JP2001001349A - マイクロレンズ金型又は金型マスター、及びそれらの作製方法 - Google Patents
マイクロレンズ金型又は金型マスター、及びそれらの作製方法Info
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Abstract
数の大きなマイクロレンズを形成する為のマイクロレン
ズ金型又は金型マスター、及びそれらの作製方法であ
る。 【解決手段】マイクロレンズ金型又は金型マスターは、
少なくとも一部が導電性部となっている基板1と、基板
1上に形成された開口部4を有する絶縁性マスク層3
と、開口部4及び絶縁性マスク層3上に形成されたメッ
キ層5から成る。開口部4の開口径ないし幅をφとし、
メッキ層5の開口部4直上部の曲率半径をRするとき、
φ≦0.35Rなる関係式を満たす。或は、開口部4の
開口径ないし幅が10μm以下である。
Description
作製方法、マイクロレンズなどとして用いられるマイク
ロ構造体用金型の作製方法、及び該金型を用いてマイク
ロレンズなどとして用いられるマイクロ構造体を作製す
る為の作製方法等に関し、特には、アレイ化が可能なマ
イクロレンズの金型又は金型マスターの作製方法に関す
るものである。
ら数100μmの微小な略半球状のレンズを複数配置し
たものであり、液晶表示装置、受光装置、光通信システ
ムにおけるファイバー間接続等の様々な用途に使用され
ている。一方、発光素子間隔を狭くできアレイ化が容易
な面発光レーザー等の開発が進み、レンズアレイの間隔
を狭くでき開口数(NA)の大きなマイクロレンズへの
要求が高まっている。
ス技術の発達に伴い、素子間隔が狭まり、CCD等に見
られるように、ますます受光素子の小型化がなされてい
る。この結果、ここでも、レンズ間隔の狭い、開口数の
大きなマイクロレンズアレイが必要となっている。
に入射する光の利用効率が高い高集光率のマイクロレン
ズが望まれている。
である光並列処理・演算、光インターコネクション等に
おいても、同様の要望がある。また、エレクトロルミネ
ッセンス(EL)等の自発光型のディスプレイ装置の研
究開発も盛んに行われ、高精細且つ高輝度のディスプレ
イの提案がなされている。この様なディスプレイにおい
ては、小型且つ開口数の大きなマイクロレンズアレイに
加えて、低コストで大面積のマイクロレンズアレイへの
要求がある。
換法(M.Oikawa, etal., Jpn.
J. Appl. Phys. 20(1) L51−
54, 1981)を用いて多成分ガラスからなる基板
上の複数の箇所を高屈折率化して、複数のレンズを形成
する様にしたマイクロレンズアレイの製造方法が知られ
ている。しかしながら、この方法では、レンズ同士の間
隔に比べてレンズ径を大きくとれず、開口数の大きなレ
ンズの設計が困難であった。また、大面積のマイクロレ
ンズアレイを作製するにはイオン拡散装置等の大規模な
製造装置が必要とされ、製造が容易でないという問題も
あった。また、金型を用いたモールディングに比べて、
ガラス毎にイオン交換工程を施す必要があり、製造装置
の作製条件管理を十分に行わないと、レンズの品質、例
えば焦点距離のばらつきがロット間で大きくなるという
問題があった。また、この方法では、金型を用いた方法
に比べて、割高となる。
に被イオン交換用のアルカリイオンが必須となり、基板
材料がアルカリガラスに限定され、アルカリイオンフリ
ーを前提とする半導体をベースとする素子との適合性が
悪い。さらに、ガラス基板そのものの熱膨張係数が受光
装置や発光装置の基板の熱膨張係数と大きく異なる為
に、素子の集積密度が増加するに伴い熱膨張係数の不整
合によるミスアライメントが発生する。また、元来、ガ
ラス表面のイオン交換法は、表面に圧縮歪みを残すこと
が知られており、これによりガラスが反り、マイクロレ
ンズアレイが大判化するに従い受光装置や発光装置との
接着、接合が困難となっている。
(D.Daly, et. al.,Proc. Mi
crolens Arrays Teddingto
n.,p23−34, 1991)がある。この方法
は、基板上に形成した樹脂をフォトリソグラフィプロセ
スを利用して円筒状にパターニングし、これを加熱しリ
フローさせてマイクロレンズアレイを作製する。この方
法により、様々な形状のレンズが低コストで作製するこ
とが可能である。また、イオン交換法に比べて、熱膨張
係数や反り等の問題がない。しかしながら、この方法
は、マイクロレンズの形状が樹脂の厚み、基板と樹脂と
の濡れ性状態、及び加熱温度に強く依存しており、単一
基板面内の作製再現性は高いが、ロット毎のばらつきが
発生しやすい。
り接触すると、表面張力により所望のレンズ形状を保つ
ことができなくなる。すなわち、隣接するレンズを接触
させレンズ間の光未使用領域を小さくし高集光率するこ
とが困難である。また、数十〜数百μm程度のレンズ径
を得ようとすると、リフローにより球面化するに十分な
厚みの樹脂を塗布することになるが、所望の光学特性
(屈折率、高光透過率)を有する樹脂材料を均一に厚く
塗布することが困難である。すなわち、大きな曲率を持
ちレンズ径が比較的大きなマイクロレンズを作製するこ
とが難しい。
アレイの原版を作製し、原版にレンズ材料を塗布し、塗
布したレンズ材料を剥離して作製する方法である。原版
となる金型の作製にあたっては、電子ビームを用いて描
画する方法(特開平1−261601号公報)、金属板
の一部をエッチングし形成する方法(特開平5−303
009号公報)がある。これら方法は、モールディング
にてマイクロレンズを複製することができ、ロット毎の
ばらつきが発生しにくく、また低コストにてマイクロレ
ンズを作製することが可能である。また、イオン交換法
に比ベて熱膨張係数差に伴うアライメント誤差の発生や
反り等の問題を回避できる。
は、電子ビーム描画装置が高価であり多額の設備投資が
必要となる、描画面積が制限されているために、10c
m角以上の大面積の原版を作製することが困難である等
の問題がある。
化学反応を利用した等方性エッチングを用いるため、金
属板の組成や結晶構造が僅かでも変化すると、所望の形
状にエッチングできなくなるという問題がある。また、
エッチングする方法では、所望の形状が得られた時点で
直ちに水洗しないとエッチングが継続する。微小なマイ
クロレンズを形成する場合には、所望の形状が得られた
時点から水洗に至るまでの時間に進行するエッチングに
より、所望の形状から逸脱する場合がある。
の方法としては、電気メッキを利用する方法(特開平6
−27302号公報)がある。この方法は、導電層を片
面に形成した開口部を有する絶縁性フィルムを用いて、
導電層を陰極として電気メッキを行ない、絶縁性フィル
ムの表面にレンズの母型となる凸状物を形成するもので
ある。この方法により作製する母型は工程が簡素であ
り、低コストを実現できる。電気メッキを利用するこの
種の方法は、特開平8−258051号公報、特公昭6
4−10169号公報にも開示されている。
いて、電気メッキにて開口部にメッキ層を形成する際に
生じる問題を説明する。図13は、開口部203の開口
径がφの絶縁体202と導電体201からなる陰極に電
気メッキを行なうときのメッキ成長過程を説明する断面
模式図である。図14は、図13(d)の金型断面図で
ある。
04が成長するにつれて、開口部203の上のメッキ層
204表面の平坦部が次第に小さくなり(図13
(b)、(c))、メッキ層204の表面が最大曲率を
有するに至る(図13(d))。この後、メッキ層20
4を成長させて行くとメッキ層204の底面径Ψが大き
くなり、これにつれて曲率半径も大きくなっていく。
04に平坦部がある場合は、平坦部で結像ができず、レ
ンズ金型として利用できない。この方法によると、開口
部203の開口径φが大きいと、作製されるレンズ金型
の光軸近傍の曲率半径も大きくなる。レンズ金型を作製
しようとする場合、開口部203の開口径φの大きさに
よってはメッキ層204の曲率半径を小さくできず、所
望の曲率半径Rのレンズ金型を作製することが困難とな
ることが生じる。
球形状からずれている場合、メッキ層の側面の曲率半径
