JP2000514015A - 天然繊維層を有する自動車用トリムパネル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 自動車用トリムパネルを形成する改良された材料は、天然繊維で形成された強化マットを含む。この天然繊維は従来のグラスファイバーに取って代わったものである。先行技術によるグラスファイバーは場合によっては皮膚を剌激するが、天然繊維はこの問題を解消する。繊維状マットは中心泡沫層の好ましくは両側に配置され、装飾層は好ましくは繊維状マットの１つの外側に配置される。麻などのさまざまな自然界に存在する繊維材料が利用される。

Description

【発明の詳細な説明】 天然繊維層を有する自動車用トリムパネル 発明の背景 本発明は、中心泡沫層およびこの中心泡沫層の対向する側に天然繊維で形成さ れた繊維状マットを含むサンドイッチ構造を持つ自動車用トリムパネルに関する 。 繊維状マット層と中心の熱成形可能泡沫層を含むサンドイッチ構造は、ヘッド ライナーなどの自動車用トリムパネルの製造に広く使用されている。この泡沫層 はトリムパネル全体を成形可能にし強度を持たせる。この繊維は防音とさらなる 強度をもたらす。これらのパネルは広く使用され、自動車用トリムパネルとして の機能的目的を良く達成することが証明されている。 しかしながら、利用される繊維材料のゆえに、このタイプのパネルにはいくつ かの問題がある。繊維材料はほとんどの場合、プラスチック製の接着層中に埋め 込まれた小さなグラスファイバーを持つ繊維ガラスであった。この繊維はトリム パネルのエッジで露出され、したがって、自動車の組立者やエンドユーザーの手 に触れることになる。グラスファイバーに手を触れることによって皮膚が刺激さ れるので、グラスファイバーとのいかなるユーザーの接触も最小に抑えることが 望ましい。 先行技術では、カバーエッジが提案されている。カバーエッジは、高価で追加 の製造後段階が必要となるので 完全には満足すべきものではない。通常、トリムパネルが大型のパネルから裁断 され、その後でエッジは最終トリムパネル上に置かれなければならない。その上 、カバーエッジは目障りである。 発明の概要 本発明は、トリムパネル用の繊維マット中に天然繊維材料を利用するものであ る。好ましい実施態様では、中心熱成形可能泡沫層に外部繊維マットが施される 。次に、外部繊維トリム層がこのマット上に置かれる。適当な接着層によって複 数のパネル層が固定される。もっとも好ましい実施態様では、第２の繊維状マッ トが泡沫層の反対の側に置かれる。次に、外部スクリムが第２の繊維マット上に 置かれる。 好ましい実施態様では、繊維材料は麻または麻から得られた材料である。もっ とも好ましい材料の１つは、一般にフィリピンから入手可能な麻由来物であるマ ニラ麻である。シサル麻、亜麻、その他の天然繊維材料を含む繊維状天然材料を 利用してもよい。天然材料の方がグラスファイバーより皮膚に対する剌激が少な く、したがって、先行技術の問題を解決できる。 本発明による一つの好ましい実施態様では、繊維状マットは、繊維材料を２イ ンチから４インチ（５．０８ｃｍから１０．１６ｃｍ）の細片に細かく切ったり 裁断したりすることによって提供される。次に、強力な樹脂接 着剤を繊維材料上に溶解させて、繊維材料をその交点で固定する。繊維材料は次 に上述のようにトリムパネルに組み立てられる。 第２のタイプの繊維状マットでは、最初に繊維材料を紙程度の寸法にする。す なわち、それは非常に小さな寸法に細かく切られる。次に、繊維材料、液体、お よびセルロース接着剤から成るスラリーを形成する。この接着剤によって、前記 の実施態様のように、繊維をその交点で固定する。 したがって、本発明によるトリムパネルは、グラスファイバーに伴う好ましく ない皮膚の刺激や他の問題を取り除く一方で、先行技術における繊維層のすべて の利点を提供するものである。 