JP5471011B2 - 熱転写シート - Google Patents

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Description

本発明は、熱転写シートに関し、更に詳しくは高速印画適性に優れる熱転写シートに関する。
熱転写を利用した画像形成における熱転写シートとしては、ポリエステルフィルム等の基材シートの一方の面に昇華性染料を含有する熱昇華性色材層を設けた昇華型熱転写シートや、該熱昇華性色材層の代わりに着色剤を含む熱溶融組成物からなる溶融転写性色材層を設けた熱溶融型熱転写シートが知られている。これらの熱転写シートでは、基材シートとサーマルヘッドとの間の融着を防止するため、基材シートの色材層とは反対の面に耐熱滑性層を設けたり、また、基材シートと耐熱滑性層との間にプライマー層を更に設けたりすることも一般的に行われている。
ところが、近年のプリンターの高速化に伴い、サーマルヘッドより発せられる熱エネルギーが益々増加する傾向にあり、耐熱滑性層とサーマルヘッドとの融着によるスティッキングや印画シワ、リボン破断等の問題が生じてきた。プリンターの高速印画を達成するために、耐熱滑性層の更なる高耐熱化に対する取り組みがなされているものの、従来のプライマー層を使用すると、プライマー層が熱エネルギーにより軟化することで耐熱滑性層が流動して印画欠陥が生じる等、耐熱滑性層がその性能を充分に発現できないことが分かってきた。
例えば、特許文献1には、プライマー層が帯電防止剤としてスルホン化ポリアニリンを、プライマー成分として一定の粘性と弾性とを有する樹脂を含有する熱転写シートが開示されている。これによれば、プライマー層の高温下での粘弾性を高く維持することで、印画時のプライマー層の熱ダメージに起因する熱転写シートのシワを防止することができる。
しかしながら、上記特許文献1に記載された熱転写シートでは、近年のプリンターの高速化に伴うサーマルヘッドの熱エネルギーの増加に充分耐え得るとはいい難く、より耐熱性に優れる熱転写シートが所望されていた。
特開2001−1653号公報
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、熱転写シートの構成するプライマー層に可撓性や耐熱性をもたせることで、高い熱エネルギーが加えられても破断が生じ難い、高速印画適性に優れた熱転写シートを提供することにある。
本発明者らは、以上のような課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、プライマー層の材料として、ポリビニルアルコール系樹脂と架橋剤とを選択することにより、可撓性と耐熱性とを有するプライマー層を形成することができた。そして、該プライマー層を設けた熱転写シートは、高速印画時に高い熱エネルギーが加えられても、破断等が生じ難いことを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明では以下のようなものを提供する。
本発明は、基材シートの一方の面に熱転写性色材層が形成され、該基材シートの他方の面にプライマー層を介して耐熱滑性層が形成されている熱転写シートであって、該プライマー層が、ポリビニルアルコール系樹脂と架橋剤とを含有することを特徴とする熱転写シートである。
本発明によれば、熱転写シートを構成するプライマー層の材料として、ポリビニルアルコール系樹脂と架橋剤とを選択することにより、可撓性と耐熱性とを有するプライマー層を形成することができる。すなわち、本発明では、プライマー層に可撓性と耐熱性とを付与することにより、高速印画時の破断を防止することができる。
熱転写シートの破断評価部位を示す図である。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明の熱転写シートは、基材シートの一方の面に熱転写性色材層が形成され、該基材シートの他方の面にプライマー層を介して耐熱滑性層が形成されている熱転写シートであって、該プライマー層が、ポリビニルアルコール系樹脂と架橋剤とを含有することを特徴とする。
本発明では、プライマー層に可撓性、粘弾性、強度、耐熱性等を付与するために、プライマー層の材料としてポリビニルアルコール系樹脂と架橋剤とを選択する。
[基材シート]
本発明の熱転写シートを構成する基材シートの材料は、従来公知のものを使用することができ、また、それ以外のものであっても、ある程度の耐熱性と強度とを有していれば使用することができる。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリイミド、ナイロン、酢酸セルロース、アイオノマー等の樹脂フィルム、コンデンサー紙、パラフィン紙等の紙類、不織布等が挙げられる。これらを単独で使用してもよいし、これらを任意に組み合わせた積層体を使用してもよい。これらの中でも、薄膜化可能で安価な汎用性プラスチックであるポリエチレンテレフタレートが好ましい。
