JP2000511978A - 金属プレートアーチ型構造用の複合コンクリート金属封入補剛材 - Google Patents

金属プレートアーチ型構造用の複合コンクリート金属封入補剛材

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Abstract

(57)【要約】 複合コンクリート補強波形金属アーチ型構造は、以下を包含する:i)基本アーチ構造を規定するように相互接続された成形波形金属プレート(78)の第1のセットであって、波部がアーチの長手方向長さに対して横方向に延びており;ii)基本アーチの該第1の相互接続されたプレートのセットに重なるように相互接続された第2の一連の成形波形金属プレート(24)であって、第2の一連のプレートは、アーチの長手方向長さに対して横方向に延びる少なくとも1つの波部を有し、第2の一連のプレートの波部のトラフが第1のプレートのセットのクレストに固定されており;iii)相互接続された一連の第2のプレートおよび第1のプレートのセットは、コンクリートが(86)が充填された複数の個々の横方向に延びる閉じ込められた連続的なキャビティ(80)を規定することにより、第2の一連のクレストおよび第1のセットのトラフの金属内面によって閉じ込められたコンクリートの界面を規定し;iv)第1および第2のプレートの各々のキャビティの内面は、コンクリート−金属界面において剪断接着を提供する手段(96)を有することにより、アーチを横切る個々の湾曲梁を提供することで、本構造は、印加された荷重に対し、正負の曲げ抵抗ならびに曲げおよび軸荷重の組み合わせに対する抵抗を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 金属プレートアーチ型構造用の複合コンクリート金属封入補剛材 発明の分野 本発明は、オーバーパス(overpass)ブリッジ、水導路、またはアンダーパス(u nderpass)などに用いられ、混雑した乗り物交通などの大きな印加荷重を浅い覆 い(cover)下で支持し得る、コンクリート補強された波形金属プレートアーチ型 構造に関し、より詳細には、標準的なコンクリートまたは鋼製の梁(beam)構造に とって代わり得る構造に関する。 発明の背景 時とともに、波形金属シートまたはプレートは、耐久性があり経済的かつ汎用 な土木(engineering)材料であることが証明されてきた。波形金属プレートから 形成されるフレキシブルアーチ型構造は、高速道路、鋼道、空港、自治体、レク リエーション場、工業団地、治水および保全プロジェクト、水質汚染緩和または その他の多くの計画において、カルバート(culvert)、雨水渠(storm sewer)、副 排水渠(subdrain)、余水路(spillway)、地下道(underpass)、コンベヤー導管お よび供給トンネル(service tunnel)の構築に重要な役割を果たしてきた。 埋め込み波形金属アーチ型構造に関する設計上の大きな挑戦の1つは、比較的 薄い金属シェルが、その周囲にかかる比較的大きな荷重、例えば横方向の土圧(e arth pressure)、地下水圧、土被り(overburden)圧ならびにその他の構造上にか かる活荷重(live load)および静荷重(dead load)に耐えなければならないことで ある。このような構造が周囲荷重に耐え得るキャパシティは、周囲の土壌の強度 の関数ではあるが、波形断面(corrugation profile)およびシェルの厚さに直接 関係する。土圧および水圧などの均一に分布する周囲荷重は、一般には設置され た構造中に不安定性をもたらさない。しかし構造は、埋め戻し中の不均一な土圧 分布または乗り物交通に起因して設置された構造にかかる活荷重などの、不均一 あるいは局所的な荷重条件に対してより弱い。アーチ構造の埋め戻し中にお ける不均一な土圧分布は、構造に歪みまたはピーク(peak)を起こし、最終構造の 形状を、意図している構造上最も健全な形状からは異なったものにしてしまう。 一方、構造上部にかかる活荷重は、局所的な荷重条件を創出し構造の屋根部分に 欠陥を起こし得る。 積載乗り物荷重(live vehicular load)などのアーチ型構造上にかかる局所的 な垂直荷重は、曲げ応力および軸応力の両方を構造中に創出する。曲げ応力は屋 根の下方変形によって起こり、構造の冠部(crown portion)に正の曲げモーメン トを発生し、かつ構造の腰臀部(hip portion)に負の曲げモーメントを発生する 。軸応力は、活荷重の一成分がアーチ構造の横方向断面繊維に沿って作用するこ とによって起こる、圧縮応力である。埋め込み金属アーチ型構造設計において、 特定の垂直荷重下において経験される曲げ応力の軸応力に対する比は、土被りの 厚さに基づいて変化する。土被りが厚いほど、アーチ構造に到達した際の垂直荷 重はより分布化し、構造にかかる曲げはより少なくなる。従って、厚い土被り下 でのアーチ構造内の応力は、主として軸応力である。 波形金属シートは、軸圧縮よりも曲げのもとでより容易に欠陥を発生する。従 来の波形金属アーチ型設計では、土被りの厚さを大きくすることで、局所化した 活荷重を土被りの厚さ方向およびアーチのより大きな面積にわたって分散(disbu rse)させることにより、活荷重によって創出される曲げ応力に対応している。従 って、アーチ上の曲げ応力は最小になり、荷重の大部分は軸応力に変換される。 しかし、土被りの厚さを増加することによって構造への土圧が増加するので、よ り強い金属プレートが必要になることは明らかである。より厚い土被りの必要性 はまた、構造の下のクリアランス包絡線のサイズ上の制限、あるいは構造の上の 道路の進入角度(angle of approach)上の制限などの、厳しい設計上の制限を創 出する。従来、土被りの厚さが制限されて浅い場合における活荷重問題は、通常 は強化コンクリート(reinforced concrete)からなる長細応力緩和スラブを、浅 い埋め戻し領域上に延びるように道路近傍または直下に設置することで、解決さ れてきた。長細スラブが荷重拡散(spread)装置として作用することにより、局所 的な乗り物荷重が金属アーチ表面上のより大きな面積にわたって分布化するよう にする。応力緩和スラブの有する問題は、現場での製造を必要とするために、追 加的な製造時間および労力および材料面において実質的なコストが発生する点で ある。また、コンクリートを利用し得ない領域においてはこれは有効なオプショ ンではない。 補強リブを用いることにより波形金属アーチ構造を強化するための試みがなさ れている。米国特許第4,141,666号において、補強部材を箱形カルバートの外側 上に用いることにより、荷重運搬キャパシティを増大している。この発明の有す る問題は、補強リブ間の構造部分が補強リブ部分よりもかなり弱いため、荷重時 において、構造の全長にわたって異なる偏向(deflection)または波形化(undulat ion)効果が得られることである。この問題を緩和するために、カルバートの内側 に長手方向部材を取り付けることによって、特に冠部および基部に沿って波形化 が減少される。