JP2001002708A - 曇りのないブロックコポリマーの製造 - Google Patents

曇りのないブロックコポリマーの製造

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JP2001002708A
JP2001002708A JP2000173711A JP2000173711A JP2001002708A JP 2001002708 A JP2001002708 A JP 2001002708A JP 2000173711 A JP2000173711 A JP 2000173711A JP 2000173711 A JP2000173711 A JP 2000173711A JP 2001002708 A JP2001002708 A JP 2001002708A
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acid
haze
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polymer
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JP2000173711A
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English (en)
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Emmanuel Lanza
エマニユエル・ランザ
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TotalEnergies One Tech Belgium SA
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Fina Research SA
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08CTREATMENT OR CHEMICAL MODIFICATION OF RUBBERS
    • C08C19/00Chemical modification of rubber
    • C08C19/30Addition of a reagent which reacts with a hetero atom or a group containing hetero atoms of the macromolecule
    • C08C19/42Addition of a reagent which reacts with a hetero atom or a group containing hetero atoms of the macromolecule reacting with metals or metal-containing groups
    • C08C19/44Addition of a reagent which reacts with a hetero atom or a group containing hetero atoms of the macromolecule reacting with metals or metal-containing groups of polymers containing metal atoms exclusively at one or both ends of the skeleton
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F8/00Chemical modification by after-treatment

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水分の多い環境にさらされても高い透明性及
び低い曇り度を維持するブロックコポリマーを提供す
る。 【解決手段】 湿った環境にさらされるときビニル芳香
族−共役ジエンポリマーの水吸収を減少させるための該
ポリマーのアルカリ金属誘導体の中和におけるC 9ーC
16を有するアルキルジカルボン酸の使用。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は曇りのない(haz
e−free)ブロックコポリマー、特にアルカリ金属
開始剤を使用するアニオン重合により製造された、ブタ
ジエンのような少なくとも1種の炭化水素共役ジエンと
スチレンのような少なくとも1種のモノビニルアレンと
のブロックコポリマーの製造に関する。
【0002】
【従来の技術】重合又は加工中に深い黄色がかった色が
発生するのを回避するために鉱酸又はモノカルボン酸又
はポリカルボン酸を使用することによりビニル芳香族−
共役ジエンブロックコポリマー型のポリマーを脱色させ
ることは当業界では周知されている。この処理は透明で
あるが黄色がかったポリマーを生じさせる。ポリマーの
外観、特に食品に関するポリマーの使用のために、この
黄色がかった着色を消失させそして完全に透明で曇りの
ない無色のコポリマーを得ることは重要である。このよ
うなコポリマーの溶液を脱色剤で処理することによりこ
のような透明で曇りのない無色のコポリマーを得るため
の多数の方法が知られている。
【0003】スチレン−ブタジエン−スチレン(SB
S)ブロックコポリマーのようなビニル芳香族−共役ジ
エンブロックコポリマーをアルカリ金属開始剤を使用す
るアニオン重合により製造することができることは当業
界では知られている。このような方法では、アルカリ金
属誘導体、主としてアルカリ金属アルコレートを、これ
らの誘導体を対応する酸の中性及び不活性のアルカリ金
属塩に転化することができる酸でポリマーの回収の前に
中和することが必要である。典型的には、使用されるア
ルカリ金属はリチウムでありそして典型的な反応式は下
記のとおりである。
【0004】R−OLi+R′−COOH → R−O
−H+R′−COOLi式中、Rは、ポリマー、典型的
にはSBSブロックコポリマー、スチレンブタジエンゴ
