JP2000512515A - フィラメント状及び微粒子状物質を体内に移植する装置、システム及び方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 患者の体に開けた小さな開口から、有意な量の材料挿入が望まれる外科的処置に於いて、体内に所要長さの連続したフィラメントを導入する方法。導入される材料は、体内空洞の組織拡大、脈管の閉塞、診断用又は治療用薬剤の体内指定位置への導入に役立つ。この方法を実施する装置は、所望位置に導管を介してフィラメントを押入するのに十分な力をフィラメントに掛けてフィラメントを送り出す送り機構を有している。一実施例では、フィラメントを送るのに必要な力を供給するのに、往復運動をするカニューレと、この運動に同期するグリッパを含むシステムが利用される。

Description

【発明の詳細な説明】 フィラメント状及び微粒子状物質を体内に移植する装置、システム及び方法 発明の属する技術分野 本発明は、フィラメント及び微粒子の形をした縫合糸及びその他の材料を、治 療のため体の組織に挿入する装置及び方法に関する。 従来の技術 内科及び外科の両分野に於いて、種々の臨床目的から体の組織内、又は体の組 織に最も近い空間の何れかに、所要量の材料を配置する必要が高まりつつある。 これらの目的には、失禁を起こす内在括約筋欠乏症（ＩＳＤ）の治療としての組 織バルキング（拡大）が含まれる。ある種の失禁では、ストレスによって尿道抵 抗が減少し、これが尿漏れを起している。この尿漏れはその本人に当惑を与え、 その人が活動を避けるようになると言った、その人のライフスタイルさえ変えて しまう可能性がある。最近では、尿道周囲空間への「バルキング」処置、尿道の 癒合処置等によって尿道抵抗を増加する目的から、種々の注入可能な材料が提案 されている。 材料移植を含むその他の臨床的応用としては、動脈瘤、動静脈奇形（ＡＶＭｓ ）、瘻の閉塞処置、また外科手術の間の出血を少なくするため、手術前に腫瘍、 特に脳腫瘍への血液供給の閉止処置がある。 斯うした処置を行う場合、健康な組織の損傷を最小限に止めるため、臨床的に は、バルキングは針による注入処置とすべきだとされてきた。また、針を使用す るため、注入材料は針を通して体の組織 に送れるようにするため、懸濁液又は微粒子状にすることが必要であると信じら れてきた。しかし、このことが使用可能な材料の候補数をかなり減らす結果とな った。テフロン微粒子（ＰＴＦＥ）、シリコーン微粒子、コラーゲン懸濁液、そ の他種々の材料が試験された。治療に関連する問題の殆どは、使用する材料に関 連していた。例えば、テフロン微粒子は、体を通して転移するため、臨床的には 望むべきもない。 公知の技術もまた同様に、血管を通して、又は内視鏡を通して、或いは腹腔鏡 に関連する導管を介して配送可能な材料を制限している。これらの装置用いて押 し出しによって配送される物は、典型的には流体か又は比較的硬めの固体に限ら れる。 重合体から、或いは外科用縫合糸から薬剤を制御しつつ放出する仕方は、従来 から知られているもう一つの治療様式である。しかし、この技術を適用するには 、縫い針又はピンセットを用いて、体の組織に縫合糸を引き入れる従来方法によ る縫合糸の挿入が必要であった。しかし、これには移植位置へのアクセスという 点で困難が伴う。 発明の概要 本発明はバルキング処置、他の細胞及び薬剤の配送に適用可能な材料の範囲を 広げる。本発明は以下に定義するフィラメントを、針又はその他の導管を介して 導入できるようにすると共に、公知の縫合糸に使用している生体適合材料を考慮 に入れることができる。斯うした新規な進歩によって、材料はバルキング効果を 発揮できるだけではなく、使用するフィラメントのその他の特性によって、弾力 性、剛性、柔軟性、質量、配向性、透過性等の他の機械的属性を付加することが できる。更に、導入する材料は、固体、圧縮微粒子又 は複合体であっても良く、これによって可能な機能範囲が広がり、導入材料によ って薬の配剤、放射線治療、化学治療、或いは加熱治療を行うことができるよう になる。導入材料の三次元性は、フィラメントを注入した細胞、又は細胞間質へ の成長のために誘導した細胞、何れかの内部成長のための足場材料を提供する上 で非常に適当である。 本発明による装置は以下に述べるように、体に開けた小さな開口を通して体内 に有意な量の材料を配置することができる。この材料には、体に所望の効果をも たら薬剤、細胞、又はその他の活性な物質を前もって付加しておくことができる 。投薬はフィラメントの長さ、及び事前に付加したもの性質によって制御するこ とができ、選択したフィラメント長さに対して、配送時に修正することができる 。斯うした方法は、経皮的にヘパリン、インシュリン、避妊用物質、及び心臓病 、禁煙等に有効なその他の薬を投与するのに有効である。この方法の利点は極端 に目立つものではないが、体内のどんな位置にも容易に投薬できること、特に影 響を与えたい組織の近傍に投薬できる点にある。 本発明の好適実施例による患者の組織特性を修正するための方法は、所要量の フィラメントを用意する段階、患者の体に開口を開ける段階、この開口を介して 組織近傍の領域にフィラメントを挿入する段階、そして組織特性を修正するよう に、この領域にフィラメントを局所配置する段階とから成っている。ここで言う “フィラメント”及び“施術用開口”については以下に説明する。また、修正す る組織特性とは、組織の質量、容積、配向性、柔軟性、弾力性、及び透過性を含 む。フィラメントは直接挿入するか、又は内視鏡又は腹腔鏡を用いて挿入する。 本発明の実施例は、患者組織のバルキング、脈管（以下に定義する）の接合、脈 管閉塞、妊娠防止、患者の 断種、潰瘍凝固、大動脈瘤の処置、出血性静脈瘤の処置、化学治療法、薬剤投与 、生化学反応の促進、産児制限、組織細胞の成長支持、体の組織縫合、麻酔投薬 、脈管へのステント配置等々の方法を提供する。本発明による他の実施例では、 連続したフィラメントの長さを、患者の体内で所望のフィラメント長さに切断す ることができ、また、フィラメントと関連して患者体内に流体を注入することが できる。更に、本発明の他の実施例によれば、縫合材料を特定な形に用意し、縫 合懸濁液を作るため液状キャリヤにそれを吊し、患者の体に開けた開口を介して 患者の体内に縫合材懸濁液を注入して組織特性を修正する。このときの組織特性 とは、少なくとも組織の質量、容積、配向性、柔軟性、弾力性、及び透過性の一 つを言う。 本発明の他の実施例は、体の指定位置からフィラメントを除去する方法を提供 する。この方法は、指定位置に中空シャフトを挿入する段階と、シャフトのフッ クをフィラメントに引っかける段階と、フィラメントを中空シャフトを介して引 き抜く段階とから成っている。 また、本発明の他の観点によれば、患者の体の指定位置に、所定の直径を有す るフィラメントを挿入する導管と、フィラメント直径の３倍より長い長さを持つ 全てのフィラメント部分を支持するようにして、導管の軸に沿ってフィラメント を供給するフィラメント送り機構とを有する装置が提供される。このとき、導管 は剛性、反剛性、又は柔軟性の何れでも良い。 本発明の一実施例では、フィラメント送り機構はフィラメントの直径にほぼ対 応する内径を持つ内側カニューレと、この内側カニューレの軸方向運動を可能に する載置構造とを有している。この載置構造は同軸のカニューレであっても良い 。最後に、内側カニューレを駆動して、載置構造に関して前進及び後退運動から 成る往復運動 を内側カニューレにさせる作動機構が設けられる。また、他の実施例では、この 作動機構はグリッパ、又はグリッパとブレーキの組み合わせ機構を有している。 更に、内側カニューレは分離した基部方向部分と末端方向部分、及び末端方向部 分の後退運動の際に、基部方向部分に向かって末端方向部分を引き寄せる内蔵ス プリングを有している。 更に他の実施例では、載置構造に体の組織を貫通する先端部が設けられると共 に、先端部に対して基部方向に配置され、体の指定位置にフィラメントを送り出 す窓が設けられる。体の中に所望の長さのフィラメントを残すために、幾つかの 実施例によるフィラメントカッターが設けられる。フィラメントカッターの一実 施例では、回転へッドは導管の末端方向端部に隣接して配置されると共に、少な くとも導管の末端方向端部及び回転ヘッドの何れかに配置され、回転ヘッドの回 転によってフィラメントをカットする切断面を備えている。また、フィラメント カッターの他の実施例では、切断面は内側カニューレと載置構造の相対運動がフ ィラメントを切断するように、装置の内側カニューレと載置構造との少なくとも 一方に設けられる。 本発明の他の実施例では、フィラメントに接する複数のコンベヤベルトと、フ ィラメントを送る歯車と、遊び車と、フィラメントを前進させるように駆動し、 バネカで戻ってフィラメントから離れる往復運動シャフトとを含むフィラメント 送り機構が設けられる。この送り機構のサイクル運動を繰り返すのにモータを使 用しても良い。 本発明の他の観点によれば、体内の指定位置からフィラメントを除去する装置 が設けられる。この装置は導管と、フィラメントに引っかけて、この導管を通し てフィラメントを引き出すフックから成 っている。 本発明の更に他の観点によれば、患者の組織特性を修正するステントが設けら れ、このステントは少なくとも一つのフィラメントのストランド（織り合わせ） から成り、修正される組織特性は、組織の質量、容積、配向性、柔軟性、弾力性 、及び透過性の少なくとも一つを含む。 