【発明の詳細な説明】
壁または隔壁の配線フィードスルーの密封
本発明は、壁または隔壁の配線フィードスルーを密封する物品、物質および方
法に関するものである。例えばそれらは、本発明者らが共同出願中の英国特許出
願書類第9603629.8号(RK552 GB1)、第9606393.8
号(GB2)、第9611111.7号(GB3)、第9613580.1号
(GB4)およびそれらの出願書類に対応する国際出願書類PCT/GB97/
………に記載されている。それらは、例えば束の一部分を囲むように組み立てら
れ、少なくとも2つのちょうつがいを付けられた部品または独立した部品である
実質的に堅いカラーアセンブリと、(ii)カラーアセンブリの一部および前記一
部分に隣接する束の一部を囲み、締め付けているラバーまたはプラスチックのス
リーブとを含むであろう。カラーアセンブリは、(iii)使用において壁または
隔壁に取り付けるために調節される実質的に堅い一体化締め付け部品を持つか、
または(iii)少なくとも2つのちょうつがいを付けられた部品または独立した
部品である、同様に調節される別々の実質的に堅い締め付け部材で組み立てられ
ているかのいずれかである。ここで、少なくとも2つのちょうつがいを付けられ
た部品または独立した部品は、カラーおよび締め付け部材の間にあるスリーブの
部分を囲み、締め付けている。
本発明の態様は、配線束隔壁フィードスルーを密封するための部品を提供する
ことであり、該フィードスルーは(I)束の一部分を囲む、少なくとも2つのち
ょうつがいを付けられた部品または独立した部品である実質的に堅いカラーアセ
ンブリと、(II)少なくとも前記カラーアセンブリの一部および前記一部分に隣
接する束の一部を巻きつけ、締め付けているラバーまたはプラスチックのテープ
またはスリーブを含む。
カラーおよび締め付け部材についての物質および製造技術は、重大ではなく、
本発明のスリーブと共に使用されるために通常の必要な修正と共に都合に応じて
選択されるであろう。好ましい特徴は、個々にまたは任意の適切な組み合わせで
、
アセンブリを含むであろう。(1)ここにおいてスリーブは、少なくとも部分的
に熱収縮可能なプラスチック物質を含み、またカラーアセンブリおよび配線束の
隣接する部分を締め付けるために熱収縮している。(2)ここにおいて隔壁と向
かい合って、しっかりと締め付けるために調節される通常皿のような部分をカラ
ーアセンブリは含み、使用において隔壁を通して配線束は伸びることが可能にな
る。(3)ここにおいて(a)使用において隔壁を通して配線束は伸びることが
でき、隔壁を密封/することができる位置に、および/または(b)組み立てら
れたカラーアセンブリのパーツが互いに接している表面間を密封する位置に、カ
ラーアセンブリはシーラント物質を保持する。(4)ここにおいてカラーアセン
ブリによって保持されるシーラント物質は前記位置のうち(すべてが好ましいが
)1つまたは複数でゲルである。(5)ここにおいてスリーブとカラーアセンブ
リとの間、および/またはスリーブとそれによって締め付けられた配線束の一部
との間を密封するシーラント物質をスリーブまたはテープが保持する。(6)こ
こにおいてシーラント物質は配線束における配線間の隙間を実質的にふさぐ。
(7)ここにおいてスリーブによって保持されるシーラント物質および/または
前記隙間を実質的にふさぐシーラント物質は、熱溶解性接着剤または熱硬化性接
着剤であることが好ましい熱活性化接着性物質である。(8)ここにおいてスリ
ーブによって保持される熱活性化接着性物質および/または前記隙間を実質的に
ふさぐ熱活性化接着性物質は、誘導加熱粒子を運び、前記スリーブを密封するた
めに、および/または前記隙間を実質的にうめるために誘導加熱されている。
(9)ここにおいて前記隙間を実質的にふさぐ熱活性化接着剤は少なくともそれ
自体は著しく誘導的な加熱ではなく、配線束を形成する配線の誘導加熱から得ら
れる熱によって少なくとも部分的に活性化されている。(10)曲げやすい指状
のものが好ましいテーパー構造を含む。その構造は、カラーアセンブリから配線
束までスリーブを少しずつ変形させるために、(一体化が好ましい)カラーアセ
ンブリから配線束の前記締め付け部分方向へ伸びている。スリーブと配線束の前
記締め付け部分はテーパー構造の端よりも伸びていることが好ましい。(11)
スリーブの熱収縮の前に、(I)配線束を囲むカラーアセンブリおよび(II)カ
ラーアセンブリと配線束の隣接する部分とを囲むスリーブを含む。またはパーツ
キットは、前記のようにアセンブリにおいて組み合わせるために適切なカラーア
センブリおよびスリーブを含み、おそらくさらに前記のように配線間の隙間を実
