JP2000510435A - アデノウイルスe1aを用いて腫瘍細胞を感作する方法 - Google Patents

アデノウイルスe1aを用いて腫瘍細胞を感作する方法

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、アデノウイルスE1Aを用いてヒト腫瘍細胞を感作する方法に関する。この方法は、最初にアデノウイルスE1A活性を有するポリペプチドをコードする核酸を腫瘍細胞に導入する工程、この細胞中でE1A活性ポリペプチドを発現させる工程、次いでこのE1A発現腫瘍細胞を化学療法剤と接触させるか、またはこのE1A発現腫瘍細胞に放射線照射する工程により、ヒト腫瘍細胞を処置することを包含する。本発明はまた、アデノウイルスE1A活性を有するポリペプチドをコードする核酸を被験体の腫瘍細胞に導入する工程、この細胞中で上記E1A活性ポリペプチドを発現させる工程、そして最後に、化学療法剤または放射線照射のいずれかを施す工程により、化学療法または放射線照射に対する被験体の応答を増強する方法を提供する。本発明はまた癌を処置する方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 アデノウイルスE1Aを用いて腫瘍細胞を感作する方法 本発明は、国立衛生研究所の助成金R29GM44573-05から一部支援されてなされ た。合衆国政府は、本発明において特定の権利を有し得る。 発明の背景 発明の分野 本発明は、一般に、分子生物学の分野に関し、そしてより詳細には、腫瘍細胞 に対するアデノウイルスE1Aの効果に関する。 背景技術の情報 放射線照射および化学療法の両者は、癌の処置に顕著に寄与してきた。しかし 、いずれの処置形態によっても、成功する療法には障害がなお残っている。例え ば、いくつかの腫瘍のタイプは、放射線照射または化学療法のいずれにも応答し ない。他の例では、当初は応答性の悪性細胞が再発を経験し、そして処置に抵抗 性になる。 種々の癌遺伝子のような特定のタンパク質の発現が、プログラムされた細胞死 としてまた知られるアポトーシスに対する細胞の感受性を増大し得るという証拠 が存在する。さらに、これらタンパク質のいくつかがまた、抗癌剤により誘導さ れるアポトーシスに対する感受性を賦与し得るという証拠が存在する。しかし、 相対的に、ヒト腫瘍細胞に対するこれらの効果を観察するためになされた研究は ほとんどなく、そしてヒト腫瘍細胞の感受性に対するアデノウイルスE1Aの効果 、および化学療法剤または放射線照射に対するこれらのE1A発現細胞の応答に関 する報告はない。 現在の化学療法および放射線照射の欠点、即ち、応答の欠如、および化学療法 4剤に対する抵抗性または耐性が与えられれば、化学療法または放射線照射に対 する応答を増強し得るさらなる処置形態を開発する必要性が存在する。 本発明は、これらの必要性を満足し、そしてまた関連する利点を提供する。本 発明は、腫瘍細胞を処置し、そして放射線照射および化学療法に対する患者の応 答を高める新規な方法を提供する。発明の要旨 本発明は、アデノウイルスE1Aを用いてヒト腫瘍細胞を感作する方法に関する 。この方法は、最初に、アデノウイルスE1A活性を有するポリペプチドをコード する核酸を腫瘍細胞に導入する工程、この細胞中で上記E1A活性ポリペプチドを 発現させる工程、次いでこのE1A発現腫瘍細胞を化学療法剤と接触させるか、ま たはこのE1A発現腫瘍細胞に放射線照射する工程により、ヒト腫瘍細胞を処置す ることを包含する。 本発明はまた、アデノウイルスE1A活性を有するポリペプチドをコードする核 酸を被験体の腫瘍細胞に導入する工程、この細胞中で上記E1A活性ポリペプチド を発現させる工程、そして最後に、化学療法剤または放射線照射のいずれかを施 す工程により、化学療法または放射線照射に対する被験体の応答を高める方法を 提供する。本発明はまた癌を処置する方法を提供する。 図面の簡単な説明 図1は、HT 1080線維肉腫(FS)、A2058メラノーマ(ML)、SaoS-2骨肉腫(OS)、お よびNCI-H23非小細胞肺癌腫(LC)を含む、種々の腫瘍細胞株またはE1A発現誘導体 のエトポシドの細胞障害性用量-応答曲線を提供する。 図2は、エトポシドに対するE1Aを発現するヒトA2058メラノーマ細胞の効果の さらなる証拠を提供する。E1Aの非存在下(-)または存在下(+)、およびエトポシ ドの非存在下(-)または存在下(+)のA2058メラノーマ細胞から抽出されたDNAのア ガロースゲル電気泳動により比較を行った。 