JP2001001653A - 熱転写シート - Google Patents

熱転写シート

Info

Publication number
JP2001001653A
JP2001001653A JP11175014A JP17501499A JP2001001653A JP 2001001653 A JP2001001653 A JP 2001001653A JP 11175014 A JP11175014 A JP 11175014A JP 17501499 A JP17501499 A JP 17501499A JP 2001001653 A JP2001001653 A JP 2001001653A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
transfer sheet
thermal transfer
heat
water
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11175014A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeki Nakajo
茂樹 中條
Nobuyuki Harada
信行 原田
Junichi Hiroi
順一 広井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP11175014A priority Critical patent/JP2001001653A/ja
Publication of JP2001001653A publication Critical patent/JP2001001653A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱転写シートの薄膜化が進む中で、基材シー
トと耐熱滑性層との間のプライマー層へのサーマルヘッ
ドの熱ダメージからくる印画シワを防止できる熱転写シ
ートを提供する。 【解決手段】 熱転写シートは、基材シートの一方の面
に熱転写性色材層を形成し、他方の面にはプライマー層
を介して耐熱滑性層を形成した構成で、該プライマー層
が帯電防止剤としてスルホン化ポリアニリン、プライマ
ー成分として120℃における弾性G’が103 Pa以
上、粘性G”が104 Pa以上の樹脂を含有する。それ
によって、120℃の加熱温度におけるプライマー樹脂
成分の弾性及び粘性を上記の範囲にして、高温下の粘弾
性を高く維持させることで、プライマー層に印画時の熱
ダメージが生じて、印画シワが生じる点を防止できた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱転写シートに関
し、詳しくは基材シート上にプライマー層を介して耐熱
滑性層を形成し、該プライマー層に印画時の熱ダメージ
から生じる印画シワを防止する効果を付与した熱転写シ
ートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の熱転写シートは基材にポリエステ
ルフィルムなどのプラスチックフィルムを使用し、基材
の一方の面に昇華性染料とバインダー樹脂からなる色材
層を設けた熱昇華型(熱拡散型)転写シートと、染料層
の代わりに着色剤と熱溶融性組成物からなる色材層を設
けた熱溶融型転写シートがある。これらの熱転写シート
は、基材の他方の面に耐熱滑性層を設け、その耐熱滑性
層側からサーマルヘッドにより加熱して、染料層の染
料、または色材層を被転写体に転写させて画像を形成し
ている。また、一般的に熱転写シートはYe、Mg、C
yの各色材層(必要に応じてBkの色材層、転写性保護
層)を面順次に、もしくはモノカラーリボンで構成され
ており、印画方法については、被転写体の幅寸法の大き
さのサーマルヘッドを用いたラインタイプと、被転写体
の幅方向にサーマルヘッドを往復させて印字するシリア
ルタイプが行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年、熱転写プリンタ
ーは印字時間を短縮するため、印字方法も創意工夫され
てきて、高速で印字する対応が可能となってきた。更に
は、モバイル機器用途に対応するため、プリンターの小
型化、省電力化が必須となり、熱転写シートも薄膜化が
要求されるようになってきた。通常、熱転写シートに用
いられる耐熱滑性層の厚みは0.6〜1.5μmが主流
であるが、耐熱滑性層を0.1〜0.5μmにすること
で飛躍的な感度向上が実現する反面、従来厚みでは発生
しなかった不具合が顕在化してきた。特に、熱に弱いポ
リエステル樹脂等のバインダーを用いて熱転写シートの
プライマー層を形成した場合、耐熱滑性層が薄くなった
分、プライマー層への熱的負担が大きくなり、プライマ
一層の熱ダメージからくる印画シワが発生してしまう。
したがって、本発明の目的は、熱転写シートの薄膜化が
進む中で、基材シートと耐熱滑性層との間のプライマー
層へのサーマルヘッドからの熱ダメージによる印画シワ
を防止できる熱転写シートを提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】これらの問題を解決する
ために、本発明は、基材シートの一方の面に熱転写性色
材層を形成し、他方の面にはプライマー層を介して耐熱
滑性層が形成されてなる熱転写シートにおいて、該プラ
イマー層に帯電防止剤としてスルホン化ポリアニリン、
プライマー成分として120℃における弾性G’が10
3 Pa以上、粘性G”が104 Pa以上の樹脂を含有さ
せた。また、前記のプライマー成分の樹脂として、水分
散性または水溶性ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポ
リウレタン樹脂の少なくとも一つであることが好まし
い。また、前記の水分散性または水溶性ポリエステル樹
脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂は、単体または共
重合体であり、水分散性または水溶性イソシアネート、
水分散性または水溶性メラミン硬化剤、水分散性または
水溶性金属キレート化合物、水分散性または水溶性尿素
樹脂系硬化剤等で硬化されることが望ましい。
【0005】
【作用】本発明の熱転写シートは、基材シートの一方の
面に熱転写性色材層を形成し、他方の面にはプライマー
層を介して耐熱滑性層を形成した構成で、該プライマー
層が帯電防止剤としてスルホン化ポリアニリン、プライ
マー成分として120℃における弾性G’が103 Pa
以上、粘性G”が104 Pa以上の樹脂を含有する。そ
れによって、120℃の加熱温度におけるプライマー樹
脂成分の弾性及び粘性を上記の範囲にして、高温下の粘
弾性を高く維持させることで、プライマー層に印画時の
熱ダメージが生じて、印画シワが生じる点を防止でき
た。
【0006】
【発明の実施の態様】次に、発明の実施の態様をあげて
本発明をさらに詳しく説明する。 (基材シート)本発明の熱転写シートを構成する基材シ
ートとしては、従来より公知の耐熱性や強度を有するも
のであれば使用可能であり、特に限定されるものではな
い。例えば、0.5〜50μm、好ましくは2〜10μ
