JP5471122B2 - 熱転写シート - Google Patents

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Description

本発明は、熱転写シートに関し、更に詳しくは高速印画適性に優れる熱転写シートに関する。
熱転写を利用した画像形成における熱転写シートとしては、ポリエステルフィルム等の基材シートの一方の面に昇華性染料を含有する熱昇華性色材層を設けた昇華型熱転写シートや、該熱昇華性色材層の代わりに着色剤を含む熱溶融組成物からなる溶融転写性色材層を設けた熱溶融型熱転写シートが知られている。これらの熱転写シートでは、基材シートとサーマルヘッドとの間の融着を防止するため、基材シートの色材層とは反対の面に耐熱滑性層を設けることが一般的に行われている。
ところが、近年のプリンターの高速化に伴い、サーマルヘッドより発せられる熱エネルギーが益々増加する傾向にあり、耐熱滑性層とサーマルヘッドとの融着によるスティッキングや印画シワ、リボン破断等の問題が生じてきた。このような問題を解決するために、耐熱滑性層を構成する材料を耐熱性や滑性という観点から改良する試みが種々、なされている。
例えば、特許文献1には、水酸基含有熱可塑性樹脂とポリイソシアネートとの反応生成物からなる耐熱性微粒子とバインダーとからなる耐熱滑性層を有する熱転写シートが開示されている。これによれば、水酸基含有熱可塑性樹脂とポリイソシアネートとの反応生成物により耐熱性が得られ、バインダーにより滑性が得られるので、サーマルヘッドの走行性が良好となり、熱転写シートにおけるシワを防止することができる。
しかしながら、上記特許文献1に記載された熱転写シートでは、近年のプリンターの高速化に伴うサーマルヘッドの熱エネルギーの増加に充分耐え得るとはいい難く、より耐熱性に優れる熱転写シートが所望されていた。
特開平6−135166号公報
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、熱転写シートを構成する耐熱滑性層に弾性や可撓性をもたせることで、高い熱エネルギーが加えられても破断が生じ難い、高速印画適性に優れた熱転写シートを提供することにある。
本発明者は、以上のような課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、耐熱滑性層の材料として、ポリオール樹脂と架橋剤であるヘキサメチレンジイソシアネートとを選択することにより、可撓性を有する耐熱滑性層を形成することができた。そして、該耐熱滑性層を備える熱転写シートは、高速印画時に高い熱エネルギーが加えられても、破断等が生じ難いことを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明では以下のようなものを提供する。
(1)基材シートと、該基材シートの一方の面に形成された熱転写性色材層と、該基材シートの他方の面に形成された耐熱滑性層とからなる熱転写シートであって、該耐熱滑性層が、ポリオール樹脂と架橋剤とを含有し、該架橋剤が、ヘキサメチレンジイソシアネートである熱転写シート。
(2)該ポリオール樹脂が、ポリビニルアセタール系樹脂又はセルロース系樹脂である(1)に記載の熱転写シート。
(3)該耐熱滑性層と該基材シートとの間に背面プライマー層が設けられている(1)又は(2)に記載の熱転写シート。
従来、使用されていた芳香族系のイソシアネートであるトルエンジイソシアネートやイシホロンジイソシアネートによりポリオール樹脂を架橋させると、硬くて脆い耐熱滑性層が形成される。本発明によれば、ヘキサメチレンジイソシアネートを使用してポリオール樹脂を架橋するので、弾性があって柔らかい耐熱滑性層を形成することができる。すなわち、本発明では、耐熱滑性層に可撓性を付与することにより、高速印画時の破断を防止することができる。
熱転写シートの破断評価部位を示す図である。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明の熱転写シートは、基材シートと、該基材シートの一方の面に形成された熱転写性色材層と、該基材シートの他方の面に形成された耐熱滑性層とからなる熱転写シートであって、該耐熱滑性層が、ポリオール樹脂と架橋剤とを含有し、該架橋剤が、ヘキサメチレンジイソシアネートであることを特徴とする。
本発明では、サーマルヘッドの熱を直接受ける耐熱滑性層に可撓性、弾性、強度、耐熱性等を付与するために、耐熱滑性層の材料として、ポリオール樹脂と、架橋剤であるヘキサメチレンジイソシアネートとを選択する。
[基材シート]
