JP2000515002A - 標的分子の活性部位またはクレフトと特異的に相互作用する認識分子 - Google Patents

標的分子の活性部位またはクレフトと特異的に相互作用する認識分子

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、、標的分子の活性部位またはクレフトと相互作用する能力を有する認識分子に関する。該認識分子は、基本認識ユニットから突出したループ構造をもつ。該ループ構造はたとえば、標的分子の活性部位またはクレフトに対する結合特異性をもつ、ラクダ科の動物の重鎖抗体のCDR3またはそのようなCDR3の誘導バージョンである。基本認識ユニットは、たとえば、標的分子に対する結合親和性をもつ抗体型構造によって形成される。

Description

【発明の詳細な説明】 標的分子の活性部位またはクレフトと特異的に相互作用する認識分子 本発明は、標的分子の活性部位またはクレフト(裂け目)と相互作用する能力 を有する認識分子に関する。さらに本発明は、それらの分子の設計および製造方 法、ならびに診断、治療、ワクチンおよび標的分子の単離ならびに精製における 該認識分子の用途に関する。認識分子は、酵素インヒビターとして用いるのが好 ましい。また本発明は、本発明の認識分子を含む治療用組成物、診断用キット、 ワクチンおよび精製材料に関する。 理論的には、ウイルス、細菌、寄生虫またはその他のいずれに由来する疾患で あっても、多くの場合、病原タンパク質の酵素活性を妨害すること、または寄生 タンパク質が標的分子を認識するのを妨害することによって疾患の発生を回避す ることができる。さらに、阻害分子を活性(毒性)部位に結合させることによって 毒性物質の有害な影響を無効にすることができる。また、酵素機能の不調または タンパク質認識の不調を由来とする、複合した酵素的または生理的プロセスの機 能不全は、該複合タンパク質の活性部位またはグルーブ(みぞ)と相互作用する 分子を与えることによって治癒されることも多い。 上記これらの例のすべてにおいて、これらの悪性分子の活性部位(酵素におけ る触媒部位、マルチ成分システムといったような複合システムにおけるタンパク 質内のグルーブ、または受容体内の認識部位など)を認識する特異的タンパク質 を有することが有利である。 明らかに、現在、このような分子を得るための手近な最もよいテクニックは、 (モノクローナル)抗体を産生するためのハイブリドーマテクノロジーである。 しかし、抗体を開発する際には幾種類かの制限が存在する。たとえば、これまで に構造がわかっている抗体は、グルーブまたはキャビティ(くぼみ)のいずれか を形成する抗原結合表面かあるいはフラットな抗原結合表面を有することが知ら れている〔Websterら、Current Opinion in Structural Biology,4,23,1994〕。 したがって、抗体の抗原結合部位は、グルーブまたはキャビティを貫通すること ができない。標的タンパク質の触媒性または機能的残基あるいは毒性部分は、た いていの場合、クレフト内に位置しており、その結果、活性クレフトを形成する アミノ酸との接触および相互作用が多くなり、それらのタンパク質の基質または 受容体が、該タンパク質を認識するのが非常に特異的になる。しかし、クレフト およびキャビティの少なくとも一部は分子内にあるという事実から、これらの構 造はさほど免疫原性はない。より広いキャビティ(あるいは通常、タンパク質の クレフトという)でさえも、さほど免疫原性はないという不利点を有している。 なぜ少数の抗体しかタンパク質の活性部位と相互作用しないか、ということの理 由のひとつが、これである。 おそらくこれら(活性部位の低免疫原性および抗原結合部位自身のフラット表 面)が、一価のフラグメント(FAB−FV−ScFV)として作用する場合に、な ぜ少数の(モノクローナル)抗体しか酵素活性を中和しないのか、ということの 2つの主たる理由である。利用できる少数の中和モノクローナル抗体しか、抗原 の活性部位と一部オーバーラップするが、より大きな特異性を付与する活性部位 の内部には位置しないエピトープ上で結合しない。さらに、抗原(ウイルスコー トタンパク質など)の表面における単一点突然変異によって、モノクローナル抗 体のエピトープが機能を排除され、この新規変異体の検出用には使えなくなる。 抗体の最後の不利点は、それらの分子量とサイズが大きいことであり、そのため に迅速な生体分散あるいは効率的な組織貫通に制限が加わり、同時に、抗体のF cが血液からの迅速なクリアランスを妨害する。 上記観点から、本発明の第1の目的は、大きな特異性をもって標的分子のキャ ビティまたは活性部位に結合する分子を設計し、構築することである。 本発明の他の目的は、これらの分子(本明細書を通じて認識分子と称する)を診 断、治療、ワクチンおよび標的分子の単離または精製方法において使用すること ならびに酵素インヒビターとして使用することである。 本発明の第3の目的は、特定の目的用に、認識分子を製造および修飾方法を提 供することである。 本発明の第4の目的は、本発明認識分子を含む、治療用化合物、診断キット、 ワクチンおよび物質の精製に関する。 本発明の第1の目的は、標的分子の活性部位またはクレフトと相互作用する能 力を有する、基本認識ユニットから伸びる、露出ループ構造を特徴とする認識分 子によって達成される。 このような認識分子においては、該ループ構造が、標的分子またはその修飾バ ージョンの活性部位またはクレフトに対する結合特異性を有するラクダ科の重鎖 抗体の相補性決定領域3(CD3)であるのが好ましい。該ループは、利用可能 な基本認識ユニットのいずれにでも組み入れることができる。しかし、基本認識 部位は、少なくとも幾らかの、標的分子に対する結合親和性も有する抗体タイプ の構造によって形成されるのが好ましい。 本発明は、まず最初に以下に述べる原則を明確にした後に創造された。本発明 の認識分子は、認識ユニットから突き出た露出ループからなる(図1)。該ルー プは、標的タンパク質のキャビティ、グルーブまたはクレフトの内側に貫通する ように設計される。良好な親和性をもつために、このループは、その固有の柔軟 性が強制的に限定される必要がある。したがって、該フリーループの柔軟性は、 標的分子の不在下で制限される必要がある。制限されたループそれ自体、すでに 充分な親和性を有しているが、標的タンパク質の活性部位またはクレフトの周囲 のアミノ酸との接触数を増加するために、結合表面から突き出ているこのループ を有することが利点である(必須ではないが)。したがって、理想の認識分子は 、この抗原結合表面から突出露出ループの載った抗体の抗原結合部位という特性 を示すものである。 しかし、通常、抗体はその抗原結合部位から突出ループを形成せず、人工的に 創造されたループでは、該ループが構築、抑制を必要とするように新たに設計す ることは困難であり、またループは標的のキャビティに対して相補的な表面を有 するので、本発明者らは、従来の抗体またはFvといったような抗体フラグメン トの抗原結合部位は、露出ループの挿入のための良好な開始足場ではないとみな した。 さらに、抗体は、効率的に生体分散または組織貫通するには大きすぎ、またF vといったような抗体フラグメントは、かなり不安定であり、低濃度で使用され る場合、特に解離しやすい。 また、非常に小さいVH抗体フラグメントまたは従来の抗体から誘導された( dAb)と呼ばれる‘シングルドメイン抗体’(Wardら、Nature,341,544-546,1 989)には、3つの主要な制限、すなわち、親のFvフラグメントと比べて、細 菌において発現収量が低いこと(培養物1リットルあたり平均0.2mgのみ) 、水溶液において溶解度が低いこと、ならびに親和性および特異性が低いことが ある。 標的タンパク質の他のキャビティ、グルーブまたはクレフトについても同様で あるが、本発明分子は、該タンパク質の活性部位に貫通し、触媒性残基と相互作 用するのが好ましい。この末端に、本発明分子は、最大に挿入するのに十分に大 きく、かつ標的タンパク質のキャビティに対してできるだけ相補的な露出ループ を有する。点突然変異は、標的分子自体の適正な機能における有害な影響をもた らすので、標的分子の活性部位残基に対し、認識分子が良好に接着し、かつ多数 接触することから点突然変異が獲得されることによって、標的分子がこの相互作 用から逃れることが不可能になる。本発明の認識分子はさらに、大きさが小さい ことから生体分散性ならびに組織貫通性が良好であること、細菌系において発現 濃度が充分に高いので経済的であること、溶解挙動が良好であること、安定性が 高く存続時間が長いこと、標的分子への親和性および特異性が高いこと、クロー ニングならびに加工操作が容易であることを特徴とする。本発明者らは、驚くべ きことに、ラクダ科動物(フタコブラクダ、ヒトコブラクダ、ペルーラマ、ラマ 、ビクーニャおよびアルパカ)由来の重鎖抗体から出発した場合に、これらすべ ての要求を満たせることを発見した。ラクダ科の動物は、重鎖抗体の形状のみの 実質量の機能的抗体をもっている(Hamers-Castermanら、Nature,363,446,1993 )。該重鎖抗体は、H鎖のホモダイマーからなり、L鎖が欠如している。H鎖の アミノ酸配列から、そのN末端ドメインには、いくつかの異常なアミノ酸置換が 含まれており、そのことによって明らかに普通のVHとは異なることがわかる( Muyldermanら、Prot.Enging.7,1129,1994)。 普通のVHとラクダ科のVHを区別するために、後者の重鎖抗体を‘VHH’ (重鎖(eavy−chain)抗体のVH)として識別する。この相異とい うものは、以下に述べるように、ラクダ科の重鎖抗体が他のいずれのVHからも 明らかに相異しているという事実から完全に弁明されている。 ラクダ科の生殖系列が小遺伝子のVHおよびVHHセットの両方を含んでいると いう事実は、VHHドメイン(VHH−D−J−再組み合わせ後に獲得された)が、 軽鎖なしの重鎖抗体における処理用に予定されているということを証明する。 VHHにおけるアミノ酸置換は、他のVHと比較して、一次構造(配列)のい たるところにばら撒かれているけれども、それらは、通常、VLドメインと相互 作用する、分子の側面における三次構造(前部VLサイドと呼ぶ)において空間 内にクラスターを形成する。これらのアミノ酸置換は、V37F、G44E、L 45RまたはL45CおよびW47であり、多くがGlyにおいて置換されてい る。明らかに、このような置換は、VHHの前部VLサイドの親水性を高め、そ れによって、ヒトまたはマウスから得られた普通の単離されたVH(dAb(シ ングルドメイン抗体)ともいう)の溶解度制限を克服する。Wardら、Nature,341 ,544(1989)に該dAbが記載されている。 また該置換によって、チャペロンBip(細菌のチャペロンタンパク質)に、 この領域が結合しにくくなり、そのために、発現濃度も増加することが期待され る。 さらに、ラクダ科の重鎖抗体は、軽鎖の不在下においてインビボで成熟したの で、単離されたVHHが、元の重鎖抗体の抗原に対する親の親和性および特異性 を保持することが仮定された。 結論として、VHHは、単離されたVHあるいはdAbと比較して、少なくと も3つの主な利点、すなわち、細菌またはたの発現系における、より良好な発現 収率、水溶液中での、より高い溶解度、およびより大きな親和性および特異性を 有している。 事実、本発明に至る再調査において、細菌発現ベクター(pHEN4、pHE N1の誘導体(Hoogenboomら、Nucl.Acids Res.,19,4133(1991)))においてク ローニングされたVHHは、およそ10mg/l培養物の収量で発現できることが 証明された。このことは、単離されたマウスVHドメインの細菌発現収量が0. 2mg/l培養物であることと比較すべきである。dAbのこれらの好ましくない 特性は、前部VLサイドの疎水性面が水性溶媒にさらされることに起因するもの である。また、VHHは、どのような凝集の徴候も見せることなく、10mg/m lにまで容易に濃縮することができ、この濃度は、マウスのVHの溶解度の約1 00倍に匹敵する。 良好な発現性や溶解性を示すと同時に、VHHは熱変性に対する耐性をも示し 、構造的完全性および抗原結合能力を保持したまま37℃で1週間維持すること ができた。したがって、VHHは安定な分子であるという結論が導かれた。 VHHの利点を備えるように、普通のVHをラクダ化することが可能である。 いわゆる‘ラクダ化(camelisation)’とは、44、45および47位置におけ る対応するラクダアミノ酸を模倣するための、該位置にアミノ酸の突然変異を誘 発することを意味する。‘ラクダ化’は溶解性を改善する(Davies & Reichmann FFBS Lett.,339,285-290,1994)。さらに、V37F置換による37位置の‘ ラクダ化’およびCDR1とCDR3の間へのジスルフィド結合の導入によって 、単離されたドメインの安定性が著しく改善された。 