m程度の厚さをもつ紙および各種加工紙、ポリエステル
フィルム、1,4−ポリシクロヘキシレンジメチレンテ
レフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィ
ルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、ポリエチ
レンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリサルホン
フィルム、アラミドフィルム、ポリカーボネートフィル
ム、セロハン、ポリビニルアルコールフィルム、酢酸セ
ルロース等のセルロース誘導体、ポリスチレンフィル
ム、ポリ塩化ビニル、ナイロン、ポリイミド、アイオノ
マー等の樹脂であり、それらの中でも特に好ましいもの
は、ポリエチレンテレフタレートフィルム(ポリエステ
ルフィルム)やポリエチレンナフタレートフィルムであ
り、また、これらの樹脂とコンデンサー紙、パラフィン
紙等の紙類、不織布等との複合体であってもよい。これ
らの基材シートは枚葉式でも巻き取りで供給される連続
シートであってもよく、用途に応じた材料を選択するこ
とができる。
【0007】本発明に用いる二軸配向ポリエステルフィ
ルムは未延伸のポリエチレン−2、6−ナフタレートフ
ィルムを二軸延伸後、熱固定し、更に熱固定後に弛緩処
理を行うことによって製造することができる。例えば、
未延伸フィルムをTg〜(Tg+60)℃の温度で縦方
向に延伸し、横方向に2〜6倍率で二軸延伸し、(Tg
+50)℃〜(Tg+140)℃で1〜100秒間熱固
定する。延伸はIRヒーター、ロール、テンター等を用
いる方法で行うことができ、縦方向と横方向を同時に延
伸しても良く、又縦方向、横方向に逐次に延伸しても良
い。更に弛緩処理を必要とする場合、熱固定後ロールに
巻き取るまでの間に行うが、弛緩処理方法としては熱固
定ゾーンの途中でテンター幅を縮め、フィルム幅方向に
0〜3%の弛緩処埋を行う方法、フィルムの両端部を切
り離し、フィルムのTg以上融解温度以下の温度条件下
においてフィルムの供給速度に対して引取速度を減速さ
せる方法、2つの速度の異なる搬送ロールの間において
IRヒーターで加熱する方法、加熱搬送ロール上にフィ
ルムを搬送させ、加熱搬送ロール後の搬送ロールの速度
を減速させる方法、熱固定後熱風を吹き出すノズル上に
フィルムを搬送させながら、供給速度よりも引取速度を
減速させる方法、あるいは製膜機で巻取った後、加熱搬
送ロール上にフィルムを搬送させ、搬送ロールの速度を
減速させる方法、加熱オーブンやIRヒーターによる加
熱ゾーンを搬送させながら加熱ゾーン後のロール速度を
加熱ゾーン前のロール速度より減速する方法があり、い
ずれの方法を用いても良く、供給側の速度に対して引取
側の速度の減速率を0.1〜3.0%にして弛緩処理を
行う。又、熱寸法安定性を良くするために、弛緩処理の
ほか熱固定ゾーンの途中でテンター幅を広げ、フィルム
幅方向に緊張処理を0〜3.0%施しても良い。
【0008】このようにして、製膜した該二軸配向ポリ
エステルフィルムの密度は1.3530〜l.3600
g/cm3 、更には1.3560〜1.3598g/c
3が好ましい。この範囲より小さいと結晶化度が小さ
くなり熱寸法安定性に劣り、この範囲より大きいと結晶
化度が大きすぎて厚みむらの原因となる。本発明の熱転
写シートの基材シートはポリエチレンナフタレート、ポ
リエチレンテレフタレートまたはそれらの混合物からな
る二軸延伸ポリエステルフィルムが好ましく用いられ、
そのフィルムの相対的な厚みムラは、MD方向及びTD
方向に±5%以内に収められたものが、熱転写シートの
薄膜化、つまり基材シートの薄膜化が進む中で、好まし
く用いられる。
【0009】なお、最終的に熱転写シートを得る場合、
基材シートと熱転写色材層との接着性を向上させるた
め、縦延伸後、ポリエステル系樹脂やアクリル系樹脂を
各々単独、またはそれらを混合し、メラミン系架橋剤で
硬化させた易接着層を塗布してもよい。ただし、易接着
層のコート量は0.1g/cm2 以下が好ましく、コー
ト量むらは縦方向、幅方向ともに±15%範囲内である
ことが望ましい。また、易接着層を塗布する方式に限ら
ず、コロナ処理、プラズマ処理等で基材シートの表面処
理、つまり易接着処理を行ってもよい。
【0010】(プライマー層)基材シートと耐熱滑性層
との間に形成されるプライマー層は、帯電防止剤として
スルホン化ポリアニリンを含有し、プライマー樹脂成分
として120℃における弾性G’が103 Pa以上、粘
性G”が104 Pa以上の樹脂を含有する。それによっ
て、120℃の加熱温度におけるプライマー樹脂成分の
弾性及び粘性を上記の範囲にして、高温下の粘弾性を高
く維持させることで、プライマー層に印画時の熱ダメー
ジによる印画シワが生じる点を防止する。上記のプライ
マー樹脂成分の120℃における弾性G’は103 Pa
以上であるが、上限としては106 Pa程度である。弾
性G’が103 Pa未満であると、プライマー層へのサ
ーマルヘッドからの熱ダメージによる印画シワが発生し
やすく、一方、弾性G’が高すぎると、プライマー層の
塗工適性が劣り均一な塗膜が形成しにくくなる。またプ
ライマー樹脂成分の120℃における粘性G”が104
Pa以上であるが、その上限は106 Pa程度である。
粘性G”が104 Pa未満であると、プライマー層への
サーマルヘッドからの熱ダメージによる印画シワが発生
しやすく、一方、粘性G”が高すぎると、プライマー層
の塗工適性が劣り均一な塗膜が形成しにくくなる。
【0011】プライマー層は、バインダー樹脂とスルホ
ン化ポリアニリンを主体にして形成され、バインダー樹
脂は上記範囲の粘弾性を有し、基材シートと耐熱滑性層
に良好な接着性を有している。プライマー層のバインダ
ー樹脂としては、例えばポリエステル系樹脂、ポリウレ
タン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリビニルホルマー
ル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリビニルブチラール系樹
脂、ポリアミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリスチ
レン系樹脂、スチレン−アクリル共重合体系樹脂等が挙
げられる。これらの中でもカルボキシル基を有する水分
散性または水溶性の単体または共重合体型でポリエステ
ル樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂が、基材シー
トや耐熱滑性層に対する密着性、スルホン化ポリアニリ
ンの分散性等が優れているため、特に好ましく用いられ
る。また、プライマー層に耐熱性、塗膜性や隣接層との
密着性を付与させるために、水分散性または水溶性イソ
シアネート、水分散性または水溶性メラミン硬化剤、水
分散性または水溶性金属キレート化合物、水分散性また
は水溶性尿素樹脂系硬化剤等を併用して、バインダー樹
脂を硬化させることが好ましく行われる。
【0012】上記のイソシアネートは、イソシアネート
系硬化剤であり、2個以上のイソシアネート基を有する
化合物のことであり、従来のポリウレタン系樹脂などに