本発明の熱転写シートを構成する基材シートの材料は、従来公知のものを使用することができ、また、それ以外のものであっても、ある程度の耐熱性と強度とを有していれば使用することができる。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリイミド、ナイロン、酢酸セルロース、アイオノマー等の樹脂フィルム、コンデンサー紙、パラフィン紙等の紙類、不織布等が挙げられる。これらを単独で使用してもよいし、これらを任意に組み合わせた積層体を使用してもよい。これらの中でも、薄膜化可能で安価な汎用性プラスチックであるポリエチレンテレフタレートが好ましい。
基材シートの厚さは、強度、耐熱性等を適切になるように材料に応じて適宜選択することができるが、通常は0.5〜50μm程度であり、好ましくは1〜20μm、より好ましくは1〜10μm、更により好ましくは1.5〜10μmである。
基材シートは、隣接する層との接着性を向上させるため、表面処理が施されていてもよい。上記表面処理としては、コロナ放電処理、火炎処理、オゾン処理、紫外線処理、放射線処理、粗面化処理、化学薬品処理、プラズマ処理、グラフト化処理等、公知の樹脂表面改質技術を適用することができる。上記表面処理は、1種のみ施されてもよいし、2種以上施されてもよい。本発明では、上記表面処理の中でも製造適正に優れ、且つコストが低い点で、コロナ処理又はプラズマ処理が好ましい。
[熱転写性色材層]
本発明の熱転写シートでは、上記基材シートの一方の面に熱転写性色材層を形成する。本発明の熱転写シートが昇華型熱転写シートの場合には、昇華性の染料を含有する層を形成し、熱溶融型熱転写シートの場合には、着色剤を含む熱溶融組成物からなる熱溶融性のインクを含有する層を形成する。なお、本発明の熱転写シートでは、昇華性の染料を含有する層領域と、着色剤を含む熱溶融組成物からなる熱溶融性のインクを含有する層領域と、を連続した1枚の基材シート上に面順次に設けてもよい。以下、昇華型熱転写シートの場合を代表例として説明するが、本発明は、昇華型熱転写シートのみに限定されるものではない。
熱転写性色材層の材料は、従来公知の染料を使用することができるが、印画材料として良好な特性を有するもの、例えば、十分な着色濃度を有し、光、熱、温度等により変退色しないものが好ましく、ジアリールメタン系染料、トリアリールメタン系染料、チアゾール系染料、メロシアニン染料、ピラゾロン染料、メチン系染料、インドアニリン系染料、アセトフェノンアゾメチン、ピラゾロアゾメチン、イミダゾルアゾメチン、イミダゾアゾメチン、ピリドンアゾメチン等のアゾメチン系染料、キサンテン系染料、オキサジン系染料、ジシアノスチレン、トリシアノスチレン等のシアノスチレン系染料、チアジン系染料、アジン系染料、アクリジン系染料、ベンゼンアゾ系染料、ピリドンアゾ、チオフェンアゾ、イソチアゾールアゾ、ピロールアゾ、ピラゾールアゾ、イミダゾールアゾ、チアジアゾールアゾ、トリアゾールアゾ、ジスアゾ等のアゾ系染料、スピロピラン系染料、インドリノスピロピラン系染料、フルオラン系染料、ローダミンラクタム系染料、ナフトキノン系染料、アントラキノン系染料、キノフタロン系染料等が挙げられる。具体的には、MS
Red G(三井東圧化学社製)、Macrolex Red Violet R(バイエル社製)、CeresRed 7B(バイエル社製)、Samaron Red F3BS(三菱化学社製)等の赤色染料、ホロンブリリアントイエロー6GL(クラリアント社製)、PTY−52(三菱化成社製)、マクロレックスイエロー6G(バイエル社製)等の黄色染料、カヤセットブルー714(日本化薬社製)、ワクソリンブルーAP−FW(ICI社製)、ホロンブリリアントブルーS−R(サンド社製)、MSブルー100(三井東圧化学社製)、C.I.ソルベントブルー22等の青色染料が挙げられる。
上記染料を担持するためのバインダー樹脂としては、例えば、エチルセルロース樹脂、ヒドロキシエチルセルロース樹脂、エチルヒドロキシセルロース樹脂、メチルセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂等のセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルピロリドン等のビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリルアミド等のアクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂等が挙げられる。これらの中でも、セルロース系、ビニル系、アクリル系、ポリウレタン系、ポリエステル系等の樹脂が、耐熱性、染料の移行性等の点において好ましい。
