JP2000510362A - 内視鏡的画像法と内視鏡手術のためのシステム及び方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ビデオ内視鏡、内視鏡手術器具、内視鏡と内視鏡手術器具とを一体に組み合わせるための保持部、または内視鏡や手術器具を挿通して体内に挿入するためのカニューレといったビデオ内視鏡手術の構成要素に対してビデオ画像ディスプレイが取り付けられる。取り付けは取付け機構により行われるが、取り付け機構は取り付けられる構成要素に応じてディスプレイの位置を変化させるために調整することが可能である。別の一実施例においては、長いチューブ状の形態を有する保持部を使用して、内視鏡と内視鏡手術器具とを一体に組み合わせて連動させる。内視鏡及び内視鏡手術器具は、直接に、またはカニューレを通じて体内に同時に挿入することが可能であり、術者が内視鏡と手術器具の両方を片手で操作することが可能である。内視鏡または保持部に取り付けられ、手術器具の作動ハンドルの付近に配置されたビデオディスプレイにより、術者に開放性手術の場合と同様の視覚感覚が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】 内視鏡的画像法と内視鏡手術のためのシステム及び方法 発明の背景 本発明はビデオ内視鏡検査及び内視鏡手術に関する。但し、ここで内視鏡検査 とは、腹腔鏡検査、胸腔鏡検査、関節鏡検査、胃鏡検査、子宮鏡検査、結腸鏡検 査、気管支鏡検査を含む（但しこれに限定されない）医療用途における内視鏡検 査の全ての形態、歯科における内視鏡の使用、及びボアスコープのような医療用 途以外における内視鏡的検査器具の使用を指し、ビデオ内視鏡検査とは、内視鏡 像のビデオ画像化及びディスプレイを利用した内視鏡的な視覚化を指し、内視鏡 手術とは、組織や臓器の修復、切除、移植及び生体組織検査を含む(但しこれに 限定されない)、内視鏡的視覚化に基づいて行われる全ての外科的処置を指すも のである。 更に詳しくは、本発明は、内視鏡の操作によるビデオ画像の形成とビデオ画像 ディスプレイ手段とを、外科医または操作者に手と眼の間の向上した連動性（ha nd-eye coordination）を提供する新規な方法によって組み合わせることにより 、内視鏡検査及び内視鏡手術における手動操作性を向上させるための方法及び装 置に関する。 内視鏡的視覚化に基づいて行われる診断、治療の利点はよく知られるところで ある。こうした処置は低侵襲性であり、従来の「開放性」の術式と比較して、入 院期間の短縮、早期回復、見た目への影響の小ささ、全体的なコストの削減とい った利点が得られる。しかし、多くの術者は、内視鏡的視覚化の下で内視鏡手術 器具を用いた一般的な外科処置を実施するうえで大きな困難を感じている(内視 鏡手術において一般的に使用される、長いシャフトを備えた把持器具、ハサミな ど)。術者が画像をアイピースを使用して見る場合でも、最近一般的になりつつ あるようにビデオモニターを使用して見る場合でも、開放性の術式と比較して術 者にとって手と眼の間の連動性は非常に低い。したがって術者の器具の操作はた めらいがちなものとなり、しばしば不正確なものとなる。これに対して開放性の 術式においては正確で素早い動きが可能である。内視鏡手術に熟練した術者にと ってすら、縫合や結紮といった簡単な作業が面倒で時間のかかるものとなる。こ のため内視鏡手術では、同じ処置を開放性の術式で実施する場合と比較して手術 時間が長く、術者の消耗も大きい。更に、多くの、本来ならば内視鏡手術の技術 を適正に習得する能力を有する術者がこれを行えないため、内視鏡的に実施する ことが可能な手術が依然として開放性の術式で行われている結果となっている。 腹腔鏡手術においては、術者はそれぞれの手に器具を持って作業を行うため、腹 腔鏡を保持し、方向づけを行う別の術者の協力を必要とし、手術のコストの増大 につながる。これらの制約を克服するための新規な内視鏡手術器具及び方法が求 められている。本発明はこうした要求に応えるものである。本発明は、内視鏡手 術を開放性手術により近い感覚で行えるように、眼と手の間のより大きな連動性 を術者に提供することにより従来技術に基づく内視鏡的方法を改良するものであ る。 以下の開示は、ビデオ内視鏡、画像ディスプレイ及び内視鏡手術器具の特定の 構成に基づいて定義される「位置視覚効果」（enhanced presence）に関するも のであり、これにより、内視鏡手術器具の先端部の画像は当該手術器具のハンド ルの近傍のディスプレイ上に先端部周辺の体組織と共に特定の様式にて示される 。その意図するところは術者が、術者にとってディスプレイ上に見える先端部の 像が恰も先端部そのものであるかのように振る舞うことを可能にするということ である。無論、術者は画像によって実際に騙されるわけではないが、騙されたか のように振る舞うことでより自然な感覚で手術を行えるようになる。この点は明 らかであろう。したがって内視鏡手術の実施において効果的な手の動作は従来の 内視鏡手術器具においては習得が困難であったが、本発明に基づけばこれを直感 に基づいて行うことが可能である。 発明の概要 好ましい一実施形態においては、本発明に基づく内視鏡的視覚化の方法は、 （ａ）患者の体内に内視鏡を挿入し、対象となる患部にこれを誘導する工程と、 （ｂ）内視鏡に取り付けられたビデオカメラによりビデオ画像を得る工程と、 （ｃ）ビデオカメラまたは内視鏡と同じ位置に配置され、これに取り付けられ、 術者が見ることが可能なビデオディスプレイ上にビデオ画像を表示する工程とを 含む。 本発明の別の一側面に基づけば、内視鏡的視覚化及び内視鏡手術の方法は、（ ａ）患者の体内に内視鏡を挿入し、対象領域にこれを誘導する工程と、（ｂ）内 視鏡の末端部が対象領域内に位置するように内視鏡手術器具を体内に挿入する工 程と、（ｃ）内視鏡からビデオ画像を得る工程と、（ｄ）内視鏡手術器具と同じ 位置に配置され、これに取り付けられ、術者が見ることが可能なビデオディスプ レイ上にビデオ画像を表示する工程とを含む。 本発明の別の一側面に基づけば、内視鏡的視覚化システムは、（ａ）体内を見 るうえで適当な内視鏡と、（ｂ）内視鏡に取り付けられたビデオ画像検出手段と 、（ｃ）内視鏡と同じ位置に配置され、術者が見ることが可能なビデオ画像ディ スプレイ手段と、（ｄ）ディスプレイ手段上に画像を表示するために検出された 画像を処理するための信号処理手段と、（ｅ）照明手段とを含む。 本発明の別の一側面に基づいたシステムであって、内視鏡的視覚化及び内視鏡 手術のためのシステムにおいてビデオカメラまたはカメラヘッドとビデオディス プレイとが取り付けられた内視鏡が内視鏡手術器具と組み合わされ、内視鏡と手 術器具とは互いに対してほぼ平行に配置され、手術器具の先端が内視鏡の視野内 に位置するように接近しているシステム。 本発明の別の一側面に基づいた、内視鏡的視覚化及び内視鏡手術のためのシス テムであって、ビデオカメラまたはカメラヘッドとビデオディスプレイとが取り 付けられた内視鏡が内視鏡手術器具と組み合わされ、内視鏡と手術器具とは互い に対してほぼ平行に配置され、手術器具の先端が内視鏡の視野内に位置するよう に接近しているシステム。 上に説明された内視鏡的視覚化及び内視鏡手術のためのシステムにおいて、（ ａ）内視鏡及び手術器具は、手術器具が内視鏡の下方に位置するように挿入チュ ーブ内に収容され、（ｂ）内視鏡、またはビデオカメラ、または挿入チューブに 対しディスプレイが取り付けられる。ディスプレイは手術器具のハンドル、また は手によって操作される制御手段の近傍または上方に配置され、操作者の視覚感 覚においては、ディスプレイ上に見られるとおりに、内視鏡手術器具の末端部が シャフトの端部ではなく、ハンドルまたは手動操作手段と同じ位置に配置されて いるように見え、ディスプレイの画面上あるいはその近傍にある手術野の組織に 対して処置を行っているように見える。この感覚により位置視覚効果(enhanced presence）が得られ、内視鏡手術を容易に行うことが可能になる。 上に説明された内視鏡的視覚化及び内視鏡手術のためのシステムにおいて、（ ａ）内視鏡及びビデオカメラは手術器具の中心軸を中心として手術器具の下方の 位置にまで回動し、視野内の組織の画像が上下逆になる点を例外とするシステム 。この構成においては、体表に形成された小孔より挿入されて手術に使用される 場合に、挿入位置を中心とした手術器具の回動運動が内視鏡の画像ディスプレイ において逆になり、開放性手術の感覚により近いものとなる。 本発明の別の位置側面に基づいた、内視鏡的視覚化及び内視鏡手術システムで あって、（ａ）本体部分と、（ｂ）体内に挿入するために本体部分に対して取り 付けられた挿入チューブと、（ｃ）挿入チューブ内に収容された内視鏡と、（ｄ ）内視鏡に対して取り付けられたビデオカメラヘッドと、（ｅ）本体部分または カメラヘッドに対して取り付けられたビデオディスプレイと、（ｆ）ディスプレ イ上の画像表示のためにカメラヘッドからのビデオ信号を処理するための電子回 路と、（ｇ）内視鏡に接続された光源と、（ｈ）本体部分に対して取り付けられ 、手術器具の作動手段に対して操作可能に連結された手動制御手段であって、ビ デオ表示手段の下方かつ後方に配置された手動制御手段と、（ｉ）本体部分及び 挿入チューブに挿通された際に前記作動手段に対して操作可能に連結される交換 可能な 内視鏡手術器具であって、末端部は内視鏡の末端面を越えた位置にまで挿入チュ ーブの末端面を越えて延びるような手術器具とを含むシステム。このシステムに より位置視覚効果（enhanced presence）が得られるため内視鏡手術における操 作性及び手と眼の間の連動性が向上する。 本発明の別の一側面に基づいた内視鏡的視覚化及び内視鏡手術システムであっ て、内視鏡の位置を手術器具の中心軸を中心として回動させる手段を備え、内視 鏡は、手術器具のハンドルの回動運動に応じた視野画像の逆あるいは順方向の運 動に対して、前記中心軸の上方あるいは下方に位置する。 本発明の別の一側面に基づいた手段であって、カニューレの内部において手術 器具の位置を解除可能にロックするための手段。 本発明の別の一側面に基づいたペリスコープ内視鏡及び挿入チューブ内に収容 された内視鏡手術器具と組み合わせたペリスコープ内視鏡の使用方法であって、 内視鏡のシャフトは挿入チューブ内に収容され、初めは内視鏡のペリスコープ状 部分が挿入チューブの突出部分の断面の範囲内に収まるように、回動可能に配置 される。これにより体内への挿入チューブの挿入が容易に行われる。シャフトは この後で延出位置にまで回動させることが可能であり、手術器具の先端に対する よりよい視点が得られる。 