図3は、安定にトランスフェクトされた細胞株および親細胞株由来のE1Aタン パク質の免疫沈降による、安定なトランスフェクションおよび種々の腫瘍細胞中 のE1Aの発現の証拠を提供する。E1Aタンパク質種に相当するバンドを、括弧で囲 む。 図4は、E1A逆形質転換レトロウイルス構築物の構造を示す。 図5は、E1Aコード配列(cDNA)のDNA配列を提供する。下の行:243のアミノ酸 配列。上の行:289のアミノ酸配列。 図6は、親のHT 1080細胞株(E1A-)と比較した、E1A+誘導体細胞であるHT 1080 線維肉腫(FS)におけるE1Aタンパク質発現の証拠を示す。 発明の詳細な説明 アデノウイルスは、その天然の宿主がヒト細胞である大きなDNAウイルスであ る。実際に、いずれの成人もある時期にアデノウイルスに感染したことがあり、 主要な効果は風邪に似た症状である。アデノウイルスは、齧歯類におけるその発 癌効果のために「DNA腫瘍ウイルス」と呼ばれている。アデノウイルスゲノムの 発現は2段階で起こる。最初に、E1AおよびE1B遺伝子をコードする初期遺伝 子産物か発現する。これらの産物は、後期遺伝子産物の発現に必要である。後期 遺伝子産物は、複製およびウイルス構造タンパク質に必要なタンパク質をコード する。 アデノウイルスのE1A遺伝子によりコードされるタンパク質は、主に2つの観 点から研究されてきた。第1に、E1Aの243アミノ酸形態および289アミノ酸形態( 243アミノ酸タンパク質が289アミノ酸タンパク質のサブセットであるような、前 駆体RNAの二者択一スプライシングから生じる)は、両者とも転写調節タンパク質 である(J.Flint,T.Shenk,Ann .Rev.Gen.,23:141-161(1989))。第2に、これ らのタンパク質は、他の癌遺伝子による特定の齧歯類細胞の発癌性形質転換を促 進し(H.E.Ruley,Nature,304:602-606(1983))、そして、このようにE1Aは、一 般に、癌遺伝子として分類されている。 癌遺伝子の発現は、プログラムされた細胞死としても知られるアポトーシスに 対する細胞感受性を増大し得る証拠がある。Loweら、Cell,74:957-967(1993)。 例えば、E1A遺伝子は、初代齧歯類細胞においてアポトーシスに対する細胞の感 受性を増強し得る。Roaら、Proc .Natl.Acad.Sci.,89:7742-7746(1992)。c-m ycのような、他の癌遺伝子がまた、プログラムされた細胞死に対する細胞の感受 性を増強し(Evanら、Cell,69:119-128(1992))、そしてc-mycの過剰発現がま た、腫瘍壊死因子α(Chenら、Nature,330:581-583(1987))、またはエトポシド( Fanidiら、Nature,359:554-556(1992))およびLoweら(前掲)のような抗癌剤によ り誘導されるアポトーシスに対する感受性を賦与し得る。さらに、Loweら(前掲) は、化学療法薬剤に対するマウス胎児線維芽細胞(MEF)の感受性に関して、E1Aと 組み合わせたp53の効果を調査している。 興味深いことに、そして齧歯類細胞におけるE1Aの発癌およびアポトーシス効 果とは対照的に、E1Aは、ヒトの場合腫瘍サプレッサー遺伝子として作用する。 本明細書に参考として援用されるSteven M.Frisch,Proc .Natl.Acad.Sci.,8 8:9077-9081(1991)は、ヒト腫瘍細胞におけるアデノウイルスE1Aの抗発癌効果の 証拠を提供する。より重要なことは、E1Aが、ヒト腫瘍細胞を感作しそして化学 療法および放射線照射処置に対する腫瘍細胞の応答を増強することが著しくかつ 予期せぬことである。この効果はp53とは独立である。 これらの予期せぬ観察は、ヒト腫瘍細胞をアデノウイルスE1Aで感作する方法 に関する本発明の基礎を提供する。この方法は、最初に、アデノウイルスE1A活 性を有するポリペプチドをコードする核酸を腫瘍細胞に導入する工程、この細胞 中で上記E1A活性ポリペプチドを発現させる工程、次いでこのE1A発現腫瘍細胞を 化学療法剤と接触させるか、またはこのE1A発現腫瘍細胞に放射線照射する工程 により、ヒト腫瘍細胞を処置することを包含する。この方法は、インビトロまた はインビボで実施し得る。 本発明はまた、アデノウイルスE1A活性を有するポリペプチドをコードする核 酸を被験体の腫瘍細胞に導入する工程、この細胞中で上記E1A活性ポリペプチド を発現させる工程、そして最後に、化学療法剤または放射線照射のいずれかを施 す工程により、化学療法または放射線照射に対する被験体の応答を増強する方法 を提供する。 