JP3554228B2 - マイクロレンズ金型又は金型マスター、及びそれらの作製方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイクロ構造体の作製方法、マイクロレンズなどとして用いられるマイクロ構造体用金型の作製方法、及び該金型を用いてマイクロレンズなどとして用いられるマイクロ構造体を作製する為の作製方法等に関し、特には、アレイ化が可能なマイクロレンズの金型又は金型マスターの作製方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
マイクロレンズアレイは、直径数μmから数100μmの微小な略半球状のレンズを複数配置したものであり、液晶表示装置、受光装置、光通信システムにおけるファイバー間接続等の様々な用途に使用されている。一方、発光素子間隔を狭くできアレイ化が容易な面発光レーザー等の開発が進み、レンズアレイの間隔を狭くでき開口数(NA)の大きなマイクロレンズへの要求が高まっている。
【0003】
受光素子においても同様に、半導体プロセス技術の発達に伴い、素子間隔が狭まり、CCD等に見られるように、ますます受光素子の小型化がなされている。この結果、ここでも、レンズ間隔の狭い、開口数の大きなマイクロレンズアレイが必要となっている。
【0004】
このようなマイクロレンズでは、レンズ面に入射する光の利用効率が高い高集光率のマイクロレンズが望まれている。
【0005】
さらに、今後、期待される光情報処理分野である光並列処理・演算、光インターコネクション等においても、同様の要望がある。また、エレクトロルミネッセンス(EL)等の自発光型のディスプレイ装置の研究開発も盛んに行われ、高精細且つ高輝度のディスプレイの提案がなされている。この様なディスプレイにおいては、小型且つ開口数の大きなマイクロレンズアレイに加えて、低コストで大面積のマイクロレンズアレイへの要求がある。
【0006】
以上の様な状況において、従来、イオン交換法(M.Oikawa, et al., Jpn. J. Appl. Phys. 20(1) L51−54, 1981)を用いて多成分ガラスからなる基板上の複数の箇所を高屈折率化して、複数のレンズを形成する様にしたマイクロレンズアレイの製造方法が知られている。しかしながら、この方法では、レンズ同士の間隔に比べてレンズ径を大きくとれず、開口数の大きなレンズの設計が困難であった。また、大面積のマイクロレンズアレイを作製するにはイオン拡散装置等の大規模な製造装置が必要とされ、製造が容易でないという問題もあった。また、金型を用いたモールディングに比べて、ガラス毎にイオン交換工程を施す必要があり、製造装置の作製条件管理を十分に行わないと、レンズの品質、例えば焦点距離のばらつきがロット間で大きくなるという問題があった。また、この方法では、金型を用いた方法に比べて、割高となる。
【0007】
さらに、イオン交換法では、ガラス基板中に被イオン交換用のアルカリイオンが必須となり、基板材料がアルカリガラスに限定され、アルカリイオンフリーを前提とする半導体をベースとする素子との適合性が悪い。さらに、ガラス基板そのものの熱膨張係数が受光装置や発光装置の基板の熱膨張係数と大きく異なる為に、素子の集積密度が増加するに伴い熱膨張係数の不整合によるミスアライメントが発生する。また、元来、ガラス表面のイオン交換法は、表面に圧縮歪みを残すことが知られており、これによりガラスが反り、マイクロレンズアレイが大判化するに従い受光装置や発光装置との接着、接合が困難となっている。
【0008】
他の方法としては、レジストリフロー法(D.Daly, et. al.,Proc. Microlens Arrays Teddington.,p23−34, 1991)がある。この方法は、基板上に形成した樹脂をフォトリソグラフィプロセスを利用して円筒状にパターニングし、これを加熱しリフローさせてマイクロレンズアレイを作製する。この方法により、様々な形状のレンズが低コストで作製することが可能である。また、イオン交換法に比べて、熱膨張係数や反り等の問題がない。しかしながら、この方法は、マイクロレンズの形状が樹脂の厚み、基板と樹脂との濡れ性状態、及び加熱温度に強く依存しており、単一基板面内の作製再現性は高いが、ロット毎のばらつきが発生しやすい。
【0009】
また、隣接するレンズ同士がリフローにより接触すると、表面張力により所望のレンズ形状を保つことができなくなる。すなわち、隣接するレンズを接触させレンズ間の光未使用領域を小さくし高集光率することが困難である。また、数十〜数百μm程度のレンズ径を得ようとすると、リフローにより球面化するに十分な厚みの樹脂を塗布することになるが、所望の光学特性(屈折率、高光透過率)を有する樹脂材料を均一に厚く塗布することが困難である。すなわち、大きな曲率を持ちレンズ径が比較的大きなマイクロレンズを作製することが難しい。
【0010】
更なる他の方法としては、マイクロレンズアレイの原版を作製し、原版にレンズ材料を塗布し、塗布したレンズ材料を剥離して作製する方法である。原版となる金型の作製にあたっては、電子ビームを用いて描画する方法(特開平1−261601号公報)、金属板の一部をエッチングし形成する方法(特開平5−303009号公報)がある。これら方法は、モールディングにてマイクロレンズを複製することができ、ロット毎のばらつきが発生しにくく、また低コストにてマイクロレンズを作製することが可能である。また、イオン交換法に比ベて熱膨張係数差に伴うアライメント誤差の発生や反り等の問題を回避できる。
【0011】
しかしながら、電子ビームを用いる方法では、電子ビーム描画装置が高価であり多額の設備投資が必要となる、描画面積が制限されているために、10cm角以上の大面積の原版を作製することが困難である等の問題がある。
【0012】
また、エッチングする方法では、主として化学反応を利用した等方性エッチングを用いるため、金属板の組成や結晶構造が僅かでも変化すると、所望の形状にエッチングできなくなるという問題がある。また、エッチングする方法では、所望の形状が得られた時点で直ちに水洗しないとエッチングが継続する。微小なマイクロレンズを形成する場合には、所望の形状が得られた時点から水洗に至るまでの時間に進行するエッチングにより、所望の形状から逸脱する場合がある。
【0013】
マイクロレンズアレイの原版を作製する他の方法としては、電気メッキを利用する方法(特開平6−27302号公報)がある。この方法は、導電層を片面に形成した開口部を有する絶縁性フィルムを用いて、導電層を陰極として電気メッキを行ない、絶縁性フィルムの表面にレンズの母型となる凸状物を形成するものである。この方法により作製する母型は工程が簡素であり、低コストを実現できる。電気メッキを利用するこの種の方法は、特開平8−258051号公報、特公昭64−10169号公報にも開示されている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
図13及び図14を用いて、電気メッキにて開口部にメッキ層を形成する際に生じる問題を説明する。図13は、開口部203の開口径がφの絶縁体202と導電体201からなる陰極に電気メッキを行なうときのメッキ成長過程を説明する断面模式図である。図14は、図13(d)の金型断面図である。
【0015】
このメッキ成長過程において、メッキ層204が成長するにつれて、開口部203の上のメッキ層204表面の平坦部が次第に小さくなり(図13(b)、(c))、メッキ層204の表面が最大曲率を有するに至る(図13(d))。この後、メッキ層204を成長させて行くとメッキ層204の底面径Ψが大きくなり、これにつれて曲率半径も大きくなっていく。
【0016】
図13(b)、(c)のようにメッキ層204に平坦部がある場合は、平坦部で結像ができず、レンズ金型として利用できない。この方法によると、開口部203の開口径φが大きいと、作製されるレンズ金型の光軸近傍の曲率半径も大きくなる。レンズ金型を作製しようとする場合、開口部203の開口径φの大きさによってはメッキ層204の曲率半径を小さくできず、所望の曲率半径Rのレンズ金型を作製することが困難となることが生じる。
【0017】
また、図14に示したようにメッキ層が半球形状からずれている場合、メッキ層の側面の曲率半径と光軸近傍の曲率半径に差異が生じ、且つ夫々の曲率中心の位置が異なることとなり、側面の曲率中心が光軸上にない。この様な金型又は金型マスターで作製されるマイクロレンズは側面を利用できない為に、開口数の小さなレンズとなる。
【0018】
更に、径が数100μm以下(特には、300μm程度以下)、半球上部の曲率半径200μm以下のマイクロレンズを形状精度良く作製するのは、今までの作製技術では困難であった。
【0019】