本発明の別の一側面に基づいた内視鏡手術の方法であって、術者は、（ａ）内 部にビデオ内視鏡が収容された円柱状部分をカニューレを通じて患者の体内に挿 入し、（ｂ）内視鏡の視野内に手術器具の先端部が位置するように円柱状部分を 通じて内視鏡手術器具を挿入し、（ｃ）手術を行ううえで通常の方法にて手術器 具を操作し、これにより手術器具の先端部が常に内視鏡の視野内に位置するよう に手術器具の先端部の動きに内視鏡を追従させ、（ｄ）ビデオ画像をモニター上 で見る。 本発明の別の一側面に基づいた内視鏡手術の方法であって、術者は、（ａ）内 部にビデオ内視鏡が収容され、手術器具の挿入位置の付近に取り付けられたビデ オディスプレイを備えた円柱状部分をカニューレを通じて患者の体内に挿入し、 （ｂ）内視鏡の視野内に手術器具の先端部が位置するように円柱状部分を通じて 内視鏡手術器具を挿入し、（ｃ）手術を行ううえで通常の方法にて手術器具を操 作し、これにより手術器具の先端部が常に内視鏡の視野内に位置するように手術 器具の先端部の動きに内視鏡を追従させ、（ｄ）ビデオ画像をモニター上で見る 。 図面の簡単な説明 図１は、着脱可能に取り付けられたビデオディスプレイ手段を備えたビデオ内 視鏡、ビデオ信号処理手段、照明手段を備えた内視鏡像視システムを示す概略斜 視図である。 図２は、図１の内視鏡の末端部を示す切欠き斜視図であり、光学コネクタから の照明光を器具の末端面に送る光ファイバーと画像ロッドレンズとが示されてい る。 図３は、ビデオディスプレイ手段と組み合わされた内視鏡手術器具を示す斜視 図である。 図４は、ビデオ内視鏡、体内にビデオ内視鏡とは分離して配置される内視鏡手 術器具、及び該手術器具に対して取り付けられたディスプレイ手段を利用した、 体内の内視鏡検査及び手術のためのシステム及び装置を示す斜視図であり、ディ スプレイされる像はビデオ内視鏡から得られる。 図５は、図４のシステム及び方法の別例を示す斜視図であり、内視鏡手術器具 はカニューレを通じて体内に導入され、ディスプレイは手術器具ではなくカニュ ーレに対して取り付けられている。 図６は、内視鏡、ビデオカメラ、ビデオディスプレイ手段、内視鏡手術器具、 及び挿入チューブを組み合わせた本発明の内視鏡手術構成を示す概略斜視図であ る。 図７は、図６の構成の使用により得られる視覚効果を示す概略図であり、ビデ オ画像上に見られる内視鏡手術器具の末端部が手術器具のハンドルの近くに操作 可能に取り付けられているように見える。また体内の組織はディスプレイの面 内に示されている。 図８は、図６に示された内視鏡手術器具を示す斜視図である。 図９は、図８の内視鏡手術システムと共に使用されるカニューレを示す斜視図 である。 図１０は、図８に示された内視鏡手術システムにおいて使用するために改良を 施した、腹腔鏡手術において用いられるような内視鏡手術器具の斜視図である。 図１１は、内視鏡的望遠鏡とビデオディスプレイのための部分的な取り付け手 段を備えたカメラヘッドとを示す斜視図である。 図１２は、図８に示された内視鏡手術システムにおいて使用されるフラットパ ネルビデオディスプレイと部分的取り付け手段を示す斜視図である。 図１３は、図８に示された内視鏡手術システムにおいて使用されるために内視 鏡、カメラヘッド及びディスプレイと組み合わされる挿入チューブを示す斜視図 である。 図１４は、図１１のビデオカメラヘッドの詳細を示す切欠き斜視図である。 図１５は、図１３の挿入チューブの一部分を示す斜視図であり、器具の保持ク リップと器具のボアシールとが示されている。 図１６は、挿入チューブの基端部を示す側面図であり、器具の保持クリップと フラップ弁とが示されている。 図１７は、人の手で操作される制御部に対して挿入チューブ、カメラ、内視鏡 、ディスプレイが取り付けられ、該制御部に対し交換可能な器具が取り付けられ 、操作されるような内視鏡手術システムとして構成された本発明の別の一実施例 を示す概略斜視図である。 図１８は、図１７の内視鏡手術システムと共に使用される内視鏡手術器具の斜 視図である。 図１９は、図１７の内視鏡手術システムの基本的な組み立てを示す斜視図であ る。 図２０は、図１８の内視鏡手術器具と該手術器具の操作を行うための作動手段 の詳細を示す切欠き斜視図である。 図２１は、図１９の基本的な組み立ての一部分の詳細を示す切欠き斜視図であ る。 図２２は、図８の内視鏡手術システムを示す斜視図であり、内視鏡とビデオカ メラとは内視鏡手術器具の中心軸を中心として該手術器具の下方にあたる位置に 上下逆方向に回動させられている。 図２３は、内視鏡手術システムを図８の配置と図２２の配置との間で切り換え を行うための基端部を示す分解斜視図である。 図２４は、基端部の方向から見た図２３のシステムの部分分解斜視図である。 図２５は、内視鏡ボアが手術器具ボアの上方に配置されている図２３のシステ ムの部分を示す組立図である。 図２６は、内視鏡ボアが手術器具ボアの下方に配置されている図２３のシステ ムの部分を示す組立図である。 図２７は、医療用カニューレにおいて使用されるサムホイールカムを示す斜視 図である。 図２８は、カニューレに挿入された手術器具が所定の位置に開放可能にロック されることを可能にする、図２７のサムホイールカムを組み込んだ医療用カニュ ーレの基端部を示す斜視図である。 図２９は、手術器具のシャフトがカニューレの内部に配置された図２８の医療 用カニューレを示す側面図であり、サムホイールカムは開放位置にある。 図３０は、手術器具のシャフトがカニューレの内部に配置された図２８の医療 用カニューレを示す側面図であり、サムホイールカムはロック位置にあり、手術 器具のシャフトをカニューレのボアの反対側の壁に対して押圧している。 図３１は、潜望鏡様基端部を有する内視鏡を収容した、図８の挿入チューブを 示す斜視図である。 図３２は、図３１の挿入チューブと内視鏡を示す斜視図であり、内視鏡は図３ １の向きから１８０度回動させられており、ボアを通じて挿入チューブ内に挿入 された手術器具の先端に対する視点は上方に移動している。 図３３は、図３１及び３２に示された内視鏡の潜望鏡様基端部を示す切欠き図 であり、光路を偏向させ、入射ヒトミからの像を内視鏡の光軸上に形成するプリ ズム及びレンズが示されている。 図３４は、それぞれの手で手術器具を操作する術者によりビデオモニターと組 み合わせて使用される、図８〜１３に示された内視鏡手術器具、ビデオ内視鏡、 挿入チューブ、及びカニューレを示す概念図である。 図３５は、それぞれの手で手術器具を操作する術者により組み合わせて使用さ れる、図８〜１３に示された内視鏡手術器具、ビデオ内視鏡、挿入チューブ、及 びカニューレを示す概念図である。 発明の説明 図１には、処置部位の画像を内視鏡の末端部１５からアイピース２０に伝送す る光学要素を含む延長円柱状チューブ１０と、アイピースに対して固定され、内 視鏡画像に対応したビデオ信号を提供するビデオカメラヘッド２５とを備えるビ デオ内視鏡が示されている。今日の内視鏡の使用においては、ビデオ画像は、内 視鏡医から１〜２メートルの位置に配置された大型の陰極線管モニター上に通常 ディスプレイされる。本発明に基づけば、画像はフラットパネルディスプレイの ようなビデオディスプレイ手段３０に映される。この実施例においてはディスプ レイ手段３０はカメラヘッドに対して着脱可能に取り付けられている。カメラ電 子ユニット３５とディスプレイ電子ユニット４０により信号の調整、同期、及び 電力供給が行われる。光源４５からの光は光ファイバーケーブル５０を通じて内 視鏡の光学コネクタ５５に伝送される。 図２は、図１の内視鏡の一部分を示す切欠き図である。この構成は、延長円柱 状チューブ１０、末端面６０、対物レンズ６５、対物レンズからアイピースにま で画像を伝送する内部ロッドレンズ７０、光学コネクタ５５からの光を伝送し、 端部は内視鏡の末端面にて途絶する多数の光ファイバー７５を含む。内視鏡の末 端面からは光学コネクタ５５からの光が放射され、処置部位に照射する。このよ うな内視鏡の一例として、米国ペンシルベニア州ラングホーム（Langhome）のカ ボットメディカル社（Cabot Medical Corp.,）が製造する型式００４３７８−９ ０１の腹腔鏡がある。再び図１を参照すると、柔軟なジャケット内の多数の光フ ァイバーより構成される光ファイバーケーブル５０により光源４５から光学コネ クタ５５に光が供給される。こうした用途において適当に用いられる内視鏡的光 源要素の例として、米国コネティカット州スタンフォート（Stamfort）のサーコ ンエイシーエムアイ社（Circon-ＡＣＭＩ Inc.,）より市販されている型式ＭＶ ９０８２の光源及びコネクタ付きの光ファイバーケーブルである型式ＭＶ８２３ ２のファイバーライトガイドがある。様々な構成の光学コネクタが異なる製造業 者により使用されているが、光源と組み合わせて販売される光学ケーブルには、 最も一般的に使用されている内視鏡に適合させるためのアダプタが通常付属して いる。アイピース２０にはビデオカメラヘッド２５が着脱可能に固定されている 。ビデオカメラヘッドは電荷結合素子（ＣＣＤ）画像アレイ、レンズシステム、 及びカメラ電子ユニット３５に接続される前置増幅器を含む。カメラ電子ユニッ ト３５は電力供給部、同期、デジタル回路、及び信号調整回路を含む。サーコン エイシーエムアイ（Circon‐ＡＣＭＩ）社の型式９６６０のカメラヘッド及びカ メラ電子ユニットがこうした用途において適当に用いられる。 上記のビデオ内視鏡システムに加えて、別の構成のビデオ内視鏡を本発明にお いて使用することも可能である。そのような例としてドージー（Dorsey）及びタ ブス（Tabbs）により記述された、ロッドレンズの代りにコヒーレントな光ファ イバーケーブルを使用したビデオ内視鏡がある。この内視鏡は、末端に米国ニュ ーヨーク州スカースデール（Scarsdale）のフジノン社（Fujinon Inc.,）より市 販されている型式ＥＶＧ−Ｆ製品のような固体イメージディテクタが配置され、 堅い（柔軟ではない）チューブの代りにオリンパス光学から販売されている型式 Ｐ２０のような柔軟なチューブを備える。堅い内視鏡とは、大きく変形した場合 に内部の光学要素の破損を伴う内視鏡のことである。柔軟な内視鏡には、若干折 曲することが可能な光学要素と薄い金属壁とを備えた、関節鏡手術において使用 される内視鏡や、軟らかいプラスチック製のジャケットを備えた、消化管や気管 支において使用するための高い柔軟性を有する内視鏡が含まれる。医療用途にお いてはこれらの内視鏡は、広範な診断用途に応じ、また画像に依存する低侵襲性 手術を行う目的で異なる大きさと形状に構成される。 再び図１を参照する。ビデオディスプレイ手段が内視鏡、アイピース、または カメラヘッドに対して着脱可能な取り付け手段を用いて固定されている。