JP2000510643A - プラズマ処理用の大規模な誘導プラズマを発生させる方法及び装置 - Google Patents

プラズマ処理用の大規模な誘導プラズマを発生させる方法及び装置

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Abstract

(57)【要約】 装置(12)は、誘導結合によりチャンバー内でプラズマを発生させ若しくは持続させるプラズマ処理チャンバー(10)のフィールドアドミッション窓(22)を通して時間変化磁界を発生する。前記装置は、窓に対して若しくは窓に近接して適用されるようにされた単磁極面構造(26a、260a)を有し、大きさ及び形がフィールドアドミッション窓に実質的に適合する活性フィールド放出領域を有する磁気コア(26;260)と、 全単磁極面構造にわたって実質的に均一に分布した時間変化磁界を発生させる磁気コアと関連するインダクタ手段(28)とから成る。前記装置は、プラズマ処理チャンバーの欠かせない部分として形成される。さらに本発明は、例えば時間変化磁界発生装置と協力するための二つ以上のフィールドアドミッション窓を有するプラズマ処理チャンバーにも関する。

Description

【発明の詳細な説明】 プラズマ処理用の大規模な誘導プラズマを発生させる方法及び装置 本発明はプラズマ補助処理を用いた表面処理用の装置及びその使用に関し、特 に、独占的にではなく、大規模なフラット基板の処理に関する。 かかる処理はエッチング、堆積、洗浄、パッシベーション及びイオン注入を含 む。 大規模な基板のプラズマ処理用の新しい条件は、市販で入手可能なプラズマ源 では、ますます重要になってきている。プラズマ補助処理の成否は上記プラズマ 源のスケーラビィティ(scalability)に依る。 上記条件を満たすために、幅広い圧力範囲にわたって低エネルギーで制御可能 なエネルギーを有する高濃度の反応性種を発生させるようなプラズマ特有の特徴 を有し、全基板にわたって優れた均質性のある大規模な基板を処理するために、 新しいプラズマ源を考えなければならない。 一般には、プラズマ処理は、ガスフローと圧を制御するためのガス入口とポン ピング装置に接続した真空チャンバーを利用する。電気エネルギーが真空チャン バーに加えられ、ガス中の自由電子を加速されてガス分子のイオン化エネルギー を与え、よってプラズマを発生させる。イオン化現象は、さらに加速される幾つ かの電子をイオン化エネルギーを与える。 ガス中の自由電子の追加エネルギーは、概して電界、変化する磁界又はその双 方により与えられる。 プラズマを発生させてプラズマ処理に利用される一つの従来の方法は、容量性 のある結合プラズマ(Capacitively Coupled Plasma)と呼ばれて知られている 技術によるものである。プラズマは、自由電子を加速させる電場を発生させる二 つの電極間のAC電圧の印 加から生じる。一般的には、二つの電極の1つは基板ホルダーである。二つの電 極間に印加されたAC電圧により発生した印加エネルギーは、同時にイオンの流 れと運動エネルギーを制御する。二つのパラメータは結合しているので、上記方 法は最適化することが難しい。 プラズマ処理に利用される別のプラズマ源は、電子サイクロトロン共鳴(EC R)に基づいている。この方法では、マイクロ波電力が、電子経路を円形経路へ 変換させる一定の磁界とともにガスに印加される。磁界の強度は電子の回転周波 数が電界の周波数と同じになるようにし、電子加速の効率を増加させる共鳴効果 をもたらす。このタイプの励起モードは、高イオンの流れと低イオンエネルギー を有するプラズマを生じさせる。イオンエネルギーは、基板への無関係なバイア スを加えることにより制御される。しかしながら、かかる装置は複雑であり高価 である。さらに、プラズマの期待した処理の特徴に関しては、特にプラズマ源の スケールアップと均質性いまだ限られている。 プラズマ源の新しい世代が以前から開発され、有望性がある。これらは誘導結 合プラズマ(Inductively Coupled Plasmas,ICPs)として知られており、例えば 米国特許第4,948,458号と米国特許第5,277,751号に開示されている。プラズマは 、スパイラルプレーナコイルにより発生した磁界を変化させることにより生じる 。電子は、コイル平面及びプラズマチャンバーの絶縁窓に平行な円形経路で加速 される。この配置は低運動エネルギーを有する高濃度プラズマを生じさるが、装 置のサイズが大きくなると、コイルの中央と境界での均質性という固有の問題を 有する。この問題は処理のスカビリティ(scability)を制限する。 米国特許第5,435,881号には、低圧プレーナプラズマを巧く発生させる装置が 開示されている。本装置は2つずつ、つまり交互の磁極(多重極)の大きなアレ イから成る。上記特許で引用された利点 は、磁極をより変化させること、よって非均一なプラズマに非常に小さい領域を 有することにより、大規模なプラズマを発生させる可能性がある。 しかしながら、かかる設計は、二つずつの磁極の間隔と使用する操作圧と同様 に励起周波数に間での依存性を生じさせる。圧を増加させたときに、この間隔は 減少する電子の平均自由経路に依存する。したがって、処理条件に高い操作圧が 必要な際は、二つずつの磁極間の間隔は劇的に減少させなければならない。この ことは技術的観点から重大となる。さらに上記方法は、さまざまな処理圧に対し て種々の多重極分布が必要であり、産業上への応用には柔軟性と適用性が減少す る。 したがって、本発明の目的は、大きな寸法の被加工物を処理する必要があると きでさえ、信頼できる方法で最適なプラズマ条件が得られる手段を提供すること である。 本発明の第一の態様によれば、誘導結合によりチャンバー内でプラズマを発生 させ若しくは持続させるプラズマ処理チャンバーのフィールドアドミッション窓 を通して時間変化磁界を発生させるようにさせた装置を提供し、前記装置は、 - 窓に対して又は近接して適用されるようされた単磁極面構造を有し、大き さ及び形が実質的にフィールド放出窓に適合する活性フィールド放出領域を有す る磁気コアと、 - 全単磁極面構造にわたって実質的に均一に分布した時間変化磁界を発生さ せる磁気コアと関連するインダクタ手段とから成ることを特徴とする。 インダクタと磁気コアとの組合せは、インダクタにより発生した磁界を増加さ せ均質化させる働きがあり、磁束ラインは磁極面構造上に均一に分布する。例え ば1000又はそれ以上の領域において、非常に高い透磁率(μ)を有する本発 明において利用される典型的なコア材料のときに、特に効果がある。かかる材料 は軟鉄、鉄合金 又は強磁性材料である。後者はフェライトのようなセラミック、又は他の材料の 形である。選択した材料に関係なく、コアは適当な焼結方法により製造される。 