下記の数式〔I〕を満すものである。
N≧0.027Q+0.831 [I]
高化式フローテスターによる流れ値Qは、溶融樹脂の一定温度、一定荷重での流動性を表す指標である。本発明において使用されるQ値(cm/sec)は、280℃、160kg/cmの条件下で、1mmφ×10mmのオリフィスを通過する速度を下記の数式により算出したものである。
Q=(Xmax−Xmin)・A/t [II]
上記数式[II]において、Xmaxは測定終了点でのオリフィスを通過した樹脂の長さ(cm)、Xminは測定開始点でのオリフィスを通過した樹脂の長さ(cm)であり、Aは高化式フローテスターのシリンダー断面積(cm)であり、tは試料が測定開始点を通過してから測定終了点を通過するまでの時間(sec)を意味する。
本発明に係る難燃性ポリカーボネート樹脂組成物には、必要に応じ、本発明の効果を損なわない範囲で、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の安定剤、顔料、染料、滑剤、上記以外の難燃剤、離型剤、摺動性改良剤、耐衝撃性改良剤等の添加剤、ガラス繊維、ガラスフレーク、炭素繊維等の強化材、チタン酸カリウム、ホウ酸アルミニウム等のウィスカー、芳香族ポリカーボネート樹脂以外の他の熱可塑性樹脂等を添加配合することができる。
配合できる他の熱可塑性樹脂としては、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートのようなポリエステル系樹脂、ナイロン6、ナイロン6・6等のポリアミド系樹脂、ゴム強化ポリスチレン、ABS樹脂等のスチレン系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂等が挙げられる。他の熱可塑性樹脂の配合量は、最終的に得られる難燃性ポリカーボネート樹脂組成物の40重量%以下、より好ましくは30重量%以下である。
本発明に係る難燃性ポリカーボネート樹脂組成物は、その主成分となる基体樹脂は塩素や臭素等のハロゲンを含まないポリカーボネート樹脂であるのが好ましく、また基体樹脂に配合される各成分も塩素や臭素等のハロゲンを含む化合物は極力少なくするか、含まない化合物のみとするのが好ましい。このような難燃性樹脂組成物は、熱安定性、耐衝撃性や耐熱性の低下が少なく、成形機スクリューや成形金型の腐食問題、環境汚染の問題も起こり難くなり好ましい。
本発明に係る難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を調製する方法は、特に制限がなく、例えば、(1) 芳香族ポリカーボネート樹脂(A−1)、構造粘性指数Nが1.2以上の芳香族ポリカーボネート樹脂(A−2)、及び難燃剤(B−1及び/またはB−2)等を、それぞれ所定量秤量し、一括混合して溶融混練する方法、(2)芳香族ポリカーボネート樹脂(A−1またはA−2のいずれか)、難燃剤(B−1及び/またはB−2)等をあらかじめ混練した後、残りの芳香族ポリカーボネート樹脂を配合し溶融混練する方法、等が挙げられる。さらに、溶融混練してコンパウンド化する際に、芳香族ポリカーボネート樹脂の一部をペレットで供給することによって難燃剤(B―1及び/またはB−2)の分散性を改良し、最終的に得られる樹脂組成物より得られる成形品の難燃性、透明性を改良することもできる。
本発明に係る難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を調製する際の混合・混練は、従来から知られている混合機・混練機、例えば、リボンブレンダー、ヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、単軸スクリュー押出機、二軸スクリュー押出機、多軸スクリュー押出機、コニーダー等を用いて行うことができる。混練に際しての加熱温度は、難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を構成する原材料の種類、割合等により変るが、240〜320℃の範囲で選ばれる。
こうして得られた本発明に係る難燃性ポリカーボネート樹脂組成物は、押出成形法、射出成形法、圧縮成形法、ブロー成形法、ガス射出成形法等の従来から知られている成形法によって、容易に目的の製品・部品等の成形品とすることができる。押出成形法によって製造したシートについては、さらに真空成形法によって目的の成形品とすることができる。得られた成形品は、機械的強度、耐熱性、成形時の熱安定性等に優れると共に、成形品の表面外観、難燃性、燃焼時の非ドリップ性等の諸特性が優れていることから、自動車分野、電気・電子分野、OA機器分野、家電製品分野等の広い分野で、製品・部品製造用材料として利用することができる。