基材シートの厚さは、強度、耐熱性等を適切になるように材料に応じて適宜選択することができるが、通常は0.5〜50μm程度が好ましく、より好ましくは1〜20μm、更により好ましくは1〜10μmである。
基材シートは、隣接する層との接着性を向上させるため、表面処理が施されていてもよい。上記表面処理としては、コロナ放電処理、火炎処理、オゾン処理、紫外線処理、放射線処理、粗面化処理、化学薬品処理、プラズマ処理、グラフト化処理等、公知の樹脂表面改質技術を適用することができる。上記表面処理は、1種のみ施されてもよいし、2種以上施されてもよい。本発明では、上記表面処理の中でも製造適正に優れ、且つコストが低い点で、コロナ処理又はプラズマ処理が好ましい。
[熱転写性色材層]
本発明の熱転写シートでは、上記基材シートの一方の面に熱転写性色材層を形成する。本発明の熱転写シートが昇華型熱転写シートの場合には、昇華性の染料を含有する層を形成し、熱溶融型熱転写シートの場合には、着色剤を含む熱溶融組成物からなる熱溶融性のインクを含有する層を形成する。なお、本発明の熱転写シートでは、昇華性の染料を含有する層領域と、着色剤を含む熱溶融組成物からなる熱溶融性のインクを含有する層領域と、を連続した1枚の基材シート上に面順次に設けてもよい。以下、昇華型熱転写シートの場合を代表例として説明するが、本発明は、昇華型熱転写シートのみに限定されるものではない。
熱転写性色材層の材料は、従来公知の染料を使用することができるが、印画材料として良好な特性を有するもの、例えば、十分な着色濃度を有し、光、熱、温度等により変退色しないものが好ましい。例えば、赤色染料としては、MS
Red G(三井東圧化学社製)、Macrolex Red Violet R(バイエル社製)、CeresRed 7B(バイエル社製)、Samaron Red F3BS(三菱化学社製)等が、黄色染料としては、ホロンブリリアントイエロー6GL(クラリアント社製)、PTY−52(三菱化成社製)、マクロレックスイエロー6G(バイエル社製)等が、青色染料としては、カヤセットブルー714(日本化薬社製)、ワクソリンブルーAP−FW(ICI社製)、ホロンブリリアントブルーS−R(サンド社製)、MSブルー100(三井東圧化学社製)等が挙げられる。
上記染料を担持するためのバインダー樹脂としては、例えば、エチルセルロース樹脂、ヒドロキシエチルセルロース樹脂、エチルヒドロキシセルロース樹脂、メチルセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂等のセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルピロリドン等のビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリルアミド等のアクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂等が挙げられる。これらのなかでも、セルロース系、ビニル系、アクリル系、ポリウレタン系、ポリエステル系等の樹脂が、耐熱性、染料の移行性等の点から好ましい。
熱転写性色材層の形成方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。上記染料及びバインダー樹脂に、必要に応じて離型剤等の添加物を加え、トルエン、メチルエチルケトン等の適当な有機溶剤に溶解させ、或いは、水に分散させ、得られた熱転写性色材層用塗工液(溶解液又は分散液)を、例えば、グラビア印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法、ロールコーター、バーコーター等の形成手段により、基材シートの一方の面に塗布し、乾燥させることにより形成することができる。熱転写性色材層は、厚みが0.2〜5.0μm程度であり、また、色材層中の染料の含有量は、5〜90質量%であることが好ましく、5〜70%質量%であることがより好ましい。
[保護層]
本発明の熱転写シートは、熱転写性色材層と同一面側に面順次で保護層を設けてもよい。熱転写受像シートに色材を転写した後、この保護層を転写して画像を被覆することにより、画像を光、ガス、液体、擦過等から保護することができる。
[耐熱滑性層]