この取 り付け手段により内視鏡からディスプレイ手段を取り外すことが可能である。図 に示された取り付け手段は、調整可能な長さを有するストラップ８５とカメラヘ ッドが堅く把持されるまでストラップを短く調整するための調整ノブ９０とを含 む。また逆にノブを使用してストラップを緩め、ディスプレイを取り外すことも 可能である。ディスプレイが取り外し可能であることにより、耐熱性のないディ スプレイ手段を傷めることなく内視鏡をオートクレーブにかけることが可能であ り、医療用途においては望ましい。ビデオカメラによって形成される画像はディ スプレイ手段によって見ることが可能であり、内視鏡医は内視鏡の物理的な配置 に注意を払いながら画像を見ることができる。ディスプレイ３０は玉継手９５に より取付け手段に対して調整可能に取り付けられ、最適な角度で見るために内視 鏡医が位置の調整を行うことが可能である。 図１に示された表示手段３０の対角線方向の長さは７０〜１２０ｍｍであるこ とが好ましいが、都合のよい大きさであればどんな大きさでもよく、重量は５０ グラムよりも小さいような軽量であることが好ましい。任意のビデオディスプレ イの使用が可能であるが、フラットパネルディスプレイが重量、大きさの面にお いて一定の利点を有する。フラットパネルディスプレイとは、高さと幅において 小型であり、従来の陰極線管ディスプレイと比較して軽量であるような任意のビ デオディスプレイ手段を指す。フラットパネルディスプレイには液晶ディスプレ イ(ＬＣＤ)、電界放出ディスプレイ(ＦＥＤ)、プラズマディスプレイ（ＰＤ）及 びエレクトロルミネセントディスプレイ（ＥＤ）などが含まれる(ただしこれら に 限定されない)。 ディスプレイは完全な自蔵式のもの、すなわち標準ビデオ信号を画像に変換す る電気回路の全てがハウジングの内部に収容されているようなものであってもよ い。こうしたディスプレイは米国カリフォルニア州のサンタモニカ（Santa Moni ca）のＣＢＭアメリカ社（ＣＢＭ America Corp）より市販されているシチズン （Citizen）の型式Ｍ329製品のように電池を含む場合もある。また、小型軽量化 を図るうえで、ディスプレイには図１のディスプレイ電子ユニット４０のような 外部の信号処理ユニット内に配置される外部電源及び電力インバータが使用され る場合もある。米国ワシントン州カマス（Camas）のシャープエレクトロニクス 社（Sharp Electronics Corp）の製造する型式ＬＱ４ＮＣ０１／０２製品がこう した用途において適当である。 図３には、本発明の別の一実施例が示されており、フラットパネルディスプレ イのようなビデオディスプレイ手段３０が延長シャフト１００を備えた内視鏡手 術器具のハンドルまたは手によって操作される制御手段１１０の付近において取 付け手段１０５によって固定されており、これにより術者が患者、術者自身の手 、及び手術器具に対して注意を向けつつディスプレイされる画像を見ることが可 能である。取り付け手段はディスプレイの裏側に対して固定され、高分子材料ま たは硬質ゴムで形成されたブロック１０７上に取り付けられた支持軸１０６を備 える。ブロック１０７は、これを通じて内視鏡手術器具が延び、ディスプレイを 選択された位置に保持する着脱可能な摩擦グリップを形成する。手術器具及びデ ィスプレイは、ブロックに形成された孔に対して摩擦により調整可能に固定され る。ビデオ信号及びディスプレイを操作するための電力は、図１に示されるよう に電子ユニットからケーブル１１２を通じてディスプレイに供給される。この実 施例における使用に適当な内視鏡手術器具の例として、米国コネティカット州ノ ーウォーク(Norwalk)のユナイテッドステイツサージカル社(United States Surg ical Corp.,)の製造する内視鏡把持器(Endo Grasp grasper)、内視鏡切除鋏(End o Shears scissors)、内視鏡腸鉗子（Endo Bowel clamps）及び内視鏡クリップ 器 （Endo Clip Clip−applier）がある。図４を参照する。ビデオディスプレイ１ ５０の画像はこれとは分離している内視鏡１２０によって得られる。こうした分 離した内視鏡として上述されたように、従来の直径１０ｍｍの腹腔鏡を使用する ことが可能である。内視鏡は、ユナイテッドステイツサージカル社の製造するサ ージポート製品（Surgiport）のような、従来のトロカールカニューレ１２５を 通じて挿入される。トロカールカニューレ１２５は第１の開口１３０を通じて処 置が行われる身体の部位の外表面１３２から挿入される。内視鏡手術器具の末端 部は外科的処置を行うために第２の開口１３５を通じて内視鏡の視野内に挿入さ れる。ビデオカメラヘッド２５からのビデオ信号は第１の電気ケーブル１４０を 通じてビデオカメラ電子ユニット１３７に伝送され、ここから第２の電気ケーブ ル１４５を通じてビデオディスプレイ手段３０に伝送される。 図５には、本発明の別の一実施例が示されており、内視鏡手術器具はカニュー レ１５２を通じて体内に挿入され、カニューレには、取り付け手段によりビデオ ディスプレイ１５０が着脱可能に取り付けられている。取付け手段は支持部材１ ５４、支持部材に対して接着されたマジックテープストリップ（ベルクロ・登録 商標）１５５、カニューレに対して接着された、マジックテープストリップスト リップに対応する繊維の固定ストリップ１６０を含む。このような取り付けを行 うための材料は普通に入手可能である。カニューレを滅菌、あるいは投棄する前 にディスプレイを速やかに取り外すことが可能である。 図６〜１６には本発明の別の一実施例が示されている。この実施例は内視鏡手 術器具の末端部の見かけ上の位置を、開放性手術における場合のように手術器具 のハンドルの近くに持ってくることにより、手と眼の間の連動性を向上させ、内 視鏡による外科処置をより迅速かつ正確に行うためのものである。このことは、 図６を参照すると、内視鏡手術器具に隣接し手術器具に対してほぼ平行に配置さ れたビデオ内視鏡により、内視鏡手術器具の末端部１６５及び手術野１７０のビ デオ画像を得ることによって実現されている。ここで内視鏡の末端部１７５は手 術器具の先端部１６５の近傍に配置され、手術器具のハンドルまたは手によって 操作される制御手段１８５に隣接する位置に配置されるビデオディスプレイ１７ ８上に前記の画像をディスプレイする。内視鏡のチューブ１０（図１参照）及び 手術器具のシャフト１００（図３参照）は挿入チューブ１９０内に配置され、挿 入チューブ１９０は処置が行われる身体部分の外表面１９５を通じて体内に挿入 される。腹部手術の場合においては、図５に示されるように、腹壁を通じてまず トロカールカニューレが挿入され、このカニューレを通じて手術器具や内視鏡が 挿入される。同様に図６に示された実施例においては、挿入チューブはカニュー レを通じて体内に挿入されている。 図６に示されるように、手術器具のハンドル及び手術野の組織と手術器具の先 端の画像２００は同じ場所に配置される。術者が自分の手と手術器具のハンドル １８５を見た時、あたかもハンドルから直接延びているかのように同じ視界内に 手術器具の先端の画像が見え、手術器具の先端のすぐ近くに組織や臓器が見える 。図に示された手術器具は、米国カリフォルニア州のカルバーシティー（Culver City）のカールストーツエンドスコピー社（Karl Storz Endoscopy）の製造す るSzabo-Berci持針器のような持針器である。持針器が組織１７０内に縫合糸２ １５の取り付けられた針２１０を挿入している状態が示されている。図７に示さ れる見え方は全ての外科医にとって開放性手術の経験から感覚的に馴染み深いも のである。 図６〜１６に基づいて以下に明らかにされるように、手術器具の先端部の像の 向きは、手術器具、ビデオ内視鏡及びディスプレイの間の固定的な関係により、 手術器具のシャフトに対して固定される。再び図６を参照すると、矢印２２５に て示されるように、長手方向の中心軸２２０を中心として手術器具が回動すると 、画面上において先端部の像が同じ軸を中心として同じ角度だけ回動する。矢印 ２３０にて示されるように手術器具を前進、後退させた場合にはハンドルと先端 部との間の位置関係は変化しないが、これは図８及び９を参照すれば明らかであ るように、手術器具、挿入チューブ、ビデオ内視鏡及びビデオディスプレイは一 体で動くことによる。再び図６を参照すると、腹壁を通じる挿入位置における支 点 ２３５を中心とした旋回運動によってハンドルと先端部の像との間の位置関係は 変化しない。支点によって規制されるこのような動作は従来の腹腔鏡手術におい て可能な動作と同じものであるが、本発明においてはより自然な感覚で迅速に外 科医がこの動作を行うことが可能である。 ここで図８〜１６に眼を向ける。ここでは図６の考え方の好ましい一実施例が 示されている。図８には、例として腹腔鏡手術において使用される手術システム のアッセンブリが示されているが、図１に基づいて記述されたような、分離した カメラ電子ユニット、ディスプレイ電子ユニット及び光源は省略されている。着 脱可能なディスプレイは、図８の実施形態はディスプレイが取り付けられていな い場合でも、術者が従来のモニター上で画像を見ることにより使用が可能である ことを示すために、取り外された状態で示されている。手術システムは、挿入チ ューブ１９０、挿入チューブの長手方向のボア２５０内に配置され、挿入チュー ブの端部を越えて延出した末端部１７５を有する内視鏡、内視鏡を収容するボア の下方に配置された挿入チューブの第２の長手方向のボア２５５を通じて挿入さ れたシャフト１００を有する内視鏡手術器具、内視鏡の基端部２６５に対して取 り付けられたビデオカメラヘッド２６０、ビデディスプレイ１７８、ビデオディ スプレイを手術器具のハンドル２７５の上方の所定の位置に適切な向きで保持す るための取り付けアッセンブリ２７０、電力及びビデオ信号をカメラ、ディスプ レイ及び電子処理ユニットの間において伝送する電気ケーブル２８０、光源から の光エネルギーを内視鏡の光学コネクタ５５に伝送する光ファイバーケーブル５ ０を備える。 操作性、使い勝手を向上させるうえで、挿入チューブの直径は、内視鏡及び手 術器具を収容することにおいて実用的な範囲で、可能な限り小さく構成されるこ とが望ましい。例として、挿入チューブの外径は１０ミリメートル以下であれば 、ユナイテッドステイツサージカル社により製造される１０ミリメートル腹部サ ージポート（１０ｍｍ trocar Surgiport）のような標準的なトロカールカニュ ーレを通じて挿入することが可能である。