以下、本発明を実施例及び比較例により更に具体的に説明するが、本発明はその趣旨を越えない限り、以下の例に限定されるものではない。
なお、以下の実施例と比較例において使用した各成分は、次の通りである。
(A−1)芳香族ポリカーボネート樹脂;
(PC−1):「ユーピロンS−3000」、三菱エンジニアリングプラスチックス社製、界面重合法により製造されたビスフェノールAからのポリカーボネート樹脂、粘度平均分子量=21,000、Q=8.7、N=1.01。
(PC−2):「ユーピロンH−3000」、三菱エンジニアリングプラスチックス社製、界面重合法により製造されたビスフェノールAからのポリカーボネート樹脂、粘度平均分子量=19,000、Q=15、N=1.02。
(PC−3):「ノバレックスM7022A」、三菱エンジニアリングプラスチックス社製、溶融法により製造されたビスフェノールAからのポリカーボネート樹脂、粘度平均分子量=21,500、Q=8.5、N=1.04。
(A−2)構造粘性指数Nが1.2以上の芳香族ポリカーボネート樹脂;
(NPC−1):「ノバレックスM7027B」、三菱エンジニアリングプラスチックス社製、溶融法により製造されたビスフェノールAからのポリカーボネート樹脂、粘度平均分子量=27,000、Q=3.2、N=1.62。
(NPC−2):製造例1に記載した界面法(ホスゲン法)により製造したポリカーボネート樹脂、粘度平均分子量20、000、Q=11.0、N=1.31。
(B)パーフルオロアルキレンジスルホン酸金属塩;
(B−1)パーフルオロプロパン−1,3−ジスルホン酸カリウム塩、株式会社ジェムコ社製、「EF−3002」。
(B−2)パーフルオロプロパンジスルホン酸イミドカリウム塩、株式会社ジェムコ社製、「EF−N302」。
パーフルオロアルカンモノスルホン酸金属塩:
パーフルオロブタンスルホン酸カリウム、大日本インキ化学工業社製、「F−114」。
〔製造例1〕NPC−2の製造;
18.8%(w/v)の水酸化ナトリウム水溶液61Lに、2,2−ビス(4―ヒドロキシフェニル)プロパン(BPA)9.12kg(40mol)と1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン(TPE)61.2g(0.2mol)及びハイドロサルファイト10gを加え溶解した。これにメチレンクロライド36Lを加え、15℃に保ちながら撹拌しつつ、ホスゲン5.3kgを50分かけて吹き込んだ。吹き込み終了後、p−t−ブチルフェノール(PTBP)320g(2.13mol)を添加し、激しく撹拌して、反応液を乳化させ、乳化後20mLのトリエチルアミンを加え、約25℃において、約1時間撹拌し重合させた。
重合終了後の反応液を水相と有機相に分離し、有機相をリン酸で中和し、洗液の導電率が10μS以下になるまで水洗を繰り返した後、45℃の温水に重合液を滴下し、重合物を沈澱させた。沈澱物を濾過後、乾燥して粉末状重合体を得た。この重合体は、粘度平均分子量20,000、Q=11.0、N=1.31であった。
実施例と比較例に用いた材料、得られた樹脂組成物、及び成形品は、以下に記載の方法によってQ値、構造粘性指数Nの測定,及び燃焼性、アイゾット衝撃強度等の評価試験を行った。
(a)組成物Q値:
島津フローテスター(島津製作所製、CFT−500A)を使用し、280℃、荷重160kg/cmの条件で、1mmφ×10mmのオリフィスを使用して、予備加熱時間7分で、測定を行った。
(b)構造粘性指数N:
キャピラリレオメータを使用し、250℃における溶融粘弾性を測定し、前述の計算式よりγ=12.16sec−1及びγ=24.32sec−1でのηからN値を決定した。
(c)燃焼性試験:
厚さが1.6mmの試験片を成形し、UL―94に準拠した垂直燃焼試験を行い、難燃性樹脂組成物の自己消化性を評価した。
(d)アイゾット衝撃強度(kgf−cm/cm):
厚さが3.2mmで0.25Rのノッチを刻設したアイゾット衝撃試験片を成形し、JIS K7110(1984)に準拠してアイゾット衝撃試験を行った。
(e)熱エージング後のアイゾット衝撃強度(kgf−cm/cm):
厚さが3.2mmの試験片を120℃/24時間エージングし、室温まで冷却後0.25Rのノッチを刻設し、JIS K7110(1984)に準拠してアイゾット衝撃試験を行った。