しかし、これらの構造を河床等上に用いた場合、氷流および洪水 によって破壊される傾向があるため、構造内に取り付け部(attachments)を含ま せることは望ましくないことは明らかである。 米国特許第4,318,635号において、複数のアーチ型補強リブをカルバートの内 部/外部に適用することにより、側部、冠部、および中間の腰臀部(haunch or h ip)を補強している。そのような間隔を開けられた補強リブは荷重に耐えるよう に構造の強度を高めるが、構造における波状化(undulation)の問題を克服するも のではなく、余分な補強によって構造に不必要な重量を加え得る。上記の欠点に 加え、このタイプの構造における補強リブはしばしば設置に時間がかかりかつ複 雑であるため、構築のコストに悪影響をおよぼす。また、比較的間隔を広く空け られたリブ補剛材を用いる場合、これらの構造についての構造設計分析が難しく なる。構造の長手方向に沿った補強の不連続性すなわちスチフネス(stiffness) の変化は、この部分の完全可塑性モーメントキャパシティを発達させることを困 難にするため、一般的に不必要に保守的で不経済な設計になってしまう。 Fisherの米国特許第3,508,406号は、フレキシブル波形金属シェルおよび、長 手方向に延びるコンクリート扶壁(buttress)を構造の両側に有する、複合アーチ 構造を開示している。スパンが広いアーチ構造の場合、コンクリート扶壁を、構 造頂部の上に延びる追加的な補剛部材に接続し得ることが具体的に教示されてい る。同様に、同じ発明者による米国特許第4,390,306号において、構造の全長の 大部分にわたって延びる補剛および荷重分配部材がアーチの冠部に構造的に固定 された、アーチ構造が教示されている。好ましくは、アーチ構造の両側において 長手方向に延びる荷重拡散扶壁を、複合アーチ構造に設けるべきであることも記 載されている。頂部長手方向補剛材および扶壁はコンクリートまたは金属から形 成され得、さらには、カルバートの長さ方向に延びる棟部(ridge)を有する波形 プレートの部分からなっていてもよい。 これらのFisher特許において、冠部補剛材および扶壁を用いることにより、構 造に沿って連続的な補強を設けている。扶壁は、設置段階において、すなわち構 造を完全に埋めて埋め戻しで支えてしまう前において、フレキシブル構造に安定 性を提供するように設計されている。締固め(compaction)および埋め戻し設備を 用いたときの歪みに耐え得るような位置にある長さずつの圧密(consolidated)材 料を設けることにより、構造の形状を異常にすることなしに埋め戻し手順を続け ることを可能にする。内部の鋼製補強桟(bar)を備えた頂部補剛材は、構造の頂 部の重量を下げる(weigh down)ことにより、埋め戻しおよび圧密の初期段階にお いてピークが起こることを防ぐ機能を果たし、また、構造上の垂直方向荷重を分 配することを助けることにより必要な最小土被りを減少させる、荷重拡散装置と して機能する。構造の長さ方向に位置する頂部補剛材は、剪断鋲(shear stud)を 用いてアーチの頂部を剛性化することにより、コンクリート梁を構造的に鋼製ア ーチに接続することで、アーチ頂部に正の曲げ抵抗を提供している。この多要素 からなる補剛材は、より少ない土被りの使用を可能にする構造へと向かうもので はあるが、土被りの厚さを大きく減らすことはできず、また、非常にスパンが広 いアーチ設計ができない。その主たる理由は、Fisherにおける頂部補剛材は、浅 い覆いのアーチおよびスパンの広いアーチの腰臀部において典型的に見られるよ うな負の曲げモーメントに耐えるようには設計されていないことである。頂部補 剛材と側部扶壁との間の間隔を開けられた横方向部材の目的は、構造にある程度 の剛性を与えることによって埋め戻し段階中における歪みを防ぐことにある。こ れらの部材は、負のモーメントに耐えるために設計された部材ではない。さらに 、設置されたフレキシブルアーチ構造は、活荷重条件下においては冠部にて正の 曲げモーメントを受けるが、埋め戻し中において側部から圧力を受けた時には同 じ 場所で負の曲げモーメントを受け、頂部がピークにより歪む。Fisherにおける頂 部補剛材は、コンクリートと鋼との間の剪断接着(shear bond)接合を利用するこ とによりアーチの頂部における正の曲げモーメントに耐えるように設計されてい るが、埋め戻し中における同じ領域での負の曲げモーメントに対しては単にコン クリートスラブの上部に補強桟を設けることで耐えているのみであり、従って、 原位置での(in situ)形成および再桟化(re-bar)作業を必要とし、構築コストに 悪影響を与える。また、頂部補剛材および側部扶壁はかなりのサイズを有してい るため、完成した構造の重量は実質的に増加する。 Sivachenkoの米国特許第4,186,541号において、建築用の平坦なプレート材料( stock)から波形鋼プレート、特に金属アーチ構造を形成する方法が開示されてい る。プレートを反対方向のトラフに沿って直接あるいはスペーサを介して互いに 接合した2重波形プレート構造によって、強度上の利点が増すことが特に述べら れている。2重プレートアセンブリは、中空のままにしても、コンクリート等の 材料で埋められてもよいことが特記される。プレートの波に対して平行または横 方向に方向付けられ得る従来の補強鋼桟によって、プレート間のコンクリートを 補強し得る。プレート間に補強なしでコンクリートを設けた場合、埋め材として 機能するだけでありアセンブリの強度特性は高めないことは明らかである。コン クリートに補強桟を設けた場合においても、再桟部はコンクリートと波形鋼プレ ートとの間の剪断接着接合用には設計されていなく、アセンブリが曲げに曝され たとき、コンクリートおよび鋼プレートは互いに独立に機能する。このシステム は、2重プレートアセンブリを、サンドイッチ型支持構造において典型的である コンクリートで埋められた中心とともに用いることにより、波形金属プレート構 造を補剛する方法に向かうものである。多数の曲線を有する埋め込みアーチ構造 の場合、Sivachenkoに基づく再桟部の設置はより困難な作業となる。 米国特許第5,326,191号においては、カルバートの全長にわたって連続して延 びる連続的な波形金属シート補強材を、少なくともカルバートの冠部に固定して いる。このカルバート設計により、従来技術における間隔を空けた横方向補強に 付随する問題を解決し、正負両方の曲げモーメントに耐えることが本質的に可能 である。しかし、スパンが大きい構造における連続的な補強はコスト抑止的にな り得、設置が難しくなり得る。発明の要旨 本発明のコンクリート補強波形金属アーチ型構造は、上述の問題の多くを克服 するものである。本発明によって提供される複合コンクリート金属梁は、重い活 荷重の乗り物交通を支持する浅い土被りに起因するあるいはアーチ型構造の埋め 戻し中における、構造中に発生した正負両方の曲げモーメントに対する構造の抵 抗力を高める。本発明の上部プレートと下部波形プレートとを相互接続すること によって規定される各連続的コンクリート充填キャビティは、湾曲梁柱補剛材と して機能する複合金属封入コンクリート梁として作用し、曲げモーメントキャパ シティおよび軸荷重キャパシティとともに、浅い土被りを有するアーチ構造を提 供する際においてより大きな設計上のフレキシビリティを与える。 