関する技術において使用されているイソシアネート化合
物はいずれも使用できる。例えば、TDI(トルエンジ
イソシアネート)、MDI(ジフェニルメタンジイソシ
アネート)、NDI(1,5−ナヘレンジイソシアネー
ト)、TODI(トリジンジイソシアネート)、HDI
(ヘキサメチレンジイソシアネート)、IPDI(イソ
ホロンジイソシアネート)、p−フェニレンジイソシア
ネート、XDI(キシリレンジイソシアネート)、水添
HDI、水添MDI、LDI(リジンジイソシアネー
ト)、TMXDI(テトラメチルキシレンジイソシアネ
ート)、リジンエステルトリイソシアネート、1,6,
11−ウンデカントリイソシアネート、1,8−ジイソ
シアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、1,
3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロ
ヘプタントリイソシアネート、TMDI(トリメチルヘ
キサメチレンジイソシアネート)等を挙げることができ
るが、他にもイソシアネート基を有するものであれば使
用可能であり、これらのものに限られるものではない。
【0013】以上のイソシアネートの添加量は、プライ
マー層を構成するバインダー樹脂100重量部に対し5
〜200重量部の範囲が適当である。NCO/OHの比
では0.8〜2.0程度の範囲が好ましい。イソシアネ
ートの含有量が少なすぎると、架橋密度が低く、耐熱性
が不十分であり、一方、イソシアネートの含有量が多す
ぎると、形成させる塗膜の収縮が制御できなかったり、
硬化時間が長くなったりして好ましくない。上記のメラ
ミン硬化剤は、メラミンとホルムアルデヒドでオキシメ
チル化反応、縮合反応させ、熱硬化させるものである。
また、上記の金属キレート化合物は、チタン系キレート
化合物、ジルコニウムキレート化合物、アルミニウム系
キレート化合物等を使用することができる。さらに、尿
素樹脂系硬化剤は、尿素とアルデヒドとの縮合反応さ
せ、熱硬化させるものである。
【0014】プライマー層には、帯電防止剤としてスル
ホン化ポリアニリンが含有される。このスルホン化ポリ
アニリンはπ電子共役系構造を有する導電性高分子材料
であり、種々のものが知られているが、一例として下記
化学式1で表されるスルホン化ポリアニリンが挙げられ
る。
【化1】 (上記式において、x、y及びnは、分子量が約300
〜10,000になる値である。)
【0015】上記のπ電子共役系構造を有する導電性高
分子材料であるスルホン化ポリアニリンの代わりに、同
じ導電性高分子材料として、化学的にドーピングしたポ
リアセチレン、ポリパラフェニレンビニレン、ポリパラ
フェニレンスルフィド、化学的に重合とドーピングした
ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、熱処理
により生成したフェノール樹脂の熱処理物、ポリアミド
の熱処理物、ペリレン酸無水物の熱処理物等を用いるこ
ともできる。上記のπ電子共役系構造を有する導電性高
分子材料として、特にスルホン化ポリアニリンが有用で
ある。
【0016】上記スルホン化ポリアニリンは水またはア
ルカリ水を含む溶媒中に可溶であり、分子内塩またはア
ルカリ塩を形成して溶解する。これらのスルホン化ポリ
アニリンは、例えば、日東化学工業(株)からアクアー
SAVE−01Zの商品名で、かつ水溶液や水と有機溶
剤との混合溶媒の溶液として入手して本発明で使用する
ことができる。これらの溶液は黄色を帯びた溶液である
が、濃度が低い場合には殆ど無色の溶液である。
【0017】本発明のプライマー層は、上記のバインダ
ー樹脂とスルホン化ポリアニリンを主成分として形成さ
れ、形成方法としては水を含む溶媒、例えば、水と、メ
タノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ノル
マルプロピルアルコール等の水溶性有機溶剤との混合物
にバインダー樹脂及びスルホン化ポリアニリンを溶解又
は分散した塗工液を作製する。この塗工液には、塗工時
における基材の濡れ性向上のために界面活性剤や、気泡
を抑制するための消泡剤等の任意の添加剤を加えること
ができる。
【0018】プライマー層用塗工液の組成としては、バ
インダー樹脂が約0.5〜10重量%、好ましくは0.
75〜2重量%、スルホン化ポリアニリンは約0.01
〜3重量%、好ましくは0.01〜1重量%、界面活性
剤が約0〜2重量%、好ましくは0.2〜1重量%及び
残量の溶媒からなる組成が好ましい。特にスルホン化ポ
リアニリンが0.01〜1.0μmの粒子として存在す
るように溶媒組成を選択することによって最も優れた帯
電防止効果が得られる。すなわち、スルホン化ポリアニ
リンは水溶性であるが、水溶性有機溶剤には不溶性であ
り、塗工液の調整に際して水と水溶性有機溶剤との混合
比を調節し、場合によっては適当な界面活性剤を併用す
ることによって、スルホン化ポリアニリンを微細な粒子
の分散状態とすることができる。液媒体としての水と有
機溶剤との混合比によって、塗工液中のスルホン化ポリ
アニリンの粒度分布を変えることができる。
【0019】例えば、水/IPA=40/60の塗工液
では、スルホン化ポリアニリンの粒子が約0.04μm
と約5μmを中心とした二つの別れた粒度分布が見られ
るため、あまり好ましくない。それは、二つの別れた粒
度分布を有するスルホン化ポリアニリンの粒子が、塗工
液中で均一に分散されにくく、特殊な塗工条件によって
のみ、本発明の帯電制御層の機能を果たすことができる
からである。それに対し、例えば水/IPA=47/5
3〜60/40の塗工液では、スルホン化ポリアニリン
の粒子が0.01〜1.0μmの間に分布され、好まし
く用いられる。但し、塗工液に界面活性剤を併用する
と、水と有機溶剤との混合比によるスルホン化ポリアニ
リンの粒度分布が変化するため、界面活性剤の添加につ
いても配合量に注意する必要がある。
【0020】プライマー層の形成は、上記塗工液を基材
シート上に、例えば、グラビアコーター、ロールコータ
ー、ワイヤーバー等の慣用の塗工方式で塗工及び乾燥し
て行われる。プライマー層の塗工量は、塗工液の固形分
として0.02〜1.5μm、好ましくは0.07〜
0.5μmの範囲であり、塗工量が上記範囲より少ない
と、プライマー層としての性能が不十分であり、一方、
塗工量が上記範囲より多くても、その厚みに比例して上
記性能が向上する訳ではなく、経済的に不利であるばか
りでなく、熱転写プリンターによる画像の濃度が低下す
るので好ましくない。
【0021】(耐熱滑性層)耐熱滑性層は、バインダー
樹脂、滑剤、フィラーや必要に応じて、その他添加剤を
含有する。耐熱滑性層を形成するバインダー樹脂は熱可
塑性樹脂と熱硬化性樹脂またはその架橋体である。好ま
しい熱可塑性樹脂としては、公知の樹脂が使用でき、例
えばポリエステル系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹
脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、スチ
レンアクリレート系樹脂、ポリアクリレート系樹脂、ポ
リアクリルアミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエー
テル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹
脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポ
リ塩化ビニル樹脂やポリビニルアルコール樹脂等のビニ
ル系樹脂、セルロース樹脂やヒドロキシエチルセルロー
ス樹脂、酢酸セルロース樹脂等のセルロース系樹脂、ポ
リビニルアセトアセタール樹脂やポリビニルブチラール
樹脂等のポリビニルアセタール系樹脂、シリコーン変性
樹脂、長鎖アルキル変性樹脂等があげられ、本発明で特
に好ましい樹脂は、ポリビニルアセトアセタール樹脂や
ポリビニルブチラール樹脂等のポリビニルアセタール系
樹脂である。
【0022】また、耐熱滑性層の耐熱性や塗膜強度及び
基材シートとの密着性を向上させるために、樹脂中に反
応基を有する熱可塑性樹脂とポリイソシアネートとの反
応硬化物や不飽和結合を有するモノマー、オリゴマーと
の反応生成物を用いるのが望ましく、硬化方法は加熱し
たり、電離放射線の照射等手段は特に限定されない。イ
ソシアネート硬化剤としては、従来、種々のものが知ら
れているが、その中でも芳香族系イソシアネートのアダ
クト体を使用することが望ましく、タケネート(武田薬
品工業株式会社製)、バーノック(大日本インキ化学工
業株式会社製)、コロネート(日本ポリウレタン工業株
式会社製)、ジュラネート(旭化成工業株式会社製)、
ディスモデュール(バイエル社製)などの商品名で入手
し、本発明で使用することができる。ポリイソシアネー
トの添加量は、耐熱滑性層を構成するバインダー樹脂が
100重量部に対して、5〜200重量部の範囲が適当
である。−NCO/−OH比では0.6〜2.0の範囲
が好ましい。なお、ポリイソシアネートの添加量が少な
いと架橋密度が低くなり、耐熱性が不十分となる。一
方、ポリイソシアネートの添加量が多いと形成される塗
膜の収縮を制御できず、硬化時間の長期化、未反応−N
CO基が耐熱滑性層中に残存し、大気中の水分と反応し
てしまうなど不具合を生じることがある。
【0023】また、上記ポリイソシアネートの代わりに
あるいは併用して、耐熱滑性層に耐熱性や塗膜性および
基材との密着性を付与させる目的で不飽和結合を有する
モノマーやオリゴマーを併用することができる。不飽和
結合を有するモノマーやオリゴマーなどを架橋剤として
用いる場合、その硬化方法は電子線またはUV照射硬化
のどちらでもよいが、フィラー添加量が多い場合には電
子線照射による硬化が好ましい。不飽和結合を有するモ
ノマーやオリゴマーとして、テトラエチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、{(メタ)アクリレートとは
アクリレートとメタクリレートの双方を意味する。以下
同じ。}、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、な
どの2官能単量体、トリアリルイソシアヌレート、トリ
メチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、などの
3官能単量体、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)
アクリレート、トリメトキシエトキシビニルシランや5
官能以上の単量体およびこれらの単量体からなるオリゴ
マーやマクロマー等が挙げられる。
【0024】耐熱滑性層で使用する滑剤は、リン酸エス
テル系界面活性剤、ジメチルポリシロキサン、メチルフ
ェニルポリシロキサン、ポリエチレンワックス、モンタ
ンワックス、脂肪酸アミド、脂肪酸エステル、長鎖脂肪
族化合物、低分子量ポリプロピレン、酸化エチレンと酸
化プロピレンとのブロック共重合体、高級脂肪酸金属塩
類、ポリエーテル化合物との縮合物、パーフルオロアル
キルエチレンオキシド付加物、アルキルリン酸エステル
の多価金属塩、長鎖アルキルスルホン酸金属塩、ソルビ
タン酸エステル系、高級アルコールおよび/または高級
アミンとイソシアネート類との反応物等の非イオン性界
面活性剤等が挙げられる。滑剤の添加量はバインダー樹
脂100重量部に対して、1〜100重量部であり、望
ましくは2〜50重量部である。
【0025】滑剤の添加量が少ない場合、サーマルヘッ
ドに対する熱離型性が十分に得られず、印画シワやヘッ
ドかす、スティッキングの原因となり、一方、添加量が
多い場合には熱転写シートを巻取りで保存する際、対応
する熱転写性色材層の染料が耐熱滑性層に移行したり、
逆に耐熱滑性層の滑剤が熱転写性色材層に移行するため
に、十分な熱離型性が得られず、印画シワやヘッドかす
等が生じたり、印画物の色再現性にまで影響を及ぼした
りする。なお、滑剤にリン酸エステル系界面活性剤を用
いる場合、特に酸性を有するものについては水酸化マグ
ネシウムや酸化マグネシウム等の無機系中和剤やトリエ
タノールアミン等の有機系中和剤を併用することが望ま
しい。
【0026】また、耐熱滑性層に無機フィラー及び/ま
たは有機フィラーを添加することができる。フィラーは
滑性および離型性に優れ、サーマルヘッド走行性が良好
であり、スティッキングやシワ、破損が発生せず、サー
マルヘッドの磨耗が少ない良好な耐熱滑性層を与えるの
に必要十分なものであることが望ましい。そのため、適
度な硬度を有するフィラーを選択する必要がある。例え
ば、無機フィラーとしては、タルク、カオリン、クレ
ー、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネ
シウム、酸化マグネシウム、沈降性硫酸バリウム、ハイ
ドロタルサイト、シリカ等があげられるが、好ましくは
タルク、カオリン、クレー等のへきかい性を有し、適度
な硬度をもつものがよい。有機フィラーとしては、アク
リル樹脂フィラー、シリコーン樹脂フィラー、フッ素系
フィラー、ベンゾグアナミン樹脂フィラー等が挙げられ
る。また、無機/無機、無機/有機、有機/有機の複合
微粒子でも良い。なお、これらのフィラーの平均粒径
は、0.01〜10μm、好ましくは0.1〜5μm程
度であり、上記フィラーを含有することにより塗膜表面
を粗面化し、また、サーマルヘッドとの接点を少なくす
ることにより摩擦係数を低減し、滑性を付与することが
できる。さらに、塗膜表面の粗面化により巻き取り時の
シワの低減など加工適性を向上させることができる。
【0027】本発明の耐熱滑性層は、特にバインダー樹
脂がスチレン−アクリロニトリル共重合体を主成分と
し、滑剤にアルキルリン酸エステルの多価金属塩、粒径
が異なる少なくとも2種、または同種の耐熱粒子を含有
することが、基材シートと耐熱滑性層との間のプライマ
ー層へのサーマルヘッドからの熱ダメージによる印画シ
ワを防止できる点で好ましい。前記の滑剤のアルキルリ
ン酸エステルの多価金属塩は炭素数12以上のアルキル
基を有し、リチウムやアルカリ土類金属、又は亜鉛、ア
ルミニウムの金属塩であることが望ましい。前記の耐熱
粒子が有機フィラー及び/または無機フィラーであり、
耐熱滑性層の厚みをXとした場合、大粒子の粒径が0.