本発明はまた、アデノウイルスE1A活性を有するポリペプチドをコードする核 酸を被験体の腫瘍細胞に導入する工程、この腫瘍細胞中で上記ポリペプチドを発 現させる工程、そして最後に、上記腫瘍細胞を化学療法剤と接触させるか、また は上記腫瘍細胞に放射線照射するかのいずれかの工程により、処置に感受性であ る癌を処置する方法を提供する。従って、E1A活性を有するポリペプチドをコー ドする核酸分子は、化学療法または放射線照射に対する被験体の応答を増強する ための、および癌の処置のための薬物の調製に有用であり得る。 E1Aを用いてヒト腫瘍細胞を処置することにより細胞を感作する。この感作は 、化学療法剤または放射線照射への応答に対する腫瘍細胞の感受性を増強させる 。以下の実施例で証明されるように、本発明の方法により、E1A発現細胞は、よ り容易にヒト腫瘍細胞を感作し、そしてそれらを、E1Aを欠く細胞に比較して化 学療法または放射線照射によって殺傷され易くする。もちろん、化学療法剤また は放射線照射は、例えば、アポトーシスまたは他の機構による殺傷または減少の 生存率、被毒、腫瘍の不活化などを含む、種々の方法により腫瘍細胞に影響し得 ることが理解される。毒性因子(化学療法剤または放射線照射)が働く機構に拘わ らず、E1A発現が細胞を感作し、そして化学療法または放射線照射に対するそれ らの応答を増強すると期待される。任意の理論または機構に束縛されることを望 まないが、本発明は、ヒト腫瘍細胞を逆形質転換し、そしてそれらを上皮細胞に 転換するE1Aの能力に基づいて働き得ると考えられる。E1Aによる逆形質転換は、 アノイキス(anoikis)(プログラムされた細胞死の1つのタイプ)に対する感受性 を賦与する。FrischおよびFrancis,J .Cell Biology,124:619-626(1994年2月 )。 当該分野において周知で容易に利用可能なアッセイ、例えば、細胞生存率を評 価するための用量応答アッセイ、またはDNA断片化(細胞死の特徴)を測定するた めのDNA抽出物のアガローズゲル電気泳動によって、感作(sensitization)につい て容易に試験し得る。これらのアッセイは共に、以下の実施例においてさらに記 載される。他のアッセイ、例えば、当該分野において周知のクロマチンアッセイ 、または薬剤耐性アッセイ(例えば、Loweら、Cell、74:957-967(1993)に記載、 この文献は本明細書中に参考として援用する)はまた、腫瘍細胞の感受性に対す るE1Aの効果、ならびにE1Aおよび化学療法剤または放射線照射に対するそれらの 応答を測定するために使用される。 本明細書中で使用される場合、用語「核酸」は、cDNAを包含するDNA、またはRNA を意味する。本発明に有用な単離された核酸は、アデノウイルスゲノムのE1A領 域によってコードされるポリペプチドと機能的に等価なポリペプチドをコードす る単離された核酸である。本発明の1つの局面において、単離された核酸はアデ ノウイルスE1A領域である。この領域は、当業者によってヌクレオチド560〜ヌク レオチド1542にあると規定されている。E1Aのヌクレオチドおよびアミノ酸配列 を図5に示す。 本明細書中で使用される場合、核酸に関連する用語「導入すること」は、外来性 核酸分子を、細胞中に挿入する任意の方法を包含し、宿主細胞の形質導入、トラ ンスフェクション、マイクロインジェクションおよびウイルス感染を含むがこれ らに制限されない。これらの手順を実行する方法は当業者に周知である。核酸は 、例えば、細胞をアデノウイルスベクターまたはレトロウイルスベクターと接触 させることによって導入され得る。好ましい実施態様において、核酸は、細胞を 、その核酸を含有するレトロウイルスベクターと、この核酸がその細胞に挿入さ れる条件下で接触させることによって導入される。本発明の最も好ましい実施態 様において、ウイルスは複製不能(replication-incompetent)レトロウイルスで ある。複製不能レトロウイルスは、ウイルスタンパク質を産生する能力を有さず 、感染した宿主細胞においてベクターの拡散を妨げるウイルスとして定義される 。本発明の実施に有用なこのようなベクターの例は、当業者に周知でそして容易 に利用可能である。 E1A遺伝子産物は、ヒト腫瘍細胞において発現された後、この腫瘍細胞を感作 させそして化学療法剤または放射線照射に対するこの細胞の応答を増強する能力 を有する。