本発明の一局面によれば、複合コンクリート補強波形金属アーチ構造は、以下 を含む: i)所定のスパンの断面、高さおよび長手方向長さを有する基本アーチ構造を 規定するように相互接続された、成形波形金属プレートの第1のセットであって 、該基本アーチは、該スパン断面において冠部および隣接する腰臀部を有してお り、そして所定の厚さを有する波形金属プレートは、該アーチの該長手方向長さ に対して横方向に延びる波部を有することによって該基本アーチに複数の湾曲梁 柱を提供し; ii)該基本アーチの該第1の相互接続されたプレートのセットに重なりかつ 接触するように相互接続された第2の一連の成形金属プレートであって、少なく とも1つの該アーチ冠部を包含するように該横方向に連続的に延び、そして該相 互接続されたプレートの第1のセットに直接固定された、該第2の一連の相互接 続されたプレートと; iii)該相互接続された一連の第2のプレートおよび該第1のプレートのセ ットは、複数の個々の横方向に延びる閉じ込められた連続的なキャビティを規定 しており、該キャビティの各々は該第1のプレートのセットの内面および該一連 の第2のプレートの対向する内面によって規定されており; iv)該連続的なキャビティの各々を該第2の一連のプレートの横方向範囲に よって規定されるキャビティ端部から端部まで充填するコンクリートであって、 該コンクリートを充填されたキャビティは、該相互接続された第2の一連のプレ ートおよび第1のプレートのセットの該金属内面により封入された該コンクリー トの界面を規定し; v)該第1および第2のプレートの各々の該キャビティの該内面は該封入され たコンクリート−金属複合体界面において複数の剪断接着接合器を有しており、 該複合体剪断接着接合器は該第1および第2のプレートの剛性的な部分であるこ とにより荷重が該アーチ構造に印加されたときに該コンクリートと金属とが一体 に作用することを確実にし、該剪断接着接合器が複数の湾曲梁柱補剛材を提供す ることにより該基本アーチ構造の正負の曲げ抵抗および軸荷重抵抗の組み合わせ を高め、かつ、該構造に印加されることが予測される荷重を支持するのに十分な 数の該湾曲梁柱補剛材を提供するために該第2の一連のプレートの数が十分に存 在している。図面の簡単な説明 本発明好適な実施態様を図面を参照して説明する。 図1は、本発明の一局面における凹角(re-entrant)アーチ構造の斜視図である 。 図2は、図1のブリッジ構造の端面図である。 図3は、図1の線3−3に沿った断面図である。 図4は、図1の線4−4に沿った断面図である。 図5は、図3の剪断接合器の別の実施態様を示す。 図6は、波形プレートのうち1つの内部に固定された剪断接合器の拡大図であ る。 図7は、図3と同様な断面図であり、コンクリートをキャビティに導入するた めのグラウトプラグ(grout plug)を示している。 図8は、剪断接着装置の別の実施態様を有する、波形プレートの一部分である 。 図9は、剪断接着装置のさらに別の実施態様を示す、波形プレートの一部分で ある。 図10、11、12、13、14、15および16は、第1および第2の波形 プレートを通る断面図であり、第1のセットに対しての第2のプレートのシリー ズの別の実施態様を示している。 図17は、緩和スラブを有する従来技術の構造を通る断面図である。 図18は、頂部補強および扶壁補強材を有する従来技術の構造を通る断面図で ある。好適な実施態様の詳細な説明 本発明によれば、波形鋼プレートから構築された、スパンが大きいアーチ型構 造が提供される。スパンが大きいとは、好適な実施態様において、15mを越え るアーチスパン、そして最も好適には20mを越えるアーチスパンを包含するこ とを意図している。この範囲のスパンを有する本発明の構造は、重い乗り物交通 荷重などの大きな荷重を、最小限の土被りの被度(coverage)で、かつアーチ構造 上にコンクリート緩和スラブまたはその他のタイプの応力緩和あるいは分配装置 を設ける必要なしに、支持することが可能である。勿論、特定の仕様において要 求される場合には本発明のアーチ構造をより小さいスパンに用いてもよく、ある いは、本発明の構造の特徴を利用する場合、実質的により薄い鋼プレートを用い てもよいことが理解される。あるいは、好適な構造における高められた荷重積載 特性を利用し、鋼の代わりにアルミニウム合金など他のより低強度の金属を用い てもよい。 図1を参照して、一般に凹角アーチと呼ばれるアーチ型構造において用いられ た場合の本発明の一局面を説明する。勿論、本発明の構造は、卵形、箱形カルバ ート(box culvert)、円形カルバート(round culvert)、楕円形カルバート(ellip tical culvert)などの様々な波形アーチ型設計とともに用い得ることが理解され る。構造10は、線12によって示されるスパンおよび、線14によって示され る高さを有している。アーチの断面形状ならびに高さ寸法およびスパン寸法との 組み合わせにより、アーチ構造のクリアランス包絡線が規定される。アーチ構造 は、アンダーパスにおける交通(歩行者、車、トラック、列車など)を収容でき るように設計される。あるいは、アーチ10は、河川その他のタイプの水路に架 橋するために用いられてもよい。アーチの基部16は、標準的なアーチ工学技術 に基づき、適切な土台(fotting)上に設置される。アーチ10は、成形された波 形鋼プレート(概して18と示す)の第1のセットを相互接続することにより、 構築される。その接続部を点線20により定義している。相互接続されたプレー トの第1のセットは、所望の断面スパン12および高さ14を提供する基本アー チ構造を規定する。アーチの長手方向を線22で示す。線22は、所望のアーチ 長を提供するために必要な相互接続されるプレートの数を決定する。アーチ長は 主として、オーバーパスの幅によって決定される。個々に波部(corrugation)を 有するプレートを波形に相互接続した第1のセットは、対応する複数の湾曲梁柱 を提供する。アーチを横切る各波部21は、基本アーチの構造における正負の曲 げモーメントおよび軸荷重に耐える、湾曲梁柱として機能する。 図3を参照してより詳細に示すように、プレートは、規定された厚さを有し、 アーチの長手方向長さ22に対して横方向に延びるクレスト(crest)およびトラ フを備えた、好ましくは鋼である波形金属からなっている。本発明の様々な局面 において、一連の第2のプレートを第1のプレートのセット上に載置することに より、金属封入コンクリート補剛材を様々に形成し得る。本発明の効果を達成す るためには、コンクリートを第1のプレートと第2のプレートとの間に閉じ込め る(enclose)することによって複合コンクリート/金属補剛材を形成しなければ ならない。一連の第2のプレートの様々な別の形状を、図面を参照して説明する 。 第1の実施態様において、上記一連のプレートは、アーチの横方向および長さ 方向の両方において連続的に延びる第2の波形プレートのセットとして設けられ る。