5X〜X、小粒子の粒径が大粒子の粒径の1/2以下で
あり、かつ大粒子/小粒子の比率が1/4〜4/1の重
量比にすることで、サーマルヘッドの走行性が良好で、
サーマルヘッドに滓が溜まったり、サーマルヘッドが磨
耗したりしない。
【0028】また、耐熱滑性層には必要に応じて各種添
加物を加えることが可能であり、帯電防止性を向上させ
るためには無機/有機の導電性フィラーを添加し、接着
性を向上させるためにはアミン系の触媒を添加したりす
ることができる。次に、耐熱滑性層を形成する方法とし
ては、上記の材料を塗工適性に合うように選択したアセ
トン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、トルエン、キ
シレン等の溶剤に溶解、あるいは分散させて塗工液を作
成し、この塗工液をグラビアコーター、ロールコータ
ー、ワイヤーバーなどの慣用の塗工手段で塗布、乾燥、
固化することによって形成される。その塗工量、すなわ
ち耐熱滑性層の厚さは、固形分基準で2.0μm未満が
良く、好ましくは0.1〜0.5μmの厚さで十分な性
能をもつ耐熱滑性層が形成できる。なお、ポリイソシア
ネート等の硬化剤と用いる場合、耐熱滑性層を塗布し、
乾燥後は未反応のイソシアネート基がその層中に残存し
ていることが多いので、反応を完結させるために加熱、
熟成処理を施すのが好ましい。
【0029】(熱転写性色材層)基材シートの他方の面
に形成する熱転写性色材層は、昇華型の熱転写シートで
ある場合には昇華性染料を含む層を形成し、熱溶融型の
熱転写シートである場合には顔料などで着色した熱溶融
性インキで層を形成する。以下、昇華型の熱転写シート
を代表例として詳述するが、本発明は昇華型の熱転写シ
ートのみに限定されるものではない。昇華型の熱転写性
色材層に用いられる染料としては、従来、公知の熱転写
シートに使用されている染料は、いずれも本発明に使用
可能であり、特に限定されない。これらの染料としては
ジアリールメタン系、トリアリールメタン系、チアゾー
ル系、メロシアニン等のメチン系、インドアニリン系、
アセトフェノンアゾメチン,ピラゾロアゾメチン,イミ
ダゾルアゾメチン,ピリドンアゾメチン等のアゾメチン
系、キサンテン系、オキサジン系、ジシアノスチレン,
トリシアノスチレンに代表されるシアノメチレン系、チ
アジン系、アジン系、アクリジン系、ベンゼンアゾ系、
そしてピリドンアゾ,チオフェンアゾ,イソチアゾール
アゾ,ピロールアゾ,ピラゾールアゾ,イミダゾールア
ゾ,チアジアゾールアゾ,トリアゾールアゾ,ジスアゾ
等のアゾ系、スピロピラン系、インドリノスピロピラン
系、フルオラン系、ローダミンラクタム系、ナフトキノ
ン系、アントラキノン系、キノフタロン系等があげられ
る。具体的には次のような染料が用いられる。
【0030】C.I.(Color Index)ディ
スパースイエロー51,3,54,79,60,23,
7,141,201,231 C.I.ディスパースブルー24,56,14,30
1,334,165,19,72,87,287,15
4,26,354 C.I.ディスパースレッド135,146,59,
1,73,60,167C.I.ディスパースオレンジ
149 C.I.ディスパースバイオレット4,13,26,3
6,56,31 C.I.ソルベントイエロー56,14,16,29 C.I.ソルベントブルー70,35,63,36,5
0,49,111,105,97,11 C.I.ソルベントレッド135,81,18,25,
19,23,24,143,146,182 C.I.ソルベントバイオレット13 C.I.ソルベントブラック3 C.I.ソルベントグリーン3 例えばイエロー染料としてフォロンブリリアントイエロ
ーS−6GL(サンド社製、ディスパースイエロー23
1)、マクロレックスイエロー6G(バイエル社製、デ
ィスパースイエロー201)、マゼンタ染料としてMS
−RED−G(三井東圧化学株式会社製、ディスパース
レッド60)、マクロレックスレッドバイオレットR
(バイエル社製、ディスパースバイオレット26)、シ
アン染料はカヤセットブルー714(日本化薬株式会社
製、ソルベントブルー63)、フォロンブリリアントブ
ルーS−R(サンド社製、ディスパースブルー35
4)、ワクソリンブルーAP−FW(ICI社製、ソル
ベントブルー36)等があげられる。
【0031】次に、上記の染料を担持するためのバイン
ダー樹脂としては、エチルセルロース、ヒドロキシエチ
ルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチル
セルロース,酢酸セルロース、酢酸・酪酸セルロース等
のセルロース樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコ
ール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセトアセタ
ール、ポリビニルピロリドン等のビニル系樹脂、ポリ
(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリルアミド等
のアクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系
樹脂、ポリエステル系樹脂等があげられるが、これらの
中ではセルロース系、ポリウレタン系、ビニル系、アク
リル系およびポリエステル系の樹脂が耐熱性、染料移行
性などの点で好ましく用いられる。
【0032】染料層は前記基材シートの一方の面に、こ
れらの染料及びバインダー樹脂、必要に応じて添加剤
(例えば、離型剤など)やフィラー等を加えて、トルエ
ン、メチルエチルケトン、エタノール、イソプロピルア
ルコール、シクロヘキサノン、DMF等の適当な有機溶
剤に溶解したり、あるいは有機溶剤や水等に分散させ
て、例えば、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、リバ
ースロールコーティング印刷法等の手段により塗工およ
び乾燥して塗膜を形成することができる。このようにし
て形成する染料層は、0.2〜5.0μm好ましくは
0.4〜2.0μm程度の厚さであり、また染料層中の
昇華性染料は、染料層の重量の5〜90重量%好ましく
は10〜70重量%の量で存在するのがよい。希望する
熱転写性色材層の画像がモノカラーである場合は、前記
染料の中から1種を選んで形成し、またフルカラー画像