図９に示されたこうしたトロカールカ ニ ューレには以下に述べるような改良が施されている。シャフトの直径が５ミリメ ートルである市販の内視鏡手術器具が使用されることが好ましい。構成材料とア ソビ空間によって残りの直径の一部が占められることを考慮すると、利用可能な 空間の大きさにより内視鏡の直径は３ミリメートル以下に制限される。また内視 鏡は充分な長さを有さなければならない。一般的な腹腔鏡手術器具のシャフトの 長さは約３３０ミリメートルである。２２０〜２５０ミリメートルの長さの内視 鏡であれば必要条件を満たすであろう。適当な寸法の内視鏡の一例としてカール ストーツ社が製造する型式２７０１８Ａ-Ｃの気管支鏡テレスコープ製品があり 、２．７ミリメートルの直径と２４０ミリメートルの長さを有する。こうした用 途においては内視鏡のアイピースの代りに小型のビデオカメラヘッドを使用し、 これをテレスコープ部分の基端部に対して直接取り付ける。ここで図１１、１３ 、１４及び１５を参照する。ビデオカメラヘッド２６０は、螺刻された端部２９ ０と端部２９５とを螺合することにより内視鏡に対して着脱可能に取り付けられ るハウジング２８５、電荷結合素子（ＣＣＤ）画像センサ３００、前置増幅器３ ０５、及び内視鏡画像を画像センサ上に結像させるレンズシステム３１０を備え る。シャープ社の型式ＹＨ-７Ｂ２０製品のような小型の画像センサ／前置増幅 器ユニット及び信号処理ボードを備えた、こうした用途に適当なモジュール式Ｃ ＣＤカメラが市販されている。内視鏡手術器具用の通路と内視鏡用の通路との間 の距離はわずか数ミリメートルでしかないため、画像センサを内視鏡の中心軸３ １５上に中央に位置決めするための充分な空間が確保できないことも考えられる 。そこでレンズシステムには光学軸３２５を手術器具の通路から離間する方向に 偏向するためのプリズム要素３２０が組み込まれている。また光学軸を偏向させ るうえで、ミラーや内部反射プリズムを使用することも可能である。こうした光 学システムは、既存のレンズ設計ソフトウェアを使用すれば容易に設計可能であ り、既存の光学製品に合わせて製造することも、特別に製造された部品に合わせ て製造することも可能である。光学産業においては米国ミネソタ州オーシャンス プリングス（Ocean Springs）のファーソンオプティクス社（Ferson Optics）の よう なこうした光学製品の製造元が多くある。 図１１及び１２を参照する。調整可能な取り付けアッセンブリ２７０（図８参 照）はこれによりフラットパネルディスプレイ１７８がビデオカメラヘッド２６ ０に対して取り付けられ、金属製ボール３３５が取り付けられた支柱３３０と、 調整可能なボール支持部３４０とを備える。ボール支持部３４０はディスプレイ に対して取り付けられる。ボール支持部３４０によりボールはディスプレイが不 測に動くことを防止するうえで充分な摩擦力で支持される。内視鏡医または外科 医により、容易に最も見やすい向きにディスプレイの向きを調整することが可能 である。図８及び特に図６を参照すると、ディスプレイは挿入チューブに対して 垂直に配置することも、また、図に示されるように、ディスプレイの上部を挿入 チューブの方向に回動させて傾けて配置することも可能である。これにより手術 器具の先端の画像３４６の中心軸３４６は手術器具自体の中心軸２２０に対して より近くなり、先端部の像が手術器具のシャフトの中心軸に同軸に連結されて見 えるという視覚効果が一段と強調される。最も効果的なディスプレイの傾角は術 者に応じて異なり得る。３次元の術野の２次元表示を行う際に常に見られること であるが、距離及び運動に関して方向性が不明瞭となる。ディスプレイを傾ける ことによりこうした不明瞭さに基づく混乱を最小限に抑えることが可能である。 この実施例の別の構成においては、ディスプレイ１７８及びアッセンブリ２７０ は使用されず、術者は画像を分離して配置されたモニター上で見る。これについ ては図３４に基づき後に説明する。 図１３及び１５を参照する。挿入チューブ１９０は、プラスチックのような材 料で形成され、約２５０ミリメートルの長さを有するハウジングを備える。ハウ ジングの基端部にはビデオカメラヘッドを取り付けるための空間を提供する平面 部分３５０が形成されている。カメラを取り付けた内視鏡を第１のボア２５０内 に、内視鏡が挿入チューブの末端部３５５を０〜２０ミリメーターの範囲で越え て延びるように挿入する。内視鏡はボアの内部においてシャフトとボアとの間の 摩擦によって固定される。内視鏡、カメラヘッド、及びディスプレイは使用後に 挿入チューブから取り外して別々に掃除することが可能である。 図１５及び１６を参照する。挿入チューブの手術器具ボア内に器具が挿入され ていない場合の注入ガスの損失を抑えるために、フラップ弁３６０(開放状態に て示されている)が第２のボア２５５の拡張部分３６５内に配置されている。こ うした弁はＵ.Ｓ.サージカル社（上述）の製造するトロカールカニューレにおい て同様な目的で共通して使用されている。手術器具の挿入により弁は閉鎖位置３ ７０から開放位置に向けて回動し、図に示されるように手術器具が通過するよう にボアは開放される。手術器具の使用時における注入ガスの損失を抑えるために 手術器具ボアの基端部にワイパーシール３７５が配置される。ワイパーシール３ ７５は５ミリメートルよりも若干小さい孔が形成された柔軟な膜から構成される 。こうした膜状シールはＵ.Ｓ.サージカル社（上述）の製造するトロカールカニ ューレにおいて同様な目的で共通して使用されている。 図１０を参照する。この実施形態において使用される手術器具は標準的な５ミ リメートル腹腔鏡手術器具であり、この手術器具は再利用が可能であるか、ある いは上述のユナイテッドサージカル社により製造されるエンド（Endo）シリーズ 製品のように使い捨てが可能である。この手術器具は、手によって操作される操 作手段２７５、長い中空シャフト１００、端部作用子３８０、及び手動操作手段 がこれを通じて端部作用子を作動させるための内部作動手段とを備える。本発明 においては、これらの手術器具は保持リング３８５を付加することによって改良 されている。保持リング３８５は使用に先立ってシャフトの周囲に配置、圧着さ れる。図８、１３及び１５を参照する。保持リングは、手術中に、手術器具を挿 入チューブに対して、手術器具の中心軸２２０に沿った望ましい位置に保持する ためのものである。図１３、１５及び１６を参照すると、手術器具は、保持リン グ３８５に対して係合する板バネ取り付け金具３９５の作用により所定の場所に 着脱可能に固定される。取り付けが行われた状態では、手術器具の端部作用子３ ８０の末端部は内視鏡の末端部４００を予め選択された距離だけ越えて延びる。 この距離は通常２０〜５０ミリメートルの大きさである。これにより、内視鏡が 「正面視」型である場合、すなわち視野が内視鏡の中心軸の周りに対称的に広が っているような場合には、図６に示されるように、手術器具の先端は、通常、内 視鏡の視野の下３分の１の部分の中央に位置することになる。取り付け金具によ る取付けが行われると、手術器具は内部あるいは外部の方向に動かすことはでき なくなるが、中心軸を中心として自由に回動させることが可能である。手術器具 は取り付け金具を下方に曲げることにより取り外すことが可能である。これによ り挿入チューブをカニューレから外さずに別の手術器具への交換を行うことが可 能である。 手術器具のハンドルに対する内側あるいは外側方向の力の作用に応じて、挿入 チューブはカニューレの内部で前進または後退する。ここで図８及び９を参照す る。挿入チューブを前進させることが可能な距離は、係止リング４０５によって 制限される。係止リング４０５は挿入チューブが最も奥にまで挿入された位置で カニューレの基端部４１０に対して係合する。手術器具を器具の中心軸を中心と して回動させるために回転力を手術器具のハンドルに対して作用させた場合にカ ニューレの内部において挿入チューブが回動しないことが好ましい。これは挿入 チューブがカニューレの内部において回動するとディスプレイが回動してしまう ことによる(しかし、内視鏡とディスプレイとは同じ回動を行うため、組織の画 像の方向は変化しない点は注目されるべきである)。図８、９及び１３を参照す ると、挿入チューブのカニューレに対する回動を防止するために、カニューレの 末端部４２０の内面において突起部４１５が形成される。挿入チューブの前部の 外面には嵌合溝４２５が形成され、挿入チューブの末端がカニューレの末端部に 挿通されるためには溝と突起とは整合しなければならない。 溝と突起との嵌合により挿入チューブはカニューレの内部または外部方向に自 由に動かすことが可能であるが、カニューレに対して相対的に回動させることは できない。溝が挿入チューブの表面の後部にまで延びて形成されるとチューブの 表面と円形のワイパーシール４３０との間の気密性が破綻し、注入ガスの漏出に つながるため、溝は挿入チューブの後部にまでは形成されていない。 本発明を利用するうえで、内視鏡的視覚化及び内視鏡手術のための図８〜１６ の実施例に基づけば、術者はまず、フィリップス（Philips）等によって記載さ れたような公知の内視鏡手術の方法を用いてカニューレを患者の体内に挿入する 。更に内視鏡、カメラヘッド、ディスプレイが取り付けられた挿入チューブをカ ニューレに挿入する。次に特定の内視鏡手術器具を選択し、これを挿入チューブ の手術器具ボア内に挿入し、取り付け金具により係止する。この時、手術器具の 末端部は体内の組織に外科処置を施すための所定の位置に配置される。手術器具 の末端部及び組織の内視鏡像を手術器具のハンドルのすぐ上に配置されたディス プレイで見ることが可能である。 手術器具の中心軸を中心とした手術器具の回動により手術器具は挿入チューブ 内において回動する。ディスプレイ上において手術器具の先端が回動を行う様子 が見られる。手術器具の前進、後退により、挿入チューブはカニューレの内部、 外部方向に動く。この動きにおいて手術器具の先端の像は常にディスプレイの画 面上の同じ位置にある。図７に示されるように、この実施形態において提供され る視覚効果は開放性の手術における場合のそれに近いものである。すなわち、柄 の短い器具により、術者の手に近い場所の組織に処置が行われるというものであ る。手術器具の先端の横方向の動きは一般的な腹腔鏡手術の方法により、カニュ ーレの体内への挿入部位において形成される支点を中心として、手術器具のハン ドルを回動させることにより行われる。取り付けられるディスプレイの省略は本 発明の範囲に含まれるものであり、その場合、術者は画像を従来のモニター上で 見ることになる。