耐熱滑性層は、基材シートの熱転写性色材層とは反対の面にプライマー層を介して形成される。ここで、耐熱滑性層とは、基材シートとサーマルヘッドとの間の融着により、サーマルヘッドのスムーズな走行性が妨げられることを防止するために、基材シートの熱転写性色材層とは反対側(サーマルヘッドと接触する側)に設けられる層をいう。耐熱滑性層は、耐熱性のあるバインダー樹脂と、熱離型性剤又は滑剤の働きをする物質とを基本的な構成成分とする。耐熱滑性層を形成するバインダー樹脂は、特に限定されるものではなく、従来公知のものをいずれも使用することができる。例えば、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリビニルアセトアセタール系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアクリレート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテル系樹脂、セルロース系樹脂等が挙げられる。
上記バインダー樹脂に配合する、熱離型剤又は滑剤としては、例えば、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス、金属石鹸、高級脂肪酸のアミド、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸塩類、リン酸エステル、シリコーンオイル、シリコーン変性ポリマー、フッ素含有樹脂、二硫化モリブデン等、従来公知のものを一種類又は併用して使用することができる。なかでも、ポリエチレンワックス、金属石鹸、リン酸エステル、シリコーン変性ポリマーが、その滑性の点から好ましい。
なお、耐熱滑性層には、後述するプライマー層との接着性を向上させるために、架橋剤を添加してもよい。後述するプライマー層と所望の接着性が得られないバインダー樹脂を選択した場合に有効である。架橋剤としては、例えば、イソシアネート系架橋剤、チタンキレート剤、チタンアルコキシド等が挙げられる。
また、耐熱滑性層には、サーマルヘッドの走行性を良好にするために、滑剤やフィラーを添加してもよい。滑剤やフィラーは、耐熱滑性層に滑り性を付与することができるので、熱転写シート自体の破断やシワ等の発生防止や、サーマルヘッドの磨耗抑制につながる。また、フィラーはサーマルヘッドのクリーニング剤としての効果も発揮する。滑剤及びフィラーとしては、従来公知の各種滑剤を使用することができる。
耐熱滑性層の形成方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。上記バインダー樹脂に、必要に応じて、架橋剤、硬化促進剤、滑剤、フィラー等の添加剤を加え、トルエン、メチルエチルケトン、メタノール、イソプロピルアルコール等の有機溶剤に溶解させ、或いは、水に分散させ、得られた耐熱滑性層用塗工液(溶解液又は分散液)を、例えば、グラビア印刷法、クラビア版を用いたリバースロールコーティング法、ロールコーター、バーコーター等の形成手段により、基材シート上にプライマー層を介して塗布し、乾燥、硬化させることにより形成することができる。耐熱滑性層の塗布量は、乾燥後の固形分で0.1〜4.0g/mであることが好ましい。
[プライマー層]
耐熱滑性層と基材シートとの間に形成されるプライマー層は、ポリビニルアルコール系樹脂と架橋剤とを含有することを特徴とする。ここで、プライマー層とは、耐熱滑性層と基材シートとの接着性を向上させたり、基材シートが受けるサーマルヘッドの熱によるダメージを更に軽減させたりするために、耐熱滑性層と基材シートとの間に形成させる層をいう。本発明では、プライマー層の材料として、ポリビニルアルコール系樹脂と架橋剤とを選択することにより、可撓性や耐熱性に優れたプライマー層を形成することができる。そして、このようなプライマー層を設ける熱転写シートによれば、高速印画時に高い熱エネルギーが加えられても、破断等が生じ難く、高速印画適性に優れる。
プライマー層に含まれるポリビニルアルコール系樹脂の数平均重合度は、500〜3500であることが好ましく、1700〜3500であることがより好ましい。上記範囲であれば、所望の耐熱性と可撓性とを有するプライマー層を形成することができ、また、重合度が高いほど耐熱性は向上する。プライマー層に使用することができるポリビニルアルコール系樹脂としては、例えば、ゴーセノールKH−20(日本合成化学社製)、ゴーセノールN−300(日本合成化学社製)、クラレポバールPVA−235(クラレ社製)、クラレポバールPVA−117(クラレ社製)等のポリビニルアルコール、アセトアセチル基を有し、反応性に富むアセトアセチル化ポリビニルアルコールであるゴーセファイマーZ−200、Z−320(日本合成化学社製)や、ポリビニルアルコールの一部のアルコール基をアセタール変性した水系ポリビニルアセタールエスレックKXシリーズ(積水化学社製)、エスレックKWシリーズ(積水化学社製)等が挙げられる。なお、ポリビニルアルコールのアセタール化度は、0〜33モル%であることが好ましく、0〜11モル%であることがより好ましい。