である場合には適当なイエロー、マゼンタ、およびシア
ン(必要に応じて、ブラックも追加する)を選んで形成
する。
【0033】以上の如き熱転写シートを用いて画像を形
成するために使用する被転写材は熱溶融型の熱転写シー
トの場合、被転写材は特に限定されず、普通紙やプラス
チックフィルムであってもよい。昇華型の熱転写シート
の場合、その記録面が前記の染料に対して染料受容性を
有するものであればいかなるものでもよく、また、染料
受容性を有しない紙、金属、ガラス、合成樹脂である場
合には少なくともその一方の面に染料受容層を形成して
おけばよい。上記の熱転写シートおよび上記の被転写材
を使用して熱転写を行う際に使用するプリンターとして
は、公知の熱転写プリンターがそのまま使用可能であ
り、特に限定されない。
【0034】
【実施例】実施例および比較例をあげて、本発明をさら
に具体的に説明する。なお、文中に記す、部または%は
特に断りのない限り重量基準である。 (実施例1)基材として4.0μmのPEN(ポリエテ
レンナフタレート)フィルムに下記のプライマー層用組
成液Aを乾燥時0.1g/m2 の塗布量になるように塗
布及び乾燥し、その上に下記の耐熱滑性層用組成液Aを
乾燥時0.3g/m2 の塗布量になるように塗布及び乾
燥し、耐熱滑性層を形成した。その裏面には下記の熱転
写性色材層用インキAを乾燥時約0.8g/m2 の塗布
量になるように塗布および乾燥して熱転写性色材層を形
成することにより、実施例1の熱転写シートを作製し
た。
【0035】プライマー層用組成液A スルホン化ポリアニリン(日東化学工業(株)製) 0.25部 ポリエステル樹脂エマルジョン 4.75部 (KZA5034、ユニチカ(株)製) 水 44.8部 イソプロピルアルコール 50.0部
【0036】耐熱滑性層用組成液A スチレン−アクリロニトリル共重合体 6部 (セビアンAD、ダイセル化学工業(株)製) 線状飽和ポリエステル樹脂 0.3部 (エリエーテルUE3200、ユニチカ(株)製) ステアリルリン酸亜鉛(LBT1830、境化学(株)製) 3.0部 尿素樹脂架橋粉末 3.0部 (有機フィラー;粒径0.14μm、日本化成(株)製) メラミン樹脂架橋粉末 1.5部 (無機フィラー;エポスターS、粒径0.30μm、日本触媒化学(株)製) 溶剤(メチルエチルケトン/トルエン、重量比1/1) 86.0部
【0037】熱転写性色材層用インキA C.I.ソルベントブルー22 5.5部 ポリビニルアセトアセタール樹脂 3.0部 (エスレックKS−5,積水化学工業(株)製) メチルエチルケトン 22.5部 トルエン 68.2部
【0038】(実施例2)実施例1のプライマー層用組
成液Aに代えて、下記のプライマー層用組成液Bを用い
た以外は、実施例1と同様にして実施例2の熱転写シー
トを作製した。プライマー層用組成液B スルホン化ポリアニリン(日東化学工業(株)製) 0.25部 ポリエステル樹脂エマルジョン 4.75部 (PE40、フタバファインケミカル(株)製) 水 44.8部 イソプロピルアルコール 50.0部
【0039】(実施例3)実施例1のプライマー層用組
成液Aに代えて、下記のプライマー層用組成液Cを用い
た以外は、実施例1と同様にして実施例3の熱転写シー
トを作製した。プライマー層用組成液C スルホン化ポリアニリン(日東化学工業(株)製) 0.25部 ポリエステル樹脂エマルジョン 4.75部 (KZA5034、ユニチカ(株)製) 水性アクリル樹脂 0.50部 (ウォターゾール S−744−OH、大日本インキ化学(株)製) メラミン型硬化剤 0.10部 (ウォターゾール S695、大日本インキ化学(株)製) 水 44.8部 イソプロピルアルコール 50.0部
【0040】(実施例4)実施例1のプライマー層用組
成液Aに代えて、下記のプライマー層用組成液Dを用い
た以外は、実施例1と同様にして実施例4の熱転写シー
トを作製した。プライマー層用組成液D スルホン化ポリアニリン(日東化学工業(株)製) 0.25部 アクリル変成ポリエステル水分散体 4.75部 (TAD3000、東洋紡績(株)製) 水 44.8部 イソプロピルアルコール 50.0部
【0041】(実施例5)実施例1のプライマー層用組
成液Aに代えて、下記のプライマー層用組成液Eを用い
た以外は、実施例1と同様にして実施例5の熱転写シー
トを作製した。プライマー層用組成液E スルホン化ポリアニリン(日東化学工業(株)製) 0.25部 ウレタン変成ポリエステルエマルジョン 4.75部 (KZA5034、ユニチカ(株)製) ブロックイソシアネート 0.80部 (デュラネート WB40−100、旭化成工業(株)製) 水 44.8部 イソプロピルアルコール 50.0部
【0042】(実施例6)実施例1の耐熱滑性層用組成
液Aに代えて、下記の耐熱滑性層用組成液Bを用いた以
外は、実施例1と同様にして実施例6の熱転写シートを
作製した。耐熱滑性層用組成液B スチレン−アクリロニトリル共重合体 6部 (セビアンLD、ダイセル化学工業(株)製) 線状飽和ポリエステル樹脂 0.3部 (バイロン200、東洋紡績(株)製) ステアリルリン酸アルミニウム(SA1000、境化学(株)製) 4.5部 ポリエチレンワックス(マークFEE113、アデカアーガス製) 1.0部 フルオロカーボン 1.5部 (モールドヴィッツF57、アクセルプラスチック製) 溶剤(メチルエチルケトン/トルエン、重量比1/1) 87.0部
【0043】(実施例7)実施例1の耐熱滑性層用組成
液Aに代えて、下記の耐熱滑性層用組成液Cを用いた以
外は、実施例1と同様にして実施例7の熱転写シートを
作製した。耐熱滑性層用組成液C スチレン−アクリロニトリル共重合体 6部 (セビアンNA、ダイセル化学工業(株)製) 非晶質線状飽和ポリエステル樹脂 0.2部 (ポリエスターTP220、日本合成化学(株)製) ステアリルリン酸カルシウム(SC100、境化学(株)製) 4.5部 メラミン樹脂架橋粉末 1.5部 (無機フィラー;エポスターS、粒径0.30μm、アデカアーガス製) アクリル樹脂架橋粉末 3.0部 (有機フィラー;GL300、粒径0.10μm、綜研化学(株)製) 溶剤(メチルエチルケトン/トルエン、重量比1/1) 85.0部
【0044】(比較例1)実施例1のプライマー層用組
成液Aに代えて、下記のプライマー層用組成液Fを用い
た以外は、実施例1と同様にして比較例1の熱転写シー