このような能力を本明細書中では「E1A活性」と呼ぶ。「E1A活性を有す るポリペプチド」はその最も広い意味で使用され、天然のアデノウイルスE1A、そ の機能的なサブユニットおよびフラグメント、ならびに天然配列に対する改変(E 1A活性を保持する)を包含する。本発明の1つの局面において、このアミノ酸配 列は、図5に示されるように、アデノウイルスE1A遺伝子の243アミノ酸のポリペ プチド産物である。243アミノ酸ポリペプチドの機能的等価物は、また、ヒト腫 瘍細胞を感作させ、そして化学療法剤または放射線照射による処置に対するそれ らの感受性(susceptibility)を増強するポリペプチドである。E1A活性を有する ポリペプチドを発現する細胞は、本明細書中で「E1A発現」細胞として繰り返し言 及される。E1Aポリペプチドの活性は、上記および下記のような癌処置に対する 感受性および/または応答についての任意の試験によって通常に測定され得る。 本発明は、一般に、E1Aの効果および毒性因子(すなわち、化学療法剤または放 射線照射)に対するE1A発現細胞の応答に基づいて、ヒト腫瘍細胞を感作する方法 に関する。本明細書で使用する場合、語句「化学療法剤」は、腫瘍細胞に選択的に 影響する、化学療法処置に使用される任意の化学物質または薬物を意味し、アド リアマイシン、アムサクリン、エトポシド、アクチノマイシンD(actinomycinD) 、VP 16、カンプトテシン(camptothecin)、コルヒチン、タキソール、シスプラ チン(cisplatinum)、ビンクリスチン、ビンブラスチン、メトトレキセートのよ うな物質を包含するがこれらに限定されない。他のこのような物質は当該分野に おいて周知である。上記のように、本発明に包含される物質は、任意の1つの機 構による作用に限定されず、例えば、直接的な毒性、アポトーシスまたは細胞の 死または殺傷の他の機構、腫瘍不活性化、あるいは公知または未知の他の機構に よって効果的であり得る。腫瘍細胞をこれらの物質と接触させる手段、および化 学療法剤を被験体に投与する手段は、当業者に周知であり容易に利用可能である 。 本明細書中で使用される場合、用語「放射線照射」または「放射線照射すること」 は、その最も広い意味で、光子、電子、中性子、または他のイオン化放射線によ る腫瘍細胞または被験体の任意の処置を包含することが意図される。これらの放 射線は、X線、γ線、または重イオン粒子(例えば、α粒子またはβ粒子)を包含 するが、これらに限定されない。さらに、放射線照射は、癌の処置に通常使用さ れるような放射活性であり得、そして介在性(interstitial)照射を包含し得る。 腫瘍細胞および被験体に放射線照射する手段は、当業者に周知であり容易に利用 可能である。 本明細書中で記載される方法は、多くのタイプの癌(乳癌、肉腫および他の新 生物、膀胱癌、大腸癌、肺癌、種々の白血病およびリンパ腫)を感作するために 有用であり得る。本発明の腫瘍細胞はヒトの腫瘍または悪性腫瘍に由来する。本 発明の1つの局面において、ヒト腫瘍細胞は機能的なp53を発現しない。機能的 なp53を発現しないヒト腫瘍細胞は、HT1080線維肉腫、Saos2骨肉腫、NCI-H23非 小細胞肺癌腫、およびRD横紋筋肉腫を包含するが、これらに限定されない。これ らの細胞タイプが機能的なp53を発現しない証拠は、以下のように見出され得 る:HT1080:Andersonら、Genes ,Chromosomes & Cancer、9:266-281(1994)、こ れは本明細書中に参考として援用される;Saos-2:SublerおよびMartin、J .of Virology 、68:103-110(1994)、これは本明細書中に参考として援用される;RD: Felixら、Cancer Research、52:2243-2247(1992)、これは本明細書中に参考とし て援用される;ならびにNCI-H23:Takahashiら、Cancer Research、52:2340-234 3(1992)、これは本明細書中に参考として援用される。任意の他のヒト腫瘍細胞 、および特に、機能的なp53を発現しないヒト腫瘍細胞がE1Aによって感作され、 そして化学療法剤または放射線照射に対するその細胞の応答を増強することが期 待される。 語句「機能的なp53」は、天然のp53タンパク質に実質的に対応し、そして天然の p53の機能(一般的には、腫瘍抑制であることが知られている)を有する任意の構 造を意味する。