ム、ブタジエンゴム又はポリブタジエンであり、R′は
飽和脂肪族基である。
【0005】このような酸性化工程が行われなければ、
アルカリ金属種は、得られるブロックコポリマーにおい
て非常に不利な性質を生じさせる下記の不利な反応を発
生させることがある。
【0006】● もしなければ強く着色した副生物の形
成を促進するであろう熱酸化攻撃に対してブロックコポ
リマーを保護するために与えられた酸化防止剤系に存在
するフェノール部分との反応。従ってこのようなアルカ
リ金属種によるこのような反応は透明な無色のブロック
コポリマーの熱酸化攻撃に対する抵抗を減少させ又は抑
制するであろう。
【0007】● 鎖開裂(cleavage)をもたら
しそして揮発性残留物を生成するある酸化防止剤のエス
テル(R−O−COR′)基との反応。
【0008】● 充填剤、顔料、着色剤及び紫外線保護
添加剤の官能基と反応してそれらの有効性を減少させ
る。
【0009】ヨーロッパ特許公開公報第0084795
号(EP−A−0084795)及びその対応する米国
特許第4403074号は、特にカップリングしたポリ
マー−リチウム統合体(coupled polyme
r−lithium entity)を含んで成るアル
カリリチウム誘導体が水及びC2、C3及びC5−C16
から選ばれた線状飽和脂肪族ジカルボン酸でターミネー
トされている(teminated)、透明で、曇りの
ない、無色の耐衝撃性樹脂コポリマー、特にSBSブロ
ックコポリマーの製造を開示している。このような広い
範囲の線状飽和脂肪族ジカルボン酸の使用は曇りのない
ポリマーを生成することがこれらの文献には開示されて
いるが、これらの先行技術の明細書に開示された方法
は、ポリマーが湿気のある環境にさらされるとき透明性
の有意な減少及び曇りの有意な増加が起こるポリマーを
生成することがある。
【0010】米国特許第4877863号はビニル芳香
族−共役ジエンコポリマーを一酸(monoacid)
又は二酸(diacid)であることができるチオカル
ボン酸で処理することによりコポリマーが脱色される、
ビニル芳香族−共役ジエンコポリマーの製造を開示して
いる。その文献に開示されたようなチオカルボン酸の使
用はポリマーが高い湿度環境にさらされるとポリマーの
透明性及び曇りの劣化をもたらすことがある。
【0011】脱色剤として二酸化炭素又はプロピオン酸
を使用してアルカリリチウム残留物を中和することも知
られている。二酸化炭素又はプロピオン酸の使用もま
た、ポリマーが高い湿度の環境に耐えることが要求され
る場合にはそれらの透明性及び曇りのない性質に関して
このようなポリマーの劣化をもたらす。
【0012】従って本発明は、湿った環境にさらされる
ときビニル芳香族−共役ジエンポリマーの水吸収(wa
ter take up)を減少させるための該ポリマ
ーのアルカリ金属誘導体の中和におけるC9ーC16を有
するアルキルジカルボン酸の使用を提供する。
【0013】本発明は更に、ビニル芳香族−共役ジエン
ブロックコポリマーの製造方法であって、少なくとも1
種のビニル芳香族炭化水素と共役ジエンをアルカリ金属
をベースとする触媒の存在下に溶液重合してコポリマー
鎖を生成させ、溶液中の該コポリマー鎖を9〜16個の
炭素原子を有するアルキルジカルボン酸で処理し、それ
により湿った環境における透明性及び曇りの劣化に対す
る該コポリマーの抵抗を高めることを特徴とする方法を
提供する。
【0014】ジカルボン酸は更に好ましくはC9ーC12
線状ジカルボン酸であり、更に一層好ましくはアゼライ
ン酸、セバシン酸又はドデカン酸を含んで成る。
【0015】本発明は、ビニル芳香族−共役ジエン型の
ポリマーを脱色するために、多くの酸性化技術が記載さ
れそして商業的に使用され、そしてそれらの大部分が、
本質的に、透明で曇りがなく、無色のブロックコポリマ
ーの製造を可能とし又は開示しているけれども、このよ
うなポリマーが高度に湿潤性の環境に耐えることが必要
な場合、及び冷水又は熱水に浸漬される必要がある場合
ですら、初期の透明性及び曇りのない性質は急速に失わ
れ得るという本発明者による驚くべき発見に基づいて予
想される。これらの光学的性質の劣化は一般に処理時間
の関数である。ヨーロッパ特許公開公報第008497
5号、米国特許第4403074号又は米国特許第48
77863号では認識されていなかった劣化現象は、そ
れ故、高い透明性及び低い曇り度に関して、このような
ブロックコポリマー、特にSBSブロックコポリマーの
技術的利点をそこなう。このようなSBSブロックコポ
リマーは15〜95重量%のスチレン含有率では少なく
ともいくらかの透明性及び曇りのない性質を有し、そし
て少なくとも70重量%のスチレン含有率で完全に透明
であると見なされる。このような光学的性質は、このよ
うなポリマーがブリスターバッケージング、食品接触容
器の製造、おもちゃ、トレー、カップ等のような用途に
使用される場合には必要である。
【0016】理論により束縛されるものではないが、不
透明性の増加及び透明性の減少をもたらす、高度に湿潤
性の環境にさらされる結果としてのコポリマーの曇りの
増加は、材料への水の移行のためポリマーマトリックス
内に発生すると本発明者は考えている。更に、ポリマー
中の高いレベルの吸収されそして吸蔵された水はブロッ
クコポリマーから形成された押出品及び成形品の表面及
び外観の欠陥をもたらし、これは製造プロセスにおいて
費用と時間のかかるポリマー乾燥操作を必要とする。
【0017】上記した先行技術はブロックコポリマーが
特定の環境、特に高度に湿潤性の環境にさらされる結果
としての透明性の減少及び曇りの増加という技術的問題
を認識していない。本発明者は、驚くべきことに、特定
の種類の脱色剤の選択は透明で曇りのないビニル芳香族
−共役ジエンブロックコポリマーが製造されることを可
能とするのみならず、これらのポリマーの性質が高度に
湿潤性の環境においてすら維持されるということを発見
した。これらの脱色剤はC9ーC16、好ましくは、C9
12ジカルボン酸を含んで成る。C9より下では水の吸
収及び透明性に関する改良は十分ではない。C16より上
