JP2002067519A - 熱転写シート及びその製造方法 - Google Patents
熱転写シート及びその製造方法Info
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- JP2002067519A JP2002067519A JP2000254999A JP2000254999A JP2002067519A JP 2002067519 A JP2002067519 A JP 2002067519A JP 2000254999 A JP2000254999 A JP 2000254999A JP 2000254999 A JP2000254999 A JP 2000254999A JP 2002067519 A JP2002067519 A JP 2002067519A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 基材フィルムとの接着性が十分で、かつ優れ
た耐熱性を有し、印画に必要十分な滑性及び離型性を有
する耐熱滑性層を設ける。 【解決手段】 基材フィルム1の一方の面に加熱により
溶融または昇華する転写インキ層が設けられ、サーマル
ヘッドが接する基材フィルムの他方の面に耐熱滑性層3
が設けられた熱転写シートにおいて、耐熱滑性層3を、
始めにインキ吸収性のある耐熱層3aを形成した後、滑
性、離型性を有する成分を含む塗工液3bを上塗りし、
耐熱層3aに吸収させることにより形成する。滑性、離
型性を有する成分を含まない状態で基材フィルム上に膜
を形成するため、基材フィルムとの密着性が良くなる。
また、滑性、離型性を有する成分を含有した状態で塗膜
を形成するとそれらの成分が可塑剤的な役目を果たし、
膜強度や耐熱性が低下する等の問題が解決される。
た耐熱性を有し、印画に必要十分な滑性及び離型性を有
する耐熱滑性層を設ける。 【解決手段】 基材フィルム1の一方の面に加熱により
溶融または昇華する転写インキ層が設けられ、サーマル
ヘッドが接する基材フィルムの他方の面に耐熱滑性層3
が設けられた熱転写シートにおいて、耐熱滑性層3を、
始めにインキ吸収性のある耐熱層3aを形成した後、滑
性、離型性を有する成分を含む塗工液3bを上塗りし、
耐熱層3aに吸収させることにより形成する。滑性、離
型性を有する成分を含まない状態で基材フィルム上に膜
を形成するため、基材フィルムとの密着性が良くなる。
また、滑性、離型性を有する成分を含有した状態で塗膜
を形成するとそれらの成分が可塑剤的な役目を果たし、
膜強度や耐熱性が低下する等の問題が解決される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶融転写や昇華転
写などの熱転写記録方式により画像を記録する技術分野
に属し、詳しくは熱転写記録装置に用いられる熱転写シ
ート及びその製造方法に関するものである。
写などの熱転写記録方式により画像を記録する技術分野
に属し、詳しくは熱転写記録装置に用いられる熱転写シ
ート及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】通常、このタイプの熱
転写記録方式における印画では、色材層が設けられた熱
転写シートに対し、サーマルヘッドから高温の熱エネル
ギーが印加される。したがって、熱転写シートの基材に
プラスチックフィルムを用いた場合、熱エネルギーによ
り融着するのを防止するため、プラスチックフィルムに
おける色材層の反対側の面に、耐熱性、滑性、離型性を
付与した層が形成されている。特に、滑性と離型性につ
いては必須であり、通常はシリコーンやオイル、界面活
性剤等を層中に添加し、バインダー樹脂に固定させる
か、或いは塗膜表面にブリードさせる等により機能を出
している(例えば、特開昭63−87276号公報参
照)。ところが、この方法では、滑剤成分が塗工途中の
搬送ローラや接触面となる色材層に転移し、塗膜表面に
は十分に存在しないという問題が生じる。
転写記録方式における印画では、色材層が設けられた熱
転写シートに対し、サーマルヘッドから高温の熱エネル
ギーが印加される。したがって、熱転写シートの基材に
プラスチックフィルムを用いた場合、熱エネルギーによ
り融着するのを防止するため、プラスチックフィルムに
おける色材層の反対側の面に、耐熱性、滑性、離型性を
付与した層が形成されている。特に、滑性と離型性につ
いては必須であり、通常はシリコーンやオイル、界面活
性剤等を層中に添加し、バインダー樹脂に固定させる
か、或いは塗膜表面にブリードさせる等により機能を出
している(例えば、特開昭63−87276号公報参
照)。ところが、この方法では、滑剤成分が塗工途中の
搬送ローラや接触面となる色材層に転移し、塗膜表面に
は十分に存在しないという問題が生じる。
【0003】このことを解決するため、バインダー樹脂
自体に予め滑性及び離型性を持つ成分を反応させ、変性
した樹脂を用いる等の方法を採用する場合もある(例え
ば、特開平2−102096号公報)。ところが、この
方法では、塗膜自体に滑性及び離型性を付与するので、
基材への塗膜の密着性が低下したり、添加した成分が可
塑剤的な役目をして膜自体の耐熱性が低下することによ
り、サーマルヘッドにカスが付着することで剥離性、ス
リップ性が損なわれたり、基材フィルムが破れたりする
問題や、さらには接触面となる色材層とブロッキングを
生じる等の不具合が生じる。そこで、基材との間に接着
性を付与する層を設けたり、層中に接着性を有する成分
を添加する方法もあるが、滑性、離型成分がその層に移
行したり機能が低下することから十分な解決に至ってい
ないのが現状である。
自体に予め滑性及び離型性を持つ成分を反応させ、変性
した樹脂を用いる等の方法を採用する場合もある(例え
ば、特開平2−102096号公報)。ところが、この