従って、p53活性または機能の欠失を生じるp53の変異は、「機能 的なp53」には包含されない。細胞がp53を発現しているか、または全くしていな いかを、通常の周知の手順によって容易に決定し得る。さらに、細胞がp53を発 現しているか、それが機能的なp53であるかまたは変異の非機能的な変形体のp53 であるかを、同じまたは同様な公知の手順によって容易に測定し得る。 変異体の非機能的p53が存在することの推定の証拠は、例えば、モノクローナ ル抗体PAb1801(Oncogene Science;New York)を使用するウエスタンブロット分析 によって得られ得る。このようなアッセイは、変異形態のp53が野生型(機能的な )p53より安定であり、従って野生型p53よりずっとより高いタンパク質レベルま で蓄積する事実を利用する。親細胞株(例えば、HT1080細胞)は、ポジティブコン トロールとして使用され得、そして例えば、FM0097細胞はネガティブコントロー ルとして使用され得る。これらの材料および方法は、Andersonら(前掲;これは 本明細書中に参考として援用される)に記載されている。野生型または非機能的 な変異体形態のp53の存在は、選択された細胞株からp53 cDNAクローンを調製し 、続いて当該分野において周知で利用可能な標準的な方法を使用してその一次DN A配列を決定することによって確認され得る。 本発明はまた、被験体の腫瘍細胞に、アデノウイルスE1A活性を有するポリペ プチドをコードする核酸を導入し、その細胞中でE1A活性ポリペプチドを発現さ せ、そして最後に化学療法剤または放射線照射のいずれかを投与することによっ て、化学療法剤または放射線照射に対する被験体の応答を増強する方法を提供す る。 化学療法または放射線照射に対する被験体の応答を増強するために、腫瘍細胞 の集団が、当業者に公知の種々の手順によって単離され得る。単離は外科的な生 検によって最も一般的に行われる。細胞におけるE1Aの導入および発現後、次い で、E1A発現細胞の新たな集団が、一般的には、再注入または当該分野において 周知の他の手段によって被験体に戻される。その後、腫瘍の退行および/または 進行が、当該分野において公知の標準的な方法によってモニターされ得る。 以下の実施例は本発明を例示するために意図され、限定するためではない。 実施例I E1A を発現する安定な細胞株の調製 HT1080線維肉腫細胞およびA2058メラノーマ細胞由来の安定なE1A発現細胞株を 、Frischら(Oncogene、5:75-83(1990);これは本明細書中に参考として援用され る)、Franzaら(Cell、44:408-418(1988);これは本明細書中に参考として援用さ れる)、およびMaruyamaら(Oncogene、1:361-367(1987);これは本明細書中に参 考として援用される)に記載のように、プラスミドp1Aneoを使用して構築した。H T1080neorおよびA2058neorと標識された細胞を、シミアンウイルス40の初期エン ハンサーて促進されるaph遺伝子(G418に対する耐性をコードする)を含有するBlu escriptプラスミド(Stratagene,La Jolla,CA)を用いるトランスフェクション から得た。 E1A遺伝子の発現を、Frischら(前掲)にも記載されるように、ノーザンブロッ ト分析によってRNAレベルで詳細に記載した。タンパク質発現を、以下の通りのE 1A特異的モノクローナル抗体を用いる免疫沈降によって、さらに詳細に記載した 。細胞株の集密培養(confluent culture;2×106細胞を含む)を、5%(vol/vol )透析ウシ胎児血清を含むメチオニン非含有Dulbecco改変Eagle培地中で、0.4mCi (1Ci=37GBq)の[35S]メチオニン(Trans35S-1abel,ICN)を用いて35mmウェル において5時間、標識した。細胞を、リン酸緩衝化生理食塩水で2回洗浄し、1. 0m lのRIPA-1[50mM Tris-HCl,pH7.5/0.1%Nonidet P-40/250mM NaCl/アプロチニン (10μg/ml)ロイペプチン(5μg/ml)1mMフェニルメチルスルホニルフルオライ ド/5mM EDRTA/大豆トリプシンインヒビター(10μg/ml)]中に掻き入れた。