磁気コアと単磁極面構造の組合せは、磁界が、チャンバー窓の平面に平行に形 成されたスパイラル経路を有するインダクタにちょうど基づく磁界エネルギー源 ではよくあるように、インダクタの中央での“デッドエリア”を、有しないこと を確実にする。 結果として、本発明の第一の態様による装置は、大規模な窓領域を有するプラ ズマ処理チャンバーに利用することを可能にし、よって全活性領域にわたって均 質プラズマ条件下で、大規模な被加工物を処理することができる。例えば、本発 明は、約0.5平方メータ又はそれ以上の大きさを有するLCDのようなフラッ トパネルディスプレイの基板処理に利用可能である。 磁気コアは窓の形と大きさに容易に適合させることができる。必要ならば、例 えば円形、矩形又は多角形単磁極面を有することが可能である。 加工チャンバーの窓は必ずしも平面である必要はなく、曲がっていてもよい。 例えば窓に関係する壁部分の輪郭に沿う形でもよい。同様に、磁気材料はチャン バー内に均一な条件を生じさせるように、窓の曲率に合わせた単磁極面構造を有 する。 単磁極面構造は一体構造の単一の磁極面により構成されることが好ましい。こ のようにして、プラズマ処理チャンバーの窓は、均一性を向上させるのにさらに 貢献する、実質的に連続な表面に向かい合う。 にもかかがらず、単磁極面構造を二つ又はそれ以上のプラズマ処理チャンバー 窓の各部分に対面する単磁極面に分割することを考える。覆われるべき窓領域が 特に大きい場合には、代替解決策が検討される。全ての磁極面はいつでも同じ極 性を有することを保証にするように同相のままである間、磁極面は各インダクタ と電源供給に 関連している。あるいは、単磁極面は共通の磁気コア及びインダクタに物理的に 依存している。 好ましい構造においては、磁極面構造は磁気コアの端面を構成する。 好ましくは、磁気コアの周りの渦電流の循環を防止するために、磁気コアは磁 極面に平行な平面に沿った経路において少なくとも一つの電気的不連続を有する 。実際に、磁気コアを通過する磁束ラインは、レンツの法則により、磁極面の平 面において循環する渦電流を発生させる傾向がある。上記渦電流が磁気コアの周 りを自由に循環できるのなら、渦電流はコイルによる発生した磁束ラインに対向 する磁束ラインが生じ、磁極面から放出された正味の磁界エネルギーが減少し、 磁気コアの不必要な加熱を生じさせるという効果をもたらす。 不連続は一つ又はそれ以上のラミネーションの形である。ラミネーションは、 コア中心の近接点若しくはコア中心点からコア周辺へ放射状に延在することが好 ましい。磁極面構造に垂直な方向に測定されたように、ラミネーションは磁気コ アの全奥行きを占める。 渦電流による上記問題は、例えば利用した磁気コア材料に依存している他の設 計よりは、ある磁気コア設計においてより深刻となり、かかる不連続性を有する ことがいつも必要であるとが限らない。一般には、インダクタは少なくとも磁気 コアのある部分の周りに一回又はそれ以上の巻きを形成するように配置された導 線から成る。導線は磁気コアの周辺に巻き付けられる。さらにインダクタ手段は 、磁気コアに、例えば磁極面の表面に形成された溝パターン内の引っ込んだプレ ーナ巻線から成る。 加工チャンバーの窓が曲がった壁に形成されたら、磁極面構造は関連するフィ ールドアドミッション窓の曲率に合わせた非平面に製造される。 インダクタ手段は約10kHzから100MHzの、代表的な周 波数は13.56MHzである周波数で電流を送る電源により、好ましく駆動さ れる。インピーダンス整合及び位相要因補正用の回路は、必要ならば電源とイン ダクタの間に設けられる。 本発明の第一の態様は、少なくとも一つの窓を有するプラズマ処理チャンバー と、対応する窓を通して誘導結合によりチャンバー内の時間変化磁界を発生させ るように配置された少なくとも一つの前述の磁界発生装置と、磁界発生装置を駆 動させるための電源手段から成るプラズマ処理装置を提供することである。 さらに本発明の第一の態様は、被加工物を処理するための上記プラズマ処理装 置の利用に関する。 本発明の第二の態様によれば、誘導フィールドエネルギーを受ける二つ又はそ れ以上の窓を有する誘導型プラズマ処理チャンバーを提供し、各窓は誘導フィー ルドエネルギーを各方向からチャンバーに入れることを可能とする。 本発明の第二の態様によるプラズマ処理チャンバーにより、被加工物又は被加 工物群の二つ又はそれ以上の異なる面で、最適プラズマ条件を設定することが可 能となる。よって、優れた均一性の条件下で、チャンバーは複数小面を有する大 きな被加工物を処理するのに利用可能である。さらに、二つ又はそれ以上の被加 工物、例えば二つ又はそれ以上の基板の各面に対して、同時に処理することが可 能である。 例えば、プラズマ処理チャンバーには二つの対面する窓が設けられる。チャン バーが奥行きのない配置(円形又は正方形断面)ならば、窓は、例えば奥行きの ない壁の各端に設置される。 チャンバーが細長い配置(円形又は正方形断面)ならば、窓は、例えば対面す る窓の1つ又は幾つかの組に配置された細長い壁に形成される。 本発明の第一の態様のように、チャンバーの窓は平面である必要はない。同様 に、窓に関連したフィールドエネルギー発生器は、 チャンバー内に均一条件を与えるように、窓の曲率に合わせて配置される。 本発明の第二の態様による処理チャンバーは、さまざまな窓からフィールドエ ネルギーがさえぎられることを避けるように適合された被加工物支持手段を有す る。 周辺支持手段は、例えば窓間の中間に設けられ、端で被加工物を保持するよう に改造され、よって対向面を晒すことを可能にする。 一つ又はそれ以上の隔壁がチャンバー内に設けられ、一つの窓又は窓群に関連 した空間を分離する。空間はガス又はガス混合物、フィールド条件(例えば隣接 エネルギーフィールド間のクロストークを防止するため)、バイアス条件、又は 他の処理パラメータに関して分離される。よって、チャンバーは、個別の耐圧容 器を設ける必要なしに、幾つかの独立したチャンバーと等価な機能性を有するよ うに製造される。実際に、各ガス入口及び出口手段が協力した方法で作動するな ら、高い圧力差に抵抗するように隔壁を設計する必要はない。 被加工物支持手段は、支持手段と被加工物との間の接触点における耐ガス密閉 性を設けることにより、被加工物と共にチャンバーの仕切りに寄与ように改造さ れ得る。例えば、前述の周辺支持手段は、それ自身被加工物とチャンバー壁の間 の空間用の一部の隔壁を構成し、被加工物それ自体(例えば平面基板)は周辺支 持手段内の隔壁を形成する。被加工物は支持手段上に設けられた密閉ガスケット を装備した端グリップにより保持される。 本配置により、さまざまな条件下で同じ被加工物の二つの面(例えば基板の対 向面)を、全ては単一真空外囲容器内で同時に処理することも可能となる。この ように分割された全ての空間がプラズマ処理用の環境を作り出す必要はなく、一 つ又は幾つかの空間は、他の技術を利用した被加工物の対応する表面を処理する のに利用できることを指摘しておく。 