図面の簡単な説明 図１は本発明によるフィラメント注入装置１の好適実施例を示す概略図； 図２は本発明によるフィラメント注入装置の好適実施例の主要素を示す図； 図３Ａ−３Ｃは、図２に図示の本発明の実施例によるフィラメント送りサイク ルの進行段階にあるフィラメント送り機構の断面図； 図４Ａ及び４Ｂは、図２に図示の本発明の実施例によるフィラメント送りサイ クルのリセット段階にあるフィラメント送り機構の断面図； 図５は、本発明の実施例によるフィラメント送り機構の分解図； 図６は、本発明の実施例によるフィラメント送り機構末端の断面図； 図７Ａ及び７Ｂは、図６の末端断面図であって、本発明の実施例によるフィラ メントのカッティング機構を示す； 図７Ｃは、本発明の実施例による導管端末の斜視図であって、他のフィラメン トのカッティング機構を示す； 図７Ｄは、図７Ｃのフィラメントのカッティング機構の断面図； 図８は、本発明の他の実施例によるフィラメント送り機構の断面図； 図９は、タッチボタンによって、シャフト２７を周期運動させる電気駆動シス テムの概略図； 図１０は、システムの他の実施例に関するレイアウトを示す図； 図１１Ａは、体にの管状構造の壁の接合に本発明の装置を使用した結果を示す 断面図； 図１１Ｂは、潰瘍処置のための本発明の実施例を示す図； 図１２は、体内に置かれたフィラメントを除去するための本発明による実施例 を示す図； 図１３Ａ−１３Ｃは、縫合糸を組織に通すのに使用する図１の装置の使い方を 示す図であって、図１３Ｃは一連のリンクしたループを示す； 図１４は、本発明の実施例による体に微粒子を注入する機構を示す図； 図１５Ａ及び１５Ｂはそれぞれ、女性患者の下垂した膀胱と、本発明の実施例 によるフィラメントの移植によって下垂を治療した後の膀胱とを示す図； 図１６は本発明の実施例によるフィラメント移植によって血管に形成した塞栓 を示す図； 図１７は、本発明の実施例に従って移植してフィラメントによって充満した動 脈瘤を示す図； 図１８から図２６は、フィラメント移植のため、所望の経路に沿ったフィラメ ント移動を可能にする本発明による種々の実施例を示す図； 図１８Ａ及び１８Ｂは、フィラメントに対して対称的に接する一対のコンベヤ ベルトを利用したフィラメント送り機構の実施例を示す図； 図１９は、遊び車によってフィラメントを駆動歯車に当接させ、 フィラメント移動するフィラメント送り機構の実施例を示す図； 図２０は、図１９と同様に、遊び車によってフィラメントを駆動歯車に当接さ せるが、ここでは、駆動歯車の半径とほぼ同じ半径の弧状表面を有するガイドが フィラメントを駆動歯車に接触させて、フィラメント移動を行うフィラメント送 り機構の実施例を示す図； 図２１Ａ及び２１Ｂは、図１９と同様に、遊び車によってフィラメントを駆動 歯車に当接させるが、このときの遊び車はソフトな遊び車であるフィラメント移 動を行うフィラメント送り機構の実施例を示す図； 図２２は、管状ガイドによってフィラメントを駆動歯車に当接させて、フィラ メント移動を行う実施例を示す図； 図２３Ａ及び２３Ｂは、遊びベルトフィラメントを駆動車に当接させて、フィ ラメント移動を行う実施例を示す図； 図２４Ａ−２４Ｅは、周期的に作動する指状クランプ部材と関連して、軸方向 に往復運動する一対の管状部材を利用し、その中を通るフィラメントの移動を行 う実施例を示す図； 図２５Ａ−２５Ｅは、図２４Ａ−２４Ｅに図示の実施例と同様ではあるが、こ の場合、図２４Ａ−２４Ｅに図示のコイルスプリングは、管状部材の補足咬合延 長部によって置き換えられる； 図２６Ａ及び２６Ｂは、各ストロークの対向端で交互に開閉する間に、軸方向 に往復運動をする一対のアームを利用してフィラメントの移動を行う実施例を示 す図； 図２７Ａ−図３１Ｄは、フィラメントを搬送するカニューレ先端に近い領域に 、同心配置の部材と、この両部材に開けた窓とを利用したフィラメントのカッテ ィング構造を設け、これを通して置かれたフィラメントをカットする本発明の実 施例を示す図； 図２７Ａ及び２７Ｂは、内側部材に関して外側部材を基部方向に 引いてフィラメントのカットを行う実施例を示す図； 図２８Ａ及び２８Ｂは、内側部材に関して外側部材を末端方向に押してフィラ メントのカットを行う実施例を示す図； 図２９Ａ−２９Ｃは、内側部材と外側部材を互いに回転してフィラメントのカ ットを行う実施例を示す図； 図３０Ａ−３０Ｄは、上記形式のカッティング構造を有する先端を適当な窓と の関連に於いて使用し、本発明を適用する患者の体の組織にフィラメント末端に よる不適当な圧力が掛からないようにする方法を示す図；そして 図３１Ａ及び３１Ｂ、及び図３２Ａ及び３２Ｂは、図２６Ａ及び２６Ｂの実施 例に類似の実施例に適用可能な構成を示す図である。 実施例の詳細な説明 本発明の全体像を理解するため、本発明の組織バルキングへの適用を例に採っ て、本発明による方法、システム、及び装置を説明する。しかし、ここに述べる 全体の方法、システム、及び装置は、フィラメント注入が価値を持つ全ての場合 に等しく適用可能であることは、当業者の理解するところであろう。本発明の技 術を使用できる処置には、体の組織内に薬剤配送を行うフィラメントに基礎を置 いたシステムの注入処置、バルキング、成形、加圧、又はその他の機械特性（例 えば、弾力性、剛性等）の付加を目的としたフィラメントの皮下又は細胞間への 注入処置、そして細胞過程が進行する細胞間質又は格子（即ち、骨格交換、治療 、移植細胞の足場材料）として作用するフィラメントの注入処置等が含まれるが 、これらの処置に限られるものではない。 本発明の他の臨床的使用法としては、他の特性を持ったフィラメント、例えば 臨床用トレーサー又は治療剤としての適用に相応しい 、Ｘ−線不透過性、磁性、放射性、又は蛍光性等の特性を備えたフィラメントの 体内への注入処置も含まれる。同様に、フィラメントは化学的特性、例えば特定 の生化学過程のトレーサー、又は体の組織内で所望の反応を刺激又は促進する触 媒として役立つ化学的特性を持っていても良い。 本発明による方法、システム、及び装置を使用することによって、組織バルキ ングが好都合に、そして低いリスクで行えるとなると、組織バルキングの応用は 多岐にわたって広がる。組織バルキングの応用例としては、尿道括約筋の尿道周 囲バルキング、尿道支持、膀胱尿道管逆流治療、胃食道括約筋を介した食道逆流 防止、及び大便失禁治療のための肛門括約筋処置等が含まれるが、これらに限ら れるものではない。また、本発明を用いて達成することのできるその他の組織バ ルキングの応用例としては、出血性潰瘍の処置に関連して内部的、また外部的に 行う血管バルキングが含まれる。ここに挙げた応用例はあくまでも例であって、 本発明の範囲はこれらに限定されるものではなく、フィラメント状の材料を有効 に体内に注入する全ての応用を含むものと理解されたい。 この明細書及び添付請求の範囲に於いて使用しているように、糸状に形成した 材料の単位断面積当たりの力の単位で測った座屈応力が、典型的には軟らかい体 の組織（例えば皮膚）のせん断強度より小さいか、又はそれに匹敵する場合には 、その糸状材料を“軟らかい、柔軟な”材料と呼ぶ。せん断強度は応力と同じ単 位で表される。機械技術では良く知られているように、座屈応力とは、部材の軸 方向に力を掛けたとき、軸に対して直角な方向に部材の変形を起こす単位面積当 たりの力である。また、部材の座屈応力は非対角の体積弾性係数（即ち、軸方向 に対して横方向に誘導される歪みに対する軸方向圧縮応力の比）に比例し、部材 の直径に対する非支持長さ の比の二乗に逆比例することも機械技術に於いて良く知られている。それ故、糸 状材料が長ければ長いほど、又は細ければ細いほど、座屈を起こす単位面積当た りの力は少なくてすむ。 硬い針形の道具、例えばあらゆる種類の針又はステープルは、挿入方向に沿っ て後ろから軸方向に十分な力を加えることによって組織に挿入が可能なことは知 られている。これとは対称的に、本発明は硬いよりはむしろ、軟らかい材料の挿 入方法を教示する。上記の軟らかさの定義を考慮すれば、軟らかい材料に軸方向 の力を加えても、それを組織に挿入することは本質的に不可能である。これらの 材料は、ひとまとめに“フィラメント”と呼ばれるものである。更に詳しく言え ば、この明細書及び添付請求の範囲に於いて使用しているように、用語“フィラ メント”は軟らかい材料を指示するものであって、生体適合性材料、例えばポリ プロピレン、ナイロン、ＤＡＣＲＯＮ（商標）、ポリブチルエステル、ポリブチ ルエステル、ポリグリコール酸（ＰＧＡ）、及びそれらの変体、並びに生体適合 性、生物分解性、又はその他の望ましい特性に基づいて特定の用法を目的として 選ばれた自然発生的、生物学的、或いは人為的な材料を含む。特別な臨床的用法 に有効なその他のフィラメント材料としては、複合体、織体、又は固体の状態に あるものであって、絹、金属、クロムガット、コラーゲン、エラスチン、骨等を 含む。用語“フィラメント”は、特にポリプロピレンのように、縫合糸材料及び そう呼ばれるものとして、現在供給され、使用されている全ての材料を包含する 。更に、用語“フィラメント”は、ニチノールのように形状記憶能力を持つ材料 の使用も包含する。この材料は特定の臨床施術に有利に使用することができる。 前述の材料の多くは、ここで定義した軟らかさを持たないワイヤ状部材に成形し 得るが、この明細書及び添付請求の範囲に於いて使用している用語“フィラメン ト”はそれらの材料が、定義した“軟らかさ”を持った形のものに限定する。 従って、“フィラメント”は軟らかいから、この範疇にある材料は体の組織表 面に対して保護無しに押し込めば、組織表面を通して体の組織に入り、組織内に 空間を広げ、又は切り開くよりは、むしろ曲がったり、捻れたりしてしまう。 フィラメントがその自重によって、或いは圧縮座屈によって曲げられた場合、 曲がったフィラメントを表面に押し込むことによって、その末端部に掛かる力は 、もはや真に軸に沿ったものとはならず、フィラメントを更に曲げるベクトル成 分を持つことになる。フィラメントの塑性変形は負荷を取り除いた後も、それが 元の形状に戻ることを抑制する。しかし、本発明によれば、フィラメントが適切 に体の組織に導入され、捕らえられれば、どの様な塑性変形を受ける必要がなく なる。 従来の技術では、縫合糸は軟らかい材料として、それを押し出すように扱うよ りは、針又はピンセットを使って組織を通して引くように取り扱われる。本発明 の教示によれば、十分に細い縫合糸又はその他の材料に関しても、小さな断面積 に、単位断面積当たり大きな力を掛けることができる。