(f)透明性:
厚さ3mmのプレートを成形し、JIS K7105に準拠してヘーズを測定した。
[実施例1〜実施例3]
芳香族ポリカーボネート樹脂(PC−1)、構造粘性指数Nが1.2以上の芳香族ポリカーボネート樹脂(NPC−1)、及び難燃剤(B−1及び/またはB−2)を、それぞれ表1に記載した割合で秤量し、タンブラーによって20分間混合した後、30mmφの二軸押出機(TEX30HSST)によって、シリンダー温度を290℃として溶融・混練してペレット化した。得られたペレットを原料とし、射出成形機によってシリンダー温度を290℃として、厚さが1.6mmの燃焼試験用の試験片、厚さが3.2mmのアイゾット衝撃試験用の試験片及びを厚さが3mmのヘーズ測定用プレートを成形し、評価を行った。
[実施例4〜実施例6]
芳香族ポリカーボネート樹脂(PC−2)、構造粘性指数Nが1.2以上の芳香族ポリカーボネート樹脂(NPC−1)、及び難燃剤(B−1またはB−2)を、それぞれ表1に記載した割合で秤量し、実施例1と同様の手順でペレット化し、試験片を成形し、評価を行った。
[実施例7]
構造粘性指数Nが1.2以上の芳香族ポリカーボネート樹脂(NPC−2)及び難燃剤(B−1)を表1に記載の割合で秤量し、実施例1と同様の手順でペレット化し、試験片を成形し、評価を行った。
[実施例8]
芳香族ポリカーボネート樹脂(PC−1)、構造粘性指数Nが1.2以上の芳香族ポリカーボネート樹脂(NPC−2)、及び難燃剤(B−2)を表1に記載の割合で秤量し、実施例1と同様の手順でペレット化し、試験片を成形し、評価を行った。
[実施例9]
芳香族ポリカーボネート樹脂(PC−1及びPC−3)、構造粘性指数Nが1.2以上の芳香族ポリカーボネート樹脂(NPC−1)、及び難燃剤(B−2)を表1に記載の割合で秤量し、実施例1と同様の手順でペレット化し、試験片を成形し、評価を行った。
[比較例1]
芳香族ポリカーボネート樹脂(PC−1)及び難燃剤(B−1)を表2に記載の割合で秤量し、実施例1と同様の手順でペレット化し、試験片を成形し、評価を行った
[比較例2]
芳香族ポリカーボネート樹脂(PC−1)及び構造粘性指数Nが1.2以上の芳香族ポリカーボネート樹脂(NPC−1)を表2に記載の割合で秤量し、実施例1と同様の手順でペレット化し、試験片を成形し、評価を行った。
[比較例3〜比較例5]
芳香族ポリカーボネート樹脂(PC−1)、構造粘性指数Nが1.2以上の芳香族ポリカーボネート樹脂(NPC−1)、及び難燃剤(B−1又はB−2)を表2記載の割合で秤量し、実施例1と同様の手順でペレット化し、試験片を成形し、評価を行った。
[比較例6]
芳香族ポリカーボネート樹脂(PC−1)、構造粘性指数Nが1.2以上の芳香族ポリカーボネート樹脂(NPC−1)、及びパーフルオロプロパンスルホン酸カリウム塩を表2記載の割合で秤量し、実施例1と同様の手順でペレット化し、試験片を成形し、評価を行った。
[比較例7]
芳香族ポリカーボネート樹脂(PC−1)、構造粘性指数Nが1.2以上の芳香族ポリカーボネート樹脂(NPC−1)、及び難燃剤(B−1)を表2記載の割合で秤量し、実施例1と同様の手順でペレット化し、試験片を成形し、評価を行った。
[比較例8]
芳香族ポリカーボネート樹脂(PC−2)、構造粘性指数Nが1.2以上の芳香族ポリカーボネート樹脂(NPC−2)、及び難燃剤(B−2)を表2記載の割合で秤量し、実施例1と同様の手順でペレット化し、試験片を成形し、評価を行った。
各評価結果を表1及び表2に示した。
表1及び表2より、次のことが明らかとなる。
(1)実施例1に示す樹脂組成物は、芳香族ポリカーボネート樹脂、構造粘性指数Nが1.2以上の芳香族ポリカーボネート樹脂よりなる基体ポリカーボネート樹脂組成物に難燃剤が配合されてなり、得られた樹脂組成物のQ値とN値の関係が前記数式[I]を満たすので、難燃性はV−0という優れた難燃性を発揮する。実施例2及び実施例3では構造粘性指数Nが1.2以上の芳香族ポリカーボネート樹脂の割合を変更しているが、前記数式[I]を満たす範囲内にあるので、難燃性はV−0という優れた難燃性を発揮する。
(2)実施例4〜実施例6に示す樹脂組成物は、芳香族ポリカーボネート樹脂として、Q値が高い、すなわち流動性の高い芳香族ポリカーボネート樹脂を使用しているが、得られた樹脂組成物が前記数式[I]を満たしており、難燃性はV−0という優れた難燃性を発揮する。
