JP2001002381A - 段差解消用昇降機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】煩雑な穴掘り作業を不要とすることで昇降機の
設置作業の簡易化を図るとともにコストの低減を図るこ
と。 【解決手段】段差解消用昇降機１は、段差２の下側の面
２ａ上に設置され昇降可能な昇降機である。昇降機１
は、段差２の下側の面２ａ上に設置される高さ寸法の小
さなベース部材１１と、ベース部材１１に垂直に立設さ
れ、ブラケット１２が上下動可能なリニアアクチュエー
タ１３と、ベース部材１１に垂直に立設される１本又は
複数本のガイドレール１４と、各ガイドレール１４に係
合しながら上下動可能なスライダ１５と、ブラケット１
２及びスライダ１５に固着される垂直板部１６と、垂直
板部１６の下端から水平に延設された乗降床板部１７と
を備え、ブラケット１２が下降位置にあるとき、乗降床
板部１７は、ベース部材１１と略同じ高さ位置にある。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、段差解消用昇降
機、詳しくは、段差の下側の面上に直接載置可能な低床
式の段差解消用昇降機に関する。

【０００２】

【従来の技術】周知のように、歩行が不自由な者、車椅
子を利用する者等にとって、玄関の土間と上がりかまち
との間を行き来したり、縁側と地面との間を行き来した
りすること、換言すると、段差の上側の面と下側の面と
の間での移動は、きわめて困難である。そのため、この
ような段差を解消し楽に行き来できるようにするための
一つの方法に、昇降機の利用がある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
昇降機は、Ｘ字形のリンク機構を採用していたため、人
又は車椅子が乗る乗降床板の下降位置を段差の下側の面
の近くまで低く設定することが困難であった。そのた
め、段差の下側の面を掘り下げこの穴の上に昇降機を設
置することで乗降床板の高さ位置を段差の下側の面近く
まで下げていた。このため、従来の昇降機を利用した場
合、煩雑な穴掘り作業、設置作業が必要となり、コスト
の増大を招いていた。

【０００４】本発明は、上記の問題点に着目し、煩雑な
穴掘り作業を不要とすることで昇降機の設置作業の簡易
化を図るとともにコストの低減を図ることができる段差
解消用昇降機を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明の段差解消用昇降
機は、段差の下側の面上に設置され昇降可能な段差解消
用昇降機であって、前記段差の下側の面上に設置される
高さ寸法の小さなベース部材と、前記ベース部材に垂直
に立設され、ブラケットが上下動可能なリニアアクチュ
エータと、前記ベース部材に垂直に立設される１本又は
複数本のガイドレールと、前記各ガイドレールに係合し
ながら上下動可能なスライダと、前記ブラケット及び前
記スライダに固着される垂直板部と、前記垂直板部の下
端から水平に延設された乗降床板部とを備え、前記ブラ
ケットが下降位置にあるとき、前記乗降床板部は、前記
ベース部材と略同じ高さ位置にあるよう構成されること
を特徴とする。

【０００６】ここで、前記垂直板部は前記段差の段差面
に対し略垂直に配されるとともに、前記乗降床板部に、
前記垂直板部と対面しかつ着脱可能な手摺が垂直に立設
される。

【０００７】また、前記段差面にガイドプレートを配設
するとともに、前記乗降床板部の段差面側の縁部にブリ
ッジプレートを設け、前記ブラケットが下降位置にある
とき、前記ブリッジプレートの先端部は前記ガイドプレ
ートと当接した状態に保持され、前記ブリッジプレート
は前記乗降床板部に対し上方へ傾斜した格納状態にあ
り、前記ブラケットの上昇時、前記ブリッジプレートの
先端部は前記ガイドプレートと当接しながら上昇し、前
記ブリッジプレートの先端部が前記段差面の上端の高さ
位置を超えると、前記ブリッジプレートの傾斜角度は減
少し、前記ブリッジプレートの先端部は前記段差の上側
の面上に乗り前記ブリッジプレートは略水平状態に保た
れる。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の一
実施形態を説明する。

【０００９】図１は、一実施形態に係る段差解消用昇降
機が下降位置にあるときの該昇降機の斜視図であって、
該昇降機を裏面側から見たときの斜視図、図２は、同じ
く下降位置にあるときの昇降機の斜視図であって、該昇
降機を正面側から見たときの斜視図、図３は、同昇降機
が上昇位置にあるときの斜視図であって、該昇降機を裏
面側から見たときの斜視図、図４は、ガイドレールとス
ライダとの係合状態を示す横断面図を示す。

