JP5471011B2 - 熱転写シート - Google Patents
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Description
本発明の熱転写シートを構成する基材シートの材料は、従来公知のものを使用することができ、また、それ以外のものであっても、ある程度の耐熱性と強度とを有していれば使用することができる。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリイミド、ナイロン、酢酸セルロース、アイオノマー等の樹脂フィルム、コンデンサー紙、パラフィン紙等の紙類、不織布等が挙げられる。これらを単独で使用してもよいし、これらを任意に組み合わせた積層体を使用してもよい。これらの中でも、薄膜化可能で安価な汎用性プラスチックであるポリエチレンテレフタレートが好ましい。
本発明の熱転写シートでは、上記基材シートの一方の面に熱転写性色材層を形成する。本発明の熱転写シートが昇華型熱転写シートの場合には、昇華性の染料を含有する層を形成し、熱溶融型熱転写シートの場合には、着色剤を含む熱溶融組成物からなる熱溶融性のインクを含有する層を形成する。なお、本発明の熱転写シートでは、昇華性の染料を含有する層領域と、着色剤を含む熱溶融組成物からなる熱溶融性のインクを含有する層領域と、を連続した1枚の基材シート上に面順次に設けてもよい。以下、昇華型熱転写シートの場合を代表例として説明するが、本発明は、昇華型熱転写シートのみに限定されるものではない。
Red G(三井東圧化学社製)、Macrolex Red Violet R(バイエル社製)、CeresRed 7B(バイエル社製)、Samaron Red F3BS(三菱化学社製)等が、黄色染料としては、ホロンブリリアントイエロー6GL(クラリアント社製)、PTY−52(三菱化成社製)、マクロレックスイエロー6G(バイエル社製)等が、青色染料としては、カヤセットブルー714(日本化薬社製)、ワクソリンブルーAP−FW(ICI社製)、ホロンブリリアントブルーS−R(サンド社製)、MSブルー100(三井東圧化学社製)等が挙げられる。
本発明の熱転写シートは、熱転写性色材層と同一面側に面順次で保護層を設けてもよい。熱転写受像シートに色材を転写した後、この保護層を転写して画像を被覆することにより、画像を光、ガス、液体、擦過等から保護することができる。
耐熱滑性層は、基材シートの熱転写性色材層とは反対の面にプライマー層を介して形成される。ここで、耐熱滑性層とは、基材シートとサーマルヘッドとの間の融着により、サーマルヘッドのスムーズな走行性が妨げられることを防止するために、基材シートの熱転写性色材層とは反対側(サーマルヘッドと接触する側)に設けられる層をいう。耐熱滑性層は、耐熱性のあるバインダー樹脂と、熱離型性剤又は滑剤の働きをする物質とを基本的な構成成分とする。耐熱滑性層を形成するバインダー樹脂は、特に限定されるものではなく、従来公知のものをいずれも使用することができる。例えば、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリビニルアセトアセタール系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアクリレート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテル系樹脂、セルロース系樹脂等が挙げられる。
耐熱滑性層と基材シートとの間に形成されるプライマー層は、ポリビニルアルコール系樹脂と架橋剤とを含有することを特徴とする。ここで、プライマー層とは、耐熱滑性層と基材シートとの接着性を向上させたり、基材シートが受けるサーマルヘッドの熱によるダメージを更に軽減させたりするために、耐熱滑性層と基材シートとの間に形成させる層をいう。本発明では、プライマー層の材料として、ポリビニルアルコール系樹脂と架橋剤とを選択することにより、可撓性や耐熱性に優れたプライマー層を形成することができる。そして、このようなプライマー層を設ける熱転写シートによれば、高速印画時に高い熱エネルギーが加えられても、破断等が生じ難く、高速印画適性に優れる。
厚さ4.5μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの一方の面に、表1に示す組成のプライマー層用塗工液Aをグラビア印刷法により塗布(乾燥塗布量:0.2g/m2)し、乾燥させてプライマー層を形成し、プライマー層の上に、表2に示す組成の耐熱滑性層用塗工液をグラビア印刷法により塗布(乾燥塗布量:0.4g/m2)し、乾燥させて耐熱滑性層を形成した。また、基材シートの他方の面に、表3に示す組成の熱転写性色材層用塗工液をグラビア印刷法により塗布(乾燥塗布量:1.0g/m2)し、乾燥させて熱転写性色材層を形成し、本発明の実施例1の昇華型熱転写シートを作製した。
表4に示す組成のプライマー層用塗工液Bを用いる以外は、実施例1と同様の方法によりプライマー層を形成し、プライマー層の上に、実施例1と同様の方法により、耐熱滑性層を形成した。また、基材シートの他方の面に、実施例1と同様の方法により、熱転写性色材層を形成し、本発明の実施例2の昇華型熱転写シートを作製した。
表5に示す組成のプライマー層用塗工液Cを用いる以外は、実施例1と同様の方法によりプライマー層を形成し、プライマー層の上に、実施例1と同様の方法により、耐熱滑性層を形成した。また、基材シートの他方の面に、実施例1と同様の方法により、熱転写性色材層を形成し、本発明の実施例3の昇華型熱転写シートを作製した。