方法では、塗膜自体に滑性及び離型性を付与するので、
基材への塗膜の密着性が低下したり、添加した成分が可
塑剤的な役目をして膜自体の耐熱性が低下することによ
り、サーマルヘッドにカスが付着することで剥離性、ス
リップ性が損なわれたり、基材フィルムが破れたりする
問題や、さらには接触面となる色材層とブロッキングを
生じる等の不具合が生じる。そこで、基材との間に接着
性を付与する層を設けたり、層中に接着性を有する成分
を添加する方法もあるが、滑性、離型成分がその層に移
行したり機能が低下することから十分な解決に至ってい
ないのが現状である。
【0004】本発明は、上記のような背景に鑑みてなさ
れたものであり、その目的とするところは、基材フィル
ムとの接着性が十分で、かつ優れた耐熱性を有し、印画
に必要十分な滑性及び離型性を有する耐熱滑性層を設け
た熱転写シート及びその製造方法を提供することにあ
る。
れたものであり、その目的とするところは、基材フィル
ムとの接着性が十分で、かつ優れた耐熱性を有し、印画
に必要十分な滑性及び離型性を有する耐熱滑性層を設け
た熱転写シート及びその製造方法を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の熱転写シートは、基材フィルムの一方の面
に加熱により溶融または昇華する転写インキ層が設けら
れ、サーマルヘッドが接する基材フィルムの他方の面に
耐熱滑性層が設けられた熱転写シートにおいて、該耐熱
滑性層が、始めにインキ吸収性のある耐熱層を形成した
後、滑性、離型性を有する成分を含む塗工液を上塗り
し、耐熱層に吸収させることにより形成されたものであ
ることを特徴とする。
め、本発明の熱転写シートは、基材フィルムの一方の面
に加熱により溶融または昇華する転写インキ層が設けら
れ、サーマルヘッドが接する基材フィルムの他方の面に
耐熱滑性層が設けられた熱転写シートにおいて、該耐熱
滑性層が、始めにインキ吸収性のある耐熱層を形成した
後、滑性、離型性を有する成分を含む塗工液を上塗り
し、耐熱層に吸収させることにより形成されたものであ
ることを特徴とする。
【0006】また、本発明の転写シートの製造方法は、
基材フィルムの一方の面に加熱により溶融又は昇華する
転写インキ層が設けられ、サーマルヘッドが接する基材
フィルムの他方の面に耐熱滑性層が設けられた熱転写シ
ートの製造方法であって、該耐熱滑性層を、始めにイン
キ吸収性のある耐熱層を形成した後、滑性、離型性を有
する成分を含む塗工液を上塗りし、耐熱層に吸収させる
ことにより形成することを特徴とするものである。
基材フィルムの一方の面に加熱により溶融又は昇華する
転写インキ層が設けられ、サーマルヘッドが接する基材
フィルムの他方の面に耐熱滑性層が設けられた熱転写シ
ートの製造方法であって、該耐熱滑性層を、始めにイン
キ吸収性のある耐熱層を形成した後、滑性、離型性を有
する成分を含む塗工液を上塗りし、耐熱層に吸収させる
ことにより形成することを特徴とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係る熱転写シート
の一例を示す断面図であり、同図に示されるように、熱
転写シートSは、基材フィルム1における一方の面に転
写インキ層2が設けられ、他方の面に耐熱滑性層3が設
けられた構成になっている。この熱転写シートSにおけ
る耐熱滑性層3は図2に示す手順で製造される。まず、
図2(a)に示すように、基材フィルム1上にインキ吸
収性のある耐熱層3aを形成する。次いで、図2(b)
に示すように、耐熱層3aの上に滑性、離型性を有する
成分を含む塗工液3bを上塗りする。そして、図2
(c)に示すように塗工液3bを耐熱層3aに吸収させ
て耐熱滑性層3を形成するのである。
の一例を示す断面図であり、同図に示されるように、熱
転写シートSは、基材フィルム1における一方の面に転
写インキ層2が設けられ、他方の面に耐熱滑性層3が設
けられた構成になっている。この熱転写シートSにおけ
る耐熱滑性層3は図2に示す手順で製造される。まず、
図2(a)に示すように、基材フィルム1上にインキ吸
収性のある耐熱層3aを形成する。次いで、図2(b)
に示すように、耐熱層3aの上に滑性、離型性を有する
成分を含む塗工液3bを上塗りする。そして、図2
(c)に示すように塗工液3bを耐熱層3aに吸収させ
て耐熱滑性層3を形成するのである。
【0008】本発明の熱転写シートを構成する基材フィ
ルムは、ある程度の耐熱性と強度を有する従来公知のも
のでよく、例えば0.5〜25μm、好ましくは1.0
〜10μm程度の厚さのポリエチレンテレフタレート、
1.4ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニレンサルフ
ァイド、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリサルホ
ン、アラミド、ポリカーボネート、ポリビニルアルコー
ル、セロハン、ポリエチレン、酢酸セルロース等のセル
ロース誘導体、ナイロン、ポリイミド、アイオノマー等
の樹脂フィルムが使用される。その他に、コンデンサー
紙、パラフィン紙等の紙類や不織布等、または紙や不織
布と樹脂との複合体を使用してもよい。また、基材フィ
ルムの塗工をする面には、塗工剤のレベリング性や密着
性を向上させるため、ポリエステルやアクリル等の樹脂
を主成分とする易接着層を設けたり、コロナ放電、プラ
ズマ放電等による表面改質等を行ったりしてもよい。
ルムは、ある程度の耐熱性と強度を有する従来公知のも
のでよく、例えば0.5〜25μm、好ましくは1.0
〜10μm程度の厚さのポリエチレンテレフタレート、
1.4ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニレンサルフ
ァイド、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリサルホ
ン、アラミド、ポリカーボネート、ポリビニルアルコー
ル、セロハン、ポリエチレン、酢酸セルロース等のセル
ロース誘導体、ナイロン、ポリイミド、アイオノマー等
の樹脂フィルムが使用される。その他に、コンデンサー
紙、パラフィン紙等の紙類や不織布等、または紙や不織
布と樹脂との複合体を使用してもよい。また、基材フィ
ルムの塗工をする面には、塗工剤のレベリング性や密着
性を向上させるため、ポリエステルやアクリル等の樹脂
を主成分とする易接着層を設けたり、コロナ放電、プラ
ズマ放電等による表面改質等を行ったりしてもよい。
【0009】本発明の熱転写シートにおける転写インキ
層としては、熱溶融転写型、熱昇華転写型の両タイプの
転写インキ層を用いることができる。
層としては、熱溶融転写型、熱昇華転写型の両タイプの
転写インキ層を用いることができる。
【0010】本発明では、インキ吸収性のある耐熱層
を、少なくともバインダー樹脂と1種以上のフィラーか
ら形成し、必要に応じて架橋剤等の各種添加剤を加える
ことにより形成する。
を、少なくともバインダー樹脂と1種以上のフィラーか
ら形成し、必要に応じて架橋剤等の各種添加剤を加える
ことにより形成する。
【0011】耐熱層を形成するバインダー樹脂は、特に
限定されるものではないが、耐熱層に上塗りする際に、
耐熱層が上塗りするインキに溶解すると、滑性、離型性
を有する成分がバインダー樹脂と混合してしまうため、
十分な性能を得られない可能性がある。そのため、後述
のように、上塗りインキに用いる溶媒はバインダー樹脂
の貧溶媒であることが望ましい。また、バインダー樹脂
を硬化剤にて架橋させたり、バインダー樹脂に自己架橋
性のある樹脂を用いる等の手段により、耐熱層の再溶解
の問題を解決することができる。フィラーは、充填剤と
しての働きで塗膜強度、耐熱性を上げると共に、塗膜中
にボイド(空隙)を形成することにより、上塗り塗工液
の吸収性を高めるために用いる。
限定されるものではないが、耐熱層に上塗りする際に、
耐熱層が上塗りするインキに溶解すると、滑性、離型性
を有する成分がバインダー樹脂と混合してしまうため、
十分な性能を得られない可能性がある。そのため、後述
のように、上塗りインキに用いる溶媒はバインダー樹脂
の貧溶媒であることが望ましい。また、バインダー樹脂
を硬化剤にて架橋させたり、バインダー樹脂に自己架橋
性のある樹脂を用いる等の手段により、耐熱層の再溶解
の問題を解決することができる。フィラーは、充填剤と
しての働きで塗膜強度、耐熱性を上げると共に、塗膜中
にボイド(空隙)を形成することにより、上塗り塗工液
の吸収性を高めるために用いる。
【0012】バインダー樹脂としては、例えば、ポリエ
ステル系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリ酢
酸ビニル系樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、ポリウ
レタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系
樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポ
リアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレ
ン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアクリレート樹脂、
ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルクロリド樹脂、ポ
リビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、
ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルホルマール樹
脂、油性ポリオール等が挙げられ、また各種樹脂が末端
や側鎖に有する官能基に反応基を有するモノマー、オリ
ゴマー等を反応させたり、アクリル樹脂のように共重合
させたりすることにより得られる変性樹脂等が挙げられ
るが、耐熱性や滑性、離型成分を有するインキの吸収性
を考慮した場合、ポリビニルアルコールが望ましい。
ステル系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリ酢
酸ビニル系樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、ポリウ
レタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系
樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポ
リアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレ
ン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアクリレート樹脂、
ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルクロリド樹脂、ポ
リビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、
ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルホルマール樹
脂、油性ポリオール等が挙げられ、また各種樹脂が末端
や側鎖に有する官能基に反応基を有するモノマー、オリ
ゴマー等を反応させたり、アクリル樹脂のように共重合