と光軸近傍の曲率半径に差異が生じ、且つ夫々の曲率中
心の位置が異なることとなり、側面の曲率中心が光軸上
にない。この様な金型又は金型マスターで作製されるマ
イクロレンズは側面を利用できない為に、開口数の小さ
なレンズとなる。
00μm程度以下)、半球上部の曲率半径200μm以
下のマイクロレンズを形状精度良く作製するのは、今ま
での作製技術では困難であった。
み成されたものであり、その目的は、種々の形態のもの
を柔軟且つ容易に安定的に作製できるマイクロ構造体の
作製方法、マイクロレンズ(マイクロ構造体が半球状マ
イクロレンズ、フライアイレンズ、レンチキュラーレン
ズアレイなどのレンズとして用いる様に成されたもの)
用金型又は金型マスターの作製方法、該金型又は金型マ
スターを用いたマイクロ構造体の作製方法等を提供する
ことにあり、より具体的には、(1)大判化が容易な、
(2)作製が容易で且つ制御性の高い、(3)比較的安
価な、(4)所望の曲率半径を有するマイクロレンズ金
型又は金型マスター、及びそれらの作製方法を提供する
こと、また、(5)開口数の大きなマイクロレンズを形
成する為のマイクロレンズ金型又は金型マスター、及び
それらの作製方法を提供することにある。
為の本発明のマイクロレンズ金型又は金型マスターは、
導電性基板あるいは電極層を有する基板あるいは少なく
とも一部が導電性部分となっている基板と、該基板上に
形成された開口部(典型的には、円形ないし長く伸びた
長方形形状(スリット形状)の複数の開口部)を有する
絶縁性マスク層と、開口部及び絶縁性マスク層上に形成
されたメッキ(電気メッキ)層からなるマイクロレンズ
金型又は金型マスターにおいて、開口部の開口径ないし
幅をφとし、メッキ層の開口部直上部の曲率半径をRす
るとき、φ≦0.35Rなる関係式を満たすことを特徴
とする。
を満足することが重要な意味を持つのは、特に、前記開
口部の開口径ないし幅が10μmを超える場合である。
イクロレンズ金型又は金型マスターは、導電性基板ある
いは電極層を有する基板あるいは少なくとも一部が導電
性部分となっている基板と、該基板上に形成された開口
部(典型的には、円形ないし長く伸びた長方形形状(ス
リット形状)の複数の開口部)を有する絶縁性マスク層
と、開口部及び絶縁性マスク層上に形成されたメッキ
(電気メッキ)層からなるマイクロレンズ金型又は金型
マスターにおいて、前記記開口部の開口径ないし幅が1
0μm以下であることを特徴とする。
て、より具体的には、以下の様な形態も取り得る。複数
の開口部が形成されている場合において、夫々の開口部
上に在るメッキ層において、隣接するメッキ層同士が一
体化されている。
イクロレンズ金型又は金型マスターの作製方法は、導電
性基板あるいは電極層を有する基板あるいは少なくとも
一部が導電性部分となっている基板を用い、(1)基板
の電極層あるいは導電性部分上に絶縁性マスク層を形成
する工程、(2)マスク層に適当形状の開口部(典型的
には、円形ないし長く伸びた長方形形状(スリット形
状)の複数の開口部)を形成して導電性部分を露出する
工程、(3)電極層あるいは導電性部分を陰極として電
気メッキにより、開口部を通じて開口部及びマスク層上
にメッキ層を形成する工程を有するマイクロレンズ金型
又は金型マスターの作製方法において、メッキ層の底面
径ないし幅をΨ、開口部の開口径ないし幅をφとし、電
気メッキ成長当初において開口部に平坦部を有するメッ
キ層が形成される様にしたとき(Ψ=φ)に、電気メッ
キ成長を続け(Ψ>φ)形成したメッキ層の開口部直上
部の曲率半径をRするとき、φ≦0.35Rなる関係式
を満たすことを特徴とする。
を満足することが重要な意味を持つのは、特に、前記開
口部の開口径ないし幅が10μmを超える場合である。
イクロレンズ金型又は金型マスターの作製方法は、導電
性基板あるいは電極層を有する基板あるいは少なくとも
一部が導電性部分となっている基板を用い、(1)基板
の電極層あるいは導電性部分上に絶縁性マスク層を形成
する工程、(2)マスク層に適当形状の開口部(典型的
には、円形ないし長く伸びた長方形形状(スリット形
状)の複数の開口部)を形成して導電性部分を露出する
工程、(3)電極層あるいは導電性部分を陰極として電
気メッキにより、開口部を通じて開口部及びマスク層上
にメッキ層を形成する工程を有するマイクロレンズ金型
又は金型マスターの作製方法において、メッキ層の底面
径ないし幅をΨ、開口部の開口径ないし幅をφとし、電
気メッキ成長当初において開口部にメッキ層を形成する
とき(Ψ=φ)に、凸面となる様にメッキ層を形成する
ことを特徴とする。
は、電気メッキ成長当初において開口部にメッキ層を形
成するときに、メッキ層が凸面となる為には、特に、前
記開口部の開口径ないし幅が10μm以下であるのが重
要である。
製方法において、より具体的には、以下の様な形態も取
り得る。上記工程(3)において、マスク層上に凸面状
のメッキ層を形成する成長を続け、隣接するメッキ層同
士が一体化するまで電気メッキを行なう。これにより、
フライアイレンズなどが形成できる。
キを行なう際にメッキ浴を基板上で流動させずにメッキ
を行なう。この理由は後述されている。
状であったり、長く伸びた長方形形状であったりして、
球面レンズ、レンチキュラーレンズなどのマイクロレン
ズ用の金型又は金型マスターが作製できる。
型を形成する工程、(5)金型を基板より剥離する工程
を行なうことにより前記マイクロレンズ用金型と反転す
る(凹凸が反転する)マイクロレンズ用金型を形成でき
る。
に、犠牲層を形成する工程を含んでもよい。この場合、
工程(5)において、金型を基板より剥離する工程が犠
牲層を除去することにより行われる。この犠牲層を導入
するプロセスについて図9を用いて説明する。電気メッ
キにより形成された金型マスター31〜35上に犠牲層
37を形成する(図9(a))。次に、電気メッキ用の
金型用電極層38を形成する。この金型用電極層38を
陰極として、金属イオンを含むメッキ液中で電気メッキ
を行ない、金型39を形成する(図9(c))。この後
に、犠牲層37をエッチング除去し、金型用電極層38
を有する金型39とメッキ層35を有する基板31が剥
離できる(図9(d))。次に、金型用電極層38をエ
ッチング除去することで金型39が形成できる(図9
(e))。この作製フローでは金型用電極層38を除去
したが、モールディングにてマイクロレンズを形成する
工程にて、金型用電極層38によりレンズ面を汚染す
る、あるいは金型用電極層38の降伏応力が小さく傷が
付きやすい等の問題が発生しないのであれば、金型用電
極層38を除去しなくてもよい。図9の作製フローで
は、犠牲層37をメッキ層35及びマスク層33上に形
成したが、犠牲層37を形成せず電極層32を犠牲層と
して利用してもよい。図9(c)から(d)に至る犠牲
層除去の工程で、電極層32をエッチング除去し、メッ
キ層35を有する金型39と基板31とを分離した後に
メッキ層35をエッチング除去する組み合わせを用いて
も、図9(e)の金型39を形成することが可能であ
る。この方法は、込み入った形状の犠牲層ではなく、単
に平坦な電極層32をエッチング除去すればよいので、
製造時間が短くなる。
板、メッキ層を順次エッチング除去して行われてもよい
し、金型を基板より機械的に剥離して行なわれてもよ
い。
より行なわれてもよいし、金型材料をメッキ層上に塗布
することで行なわれてもよい。
ッキ温度を制御してメッキ層の大きさ、形状が制御され
る。この際、開口部が基板上に複数形成され、該複数の
開口部に対応して形成されるメッキ層が連続的となる様
にメッキ時間、メッキ温度が制御される様にもできる。
この金型は、フライアイレンズ、レンチキュラーレンズ
等用の金型として用いられ得る。
的に金型と基板を剥離してもよいが、金型が大判化する
と剥離のときに変形する場合がある為、基板、マスク
層、メッキ層を順次裏面よりエッチング除去する方法を
取ることも、上記したように可能である。また、基板及
びメッキ層上に犠牲層を設けた後に金型を形成する場合
には、犠牲層を除去することにより金型と基板を剥離す
るが、犠牲層をエッチングするエッチャントにより金型