トを作製した。プライマー層用組成液F スルホン化ポリアニリン(日東化学工業(株)製) 0.25部 水性ポリエステル樹脂 4.75部 (ポリエスター WR−961、日本合成化学工業株式会社製) 水 44.8部 イソプロピルアルコール 50.0部
【0045】(比較例2)比較例1の使用基材シート厚
さ4.0μmのPENフィルムに代えて、厚さ4.5μ
mのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムを
用いた以外は、比較例1と同様にして比較例2の熱転写
シートを作製した。
【0046】(評価方法)粘弾性特性 Rheometrics社製粘弾性測定器RHIOSを
使用して、測定径が15mmのディスポーザブルパラレ
ルプレートにサンプルをはさみ、測定温度域30〜15
0℃、昇温速度2.0℃/min、Frequency
1Hz、Strain0.1%の条件下で粘弾性を測
定した。120℃における弾性G’(Pa)、粘性G”
(Pa)の値を評価結果に示す。
【0047】サーマルヘッド走行性 上記の熱転写シートの熱転写色材層と従来より使用され
ている受像シートの受像面とを重ね、サーマルヘッドと
プラテンロールとの間にはさみ、走行させながら印画
(サーマルヘッドに通電)したときの熱転写シートのシ
ワの有無を目視にて調べた。 評価基準は以下の通りである。 ○:熱転写シートにシワがない。 ×:熱転写シートにシワが認められる。
【0048】さらに、上記の印画条件で印画後の耐熱滑
性層側の表面を評価し、熱によってプライマー層が擦れ
取られていないか、どうかを目視にて調べた。評価基準
は以下の通りである。 ○:プライマー層が擦れ取られていない。 ×:プライマー層が擦れ取られている。
【0049】(評価結果)上記の実施例及び比較例の評
価結果を表1に示す。
【0050】
【表1】
【0051】
【発明の効果】以上のように、本発明の熱転写シート
は、基材シートの一方の面に熱転写性色材層を形成し、
他方の面にはプライマー層を介して耐熱滑性層を形成し
た構成で、該プライマー層が帯電防止剤としてスルホン
化ポリアニリン、プライマー成分として120℃におけ
る弾性G’が103 Pa以上、粘性G”が104 Pa以
上の樹脂を含有することによって、120℃の加熱温度
におけるプライマー樹脂成分の弾性及び粘性を上記の範
囲にして、高温下の粘弾性を高く維持させることで、プ
ライマー層に印画時の熱ダメージが生じて、印画シワが
生じる点を防止できた。
【0052】また、印刷時に、後加熱無しで耐熱滑性層
を形成できるので、耐熱滑性層から染料印刷まで、1工
程で製造することができる。プライマー層に耐熱性を付
与させることができたので、耐熱滑性層を薄くしても熱
負け(サーマルヘッドによる擦れで層が取られること)
のしない熱転写シートが得られる。従来のポリエチレン
テレフタレートフィルムより熱特性の良好なポリエチレ
ンナフタレートフィルムを使用して、基材シートの厚さ
を薄くして、プライマー層と耐熱滑性層を形成し、熱転
写シート全体の薄膜化が可能となる。以上より、従来の
熱転写シートよりも薄い熱転写シートが得られるため、
従来よりも低エネルギーで濃度の高い画像が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 広井 順一 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 Fターム(参考) 2C068 AA06 AA08 BB08 BB22 2H111 AA33 BA08 BA35 BA38 BA53

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材シートの一方の面に熱転写性色材層
    を形成し、他方の面にはプライマー層を介して耐熱滑性
    層が形成されてなる熱転写シートにおいて、該プライマ
    ー層が帯電防止剤としてスルホン化ポリアニリン、プラ
    イマー成分として120℃における弾性G’が103
    a以上、粘性G”が104 Pa以上の樹脂を含有するこ
    とを特徴とする熱転写シート。
  2. 【請求項2】 前記のプライマー成分の樹脂が、水分散
    性または水溶性ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリ
    ウレタン樹脂の少なくとも一つであることを特徴とする
    上記の請求項1に記載する熱転写シート。
  3. 【請求項3】 前記の水分散性または水溶性ポリエステ
    ル樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂は、単体また
    は共重合体であり、水分散性または水溶性イソシアネー
    ト、水分散性または水溶性メラミン硬化剤、水分散性ま
    たは水溶性金属キレート化合物、水分散性または水溶性
    尿素樹脂系硬化剤等で硬化されることを特徴とする上記
    の請求項2に記載する熱転写シート。
  4. 【請求項4】 前記のプライマー層の厚みが0.02〜
    1.5μmであることを特徴とする上記の請求項1〜3
    のいずれかに記載する熱転写シート。
  5. 【請求項5】 前記の耐熱滑性層において、バインダー
    樹脂がスチレン−アクリロニトリル共重合体を主成分と
    し、滑剤にアルキルリン酸エステルの多価金属塩、粒径
    が異なる少なくとも2種、または同種の耐熱粒子を含有
    することを特徴とする上記の請求項1〜4のいずれかに
    記載する熱転写シート。
  6. 【請求項6】 前記の滑剤のアルキルリン酸エステルの
    多価金属塩が炭素数12以上のアルキル基を有し、リチ
    ウムやアルカリ土類金属、又は亜鉛、アルミニウムの金
    属塩であることを特徴とする上記の請求項5に記載する
    熱転写シート。
  7. 【請求項7】 前記耐熱粒子が有機フィラー及び/また
    は無機フィラーであり、耐熱滑性層の厚みをXとした場
    合、大粒子の粒径が0.5X〜X、小粒子の粒径が大粒
    子の粒径の1/2以下であり、かつ大粒子/小粒子の比
    率が1/4〜4/1の重量比であることを特徴とする上
    記の請求項5に記載する熱転写シート。
  8. 【請求項8】 前記の耐熱滑性層の厚みが0.1〜0.