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑み成されたものであり、その目的は、種々の形態のものを柔軟且つ容易に安定的に作製できるマイクロ構造体の作製方法、マイクロレンズ(マイクロ構造体が半球状マイクロレンズ、フライアイレンズ、レンチキュラーレンズアレイなどのレンズとして用いる様に成されたもの)用金型又は金型マスターの作製方法、該金型又は金型マスターを用いたマイクロ構造体の作製方法等を提供することにあり、より具体的には、(1)大判化が容易な、(2)作製が容易で且つ制御性の高い、(3)比較的安価な、(4)所望の曲率半径を有するマイクロレンズ金型又は金型マスター、及びそれらの作製方法を提供すること、また、(5)開口数の大きなマイクロレンズを形成する為のマイクロレンズ金型又は金型マスター、及びそれらの作製方法を提供することにある。
【0020】
【課題を解決する為の手段と作用】
上記目的を達成する為の本発明のマイクロレンズ金型又は金型マスターは、導電性基板あるいは電極層を有する基板あるいは少なくとも一部が導電性部分となっている基板と、該基板上に形成された開口部(典型的には、円形ないし長く伸びた長方形形状(スリット形状)の複数の開口部)を有する絶縁性マスク層と、開口部及び絶縁性マスク層上に形成されたメッキ(電気メッキ)層からなるマイクロレンズ金型又は金型マスターにおいて、開口部の開口径ないし幅をφとし、メッキ層の開口部直上部の曲率半径をRとするとき、φ≦0.35Rなる関係式を満たすという条件と前記開口部の開口径ないし幅が10μm以下であるという条件の一方を満たし、かつ前記電極層とメッキ層との間に合金層が存在することを特徴とする。
【0021】
所望の曲率半径を持たせる為に上記関係式を満足することが重要な意味を持つのは、特に、前記開口部の開口径ないし幅が10μmを超える場合である。
【0023】
上記の金型又は金型マスターの構成において、より具体的には、以下の様な形態も取り得る。複数の開口部が形成されている場合において、夫々の開口部上に在るメッキ層において、隣接するメッキ層同士が一体化されている。
【0024】
所望の曲率半径を持たせる為に上記第1の条件を満足することが重要な意味を持つのは、また、上記目的を達成する為の本発明のマイクロレンズ金型又は金型マスターの作製方法は、導電性基板あるいは電極層を有する基板あるいは少なくとも一部が導電性部分となっている基板を用い、(1)基板の電極層あるいは導電性部分上に絶縁性マスク層を形成する工程、(2)マスク層に適当形状の開口部を形成して導電性部分を露出する工程、(3)電極層あるいは導電性部分を陰極として電気メッキにより、開口部を通じて開口部及びマスク層上にメッキ層を形成する工程を有するマイクロレンズ金型又は金型マスターの作製方法において、
メッキ層の底面径ないし幅をΨ、開口部の開口径ないし幅をφとし、電気メッキ成長当初において開口部に平坦部を有するメッキ層が形成される様にしたとき(Ψ=φ)に、形成したメッキ層の開口部直上部の曲率半径をRとするとき、前記工程(2)において、所望のRの値に応じてφをφ≦0.35Rなる関係式を満たす値に設定し、前記工程(3)において、電気メッキ成長当初のΨ=φの時点で開口部に平坦部を有するメッキ層が形成され、その後メッキ層の曲率半径が最小値を取る条件下で所望の値に形成されるという第1の条件を満たすか、
もしくは前記工程(2)において、φをφ≦10μmなる関係式を満たす値に設定し、前記工程(3)において、電気メッキ成長当初のΨ=φの時点で開口部に凸面を持つメッキ層が形成され、その後所望の曲率半径に形成されるという第2の条件を満たすことを特徴とする。
【0025】
所望の曲率半径を持たせる為に上記第1の条件を満足することが重要な意味を持つのは、特に、前記開口部の開口径ないし幅が10μmを超える場合である。
【0028】
また、上記の金型及び金型マスターの各作製方法において、より具体的には、以下の様な形態も取り得る。上記工程(3)において、マスク層上に凸面状のメッキ層を形成する成長を続け、隣接するメッキ層同士が一体化するまで電気メッキを行なう。これにより、フライアイレンズなどが形成できる。
【0029】
また、上記工程(3)において、電気メッキを行なう際にメッキ浴を基板上で流動させずにメッキを行なう。この理由は後述されている。
【0030】
上記工程(2)において、開口部が円形形状であったり、長く伸びた長方形形状であったりして、球面レンズ、レンチキュラーレンズなどのマイクロレンズ用の金型又は金型マスターが作製できる。
【0031】
更に、(4)メッキ層を形成した基板に金型を形成する工程、(5)金型を基板より剥離する工程を行なうことにより前記マイクロレンズ用金型と反転する(凹凸が反転する)マイクロレンズ用金型を形成できる。
【0032】
前記工程(3)は、メッキ層を形成した後に、犠牲層を形成する工程を含んでもよい。この場合、工程(5)において、金型を基板より剥離する工程が犠牲層を除去することにより行われる。この犠牲層を導入するプロセスについて図9を用いて説明する。電気メッキにより形成された金型マスター31〜35上に犠牲層37を形成する(図9(a))。次に、電気メッキ用の金型用電極層38を形成する。この金型用電極層38を陰極として、金属イオンを含むメッキ液中で電気メッキを行ない、金型39を形成する(図9(c))。この後に、犠牲層37をエッチング除去し、金型用電極層38を有する金型39とメッキ層35を有する基板31が剥離できる(図9(d))。次に、金型用電極層38をエッチング除去することで金型39が形成できる(図9(e))。この作製フローでは金型用電極層38を除去したが、モールディングにてマイクロレンズを形成する工程にて、金型用電極層38によりレンズ面を汚染する、あるいは金型用電極層38の降伏応力が小さく傷が付きやすい等の問題が発生しないのであれば、金型用電極層38を除去しなくてもよい。図9の作製フローでは、犠牲層37をメッキ層35及びマスク層33上に形成したが、犠牲層37を形成せず電極層32を犠牲層として利用してもよい。図9(c)から(d)に至る犠牲層除去の工程で、電極層32をエッチング除去し、メッキ層35を有する金型39と基板31とを分離した後にメッキ層35をエッチング除去する組み合わせを用いても、図9(e)の金型39を形成することが可能である。この方法は、込み入った形状の犠牲層ではなく、単に平坦な電極層32をエッチング除去すればよいので、製造時間が短くなる。
【0033】
他に、金型を基板より剥離する工程は、基板、メッキ層を順次エッチング除去して行われてもよいし、金型を基板より機械的に剥離して行なわれてもよい。
【0034】
前記工程(4)は、金型の形成がメッキにより行なわれてもよいし、金型材料をメッキ層上に塗布することで行なわれてもよい。
【0035】
上記工程(3)において、メッキ時間、メッキ温度を制御してメッキ層の大きさ、形状が制御される。この際、開口部が基板上に複数形成され、該複数の開口部に対応して形成されるメッキ層が連続的となる様にメッキ時間、メッキ温度が制御される様にもできる。この金型は、フライアイレンズ、レンチキュラーレンズ等用の金型として用いられ得る。
【0036】
ところで、上記剥離の方法としては、機械的に金型と基板を剥離してもよいが、金型が大判化すると剥離のときに変形する場合がある為、基板、マスク層、メッキ層を順次裏面よりエッチング除去する方法を取ることも、上記したように可能である。また、基板及びメッキ層上に犠牲層を設けた後に金型を形成する場合には、犠牲層を除去することにより金型と基板を剥離するが、犠牲層をエッチングするエッチャントにより金型が腐触されないよう犠牲層の材料を選ぶ。犠牲層をエッチングするエッチャントによりメッキ層及び基板も腐蝕されない場合、メッキ層を形成した基板を金型用の金型マスターとして、複数回使用することが可能であり、金型が複数回の使用により傷、汚れ等により使用できなくなった場合に、同様の方法により金型を容易に作製することができる。
【0037】
マイクロレンズ用金型の材料としては、メッキ層を形成した基板上に形成でき、かつ剥離できるものであれば、樹脂、金属、絶縁体等の何れの材料も用いることができる。簡略な金型の作製方法としては、樹脂や金属、ガラスの溶融または溶解した溶液をメッキ層が形成された基板上に塗布し、これが硬化した後に上述した剥離の方法により剥離し作製する。この場合、金型材料としては、基板やメッキ層が熱損傷や合金化しない材料を選択する。
【0038】
また、上記目的を達成する本発明のマイクロレンズの作製方法は、上記のマイクロレンズ用金型の作製方法により作製したマイクロレンズ用金型上にレンズ材料(樹脂等よりなる)を塗布し、金型よりレンズ材料を剥離して形成することを特徴とする。
【0039】
前記剥離したレンズ材料に、更に、他の屈折率の異なるレンズ材料を塗布して硬化してマイクロレンズを作製することもできる。
【0040】
上記方法により作製したマイクロレンズ用金型を用い、モールディングによりマイクロレンズを作製することができる。これにより、低コストで且つ容易に、同一の形状のマイクロレンズ(アレイとして、或は個々に)を作製することが可能となる。マイクロレンズの材料としては、マイクロレンズ用金型との剥離性が容易な材料が用いられる。