熱転写性色材層の形成方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。上記染料及びバインダー樹脂に、必要に応じて離型剤、フィラー等の添加物を加え、トルエン、メチルエチルケトン、エタノール、イソプロピルアルコール、シクロヘキサン、ジメチルホルムアミド等の適当な有機溶剤に溶解させ、或いは、水に分散させ、得られた熱転写性色材層用塗工液(溶解液又は分散液)を、例えば、グラビア印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法、ロールコーター、バーコーター等の形成手段により、基材シートの一方の面に塗布し、乾燥させることにより形成することができる。染料の配合量は、熱転写性色材層の全固形分に対して、5〜90質量%であることが好ましく、より好ましくは5〜70質量%であり、更により好ましくは10〜70質量%である。また、塗布量は、乾燥後の固形分で0.2〜6.0g/mであることが好ましく、より好ましくは0.2〜3.0g/mである。染料の配合量と塗布量とが、上記範囲であれば、良好な印画濃度と保存性とを得ることができる。
[保護層]
本発明の熱転写シートは、熱転写性色材層と同一面側に面順次で保護層を設けてもよい。熱転写受像シートに色材を転写した後、この保護層を転写して画像を被覆することにより、画像を光、ガス、液体、擦過等から保護することができる。
[耐熱滑性層]
基材シートの熱転写性色材層とは反対の面に形成される耐熱滑性層は、ポリオール樹脂及び架橋剤を含有し、該架橋剤がヘキサメチレンジイソシアネートであることを特徴とする。ここで、耐熱滑性層とは、基材シートとサーマルヘッドとの間の融着により、サーマルヘッドのスムーズな走行性が妨げられることを防止するために、基材シートの熱転写性色材層とは反対側(サーマルヘッドと接触する側)に設けられる層をいう。耐熱滑性層に含まれるポリオール樹脂は、特に限定されるものではなく、例えば、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリビニルアセトアセタール系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアクリレート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテル系樹脂、セルロース系樹脂が挙げられる。これらの中でも、酢酸プロピオン酸セルロース等のセルロース系樹脂、又はポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール系樹脂が、分子量と水酸基価とが高い点において好ましい。セルロース系樹脂としては、CAB553−0.4(イーストマンケミカル社製)、CAP482−0.5(イーストマンケミカル社製)等を、ポリビニルアセタール系樹脂としては、BX−1(積水化学社製)、BM−1(積水化学社製)等を好適に使用することができる。ポリオール樹脂の配合量は、耐熱滑性層の全固形分量に対して、30〜90質量%であることが好ましく、50〜80質量%であることがより好ましい。また、ポリオール樹脂の水酸基価は、5〜100KOHmg/gであることが好ましく、10〜80KOHmg/gであることがより好ましい。数平均分子量(サイズ排除クロマトグラフィーにより測定)は、1000〜200000であることが好ましく、10000〜100000であることがより好ましい。ポリオール樹脂の配合量、水酸基価、及び数平均分子量が、上記範囲であれば、材料としての取り扱いが容易であり、また、良好な強度と可撓性を有する塗膜を形成することができる。
耐熱滑性層に含まれる架橋剤は、ヘキサメチレンジイソシアネートである。ポリオール樹脂を芳香族系のイソシアネートであるトルエンジイソシアネートやイシホロンジイソシアネートで架橋させると、硬くて脆い耐熱滑性層が形成されるのに対して、ヘキサメチレンジイソシアネートで架橋させると弾性があって柔らかい層を形成することができる。耐熱滑性層がこのような可撓性を有するので、高速印画時の熱転写シートの破断を防止することができる。耐熱滑性層に含まれる架橋剤であるヘキサメチレンジイソシアネートとしては、例えば、TLA−100(旭化成ケミカルズ社製)、21S−75E(旭化成ケミカルズ社製)、等の商品名で市販されているものを好適に使用することができ、イソシアヌレート型であるか、アダクト型であるかは問わない。