フィラメントの先端にか かる単位面積当たりの力は、体の組織のせん断強度を容易に越えることができる から、フィラメントは組織を貫通することができる。本発明の方法を用いたフィ ラメントの体組織貫通能力に対する認識は、ここに述べる数多くの臨床処置への 応用を可能にするものである。 この明細書及び添付請求の範囲に於いて、体へのフィラメント挿入口として使 用している用語“（体の）開口”は、体又は組織に本来存在しているか、又は人 為的に作った開口を指す。本発明は組織近傍へのフィラメント挿入について述べ ているが、この場合、この 明細書及び添付請求の範囲に於いて使用している用語“近傍”は、少なくとも組 織そのもの、及びその壁部、及び最も近い組織又は体の空洞部を含む。組織の或 るものは、小さすぎたり、壊れやすく、繊細で、フィラメントの直接挿入には耐 えられないため、本発明で述べるように、フィラメントは目標組織に直接ではな く、それに最も近い組織に挿入しても良い。 更に、フィラメント挿入は、脈管を介して行うことができるが、この場合、こ の明細書及び添付請求の範囲に於いて使用している用語“脈管(vas)”は、解剖 学的に自然形成されたか、又は外科的処置を経て形成されたか、その何れかによ って体内に生じた導管、血管、通路、或いは空洞を指す。 図１は本発明の好適実施例によるフィラメント注入装置１を示す図である。こ こで、針６は皮膚２を通して体３に挿入される。小さいフィラメント５は細胞組 織間のスペース４に注入される。針６は、流体の入口１１、流体注入用の流体制 御装置８、フィラメントを前進させる注入制御装置９、及びカッティング制御装 置１０を備えたハウジング７に取り付けられる。針６は経皮的に、内視鏡的に、 又は血管を通して挿入される剛性、柔軟性、変形可能、展性、半剛性、又は半柔 軟性のカニューレ又はカテーテルでることは、当業者の知るところでる。更に、 フィラメント５は、再吸収性又は非再吸収性の縫合糸、ワイヤ、又はその他、上 記フィラメントの定義に沿った材料であればよい。これらフィラメントは、薬剤 、セル、又は放射性物質を埋め込んだ複合材料からも形成される。体内で薬剤を 放出するようにプログラムした薬剤と重合体の組み合わせは公知であって、A.Lo h著“Controlled Release of Drugs from Surgical Suture，”1987に発表され ているが、その詳細については此処では省略する。治療用又は診断用薬剤をフィ ラメント材料内に埋め込む か又は含浸させるか、又はフィラメントに結合させるか、或いはまた、フィラメ ント製造時に、又は体内にフィラメントを挿入する時点で装備させた、前もって 薬剤を備えたフィラメントの体内への挿入は本発明の範囲に属する。図にはその 他の動作チャンネルは示されてはいないが、図示の装置内又はそれと一緒に設け る追加装備による装置の修正は、本発明の範疇にはいることは、当業者の認識す るところであろう。斯うした動作チャンネルはエネルギーガイド、ワイヤ、内視 鏡目視装置又は外科用具の導入のために用意される。図示の装置によって、失禁 治療のための組織バルキング、或いは薬剤配送のため尿道周囲空間への装置挿入 、又は静脈再構成又は薬剤配送のための脈間周囲空間への装置挿入、又は腫瘍の 化学療法、放射線又は磁気によ熱量法のため腫瘍内の間質空間への装置挿入は容 易になる。 この明細書及び添付請求の範囲に於いて使用している用語“末端（distal）” は、体３の内部へのフィラメント５の配送点に向かって位置するフィラメント注 入装置１の終端、又は導管６等のフィラメント注入装置１を構成する何れかの成 分の上記終端を示すものとする。導管６は、フィラメントを患者体内に導入する 配送カニューレとして働く。同様に、この明細書及び添付請求の範囲に於いて使 用している用語“基部の、基部に近い方の（proximal）”は、体３内に入れたフ ィラメント５の配送点から離れて位置するフィラメント注入装置１の終端、又は フィラメント注入装置１を構成する何れかの成分の上記終端を示すものとする。 患者の体３に大きな孔を残すことを避けるため、フィラメント注入装置１の末端 １２の直径を最小限にする必要から、嵩の張る縫合糸送り機構は、典型的には装 置の基部に近い方の区画７に置かれる。それ故、以下に述べるように、この送り 機構はフィラメントを引き戻すことはできず、前方に 押し出さなければならない。体内に軟らかい材料の押し込みを可能にするため、 フィラメントの支持が無い送り機構７と導管６との間の区域は最小にしなければ ならない。本発明による或る好適実施例のでは、フィラメント５に支持無し箇所 が無いようににしているが、他の好適実施例では、フィラメント５の不支持箇所 の長さが、フィラメント固有の直径の３倍以上にならないようにしている。更に 、本発明が教示する構成の中で、フィラメントの単一撚り又は多重撚りの何れか によって形成される間質ステント(interstitial stent)が、ここで述べる組織近 傍への導入による組織特性の修正に、一般に用いられることは理解されるだろう 。 図２は、フィラメントを体内に送り込むのに使用する本発明の好適実施例によ るフィラメント送り装置の主要構成要素を示す。外側カニューレ１５が支持する 内側カニューレ１４は、フィラメント５の直径にほぼ一致する直径を持つ管状区 域によって構成される。この内側カニューレ１４は、フィラメントを体内に押し 込む軸方向の力によって生じる捻れ、詰まりからフィラメント５を保護すると共 に、同軸の外側カニューレ１５内に同軸に保持される。他の実施例では、内側カ ニューレ１４は、当業者の良く知るように、チャンネルを含む載置構造によって 保持される。 図３Ａは内側カニューレ１４の基部の方に近い区域に切り抜いた窓１６を示す 。この切り抜き窓１６はフィラメント１５の小部分を露出させ、作動パッド１７ がフィラメント５に接合できるようにすると共に、内側カニューレ１４を作動機 構５０２（図５に図示）に接続する。作動パッド１７は、その機能から“グリッ パ”と呼ばれる。図３Ｂは、フィラメント５に対する横方向１８からフィラメン トをしっかり押さえるように作動パッド１７を押した状態を示している。図３Ｃ は作動機構５０２（図５に図示）の作用、即ち作動パ ッド１７を左に移動させると、これと一緒に内側カニューレ１４とフィラメント ５の両方が前進し、作動パッド１７の移動距離１９に等しいフィラメント５の長 さが体細胞内に送り込まれていくフィラメントの前進する様子を示す。 図４Ａ及び４Ｂは、フィラメント送り動作の次の段階、即ちフィラメント送り サイクルのリセット段階を示す。この段階では、作動パッド１７をフィラメント ５との接触状態から引き離して、作動パッド１７を元の位置に戻すように、後退 方向４０４、即ち装置の基部方向に移動させる。本発明の好適実施例では、内側 カニューレ１４は、末端方向部分４０８と、基部方向部分４１０を有し、これら 両部分は、その間に間挿したスプリング４１２によって分離されている。内側カ ニューレ１４の末端方向部分４０８を引き戻す方向４０６を後退方向呼ぶ。フィ ラメント送りサイクルのリセット段階では、フィラメント５が体内から引き出さ れるのを摩擦ブレーキ４０２によって防止する。この摩擦ブレーキ４０２は作動 パッド１７から見て基部方向に位置し、内側カニューレ１４の基部方向部分４１ ０内のフィラメント５をしっかり押さえる。本発明による好適実施例では、内側 カニューレの末端方向部分４０８の引き戻しは、圧縮状態になろうとする間挿ス プリング４１２のバネ力によって行われる。従って、フィラメントの送り動作は 、体の組織内にフィラメント５を送り込む際には、単位面積当たりに大きい力を 加え、内側カニューレの末端方向部分４１２を引き戻すのは、間挿したスプリン グ４１２による小さい力で行われる。 図５は、フィラメント送り機構５００の構成要素を分解図の形で示している。 作動機構５０２は、医師がスライダ５０６をスライダガイド５０８の制止部材に 向かって進めるのに使用する親指パッド５０４を含んでいる。医師は親指パッド ５０４の末端方向部分５０ ５を押えて、作動パッド１７（図４Ａ及び４Ｂ）をフィラメント５（図４Ａ）に 接触させ、更に親指パッド５０４を前方に駆動することによって、図３に関して 述べた機械的原理に従って、フィラメント５の所定量をスプール５１０から送り 軸５１２に沿って体内に送ることができる。また、他の実施例では、フィラメン トの前進動作を、当業者の良く知る機械的原理を用いた電動ステッパを用いて行 うこともできる。送りサイクルに於いて、各送り段階で送られるフィラメント量 は、典型的には５ｍｍのオーダーである。しかし、フィラメント送り機構５００ の設計及び調整によって、各送り段階に於ける送り量は、長くも、短くもするこ とができ、事実、どの様な所望のフィラメント長さも、各送り込み段階毎に用意 することができる。次の送りに対して機構をリセットするため、医師は親指パッ ド５０４の基部方向部分５０３を押えて、機構本体５２４に含まれるラチェット ラック５５２から爪５１４を離し、図４Ａ、４Ｂに関して述べた原理に従って、 親指パッド５０５、及び内側カニューレ１４の末端方向部分４０８（図４Ｂ）の 引き戻しを可能にする。作動パッド１７はフィラメント５から離れて保持され、 フィラメントはその前方位置でブレーキ４０２によって保持されているから、そ れまでに体内に送り込まれたフィラメントの長さは、体の組織内にそのまま残る 。 図６は、本発明の好適実施例によるフィラメント送り機構の、末端部先端の断 面を示す図である。もし処置を始める時点で、フィラメント自身の先端６００を 直に体の組織に押し込むと、フィラメントは外側カニューレ１５の先端６０２を 囲む領域に止まらずに、組織バルキング、脈管閉鎖、或いはその他の臨床処置を 目的として意図した局所的フィラメント注入を行わずに、組織を貫通して臨床処 置のために指示した以外の部位を進行してしまう事態が時折発生す ることが分かった。この問題を解決するため、本発明の好適実施例では、先端６ ０２のすぐ近くの外側カニューレに切り抜き窓６０４を設けている。