【0041】
ところで、上記において、基板材料としては、金属、半導体(シリコンウエハ等)、絶縁体(ガラス、石英、高分子フィルムなど)の何れの材料も使用することが可能である。基板として金属材料を使用するのであれば、電極層を形成する必要はない。また、半導体を用いる場合、電気メッキが可能な程度の導電性を有するのであれば、必ずしも電極層を形成する必要はない。但し、基板として金属、半導体を用いる場合、全面メッキ液に晒される為、マイクロ構造体形成面以外にもメッキ層が形成されてしまうので、所望の面のみにメッキ層を形成させたいのであれば、絶縁体を用いるのが好ましい。或は、金属、半導体の表面を部分的に絶縁化したものを用いるのもよい。
【0042】
基板は金型又は金型マスターとして使用することより、うねりや表面荒さの小さい基板を使用することが好ましい。また、メッキ層の内部応力や熱応力により基板が反る場合がある為、基板としては、平坦性の良好な、ヤング率の大きな金属板、ガラス基板、シリコンウエハ等を使用することが好ましい。
【0043】
電極層としては、メッキ液に晒される為に、使用するメッキ液に腐蝕されない材料より選択される。マスク層として用いることのできる材料としては絶縁性材料であれば、有機物、無機物の何れの材料も用いることができる。マスク層も、メッキ液に腐蝕されない材料より選択される。
【0044】
基板上に電極層及びマスク層を厚く形成すると、形成方法により表面粗さが増す場合がある(こうなると、揃ったマイクロレンズアレイないしマイクロ構造体アレイを作製できなくなる)。この為、電極層及びマスク層の形成方法としては、真空蒸着方法、スピンコート法、ディップ法等の薄膜形成方法を用いる。
【0045】
この場合のマスク層に開口部を形成する工程を説明する。開口部形成に当たっては、微小ないし細い開口を形成することが可能なフォトリソグラフィプロセスとエッチングによりマスク層に開口部を形成する。まず、マスク層を形成後、フォトリソグラフィプロセスによりマスク層上にフォトレジストの開口部パターンを形成し、フォトレジストをマスクとしてマスク層に開口部パターンをエッチングにより形成し、最後にフォトレジストを除去することにより所望の開口部を有するマスク層を形成する。マスク層としてフォトレジストを用いることも可能であり、フォトレジストを用いるとマスク層材料のエッチングの工程を省略できるので、マスク層材料としてフォトレジストは好ましい。
【0046】
メッキを行なう場合は、メッキ層の内部応力や、メッキ浴の温度を上げて電気メッキを行なう為に生じる熱応力により基板が反ることがある。樹脂のヤング率及び降伏応力が金属や無機物に比べて小さく4桁以上の差がある。これより、導電体やメッキ層と略同程度の膜厚の樹脂よりなるマスク層では、金型又は金型マスターは容易に反ってしまう。また、応力のみならず、樹脂ではメッキ浴により膨潤する問題があるため、樹脂をマスク層に用いる場合は、導電性基板あるいは電極層を有する基板の厚みに比べてマスク層を、薄くすることが良い。
【0047】
メッキ層はメッキ浴中の金属イオンが電気化学反応により析出することにより形成される。電気メッキでは、メッキ時間、メッキ温度を制御してメッキ層の厚さを容易に制御することが可能である。主なメッキの金属としては単金属では、Ni、Au、Pt、Cr、Cu、Ag、Zn等、合金では、Cu−Zn、Sn−Co、Ni−Fe、Ni−W、Zn−Ni等があるが、他の電気メッキが可能な材料であれば用いることは可能である。特に、Ni、Cr、Cuは光沢メッキが容易にできる点で、マイクロレンズ金型又は金型マスターのメッキ材料として好ましい。
【0048】
また、前記電極層がニッケルから成ったり、前記電極層とメッキ層が同じ材料から成ったり、前記電極層とメッキ層との間に合金層が存在したり、この合金層が電極層とメッキ層の少なくとも一方の金属が拡散してなる形態も可能である。また、上記金型を形成する工程が、スルファミン酸ニッケル浴を用いたニッケルメッキである形態も採り得る。これらの各形態の効果は以下の実施例に述べられている。
【0049】
また、電気メッキ浴にAl2O3、TiO2、PTFE等の分散粒子を付加することによる分散メッキも、電気メッキの中で、半球状等のマイクロ構造体の形成に利用できる。これにより、金型の機械的強度、耐食性を分散粒子により向上することが可能となる。
【0050】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体的に実施例を用いて図面に沿って説明する。
【0051】
(第1実施例)
図1は、電気メッキ成長当初において開口部にメッキを形成したときにメッキ層が平坦部を有する様にされた本発明の第1実施例を説明する為のマイクロレンズ金型又は金型マスターの作製方法を示す工程図である。図2は、本実施例において用いた電気メッキ装置の概略図である。これらの図において、1は基板、2は電極層、3はマスク層、4は開口部、5はメッキ層、21はワーク、22は陽極板、23は金属イオンを含むメッキ浴、24は外部電源である。
【0052】
先ず、図1(a)で使用する基板の構成を説明する。基板1に電極層2を形成し、さらにマスク層3を形成する。基板1に導電性を有する基板材料を使用する場合は、電極層2を形成する必要はない。
【0053】
次に、マスク層3に開口部4を形成する。開口部形状はここでは円形とした。
【0054】
図2の電気メッキ装置を用いて、開口部4を形成した基板1をワーク21として金属イオンを含むメッキ浴23に漬ける。ワーク21と陽極板22との間を外部電源24と繋げて電流を流し、開口部4にメッキ層5を形成する。このことで、まず図1(b)に示すように開口部4にメッキ層5が形成される。この際、メッキ中に開口部近傍でのメッキ液23の流動が起きないようにする。微小な開口部4にメッキ成長する際に、開口部近傍でメッキ液の流動があると、流動の上流側に比べて下流側のメッキ成長速度が増大し、メッキ層が開口部中心に対して非対称に成長する。従って、非対称となるメッキ層をマイクロレンズ金型又は金型マスターには使用できないので、この様にする。
【0055】
メッキ液23の流動が起きないようにする方法としては、メッキ中にメッキ浴を撹拌しない方法がある。他の方法としては、基板近傍にメッキ液の拡散ができ且つ流動を阻害するようなメッシュを設ける方法がある。特に、撹拌しない方法は簡便である。本実施例では、撹拌しない方法を用いた。
【0056】
メッキ成長当初、すなわちメッキ層5の底面径Ψが開口径φと等しくマスク層3面上にメッキ層5が成長していない場合、開口部4内にメッキ層5が析出するが、このとき、メッキ層5が平坦部を有しており基板上方向に凹形状とならないように析出させる。すなわち、こうなる様に電圧等の条件を整える。
【0057】
通常、電気メッキでは電極の端面での電流密度が増すため、図1(a)のような陰極(導電層ないし電極層2の露出した部分)では開口部4の縁面にメッキされ易く、メッキ当初にメッキ層は凹形状となる場合がある。このような凹形状のメッキ層では、メッキ成長を続けても光軸部(開口部4の直上部)に凹部が残るか、あるいは略半球状のメッキ層となるまで長時間メッキ成長することが必要となる。こうした場合、光軸部で所望の曲率半径を有するマイクロレンズ金型又は金型マスターを作製することができなくなる。このことより、開口部4に形成するメッキ層5は平坦を含む凸状に成長させることは、好ましいマイクロレンズ金型又は金型マスターをメッキを用いて作製する上で必要となる。
【0058】
次に、メッキを続けることで図1(c)に示すようにマスク層3面上にもメッキ層5が広がり、平坦部はメッキ当初に比べて小さくなる。メッキ成長を続けることで平坦部はなくなり、図1(d)及び図1(e)のように開口部4中心ないし直上部のレンズ金型又は金型マスターの光軸となる部分に曲率ができ、略半球形状のメッキ層5が形成される。金属イオンを含むメッキ液23中で微小な開口部4にメッキを行なうと、メッキ液23中の金属イオンがメッキ層5に向かい、メッキの析出は成長方向が等方的になって進行する。
【0059】
本実施例では、上述のような工程により作製されるマイクロレンズ金型又は金型マスターにおいて、光軸で所望の曲率半径Rを有する金型を得る為に、メッキ浴、メッキ条件等をパラメーターとして実験を行った。その為には、メッキ層5の底面径をΨ、開口部4の開口径をφとし、電気メッキ成長当初において開口部4に平坦部を有するメッキ層5を形成するときに(Ψ=φ)、電気メッキ成長をし(Ψ>φ)所望のRを得るには開口部4の開口径φが以下の条件を満たすことが必要であることを見出した。
【0060】
φ≦0.35R (1)
すなわち、一定の開口径φのもとでは、メッキ成長するメッキ層5は最小曲率半径Rminを有しており、所望の曲率半径Rを有するマイクロレンズ金型又は金型マスターを得るには、数式(1)を満たす開口径の開口部4を形成する必要がある。