成形された波形鋼プレート24の第2のセットは、プレート18の第1のセ ットに重なるように相互接続される。第2のセットのプレートはそれぞれ規定さ れた厚さを有し、アーチの長手方向長さ22に対して横方向に延びるクレストお よびトラフを備えている。第2のプレートのセットのトラフは、第1のプレート のセットのクレストに固定されている。この特定の実施態様において、第2のプ レートのセットは26で終端を迎えており、相互接続された第2のプレートのセ ットの接続部を線28において示している。図2を参照して示されるように、第 2のプレートのセットは、基部構造の湾曲梁柱に適切な補剛材を提供するための アーチ設計要求に応じて、アーチの横方向断面全体あるいはその主要部にわたり 延びている。第2のプレートのセットは、実効アーチ長にわたって延びているこ とにより荷重を支持する。被り土を設ける際、安息角(angle of repose)または 土被りの側面の形状によっては基本アーチの一部が土被りを越えて延びていても よく、これは荷重を支持していないことから、基本アーチの冠部および/または 腰臀部の領域において第2のプレートのセットを必要としないことが、理解され る。 以下の図面を参照してより詳細に説明されるように、第2のプレートの本実施 態様におけるクレストと第1のプレートのトラフとの間に規定されるキャビティ は、アーチの各腰臀部領域について終端部26から延びており、各キャビティの 開口端に適切なプラグ30により栓をすることによって充填される。次に、頂部 プレートのクレストに孔32を形成することにより、矢印34に示すように閉じ られたキャビティ中にコンクリートを注入することを可能にする。キャビティに 沿っていくつかの孔32を設けることにより、コンクリートの注入によるキャビ ティの充填を容易にし、キャビティ中の気泡の形成を避け、図3および4に示さ れるように適切な複合コンクリートと鋼との界面が提供されることが理解される 。キャビティをコンクリートで充填した後、必要に応じて開口部(opening)32 に適切なプラグ36で栓をする。 図2に示すように、アーチ10は、弧38により規定される冠部および各弧4 0によって規定される対向する腰臀部を備えた、凹角アーチ設計を有している。 第1のプレート18のセットは、第1の端部44における適切な土台42から土 台48中に設けられた第2の端部46まで延びる、基本アーチを規定している。 第2のプレート24のセットは、冠部38上および腰臀部の一部上に、連続的に 延びている。腰臀部40の一部上における第2のプレートのセットの拡がりの程 度は、設計要求に依存する。本実施態様において、第2のプレート24のセット は、アンダーパス表面50上の腰臀部の大半上に延びている。しかし、正負の曲 げモーメントおよび軸荷重に耐えるための設計要求に応じて、第2のプレートの セットは、アーチの基部44および46まで延びてもよく、あるいは、腰臀部の すぐ内側にまでだけ延びてもよいことが理解される。図2に示すように、線20 は第1のプレートのセットの接続領域を表しており、線28は第2のプレートの セットの相互接続を表している。 アーチ構造を通って道路を設ける場合、道路50は標準的な道路仕様に基づい て構築される。土台42および48は、締固められた盛り土(fill)52上に設け られる。締固められた盛り土上には、締固められた粒子(granular)54の層が存 在する。道路50は補強されたコンクリートの層および/または締固められたア スファルト56であり得る。勿論、指定された乗り物交通、水路などがアーチ1 0下を通過することを可能にするのに十分なクリアランス包絡線(clearance env elope)を規定するように、スパン12および高さ14は選択される。 アーチ10上において、この領域は、領域60において比較的最小限度の土被 りを有する締固められた盛り土58で埋め戻される。大スパンの鋼構造において は通常、コンクリート緩和スラブなど(図17を参照して後述する)を、オーバ ーパス表面62上の乗り物交通などの重い活荷重を鋼製アーチ10とともに支持 するように、位置させる。本発明の構造を用いれば、最小量の土被り60が必要 な場合において、図18に示すような冠部38の上におけるそのような緩和スラ ブまたはその他の形態のコンクリート補強は、必要としない。これは、アプロー チ64のスロープをかなり減少させるため、オーバーパス表面62の設計におい て非常に有益である。部分66が粒子状材料からなる通常の締固められた層なら びにコンクリートおよび/またはアスファルトの上部層を有している場合、オー バーパス表面62は普通の方法で構築される。本発明によれば、円周方向横方向 に延びる連続的に湾曲した補剛材(分離された(discrete)閉じ込める(contained )キャビティによって規定される)を設けることにより、このような構造は、オ ーバーパス62上の乗り物交通による重い活荷重を容易に支持する補強されたア ーチを提供する。第1のプレートおよび第2のプレートの間に規定される分離さ れたキャビティ内の金属封入コンクリートは、アーチ構造に印加される曲げおよ び軸荷重に耐えるように統一的に設計された、複合アーチ構造を提供する。 本発明の複合補強補剛材は、互いに重なる第1のプレート18のセットおよび 第2のプレート24のセットによって規定される閉じ込めキャビティ中に設けら れる。図3の3−3断面に示されるように、第1の波形鋼プレートのセットは、 第2のプレートのクレスト70に対向するトラフ68を規定する。この特定の実 施態様において、第1および第2の波形プレートは、正弦波状の波部を有してお り、これは第1のプレート18および第2のプレート24に共通である。第1の プレートおよび第2のプレートは、第1のプレートのクレスト72の頂端が第2 のプレートのトラフ74の頂端(apex)に接する部分で相互接続される。この領域 に、プレートは様々なタイプの固定具(fastener)を用いて固定され得る。好まし くは、第1および第2のプレートに位置を揃えて設けられた開口部(aperture)を 通って延びるボルト76を使用し、適切なナット78により固定する。第1のプ レートの内面82および第2のプレートの内面84によって規定されるキャビテ ィ80は、第2のプレートの終端部26から、アーチの横方向に連続的に延びて いる。コンクリート86は、キャビティ80を満たすことにより、コンクリート 86と各プレート壁部90および92の内面82および84との接続部において 、複合界面88を規定している。アーチ構造に荷重がかけられたとき、金属/コ ンクリート界面は、第1および第2のプレートの内面82および84上に設けら れ金属プレート90および92とコンクリート86との間の界面88において剪 断接着を提供する装置94により、複合補強的に作用する。装置94の剪断抵抗 は、アーチブリッジ10の設計要求に応じて選択される。剪断接合装置94は、 界面88における剪断に耐える際において、プレート90および92と一体であ っても、これらに固定されていてもよいことが理解される。図3に示す特定の実 施態様において、剪断接合装置94は、内面82および84に固定された個別の 鋲96である。