本発明の第二の態様は、被加工物処理用の上記プラズマ処理チャンバーの使用 に関する。 本発明の第三の態様によれば、チャンバー内でプラズマを発生させ若しくは持 続させるための誘導結合型プラズマ処理チャンバーのフィールドアドミッション 面でエネルギフィールドを発生させる装置を提供し、前記装置はフィールドアド ミッション面用の閉塞及びガス密閉を構成することから特徴付けられる。 誘導結合プラズマ処理チャンバーにおけるエネルギーフィールドを発生させる 手段は、それ自身比較的剛体である構造部品から通常成る。簡単な改造により、 上記手段は関連するフィールドアドミッション面を孤立させ密閉させるように製 造され、よって真空外囲容器の構造部品を形成する。 よって、本発明の第三の態様により、チャンバーのフィールドアドミッション 面用の耐圧絶縁窓を設ける必要性を取除くことが可能になる。古典的誘導プラズ マ処理チャンバーにおけるかかる窓の提供は、窓材料の厚さは、大気圧に晒され る表面積とともに著しく増加しなけらばならないので、フィールドアドミッショ ン面用の増大する大きさへの傾向が問題となってきている。大規模なフィールド アドミッション面により、要求される絶縁材料の厚さは更なる開発のための実用 的限界を課す。さらに、絶縁材料がかなりの厚さを有する際には、フィールドエ ネルギー源は、最適フィールド強度及び均一性を保証するためのプラズマ環境に 十分近づくように製造され得ない。 対照的には、本発明の第三の態様により、フィールドアドミッション開口部の サイズに関係なく、最小損失でかなり接近して誘導フィールドエネルギー源をプ ラズマ環境に持って行くことが可能となる。 当然、本発明の第三の態様による処理チャンバーは、本発明の第二の態様に関 係して設けられたフィールドアドミッション窓に類似 して、二つ以上のフィールドアドミッション面を有する。 好ましくは、バリアがエネルギーフィールド源のフィールド放出表面とプラズ マ環境の間に形成され、前記表面がチャンバーの汚染を防止する。 バリアはクオーツ、ガラス、例えばパイレックス(RTM)又はポリマーのよ うな絶縁材料から作られる窓又はプレートの形を有する。 エネルギーフィールド発生器のフィールド放出面により、少なくとも表面部分 では古典的窓ほど剛体である必要はないと考えられる。バリアは接着剤、ねじ、 リベット又は取付ブラケットによりエネルギフィールド発生器へ支えられる。 さらにバリアは、エネルギーフィールド発生器のフィールド放出面の表面に堆 積されたフィルムの形でもある。 上述の配置は、バリアはフィールドエネルギー発生器の放出面と接触した表面 にあることを確実にする。 別の実施例において、バリアはエネルギーフィールド発生器のフィールド放出 面に接触せずに、保持されて、例えばフィールド放出面の周辺で又は可能ならば 処理チャンバーにより取付けられる。 この場合、手段はバリア内部面と外部面(夫々チャンバー環境に向かう面とエ ネルギーフィールド発生器に向かう面)の間の圧条件のバランスをとるために設 けられる。反応チャンバーが圧条件の変化(例えば、被加工物の装填及び取出し での真空ポンピング若しくはガスアドミッション、又は大気圧への設定中)をう ける際に、上記手段は、バリアの外面での圧が処理チャンバーの圧に合わせられ るように作動するバルブ配置の形である。一旦チャンバー内の圧条件が安定すれ ば、バルブ手段は、エネルギーフィールド発生器からの汚染物は全く処理チャン バーのプラズマ環境に達しないことを保証するために、反応チャンバーからのバ リア外表面上の空間を密閉するように設定される。 フィールドエネルギー源は、チャンバーとの界面に設けられる適当な密閉手段 を有して、チャンバー上に固定可能であるように組立てられる。かかる構造にお いて、チャンバー及びフィールドエネルギー源は、開閉手段を介して別々に若し くは相対的に離れて配置され、フィールドアドミッション開口部を経由して、例 えば被加工物の装填及び取出しに対して、処理チャンバーへのアクセスが可能と なる。 あるいは、処理チャンバー及びフィールドエネルギー源は、一体構造である。 この場合も、絶縁バリアはエネルギーフィールド源とチャンバー内部の処理空間 の間に設けられる。絶縁バリアは、前に説明した方法で、均圧バルブ配置の選択 的設置を有して、処理チャンバー若しくはエネルギーフィールド源のいずれかの レベルに物理的に取付けられる。 本発明の第三の態様によれば、誘導結合によりフィールドエネルギーを受ける 少なくとも一つのフィールドアドミッション面を有する処理チャンバーと、対応 するフィールドアドミッション面を経由してチャンバーへフィールドエネルギー を誘導するように配置された少なくとも一つのエネルギー源とから成るプラズマ 処理装置を提供し、前記装置は各エネルギー源が対応するフィールドアドミッシ ョン面に関して密閉カバーを形成することを特徴とする。 さらに本発明の第三の態様は、被加工物処理用の上記プラズマ処理装置の使用 に関する。 さらに本発明の第一、第二及び第三の態様は、 被加工物及び/又はフィールドエネルギー源を交流バイアス(無線周波数を含 む)、直流バイアス又は接地バイアスでバイアスをかける手段と、 処理チャンバー内に含まれる被加工物を加熱する手段と、 フィールドエネルギー源、例えば磁気コアを冷却する手段の1つ又はそれ以上 の手段で実施可能である。手段がフィールドエ ネルギー源(例えば磁極面構造)にバイアスをかけるために設けられたなら、後 者はチャンバーの構造から電気的に分離されることが好ましい。 第一、第二又は第三の態様のいずれか一つにおける本発明は、 エッチング; プラズマ強化又は補助化学蒸着(夫々PECVD又はPACVD); 被加工物の洗浄及び表面調製; パッシベーション及び プラズマイオン注入 のような広範囲の応用に実施可能である。さらに、第一、第二又は第三の態様の いずれか一つにおける本発明を実施する際に、処理操作用の原子源はガス若しく はガス混合物だけでなく、 スッパタリング源、例えばマグネトロンスッパタリング源又は 蒸気源、例えば電子ビームエバポレータ のような他の周知のソース(源)技術から成る。 コンパートメントがチャンバー内で画成されるように、二つ又はそれ以上のフ ィールドアドミッション開口部(本発明の第二の態様)を有する処理チャンバー で本発明が実施されると、さまざまな原子源技術技術がさまざまなコンパートメ ントに利用可能である。同様に、さまざまなコンパートメントは、以上に列記し たさまざまな応用に利用可能である。 図面の簡単な説明 添付図面を参照する好ましい実施例の非制限例として示され、本発明及びその 利点は以下の説明からより理解される。 - 図1は本発明の第一の実施例による、第一の態様に従ったプラズマ処理装 置の概略断面図である。 - 図2は図1の実施例において利用された時間変化磁界発生器 の一般的な図である。 - 図3は第一の変形例による、図1の実施例に利用された時間変化磁界発生 器の概略断面図である。 - 図4は第二の変形例による、図1の実施例に利用された時間変化磁界発生 器の概略断面図である。 - 図5は第一及び第二の態様に従う、本発明の第二の実施例の概略断面図で ある。 - 図6は本発明の第三の実施例による、第一及び第二の態様に従うプラズマ 処理装置の概略一般図である。 - 図7は図6の装置の部分平面図である。 - 図8は本発明の第四の実施例による、第一及び第三の態様に従うプラズマ 処理装置の概略断面図である。 - 図9は第一変形例に従う、図8に示したプラズマ処理装置の詳細図である 。 - 図10は本発明の第五の実施例による、第一、第二、及び第三の態様に従 うプラズマ処理装置の概略断面図である。 - 図11は本発明の第六の実施例による、第一、第二、第三の態様に従う変 形した図6に示す装置の部分平面図である。 - 図12は第二の変形例により変形させた図8又は図10に示すプラズマ処 理装置の詳細図である。 図1は、プラズマ処理チャンバー10及び個別のエネルギーフィールド発生器 12から形成されたプラズマ処理装置を示す。処理チャンバー10は、プラズマ が発生し持続される奥行きのない円筒容器の形である。古典的処理チャンバーに 共通して、チャンバーは被加工物16用の支持体14、処理ガス若しくはガス混 合物を導入させる少なくとも一つのガス入口ポート18と、チャンバー内のガス 圧を調節するためのポンピングデバイス(図示せず)に接続された少なくとも一 つのガス出口ポート20から成る。こられの態様はそれ自身よく知られており、 よって簡潔にするため詳細は省く。 チャンバーの上面は、クオーツ又は他の絶縁材料から作られた窓22が設けて あり、誘導結合によりエネルギーフィールドがチャンバー内に入ることを可能に し、よって必要なプラズマ処理条件を発生させ持続させる。窓22は耐ガス密閉 を介してチャンバー10のリム部分24上に維持される。窓22の剛性及び密閉 の品質は、低圧ガス若しくは部分真空条件がチャンバー内に存在すれば、大気圧 の崩壊力に耐えなければならない。 窓22のサイズは、チャンバー10内で発生し持続されるプラズマ状態の領域 を決定し、結果として最適条件下で処理される被加工物の処理領域を決定する。 この例において、窓22はチャンバーの全断面積の殆どを占め、被加工物16が 対応する大きな領域を占めることを可能にする。 フィールドエネルギー発生器12は、窓22を介してチャンバー10内部に時 間変化磁界を誘導する。発生器は窓に対してチャンバー10の外に設けられ、僅 かに後者から離れている。磁界は、高周波電力源30からの電流を循環させるイ ンダクタ巻線28(図2から図4)と関連して、磁気コア26により発生する。 磁気コア26は窓22と実質的に同じサイズと形を有する単磁極面26aを有 し、後者と整列して配置される。最小のエネルギー損失を保証するために、単磁 極面26aと窓22の間の距離は短いまま(数mm)又は殆どゼロのままである 。 磁気コア26は、必要な構造仕様に製作される、若しくはフェライトのような 磁気セラミックの強磁性材料から作られる。 相対的に高フィールド周波数(例えば30kHzから5MHz及びそれ以上) が考えられると、磁気コアは、磁性パウダー及びTroy,Michigan,UASのFluxtrol Manufacturing,Incからの“フルキシトロール F(Fluxtrol F)(RTM)”の 商品名の固体、又は同様な他の材料のような絶縁性バインダーから成る材料から 作られる。かかる材料は、ラミネート構造を利用するという頼りなしに、最小渦 電流損失と組合せて、優れたフィールド均一性を与えるという利点を有する。 磁気コアが渦電流損失の受けやすい材料から作られたなら、相対的に低周波数 が図2に示す例のラミネートコア構造を利用することにより利用された際に、後 者は排除される。ラミネーション32は、渦電流の循環を防止するように、コア 26を中央部分から放射する電気的分離セグメントヘ分割された絶縁材料から作 られる。あるいは、セグメントは空隙により分離される。 図2に示す構造において、インダクタ28は、同等な半径、コア26と同心で 周辺の近くにある一つ又は数多くのらせん(典型的には三つから十)を有するコ イルとして巻き付けられた金属チューブから成る。チューブは、例えば銅又は銀 めっき銅から作られ、典型的には約5から25mm、可能ならばそれ以上の断面 を有する。例において、巻き付かれたインダクタは磁気コア26の材料の溝29 内に引っ込んでいる。インダクタを形成するらせんの数は、とりわけ電源30と 整合させたインピーダンスにより決まる。 電源30は古典的な設計であり、インピーダンス用の容量素子及び負荷に合わ せた位相要因を有する同調回路(図示せず)を経由して、コイル28に電力出力 がつながっている無線周波(RF)発生器から成る。典型的には発生器30は、 13.56MHzの周波数で作動するが、この値は設計スペックに依存して、例 えば数+kNzから数十MHzである。 高周波電源30からの電流は、コイル28の周りを循環し、コイル内での領域 でコイルの平面に実質的に垂直である、よって窓22に垂直である磁束ラインの 磁界を発生させる。磁束ラインはコイルに流れる高周波電流の各サイクルで交互 になり、同様に各サイクルで交互になる極性を有するコア26の磁化を発生させ る。よって、窓22に対面する磁気コアの単磁極面26aは、NとS極の間で交 互に磁化されるが、いずれの瞬間でも全領域にわたって同じ極性を 有し、この点に関しては、単磁極面としてみなされる。コア材料の高い透磁率に より、単磁極面26aからの磁界ラインは均一濃度を有することを保証する。プ ラズマ処理チャンバー10内部の空間34、よって被加工物16は、均一プラズ マ環境を相応じてうける。 処理チャンバー10は被加工物支持体14を経由して被加工物16を加熱する 手段から成る。この目的のために、被加工物支持体は、被加工物16と熱的に接 触するように改造された加熱抵抗を装備し、制御可能な加熱電流源70によりエ ネルギーが供給される。加熱電流源70は、一定の設定温度、若しくは条件によ り所定の時間依存性温度変化が生じるように、被加工物の温度に応答する温度セ ンサー(図示せず)と共に作動する。 さらに処理チャンバー10は、被加工物16にバイアスをかける手段から成る 。上記例において、このことはケーブル接続を通して、若しくは直接の物理的接 触のいずれかにより、被加工物と接続している被加工物支持体16のレベルでの 一つ又は多くの電気接点(図示せず)により達成される。接点は、交流バイアス (無線周波数を含む)、直流バイアスあるいは接地バイアスを設けるようにセッ トされているチャンバー10の外にあるバイアス源72により供給される。 同様に、コア26はバイアスをかけられて、接続している個別のバイアス源7 4により単磁極面26aのレベルで所定の電位を発生させる。