【0061】
こうして、本発明では、上記数式(1)の開口径ないし幅と最小曲率半径の関係を見出した。上記条件を超える開口径ないし幅φでは、メッキ浴、メッキ条件によっては所望の曲率半径のメッキ層を得られなくなる。
【0062】
以下に、数式(1)の最小曲率半径について図3を用いて説明する。曲率半径は次の様にして求める。基板上に複数の開口部を有するマスク層を形成し、該基板をワークとして図2に示した電気メッキ装置を用いて所定時間メッキを行ない、形成したメッキ層の開口部直上部の表面プロファイルを測定し、曲率半径に換算することで求める。メッキ成長時間と曲率半径の関係を求めるに当たり、図1(e)に示すメッキ層5の底面径Ψの半分のΨ/2をメッキ成長時間のパラメーターとして用いている。
【0063】
図1(b)、(c)に示したように、これらの時点では、開口部4直上部のメッキ層5表面には平坦部があり、曲率を持っていない(平坦部として図3に記載)。この後、メッキ成長を行なうと平坦部が無くなり、メッキ層5は曲率半径を有する様になる。さらにメッキを続けるとメッキ層5の曲率半径は小さくなり、図3に記載した最小曲率半径Rminを取る。この後、更にメッキ成長を継続するとメッキ層5自体も大きくなる為に、曲率半径はメッキ層5が大きくなるに従い大きくなっていく。最小曲率半径は開口部4の開口径に依存しており、開口径が大きくなると最小曲率半径も大きくなる。一定の開口径のもとでは、図3に示すように、最小曲率半径Rminを持つこととなる。
【0064】
図3の如き関係が確立される条件を見つけるための実験を、NiメッキとCuメッキに対して行った。光沢メッキが比較的容易にできるメッキ浴として、Niメッキ浴ではワット浴を用い、Cuメッキ浴としては硫酸銅メッキのメッキ浴により行った。ワット浴の組成は、硫酸ニッケル・6水和物と塩化ニッケル・6水和物と硼酸の1リットル当たりの重量比を270:40:40とする水溶液に光沢剤を添加したものである。メッキ浴温度は55℃とし、印加電圧1Vの定電圧の条件にてNiメッキを行った。
【0065】
Cuメッキ浴は、硫酸銅・5水和物と硫酸の1リットル当たりの重量比を200:50とする水溶液に塩酸を0.04ml/l添加したものを用いた。メッキ浴温度は55℃とし、メッキ層の光沢条件として印加電圧0.3Vの定電圧の条件にてCuメッキを行った。
【0066】
他のNiメッキ浴としてスルファミン酸ニッケル浴を用いて、ワット浴と同様の条件でメッキを行った。ここでは、市販のメッキ浴(製品名:ミクロファブNi100、日本エレクトロプレイティング・エンジニヤース(株)製)を用いた。
【0067】
ここでの電圧は、メッキ当初にメッキ層5が開口部4内で平坦部を有し且つ凹形状とならず、光沢メッキができる条件である。また、表面プロファイルは、共焦点走査型のレーザー顕微鏡の1つの機能である表面形状測定機能(試料を対物レンズ側に移動し、このときの最大輝度位置を測定する)により測定した。測定範囲は開口径の長さと同じである。
【0068】
基板1はメッキ浴に依らず同様のものを使用した。これについて以下に説明する。酸化ガスを用いて熱酸化し、両面に1μm厚の二酸化シリコン膜が形成されたシリコンウエハを、図1に示す基板1として用いる。このウエハに、薄膜形成法の1つである電子ビーム蒸着法により、CrとAuを夫々10nm、200nm厚で連続して成膜し電極層2を形成する。次に、全芳香族ポリアミド酸溶液をスピン塗布し熱処理を行って、ポリイミド膜からなるマスク層3を形成する。そして、フォトリソグラフィによりフォトレジストを塗布、露光、現像してレジストに開口部を設け、酸素を用いた反応性イオンエッチングによりフォトレジストの開口部のマスク層3をエッチング除去する。こうして、電極層2を露出させ、開口部4を形成する。この後、上記フォトレジストを剥離した。
【0069】
開口部4は、ここでは円形をしており、開口径10μm以下では、メッキ当初に開口部内でメッキしたメッキ層は平坦部とならないので、開口径としては20μm、40μm、80μmについて測定を行った。メッキ当初(Ψ=φ)においてメッキ層5の表面が平坦部を形成するには、開口径φは10μmを超えることが必要であった。
【0070】
図4に、ワット浴を用いたNiメッキにおける開口径20μmと80μmでの検討結果を示す。同一の開口径を持つマスク層3にメッキ時間を変えて異なる底面径Ψのメッキ層5を形成し、開口部4直上部のメッキ層5表面の光軸での曲率半径を測定することで、最小曲率半径Rminを得る。開口径80μmではRminは約190μm、開口径20μmでは約50μm程度であった。
【0071】
このような方法によりNiメッキとCuメッキで得られた最小曲率半径Rminと開口径φとの検討結果を図5に示す。NiメッキとCuメッキでは開口径20μm、40μm、80μmについて行った結果を示し、スルファミン酸ニッケル浴では開口径20μmについて行った結果を示す。メッキ浴が異なっても最小曲率半径Rminに大きな差異は見られない。これより、メッキ浴に依らず一定の開口径φにおいて、数式(1)の等号で示す図5中の破線より上の領域の曲率半径を得ることが可能であることが分かった。すなわち、所望の曲率半径Rを得る為には、開口径φは数式(1)を満たす必要があることが分かった。
【0072】
比較として、スルファミン酸ニッケル浴にて、メッキ当初にメッキ層が凹形状となる条件で、開口径φが80μmのときにメッキ層を形成した。しかし、図4に示すΨ/2が200μmとなる範囲までメッキ成長を続けてもメッキ層に凹形状は残っていた。メッキ層が凹形状を有したことで、マイクロレンズ金型又は金型マスターとして用いることはできなかった。
【0073】
上記実験を通して、開口部のピッチ及び開口部の数が異なっても、最小曲率半径Rminに違いが生じることは見出されなかった。また、電圧条件でメッキ当初に流れる電流を計測し、この電流値にて定電流で同様のメッキを行ない曲率半径とΨ/2との関係を計測したが、結果に差異はなかった。
【0074】
以上の検討結果により、電気メッキ成長当初において開口部にメッキを形成したときにメッキ層が平坦部を有する場合、形成したメッキ層の開口部直上部の曲率半径をR、このときの開口部の開口径をφとするときに、数式(1)を満たすことで、光軸で所望の曲率半径を有するメッキ層を有する基板からなるマイクロレンズ金型又は金型マスターを作製することが可能である事が見出せた。
【0075】
本発明のマイクロレンズ金型又は金型マスターの作製方法は、エッチングにより原版を形成する方法に比べて、所望の形状が得られた時点で陽極と陰極との間に流れる電流を停止すればメッキの析出を停止できるために、水洗までの時間でエッチングされてしまう様な不測の形状誤差を回避でき、作製の制御性が良い。また、本発明のマイクロレンズ金型又は金型マスターの作製方法では、電気メッキにて形成した金型から直接形成できるために、高価な設備を必要とせず、低コストで作製でき、また容易に大判化することも可能となる。さらに、メッキ層の大きさをその場観察により制御することができ、メッキ時間、メッキ温度により、容易且つ高精度にレンズ径等を制御できる。マスク層に複数の開口部を形成することにより、同様の方法を用いてマイクロレンズアレイ用の金型又は金型マスターを形成できることは言うまでもない。
【0076】
次に、このマイクロレンズ金型又は金型マスターよりマイクロレンズを作製する工程を以下に説明する。まず、マイクロレンズ金型として用いる場合の一例を図11を用いて説明する。図11において、51、52、53、54、55、57、58、59は夫々基板、電極層、マスク層、開口部、メッキ層、ガラス、高屈折率の樹脂、紫外線硬化樹脂である。このマイクロレンズ金型は凸型となっていて、またメッキ層55が連続的になっている(図11(a)参照)。前述した工程で得られたマイクロレンズ金型上に紫外線硬化型の樹脂59を塗布し、次いでガラス57を該樹脂59の上に載せてガラス57側から紫外線を照射し樹脂59を硬化する。樹脂硬化後に、ガラス57と樹脂59を金型から剥離し、ガラス57上にメッキ層55の形状を反転した樹脂からなる凹型のマイクロレンズが形成される(図11(b))。
【0077】
この凹型のマイクロレンズ上に前記樹脂より高屈折率の樹脂58を塗布し、該高屈折率の樹脂58を硬化し、平坦化することによりマイクロレンズが作製できる(図11(c))。
【0078】
このような方法を用いれば、マイクロレンズを作製する場合にアルカリガラスが必須とはならず、イオン交換法と比べて、マイクロレンズ、支持基板の材料の制限が少なくなる。
【0079】
紫外線硬化型の樹脂を用いたマイクロレンズの作製例を示したが、従来の熱可塑性の樹脂を用いて加熱した金型をそこにスタンプする、あるいは金型上に熱硬化樹脂を塗布し加熱して該樹脂を硬化する、あるいは金型上に電子線硬化樹脂を塗布し該樹脂に電子線照射して硬化することで、凹型マイクロレンズを作製してもよい。