では、脱色剤は脱色剤の長い鎖長の故に有効な脱色剤で
はない。
【0018】種々の用途に対するSBSコポリマーが最
初に低い曇り度及び高い透明性を有するのみならず、S
BSブロックコポリマーから製造された物品が冷水又は
熱水又は水蒸気と接触させられる場合にも高い透明性及
び低い曇り度を維持することは必要である。例えば、S
BSブロックコポリマーは、しばしば水蒸気中で滅菌さ
れることが必要である医学用物品を製造するため又は高
温の水分を含む食品がしばしば容器内に配置される食品
包装のために使用することができる。食品又は飲料包装
のために、SBSブロックコポリマーは長い期間高めら
れた温度で、例えば85℃で45分間水性媒体中への浸
漬による低温殺菌(pasteurization)に
よる滅菌に付されることが必要でありうる。SBSブロ
ックコポリマーはフイルムが水蒸気環境にさらされるこ
とにより収縮する熱収縮性フイルムとして使用すること
もできる。このような熱収縮性フイルムは例えばラベリ
ング及び改ざんの恐れのない(tamper−evid
ent)保護のために使用される。
【0019】本発明に従って製造されたビニル芳香族−
共役ジエンブロックコポリマーは純粋なポリマーとして
加工することができ、又は、他のポリマー、例えば汎用
ポリスチレンとして当業界で知られたポリスチレン(C
ristal PSとしても知られたGPPS)とブレ
ンドして、種々の物品、例えば、食品の包装のような透
明で耐衝撃性の物品を製造するために、成形プロセス、
特に熱成形プロセスに付すことができる押出シートを製
造することができる。
【0020】本発明の方法は、アルカリ金属を含む種類
の開始剤の存在下にビニル芳香族及び共役ジエンモノマ
ーの溶液中での重合により製造される樹脂の種類のコポ
リマー及びエラストマーの種類のコポリマーに適用でき
る。重合はブロックコポリマーを形成するような方法で
行われ、これらのブロックコポリマーの1つ以上の分岐
はランダムコポリマーにより構成されうると理解され
る。
【0021】この種の重合は溶媒及びアルカリ金属の化
合物である開始剤の存在下に溶液中で一般に行われる。
更に、重合の進行の期間中、カップリング剤を加えてポ
リマーをカップリングさせることができる。かくして形
成されたコポリマーは線状又は放射状形態で存在するこ
とが最も多いが、コポリマーの所望の最終用途で受け入
れられない着色を有する。
【0022】本発明の方法による処理に好適なタイプの
ポリマーをもたらす重合方法の典型的なものは、米国特
許第3639517号、米国特許第4091053号及
びヨーロッパ特許公開公報第0084795号に記載の
方法である。このような重合方法は、以下に要約方式で
説明される。本発明に関する使用に好適な重合方法の更
に詳細な説明については、米国特許第3639517号
及び米国特許第4091053号及びヨーロッパ特許公
開公報第0084795号を参照されたい。これらの開
示全体は引用により本明細書に組み込まれる。
【0023】重合は、−100℃〜+150℃の温度
で、溶媒の存在下に、媒体を液相に維持するのに十分な
圧力で溶液中で行われる。使用される溶媒はパラフイン
系、シクロパラフイン系又は芳香族であることができ
る。シクロヘキサン又はヘキサンとシクロヘキサンとの
混合物を使用することが最も多い。最初に、規定された
量の有機リチウム開始剤と共にビニル芳香族モノマーを
供給して鎖の末端にリチウム原子を有する反応性ポリマ
ーの長い鎖を形成することにより非エラストマーポリマ
ーのブロックが形成される。次いで、鎖又は反応性ポリ
マーを共役ジエンモノマーと接触させてエラストマーブ
ロックと非エラストマーブロックを有するポリマーの鎖
を形成する。
【0024】構造A−B(A=ビニル芳香族、B=共役
ジエン)を有するコポリマーを次いで随時カップリング
剤と接触させて線状構造の場合には、構造A−B−C−
B−A、式中Cはカップリング剤由来の部分である、を
有するポリマーを形成する。放射状又は線状構造を有す
るコポリマーが形成されうること及びブロックが純粋な
ホモポリマー又はランダムコポリマーから形成されうる
ことが理解される。
【0025】種々の重合方法に依存して得られたコポリ
マーの性質がどうであれ、本発明の方法はコポリマーを
脱色するのに好適である。
【0026】適当な共役ジエンモノマーの例は、4〜1
2個の炭素原子を有するモノマー、例えば、1,3−ブ
タジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブ
タジエン、ピペリレン、3−ブチル−1,3−オクタジ
エン及び他の類似体(analogues)を包含す
る。適当なビニル芳香族モノマーの例はスチレン、α−
メチルスチレン、ビニルナフタレン及び他の類似体であ
る。本方法は樹脂コポリマー及びエラストマーコポリマ
ーに適用可能であるので、共役ジエン/ビニル芳香族重
量比は広い範囲内で変えることができ、特に1/99〜
85/15の範囲内で変えることができる。
【0027】随時のカップリング剤は、ポリビニル芳香
族化合物、ポリエポキシド類、ポリイソシアネート類、
ポリアミン類、ポリアルテヒド類、ポリケトン類、ポリ
ハライド類、例えば、テトラハロゲン化ケイ素及びハロ
シラン類、ポリ無水物、ポリエポキシエステル類、及び
ポリエステル類の中から選ばれる。異なる種類のカップ
リング剤の組み合わせを使用することもできる。
【0028】適当なポリビニル芳香族化合物の例は、ジ
ビニルベンゼン、1,2,4−トリビニルベンゼン、
1,3−ジビニルナフタレン、1,3,5−トリビニル
ナフタレン、2,4−ジビニルビフエニル及びその類似
体を包含する。
【0029】ポリエポキシド化合物を同等に使用するこ
とができる。一般に、エポキシ化された炭化水素のポリ
マー、例えば、エポキシ化された液体ポリブタジエン又
はエポキシ化された植物油、例えばエポキシ化された大
豆油及びエポキシ化されたあまに油が使用される。他の
エポキシ化合物、例えば1,2;5,6;9,10;−
トリエポキシデカンも使用することができる。
【0030】適当なポリイソシアネート類の例はベンゼ
ン−1,2,4−トリイソシアネート、ナフタレン−