上記ヘキサメチレンジイソシアネートの配合量は、耐熱滑性層に含まれるバインダー樹脂の合計量100質量部に対して、5〜100質量部であることが好ましく、10〜50質量部であることがより好ましい。また、水酸基(−OH)に対するイソシアネート基(−NCO)の割合が、5〜30質量%であることが好ましく、10〜20質量部であることがより好ましい。ヘキサメチレンジイソシアネートの配合量及び水酸基(−OH)に対するイソシアネート基(−NCO)の割合が、上記範囲であれば、好適な架橋密度が得られ、適度な弾性と可撓性とを有する塗膜を形成することができる。また、過剰な架橋剤が生じないので、架橋剤同士の結合に由来するサーマルヘッドカスの発生や可撓性の低下を引き起こすおそれがない。
耐熱滑性層は、ポリオール樹脂と架橋剤との反応時間を短縮するために、硬化促進剤を含有してもよい。硬化促進剤としては、例えば、アミン触媒、スズ触媒が挙げられ、これらを単独又は組み合わせて使用することができる。上記硬化促進剤の配合量は、耐熱滑性層に含まれるバインダー樹脂の合計量100質量部に対して、0.1〜5質量部であることが好ましく、0.2〜1質量部であることがより好ましい。上記範囲であれば、目的とする架橋度を得るために必要な時間を短縮することできる。
耐熱滑性層には、サーマルヘッドの走行性を良好にするために、滑剤やフィラーを配合してもよい。滑剤やフィラーは、耐熱滑性層に滑り性を付与することができるので、滑剤やフィラーの配合は、熱転写シート自体の破断やシワ等の発生防止や、サーマルヘッドの磨耗抑制につながる。また、フィラーは、サーマルヘッドのクリーニング剤としての効果も発揮する。滑剤としては、従来公知の各種滑剤を使用することができる。例えば、リン酸エステル、アルキルリン酸エステルの多価金属塩、アルキルカルボン酸の金属塩等の金属石鹸、各種界面活性剤、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス等のワックス類等が挙げられ、これらを単独又は組み合わせて使用することができる。上記滑剤の配合量は、耐熱滑性層に含まれるバインダー樹脂の合計量100質量部に対して、1〜50質量部であることが好ましい。また、フィラーとしては、従来公知の各種フィラーを使用することができる。例えば、タルク、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、金属類の微粒子等の無機フィラー、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、テフロン(登録商標)、ウレタン樹脂、ポリエチレン樹脂等の有機フィラーが挙げられ、これらを単独又は組み合わせて使用することができる。上記フィラーの平均粒径は、3〜20μmの範囲であることが好ましく、配合量は、耐熱滑性層に含まれるバインダー樹脂の合計量100質量部に対して、1〜20質量部であることが好ましい。
耐熱滑性層の形成方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。上記ポリオール樹脂とヘキサメチレンジイソシアネートとに、必要に応じて、硬化促進剤、滑剤、フィラー等の添加剤を加え、トルエン、メチルエチルケトン、エタノール、イソプロピルアルコール、シクロヘキサン、ジメチルホルムアミド等の有機溶剤に溶解させ、或いは、水に分散させ、得られた耐熱滑性層用塗工液(溶解液又は分散液)を、例えば、グラビア印刷法、クラビア版を用いたリバースロールコーティング法、ロールコーター、バーコーター等の形成手段により、基材シート上に塗布し、乾燥、硬化させることにより形成することができる。耐熱滑性層の塗布量は、乾燥後の固形分で0.1〜4.0g/mであることが好ましく、0.2〜2.0g/mであることがより好ましい。上記範囲であれば、良好な可撓性を有する耐熱滑性層が得られる。
[プライマー層]
本発明の昇華型熱転写シートでは、耐熱滑性層と基材シートとの間に背面プライマー層を設けておくことが好ましい。ここで、プライマー層とは、耐熱滑性層と基材シートとの接着性を向上させたり、基材シートが受けるサーマルヘッドの熱によるダメージを更に軽減させたりするために、耐熱滑性層と基材シートとの間に形成させる層をいう。このようなプライマー層を設ける熱転写シートによれば、高速印画時に高い熱エネルギーが加えられても、破断等が生じ難く、高速印画適性に優れる。プライマー層を構成するバインダー樹脂としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、スチレンアクリレート樹脂、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロール等のセルロース系樹脂、ポリビニルアセトアセタールやポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール樹脂等が挙げられる。上記バインダー樹脂の配合量は、プライマー層の全固形分量に対して、10〜100質量%であることが好ましく、30〜90質量%であることがより好ましい。上記範囲であれば、材料としての取り扱いが容易であり、また、良好な可撓性、耐熱性、強度等を有するプライマー層を形成することができる。