が腐触されないよう犠牲層の材料を選ぶ。犠牲層をエッ
チングするエッチャントによりメッキ層及び基板も腐蝕
されない場合、メッキ層を形成した基板を金型用の金型
マスターとして、複数回使用することが可能であり、金
型が複数回の使用により傷、汚れ等により使用できなく
なった場合に、同様の方法により金型を容易に作製する
ことができる。
ッキ層を形成した基板上に形成でき、かつ剥離できるも
のであれば、樹脂、金属、絶縁体等の何れの材料も用い
ることができる。簡略な金型の作製方法としては、樹脂
や金属、ガラスの溶融または溶解した溶液をメッキ層が
形成された基板上に塗布し、これが硬化した後に上述し
た剥離の方法により剥離し作製する。この場合、金型材
料としては、基板やメッキ層が熱損傷や合金化しない材
料を選択する。
ロレンズの作製方法は、上記のマイクロレンズ用金型の
作製方法により作製したマイクロレンズ用金型上にレン
ズ材料(樹脂等よりなる)を塗布し、金型よりレンズ材
料を剥離して形成することを特徴とする。
折率の異なるレンズ材料を塗布して硬化してマイクロレ
ンズを作製することもできる。
金型を用い、モールディングによりマイクロレンズを作
製することができる。これにより、低コストで且つ容易
に、同一の形状のマイクロレンズ(アレイとして、或は
個々に)を作製することが可能となる。マイクロレンズ
の材料としては、マイクロレンズ用金型との剥離性が容
易な材料が用いられる。
は、金属、半導体(シリコンウエハ等)、絶縁体(ガラ
ス、石英、高分子フィルムなど)の何れの材料も使用す
ることが可能である。基板として金属材料を使用するの
であれば、電極層を形成する必要はない。また、半導体
を用いる場合、電気メッキが可能な程度の導電性を有す
るのであれば、必ずしも電極層を形成する必要はない。
但し、基板として金属、半導体を用いる場合、全面メッ
キ液に晒される為、マイクロ構造体形成面以外にもメッ
キ層が形成されてしまうので、所望の面のみにメッキ層
を形成させたいのであれば、絶縁体を用いるのが好まし
い。或は、金属、半導体の表面を部分的に絶縁化したも
のを用いるのもよい。
ることより、うねりや表面荒さの小さい基板を使用する
ことが好ましい。また、メッキ層の内部応力や熱応力に
より基板が反る場合がある為、基板としては、平坦性の
良好な、ヤング率の大きな金属板、ガラス基板、シリコ
ンウエハ等を使用することが好ましい。
に、使用するメッキ液に腐蝕されない材料より選択され
る。マスク層として用いることのできる材料としては絶
縁性材料であれば、有機物、無機物の何れの材料も用い
ることができる。マスク層も、メッキ液に腐蝕されない
材料より選択される。
ると、形成方法により表面粗さが増す場合がある(こう
なると、揃ったマイクロレンズアレイないしマイクロ構
造体アレイを作製できなくなる)。この為、電極層及び
マスク層の形成方法としては、真空蒸着方法、スピンコ
ート法、ディップ法等の薄膜形成方法を用いる。
程を説明する。開口部形成に当たっては、微小ないし細
い開口を形成することが可能なフォトリソグラフィプロ
セスとエッチングによりマスク層に開口部を形成する。
まず、マスク層を形成後、フォトリソグラフィプロセス
によりマスク層上にフォトレジストの開口部パターンを
形成し、フォトレジストをマスクとしてマスク層に開口
部パターンをエッチングにより形成し、最後にフォトレ
ジストを除去することにより所望の開口部を有するマス
ク層を形成する。マスク層としてフォトレジストを用い
ることも可能であり、フォトレジストを用いるとマスク
層材料のエッチングの工程を省略できるので、マスク層
材料としてフォトレジストは好ましい。
力や、メッキ浴の温度を上げて電気メッキを行なう為に
生じる熱応力により基板が反ることがある。樹脂のヤン
グ率及び降伏応力が金属や無機物に比べて小さく4桁以
上の差がある。これより、導電体やメッキ層と略同程度
の膜厚の樹脂よりなるマスク層では、金型又は金型マス
ターは容易に反ってしまう。また、応力のみならず、樹
脂ではメッキ浴により膨潤する問題があるため、樹脂を
マスク層に用いる場合は、導電性基板あるいは電極層を
有する基板の厚みに比べてマスク層を、薄くすることが
良い。
化学反応により析出することにより形成される。電気メ
ッキでは、メッキ時間、メッキ温度を制御してメッキ層
の厚さを容易に制御することが可能である。主なメッキ
の金属としては単金属では、Ni、Au、Pt、Cr、
Cu、Ag、Zn等、合金では、Cu−Zn、Sn−C
o、Ni−Fe、Ni−W、Zn−Ni等があるが、他
の電気メッキが可能な材料であれば用いることは可能で
ある。特に、Ni、Cr、Cuは光沢メッキが容易にで
きる点で、マイクロレンズ金型又は金型マスターのメッ
キ材料として好ましい。
り、前記電極層とメッキ層が同じ材料から成ったり、前
記電極層とメッキ層との間に合金層が存在したり、この
合金層が電極層とメッキ層の少なくとも一方の金属が拡
散してなる形態も可能である。また、上記金型を形成す
る工程が、スルファミン酸ニッケル浴を用いたニッケル
メッキである形態も採り得る。これらの各形態の効果は
以下の実施例に述べられている。
2、PTFE等の分散粒子を付加することによる分散メ
ッキも、電気メッキの中で、半球状等のマイクロ構造体
の形成に利用できる。これにより、金型の機械的強度、
耐食性を分散粒子により向上することが可能となる。
用いて図面に沿って説明する。
初において開口部にメッキを形成したときにメッキ層が
平坦部を有する様にされた本発明の第1実施例を説明す
る為のマイクロレンズ金型又は金型マスターの作製方法
を示す工程図である。図2は、本実施例において用いた
電気メッキ装置の概略図である。これらの図において、
1は基板、2は電極層、3はマスク層、4は開口部、5
はメッキ層、21はワーク、22は陽極板、23は金属
イオンを含むメッキ浴、24は外部電源である。
説明する。基板1に電極層2を形成し、さらにマスク層
3を形成する。基板1に導電性を有する基板材料を使用
する場合は、電極層2を形成する必要はない。
開口部形状はここでは円形とした。
を形成した基板1をワーク21として金属イオンを含む
メッキ浴23に漬ける。ワーク21と陽極板22との間
を外部電源24と繋げて電流を流し、開口部4にメッキ
層5を形成する。このことで、まず図1(b)に示すよ
うに開口部4にメッキ層5が形成される。この際、メッ
キ中に開口部近傍でのメッキ液23の流動が起きないよ
うにする。微小な開口部4にメッキ成長する際に、開口
部近傍でメッキ液の流動があると、流動の上流側に比べ
て下流側のメッキ成長速度が増大し、メッキ層が開口部
中心に対して非対称に成長する。従って、非対称となる
メッキ層をマイクロレンズ金型又は金型マスターには使
用できないので、この様にする。
方法としては、メッキ中にメッキ浴を撹拌しない方法が
ある。他の方法としては、基板近傍にメッキ液の拡散が
でき且つ流動を阻害するようなメッシュを設ける方法が
ある。特に、撹拌しない方法は簡便である。本実施例で
は、撹拌しない方法を用いた。
面径Ψが開口径φと等しくマスク層3面上にメッキ層5
が成長していない場合、開口部4内にメッキ層5が析出
するが、このとき、メッキ層5が平坦部を有しており基
板上方向に凹形状とならないように析出させる。すなわ
ち、こうなる様に電圧等の条件を整える。
密度が増すため、図1(a)のような陰極(導電層ない
し電極層2の露出した部分)では開口部4の縁面にメッ
キされ易く、メッキ当初にメッキ層は凹形状となる場合
がある。このような凹形状のメッキ層では、メッキ成長
を続けても光軸部(開口部4の直上部)に凹部が残る
か、あるいは略半球状のメッキ層となるまで長時間メッ
キ成長することが必要となる。こうした場合、光軸部で
所望の曲率半径を有するマイクロレンズ金型又は金型マ
スターを作製することができなくなる。このことより、
開口部4に形成するメッキ層5は平坦を含む凸状に成長
させることは、好ましいマイクロレンズ金型又は金型マ
スターをメッキを用いて作製する上で必要となる。
示すようにマスク層3面上にもメッキ層5が広がり、平