質的にふさぐために、前記配線束において配線間に挿入するのに適切な形状でシ
ーラント物質を含む。または前記のような配線束隔壁フィードスルーアセンブリ
を作る方法は、(a)配線束の周りに前記カラーアセンブリを組み立てる段階と
、(b)カラーアセンブリおよび配線束の前記隣接する部分の周りに前記スリー
ブを配置する段階と、(c)それをカラーアセンブリおよび配線束の前記隣接す
る部分に締め付ける段階とを含む。おそらくさらに(d)前記のように誘導加熱
によってアセンブリに存在する熱活性化接着性物質を活性化する段階、および/
またはおそらくさらに(e)隔壁にカラーアセンブリをしっかりと締め付ける(
または密封することが好ましい)段階を含む。ここで配線束は隔壁を通して伸び
ている。
好ましいテーパー構造は、曲げやすい指状の構造が好ましく、(一体化が好ま
しい)カラーアセンブリから配線束の前記スリーブ締め付け部分方向へ伸びてい
る。さらに歪みの緩和とカラーアセンブリから束までのスリーブの緩やかな変形
とを提供することは、フィードスルーの防音性能を改善するためにより急激な変
形および先があまり細くない変形と比較して、有利なことがわかっている。
カラーアセンブリから、収縮するスリーブの“ミルクオフ”に抵抗するために
、カラーアセンブリは、収縮されたスリーブと組み合わせる隆起部または溝また
はその他の構造を有することが有利であろう。
前記に記載されているようなまたは共同出願中の出願書類における請求項のい
ずれか1つに係るアセンブリ、キットまたは方法を本発明の別の態様が提供する
。ここにおいて前記スリーブは、アセンブリの規定の構成要素に巻かれた、また
はアセンブリの規定の構成要素を巻くために適切なラバーまたはプラスチックの
テープまたはスリットスリーブによって与えられる。本発明のこれらの“ラップ
アラウンド”実施の形態において、オーバーラップ接着ボンドが好ましい接着ボ
ンドによって、前記テープまたはスリットスリーブはその巻かれた配置において
固定されることがたびたび好ましいであろう。特に当該接着ボンドが使用される
ときに、前記テープまたはスリットスリーブは、巻く方向に収縮可能である(熱
収
縮が好ましい)ことも好ましいであろう。その割合は、巻く方向において非収縮
長の50%より大きくなく、30%より大きくないことが好ましく、20%より
大きくないことがもっと好ましく、また少なくとも5%であることが好ましく、
少なくとも10%であることがもっと好ましい。ある程度の可収縮性は、シーラ
ントを注入することによる配線束の封鎖を助けるために好ましく、一方で適度な
収縮または低収縮は、使用されるとき接着ボンドが収縮過程を耐えるように能力
を高める。ラップアラウンドを固定するほかの手段は、好ましいならば、例えば
クランプ、ステープルまたはステッチが使用されるであろう。
スリットスリーブまたはテープは物質でできていて、前記共同出願中の出願書
類に記載されている、または包括的に熱収縮可能なものとして知られているもの
に類似のシーラントまたは接着剤を保持するであろう。温度およびその他の物理
的性能要求が満たされる環境において、PVCテープはコスト節約の理由で好ま
しいであろう。
前記に記載されているような、または共同出願中の出願書類における請求項の
いずれか1つに係るアセンブリ、キットまたは方法を本発明の別の態様が提供す
る。ここにおいて前記カラーまたはカラーアセンブリおよび/またはもし存在す
るならば前記テーパー構造は、使用する際にアセンブリを通して伸びている配線
束の方向を変えるためにまたは方向に従うために、曲げられまたは角度をつけら
れる。したがってテープまたはスリーブは同一の変化方向に従うであろう。
本発明は、前記に記載されているようなアセンブリ、キットまたは方法の使用
して作る陸上の乗り物におけるエンジンコンパートメントと乗客コンパートメン
トとの間に自動車用隔壁フィードスルーを含む。
本発明の実施の形態が添付図面を参照している例によって記載されるであろう
。ここにおいて、図1Aおよび1Bは乗り物隔壁におけるサイドエントリーアク
セススロットをふさぐためのプラスチック製カラーアセンブリの形状を示す。ま
た図2Aから2Eまでは配線束の方向に向けるためにまたは変化に従うために曲
げられたまたは角度をつけられた延長部分を示す。
図1Aおよび1Bについて説明する。ラバーで覆って作られた鉄またはガラス
充填ナイロンの2つの独立した部品で作られたカラーアセンブリ14は、配線束
に沿って突き出しているカラー突起16を作るために、配線束12の周りに組み
立てられる。熱によって約10%‐20%の熱収縮可能な物質として知られる、
らせん状に巻かれた誘導加熱の接着剤で覆われたテープ20は、その内面に誘導