バイアス源は交流 バイアス(無線周波数を含む)、直流バイアスを提供するように、若しくはコア 26を接地させるように設定される。 実施例において、磁気コア26及びよって単磁極面26aは、閉鎖回路冷却シ ステムにより積極的に冷却される。閉鎖回路冷却システムはコア26に埋め込め られ、出口80a及び入口80bを経由してポンプ82及びクーラ84に接続さ れた液体循環導管80から成る。図2に示すように、導管80はコア28の周り の配管の数巻 から成る。熱拡散を改善させるために、配管はコアに埋め込まれたフィン若しく は同等な構造と関連している。 図3は図1の実施例の第一の変形例による磁気コア26を示し、インダクタ巻 線28は磁気コア26の周辺の周りに形成される。本例において、導線は正方形 断面を有し、二つの巻き付け層を形成する。 図4は第一の実施例の第二の変形 例による磁気コア26を示し、溝パターン36は、インダクタ巻線28を受ける ように磁気コア28に形成される。本例において、溝36は加工チャンバー10 の窓22に対面し、面全体にわたって実質的に存在する磁極面26aに晒される 。代替として、溝36は磁気コアの対向面上に形成される。パターンはらせん、 若しくは磁気コアの輪郭に従う同心閉鎖経路を形成する。インダクタ巻線28は 溝36に完全に引っ込むように配置され、溝は一つ又はそれ以上の積層巻線(説 明した例では二層である)を収容するのに十分な深さを有している。第一の変形 例として、インダクタ28は正方形断面を有している。 第一の及び第二の変形例ともに、磁気コア26は渦電流を排除するための、つ まりかかる遮断用の電気経路に開路を有する。さらにインダクタ28は正方形と は異なる、例えば円形の断面を有する。 上記第一の及び第二の変形例におけるコア冷却システムは、コア26及びイン ダクタ巻線28の上部表面(つまり単磁極面26aの反対面)と熱的に接触して 配置された冷却板92から成る。冷却板92は、図1で説明したような冷却シス テムに接続した導管から成る。 冷却板はあるいは、若しくはさらに熱を放射させるように改造された熱吸収構 造から成る。この場合、熱吸収構造は強制空気フローと関連している。 第一の実施例及びその変形例において、プラズマ処理チャンバー10及びよっ て磁気コアの形態は円筒である。しかしながら、同じコンセプトは、簡単な改造 により他の形態(正方形、長方形、楕円 形若しくは多角形)に容易に置き換えられる。 図5を参照して、本発明によるプラズマ処理装置の第二の実施例を説明する。 第二の実施例は、本発明の第二の態様に従い、処理チャンバーがフィールドエ ネルギーを導くための二つ以上の窓から成るという事実により、第一の実施例と は本質的に異なる。被加工物のさまざまな部分が発生する若しくはエネルギーフ ィールドの効果を向上させるプラズマに晒すことを可能にするように、各窓は配 置される。 図5の例において、プラズマ処理チャンバー10は図1に示す基本的配置を有 する。しかしながら、この場合には、二つの窓22a及び22bがチャンバー1 0の各末端面に一つずつ設けられる。 各窓22a及び22bはチャンバー内部でのプラズマ状態を発生させるように 、誘導エネルギー源と関連している。本例において、誘導エネルギー源は前述の 実施例同様に、時間変化磁界発生器12である。しかしながら、チャンバー内部 でのプラズマ状態を誘導し若しくは持続させることが可能な他の源も考えられる 。 窓22a、22b、時間変化磁界発生器12並びに窓と発生器のの間の相互配 置、コアバイアス及びコア冷却手段は、いずれの点でも第一の実施例及びその変 形例で説明したものと同じであり、したがって簡潔にするために、説明の繰り返 しは省く。説明した例では、各時間変化磁界発生器12に対する個別のコアバイ アス手段74a、74bと、時間変化磁界発生器用の共通冷却システム82,8 4があり、他の配置も考えられることを指摘しておく。 さらに、磁気コア26の構造の第一の及び第二の変形例は第二の実施例にも応 用可能である。 被加工物16は各窓22a、22bの全投射面積を事実上占める上部及び下部 面を有する。夫々の上部及び下部表面が各窓に直接晒されるように、支持構造3 8により二つの窓の中間に吊るされる。このようにして、窓から誘導されたフィ ールドを発生させるプラズ マエネルギーに関して、最適条件下で被加工物16の両面を同時に処理すること が可能である。背中合わせに配置された二つの被加工物の一面を処理することも 可能である。 支持構造38は二つの窓22のいずれからもフィールドエネルギーをさえぎる ことがないように設計される。本例において、支持構造38はチャンバー10の 内部壁部分に依存し、二つの末端面の中間にある。支持構造38の最も内側部分 は、被加工物16用の端グリップ若しくは端レストが装備されている。 被加工物の各晒される面における均一なガスフロー条件を確実にするために、 個別のガス入口18a、18b及び出口20a、20bが、処理チャンバー10 の上部及び下部部分に夫々取付けられる。上部及び下部部分は開放され相互に通 じて、ガスの均一混合を可能にする。 あるいは、上部及び下部部分は、個別のガス条件が被加工物16の各面で確立 されるように、耐ガス方法で被加工物16の周りを囲むように改造された密閉隔 壁により、分離されることも可能である。この目的のためには、被加工物支持構 造38は被加工物16と共に隔壁の一部を形成する。この場合、端グリップ若し くは端レスト40は、被加工物16の全周辺を囲むように作られ、被加工物の端 の界面で耐ガス密閉を形成する。同様に、支持構造38はチャンバー10の内部 壁の全周辺の周りで密閉される。 第一の実施例のように、支持構造38のレベルで被加工物を加熱する及びバイ アスをかける手段が設けられる。しかしながら、この場合、窓22a、22bか らフィールドの検査を邪魔することがないように、若しくは別の方法でエネルギ ーフィールドのさえぎりを引き起こさないように、被加工物16の加熱はチャン バー10のコーナーに配置された加熱ランプ71により行われる。ランプ71は 、被加工物16上に均一な熱分布が生じるように伝送光学70a若しくは反射板 を有する。被加工物16の両面は同時に加熱される。 ランプへの電気的接続は図には示していない。 被加工物バイアス手段は、例えば端グリップ40のレベルで被加工物と連動す るように支持構造38に設けられた一つ又は1組の電気的接点から成る。接点は 交流バイアス(無線周波数を含む)、直流バイアス若しくは接地バイアスのいず れかを生じさせるバイアス源72に接続されている。 被加工物加熱及びバイアス手段の上述の配置は、各対向窓22a、22bから 被加工物の面へのエネルギーフィールドの通行を邪魔しない。 時間変化磁界発生器26の各インダクタは、インピーダンスと必要に応じて改 造された位相要因整合回路で、共通電源30に直列に(図に示したように)若し くは並列に接続されている。あるいは、インダクタは個別の電源に夫々接続され ている。 