坦部はメッキ当初に比べて小さくなる。メッキ成長を続
けることで平坦部はなくなり、図1(d)及び図1
(e)のように開口部4中心ないし直上部のレンズ金型
又は金型マスターの光軸となる部分に曲率ができ、略半
球形状のメッキ層5が形成される。金属イオンを含むメ
ッキ液23中で微小な開口部4にメッキを行なうと、メ
ッキ液23中の金属イオンがメッキ層5に向かい、メッ
キの析出は成長方向が等方的になって進行する。
製されるマイクロレンズ金型又は金型マスターにおい
て、光軸で所望の曲率半径Rを有する金型を得る為に、
メッキ浴、メッキ条件等をパラメーターとして実験を行
った。その為には、メッキ層5の底面径をΨ、開口部4
の開口径をφとし、電気メッキ成長当初において開口部
4に平坦部を有するメッキ層5を形成するときに(Ψ=
φ)、電気メッキ成長をし(Ψ>φ)所望のRを得るに
は開口部4の開口径φが以下の条件を満たすことが必要
であることを見出した。
メッキ層5は最小曲率半径Rminを有しており、所望
の曲率半径Rを有するマイクロレンズ金型又は金型マス
ターを得るには、数式(1)を満たす開口径の開口部4
を形成する必要がある。
開口径ないし幅と最小曲率半径の関係を見出した。上記
条件を超える開口径ないし幅φでは、メッキ浴、メッキ
条件によっては所望の曲率半径のメッキ層を得られなく
なる。
て図3を用いて説明する。曲率半径は次の様にして求め
る。基板上に複数の開口部を有するマスク層を形成し、
該基板をワークとして図2に示した電気メッキ装置を用
いて所定時間メッキを行ない、形成したメッキ層の開口
部直上部の表面プロファイルを測定し、曲率半径に換算
することで求める。メッキ成長時間と曲率半径の関係を
求めるに当たり、図1(e)に示すメッキ層5の底面径
Ψの半分のΨ/2をメッキ成長時間のパラメーターとし
て用いている。
らの時点では、開口部4直上部のメッキ層5表面には平
坦部があり、曲率を持っていない(平坦部として図3に
記載)。この後、メッキ成長を行なうと平坦部が無くな
り、メッキ層5は曲率半径を有する様になる。さらにメ
ッキを続けるとメッキ層5の曲率半径は小さくなり、図
3に記載した最小曲率半径Rminを取る。この後、更
にメッキ成長を継続するとメッキ層5自体も大きくなる
為に、曲率半径はメッキ層5が大きくなるに従い大きく
なっていく。最小曲率半径は開口部4の開口径に依存し
ており、開口径が大きくなると最小曲率半径も大きくな
る。一定の開口径のもとでは、図3に示すように、最小
曲率半径Rminを持つこととなる。
るための実験を、NiメッキとCuメッキに対して行っ
た。光沢メッキが比較的容易にできるメッキ浴として、
Niメッキ浴ではワット浴を用い、Cuメッキ浴として
は硫酸銅メッキのメッキ浴により行った。ワット浴の組
成は、硫酸ニッケル・6水和物と塩化ニッケル・6水和
物と硼酸の1リットル当たりの重量比を270:40:
40とする水溶液に光沢剤を添加したものである。メッ
キ浴温度は55℃とし、印加電圧1Vの定電圧の条件に
てNiメッキを行った。
の1リットル当たりの重量比を200:50とする水溶
液に塩酸を0.04ml/l添加したものを用いた。メ
ッキ浴温度は55℃とし、メッキ層の光沢条件として印
加電圧0.3Vの定電圧の条件にてCuメッキを行っ
た。
ッケル浴を用いて、ワット浴と同様の条件でメッキを行
った。ここでは、市販のメッキ浴(製品名:ミクロファ
ブNi100、日本エレクトロプレイティング・エンジ
ニヤース(株)製)を用いた。
が開口部4内で平坦部を有し且つ凹形状とならず、光沢
メッキができる条件である。また、表面プロファイル
は、共焦点走査型のレーザー顕微鏡の1つの機能である
表面形状測定機能(試料を対物レンズ側に移動し、この
ときの最大輝度位置を測定する)により測定した。測定
範囲は開口径の長さと同じである。
用した。これについて以下に説明する。酸化ガスを用い
て熱酸化し、両面に1μm厚の二酸化シリコン膜が形成
されたシリコンウエハを、図1に示す基板1として用い
る。このウエハに、薄膜形成法の1つである電子ビーム
蒸着法により、CrとAuを夫々10nm、200nm
厚で連続して成膜し電極層2を形成する。次に、全芳香
族ポリアミド酸溶液をスピン塗布し熱処理を行って、ポ
リイミド膜からなるマスク層3を形成する。そして、フ
ォトリソグラフィによりフォトレジストを塗布、露光、
現像してレジストに開口部を設け、酸素を用いた反応性
イオンエッチングによりフォトレジストの開口部のマス
ク層3をエッチング除去する。こうして、電極層2を露
出させ、開口部4を形成する。この後、上記フォトレジ
ストを剥離した。
口径10μm以下では、メッキ当初に開口部内でメッキ
したメッキ層は平坦部とならないので、開口径としては
20μm、40μm、80μmについて測定を行った。
メッキ当初(Ψ=φ)においてメッキ層5の表面が平坦
部を形成するには、開口径φは10μmを超えることが
必要であった。
ける開口径20μmと80μmでの検討結果を示す。同
一の開口径を持つマスク層3にメッキ時間を変えて異な
る底面径Ψのメッキ層5を形成し、開口部4直上部のメ
ッキ層5表面の光軸での曲率半径を測定することで、最
小曲率半径Rminを得る。開口径80μmではRmi
nは約190μm、開口径20μmでは約50μm程度
であった。
ッキで得られた最小曲率半径Rminと開口径φとの検
討結果を図5に示す。NiメッキとCuメッキでは開口
径20μm、40μm、80μmについて行った結果を
示し、スルファミン酸ニッケル浴では開口径20μmに
ついて行った結果を示す。メッキ浴が異なっても最小曲
率半径Rminに大きな差異は見られない。これより、
メッキ浴に依らず一定の開口径φにおいて、数式(1)
の等号で示す図5中の破線より上の領域の曲率半径を得
ることが可能であることが分かった。すなわち、所望の
曲率半径Rを得る為には、開口径φは数式(1)を満た
す必要があることが分かった。
て、メッキ当初にメッキ層が凹形状となる条件で、開口
径φが80μmのときにメッキ層を形成した。しかし、
図4に示すΨ/2が200μmとなる範囲までメッキ成
長を続けてもメッキ層に凹形状は残っていた。メッキ層
が凹形状を有したことで、マイクロレンズ金型又は金型
マスターとして用いることはできなかった。
口部の数が異なっても、最小曲率半径Rminに違いが
生じることは見出されなかった。また、電圧条件でメッ
キ当初に流れる電流を計測し、この電流値にて定電流で
同様のメッキを行ない曲率半径とΨ/2との関係を計測
したが、結果に差異はなかった。
初において開口部にメッキを形成したときにメッキ層が
平坦部を有する場合、形成したメッキ層の開口部直上部
の曲率半径をR、このときの開口部の開口径をφとする
ときに、数式(1)を満たすことで、光軸で所望の曲率
半径を有するメッキ層を有する基板からなるマイクロレ
ンズ金型又は金型マスターを作製することが可能である
事が見出せた。
ターの作製方法は、エッチングにより原版を形成する方
法に比べて、所望の形状が得られた時点で陽極と陰極と
の間に流れる電流を停止すればメッキの析出を停止でき
るために、水洗までの時間でエッチングされてしまう様
な不測の形状誤差を回避でき、作製の制御性が良い。ま
た、本発明のマイクロレンズ金型又は金型マスターの作
製方法では、電気メッキにて形成した金型から直接形成
できるために、高価な設備を必要とせず、低コストで作
製でき、また容易に大判化することも可能となる。さら
に、メッキ層の大きさをその場観察により制御すること
ができ、メッキ時間、メッキ温度により、容易且つ高精
度にレンズ径等を制御できる。マスク層に複数の開口部
を形成することにより、同様の方法を用いてマイクロレ
ンズアレイ用の金型又は金型マスターを形成できること
は言うまでもない。
スターよりマイクロレンズを作製する工程を以下に説明
する。まず、マイクロレンズ金型として用いる場合の一
例を図11を用いて説明する。図11において、51、
52、53、54、55、57、58、59は夫々基
板、電極層、マスク層、開口部、メッキ層、ガラス、高
屈折率の樹脂、紫外線硬化樹脂である。このマイクロレ
ンズ金型は凸型となっていて、またメッキ層55が連続
