JP2000513953A - 多層ゴルフボール - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、多層ゴルフボールを示し、これは、１個以上の層を伴うコア２；少なくとも１個のカバー層３；並びに、これらのコア及びカバーの間に配置された１個以上のマントル層４を含み、このマントル層は曲げ弾性率が10,000psi未満であり、かつ該カバーは、曲げ弾性率が80,000psi以上である。

Description

【発明の詳細な説明】 多層ゴルフボール 本出願は、1995年６月７日に出願された米国特許同時係属出願第08/482,522号 の、一部継続出願である。発明の分野 本発明は、一般にゴルフボールに関し、更に詳細に述べると、多層ゴルフボー ルに関する。特に、本発明は、１個以上の層を有するコア、曲げ弾性率が約1,00 0psiから約200,000psiの範囲である少なくとも１個のカバー層、並びにこのコア 及びカバー層の間に配置されている１個以上のマントル層を有するゴルフボール に関する。本発明の多層ゴルフボールは、従来のツーピースボールのものに近い 距離及び耐久性を提供する一方で、従来のスリーピース又は“糸巻き”ボールの “打球感(click and feel)”も提供することがわかっている。発明の背景 通常のゴルフボールは、２種の一般型又は群に分けることができ：これは、ツ ーピースボール又は糸巻きボール(スリーピースボールとしても公知)である。こ れらの構造の異なる種類から生じるプレーの特徴の差異は、極めて顕著なもので ある。 ツーピース構造を有するボールは、一般に、最大飛距離をもたらすと同時に、 非常に耐久性のあるボールを提供するので、平均的娯楽目的のゴルファーにとっ て最も人気がある。ツーピースボールは、通常架橋したゴムで製造される、1個 の固体コアで構成され、これはカバー物質によって包まれている。典型的には、 この固体コアは、ジアクリル酸亜鉛及び／又は類似の架橋剤で化学的に架橋され たポリブタジエンで製造され、かつ強靭な、カット−プルーフ(cut-proof)配合 されたカバーで被覆されている。このカバーは、一般にSURLYN（登録商標）のよ うな物質であり、これはデュポン社によって製造されたイオノマー樹脂の商標で ある。このコア及びカバーの材料の組み合わせは、ゴルファーによって実質的に 破壊されない“硬質”ボールを提供する。更にこのような組み合わせは、ボール に、飛距離の向上をもたらす高い初速度を与える。これらの物質は非常に硬質で あるので、ツーピースボールは、クラブで打った時に、硬く“感じる”。同様に 、それらの硬度のために、これらのボールは、比較的小さい回転速度を有し、こ れにより、特に短いアプローチショットにおいて、ボールをコントロールするこ とが難しくなる。しかしゴルフボールの製造業者は、ツーピースボールの回転及 び感触の特徴の改善を継続しているので、おそらくツーピースボールの人気は高 まる一方であろう。 しかし現時点では、糸巻きボールの方が、その優れた回転及び感触の特徴のた めに、より上達したプレーヤーにとっての好ましいボールでありつづける。糸巻 きボールは、典型的には、固形ゴム又は液体中心コアのいずれかを有し、その周 りに、伸長された弾性糸又は紡ぎ糸が何ヤードも巻きつけられている。次にこの 糸巻きコアは、SURLYN（登録商標）又は類似の物質のような耐久性のあるカバー 材料、もしくはバラタのようなより柔らかいカバーで、被覆されている。糸巻き ボールは、一般により柔らかく、かつより多くの回転を提供し、このことは熟練 ゴルファーが、ボールの飛びをよりコントロールすることを可能にしている。し かし、より多く回転する糸巻きボールは、典型的には、ツーピースボールと比較 した場合、飛距離がより短い。更にそのより複雑な構造の結果、糸巻きボールは 、一般にツーピースボールよりも、製造に時間がかかり、かつ製造コストが高い 。 従って、糸巻きボールの“打球感”を提供する一方で、比較的容易な製造法、 耐久性及びツーピースボールの飛距離も提供する、改善されたボールの必要性が 存在している。従来の技術 典型的な単一層コア及び単一カバー層構造を、多層コアを提供するように変更 することによって、従来のツーピースボールの特性を変更することが示された、 いくつかの特許が開示されている。先行特許において開示されたこれらの発明は 、様々なゴルフボールの特徴を改善することが意図されている。 いくつかの特許は、ボールのキャリーの距離を改善することを意図している。 例えば、米国特許第4,863,167号は、その飛距離を増すために、改善されたリバ ウンド特性を有する、スリーピースの中実のゴルフボールを開示している。この ゴルフボールは、ゴム組成物、好ましくはポリブタジエンの基材ゴムで形成され た中心部及び外側層を有し、ここで外側層は、内側層よりも外側層により高い比 重を持たせるために、タングステン又はタングステンカーバイドのような、比重 調整用の充填剤(gravity filler)を更に含有している。これらの層の比重の違い は、スモールボールでは0.15〜0.8であり、ラージボールでは0.15〜0.45でなけ ればならない。好ましくは、外側層は、中心部よりもより硬い。 米国特許第5,184,828号は、適切な回転速度を維持しながら、改善されたリバ ウンド特性及びキャリーの距離を有する、中実スリーピースゴルフボールを開示 している。これらの特性は、内部コア部位及び外側層の寸法、これに加え比重及 び硬度を調整することによって得られる。このコア及びマントル層は、ポリブタ ジエンのようなゴム化合物で製造され、かつショアーD硬度が、それぞれ30〜62 及び30〜56である。所望のリバウンド特性を得る鍵は、最大硬度(42-62)が、コ ア及びマントルの境界面に存在しなければならないこと、並びにこの硬度が、内 側及び外側の両方向に向かって減少しなければならないことである。 米国特許第4,714,253号は、同じく、際立ったリバウンド係数を有するスリー ピースゴルフボールを開示している。このゴルフボールは、その中心部分でのシ ョアーC硬度が57〜80を有するが、その中心から５〜10mmの距離では、83を越え ることがなく、並びにショアーC硬度が70〜83の外側層を有する。 更に、同じく、中実構造によってもたらされる飛距離を維持しながら、中実ボ ールの回転、打球感の改善を意図している多くの特許がある。コア構造を操作す る様々な方法が、当該技術分野において記されている。例えば、米国特許第5,07 2,944号は、ゴム組成物、好ましくはポリブタジエンの基材ゴムを有する組成物 で製造された中心及び外側層を有するスリーピースの中実ゴルフボールを開示し ている。