上記のフィ ラメント送り方法又はその他の送り方法によって、フィラメントが前方に駆動さ れると、フィラメントは領域内の開口部、即ち窓６０４方向にだけ歪んで曲がる 。従って、フィラメントは、単位面積当たりの力が組織を切ったり、誤った組織 への貫通を起こすには不十分となるような、十分に大きい領域を組織に与えなが ら、横向きに体の組織に穏やかに入って行く。この方法によって、フィラメント の渦巻き過程が一旦始まると、移植フィラメントは体の目的領域内に滞留する。 外側カニューレの窓６０４を、組織に対するフィラメント適用方向に向けるため 、外側カニューレ１５はその軸に関して一定の漸増角、典型的には４５度の漸増 角で完全に回転可能となっている。外側カニューレは、当業者の良く知る機械的 原理に従って、ボールプランジャ構成によって、その選択方向に保持する。 フィラメントが十分に体内に導入され、必要な組織バルキング又はその他の臨 床目的が達成されたとき、医師は装置を体内から引き出す前にフィラメントのカ ットを行う。従って、本発明によれば、フィラメント注入装置に蓄えているフィ ラメントは、手元で処置に使用すると意図したフィラメント量より長尺のものと なる。従って、所望のフィラメント長さは処置の過程で決められ、患者の体内に 展開された後、カットされる。フィラメントのカッティング方法の一例を図７Ａ 及び７Ｂに示す。本発明の好適実施例では、外側カニューレ１５の穴７０４の中 に停止部材７０２が設けられる。内側カニューレ１４の末端方向部分４１２の末 端７０６は、鋭利なエッジを備えている。従って、十分なフィラメント５が注入 されて、臨床指示されたフィラメント移植７００が行われたとき、内側カニュー レ１４の末端方向部分４１２を停止部材７０２に押しつけて、フィラメント５を カットする。内側カニューレをカッティング停止部材７０２まで進めるには、医 師はトリガ５１８（図５）を作動して、内側カニューレ１４がフィラメントのカ ッティング位置まで進むのを抑えているスライダー停止部材５２０（図５）を解 放しなければならない。他の同等な実施例では、鋭利なエッジは外側カニューレ １６の穴７０４に設け、必要な修正を加えた上で、カッティング停止部材を内側 カニューレ１４の末端方向終端に設けている。この場合も、フィラメントのカッ ティング動作は上記の通りである。また、他の実施例では、カッティング機能は 内側カニューレ１４の填め合い公差（対外側カニューレ）を厳しくして、内側カ ニューレ１４の末端方向エッジ７０６が窓６０４（図６）の末端方向エッジ６０ ６（図６）を通過したときに、フィラメント５をカットするように構成している 。また、内側カニューレ１４を外側カニューレに対して回転させることによって もフィラメント５をカットすることができる。この場合、切断面は内側又は外側 カニューレの一方、又は両方に設けられることは、当業者にとって明らかなこと であろう。 フィラメントをカットするその他の方法を図７Ｃ及び７Ｄを参照して説明する 。図７Ｃに示す本発明の他の実施例では、この明細書で述べる何れのフィラメン ト送り機構とも関連して使用できる導管７０８が送り機構の末端側終端に設けら れる。この導管７０８はその末端側表面７１４に窓７１２を含む回転可能なトル クヘッド７１０を備えている。導管の断面を示す図７Ｄに於いて、導管の基部方 向端部（図示せず）に加えたトルクは、導管７０８を貫通して設けたトルクワイ ヤ７１６を介してトルクヘッド７１０に伝えられ、ヘッドを回転させる。このト ルクヘッド７１０が回転すると、フィラメント５は内蔵した刃７１８によってカ ットされ、体から導管７０ ８を引き出す際には、必要な長さのフィラメント５が体内に残される。また、本 発明による一実施例では、カニューレ７２０を導管７０８を通してフィラメント ５と平行に設け、このカニューレ７２０を介してトルクヘッド７１０のポート７ １４から、流体又はガイドワイヤをフィラメント５が挿入されている体内領域に 導入できるように構成される。 図８はどの様にしてフィラメントが体内組織内を進むかを詳細に示す図である 。針６の先端にある穴２６内で、フィラメントは支柱２４及び２５によって壁に 沿って、それと接する位置に保持される。シャフト２７はヘッド２１と、このヘ ッド２１の先端から僅かに離れたところにチャンネル２２を有している。シャフ ト２７を前進させると、ヘッド２１は部分ピボット２３と接触して、下方に押さ れてフィラメント５に当接する。この状態で、シャフト２７の前進を更に続ける と、ヘッド２１がピボット２３の下を通過する間、フィラメントは前方に押し出 される。更にシャフト２７を前進させると、チャンネル２２がピボット２３と整 列し、シャフト２７はそのバネ力で元の位置に戻り、フィラメント５から離れる 。シャフト２７を引き戻すとき、ヘッド２１はピボット２３に乗って、フィラメ ント５との接触を解き、フィラメント５を誤って引き戻してしまうことを防止す る。ヘッド２１がピボット２３の上からはじけ出て、元の形に戻り、サイクル開 始位置に戻って１サイクルが完了する。 図９はタッチボタンを用いてシャフト２７に周期運動をさせる電気駆動システ ムの概略を示す図である。スイッチ３８を入れると、小型モータ３５への電力が 歯車セット３３及び３５を回転させ、チャンネル３１に設けた連結棒３２を駆動 する。連結棒３２はチャンネル３１の中、又はその近くの点でシャフト２７に取 り付けられる。電源３７はプロセッサ３６に接続され、このプロセッサは体内に 置くフィラメントの質量に関して、“適時性(on-time)”との相関性を示し、追 跡し、制御することができる。このシステムに変えて、シャフトを手動で、或い は機械的に駆動する種々の機械的方法も容易に適用可能であることは、当業者の 認識するところであろう。 図１０は本発明によるシステムの実施例に関するレイアウトを示す図である。 流体制御装置８は、針６の先端を通して容器４３に入れた流体を駆動する。この 流体の主目的は、フィラメントを充填する空間を広げることである。この場合、 流体は、麻酔薬、抗生物質、又はその他の薬物を含んでいても良いが、塩水等の 液体が適当である。また、空間を広げる他の方法として、一時的に風船を膨らま す方法も採れる。更にまた、フィラメント自体を移植して空間を広げることも可 能である。更に、フィラメント注入処理前、又は注入中、或いは注入後に、空間 に内視鏡を入れて、注入フィラメントの位置を確認する。注入ポート１１は容器 ４３に連通している。注入制御装置９は駆動機構４５に取り付けられ、この駆動 機構がシャフト２７に連結する。前述のように、シャフト２７の移動によって、 フィラメント５が前方に駆動される。スプール４１は配送以前のフィラメント５ を蓄え、フィラメント５を送り込む際にはフィラメント源として働く。フィラメ ント５の一部だけが必要な場合には、カッティング制御装置１０を作動してカッ ティング機構４２によってフィラメント５を切ることができる。 図１１Ａは、本発明の装置を用いて、体内の管状構造５２の壁、又は脈管（上 記定義の）を結束した結果の断面を示す図である。この場合、この管状構造５２ は体の如何なる部位であっても良く、例えば尿管、尿道、静脈、動脈、腸、食道 、胃、口咽頭、又は括約筋等であって良い。その他の体の組織５４は管状構造５ ２の壁５３を取り囲んでいる。流れに対する抵抗を増すために、管状構造の両脇 に置かれたフィラメントボール５１は、局部的な薬剤配送又は支持のため場所、 又はバルブのような内部構造を提供する。フィラメントボール５１は、例として 外側の体組織５４内に位置しているが、壁５３の内側又はその近くに位置させる ことも本発明の範囲に属する。 図１１Ｂは、本発明の他の実施例を示し、十二指腸潰瘍、胃潰瘍、又は低位食 道部の消化性潰瘍等の潰瘍処置にフィラメント注入装置１を使用している状態を 示している。導管６は血管５８を囲む潰瘍粘膜５７のクレーター部分５６にフィ ラメント（図示せず）を供給する。血管近傍にフィラメントを挿入することによ って、潰瘍への血流供給を閉止することができる。 図１２は体内に挿入したフィラメントを体内から除去するための本発明による 実施例を示す図である。カニューレ６１は、フィラメントボールの中心に進み、 フック６２が押し込まれる。撚られたフィラメントがフック６２によって捕らえ られるか、又は引っかかれば、フィラメント及び装置を引き出すことができる。 本発明は体の組織のバルキング以外の目的にも使用することができる。特に、 本発明による装置は、縫合、結紮、及び解剖を目的とした縫合糸の配送に使用す ることができる。斯うした使い方では、装置は縫合糸の一つのループを形成する ように進んでは、引き戻される。図１３Ａ−１３Ｃから分かるように、ルース針 ７１を巧みに操る必要無しに、縫合糸を組織７２の中及びその周囲に通すことが できる。図では、針７１はグラスパー（掴み）７３を用いて組織７２に通す。針 が組織を通ったら、フィラメント７４を送ってグラスパー７３で掴み、針を戻す 。フィラメントが望んだように配置されたら、フィラメントをカットし、結び目 を作る。もう一つの使い方を図７Ｃに示す。この図では、針７１を数回挿入して 、連結したル ープ７５を形成し、最後にそれを引っ張って結ぶ。 図１４は、フィラメントの注入に関してこの明細書で述べた目的と同じ目的を 達成するための、本発明の他の実施例による体内に粒子状物質を注入する機構を 示している。此処でもまた、フィラメントの場合と同様に、粒子は現在利用可能 な生体適合性材料、例えば絹、プラスチック、重合体、金属、セル、コラーゲン 、骨、又は、用語“フィラメント”の定義に関連して述べたその他の材料の何れ か一つから出来ているものであればよい。但し、此処に列挙したものに限定され るものではない。フィラメント材料、更に明確に言えば、利用可能な縫合糸用材 料としては、例えばポリグリコール酸（ＰＧＡ）、ポリテトラフルオロエチレン （ＰＴＦＥ）、ＤＡＣＲＯＮ（商標）、ポリプロピレン、ナイロンポリエステル 、絹、ポリブチルエステル、ステンレススチール、チタニューム、クロムガット 、ポリブチルエステル、綿、又は銀の内の一つであればよい。