さらなるVHHクローン(ラクダおよびラマ由来)の配列分析により、それら の機能に関するいくつかのさらなる目覚しい特徴が、特に、系さ抗原結合ループ の不在下で、どのようにそれらが特異的抗原結合能力を保持するのかが、明らか になった。普通のVHでは、それは、配列が超可変であり、抗原に接触すること がわかっているCDR1(アミノ酸31から35)である。しかし、第1の超可 変ループ(アミノ酸26から30)の前面のN末端は、普通のVHでは溶媒に曝 露され、これらのアミノ酸は保存され、抗原に接触することは、これまでに報告 されたことはなかった(30位置のアミノ酸を除いて)。 ラクダ科抗体のVHHでは、26から35位置におけるこれらのアミノ酸を超 可変配列として定義することができる。第一に、このことは、このループのアミ ノ酸が、他の動物においてこれまでに述べられたものとは、異なるコンホーメー ションをとりうることを示唆し、第二に、これらのアミノ酸が抗原に接触し得る 、すなわち抗原結合プラットフォームの表面が拡張されることを示す。 さらに、配列および構造において最も可変なループであるCDR3が平均して 普通のVHドメインの長さよりも長いことが発見された(マウスのアミノ酸が9 であるのに対して15アミノ酸である)。再び、抗原結合表面の増加が予測され る。 抗原不在下においてループが長いことは、該ループがいくらかの柔軟性および をもち、抗原と複合体を形成して固定してしまうような、より異なるコンホーメ ーションをとるようになるという短所をもつ。このループの固定化は、結合にお いて大きな負のエントロピー上の影響をもたらすと考えられる。ラクダ科VHH のCDR1(またはCDR2または枠組み領域2の45位置)およびCDR3に おいてシステインが同時に頻繁に出現すること(特により長いループにおいて) は、ジスルフィド結合の形成によるものである。このことは、コンホーメーショ ンの柔軟性を低下させ、それによって抗原の結合が、結合における負のエントロ ピー上の寄与をより小さくすることになる。 VHHおよび‘ラクダ化されたVH’の結果から、機能性をもつ小さな認識ユ ニットを産生するための2つの別々の方策を提案することができる。 第一の方策は、骨格として、ファージを‘ラクダ化されたVH’をディスプレ イするようにし、これを用いてCDR3ループをランダム化して(CDR3から 開始;次の段階において、結局は、CDR1およびCDR2ループはランダム化 /突然変異化される)、親和性および特異性を調整することを特徴とする。 第二の方策は、ラクダ(またはラマ)を所望の抗原で免疫感作し、動物の免疫 系がそれ自身の重鎖抗体をインビボで成長させるようにすることを特徴とする。 続いて、白血球(血液、脾臓、骨髄)由来のVHHをpHEN4などのファージ ディスプレイベクター内でクローニングし、抗原で選り分けることによって選択 する。このテクニックを用いることにより、リゾチームの異なるエピトープに結 合する2つのVHH分子と破傷風菌毒素に結合する(一方はCフラグメントに、 他方はCフラグメントの範囲外に)2つのVHH分子の同定が成功する。これら のVHH分子を、cAb−Lys2、cAb−Lys3およびcAb−TT1、 cAb−TT2と命名した。それらのアミノ酸およびヌクレオチド配列をカバッ ト(Kabat)番号をつけて図2に示した(cAbとは、camel single domein ant ibody fragmentの意味である)。 cAbは、抗原に特異的であり、それぞれ、2.108、2.107、6.107 および2.107-1という親和性で該抗原に結合する。これらのcAbの 細菌発現濃度は、常に、mg/L培養物の値域であり、cAbは、よく折りたたま れ、溶解性がよく、熱変性実験においても安定であった。 ラクダ長ヒンジの中間体でcAbを二価/多価にすることによって、それらの 親和性を増大することが可能である。同様の方策で、cAb−Lys3をcAb −TT2に結合して二重特異性の構築物を製作することができる。cAb−TT 1およびcAb−TT2は、葉書風菌毒素をインビボにおいて中和する。同様に cAb−Lys3は、ミクロコッカス・リソデイクチカス(Micrococcus Lysode ikticus)のリゾチームの細胞壁加水分解活性を阻害する。 cAb−Lys3は、セファロースCNBrに固定化したニワトリ卵白リゾチ ームを用いるアフィニティークロマトグラフィーによって容易に精製することが できる。その抗原(ニワトリ卵白リゾチーム)と複合したcAb−Lys3の構 造を、X線結晶解析により、分解能2.5オングストロームまで決定した。露出 したループ構造(‘TUT’モチーフともいう)をもつ小さい認識ユニットとし てのVHHの開発または設計に関するcAb−Lys3の構造の主な情報は、以 下の通りである。 VHHのコアの主鎖コンホーメーションは、VHに類似しており、そのため、 VHHを、CDRを他の有用な普通のVH分子からCDRを移植するのに使用す ることができる。 cAb−Lys3の‘前部VL’側は、完全に新しい形になり、ほとんどGl yで置換されるV37F、G44E、L45RおよびW47における置換のみな らず、この領域の保存されたW103、Q105およびQ39の再配向により、 VHと比べて親水性がより大きくなる。 H1ループは、前述の普通のVHの基準的構造から完全に逸脱するコンホーメ ーションをもっており、普通のVHドメインにおいて該ドメインの内部に埋もれ ているアミノ酸29が、構造の外側に飛び出して、抗原と接触する。アミノ酸2 8もまた、複合体において抗原と接近する。 CDR3(cAb−Lys3において24アミノ酸長)は、2つの部分(‘前 部VLサイド’をカバーするC部分および露出した、アクセス可能な、拡張され 、突出ループを形成するN部分(‘TUT’という))に分割することができる 。 このループはジスルフィド結合(CDR1へ向かう)およびY32、Y99なら びにY100Cのクラスター形成によって形成された内部芳香コアによって安定 化される。Y99もまた、D95側鎖とH−結合を形成している。 アミノ酸72〜75個のループは、抗原に接近するが、さほど秩序だったもの ではない。 CDR3のループの露出した部分は、リゾチームの活性部位の内部に深く貫通 し、ループの先端は、AlaおよびSer100aで形成される。Ser100 aは、リゾチームの触媒的Glu35とH−結合を形成する。 低エネルギーエピトープ’であると考えられている酵素の領域であるリゾチー ムの活性クレフトに対する抗体を惹起するのが困難であるために、安定化され、 大きな突き出したループ(TUT)が、分子のこの部分‘と相互作用することが わかった。酵素の活性部位、あるいは一般的にタンパク質の表面のキャビティは 、それらの免疫原性が低いこと、あるいは抗原結合部位が平坦であるかキャビテ ィまたはグループをもつかのいずれかであることから、普通の抗体または抗体フ ラグメントと反応するのは困難であるが、大きな突出ループは、抗原のキャビテ ィ、クレフトまたはグルーブを貫通できないために、抗体の抗原結合部位に見ら れなかった。 本発明の認識分子は、特にペプチド様構造をしている。広い範囲のタンパク質 または分子が、標的分子として機能することができる。タンパク質のリストは、 たんにどの種類のタンパク質が選択されうるかを示すだけである。キャビティま たは小さなグルーブをもつ全ての他のタンパク質が、適しており、該リストに限 定されるものではない。 標的分子の例として、S.aureusによって分泌される毒素の大きなファミリーの メンバーであり、毒素ショック症候群の主要原因である、S.aureusの毒素ショッ ク症候群毒1といったような細菌毒素が挙げられる。TSST−1は、スタフィ ロコッカル・エンテロトキシンBタンパク質、コレラ毒素、破傷風菌毒素と20 〜30%の配列同一性をもつ。標的分子として選ばれる他の分子は、ガラガラヘ ビの亜鉛エンドペプチダーゼであり、高度に保存された触媒性ドメインからなる 小タンパク質である、アダマリシンII、カルディオトキシンCTX IIb (ナジャ・モサンビカ(naja mosambica))、カルディオトキシンCTX V( 台湾コブラ)といったようなヘビ毒液である。これらのカルディオトキシンは、 コブラ科(Elapidae)由来の、ヘビの毒液中にある小タンパク質である。該毒素 は、結合して、細胞膜の組織、無傷性および機能を破壊することが知られている 。その他、デンドロトキシンK(ブラックマンバ)、フラボリジン・ニューロト キシン−IおよびII(アジアコブラ)。アダマリシンIIとガラガラヘビ科の (クロタラス・アトロクス(Crotalus atrox))由来のIV型コラーゲンを破壊 する低分子量のメタロプロテイナーゼHt−cおよびHt−dにも配列類似性が ある。 他の標的分子は、たとえば、受容体である。受容体は、相補的生体分子または カウンターリガンドに結合することが可能であり、その結果として機能(シグナ ルトランスダクションまたは貯蔵およびそれに続く放出)を生じる生物学的マク ロ分子である。本発明の認識分子は、たとえばシグナルトランスダクション機能 を遮断するために、受容体に対するアンタゴニストとして用いることができる。 また、該認識分子は、アゴニスト活性ももつことができる。 標的分子としてさらに、アパミンおよびテルチアピンといったようなミツバチ 毒液、クモ毒素、HIVプロテアーゼ、HIV逆転写酵素、SIVプロテアーゼ 、シュードモナス・アエルギノーサ由来のアルカリプロテアーゼ、因子xa様セ リンプロテアーゼまたは他の血液セリンプロテアーゼなどの他のプロテアーゼ、 RNアーゼおよびアンギオゲニン、シアル酸と複合糖質の間のグリコシル結合の 切断を触媒する、多くの疾患の病原体(サルモネラ、インフルエンザウイルス) に含まれると考えられるシアリダーゼ、種々のオリゴサッカライドのグリコシル 結合の加水分解を触媒する、アミラーゼおよびβ−グルカナーゼといったような ウイルスおよび細菌特異的タンパク質が挙げられる。α−アミラーゼの活性の変 化もしばしばすい臓疾患の指標となる。酵素の活性部位は、AドメインとBドメ インの間に存在するクレフトを形成する。触媒性残基Asp300、Asp19 7およびGlu233は、該クレフトに位置し、相同な残基が数種のアミラーゼ 構造に発見されているする。 標的分子の他の例は、リゾチーム、破傷風毒素およびカルボニックアンヒドラ ーゼである。 基本認識分子から出発して、基本認識ユニットおよびループ構造バリエーショ ンからなる他の標的に対する認識分子を製作することができる。さらに、可変部 の大きなグループから所望の標的に対する適当な候補を選ぶための選択システム を設計することができる。 原則的には、このアプローチのための出発点としてすべての認識分子を用いる ことができる。しかし、さらなる免疫感作を避けるために、本明細書に記載した 認識分子のひとつを使用するべきである。次いで、このような分子を加工して所 望の特異性を得ることができる。 ループおよび基本認識ユニットの修飾バージョンを導く経路は種々存在する。 たとえば、CDR3の誘導バージョンは、少なくとも一つの天然アミノ酸が一個 またはそれ以上の他のアミノ酸で置換されている突然変異したCDR3である。 あるいは、別の態様では、CDR3の誘導バージョンは、1個またはそれ以上の 追加のアミノ酸が付加されるかおよび/またはその天然アミノ酸配列内に組み込 まれている突然変異したCDR3からなる。 類似した修飾を行って、基本認識ユニットを製作することができる。基本認識 ユニットは、ラクダ科重鎖抗体またはその修飾バージョンの少なくとも一部によ って形成されており、その修飾バージョンは、少なくとも一つの天然アミノ酸が 、1個またはそれ以上の他のアミノ酸によって置換されているバージョンである かまたは1個またはそれ以上の追加のアミノ酸が付加されるかおよび/またはそ の天然アミノ酸配列内に組み込まれているバージョンである。別の態様として、 該ラクダ科抗体の修飾バージョンは、第二のアミノ酸配列に融合しているかまた は生物学的に活性な分子に連結しているバージョンである。 本発明の認識分子を得るために、以下に述べる種々の方策をとり得る。通常、 第一の方法は、ラクダ科重鎖抗体を準備し;コーディング配列を単離し、ファー ジディスプレイベクターにおいてクローニングし;該ベクターを宿しているファ ージにおいて該コーディング配列を発現し;次いでファージを固定抗原で選り分 けることによって抗原に特異的な認識分子を選択すること、を特徴とする。 第二の方策は、ラクダ(またはラマ)を所望の抗原で免疫感作し、動物の免疫 系がそれ自身の重鎖抗体をインビボで成長させるようにすることを特徴とする。 続いて、白血球(血液、脾臓、骨髄)由来のVHHをpHEN4などのファージ ディスプレイベクター内でクローニングし、抗原で選り分けることによって選択 する。結合体(所望の抗原を結合する認識分子)を溶離するには、以下の方法の ひとつを選択した。 結合物の溶離を、pHショックによって行い、一般結合体を得る(活性部位結 合体のみではない)。キャビティまたは活性部位結合体を得ることを望む場合は 、該結合体の溶離は、基質過剰によって行う。