この中心コアは、外側層よりも柔らかいことが好ましく、それぞれ硬度 （ショアーC）が、25〜50及び70〜90である。 米国特許第4,625,964号は、直径が32mmを越えないポリブタジエンゴムコア、 及びコア物質よりも比重が小さいポリブタジエンゴム中間層、及びカバーを有す るような、、中実のゴルフボールを開示している。 米国特許第4,650,193号は、中心部分及び一体化した外側層を含むコアを有す る、中実ゴルフボールを開示している。好ましくはこのコアは、ポリブタジエン のような、硬化可能なエラストマーであり、これは、硬化調節(altering)剤によ って、このコアの外側層がより柔らかいように処理され、その結果硬度（ショア ーC）が75以上の中心層、及び硬度（ショアーA）が80未満の外側層が製造される 。 米国特許第4,848,770号は、高度に充填された合成ゴム又は高分子物質のコア 、非充填の合成ゴムの中間マントル、及びカバーを含む、非−糸巻きスリーピー スゴルフボールを開示している。このコア及び中間マントルは、50〜95の硬度を 有する。 米国特許第5,002,281号は、硬度25〜70(ショアーC)の内部コア、硬度80〜95（ ショアーC）の外側シェル、及びカバーを有する、スリーピース中実ゴルフボー ルを開示している。更にこの内部コアの比重は、1.0よりも大きいが、外側シェ ルのそれよりも小さいか又は等しくなければならず、これは1.3未満でなければ ならない。 米国特許第5,253,871号は、エラストマーコア、好ましくはイオノマーが配合 された、少なくとも10％のエーテルブロックコポリマーを含む熱可塑性物質の中 間層、及び熱可塑性カバーを持つ、スリーピース構造を有するゴルフボールを開 示している。 更に、複数のカバー層を有するゴルフボールを示したいくつかの特許もある。 例えば、米国特許第4,431,193号は、内側層が硬く、曲げ弾性率が高いイオノマ ー樹脂であり、かつ外側層が柔らかい、曲げ弾性率が低いイオノマー樹脂であり 、ここでいずれか一方又は両方の層が、発泡イオノマー樹脂を含むことができる ような、多層カバーを有するゴルフボールを開示している。 米国特許第5,314,187号は、同じく、外側層が、内側層の上に成形され、バラ タ及びエラストマーのブレンドを含み、並びに内側層が、イオノマー樹脂である ような、多層カバーを有するゴルフボールを開示している。 米国特許第4,919,434号は、各々熱可塑性樹脂を含有する内側層及び外側層を 含むカバーを有し、好ましくはこれらの層が、互いに融着することが可能である ような材料で構成される、ゴルフボールを開示している。 しかしこれらの特許は、本発明の改善されたゴルフボールを提供するための、 ここに記載されたような材料及び材料特性の必要条件を有する多層ボールは、開 示していない。発明の要約 本発明は、従来の糸巻きボールに似た柔らかい感触を提供する一方で、従来の ツーピースボールの飛距離、耐久性及び比較的容易な製造法をも提供する、多層 ゴルフボールを、示している。 本発明は更に、１個以上の層を有するコア；少なくとも１個のカバー層；及び 、このコア及びカバー層の間に配置された、１個以上のマントル層を含み、ここ でこのマントル層が、熱可塑性ポリエーテルエステル、熱可塑性ポリエステルエ ステル、動的に加硫された熱可塑性エラストマー、官能基化されたスチレン−ブ タジエンエラストマー、熱可塑性ポリウレタン、メタロセンポリマー、又はこれ らのブレンド、及び／又は熱硬化性材料を含むような、多層ゴルフボールを示し ている。 好ましい実施態様において本発明は更に、コア；内側層及び外側層を有するカ バー層で、この外側層が、内側層材料よりも、低い融点又は低い反応熱温度（硬 化温度とも称す）を有する材料を含むようなカバー層；並びに、前述のコア及び カバー層の間に配置された、少なくとも１個のマントル層で、このマントル層が 、熱可塑性ポリエーテルエステル、熱可塑性ポリエステルエステル、動的に加硫 された熱可塑性エラストマー、官能基化されたスチレン−ブタジエンエラストマ ー、熱可塑性ポリウレタン、又はメタロセンポリマー、及びこれらのブレンドで あるマントル層を含むゴルフボールを示している。 本発明は、更に、コア、少なくとも１個のカバー層、並びにこのコア及びカバ ー層の間に配置された少なくとも１個のマントル層を含み、ここでこれらの各種 層の厚さ、硬度、曲げ弾性率、引張り弾性率又はベイショアー(Bayshore)レジリ エンスのような特性が、最適な性能特性を持つボールを提供するためのものであ るような多層ゴルフボールを示している。図面の簡単な説明 図１は、本発明のゴルフボールの断面図である。 図２は、本発明のゴルフボールの斜視図である。発明の詳細な説明 図１及び２を参照にして、本発明は特に、コア２、少なくとも１個のカバー層 ３、及びこれらの間に配置された少なくとも１個のマントル層４を含む、多層ゴ ルフボール１を示している。このマントル層は、熱可塑性ポリエステルエステル 、熱可塑性ポリエステルエステル動的に加硫された熱可塑性エラストマー、官能 基化されたスチレン−ブタジエンエラストマー、熱可塑性ポリウレタン又はメタ ロセンポリマー、もしくはそれらのブレンドを含む。 本発明の好ましい実施態様において、マントル層は、熱可塑性ポリエーテルエ ステルである。適当な熱可塑性ポリエーテルエステルは、デュポン社から市販さ れている、Hytrel（登録商標）3078、Hytrel（登録商標）G3548W及びHytrel（登 録商標）G4078Wを含む。Hytrel（登録商標）3078が、最も好ましい。このマント ル層は、１以上1.2未満の比重を有することが好ましい。 適当な動的に加硫された熱可塑性エラストマーは、Santoprene（登録商標）、 Sarlink（登録商標）、Vyram（登録商標）、Dytron（登録商標）及びVistaflex （登録商標）を含む。Santoprene（登録商標）は、動的に加硫されたPP/EPDMの 商標である。Santoprenet（登録商標）203-40は、好ましいSantoprene（登録商 標）の例であり、かつアドバンスト・エラストマー・システムズ社から市販され ている。適当な官能基化されたスチレン−ブタジエンエラストマーは、KratonFG -1901x及びFG-1921xを含み、これはシェル社から入手できる。適当な熱可塑性ポ リウレタンの例は、Estane（登録商標）58133、Estane（登録商標）58134及びEs tane（登録商標）58144を含み、これらはB.F.