図6は、フィールドエネルギーがチャンバーの側壁10aを通して送られる円 筒形を有するプラズマ処理チャンバー10に改造された本発明の第三の実施例を 示す。本例において、二つのフィールドアドミッション窓22a、22bが、全 く正反対の位置の対応する側壁10aの開口部に形成される。窓22a、22b は石英のような絶縁材料から作られ、開口部に耐圧密閉を形成する。各窓は、本 例のように夫々二つの窓からのフィールドエネルギー用のさえぎる効果が全く生 じないように配置されたステージ42により、チャンバー内部に保持された被加 工物の異なる表面部分に直接アクセスできる。 図5の実施例のように、フィールドエネルギーは、第一の実施例若しくはその 第一の又は第二の変形例による時間変化磁界発生装置12a、12bにより生じ 、各装置は対応する窓22a、22bに関連する。しかしながら、この場合、磁 極片はプラズマチャンバー(図7)の円筒壁の主軸と同心的に曲がっている窓に 対面する単磁極面26aのある矩形円筒セグメントである。磁極片は夫々の窓に 対して若しくは窓から少し距離のある所で(図9)埋め込まれている。磁極片2 6の重量は、プラズマ処理チャンバー10から分離している取付構造44により 支えられる。 図6に示すように、各コア26は図1の実施例に基づいて、独立した冷却手段 82,84により冷却される。同様に、各コア26は独立にバイアスがかけられ る。 被加工物16は、上述した実施例と同じ機能を与える被加工物バイアス源72 に接続されたステージ42上の一つ又は1組の接点(図示せず)によりバイアス がかけられる。 被加工物16の加熱は、ステージ上に取付けられ古典的赤外線ヒータを形成す るように加熱電源98に接続された一列の赤外線ランプ71により行われる。追 加的な赤外線ランプは、ランプが異なる窓22、22bから被加工物16に達す るエネルギーフィールドに妨害しない位置に、チャンバー10内部に設けられる 。 図はチャンバーが二つのエネルギーフィールドアドミッション窓22a、22 bを有するように示しているが、必要ならば本発明の第二の態様に一致して、多 くの窓が同じ方法で設置されることも明らかである。例えば、チャンバー10は 、例えば被加工物の直角な四つの面若しくは四つの被加工物の一面の処理用に、 四つの等間隔に配置された窓を有する。 図8は本発明の第三の態様に相当する第四の実施例を示し、誘導フィールドエ ネルギー260源は、処理チャンバー100のフィールドアドミッション開口部 を孤立させ密閉させるために利用される。例において、誘導フィールドエネルギ ー260源は処理チャンバーの一般構造から電気的に分離されている。 プラズマ処理チャンバー100は相対的大きさ、及びガス入口18及び出口2 0並びにコアバイアス手段に関して、図1に示すチャンバーと同様である。被加 工物16は図5を参照して説明された方法で、バイアスがかけられる。したがっ て、上記態様は簡潔にする ために、再度の説明は省略する。 本例において、被加工物16は被加工物の下にあり、赤外線加熱電源78に接 続された赤外線加熱装置76により加熱される。あるいは、被加工物16はステ ージ上に置かれ、その場合には、図1の実施例のようにステージとの熱接触によ り加熱される。 図において、誘導フィールドエネルギー源260は時間変化磁界発生器である 。発生器のコア260は磁極面260aと第一の実施例の第二の変形例に相当す るインダクタ巻線を有する。磁気コア260の周辺は、密閉ガスケット54を経 由して、加工チャンバーの開口部の周りの対応するリム部分52上にある肩部分 50を画成する。夫々のフランジ56a、56bは、ガスケット54により適切 な密閉を確実にするために、ナットボルト締結装置58により処理チャンバー1 00に対して磁気コア260を保持し固定させるように、肩50及びリム部分5 2から外側に突き出ている。磁気コア260がチャンバーのバイアス源74によ り独立にバイアスされるように、磁気コア260はチャンバー10を形成する機 械的構造から電気的に分離されている。本例では、電気的分離は密閉ガスケット 54により行われる。 絶縁材料シート、例えば石英、パイレックス(RTM)のようなガラス、セラ ミック若しくはポリマーは、磁極面260aとチャンバー100内部の空間の間 に設けられ、磁極面材料によるプラズマガスの可能な汚染を防止する。本例にお いて、シート60は磁極面160aに対して貼られ、磁極面、例えば改造された 取付ブラケットにより保持される。あるいは、絶縁材料60のシートは磁極面1 60aに接することなしに、例えば図9に示すように、磁気コア260の肩部分 50に形成された周辺取付凹部62により、維持される。 この場合、手段は、シート60の外面と磁極面260aとの間の空間、及びシ ートの内部表面とチャンバー10の内壁の間の空間に おける圧を夫々均等にするために設けられる。かかる手段は単一の開口部若しく は開口部の群、又は例えばシートの端でのバルブ配置の形である。 バルブが利用されると、手段は後者を制御するために設けられ、チャンバーが 調製されている間、例えばガスが排出され処理ガス条件を確立している間は圧を 均等にし、プラズマ処理が行われている際は開口部が閉鎖され、処理ガスに達す るエネルギーフィールド源からの汚染を防止する。 絶縁シート60は両サイドに同じ圧を受け、したがって大気圧に耐えなければ ならない窓に必要とされる程度に、強固である必要はない。この場合、大気圧の 力は磁気コア260により支えられ、通常には、その目的のために十分強固であ る。必要ならば、コアは1気圧の圧力差をうける時に、著しく変形しないことを 保証するように強化される。 操作条件に依存して、絶縁シート60と磁極面260aとの間の空間に形成さ れるプラズマを避けるために、適切な対策をとる必要がある。一つの解決策は、 絶縁シートと磁極面の間のギャップをできるだけ小さく、例えば1mm以下、可 能ならば0.5mm以下に保つことを確実にすることである。 図10は、第四実施例に類似しているが、図6の場合のように、処理チャンバ ーが二つのフィールドアドミッション開口部を有する場合に適用される第五の実 施例の部分平面図である。 本例において、被加工物16は、図5を参照して説明された類似の形及び配置 の赤外線ランプ71により加熱される。 図11は図6のプラズマ処理装置が、第四及び第五の実施例にように、フィー ルドエネルギー源により開口部が孤立され密閉されることにより変形された第六 の実施例の部分平面図である。 本図において、磁気コア260は、耐圧密閉を与えるガスケット54を経由し て開口部の周りのチャンバー壁10aの部分に対して、 適合するように改造された接触面のある周辺肩部分50を有する。磁気コア26 0及びガスケット54は、周辺マウント64によりチャンバー壁上に固定される 。磁気コア260の重量は、図6に示す独立した支持構造44により更に支えら れる。 