この特定の実施態様において、鋲96は、第2のプレートのセッ トのトラフ68の頂端98およびクレスト70の頂端100に固定されている。 このように剪断接着接合器を位置させることにより、補剛材の最も外側および最 も内側の繊維において(曲げ時において剪断応力が最大となる場所である)、剪 断接着を提供し湾曲梁の強度が高められる。 個々の隣接する湾曲補剛材の強化特性を、図4にさらに詳しく示す。第1のプ レート18および第2のプレート20は、連続的に閉じ込められた形態のコンク リート86を規定することにより、剪断接合器96を利用した複合コンクリート /鋼部材を提供している。複合界面88において、剪断接合器96は、アーチ構 造に荷重が印加された際にコンクリートおよび鋼が一体に作用することを確実に する。この設計を用いて、本発明によれば、アーチ中の増強された補剛材は、重 い乗り物交通荷重などのオーバーヘッド荷重の移動により発生する、アーチ中に おける正負の両方の曲げモーメントに耐えることができる。他の設計は、構造中 に大きな正負の曲げ抵抗を固有に与えることはできない。他の設計は、緩和スラ ブまたは鋼製補強桟を構造上部に用いることによって、正負の曲げ抵抗を減少さ せるかあるいは提供する(provide)ことを要求する。本発明に基づく複合体から 得られるその他の利点は、第1および第2のプレートの構築に用いられる金属の 厚さまたは重量の減少があり得ることである。鋼以外の金属、例えばアルミニウ ム合金などをプレートに使用し得る。隣接する閉じ込め複合鋼コンクリート補剛 材はまた、かなり大きなスパンに対応することかでき、たわみ(deflection)が減 少し得、最も重要なことには、アーチ設計においてより少ない土被りの使用を可 能にすることにより、アーチ構造の埋め戻し操作における熟練要求が少なくなり 、あるいは比較的低級の埋め戻し材料に対応可能である。コンクリート用の閉じ 込めキャビティを規定するように第1および第2のプレートを相互接続すること により、構造のスパンを大きく増加させながら構造の建築(erection)を非常に容 易にする。後述の実施例における構築物の相対強度の分析からこのことは明らか になるであろう。キャビティ80中のコンクリートが複合台支持構造として機能 することを確実にするために、図4に示すように、剪断接合鋲96は、第1のプ レートの各トラフ68および第2のプレートのクレスト70に取り付けられる際 において互いに間隔を開けられている。さらに、対向する鋲のセットは互いに対 してずらされる(stagger)ことにより、コンクリートと鋼との界面88における 剪断接着を最適化する。 図5に示すように、接合鋲96の別の構成が提供される。トラフ68は下方に 傾斜する側面102を有し、クレスト70は上方に傾斜する側面104を有する 。そして剪断接合鋲96をトラフのの下方傾斜側面上およびクレストの上方傾斜 側面上に位置させることにより、キャビティ80中の接合鋲の数を増やす一方で 、同時に、キャビティの横方向に延びる方向において所望の間隔を得る。 図6を参照して、支柱部106および円形に大きくされたヘッド部108を有 する好適な鋲96は、第1のプレートの鋼壁部90に抵抗溶接されたその基部1 10を有する。この実施態様によれば、剪断鋲96を所定位置に接合する際に、 抵抗溶接112は基部金属113のうちの一部を消費する。 図7の断面図は、グラウトノズル114を介してコンクリート86がキャビテ ィ80に充填される様子を示している。グラウトノズルは、プレート24の壁部 92に固定されたカップリング116を有している。カップリングは開口部11 8を有しており、コンクリートポンプラインをカップリング116に接続するこ とにより、ここからコンクリートは矢印120の方向にキャビティ80中へ注入 される。キャビティへのコンクリート86の充填が完了すると、カップリングに 適切なプラグ124をねじ込み(thread)得、そのことにより、開口部118を閉 じてコンクリートの設置を完了する。勿論、他の技術を用いてコンクリートをキ ャビティに充填してもよいことが理解される。例えば、コンクリートポンプライ ンの端部を解除可能なカップリングとし、この解除可能なカップリングを充填の ために一時的にプレート壁部92の開口部に接続した後、除去し、栓(bung)など をプレート92の開口部に固定してもよい。 前述のように、様々なタイプの剪断接合(shear bonding)装置を第1および第 2のプレートの内面上に形成し得る。図8は、第1のプレート18のプレート壁 部90に間隔を空けて形成された剪断接着接合器(shear bond connector)126 を示している。一体的な剪断接着接合器を好ましくはトラフ98の頂部に沿って 形成する。接合器126はプレート壁部90にスタンプされたものであってもよ く、内側に突出し明確な頂部128を有していてもよい。コンクリートがキャビ ティ中で硬化するに従って、内側に突出している一体に成形された頂部128は プレートの内面82に対して必要な剪断接着を提供する。同様に、図9の別態様 においては、第1のプレート18はその内面82上に形成された複数のエンボス 部130を有している。エンボス部130は、内面と一体に形成されており、ポ ンプされ組み立てられた構造のキャビティ中で硬化した際にコンクリートとの剪 断接着を提供するのに十分な深さを有しいる。 図10、11および12は、アーチの長さ方向において湾曲梁の様々な間隔を 提供するための、第1および第2のプレートの別の構成を示している。図10に おいて、アーチの基部に、複数の相互接続されたプレート18を設けている。ア ーチの基部に沿って選択された位置に一連の第2のプレート24が接続され、キ ャビティ80を規定する際においてトラフ68が第2プレートのクレスト70に 対向するように位置される。一連の第2のプレート24が1つ以上のトラフ68 を飛ばすことにより、基部プレート18の波部によって相互接続された、間隔を 空けたアーチ補剛材を提供し得る。あるいは、図11に示すように、一連の第2 のプレート24は、複数のクレスト70従って複数のキャビティ80を提供する 複数の波部を有していてもよい。各一連の第2のプレート24中の複数のキャビ ティの一方または両方に、剪断接着接合器96に示されるようにコンクリートを 充填する。図10および11の構造では、基部プレート18の波部がこれらの梁 を相互接続して一体的な構造を提供している部分において、湾曲補剛材は荷重を 担持する。予測されるあるいは設計された荷重に応じて、梁の間隔をこのように 決定することにより、完成した構造中において必要な正負の曲げ抵抗および軸荷 重抵抗を提供することができることが理解される。また、第2のプレート24は 3つ以上の波部を有し得ることが理解される。しかし、75cm幅および約3〜 7mmの厚さを有する鋼プレートにおいて、十分な深さおよびピッチを有する2 つを越える波部を形成することは困難である。あるいは、120cm幅のアルミ ニウムプレートを用いた場合はアルミニウムはより成形(form)が容易であるため 、少なくとも3つかつ最大4つまでの波部を提供することができる。 