1,2,5,7−テトライソシアネート及びその類似体
である。
【0031】適当なポリアミン類の例はトリアジリジニ
ルホスフィンの酸化物又は硫化物、例えば、トリ(1−
アジリジニル)ホスフィンオキシド、トリ(2−メチル
−1−アジリジニル)ホスフィンオキシド、(2−エチ
ル−3−デシル−1−アジリジニル)ホスフィンスルフ
ィド及びその類似体である。
【0032】1,4,7−ナフタレントリカルボキシア
ルデヒド(Naphthalenetricarbox
aldehyde)、1,7,9−アントラセントリカ
ルボキシアルデヒド(anthracenetri−c
arboxaldehyde)、1,1,5−ペンタン
トリカルボキシアルデヒド(pentanetrica
rboxaldehyde)及びその類似体は適当なポ
リアルデヒドの例である。 1,4,9,10−アント
ラセンテトラノン、2,3−ジアセトニルシクロヘキサ
ノン、及びその類似体は適当なポリケトンの例である。
【0033】ピロメリト酸二無水物、スチレン−無水マ
レイン酸コポリマー及びその類似体は適当なポリ無水物
の例である。
【0034】適当なポリハライドの例は、ケイ素のテト
ラハライド、例えば、SiCl4、SiBr4及びSiI
4、トリハロシラン類、例えば、トリフルオロシラン、
トリクロロシラン、トリクロロエチルシラン、トリブロ
モベンジルシラン、及びその類似体、及びハロゲン置換
炭化水素、例えば、1,3,5−トリ(−ブロモメチ
ル)ベンゼン、2,5,6,9−テトラクロロ−3,7
−デカジエン及びその類似体である。
【0035】1個より多くの官能基を有する化合物の例
は、1,3−ジクロロ−2−プロパノン、2,2−ジブ
ロモ−3−デカノン、3,5,5−トリフルオロ−4−
オクタノン、2,4−ジブロモ−3−ペンタノン、1,
2,4,5−ジエポキシ−3−ペンタノン、1,2,
4,5−ジエポキシ−3−ヘキサノン、1,2;11,
12−ジエポキシ−8−ペンタデカノン、1,3;1
8,19−ジエポキシ−17,14−エイコサンジオン
及びその類似体を包含する。
【0036】他の金属ハライド、例えば錫、鉛又はゲル
マニウムのハライド、及び金属のポリアルコキシド、例
えばテトラエトキシケイ素を使用することも可能であ
る。分岐ポリマーよりはむしろ線状ポリマーが所望され
る場合には二官能性カップリング剤を使用することがで
きる。一般に、カップリング剤の全量はポリマー100
部当たり0.5〜1.5重量部(pph又はphr)で
ある。
【0037】本発明の方法に従えば、かくして得られた
カップリングされたコポリマーは、リチウム化合物と他
のカップリング剤により形成された不純物を本発明に従
って使用されるジカルボン酸と反応させることにより、
処理されてそれを脱色する。
【0038】コポリマーを回収するための方法が溶媒の
直接の除去に基づいている場合に、本発明は極めて有利
な方法で使用することができる。重合溶媒の一部はポリ
マーを本発明の脱色処理に付す前に除去することができ
る。
【0039】使用されるべきC9ーC16のジカルボン酸
の量は、通常ポリマー100重量部当たり0.02〜
2.0部(pph)、好ましくはポリマーの0.1〜
0.5pphである。酸はポリマー溶液に単独で加える
ことができ、又はジカルボン酸の混合物をポリマー溶液
に加えることができる。酸又は酸混合物はポリマー溶液
に直接加えることができ、又はシクロヘキサンのような
溶媒中に加えることができる。
【0040】本発明に従ってC9ーC16のジカルボン酸
を使用することによって完全に透明なポリマーを得るこ
とができ、更に、ポリマーは或る酸化防止活性を得、こ
れは酸化防止剤添加剤、通常ホスファイト型又は同様な
酸化防止剤の量の相当な減少を可能とする。
【0041】本発明に従うアゼライン酸、セバシン酸又
はドデカン酸のようなC9ーC16を有する脂肪族ジカル
ボン酸の使用は、ビニル芳香族−共役ジエンブロックコ
ポリマーが高い湿度環境にさらされるとき透明性の減少
及び曇りの増加に対する抵抗の外に多数の利点を与え
る。特に、このようなジカルボン酸の使用は高い透明性
及び高い水バリヤー性を有するブロックコポリマーを与
える。このようなジカルボン酸の使用には加工の利点も
あり、即ち、例えばプロピレンオキシドのような停止剤
によるブロックコポリマー形成の停止の後反応器へのジ
カルボン酸の1回のみの添加が必要でありそして過剰の
酸が溶液に加えられるならばC9ーC16カルボン酸の低
い揮発性である。
【0042】本発明は、なお一層好ましくは、少なくと
も1種のビニル芳香族炭化水素と共役ジエンをアルカリ
金属をベースとする触媒の存在下に溶液重合して末端に
アルカリ金属を有する(end with an al
kali metal)コポリマー鎖を生成させ、溶液
中の該コポリマー鎖を少なくとも9〜16個の炭素原子
を有する線状アルキルジカルボン酸で処理し、該酸は有
機液体中のスラリーの形態にあり、該酸は粒状化されて
おりそして50ミクロンより小さな平均粒径(aver
age granule size)を有することを特
徴とするビニル芳香族−共役ジエンブロックコポリマー
を製造する方法を提供する。コポリマーは15〜95重
量%のスチレン含有率から生じる或るレベルの透明性を
有することができる。好ましくは、ビニル芳香族−共役
ジエンブロックコポリマーは透明で、曇りがなく、無色
でありそして少なくとも70重量%のスチレン含有率を
有するスチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリ
マーを含有して成る。
【0043】本発明のこの更なる観点に従えば、ジカル
ボン酸脱色剤は溶液中のブロックコポリマーにスラリー
として加えられる。好ましくは、スラリーは、アルカ
ン、例えばヘキサンのような有機液体中の好ましくは5
〜50ミクロンの平均粒径を有するジカルボン酸の微粉
砕粒子(finely ground particl
es)を含んで成る。特に好ましい有機液体は、シクロ
ヘキサン85重量%/n−ヘキサン15重量%の割合の
シクロヘキサンとn−ヘキサンとの混合物としてヘキサ
