JP2000511523A

JP2000511523A - 窒素含有錯化剤の、皮膚及び紡織繊維材の脱臭及び抗菌処理のための用途

Info

Publication number: JP2000511523A
Application number: JP09541462A
Authority: JP
Inventors: バッハマン，フランク; オックス，ディートマー; ウーツ，ロナルド; エーリス，トーマス
Original assignee: Ciba Spezialitaetenchemie Holding AG
Current assignee: BASF Schweiz AG
Priority date: 1996-05-22
Filing date: 1997-05-09
Publication date: 2000-09-05
Also published as: WO1997044006A1; BR9709595A; US20020031537A1; CN1219124A; US6391325B1; EP0901367A1; AU2895197A; DE19620644A1

Abstract

(57)【要約】本発明は、皮膚及び紡織繊維材の脱臭及び抗菌処理用の窒素含有錯化剤の用途に関する。本発明により用いる錯化剤は、式（１）を有する（式中、Ｑ₁は、Carb₁；Carb₂又は式（ａ）の基であり；Ｑ₂は、水素又はCarb₂であり；そしてＱ₃は、Carb₃；アミノ酸基；又は式（１ａ）である；ここで、Carb₁、Carb₂及びCarb₃は、互いに独立して、Ｃ₁−Ｃ₈−モノ−又は−ジカルボン酸基であり；そしてｍ₁は、１〜５である）。本発明による錯化剤は、Corynebacterium xerosis（体臭を生起する細菌）に対して、顕著な細菌発育阻止作用を示し、したがって、ボディケア組成物中、及び繊維材の抗菌紡織仕上げでの抗菌活性な物質として適切である。