図12の実施態様において、一連の第2のプレート24は基部プレート18に わたって連続的に設けられている。このプレートのセットは、ボルト76によっ て相互接続されており、場所によっては最大で4重の厚さまでのプレートが相互 接続され得る。これは組立を複雑にはするが、得られる構造において対向する波 形の第1および第2のプレートの全ての隣接するキャビティにコンクリートが充 填されていることにより、非常に堅牢な構造が提供され、印加された荷重を支持 する際または埋め戻し中に構造を支持する際においてアーチにおける正負の曲げ および軸荷重に対する抵抗が最適化される。図10および図11を参照して説明 される構造の利点の1つは、相互接続された一連の第2のプレートが重なり合わ ないため、図12の実施態様におけるように最大で4重の厚さまでのプレートが 相互接続されなければならないような状況を回避できることである。 図13および14は、第1および第2のプレートの波部のピッチを互いに対し て変化させることに関する、別の実施態様を示している。図13において、第2 のプレート24は、クレスト70が第1のプレート18のトラフ68の距離の1 /2の間隔を空けられるようなピッチを、正弦波状の波部に対して有している。 この構成は、第2のプレートの単位幅当たりにつきより多くの波部を有する第2 のプレートよりも厚い材料で形成され得る第1のプレート中において、波部が少 なくなる。示されたように剪断接着接合器96がキャビティ80中に設けられる ことにより、基本アーチ構造を補強するための湾曲梁補剛材が形成される。 あるいは、図14に示すように、第2のプレート24は第1のプレート18よ りも少ない波部を有していてもよい。ボルト76間の距離によって示されるよう に第1および第2のプレートの両方のピッチが増大していることを除けば、要す るに図13の断面の逆となっている。図13の実施態様と同様に、剪断接着接合 器としての鋲96がキャビティ80に設けられることにより、複合コンクリート 金属補剛材を提供している。 図13および図14から、複合金属封入コンクリート補剛材を形成する際にお いて、キャビティ80は様々な断面形状をとり得ることが明らかである。図15 に示すさらなる別態様において、第2のプレート24は多角形状の波部を有して いる。本実施態様においては正方形状であるが、第2のプレート24は台形、3 角形などの他の多角形状を有し得ることが理解される。他の実施態様と同様に、 キャビティ80に剪断鋲接合器96が設けられ、基本アーチ構造を補強する所望 の複合コンクリート金属補剛材を形成している。図15の構成において、多角形 状の波部を有する第2のプレート24は、より多くの量のコンクリートが第1の プレート18のクレストの平面より上に存在することを可能にする。 図16の構成は、第1のプレート18に接続された平坦な第2のプレート24 を提供する。ここでは、平坦なプレート24は、第1のプレートのクレスト72 の頂部によって規定される平面内に位置している。剪断鋲接合器96は、図示の ようにキャビティ80内に設けられ得、各キャビティ80が充填され得る。一連 の第2のプレートにおいて平坦な第2のプレートを用いることにより、アーチを 横切るために必要になり得る特殊な形状を得ることを容易にする。例えば、曲率 半径が比較的小さいアーチ領域においては、平坦な第2のプレート24はより容 易に湾曲されて第1のプレート18の曲率に一致し得る。 図10から16の様々な実施態様において、断面形状のキャビティ設計は大き く変化し得ることが明らかである。曲げモーメント抵抗性を得るための複合コン クリート金属補剛材の最も効率的な形態を提供する際において、キャビティは、 第1のプレートのクレストの平面より上および下に延びることにより、補剛材の 外側繊維および内側繊維の間になるべき大きな距離を規定すべきであること、す なわちなるべく大きな補剛材の断面モジュラス(section modulus)を規定すべき であることが理解される。従って、第1および第2のプレートの好適な形状は、 第2のプレートの対向するクレストが第1のプレートの対向するトラフから最も 遠く間隔を空けられることにより、個々の複合コンクリート金属封入補剛材の断 面モジュラスを最大化している、図10から12を参照して説明した形状である 。 補剛材を提供するための本発明の様々な実施態様から得られる驚くべき利点は 、他のタイプの補剛材を有していた伝統的なタイプの鋼製アーチ構造に対して、 構造のスパンを大きく増大し得ることである。界面において剪断接着を有する複 合コンクリートおよび金属材料のユニークな湾曲補剛材を提供することにより、 アーチ設計において非常に重要な改変がなされ得、新規なクリアランス包絡線を 提供し得る。従来技術の構造のいずれも、標準的なアーチ設計の改変を可能にす るものではなかった。なぜならこれらの標準的なアーチ設計は制限された形状を 有していた(これらの形状は構造中における曲げモーメントに耐えるための唯一 の形状であると考えられていた)ためである。アーチの一方側の基部からアーチ の他方側の基部まで一連の第2のプレートが延びる場合、軸および曲げのキャパ シティの組み合わされた増加は、アーチ構造全体に拡大される。コンクリートを 金属中に封入したこのようなユニークな複合湾曲梁柱により、設計エンジニアは 、異なるタイプのクリアランス包絡線、最小限度の土被りおよびより緩やかなア プローチスロープを提供するようなユニークな形状を湾曲構造に与えることが可 能になる。通常、そのような代替的な(alternative)設計は、高度に補強された 流し込みコンクリート橋構造(poured concrete bridge structure)によってのみ 達 成され得るものである。従って、本発明の構造的特徴は、高価につく高度に補強 された標準的なコンクリート橋設計の代替法を提供することにより、波形金属部 品用の標準的なタイプのアーチ設計を全く新しい領域へと導く。 アーチ構造の新規なクリアランス包絡線を今や設計可能になったことから得ら れるさらなる利点は、アーチ下であるがアンダーパス領域の外側であるようなク リアランス包絡線の領域でありながら、水路、歩道(walkway)、排水路(drainage )、歩行者、動物および自転車などの小さい乗り物交通のための補助的アクセス として機能する領域が提供されることである。より高価に形成されるコンクリー ト橋においてはこれらの追加的な特徴のための余地も提供され得るが、本発明の 金属アーチ型構造はこれらの特徴をずっと低いコストで達成する。 以下の図17および18の従来技術の標準的な構造の説明および、これらの標 準的構造対新規なアーチ構造の以下の構造的分析により、本新規な設計の多くの 重要な利点が明らかになる。 乗り物活荷重などの局所的な印加荷重は一般に、2つの種類の応力をフレキシ ブルアーチ構造中に創出する。図18は、局所的な荷重下において米国特許第4, 390,306号のアーチ構造146が受ける典型的な変形154を示している。構造 の冠部150にかかる下方向の荷重148のために、構造の冠部に正の曲げモー メント152が創出され、負の曲げモーメント154が腰臀部に誘導される。こ の特定の設計は、スラブ155を設けることによって正の曲げモーメントに対処 しようとしている。