ウシ 血清アルブミンを0.5mg/mlまで添加した後、溶解物を、100μlの50%(wt/vol) プロテインA−セファロース(Pharmacia;Indianapolis,IN)スラリー(0.5mg/ml のウシ血清アルブミンを含むRIPA-1中に調製)を用いて、エッペンドルフ微小遠 沈管において、4℃にて30分間混合しそして10分間14,000rpmで遠心分離するこ とによって予め吸着させ、次いで0.5mlのサンプルを、1.5μgの抗E1Aモノクロ ーナル抗体M73(Narlowら、J .Virol.、3:533-546(1985))またはコントロールの 抗体[抗fos Ab-1(Oncogene Sciences,Mineola,NY)]とともに2時間0℃にて インキュベートした。次いで、25μlの50%プロテインA−セファローススラリ ーを添加して、そしてチューブを20分間4℃にて混合し、続いて2分間遠心分離 し、そしてRIPA-1を用いて5回の0.5ml洗浄を行った。次いで、ペレットを、60 μlのサンプル緩衝液に再懸濁し、そしてSDS/PAGEで分析した。E1Aタンパク質 を、図3によって示されるようにゲル上で検出した。図3は、抗E1A抗体(E)ま たはコントロール抗体(C)を用いて免疫沈降させたHT1080細胞(レーン1〜5)、 HeLa細胞(レーン6〜8)、およびA2058細胞(レーン9〜11)に由来するE1A発現ク ローンからの[35S]メチオニン標識タンパク質を示す。レーン:1〜5はそれぞ れ、HT1080、p2AHT2a、p1Aneo3、p1Aneo15、およびp1Aneo16であり:6〜8はそ れぞれ、HeLa、Medg18、およびMedg28であり:9〜11はそれぞれ、A2058、1A58c 8-1、および1A58c11-1である。E1Aタンパク質種に対応するバンドを角括弧で囲 む。 さらに、E1Aウイルス発現ベクターの構築を、アデノウイルス5型の243アミノ 酸または289アミノ酸のE1Aタンパク質をコードするcDNAをレトロウイルスベクタ ー(LNCX、LNSX)にサブクローン化することによって達成した。243アミノ酸形態 のE1A(12S cDNA)を、アデノウイルスマップの610位でBstX1を用いて切り取り、 そして5'末端を、二本鎖オリゴヌクレオチドを用いて再構築した。このように して、すべてのE1A 5'非コード配列を除去した。このオリゴヌクレオチドのHin dIII末端を平滑末端に作製し、そしてE1Aの3'末端をHpaIを用いて切断(マップ の1575位)してポリA付加部位を除去した。得られたE1A配列をレトロウイルスベ クターLNSX(MillerおよびRosman、Biotechniques、7:980-990(1989);これは本 明細書中に参考として援用する)にサブクローン化した(レトロウイルスプラスミ ド構築物を図4に概略的に示す)。 10μgのこれらプラスミドDNAを、エコトロピックパッケージング細胞株gpE86 (ハイグロマイシン/ミコフェノール酸選択培地に維持した)中にトランスフェク トした。トランスフェクションの48時間後、未選択ウイルスストックを、馴化培 地を回収し、遠心分離により清澄化しそして凍結することによって調製した。こ れらのウイルスストックを使用して、4μg/mlのポリブレンを含有するDME/10 %ウシ胎児血清培地中で12時間のインキュベーションによって、35mmウェルにお いて両種性パッケージング細胞株gpEam12(ATCCより入手可能な細胞)に感染させ た。感染の24時間後、細胞を1:100〜1:300の間の比率で分け、そして感染細胞 を、500μg/mlのG418中で3週間選択した。ウイルス産生細胞株を35mmウェルに 拡大し、そしてウイルスを含む馴化培地を各株について調製した。ウイルススト ックを、ベクターLNCXおよびLNSX(これらはそれぞれ、内部CMVまたはSV40の初期 エンハンサーを用いて転写を促進する)に243アミノ酸E1Aまたは289アミノ酸E1A のいずれかを含む産生細胞株から調製した。 これらのストックを使用して、ポリブレンを含む培地において0.4mlのウイル スストックを35mmウェルのHT1080細胞とともに8時間インキュベートすることに よってヒト線維肉腫株HT1080に感染させた;感染細胞を感染の24時間後に種々の 比率に分け、そしてG418耐性クローンまたは感染細胞の混合集団のいずれかをさ らに分析した。HT1080細胞をE1Aレトロウイルスベクターに感染させるこれらの 材料および方法は、FrischおよびFrancis、J .Cell Bio1ogy、124:619-626(1994 )にも記載されている。この文献は、本明細書中に参考として援用する。