最初の方法で固定標的タンパク質 /基質複合体から‘一般結合体’を得、次いで非結合体で継続することにより、 一般結合体からキャビティ結合体が選択される。 本発明認識分子を得るためのこの一般法の実行可能性は、この方策を用いてc Abフラグメント、cAb−TT1、cAb−TT2、cAb−Lys2および cAb−Lys3タンパク質を得ることによって立証された。すべてのリゾチー ム結合体のうち最も長いCDR3ループ(24アミノ酸)およびCDR1とCD R3との間にジスルフィド結合を形成しているシステインをもつcAb−Lys 3の構造分析から、仮定したとおり、酵素の活性部位に結合する突出ループをも つ小さい認識ユニットが確かに作成されたことが立証された。 他の‘標的’タンパク質を認識する認識分子を得るために第一の方策を繰り返 すことは可能であるが、すべてのタンパク質が、この方策を完全に普遍化するほ ど充分に免疫原性があるものではない。したがって、第二の方策が開発された。 この方策は、出発点として、ランダムに選択された認識分子を使用する。この 方策の利点は、免疫感作を回避することができ、最終分子の三次構造がすでに本 質的に与えられていることである。 したがって、このような第二の方法は、ラクダ科重鎖抗体をランダムに選び; コーディング配列を単離し、ファージディスプレイベクターにおいてクローニン グし;該コーディング配列を少なくともひとつのコドンにおいてランダムに置換 することにより修飾し;ファージディスプレイベクターにおいてランダムに突然 変異したコーディング配列のライブラリを作成し;該ベクターを宿しているファ ージにおいて該コーディング配列を発現し;次いで、ファージを固定抗原で選 り分けることによって抗原に特異的な認識分子を選択する、ステップを特徴とす る。 この第二の方策では、ラクダの免疫感作が回避される。たとえば、cAb−L ys3タンパク質を修飾して、標的タンパク質のクレフトに結合するための‘T UT’モチーフをもつ‘小認識ユニット’を作製する。2つの経路が考えられる :突出ループを新しい形にする第一の経路およびcAb−Lys3の突出ループ の‘上張り’で終了する第二の経路である。 ループを新しい形にするために、いくつかの段階が必要である。まず、ループ の近くに制限酵素部位を導入する。これらの部位は、次ぎに続くクローニングお よび特徴づけを補助する。次いで、ランダムなコドン(1〜X)によってアミノ 酸交換する。Xの数が小さいほど、ライブラリーが小さく、ループの長さが短く なる。細菌の形質転換効率における実験上の制限があるために、6−7アミノ酸 以上のループは、完全なライブラリーを作製するのが難しく、また、ループの柔 軟になりすぎて、多反応性になり、結合が弱くなる。続いて、特異性または親和 性を増大するために、ドメインCDR1、CDR2または72/75位置のルー プ周囲アミノ酸(図2、cAb−Lys3)のN末端を変えることによってルー プの周囲のプラットホームを交換する。上記ステップ2および3を循環的に繰り 返して親和性および特性を成熟させる。別法として、多価構築物を作製すること により、同様に、結合活性を増強したり、あるいは二重特異的構築物を得ること ができる。 cAb−Lys3のCDR3ループの‘上張り’をするために、次のステップ を行う。まず、クローニングおよび特徴づけのために、ループの周囲に制限酵素 部位を導入する。次いで、cAb−Lys3の突出ループの外側に出ているアミ ノ酸を置換する。最後に、特異性または親和性を増大するために、ドメインCD R1、CDR2または72/75位置のループ周囲アミノ酸のN末端を変えるこ とによってループの周囲のプラットホームを交換する。別法として、多価構築物 を作製することにより、同様に、結合活性を増強したり、あるいは二重特異的構 築物を得ることができる。 認識分子をコードするDNA配列を発現させるといったような、標準的遺伝子 工学技術によって、本発明の認識分子を製造することもできる。このような方法 は、たとえば、認識分子またはその先駆体をコードするDNA配列を単離し、必 要に応じて、1個またはそれ以上の塩基置換、欠失または挿入を導入することに よって該分子またはその先駆体を修飾し;このようにして得られた、必要に応じ て修飾された、DNA配列を適当な宿主に移入し;次いで、宿主内でDNA配列 を発現する、ステップを特徴とする。本明細書で用いる語句‘先駆体’とは、製 造される認識分子の(完全な)所望の特異性をもたない、すべての配列を含むこ とを意図している。 これらのアプローチにより、免疫感作の問題(免疫感作スキムが長いこと、ラ クダ科動物への免疫原の毒性の影響、標的分子の免疫原性が低いこと、免疫感作 のために相対的に多量の標的分子が必要であること)が回避されることは明らか である。 他の態様では、本発明は、標的分子の生物学的機能を中和することおよび治療 における認識分子の使用に関する。したがって、本発明はまた、本発明の認識分 子の一種またはそれ以上および適当な賦形剤を含む、治療用組成物に関する。 中和とは別の態様において、本発明認識分子は、サンプル中に標的分子が存在 するかどうかを検出するのにも用いることができる。このように認識分子を診断 に用いることができる。該認識分子は、普通の抗体と同様に用いることができる 。したがって、当業者であれば、公知の免疫学的診断テストにおいて考え得るあ りとあらゆる診断テストを巧みに設計することができるであろうから、さらに解 説をせずとも、類似した診断技術が企画される。このように、本発明は、一種ま たはそれ以上の本発明認識分子を含む診断テストキットを提供する。 普通の抗体のような認識分子は、(能動的)ワクチンに使用することができる 。最後に、本発明は、一種またはそれ以上の本発明認識分子を含むワクチンに関 する。 さらに、標的分子に対する認識分子の特異性を巧みに使用して、標的分子を単 離もしくはさらなる精製法を開発することができる。通例の抗体または他の結合 分子の代わりに本発明認識分子を用いて、アフィニティーカラムといったような 標準的分離および精製技術を行うことができる。したがって、本発明はさらに、 1種またはそれ以上の本発明認識分子が結合した担体からなる精製材料に関する 。担体は、カラム材料であるのが好ましく、アフィニティーカラムがさらに好ま しい。 ‘TUT’モチーフをもつ小認識ユニット(本発明認識分子)を構築すれば、 たとえば、血液からの過剰分子のクリアランスが迅速であるという利点をもつ従 来のモノクローナル抗体に代わって、多くの適用法においてすぐに使用すること ができる。しかし、他の適用においては、循環する血液中での存続時間を長くす ることが好ましい。このことはヒトIgG1のヒンジ、CH2およびCH3ドメ インの前面で認識ユニットをクローニングすることによって容易に実現しうる。 第3の適用では、これらの小認識ユニットを体内へ入れることが必要である。 サイズが小さいことと、およびそれらのシングルドメイン構造が、このような使 用を可能にしている。 遺伝子セグメント末端のSKDELモチーフのクローニングによって、該分子 を細胞内細網の内側に保持することができるが、あるいは核標的シグナル、すな わちクロロプラストシグナルの後ろのクローニングを行っても、該タンパク質を その標的と結合し不活性化すべき、核、葉緑体、ミトコンドリアまたは他の選択 された細胞器官内に留めることができる。 多くの場合、ループ自身の結合活性は、標的分子の活性クレフトの内側に特異 的相互作用するのに充分である。 該ループは、好ましくは天然のタンパク質の特性を模するペプチド模擬体を合 理的に設計するのに用いることもできる。 本発明は、次に述べる図および実施例を参照することにより、さらに明らかに なる。図面の説明 図1は、本発明認識分子の図的表現である。 図2は、cAb−Lys2、cAb−Lys3、cAb−TT1およびcAb −TT2のアミノ酸およびヌクレオチド配列である。 図3A、3B、3Cおよび3Dは、リゾチーム、炭酸デヒドラタターゼ、ウシ 赤血球α−アミラーゼに対する機能時間中の免疫応答を示す。実施例12を参照 せよ。 図4A、4B、4Cおよび4Dはアミラーゼ、リゾチームおよび炭酸デヒドラ タタゼのRNAアーゼAに対する、D2/54のフラクション化されたIgGの 固相結合を示す。実施例13参照。 図5A、5B、5Cおよび5Dは、異なるIgGに対するウシおよび膵臓α− アミラーゼの光学密度を示す。実施例14参照。 図6A、6B、6Cおよび6Dは、異なるIgGに対するウシ赤血球炭酸デヒ ドラタタゼの光学密度を示す。実施例14参照。 図7は、実施例16で得られたクロマトグラフを示す。 図8は、遺伝子配列を示す。実施例18参照。 図9および10は、それぞれ、CA04およびCA05の遺伝子配列を示す。 実施例19参照。 図11は、コンペティティブELISAによるCA04−HIS構築物のアフ ィニティー測定を示すグラフである。実施例20参照。 図12は、炭酸デヒドラタゼの阻害を現すグラフである。実施例22参照。実施例 リゾチームおよび破傷風菌毒素に対する特異的認識分子に基づいて、次に述ベ る実施例では、本発明認識分子を得るための一般的方策をさらに詳しく説明する 。しかし、本発明はこれらの標的分子に限定されるものではない。 実施例1cAb−Lys2およびcAb−Lys3の製造 1996年10月31日公開のWO9634103の特許出願に、cAb−L ys2およびcAb−Lys3を得るための操作が開示されている。 実施例2cAb−Lys3のCDR3ループのN−パートの近くへの制限酵素部位の導入 pHEN4−αLys3(cAb−Lys3タンパク質をコードするラクダV HHの遺伝子を含むプラスミドpHEN4)をテンプレートに載せ、VHBAC K(A4)およびSMO20でPCRを行う。他のPCRを、同じテンプレート DNAならびにSMO19およびAM006で行う。 AM006は、pHEN4の遺伝子pIIIの開始部に結合する。 SM019は、cAb−Lys3のコドン100gから100に結合する(Sa IIサイトを下線で示す)。 SM020は、cAb−Lys3のコドン100mから98に結合する(Sal Iサイトを下線で示す)。 VHBACK(A4)は、pHEN4のPelBリーダーシグナルおよびcAb −Lys3のコドン1から4に結合する。(SfiIサイトを下線で示す)。 両方のPCRフラグメントをSalIで切断、VHBACK(A4)およびAM 006プライマーとの最終PCRを行った後、SfiIおよびBstEIIで切 断したpHEN4内でクローニングしうるDNAフラグメントが得られる(Bs tEIIサイトは、すべてのVHH遺伝子セグメントのフレームワーク4に天然 に生じる)。得られるプラスミドDNAは、ランダム化されたSer100aを もつcAb−Lys3をコードし、その中でcAb−Lys3のコドンは、突然 変異している(下記)。これらのサイレント突然変異は、SalIに対する制限酵素部位(下線)に含ま れ、次に行うクローニングまたはクローンの特徴づけに用いることができる。下 記のコドンのヌクレオチドもまた置換される。 このサイレント突然変異は、BalIサイト(下線)に導入され、これはSal Iサイト同様に、クローニングまたはクローン選択に用いることができる。 この方策を用いて、約10000個のクローンを作製し、そのうち約24個の クローンを抽出して、個々に成長させ、次いで、それぞれについて発現濃度おy びニワトリ卵白リゾチームへの結合を試験した。すべてのクローンは、100a 位置およびSalIならびにMluIサイトに突然変異を含んでいた。わずかに 親和性は低下しているが、2つのクローンのみは、リゾチームに結合していた。 これらの突然変異は、それぞれproおよびHisによってSer100aが置 換されたものである。すべての他のクローンは、Arg、Leu、Lysといっ たような異なるアミノ酸を含んでおり、発現はしているが、リゾチームに結合す ることができないことがわかった。 このことから、発現レベルは保持したままであるが、もとのcAb−Lys3 と比較すると、リゾチームに対する親和性/特異性を変化させた状態になるよう にループを突然変異させることが可能であるということが立証される。 実施例3‘TUT’ループの完全ランダム化 cAb−Lys3テンプレートを用いるPCRにより、オリゴ体、VHBAC K(A4)およびSN021で、DNAフラグメントを作製し、SfiI/Sa lIで切断した後、同じ酵素で切断したpHEN4−aLys3に、クローニン グすることができる。SM021の配列(SalIサイトを下線で示す)は、コ ドン100mから100eおよび95から92に結合する。 これらのプラスミドは、Thr97からGlu100でが除去され、ランダムコ ドン(NNS)6によって置換されている配列をコードするコドンをもっている 。pHEN4といったようなファージディスプレイベクターのライブラリーの構 築後、本明細書で説明する溶離/選択方策で選り分けることによって適当なバイ ンダーを選択する。 サイズの異なるループを作製することも可能である。次いで、ランダムコドン (NNS)xが、x=1〜10あるいはそれ以上の範囲で変化するようなものへ と、プライマーSM021の配列を変化させた。