この図には、体８ ７内部に形成された空洞８６に粒子８０が注入されている様子が示されている。 粒子８０は、圧力源によって貯蔵チャンバ８８から押し出される加圧流体６３と 共に、シャフト８１を流下する。次いで、流体は吸引源５８によってチャンネル ８２を介して吸引される。加圧及び吸引源は、手動で作動しても良く、また電気 的に、或いはその他の仕方で制御しても良い。加圧流体としては炭酸ガスのよう な気体であっても良く、又は塩水、ブドウ糖、抗生物質、その他の生体適合剤等 、粒子に不活性に作用してその目的地点への到達を補助したり、又はその他の目 的、例えば抗生物質の保護、一旦目的地点に置いた粒子の活性化、又は一旦目的 地に置いた粒子を保持等を行うものであっても良い。粒子のサイズは、カニュー レ、カテーテル、又は針のシャフトに導入、流下できるサイズであればよい。 図１５Ａ及び１５Ｂは、それぞれ女性患者の下垂した膀胱、及び本発明の実施 例によって移植したフィラメントを用いて下垂状態を直した後の膀胱を示す図で ある。これらの図には、膀胱９１及び膀胱首部９３が恥骨９２、膣９４、子宮９ ５、及び肛門９６に関して図示されている。この実施例によれば、図１５Ｂに示 すように、膀胱首部９３の領域の膀胱を持ち上げるように、フィラメント９９を 組織に移植している。フィラメント９９は、フィラメント配送具９７に取り付け たカニューレ９８を用いて挿入される。このフィラメント配送具９７の詳細につ いては以下に述べる。その他の器官及び組織も同様な技術によって同様に支持又 は位置替えできることが理解されよう。 図１６は、本発明の実施例によるフィラメント移植を用いて血管に形成した塞 栓を示す図である。この図では、フィラメント１０６を血管１０１に挿入して塞 栓を形成している。このフィラメント挿入は、従来の公知の方法で、先ず適当な ガイドワイヤ１０３を配置することから始める。カテーテル１０２はカッター１ ０４及び横穴１０５を備え、この穴からフィラメントを送出する。適当な長さの フィラメントを血管１０１に移植した後、カッター１０４を用いてカテーテルの フィラメント送出点でフィラメントをカットし、カテーテル及びガイドワイヤを 引き上げる。これと同様な技術は、他の組織に於ける流出又は漏洩を止めるのに 利用できる。 図１７は、本発明の実施例よる移植フィラメントを充填した動脈瘤を示す図で ある。図に於いて、フィラメント１０６は血管１０１に出来た動脈瘤を充填する のに使用される。フィラメント挿入は、ここでもまたガイドワイヤ１０３を利用 し、それに従ってカテーテル１０２が挿入される。カテーテル１０２は、その横 穴から送出されるフィラメントを搬送し、所望の長さのフィラメントが移植され た後、カッター１０４によってをカットされる。 図１８Ａから図２６Ｂはフィラメント移植のため、所望の経路に沿ってフィラ メントを移動させる本発明による種々のフィラメント送り機構の実施例を示す。 これら実施例は、カテーテルを通してフィルタを送る機関を備え、種々のフィラ メント配送具と組み合わせ可能であるのが望ましい。この配送具は、その一形式 として、フィラメントスプール又はカートリッジ、フィラメント送り機関、カテ ーテル又はその他のフィラメント挿入具の装着部を含む完全なハンドヘルドユニ ット形に形成される。このユニット全体は使い捨て可能であるか、又はオートク レーブ、又はその他の手段による殺菌消毒に耐える特徴を備えている。同様に、 フィラメントカセット、又はスプールと共にフィラメント送り機関を第１ケース に収め、そのケースを机に置くか、又は都合の良い位置に懸架又は載置して使用 する。これも本発明の範囲に入るものである。この場合、施術位置にフィラメン トを搬送する使い捨てカニューレは、ケースに取り付けられる。カニューレは適 当なハンドルに取り付けられ、その構造及び先端部を制御する。カニューレ、ハ ンドル、及び先端部は全て使い捨て可能か、又は殺菌消毒可能なものとして形成 される。フィラメント送り機関は、モータ駆動、又は手動に構成される。手動駆 動の場合、装置に対する駆動力はハンドルに設けた引き金又はレバーを連続的に 引いて駆動する。その引き方の程度によってフィラメント送りの程度が調整され る。 上述のように、フィラメントは適当な重合体、例えばナイロン、ポリブチルエ ステル、又はポリプロピレン等による単一フィラメントとして形成される。また 、これに代わって、それらに撚りを掛けた状態としたものでも良い。撚りを掛け たフィラメントの場合、また単一フィラメントのある種のものでは、それらの柔 軟性がカニュ ーレの中でさえも、その送りを困難にする。従って、本発明の実施例では、適当 な硬化剤によってフィラメントを処理する。典型的には、この処理はフィラメン トを配送具に設置する前に行う。この硬化剤としては澱粉等の吸収性の材料で出 来ているのが好ましいが、必要な硬さを提供し、組織を刺激することのない他の 材料を使用することも、本発明の範囲に属する。フィラメントの硬さは、その状 態に於ける温度効果、例えば重合体又はその他の材料の温度依存特性を使用する ことによって変化することは、当業者の良く知るところである。 フィラメントはスプール又はその他好都合な形で配送具に用意されるが、この 点で注意しなければならいことは、典型的には多くのフィラメント材料は、形状 記憶をもっていて、フィラメントがスプールに巻かれていたときの状態が、配送 具から送出されるときのみならず、配送部内を進行するときの状態にさえ影響を 与える点である。従って、フィラメントの巻き取りは、手元に置ける特定の移植 処置に適した特性を備えるように計画した巻き方にするのがよい。例えば、小さ な容積にフィラメントをぎっしり詰めたい場合、直径の小さいスプールにフィラ メントを巻いて、それをスプールに巻いたまま熱してスプールの小さな半径を記 憶させる。次いで、フィラメントを配送具に挿入するため別のスプールに巻き直 さなければならない場合でさえ、この小さい半径は記憶に残されていることに注 意されたい。フィラメントの殺菌消毒は、それをスプールに巻いた後でも勿論可 能である。 図１８Ａ及び１８Ｂはフィラメントに対称的に当接する一対のコンベヤベルト を利用したフィラメント送り機構を示す図である。図に於いて、コンベヤ１２１ 及び１２２はフィラメント１２３に当接する。ベルトは一以上のプーリ１２４に 載置され、このプーリによ って駆動される。フィラメント１２３は入力導管１２６を介して供給され、束に なるのを防止するため、一対のベルトからフィラメントが出てくる位置近くに設 けた出力導管１２５に入る。出力導管１２５の外径は、出力導管１２５とコンベ ヤベルト１２１及び１２２との間を極力近づけるように小さくする。 図１９は、遊び車によってフィラメントを駆動歯車に当接させて、フィラメン ト移動を行うフィラメント送り機構の実施例を示す図である。図に於いて、駆動 歯車及び遊び車はそれぞれ参照番号１３１及び１３２によって指示さ、入力導管 １２６及び出力導管１２５も図示されている。出力導管１２５の外径は、出力導 管１２５と、駆動歯車１３１及び遊び車１３２との間を極力近づけるように小さ くする。 図２０は、図１９と同様に、遊び車によってフィラメントを駆動歯車に当接さ せるが、ここでは、駆動歯車の半径とほぼ同じ弧状表面を有するガイドがフィラ メントを駆動歯車に接触させて、フィラメント移動を行うフィラメント送り機構 の実施例を示す。図中、参照番号１４１はガイドを示し、このガイドは入力導管 １２６を代行する。この構成の利点は、駆動歯車１３１に当接するフィラメント の長さを増加するため、駆動歯車１３１によるフィラメントのより良好な牽引が 確保される。 図２１Ａ及び２１Ｂは、図１９と同様に、遊び車１３２によってフィラメント を駆動歯車１３１に当接させるが、このときの遊び車１３２はソフトな遊び車で あるフィラメント移動を行うフィラメント送り機構の実施例を示す。 図２２は、管状ガイドによってフィラメントを駆動歯車に当接させて、フィラ メント移動を行う実施例を示す。図に於いて、駆動歯車１３１は管状ガイド１３ １に形成されたスロットを介して動作す る。この実施例の利点は、入力及び出力導管が完全に合体されている点にある。 図２３Ａ及び２３Ｂは、遊びベルトによってフィラメントを駆動車に当接させ て、フィラメント移動を行う実施例を示す。図中、プーリ１７２の周囲に配置し たベルト１７３に当接するフィラメント１２３が、駆動車１７１に更に当接して いる状態が示されている。フィラメントは出口導管１２５を介して送出される。 図２４Ａから２４Ｅは、周期的に作動する指状クランプ部材と関連して、軸方 向に往復運動する一対の管状部材を利用し、その中を通るフィラメントの移動を 行う実施例を示す。これらの図に於いて、管状部材１８１及び１８２は、スリー ブ１８５内で動作する。管状部材１８１は送り動作の間、フィラメントを搬送し ながらスリーブ１８５内部を移動する。リセット動作時には、フィラメント１２ ３は指状クランプ１８６によってその後退動作を止められている。図２４Ａは、 管状部材１８１が、そのストロークを完全に移動した状態を示している。図２４ Ｂは指状クランプ１８６の先端１８７が、スライドアーム１８８の作用によって チャンネル１８９内のフィラメントから離れた状態を示している。フィラメント から指状クランプ１８６が離れたことによって、管状部材１８１は、フィラメン トの左方向への移動を伴わずに、スリーブ１８５内を左にむっかって軸方向にス ライドできる状態になる。管状部材１８１とカム１８８を備えた指状クランプ１ ８６からなる構体が完全に元に戻った状態を図２７Ｃに示す。図２４Ｄは、指状 クランプ１８６の先端１８７をフィラメント１２３に当接させながら、カム１８ ８を右方向にスライドさせた状態を示している。斯うして、管状部材と指状クラ ンプからなる構体は、図２４に図示のように右方向に進むことができる。管状部 材１８１及び１８２の終端間に於けるフィラメント１ ２３の形を保つために、スリーブ１８５内にスプリング１８３が設けられる。