位置視覚効果（enhanced presence）は得られないものの、術 者は手術器具をそれぞれの手で操作し、意識的に努力することなく、内視鏡の方 向を操作するためのアシスタントを必要とせずに、内視鏡を対象とする領域に向 けることが可能である。 ここで図１７〜２１を参照する。ここでは本発明の別の一実施例が示されてい る。まず図１７、１８及び１９を参照する。この実施形態においては手によって 操作される制御部４８０が本体部分４８５、挿入チューブ４９０、内視鏡４９５ 、 及びディスプレイ５００と組み合わされて基本的なアッセンブリを構成する。こ のアッセンブリを、手術器具５１０、カメラ・ディスプレイ電子ユニット５１５ 、及び光源５２０と組み合わせることにより完全な内視鏡手術システムが構成さ れる。図１７においてはこのシステムは完全に組み立てられ、交換可能な手術器 具５１０が挿入され、手術を行うことが可能な状態にて示されている。電気ケー ブル５３０及び光学ケーブル５３５を収納する単一のケーブル５２５が手動制御 手段４８０の前部５４０を通じて配線される。前部５４０は基本アッセンブリの 本体部分４８５に対して取り付けられている。単一のケーブル５２５は、ここか らカメラ・ディスプレイ電子ユニット５１５に接続される電気ケーブルと光源５ ２０に接続される光学ケーブルとに分岐する。手動制御部４８０の後部５４２は 、以下に述べられるように器具を操作する目的で、回動中心５４４において回動 可能に本体部分４８５に対して取り付けられている。 図１８〜２１には図１７の実施例の詳細が示されている。図１８〜２１を参照 すると、交換可能な手術器具５１０は、円柱状中空シャフト５４５、シャフトの 末端部付近の回動中心５６０において回動可能に取り付けられた２個の作用要素 ５５５を含む端部作用子５５０(把持器や鋏など)、それぞれの作用要素の、回動 中心に近い側の端部に形成された孔５６５、シャフト内に配置され、それぞれが 手術子の孔の一つに通された２本の短いワイア５７５によって手術子に連動する 駆動ロッド５７０、シャフトの一側面において形成された長手方向のスロット５ ８０、駆動ロッドに対して固定され、スロット５８０を通じて延びる駆動ピン５ ８５、シャフトの基端部に配置されたノブ５９０、ノブの末端部側の近傍に形成 され、シャフト５４５と同心に配置された捻りロック手段を備える。捻りロック はそれぞれ反対側に配置されたスロット６００を備えた第１のシリンダ５９５を 含む。スロット６００は、より小さい直径の第２のシリンダ６１０から径方向に 外側に突出し、それぞれ反対側に配置されたピン６０５(図２１参照)に対して着 脱可能に係合するように適当に形成されている。第２のシリンダ６１０は本体部 分の基端部側に対して取り付けられ、挿入チューブ１９０の手術器具ボア２５ ５と同軸に配置される。 再び図１７〜２１を参照すると、ビデオカメラヘッド２６０が装着された内視 鏡４９５がアッセンブリ４８５に取り付けられる。この時内視鏡の末端部４９６ は挿入チューブの末端部４９８を、実施される外科処置において適当な距離だけ 越えて延びる。この距離は０〜２０ミリメートルの範囲の大きさである。手術野 の照明のために内視鏡に光を伝播するための光ファイバー６２０は、光源から出 て、手動制御手段の前部５４０を通じ、光遮断された孔６２５を通って、内視鏡 の末端部に延び、ここで図２に示されるように終端する。この構成においては、 図２のコネクタ５５のような、従来の内視鏡において使用される光学コネクタを 使用する必要はなく、重量は軽減され、光の透過効率は向上している。 図２０及び２１を参照すると、手動制御手段の後部５４２は回動軸６３５にお いて回動可能に本体部分に対して取り付けられ、回動中心５４４の上方に延び、 第１と第２のＬ字形状の分枝部６４０及び６４５を含む作動手段を形成する。分 枝部はボア６５０の開口部の下方に位置する。手術器具のボア内への挿入と時計 回り方向への回転によりピン６０５のそれぞれは捻りロックのスロット６００に 形成された終端部戻り止め６６０において係止され、駆動ピン５８５は分枝部６ ４０と６４５との間の位置に向けて回動する。分枝部とピンとは、手術器具の挿 入に先立って手動制御手段を閉じることにより確実に整合する。すなわち手術器 具がボア内に挿入されるためには手術器具の手術子は閉じられていなければなら ない。手動制御手段により第２の分枝部６４５が駆動ピンに対し後ろ方向の力を 作用させ、駆動ロッドが後方に引かれるため、手術子５５５は閉じる。逆に、手 動制御手段が開かれる時、第１の分枝部６４０により駆動ロッドは前方に動かさ れ、手術子は開く。手術器具の反時計回り方向への回転によりピン６０５は外れ 、駆動ピンは分枝部から外れる方向に回動し、手術器具ボア２５５のスロット６ ５０に対して整合する。駆動ピンは手術器具が取り外される、または挿入される 際にこのスロットを通って移動する。 図１７〜２１に示された実施形態は、腹壁などの体表を通じて体内に挿入され るカニューレと共に使用することも可能であるが、口、鼻、肛門といった自然の 開口部や、美容内視鏡手術や胸腔鏡手術のように皮膚の切開部より挿入される場 合のようにカニューレを用いずに使用することも可能である。更に、図１７〜２ １に示された実施形態はディスプレイを取りつけずに使用することも可能で、こ の場合には術者は従来のモニター上で画像を見る。こうした使用形態においては 前述の位置視覚効果（enhanced presence）は得られないが、手術器具と内視鏡 とを片手で操作できることにより術者は利益を享受する。 図２２には、腹腔鏡手術において広く知られている問題を解決することを目的 とした本発明の一実施形態が示されている。この問題とはすなわち、腹壁に形成 された小孔を通じた手術においては挿入位置２３５において支点が形成されるた め、手術器具の先端部を動かしたい方向とは反対の方向に手術器具のハンドルを 動かさなければならない点である。図２２の実施形態は内視鏡１７５とビデオカ メラヘッド２６０とが手術器具の上方ではなく、下方に配置されている点におい て図６及び図８の実施形態と異なる。この位置変更は、矢印７００にて示される ように、挿入チューブ、内視鏡及びビデオカメラヘッドを１つのユニットとして 手術器具の中心軸２２０を中心として回転させることにより実施される。ディス プレイ１７８は取り外され、挿入チューブの表面のビデオカメラヘッドの反対側 にあたる位置７０５に再び取り付けられる。この実施例においては、手術器具の 先端部の像７１０は図６及び８に示された実施形態と画面上の同じ位置に見える が、対象物マトリクスＡＢＣＤ７１５とそのディスプレイ上の像７１０によって 示されるように、対物視野の画像は上下逆さになる。したがって、画面上で手術 器具の先端部の像を点Ｐ'７２０の方向に動かすためには、矢印７２５にて示さ れるように、術者は手術器具のハンドル２７５を画面上のその点におおまかに向 けて動かせばよい。これによりシステムは支点を中心として回動を行い先端部は 目標点Ｐ７２０に向けて動く。これは画面上では点Ｐ'に向かった動きとして示 される。したがって手術器具の動きの逆転は修正され、対物視野の画像は上下逆 さになるものの、手術器具の操作は従来の開放性の手術の場合に近いものになる 。 図２３及び２４には、図８の実施形態と図２２の実施形態とを一つのシステム に組み合わせるための手段が示されており、これらの操作形態は術者によって選 択されることが可能である。この目的は、ディスプレイを直立した位置に保持し つつ、挿入チューブ、内視鏡及びカメラを一つのユニットとして、このユニット の、手術器具の中心軸２２０を中心とした回動を可能にすることにある。ここで 図２３を参照する。この実施形態は、内視鏡ボア２５０と手術器具ボア２５５と を備え、図においてその基端部が示された挿入チューブ１９０、連結部材７３０ 、連結部材７３５、基端部の手術器具チューブ７４０、螺刻を有する保持リング ７４５、取り付け型のディスプレイが使用される場合に、ディスプレイを調整可 能に取り付けるためのボール３３５を備えた支柱３３０が取り付けられた第１の 半円柱状取り付け要素７５０、手術器具保持金具３９５が取り付けられた第２の 半円柱状取り付け要素７５５を備える。 挿入チューブ上のビデオカメラヘッド２６０の位置は図に示されている。カメ ラヘッドが配置される平面部分３５０の先端部側の付近に外周溝７６０が形成さ れ、連結部材７３０の円錐状部分７７０の末端部側において半円状面７６５に嵌 合する。連結部材は、円錐状部分、基端部側の円柱状部分７７５、連結部材の回 動のために指による把持部分を提供すべくローレット切りされた外周面７８０を 備える。円柱状部分７７５を通じて、手術器具を挿通するためのボア７８５が形 成されている。カメラの電気ケーブルを挿通するために第２のボア７９０が形成 されている。円柱状部分の先端部側の面に半円状溝７９５が形成され、挿入チュ ーブ１９０の基端部が嵌合する。半円状面７６５の内側にピン８００が形成され 、挿入チューブ内の外周溝７６０内のボア８０５に対して係合し、連結部材７３ ０の挿入チューブ１９０に対する回動が防止される。挿入チューブを連結部材内 に挿入した後に、ネジ８１５により連結部材カバー７３５は所定の位置に固定さ れる。これにより挿入チューブは連結部材に対して不動に固定される。 図２３及び２４を参照すると、手術器具チューブ７４０は連結部材７３０の円 柱状部分７７５の基端部側の面において円柱状凹部８２０内に挿入されている。 螺刻された保持リング７４５が基端部手術器具チューブの外側から嵌められる。 保持リング７４５の内径は手術器具チューブのコレット８２５の内径よりも小さ い。保持リングは、手術器具チューブの円柱状凹部内における回動に抵抗を与え るが、この回動を妨げない程度の大きさの力で連結部材の円柱状部分にコレット が押し付けられるまで連結部材の円柱状部分内に螺入される。円柱状凹部８２０ の突き当たり面において放射状に配置された１個以上の円孔８３０により戻り止 め機構が形成され、手術器具チューブ７４０の末端部側の面に取り付けられたバ ネ付勢された球ビーズ８３５が円孔８３０に嵌合する。手術器具チューブは選択 された回転位置において戻り止め機構により解除可能に固定される。特に、図８ 及び２２の実施形態において、手術を行うシステムを安定させるうえで、直径上 の反対の位置に配置された２個の円孔を用いることが可能である。半円柱状取り 付け要素７５０及び７５５は手術器具チューブの外径に等しい内径を有し、ネジ または接着剤により互いに連結され、その間において手術器具チューブを固定す る。 図２５には、図８の実施形態に基づく手術用の連結部材７３０及び挿入チュー ブ１９０の向きが示されている。矢印８３７にて示されるような、手術器具の中 心軸２２０を中心としたこれらの要素の回動により手術器具は図２２の実施形態 に変化する。