上記プライマー層には、可撓性や耐熱性だけでなく、基材シートや耐熱滑性層に対する接着性を付与するために、架橋剤を配合してもよい。架橋剤としては、上記樹脂を架橋することができるものであれば、特に限定されるものではなく、例えば、イソシアネート、チタンキレート等が挙げられる。上記架橋剤の配合量は、プライマー層に含まれるバインダー樹脂の合計量100質量部に対して、2〜80質量部であることが好ましく、5〜50質量部であることがより好ましい。上記範囲であれば、好適な架橋密度が得られ、適度な粘弾性と可撓性とを有し、また、基材シートと耐熱滑性層との接着性も良好な塗膜を形成することができる。更に、過剰な架橋剤が生じないので、架橋剤同士の結合に由来するサーマルヘッドカスの発生や可撓性の低下を引き起こさない。
上記プライマー層には、熱転写シートに帯電防止性能を付与するために、帯電防止剤を配合してもよい。帯電防止剤として、従来公知の各種帯電防止剤を使用することができる。例えば、π電子共役系構造を有する導電性材料、脂肪酸エステル、硫酸エステル、リン酸エステル、アミド類、4級アンモニウム塩、ベタイン類、アミノ酸類、アクリル系樹脂、エチレンオキサイド付加物等が挙げられ、これらを単独又は組み合わせて使用することができる。
プライマー層の形成方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。上記バインダー樹脂に、その他必要に応じて、架橋剤、帯電防止剤等をイソプロピルアルコール、エチルアルコール、メチルアルコール等の有機溶剤に溶解させ、或いは、水に分散させ、得られた耐熱滑性層用塗工液(溶解液又は分散液)を、例えば、グラビア印刷法、クラビア版を用いたリバースロールコーティング法、ロールコーター、バーコーター等の形成手段により、基材シート上に塗布し、乾燥、硬化させることにより形成することができる。プライマー層の塗布量は、乾燥後の固形分で0.01〜0.5g/mであることが好ましい。上記範囲であれば、良好な可撓性、耐熱性、強度、接着性を有するプライマー層が得られる。0.01g/m未満であると、形成するプライマー層と基材シートとの接着性が不十分となる。0.5g/mを超えると、形成するプライマーの層の厚みに比例してプライマー層の耐熱性が向上する訳ではないため、経済的に不利となるばかりか、サーマルヘッドから熱転写色材層への熱伝導性が低下し、印画濃度が低下するため好ましくない。
以下、実施例により、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの記載に何ら制限を受けるものではない。
<実施例1>
厚さ4.5μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの一方の面に、表1に示す組成のプライマー層用塗工液をグラビア印刷法により塗布(乾燥塗布量:0.05g/m)し、乾燥させてプライマー層を形成し、プライマー層の上に、表2に示す組成の耐熱滑性層用塗工液主剤Aに、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)イソシアヌレート(商品名:TLA−100,旭化成ケミカルズ社製,NCO:23.5質量%,固形分:100質量%)を3.4質量部配合した耐熱滑性層形成用塗工液を、グラビア印刷法により塗布(乾燥塗布量:1.0g/m)し、乾燥させて耐熱滑性層を形成した。また、基材シートの他方の面に、表3に示す組成の熱転写性色材層用塗工液をグラビア印刷法により塗布(乾燥塗布量:0.5g/m)し、乾燥させて熱転写性色材層を形成し、本発明の実施例1の昇華型熱転写シートを作製した。
Figure 0005471122
Figure 0005471122
Figure 0005471122
<実施例2>