プライマー層に使用することができる架橋剤としては、ポリビニルアルコールを架橋することができるものであれば、特に限定されるものではなく、例えば、水系チタンキレート剤、アルミキレート剤、塩化ジルコニル化合物、グリオキザール、トリメチロールメラミン、ジメチロール尿素等が挙げられる。これらのなかでも、プライマー層に優れた可撓性、耐熱性、及び強度を付与することができる点において、水系チタンキレート剤、アルミキレート剤、及び塩化ジルコニル化合物が好ましい。具体的には、水系チタンキレート剤としては、オルガチックスTC−300(マツモトファインケミカル社製)、オルガチックスTC−310(マツモトファインケミカル社製)、オルガチックスTC−315(マツモトファインケミカル社製)等、アルミキレート剤としては、アルミキレートD(川研ファインケミカル社製)等、塩化ジルコニル化合物としては、オルガチックスZB−126(マツモトファインケミカル社製)等の市販品を好適に使用することができる。ポリビニルアルコール系樹脂と架橋剤との合計含有量は、プライマー層を構成する全固形分量に対して、65〜100質量%であることが好ましく、80〜100質量%であることがより好ましい。また、架橋剤の含有量は、プライマー層を構成するポリビニルアルコール系樹脂と架橋剤との合計量に対して、10〜75質量%であることが好ましく、25〜60質量%であることがより好ましい。上記範囲であれば、所望の可撓性、耐熱性、強度等を有するプライマー層を形成することができる。なお、これらの架橋剤を用いることで、乾燥工程だけで強固な架橋構造を形成することができるので、製造適性に優れる。
プライマー層は、基材シートや耐熱滑性層との接着性を得るために、接着性付与剤として、水分散型イソシアネート、水系ポリウレタン又は水系ポリエステルを更に含有することが好ましい。これらは、プライマー層に接着性を付与できるものであれば、特に限定されるものではない。水系ポリウレタンとしては、例えば、AP−40(DIC社製)の商品名で市販されているものを好適に使用することができる。また、水系ポリエステルとしては、例えば、WR−961(日本合成化学社製)の商品名で市販されているものを好適に使用することができる。水分散型イソシアネートとしては、例えば、デュラネートWB−40(旭化成ケミカルズ社製)の商品名で市販されているものを好適に使用することができる。なお、接着性付与剤の含有量は、プライマー層を構成するポリビニルアルコール系樹脂と架橋剤との合計量100質量部に対して、2.5〜50質量部の範囲内であることが好ましく、5〜30質量部の範囲内であることがより好ましい。上記範囲であれば、好適な架橋密度が得られ、適度な粘弾性と可撓性とを有し、また、基材シートと耐熱滑性層との接着性も良好な塗膜を形成することができる。更に、過剰な架橋剤が生じないので、架橋剤同士の結合に由来するサーマルヘッドカスの発生や可撓性の低下を引き起こさない。
上記プライマー層は、更に帯電防止剤を含有することが好ましい。帯電防止剤を含有することで、本発明の熱転写シートに帯電防止性能を付与できる。帯電防止剤として、例えば、酸化スズ等の金属酸化物の微粉末を使用することができる。また、スルホン化ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール等のπ電子共役系構造を有する導電性材料を使用することもできる。
プライマー層の形成方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。上記ポリビニルアルコール系樹脂、水系チタンキレート剤等の架橋剤、水系ポリウレタン等の接着性付与剤、その他必要に応じて、硬化促進剤、帯電防止剤等をイソプロピルアルコール、変性エタノール、1−ブタノール、メタノール等の有機溶剤に溶解させ、或いは、水に分散させ、得られた耐熱滑性層用塗工液(溶解液又は分散液)を、例えば、グラビア印刷法、クラビア版を用いたリバースロールコーティング法、ロールコーター、バーコーター等の形成手段により、基材シート上に塗布し、乾燥、硬化させることにより形成することができる。プライマー層の塗布量は、乾燥後の固形分で0.01〜5.0g/mであることが好ましい。上記範囲であれば、良好な可撓性、耐熱性、強度、接着性を有するプライマー層が得られる。0.01g/m未満であると、形成するプライマー層と基材シートとの接着性が不十分となり、また、プライマー層の帯電防止性能が不十分となる。5.0g/mを超えると、形成するプライマーの層の厚みに比例してプライマー層の耐熱性が向上する訳ではないため、経済的に不利となるばかりか、サーマルヘッドから熱転写色材層への熱伝導性が低下し、印画濃度が低下するため好ましくない。なお、より好ましい上限は1.0g/mである。