Description

【発明の詳細な説明】窒素含有錯化剤の、皮膚及び紡織繊維材の脱臭及び抗菌処理のための用途本発明は、窒素含有錯化剤の、皮膚及び紡織繊維材の脱臭及び抗菌処理のための用途に関する。種々の窒素含有錯化剤、例えば、エチレンジアミン四酢酸（ＥＤＴＡ）、ニトリロ三酢酸（ＮＴＡ）、β−アラニン二酢酸（ＥＤＥＴＡ）又はエチレンジアミン二コハク酸（ＥＤＤＳ）が、それらの錯形成特性のために、家庭用洗剤において広範囲に用いられていることは既知である。驚くべきことに、ある特定の窒素含有錯化剤が、グラム陽性菌に対して抗菌作用をも有し、したがって、ヒトの皮膚及び紡織繊維材の脱臭及び抗菌処理に特に適切であることが見い出された。本発明は、したがって、窒素含有錯化剤の、皮膚及び紡織繊維材の脱臭及び抗菌処理のための用途に関する。本発明により、錯化剤として用いるのが好ましい化合物は、式（１）：（式中、Ｑ₁は、Carb₁；Carb₂又は式：−（ＣＨ₂）_m1−ＯＨの基であり；Ｑ₂は、水素又はCarb₂であり；そしてＱ₃は、Carb₃；アミノ酸基；又は式（１ａ）：で示される基である；ここで、Carb₁、Carb₂及びCarb₃は、互いに独立して、Ｃ₁−Ｃ₈−モノ−又は −ジカルボン酸基であり；そしてｍ₁は、１〜５である）で示されるものである。ここで特に好ましい化合物は、アミノ酸基Ｑ₃が、式（１ｂ）：で示される式を有する式（１）のものであり、特に、Ｑ₁が、モノカルボン酸；又は式：−(ＣＨ₂)_m1−ＯＨの基であり；Ｑ₂が、水素又はモノカルボン酸であり；そしてＱ₃が、式（１ｂ）の基；又はモノカルボン酸である式（１）の化合物である。特別に重要な錯化剤は、Carb₂及びCarb₃が、互いに独立して、式（１ｃ）：（１ｃ） −〔（ＣＨ₂）〕_n1−ＣＯＯＨ（式中、ｎ₁は、０〜５である）で示される基である式（１）のものである。実用的に重要な錯化剤は、式（２）：又は式（３）：を有している。ニトリロ三酢酸（ＮＴＡ）は、錯化剤として更に適切である。本発明に従って用いることができる錯化剤の他の例は、式（４）：で示されるアミノトリメチレンリン酸（ＡＴＭＰ）、式（５）：で示されるセリン二酢酸（ＳＤＡ）、式（６）：で示されるアスパラギン二酢酸、又は式（７）：で示されるメチルグリシン二酢酸（ＭＧＤＡ）である。本発明により用いられる窒素含有錯化剤は、酸としてばかりではなく、水溶性の塩の形態で、好ましくはリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩及びエタノールアンモニウム塩として用いることができる。式（２）のエチレンジアミン二コハク酸（ＥＤＤＳ）は、２個の不斉炭素原子を有している。したがって、この化合物の種々な立体異性体の形態が可能である。ＥＤＤＳの（Ｓ，Ｓ）配置は、式（９）：で示される式を有している。安価な化学合成は、Ｓ，Ｓ；Ｒ，Ｒ；及びメソ−ＥＤＤＳの３形態の混合物に導く。しかしながら、これらの立体異性体化合物の分離は高い工業的経費を要する。光学的に純粋な(Ｓ，Ｓ)−ＥＤＤＳは、アクチノマイヤテス(Actinomycetes )株の助けによって調製できる〔T．Nishikiori et al.，Production by Actinomycetesof(S,S)-N,N'-ethylenediaminedisuccinic acid，an inhibitor o f phospholipase c（錦織ら、アクチノマイセテスによる、ホスホリパーゼＣ阻害剤である（Ｓ，Ｓ）−Ｎ，Ｎ’−エチレンジアミン二コハク酸の製造）；Ｊ． Antibiotics 37，426-427(1984)〕。式（９）の化合物の純粋に化学的な調製は、例えば、J．A．Neal及びN．Rose によってInorganic Chemistry，7，2405(1985)に記載されているように、それ自体既知の方法で行われる。ラセミ体のＥＤＤＳは、米国特許第３１５８６３５号明細書に従って調製することができる。本発明による錯化剤は、特に皮膚微生物叢のグラム陽性菌、例えばCorynebact erium xerosis(体臭を生起する細菌)に対して、顕著な細菌発育阻止作用を示す。それらは、したがって、ボディケア組成物、例えば石けん類、シャンプー類、フットケア製品、及び特にデオドラント類中の抗菌活性物質として、並びに洗剤中の添加物として特に適切である。したがって、本発明は、また、少なくとも１種の窒素含有錯化剤、及び化粧用に許容されるキャリヤー又は助剤を含むボディケア組成物に関する。本発明によるボディケア組成物は、全組成物重量をベースとして、窒素含有錯化剤及び化粧用に許容される助剤０．０１〜１５重量％、好ましくは０．５〜１０重量％を含んでいる。