この状態は図２６に示される。操作形態を２つの形態の間で変化さ せるには、術者は手術器具チューブ、ディスプレイ取り付け部、またはディスプ レイを一方の手にて把持し、他方の手にて連結部材のローレット切りされた表面 を把持してこれを半回転させればよい。 図６、８及び図２２〜２６に示された実施態様により、保持金具を用いて手術 器具を挿入チューブに対して装着することが可能となる。これにより内視鏡、ビ デオカメラ、及びディスプレイは手術器具の前進、後退に同期して内部、外部に 向けて動く。内視鏡、ビデオカメラ、及びディスプレイが選択された挿入の程度 において固定され、手術器具の保持金具が外れた状態であるか、あるいは保持金 具を有しない状態において、手術器具が独立して前進、後退させられるようにし て手術を行うことも本発明の範囲に含まれるものである。これは図９のカニュー レを省略し、図６に示されたように体壁に形成された小孔を通じて直接挿入チュ ーブを体内に挿入することによって行うことが可能である。また、本発明の別の 一実施例においては、図２７〜３０に示されるようなカニューレを使用し、挿入 チューブを任意の望ましい挿入位置において固定することが可能である。図２７ には、偏心軸８７０を有する円盤から構成されるサムホイール／カム８４０が示 されており、円盤には戻り止め８４５、指による操作を行う際に摩擦を提供する 粗く加工された外周部分８５０が形成されている。図２８には、カニューレの基 端部と偏心軸８７０とに対して取り付けられた支柱８６０により図２７のサムホ イール／カムが取り付けられたカニューレ８５５が示されている。図２９は、カ ニューレ、サムホイール／カム８４０、支柱８６０、及び偏心軸８７０の側面図 である。カニューレの壁にはスロット８７５が形成され、サムホイールがカニュ ーレボア８８０内に進入することが可能になっている。サムホイール／カムは開 放位置にて示されている。例えば挿入チューブのようなシャフト８８５がボア内 に配置された状態が示されており、シャフトはボア内において自由に回動を行う ことが可能である。図２８で矢印８９０にて示されるように、サムホイール／カ ムは回動することによりボア内に進行し、位置９００においてシャフトを押圧す る。シャフトは位置８９５においてボアの反対側の壁に対して押圧される。これ により図３０に示されるように、シャフトのボアにおける動きは防止される。サ ムホイール／カムの戻り止め８４５によりシャフトが不測に解除されることは防 止される。 図３１〜３３は本発明の別の一実施形態を示し、手術器具の先端が見下ろされ るような構成となっている。図８及び２２の実施形態の手術器具ボアに手術器具 が挿通されたものが例として示されている。図３１は、内視鏡９０５を備えた挿 入チューブ１９０を示す。内視鏡は潜望鏡様の末端部要素９１０を備える。内視 鏡は挿入チューブの内視鏡ボア内において回動させることが可能であり、図３１ においては、潜望鏡状末端部要素が挿入チューブの末端部３５５の付近において 手術器具ボアと重なるような位置にある。潜望鏡状末端部要素の長さは挿入チュ ーブの末端面の範囲を超えて延びない長さに選択され、挿入チューブがカニュー レを通じて体内に挿入される際に障碍とならないようになっている。挿入の後に 、内視鏡は半回転させられるが、これは光学コネクタ５５を把持し、矢印９１５ 、９２０に示されるように回転させて行うことが可能である。 図３２を参照すると、内視鏡を回転させると、内視鏡の入射ヒトミ９２５は挿 入チューブよりも高い位置となり、手術器具の先端３８０を見下ろすことが可能 になる。この時点で障碍が除かれた挿入チューブの手術器具ボアに手術器具を挿 通することが可能となる。 図３３は、内部の光学要素を示す内視鏡の末端部の切欠き詳細図である。プリ ズム９３０、９３５により入射ヒトミ９２５からの光軸９４０は内視鏡の主光学 チューブ９０５内に偏向される。レンズ９４５、９５０により画像は内視鏡を通 じて伝播されるために再集束される。この実施形態においては公知の内視鏡の設 計の原理を適用することが可能である。入射ヒトミには対物レンズ９５５が配置 されている。視野の照明は入射ヒトミの下方に形成された照明用小窓９６５で終 端する光ファイバー９６０によって行われる。 図８〜１３及び図１３〜３３に示された実施形態を使用して操作性が向上し、 位置視覚効果（enhanced presence）を有する腹腔鏡手術を行うことが可能であ る。図３４を参照すると、術者は本図においては参照番号１０００にて示される 、図９に示されたカニューレを腹壁を通じて挿入し、このカニューレを通じて参 照番号１００５にて示される図８の本発明の実施形態を挿入する。ここで術者は 手術器具１０１０を選択し、これを手術器具ボア（図８の２５５）内に、金具（ 図８の３９５）によって軸に沿った方向において固定されるまで挿入する。術者 が両手利きである場合、従来の構成のカニューレ１０１５により第２の小孔を形 成し、従来の構成の手術器具１０２０をこれを通じて挿入する。場合により、他 の術者により操作される手術器具に対して他の小孔を腹壁に形成することも可能 である。術者は内視鏡画像をディスプレイ１７８上で見るが、この画像には手術 器 具１０１０の先端部、周辺の組織、視野内に入っている場合には手術器具１０２ ０の先端部が示される。 図３５を参照すると、ディスプレイ１７８を、取り外した、あるいはオフした 、あるいは無視した状態で腹腔鏡手術を行うことも可能である状況が示されてい る。従来の腹腔鏡手術に基づいて別のモニターが使用されている点を除けば、基 本的な構成は図３４と同様である。前述の位置視覚効果は提供されないものの、 この構成により、意識的に努力することなく、腹腔鏡を常に術野に向けた状態で 、術者がそれぞれの手に器具を持って同時に処置を行うことが可能である。 前述の実施形態の全てにおいて、実際の視野の大きさに対する画像の大きさは 、術者の好みに応じて容易に修正することが可能である。これは内視鏡の光学系 を変えるか、ビデオ画像の縮尺を電子的に調整することによって行うことが可能 であり、いずれも本発明の範囲に含まれるものである。 前述の実施形態の全てにおいて、単眼視式ビデオの使用が示唆される。ここで 単眼視式とは、１つの２次元的な画像が形成され、その画像が両眼に対して示さ れることを意味する。立体視式ビデオ内視鏡は当該技術分野においては公知のも のであり、立体視式ビデオの単眼視式ビデオによる代替は本発明の全ての実施形 態の範囲に含まれるものである。ローズモント（Rosemont）のリチャードウルフ メディカルインスツルメンツ社（Richard Wolf Medical Instruments）の製造す る立体視式ビデオ内視鏡では、互いに隣り合って配置された光学チャンネルを備 えた特殊な内視鏡から得られた左眼像と右目像とが連続的に示される。操作者は 透過率を電気的に変化させることが可能な特殊な眼鏡を着用する。眼鏡の左眼部 分と右眼部分とは腹腔鏡のそれぞれの側からの像に同期して交互に透明、不透明 の状態になる。単眼視式内視鏡及び特殊な信号処理を用いた立体視式画像形成装 置が米国ニューヨーク州のニューヨーク（New York）にあるオートメイテッドメ デイカルプロダクツ社（Automated Medical Products Corp.,）より市販されて いる。ディスプレイの後方の任意の領域への画像の立体視式ビデオ投射は公知で あり、これは公知のビデオ信号処理方法を用いて、ディスプレイ上における 左眼画像と右眼画像との左右の相対的な位置を調整することにより容易に行うこ とが可能である。このような本発明の立体視式ビデオの代替により、操作者には 手術器具の先端及び組織はディスプレイの後方にあるように見え、例えば手術器 具を組織を直接見たとすればそのように見えるであろう空間的な配置とほぼ同配 置に見える。これにより、直接見える術野に処置を行うような視覚効果が強調さ れ、操作性が向上する。使用される立体視式画像形成においては、ディスプレイ は手術器具の中心軸に対して垂直に配置することが可能であり、単眼視式ディス プレイと比較して方向や動きの曖昧さは低減される。 内視鏡の中心軸を中心とする対称的な視野を有する内視鏡（「正面視」または「 ０度」内視鏡）及び角度偏向した視野を有する内視鏡（「３０度」及び「７０度」 内視鏡）が製造されている。正面視内視鏡及び角度偏向された内視鏡の使用はい ずれも本発明の範囲に含まれるものである。 図示された実施形態においては、変形不能な内視鏡が示されただけだが、柔軟 な内視鏡及び柔軟な内視鏡手術器具を挿通して使用した実施形態は本発明の範囲 に含まれるものである。 特定の医療用途における好ましい実施形態を説明するうえで、特定の寸法の内 視鏡及び手術器具が選択されているが、本発明はこれらの寸法を有する内視鏡及 び手術器具に限定されるものではない。特に他の医療用途においてはより小型の 内視鏡及び手術器具が好ましいことが示されている。 上記においては手動式の把持器及び切除具が示されただけだが、本発明は使用 可能な手術器具の様式に関してはこれを限定するものではない。本発明において 使用可能な手術器具にはまた、関節を有するか、または柔軟な手動式手術器具、 電気焼灼及びレーザー光凝固装置、体液や軟部組織の除去を行うための吸引器、 軟部及び硬部組織の除去を行うための、回転や振動などの運動を行い、空圧、油 圧手段または電気、超音波モータにより機械的に駆動される装置が含まれる(た だしこれらに限定されない)。手動操作制御手段としては例えば引き金を備えた 銃把の形態を有し、電気的または機械的に制御される器具を動作させるような構 成が考えられる。 本発明の手によって保持される器具部分の重量及び慣性質量はできるだけ小さ く構成されることが好ましいが、特殊な軽量素材の使用、手によって保持される 器具部分の電子モジュールの電子ユニットへの移行、構成要素の全てまたは特定 のものの小型化といった小型軽量化を図るための手段の全ては本発明の範囲に含 まれるものである。 以上本発明を好ましい実施形態に基づいて記述してきたが、当業者にとって明 らかな本発明の上記以外の変更、修正は本発明の精神と範囲に含まれるものとみ なされよう。