的になっている(図11(a)参照)。前述した工程で
得られたマイクロレンズ金型上に紫外線硬化型の樹脂5
9を塗布し、次いでガラス57を該樹脂59の上に載せ
てガラス57側から紫外線を照射し樹脂59を硬化す
る。樹脂硬化後に、ガラス57と樹脂59を金型から剥
離し、ガラス57上にメッキ層55の形状を反転した樹
脂からなる凹型のマイクロレンズが形成される(図11
(b))。
り高屈折率の樹脂58を塗布し、該高屈折率の樹脂58
を硬化し、平坦化することによりマイクロレンズが作製
できる(図11(c))。
ズを作製する場合にアルカリガラスが必須とはならず、
イオン交換法と比べて、マイクロレンズ、支持基板の材
料の制限が少なくなる。
ズの作製例を示したが、従来の熱可塑性の樹脂を用いて
加熱した金型をそこにスタンプする、あるいは金型上に
熱硬化樹脂を塗布し加熱して該樹脂を硬化する、あるい
は金型上に電子線硬化樹脂を塗布し該樹脂に電子線照射
して硬化することで、凹型マイクロレンズを作製しても
よい。
形成した基板をマイクロレンズ金型マスターとして用
い、マイクロレンズを作製する場合の一例を説明する。
先ず、マイクロレンズ金型マスターに、金型をメッキ形
成する為の金型用電極を形成し、該金型用電極上にマイ
クロレンズ金型マスターの作製に使用したとは異なるメ
ッキ材料をメッキしマイクロレンズ金型を形成する。つ
いで、マイクロレンズ金型をマイクロレンズ金型マスタ
ーから剥離することで凹型のマイクロレンズ金型が作製
される(前述した犠牲層を用いる例を示した図9を参
照)。
イクロレンズの作製工程の一例を図10を用いて説明す
る。紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂、電子線硬化樹脂等の
樹脂40をこの凹型のマイクロレンズ金型39上に塗布
し、夫々の樹脂40を紫外線、熱、電子線等を当てて硬
化し、金型39と該樹脂等40を剥離することでマイク
ロレンズを作製する。熱可塑性樹脂を用いて加熱した金
型をそこにスタンプし、凸型のマイクロレンズを作製す
ることも可能である。
を形成するに際し、電気メッキ成長当初にメッキ層が凸
形状となる様に調整された第2の実施例を説明する為の
マイクロレンズ金型又は金型マスターの作製方法を示す
工程図である。
層、13はマスク層、14は開口部、15はメッキ層で
ある。図6(a)に使用する基板11の構成を説明す
る。基板11に電極層12を形成し、さらにマスク層1
3を形成する。基板に導電性を有する基板材料を使用す
る場合は、電極層12を形成する必要はない。
る。開口部形状は円形とし、開口径をφとする。そし
て、図2の電気メッキ装置を用いて、開口部14を形成
した基板11をワークとして、金属イオンを含むメッキ
浴23に漬け、陽極板22との間を外部電源24と繋げ
て電流を流し、開口部14にメッキ層15を形成する。
メッキ中、開口部近傍でのメッキ液の流動が起きないよ
うにする。この理由及び方法は第1実施例で述べた通り
である。本実施例でも、撹拌しない方法を用いた。こう
して、メッキ成長当初、図6(b)のような凸形状にメ
ッキ層15を形成した。
示すようにマスク層13面上にもメッキ層15が広が
り、メッキ成長当初の凸形状を反映した曲率を有するメ
ッキ層15が形成される。さらにメッキを行なうこと
で、メッキ層15は図6(d)に示す様な半球体となる
(開口部をスリット形状にすれば半円筒形状になる)。
金属イオンを含むメッキ液23中で微小な開口部にメッ
キを行なうと、メッキ液中の金属イオンがメッキ層に向
かい、メッキの析出は成長方向が等方的になって進行す
る。
製されるマイクロレンズ金型又は金型マスターにおいて
微小な半球体形状を得る為に、メッキ浴、メッキ条件等
をパラメーターとして実験を行なった。そして、開口部
14にメッキ層15を形成するに際して電気メッキ成長
当初に開口部14にメッキを形成したときに(Ψ=φ:
Ψはメッキ層の底面径)、メッキ層15に平坦部が無く
当初メッキ層が凸面となる条件を見出したものである。
具体的には、このときの開口径φは、以下の数式(2)
を満足すれば良いことを見出した。
成したときに(Ψ=φ)、当初メッキ層15に平坦部が
無く凸面となるようにすることで、メッキ層15凸部の
頂上部が電気メッキし易くなり、更にメッキ成長すると
メッキ層15は速やかに半球形状となる。この結果、メ
ッキ層15の側面の曲率半径と光軸近傍の曲率半径に差
異が生じず、このマイクロレンズ金型又は金型マスター
で作製されるマイクロレンズの側面も利用できるように
なり、開口数の大きなマイクロレンズを提供することが
可能となる。
には、メッキ成長当初(Ψ=φ)に平坦部が形成され、
平坦部を無くした後に略半球形状となるようにメッキ層
を成長させた後も、更にメッキ成長を続ける必要がある
(第1実施例参照)。この結果、金型又は金型マスター
の曲率半径が大きくなってしまい、例えば、曲率半径が
30μm以下のような極めて微小な曲率半径を持つマイ
クロレンズを提供することが困難となる。
極めて微小な曲率半径を有するマイクロレンズ用の金型
又は金型マスターを提供できる。また、当初より半球形
状である為に、さらにメッキ成長を続ければ半球形状を
有する比較的大きな曲率半径を持つマイクロレンズ用の
金型又は金型マスターを提供することも可能である。
について図7を用いて説明する。曲率半径は、基板上に
複数の開口部を有するマスク層を形成し、該基板をワー
クとして図2に示した電気メッキ装置を用いて所定時間
メッキを行ない、形成したメッキ層の開口部直上部の表
面プロファイルを測定することで得る。すなわち、この
表面プロファイルより、マイクロレンズの光軸付近の曲
率半径を求め、図7中の曲率半径Rを求めた。表面プロ
ファイルは、共焦点走査型のレーザー顕微鏡の1つの機
能である表面形状測定機能(試料を対物レンズ側に移動
し、このときの最大輝度位置を測定する)により測定し
た。測定範囲は開口径の長さと同じである。
5の底面径Ψより(これらは測定する)、計算にて、メ
ッキ層が円形であると仮定して求まる図7中の点線で示
す仮想曲率半径rを求めた。rは以下の数式(3)によ
り求まる。
径が等しければ、曲率半径Rは仮想曲率半径rに一致
し、形成したメッキ層15は半球形状であると言える
(逆に言えば、曲率半径Rと仮想曲率半径rが一致すれ
ば、メッキ層15は半球形状であると言える)。これに
より、レンズの利用面積を広く取ることができる。
めの実験を、NiメッキとCuメッキに対して行った。
光沢メッキが比較的容易にできるメッキ浴として、Ni
メッキ浴ではワット浴を用い、Cuメッキ浴としては硫
酸銅メッキのメッキ浴により行った。ワット浴の組成
は、硫酸ニッケル・6水和物と塩化ニッケル・6水和物
と硼酸の1リットル当たりの重量比を270:40:4
0とする水溶液に光沢剤を添加したものであり、メッキ
浴温度は55℃とし、印加電圧1Vの定電圧の条件にて
Niメッキを行った。Cuメッキ浴は、硫酸銅・5水和
物と硫酸の1リットル当たりの重量比を200:50と
する水溶液に塩酸を0.04ml/l添加したものを用
い、メッキ浴温度は55℃とし、メッキ層の光沢条件と
して印加電圧0.3Vの定電圧の条件にてCuメッキを
行った。ここでの電圧は、メッキ当初に開口部14内で
メッキ層15が凸形状となり光沢メッキとなる電圧であ
る。
を使用した。基板11の形成は、開口径の大きさを除い
て、第1実施例で述べたものと同じである。開口部は円
形をしており、開口径が5μm、10μmについて測定
を行った。比較の為、開口径が20μmについても同様
の測定を行った。
で、メッキ時間を変えて異なる半径のメッキ層15を有
する基板を形成し、開口部14直上部のメッキ層表面の
光軸での曲率半径Rと仮想曲率半径rを測定した結果を
示す。図8中、破線はRがrと等しいときを示す。開口
径10μmの場合から分かるように、メッキ浴に依ら
ず、rが20μm未満の領域でrとRが等しい値となっ
ていた。また、開口径5μmではrが約4μmにて既に
rとRが等しくなっていた。
おいてメッキ層が平坦部を有する開口径20μmにて同
様の測定を行ったが、このマイクロレンズ金型及び金型