E1Aタン パク質発現を、図6に示すようなウエスタンブロット分析によって確認した(E1A を発現するHT1080線維肉腫(FS)細胞(E1A+)をHT1080親サブクローン(E1A−)と比 較した)。 他の細胞株(Saos-2骨肉腫およびNCI-H23非小細胞肺癌腫細胞を含む)を、上記 のレトロウイルスベクター感染方法を用いて同様な方法でE1Aを発現するために 作製した。 本明細書中の以下ならびに図1および6に使用される細胞株についての略号は 、以下の通りである:FS:HT1080線維肉腫(サブクローンH4)、ML:A2058メラノ ーマ、OS:Saos-2骨肉腫、LC:NCI-H23非小細胞肺癌腫、RM:A204横紋筋肉腫、R M2:RD横紋筋肉腫、FB:線維芽腫。 実施例II 本実施例は、エトポシドに関するE1Aの化学療法剤感作効果を示す。腫瘍細胞 およびE1A発現誘導体のエトポシド細胞傷害性の用量応答曲線を提供する。 12ウェルディッシュにFS、ML、OSおよびLC細胞、ならびにそれらのE1A発現対 応物を接種した。亜密集の単層を、0、1、2、5および10μM(LC細胞につい ては、1、2、5、10および20μM)のエトポシドで24時間処理した。生存細胞 をMTTアッセイにより定量した。これらのことを製造業者(Sigma,St.Louis,Mi ssouri)によって記載されるように実行した。簡単に述べると、細胞を、MTT(3-[ 4,5-ジメチルチアゾール-2-イル]-2,5-ジフェニルテトラゾリウムブロマイド)を 含む培地中で37℃にて1〜3時間インキュベートした。次いで、色素の結晶を、 イソプロパノール中の0.1N HClを用いて可溶化した。生存率を、570nmでの吸光 度を測定することによって定量した。 図1に示されるように、E1Aは、エトポシドによる殺傷に対して著しい程度の 感作を引き起こし、E1Aを欠く親細胞より著しく多くのE1A発現腫瘍細胞が、エト ポシドにより殺傷された。少なくともFS、OS、およびLC細胞は、機能的なp53を 発現しない(それぞれ、Andersonら(前掲)、SublerおよびMartin(前掲)、およびT akahashiら(前掲))ので、観察された増強感作の効果はp53タンパク質に依存しな い。 実施例III 本実施例は、さらに、A2058ヒトメラノーマ細胞の感受性に対するE1Aの効果お よびエトポシドに対するE1A発現細胞の応答を示す。本実施例では、この薬物に よる殺傷に対する感作の程度を、DNA抽出物のゲル電気泳動によって測定する。 E1Aを欠く親A2058ヒトメラノーマ細胞(E1A−)およびE1A発現誘導体細胞株1A58 c8-1(ElA+)をともに60mmディッシュにプレートし、そして集密まで増殖させた 。エトポシド(Sigma,St.Louis,Missouri)を25μMの最終濃度まで加え、そし てインキュベーションをさらに24時間続けた。低分子量DNAを、0.5%Triton X-1 00、10mM EDTA、および10mM Tris,pH7.4(0.6ml)を用いて抽出し、3回フェノー ルークロロホルム抽出し、エタノール沈降させ、そしてTBE緩衝液において1.5% アガロースゲルで分析した。 図2に示されるように、E1Aを欠く細胞においては、エトポシドが存在する場 合でさえも、細胞死の指標であるDNA分解は生じない(E1A−、エトポシド−;E1A −、エトポシド+)。そしてE1A単独でのいくらかのDNA分解および殺傷の証拠が 存在する(E1A+、エトポシド−)が、本発明の方法を用いると、E1Aの存在下で、 DNA分解および従ってエトポシドに対するヒトメラノーマ細胞の応答が顕著に増 加する(E1A+、エトポシド+)。従って、E1Aは、薬剤耐性腫瘍(例えば、A2058メ ラノーマ)を薬剤感受性腫瘍に部分的にまたは全体的に変換する。 本発明を開示した実施態様に関して記載したが、当業者は、詳細に記載された 特定の実施例が本発明の単なる例示であることを容易に認識する。本発明の精神 を逸脱することなく種々の改変がなされ得ることを理解すべきである。従って、 本発明は以下の請求の範囲によってのみ限定される。