本例において、絶縁材料シート60は磁極面260の曲率に合致し、磁極面に より支えられる。あるいは、絶縁シートは磁極面から離れて、例えば図9に示す 同様な周辺凹部により維持される。 もちろん、本実施例は他の形態及びちょうど一つ、二つ、又はそれ以上のフィ ールドエネルギーアドミッション開口部を有するチャンバーに応用できる。 図11は、第四若しくは第五の実施例に関連して説明された変形例の詳細図で あり、同等に第六の実施例に応用可能である。本願では、絶縁フィルム66は絶 縁シートに置き換える。本例において、インダクタは磁気コア260における溝 構造内の引っ込んでおり、よって磁極面260aは連続表面を有する。フィルム 66は上述した絶縁シートと同じ材料で、磁極面260a上に、必要ならば肩部 分50上にも従来の技法により堆積された材料から作られる。さらに上記変形例 は、図4に示す若しくは他の不連続のような溝パターンを有する磁極面260a の場合にも行われる。この場合、溝若しくは不連続における特徴がチャンバー内 部の環境に、晒されないことが好ましいのなら、晒されないことを保証するため に適当な対策が取られる。例えば、フィルム66は、上記特徴の表面に合致する ように作られる。 さまざまな実施例及びその変形例の特徴は、請求の範囲を超えないところで交 換され組合されことが可能であることは、当業者には明らかである。 処理チャンバーにおける複数の開口部の提供に基づく本発明の夫々の第二の及 び第三の態様と、フィールドアドミッション開口部を孤立させ密閉させるための エネルギー源の使用は、圧力差を支え るのに十分な構造強度を有する全ての適当な周知フィールドエネルギー源で実行 可能である。上記のことは、とりわけ、磁気コア構造のないチャンバー内におけ るRFフィールドを発生させる剛体巻付け導線に基づく発生器を含む。この場合 、密閉表面及び絶縁窓マウントは導線と一体に形成される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05H 1/46 H01L 21/302 B (31)優先権主張番号 98401199.9 (32)優先日 平成10年5月19日(1998.5.19) (33)優先権主張国 ヨーロッパ特許庁(EP) (81)指定国 CA,JP,US (72)発明者 エルンスト,ローラン フランス国,38610 ジェレ,リュ・パス テュール 8

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 誘導結合によりチャンバー内でプラズマを発生させ若しくは持続させるプ ラズマ処理チャンバー(10)のフィールドアドミッション窓(22)を通して 時間変化磁界を発生させる装置(12)であって、 窓に対して若しくは窓に近接して適用されるようにされた単磁極面構造(26 a;260a)を有し、大きさ及び形が実質的にフィールドアドミッション窓に 適合する活性フィールド放出領域を有する磁気コア(26;260)と、 全単磁極面構造にわたって実質的に均一に分布した時間変化磁界を発生される 磁気コアと関連するインダクタ手段(28)と から成ることを特徴とする装置。 2. 単磁極面構造(26;260)は一体構造の単一の磁極面(26a;26 0a)により構成されることを特徴とする請求項1記載の装置。 3. 単磁極面構造(26;260)はプラズマ処理チャンバーのフィールドア ドミッション窓の各部分に対面する二つ又はそれ以上の磁極面に分割されること を特徴とする請求項1記載の装置。 4. 分割された磁極面は、全ての磁極面がいつも同じ極性を有することを保証 するように同相のままである間、夫々のインダクタ及び電源に関連していること を特徴とする請求項3記載の装置。 5. 分割された磁極面は共通の磁気コア及びインダクタに物理的に依存するこ とを特徴とする請求項3記載の装置。 6. 単磁極面構造(26a;260a)は磁気コア(26;260)の端面を 構成することを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか1項記載の装置。 7. 磁気コア(26;260)はコアの周りの渦電流の循環を防止するように 磁極面(26a;260a)に平行な平面に沿った経路において少なくとも一つ の不連続(34)から成ること特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか1項記 載の装置。 8. 不連続は一つ又はそれ以上のラミネーション(34)の形であることを特 徴とする請求項7記載の装置。 9. ラミネーション(34)はコア中心への近接点若しくはコア中心点からコ ア周辺へ放射状に延在することを特徴とする請求項8記載の装置。 10. 前記コア(26;260)は一体構造であることを特徴とする請求項1 乃至9のうちいずれか1項記載の装置。 11. インダクタ手段(28)は磁気コア(26;260)の少なくとも一部 分の周りに一回又はそれ以上の巻きを形成するように配置された導線から成るこ とを特徴とする請求項1乃至10のうちいずれか1項記載の装置。 12. インダクタ手段(28)は磁気コア(26;260)の周辺の周りに巻 回されることを特徴とする請求項1乃至11のうちいずれか1項記載の装置。 13. インダクタ手段(28)は溝(29)若しくは、例えば単 磁極面表面(26a;260a)上の磁気コアに形成された溝パターン(36) 内に引っ込んだプレーナ巻線から成ることを特徴とする請求項1乃至11のうち いずれか1項記載の装置。 14. 磁極面構造(26a;260a)は、関連しているフィールドアドミッ ション窓の曲率に合うように、非平面であることを特徴とする請求項1乃至13 のうちいずれか1項記載の装置。 15. インダクタ手段(28)は約10kHzから100MHzの周波数で、 好ましくは13.56MHzの周波数で電力を送る電源(30)により駆動され ることを特徴とする請求項1乃至14のうちいずれか1項記載の装置。 16. 交流バイアス(無線周波数を含む)、直流バイアス、及び接地バイアス のうち少なくとも一つのバイアスでコアにバイアスをかけるための手段(74) を更に有することを特徴とする請求項1乃至15のうちいずれか1項記載の装置 。 17. コア(26)を冷却する手段(80-84;92)を更に有することを 特徴とする請求項1乃至16のうちいずれか1項記載の装置。 18. 装置内で処理される被加工物(16)を加熱する手段(70;71;7 6;78)を更に有することを特徴とする請求項1乃至17のうちいずれか1項 記載の装置。 19. 少なくとも一つのフィールドアドミッション窓(22)を有するプラズ マ処理チャンバー(10)と、 対応するフィールドアドミッション窓(22)を通して誘導結合 によりチャンバー中に時間変化磁界を発生させるように配置された、請求項1乃 至18のうちいずれか1項による少なくとも一つの磁界発生装置(12)と、 磁界発生装置を駆動する電源手段(30)と から成ることを特徴とするプラズマ処理装置。 