【手続補正書】特許法第１８４条の８第１項 【提出日】平成１０年６月３０日（１９９８．６．３０） 【補正内容】 請求の範囲 １．ビデオ内視鏡と共に使用されるディスプレイシステムであって、 ビデオ内視鏡により得られる画像を表示するためのビデオディスプレイと、 ビデオ内視鏡、ビデオ内視鏡と共に使用される手術器具、ビデオ内視鏡また は手術器具の一方を受けるように構成されたカニューレからなる群から選択され る構成要素に対して、ある程度固定的かつ調整可能に前記ビデオディスプレイを 直接取り付けるように構成された調整可能な取り付け機構とを含むディスプレイ システム。 ２．前記調整可能な取り付け機構によりディスプレイが選択された構成要素に対 して着脱可能に連結されることを特徴とする請求項１に記載のシステム。 ３．前記ビデオディスプレイはフラットパネルディスプレイであることを特徴と する請求項１に記載のシステム。 ４．ビデオ内視鏡と共に使用されるディスプレイシステムであって、 ビデオ内視鏡により得られる画像を表示するためのビデオディスプレイと、 ビデオ内視鏡、ビデオ内視鏡と共に使用される手術器具、ビデオ内視鏡また は手術器具の一方を受けるように構成されたカニューレからなる群から選択され る構成要素に対して、ある程度固定的かつ調整可能に直接ビデオディスプレイを 取り付けるように構成された調整可能な取り付け機構と、 ビデオディスプレイ上に左眼及び右眼の立体視画像を表示し、該画像がビデ オ内視鏡の操作者に３次元画像として見えるようにするための立体視ビデオ画像 形成システムとを含むディスプレイシステム。 ５．ビデオ内視鏡システムを受けるように構成されたカニューレに挿通されるよ うに適当な大きさに形成された、内視鏡手術において使用されるビデオ内視鏡シ ステムであって、 ハンドル、延長シャフト及び端部作用子を備えた手術器具を受けるように構 成された延長挿入チューブと、 ビデオ画像検出器を含み、前記挿入チューブ内に受けられた内視鏡要素と、 前記手術器具が前記挿入チューブ内において中心軸を中心として自由に回動 を行うことは可能であるが、挿入チューブに対する前進、後退は殆ど行えないよ うに挿入チューブに対して手術器具を着脱可能に掛止するための構成とを含むビ デオ内視鏡システム。 ６．挿入チューブに対して手術器具を着脱可能に掛止するための構成は、手術器 具のハンドルに近い側面に配置された環状要素と、挿入チューブに取り付けられ 、手術器具が完全に挿入された際に環状要素に対して係合するバネクリップとを 含むような手術器具を更に含むことを特徴とする請求項５に記載のビデオ内視鏡 システム。 ７．前記内視鏡の末端面が挿入チューブの末端部の基端部側または末端部側に位 置するように内視鏡要素が挿入チューブに対して取り付けられることと、 前記端部作用子が挿入チューブの末端部及び内視鏡要素の末端部の末端側に 位置するように手術器具の前記延長シャフトが取り付けられることとを特徴とす る請求項６に記載のビデオ内視鏡システム。 ８．前記ビデオ内視鏡システムを受けるように構成されたカニューレと、 カニューレに対して挿入チューブが中心軸の方向に動くことは許容するが、 カニューレ内における挿入チューブの回動はほぼ防止する回動防止機構とを更に 含むことを特徴とする請求項５に記載のビデオ内視鏡システム。 ９．前記回動防止機構はカニューレと挿入チューブとにそれぞれ形成された、互 いに係合する長手方向の溝と突起部とを含むことを特徴とする請求項８に記載の ビデオ内視鏡システム。 １０．前記ビデオ内視鏡と前記挿入チューブとからなる群から選択される一つに 対して連結されるビデオディスプレイを更に含むことを特徴とする請求項５に記 載のビデオ内視鏡システム。 １１．前記ビデオディスプレイはフラットパネルディスプレイであることを特徴 とする請求項１０に記載のビデオ内視鏡システム。 １２．ビデオ画像検出器を含む内視鏡要素が手術器具の上方に配置され、前記内 視鏡要素により視野の直立画像が提供され、手術器具の端部作用子がディスプレ イの下部において見えることを特徴とする請求項５に記載のビデオ内視鏡システ ム。 １３．前記端部作用子と手術野とを少なくとも２つの異なる視点から見るために 内視鏡要素が手術器具の中心軸を中心として回動することを可能にする回動機構 を更に含むことを特徴とする請求項５に記載のシステム。 １４．手術器具の端部作用子のビデオ画像が手術器具のハンドルの基端側に位置 するようにビデオディスプレイが配置されることを特徴とする請求項１２に記載 のビデオ内視鏡システム。 １５．前記手術器具の中心軸に対して決められる挿入チューブの第１の側面にデ ィスプレイが配置されることと、 前記内視鏡の中心軸は挿入チューブ内において手術器具の中心軸に対して 決められる挿入チューブの第２の側面に配置され、挿入チューブの第２の側面は 挿入チューブの第１の側面のほぼ反対の位置であることと、 左右及び上下方向が逆である視野の像が形成されるようにビデオ画像検出 器が配置され、手術器具の端部作用子の像は手術器具のハンドルに最も近いディ スプレイの一辺から延出するように見えることとを特徴とする請求項１０に記載 のビデオ内視鏡システム。 １６．内視鏡要素とディスプレイとが両方とも手術器具に対して同じ側面上に配 置される第１の位置と、内視鏡要素とディスプレイが手術器具の対して反対の側 面上にそれぞれ配置される第２の位置との間において、内視鏡要素が手術器具の 中心軸を中心として回動することを可能にする回動機構を更に含むことを特徴と する請求項１０に記載のシステム。 １７．基端部、末端部及び該基端部と該末端部の間の光路を有する内視鏡要素と 、 内視鏡要素の末端部に取り付けられたペリスコープであって、前記内視鏡 要素の光路に対してオフセットし、ほぼ末端部方向を向いた小窓を備える前記ペ リスコープと、 前記内視鏡要素の光路を前記小窓に向けて偏向する光リフレクタとを含む 内視鏡手術において使用されるペリスコープ状内視鏡。 １８．前記ペリスコープは前記内視鏡要素に対して一定の角度にて連結された管 状ハウジングを更に備えることを特徴とする請求項１７に記載のペリスコープ状 内視鏡。 １９．前記ペリスコープはレンズを更に備えることを特徴とする請求項１７に記 載のペリスコープ状内視鏡。 ２０．前記ペリスコープ状内視鏡を、ハンドル、延長シャフト及び端部作用子を 備えた手術器具に対して組み合わせるための保持部であって、末端面を有する前 記保持部と、 前記ペリスコープが前記末端面の範囲内に収まる位置から、ペリスコープ の前記小窓が末端面の範囲の外側に出る位置へ、前記保持部に対してペリスコー プ状内視鏡を回動させるための機構とを更に含むことを特徴とする請求項１７に 記載のペリスコープ状内視鏡。 ２１．前記ペリスコープが前記保持部の末端面の範囲内に収まるように保持部に 対して内視鏡を回動させて位置決めする工程と、 前記保持部をカニューレを通じて体内に挿入する工程と、 前記ペリスコープの小窓が保持部の末端面の外側になるように内視鏡を回 動させて再位置決めする工程と、 保持部を通じて手術器具を挿入する工程とを含むペリスコープ状内視鏡を 使用した内視鏡手術の方法。 ２２．ビデオ内視鏡と、 内視鏡に対して固定的に連結された第１の作動部材と、 内視鏡に対して動作可能に取り付けられた第２の作動部材と、 内視鏡に対して着脱可能に連結された延長シャフト及び端部作用子を備え た手術器具と、 手術器具を取り付けることにおいて適当な取り付け機構であって、端部作 用子を動作させるうえで第２の作動部材と適当に協働するような前記取り付け機 構とを含む内視鏡手術において使用されるシステム。 ２３.前記ビデオ内視鏡システムに延長内視鏡要素が含まれるシステムであって 、手術器具と延長内視鏡要素とを一体に組み合わせるように構成された保持部を 更 に備え、該保持部により、身体部分の表面の自然の開口または切開口を通じて手 術器具と内視鏡要素とを共に体内に導入することが可能であることを特徴とする 請求項２２に記載のシステム。 ２４．前記手術器具の端部作用子の像が内視鏡の視野に入るように、内視鏡に対 して手術器具の位置を固定するために構成された固定機構を更に含むことを特徴 とする請求項２２に記載のシステム。 ２５．前記固定機構は内視鏡と手術器具とにおいて、ピンと該ピンに係合する戻 り止めスロットを備えた円柱状要素を含むことを特徴とする請求項２４に記載の システム。 ２６．前記内視鏡要素の視野を照明するための手段を更に含むことを特徴とする 請求項２２に記載のシステム。 ２７．前記ビデオ内視鏡と前記保持部とからなる群から選択される一つに対して 取り付けられるビデオディスプレイを更に含むことを特徴とする請求項２３に記 載のシステム。 ２８．前記保持部は手術器具を受けるためのボアを有する挿入チューブの形態で あることを特徴とする請求項２３に記載のシステム。 ２９．ビデオ内視鏡と、 該ビデオ内視鏡に取り付けられ、手術器具を受けるように構成された保持 部であって、身体部分の表面の自然の開口または切開口を通じて手術器具とビデ オ内視鏡とを共に体内に導入することを可能にする機構を提供する保持部と、 前記手術器具を内視鏡の使用とは独立して作動させるように構成された 作動機構と、 前記手術器具が前記保持部に対して前進または後退することをほぼ防止す ると共に、前記手術器具を、１個のユニットとして操作を行うために前記保持部 に対して着脱可能に連結するように構成された掛止機構と、 前記ビデオ内視鏡と前記保持部とからなる群から選択される一つに対して 取り付けられるビデオディスプレイとを含む内視鏡手術において使用されるシス テム。 ３０．前記掛止機構は、ハンドルの付近において前記手術器具に取り付けられた 環状要素と、保持チューブに対して取り付けられ、手術器具が前記保持部により 完全に受けられる際に該環状要素に対して係合するバネクリップとを含むことを 特徴とする請求項２９に記載のシステム。 ３１．手術器具の端部作用子の像が内視鏡の視野内に位置するために該内視鏡に 対して手術器具の位置を固定するように構成された固定機構を更に含むことを特 徴とする請求項２９に記載のシステム。 ３２．前記固定機構は保持部と手術器具とにおいてピンと該ピンに係合する戻り 止めスロットとを備えた円柱状要素を含むことを特徴とする請求項３１に記載の システム。 ３３．内視鏡に対して固定的に連結された第１の作動部材と、内視鏡に対して動 作可能に取り付けられた第２の作動部材とを前記作動機構が備えるシステムにお いて、手術器具を取り付けるように構成された取り付け機構であって、前記端部 作用子を作動させるために第２の作動部分と協働するように構成された取り付け 機構を更に含むことを特徴とする請求項３１に記載のシステム。 ３４．ビデオ内視鏡と、手術器具、ハンドル及び該手術器具を作動させるための 手によって操作される制御部を受け、かつ固定するための手段とを備えたビデオ 内視鏡システムを、自然の開口または切開口を通じて体内に挿入する工程と、 前記内視鏡システムを通じて、延長シャフトと端部作用子とを備えた手術 器具を挿入する工程と、 前記ハンドルと前記手動操作制御部の動作により、ビデオ内視鏡の中心軸 方向の相対運動とは無関係に前記手術器具の端部作用子を操作する工程とを含む 内視鏡手術の方法。