させたりすることにより得られる変性樹脂等が挙げられ
るが、耐熱性や滑性、離型成分を有するインキの吸収性
を考慮した場合、ポリビニルアルコールが望ましい。
【0013】ポリビニルアルコールについては、分子
量、鹸化度、変性種の違いから各種グレードのものがあ
る。それらの品種は、クラレポバール、Kポリマー、C
ポリマー、HLポリマー、Rポリマー、Mポリマー(以
上、クラレ製)、デンカポバールシリーズ、デンカブチ
ラール、デンカホルマール(以上、電気化学製)、ゴー
セノール、ゴーセナール(以上、日本合成化学製」)等
の商品名にて入手して使用することができる。
量、鹸化度、変性種の違いから各種グレードのものがあ
る。それらの品種は、クラレポバール、Kポリマー、C
ポリマー、HLポリマー、Rポリマー、Mポリマー(以
上、クラレ製)、デンカポバールシリーズ、デンカブチ
ラール、デンカホルマール(以上、電気化学製)、ゴー
セノール、ゴーセナール(以上、日本合成化学製」)等
の商品名にて入手して使用することができる。
【0014】架橋剤としては、ポリビニルアルコール、
変性ポリビニルアルコールが有する水酸基、アミノ基、
カルボキシル基等に反応する活性基がある各種硬化剤を
用いることができるが、ポリビニルアルコールが水溶性
樹脂であることから、ブロック型ポリイソシアネートや
キレート化合物等の水溶性または水分散エマルジョン系
のものが好ましい。また、架橋反応を促進させるために
各種触媒を添加してもよい。これらの使用量は、バイン
ダー樹脂の活性基と架橋剤の官能基により決定される
が、等当量比程度が適当である。
変性ポリビニルアルコールが有する水酸基、アミノ基、
カルボキシル基等に反応する活性基がある各種硬化剤を
用いることができるが、ポリビニルアルコールが水溶性
樹脂であることから、ブロック型ポリイソシアネートや
キレート化合物等の水溶性または水分散エマルジョン系
のものが好ましい。また、架橋反応を促進させるために
各種触媒を添加してもよい。これらの使用量は、バイン
ダー樹脂の活性基と架橋剤の官能基により決定される
が、等当量比程度が適当である。
【0015】フィラーとしては、無機系、有機系を問わ
ず使用することができる。例えば、タルク、カオリン、
クレー、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マ
グネシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、沈降性硫
酸バリウム、二硫化モリブデン、ハイドロタルサイト、
シリカ等の無機微粒子と、アクリル樹脂、ベンゾグアナ
ミン樹脂、フェノール樹脂、アセタール樹脂、ポリスチ
レン樹脂、ナイロン樹脂等の有機樹脂微粒子、またこれ
らを架橋剤と反応させた架橋樹脂微粒子等が挙げられる
が、バインダー樹脂への分散性や塗膜表面性を考慮した
場合、シリカが望ましい。中でも、形成する耐熱層の厚
みからすると、コロイダルシリカや超微粒子状無水シリ
カ等は粒径の大きさが均一であり、しかも分散性に富ん
でいるので好ましい。また、ワックスや金属石けんのよ
うな粉末固体状のものを用いてもよい。
ず使用することができる。例えば、タルク、カオリン、
クレー、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マ
グネシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、沈降性硫
酸バリウム、二硫化モリブデン、ハイドロタルサイト、
シリカ等の無機微粒子と、アクリル樹脂、ベンゾグアナ
ミン樹脂、フェノール樹脂、アセタール樹脂、ポリスチ
レン樹脂、ナイロン樹脂等の有機樹脂微粒子、またこれ
らを架橋剤と反応させた架橋樹脂微粒子等が挙げられる
が、バインダー樹脂への分散性や塗膜表面性を考慮した
場合、シリカが望ましい。中でも、形成する耐熱層の厚
みからすると、コロイダルシリカや超微粒子状無水シリ
カ等は粒径の大きさが均一であり、しかも分散性に富ん
でいるので好ましい。また、ワックスや金属石けんのよ
うな粉末固体状のものを用いてもよい。
【0016】フィラーの使用量は、バインダー樹脂10
0重量部当たり5〜100重量部であり、好ましくは5
〜50重量部である。この範囲より少ないようだと、充
填剤としての効果が出ず、膜強度や耐熱性が不十分なた
め、サーマルヘッドへの融着や擦りキズが見られたり、
塗膜中にボイドが形成されないため、上塗り塗工液の吸
収性が低下したりする。また、この範囲を越えるようだ
と、製膜性が不十分となり、フィラーや塗膜の離脱が生
じ、印画における白抜けや筋の原因となる。
0重量部当たり5〜100重量部であり、好ましくは5
〜50重量部である。この範囲より少ないようだと、充
填剤としての効果が出ず、膜強度や耐熱性が不十分なた
め、サーマルヘッドへの融着や擦りキズが見られたり、
塗膜中にボイドが形成されないため、上塗り塗工液の吸
収性が低下したりする。また、この範囲を越えるようだ
と、製膜性が不十分となり、フィラーや塗膜の離脱が生
じ、印画における白抜けや筋の原因となる。
【0017】また、フィラーは、塗膜表面に凹凸を形成
し、サーマルヘッドとの接触面積を減らして滑性を与え
る機能も有する。それに加え、サーマルヘッド表面に付
着したカスを掻き落とすクリーニング性の付与にも貢献
する。その際、用いられるフィラーは、粒径が塗膜厚み
より大きいものがよく、滑性やクリーニング性の面から
タルク等の無機微粒子が好ましい。また、さらに微粒径
のフィラーと併用して用いてもよい。
し、サーマルヘッドとの接触面積を減らして滑性を与え
る機能も有する。それに加え、サーマルヘッド表面に付
着したカスを掻き落とすクリーニング性の付与にも貢献
する。その際、用いられるフィラーは、粒径が塗膜厚み