こ れらのスプリングはフィラメントの周囲を囲んで、フィラメントの長さに沿う力 の伝達を妨害するフィラメントの弛みを減少するように作用する。図２４は、図 ２４Ａから２４Ｄに示した構体を９０度回転したときの図である。この図から分 かるように、スライドカム１８８は、タブ１８８ａのところで往復運動力を受け る。スロット１８８ｂはカムの一部に形成され、これを介して管状部材１８１に しっかりと結合されたポスト１８１ａ及び１８１ｂが突出している。従って、カ ムを右方向に駆動し、ポスト１８１ａがスロット１８８ｂの最左端に当たると、 タブ１８８ａで与えられる力によって、管状部材１８１は右に移動する。ポスト １８１ｂがスロット１８８ｂの最右端に出会うと、管状部材１８１は左方向に移 動する。この構成によって、タブ１８８ａに於けると同じ往復運動力が、カム１ ８８と管状部材１８１の両方を駆動する。他の実施例で示すように、管状部材１ ２３がその完全な前進位置から引き戻す力を受けるときには、フィラメント左方 向への移動に対して僅かに抵抗が掛かるようにした適当な構成を採ることが必要 であり、又望ましい。 図２５Ａから２５Ｅは、図２４Ａから２４Ｅに図示の実施例と同様ではあるが 、この場合、図２４Ａから２４Ｅに図示のコイルスプリングは、管状部材の補足 咬合延長部によって置き換えられる。この実施例では、管状部材１８１は延長部 １９１を含み、管状部材１８２は延長部１９２を含む。図２５Ａから２５Ｅの場 合のフィラメントの送りストロークは、図２４Ａから２４Ｅに関連して説明した ストロークに対応する。図２５Ｃから分かるように、管状部材１８１及び１８２ が離れたとき、フィラメント１２３のある程度の案内は、管状部材１８１及び１ ８２それぞれの延長部１９１及び１９２ によってまかなわれる。図には、延長部１９１及び１９２の対を、一対しか示し ていないが、管状部材１８１及び１８２が完全に前進したときに、複数の延長部 が互いに合わさって単一導管の効果を示し、また、管状部材が離れたときには、 複数の延長部が管状部材の各端部に現れてフィラメントを支持するように、管状 部材１８１及び１８２それぞれに、複数対の延長部を設けることも本発明の範囲 に属するものである。 図２６Ａ及び２６Ｂは、各ストロークの対向端で交互に開閉する間に、軸方向 に往復運動をする一対のアームを利用してフィラメントの移動を行う実施例を示 す。図に於いて、アーム２０１及び２０２はそれぞれ、フィラメント１２３を狭 持する先端２０３及び２０４を含んでいる。カム構体２０５は、アーム２０１及 び２０２、したがって先端部２０３及び２０４を連続的に開閉するように構成さ れている。また、カム構体２０５はアーム構体が左右方向、即ちフィラメント１ ２３の長さ方向に往復運動できるように構成されている。更に、カム構体２０５ はアーム構体がその最左端位置でフィラメント１２３をその先端部２０３及び２ ０４を掴み、その最右端位置に到達するまでフィラメントを掴み続け、この位置 に到達したとき、アーム構体を開いてフィラメント１２３を掴んでいる先端部２ ０４及び２０３を解放するように構成されている。図２６Ａ及び図２６Ｂには、 フィラメントを構成する材料のスプール２０７と、フィラメント１２３が先端部 ２０４及び２０３から出た後に、辿る出力導管とが示されている。出力導管２０ ７のチャンネルには、歯止め２０６が突出している。この歯止め２０６は、フィ ラメントの前進運動（図の右方向への運動）に対しては殆ど抵抗を示さないが、 フィラメントの後退運動にはかなりな抵抗を示すように、傾斜して設けられてい る。フィラメント１２３を引き戻したいときには、ア ーム２０１及び２０２を開いて、スプール２０７を巻き戻すように作動させる。 この場合、歯止め２０６は随意にフィラメントから離れるようにする。これに代 えて、クラッチ装置を介してスプール２０７を逆駆動し、二つのアームを構成す る前進機構を逆に作動させても良い。 上記のフィラメント送り機関の場合、多くのパラメータをモニタすることがで きる。例えば、フィラメントスプールの回転数、スプールから繰り出されるフィ ラメントの（直接）長さ、往復運動又はフィラメント移動に関連した駆動動作の 数をモニタすることが可能である。滑りが起きているかどうかを判断するために 、駆動動作を実際のフィラメントの移動に一致させることが出きる。もし、「滑 り有り」と判断されると、アラーム状態に入って適当な補正処置が執られる。 図２７Ａから２７Ｄは、フィラメントを搬送するカニューレ先端に近い領域に 、同心配置の部材と、この両部材に開けた窓とを利用したフィラメントのカッテ ィング構造を設け、これを通して置かれたフィラメントをカットする本発明の実 施例を示す。 図２７Ａ及び２７Ｂは、内側部材に関して外側部材を基部方向に引いてフィラ メントカットを行う実施例を示す。図２７Ａには外側部材２１３に関連する内側 部材２１２が示されている。フィラメント２１１は内側部材２１１の穴の中を搬 送されてきて、窓２１４に出てくる。図２７Ｂに於いて、外部部材２１３を内部 部材２１２に関して基部方向に引くと、外部部材２１３のエッジ２１４が内部部 材２１２のエッジ２１５を通過することからカッティング作用が発生し、エッジ ２１４と２１５の交差時点でフィラメント２１１がカットされる。内外部材２１ ２及び２１３の相対運動によって外部部材の窓２１６は、内部部材の窓２１４と 一致しなくなる。エッジ２ １４及び２１５の形状は種々の形に設計できる。図２７Ａ及び２７Ｂでは、エッ ジ２１４は傾斜成形され、エッジ２１５は直線成形されている。これに代わって 、エッジ２１４を直線成形し、エッジ２１５を傾斜成形しても良い。事実、窓２ １４及び２１６が共に直線成形され、特にこれら窓が交差する際に、外側部材２ １３が基部方向に向かって移動するとき、エッジ２１４及び２１５が螺旋状に移 動しながら交差する場合、良好なカッティング作用は生れる。 図２８Ａ及び２８Ｂは、内側部材に関して外側部材を末端方向に押してフィラ メントカットを行う実施例を示す。図示の設計構成は図２７Ａ及び２７Ｂに図示 のものと同じである。外部部材２２１を末端方向に押すことによって、外側部材 ２２１の傾斜形成したエッジ２２２は、内側部材２１２の直線形成したエッジ２ ２３を通過して、フィラメント２１１をカットする。同様に、エッジ２２３を傾 斜成形し、エッジ２２２を直線成形しても良く、両者を傾斜成形しても良く、又 は両者とも傾斜成形にしなくても良い。 図２９Ａ及び２９Ｃは、内側部材と外側部材を互いに回転してフィラメントカ ットを行う実施例を示す。外側部材２３１は内側部材２１２の周囲を回転するこ とが出来、窓から出たファイバー２１１をカットする。回転の効果は、図２９Ａ のＢＢ線に沿って取った断面図２９Ｂ及び２９Ｃから理解できる。回転の効果は と外側部材２３１のエッジ２３３と内側部材２１２のエッジ２３４とによってフ ィラメント２１１をスライスする点である。 図３０Ａから３０Ｄは、上記形式のカッティング構造を有する先端を適当な窓 との関連に於いて使用し、本発明を適用する患者の体の組織にフィラメント末端 による不適当な圧力が掛からないようにする方法を示す。図３０Ａから３０Ｄは 、図２８Ａ及び２８Ｂに関して図示し、説明したものと同様な押圧式カッター構 造を示してい る。従って、傾斜成形したエッジ２２２を有する外側部材２２２と内側部材２１ ２が設けられている。窓２４３は内側部材に設けられ、此処からフィラメント２ １１のループが出られるようになっている。フィラメントの終端は、内側部材２ １２の先端２４１近くの領域２４２に適当に捕らえれられる。上記の適当な実施 例によるフィラメント送り機関を用いると、フィラメントはその終端は先端部２ ４１近くに当接させたまま、窓２４３を出口にして其処からから出ていく。この 方法の利点は、フィラメントのループはフィラメントの自由端に比べて、組織に 加える圧力が少なく、周囲組織に外傷を与える危険が減少する。組織にフィラメ ントを送る過程で、フィラメントの終端は最終的には先端部領域２４２から離れ る。しかし、この時点で、フィラメント長さの実質的な部分が既に存在している ため、フィラメント終端に於ける運動力は劇的に低減される。フィラメント２１ １の所望量を移植した後、外側部材２２１はフィラメント２１１のカットに使用 される。それ故、図３０Ｃに示すように、フィラメントカットは外側部材２２１ を末端方向に移動することによって始まる。図３０Ｄに於いて、フィラメント２ １１をカットし後、フィラメントを更に送れば、その終端は再び先端部領域２４ ２に当接することが分かる。従って、もし必要ならば、外側部材２２１を引き戻 して窓２４３を再び開放すれば、新たな処理が始められる。 フィラメント出口窓２４３のサイズは所望の移植及び使用するフィラメントの 特性を考慮して選択するのがよい。例えば、もし材料を非常に小さい領域に集中 させなければならなかったり、又はフィラメントが極めて柔軟であったりした場 合には、小さい窓が適当であり、他方、もし大きな領域を処置したり、或いはよ り硬性のフィラメントを使用する場合には、大きい窓が必要になるだろう。 一般に、ここに述べるフィラメント移植のために使用するカニューレに関連し て、ガイドワイヤを利用する場合は、ガイドワイヤはカニューレの別の穴で利用 される。しかしこれに代わって、ガイドワイヤとフィラメントの両方を共通の穴 で使用する場合も、本発明の範囲に属するものである。 図３１Ａ及び３１Ｂ、及び図３２Ａ及び３２Ｂは、図２６Ａ及び２６Ｂの実施 例に類似の実施例に適用可能な構成を示す。この構成に於いて、フィラメント挿 入用カニューレは、取付け具２５１に取り付けられ、フィラメントカッターを作 動するハンドル２５３も設けられている。ケーブル構体２５４は本体２５５に着 脱自在に取り付けられ、回転電力を供給する。ノブ２５２は内蔵したフィラメン トスプールに結合している。 本発明による上記実施例は単なる例示であり、数多くの変形及び修正が可能で 合うことは当業者にとって明らかである。