マスターのメッキ層ではrが70μmでも、rはRに一
致しなかった。
場合で、Niワット浴を用い、電圧3Vでメッキ層を形
成した。メッキ成長当初(Ψ=φ)においてメッキ層は
凹形状となり、その後にメッキを続けてメッキ層底面径
が55μmまで成長させたが、開口部上部のメッキ層表
面に凹形状が残ったままとなっていた。
スク層材料を変え同様の実験を行った結果を示す。全芳
香族ポリアミド酸溶液をスピン塗布し熱処理を行ないポ
リイミド膜とするマスク層13を用いた。基板11及び
電極層12は、上記と同様に、夫々、両面に1μm厚の
二酸化シリコン膜が形成されたシリコンウエハ、Crと
Auを連続して成膜した電極層12である。
層13上にフォトリソグラフィによりフォトレジスト
(商品名AZ1500:Hoechst社製)を塗布
し、これを露光、現像してレジストに開口部を設けるこ
とでエッチング用マスクとする。次に、酸素を用いた反
応性イオンエッチングによりフォトレジストの開口部の
マスク層13をエッチング除去して電極層12を露出さ
せ、開口部14を形成した。この後、フォトレジストを
剥離した。
200μm間隔で配置されている。このウエハをワーク
として用いて、電極層12を陰極として、硫酸ニッケル
と塩化ニッケルと硼酸及び光沢剤からなるNiワット浴
を用いて、浴温50℃、陰極電流密度5A/dm2でN
iメッキを行った。このとき、撹拌は行なわなかった。
Niメッキは、まず、開口部14から析出、成長し、マ
スク層13上にもメッキ層15が広がり、図6(d)に
示す半球状のメッキ層15が形成された。メッキ層15
の底面径であるメッキ層の径は50μmとなるまでメッ
キを析出させた。
の任意に抽出した10個のメッキ層15について曲率半
径Rと仮想曲率半径rを計測した結果、Rとrの値は一
致していた。この例により、50μmの曲率半径となる
半球形状を有するマイクロレンズ用の金型又は金型マス
ターを実現できることが分かった。
流でのメッキ実験を行った。基板11と電極層12は、
上記と同様、夫々、両面に1μm厚の二酸化シリコン膜
が形成されたシリコンウエハ、CrとAuを連続して成
膜した電極層12である。マスク層13にはフォトレジ
ストを用いた。開口部14は700×700のマトリッ
クス形態で25μm間隔で配置されている。
12を陰極として、硫酸ニッケルと塩化ニッケルと硼酸
及び光沢剤からなるNiワット浴を用いて、メッキ浴温
度60℃、電流値を10mA、100mAの2種類につ
いてNiメッキを行った。このとき、撹拌は行わなかっ
た。Niメッキは、まず、開口部14から析出、成長
し、マスク層13上にもメッキ層15が広がり、図6
(d)に示す半球状のメッキ層15が形成された。
10μmから35μmの大きさを持つメッキ層15を有
する基板を形成した。これらの各マイクロレンズ金型又
は金型マスターについて、700×700個の内の任意
に抽出した10個のメッキ層15について曲率半径Rと
仮想曲率半径rを計測した結果、Rとrの値は一致して
いた。この結果、定電圧による電気メッキと同様に、定
電流下での電気メッキについても、半球形状を有する微
小な曲率半径のマイクロレンズ金型又は金型マスターが
作製できることが分かった。
面径Ψが開口径φと等しくマスク層13面上にメッキ層
15が成長していない場合において、メッキ層15に平
坦部が無くこれが凸面となる条件を満たすことで、メッ
キ層15の側面の曲率半径と光軸近傍の曲率半径に差異
が生じず、このマイクロレンズ金型又は金型マスターで
作製されるマイクロレンズはその側面も利用でき、開口
数の大きなレンズを提供できることを見出せた。このと
きの開口径は数式(3)を満たしていた。
判化につて、第1実施例と同様な効果が得られる。ま
た、上記構造をマイクロレンズ金型または金型マスター
として用いてマイクロレンズを作製することも、第1実
施例で述べたように行なえる。
メッキ浴によりマイクロレンズ金型を作製し、マイクロ
レンズアレイを作製した例を示す。基板11として、6
インチ角の石英ガラスを用いた。電極層12は、薄膜形
成法の1つである電子ビーム蒸着法によりCrとAuを
夫々10nm、200nm連続して成膜し電極層12を
形成した。
ジストを塗布、露光、現像し開口部14を設け、電極層
12を露出させた。フオトレジストをマスク層13とし
て用いた。開口部14は円形をしており、その直径φは
5μm、開口部14のピッチ35μmである。上記配置
の開口部14を100×100のマトリックスに配置し
たものを1ブロックとし、石英基板11にブロック間ピ
ッチ20mmで8×8ブロックを配置した。
からなるCrメッキ浴を用いて、Crメッキを行った。
Crメッキは、まず、開口部14の電極層12上に析出
し、開口部14内にメッキを形成したときにメッキ層1
5は凸状となっていた。この後、さらにメッキを続ける
ことでマスク層13上にもメッキ層15が広がり、半球
状構造体のメッキ層15が形成された。半球体の半径が
70μmとなるまでメッキをし、メッキ層15は連続膜
とした。
メッキ層15をマイクロレンズ金型として用いてマイク
ロレンズアレイを形成した。図11に示すように、ま
ず、紫外線硬化樹脂59をこの金型51〜55に滴下
し、ガラス基板57を載せ、ガラス基板57から紫外線
を照射して樹脂59を硬化させた。その後、金型から樹
脂59をガラス基板57と共に剥離し、ガラス基板57
上に金型とは反転する凹型マイクロレンズアレイ59を
形成した。このマイクロレンズアレイ上に、マイクロレ
ンズ金型に滴下した紫外線硬化樹脂59より大きな屈折
率を持つ紫外線硬化樹脂58を塗布した。塗布した紫外
線硬化樹脂58の表面を平滑にする為にガラス基板を載
せ、紫外線を照射して大きな屈折率の樹脂58を硬化さ
せた。硬化した紫外線硬化樹脂からこのガラス基板を剥
離することでマイクロレンズアレイを作製することがで
きた。
の方法により屈折率の異なる2層の紫外線硬化樹脂から
なるマイクロレンズアレイを繰り返し1000個作製し
た後に、本実施例のマイクロレンズ金型の表面を観察し
たところ、腐蝕や傷等は見当たらなかった。
Ptを用いる方法に係る。図9を用いて本実施例を説明
する。
酸化し、両面に1μm厚の二酸化シリコン膜が形成され
た6インチφのシリコンウエハを、図9に示す基板31
として用いる。このウエハ31に、薄膜形成法の1つで
ある真空スパッタ法により、TiとPtを夫々10n
m、200nm厚で連続して成膜し、電極層32を形成
する。
塗布し、熱処理を行なってポリイミド膜からなるマスク
層33を形成する。フォトリソグラフィによりフォトレ
ジストを塗布、露光、現像して開口部を設け、酸素を用
いた反応性イオンエッチングによりフォトレジストの開
口部のマスク層33をエッチング除去する。こうして、
電極層32を露出させ、開口部34を形成する。
部34は、ここでは円形をしており、その直径は10μ
mである。開口部34は500×500のマトリックス
に200μm間隔で配置されている。
2を陰極として、硫酸ニッケルと塩化ニッケルと硼酸及
び光沢剤からなるNiメッキ浴を用いて、浴温50℃、
陰極電流密度5A/dm2でNiメッキを行なう。Ni
メッキはまず、開口部34から析出、成長し、マスク層
33上にもメッキ層35が広がる。かくして、図9
(a)に示す半球状構造体35のメッキ層が形成され
た。この場合、半球体35の半径が50μmとなるまで
メッキを析出させた。これは、顕微鏡などを用いて確認
できる。
0℃にて1μm成膜し、犠牲層37を形成する(図9
(a))。続いて、電子ビーム蒸着法により、TiとA
uを夫々10nm、200nm厚で連続して成膜して金
型用電極層38を形成し、図9(b)の金型用の金型を
形成する。
極層38を陰極として、前記Niメッキ浴にて浴温50
℃、陰極電流密度5A/dm2でNiメッキを行ない、
金型39を形成する(図9(c))。
溶液に図9(c)の基板を浸漬して、犠牲層37である
PSGををエッチング除去する。こうして、基板31と
金型39を剥離することができた(図9(d))。
除去される。この後、金型用電極38を、沃素と沃化カ
リウムの混合水溶液によりエッチング除去し、マイクロ