ンを含んて成る。このようなヘキサン混合物中におい
て、アゼライン酸、セバシン酸及びドデカン酸は室温で
決定して、それぞれ0.34重量%、0.002重量%
未満及び0.015重量%の濃度を有する。
【0044】本発明者は、有機液体中の微粉砕ジカルボ
ン酸のスラリーの使用はアルカリリチウム誘導体の中和
を有意に促進することを見いだした。米国特許第440
3074号及びヨーロッパ特許公開公報第008479
5号(EP−A−0084795)は、脂肪族ジカルボ
ン酸を水性溶液又は分散液として中和工程で加えること
ができ、又はポリマーセメント又は濃厚なポリマーセメ
ントに加えられるとき乾燥した溶媒、好ましくはシクロ
ヘキサンと混合することができることを開示している。
しかしながら、本発明者は驚くべきことに、工業的に実
施可能な経済的な技術によりこのような二酸を配合する
ために、二酸は、粒子が50ミクロンより小さい平均粒
径を有している有機液体中の微粉砕粒子のスラリーとし
て配合され(incorporated)なければなら
ないことを発見した。これは、中和時間を有意に減少さ
せ、そして回収されたときのポリマーが必要とされる光
学的性質及び機械的性質を有することを確実にするとい
う利点も与える。平均粒径(average part
icle size)が5ミクロンより小さければ、特
に粒子の吸入の危険(hazard of inhal
ation)に関して、工業的環境で健康及び安全の問
題に遭遇することがある。
【0045】好ましくは、二酸粒状物(diacid
granules)は、50ミクロンより小さな、最も
好ましくは25ミクロンより小さな、更に好ましくは1
0ミクロンより小さな平均粒径(average pa
rticle diameter)を有するように、例
えば既知の方法で微粉にする(micronize)こ
とにより微粉砕される(comminuted)。23
ミクロンの平均粒径に下がったセバシン酸粒状物の使用
は、例えば、約138ミクロンの平均粒径を有する「受
け取ったままの」工業的に入手可能なセバシン粒状物で
は約6時間までの中和時間に比べて、中和時間を10分
に減少させる。セバシン酸粒状物が約8〜10ミクロン
平均寸法となるように微粉砕されると、中和時間は更に
約1分に減少することができる。
【0046】
【実施例】下記の実施例により本発明を更に明瞭に説明
するが本発明の範囲を限定するものではない。
【0047】実施例1〜3 これらの実施例では、触媒としてn−ブチルリチウムを
使用してSBSブロックコポリマーを製造した(約12
kgの量で)。アルカリリチウム誘導体を、n−ブチル
リチウム触媒の全量を基準として5モル%過剰量で本発
明に従うC9又はC10ジカルボン酸で中和した。二酸
を、テトラヒドロフラン(THF)中の溶液として注入
した。実施例1では、二酸は80%の濃度で且つ0.1
17phr(即ち、コポリマー100部当たり)の量で
アゼライン酸を含んで成っていた。実施例2では、二酸
は、98%の濃度及び0.120phrの量でアゼライ
ン酸を含んで成っていた。実施例3では、ジカルボン酸
は0.126phrの量でセバシン酸を含有して成って
いた。得られるゴム状コポリマーは回収されるとき脱溶
媒され(desolventised)、次いでそれか
ら2mm厚さの圧縮成形プラック(plaques)を
形成した。プラックの光学的性質、特に曇り度、透過率
及び黄色度インデックスを実施例1〜3の各々について
測定しそして結果を表1に示す。本発明に従うC9+ジ
カルボン酸の使用は2%以下の曇り度及び90%より大
きい透過性(transmissibility)を与
えることが表1から分かる。曇り度(haze)及び透
明性(transparency)はASTMD100
3−97の手順に従って測定した。黄色度インデックス
(yellowness index)はASTMD1
925−70(再認可1977)の手順に従って測定さ
れた。
【0048】実施例1及び実施例3に従って製造された
SBSブロックコポリマーを1mm厚さの圧縮成形プラ
ックに形成し、次いでこれらのプラックを8日までの期
間30℃の温度で水に浸漬した。浸漬時間の関数として
のプラックのppmで表した水吸収を測定し、結果を図
1に示す。実施例1では7日の浸漬時間の後水吸収は非
常に低く、約1250ppmであることがわかり、これ
に対して実施例3では水吸収は更に低く、約8日の浸漬
時間の後500ppmであることがわかる。
【0049】水浸漬に付されたプラックの曇り度は実施
例1及び3で浸漬時間の関数としても測定され、結果を
図2に示す。曇り度は一般に時間に対して増加しそして
一般にゴムプラックの水吸収に対応して増加することが
図1及び図2から分かる。7日の浸漬時間の後、実施例
1で使用したプラックは約20%の曇り度を有してお
り、これに対して実施例3では8日の浸漬時間の後プラ
ックは約5%の曇り度を有していた。
【0050】比較実施例1〜5 比較実施例1〜5では、プロピオン酸(一酸)及びC4
−C8ジカルボン酸を使用して実施例1〜3を繰り返し
た。かくして比較実施例1〜5では、使用したモノカル
ボン酸又はジカルボン酸はそれぞれプロピオン酸、グル
タル酸、アジピン酸、ピメリン酸、及びスベリン酸であ
り、そして表1に記載の量で使用された。比較実施例1
では、プロピオン酸をヘキサン中の溶液として加え、こ
れに対して比較実施例2〜5では、二酸は、実施例1〜
3の場合と同じく、THF中の溶液であった。やはり、
得られるSBSブロックコポリマーから製造されたプラ
ックの光学的性質を測定し、結果を表1に示す。
【0051】C9より少ないいくらかのジカルボン酸、
例えばグルタル酸、アジピン酸及びスベリン酸の使用
は、実施例1〜3に従って得られたSBSブロックコポ
リマーと同様なSBSブロックコポリマーの光学的性質
を与えることが表1から分かる。しかしながら、これら
の光学的性質は初期の光学的性質であり、そして本発明
に従えば本発明者は比較実施例に従って製造されたSB
Sブロックコポリマーを例えば水に浸漬することにより
高い湿度環境にさらすとき、比較実施例のこれらのコポ
リマーは有意な水吸収を示し、コポリマーの曇り度の有