斯かる全ての変形及び修正は、添付請 求の範囲に記載の通り、本発明の範囲内に於いて意図されるものである。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，Ｌ Ｕ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ， ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，Ｓ Ｚ，ＵＧ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＺ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＥ，ＨＵ，Ｉ Ｌ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＫ ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ， ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，Ｒ Ｕ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＺ，ＶＮ (72)発明者 ビダル，クラウド アメリカ合衆国，カリフォルニア 93111, サンタバーバラ，サン パトリシオ ドラ イブ 5426 (72)発明者 バンクス，トーマス エフ. アメリカ合衆国，カリフォルニア 93110, サンタバーバラ，ビア ルセロ ＃ ３ 4002 (72)発明者 レドモンド，ラッセル ジェイ. アメリカ合衆国，カリフォルニア 93117, ゴレタ，ノース フェアビュー アベニュ ー 1148

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．患者の組織特性を修正する方法であって、この方法は： ａ．所要量のフィラメントを用意する段階と； ｂ．患者の体に施術用開口を開ける段階と； ｃ．前記開口を介して前記組織近傍の領域にフィラメントを挿入する段階と； ｄ．前記組織特性を修正するように、前記領域にフィラメントを局所配置する 段階とを含むこと特徴とする方法。 ２．前記特性は、組織の質量、容積、配向性、柔軟性、弾力性、及び透過性の 少なくとも一つを含む請求項１に記載の方法。 ３．患者組織のバルキングを行う方法であって、この方法は： ａ．所要量のフィラメントを用意する段階と； ｂ．前記組織近傍の領域にフィラメントを挿入する段階と； ｃ．前記組織のバルキングを達成するように、前記領域にフィラメントを局所 配置する段階と含むを特徴とする方法。 ４．前記フィラメント挿入段階は内視鏡を用いてフィラメントを導入する段階 を含む請求項３に記載の方法。 ５．前記フィラメント挿入段階は腹腔鏡を用いてフィラメントを導入する段階 を含む請求項３に記載の方法。 ６．フィラメントが占有する領域を広げるために前記施術用開口を介して組織 に流体を供給する段階を更に含む請求項３に記載の方法。 ７．脈管中の肉体を構成する物質の流れに対する抵抗を増加するために脈管の 壁部を接合する方法であって、この方法は： ａ．所要量のフィラメントを用意する段階と； ｂ．前記脈管の壁の近傍領域にフィラメントを挿入する段階とを 含むとを特徴とする方法。 ８．患者の脈管を閉塞する方法であって、この方法は： ａ．所要量のフィラメントを用意する段階と； ｂ．前記脈管にフィラメントを挿入する段階と； ｃ．前記脈管を閉塞するように所定領域にフィラメントを局所配置する段階と を含むとを特徴とする方法。 ９．前記所要量のフィラメントを用意する段階は、所定の形状を持つようにフ ィラメントを仕立てる段階を更に含む請求項８に記載の方法。 １０．前記所要量のフィラメントを用意する段階は、凝固性化合物によってコ ートしたフィラメントを用意する段階を更に含む請求項８に記載の方法。 １１．患者の妊娠を防止する方法であって、この方法は： ａ．所要量のフィラメントを用意する段階と； ｂ．患者の卵管近傍の領域にフィラメントを挿入する段階と； ｃ．卵管を閉塞するように前記領域にフィラメントを局所配置することを特徴 とする方法。 １２．患者を断種する方法であって、この方法は： ａ．所要量のフィラメントを用意する段階と； ｂ．患者の精管近傍の領域にフィラメントを挿入する段階と； ｃ．精管を閉塞するように前記領域にフィラメントを局所配置することを特徴 とする方法。 １３．血管から血液供給される潰瘍を固まらせる方法であって、この方法は： ａ．所要量のフィラメントを用意する段階と； ｂ．前記血管の近傍領域にフィラメントを挿入する段階と； ｃ．潰瘍への血流供給を停止するように前記領域にフィラメント を局所配置する段階とを含むとを特徴とする方法。 １４．前記フィラメントを用意する段階は、フィラメントに少なくとも一つの 治療剤を事前に付加する段階を更に含む請求項１３に記載の方法。 １５．前記フィラメントを用意する段階が、導電性フィラメントを用意する段 階を更に含むと共に、このフィラメントに無線周波数を有するエネルギーを加え て、フィラメントを加熱する段階を更に含む請求項１３に記載の方法。 １６．体内にフィラメントを挿入する方法であって、この方法は： ａ．形状記憶性の端部を有するフィラメントを用意する段階と； ｂ．患者の体に施術用開口を開ける段階と； ｃ．前記開口を介してフィラメントを挿入する段階と； ｄ．前記フィラメント端部にそれが記憶した形をとらせるを段階とを含むこと 特徴とする方法。 １７．動脈瘤空洞を持つ大動脈瘤を処置する方法であって、この方法は： ａ．経皮的にステントグラフトを配する段階と； ｂ．所要量のフィラメントを用意する段階と； ｃ．動脈瘤空洞を固めるように、動脈瘤領域にフィラメントを局所配置するこ とを特徴とする方法。 １８．患者の出血性食道静脈瘤を処置する方法であって、この方法は： ａ．所要量のフィラメントを用意する段階と； ｂ．前記出血性静脈瘤の近傍領域にフィラメントを挿入する段階と； ｃ．前記出血性静脈瘤を閉塞するように前記領域にフィラメント を局所配置することを特徴とする方法。 １９．前記フィラメントを用意する段階は、フィラメントに少なくとも一つの 治療剤を事前に付加する段階を更に含む請求項１３に記載の方法。 ２０．前記フィラメントを用意する段階が、導電性フィラメントを用意する段 階を更に含むと共に、このフィラメントに無線周波数を有するエネルギーを加え て、フィラメントを加熱する段階を更に含む請求項１８に記載の方法。 ２１．悪性組織を有する患者に化学治療を施す方法であって、この方法は： ａ．少なくとの一つの治療剤を事前に付加したフィラメントを所要量用意する 段階と； ｂ．このフィラメントを悪性組織近傍の領域に挿入する段階と； ｃ．前記領域にフィラメントを局所配置する段階とを含むことを特徴とする方 法。 ２２．患者に薬剤を投与する方法であって、この方法は： ａ．所要量のフィラメントを用意する段階と； ｂ．少なくとの一つの治療剤を事前にフィラメントに付加する段階と； ｃ．患者の体内にフィラメントを挿入する段階とを含むことを特徴とする方法 。 ２３．患者の体内で生化学的反応を促進させる方法であって、この方法は： ａ．必要な触媒特性を有するフィラメントを所要量用意する段階と； ｂ．このフィラメントを体内に挿入する段階とを含むことを特徴とする方法。 ２４．生体化学的過程をモニタする方法であって、この方法は： ａ．所要量のフィラメントを用意する段階と； ｂ．少なくとも一つの診断用薬剤をフィラメントに付加する段階と； ｃ．このフィラメントを患者の体内に挿入する段階と； ｄ．前記薬剤の応答をモニタする段階とを含むことを特徴とする方法。 ２５．患者の出産制御を行う方法であって、この方法は： ａ．所要量のフィラメントを用意する段階と； ｂ．少なくとも一つの避妊薬を事前にフィラメントに付加する段階と； ｃ．このフィラメントを患者の体内にす挿入する段階とを含むことを特徴とす る方法。 ２６．患者の細胞成長を支持する方法であって、この方法は： ａ．所要量のフィラメントを用意する段階と； ｂ．このフィラメントを患者の体内に挿入する段階と； ｃ．格子を形成するように、網目組織状にフィラメントを局所配置する段階と ； ｄ．格子内に細胞を成長させる段階とを含むことを特徴とする方法。 ２７．患者の体内に対するフィラメント挿入に関連して、患者の体内に流体を 注入する段階を更に含む上記請求項の何れか１項に記載の方法。 ２８．組織を縫合する方法であって、この方法は： ａ．所要量のフィラメントを用意する段階と； ｂ．先端部を有する中空シャフトに、フィラメントの端部を挿入する段階と； ｃ．前記中空シャフトを組織に挿入する段階と； ｄ．前記中空シャフトに沿ってフィラメントを送り込む段階と； ｅ．組織を方々するように結束する段階とを含むことを特徴とする方法。 ２９．上記（ａ）、（ｂ）、及び（ｃ）の段階で使用する中空シャフトは縦軸 を有すると共に、その先端部は組織内でフィラメントが容易に曲線経路を取れう よう、軸から離れるように変形している請求項２９に記載の方法。 ３０．患者の組織特性を修正する方法であって、この方法は： ａ．所要量のフィラメントを用意する段階と； ｂ．先端部を有する中空シャフトに、フィラメントの端部を挿入する段階と； ｃ．少なくとも組織の一部を含む領域に中空シャフトを挿入する段階と； ｄ．前記中空シャフトに沿ってフィラメントを送り込む段階と； ｅ．組織の特性を修正するように前記領域にフィラメントを局所配置する段階 とを含むことを特徴とする方法。 ３１．少なくともシャフトの一部は通路を含み、前記段階（ｂ）はこの通路を 通してフィラメントを送る段階を含む請求項３０に記載の方法。 ３２．組織に麻酔剤を送る方法であって、この方法は： ａ．所要量のフィラメントを用意する段階と； ｂ．少なくとも一つの液状麻酔剤を事前にフィラメントに付加する段階と ｃ．先端部を有する中空シャフトに、フィラメントの端部を挿入する段階と； ｄ．少なくとも組織の一部を含む領域に中空シャフトを挿入する 段階と； ｅ．