xが小さいと、ループが小さく 、xが大きいと、ループが大きくなる。これらの異なるループをそれぞれもつ異 なるライブラリーを用いて、標的タンパク質のクレフトにの最適にフィットする ものを見つける。 実施例4cAb−Lys3の‘TUT’ループの上張り ループのランダム化とはわずかに異なる方法により、cAb−Lys3から突 き出たループが、その外側表面のみ変化しているが、内部およびループ構造アミ ノ酸は保持されているもののライブラリーを作製する。この方策を‘上張り’と 呼ぶ。該方策は、SM021プライマーをSM022プライマー: と交換し、テンプレートとしてプライマ−VHBACK(A4)とPHEN−α Lys3とを組み合わせてPCRを行うことからなる。このプライマーをコドン 100mから92とアニーリングし、コドン97、98、100、100a、1 00bおよび100dをランダム化し、他はすべて保持する。アミノ酸をコード するランダム化したコドンが、ループの外側を覆うことがわかった。PCRフラ グメントをSfiおよびSalIで切断した後、同じ酵素で切断したpHEN4 ベクター内にライブラリーを構築した。ファージウイルスに突然変異したcAb を発現させた後、実施例3で説明した溶離/選択方策で選り分けることによって 適当なバインダーを選択した。 ランダムコドン(SNN)3を(SNN)x(xが、x=1〜6あるいはそれ 以上であって3ではない)と交換した類似のプライマーと、プライマ−SM02 1に変化させ、上記プロトコルにしたがって、元のループと比べて、突出ループ の先端が短くなるかまたは長くなったもののライブラリーを作製する。他のラン ダム化した位置もまた、より長くしたり、より短くしたりして、突出ループの側 面に‘ノブ(小山)’を作製することができる。これらの異なるライブラリーを 用いて標的分子を選り分け、最適バインダーを選択する。 実施例5突出ループの周囲の基本認識ユニットの修飾 ‘TUT’モチーフをもつ認識ユニットを一度構築すると、‘TUT’ループ の周囲の基本認識ユニット(またはプラットホーム)に(安定な)修飾をするこ とによって、親和性または特異性を増加することができる。これらの修飾に最も 適した3つの部位は、認識ユニットのN末端、ループ周辺アミノ酸72/75お よびCDR1またはCDR2領域である。 1.VHHのN−末端は、抗原結合ループに近く、この部位は、前述した修飾 部位として用いることができるが、挿入されたアミノ酸は閉じ込められない。む しろ両備生成物が得られる。したがって、この部位は、全ドメインの挿入および 2重特異性分子の構築に適した部位である。 2.72/75ループを新しく形成し、新規な機能的特質を挿入/導入するこ とにより抗原結合表面を増大させ、親和性/特異性を調節する。ラクダおよびラ マVHHクローン挿入において見られたように、このループは、突然変異(ラン ダム化)を導入するのに適した部位である。この部位は、折りたたみおよびその 抗原結合活性を維持したまま、3つのアミノ酸で延長することができる。結晶中 のこの領域の残りが柔軟なことから、この領域におけるcAb−Lys3の構造 も非常によく見える。したがって、この領域が、欠失および挿入を収容するのに 適当な場所であることが仮定される。オリゴヌクレオチドと結合したコドン81 から82a の周囲にBspHI制限酵素部位が存在することから、PCR法および標準的ク ローニング法によって、この領域に突然変異を起こし得る。 たとえば、pHEN4−αLys3を用いるPCR反応において、コドン67か ら82b(BspHI部位を下線で示す) で結合するプライマーならびにVHBACK(A4)プライマーは、BspHI およびSfiIで切断されたpHEN4−αLys3にクローニングしうるフラ グメントを作製する。作製されたライブラリーは、コドン72から75が、(X XX)xで置換されているcAb−Lys3タンパク質をコードする。(XXX )xの大きさに応じて、コドン72から75の間にコドンを導入、欠失または置 換することができる。 たとえば、この位置へのArg Gly Aspの導入によって、タンパク質を インテグリンに変えることができ、またはこの領域においてランダム化もしくは システインまたはヒスチジンを導入することによって、この位置で金属をキレー ト形成させ、メタロタンパク質を作製することができる。この位置において酵素 のサブドメインまたはドメインを組み入れたい場合、VHHにおけるアミノ酸7 2から75と等価の方向性と距離をもつ所望するドメインを含むアミノ酸を見出 すために‘新規な’タンパク質の構造を分析することが必要である。もし、構造 が未知であるか、この要求を満たすアミノ酸がない場合、次いで、該欠点を補っ て、キメラタンパク質の折りたたみ、安定性および機能を阻害する、望ましくな い埋込物が挿入されたドメイン上に押し付けられないようにするための、短いリ ンカーペプチドを導入することが望ましい。同様に、CDR1またはCDR2の アミノ酸を変更することにより、親和性および特異性を増加することができる。 実施例6‘TUT’モチーフをもつ認識ユニットの存続時間の増加 本発明の小シングルドメインタンパク質は、優れた組織貫通性、優れた生体分 散性および血液からの急速なクリアランスを示す。しかし、ある種の適用(ウイ ルスの中和)において、血液中で、より長い存続時間をもつことが利点となる。 血液中での存続時間を長くするために、TUTモチーフをもつタンパク質を、ヒ トIgG1といったようなIgG1のヒンジ、CH2およびCH3ドメインの上 流にクローニングすることができる。これは、標準的クローニング法を用いて行 うことができる。ヒトおよびcAb−Lys3または他のラクダおよびラマVH H遺伝子セグメントに生じるBstEII部位は、2つの遺伝子フラグメントを 互いにライゲートするのに適した部位である。pHEN4発現ベクターは、これ らの構築物を細菌を用いて発現させるのに用いることができるが、pCDNA− 3ベクターは、哺乳動物細胞系における最終発現に用いることができる。これは 、このような構築物(CH1および軽鎖をもたないもの)は、両方のシステムに おいて発現性がよいことが報告されているので問題はなく、これらのシステムに おいて機能性タンパク質が得られる。 実施例7体内 通常、細胞内の小器官に存在し、かつ機能する標的タンパク質および細胞内の 小器官で機能する標的タンパク質と相互作用するために、TUTモチーフをもつ 小認識ユニットを細胞内小器官(細胞質ゾル、核、小胞体、ミトコンドリアまた は葉緑体)の内部に持ち込むことが必要である。適当なプロモーターおよび/ま たは局在化シグナルの後ろ、あるいは小胞体内へ標的化するためにSKDELコ ドンで延長された、TUTモチーフをもつ小認識分子の遺伝子セグメントを形質 転換することにより、思うとおりに、設計した分子を細胞内小器官で発現するよ うに、また該器官を指向するようにできる。 CMVプロモーターおよび葉緑体リーダーシグナルの後ろにcAb−TT2を クローニングした。タバコ(植物)において、この構築物を形質転換したところ 、ELISA測定により、該構築物が発現し、機能することが示された。トラン スジェニック植物の葉2グラムを2.5mlのPBS、20%グリセロール、3 00μlの10mM PMSF(フェニルスルホニルフルオライド)とともに乳 鉢ですりつぶす。PD10ゲルろ過カラム(ファルマシア)で脱塩した後、抽出 物100μl、抽出物10μl+水10μlおよび2倍希釈物でELISAを行 う。コントロールとして、非形質転換植物を用いた。マイクロタイターウエルに 100μlの6.5μg/mlの破傷風菌毒素を入れる。PBS中の1%カゼイン でブロッキングし、ウサギ抗ラクダIgGおよびヤギ抗ウサギアルカリフォスフ ァターゼ複合体(シグマ)を用いて、結合した植物cAb−TT2を検出する; パラニトロフェニルホスフェードが基質であり、405nmで15分後、目盛り を読む。したがって、本発明のTUTモチーフをもつ小認識分子は、体内での使 用に有用である。 実施例8ペプチド模擬体 一度TUTループを見出し、特徴づけすれば、強制構築ペプチドとしてそれを 化学的に合成することができる。このペプチドは数多く接触するので、特異的か つ高い親和性にて標的タンパク質のキャビティの内側に結合する。11個のアミ ノ酸(Asp95からCys100e)が、およそ500A(オングストローム )2の表面積でリゾチーム活性クレフトと接触する。この量は、オリゴペプチド から特異的結合体を形成するのに充分である。したがって、‘CGDSTIYA SYYE GS’(下線の配列が、cAb−Lys3の突出ループ部であり、末端 の2つのCysが、ジスルフィド結合を形成することにより、ペプチドのコンホ ーメーションを強制的に作製するのを補助する)といったようなオリゴペプチド の合成を用いて、リゾチームに対する特異的結合をテストする。続いてのステッ プでは、有機化学によって、類似の結合特性を有する、このペプチドに基づくペ プチド類縁体を合成することが可能である。 本方策にしたがって、酵素または受容体分子由来のものといったような、他の 分子的クレフトに結合する特徴づけられたTUTを用いて、適当なペプチド模擬 体を設計することができる。 実施例8AcAb−TT2に対するモノクローナル抗体の作製 4〜6週齢の老いた雌性BALB/cxC57/B/L,F1マウスに、完全 フロイントアジュバント中の標識なしのcAb−TT2(5μg)をフットパッ ド内注射することにより、モノクローナル抗体(mAb)を作製した。8日後、 マウスを屠殺し、膝のリンパ腺を切除する。細胞を機械的にばらばらにし、DM EM培地で洗浄する。 骨髄腫パートナー細胞(NSO)をDMEMで長期培養する。細胞を一度洗浄 し、計数する。リンパ腺細胞およびNSO細胞を5〜1の比率で混合し、DME M中、50%ポリエチレングリコール(PEG4000)と融合させる。細胞を 遠心分離によりペレット化し、予熱した培地(DMEM−20%ウシ胎児血清含 有ヒポキサンチン、アミノプテリン、チミジンおよび抗生物質としてストレプト マイシンならびにペニシリン)中に静かに再懸濁させる。細胞を250mlのD MEMに写し、マイクロプレートに約5×104個の細胞/ウエルで配置する。 培養物を37℃、5%CO2で10日間インキュベートする。 10日後、ハイブリッドクローンの出現を記録した。合計227個のコロニー が観察され、それらの上清をELISAでテストする。精製したcAb−TT2 (1μg/ml PBS)をマイクロタイタープレートのウエルに一夜吸着させ る。プレートを洗浄し、1%カゼイン−PBSでブロックし、ハイブリドーマ細 胞の培養上清を37℃にて1時間インキュベートする。ウエルをPBS−twe en20(0.1%)で再度洗浄し、アルカリフォスファターゼと複合したヤギ 抗マウス免疫グロブリン(シグマ)とともにさらに1時間インキュベートする。 最後の洗浄後、1mMのMgSO4を加え、HClでpH9.8に調節した1M ジエタノールアミンに溶解したp−ニトロフェニルホスフェートで酵素を検出し た。着色の発展を405nmでモニターする。 227個のハイブリッドコロニーのうち、約10%(24個)が、ELISA において陽性反応を示した。これらのうちから、20個をさらなる分析のために 選んだ。イソタイプのクラスおよびサブクラスのタイプに関しては、20個のク ローンがIgGイソタイプのものであるが、残りの4個はIgMクラスに属する ことが示された。 精製されたラクダIgG1(すなわち、軽鎖をもつ普通のラクダ抗体)、Ig G2またはIgG3(すなわち、ラクダ重鎖イソタイプ)、未知の特異性をもつ 3個のラクダVHH(cAb−VHH9、cAb−VHH16およびcAb−V HH21)、またはcAb−Lys1、cAb−TT1およびcAb−TT2に 対するcAb−TT2特異性をもつ20個の選択されたIgGモノクローナル抗 体の反応性を試験することにより、モノクローナル抗体を惹起するオリジナルの 抗原であるcAb−TT2に対して強い応答が得られることが示された。2つの モノクローナル抗体(23G8および9A9)は、他のVHHドメインならびに ラクダIgG1を弱く認識する。ハイブリドーマ18C11、21A3および3 G2モノクローナル抗体は、ラクダIgG1に対し、中間の応答(最大応答の5 0%)を示し、モノクローナル抗体15A11は、2つの他の関連しないVHH (cAb−Lys1およびcAb−VHH21)を低レベル(最大結合の2 0%)で認識する。したがって、抗−cAb−TT2モノクローナル抗体のほと んどが、cAb−TT2に対して、イディオタイプ的個特異性を示すモノ特異的 である。 実施例9TUTモチーフをもつ認識ユニットによる免疫感作 BALB/cマウスにcAb−TT2をフットパッド内注射にて投与し、cA b−TT2に対する結合活性をもつ24個のハイブリドーマを作製した(227 個のハイブリッドを試験したうちから)。これらのすべての24個のモノクロー ナル抗体から、2個のみが、他のラクダVHHに弱く結合することができたが、 cAb−TT2に対する結合は、すべての試験クローンにおいて強かった。