レンズ用金型39を形成する(図9(e))。
(a)に示す半球状構造体35を有する構成であり、図
9の工程を行なうことにより、再びマイクロレンズ用金
型39を作製することができる。本実施例のマイクロレ
ンズ用金型の作製方法において、金型39を電気メッキ
により形成できるために、同一形状の金型を複数形成す
ることができる。従来の金型形成方法では、原版は一枚
であったのに対して、本実施例では、金型自体を金型で
形成し、犠牲層プロセスを用いて複数形成することが可
能である。これにより、一層の低コスト化が達成でき
る。
フォトポリマーからなる樹脂40を金型39に滴下し、
支持基板41となるガラス基板をその上に載せ、ついで
紫外線を照射して樹脂40を硬化させる。硬化後にガラ
ス基板41を持ち上げたところ、樹脂40はマイクロレ
ンズ用金型39より剥離され、マイクロレンズアレイを
形成することができた。ここでは、同一のマイクロレン
ズ用金型を用いて、同様の方法によりフォトポリマーの
マイクロレンズを1000枚作製できた。
Niメッキ層35とでは合金層を形成しないので、硫酸
等での酸洗浄とオゾンアッシングによりPt上に形成さ
れたマスク層33やメッキ層35は除去でき、Pt電極
層32が形成された基板として再生することができた。
してメッキ層35と同じ材料を用いた方法に係る。同じ
く図9を用いて説明する。
酸化し、両面に1μm厚の二酸化シリコン膜が形成され
た6インチφのシリコンウエハを、図9に示す基板31
として用いる。このウエハ31に、薄膜形成法の一つで
ある真空スパッタ法により、TiとNiを夫々10n
m、200nm厚で連続して成膜し、電極層32を形成
する。
3実施例と同様に形成する。そして、同じく第3実施例
と同様に図9(a)に示す半球状構造体のメッキ層35
を形成する。
材料(すなわちNi)にしたことにより、異種材料の間
に生じる結晶格子のミスマッチを無くせるため、スムー
ズに電極層32上にメッキ層35が成長でき、電極層3
2上に半球状構造体35が強固に固着される。よって、
洗浄等の工程で半球状構造体35が欠落することが無く
なり、ハンドリングしやすくなった。
ロレンズ用金型39を形成することができる。その他の
特徴も第3実施例と同じで、また、本実施例のマイクロ
レンズ用金型39を用いて、第3実施例と同様の方法に
よりフォトポリマーのマイクロレンズを作製できた。
してメッキ層35に拡散されやすい材料を用いた方法に
係る。同じく図9を用いて説明する。
酸化し、両面に1μm厚の二酸化シリコン膜が形成され
た6インチφのシリコンウエハを、図9に示す基板31
として用いる。このウエハ31に、薄膜形成法の一つで
ある真空スパッタ法により、TiとAuを夫々10n
m、200nm厚で連続して成膜し、電極層32を形成
する。
3実施例と同様に形成する。そして、同じく第3実施例
と同様に図9(a)に示す半球状構造体のメッキ層35
を形成する。
されたことになる。これは、形成した半球状構造体36
を硫酸水溶液で溶解させたところ電極32上の開口部3
4にニッケルと金との合金から成る拡散層が見出された
ことによって、証明された。これによって電極層32材
料のAuがニッケルからなるメッキ層35内部に拡散さ
れ、電極層32上に半球状構造体35が強固に固着さ
れ、洗浄等の工程で半球状構造体35が欠落することが
無くなりハンドリングしやすくなった。
ロレンズ用金型39を形成することができる。その他の
特徴も第3実施例と同じで、また、本実施例のマイクロ
レンズ用金型39を用いて、第3実施例と同様の方法に
よりフォトポリマーのマイクロレンズを作製できた。
て金型を形成する工程を有する方法に係る。同じく図9
を用いて説明する。
2とマスク層33と開口部34が形成された基板31上
にメッキ層35からなる半球状構造体を形成し、常圧C
VD法により、PSGを350℃にて1μm成膜して犠
牲層37を形成する(図9(a))。続いて、電子ビー
ム蒸着法により、TiとAuを夫々10nm、200n
m厚で連続して成膜して金型用電極層38を形成し、図
9(b)の金型用の金型を形成した。
極層38を陰極として、スルファミン酸ニッケルと臭化
ニッケルと硼酸及び光沢剤からなるNiメッキ浴を用い
て、浴温50℃、陰極電流密度5A/dm2でNiメッ
キを行ない、金型39を形成する(図9(c))。
溶液に図9(c)の基板を浸漬して、犠牲層37である
PSGををエッチング除去する。こうして、基板31と
金型39を剥離することができた(図9(d))。この
とき、金型用電極層38のTiも同時に除去される。こ
の後、金型用電極38を、沃素と沃化カリウムの混合水
溶液によりエッチング除去し、マイクロレンズ用金型3
9を形成する(図9(e))。ここで、メッキ浴として
スルファミン酸ニッケル浴を用いることにより、メッキ
応力による反りの小さい金型を得ることができた。
レンズ金型又は金型マスターとして説明したが、本発明
の構造は、上記の形態的特徴を有することが望まれるマ
イクロ構造体或はマイクロ構造体の金型又は金型マスタ
ーとして用いることもできる。
が、スリット形状にしたときは、半円筒形状を持つレン
チキュラーレンズ用金型又は金型マスターが作製でき、
レンチキュラーレンズアレイを形成することができる。
この方法により基板61上に作製したレンチキュラーレ
ンズ用金型又は金型マスター62の斜視図を図12に示
す。
レンズ金型又は金型マスターは、開口部の開口径φが数
式(1)を満たすことで、光軸で所望の曲率半径を有す
るマイクロレンズ金型又は金型マスターとなった。
型マスターは、開口部の開口径を10μm以下にするこ
とで、メッキ層の側面の曲率半径と光軸近傍の曲率半径
に差異が生じないマイクロレンズ金型又は金型マスター
となり、この金型又は金型マスターを用いて作製された
マイクロレンズは開口数の大きなレンズとなった。
方法では、電気メッキ成長当初において開口部にメッキ
を形成したときにメッキ層が平坦部を有する場合、形成
したメッキ層の開口部直上部の曲率半径をR、開口部の
開口径をφとするときに、数式(1)の条件を満たすこ
とで、光軸で所望の曲率半径となるメッキ層を有するマ
イクロレンズ金型又は金型マスターを作製することがで
きた。
型マスターの作製方法では、電気メッキ成長当初におい
て開口部にメッキを形成したときに、メッキ層に平坦部
が無くメッキ層が凸面となる条件を満たすことで、メッ
キ層の側面の曲率半径と光軸近傍の曲率半径に差異が生
じず、このマイクロレンズ金型又は金型マスターで作製
されるマイクロレンズの側面も利用でき、開口数の大き
なレンズを提供することができた。
キ浴に依存するものではない。
100μm以下(特には、300μm程度以下)、半球
上部の曲率半径200μm以下のような微小なマイクロ
レンズを形状精度良く作製できる様になった。
製方法を示す工程図である。
る。
ある。
曲率半径とメッキ層底面径との実験結果を示す図であ
る。
との検討結果を示す図である。
製方法を示す工程図である。
明する図である。
面の光軸での曲率半径Rと仮想曲率半径rを測定した結
果を示す図である。
作製方法の工程を示す工程図である。
一例の工程図である。
他の例の工程図である。
又は金型マスターの斜視図である。
である。
図である。
Claims (38)
- 【請求項1】導電性基板あるいは電極層を有する基板あ
るいは少なくとも一部が導電性部分となっている基板
と、該基板上に形成された開口部を有する絶縁性マスク
層と、開口部及び絶縁性マスク層上に形成されたメッキ
層からなるマイクロレンズ金型又は金型マスターにおい
て、 開口部の開口径ないし幅をφとし、メッキ層の開口部直
上部の曲率半径をRするとき、φ≦0.35Rなる関係
式を満たすという条件と前記記開口部の開口径ないし幅
が10μm以下であるという条件の一方を満たすことを
特徴とするマイクロレンズ金型又は金型マスター。 - 【請求項2】φ≦0.35Rなる関係式を満たすと共に
前記開口部の開口径ないし幅が10μmを超えることを
特徴とする請求項1に記載のマイクロレンズ金型又は金
型マスター。 - 【請求項3】前記開口部が基板上に複数形成されている
ことを特徴とする請求項1または2に記載のマイクロレ