表6に示す組成のプライマー層用塗工液Dを用いる以外は、実施例1と同様の方法によりプライマー層を形成し、プライマー層の上に、実施例1と同様の方法により、耐熱滑性層を形成した。また、基材シートの他方の面に、実施例1と同様の方法により、熱転写性色材層を形成し、本発明の実施例4の昇華型熱転写シートを作製した。
表7に示す組成のプライマー層用塗工液Eを用いる以外は、実施例1と同様の方法によりプライマー層を形成し、プライマー層の上に、実施例1と同様の方法により、耐熱滑性層を形成した。また、基材シートの他方の面に、実施例1と同様の方法により、熱転写性色材層を形成し、本発明の実施例5の昇華型熱転写シートを作製した。
表8に示す組成のプライマー層用塗工液Fを用いる以外は、実施例1と同様の方法によりプライマー層を形成し、プライマー層の上に、実施例1と同様の方法により、耐熱滑性層を形成した。また、基材シートの他方の面に、実施例1と同様の方法により、熱転写性色材層を形成し、本発明の実施例6の昇華型熱転写シートを作製した。
表9に示す組成のプライマー層用塗工液Gを用いる以外は、実施例1と同様の方法によりプライマー層を形成し、プライマー層の上に、実施例1と同様の方法により、耐熱滑性層を形成した。また、基材シートの他方の面に、実施例1と同様の方法により、熱転写性色材層を形成し、本発明の実施例7の昇華型熱転写シートを作製した。
表10に示す組成のプライマー層用塗工液Hを用いる以外は、実施例1と同様の方法によりプライマー層を形成し、プライマー層の上に、実施例1と同様の方法により、耐熱滑性層を形成した。また、基材シートの他方の面に、実施例1と同様の方法により、熱転写性色材層を形成し、本発明の実施例8の昇華型熱転写シートを作製した。
表11に示す組成のプライマー層用塗工液Iを用いる以外は、実施例1と同様の方法によりプライマー層を形成し、プライマー層の上に、実施例1と同様の方法により、耐熱滑性層を形成した。また、基材シートの他方の面に、実施例1と同様の方法により、熱転写性色材層を形成し、本発明の比較例1の昇華型熱転写シートを作製した。
表12に示す組成のプライマー層用塗工液Jを用いる以外は、実施例1と同様の方法によりプライマー層を形成し、プライマー層の上に、実施例1と同様の方法により、耐熱滑性層を形成した。また、基材シートの他方の面に、実施例1と同様の方法により、熱転写性色材層を形成し、本発明の比較例2の昇華型熱転写シートを作製した。
表13に示す組成のプライマー層用塗工液Kを用いる以外は、実施例1と同様の方法によりプライマー層を形成し、プライマー層の上に、実施例1と同様の方法により、耐熱滑性層を形成した。また、基材シートの他方の面に、実施例1と同様の方法により、熱転写性色材層を形成し、本発明の比較例3の昇華型熱転写シートを作製した。
表14に示す組成のプライマー層用塗工液Lを用いる以外は、実施例1と同様の方法によりプライマー層を形成し、プライマー層の上に、実施例1と同様の方法により、耐熱滑性層を形成した。また、基材シートの他方の面に、実施例1と同様の方法により、熱転写性色材層を形成し、本発明の比較例4の昇華型熱転写シートを作製した。
表15に示す組成のプライマー層用塗工液Mを用いる以外は、実施例1と同様の方法によりプライマー層を形成し、プライマー層の上に、実施例1と同様の方法により、耐熱滑性層を形成した。また、基材シートの他方の面に、実施例1と同様の方法により、熱転写性色材層を形成し、本発明の比較例5の昇華型熱転写シートを作製した。
上記の各熱転写シートを、メガピクセルII純正インクリボンのイエロー部、マゼンタ部及びシアン部に全て貼り込んだ熱転写シートと、メガピクセルII純正印画紙(ポストカードサイズ)とを組み合わせて、印画装置に、アルテック社製デジタルフォトプリンターメガピクセルIIを用い、階調値255/255(印加エネルギー最大:黒画像)の画像を印画し、印画後の熱転写シートの破断の有無(図1:H部分)を目視にて調べた。評価は以下の基準にて行った。評価結果を表16に示す。
1:印画後の熱転写シートに破断がかなり見られ、伸びもかなり見られる。
2:印画後の熱転写シートに破断は少し見られるが、伸びはほとんど見られない。
3:印画後の熱転写シートに破断は少し見られるが、伸びは全く見られない。
4:印画後の熱転写シートに破断が全く見られず、伸びも全く見られない。
2 熱転写シート
3 受像シート
H 破断評価部位
S 加熱部位
Claims (5)
- 基材シートの一方の面に熱転写性色材層が形成され、
前記基材シートの他方の面にプライマー層を介して、バインダー樹脂と、熱離型剤又は滑剤とを含む耐熱滑性層が形成されている熱転写シートであって、
前記プライマー層が、ポリビニルアルコール系樹脂と架橋剤とを含有する熱転写シート。 - 前記ポリビニルアルコール系樹脂の数平均重合度が500〜3500である請求項1に記載の熱転写シート。
- 前記架橋剤が、水系チタンキレート剤、アルミキレート剤又は塩化ジルコニル化合物である請求項1又は2に記載の熱転写シート。
- 前記プライマー層が、接着性付与剤として、水分散型イソシアネート、水系ポリウレタン又は水系ポリエステルを更に含有する請求項1から3いずれかに記載の熱転写シート。
- 前記プライマー層が、帯電防止剤を更に含有する請求項1から4いずれかに記載の熱転写シート。
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