した がって、作製されたモノクローナル抗体は、抗イディオタイプ的モノクローナル 抗体のようである。 Zanettiらの実験(Nature,355,476(1992))から、VHのCDR3に存在する アミノ酸が免疫原性であり、マラリア原虫のエピトープをVHのCDR3に挿入 することによって得られたタンパク質構築物を用いて、マラリアに対してマウス を免疫感作しうることがわかっている。同様に、言及した構築物において、小認 識ユニット上の突出ループが、インビボ免疫感作のために他のループを挿入する のに良好な部位であることが予測される。 一度、特定の酵素または受容体分子に対するTUTが同定されると、それを用 いてモノクローナル抗体を作製しうることが確定した。抗イデイオタイプ的モノ クローナル抗体が、オリジナルの酵素または受容体の触媒部位を模倣するであろ うことが予測される。‘TUT’は、触媒活性をもつ抗体を開発するために用い た‘基質の遷移状態’に入れ替わる。安定な‘基質の遷移状態’の設計および合 成は、困難であるかまたは不可能であることが多い。この方策は、これらの合成 の困難さを解決する。 実施例10抗原リゾチームと共結晶化したcAb−Lvs3の構造分析 この実施例は、論文“Nature Structural Biology”,Volume3,No.9,1996年9月 号の図1に示すものである。 実施例11免疫感作プロトコル 4頭のヒトコブラクダを用いて抗原または抗原量を変えて免疫感作を行う。ヒトコブラクダ1 抗原:ウシRNアーゼA0.1mg 炭酸デヒドラタターゼ0.1mg b−ラクタマーゼ1mg リゾチーム1mg B型肝炎表面抗原セロタイプAy0.25mgを、約0.5mlの生理的食塩水お よび2ml2種の植物酵素と混合する。 第0日:血清20ml採取 CFA(等量)で乳化した抗原混合物の注射、皮下 第7日:血清20ml採取 第14日:IFAに混合した抗原で補助注射、皮下=チューブDAY14 第21日:血清20ml採取 第28日:IFAに混合した抗原で補助注射、皮下=DAY28 第31日:血液20ml採取(リンパ球調製用) 第35日:血清20ml採取 第54日:IFAに混合した抗原で補助注射、皮下=DAY54 第57日:血液20ml採取(リンパ球調製用) 第61日:血清20ml採取ヒトコブラクダ2 抗原:ウシRNアーゼA0.1mg 炭酸デヒドラタターゼ0.1mg リゾチーム1.4mg a−アミラーゼ1mg を約0.25mlの生理的食塩水と混合する。 第0日:血清20ml採取 CFA(等量)で乳化した抗原混合物の注射、皮下 第7日:血清20ml採取 IFAに混合した抗原で補助注射、皮下 第14日:IFAに混合した抗原で補助注射、皮下 IFAに混合した抗原で補助注射、皮下 第21日:血清20ml採取 IFAに混合した抗原で補助注射、皮下 第28日:IFAに混合した抗原で補助注射、皮下 IFAに混合した抗原で補助注射、皮下 第31日:血液20ml採取 第35日:血清20ml採取 IFAに混合した抗原で補助注射、皮下 第35日:血清20ml採取 IFAに混合した抗原で補助注射、皮下 第42日:血清20ml採取 IFAに混合した抗原で補助注射、皮下 第49日:血清20ml採取 IFAに混合した抗原で補助注射、皮下 第57日:血液20ml採取 第61日:血清20ml採取ヒトコブラクダ3 抗原:ウシRNアーゼA0.1mg 炭酸デヒドラタターゼ0.1mg b−ラクタマーゼ1mg リゾチーム1mg TAT0.5mg B型肝炎表面抗原セロタイプAd0.25mgを約2.7mlの生理的食塩水と混 合する。 第0日:血清20ml採取、血液20ml採取(リンパ球調製用) CFA(等量)と混合した抗原混合物の注射、皮下 第7日:血清20ml採取 第14日:IFAに混合した抗原で補助注射、皮下 第21日:血清20ml採取 第28日:IFAに混合した抗原で補助注射、皮下 第31日:血液20ml採取(リンパ球調製用) 第35日:血清20ml採取 第54日:IFAに混合した抗原で補助注射、皮下 第57日:血液20ml採取(リンパ球調製用)ヒトコブラクダ4 抗原:TAT を混合し、中和抗体を作製するのに使用する。すべての注射は筋肉内注射である 。 第0日:血清20ml採取 カクテル0.12mg+PBS2ml+IFA2mlを注射 第2日:カクテル0.24mg+PBS2ml+IFA2mlで感作 第4日:カクテル0.36mg+PBS2ml+IFA2mlで感作 第7日:カクテル0.48mg+0.07M硫酸ナトリウム2ml +0.07MCaCl22mlで感作 第9日:血清20ml採取 カクテル0.96mg+0.07M硫酸ナトリウム2ml +0.07MCaCl22mlで感作 第11日:カクテル1.50mg+0.07M硫酸ナトリウム2.5ml +0.07MCaCl22.5mlで感作 第14日:カクテル1.98mg+硫酸ナトリウム3ml+CaCl23mlで感 作 第16日:カクテル1.32mg+硫酸ナトリウム2ml+CaCl22mlで感 作 第18日:カクテル1.74mg+硫酸ナトリウム2.5ml+CaCl22.5 ml で感作 第21日:カクテル2.16mg+硫酸ナトリウム3ml+CaCl23mlで感 作 第24日:カクテル1.80mg+硫酸ナトリウム3ml+CFA3mlで感作 第31日:血液20mlおよび血清20ml採取 第65日:カクテル0.54mg+硫酸ナトリウム2ml+CaC122mlを 補助注射 第72日:カクテル1.08mg+硫酸ナトリウム2ml+CaCl22mlを 補助注射 第75日:カクテル1.62mg+硫酸ナトリウム2.5ml+CaCl22.5 ml を補助注射 第79日:血液50ml採取 第82日:血清50ml採取 実施例12時間と免疫応答との相関関係 実施例11の記載にしたがって、ラクダ2(D2)に異なる抗原を注射した。 血液を採取し、凝血後、血清を除去する。 マキシソルブプレートをそれぞれ下記の酵素で4℃にて一夜コーティングした 。 リゾチーム(3μg/ml PBS) ウシ赤血球炭酸デヒドラターゼ(4μg/ml PBS) ブタ膵臓α−アミラーゼ(3μg/ml PBS) RNアーゼA 酵素の免疫感作操作をする前に、室温にて、マキシソルブプレートを0.25 %グルタルアルデヒドで30分間処理した。水で洗浄し、次いで、10μg/ml PBSのRNアーゼAを加え、さらに4℃で一夜インキュベートした。 1%カゼイン/PBS溶液で少なくとも2時間、室温にてブロックした。 血清を1%カゼイン/PBS溶液で希釈した。個々のウエルに100μlの希 釈血清を加え、室温で1時間インキュベートした。 結合したIgGをウサギポリクローナル抗ラクダIgG血清(0.1%カゼイ ン/PBS中、1/1000)およびヤギ−抗−ウサギIgGアルカリフォスフ ァターゼ複合体(0.1%カゼイン/PBS中、1/1000希釈)で検出した 。各ステップの間にウエルを200μl PBS/0.1%Tw20で洗浄した 。 ELISA緩衝液(0.5mMのMgCl2を含む、10%ジエタノールアミ ン緩衝液、pH9.8)中の濃度2mg/mlのp−ニトロ−フェニル−ホスフェ ートの溶液100μlを加え、20分後、Labsystems Multiscan RC ELISAプレ ートリーダーで405nmにおけるODを測定した。光学密度のバックグラウン ドは補正しなかった。 実施例13フラクション化したD2/54のIgGの固相結合 1.IgGのフラクション化 第54日のラクダ血清1mlをタンパク質G/Aでフラクション化した。27 8nmにて、ε1%=13.5を仮定して、分光光度計でタンパク質濃度を決定し た。2.マキシソルブプレートのコーティング マキシソルブプレートをそれぞれ下記の酵素で冷室にて一夜コーティングした 。 リゾチーム、シグマL6876(3μg/ml PBS) ウシ赤血球炭酸デヒドラターゼ、シグマC3934(4μg/ml PBS ) ブタ膵臓α−アミラーゼ、A6255(3μg/ml PBS) RNアーゼA 酵素の免疫感作操作をする前に、室温にて、マキシソルブプレートを0.25 %グルタルアルデヒドで30分間処理した。水で洗浄した後、次いで、10μg /ml PBSのRNアーゼAを加え、さらに4℃で一夜インキュベートした。 1%カゼイン/PBS溶液で少なくとも2時間、室温にてブロックした。3.結合したIgGの検出 5000〜39ng/mlの異なる固定抗原を用いて、精製したIgGを個々 にテストした。0.1%カゼイン/PBS溶液で希釈した。 個々のウエルに希釈した抗体溶液100μlを加え、1時間インキュベートし た後、結合したIgGを総ウサギ血清抗ラクダIgG−ホームメイドおよび抗− ウサギ−アルカリフォスファターゼ複合体(シグマNo.8025)で検出した 。これらの試薬を0.1%カゼイン/PBS溶液で希釈し、1:1000希釈で 使用した。各ステップの間にウエルを200μlのPBS/0.1%Tw20で 5回洗浄した。 最後に、ELISA緩衝液(0.5mMのMgCl2を含む、10%ジエタノ ールアミン緩衝液、pH9.8)中の濃度2mg/mlのp−ニトロ−フェニル −ホスフェートの溶液100μlを加え、10分後、Labsystems Multiscan RC ELISAプレートリーダーで405nmにおけるODを測定した。 光学密度のバックグラウンドは補正しなかった。 実施例14ラクダ重鎖IgGのいくつかのエピトープはキャビティである 長いCDR3ループをもつ重鎖IgGが、天然のタンパク質の表面に存在する キャビティ、キャニオンまたはクレフトに結合するのを好むことを立証するため に、いくつかの実験を行った。 酵素の活性部位は、最も大きなクレフトに存在することが多いので、重鎖抗体 は、インヒビターの開発に特に適している。 同様のα−アミラーゼおよび炭酸デヒドラターゼに対し、競合的インヒビター の存在または不在下において行った結合実験から、重鎖IgGの実質的フラクシ ョンが活性部位に結合することがわかった。1.ウシ膵臓α−アミラーゼ 1mMのアカルボース(Ki=10-6Mのシュードヘプタサッカライド)の存 在または不在下における、フラクション化されたIgG1、IgG2a、IgG 2bおよびIgG3(2500〜19.5ng/ml)の固相酵素に対する結合 。 マキシソルブプレートを1.5μg/mlPBSのウシ膵臓α−アミラーゼで 4℃にて一夜コーティングした。プレートを1%カゼイン/PBS溶液でブロッ クした。結合したラクダ免疫グロブリンを抗ラクダ抗血清(R17、1:100 0希釈)およびヤギ抗−ウサギ−アルカリフォスファターゼ複合体(シグマ、1 :1000希釈)で検出した。各ステップの間にウエルを200μlのPBS/ 0.1%Tw20で5回洗浄した。 最後に、ELISA緩衝液(0.5mMのMgCl2を含む、10%ジエタノ ールアミン緩衝液、pH9.8)中の濃度2mg/mlのp−ニトロ−フェニル −ホスフェートの溶液100μlを加え、10分後、Labsystems Multiscan RC ELISAプレートリーダーで405nmにおけるODを測定した。光学密度のバッ クグラウンドは補正しなかった。 これらの実験から、アミラーゼ特異的重鎖抗体の実質的部分が、酵素の活性部 位に結合するかまたは接近するという結論を導くことができる。より重要なこと は、抗原に対するIgG1サブクラスの結合は、インヒビターによって影響を受 けないという観察結果である。2.ウシ赤血球炭酸デヒドラターゼ 1mMのドロゾールアミド(Kiがナノモルレンジの競合的インヒビター)の 存在または不在下における、フラクション化されたIgG1、IgG2a、Ig G2bおよびIgG3(2500〜19.5ng/ml)の固相酵素に対する結 合。 マキシソルブプレートを4μg/mlPBSの炭酸デヒドラターゼで4℃にて 一夜コーティングした。プレートを1%カゼイン/PBS溶液でブロックした。 結合したラクダ免疫グロブリンを抗ラクダ抗血清(R17、1:1000希釈) およびヤギ抗−ウサギ−アルカリフォスファターゼ複合体(シグマ、1:100 0希釈)で検出した。各ステップの間にウエルを200μlのPBS/0.1% Tw20で5回洗浄した。 最後に、ELISA緩衝液(0.5mMのMgCl2を含む、10%ジエタノ ールアミン緩衝液、pH9.8)中の濃度2mg/mlのp−ニトロ−フェニル −ホスフェートの溶液100μlを加え、10分後、Labsystems Multiscan RC ELISAプレートリーダーで405nmにおけるODを測定した。光学密度のバッ クグラウンドは補正しなかった。 これらの実験から、この酵素に対する活性部位バインダーは、IgG3サブクラ スのみに存在するという結論を導くことができる。 実施例15D2/61のIgG3のVHHによる膵臓アミラーゼの阻害 固相酵素への結合において競合的インヒビターアカルボースが重鎖抗体に競合 しえたという観察結果に基づいて、次の実験を行い、これらの抗体の一部が酵素 の酵素活性を阻害するということを立証した。酵素活性の低下の原因となる免疫 沈降を除外するために、フラクション化された抗体がポリ反応性であり、かつポ リクローナルであるように、IgG3のVHHフラグメントのフラクションを調 製した。 