【００１０】図１〜図４において、段差解消用昇降機１
は、段差２の下側の面２ａ上に設置され昇降可能な昇降
機である。

【００１１】昇降機１は、段差２の下側の面２ａ上に設
置される高さ寸法の小さな例えば高さ３０ｍｍ程度のベ
ース部材１１と、ベース部材１１に垂直に立設され、ブ
ラケット１２が上下動可能なリニアアクチュエータ１３
と、ベース部材１１に垂直に立設される１本又は複数本
（本実施形態では１本）のガイドレール１４と、図４に
示すように各ガイドレール１４に係合しながら上下動可
能な一つ又は複数のスライダ１５と、ブラケット１２及
びスライダ１５に固着される垂直板部１６と、垂直板部
１６の下端から水平に延設された乗降床板部１７とを備
える。

【００１２】リニアアクチュエータ１３は、市販のリニ
アアクチュエータであり、例えば、モータ１８とボール
ねじ１９と雌ねじが形成されたブラケット１２とから構
成される。垂直板部１６は段差２の段差面２ｂに対し略
垂直に配される。乗降床板部１７には、手摺２０が垂直
板部１６と対面しかつ着脱可能に立設される。段差２の
段差面２ｂには、ガイドプレート２１が配設される。乗
降床板部１７の段差面２ｂ側の縁部には、ブリッジプレ
ート２２が軸支される。また、乗降床板部１７の非段差
面２ｂ側の縁部には、ステップ２３が固定される。

【００１３】ブラケット１２は、垂直板部１６の裏面に
固定された高さ調節プレート２５に対し、高さ位置が調
節可能に取り付けられている。高さ調節プレート２５に
対するブラケット１２の取付位置を調節することによ
り、乗降床板部１７の過上昇を防止することができ、昇
降機１が上昇位置にあるときの乗降床板部１７の高さ位
置を段差２の上側の面２ｃに合わせることができる。

【００１４】上記のように構成された昇降機１は、図１
及び図２に示すように、ブラケット１２が下降位置にあ
るとき、乗降床板部１７は、ベース部材１１と略同じ高
さ位置、すなわち、下側の面２ａから例えば３０ｍｍ程
度の位置にあり、この状態で、人又は車椅子はステップ
２３を経て乗降床板部１７に乗ることができる。また、
ブラケット１２が下降位置にあるとき、ブリッジプレー
ト２２の先端部はガイドプレート２１と当接した状態に
保持され、ブリッジプレート２２は乗降床板部１７に対
し上方へ傾斜した格納状態にある。

【００１５】そして、垂直板部１６の上面に設置された
操作ボックス２４の上昇スイッチが操作されると、リニ
アアクチュエータ１３が作動し、ブラケット１２が上昇
を開始する。このブラケット１２の上昇に伴い、スライ
ダ１５もガイドレール１４と係合しながら上昇し、垂直
板部１６及び乗降床板部１７は上昇する。この乗降床板
部１７の上昇時、ブリッジプレート２２の先端部はガイ
ドプレート２１と当接しながら上昇する。

【００１６】そして、ブリッジプレート２２の先端部が
段差面２ｂの上端の高さ位置を超えると、ブリッジプレ
ート２２の傾斜角度は減少し、図３に示すように、ブリ
ッジプレート２２の先端部は段差２の上側の面２ｃ上に
乗りブリッジプレート２２は略水平状態に保たれ、リニ
アアクチュエータ１３は作動を停止する。この状態で、
乗降床板部１７に乗っている人又は車椅子は、ブリッジ
プレート２２を経て段差２の上側の面２ｃに移動するこ
とができる。

【００１７】一方、昇降機１が上昇位置にあるとき、操
作ボックス２４の下降スイッチが操作されると、リニア
アクチュエータ１３が作動し、ブラケット１２が下降を
開始する。このブラケット１２の下降に伴い、スライダ
１５もガイドレール１４と係合しながら下降し、垂直板
部１６及び乗降床板部１７は下降する。この乗降床板部
１７の下降時、ブリッジプレート２２は水平状態から上
方へ傾斜してゆき、ブリッジプレート２２の先端部が段
差面２ｂの上端の高さ位置に達した後は、ブリッジプレ
ート２２の先端部はガイドプレート２１と当接しながら
下降する。

【００１８】そして、乗降床板部１７が下降位置まで下
降すると、リニアアクチュエータ１３は作動を停止し、
昇降機１は図１及び図２に示すような下降位置に戻る。

【００１９】以上説明したように、本実施形態に係る段
差解消用昇降機１によると、リニアアクチュエータ１３
とガイドレール１４を利用したため、乗降床板部１７の
高さ位置を段差２の下側の面２ａ付近に設定することが
可能になる。このため、従来必要とされていた煩雑な穴
掘り作業が不要となり、昇降機１の設置作業の簡易化が
図られるとともにコストの低減を図ることができる。