この中空シャフトに沿って組織中にフィラメントを送る段階とを含むこと を特徴とする方法。 ３３．前記フィラメントは所要長さの縫合糸である上記請求項の何れか１項に 記載の方法。 ３４．患者の体内に所望の長さのフィラメントを残すようにしてフィラメント を切断する段階を更に含む上記請求項の何れか１項に記載の方法。 ３５．フィラメントの切断段階は、臨床処置の間にフィラメント所望長さの決 定を含む請求項３４に記載の方法。 ３６．体の脈管にステントを送る方法であって、この方法は： ａ．シャフトに前もってステントを配する段階と； ｂ．脈管にシャフトを挿入する段階と； ｃ．フィラメントの前をステントが進むようにして、シャフトに沿ってフィラ メントを送る段階と； ｄ．フィラメントを引き出す段階とを含むことを特徴とする方法。 ３７．患者の組織特性を修正する方法であって、この方法は： ａ．所要量の特定の形を有する縫合材料を用意する段階と； ｂ．縫合懸濁液を作るため、液状キャリヤに縫合材料を懸下する段階と； ｃ．患者の体に施術用開口を開ける段階と； ｄ．この施術用開口を介して、少なくとも組織の一部を含む領域に前記縫合材 懸濁液を挿入する段階とを含むことを特徴とする方法。 ３８．前記特性は、組織の質量、容積、配向性、柔軟性、弾力性、及び透過性 の少なくとも一つを含む請求項３７に記載の方法。 ３９．体の指定位置からフィラメントを除去する方法であって、この方法は： ａ．指定位置に中空シャフトを挿入する段階と； ｂ．シャフトのフックをフィラメントに掛ける段階と； ｃ．フィラメントを中空シャフトを介して引き抜く段階とを含むことを特徴と する方法。 ４０．患者の体の指定位置に、所定の直径を有するフィラメントを挿入する装 置であって、この装置は： ａ．軸、内壁、指定位置に挿入する末端方向端部及び基部方向端部を有する導 管と； ｂ．フィラメントが前記軸に沿って進み、前記末端方向端部から所定の位置に 出るようにフィラメントを漸増的に供給すると共に、フィラメント直径の３倍よ り長い長さを持つ全てのフィラメント部分にわたって支持を設けたフィラメント 送り機構とを含むことを特徴とする装置。 ４１．患者の体の指定位置に、所定の直径を有するフィラメントを挿入する装 置であって、この装置は： ａ．軸、内壁、指定位置に挿入する末端方向端部及び基部方向端部を有する導 管と； ｂ．フィラメント直径にほぼ対応する内径を持った内側カニューレと； ｃ．この内側カニューレの軸方向運動を可能にする載置構造と； ｄ．この内側カニューレを駆動して、上記載置構造に関して前進及び後退運動 からなる軸方向往復運動をさせる作動機構とを含むことを特徴とする装置。 ４２．内側カニューレの内径はフィラメント直径にほぼ等しい請求項４１に記 載の装置。 ４３．前記載置構造は、内側カニューレの外側に同軸に配置される外側カニュ ーレを含む請求項４１に記載の装置。 ４４．前記送り機構は、内側カニューレの前進運動に同期してフィラメントを 掴むグリッパを更に含む請求項４１に記載の装置。 ４５．前記送り機構は内側カニューレの後退運動の間、フィラメントを保持す る第１のグリッパとは非同期に作用する第２のグリッパを更に含む請求項４１に 記載の装置。 ４６．前記送り機構は内側カニューレの後退運動の間、フィラメントを保持す るブレーキを更に含む請求項４１に記載の装置。 ４７．内側カニューレは別個に設けた末端方向部分と基部方向部分とを含む請 求項４１に記載の装置。 ４８．内側カニューレの末端方向部分の後退運動の間、内側カニューレの基部 方向部分に向かって、内側カニューレの末端方向部分を引き戻すスプリングを更 に内蔵する請求項４１に記載の装置。 ４９．前記載置構造は体の組織を貫通する先端部を含む請求項４１に記載の装 置。 ５０．前記載置構造は、この構造の先端部に対して基部方向に配置され、末端 方向エッジを有し、体の指定位置にフィラメントを送り出す窓を更に含む請求項 ４１に記載の装置。 ５１．前記導管の軸に対して、選択した方位角に前記載置構造を保持する回転 構造を更に含む請求項４１に記載の装置。 ５２．患者の体の指定位置に、所定の直径を有するフィラメントを挿入する装 置であって、この装置は： ａ．軸、内壁、指定位置に挿入する末端方向端部及び基部方向端部を有する導 管と； ｂ．フィラメント接する複数のコンベヤベルトと； ｃ．このコンベヤベルトを駆動する少なくとも一つのプーリとを 含むことを特徴とする装置。 ５３．患者の体の指定位置に、所定の直径を有するフィラメントを挿入する装 置であって、この装置は： ａ．軸、内壁、指定位置に挿入する末端方向端部及び基部方向端部を有する導 管と； ｂ．フィラメントを送る歯車と； ｃ．この歯車にフィラメントを当接させ、保持する遊び車とを含むことを特徴 とする装置。 ５４．患者の体の指定位置に、所定の直径を有するフィラメントを挿入する装 置であって、この装置は： ａ．軸、内壁、指定位置に挿入する末端方向端部及び基部方向端部を有する導 管と； ｂ．導管の壁にフィラメントを当接するように保持する第１及び第２の支柱と ； ｃ．曲点から下方に向かうヘッドと、このヘッドに対して基部方向に配置した チャンネルとを有し、導管の壁に沿って配置した往復運動をするシャフトと； ｄ．導管の軸に対しては直交する方向に、そいてシャフトのヘッドから見て末 端方向に配置されて、ヘッドがフィラメントに当接するように力を加える部分ピ ボットと； ｅ．往復運動をするシャフトのチャンネルが部分ピボットと整列し、ヘッドが 元の位置に戻ってフィラメントから離れるまで、フィラメントを組織内に送るよ うに、フィラメントを送り方向にシャフトを駆動する駆動機構とを含むことを特 徴とする装置。 ５５．導管は剛性、半剛性、又は柔軟性のある管状構造を持っている請求項４ ０、４１、５２から５４の何れか１項に記載の装置。 ５６．請求項４０、４１、５２から５４の何れか１項に記載の装 置は： ａ．流体を受ける入り口と； ｂ．所定の位置に向かって流体を流すチャンネルと； ｃ．このチャンネルへの流体注入を調整する流体制御装置とを更に含む装置。 ５７．前記チャンネルは指定位置に挿入される導管と同一である請求項５６に 記載の装置。 ５８．請求項４０、４１、５２から５４の何れか１項に記載の装置は、フィラ メントをその送り装置に供給する前に、貯蔵しておく貯蔵装置を更に含む装置。 ５９．前記貯蔵装置はスプールである請求項５８に記載の装置。 ６０．請求項４０、４１、５２から５４の何れか１項に記載の装置は、指定位 置からフィラメントを引き戻す巻き戻し機構を更に含む装置。 ６１．体内の指定位置に送られたフィラメント長さを追跡するカウンタを更に 含む請求項４０、４１、５２から５４の何れか１項に記載の装置。 ６２．請求項４０、４１、５２から５４の何れか１項に記載の装置は、フィラ メントカッターを更に含む装置。 ６３．前記フィラメントカッターは： ａ．導管の末端方向端部に隣接して配置され、導管の軸と一致する回転軸と、 この軸から離れて位置し、体の指定位置にフィラメントを送る窓とを有する回転 ヘッドと； ｂ．少なくとも導管の末端方向端部及び回転ヘッドの何れかに配置され、回転 ヘッドの回転によってフィラメントをカットするカット面と； ｃ．回転ヘッドをその回転軸の周りに回転させる手段とを含む請 求項６２に記載の装置。 ６４．前記回転ヘッドの回転手段は導管の軸に沿って配置されたトルクワイヤ である請求項６３に記載の装置。 ６５．請求項４１に記載の装置はフィラメントカッターを更に含み、このフィ ラメントカッターは： ａ．前記載置構造の末端方向端部に対して基部方向にある載置構造ないに配置 される停止部材と； ｂ．少なくとも内側カニューレと停止部材の何れかに配置され、停止部材に対 する内側カニューレの運動によってフィラメントをカットする鋭利なエッジを含 む装置。 ６６．請求項５０に記載の装置は、内側カニューレが前記載置構造の窓の末端 方向エッジを通過するように内側カニューレを駆動して、フィラメントをカット する駆動機構を更に含む装置。 ６７．請求項４０、４１、５２から５４の何れか１項に記載の装置は、モータ 又繰り返しサイクル運動する送り機構を更に含む装置。 ６８．患者の体の指定位置に、所定の直径を有するフィラメントを挿入する装 置であって、この装置は： ａ．軸、内壁、指定位置に挿入する末端方向端部及び基部方向端部を有する導 管と； ｂ．フィラメントが末端方向端部から送り出すように、導管の軸に沿ってフィ ラメントを供給する送り機構と； ｃ．フィラメントをカットするフィラメントカッターとを含むことを特徴とす る装置。 ６９．患者の体の指定位置に、所定の直径を有するフィラメントを挿入する装 置であって、この装置は： ａ．軸、内壁、指定位置に挿入する末端方向端部及び基部方向端 部を有する導管と； ｂ：フィラメントを末端方向端部から送り出すように、導管の軸に沿ってフィ ラメントを連続的に供給する送り機構と； ｃ．フィラメントをカットするフィラメントカッターとを含むことを特徴とす る装置。 ７０．患者の体の指定位置に、所定の直径を有するフィラメントを挿入する装 置であって、この装置は： ａ．軸、内壁、指定位置に挿入する末端方向端部及び基部方向端部を有する導 管と； ｂ．フィラメントを末端方向端部から送り出すように、導管の軸に沿ってフィ ラメントを漸増的に供給する送り機構と； ｃ．フィラメントをカットするフィラメントカッターとを含むことを特徴とす る装置。 ７１．患者の体の指定位置からフィラメントを除去する装置であって、この装 置は： ａ．指定位置に挿入するための末端部を有する導管と； ｂ．フィラメントに掛けて、この導管を通してフィラメントを引き出すフック を含むことを特徴とする装置。 ７２．患者の組織特性を修正するステントであって、このステントは組織近傍 の領域に局所配置される少なくとも一つのフィラメントのストランド（織り合わ せ）を含むステント。 ７３．前記特性は、組織の質量、容積、配向性、柔軟性、弾力性、及び透過性 の少なくとも一つを含む請求項７２に記載のステント。 ７４．ステントは間質性である請求項７２に記載のステント。