0.1Mの重炭酸アンモニウム(pH8)中のS.aureusV8のエンド Gluプロテイナーゼ(ベーリンガー)(1/50、重量/重量、酵素/タンパ ク質)で2時間処理することによって、D2/61のIgG3フラクション由来 のこれらのVHHを作製した。切断効率をSDS−PAGEによって確認した。 PBSに対して透析をした後、タンパク質Gクロマトグラフィーによって、非切 断物質およびFc−フラグメントを除去した。カラムのフロースルーには、VH Hフラグメントが含まれていた(実施例16参照)。 Ecoline(登録商標)25アミラーゼアッセイ(メルク−CNPG3法)を用い て、残留酵素活性を測定した。カオトロープが誘発する解離を回避するために、 出来合いの基質溶液をPBSで10倍に希釈して、KSCN濃度を90mMまで 低下させる。 ブタ膵臓α−アミラーゼ(シグマA−6255)を0.1%カゼインPBSで 希釈して、濃度を1.5μg/mlにし、次いで、精製したVHHフラグメント 100μlとともに、この溶液50μlをインキュベートする(タンパク質濃度 200μg/ml)。60分間プレインキュベートした後、混合物の一部を10 倍希釈基質溶液に添加することによって酵素活性を測定した。5分間のOD40 5の増加から、酵素活性を算出した。酵素活性は、VHHフラグメント不在下で 測定した酵素活性と比較して、65%に減少したが、このことは、阻害抗体が存 在することを立証するものである。 実施例16D2/61のIgG3のVHHの切断および精製 0.1Mの重炭酸アンモニウム(pH8)中のS.aureusV8のエンド Gluプロテイナーゼ(1/50、重量/重量、酵素/タンパク質)で2時間処 理することによって、第61日に採血したラクダ2(D2/61)のIgG3フ ラクションのVHH(1.72mg/ml)を作製した。切断効率をSDS−P AGEによって確認した。PBSに対して透析をした後、タンパク質Gクロマト グラフィーによって、非切断物質およびFc−フラグメントを除去した。カラム のフロースルーには、VHHフラグメントが含まれていた。VHHトップフラク ションVHHのタンパク質濃度を分光光度計で測定した(E1%=20)。この フラクションを用いて阻害アッセイを行った。 0.1Mの重炭酸アンモニウム(pH8)中のS.aureusV8のエンド Gluプロテイナーゼ(1/50、重量/重量、酵素/タンパク質)で2時間処 理することによって、D2/61のIgG3フラクションの切断を行った。 1.分子量マーカー 2.未切断のIgG3 3.2時間後、エンドGluプロテアーゼV8で切断 4−5−6.タンパク質Gセファロースカラムのフロースルー 7−8−9.グリシン/塩酸(pH2.7)によるンパク質Gセファロースの溶 離 実施例17末梢血液リンパ球の調製 4頭のヒトコブラクダを用いた。各ヒトコブラクダからそれぞれ約7mlの血 液を採取し(EDTA溶液)、4℃で輸送する。血液を同量の滅菌PBSで希釈 し、50mlのチューブ(Wak chemie)の頂部に入れる。チューブを20℃、1 000gで20分間遠心(2200rpm)する。 グリッドより上の液体を50mlのファルコンチューブに移す(血小板を排除 するために、上清を除去し、グリッドのすぐ上にバンドを形成しているリンパ球 のみを集める方がよい)。 4℃で15分間、2500rpmにて細胞を遠心降下させる。ペレットを0. 5mlのPBSに再懸濁させる。10μlのアリコートを300μlのPBSで 希釈した後、細胞を計数する。各フラクションは、1ml当たり、およそ3.1 07個の細胞を含んでいた。赤血球細胞のみが少数派であった。100mlチュ ーブ5本にそれぞれアリコートをエッペンドルフピペットで加え、2500rp mにて5分間遠心分離した。上清を除去し、ペレットを−80℃で凍結する。各 チューブには、3.106個の細胞が含まれる。 実施例18末梢血液リンパ球由来のVHHライブラリーの構築および選り分け mRNAの調製 第54日のヒトコブラクダ2(D2)から採取した凍結したリンパ球(チュー ブ2本、各5×106個のリンパ球/チューブ)を用いて、マイクロ−ファスッ トトラックキット(インビトロゲン)にてmRNAを単離した。水20μlにて 、オリゴ−T固体支持体からmRNAを溶離した。分光光度計(1のOD260 nmは、35μg/mlである)で測定した、mRNAの合計収量は、1.5μ gであった。cDNAの調製 cDNAサイクルキット(インビトロゲン)を用い、キットの使用説明書にし たがって、1.5μgのmRNAからcDNAを調製した。フェノール/クロロ ホルム抽出およびエタノール沈降によってcDNAを精製した。cDNAを10 0μlの水に再懸濁した。VHHのPCR増幅 PCRのテンプレートとして使用する1μlのcDNAサンプルを用い、2つ の遺伝子特異的プライマーCH2FORTA4およびプライマーSM017とS M018の等モル混合物を用い、2.5ユニットのTagポリメラーゼ(ベーリン ガー)を加えた合計体積100μlの緩衝液中、VHHを増幅した。94℃で1 分間変性し、55℃で1分間アニーリングし、次いで72℃で1分間延長した。 このサイクルを35回繰り返した。0.5μgの臭化エチジウム/ml TBE中、1.0%アガロースゲル上でゲ ル電気泳動を行った後に可視化したところ、360〜420bpであった。 このPCR産物をテンプレートとして用い、重ね合わせたプライマーA4SH ORT(SfiI部位(下線)を含み、3’末端の15ヌクレオチドが、SM0 17およびSM018の15ヌクレオチドとオーバーラップしている)とFRW RK4FOR)(NotI部位(下線))で再増幅した。 20本のチューブの増幅産物を混合し、Geneclean(Bio 101,Inc.)で精製し、 50ユニットのNotIおよび50ユニットのSfiI(Gibco-BRL)(総体積2 00μl)を用い、37℃にて一夜切断した。切断した物質をGenecleanで再度精 製した。pHEN4ベクターの作製 pHEN1ファージミドベクター(Hoogenboomら、Nucleic acid Research,19 ,4133-4137,1992)のマルチクローニング部位の周囲の領域を修飾し、にpel Bリーダーシグナル内のSfiIおよびNcoI部位、および(MullinaxらのPr oc.Natl.Acad.Sci.,USA,87,8095-8099,1990)のヘマグルチニンタグに先立つ NotI部位を含むようにした(図8)。 PelBリーダーシグナル:40−105 HA−tag:157−186 genPIII:199で開始 ファージミド(40μg)をSfiIおよびNotIで一夜切断した。クロー ニングベクターをアガロースゲル電気泳動およびGenecleanで精製した。切断さ れたpHEN4を水40μlでガラスミルク(Geneclean)から溶離した。VHH−ベクターのライゲーション SfiおよびNotで切断したベクターおよび精製したVHHSfi−Not フラグメントをアガロースゲル上に展開し、臭化エチジウム蛍光法により、サン プルの濃度を測定する。これらの測定値に基づき、ベクター40μl(20μg )およびVHH40μl(5μg)を混合し(予測モル比1:4)、総体積10 0μl、16℃、ライゲーション緩衝液(1倍)およびT4DNAリガーゼ(ベ ーリンガー)30ユニットにて一夜ライゲートした。その後、0.4M LiC lの存在下、フェノール処理(phenolization)およびエタノール沈降法によっ て、DNAを精製した。DNAペレットを70%エタノールで洗浄し、乾燥し、 最後に水100μlに再度懸濁する。電気的競合細胞 電気的競合細胞を作成するために、最小培地プレート上で単離したTGI大腸 菌コロニーのプレ培養を開始した。このプレ培養物をMgSO4を加えた2xT Y培地100mlに移し、ODが0.5に達するまで(600nm)18℃で成 長させる。遠心分離(3000rpm、10分)によって細胞を集め、水で数回 (少なくとも5回)洗浄した。最終の細胞ペレットを7%DMSO(1ml)に 再懸濁し、次に使用するまで、50μlのアリコートを−80℃で貯蔵する。5 ×108/μg pUC以上の形質転換効率が得られた。形質転換およびライブラリーの構築 氷上に保持した2mm電気穿孔キュベット(EUROGENTEC、ベルギー)中のライ ゲートしたDNAサンプルのアリコート1μlに、50μlの電気的競合TG1 細胞を加えた。電気的形質転換(2.5kV,25μF、200オーム)後、細 胞を迅速にSOC培地(1ml)に移し、37℃で1時間インキュベートする。 これらのチューブ70本を混合し、100μgのアンピシリン/mlを含む、総 量50のラージ(24.3×24.3cm)LB寒天平板に載せ、形質転換した 細胞を選択し、37℃で一夜インキュベートした。少なくとも5×106個の形 質変換物が得られ、2xTY培地でこれらを平板からこすり落とし、2xTYと ともに遠心分離することにより洗浄し、最後に、100mlの2xTY、100 μg/mlのアンピシリン、1%グルコースおよび50%グリセロールに再懸濁 した。次に使用するまで、細菌懸濁物は、−80℃で凍結した。M13K07ヘルパー相の作製 M13K07を含む大腸菌細胞のプレ培養物を、70μg/mlのカナマイシ ンを加えた2xTY培地1リットルに植え、激しく震とうしながら37℃にて一 夜インキュベートする。遠心分離(15分、8000rpm)を2回行って最近 を除去する。上清中に残っている細菌細胞を55℃に加熱して30分間インキュ ベートすることにより不活性化する。0.2μフィルターで上清をろ過する。P EG沈殿法により、ファージを濃縮することができる。濃縮終了時に、1/5容 の2.5M NaCl、20%PEG8000(200ml)を上清1リットル に加え、混合物を少なくとも1時間氷上に保持する。 サンプルを5000rpmで40分間、あるいは13000rpmで15〜2 0分間遠心分離する。M13K07ペレットを滅菌PBS(10ml)に再懸濁す る。ファージの濃度を、分光光度計で測定する(260nmにおけるOD1が4 ×1010個のファージ/mlに対応する)こともできるが、あるいは10mMの MgCl2中の連続希釈物を指数成長しているTG1細胞に添加し、該細胞をカ ナマイシン70μg/mlを含むLB平板に植えることによって力価を決定する こともできる。(M13K07は、カナマイシン耐性遺伝子をもっている)。 ファージの力価は少なくとも1012ファージ/mlにまでもってゆく。ファージの救出および選り分け 1.ファージの救出 形質転換された細胞またはpHEN4組換体を含む細胞を2xTY、アンピシ リン(100μg/ml)、1%グルコースにおいて成長させる。細胞を一回ペ レット化し、培養物をOD0.6(600nM)にする。細胞ペレットを2xT Y培地で洗浄し、アンピシリン(100μg/ml)を追加した同じ培地に懸濁 させる。感染多重度を10〜20にて細胞をM13K07に感染させる。室温に て20分間インキュベートした後、細胞懸濁液に70μgカナマイシン/mlを 加え、37℃で一夜激しく震とうしながらインキュベートする。 まず、遠心分離ステップ(5000rpm、15分間)によって細菌細胞を除去 し、0.4または0.2μmフィルターでろ過することによってウイルス粒子お よびビリオンを精製する。1/4容のPEG溶液(20%PEG、2.5M N aCl)を添加し、少なくとも1時間氷上でインキュベートすることによってフ ァージを沈殿させる。15000rpmで30分間遠心分離することにより、フ ァージをペレット化する。約1mlのPBS中にファージを再懸濁し、0.25 mlのPRG溶液を加えて、さらにインキュベートする場合もあった。氷上で3 0分間インキュベートした後、エッペンドルフ遠心分離管を用い、13000r pmで10分間遠心分離することによってファージをペレット化することができ る。ファージをPBS(100μl)に再懸濁する。UV吸収(260nm)に よってファージの濃度を測定する。OD1は22×1010ファージ/mlのファ ージ濃度または44×1010ファージミドビリオン/mlの濃度に相当する。1 %カゼイン含有PBSでファージ/ファージミドの濃度を1012/mlに到達さ せ、選り分けに用いる。 2.選り分け 二種類の方法で選り分けを行った。ひとつの方法では、ナンク(Nunc)免疫管 (Nunc maxisop、スターチューブ)を用いて抗原を4℃にて一夜コートした〔ア ミラーゼ1ml(100μg/ml PBS)、リゾチーム1ml(200μg /ml PBS)またはRNアーゼA1ml(100μg/ml TBS/Ca C l2、0.25%グルタルアルデヒド)〕。救出されたビリオンとともにインキ ュベーションする前に、滅菌PBSでチューブを10回洗浄した。1時間インキ ュベーションした後、滅菌PBS,Tweenで少なくとも10回洗浄すること により、未結合のビリオンおよびファージを除去する。トリエチルアミン1ml( 0.1M)を添加することにより、結合したビリオンおよびファージを溶離し、 室温で5分間インキュベートし、0.5mlの1Mトリス,pH7.4で中和す る。指数的に成長するTG1細胞2mlを加え、20分間インキュベートした後 、細胞をLB/アンピシリンプレートに載せる。