しかし、扶壁158は、腰臀部における負の曲げ応力には何 ら抵抗していない。なぜなら、この構造はその方向に屈曲(flex)し得るからであ る。垂直方向の活荷重はまた、構造の横方向断面繊維に入っていき、垂直方向の 軸荷重159を構造の基礎(foundation)156に伝達してしまう。このような構 造において、所定の垂直荷重についての曲げ応力の垂直応力に対する比は土被り の厚さに応じて変化する。一般的に、土被りが薄いほどアーチ構造の表面に到達 したときの活荷重はより局所化し、屋根に、より大きな変形が起こり、より高い 曲げ応力が構造中に存在する。 図17の標準的なフレキシブル波形金属アーチ132は、曲げ応力に対する抵 抗が特に弱い。伝統的な設計は、居所的な活荷重134を構造にわたってなるべ く分散(disperse)しようとして構造中の曲げの量を制限する傾向がある。最も明 らかな方法は、土被り土壌136の厚さを増すことによるものである。土被り土 壌に作用する点荷重は、図17の点線に示される応力分布包絡線138に従い、 土壌の厚さにわたって分布する。荷重が金属アーチシェルの冠部表面140に達 したときには、シェル表面の大きな領域にわたって作用する荷重となっている。 構造中の主な応力は従って曲げ応力ではなく軸応力になる。伝統的な埋め込みフ レキシブルアーチ設計において、標準的な最小限度の土被りの覆いを設けなくて はならない。土被りの厚さが限定されており、最小要求未満である状況において は、応力緩和スラブ142を設けることにより応力分布包絡線144をさらに構 造の上および外側に拡げなければならない。応力緩和表面142は、アーチ13 2の上、表面135またはその間の任意の位置に位置され得る。スラブ142が アーチの頂部に近く位置されるにつれ、応力分布包絡線の形状は当然変化する。 いずれにせよ、本発明の補剛材設計において用いられるコンクリートの量は、緩 和スラブに用いなければならない量よりもずっと小さい。 以下の工学分析は、本発明の設計から得られる驚くべき利点を示している。図 1および4に示すタイプの複合コンクリート補強波形金属アーチ型構造を設計し た。19.185mのスパンおよび土台上の高さが8.708mの凹角基本アーチプロフィ ールにおいて、成形波形金属プレートの第1のセットを3ga厚の鋼で作成した 。3ga厚の鋼で作成された一連の第2の成形波形金属プレートを、基本アーチ の相互接続された第1のプレートのセットに重なるように相互接続した。一連の 第2のプレートは、2つの波部がアーチの長手方向長さに対して横方向に延びて いるセグメントとして設置し、図11に示すように一連の第2のプレートの波部 のトラフを、第1のプレートのセットのクレストに固定した。 亜鉛コーティングの前に、図6に示す剪断鋲を抵抗溶接によって第1および第 2の波形金属プレートのセットに取り付けた。剪断鋲は直径12mm×40mm 長さで、中心において800mmの間隔を空けた。剪断鋲は、図4に示すように 第1のプレートと第2のプレートとの間でずらした。図7に示すように、グラウ トノズルを第2のプレートのセットの冠部に設けた。キャビティの端部に栓をし た後、グラウトノズルを通して25MPaの圧縮強度を有するコンクリート充填 物をキャビティ中に導入した。 現場状況は、この構造の覆い高さ(height of cover)が1.13mであることを要 求した。一方、現在の架橋設計標準では、非複合体金属アーチ構造の場合には最 小覆い高さが3.82mであることが要求された。1.13mの覆い高さを達成するため には、非複合体金属アーチ構造は、第1の成形プレートのセットに1ga厚の鋼 を用い、かつ第2の補強プレートのセットに1ga厚の鋼を用いることを要求す る。非複合体金属アーチは、コンクリートで充填した間隙(void)を有さず、剪断 鋲を有していなかった。ただし、構造の全長にわたって延びる300mm厚×2 0m幅のコンクリート緩和スラブを道路表面に設置することが必要とされた。本 発明の複合コンクリート補強構造は、前記従来技術の構造の有する前記問題なし に、比較的低い土被りの最小値に関する設計要求を満たすことができた。 複合コンクリート補強波形金属アーチ構造は、材料および製造コストの両方に おいて大きな節約をもたらした。鋲を有する3ga厚の鋼のコストは、剪断鋲を 有さない1ga厚の鋼のコストよりもかなり小さかった。さらに、間隙を充填す るためのコンクリートの量は、緩和スラブを構築するために用いられるコンクリ ートの量よりもかなり少なかった。非補強波形金属アーチ構造のコストは、コン クリート緩和スラブとあわせて、本発明の複合構造のコストよりも、少なくとも 20%大きいと評価される。 本発明は、浅い覆いを有するアーチ構造上の活荷重に関する問題を、冠部およ び腰臀部におけるアーチ構造自体の曲げモーメントキャパシティを増加させるこ とにより克服する。構造の上に連続的な湾曲補剛材を設けることにより、構造が 正負の曲げモーメントに耐えることを可能にする。さらに、構造の設置段階中に おいて、土圧が側部に作用することに起因して冠部にピークが起こり得る。この 状況において、構造の冠部において負の曲げが起こるが、本発明の複合コンクリ ート/金属アーチ構造はこれに対しても同等に耐え得る。これは、主として限定 的な正のモーメント抵抗のために設計され、追加的な手の込んだ補強手段なしに は同時に負のモーメントに耐え得ないいずれの従来技術に対しても、大きな利点 を呈示している。さらに、曲げおよび軸荷重の組み合わせに曝される湾曲梁柱に おける曲げモーメントキャパシティを増加させることにより、柱の曲げおよび軸 荷重の組み合わせに対するキャパシティもまた増加する。 本明細書において本発明の実施態様を詳細に説明したが、本発明の趣旨すなわ ち付属の請求の範囲から逸脱することなしにこれを様々に変形し得ることが、当 業者に理解されるであろう。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU ,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH, CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,G B,GE,GH,HU,IL,IS,JP,KE,KG ,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT, LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,N O,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG ,SI,SK,TJ,TM,TR,TT,UA,UG, UZ,VN,YU 【要約の続き】 を有することにより、アーチを横切る個々の湾曲梁を提 供することで、本構造は、印加された荷重に対し、正負 の曲げ抵抗ならびに曲げおよび軸荷重の組み合わせに対 する抵抗を提供する。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.