ンズ金型又は金型マスター。 - 【請求項4】夫々の開口部上に在るメッキ層において、
隣接するメッキ層同士が一体化されていることを特徴と
する請求項3に記載のマイクロレンズ金型又は金型マス
ター。 - 【請求項5】前記開口部が円形形状であることを特徴と
する請求項1乃至4の何れかに記載のマイクロレンズ金
型又は金型マスター。 - 【請求項6】前記開口部が長く伸びた長方形形状である
ことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のマイ
クロレンズ金型又は金型マスター。 - 【請求項7】前記基板としてシリコンウエハ、ガラス、
石英または高分子フィルムを用いることを特徴とする請
求項1乃至6の何れかに記載のマイクロレンズ金型又は
金型マスター。 - 【請求項8】前記マスク層がフォトレジストで形成され
ることを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載のマ
イクロレンズ金型又は金型マスター。 - 【請求項9】前記電極層がニッケルから成ることを特徴
とする請求項1乃至8の何れかに記載のマイクロレンズ
金型又は金型マスター。 - 【請求項10】前記電極層とメッキ層が同じ材料から成
ることを特徴とする請求項1乃至9の何れかに記載のマ
イクロレンズ金型又は金型マスター。 - 【請求項11】前記電極層とメッキ層との間に合金層が
存在することを特徴とする請求項1乃至9の何れかに記
載のマイクロレンズ金型又は金型マスター。 - 【請求項12】前記合金層が電極層とメッキ層の少なく
とも一方の金属が拡散してなることを特徴とする請求項
11に記載のマイクロレンズ金型又は金型マスター。 - 【請求項13】マイクロレンズ金型又は金型マスターの
作製方法であって、導電性基板あるいは電極層を有する
基板あるいは少なくとも一部が導電性部分となっている
基板を用い、(1)基板の電極層あるいは導電性部分上
に絶縁性マスク層を形成する工程、(2)マスク層に適
当形状の開口部を形成して導電性部分を露出する工程、
(3)電極層あるいは導電性部分を陰極として電気メッ
キにより、開口部を通じて開口部及びマスク層上にメッ
キ層を形成する工程を有するマイクロレンズ金型又は金
型マスターの作製方法において、 メッキ層の底面径ないし幅をΨ、開口部の開口径ないし
幅をφとし、電気メッキ成長当初において開口部に平坦
部を有するメッキ層が形成される様にしたとき(Ψ=
φ)に、形成したメッキ層の開口部直上部の曲率半径を
Rするとき、φ≦0.35Rなる関係式を満たすという
第1の条件と電気メッキ成長当初において開口部にメッ
キを形成するとき(Ψ=φ)に、凸面となる様にメッキ
層を形成するという第2の条件の一方を満たすことを特
徴とするマイクロレンズ金型又は金型マスターの作製方
法。 - 【請求項14】前記開口部の開口径ないし幅が10μm
を超えると共に前記第1の条件を満たすことを特徴とす
る請求項13に記載のマイクロレンズ金型又は金型マス
ターの作製方法。 - 【請求項15】前記開口部の開口径ないし幅が10μm
以下であると共に前記第2の条件を満たすことを特徴と
する請求項13に記載のマイクロレンズ金型又は金型マ
スターの作製方法。 - 【請求項16】前記開口部が基板上に複数形成されてい
ることを特徴とする請求項13、14または15に記載
のマイクロレンズ金型又は金型マスターの作製方法。 - 【請求項17】工程(3)において、マスク層上に凸面
状のメッキ層を形成する成長を続け、隣接するメッキ層
同士が一体化するまで電気メッキを行なうことを特徴と
する請求項16に記載のマイクロレンズ金型又は金型マ
スターの作製方法。 - 【請求項18】工程(3)において、電気メッキを行な
う際にメッキ浴を基板上で流動させず電気メッキを行な
うことを特徴とする請求項13乃至17の何れかに記載
のマイクロレンズ金型又は金型マスターの作製方法。 - 【請求項19】電気メッキがニッケルメッキ、銅メッ
キ、クロムメッキの何れかの電気メッキであることを特
徴とする請求項13乃至18の何れかに記載のマイクロ
レンズ金型又は金型マスターの作製方法。 - 【請求項20】工程(2)において、開口部が円形形状
であることを特徴とする請求項13乃至19の何れかに
記載のマイクロレンズ金型又は金型マスターの作製方
法。 - 【請求項21】工程(2)において、開口部が長く伸び
た長方形形状であることを特徴とする請求項13乃至1
9の何れかに記載のマイクロレンズ金型又は金型マスタ
ーの作製方法。 - 【請求項22】更に、(4)メッキ層を形成した基板に
金型を形成する工程、(5)金型を基板より剥離する工
程を有することを特徴とする請求項13乃至21の何れ
かに記載のマイクロレンズ金型又は金型マスターの作製
方法。 - 【請求項23】工程(3)において、メッキ層を形成し
た後に、犠牲層を形成する工程を含むことを特徴とする
請求項22に記載のマイクロレンズ金型又は金型マスタ
ーの作製方法。 - 【請求項24】工程(5)において、金型を基板より剥
離する工程が犠牲層を除去することにより行われること
を特徴とする請求項23に記載のマイクロレンズ金型又
は金型マスターの作製方法。 - 【請求項25】工程(5)において、金型を基板より剥
離する工程が、基板、メッキ層を順次エッチング除去す
ることにより行われることを特徴とする請求項22に記
載のマイクロレンズ金型又は金型マスターの作製方法。 - 【請求項26】工程(5)において、金型を基板より剥
離する工程が機械的に剥離することで行なわれることを
特徴とする請求項22に記載のマイクロレンズ金型又は
金型マスターの作製方法。 - 【請求項27】工程(4)において、金型を形成する工
程が、メッキにより行なわれることを特徴とする請求項
22乃至26の何れかに記載のマイクロレンズ金型又は
金型マスターの作製方法。 - 【請求項28】工程(4)において、金型を形成する工
程が、スルファミン酸ニッケル浴を用いたニッケルメッ
キであることを特徴とする請求項27に記載のマイクロ
レンズ金型又は金型マスターの作製方法。 - 【請求項29】工程(4)において、金型を形成する工
程が、金型材料をメッキ層上に塗布することで行なわれ
ることを特徴とする請求項22乃至26の何れかに記載
のマイクロレンズ金型又は金型マスターの作製方法。 - 【請求項30】基板としてシリコンウエハ、ガラス、石
英または高分子フィルムを用いることを特徴とする請求
項13乃至29の何れかに記載のマイクロレンズ金型又
は金型マスターの作製方法。 - 【請求項31】マスク層がフォトレジストで形成される
ことを特徴とする請求項13乃至30の何れかに記載の
マイクロレンズ金型又は金型マスターの作製方法。 - 【請求項32】前記電極層がニッケルから成ることを特
徴とする請求項13乃至31の何れかに記載のマイクロ
レンズ金型又は金型マスターの作製方法。 - 【請求項33】前記電極層とメッキ層が同じ材料から成
ることを特徴とする請求項13乃至32の何れかに記載
のマイクロレンズ金型又は金型マスターの作製方法。 - 【請求項34】前記電極層とメッキ層との間に合金層が
存在することを特徴とする請求項13乃至33の何れか
に記載のマイクロレンズ金型又は金型マスターの作製方
法。 - 【請求項35】前記合金層が電極層とメッキ層の少なく
とも一方の金属が拡散してなることを特徴とする請求項
34に記載のマイクロレンズ金型又は金型マスターの作
製方法。 - 【請求項36】請求項13乃至35の何れかに記載のマ
イクロレンズ金型又は金型マスターの作製方法により作
製したマイクロレンズ用金型上にレンズ材料を塗布し、
金型よりレンズ材料を剥離して形成することを特徴とす
るマイクロレンズの作製方法。 - 【請求項37】レンズ材料が樹脂よりなることを特徴と
する請求項36に記載のマイクロレンズの作製方法。 - 【請求項38】前記剥離したレンズ材料に他のレンズ材
料を塗布して硬化することを特徴とする請求項36また
は37記載のマイクロレンズの作製方法。
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