より大きいものがよく、滑性やクリーニング性の面から
タルク等の無機微粒子が好ましい。また、さらに微粒径
のフィラーと併用して用いてもよい。
【0018】耐熱層の成分としては、サーマルヘッドの
摩耗やカスの付着等の不具合を与えないものであれば、
上記以外の添加剤を含有させてもよく、例えば、帯電防
止剤や着色剤、蛍光剤、中和剤等が挙げられる。
摩耗やカスの付着等の不具合を与えないものであれば、
上記以外の添加剤を含有させてもよく、例えば、帯電防
止剤や着色剤、蛍光剤、中和剤等が挙げられる。
【0019】本発明で用いる上塗り塗工液には、少なく
とも1種以上の滑性、離型性を有する成分が含まれる。
このような成分としては、シリコーンオイル、シリコー
ン樹脂、界面活性剤、ワックス、金属セッケン、長鎖脂
肪族化合物、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、脂肪酸塩
等の滑性・離型剤が挙げられる。また、滑性、離型性を
有する成分が官能基を有し、耐熱層に吸収された際、耐
熱層のバインダー樹脂や架橋剤の活性基と反応、固定化
されてもよく、その場合反応を促進するために触媒を添
加してもよい。これらの使用量は、上塗り塗工液全体を
100重量部とした時に1〜100重量部であり、好ま
しくは1〜50重量部である。この範囲より少ないよう
だと、滑性、離型性が不十分なため、サーマルヘッドに
融着が見られ、この範囲を越えるようだと、耐熱層に吸
収されない余剰分が反対面に転移し、色材層やオーバー
コート層の塗工面や基材との密着性が低下する等の問題
を生じる。
とも1種以上の滑性、離型性を有する成分が含まれる。
このような成分としては、シリコーンオイル、シリコー
ン樹脂、界面活性剤、ワックス、金属セッケン、長鎖脂
肪族化合物、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、脂肪酸塩
等の滑性・離型剤が挙げられる。また、滑性、離型性を
有する成分が官能基を有し、耐熱層に吸収された際、耐
熱層のバインダー樹脂や架橋剤の活性基と反応、固定化
されてもよく、その場合反応を促進するために触媒を添
加してもよい。これらの使用量は、上塗り塗工液全体を
100重量部とした時に1〜100重量部であり、好ま
しくは1〜50重量部である。この範囲より少ないよう
だと、滑性、離型性が不十分なため、サーマルヘッドに
融着が見られ、この範囲を越えるようだと、耐熱層に吸
収されない余剰分が反対面に転移し、色材層やオーバー
コート層の塗工面や基材との密着性が低下する等の問題
を生じる。
【0020】上塗り塗工液は、溶媒への溶解性や液粘度
等によっては、滑性、離型性を有する成分単体でもよ
い。また、滑性、離型性を有する成分以外に、吸収性を
阻害しない範囲で樹脂を含んでもよく、低粘度でかつ滑
性、離型性を有する成分との相溶性の良いものが好まし
い。
等によっては、滑性、離型性を有する成分単体でもよ
い。また、滑性、離型性を有する成分以外に、吸収性を
阻害しない範囲で樹脂を含んでもよく、低粘度でかつ滑
性、離型性を有する成分との相溶性の良いものが好まし
い。
【0021】上塗り塗工液の溶媒に関しては、滑性、離
型性を有する成分が溶解するものであれば特に限定はな
いが、耐熱層に上塗りする際、耐熱層が上塗りするイン
キに溶解してしまうと滑性、離型性を有する成分がバイ
ンダー樹脂と混合してしまうため、好ましくはバインダ
ー樹脂の貧溶媒であることが望ましい。例えば、耐熱層
のバインダー樹脂にポリビニルアルコールを用いた場合
は、水やアルコールではなく、有機溶媒系の溶媒を用い
ることが望ましい。これら溶媒の使用量は、上塗り塗工
液の粘度や乾燥特性により異なるが、上塗り塗工液全体
を100重量部とした時に0〜99重量部であり、好ま
しくは50〜99重量部である。溶媒は1種に限らず2
種以上の混合溶媒でもよい。この範囲に満たないようだ
と耐熱層へ吸収され難くなり、この範囲を越えるようだ
と必要十分な滑性、離型性を有する成分を吸収させるた
めに多くの塗布量が必要となる。
型性を有する成分が溶解するものであれば特に限定はな
いが、耐熱層に上塗りする際、耐熱層が上塗りするイン
キに溶解してしまうと滑性、離型性を有する成分がバイ
ンダー樹脂と混合してしまうため、好ましくはバインダ
ー樹脂の貧溶媒であることが望ましい。例えば、耐熱層
のバインダー樹脂にポリビニルアルコールを用いた場合
は、水やアルコールではなく、有機溶媒系の溶媒を用い
ることが望ましい。これら溶媒の使用量は、上塗り塗工
液の粘度や乾燥特性により異なるが、上塗り塗工液全体
を100重量部とした時に0〜99重量部であり、好ま
しくは50〜99重量部である。溶媒は1種に限らず2
種以上の混合溶媒でもよい。この範囲に満たないようだ
と耐熱層へ吸収され難くなり、この範囲を越えるようだ
と必要十分な滑性、離型性を有する成分を吸収させるた
めに多くの塗布量が必要となる。
【0022】上塗り塗工液の成分としては、サーマルヘ
ッドの摩耗やカスの付着等の不具合を与えないものであ
れば、上記以外の添加剤を含有させてもよく、例えば、
帯電防止剤や着色剤、蛍光剤、中和剤等が挙げられる。
ッドの摩耗やカスの付着等の不具合を与えないものであ
れば、上記以外の添加剤を含有させてもよく、例えば、
帯電防止剤や着色剤、蛍光剤、中和剤等が挙げられる。
【0023】耐熱層は、基材フィルムに直接形成する
か、或いはアンカー処理を施した後に形成する。その形
成方法としては、グラビアコート、グラビアリバースコ
ート、オフセットグラビアコート、ロッドコート、エア
ナイフコート、ロールコート、スライドコート、ダイコ
ート等が挙げられ、塗工液の粘度やフィラー粒径、塗布
量等によっていずれかの方式を選択すればよい。このよ
うな方法で得られる耐熱層の塗工厚みは、0.1〜5.