翌日、コロニーをプレートから 擦り取り、次のM13K07で救出した後の選り分けラウンドに用いる。 第二の方法では、抗原を固定するためにマイクロタイタープレートの4個のウ エルを用いた(100μl容/ウエルを使用する以外は、上述したとおり)qウ エルを洗浄し、ファージ/ファージミドとともにインキュベートし、上述したと おり、TG1感染を行う。ブロッキング剤(1%カゼイン/PBS)のみでコー トしたウエルにウイルス粒子を添加することにより、バックグラウンドを測定す る。4種の異なる抗原から得られる結果は次のとおりである:第1ラウンド インプット 溶出 バックグラウンド アミラーゼ 4×1010 0.06×106 0.025×106 炭酸デヒドラターゼ 4×1010 0.06×106 0.025×106 リゾチーム 4×1010 0.1×106 0.025×106 RNアーゼA 4×1010 0.06×106 0.025×106 第2ラウンド インプット 溶出 バックグラウンド アミラーゼ 4×1011 1.3×106 0.27×106 炭酸デヒドラターゼ 4×1011 1.3×106 0.056×106 リゾチーム 4×1011 0.26×106 0.2×106 RNアーゼA 4×1011 1.3×106 0.048×106 第3ラウンド インプット 溶出 バックグラウンド アミラーゼ 4×1010 0.06×106 0.08×106 炭酸デヒドラターゼ 1×108 0.06×106 0.008×106 リゾチーム 1×1010 0.1×106 0.016×106 RNアーゼA 1×1010 0.06×106 0.004×106 個々のバインダーの選択 選り分けの最後のラウンドを行った後、プレートからランダムに24個のクロ ーンを選び、アンピシリン100μg/mlを含む2xTY中で細胞を成長させ ることによって、抗原バインダーを選択する。2つのプロトコルを用いて抗原結 合VHHの存在を検出した。細胞が指数成長期に到達したときに1mMのIPT GでVHHの発現を誘発するか、またはM13K07ヘルパーファージに細胞を 感染させるかのいずれかを行った。前者の方策では、培養物の上清を抗−HA− タグ(クローン BBBBB AbCo)でELISAに付すことによりcAb の抗原結合能力をチェックすることができた。第二の方策では、抗−M13検出 キット(ファルマシア)を用いるELISAによって、先端に抗原バインダーを もつビリオンのスクリーニングを行った。 ELISA実験またはファージELISAでは、炭酸デヒドラターゼによる選 り分けを行った24個のクローンのうち23個が炭酸デヒドラターゼに結合して いた。これらのクローンにCA01からCA24までの番号をつけた。RNアー ゼA選り分けについては、24個のクローンすべてが陽性という評点であり、こ れらにRN01からRN24の番号をつけた。RN01からRN12までのクロ ーン由来のプラスミドDNAを調製し、挿入物の配列決定を行った。RN02お よびRN06は、同一であり、RN06を選んだ。他のクローンのすべては、第 二セットのために選ばれたRN05クローンと同一である 炭酸デヒドラターゼの12個のクローン(CA01〜CA12)の配列決定を 行った。配列は、CA01=CA06=CA07=CA09=CA12であり、 CA04およびCA10のクローンはユニークであり、CA02、CA03、C A05、CA08およびCA08は、CA05のCDR3にサイレント突然変異 が存在し、第1アミノ酸(PCRプライマーによって押し込まれている)が異な る以外は同一である少なくとも4つの異なるセットのクローンが生じたので、C A04、CA05、CA06、CA1Oを選ぶ。 CA04およびCA05の核酸配列を実施例19で得る。CA04およびCA 05の両方のクローンが、確かに重鎖抗体に由来し、普通の抗体(軽鎖をもつ) に由来しないVHHであることがわかりうる。キーマーカーSer11(コドン 31〜33nc)、Phe37(コドン109〜111nc)、Glu44−A rg45(コドン130〜135nc)およびGly47(コドン139〜14 1nc)が存在することから、この説が提出される。余分のシステイン(CA0 4においてコドン97〜99ncおよびコドン313〜321nc、またはCA 05においてコドン319〜321nc)の存在によって示されるように、両者 ともに、CDR1とCDR3の間にジスルフィド結合が存在する可能性があるこ ともまた、ラクダVHHにはしばしば観察されることである。18アミノ酸から なるCA04の長いCDR3(コドン295〜348nc)および19アミノ酸 からなるCA05の長いCDR3(コドン289〜345nc)は、両方のcA bがcAb−Lys3のループに類似した、長い第3の超可変ループをもつこと を示している。 CA04は炭酸デヒドラターゼの活性部位に結合するが、CA05は結合しな いことが実施例18において示される。炭酸デヒドラターゼの結晶構造がわかっ ており、この酵素の活性部位が、酵素の第二の最も大きなグルーブのみであると いうることから、このことは、CA05の長いループが抗原のグルーブに結合す ることができないということを意味しない。最も大きなグルーブは、活性部位と は反対の端に位置し、CA05の長いCDR3ループは、このグルーブに結合す ると考えられる。 3種の方法で選り分けを行った。第1の方法では、ナンク免疫管を用いて抗原 (アミラーゼ、炭酸デヒドラターゼ、リゾチームおよびRNアーゼA)をコート する。救出されたビリオンとともにインキュベーションする前に、滅菌PBSで チューブを10回洗浄した。1時間インキュベーションした後、滅菌PBS,T weenで少なくとも10回洗浄することにより、未結合のビリオンおよびファ ージを除去する。トリエチルアミン1ml(0.1M)を添加することにより、結 合したビリオンおよびファージを溶離し、室温で5分間インキュベートし、0. 5mlの1Mトリス,pH7.4で中和する。指数的に成長するTG1細胞2m lを加え、20分間インキュベートした後、細胞をLB/アンピシリンプレート に載せる。翌日、コロニーをプレートから擦り取り、次のM13K07で救出し た後の選り分けラウンドに用いる。 第二の方法では、抗原を固定するためにマイクロタイタープレートの4個のウ エルを用いた。溶離は、トリエチルアミン100μlで行う。 実施例18a炭酸デヒドラターゼの活性部位へのラクダシングルドメイン抗体CA04の結合 炭酸デヒドラターゼで選り分けた後に単離した24個のクローンすべてを1m MのIPTGで誘発した。ペリプラズムから、発現したラクダシングルドメイン VHH(cAb)を抽出し、マイクロタイタープレートのウエルに炭酸デヒドラ ターゼを固定するELISA実験に用いた。ペリプラズムから抽出されたタンパ ク質(100μl)を、50μlのPBSまたは50μlの2%ドルゾールアミ ド溶液(TRUSOPT登録商標)または50μlのゼクタゾールアミド溶液( DIAMOX登録商標−シアナミド)の存在下でインキュベートした。1時間イ ンキュベートした後、ウエルをPBS、Tweenで洗浄し、0.1%カゼイン PBS中、室温にて1時間、1/5000BABCO抗−HA抗体をインキュベ ートし、洗浄し、ウサギ抗−マウスアルカリフォスファターゼ複合体(シグマ) の1/1000希釈液とともにインキュベートした。基質は、pareニトロフ ェニルホスフェート(2mg/ml)であり、読み取りは、10分後に405n mにて行った(表)。 クローンCA15は、炭酸デヒドロターゼに結合しないかまたは弱く結合する 。 クローンCA16は、ドロゾールアミドおよびアセタゾールアミドの両方によ って一部交代されるのみである。 クローンCA02、CA03、CA05、CA08、CA10、CA11、C A23およびCA24のcAbの結合は、活性部位結合剤によって交代されない 。 クローンCA01、CA04、CA06、CA07、CA09、CA12、C A13、CA14、CA17、CA18、CA19、CA20、CA21、CA 22cAbの結合は、ドロゾールアミドおよびアセタゾールアミドの両方によっ て交代される。したがって、これらのcAbは活性部位バインダーとみなされる 。活性部位バインダーの比率は、24個のクローンのうち14である。CA01 からCA12の配列決定データから、活性部位バインダーにおいて少なくとも2 つの異なるグループ(CA04,CA06)があることがわかる。 実施例19His6タグをもつバインダーの再クローニングと発現およびcAbの特徴付け pHEN6での再クローニング pHEN4のNotIとEcoRI遺伝子の間のHAタグおよびM13 pI II遺伝子を6個のHisコドンで置換した。SfiIおよびNotI部位のな かに、cAb−Lys3遺伝子を挿入した(‘TCACGC’によって置換され たVHHの最後のSerコドン‘AGC’とともに、これは追加のSer−Ar gジペプチドを誘導することになる)。pHEN6−Lys3について次の配列 が得られる(図)。 酵素(Gibco−BRL)にとって最適の緩衝液および温度条件下で、プラ スミドpHEN6−Lys3をHindIIIおよびBstEIIで切断する。 cAb−Lys3を含むフラグメントを、NcoIで処理することにより、さら に切断する。0.4MのLiClの存在下、フェノライゼイションおよびエタノ ール沈降法によって、直線化したプラスミドDNAを精製する。DNAを水20 μlに再懸濁し、3μlを使用して、アガロースゲル蛍光法によって濃度を測定 し、残りの物質の濃度を100ng/μlまで到達させる。 pHEN4−CA04またはpHEN4−CA05をHindIIIおよびN otIによって同様に切断する。cAb−CA04およびcAb−CA05含有 フラグメントをGenecleanを用いてアガロースゲルから精製する。およそ100 ngのこれらのフラグメント(アガロースゲル蛍光法で測定)を100ngのH indIII−NotI切断pHEN6ベクターと混合し、総体積10μlにお いて2.5ユニットのT4DNAリガーゼ(ベーリンガー)で室温にて一夜ライ ゲートする。ライゲートしたDNA(2μl)を電気的競合WK6細胞と混合し 、LB/アンピシリンプレートに載せる。pHEN6−CA04またはpHEN 6 −CA05を含むコロニーを、コロニーPCRによつてユニバーサル前後配列決 定プライマーでスクリ−ニングする(標準的PCR条件)。cAb−Lys3挿 入のためのより大きなCDRを得るために、PCRフラグメントをEcoRIで 切断し、得られるフラグメントを5%アクリルアミドゲルで分離して、残りのp HEN6−Lys3およびpHEN6−CA04またはpHEN6−CA05の 間で同定および識別を行う ポジティブであると評価されたコロニーのプラスミドをアルカリライシス法に て調製し、ジデオキシ配列決定のためのテンプレートとして用いる。HinDI IIおよびEcoRI部位の間のpHEN6−CA04またはpHEN6−CA 05を図面に示す(cAb−CA04またはcAb−CA05は太字で示し、h is6−タグは下線で示す)。タンパク質の発現および精製 プラスミドpHEN6−CA04またはpHEN6−CA05で新たに形質転 換したWK6細胞の一夜培養物を用いて、100μg/mlのアンピシリンおよ び0.1%のグルコースを含む8リットルのTB培地に植えた。37℃で培養し 、培養物の600nmにおける吸光度が0.75〜1.0に達した後、最終濃度 が1mMになるようにIPTGを加えて発現を誘発し、28℃でさらに16時間 細 1041,1988)に従って、ペリプラズムフラクションを調製した。4℃にて400 0gで10分間遠心分離して細胞を採集し、もとの体積の氷冷TES緩衝液(0 .2Mトリス−HCl、pH8.0、0.5mM EDTA、0.5M スクロ ース)中に再懸濁した。氷上で1時間インキュベートした後、1.5%体積の氷 冷1:4希釈TES緩衝液を加えることによって、細胞に緩やかな浸透圧ショッ クを与えた。氷上で1時間インキュベートした後、4℃にて13000gで30 分間遠心分離し、最終濃度1mMになるようにPMSF(フェニルメチルスルホ ニルフルオライド)を上清200mlに加え、ペリプラズムフラクションを作製 した。 アミコンセル(MW5kDaのミリポアフィルター)で限外ろ過することによ って、このペリプラズムフラクションを10倍濃縮した後、2mlのNi−NT Aアフィニティーカラム(キアジェン)に入れる。40mlの50mM硫酸ナト リウム緩衝液、pH8.0300mM NaCl、10%グリセロール緩衝液で 洗浄した後、His6個のタグ付けをしたシングルドメイン抗体を、同じ緩衝液 中の直線濃度勾配が0〜0.5Mのイミダゾール40mlを用いて溶離した。c Ab−CA04またはcAb−CA05をそれぞれ含むフラクションを集め、限 外ろ過によって10倍濃縮し、スーパーデックス−75(ファルマシア)カラム にPBS緩衝液を用いて通してイミダゾールを除去した。1.5mgの純粋なタ ンパク質が得られ(280nmにて分光光度計で測定)、限外ろ過によって3m g/mlまで濃縮した。 