以下、実施例により、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの記載に何ら制限を受けるものではない。
<実施例1>
厚さ4.5μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの一方の面に、表1に示す組成のプライマー層用塗工液Aをグラビア印刷法により塗布(乾燥塗布量:0.2g/m)し、乾燥させてプライマー層を形成し、プライマー層の上に、表2に示す組成の耐熱滑性層用塗工液をグラビア印刷法により塗布(乾燥塗布量:0.4g/m)し、乾燥させて耐熱滑性層を形成した。また、基材シートの他方の面に、表3に示す組成の熱転写性色材層用塗工液をグラビア印刷法により塗布(乾燥塗布量:1.0g/m)し、乾燥させて熱転写性色材層を形成し、本発明の実施例1の昇華型熱転写シートを作製した。
Figure 0005471011
Figure 0005471011
Figure 0005471011
<実施例2>
表4に示す組成のプライマー層用塗工液Bを用いる以外は、実施例1と同様の方法によりプライマー層を形成し、プライマー層の上に、実施例1と同様の方法により、耐熱滑性層を形成した。また、基材シートの他方の面に、実施例1と同様の方法により、熱転写性色材層を形成し、本発明の実施例2の昇華型熱転写シートを作製した。
Figure 0005471011
<実施例3>
表5に示す組成のプライマー層用塗工液Cを用いる以外は、実施例1と同様の方法によりプライマー層を形成し、プライマー層の上に、実施例1と同様の方法により、耐熱滑性層を形成した。また、基材シートの他方の面に、実施例1と同様の方法により、熱転写性色材層を形成し、本発明の実施例3の昇華型熱転写シートを作製した。
Figure 0005471011
<実施例4>
表6に示す組成のプライマー層用塗工液Dを用いる以外は、実施例1と同様の方法によりプライマー層を形成し、プライマー層の上に、実施例1と同様の方法により、耐熱滑性層を形成した。また、基材シートの他方の面に、実施例1と同様の方法により、熱転写性色材層を形成し、本発明の実施例4の昇華型熱転写シートを作製した。
Figure 0005471011
<実施例5>
表7に示す組成のプライマー層用塗工液Eを用いる以外は、実施例1と同様の方法によりプライマー層を形成し、プライマー層の上に、実施例1と同様の方法により、耐熱滑性層を形成した。また、基材シートの他方の面に、実施例1と同様の方法により、熱転写性色材層を形成し、本発明の実施例5の昇華型熱転写シートを作製した。
Figure 0005471011
<実施例6>
表8に示す組成のプライマー層用塗工液Fを用いる以外は、実施例1と同様の方法によりプライマー層を形成し、プライマー層の上に、実施例1と同様の方法により、耐熱滑性層を形成した。また、基材シートの他方の面に、実施例1と同様の方法により、熱転写性色材層を形成し、本発明の実施例6の昇華型熱転写シートを作製した。
Figure 0005471011
<実施例7>
表9に示す組成のプライマー層用塗工液Gを用いる以外は、実施例1と同様の方法によりプライマー層を形成し、プライマー層の上に、実施例1と同様の方法により、耐熱滑性層を形成した。また、基材シートの他方の面に、実施例1と同様の方法により、熱転写性色材層を形成し、本発明の実施例7の昇華型熱転写シートを作製した。
Figure 0005471011
<実施例8>
表10に示す組成のプライマー層用塗工液Hを用いる以外は、実施例1と同様の方法によりプライマー層を形成し、プライマー層の上に、実施例1と同様の方法により、耐熱滑性層を形成した。また、基材シートの他方の面に、実施例1と同様の方法により、熱転写性色材層を形成し、本発明の実施例8の昇華型熱転写シートを作製した。
Figure 0005471011
<比較例1>
表11に示す組成のプライマー層用塗工液Iを用いる以外は、実施例1と同様の方法によりプライマー層を形成し、プライマー層の上に、実施例1と同様の方法により、耐熱滑性層を形成した。また、基材シートの他方の面に、実施例1と同様の方法により、熱転写性色材層を形成し、本発明の比較例1の昇華型熱転写シートを作製した。