意な増加をもたらすことを発見した。
【0052】比較実施例1〜5に従って製造されたエラ
ストマーも実施例1〜3に関して上記した水浸漬試験に
付し、浸漬時間の関数としてのゴムの水吸収及び曇り度
の増加も比較実施例1〜5について測定した。結果を図
1及び図2に示す。
【0053】本発明に従う中和剤及び脱色剤としてC9
+ジカルボン酸の使用は、意外にも、ゴムが高い湿度環
境にさらされる期間の関数としてコポリマーゴムの水吸
収の有意な減少及び曇り度の増加の対応する有意な減少
を与えることが図1及び図2から分かる。この現象は先
行技術からは予想できなかった。かくして、ジカルボン
酸で中和されているポリマーのサンプルは例えば30℃
で水に浸漬することにより高い湿度の環境にさらされる
とき、カルボキシ二酸(carboxylicdiac
id)の鎖長は時間の関数としての水吸収の速度(ra
te)を決定し、それによりゴムの曇り度の増加を決定
する。これらの比較実施例、即ち、グルタル酸の最善の
結果から、8日の期間の後曇り度は30%より大きく、
実施例1及び3の場合より有意に高いことが分かる。
【0054】比較実施例6 この比較実施例では、商品名KR04の下で合衆国、オ
クラホマ州、バルトレスビレのフイリップス・ペトロレ
ウムにより販売された商業的に入手可能なSBSブロッ
クコポリマーの1mm厚さの圧縮成形プラックを比較実
施例1〜5の水浸漬試験に付し、結果を図1及び図2に
示す。比較実施例6のゴムについて時間と共に曇り度の
増加は実施例1の場合より僅かに高いことが分かる。比
較実施例6のゴムは表1に記載のような曇り度、透過率
及び黄色度インデックスの初期光学的性質を有してい
た。コポリマーは二酸化炭素により中和されたものと考
えられる。
【0055】実施例4 この実施例では、工業的規模でセバシン酸を使用して
3.5トンの量のSBSブロックコポリマーを製造し
た。セバシン酸をC6アルカン中の20重量%の量の8
〜10ミクロンの平均粒径を有するセバシン酸粒状物を
含んで成るスラリーとしてSBSブロックコポリマー溶
液に加えた。得られるSBSブロックコポリマーをペレ
ット化し、次いで130℃の温度でロールミル上で10
分間処理してクレープを生成させ、それから2mm厚さ
圧縮成形プラックを製造した。圧縮成形プラックの光学
的性質を測定しそして曇り度、透過率(transmi
ttance)及び黄色度インデックスを表2に示す。
【0056】比較実施例7 この比較実施例では、実施例4のプロセスパラメータを
スラリーとしてのセバシン酸の代わりにC6アルカン中
の溶液中のプロピオン酸を使用することにより繰り返し
た。2mm厚さの圧縮成形プラックの対応する光学的性
質を表2に示す。
【0057】脱色中和剤としてプロピオン酸ではなくて
セバシン酸を使用することによって、減少した曇り度、
増加した透過率及びより低い黄色度インデックスにより
示されたとおり改良された光学的性質を達成することが
できることが分かる。
【0058】比較実施例8 この比較実施例では、商品名KR05の下で合衆国、オ
クラホマ州、バルトレスビレのフイリップス・ペトロレ
ウムからの商業的に入手可能なSBSブロックコポリマ
ーを2mm厚さの圧縮成形プラックに成形しそしてこれ
らのプラックの光学的性質を決定し、その結果を表2に
示す。コポリマーは二酸化炭素で中和されたと考えられ
る。実施例4に従って製造されたSBSブロックコポリ
マーは、比較実施例8の商業的に入手可能なSBSブロ
ックコポリマーに比べてより低い曇り度及び僅かに改良
された透過率及び黄色度インデックスを有することが分
かる。
【0059】実施例4及び比較実施例7及び8のSBS
ブロックコポリマーを1mm厚さの圧縮成形プラックに
形成しそして7日までの期間30℃の温度で脱イオン水
に浸漬した。浸漬時間と水吸収及び曇り度の関係を決定
しそして結果を図3及び4に示す。実施例4に従ってセ
バシン酸を使用して製造されたSBSブロックコポリマ
ーでは比較実施例7でのプロピオン酸の使用に比較し
て、時間に対する水吸収及び雲粒度が有意に減少したこ
とが分かる。更に、セバシン酸を使用して製造した実施
例4のポリマーは、比較実施例8の商業的に入手可能な
ポリマーに比べて時間に対する減少した水吸収を及び減
少した曇り度の増加を有していた。
【0060】かくして多くの日にわたり30℃で水にポ
リマーを浸漬することにより示された厳しい試験下です
ら、C9+ジカルボン酸の使用は、透明性の損失の速度
に対応する曇り度増加の対応する低い速度を伴う非常に
低い水吸収の傾向を発生させる。
【0061】実施例5〜7 これらの実施例では、SBSブロックコポリマーを本発
明に従ってセバシン酸で中和し、次いで種々の重量比で
汎用ポリスチレン(PS)(以後このように表す)とブ
レンドし、次いでこのブレンドを400又は800ミク
ロン厚さの押出シートに形成した。次いで得られるシー
トを65℃の温度で水に浸漬し、浸漬時間の関数として
の曇り度の増加を測定した。結果を表5に示す。実施例
5では、プレンドは400ミクロン厚さの押出シートと
して形成された40重量%SBS/60重量%PSを含
んで成っていた。実施例6では、ブレンドは400ミク
ロン厚さの押出シートとして形成された60重量%SB
S/40重量%PSブレンドを含んで成っていた。実施
例7ではブレンドは800ミクロン厚さの押出シートと
して形成された50重量%SBS/50重量%PSブレ
ンドを含んで成っていた。浸漬時間は50分であり、し
かる後シートを水から取り出し、そして40分の脱着期
間(desorption period)に付し、そ
の期間にわたりブレンドの曇り度を10分及び40分
(即ち、浸漬時間のを含めて60分及び90分の全時
間)の脱着の後測定した。結果をやはり図5に示す。
【0062】実施例5〜7の各々について浸漬時間にわ
たる曇り度の増加は特に高くはなく、50分の浸漬時間
の終わりにおいて10%より少ない最終曇り度を生じさ
せることが図5から分かる。曇り度は脱着期間に減少す
る。
【0063】比較実施例9〜11 比較実施例9〜11では、SBSブロックコポリマーを
脱色及び中和するためにセバシン酸ではなくてプロピオ