グッドリッヒ(Goodrich)社から市 販されている。融点が該カバー材料の融点よりも高いような、適当なメタロセン ポリマーも、同じく本発明のマントル層で使用することができる。更に前述のマ ントル層の材料は、発泡高分子物質であることができる。例えば、適当なメタロ センポリマーは、メタロセン１部位触媒をベースにした発泡体を基にした、熱可 塑性エラストマー発泡体を含む。このようなメタロセンをベースにした 発泡体樹脂は、センチネル・プロダクツ(Sentinel Products)社(Hyannis,Massac husetts)から市販されている。 前述のマントル層は、動的に加硫された熱可塑性エラストマー、官能基化され たスチレン−ブタジエンエラストマー、熱可塑性ポリウレタン、メタロセンポリ マー又はそれらのブレンドを100重量％まで含むことができる。本発明の好まし い実施態様において、該マントル層は、Santoprene（登録商標）、熱可塑性ポリ ウレタン又はそれらのブレンドを含む。 しかし本発明の別の好ましい実施態様において、該マントル層は、第一及び第 二の熱可塑材の混合であり、ここで第一の熱可塑材は、動的に加硫された熱可塑 性エラストマー、官能基化されたスチレン−ブタジエンエラストマー、熱可塑性 ポリウレタン又はメタロセンポリマーであり、かつ第二の熱可塑材は、熱可塑性 ポリウレタン、熱可塑性ポリエーテルエステル又はポリエーテルアミド、熱可塑 性イオノマー樹脂、熱可塑性ポリエステル、別の動的に加硫されたエラストマー 、別の官能基化されたスチレン−ブタジエンエラストマー、別のメタロセンポリ マー、又はそれらのブレンドのような物質である。 適当な熱可塑性ポリエーテルエステルは、Hytrel（登録商標）3078、Hytrel（ 登録商標）G3548W、及びHytrel（登録商標）G4078Wを含み、これらはデュポン社 から市販されている。適当な熱可塑性ポリエーテルアミドは、Pebax（登録商標 ）2533、Pebax（登録商標）3533、及びPebax（登録商標）4033を含み、これらは エルフ−アトケム(Elf-Atochem)社から入手できる。適当な熱可塑性イオノマー 樹脂は、SURLYN（登録商標）及びIotek（登録商標）を含む、多数のオレフィン ベースのイオノマー類を含み、前述の２種はそれぞれ、デュポン社及びエクソン 社から市販されている。これらのイオノマーの曲げ弾性率は、約100〜約200kpsi である。適当な熱可塑性ポリエステルは、ポリブチレンテレフタレートを含む。 同様に、先に定義された、動的に加硫された熱可塑性エラストマー、官能基化さ れたスチレン−ブタジエンエラストマー、熱可塑性ポリウレタン又はメタロセン ポリマーも、このようなブレンドの第二の熱可塑材として有用である。更に、前 述の第二の熱可塑性物質は、発泡した高分子物質の形状であることができる。 このような熱可塑性ブレンドは、第一の熱可塑材を約１から約99重量％、及び 第二の熱可塑材を約99から約１重量％含む。好ましい熱可塑材ブレンドは、第一 の熱可塑材を約５から約95重量％、及び第二の熱可塑材を約５から約95重量％含 む。本発明の好ましい実施態様において、該ブレンドの第一の熱可塑性物質は、 動的に加硫された熱可塑性エラストマー、例えばSantoprene（登録商標）である 。 本発明のコアは、様々な物質を含むことができ、これは通常ゴルフボールのコ アとして使用されているものを含んでいる。このようなコア用の通常の物質は、 基材ゴム、架橋剤、充填剤及び共架橋剤を含有するコア組成物を含む。この基材 ゴムは、典型的には、天然又は合成のゴムを含む。好ましい基材ゴムは、少なく とも40％のシス構造を有する1,4-ポリブタジエンである。天然ゴム、ポリイソプ レンゴム及び／又はスチレン−ブタジエンゴムを、1,4-ポリブタジエンに任意に 添加することができる。前記コア組成物に含まれた開始剤は、加硫サイクルの間 に分解するいずれか公知の重合開始剤であることができる。前記架橋剤は、アク リル酸又はメタクリル酸のような炭素原子３〜８個を有する脂肪酸の亜鉛塩又は マグネシウム塩のような、不飽和脂肪酸の金属塩を含む。前記充填剤は、典型的 には、酸化亜鉛、硫酸バリウム、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛などのよう な物質を含む。 前述のコアは、好ましくは、比重1.2以上、より好ましくは約1.25を有する、 架橋された1,4-ポリブタジエンである。コアの比重が高いと、ボールの回転速度 が低下し、弾道が低くなる。同様に、このコアのPGAコンプレッション値は、好 ましくは60以上であり、より好ましくは約65である。 本発明のある実施態様においては、このコアは、液体が充填された又は固体で ある中心部を含み、その周りに弾性糸が巻きつけられている。この固体中心部は 、典型的には、ポリブタジエン又は天然ゴムのような弾性の物質の均質の塊であ る。この液体が充填された中心部は、典型的には、コーンシロップのような液体 が、皮下注射針を用いて内部に注入されているような、薄い壁をもつ球体である 。この球体は、その後密封され、かつこの中心部が固体塊になるよう凍結される 。中心部がいずれの型であろうと、糸巻き部分が所望の厚さになるまで、この中 心部の周りに、弾性糸が、伸ばされかつ巻き付けられる。 通常、糸巻きコアの中心部は、直径約1.0から約1.125インチである。通常の 糸巻きコアの外径は、完成したボールの全径の約92％である。しかし、本発明の 実施態様において使用された糸巻きコアの外径は、完成したボールの全径の90% 未満の全径を有する。好ましくは、この糸巻きコアは、完成したボールの全径の 約75〜90％の直径を有する。最も好ましくは、本発明の糸巻きコアは、完成した ボールの直径の約85％の全径を有する。 本発明のカバー層は、熱可塑性又は熱硬化性の物質の少なくとも１個の層を含 む。本発明においては、多数の広範なカバー材料を使用することができる。好ま しい通常のカバー材料は、炭素原子３〜12個を有する不飽和のモノ−又はジ−カ ルボン酸及びそのエステルからなる群から選択された少なくとも１種で、モノオ レフィンポリマーに金属結合により架橋(cross metallic bond)することによっ て得られる、イオノマー樹脂及び低弾性イオノマーである(このポリマーは、不 飽和のモノ−又はジ−カルボン酸及び／又はそのエステルを、１〜50重量％含む 。)。