表4に示す組成の耐熱滑性層用塗工液主剤Bに、HDIイソシアヌレート(商品名:TLA−100,旭化成ケミカルズ社製,NCO:23.5質量%,固形分:100質量%)を3質量部配合した耐熱滑性層形成用塗工液を用いる以外は、実施例1と同様の方法により耐熱滑性層を形成した。基材シートの他方の面に、実施例1と同様の方法により、熱転写性色材層を形成し、本発明の実施例2の昇華型熱転写シートを作製した。
Figure 0005471122
<実施例3>
表4に示す組成の耐熱滑性層用塗工液主剤Bに、HDIアダクト(商品名:21S−75E,旭化成ケミカルズ社製,NCO:15.5質量%,固形分:75質量%)を6質量部配合した耐熱滑性層形成用塗工液を用いる以外は、実施例1と同様の方法により耐熱滑性層を形成した。基材シートの他方の面に、実施例1と同様の方法により、熱転写性色材層を形成し、本発明の実施例3の昇華型熱転写シートを作製した。
<比較例1>
表2に示す組成の耐熱滑性層用塗工液主剤Aに、トルエンジイソシアネート(TDI)アダクト(商品名:バーノックD750,DIC社製,旭化成ケミカルズ社製,NCO:13.0質量%,固形分:45質量%)を13質量部配合した耐熱滑性層形成用塗工液を用いる以外は、実施例1と同様の方法により耐熱滑性層を形成した。基材シートの他方の面に、実施例1と同様の方法により、熱転写性色材層を形成し、本発明の比較例1の昇華型熱転写シートを作製した。
<比較例2>
表2に示す組成の耐熱滑性層用塗工液主剤Aに、イソホロンジイソシアネート(IPDI)ヌレート(NCO:12.0質量%,固形分:70質量%)を9.6質量部配合した耐熱滑性層形成用塗工液を用いる以外は、実施例1と同様の方法により耐熱滑性層を形成した。基材シートの他方の面に、実施例1と同様の方法により、熱転写性色材層を形成し、本発明の比較例2の昇華型熱転写シートを作製した。
<比較例3>
表4に示す組成の耐熱滑性層用塗工液主剤Bに、TDIアダクト(商品名:バーノックD750,DIC社製,旭化成ケミカルズ社製,NCO:13.0質量%,固形分:45質量%)を12質量部配合した耐熱滑性層形成用塗工液を用いる以外は、実施例1と同様の方法により耐熱滑性層を形成した。基材シートの他方の面に、実施例1と同様の方法により、熱転写性色材層を形成し、本発明の比較例3の昇華型熱転写シートを作製した。
<比較例4>
表4に示す組成の耐熱滑性層用塗工液主剤Bに、IPDIヌレート(NCO:12.0質量%,固形分:70質量%)を8.6質量部配合した耐熱滑性層形成用塗工液を用いる以外は、実施例1と同様の方法により耐熱滑性層を形成した。基材シートの他方の面に、実施例1と同様の方法により、熱転写性色材層を形成し、本発明の比較例4の昇華型熱転写シートを作製した。
[熱転写シートの耐熱性評価]
上記の各熱転写シートを、CW−01純正インクリボンのイエロー部、マゼンタ部及びシアン部に全て貼り込んだ熱転写シートと、CW−01純正印画紙(ポストカードサイズ)とを組み合わせて、印画装置に、シチズン社製のフォトプリンター(CW−01プリンター)を用い、階調値255/255(印加エネルギー最大:黒画像)の画像を印画し、印画後の熱転写シートの破断の有無(図1:H部分)を目視にて調べた。評価は以下の基準にて行った。評価結果を表5に示す。
<評価基準>
○:昇華型熱転写シートに切れや破断が見られない。
×:昇華型熱転写シートに切れや破断が見られる。
Figure 0005471122
ポリオール樹脂と架橋剤であるHDIとを材料に選択した耐熱滑性層を備える熱転写シート(実施例1〜3)は、破断も伸びも見られず、良好な耐熱性(可撓性)を示した。また、イソシアヌレート型(実施例1,2)とアダクト型(実施例3)との間に差は認められなかった。これに対して、架橋剤として、TDI(比較例1,3)やIPDI(比較例2,4)を使用した耐熱滑性層を備える熱転写シートは、いずれも切れや破断が見られ、耐熱性が劣る結果となった。
1 サーマルヘッド
2 熱転写シート
3 受像シート
H 破断評価部位
S 加熱部位

Claims (3)

  1. 基材シートと、
    前記基材シートの一方の面に形成された熱転写性色材層と、
    前記基材シートの他方の面に形成された耐熱滑性層とからなる熱転写シートであって、
    前記耐熱滑性層が、ポリオール樹脂と架橋剤とを含有し、
    前記架橋剤が、ヘキサメチレンジイソシアネートである熱転写シート。
  2. 前記ポリオール樹脂が、ポリビニルアセタール系樹脂又はセルロース系樹脂である請求項1に記載の熱転写シート。
  3. 前記耐熱滑性層と前記基材シートとの間に背面プライマー層が設けられている請求項1又は2に記載の熱転写シート。
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