ン酸を使用してSBSブロックコポリマーと汎用ポリス
チレン(PS)のブレンドを製造した。比較実施例9〜
11では、それぞれブレンドの重量比及びシート厚さは
それぞれ実施例5〜7のそれらに対応する。比較実施例
9〜11のシートを実施例5〜7と同じ水浸漬試験に付
しそして結果を図5に示す。
【0064】図5から、65℃における水中浸漬のよう
な厳しい湿度試験条件下にSBSコポリマー/ポリスチ
レンブレンドの押出シートがセバシン酸を使用してSB
Sコポリマーの中和により製造されている場合に、中和
剤としてプロピオン酸の使用に比べて曇り度が増加する
傾向が非常に低いことがわかる。更に、水浸漬に続い
て、プロピオン酸の使用は吸収された水の高い濃度の結
果として遅延した脱着期間(retarded des
orption period)をもたらす。換言すれ
ば、比較実施例に従って中和剤としてプロピオン酸を使
用すると、脱着期間の終わりに、曇り度は本発明の実施
例の場合の曇り度に比べてまだ非常に高い。
【0065】比較実施例12 この比較実施例では、3.2%の曇り度、90.6%の
透過率及び3.4の黄色度インデックスを有する商品名
KK38の下で合衆国、オクラホマ州、バルトレスビレ
のフイリップス・ペトロレウム・カンパニーからの商業
的に入手可能なSBSブロックコポリマーを汎用ポリス
チレンとブレンドして50重量%SBSブロックコポリ
マー/50重量%PSブレンドを形成する。市販のブロ
ックコポリマーは二酸化炭素により中和されたものと考
えられる。次いでブレンドを押し出して800ミクロン
厚さのシートを形成する。次いで得られるシートを実施
例5〜7及び比較実施例9〜11の場合と同じ水浸漬試
験に付し、結果を図5に示す。商業的に入手可能なSB
Sブロックコポリマーを使用する比較実施例12のブレ
ンドは、本発明の方法に従って中和されたSBSブロッ
クコポリマーを配合するブレンドに比べて浸漬期間中及
び脱着期間の後増加した曇り度を有することが分かる。
【0066】実施例8〜12 これらの実施例では、中和時間に対するC9+ジカルボ
ン酸、特にセバシン酸の粒状物の寸法の効果を調べた。
これらの実施例では、表3に記載の性質を有するセ酸粒
状物をプロピレンオキシドによる共重合の不活化の後コ
ポリマー溶液を含む反応容器に85重量%シクロヘキサ
ン/15重量%n−ヘキサンを含んで成る溶媒中の20
重量%スラリーとして0.132phrの量で加えた。
ポリマー溶液のpH値をポリマー溶液への酸化防止剤系
の配合(incorporation)の後時間に対し
て測定した。メルク・ユニバーサル・インディケータN
o9175を使用してpH値を測定した。結果を表3に
示す。6のpHを有するようにポリマー溶液の中和の
後、ポリマー溶液の色及び外観を視覚により検査しそし
て結果を表3に示す。
【0067】工業的セバシン酸ソースから受け取ったま
まのセバシン酸粒状物、即ち、C6溶媒中のスラリーと
して138ミクロンの平均粒径を有する粒状物、の添加
は中和の達成(7以下のpH値を必要とする)を示す6
に近いpH値に達するのに少なくとも6時間を必要とし
たことが表3から分かる。ポリマーが1.5時間後に回
収されるならば、黄色の曇ったポリマー溶液は強く着色
した加工性の悪いポリマーを発生させる。何故ならば、
1.5時間後のポリマー溶液のpHは約9であり、従っ
て溶液は中和されていないからである。中和が合計で6
時間続けられるならば、中和が達成されてpHが6とな
るので、6時間後無色の透明なポリマー溶液が回収され
るが、中和時間が許容できない程長い。
【0068】残りの実施例9〜12では、23ミクロ
ン、8.3ミクロン及び10ミクロンの平均値にセバシ
ン酸粒状物の先方を減少させると、それぞれ次第に速い
中和時間が得られ、これは工業的に魅力的である。
【0069】実施例13〜15 これらの実施例において、実施例13ではセバシン酸そ
して実施例14及び15ではドデカン酸を使用して、S
BSブロックコポリマーのアルカリリチウム誘導体を中
和する。実施例1〜3に関して述べたポリマーのシート
の製造の後、時間(日)に対する水吸収(ppmH
2O)の変化を総計で7日間測定し、結果を図6に示
す。実施例13に従ってセバシン酸で及び実施例14及
び15に従ってドデカン酸で中和されたブロックコポリ
マーは7日の期間の後ですら低い水吸収を有しており、
7日後の水吸収は実施例13〜15についてそれぞれ3
04、247及び285ppmH2Oであることがわか
る。
【0070】これらの実施例の各々についてシートの曇
り度の対応する増加も測定しそして図7に示す。曇り度
の最大増加は実施例13の場合であり、7日の期間の後
約25%の曇り度を生じさせる。
【0071】比較実施例13〜15 これらの比較実施例では、実施例13及び14のシート
に対応するシートを比較実施例13及び14については
プロピオン酸を使用して製造し、これに対して比較実施
例15ではSBSブロックコポリマーは商品名XK40
の下で合衆国、オクラホマ州、バルトレスビレのフイリ
ップス・ペトロレウムにより販売された商業的に入手可
能なSBSブロックコポリマーを含んで成っていた。こ
れらの比較実施例のSBSブロックコポリマーは実施例
13〜15の場合と同じ水浸漬試験に付し、それぞれの
水吸収及び曇り度に関する結果を図6及び7に示す。中
和剤としてプロピオン酸を使用する比較実施例の各々に
ついて水吸収及び曇り度はセバシン酸又はドデカン酸の
使用に比較して浸漬期間にわたり大幅に増加したことが
分かる。商業的に入手可能なSBSブロックコポリマー
XK40では、水吸収は実施例13〜15の場合よりは
この比較実施例では大きいが、7日の浸漬期間の終わり
の曇り度は約22%であり、実施例13の場合より僅か
に低いが、7日の浸漬期間の後約それぞれ11%及び9
%の曇り度値を有する実施例14及び15の場合より高
いことが分かる。
【0072】実施例16 この実施例では、SBSブロックコポリマーのための中
和剤としてドデカン酸を使用し、次いでSBSブロック
コポリマーをシートに成形し、実施例1〜3の場合と同
じく時間に対する水吸収及び曇り度増加について浸漬試