以下を包含する、複合コンクリート補強波形金属アーチ構造: i)所定のスパンの断面、高さおよび長手方向長さを有する基本アーチ構造を 規定するように相互接続された、成形波形金属プレートの第1のセットであって 、該基本アーチは、該スパン断面において冠部および隣接する腰臀部を有してお り、そして所定の厚さを有する波形金属プレートは、該アーチの該長手方向長さ に対して横方向に延びる波部を有することによって該基本アーチに複数の湾曲梁 柱を提供し; ii)該基本アーチの該第1の相互接続されたプレートのセットに重なりかつ 接触するように相互接続された第2の一連の成形金属プレートであって、少なく とも1つの該アーチ冠部を包含するように該横方向に連続的に延び、そして該相 互接続されたプレートの第1のセットに直接固定された、該第2の一連の相互接 続されたプレートと; iii)該相互接続された一連の第2のプレートおよび該第1のプレートのセ ットは、複数の個々の横方向に延びる閉じ込められた連続的なキャビティを規定 しており、該キャビティの各々は該第1のプレートのセットの内面および該一連 の第2のプレートの対向する内面によって規定されており; iv)該連続的なキャビティの各々を該第2の一連のプレートの横方向範囲に よって規定されるキャビティ端部から端部まで充填するコンクリートであって、 該コンクリートを充填されたキャビティは、該相互接続された第2の一連のプレ ートおよび第1のプレートのセットの該金属内面により封入された該コンクリー トの界面を規定し; v)該第1および第2のプレートの各々の該キャビティの該内面は該封入され たコンクリート−金属複合体界面において複数の剪断接着接合器を有しており、 該複合体剪断接着接合器は該第1および第2のプレートの剛性的な部分であるこ とにより荷重が該アーチ構造に印加されたときに該コンクリートと金属とが一体 に作用することを確実にし、該剪断接着接合器が複数の湾曲梁柱補剛材(stiffe ner)を提供することにより該基本アーチ構造の正負の曲げ抵抗および軸荷重抵 抗の組み合わせを高め、かつ、該構造に印加されることが予測される荷重を支持 するのに十分な数の該湾曲梁柱補剛材を提供するために該第2の一連のプレート の数が十分に存在している、構造。 2.前記第2の一連のプレートは平坦である、請求項1に記載のアーチ型構造。 3.前記第2の一連のプレートは少なくとも1つの波部を有する波形金属プレー トであり、該第2の一連のプレートの該波部は前記アーチの前記長手方向長さに 対して横方向に延びており、該第2の波形プレートのトラフ部は前記第1のプレ ートのセットのクレスト部に固定されている、請求項1に記載のアーチ型構造。 4.前記第2の一連のプレートは、プレートの単位幅当たりにつき複数の波部を 、前記第1のプレートの同じ単位幅当たりについての波部の数よりも多く有して いる、請求項3に記載のアーチ型構造。 5.前記波部は断面形状が閉じているか(surrounded)または多角形状である、請 求項3に記載のアーチ型構造。 6.前記第2の一連のプレートは、前記アーチのスパンにわたって、前記腰臀部 のうち一方の基部(base portion)から前記冠部を越えて該腰臀部のうち他方の基 部まで延びている、請求項3に記載のアーチ型構造。 7.前記第2の一連のプレートは、前記構造の前記スパンの大部分にわたって、 前記腰臀部のうち一方の途中の領域(mid-region)から前記冠部を越えて該腰臀部 のうち他方の途中の領域まで延びている、請求項3に記載のアーチ型構造。 8.前記構造は、卵形カルバート、凹角アーチ、箱形カルバート、円形カルバー トまたは楕円形カルバートである、請求項6に記載のアーチ型構造。 9.前記構造は、卵形カルバート、凹角アーチ、箱形カルバート、円形カルバー トまたは楕円形カルバートである、請求項7に記載のアーチ型構造。 10.前記複合体界面における前記剪断接着接合器は、前記コンクリートと該第 1および第2の金属プレートのセットとの間の相対的な移動に耐えるための、前 記第1および第2のプレートに形成された複数の一体的な横方向に突出するラグ (lug)を有している、請求項1に記載のアーチ型構造。 11.前記複合体界面における前記剪断接着接合器は、前記第1のプレートのセ ットおよび前記一連の第2のプレートによって規定される前記キャビティの前記 内面に固定された内側に突出する鋲を有している、請求項1に記載のアーチ型構 造。 12.前記複合体界面における前記剪断接着接合器は、前記第1および第2のプ レートの前記内面上に形成されたエンボス部を含む、請求項1に記載のアーチ型 構造。 13.各第2の一連のプレートは単一の波部を有する、請求項3に記載のアーチ 型構造。 14.各第2の一連のプレートは、複数の隣接する横方向に延びるキャビティを 規定する複数の波部を有し、該隣接するキャビティの少なくとも1つは前記剪断 接着接合器を有しておりかつコンクリートで充填されていることにより前記湾曲 梁柱補剛材を提供する、請求項3に記載のアーチ型構造。 15.前記隣接するキャビティの各々は、前記剪断接着接合器を有しておりかつ コンクリートで充填されていることにより前記湾曲梁柱補剛材の隣接する群を提 供する、請求項14に記載のアーチ型構造。 16.第2の波形プレートのセットが前記第1のプレートのセットに重なってお り、該第2のプレートのセットは、前記長手方向において連続的に、荷重を実効 的に支持する長さにわたって該第1のプレートのセットに重なっており、選択さ れたキャビティが前記剪断接着接合器を有しておりかつコンクリートで充填され ていることにより前記十分な数の前記湾曲梁柱補剛材を提供する、請求項3に記 載のアーチ型構造。 17.隣接するキャビティはそれぞれ前記剪断接着接合器を有しており、かつコ ンクリートで充填されていることにより、前記荷重を支持する前記構造の前記実 効長手方向長さに沿って隣接する湾曲梁柱補剛材を提供する、請求項16に記載 のアーチ型構造。 18.各前記第1および第2のプレートのセットの前記波形プレートが同じ正弦 波状プロフィールを有していることにより、各前記キャビティは、前記第1のセ ットの隣接するクレストが該第2のセットの位置の揃った隣接するトラフにボル ト止めされることによって規定される、請求項15に記載のアーチ型構造。 19.前記剪断接着接合器は、各キャビティの前記内面に固定された内側に突出 する鋲を有しており、該鋲は前記第1および第2のプレートのセットの対向する 内面に沿ってずらされている、請求項18に記載のアーチ型構造。 20.前記波形プレートは、25mmから150mmの選択された深さおよび1 25mmから450mmの選択されたピッチの正弦波状波形プロフィールを有し ている、請求項19に記載のアーチ型構造。 21.前記スパンは15mを越える、請求項20に記載のアーチ型構造。 22.各キャビティ端部に栓が設けられた、請求項21に記載のアーチ型構造。 23.前記第2の一連のプレートに設けられた複数の孔を通して前記キャビティ にコンクリートが充填され、各孔は、各該個々のキャビティのコンクリート充填 が完了した後に栓で閉じられる、請求項22に記載のアーチ型構造。
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