本発明のこれらの特徴と他の特徴は、以下に簡単に示す図面と説明からもっと もよく理解されよう。 図面の簡単な説明 図１は、本発明の材料から成るトリムパネルを示す。 図２は、本発明のトリムパネルの断面図である。 図３は、本発明のトリムパネル中の層の一部の拡大図である。 図４は、代替実施態様の一部を示す。 好ましい実施態様の詳細な説明 図１に自動車用トリムパネル２０を示し、これは自動 車用ヘッドライナーでよい。本発明は具体的にはヘッドライナーを参照にして開 示するが、ドアパネルなどの他の自動車用トリムパネルを本発明による材料で形 成してもよい。 図２に示すように、トリムパネル２０は装飾用繊維すなわち泡沫外部層２２を 含む。天然繊維マット２４が、この装飾層２２と中心泡沫層２６との間に置かれ る。第２の天然繊維マット２８は泡沫層２６の反対の側に置かれ、次に外部不浸 透性スクリム３０が天然繊維マット２８の外部に置かれる。適当な接着剤３２、 ３４、３６によって繊維状マットを繊維及び泡沫層に固定する。 本発明の創意のある側面は、本質的には天然繊維マット層２４と２８にある。 他の層は先行技術で周知であってよい。 一つの好ましい実施態様では、装飾層２２は、一方の側に積層された薄いウレ タン泡沫を有するニット繊維である。代わりに、針縫いされた不織布を用いても よい。装飾層は技術上周知であり、上述するように本発明とは関わりを持たない 。泡沫層２６は、ポリエステル混合物や半剛性ウレタン泡沫などのいかなる熱成 形可能泡沫でもよい。スクリム層３０は、空気や液体を通さないように表面処理 されたポリエステルまたはレーヨンの不織材料でもよい。接着層３２と３４は双 方とも、交差結合性のウレタンやイソシアヌレートなどの熱硬化性の接着剤であ ることが望ましい。接着層３６は、熱溶解ポリオレ フィンやポリアミドなどの接着薄膜でよい。ここまでに開示されたすべての層が 先行技術において周知である。 本発明は層２４と２６に関して天然繊維マットを利用する。このマットは１イ ンチから４インチ（２．５４ｃｍから１０．１６ｃｍ）の麻またはマニラ麻など の麻由来品から成る。代わりに、シサル麻、亜麻、その他の繊維状天然材料を用 いてもよい。図３に示す実施態様では、繊維３８がポリアミドやポリエステル樹 脂の熱溶解粉末接着剤によりその交点４０で固定されている。したがって、繊維 は１インチから４インチの細片に細かく切られまたは裁断され、これらの細片に 繊維樹脂を堆積することによってマットとして形成し、次に繊維樹脂を加熱して 繊維細片をその交点で固定する。一つの好ましい実施態様では、この層は約０． ５ミリメートルから１ミリメートルの厚さである。この層は、好ましくは４０〜 １００ｇ／Ｍ²であり、最も好ましくは８０〜８５ｇ／Ｍ²である。 このマットは、ジョージア州ジャスパー（Ｊａｓｐｅｒ，Ｇｅｏｒｇｉａ）の アステクノロジーズ（Ａｓｔｅｃｈｎｏｌｏｇｉｅｓ）社で製造されている。 図４に示す第２の実施態様では、これらの層は、好ましくはセルロース性接着 剤である接着剤４４とともに形成されるずっと微細な繊維４２を含む。すなわち 、接着剤自体もまた自然状態で存在する接着剤である。接着剤、微細に切られた 繊維、および好ましくは水などの液体を スラリーに形成し、それによりマットを非常に薄く形成する。このマットは通常 １／４ミリのオーダーである。このマットの重量は、好ましくは４０−１００ｇ ／Ｍ²であり、最も好ましくは８０−８５ｇ／Ｍ²である。セルロース状接着剤は 木材パルプでもよい。 このマットはスエーデン、イスタッド（Ｙｓｔａｄ，Ｓｗｅｄｅｎ）のファイ バーダック（Ｆｉｂｅｒｄｕｋ）社で製造されている。 天然繊維マット用の特定の天然繊維が開示されているが、他の繊維も本発明の 範囲に含まれる。本発明によるトリムパネルの形成において、最初に複数の層が 個別に形成される。すなわち、天然繊維マットは最初に、その繊維と接着剤を含 むように形成される。