【手続補正書】 【提出日】平成10年7月24日(1998.7.24) 【補正内容】 【図5】 【図5】 【図5】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 15/09 C12N 5/00 B (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ,UG), AM,AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,C H,CN,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB ,GE,HU,JP,KE,KG,KP,KR,KZ, LK,LR,LT,LU,LV,MD,MG,MN,M W,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD ,SE,SI,SK,TJ,TT,UA,UZ,VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.ヒト腫瘍細胞を処置する方法であって、以下の工程: a.該腫瘍細胞に、E1A活性を有するポリペプチドをコードする核酸を導入 する工程; b.該腫瘍細胞において該ポリペプチドを発現させる工程;および c.該腫瘍細胞を化学療法剤と接触させる工程、 を包含する方法。 2.前記核酸がアデノウイルスE1Aポリペプチドをコードする、請求項1に記 載の方法。 3.前記導入する工程がインビトロで行われる、請求項1に記載の方法。 4.前記導入する工程がインビボで行われる、請求項1に記載の方法。 5.前記核酸が、前記腫瘍細胞中に、該細胞を前記核酸配列を含む適切なレト ロウイルスベクターと接触させることにより導入される、請求項1に記載の方法 。 6.前記化学療法剤が、エトポシド、アドリアマイシン、アムサクリン、アク チノマイシンD、VP16、カンプトテシン、コルヒチン、タキソール、シスプ ラチン、ビンクリスチン、ビンブラスチン、およびメトトレキセートからなる群 から選択される、請求項1に記載の方法。 7.ヒト腫瘍細胞を処置する方法であって、以下の工程: a.該腫瘍細胞に、E1A活性を有するポリペチドをコードする核酸を導入す る工程; b.該腫瘍細胞において該ポリペプチドを発現させる工程;および c.該腫瘍細胞に放射線照射する工程、 を包含する方法。 8.前記核酸がアデノウイルスE1Aポリペプチドをコードする、請求項7に記 載の方法。 9.前記導入する工程がインビトロで行われる、請求項7に記載の方法。 10.前記導入する工程がインビボで行われる、請求項7に記載の方法。 11.前記核酸が、前記腫瘍細胞中に、該細胞を前記核酸配列を含む適切なレ トロウイルスベクターと接触させることにより導入される、請求項7に記載の方 法。 12.被験体における化学療法に対する応答を増強する方法であって、以下の 工程: a.該被験体の腫瘍細胞に、E1A活性を有するポリペチドをコードする核酸 を導入する工程; b.該腫瘍細胞において該ポリペプチドを発現させる工程;および c.該被験体に化学療法剤を投与する工程、 を包含する方法。 13.前記導入する工程(a)が前記被験体への直接注入による、請求項12 に記載の方法。 14.前記導入する工程(a)が、被験体から単離された腫瘍細胞の集団に対 して行われ、次いで該細胞が該被験体に戻される、請求項12に記載の方法。 15.前記核酸がアデノウイルスE1Aポリペプチドをコードする、請求項12 に記載の方法。 16.被験体において放射線照射に対する応答を増強する方法であって、以下 の工程: a.該被験体の腫瘍細胞に、E1A活性を有するポリペチドをコードする核酸 を導入する工程; b.該腫瘍細胞において該ポリペプチドを発現させる工程;および c.該被験体に放射線照射を施す工程、 を包含する方法。 17.前記導入する工程(a)が前記被験体への直接注入による、請求項16 に記載の方法。 18.前記導入する工程(a)が、被験体から単離された腫瘍細胞の集団に対 して行われ、次いで該細胞が該被験体に戻される、請求項16に記載の方法。 19.前記核酸がアデノウイルスE1Aポリペプチドをコードする、請求項16 に記載の方法。 20.処置に感受性である癌を処置する方法であって、以下の工程: a.被験体の腫瘍細胞に、アデノウイルスE1A活性を有するポリペチドをコ ードする核酸を導入する工程; b.該腫瘍細胞において該ポリペプチドを発現させる工程;および c.該腫瘍細胞を化学療法剤と接触させる工程、 を包含する方法。 21.処置に感受性である癌を処置する方法であって、以下の工程: a.被験体の腫瘍細胞に、アデノウイルスE1A活性を有するポリペチドをコ ードする核酸を導入する工程; b.該腫瘍細胞において該ポリペプチドを発現させる工程;および c.該腫瘍細胞に放射線照射する工程、 を包含する方法。
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