更に詳細に述べると、低弾性イオノマー、例えば酸含有エチレンコポリマ ーイオノマーは、E/X/Yコポリマーを含み（ここでEはエチレンであり、Xは、軟 化しているコモノマー、例えばアクリレート又はメタクリレートで、該ポリマー 中に０〜50（好ましくは０〜25、最も好ましくは０〜２）重量％で存在し、並び にYは、アクリル酸又はメタクリル酸で、該ポリマーの５〜35(好ましくは10〜35 、最も好ましくは15〜20）重量％で存在する。)、この酸部分は、１〜90％(好ま しくは少なくとも40％、最も好ましくは少なくとも約60％)中和され、リチウム* 、ナトリウム*、カリウム、マグネシウム*、カルシウム、バリウム、鉛、スズ、 亜鉛*又はアルミニウム(*印が好ましい)のような陽イオン、もしくはこれらの陽 イオンの組み合わせによって、イオノマーを生成する。具体的な酸含有エチレン コポリマーは、エチレン／アクリル酸、エチレン／メタクリル酸、エチレン／ア クリル酸/n-ブチルアクリレート、エチレン／メタクリル酸/n-ブチルアクリレー ト、エチレン／メタクリル酸／イソ−ブチルアクリレート、エチレン／アクリル 酸／イソ−ブチルアクリレート、エチレン／メタクリル酸／n-ブチルメタクリレ ート、エチレン／アクリル酸／メチルメタクリレート、エチレン／アクリル酸／ メチルアクリレート、エチレン／メタクリル酸／メチルアクリレート、エチレン ／メタクリル酸／メチルメタクリレート、及びエチレン／アクリル酸／n-ブ チルメタクリレートを含む。好ましい酸含有エチレンコポリマー類は、エチレン ／メタクリル酸、エチレン／アクリル酸、エチレン／メタクリル酸／n-ブチルア クリレート、エチレン／アクリル酸／n-ブチルアクリレート、エチレン／メタク リル酸／メチルアクリレート、及びエチレン／アクリル酸／メチルアクリレート コポリマーを含む。最も好ましい酸含有エチレンコポリマーは、エチレン／メタ クリル酸、エチレン／アクリル酸、エチレン／（メタ）アクリル酸／n-ブチルア クリレート、エチレン／（メタ）アクリル酸／エチルアクリレート、及びエチレ ン／（メタ）アクリル酸／メチルアクリレートコポリマーである。 これらのイオノマーの製造法は、例えば米国特許第3,262,272号に開示されて いるように、当該技術分野において周知である。このようなイオノマー樹脂は、 SURLYNの登録商標で、デュポン社から市販されている。現在好ましいカバー材料 は、SURLYN（登録商標）8140及びSURLYN（登録商標）7940の50/50ブレンドであ り、これらは各々、高い酸ナトリウム及び標準的リチウムであるSURLYNS（登録 商標）である。このカバー材料は、曲げ弾性率が約85ksiであり、かつ比重が約0 .95である。別の好ましいカバーは、SURLYN（登録商標）8140及びSURLYN（登録 商標）SEP671の50/50ブレンドからなり、これは、約19％のメタクリル酸を含有 するリチウクムSURLYN（登録商標）である。この材料は、曲げ弾性率が約105ksi である。好ましくは、このカバーの曲げ弾性率は、80ksiよりも大きい。更に、 好ましいカバーは、ショアーD硬度が約70である。このカバーの高い曲げ弾性率 は、初速度の上昇及び低い回転速度をもたらす。 本発明の別の好ましい実施態様において、カバー層は、内側層及び外側層を含 む。このカバーの内側層は、熱可塑性エラストマー又は熱可塑性ゴムのような熱 可塑性物質、もしくは熱硬化性ゴム又は熱硬化性エラストマー物質のいずれかで ある。内側カバー層として使用するのに適した物質のいくつかの例は、ポリエー テル又はポリエステル熱可塑性ウレタンに加え、熱硬化性ポリウレタンを含む。 好ましい熱可塑性物質は、融点が約81.1〜約96.1℃（約178〜約205°F）である 、熱可塑性ウレタンである。好ましい熱硬化性物質は、ゴムをベースにした、注 型可能なウレタンである。このカバーの外側層は、エラストマーのような熱可塑 性プラスチィック物質又は熱可塑性ゴム、もしくは熱硬化性物質のいずれかで ある。この外側層に適した物質は、ウレタン類、低い弾性率を有するイオノマー 、及び他の“不動(dead)”であるが耐久性のある物質、例えばEPDM及びブチルゴ ムを含む。これに加え、本発明は、更に外側カバー層又は内側カバー層のいずれ かであるが、これら両方ではないことが好ましい物質として、前述のメタロセン をベースにした発泡樹脂のような高分子発泡物質の使用も考察している。 本発明の実施態様において、外側層の熱可塑性又は熱硬化性物質の融点、又は 融点より低い反応熱（硬化）温度が、内側層の物質の反応熱（硬化）温度より低 いことが好ましい。 本発明の実施態様の内側及び外側カバー層は、様々な通常の成形法を用いて、 前述のコア及びマントル層の周りに成形することができる。例えば、カバー層は 、圧縮成形、伸縮自在なピン射出成形、固定されたピン射出成形、コア及びマン トルの周りへ注型、もしくはこれらの組み合わせであることができる。しかし、 この外側層物質は、これらの層を成形するために用いた方法にかかわらず、内側 層の周りへの外側層の成形時に、内側層物質の流れが生じないような熱的性質を 有するという特徴があることが重要である。 本発明のこの実施態様の内側カバー層は、厚さ約0.005インチから約0.040イン チである。この外側カバー層は、厚さが約0.010インチから約0.100インチである 。好ましくは、この内側カバー層は、厚さ約0.010インチから約0.030インチであ り、かつ外側カバー層は、厚さ約0.030インチから約0.090インチである。 本発明は、同じく従来のものでない様々なカバー材料の使用も考察している。 特に、本発明のカバーは、熱可塑性又はエンジニアリングプラスチックを含むこ とができ、これは例えばアクリル酸又はメタクリル酸のような官能モノマー、及 び完全に又は部分的に中和されたイオノマーもしくはこれらのブレンドを含む、 エチレン又はプロピレンをベースにしたホモポリマー及びコポリマーであり、メ チルアクリレート、メチルメタクリレートホモポリマー及びコポリマー、イミド 化された、アミノ基含有ポリマー、ポリカーボネート、強化ポリアミド、ポリフ ェニレンオキシド、耐衝撃性ポリスチレン、ポリエーテルケトン、ポリスルホン 、ポリ（フェニレンスルフィド）、強化エンジニアリングプラスチック、アクリ ロニトリル−ブタジエン、アクリル−スチレン−アクリロニトリル、ポリ（エチ レ ンテレフタレート）、ポリ（ブチレンテレフタレート）、ポリエチレン−ビニル アルコール）、ポリ(テトラフルオロエチレン)、及び官能コモノマーを含むそれ らのコポリマー、並びにこれらのブレンドである。これらのポリマー又はコポリ マーは、広範な充填剤及びガラスファイバー又は球体、もしくは木材パルプを配 合することによって、更に強化される。 