ボディケア組成物は、それが存在する形態によって、錯化剤の他に、他の成分、例えば金属イオン封鎖剤、染料、香油、増粘剤又は固化剤(consolidating age nt)（粘稠度調整剤）、皮膚軟化剤、ＵＶ吸収剤、皮膚保護剤、抗酸化剤、ジカルボン酸及び／又はＣ₁₄−Ｃ₂₂脂肪酸のＡｌ塩、Ｚｎ塩、Ｃａ塩若しくはＭｇ塩のような機械的性質を改善する添加剤、並びに適切ならば保存剤を含んでいる。良好な水に対する溶解度のために、本発明による錯化剤は、対応する製剤に問題なく組み込むことができる。本発明によるボディケア組成物は、油中水型若しくは水中油型のエマルションとして、アルコール性の若しくはアルコール含有製剤として、イオン性若しくは非イオン性の両親媒性脂質の小嚢分散液として、ゲル若しくは固形スティックとして、又はエアロゾル製剤として調合することができる。油中水型若しくは水中油型のエマルションとしては、化粧用として許容される助剤は、油相５〜５０％、乳化剤５〜２０％、及び水３０〜９０％を含むことが好ましい。該油相は、化粧用製剤に適切な油なら何でも、例えば炭化水素油１種又はそれ以上、ワックス、天然由来の油、シリコーンオイル、脂肪酸エステル又は脂肪族アルコールを含んでもよい。好ましいモノ又はポリオールは、エタノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン及びソルビトールである。抗菌石けんは、例えば、下記の組成を有している：石けん基剤、例えば牛脂及びココナッツ脂肪酸のナトリウム塩又はグリセリン類１００％に対して、式（２）の化合物：０．０１〜５重量％二酸化チタン：０．３〜１重量％ステアリン酸：１〜１０重量％、及びシャンプーは、例えば、下記の組成を有している：式（２）の化合物：０．０１〜５重量％ナトリウムラウレト−２−サルフェート：１２．０重量％コアミドプロピルベタイン：４．０重量％塩化ナトリウム：３．０重量％、及び水：加えて１００％までデオドラントは、例えば、下記の組成を有している：式（２）の化合物：０．０１〜５重量％エタノール：６０重量％香油：０．３重量％、及び水：加えて１００％まで本発明による錯化剤は、紡織繊維材の処理のために更に適切である。繊維材は、非浸染の及び浸染した、又は捺染した繊維材、例えば絹、皮、毛、ポリアミド又はポリウレタン類であり、特に全ての種類のセルロース性繊維材である。そのような繊維材は、例えば、綿、リネン、ジュート及び大麻のような天然由来のセルロース性繊維、並びにセルロース及び再生セルロースである。好ましく適切である紡織繊維材は綿である。下記の例は、本発明を詳細に説明する。例１：Ｓ，Ｓ−ＥＤＤＳ、Ｒ，Ｒ−ＥＤＤＳ、ＥＤＤＳとＥＤＥＴＡのラセミ体、ＥＤＴＡ及びＮＴＡの抗菌活性の測定試験方法：寒天拡散試験を、下記の変更を行って遂行した：培地：カゼイン−大豆粉ペプトン寒天（caso-agar）培地試験菌：Corynebacterium xerosis ATCC 373 Corynebacterium xerosis ATCC 7711 Corynebacterium minutissimum ATCC 23358 方法：caso-agar５００mlに、１：１００に希釈した一夜培養株３．５mlを接種し、そしてcasoプレート（１８ｍｌ）を細菌含有寒天約５mlの層で覆った。そのプレートが冷却した後、コルク穿孔器で直径１cmの穴を押開けた。押し開けた穴のそれぞれに、試験物質希釈液１００μｌをそれぞれ満たし、そしてそのプレートを３７℃で２日間インキュベートした。すべての物質の溶媒として、２回蒸留した水を用いた。ＥＤＥＴＡＧＳの場合、１ＮのＮａＯＨの添加により、pHを３．３に調製した。１ＮのＮａＯＨの添加により、化学的に調製したＳ，Ｓ−ＥＤＤＳをpH５．６に調整した。コントロール：２回蒸留水試験の結果を表１に列記した。１：円形の阻害域上のわずかな発育 n.d.は、データなしである。試験結果は、ＥＤＥＴＡ、ＥＤＴＡの両者並びに発酵法により調製したＥＤＤＳ及び化学的に調製したＥＤＤＳ（＝Ｒ，Ｒ；Ｓ，Ｓ；Ｒ，Ｓ）が、Corynebact erium xerosisに対する顕著な細菌発育阻止作用を表すことを示している。細菌発育阻止作用を有する製剤の例例２：洗剤の調製ラウリル硫酸アンモニウム 8.0％非イオン性界面活性剤 2.9％石けん 3.5％トリポリリン酸ナトリウム 43.8％ケイ酸ナトリウム 7.5％ケイ酸マグネシウム 1.9％カルボキシメチルセルロース 1.2％ＥＤＴＡ 0.2％硫酸ナトリウム 21.2％ＥＤＤＳ 1％水 100％まで加える製剤を次のように調製した：その固体成分を混合し、乳鉢中で均一化し、均一に注ぐことができ、くみ出すことができるペースト（スラリー）が得られるまで、脱イオン水と撹拌し、それを最後にスプレー乾燥した。