【００２０】

【発明の効果】本発明による段差解消用昇降機は、段差
の下側の面上に設置される高さ寸法の小さなベース部材
と、ベース部材に垂直に立設され、ブラケットが上下動
可能なリニアアクチュエータと、ベース部材に垂直に立
設される１本又は複数本のガイドレールと、各ガイドレ
ールに係合しながら上下動可能なスライダと、ブラケッ
ト及びスライダに固着される垂直板部と、垂直板部の下
端から水平に延設された乗降床板部とを備え、ブラケッ
トが下降位置にあるとき、乗降床板部は、ベース部材と
略同じ高さ位置にあるよう構成されることを特徴とす
る。

【００２１】このため、本発明によると、従来必要とさ
れていた煩雑な穴掘り作業が不要となり、昇降機の設置
作業の簡易化が図られるとともにコストの低減を図るこ
とができる。

【００２２】また、垂直板部は段差の段差面に対し略垂
直に配されるとともに、乗降床板部に、垂直板部と対面
しかつ着脱可能な手摺を垂直に立設することにより、手
摺を取り外すことで、手摺のあった方向からも乗降床板
部へ乗り降りすることが可能になる。

【００２３】また、段差面にガイドプレートを配設する
とともに、乗降床板部の段差面側の縁部にブリッジプレ
ートを設け、ブラケットが下降位置にあるとき、ブリッ
ジプレートの先端部はガイドプレートと当接した状態に
保持され、ブリッジプレートは乗降床板部に対し上方へ
傾斜した格納状態にあり、ブラケットの上昇時、ブリッ
ジプレートの先端部はガイドプレートと当接しながら上
昇し、ブリッジプレートの先端部が段差面の上端の高さ
位置を超えると、ブリッジプレートの傾斜角度は減少
し、ブリッジプレートの先端部は段差の上側の面上に乗
りブリッジプレートは略水平状態に保たれるよう構成す
ることにより、ガイドプレートを利用して乗降床板部と
段差の上側の面との間での移動を容易に行うことができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態に係る段差解消用昇降機が
下降位置にあるときの該昇降機の斜視図であって、該昇
降機を裏面側から見たときの斜視図である。

【図２】同じく下降位置にあるときの昇降機の斜視図で
あって、該昇降機を正面側から見たときの斜視図であ
る。

【図３】同昇降機が上昇位置にあるときの斜視図であっ
て、該昇降機を裏面側から見たときの斜視図である。

【図４】ガイドレールとスライダとの係合状態を示す横
断面図である。

【符号の説明】

１ 段差解消用昇降機 ２ 段差 ２ａ 下側の面 ２ｂ 段差面 ２ｃ 上側の面 １１ ベース部材 １２ ブラケット １３ リニアアクチュエータ １４ ガイドレール １５ スライダ １６ 垂直板部 １７ 乗降床板部 ２０ 手摺 ２１ ガイドプレート ２２ ブリッジプレート ２３ ステップ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 段差の下側の面上に設置され昇降可能な
   段差解消用昇降機であって、 前記段差の下側の面上に設置される高さ寸法の小さなベ
   ース部材と、 前記ベース部材に垂直に立設され、ブラケットが上下動
   可能なリニアアクチュエータと、 前記ベース部材に垂直に立設される１本又は複数本のガ
   イドレールと、 前記各ガイドレールに係合しながら上下動可能なスライ
   ダと、 前記ブラケット及び前記スライダに固着される垂直板部
   と、 前記垂直板部の下端から水平に延設された乗降床板部と
   を備え、 前記ブラケットが下降位置にあるとき、前記乗降床板部
   は、前記ベース部材と略同じ高さ位置にあるよう構成さ
   れることを特徴とする段差解消用昇降機。
2. 【請求項２】 請求項１において、 前記垂直板部は前記段差の段差面に対し略垂直に配され
   るとともに、前記乗降床板部に、前記垂直板部と対面し
   かつ着脱可能な手摺が垂直に立設されることを特徴とす
   る段差解消用昇降機。
3. 【請求項３】 請求項１又は２において、 前記段差面にガイドプレートを配設するとともに、前記
   乗降床板部の段差面側の縁部にブリッジプレートを設
   け、 前記ブラケットが下降位置にあるとき、前記ブリッジプ
   レートの先端部は前記ガイドプレートと当接した状態に
   保持され、前記ブリッジプレートは前記乗降床板部に対
   し上方へ傾斜した格納状態にあり、前記ブラケットの上
   昇時、前記ブリッジプレートの先端部は前記ガイドプレ
   ートと当接しながら上昇し、前記ブリッジプレートの先
   端部が前記段差面の上端の高さ位置を超えると、前記ブ
   リッジプレートの傾斜角度は減少し、前記ブリッジプレ
   ートの先端部は前記段差の上側の面上に乗り前記ブリッ
   ジプレートは略水平状態に保たれることを特徴とする段
   差解消用昇降機。