本発明のゴルフボールの硬度、ベイショアーレジリエンス、弾性率、コア直径 及びマントル層の厚さのような特性は、現在のゴルフボールの回転、初速度及び 感触のようなプレーの特徴に影響を及ぼすことが判っている。 特に、本発明のマントル層の厚さは、約0.025インチから約0.125インチである 。好ましくは、このマントル層の厚さは、約0.04インチから約0.10インチである 。最も好ましくは、このマントル層の厚さは、約0.06インチである。同様に、本 発明のコアの直径は、約1.25インチから約1.51インチである。好ましくは、コア の直径は、約1.30インチから約1.48インチである。最も好ましくは、コアの直径 は、約1.39インチである。コア及びマントル層の全径は、完成したボールの全径 の約84％から約97％であり、好ましくは約1.51インチである。 本発明の多層ゴルフボールは、全径がいずれかの寸法であってよい。米国ゴル フ協会（USGA）の規定は、競技用ゴルフボールの最小寸法は、直径1.680インチ 以上と規定しているが、最大直径に関する規定はない。更にあらゆる寸法のゴル フボールを、娯楽としてのプレーに使用することができる。本発明のゴルフボー ルの好ましい直径は、約1.680インチから約1.800インチである。より好ましい直 径は、約1.680インチから約1.760インチである。最も好ましい直径は、約1.680 インチから約1.740インチである。しかし、1.800インチを越えるような特大のゲ ーム用ボールも、本発明で考案されている。 本発明のゴルフボールの各層の硬度、レジリエンス及び弾性率のようないくつ かの物理的特性が、このようなゴルフボールのプレーの特徴に影響を与えると考 えられている。例えば、このマントル層の曲げ及び／又は引張り弾性率は、本発 明のゴルフボールの”感触”に影響を及ぼすと考えられている。従って、本発明 のゴルフボールは、本発明のゴルフボールにより柔らかい”感触”を持たせるた めに、マントル層の曲げ弾性率が約500psiから約50,000psiであることが好まし い。同様に、本発明のゴルフボールにより柔らかい”感触”を持たせるために、 マントル層の引張り弾性率が約500psiから約50,000psiであることが好ましい。 更に好ましくは、このマントル層の曲げ弾性率及び引張り弾性率は、両方とも約 10,000psi未満である。最も好ましくは、このマントル層の曲げ弾性率は、5000p si未満である。 更に、本発明のコアは、ベイショアーレジリエンスが約30から約80である。好 ましくは、該コアは、ベイショアーレジリエンスが約40から約70である。本発明 のマントル層は、ベイショアーレジリエンスが約35から約75である。好ましくは 、マントル層は、ベイショアーレジリエンスが約60〜70である。 本発明のゴルフボールは、ショアーD硬度が約60未満のマントル層を有す。好 ましくは、マントル層のショアーD硬度は、約20から約60である。最も好ましく は、このマントル層は、望ましい柔らかい”感触”を提供する、約30のショアー D硬度を有する。該コアは、ショアーD硬度が、約30から約65である。好ましくは 、このコアは、ショアーD硬度が約35から約60である。 好ましいボールにおいては、ボール材料の比重は、ボールの中心に向かって大 きくなる。別の言い方をすれば、コアの比重は、マントル層の比重よりも大きく 、これはカバーの比重よりも大きい。更に詳細述べると、コアは、約1.2以上の 比重を持ち、マントル層は、約１から1.2の比重を持ち、かつカバーは約1.1未満 の比重を持つことが好ましい。 本発明のゴルフボールは、ゴルフボールの技術分野において使用されるいずれ かの通常の方法によって製造することができる。例えば、前述の固体コアは、射 出又は圧縮成形のいずれかを行うことができる。同様に、本発明の寸法が小さい 糸巻きコアも、通常の手段で製造される。その後該マントル層は、該コアの周り に射出又は圧縮成形される。該カバー層の適用時に、このマントル物質が、適用 された温度に耐えることができることは重要である。その後このカバー層又は複 数の層が、該マントル層の周りに、射出又は圧縮成形、もしくは注型される。 このボールの製造において、コアは、圧縮成形される。マントル層は、固定ピ ン成形を用いて、このコアの上に成形され、その結果多数の開口部が該マントル 層中に形成される。その後カバーが、このマントル層の上に成形され、該カバー 材料の一部が、前述のマントル層の開口部に流れ、その結果機械的インターロッ クを形成する。 表１に、いくつかの本発明のマントル層組成物のための多数のバッチ配合、更 には各組成物の硬度(ショアーD)、ベイショアーレジリエンス、曲げ弾性率、破 壊時の歪み％、及び引張り弾性率などの特性を示した。 下記のバッチ組成物の実施例は、本発明の新規多層ゴルフボールを詳細に説明 するためのものである。しかし、これらの実施例は、詳細に説明することのみを 目的とし、本発明を、ここに明らかにされたものに限定するものではないと理解 すべきである。 表１ マントル層組成物及び特性 試料 硬度 レジリ 曲げ 引張り 破壊時の （ショアーD）エンス 弾性率 弾性率 歪（％） 1A 0% Hytrel 5556 30 62 4000 2078 810 100% Hytrel 3078 破壊されず 1B 25% Hytrel 5556 37 59 8170 5122 685 75% Hytrel 3078 1C 50% Hytrel 5556 44 55 15320 10879 590 50% HIytrel 3078 1D 75% HIytrel 5556 53 50 19870 16612 580 25% Hytrel 3078 1E 100% HIytrel5556 58 50 24840 17531 575 0% Hytrel 3078 2A 0% Estane 58091 28 54 1720 756 563 100% Estane58861 2B 25% Estane 58091 34 41 2610 2438 626 75% Estane 58861 2C 50% Estane 58091 44 31 10360 10824 339 50% Estane 58861 2D 75% Estane 58091 61 34 43030 69918 149 25% Estane 58861 2E 100% Estane 58091 78 46 147240 211288 10 100% Estane 58861 3A 0% Hytrel 5556 40 51 9250 7071 527 100% Hytrel 4078 3B 25% Hytrel 5556 43 51 