例３：洗浄トニックの調製エタノール 20％グリセリン 5％ＰＥＧ-40水素化ヒマシ油 1％（水素化エトキシ化ヒマシ油）ＥＤＤＳ 0.5％香料任意量水 100％になるまで加える製剤を次のように調製した：ＥＤＤＳをエタノールに溶解した。室温で撹拌しながら、ＰＥＧ−４０、グリセリン及び香料を添加した。最後に水を添加した。例４：デオドラントスティックの調製エタノール 20％グリセロール 30％プロピレングリコール 20％ Ceteareth-25 3％（＝エトキシ化セチル／ステアリルアルコール）ステアリン酸ナトリウム 7％ＥＤＤＳ 0,5％香料任意量水 100％になるまで添加製剤を次のように調製した：ステアリン酸ナトリウムを６０℃で融解した。プロピレングリコール、Cetear ath-25及びグリセリンを、均一で透明な懸濁液が得られるまで、その融解物に添加した。最後に、その懸濁液を、アルコール／水の混合物中のＥＤＤＳ溶液と５０℃で撹拌し、徐々に冷却した。例５：可溶性ＥＤＤＳ塩及びデオドラント製剤の調製Ｓ，Ｓ−ＥＤＤＳは、微生物学的な手段により（ＰＣＴ出願国際公開第９６／３６７２５号）、又は化学合成の方法（J．A．Neal et al.，Inorg．Chem．7，2 405(1968)）により得た。ラセミ体のＥＤＤＳを、無水マレイン酸及びエチレンジアミンから調製した（米国特許第３１５８６３５号明細書）。ラセミ体ＥＤＤＳ又はＳ，Ｓ−ＥＤＤＳの１％懸濁液を、水／エタノール（約７：３）中で激しく撹拌しながら調製した。ＮａＯＨ水溶液を、pH７が３０分間一定に維持されるまで、自動滴定装置で秤り入れした。生じたかすかな乳白色の懸濁物は、紙を通しろ過して除去した。ヒドロキシエチルセルロースのような増粘剤の添加により、室温で安定であり、活性物質約１％を含み（テトラ酸ベース）、かつ皮膚にやさしいpHを有する透明なデオドラント調合品を得た。ＮａＯＨをＫＯＨ、アンモニア又はエタノールアミンに代えた場合、対応するカリウム塩、アンモニウム塩及びエタノールアンモニウム塩が得られた。水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム又はラウリルアミンも、塩基として用いることができる。例６：皮膚上でのＲ，Ｓ−ＥＤＤＳ塩の実質的な抗菌活性の検出試験方法：試験溶液を塗付する前に、脇の下を非−抗菌性石けんで、毎回、１分間２回洗浄した。次に、全部で６mlの試験製品を、洗浄した脇の下の乾燥皮膚に塗付した。試験品の塗付直後、及び２時間後に、皮膚上のＥＤＤＳを、０．９％ＮａＣｌ溶液（pH：８．２）中で湿らせたろ紙ディスク（直径２cm）により抽出した。これには、その湿潤ろ紙ディスクを処理した皮膚の上に無気泡で４分間置いた。そのろ紙ディスクをつづいて室温で乾燥させ、その後、試験菌を有する固形寒天培地上に置いた。固形寒天培地を調製するには、液体寒天５００mlを、試験菌の４７℃での１２〜１６時間培養物を、１：１００希釈して、その３．５mlを接種し、そしてcaso プレート（１８ml）を菌体含有寒天約5mlの層で覆った。該ろ紙ディスクを最上部に置いた後、該寒天培地を３７℃で２日間インキュベートし、そして、次に、ろ紙ディスク下部の阻害、又はろ紙ディスクの円形の阻害域を測定した。試験結果を表２に列記した。＊：ろ紙ディスク下部の阻害説明：０＝良好な発育（阻害なし）２＝阻害されているが、明らかな発育（弱度の阻害）４＝発育なし（強度の阻害）試験結果は、Corynebacterium xerosisの顕著な阻害が、両方の試験物質で達成されたことを示した。その試験は、また、Corynebacterium xerosisの阻害を達成するのに、濃度が充分に高いＥＤＤＳが、最後の塗付から２時間後でもまだ皮膚上に存在することを示した。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号ＦＩテーマコート゛(参考）Ａ６１Ｋ 31/663 Ａ６１Ｋ 31/66 ６０４Ｄ０６Ｍ 13/342 Ｄ０６Ｍ 13/342 16/00 16/00 // Ｃ１１Ｄ 3/48 Ｃ１１Ｄ 3/48 9/50 9/50 (81)指定国ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＺ，ＵＧ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＥ，ＧＨ，ＨＵ，ＩＬ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ (72)発明者ウーツ，ロナルドドイツ連邦共和国デー―79618 ラインフェルデンリースベルク２ (72)発明者エーリス，トーマスドイツ連邦共和国デー―79100 フライブルクフェルディナント―ヴァイス―シュトラーセ 30