0μm、好ましくは0.1〜1.0μmである。この範
囲より小さいようだと耐熱性や上塗り塗工液の吸収力が
不十分であり、この範囲を越えるようだとサーマルヘッ
ドからの伝熱を妨げることになり印画感度の低下を生じ
る。
か、或いはアンカー処理を施した後に形成する。その形
成方法としては、グラビアコート、グラビアリバースコ
ート、オフセットグラビアコート、ロッドコート、エア
ナイフコート、ロールコート、スライドコート、ダイコ
ート等が挙げられ、塗工液の粘度やフィラー粒径、塗布
量等によっていずれかの方式を選択すればよい。このよ
うな方法で得られる耐熱層の塗工厚みは、0.1〜5.
0μm、好ましくは0.1〜1.0μmである。この範
囲より小さいようだと耐熱性や上塗り塗工液の吸収力が
不十分であり、この範囲を越えるようだとサーマルヘッ
ドからの伝熱を妨げることになり印画感度の低下を生じ
る。
【0024】上塗り塗工液の塗工方法としては、グラビ
アコート、ロールコート、グラビアリバースコート、オ
フセットグラビアコート、スライドコート、ダイコー
ト、スプレー方式、インクジェット方式、ロッドコー
ト、エアナイフコート等が挙げられ、塗工液の粘度や塗
布量等によって方式を選択することができる。塗工量は
乾燥後の状態で、0.1〜5.0g/m2 、好ましくは
0.1〜1.0g/m2 である。この塗布量は耐熱層の
組成および塗工厚みによって決定される。
アコート、ロールコート、グラビアリバースコート、オ
フセットグラビアコート、スライドコート、ダイコー
ト、スプレー方式、インクジェット方式、ロッドコー
ト、エアナイフコート等が挙げられ、塗工液の粘度や塗
布量等によって方式を選択することができる。塗工量は
乾燥後の状態で、0.1〜5.0g/m2 、好ましくは
0.1〜1.0g/m2 である。この塗布量は耐熱層の
組成および塗工厚みによって決定される。
【0025】
【実施例】本発明をさらに詳細に説明するため以下に実
施例を挙げるが、もちろん本発明はこの実施例によって
何ら限定されるものではない。なお、文中、部または%
とあるのは断りの無い限り重量基準である。
施例を挙げるが、もちろん本発明はこの実施例によって
何ら限定されるものではない。なお、文中、部または%
とあるのは断りの無い限り重量基準である。
【0026】(耐熱層の形成)下記6種類の材料を準備
し、それぞれ水/IPA=1/1の溶剤で固形分10%
になるように調製した。そして、表1に示す配合表の如
く混合し、攪拌した後、ペイントシェーカーで3時間の
分散処理を行い、耐熱層インキとした。なお、ブロック
イソシアネートについては、使用時に、ブロックイソシ
アネート/解離触媒(第一工業製薬(株)製「エストロンキャタ
リスト 」)=100/5の割合で触媒を添加した。
し、それぞれ水/IPA=1/1の溶剤で固形分10%
になるように調製した。そして、表1に示す配合表の如
く混合し、攪拌した後、ペイントシェーカーで3時間の
分散処理を行い、耐熱層インキとした。なお、ブロック
イソシアネートについては、使用時に、ブロックイソシ
アネート/解離触媒(第一工業製薬(株)製「エストロンキャタ
リスト 」)=100/5の割合で触媒を添加した。
【0027】・ポリビニルアルコール(クラレ(株)製
「CM-318」) ・ポリビニルアセタール(積水化学(株)製「KX-1」) ・ブロックイソシアネート(第一工業製薬(株)製、
「エラストロン BN-45」) ・超微粒子状無水シリカ(日本アエロシ゛ル(株) 製、「AEROS
IL 300CF 」) ・タルク(日本タルク(株)製「ミクロエース P-3」) ・耐化水剤(住友化学(株)製「スミレース゛レシ゛ン 5004 」)
「CM-318」) ・ポリビニルアセタール(積水化学(株)製「KX-1」) ・ブロックイソシアネート(第一工業製薬(株)製、
「エラストロン BN-45」) ・超微粒子状無水シリカ(日本アエロシ゛ル(株) 製、「AEROS
IL 300CF 」) ・タルク(日本タルク(株)製「ミクロエース P-3」) ・耐化水剤(住友化学(株)製「スミレース゛レシ゛ン 5004 」)
【0028】
【表1】
【0029】これらのインキを用いて、各々厚さ6μm
のポリエステルフィルム(東レ製「ルミラーF53」)
の一方の面にワイヤーバーコーターにより乾燥時の重量
基準で所定のコート量となるように塗工し、105℃の
オーブン内で1分間の乾燥処理を施して耐熱層を形成す
ることとした。
のポリエステルフィルム(東レ製「ルミラーF53」)
の一方の面にワイヤーバーコーターにより乾燥時の重量
基準で所定のコート量となるように塗工し、105℃の
オーブン内で1分間の乾燥処理を施して耐熱層を形成す
ることとした。
【0030】(耐熱滑性層の形成)下記の2種類の材料
を準備し、各材料を表2に示す配合表の如く混合し、攪
拌することで上塗り塗工液とした。
を準備し、各材料を表2に示す配合表の如く混合し、攪
拌することで上塗り塗工液とした。
【0031】・アミノ変性シリコーンオイル(信越シリ
コーン(株)製「KF867 」) ・カルボキシル変性シリコーンオイル(信越シリコーン
(株)製「X22-162C」
コーン(株)製「KF867 」) ・カルボキシル変性シリコーンオイル(信越シリコーン
(株)製「X22-162C」
【0032】
【表2】
【0033】これらのインキを用いて、耐熱層の上面に
ワイヤーバーコーターにより乾燥時の重量基準で所定の
コート量となるように塗工し、100℃のオーブン内で
1分間の乾燥処理を施して耐熱滑性層を形成することと
した。
ワイヤーバーコーターにより乾燥時の重量基準で所定の
コート量となるように塗工し、100℃のオーブン内で
1分間の乾燥処理を施して耐熱滑性層を形成することと
した。
【0034】そして、表3に示す組合せにより実施例1