10020 9726 441 75% F1ytrel 4078 3C 50% Hytrel 5556 45 47 12280 10741 399 50% Flytrel 4078 3D 75% Hytrel 5556 48 53 13680 13164 374 25% Htrel 4078 3E 100% Hytrel 5556 48 52 12110 15231 347 0% Hytrel 4078 4A 0% Hytrel 4078 46 51 11150 8061 597 100% Pebax 4033 4B 25% Hytrel 4078 46 53 10630 7769 644 75% Pebax 4033 4C 50% Hytrel 4078 45 52 9780 8117 564 50% Pebax 4033 4D 75% Hytrel 4078 42 53 9310 7996 660 25% Pebax 4033 4E 100% Hytrel 4078 40 51 9250 7071 527 100% Pebax 4033 5A 0% Hytrel 3078 77 50 156070 182869 9 100% Estane 5809 5B 25% Hytrel 3078 65 48 87680 96543 33 75% Estane 5809 5C 50% Hytrel 3078 52 49 53940 48941 102 50% Estane 5809 5D 75% Hytrel 3078 35 54 12040 6071 852 25% Estane 5809 5E 100% Hytrel 3078 30 62 4000 2078 810 100% Estane 5809 破壊されず 6A 100% Kraton 1921 29 59 24300 29331 515 0% Estane 58091 0% Surlyn 7940 6B 50% Kratonl 92l 57 49 56580 - 145 50% Estane 58091 0% Surlyn 7940 6C 50% Kraton 1921 56 55 28290 28760 295 0% Estane 58091 0% Surlyn 7940 7A 33.3% Pebax 4033 48 50 41240 30032 294 33.3% Estane 58091 33.3% Hytrel 3078 7B 30% Pebax 4033 48 50 30650 14220 566 40% Estane 58091 10% Hytrel 3078 7C 20% Pebax 4033 41 54 24020 16630 512 40% Estane 58091 40% Hytrel 3078 表２及び３は、本発明のひとつの実施態様の試験データを示す。マントル層が 100％Estane 58881であり、カバーが通常のLi/Na SURLYN（登録商標）ブレンド であり、かつコアが通常の架橋したポリブタジエンコアであるような、本発明の ゴルフボールについて、特に、回転数及び速度を測定した。更に、従来のツーピ ースゴルフボール（タイトリストHVC 90及びピナクルゴールド）についても試験 した。各ボールは、True Temper試験機で試験した。この試験機は、ドライバー 及び８番アイアンでボールを打つように配置した。 表２ ドライバーに関する回転速度試験の結果 試料 打ち出し角度 Std． 回転 Std． 速度 Std． (rpm) (ft/sec) タイトリストHVC 9.3° 0.4 3038 287 159.8 1.6 （対照） ピナクルゴールド 9.3° 0.4 3027 303 158.9 1.5 （対照） Estaneマントルw/1.30” ポリブタジエンコア及びLi/Na SURLYN カバー 8.8° 0.6 3677 188 156.5 0.9 表３ ８番アイアンに関する回転速度試験の結果 試料 打ち出し角度 Std． 回転 Std． 速度 Std． (rpm) (ft/sec) タイトリストHVC 19.5° 0.3 7690 175 113.0 0.8 （対照） ピナクルゴールド 19.8° 0.4 7549 209 112.5 1.0 （対照） Estaneマントルw/1.30” ポリブタジエンコア及びLi/Na SURLYN カバー 18.7° 0.5 8115 257 110.7 1.1 表４及び５は、本発明の好ましい実施態様から得られた試験のデータである。 本発明のゴルフボールについて、特に回転数及び速度について測定した。このボ ールは、マントル層がHytrel 3078で、カバーが通常のLi/高酸Na SURLYN（登録 商標）の50/50ブレンド(SURLYN7940/SURLYN 8140)、及びコアが通常の架橋した ポリブタジエンコアであった。このコアは、直径が1.39インチで、比重が約 1.25であった。マントル層は厚さが0.06インチで、カバーは0.085インチであっ た。比較のために、同じく従来のツーピースゴルフボール（タイトリストHVC90 及びピナクルゴールド）を試験した。各ボールは、True Temper試験機で試験し た。この試験機は、ドライバー及び８番アイアンでボールを打つように設定した 。 表４ ドライバーに関する回転速度試験の結果試料 打ち出し角度 回転(rpm) 速度(ft/sec) タイトリストHVC 9.3° 3038 234.9 （対照） ピナクルゴールド 9.3° 3027 233.6 （対照） Li/Na（高酸）SURLYNカバー Hytrel 3078マントル層w/1.39”ポリブタジエンコア 9.1° 2966 234.7 表５ ８番アイアンに関する回転速度試験の結果試料 打ち出し角度 回転(rpm) 速度(ft/sec) タイトリストHVC 19.5° 7690 166.1 （対照） ピナクルゴールド 19.8° 7549 165.4 （対照） Li/Na（高酸性）SURLYNカバー Hytrel 3078マントル層w/1.39”ポリブタジエンコア 20.2° 7326 167.9 前述の試験データで示したように、この実施態様のゴルフボールは、飛距離に とって良好な、高い初速度及び低い回転速度を有している。更にこのボールは、 糸巻きボールに似た、柔らかい“感触”を有している。更に本発明のボールは、 従来の糸巻きボールに比べ、製造が容易である。従ってこのボールは、柔らかい “感触”のツーピースボールという利点を提供する。 本願明細書において使用した下記の用語は、列記したASTM試験の用語で定義さ れる： 比重 ASTM D‐792 曲げ弾性率 ASTM D‐790 ショアーD硬度 ASTM D‐2240 引張り弾性率 ASTM D‐638