実施例20競合的ELISAによるCA04−HIS構築物の親和性の測定 形質転換したTG1細胞にIPTGで可溶性タンパク質の産生を誘発した。4 0mlの培養物から細胞を採取した後、ペリプラズムフラクションを調製した。 簡単に述べると、氷冷TES(50mMのTRISI.2ml、pH、5mME DTA、20%スクロース)に再懸濁し、氷上で15分間インキュベートした。 遠心分離後、上清を除去し、ペレットを冷水1.2mlに再懸濁した。懸濁液を 氷上にさらに30分間置いた。14000rpmで遠心分離後、上清を回収し、 次の結合および競合アッセイに用いる。 結合アッセイおよび競合アッセイのいずれにおいても、Maxisorbプレート(ナ ンク)に炭酸デヒドラターゼをPBS中の濃度1μg/mlにてコートした(1 00μl、4℃にて一夜)。プレートを200μlの1%カゼイン/PBSにて 室温で2時間ブロックした。競合アッセイのために、0.1%カゼイン/PBS で1/100に希釈した、濃度を1〜104nMの間で変化させた遊離抗原と上 清の混合物を調製した。これらの混合物100μlをプレートの異なるウエルに 加えた。2時間後、結合したCA04−Hisをヒスチジンタグ特異的モノクロ ーナル抗体(Dianova、dia900、マウスモノクローナル抗体IgG1、抗(H is)6タグ)、続いて、ウサギ抗−マウスアルカリフォスファターゼ複合体で 検出した。、両方の第2試薬は、0.1%カゼイン/PBSで1/1000に希 釈して用いた。基質(100μlの2mg/mlパラニトロフェノールホスフェ ート/ELISA緩衝液)を加え、15分後、405nmのODを測定した。4 05nm対遊離抗原のODのプロットから、50nMのKdが算出された。 実施例21CA04:炭酸デヒドラターゼ相互作用の親和性測定および動力学的分析 IAsysバイオセンサー装置にて、CA04炭酸デヒドラターゼ相互作用の kon、koffおよびKdを決定した。 IAsysカルボキシメチルデキストラン(CMD)キュベットを、次の相互 作用に用いた。CMDマトリックスへの静電吸着および次に続く、CMDポリマ ー上のリシル基と活性化したカルボキシル基との共有反応によって、抗原をキュ ベットに固定した。EDC/NHSカップリングキット(アフィニティーセンサ ーズ)を用い、EDC/NHSカップリング化学反応(Johnsonら)によって、カ ルボキシル基の活性化を行った。 CMDキュベットの活性化の7分後に、10mMのNaAc緩衝液でキュベッ トを洗浄した。キュベットをPBSで洗浄した後、続いて、1Mのエタノールア ミン、pH8を加えて、残っている活性化カルボキシル基を不活性化した。不活 性化した後、10mMのNaOHによる洗浄を数回行って、共有的に結合してい ないすべての炭酸デヒドラターゼを除去した。固定化された抗原の量は、6ng /mm2であると算出された。飽和量のCA04をキュベットに加えることによ って結合を化学量論的に評価したところ、0.4であった。 すべての実験は、PBS中27℃にて行い、セッティPBS中27℃にて行い 、セッティング100にて攪拌した。再生条件は最適条件であった。洗浄は10 mMのNaOHで1分間行った。 CA04の濃度を変化させて(2×10-8M〜1.5×10-7M)結合を追跡 し、これを3回繰り返して平衡化した。曲線はFASTfit(アフィニティー センサーズ)を用いると、一価指数的にフィットした。ベースライン補正も考慮 に入れた。これらのフィットから得られた仮の一次速度定数をCA04の濃度に 対してプロットした。線形回帰法により、konを決定したところ、6.2×1 05-1-1の値が得られた。マストランスポート制限が生じるので、この値を 下限として用いる。これは、有意な曲率を示す高濃度のCA04についての シグナル対シグナルをプロットすることによって見られる。 0.6μMの炭酸デヒドラターゼの存在下で、飽和量のCA04を添加した後 にキュベットをPBSで洗浄した場合の解離相を追跡した(3回)。FASTf itソフトウェア(アフィニティーセンサーズ)を用いて曲線をフィットさせた 。曲線は、遅い相が再結合の結果として説明され、速い相が実際の脱離速度を反 映するような二価指数的にフィットした。この値は、等しく0.02s-1である 。 動力学的分析に基づいてKdを算出した値は、32nMである。 Kdの値もまた、平衡値に対してCA04濃度(3×10-8M〜1×10-7M )をプロットすることによって決定し、再度FASTfit(アフィニティーセ ンサーズ)を用いると、双曲線関係にフィットした。この分析から得られたKd の値は、60nMである。 実施例22CA04−Hisによるウシ赤血球炭酸デヒドラターゼの阻害 炭酸デヒドラターゼ(シグマ、C−3934)をPBSに溶解し、タンパク質 濃度を、280nm(E1%=19)にて分光光度計を用いて決定した。 精製したCA04−Hisの濃度を、算出された吸光係数E1%=17を用い て決定した(PcGene)。固定最終濃度2.3μMの酵素に、一定定体積( 60μl)のCA04−Hisの濃度を変化させて(1〜8μM)混合した。室 温にて15分間プレインキュベートした後、PBS945μlおよびパラニトロ フェニルアセテート5μl(2%無水エタノール溶液)(Pocker Y.およびStone J.T.,Biochemistry,6,1967,668−678)を加えた。反応混合物を迅速にキュベ ットに移し、少なくとも5分間室温にてOD405nmをモニターした。基質の 同時加水分解に対し、酵素反応速度を補正した。CA04−Hisのない条件下 で測定された酵素活性と比較して残りの活性を算出した。 実施例23破傷風菌毒素のインビボ中和 Simptonらの記載(J.Pharm.Exp.Therapeutics,254,98-103,1990)に従って、破 傷風菌毒素の中和を行った。8〜12週齢の64匹のNMRIマウス(雄性およ び雌性)をランダムに8つのグループに分ける(雄性4および雌性4)。マウ スに腹腔内注入にて破傷風菌毒素(RIT、スミスクラインビーチャム、Rixens art、ベルギー)、抗体フラグメント、あるいは両方を次のように注入する。 グループ1 PBS+cAb−TT1 グループ2 PBS+cAb−TT2 グループ3 PBS+破傷風菌毒素(10×LD50) グループ4 PBS+破傷風菌毒素(10×LD50)+cAb−TTI(4μ g) グループ5 PBS+破傷風菌毒素(10×LD50)+cAb−TT1(40 μg) グループ6 PBS+破傷風菌毒素(10×LD50)+cAb−TT2(4μ g) グループ7 PBS+破傷風菌毒素(10×LD50)+cAb−TT2(40 μg) グループ8 PBS+破傷風菌毒素(10×LD50)+非特異的cAb−VH H21(40μg) 注入総量は、すべての場合において0.1mlである。注入前にVHHと破傷 風菌毒素の混合物を室温にて30分間インキュベートする。マウスは二週間観察 する。
【手続補正書】 【提出日】平成11年2月5日(1999.2.5) 【補正内容】 明細書 18頁下から9行、「95」を「96」と訂正。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 43/00 121 A61P 43/00 121 C07K 16/00 C07K 16/00 16/40 16/40 C12P 21/02 C12P 21/02 C G01N 33/531 G01N 33/531 A //(C12P 21/02 C12R 1:19) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG ,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT ,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA, CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,F I,GB,GE,HU,IL,IS,JP,KE,KG ,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT, LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,N O,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG ,SI,SK,TJ,TM,TR,TT,UA,UG, US,UZ,VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.基本認識ユニットから伸びた露出したループ構造を特徴とする、標的分子 の活性部位またはクレフトと相互作用する能力を有する、可能な認識分子。 2.ループ構造が、標的分子の活性部位またはクレフトに対する結合特異性を 有するラクダ科の重鎖抗体のCDR3またはこのようなCDR3の誘導バージョ ンである、請求項1記載の認識分子。 3.CDR3の誘導バージョンが、少なくとも一つの天然アミノ酸が、1個ま たはそれ以上の他のアミノ酸によって置換されている突然変異CDR3である、 請求項1または2記載の認識分子。 4.CDR3の誘導バージョンが、1個またはそれ以上の追加のアミノ酸が付 加されるかおよび/またはその天然アミノ酸配列内に組み込まれている突然変異 CDR3である、請求項1または2記載の認識分子。 5.基本認識ユニットが、標的分子に対する結合親和性をもつ抗体型構造によ って形成されている、請求項1から4に記載の認識分子。 6.抗体型構造が、ラクダ科重鎖抗体またはその修飾バージョンの少なくとも 一部によって形成されている、請求項5に記載の認識分子。 7.ラクダ科抗体の修飾バージョンが、少なくとも一つの天然アミノ酸が、1 個またはそれ以上の他のアミノ酸によって置換されているバージョンである、請 求項6に記載の認識分子。 8.ラクダ科抗体の修飾バージョンが、1個またはそれ以上の追加のアミノ酸 が付加されるかおよび/またはその天然アミノ酸配列内に組み込まれているバー ジョンを含む、請求項6または7に記載の認識分子。 9.ラクダ科抗体の修飾バージョンが、第二のアミノ酸配列に融合しているバ ージョンである、請求項6、7または8に記載の認識分子。 10.ラクダ科抗体の修飾バージョンが、生物学的に活性な分子に連結してい るバージョンである、請求項6、7または8に記載の認識分子。 11.標的分子の生物学的機能の中和において使用する、請求項1から10に 記載の認識分子。 12.治療、診断、ワクチンおよび標的分子の単離または精製において使用す る、請求項1から10に記載の認識分子。 13.標的分子が、細菌毒素、ヘビ毒液由来の毒素、ミツバチ毒液由来の毒素 、クモ毒素、酵素、特にウイルスおよび細菌の酵素、ならびに受容体から選ばれ る、請求項11または12に記載の認識分子。 14.1種またはそれ以上の請求項1から13に記載の認識分子および適当な 賦形剤を含む、治療用組成物。 15.1種またはそれ以上の請求項1から13に記載の認識分子含む、診断用 試験キット。 16.1種またはそれ以上の請求項1から13に記載の認識分子を含むワクチ ン。 17.担体に結合した1種またはそれ以上の請求項1から13に記載の認識分 子を有する該担体からなる精製材料。 18.担体がカラム材料であり、好ましくは親和性カラムである、請求項17 記載の精製材料。 19.抗原に特異的である、請求項1から13に記載の認識分子の製造方法で あって: a)ラクダ科重鎖抗体を準備し; b)コーディング配列を単離し、ファージディスプレイベクターにおいてクロ ーニングし; c)該ベクターを宿しているファージにおいて該コーディング配列を発現し; 次いで d)ファージを固定抗原で選り分けることによって抗原に特異的な認識分子を 選択すること、を特徴とする方法。 20.抗原に特異的である、請求項1から13に記載の認識分子の製造方法で あって: a)ラクダ科重鎖抗体をランダムに選び; b)コーディング配列を単離し、ファージディスプレイベクターにおいてクロ ーニングし; c)該コーディング配列を少なくともひとつのコドンにおいてランダムに置換 することにより修飾し; d)ファージディスプレイベクターにおいてランダムに突然変異したコーディ ング配列のライブラリを作成し; e)該ベクターを宿しているファージにおいて該コーディング配列を発現し; 次いで f)ファージを固定抗原で選り分けることによって抗原に特異的な認識分子を 選択する、ステップを特徴とする方法。 21.抗原に特異的である、請求項1から13に記載の認識分子の製造方法で あって: a)認識分子またはその先駆体をコードするDNA配列を単離し; b)必要に応じて、1個またはそれ以上の塩基置換、欠失または挿入を導入す ることによって該分子またはその先駆体を修飾し; c)このようにして得られた、必要に応じて修飾された、DNA配列を適当な 宿主に移入し;次いで d)宿主内でDNA配列を発現する、ステップを特徴とする方法。
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