20. 交流バイアス(無線周波数を含む)、直流バイアス及び接地バイアスの うち少なくとも一つのバイアスでチャンバー(10)内で処理される被加工物( 16)にバイアスをかけるための手段(72)を更に有することを特徴とする請 求項19記載のプラズマ加工装置。 21. チャンバー(10)中で処理される被加工物(16)を加熱する手段( 70;71;76;78)を更に有することを特徴とする請求項19若しくは2 0記載のプラズマ処理装置。 22. 被加工物(16)を処理するための請求項19乃至21のうちいずれか 1項記載のプラズマ処理装置の使用。 23. 誘導フィールドエネルギーを受ける二つ又はそれ以上の窓(22a、2 2b)を有し、各窓は誘導フィールドエネルギーが夫々の方向からチャンバーに 入ることを可能にすることを特徴とする誘導型プラズマ処理チャンバー(10) 。 24. 少なくとも1組の対面する窓(22a、22b)を設けたことを特徴と する請求項23記載のプラズマ処理チャンバー(10)。 25. 二つ又はそれ以上のフィールドアドミッション窓(22a、 22b)からエネルギーフィールドに晒される被加工物の外表面部で少なくとも 一つの被加工物(16)を保持するように適合された被加工物支持手段(38、 40;42)を更に有することを特徴とする請求項23若しくは24記載のプラ ズマ処理チャンバー。 26. 被加工物支持手段(38,40;42)は端部で少なくとも一つの被加 工物(16)を保持するように適合されたことを特徴とする請求項25記載のプ ラズマ処理チャンバー。 27. 一つの窓若しくは窓群(22a、22b)に関連した空間を分離するた めの一つ又はそれ以上の隔壁を更に有することを特徴とする請求項24乃至26 のうちいずれか1項記載のプラズマ処理チャンバー。 28. 支持手段と被加工物の間の接触点での耐ガス密閉の提供により被加工物 (16)とともに仕切ることを確実にするように適合された被加工物支持手段( 38,40)を更に有することを特徴とする請求項27記載のプラズマ処理チャ ンバー。 29. 窓(22a、22b)は関係する壁部分の輪郭に合わせた非平面である ことを特徴とする請求項23乃至28のうちいずれか1項記載のプラズマ処理チ ャンバー。 30. チャンバー内に含まれる被加工物(16)に、交流バイアス(無線周波 数を含む)、直流バイアス及び接地バイアスのうち少なくとも一つのバイアスで バイアスをかけるための手段(72)を更に有することを特徴とする請求項23 乃至29のうちいずれか1項記載のプラズマ処理チャンバー。 31. チャンバー内に含まれる被加工物(16)を加熱する手段(70;71 ;76;78)を更に有することを特徴とする請求項23乃至30のうちいずれ か1項記載のプラズマ処理チャンバー。 32. 被加工物(16)を処理するための請求項23乃至31のうちいずれか 1項記載のプラズマ処理チャンバーの使用。 33. チャンバー(10)内でプラズマを発生させ若しくは持続させる誘導結 合型プラズマ処理チャンバーのフィールドアドミッション入口でエネルギーフィ ールドを発生させる装置(260)であって、 フィールドアドミッション入口用の閉塞及びガス密閉を構成することを特徴と する装置。 34. フィールド放出表面がチャンバー(10)を汚染することを防止するた めに、フィールド放出表面(260a)とプラズマ環境の間に形成されたバリア (60;66)を更に有することを特徴とする請求項33記載の装置。 35. バリア(60)は石英、ガラス若しくはポリマーのような絶縁材料から 作られた窓であることを特徴とする請求項33記載の装置。 36. バリア(60)はフィールド放出面により少なくとも表面部分で支えら れることを特徴とする請求項34若しくは35記載の装置。 37. バリアはフィールド放出面の表面上に堆積されたフィルム(66)から 成ることを特徴とする請求項33乃至36のうちいず れか1項記載の装置。 38. バリア(60)はフィールド放出面に接触することなく取付けられ、フ ィールド放出面の周辺で、又は処理チャンバー(10)により保持されることを 特徴とする請求項33若しくは34記載の装置。 39. 圧調整手段はバリア(60)の内面と外面の間の圧条件をつりあわせる ために設けられることを特徴とする請求項34乃至38のうちいずれか1項記載 の装置。 40. 圧調整手段は、処理チャンバーが圧条件の変化を受けているときに(例 えば真空ポンピング若しくはガスアドミッション、又は被加工物の装填及び取出 し用の大気圧への設定)、バリア(60)の外面での圧を処理チャンバー(10 )の圧に従うようにさせ、エネルギーフィールド発生器からの汚染は処理チャン バーのプラズマ環境に全く達しないことを確実にするようにプラズマ処理に対し てチャンバーが作動するときに、バリア表面の外表面上の空間をさえぎるように 作動するバルブ配置から成ることを特徴とする請求項39記載の装置。 41. チャンバー(10)上に固定する開放可能な締結手段、及びチャンバー (10)との界面に設けられる密閉手段を更に有することを特徴とする請求項3 3乃至40のうちいずれか1項記載の装置。 42. フィールドアドミッション開口部(22)を経由して処理チャンバー( 10)へのアクセスを与える開閉手段を更に有する請求項33乃至41のうちい ずれか1項記載の装置。 43. 処理チャンバーと一体構造を形成することを特徴とする請求項33乃至 42のうちいずれか1項記載の装置。 44. チャンバー(10)内部の被加工物(16)に交流バイアス(無線周波 数を含む)、直流バイアス及び接地バイアスのうち少なくとも一つのバイアスで バイアスをかける手段(72)を更に有することを特徴とする請求項33乃至4 3のうちいずれか1項記載の装置。 45. チャンバー(10)内の被加工物(16)を加熱させる手段(70;7 6,78)を更に有することを特徴とする請求項33乃至44のうちいずれか1 項記載の装置。 46. 冷却手段(80-84;92)を更に有することを特徴とする請求項3 3乃至45のうちいずれか1項記載の装置。 47. 被加工物(16)を処理するための請求項33乃至46のうちいずれか 1項記載の装置の使用。 48. 誘導結合によりフィールドエネルギーを受けるための少なくとも一つの 入口(22)を有する処理チャンバー(10)と、 対応する入口を経由してチャンバーへフィールドエネルギーを誘導するように 配置された少なくとも一つのフィールドエネルギー源(12)とから成るプラズ マ処理装置であって、 フィールドエネルギー源(12)は対応する入口に関して密閉カバーを形成す ることを特徴とする装置。 49. 被加工物を処理するための請求項48記載のプラズマ処理装置の使用。
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