【手続補正書】 【提出日】平成１０年２月１６日（１９９８．２．１６） 【補正内容】請求の範囲 １．下記構成を有するゴルフボール： (a) コア； (b) 80,000psi以上の曲げ弾性率を有する少なくとも１個のカバー層；及び (c) 前記コア及びカバー層の間に配置された、１個以上のマントル層で、ここ でこのマントル層（複数）は、曲げ弾性率が10,000psi未満である、ボール 。 ２．前記マントル層が、熱可塑性ポリエーテルエステル及び熱可塑性ポリエステ ルエステルの群から選択されたポリマーを含む、請求の範囲第１項記載のゴル フボール。 ３．前記カバーが第一の比重を、該マントル層が、第一の比重より大きい第二の 比重を、かつ該コアが、第二の比重より大きい第三の比重を有する、請求の範 囲第１項記載のゴルフボール。 ４．前述の第一の比重が、約1.1未満であり、第二の比重が約１から1.2の間であ り、かつ第三の比重が約1.2以上である、請求の範囲第３項記載のゴルフボー ル。 ５．前記マントル層が、曲げ弾性率約5,000psi未満である、請求の範囲第１項記 載のゴルフボール。 ６．前記マントル層が、ショアーD硬度約30を有する、請求の範囲第１項記載の ゴルフボール。 ７．下記構成を含むゴルフボール： (a) コア： (b) 少なくとも１個のカバー層;及び (c) 前記コア及びカバーの間に配置された、１個以上のマントル層で、 ここでこのマントル層（複数）が、動的に加硫された熱可塑性エラストマー 、官能基化されたスチレン−ブタジエンエラストマー、ポリエーテルエステ ル、ポリエステルエステル、メタロセンポリマー、熱可塑性ポリウレタン又 はこれらのブレンドから選択された１種以上のポリマーを含む、ボール。 ８．前記マントル層が、動的に加硫された熱可塑性エラストマーを含む、請求の 範囲第７項記載のゴルフボール。 ９．前記マントル層が、いずれか１種以上のポリマーの発泡された形状を含む、 請求の範囲第７項記載のゴルフボール。 10．前記マントル層が、動的に加硫された熱可塑性エラストマー、官能基化され たスチレン−ブタジエンエラストマー、ポリエーテルエステル、ポリエステル エステル、メタロセンポリマー、又は熱可塑性ポリウレタン、もしくはこれら のブレンドを含む第一の熱可塑性物質を約５％から約95％、並びに第二の熱可 塑性物質を約95％から約５％含むブレンドを含有する、請求の範囲第７項記載 のゴルフボール。 11．前記マントル層のベイショアーレジリエンスが、約35から約70であり、かつ 該コアのベイショアーレジリエンスが、約40から約60である、請求の範囲第７ 項記載のゴルフボール。 12．前記マントル層のショアーD硬度が、約60未満である、請求の範囲第７項記 載のゴルフボール。 13．前記カバーが、アクリル及びメタクリル酸のような官能性モノマー、並びに 完全に又は部分的に中和されたイオノマー及びそれらのブレンドを含む、エチ レン又はポリエチレンをベースにしたホモポリマー及びコポリマーで、メチル アクリレート、メチルメタクリレート、メチルメタクリレートホモポリマー及 びコポリマー、イミド化されたアミノ基を有するポリマー、ポリカーボネート 、強化ポリアミド、ポリフェニレンオキシド、耐衝撃性ポリスチレン、ポリエ ーテルケトン、ポリスルホン、ポリ（フェニレンスルフィド）、アクリロニト リル−ブタジエン、アクリル−スチレン−アクリロニトリル、ポリ（エチレン テレフタレート）、ポリ（ブチレンテレフタレート）、ポリ（エチレン−ビニ ルアルコール）、ポリ（テトラフルオロエチレン）、及び官能コモノマーを含 むこれらのコポリマー、並びにこれらのブレンドを含む、請求の範囲第７項記 載のゴルフボール。 14．前記カバーのポリマー及びコポリマーが、ガラスファイバー、ガラス球体又 は木材パルプと配合され、かつ強化された、請求の範囲第13項記載のゴルフボ ール。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，Ｌ Ｕ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＡＵ，ＣＡ，ＧＢ，Ｊ Ｐ，ＮＺ (72)発明者 パスカ サミュエル エイ ジュニア アメリカ合衆国 ロードアイランド州 02809 ブリストル メトコム アベニュ ー 400 アパートメント 47 (72)発明者 ベーム ハーバート シー アメリカ合衆国 マサチューセッツ州 02064 ノーウェル ジャッジーズ ヒル ドライヴ 34 (72)発明者 ハーリス ケヴィン エム アメリカ合衆国 マサチューセッツ州 02740 ニュー ベッドフォード ライア ン ストリート 65

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．下記構成を有するゴルフボール： (a) コア； (b) 80,000psi以上の曲げ弾性率を有する少なくとも１個のカバー層；及び (c) 前記コア及びカバー層の間に配置された、１個以上のマントル層で、ここ でこのマントル層（複数）は、曲げ弾性率が10,000psi未満である、ボール 。 ２．前記マントル層が、熱可塑性ポリエーテルエステル及び熱可塑性ポリエステ ルエステルの群から選択されたポリマーを含む、請求の範囲第１項記載のゴル フボール。 ３．前記マントル層の厚さが、約0.025インチから約0.125インチである、請求の 範囲第１項記載のゴルフボール。 ４．前記コアが、直径約1.30インチから約1.45インチであり、かつ比重が1.2以 上である、請求の範囲第１項記載のゴルフボール。 ５．前記カバーが第一の比重を、該マントル層が、第一の比重より大きい第二の 比重を、かつ該コアが、第二の比重より大きい第三の比重を有する、請求の範 囲第１項記載のゴルフボール。 ６．前述の第一の比重が、約1.1未満であり、第二の比重が約1から1.2の間であ り、かつ第三の比重が約1.2以上である、請求の範囲第５項記載のゴルフボー ル。 ７．前記マントル層が、曲げ弾性率約5,000psi未満を有する、請求の範囲第１項 記載のゴルフボール。 ８．前記マントル層が、引張り弾性率約10,000psi未満を有する、請求の範囲第 １項記載のゴルフボール。 ９．前記マントル層が、ショアーD硬度約60未満を有する、請求の範囲第１項記 載のゴルフボール。 10．前記マントル層が、ショアーD硬度約30を有する、請求の範囲第９項記載の ゴルフボール。 11．前記カバーが、曲げ弾性率10,000psi以上を有する、請求の範囲第1項記載 のゴルフボール。 12．