【0080】
次に、前述した工程で得られたメッキ層を形成した基板をマイクロレンズ金型マスターとして用い、マイクロレンズを作製する場合の一例を説明する。先ず、マイクロレンズ金型マスターに、金型をメッキ形成する為の金型用電極を形成し、該金型用電極上にマイクロレンズ金型マスターの作製に使用したとは異なるメッキ材料をメッキしマイクロレンズ金型を形成する。ついで、マイクロレンズ金型をマイクロレンズ金型マスターから剥離することで凹型のマイクロレンズ金型が作製される(前述した犠牲層を用いる例を示した図9を参照)。
【0081】
この凹型のマイクロレンズ金型を用いたマイクロレンズの作製工程の一例を図10を用いて説明する。紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂、電子線硬化樹脂等の樹脂40をこの凹型のマイクロレンズ金型39上に塗布し、夫々の樹脂40を紫外線、熱、電子線等を当てて硬化し、金型39と該樹脂等40を剥離することでマイクロレンズを作製する。熱可塑性樹脂を用いて加熱した金型をそこにスタンプし、凸型のマイクロレンズを作製することも可能である。
【0082】
(第2実施例)
図6は、開口部にメッキ層を形成するに際し、電気メッキ成長当初にメッキ層が凸形状となる様に調整された第2の実施例を説明する為のマイクロレンズ金型又は金型マスターの作製方法を示す工程図である。
【0083】
図6において、11は基板、12は電極層、13はマスク層、14は開口部、15はメッキ層である。図6(a)に使用する基板11の構成を説明する。基板11に電極層12を形成し、さらにマスク層13を形成する。基板に導電性を有する基板材料を使用する場合は、電極層12を形成する必要はない。
【0084】
次に、マスク層13に開口部14を形成する。開口部形状は円形とし、開口径をφとする。そして、図2の電気メッキ装置を用いて、開口部14を形成した基板11をワークとして、金属イオンを含むメッキ浴23に漬け、陽極板22との間を外部電源24と繋げて電流を流し、開口部14にメッキ層15を形成する。メッキ中、開口部近傍でのメッキ液の流動が起きないようにする。この理由及び方法は第1実施例で述べた通りである。本実施例でも、撹拌しない方法を用いた。こうして、メッキ成長当初、図6(b)のような凸形状にメッキ層15を形成した。
【0085】
次に、メッキを続けることで図6(c)に示すようにマスク層13面上にもメッキ層15が広がり、メッキ成長当初の凸形状を反映した曲率を有するメッキ層15が形成される。さらにメッキを行なうことで、メッキ層15は図6(d)に示す様な半球体となる(開口部をスリット形状にすれば半円筒形状になる)。金属イオンを含むメッキ液23中で微小な開口部にメッキを行なうと、メッキ液中の金属イオンがメッキ層に向かい、メッキの析出は成長方向が等方的になって進行する。
【0086】
本実施例では、上述のような工程により作製されるマイクロレンズ金型又は金型マスターにおいて微小な半球体形状を得る為に、メッキ浴、メッキ条件等をパラメーターとして実験を行なった。そして、開口部14にメッキ層15を形成するに際して電気メッキ成長当初に開口部14にメッキを形成したときに(Ψ=φ:Ψはメッキ層の底面径)、メッキ層15に平坦部が無く当初メッキ層が凸面となる条件を見出したものである。具体的には、このときの開口径φは、以下の数式(2)を満足すれば良いことを見出した。
【0087】
φ≦10μm (2)
電気メッキ成長に際して当初に開口部14にメッキを形成したときに(Ψ=φ)、当初メッキ層15に平坦部が無く凸面となるようにすることで、メッキ層15凸部の頂上部が電気メッキし易くなり、更にメッキ成長するとメッキ層15は速やかに半球形状となる。この結果、メッキ層15の側面の曲率半径と光軸近傍の曲率半径に差異が生じず、このマイクロレンズ金型又は金型マスターで作製されるマイクロレンズの側面も利用できるようになり、開口数の大きなマイクロレンズを提供することが可能となる。
【0088】
上記条件を超える開口径で半球形状を得るには、メッキ成長当初(Ψ=φ)に平坦部が形成され、平坦部を無くした後に略半球形状となるようにメッキ層を成長させた後も、更にメッキ成長を続ける必要がある(第1実施例参照)。この結果、金型又は金型マスターの曲率半径が大きくなってしまい、例えば、曲率半径が30μm以下のような極めて微小な曲率半径を持つマイクロレンズを提供することが困難となる。
【0089】
本実施例の上記条件を満たすことにより、極めて微小な曲率半径を有するマイクロレンズ用の金型又は金型マスターを提供できる。また、当初より半球形状である為に、さらにメッキ成長を続ければ半球形状を有する比較的大きな曲率半径を持つマイクロレンズ用の金型又は金型マスターを提供することも可能である。
【0090】
以下に、曲率半径測定及び半球形状の評価について図7を用いて説明する。曲率半径は、基板上に複数の開口部を有するマスク層を形成し、該基板をワークとして図2に示した電気メッキ装置を用いて所定時間メッキを行ない、形成したメッキ層の開口部直上部の表面プロファイルを測定することで得る。すなわち、この表面プロファイルより、マイクロレンズの光軸付近の曲率半径を求め、図7中の曲率半径Rを求めた。表面プロファイルは、共焦点走査型のレーザー顕微鏡の1つの機能である表面形状測定機能(試料を対物レンズ側に移動し、このときの最大輝度位置を測定する)により測定した。測定範囲は開口径の長さと同じである。
【0091】
一方、メッキ層15の膜厚Hとメッキ層15の底面径Ψより(これらは測定する)、計算にて、メッキ層が円形であると仮定して求まる図7中の点線で示す仮想曲率半径rを求めた。rは以下の数式(3)により求まる。
【0092】
r=(Ψ・Ψ/4+H・H)/2・H (3)
メッキ層15の側面の曲率半径と光軸中心近傍の曲率半径が等しければ、曲率半径Rは仮想曲率半径rに一致し、形成したメッキ層15は半球形状であると言える(逆に言えば、曲率半径Rと仮想曲率半径rが一致すれば、メッキ層15は半球形状であると言える)。これにより、レンズの利用面積を広く取ることができる。
【0093】
このような要件を満たす条件を見つけるための実験を、NiメッキとCuメッキに対して行った。光沢メッキが比較的容易にできるメッキ浴として、Niメッキ浴ではワット浴を用い、Cuメッキ浴としては硫酸銅メッキのメッキ浴により行った。ワット浴の組成は、硫酸ニッケル・6水和物と塩化ニッケル・6水和物と硼酸の1リットル当たりの重量比を270:40:40とする水溶液に光沢剤を添加したものであり、メッキ浴温度は55℃とし、印加電圧1Vの定電圧の条件にてNiメッキを行った。Cuメッキ浴は、硫酸銅・5水和物と硫酸の1リットル当たりの重量比を200:50とする水溶液に塩酸を0.04ml/l添加したものを用い、メッキ浴温度は55℃とし、メッキ層の光沢条件として印加電圧0.3Vの定電圧の条件にてCuメッキを行った。ここでの電圧は、メッキ当初に開口部14内でメッキ層15が凸形状となり光沢メッキとなる電圧である。
【0094】
基板11はメッキ浴に依らず同様のものを使用した。基板11の形成は、開口径の大きさを除いて、第1実施例で述べたものと同じである。開口部は円形をしており、開口径が5μm、10μmについて測定を行った。比
較の為、開口径が20μmについても同様の測定を行った。
【0095】
図8に、Niワット浴及びCuメッキ浴で、メッキ時間を変えて異なる半径のメッキ層15を有する基板を形成し、開口部14直上部のメッキ層表面の光軸での曲率半径Rと仮想曲率半径rを測定した結果を示す。図8中、破線はRがrと等しいときを示す。開口径10μmの場合から分かるように、メッキ浴に依らず、rが20μm未満の領域でrとRが等しい値となっていた。また、開口径5μmではrが約4μmにて既にrとRが等しくなっていた。
【0096】
比較として、メッキ成長当初(Ψ=φ)においてメッキ層が平坦部を有する開口径20μmにて同様の測定を行ったが、このマイクロレンズ金型及び金型マスターのメッキ層ではrが70μmでも、rはRに一致しなかった。
【0097】
電圧条件の比較として、開口径10μmの場合で、Niワット浴を用い、電圧3Vでメッキ層を形成した。メッキ成長当初(Ψ=φ)においてメッキ層は凹形状となり、その後にメッキを続けてメッキ層底面径が55μmまで成長させたが、開口部上部のメッキ層表面に凹形状が残ったままとなっていた。
【0098】
次に、開口径10μmのものについて、マスク層材料を変え同様の実験を行った結果を示す。全芳香族ポリアミド酸溶液をスピン塗布し熱処理を行ないポリイミド膜とするマスク層13を用いた。基板11及び電極層12は、上記と同様に、夫々、両面に1μm厚の二酸化シリコン膜が形成されたシリコンウエハ、CrとAuを連続して成膜した電極層12である。
【0099】