    5μmであることを特徴とする上記の請求項1〜7のい
    ずれかに記載する熱転写シート。
  9. 【請求項9】 基材シートがポリエチレンナフタレー
    ト、ポリエチレンテレフタレートまたはそれらの混合物
    からなる二軸延伸ポリエステルフィルムであり、かつ相
    対的な厚みムラが、MD方向及びTD方向に±5%以内
    であることを特徴とする上記の請求項1〜5のいずれか
    に記載する熱転写シート
  10. 【請求項10】 前記の基材シートに易接着処理が施さ
    れていることを特徴とする上記の請求項1〜5のいずれ
    かに記載する熱転写シート。
JP11175014A 1999-06-22 1999-06-22 熱転写シート Pending JP2001001653A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11175014A JP2001001653A (ja) 1999-06-22 1999-06-22 熱転写シート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11175014A JP2001001653A (ja) 1999-06-22 1999-06-22 熱転写シート

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001001653A true JP2001001653A (ja) 2001-01-09

Family

ID=15988717

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11175014A Pending JP2001001653A (ja) 1999-06-22 1999-06-22 熱転写シート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001001653A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1666526A1 (en) * 2003-07-24 2006-06-07 Nitto Denko Corporation Inorganic powder-containing resin composition, film-forming material layer, transfer sheet, method for producing substrate with dielectric layer, and substrate with dielectric layer
WO2006106958A1 (ja) * 2005-03-31 2006-10-12 Dai Nippon Printing Co., Ltd. 熱転写シート
JP2010194881A (ja) * 2009-02-25 2010-09-09 Dainippon Printing Co Ltd 熱転写シート
JP2010253837A (ja) * 2009-04-27 2010-11-11 Dainippon Printing Co Ltd 熱転写シート
JP2011016332A (ja) * 2009-07-10 2011-01-27 Dainippon Printing Co Ltd 熱転写シート
WO2012017564A1 (ja) 2010-08-06 2012-02-09 大日本印刷株式会社 熱転写シート
CN115503368A (zh) * 2022-10-12 2022-12-23 湖南鼎一致远科技发展有限公司 一种耐高温高湿的热转印碳带及其制备方法

Cited By (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1666526A1 (en) * 2003-07-24 2006-06-07 Nitto Denko Corporation Inorganic powder-containing resin composition, film-forming material layer, transfer sheet, method for producing substrate with dielectric layer, and substrate with dielectric layer
EP1666526A4 (en) * 2003-07-24 2006-12-06 Nitto Denko Corp RESIN COMPOSITION CONTAINING INORGANIC POWDER, FILM FORMING MATERIAL LAYER, TRANSFER SHEET, PROCESS FOR PRODUCING SUBSTRATE HAVING DIELECTRIC LAYER, AND SUBSTRATE HAVING DIELECTRIC LAYER
US7585907B2 (en) 2003-07-24 2009-09-08 Nitto Denko Corporation Inorganic powder-containing resin composition, a film-forming material layer, a transfer sheet, method of producing a substrate having a dielectric layer formed thereon, and a substrate having a dielectric layer formed thereon
WO2006106958A1 (ja) * 2005-03-31 2006-10-12 Dai Nippon Printing Co., Ltd. 熱転写シート
US8187999B2 (en) 2005-03-31 2012-05-29 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Thermal transfer sheet
JP2010194881A (ja) * 2009-02-25 2010-09-09 Dainippon Printing Co Ltd 熱転写シート
JP2010253837A (ja) * 2009-04-27 2010-11-11 Dainippon Printing Co Ltd 熱転写シート
JP2011016332A (ja) * 2009-07-10 2011-01-27 Dainippon Printing Co Ltd 熱転写シート
JP2012035506A (ja) * 2010-08-06 2012-02-23 Dainippon Printing Co Ltd 熱転写シート
WO2012017564A1 (ja) 2010-08-06 2012-02-09 大日本印刷株式会社 熱転写シート
CN103068581A (zh) * 2010-08-06 2013-04-24 大日本印刷株式会社 热转印片
KR20130124154A (ko) 2010-08-06 2013-11-13 다이니폰 인사츠 가부시키가이샤 열전사 시트
US8717397B2 (en) 2010-08-06 2014-05-06 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Thermal transfer sheet
CN103068581B (zh) * 2010-08-06 2014-06-18 大日本印刷株式会社 热转印片
KR101691687B1 (ko) * 2010-08-06 2016-12-30 다이니폰 인사츠 가부시키가이샤 열전사 시트
CN115503368A (zh) * 2022-10-12 2022-12-23 湖南鼎一致远科技发展有限公司 一种耐高温高湿的热转印碳带及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5641405B2 (ja) 熱転写シート
JP2012006342A (ja) 熱転写シート
JP5874188B2 (ja) 画像形成方法
JP2004284113A (ja) 熱転写シート
US10189291B2 (en) Method for producing support for thermal transfer image-receiving sheet and method for producing thermal transfer image-receiving sheet
JP2001001653A (ja) 熱転写シート
JPH07149062A (ja) 熱転写シート
JP2000272254A (ja) 熱転写シート
US6008157A (en) Thermal transfer sheet
JP5471098B2 (ja) 熱転写シート
JP5288174B2 (ja) 熱転写シート
US5714434A (en) Thermal transfer sheet
JP3431312B2 (ja) 熱転写シート
JPH0890942A (ja) 熱転写シート
JPH08108642A (ja) 熱転写シート
JP6083161B2 (ja) 熱転写記録材料
JP3813309B2 (ja) 熱転写シート
JP2000108525A (ja) 受像シート及び画像形成方法
JPH10193811A (ja) 熱転写シート及びその製造方法
JPH1071773A (ja) 熱転写シート
JP5359365B2 (ja) 熱転写シート
JP3553230B2 (ja) 熱転写シート
JPH08300842A (ja) 熱転写シート
JP3868587B2 (ja) 熱転写シート及びその製造方法
JP5471122B2 (ja) 熱転写シート

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040106

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060215

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060322

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060829