験した。結果を図8及び図9に示す。7日の浸漬期間に
ついて時間に対する水吸収及び曇り度の増加ば低いこと
がこれらの図から分かる。
【0073】比較実施例16 この比較実施例では、実施例16の場合と同じSBSブ
ロックコポリマーをプロピオン酸で中和し、次いでSB
Sブロックコポリマーを実施例16の場合と同じくシー
トに成形し、これを同じ7日の水中浸漬試験に付した。
水希釈及び曇り度に関する結果は図8及び図9に示す。
中和剤としてプロピオン酸ではなくドデカン酸を使用す
る場合には、SBSブロックコポリマーが湿った環境に
その後さらされるとき水吸収及び曇り度の増加が有意に
減少したことが図8及び9から分かる。
【0074】
【表1】
【0075】
【表2】
【0076】
【表3】
【0077】本発明の主なる特徴及び態様は以下のとお
りである。
【0078】1.湿った環境にさらされるときビニル芳
香族−共役ジエンポリマーの水吸収を減少させるための
該ポリマーのアルカリ金属誘導体の中和におけるC9
16を有するアルキルジカルボン酸の使用。
【0079】2.アルキルジカルボン酸がC9ーC12
カルボン酸の少なくとも1つを含んで成る上記1の使
用。
【0080】3.ジカルボン酸がアゼライン酸、セバシ
ン酸及びドデカン酸の少なくとも1つを含んで成る上記
2の使用。
【0081】4.アルキルジカルボン酸を有機液体中の
酸粒子のスラリーとして加える前記態様のいずれかの使
用。
【0082】5.酸粒子が50ミクロンより小さい平均
粒径を有する上記4の使用。
【0083】6.有機液体がヘキサンを含んで成る上記
4又は5の使用。
【0084】7.ジカルボン酸を0.11〜0.13p
hrの量で加える前記態様のいずれかの使用。
【0085】8.ビニル芳香族−共役ジエンポリマーが
スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマーを
含んで成る前記態様のいずれかの使用。
【0086】9.スチレン−ブタジエン−スチレン−ブ
ロックコポリマーは透明でありそして少なくとも70重
量%スチレン単位を含む上記8の使用。
【0087】10.ビニル芳香族−共役ジエンポリマー
がビニル芳香族成分としてスチレン15〜95重量%を
含みそしてポリマーが湿った環境にさらされるときポリ
マーの透明性及び曇りのない性質の劣化が減少する前記
態様のいずれかの使用。
【0088】11.ビニル芳香族−共役ジエンブロック
コポリマーの製造方法であって、少なくとも1種のビニ
ル芳香族炭化水素と共役ジエンをアルカリ金属をベース
とする触媒の存在下に溶液重合してコポリマー鎖を生成
させ、溶液中の該コポリマー鎖を9〜16個の炭素原子
を有するアルキルジカルボン酸で処理し、それにより湿
った環境における透明性及び曇りの劣化に対する該コポ
リマーの抵抗を高めることを特徴とする方法。
【0089】12.アルキルジカルボン酸がC9ーC12
ジカルボン酸の少なくとも1つを含んで成る上記11の
方法。
【0090】13.ジカルボン酸がアゼライン酸、セバ
シン酸及びドデカン酸の少なくとも1つを含んで成る上
記12の方法。
【0091】14.アルキルジカルボン酸を有機液体中
の酸粒子のスラリーとして加える上記11〜13のいず
れかの方法。
【0092】15.酸粒子が50ミクロンより少ない平
均粒径を有する上記14の方法。
【0093】16.有機液体がヘキサンを含んで成る上
記14又は15の方法。
【0094】17.ジカルボン酸を0.11〜0.13
phrの利用で加える上記11〜16のいずれかの方
法。
【0095】18.コポリマーがビニル芳香族成分とし
てスチレン15〜95重量%を含む上記11〜17のい
ずれかの方法。
【0096】19ビニル芳香族−共役ジエンポリマーが
スチレンを少なくとも70重量%有するスチレン−ブタ
ジエン−スチレンブロックコポリマーを含んで成る上記
11〜18のいずれかの方法。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例及び比較実施例に従って製造さ
れたSBSコポリマーシートについて水吸収と浸漬時間
との関係を示す。
【図2】これらの実施例及び比較実施例について曇り度
と浸漬時間の関係を示す。
【図3】本発明の更なる実施例と更なる比較実施例に従
うSBSコポリマーのシートについて水吸収と浸漬時間
との関係を示す。
【図4】その更なる実施例とこれらの更なる比較実施例
のシートについて曇り度と浸漬時間との関係を示す。
【図5】本発明の更なる実施例及び更なる比較実施例に
従って製造されたSBSコポリマーのシートについてそ
の後の脱着期間を伴う、曇り度と浸漬時間との関係を示
す。
【図6】本発明の実施例と比較実施例に従って製造され
たSBSコポリマーシートについて水吸収と浸漬時間と
の関係を示す。
【図7】これらの実施例と比較実施例のシートについて
曇り度と浸漬時間との関係を示す。
【図8】本発明の更なる実施例と更なる比較実施例に従
うSBSコポリマーのシートについて水吸収と浸漬時間
との関係を示す。
【図9】その更なる実施例と比較実施例のシートについ
て曇り度と浸漬時間との関係を示す。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 湿った環境にさらされるときビニル芳香
    族−共役ジエンポリマーの水吸収を減少させるための該
    ポリマーのアルカリ金属誘導体の中和におけるC9ーC
    16を有するアルキルジカルボン酸の使用。
  2. 【請求項2】 ビニル芳香族−共役ジエンブロックコポ
    リマーの製造方法であって、少なくとも1種のビニル芳
    香族炭化水素と共役ジエンをアルカリ金属をベースとす
    る触媒の存在下に溶液重合してコポリマー鎖を生成さ
    せ、溶液中の該コポリマー鎖を9〜16個の炭素原子を
    有するアルキルジカルボン酸で処理し、それにより湿っ
    た環境における透明性及び曇りの劣化に対する該コポリ
    マーの抵抗を高めることを特徴とする方法。
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