〜6、比較例1〜6の耐熱滑性層を形成した。
〜6、比較例1〜6の耐熱滑性層を形成した。
【0035】
【表3】
【0036】また、下記の組成からなる耐熱滑性層を1
層にて形成したものを比較例7とした。塗膜の形成に際
しては、下記の材料をそれぞれメチルエチルケトン/ト
ルエン=1/1の溶剤で固形分10%になるように調製
した。そして、表4に示す配合表の如く混合し、攪拌し
た後、ペイントシェーカーで3時間の分散処理を行い、
耐熱層インキとした。このインキを用いて、厚さ6μm
のポリエステルフィルム(東レ製「ルミラーF53」)
の一方の面にワイヤーバーコーターにより乾燥時の重量
基準で所定のコート量となるように塗工し、105℃の
オーブン内で1分間の乾燥処理を施して耐熱滑性層を形
成した。
層にて形成したものを比較例7とした。塗膜の形成に際
しては、下記の材料をそれぞれメチルエチルケトン/ト
ルエン=1/1の溶剤で固形分10%になるように調製
した。そして、表4に示す配合表の如く混合し、攪拌し
た後、ペイントシェーカーで3時間の分散処理を行い、
耐熱層インキとした。このインキを用いて、厚さ6μm
のポリエステルフィルム(東レ製「ルミラーF53」)
の一方の面にワイヤーバーコーターにより乾燥時の重量
基準で所定のコート量となるように塗工し、105℃の
オーブン内で1分間の乾燥処理を施して耐熱滑性層を形
成した。
【0037】・ポリビニルアセタール(積水化学(株)
製「KS-1」) ・ポリイソシアネート(大日本インキ(株)製、「ハ゛ーノッ
クD-750」) ・超微粒子状無水シリカ(日本アエロシ゛ル(株) 製、「AEROS
IL 300CF 」) ・タルク(日本タルク(株)製「ミクロエース P-3」)
製「KS-1」) ・ポリイソシアネート(大日本インキ(株)製、「ハ゛ーノッ
クD-750」) ・超微粒子状無水シリカ(日本アエロシ゛ル(株) 製、「AEROS
IL 300CF 」) ・タルク(日本タルク(株)製「ミクロエース P-3」)
【0038】
【表4】
【0039】(評価)実施例1〜6、比較例1〜7の耐
熱滑性層を形成したそれぞれのポリエステルフィルムの
反対面に、染料インキを塗工乾燥して染料層を形成する
ことで熱転写シートを作成し、これらについて印画評価
を行った。得られた結果は表5に示すとおりである。
熱滑性層を形成したそれぞれのポリエステルフィルムの
反対面に、染料インキを塗工乾燥して染料層を形成する
ことで熱転写シートを作成し、これらについて印画評価
を行った。得られた結果は表5に示すとおりである。
【0040】
【表5】
【0041】<ヘッド融着性>サーマルヘッドに京セラ
製「KST−105−13FAN」を使用し、ヘッド印
圧:39.2N、印画速度:6.0msec/lin
e、印画エネルギー:0.3mJ/dot、印画長さ:
5mの条件で印画を実施した。そして、印画物及び印画
後のサーマルヘッド表面を観察し、次の基準で評価を行
った。
製「KST−105−13FAN」を使用し、ヘッド印
圧:39.2N、印画速度:6.0msec/lin
e、印画エネルギー:0.3mJ/dot、印画長さ:
5mの条件で印画を実施した。そして、印画物及び印画
後のサーマルヘッド表面を観察し、次の基準で評価を行
った。
【0042】 ○:印画シワ、スティッキングなく、サーマルヘッド表
面に付着物なし。 △:印画シワ、スティッキングないが、サーマルヘッド
表面に付着物あり。 ×:印画シワ、スティッキング発生、サーマルヘッド表
面に付着物あり。
面に付着物なし。 △:印画シワ、スティッキングないが、サーマルヘッド
表面に付着物あり。 ×:印画シワ、スティッキング発生、サーマルヘッド表
面に付着物あり。
【0043】<塗膜強度>摩擦試験機としてスガ試験機
社製「FR−2S」を用い、ガーゼで耐熱滑性層の表面
を300回擦って評価した。評価基準は次のとおりであ
る。
社製「FR−2S」を用い、ガーゼで耐熱滑性層の表面
を300回擦って評価した。評価基準は次のとおりであ
る。
【0044】○:表面に傷が無い。 △:表面に傷がある。 ×:塗膜が剥がれる。
【0045】<転移性>耐熱滑性層とポリエステルフィ
ルムの易接着処理面を重ね合わせた状態で、1960N
/m2 の圧力を掛け、30℃の環境下で24時間放置し
た後、染料層をセロテープ(登録商標)剥離評価した。
評価基準は次のとおりである。
ルムの易接着処理面を重ね合わせた状態で、1960N
/m2 の圧力を掛け、30℃の環境下で24時間放置し
た後、染料層をセロテープ(登録商標)剥離評価した。
評価基準は次のとおりである。
【0046】○:全く剥離しない。 △:部分的に剥離する。 ×:全面剥離する。
【0047】
【発明の効果】本発明の熱転写シートは、基材フィルム
の一方の面に加熱により溶融または昇華する転写インキ
層が設けられ、サーマルヘッドが接する基材フィルムの
他方の面に耐熱滑性層が設けられた熱転写シートにおい
て、該耐熱滑性層が、始めにインキ吸収性のある耐熱層
を形成した後、滑性、離型性を有する成分を含む塗工液
を上塗りし、耐熱層に吸収させることにより形成された
ものであるので、滑性、離型性を有する成分を含まない
状態で基材フィルム上に膜を形成するため、基材フィル
ムとの密着性が良くなる。また、滑性、離型性を有する
成分を含有した状態で塗膜を形成するとそれらの成分が
可塑剤的な役目を果たし、膜強度や耐熱性が低下する等
の問題が解決される。
の一方の面に加熱により溶融または昇華する転写インキ
層が設けられ、サーマルヘッドが接する基材フィルムの
他方の面に耐熱滑性層が設けられた熱転写シートにおい
て、該耐熱滑性層が、始めにインキ吸収性のある耐熱層
を形成した後、滑性、離型性を有する成分を含む塗工液
を上塗りし、耐熱層に吸収させることにより形成された
ものであるので、滑性、離型性を有する成分を含まない