開口部14は次のように形成した。マスク層13上にフォトリソグラフィによりフォトレジスト(商品名AZ1500:Hoechst社製)を塗布し、これを露光、現像してレジストに開口部を設けることでエッチング用マスクとする。次に、酸素を用いた反応性イオンエッチングによりフォトレジストの開口部のマスク層13をエッチング除去して電極層12を露出させ、開口部14を形成した。この後、フォトレジストを剥離した。
【0100】
開口部は500×500のマトリックスに200μm間隔で配置されている。このウエハをワークとして用いて、電極層12を陰極として、硫酸ニッケルと塩化ニッケルと硼酸及び光沢剤からなるNiワット浴を用いて、浴温50℃、陰極電流密度5A/dm2でNiメッキを行った。このとき、撹拌は行なわなかった。Niメッキは、まず、開口部14から析出、成長し、マスク層13上にもメッキ層15が広がり、図6(d)に示す半球状のメッキ層15が形成された。メッキ層15の底面径であるメッキ層の径は50μmとなるまでメッキを析出させた。
【0101】
このマイクロレンズ金型又は金型マスターの任意に抽出した10個のメッキ層15について曲率半径Rと仮想曲率半径rを計測した結果、Rとrの値は一致していた。この例により、50μmの曲率半径となる半球形状を有するマイクロレンズ用の金型又は金型マスターを実現できることが分かった。
【0102】
次に、開口径5μmのものについて、定電流でのメッキ実験を行った。基板11と電極層12は、上記と同様、夫々、両面に1μm厚の二酸化シリコン膜が形成されたシリコンウエハ、CrとAuを連続して成膜した電極層12である。マスク層13にはフォトレジストを用いた。開口部14は700×700のマトリックス形態で25μm間隔で配置されている。
【0103】
このウエハをワークとして用いて、電極層12を陰極として、硫酸ニッケルと塩化ニッケルと硼酸及び光沢剤からなるNiワット浴を用いて、メッキ浴温度60℃、電流値を10mA、100mAの2種類についてNiメッキを行った。このとき、撹拌は行わなかった。Niメッキは、まず、開口部14から析出、成長し、マスク層13上にもメッキ層15が広がり、図6(d)に示す半球状のメッキ層15が形成された。
【0104】
各電流値で、メッキ層底面径が5μm毎に10μmから35μmの大きさを持つメッキ層15を有する基板を形成した。これらの各マイクロレンズ金型又は金型マスターについて、700×700個の内の任意に抽出した10個のメッキ層15について曲率半径Rと仮想曲率半径rを計測した結果、Rとrの値は一致していた。この結果、定電圧による電気メッキと同様に、定電流下での電気メッキについても、半球形状を有する微小な曲率半径のマイクロレンズ金型又は金型マスターが作製できることが分かった。
【0105】
以上の例の結果により、メッキ層15の底面径Ψが開口径φと等しくマスク層13面上にメッキ層15が成長していない場合において、メッキ層15に平坦部が無くこれが凸面となる条件を満たすことで、メッキ層15の側面の曲率半径と光軸近傍の曲率半径に差異が生じず、このマイクロレンズ金型又は金型マスターで作製されるマイクロレンズはその側面も利用でき、開口数の大きなレンズを提供できることを見出せた。このときの開口径は数式(3)を満たしていた。
【0106】
本実施例でも、作製の性御性、コスト、大判化につて、第1実施例と同様な効果が得られる。また、上記構造をマイクロレンズ金型または金型マスターとして用いてマイクロレンズを作製することも、第1実施例で述べたように行なえる。
【0107】以下に、本実施例の原理に基づいてCrメッキ浴によりマイクロレンズ金型を作製し、マイクロレンズアレイを作製した例を示す。基板11として、6インチ角の石英ガラスを用いた。電極層12は、薄膜形成法の1つである電子ビーム蒸着法によりCrとAuを夫々10nm、200nm連続して成膜し電極層12を形成した。
【0108】
次に、フォトリソグラフィによりフォトレジストを塗布、露光、現像し開口部14を設け、電極層12を露出させた。フオトレジストをマスク層13として用いた。開口部14は円形をしており、その直径φは5μm、開口部14のピッチ35μmである。上記配置の開口部14を100×100のマトリックスに配置したものを1ブロックとし、石英基板11にブロック間ピッチ20mmで8×8ブロックを配置した。
【0109】
電極層12を陰極として、クロム酸と硫酸からなるCrメッキ浴を用いて、Crメッキを行った。Crメッキは、まず、開口部14の電極層12上に析出し、開口部14内にメッキを形成したときにメッキ層15は凸状となっていた。この後、さらにメッキを続けることでマスク層13上にもメッキ層15が広がり、半球状構造体のメッキ層15が形成された。半球体の半径が70μmとなるまでメッキをし、メッキ層15は連続膜とした。
【0110】
このようにして形成した半球形状のCrのメッキ層15をマイクロレンズ金型として用いてマイクロレンズアレイを形成した。図11に示すように、まず、紫外線硬化樹脂59をこの金型51〜55に滴下し、ガラス基板57を載せ、ガラス基板57から紫外線を照射して樹脂59を硬化させた。その後、金型から樹脂59をガラス基板57と共に剥離し、ガラス基板57上に金型とは反転する凹型マイクロレンズアレイ59を形成した。このマイクロレンズアレイ上に、マイクロレンズ金型に滴下した紫外線硬化樹脂59より大きな屈折率を持つ紫外線硬化樹脂58を塗布した。塗布した紫外線硬化樹脂58の表面を平滑にする為にガラス基板を載せ、紫外線を照射して大きな屈折率の樹脂58を硬化させた。硬化した紫外線硬化樹脂からこのガラス基板を剥離することでマイクロレンズアレイを作製することができた。
【0111】
同一のマイクロレンズ金型を用いて、同様の方法により屈折率の異なる2層の紫外線硬化樹脂からなるマイクロレンズアレイを繰り返し1000個作製した後に、本実施例のマイクロレンズ金型の表面を観察したところ、腐蝕や傷等は見当たらなかった。
【0112】
(第3実施例)
第3実施例は電極層としてPtを用いる方法に係る。図9を用いて本実施例を説明する。
【0113】
第1実施例と同様に、酸化ガスを用いて熱酸化し、両面に1μm厚の二酸化シリコン膜が形成された6インチφのシリコンウエハを、図9に示す基板31として用いる。このウエハ31に、薄膜形成法の1つである真空スパッタ法により、TiとPtを夫々10nm、200nm厚で連続して成膜し、電極層32を形成する。
【0114】
次に、全芳香族ポリアミド酸溶液をスピン塗布し、熱処理を行なってポリイミド膜からなるマスク層33を形成する。フォトリソグラフィによりフォトレジストを塗布、露光、現像して開口部を設け、酸素を用いた反応性イオンエッチングによりフォトレジストの開口部のマスク層33をエッチング除去する。こうして、電極層32を露出させ、開口部34を形成する。
【0115】
この後、フォトレジストを剥離する。開口部34は、ここでは円形をしており、その直径は10μmである。開口部34は500×500のマトリックスに200μm間隔で配置されている。
【0116】
このウエハをワークとして用い、電極層32を陰極として、硫酸ニッケルと塩化ニッケルと硼酸及び光沢剤からなるNiメッキ浴を用いて、浴温50℃、陰極電流密度5A/dm2でNiメッキを行なう。Niメッキはまず、開口部34から析出、成長し、マスク層33上にもメッキ層35が広がる。かくして、図9(a)に示す半球状構造体35のメッキ層が形成された。この場合、半球体35の半径が50μmとなるまでメッキを析出させた。これは、顕微鏡などを用いて確認できる。
【0117】
次に、常圧CVD法により、PSGを350℃にて1μm成膜し、犠牲層37を形成する(図9(a))。続いて、電子ビーム蒸着法により、TiとAuを夫々10nm、200nm厚で連続して成膜して金型用電極層38を形成し、図9(b)の金型用の金型を形成する。
【0118】
この金型をワークとして用いて、金型用電極層38を陰極として、前記Niメッキ浴にて浴温50℃、陰極電流密度5A/dm2でNiメッキを行ない、金型39を形成する(図9(c))。
【0119】
次に、弗酸と弗化アンモニウムとの混合水溶液に図9(c)の基板を浸漬して、犠牲層37であるPSGををエッチング除去する。こうして、基板31と金型39を剥離することができた(図9(d))。
【0120】
この時、金型用電極層38のTiも同時に除去される。この後、金型用電極38を、沃素と沃化カリウムの混合水溶液によりエッチング除去し、マイクロレンズ用金型39を形成する(図9(e))。
【0121】
剥離後の基板は、犠牲層37を除いて図9(a)に示す半球状構造体35を有する構成であり、図9の工程を行なうことにより、再びマイクロレンズ用金型39を作製することができる。本実施例のマイクロレンズ用金型の作製方法において、金型39を電気メッキにより形成できるために、同一形状の金型を複数形成することができる。従来の金型形成方法では、原版は一枚であったのに対して、本実施例では、金型自体を金型で形成し、犠牲層プロセスを用いて複数形成することが可能である。これにより、一層の低コスト化が達成できる。