前記完成したボールの全径が、約1.68インチから約1.80インチである、請求 の範囲第１項記載のゴルフボール。 13．下記構成を含むゴルフボール： (a) コア； (b) 少なくとも１個のカバー層；及び (c) 前記コア及びカバーの間に配置された、１個以上のマントル層で、 ここでこのマントル層（複数）が、動的に加硫された熱可塑性エラストマー 、官能基化されたスチレン−ブタジエンエラストマー、ポリエーテルエステ ル、ポリエステルエステル、メタロセンポリマー、熱可塑性ポリウレタン又 はこれらのブレンドから選択された１種以上のポリマーを含む、ボール。 14．前記マントル層が、動的に加硫された熱可塑性エラストマーを含む、請求の 範囲第13項記載のゴルフボール。 15．前記マントル層が、Santoprene（登録商標）を含有する、請求の範囲第14項 記載のゴルフボール。 16．前記マントル層が、いずれか１種以上のポリマーの発泡された形状を含む、 請求の範囲第13項記載のゴルフボール。 17．前記マントル層が、動的に加硫された熱可塑性エラストマー、官能基化され たスチレン−ブタジエンエラストマー、ポリエーテルエステル、ポリエステル エステル、メタロセンポリマー、又は熱可塑性ポリウレタン、もしくはこれら のブレンドを含む第一の熱可塑性物質、並びに第二の熱可塑性物質のブレンド を含有する、請求の範囲第13項記載のゴルフボール。 18．前記ブレンドが、第一の熱可塑材を約１％から約99％、及び第二の熱可塑材 を約99％から約１％含む、請求の範囲第17項記載のゴルフボール。 19．前記ブレンドが、第一の熱可塑材を約５％から約95％、及び第二の熱可塑材 を約95％から約５％含む、請求の範囲第17項記載のゴルフボール。 20．前記第二熱可塑材が、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性ポリエーテルエステ ル又はポリエーテルアミド、熱可塑性ポリエステル、ポリエーテルエステル、 ポリエステルエステル、熱可塑性イオノマー樹脂、他の動的に加硫されたエラ ストマー、官能基化されたスチレンブタジエンエラストマー、メタロセンポリ マーから選択された１種以上のポリマーを含む、請求の範囲第17項記載のゴル フボール。 21．前記第一の熱可塑材が、動的に加硫された熱可塑性エラストマー又はそれら のブレンドである、請求の範囲第17項記載のゴルフボール。 22．前記マントル層が、厚さ約0.025インチから約0.125インチである、請求の範 囲第13項記載のゴルフボール。 23．前記コアの直径が、約1.30インチから約1.45インチである、請求の範囲第13 項記載のゴルフボール。 24．前記マントル層のベイショアーレジリエンスが、約35から約70であり、かつ 該コアのベイショアーレジリエンスが、約40から約60である、請求の範囲第13 項記載のゴルフボール。 25．前記マントルの曲げ弾性率が、約500psiから約50,000psiである、請求の範 囲第13項記載のゴルフボール。 26．前記マントルの引張り弾性率が、約500psiから約50,000psiである、請求の 範囲第13項記載のゴルフボール。 27．前記マントル層のショアーD硬度が、約60未満である、請求の範囲第13項記 載のゴルフボール。 28．前記コアが、糸巻きコアを含み、ここでこの糸巻きコアが、糸巻きコアの全 径が、完成したボールの全径の約75％から約90％であるように弾性糸がその周 りに巻きつけられた中心部を有する、請求の範囲第13項記載のゴルフボール。 29．前記完成したボールの全径が、約1.68インチから約1.80インチである、請求 の範囲第13項記載のゴルフボール。 30．前記カバーが、アクリル及びメタクリル酸のような官能性モノマー、並びに 完全に又は部分的に中和されたイオノマー及びそれらのブレンドを含む、エチ レン又はポリエチレンをベースにしたホモポリマー及びコポリマーで、メチル アクリレート、メチルメタクリレート、メチルメタクリレートホモポリマー及 びコポリマー、イミド化されたアミノ基を有するポリマー、ポリカーボネート 、強化ポリアミド、ポリフェニレンオキシド、耐衝撃性ポリスチレン、ポリエ ーテルケトン、ポリスルホン、ポリ（フェニレンスルフィド）、アクリロニト リル−ブタジエン、アクリル−スチレン−アクリロニトリル、ポリ（エチレン テレフタレート）、ポリ（ブチレンテレフタレート）、ポリ（エチレン−ビニ ルアルコール）、ポリ（テトラフルオロエチレン）、及び官能コモノマーを含 むこれらのコポリマー、並びにこれらのブレンドを含む、請求の範囲第13項記 載のゴルフボール。 31．前記カバーのポリマー及びコポリマーが、ガラスファイバー、ガラス球体又 は木材パルプと配合され、かつ強化された、請求の範囲第30項記載のゴルフボ ール。 32．下記構成を含むゴルフボール： (a) コア； (b) 前記コア及びカバー層の間に配置された、少なくとも１個のマントル層で 、このマントル層が、動的に加硫された熱可塑性エラストマー、官能基化さ れたスチレン−ブタジエンエラストマー、熱可塑性ポリウレタン又はメタロ センポリマー、もしくはこれらのブレンドを含み；及び (C) 内側層及び外側層を含む、カバー層。 33．前記内側層が、熱可塑性又は熱硬化性物質を含み、かつ該外側層が、熱可塑 性又は熱硬化性物質を含む、請求の範囲第32項記載のゴルフボール。 34．前記内側層が、熱可塑性又は熱硬化性物質を含み、かつ該外側層が、熱可塑 性又は熱硬化性物質を含み、ここで該外側層の物質が、内側層の融点又は反応 熱温度よりも低い、融点又は反応熱温度を有する、請求の範囲第33項記載のゴ ルフボール。 35．前記内側層が、熱可塑性エラストマー、熱可塑性ゴム又は熱硬化性エラスト マーを含み、及び該外側層が、熱可塑性エラストマー、熱可塑性ゴム又は熱硬 化性エラストマーを含む、請求の範囲第33項記載のゴルフボール。 36．前記内側層が、ポリエーテル又はポリエステル熱可塑性ウレタン、又は熱硬 化性ポリウレタンを含み、かつ該外側層が、ウレタン又は低弾性率のイオノマ ーを含む、請求の範囲第33項記載のゴルフボール。 37．前記内側層が、厚さ約0.005インチから約0.040インチであり、かつ該外側 層が、厚さ約0.010インチから約0.100インチである、請求の範囲第32項記載 のゴルフボール。 38．前記完成したボールの全径が、約1.68インチから約1.80インチである、請求 の範囲第32項記載のゴルフボール。 39．前記マントル層が、発泡高分子物質を含む、請求の範囲第32項記載のゴルフ ボール。 40．前記内側層が、発泡高分子物質を含む、請求の範囲第39項記載のゴルフボー ル。