Claims

【特許請求の範囲】１．窒素含有錯化剤の、皮膚及び紡織繊維材の脱臭及び抗菌処理用のための用途。２．式（１）：（式中、Ｑ₁は、Carb₁；Carb₂；又は式：−(ＣＨ₂)_m1−ＯＨの基であり；Ｑ₂は、水素又はCarb₂であり；そしてＱ₃は、Carb₃；アミノ酸基；又は式（１ａ）：で示される基である；ここで、Carb₁、Carb₂及びCarb₃は、互いに独立して、Ｃ₁−Ｃ₈−モノ− 又は−ジカルボン酸基であり；そしてｍ₁は、１〜５である）で示される化合物を錯化剤として用いる、請求項１記載の用途。３．アミノ酸基Ｑ₃が、式（１ｂ）：で示される式を有する、請求項１又は２記載の用途。４．Ｑ₁が、モノカルボン酸；又は式：−(ＣＨ₂)_m1−ＯＨの基であり；Ｑ₂が、水素又はモノカルボン酸であり；そしてＱ₃が、式（１ｂ）；又はモノカルボン酸である、請求項３記載の用途。５．Carb₂及びCarb₃が、互いに独立して、式（１ｃ）：（１ｃ） −〔（ＣＨ₂）〕_n1−ＣＯＯＨ（式中、ｎ₁は、０〜５である）で示される基である、請求項１又は２記載の用途。６．式（２）：で示される化合物を、錯化剤として用いる、請求項１〜４のいずれか１項記載の用途。７．式（３）：で示される化合物を、錯化剤として用いる、請求項１〜４のいずれか１項記載の用途。８．ニトリロ三酢酸を、錯化剤として用いる、請求項１記載の用途。９．該錯化剤もまた、その水溶性塩のうちの１種の形態である、請求項１〜８のいずれか１項記載の用途。１０．該錯化剤が、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩及びエタノールアンモニウム塩の形態で存在する、請求項９記載の用途。１１．グラム陽性菌に対する抗菌活性物質としての請求項１〜１０のいずれか１項記載の錯化剤の用途。１２．ボディケア組成物中の請求項１〜１１のいずれか１項記載の錯化剤の用途。１３．請求項１記載の窒素含有錯化剤を含むボディケア組成物。１４．石けん、シャンプー及びデオドラントの形態である、請求項１３記載のボディケア組成物。１５．紡織繊維材における、請求項１〜１０のいずれか１項記載の錯化剤の用途。