(3)実施例7に示す樹脂組成物では、基体ポリカーボネート樹脂に、Q値が高い構造粘性指数Nが1.2以上の芳香族ポリカーボネート樹脂を単独で用いるが、得られた樹脂組成物が前記数式[I]を満たしており、難燃性はV−0という優れた難燃性を発揮する。
(4)実施例8に示す樹脂組成物では、基体ポリカーボネート樹脂として、芳香族ポリカーボネート樹脂とQ値が高い構造粘性指数Nが1.2以上の芳香族ポリカーボネート樹脂とを使用しているが、得られた樹脂組成物が前記数式[I]を満たしており、難燃性はV−0という優れた難燃性を発揮する。
(5)実施例9では芳香族ポリカーボネート樹脂として溶融法(エステル交換法)で製造した樹脂を基体樹脂組成物に使用しているが、得られた樹脂組成物が前記数式[I]を満たしており、難燃性はV−0という優れた難燃性を発揮する。
(6)これに対して基体ポリカーボネート樹脂が、構造粘性指数1.01の芳香族ポリカーボネートのみの比較例1の樹脂組成物は、N値が前記数式[I]を満たさず、難燃性がV−2と劣る。
(7)難燃剤が配合されていない比較例2、難燃剤の添加量が5重量部以上の比較例3及び比較例5、難燃剤の添加量が0.001重量部未満である比較例4では、得られた樹脂組成物のN値が前記数式[I]を満たすが難燃剤が多すぎ、又は少なすぎのため難燃性がV−2又はV−2NGであり劣る。
(8)比較例6では、パーフルオロブタンスルホン酸カリウム塩が難燃剤として使用されている。得られた樹脂組成物のN値が前記数式[I]を満たすため、V−0という優れた難燃性を示すが、実施例組成物に比し、難燃剤の使用量が多いため、試験片のヘーズが高く、また熱エージング後のIzod衝撃強度の低下が大きい。
(8)また、樹脂組成物のN値が1.05未満の比較例7、及び前記数式[I]を満たさない比較例8も難燃性はV−2であり劣る。
実施例及び比較例の樹脂組成物の構造粘性指数Nを縦軸に、高化式フローテスターによる流れ値Qを横軸にとり、プロットした図。
符号の説明
実1:実施例1の組成物 実2:実施例2の組成物
実3:実施例3の組成物 実4:実施例4の組成物
実5:実施例5の組成物 実6:実施例6の組成物
実7:実施例7の組成物 実8:実施例8の組成物
実9:実施例9の組成物
比1:比較例1の組成物 比7:比較例7の組成物
比8:比較例8の組成物

Claims (4)

  1. 芳香族ポリカーボネート樹脂(A−1)0〜80重量%と、構造粘性指数Nが1.2以上の芳香族ポリカーボネート樹脂(A−2)100〜20重量%とよりなる基体ポリカーボネート樹脂(A)100重量部に対して、下記一般式(B−1)または下記一般式(B−2)で示されるパーフルオロアルカンジスルホン酸化合物のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩から選ばれる少なくとも1種の難燃剤(B)を0.001〜5重量部配合してなる難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。
    (式中、mは1〜12の整数を示し、Mはアルカリ金属又はアルカリ土類金属を示す。qはMがアルカリ金属の場合は2を、Mがアルカリ土類金属の場合は1を意味する。)、
    (式中、Rfは、炭素原子数4〜7個のパーフルオロシクロアルキル基で置換されていても良い、総炭素原子数2〜12個の直鎖又は分岐状パーフルオロアルキレン基であり、M’はアルカリ金属又はアルカリ土類金属を示し、nはM’の価数と同数である。)。
  2. 芳香族ポリカーボネート樹脂(A−1)の粘度平均分子量が、16,000〜40,000である請求項1に記載の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。
  3. 構造粘性指数Nが1.2以上の芳香族ポリカーボネート樹脂(A−2)の粘度平均分子量が、16,000〜100,000である請求項1または請求項2に記載の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。
  4. 難燃性ポリカーボネート樹脂組成物の構造粘性指数Nが1.05以上でかつ高化式フローテスターによる流れ値Qとの関係式が下記数式〔I〕を満たすことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。
    N≧0.027Q+0.831 [I]
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