【0122】
次に、図10に示す様に、紫外線硬化するフォトポリマーからなる樹脂40を金型39に滴下し、支持基板41となるガラス基板をその上に載せ、ついで紫外線を照射して樹脂40を硬化させる。硬化後にガラス基板41を持ち上げたところ、樹脂40はマイクロレンズ用金型39より剥離され、マイクロレンズアレイを形成することができた。ここでは、同一のマイクロレンズ用金型を用いて、同様の方法によりフォトポリマーのマイクロレンズを1000枚作製できた。
【0123】
また、本実施例では、電極層32のPtとNiメッキ層35とでは合金層を形成しないので、硫酸等での酸洗浄とオゾンアッシングによりPt上に形成されたマスク層33やメッキ層35は除去でき、Pt電極層32が形成された基板として再生することができた。
【0124】
(第4実施例)
第4実施例は電極層32としてメッキ層35と同じ材料を用いた方法に係る。同じく図9を用いて説明する。
【0125】
第3実施例と同様に、酸化ガスを用いて熱酸化し、両面に1μm厚の二酸化シリコン膜が形成された6インチφのシリコンウエハを、図9に示す基板31として用いる。このウエハ31に、薄膜形成法の一つである真空スパッタ法により、TiとNiを夫々10nm、200nm厚で連続して成膜し、電極層32を形成する。
【0126】
次に、開口部34を持つマスク層33を第3実施例と同様に形成する。そして、同じく第3実施例と同様に図9(a)に示す半球状構造体のメッキ層35を形成する。
【0127】
ここで、メッキ層35と電極層32を同じ材料(すなわちNi)にしたことにより、異種材料の間に生じる結晶格子のミスマッチを無くせるため、スムーズに電極層32上にメッキ層35が成長でき、電極層32上に半球状構造体35が強固に固着される。よって、洗浄等の工程で半球状構造体35が欠落することが無くなり、ハンドリングしやすくなった。
【0128】
その後も第3実施例と同じ工程で、マイクロレンズ用金型39を形成することができる。その他の特徴も第3実施例と同じで、また、本実施例のマイクロレンズ用金型39を用いて、第3実施例と同様の方法によりフォトポリマーのマイクロレンズを作製できた。
【0129】
(第5実施例)
第5実施例は電極層32としてメッキ層35に拡散されやすい材料を用いた方法に係る。同じく図9を用いて説明する。
【0130】
第3実施例と同様に、酸化ガスを用いて熱酸化し、両面に1μm厚の二酸化シリコン膜が形成された6インチφのシリコンウエハを、図9に示す基板31として用いる。このウエハ31に、薄膜形成法の一つである真空スパッタ法により、TiとAuを夫々10nm、200nm厚で連続して成膜し、電極層32を形成する。
【0131】
次に、開口部34を持つマスク層33を第3実施例と同様に形成する。そして、同じく第3実施例と同様に図9(a)に示す半球状構造体のメッキ層35を形成する。
【0132】
ここで、電極層32がメッキ層35に拡散されたことになる。これは、形成した半球状構造体36を硫酸水溶液で溶解させたところ電極32上の開口部34にニッケルと金との合金から成る拡散層が見出されたことによって、証明された。これによって電極層32材料のAuがニッケルからなるメッキ層35内部に拡散され、電極層32上に半球状構造体35が強固に固着され、洗浄等の工程で半球状構造体35が欠落することが無くなりハンドリングしやすくなった。
【0133】
その後も第3実施例と同じ工程で、マイクロレンズ用金型39を形成することができる。その他の特徴も第3実施例と同じで、また、本実施例のマイクロレンズ用金型39を用いて、第3実施例と同様の方法によりフォトポリマーのマイクロレンズを作製できた。
【0134】
(第6実施例)
第6実施例は、他の方法にて金型を形成する工程を有する方法に係る。同じく図9を用いて説明する。
【0135】
第3実施例と同様の方法により、電極層32とマスク層33と開口部34が形成された基板31上にメッキ層35からなる半球状構造体を形成し、常圧CVD法により、PSGを350℃にて1μm成膜して犠牲層37を形成する(図9(a))。続いて、電子ビーム蒸着法により、TiとAuを夫々10nm、200nm厚で連続して成膜して金型用電極層38を形成し、図9(b)の金型用の金型を形成した。
【0136】
この金型をワークとして用いて、金型用電極層38を陰極として、スルファミン酸ニッケルと臭化ニッケルと硼酸及び光沢剤からなるNiメッキ浴を用いて、浴温50℃、陰極電流密度5A/dm2でNiメッキを行ない、金型39を形成する(図9(c))。
【0137】
次に、弗酸と弗化アンモニウムとの混合水溶液に図9(c)の基板を浸漬して、犠牲層37であるPSGををエッチング除去する。こうして、基板31と金型39を剥離することができた(図9(d))。このとき、金型用電極層38のTiも同時に除去される。この後、金型用電極38を、沃素と沃化カリウムの混合水溶液によりエッチング除去し、マイクロレンズ用金型39を形成する(図9(e))。ここで、メッキ浴としてスルファミン酸ニッケル浴を用いることにより、メッキ応力による反りの小さい金型を得ることができた。
【0138】
ところで、上述の説明では、主にマイクロレンズ金型又は金型マスターとして説明したが、本発明の構造は、上記の形態的特徴を有することが望まれるマイクロ構造体或はマイクロ構造体の金型又は金型マスターとして用いることもできる。
【0139】
また、主に開口部を円形として説明したが、スリット形状にしたときは、半円筒形状を持つレンチキュラーレンズ用金型又は金型マスターが作製でき、レンチキュラーレンズアレイを形成することができる。この方法により基板61上に作製したレンチキュラーレンズ用金型又は金型マスター62の斜視図を図12に示す。
【0140】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のマイクロレンズ金型又は金型マスターは、開口部の開口径φが数式(1)を満たすことで、光軸で所望の曲率半径を有するマイクロレンズ金型又は金型マスターとなった。
【0141】
また、本発明のマイクロレンズ金型又は金型マスターは、開口部の開口径を10μm以下にすることで、メッキ層の側面の曲率半径と光軸近傍の曲率半径に差異が生じないマイクロレンズ金型又は金型マスターとなり、この金型又は金型マスターを用いて作製されたマイクロレンズは開口数の大きなレンズとなった。
【0142】
また、本発明のマイクロレンズ金型の作製方法では、電気メッキ成長当初において開口部にメッキを形成したときにメッキ層が平坦部を有する場合、形成したメッキ層の開口部直上部の曲率半径をR、開口部の開口径をφとするときに、数式(1)の条件を満たすことで、光軸で所望の曲率半径となるメッキ層を有するマイクロレンズ金型又は金型マスターを作製することができた。
【0143】
また、本発明のマイクロレンズ金型又は金型マスターの作製方法では、電気メッキ成長当初において開口部にメッキを形成したときに、メッキ層に平坦部が無くメッキ層が凸面となる条件を満たすことで、メッキ層の側面の曲率半径と光軸近傍の曲率半径に差異が生じず、このマイクロレンズ金型又は金型マスターで作製されるマイクロレンズの側面も利用でき、開口数の大きなレンズを提供することができた。
【0144】
上記メッキ層を形成する為の条件は、メッキ浴に依存するものではない。
【0145】
この様に、本発明によれば、曲率半径が数100μm以下(特には、300μm程度以下)、半球上部の曲率半径200μm以下のような微小なマイクロレンズを形状精度良く作製できる様になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例のマイクロレンズ金型の作製方法を示す工程図である。
【図2】本発明に用いた電気メッキ装置の概略図である。
【図3】本発明で示す最小曲率半径を説明する為の図である。
【図4】本発明の第1実施例のメッキ層の光軸近傍での曲率半径とメッキ層底面径との実験結果を示す図である。
【図5】本発明の第1実施例の最小曲率半径と開口径φとの検討結果を示す図である。
【図6】本発明の第2実施例のマイクロレンズ金型の作製方法を示す工程図である。
【図7】本発明の第2実施例の半球形状の評価方法を説明する図である。
【図8】本発明の第2実施例の開口部上部のメッキ層表面の光軸での曲率半径Rと仮想曲率半径rを測定した結果を示す図である。
【図9】金型を金型マスター上に電気メッキで作製する作製方法の工程を示す工程図である。
【図10】本発明のマイクロレンズアレイの作製方法の一例の工程図である。
【図11】本発明のマイクロレンズアレイの作製方法の他の例の工程図である。
【図12】本発明のレンチキュラーレンズアレイ用金型又は金型マスターの斜視図である。
【図13】従来のメッキ成長過程を説明する断面模式図である。
【図14】メッキ層の曲率半径を説明する為の断面模式図である。
【符号の説明】
1、11、31、51、61 基板