状態で基材フィルム上に膜を形成するため、基材フィル
ムとの密着性が良くなる。また、滑性、離型性を有する
成分を含有した状態で塗膜を形成するとそれらの成分が
可塑剤的な役目を果たし、膜強度や耐熱性が低下する等
の問題が解決される。
【図1】本発明に係る熱転写シートの一例を示す断面図
である。
である。
【図2】図1に示す熱転写シートの製造手順を説明する
ための工程図である。
ための工程図である。
S 熱転写シート 1 基材フィルム 2 転写インキ層 3 耐熱滑性層 3a 耐熱層 3b 塗工液
Claims (9)
- 【請求項1】 基材フィルムの一方の面に加熱により溶
融または昇華する転写インキ層が設けられ、サーマルヘ
ッドが接する基材フィルムの他方の面に耐熱滑性層が設
けられた熱転写シートにおいて、該耐熱滑性層が、始め
にインキ吸収性のある耐熱層を形成した後、滑性、離型
性を有する成分を含む塗工液を上塗りし、耐熱層に吸収
させることにより形成されたものであることを特徴とす
る熱転写シート。 - 【請求項2】 耐熱層が、少なくともバインダー樹脂と
1種以上のフィラーから構成されていることを特徴とす
る請求項1に記載の熱転写シート。 - 【請求項3】 バインダー樹脂の有する基が、上塗りさ
れる塗工液に含まれる滑性、離型性を有する成分が末端
または側鎖に有する官能基と反応することを特徴とする
請求項2に記載の熱転写シート。 - 【請求項4】 バインダー樹脂が、ポリビニルアルコー
ルまたはポリビニルアルコールを変性した樹脂であるこ
とを特徴とする請求項3に記載の熱転写シート。 - 【請求項5】 フィラーの1種がコロイダルシリカまた
は超微粒子状無水シリカであることを特徴とする請求項
2に記載の熱転写シート。 - 【請求項6】 バインダー樹脂が硬化剤にて架橋されて
いることを特徴とする請求項2に記載の熱転写シート。 - 【請求項7】 滑性、離型性を有する成分の1種がシリ
コーンであることを特徴とする請求項1に記載の熱転写
シート。 - 【請求項8】 滑性、離型性を有する成分であるシリコ
ーンが、アミノ、エポキシ、アルコール、カルボキシ
ル、フェノールポリエーテルの何れかの変性体であるこ
とを特徴とする請求項1に記載の熱転写シート。 - 【請求項9】 基材フィルムの一方の面に加熱により溶
融又は昇華する転写インキ層が設けられ、サーマルヘッ
ドが接する基材フィルムの他方の面に耐熱滑性層が設け
られた熱転写シートの製造方法であって、該耐熱滑性層
を、始めにインキ吸収性のある耐熱層を形成した後、滑
性、離型性を有する成分を含む塗工液を上塗りし、耐熱
層に吸収させることにより形成することを特徴とする熱
転写シートの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000254999A JP2002067519A (ja) | 2000-08-25 | 2000-08-25 | 熱転写シート及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000254999A JP2002067519A (ja) | 2000-08-25 | 2000-08-25 | 熱転写シート及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002067519A true JP2002067519A (ja) | 2002-03-08 |
Family
ID=18743861
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000254999A Pending JP2002067519A (ja) | 2000-08-25 | 2000-08-25 | 熱転写シート及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002067519A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010194881A (ja) * | 2009-02-25 | 2010-09-09 | Dainippon Printing Co Ltd | 熱転写シート |
JP2010253837A (ja) * | 2009-04-27 | 2010-11-11 | Dainippon Printing Co Ltd | 熱転写シート |
WO2020067278A1 (ja) * | 2018-09-28 | 2020-04-02 | 大日本印刷株式会社 | 熱転写シート |
-
2000
- 2000-08-25 JP JP2000254999A patent/JP2002067519A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010194881A (ja) * | 2009-02-25 | 2010-09-09 | Dainippon Printing Co Ltd | 熱転写シート |
JP2010253837A (ja) * | 2009-04-27 | 2010-11-11 | Dainippon Printing Co Ltd | 熱転写シート |
WO2020067278A1 (ja) * | 2018-09-28 | 2020-04-02 | 大日本印刷株式会社 | 熱転写シート |
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20090416 |
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A02 | Decision of refusal |
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