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，Ｌ Ｕ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＣＡ，ＪＰ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．ビデオ内視鏡と共に使用されるディスプレイシステムであって、 ビデオ内視鏡により得られる画像を表示するためのビデオディスプレイと、 ビデオ内視鏡、ビデオ内視鏡と共に使用される手術器具、ビデオ内視鏡また は手術器具の一方を受けるように構成されたカニューレからなる群から選択され る構成要素に対してビデオディスプレイを取り付けるための調整可能な機構とを 含むディスプレイシステム。 ２．前記調整可能な連結機構によりディスプレイが選択された構成要素に対して 着脱可能に連結されることを特徴とする請求項１に記載のシステム。 ３．前記ビデオディスプレイはフラットパネルディスプレイであることを特徴と する請求項１に記載のシステム。 ４．ビデオ内視鏡と共に使用されるディスプレイシステムであって、 ビデオ内視鏡により得られる画像を表示するためのビデオディスプレイと、 ビデオ内視鏡、ビデオ内視鏡と共に使用される手術器具、ビデオ内視鏡また は手術器具の一方を受けるように構成されたカニューレからなる群から選択され る構成要素に対してビデオディスプレイを取り付けるための機構と、 ビデオディスプレイ上に左眼及び右眼の立体視画像を表示し、該画像がビデ オ内視鏡の操作者に３次元画像として見えるようにするための立体視ビデオ画像 形成システムとを含むディスプレイシステム。 ５．ビデオ内視鏡システムを受けるように構成されたカニューレに挿通されるよ うに適当な大きさに形成された、内視鏡手術において使用されるビデオ内視鏡シ ステムであって、 ハンドル、延長シャフト及び端部作用子を備えた手術器具を受けるように構 成された延長挿入チューブと、 ビデオ画像検出器を含み、前記挿入チューブ内に受けられた延長内視鏡要素 と、 前記手術器具が前記挿入チューブ内において中心軸を中心として自由に回動 を行うことは可能であるが前進、後退は行えないように挿入チューブに対して手 術器具を着脱可能に掛止するための構成とを含むビデオ内視鏡システム。 ６．挿入チューブに対して手術器具を着脱可能に掛止するための構成は、手術器 具のハンドルに近い側面に配置された環状要素と、挿入チューブに取り付けられ 、手術器具が完全に挿入された際に環状要素に対して係合するバネクリップとを 含むような手術器具を更に含むことを特徴とする請求項５に記載のビデオ内視鏡 システム。 ７．前記内視鏡の末端面が挿入チューブの末端部の基端部側または末端部側に位 置するように内視鏡要素が挿入チューブに対して取り付けられることと、 前記端部作用子が挿入チューブの末端部及び内視鏡要素の末端部の末端側に 位置するように手術器具の前記延長シャフトが取り付けられることとを特徴とす る請求項６に記載のビデオ内視鏡システム。 ８．前記ビデオ内視鏡システムを受けるように構成されたカニューレと、 カニューレに対して挿入チューブが中心軸の方向に動くことは許容するが、 カニューレ内における挿入チューブの回動はほぼ防止する回動防止機構とを更に 含むことを特徴とする請求項５に記載のビデオ内視鏡システム。 ９．前記回動防止機構はカニューレと挿入チューブとにそれぞれ形成された、互 いに係合する長手方向の溝と突起部とを含むことを特徴とする請求項８に記載の ビデオ内視鏡システム。 １０．前記ビデオ内視鏡と前記挿入チューブとからなる群から選択される一つに 対して連結されるビデオディスプレイを更に含むことを特徴とする請求項５に記 載のビデオ内視鏡システム。 １１．前記ビデオディスプレイはフラットパネルディスプレイであることを特徴 とする請求項１０に記載のビデオ内視鏡システム。 １２．ビデオ画像検出器を含む内視鏡要素が手術器具の上方に配置され、前記内 視鏡要素により視野の直立画像が提供され、手術器具の端部作用子がディスプレ イの下部において見えることを特徴とする請求項５に記載のビデオ内視鏡システ ム。 １３．前記端部作用子と手術野とを少なくとも２つの異なる視点から見るために 内視鏡要素が手術器具の中心軸を中心として回動することを可能にする回動機構 を更に含むことを特徴とする請求項５に記載のシステム。 １４．手術器具の端部作用子のビデオ画像が手術器具のハンドルの基端側に位置 するようにビデオディスプレイが配置されることを特徴とする請求項１２に記載 のビデオ内視鏡システム。 １５．前記手術器具の中心軸に対して決められる挿入チューブの第１の側面にデ ィスプレイが配置されることと、 前記内視鏡の中心軸は挿入チューブ内において手術器具の中心軸に対して 決められる挿入チューブの第２の側面に配置され、挿入チューブの第２の側面は 挿入チューブの第１の側面のほぼ反対の位置であることと、 左右及び上下方向が逆である視野の像が形成されるようにビデオ画像検出 器が配置され、手術器具の端部作用子の像は手術器具のハンドルに最も近いディ スプレイの一辺から延出するように見えることとを特徴とする請求項１０に記載 のビデオ内視鏡システム。 １６．内視鏡要素とディスプレイとが両方とも手術器具に対して同じ側面上に配 置される第１の位置と、内視鏡要素とディスプレイが手術器具の対して反対の側 面上にそれぞれ配置される第２の位置との間において、内視鏡要素が手術器具の 中心軸を中心として回動することを可能にする回動機構を更に含むことを特徴と する請求項１０に記載のシステム。 １７．基端部、末端部及び該基端部と該末端部の間の光路を有する延長内視鏡要 素と、 延長内視鏡要素の末端部に取り付けられたペリスコープであって、前記延 長内視鏡要素の光路に対してオフセットし、ほぼ末端部方向を向いた小窓を備え る前記ペリスコープと、 前記延長内視鏡要素の光路を前記小窓に向けて偏向する光リフレクタとを 含む内視鏡手術において使用されるペリスコープ状内視鏡。 １８．前記ペリスコープは前記延長内視鏡要素に対して一定の角度にて連結され た管状ハウジングを更に備えることを特徴とする請求項１７に記載のペリスコー プ状内視鏡。 １９．前記ペリスコープはレンズを更に備えることを特徴とする請求項１７に記 載のペリスコープ状内視鏡。 ２０．前記ペリスコープ状内視鏡を、ハンドル、延長シャフト及び端部作用子を 備えた手術器具に対して組み合わせるための保持部であって、末端面を有する前 記保持部と、 前記ペリスコープが前記末端面の範囲内に収まる位置から、ペリスコープ の前記小窓が末端面の範囲の外側に出る位置へ、前記保持部に対してペリスコー プ状内視鏡を回動させるための機構とを更に含むことを特徴とする請求項１７に 記載のペリスコープ状内視鏡。 ２１．前記ペリスコープが前記保持部の末端面の範囲内に収まるように保持部に 対して内視鏡を回動させて位置決めする工程と、 前記保持部をカニューレを通じて体内に挿入する工程と、 前記ペリスコープの小窓が保持部の末端面の外側になるように内視鏡を回 動させて再位置決めする工程と、 保持部を通じて手術器具を挿入する工程とを含むペリスコープ状内視鏡を 使用した内視鏡手術の方法。 ２２．ビデオ内視鏡と、 内視鏡に対して固定的に連結された第１のハンドル部材と、 内視鏡に対して動作可能に取り付けられた第２のハンドル部材と、 延長シャフト及び端部作用子を備えた手術器具を取り付けることにおいて 適当な取り付け機構であって、端部作用子を動作させるうえで第２のハンドル部 材と取付け機構とは適当に協働するような前記取り付け機構とを含む内視鏡手術 において使用されるシステム。 ２３.前記ビデオ内視鏡システムに延長内視鏡要素が含まれるシステムであって 、手術器具と延長内視鏡要素とを一体に組み合わせるように構成された保持部を 更に備え、該保持部により、身体部分の表面の自然の開口または切開口を通じて 手術器具と延長内視鏡要素とを共に体内に導入することが可能であることを特徴 と する請求項２２に記載のシステム。 ２４．前記手術器具の端部作用子の像が内視鏡の視野に入るように、内視鏡に対 して手術器具の位置を固定するための手段を更に含むことを特徴とする請求項２ ２に記載のシステム。 ２５．前記固定手段は内視鏡と手術器具とにおいて、対応したピンと戻り止めス ロットを備えた円柱状要素を含むことを特徴とする請求項２４に記載のシステム 。 ２６．前記内視鏡要素の視野を照明するための手段を更に含むことを特徴とする 請求項２２に記載のシステム。 ２７．前記ビデオ内視鏡と前記保持部とからなる群から選択される一つに対して 取り付けられるビデオディスプレイを更に含むことを特徴とする請求項２３に記 載のシステム。 ２８．前記保持部は手術器具を受けるためのボアを有する挿入チューブの形態で あることを特徴とする請求項２３に記載のシステム。 ２９．ビデオ内視鏡と、 該ビデオ内視鏡に取り付けられ、手術器具を受けるように構成された保持 部であって、身体部分の表面の自然の開口または切開口を通じて手術器具とビデ オ内視鏡とを共に体内に導入することを可能にする機構を提供する保持部と、 前記手術器具を作動させるための手段と、 前記ビデオ内視鏡と前記保持部とからなる群から選択される一つに対して 取り付けられるビデオディスプレイとを含む内視鏡手術において使用されるシス テム。 ３０．手術器具、ハンドル及び該手術器具を作動させるための手によって操作さ れる制御部を備えたビデオ内視鏡システムを、自然の開口または切開口を通じて 体内に挿入する工程と、 前記内視鏡システムを通じて、延長シャフトと端部作用子とを備えた手術 器具を挿入する工程と、 前記ハンドルと前記手動操作制御部の動作により前記ビデオ内視鏡システ ムを操作する工程とを含む内視鏡手術の方法。 ３１．内視鏡手術のビデオ画像の表示のために、前記ビデオ内視鏡システムに対 してビデオディスプレイを取り付ける工程を更に含む請求項３０に記載の内視鏡 手術の方法。 ３２．円柱状シャフトを備えた医療器具を体内に導入し、該医療器具を選択可能 な位置において固定するためのカニューレであって、 円柱状チューブと、 前記器具のシャフトに力を作用させ、器具が動くことを防止するうえで充 分な大きさの力にて器具のシャフトをチューブのボアの反対側の壁に対して押圧 するための、外部から作動される機構とを含むカニューレ。 ３３．器具のシャフトに対して力を作用させるための前記外部より作動される機 構は、 前記カニューレの基端部の壁に形成されたスロットと、 偏心回動可能に取り付けられた、指によって操作されるホイールであって 、前記スロット内において部分的に回動し、回動動作の途中において前記ボア内 に進入することにより装置のシャフトが変位してボアの反対側の壁に対して押圧 されるような前記ホイールとを含むことを特徴とする請求項３２に記載のカニュ ー レ。