Figure 0005471011
<比較例2>
表12に示す組成のプライマー層用塗工液Jを用いる以外は、実施例1と同様の方法によりプライマー層を形成し、プライマー層の上に、実施例1と同様の方法により、耐熱滑性層を形成した。また、基材シートの他方の面に、実施例1と同様の方法により、熱転写性色材層を形成し、本発明の比較例2の昇華型熱転写シートを作製した。
Figure 0005471011
<比較例3>
表13に示す組成のプライマー層用塗工液Kを用いる以外は、実施例1と同様の方法によりプライマー層を形成し、プライマー層の上に、実施例1と同様の方法により、耐熱滑性層を形成した。また、基材シートの他方の面に、実施例1と同様の方法により、熱転写性色材層を形成し、本発明の比較例3の昇華型熱転写シートを作製した。
Figure 0005471011
<比較例4>
表14に示す組成のプライマー層用塗工液Lを用いる以外は、実施例1と同様の方法によりプライマー層を形成し、プライマー層の上に、実施例1と同様の方法により、耐熱滑性層を形成した。また、基材シートの他方の面に、実施例1と同様の方法により、熱転写性色材層を形成し、本発明の比較例4の昇華型熱転写シートを作製した。
Figure 0005471011
<比較例5>
表15に示す組成のプライマー層用塗工液Mを用いる以外は、実施例1と同様の方法によりプライマー層を形成し、プライマー層の上に、実施例1と同様の方法により、耐熱滑性層を形成した。また、基材シートの他方の面に、実施例1と同様の方法により、熱転写性色材層を形成し、本発明の比較例5の昇華型熱転写シートを作製した。
Figure 0005471011
[熱転写シートの評価:耐熱性]
上記の各熱転写シートを、メガピクセルII純正インクリボンのイエロー部、マゼンタ部及びシアン部に全て貼り込んだ熱転写シートと、メガピクセルII純正印画紙(ポストカードサイズ)とを組み合わせて、印画装置に、アルテック社製デジタルフォトプリンターメガピクセルIIを用い、階調値255/255(印加エネルギー最大:黒画像)の画像を印画し、印画後の熱転写シートの破断の有無(図1:H部分)を目視にて調べた。評価は以下の基準にて行った。評価結果を表16に示す。
<評価基準>
1:印画後の熱転写シートに破断がかなり見られ、伸びもかなり見られる。
2:印画後の熱転写シートに破断は少し見られるが、伸びはほとんど見られない。
3:印画後の熱転写シートに破断は少し見られるが、伸びは全く見られない。
4:印画後の熱転写シートに破断が全く見られず、伸びも全く見られない。
Figure 0005471011
ポリビニルアルコール系樹脂と架橋剤とを材料に選択したプライマー層を備える熱転写シート(実施例1〜8)は、いずれも良好な耐熱性(可撓性)を示した。中でも、架橋剤としてチタンキレート剤を使用したもの(実施例1〜3,5,6)は、印画後の熱転写シートに破断も伸びも全く見られず、非常に優れた耐熱性(可撓性)を示した。これに対して、ポリビニルアルコールのみを材料に選択したプライマー層を備える熱転写シート(比較例1)には、破断も伸びも顕著に見られた。また、ポリエステルを材料に選択したプライマー層を備える熱転写シート(比較例2〜5)にも、破断や伸びが顕著に見られ、架橋剤として水系チタンキレート剤を添加しても、耐熱性の向上は認められなかった(比較例4及び5)。
1 サーマルヘッド
2 熱転写シート
3 受像シート
H 破断評価部位
S 加熱部位

Claims (5)

  1. 基材シートの一方の面に熱転写性色材層が形成され、
    前記基材シートの他方の面にプライマー層を介して、バインダー樹脂と、熱離型剤又は滑剤とを含む耐熱滑性層が形成されている熱転写シートであって、
    前記プライマー層が、ポリビニルアルコール系樹脂と架橋剤とを含有する熱転写シート。
  2. 前記ポリビニルアルコール系樹脂の数平均重合度が500〜3500である請求項1に記載の熱転写シート。
  3. 前記架橋剤が、水系チタンキレート剤、アルミキレート剤又は塩化ジルコニル化合物である請求項1又は2に記載の熱転写シート。
  4. 前記プライマー層が、接着性付与剤として、水分散型イソシアネート、水系ポリウレタン又は水系ポリエステルを更に含有する請求項1から3いずれかに記載の熱転写シート。
  5. 前記プライマー層が、帯電防止剤を更に含有する請求項1から4いずれかに記載の熱転写シート。
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