次にさまざまな層が所定の位置に置かれる。最終品として のトリムパネル２０は、最初にサンドイッチ状の層を好ましくは２５０−３２５ 度に加熱された鋳型中に入れることによって形成される。次に、このサンドイッ チ状の層は、接着剤がすべて完全に反応するまで圧縮鋳造される。この部分は、 それから９０−１２０度に冷却されるまで同一鋳型形状の冷却固定具中に置かれ る。この部分は、それから従来の方法でその最終的な形状にトリムされ、配送用 に梱包される。 天然繊維だけを使用しているので、その部分がトリムされたとき、露出した皮 膚を刺激するグラスファイバーはなくなる。最終製品としてのトリムパネルの強 度と音 響性能を、天然繊維マット強化材の重量と泡沫コアの厚さに基づいて変化させる ことができる。泡沫の厚さが大きいほど、また用いられる天然繊維マットの重量 が増すほど、その部分の強度は増し音吸収特性が良好となる。 本発明のある好ましい実施態様を開示したが、通常の当業者にはある程度の変 更が本発明の範囲に含まれることが認識されよう。したがって、本発明の真の範 囲と内容を判断するには以下のクレームが考慮されるべきである。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 イーガン、ブライアン アメリカ合衆国 48074 ミシガン州 ス ミス クリーク ウォダムス ロード 110

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．外部装飾層と、 内部泡末コアと、 前記装飾層と前記内部泡沫コアの間に置かれた繊維状マットであって、前記繊 維状マットは自然界に存在する繊維材料の細片を含むように形成される繊維状マ ットとを有することを特徴とする自動車用トリムパネル。 ２．前記繊維状マットが、前記繊維の細片を固定するための接着剤をさらに含 むことを特徴とする請求項１記載のパネル。 ３．前記泡沫コアの前記第１の繊維状マットから反対側に第２の繊維状マット が置かれることを特徴とする請求項２記載のトリムパネル。 ４．前記第２の繊維状マットの前記泡沫コアから反対側の面に外部スクリムが 置かれることを特徴とする請求項３記載のトリムパネル。 ５．前記自然界に存在する繊維材料が麻であることを特徴とする請求項２記載 のトリムパネル。 ６．前記自然界に存在する繊維材料がマニラ麻であることを特徴とする請求項 ５記載のトリムパネル。 ７．前記自然界に存在する繊維の繊維状マットは、通常は長さが１インチから ４インチ（２．５４ｃｍから１０．１６ｃｍ）の範囲内にある前記繊維細片から 形成され、前記繊維細片を固定するために含まれる微細粉末接着剤を有すること を特徴とする請求項２記載のトリムパ ネル。 ８．前記接着剤がプラスチック製接着剤であることを特徴とする請求項７記載 のトリムパネル。 ９．前記繊維細片が、最初に、前記繊維状マットを形成するために接着剤とと もに非常に小さいサイズの細片のスラリーに形成されることを特徴とする請求項 ２記載のトリムパネル。 10．前記接着剤がセルロース性接着剤であることを特徴とする請求の範囲第９ 項記載のトリムパネル。 11．前記トリムパネルがヘッドライナーであることを特徴とする請求項１記載 のトリムパネル。 12．外部装飾繊維層と、 中心泡沫コアと、 前記泡沫コアの両側に置かれた繊維状マットであって、第１の繊維状マットは 前記泡沫コアと前記装飾繊維の間に置かれ、第２の繊維状マットは前記泡沫層の 前記第１の繊維状マットから反対の側に置かれ、前記繊維状マットが自然界に存 在する繊維材料と接着剤から形成される繊維状マットと、 からなることを特徴とするトリムパネル。 13．前記泡沫コアと前記第１および第２の繊維状マットの各々との間に接着剤 層が置かれることを特徴とする請求の範囲項12記載のトリムパネル。 14．前記トリムパネルが自動車用ヘッドライナーであることを特徴とする請求 項12記載のトリムパネル。