2、12、32、52 電極層
3、13、33、53 マスク層
4、14、34、54 開口部
5、15、35、55 メッキ層
21 ワーク
22 陽極板
23 金属イオンを含むメッキ浴
24 外部電極
37 犠牲層
38 金型用電極層
39 金型
40、58、59 樹脂
41、57 支持基板
201 導電体
202 絶縁体
203 開口部
62 レンチキュラーレンズ用金型又は金型マスター
Claims (35)
- 導電性基板あるいは電極層を有する基板あるいは少なくとも一部が導電性部分となっている基板と、該基板上に形成された開口部を有する絶縁性マスク層と、開口部及び絶縁性マスク層上に形成されたメッキ層からなるマイクロレンズ金型又は金型マスターにおいて、開口部の開口径ないし幅をφとし、メッキ層の開口部直上部の曲率半径をRとするとき、φ≦0.35Rなる関係式を満たすという条件と前記開口部の開口径ないし幅が10μm以下であるという条件の一方を満たし、かつ前記電極層とメッキ層との間に合金層が存在することを特徴とするマイクロレンズ金型又は金型マスター。
- φ≦0.35Rなる関係式を満たすと共に前記開口部の開口径ないし幅が10μmを超えることを特徴とする請求項1に記載のマイクロレンズ金型又は金型マスター。
- 前記開口部が基板上に複数形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のマイクロレンズ金型又は金型マスター。
- 夫々の開口部上に在るメッキ層において、隣接するメッキ層同士が一体化されていることを特徴とする請求項3に記載のマイクロレンズ金型又は金型マスター。
- 前記開口部が円形形状であることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のマイクロレンズ金型又は金型マスター。
- 前記開口部が長く伸びた長方形形状であることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のマイクロレンズ金型又は金型マスター。
- 前記基板としてシリコンウエハ、ガラス、石英または高分子フィルムを用いることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載のマイクロレンズ金型又は金型マスター。
- 前記マスク層がフォトレジストで形成されることを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載のマイクロレンズ金型又は金型マスター。
- 前記電極層がニッケルから成ることを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載のマイクロレンズ金型又は金型マスター。
- 前記合金層が電極層とメッキ層の少なくとも一方の金属が拡散してなることを特徴とする請求項1乃至9の何れかに記載のマイクロレンズ金型又は金型マスター。
- マイクロレンズ金型又は金型マスターの作製方法であって、導電性基板あるいは電極層を有する基板あるいは少なくとも一部が導電性部分となっている基板を用い、(1)基板の電極層あるいは導電性部分上に絶縁性マスク層を形成する工程、(2)マスク層に適当形状の開口部を形成して導電性部分を露出する工程、(3)電極層あるいは導電性部分を陰極として電気メッキにより、開口部を通じて開口部及びマスク層上にメッキ層を形成する工程を有するマイクロレンズ金型又は金型マスターの作製方法において、
メッキ層の底面径ないし幅をΨ、開口部の開口径ないし幅をφとし、電気メッキ成長当初において開口部に平坦部を有するメッキ層が形成される様にしたとき(Ψ=φ)に、形成したメッキ層の開口部直上部の曲率半径をRとするとき、前記工程(2)において、所望のRの値に応じてφをφ≦0.35Rなる関係式を満たす値に設定し、前記工程(3)において、電気メッキ成長当初のΨ=φの時点で開口部に平坦部を有するメッキ層が形成され、その後メッキ層の曲率半径が最小値を取る条件下で所望の値に形成されるという第1の条件を満たすか、
もしくは前記工程(2)において、φをφ≦10μmなる関係式を満たす値に設定し、前記工程(3)において、電気メッキ成長当初のΨ=φの時点で開口部に凸面を持つメッキ層が形成され、その後所望の曲率半径に形成されるという第2の条件を満たすことを特徴とするマイクロレンズ金型又は金型マスターの作製方法。 - 前記開口部の開口径ないし幅が10μmを超えると共に前記第1の条件を満たすことを特徴とする請求項11に記載のマイクロレンズ金型又は金型マスターの作製方法。
- 前記開口部が基板上に複数形成されていることを特徴とする請求項11または12に記載のマイクロレンズ金型又は金型マスターの作製方法。
- 工程(3)において、マスク層上に凸面状のメッキ層を形成する成長を続け、隣接するメッキ層同士が一体化するまで電気メッキを行なうことを特徴とする請求項13に記載のマイクロレンズ金型又は金型マスターの作製方法。
- 工程(3)において、電気メッキを行なう際にメッキ浴を基板上で流動させず電気メッキを行なうことを特徴とする請求項11乃至14の何れかに記載のマイクロレンズ金型又は金型マスターの作製方法。
- 電気メッキがニッケルメッキ、銅メッキ、クロムメッキの何れかの電気メッキであることを特徴とする請求項11乃至15の何れかに記載のマイクロレンズ金型又は金型マスターの作製方法。
- 工程(2)において、開口部が円形形状であることを特徴とする請求項11乃至16の何れかに記載のマイクロレンズ金型又は金型マスターの作製方法。
- 工程(2)において、開口部が長く伸びた長方形形状であることを特徴とする請求項11乃至16の何れかに記載のマイクロレンズ金型又は金型マスターの作製方法。
- 更に、(4)メッキ層を形成した基板に金型を形成する工程、(5)金型を基板より剥離する工程を有することを特徴とする請求項11乃至18の何れかに記載のマイクロレンズ金型又は金型マスターの作製方法。
- 工程(3)において、メッキ層を形成した後に、犠牲層を形成する工程を含むことを特徴とする請求項19に記載のマイクロレンズ金型又は金型マスターの作製方法。
- 工程(5)において、金型を基板より剥離する工程が犠牲層を除去することにより行われることを特徴とする請求項20に記載のマイクロレンズ金型又は金型マスターの作製方法。
- 工程(5)において、金型を基板より剥離する工程が、基板、メッキ層を順次エッチング除去することにより行われることを特徴とする請求項19に記載のマイクロレンズ金型又は金型マスターの作製方法。
- 工程(5)において、金型を基板より剥離する工程が機械的に剥離することで行なわれることを特徴とする請求項19に記載のマイクロレンズ金型又は金型マスターの作製方法。
- 工程(4)において、金型を形成する工程が、メッキにより行なわれることを特徴とする請求項19乃至23の何れかに記載のマイクロレンズ金型又は金型マスターの作製方法。
- 工程(4)において、金型を形成する工程が、スルファミン酸ニッケル浴を用いたニッケルメッキであることを特徴とする請求項24に記載のマイクロレンズ金型又は金型マスターの作製方法。
- 工程(4)において、金型を形成する工程が、金型材料をメッキ層上に塗布することで行なわれることを特徴とする請求項19乃至23の何れかに記載のマイクロレンズ金型又は金型マスターの作製方法。
- 基板としてシリコンウエハ、ガラス、石英または高分子フィルムを用いることを特徴とする請求項11乃至26の何れかに記載のマイクロレンズ金型又は金型マスターの作製方法。
- マスク層がフォトレジストで形成されることを特徴とする請求項11乃至27の何れかに記載のマイクロレンズ金型又は金型マスターの作製方法。
- 前記電極層がニッケルから成ることを特徴とする請求項11乃至28の何れかに記載のマイクロレンズ金型又は金型マスターの作製方法。
- 前記電極層とメッキ層が同じ材料から成ることを特徴とする請求項11乃至29の何れかに記載のマイクロレンズ金型又は金型マスターの作製方法。
- 前記電極層とメッキ層との間に合金層が存在することを特徴とする請求項11乃至30の何れかに記載のマイクロレンズ金型又は金型マスターの作製方法。
- 前記合金層が電極層とメッキ層の少なくとも一方の金属が拡散してなることを特徴とする請求項31に記載のマイクロレンズ金型又は金型マスターの作製方法。
- 請求項11乃至32の何れかに記載のマイクロレンズ金型又は金型マスターの作製方法により作製したマイクロレンズ用金型上にレンズ材料を塗布し、金型よりレンズ材料を剥離して形成することを特徴とするマイクロレンズの作製方法。
- レンズ材料が樹脂よりなることを特徴とする請求項33に記載のマイクロレンズの作製方法。
- 前記剥離したレンズ材料に他のレンズ材料を塗布して硬化することを特徴とする請求項33または34記載のマイクロレンズの作製方法。
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