加熱接着剤(示されていない)を保持し、スリーブを作るために配線束12およ
び突き出しているカラー突起16に巻かれ、以下に記載されるように配線束の間
に挿入させる、いかなる封鎖接着性挿入物(示されていない)も覆う、テープを
巻かれたスリーブ20に、接着性オーバーラップボンドによって固定される。次
にこのアセンブリは、密封されたアセンブリを形成するためにスリーブを収縮し
、配線束の間に封鎖接着剤を注入する既知の方法で、誘導加熱させる。カラーア
センブリ16は、ある程度歪みを緩和し、アセンブリと配線束12との間のテー
プを巻かれたスリーブがスムーズな変化をするために、一体化された曲げやすい
先細い指状の構造17を有する。横への延長部分18は、隔壁22におけるサイ
ドエントリーアクセススロット24をふさぐものとして示され、潜在的に密封を
破壊する、溝と反対の縁への横の動きを減らすまたは防ぐ傾向がある。
図2Aから2Cは、前記に記載された目的のために、曲げられたまたは角度を
つけられた先細い指状のプラスチック製カラーについて3つの可能な形状を、斜
視図で示している。当該カラーは、図1Bの突き出ているカラー突起にはめ込ま
れるか、カラー突起と一体化形成されていると理解されるであろう。図2Dは、
図2Eにおいて示されているような配線束を取り巻きかつ適当なスリーブで覆わ
れた、ちょうつがいを付けられた2つの部分からなる曲げられたカラーを示す。
壁または隔壁フィードスルー GB3
カラーアセンブリはさまざまな物質から作られるであろう。例えば、好ましい
締め付け剛性および防音特性をもつガラス充填ポリプロピレン、ポリアミド、ま
たはABSエンジニアリングプラスチックのような比較的密集した物質、および
曲げやすいテーパー構造のためにより曲げやすいプラスチック物質によって作ら
れているので、カラーアセンブリは、さまざまな配線束の大きさに柔軟に対応で
きる。
本発明が取り組む1つの問題は、スリーブを通してハーネスを巧みに動かす必
要もなく、複数に枝分かれした長い配線ハーネス上にケーブルを封鎖する熱収縮
可能なドライバースリーブを配置することである。これは、サイドエントリー
(“ラップアラウンド”)スリーブを熱収縮可能なドライバーにすることによっ
て実現される。サイドエントリーの概念は、自明であり、以前に行われた設計の
多くは、スリーブをまとめるために機械クリップまたは接着性裏張りまたは独立
した接着テープを使用している。本フィードスルーの目的に関して、機械的な締
め付け技術では不十分である。それは、サイドエントリーフィードスルーに対す
る密封を妨げるためである。接着性封鎖技術は、過去においてたびたび失敗して
いる。それは、通常の熱い外気、炎、またはIR加熱によってスリーブを熱収縮
させるとき、接着剤のために、結合されたスリーブの端がお互いに滑らないから
である。
参照される好ましい誘導加熱の技術は、熱が密封されるべき束内で発生し、ま
たスリーブの内側から外側に熱が流失するという問題に対する唯一の解決方法を
提供する。さらに温度は、磁場によって都合良く制御させることが可能である。
それは磁場の強さおよび磁束密度は、いずれも熱サイクルと同様に制御させるこ
とが可能なためである。これは、コイルの直径を変える、またコイルの巻きを分
離することによってサイドエントリーのソレノイドコイル(例えば、U字型コイ
ルまたはいわゆる“二枚貝”デザイン)により達成される。直径がより大きなコ
イルを使用する、つまり磁場を弱めることによって、フィードスルーアセンブリ
のカラー付近の加熱レベルが低くされるであろう。コイルの直径は、カラーのテ
ーパー部分にしたがって小さくされる、つまりハーネスにおいてシーラントブロ
ックがつくられる中央領域において磁場が強くなる。最終的に、ハーネスの封鎖
領域の向こうにおけるスリーブ部分を囲むコイルの端部において、磁場を弱める
ためにコイルのそれぞれの巻き間隔が広げられるであろう。したがって、スリー
ブの長さに沿った温度分布は、それぞれの部分の要求を満たすように設計される
ことが可能であり、任意の一点における総熱量は、正確に制御され、調節される
ことが可能である。これは束内部において到達する温度によって、封鎖シーラン
トが溶け、流れ出すことを意味している。そのとき外側のスリーブの周りを巻く
ものは、接着性封鎖ボンドが不足しそうにない低い温度であろう。このために、
スリーブを巻くものをまとめる適当な接着剤の選択が容易になる。
このスリーブの周りを巻いて封鎖する1つの技術は、(それ自体は知られてい
るような)誘導加熱性粒子を含む熱溶解接着剤のライナーを合成した低温EVA
で作られることが好ましい、熱収縮可能な突き出し型チューブのスリットチュー
ブを使用する。このチューブは、カラーからハーネス表面までの変形に合わせて
3:1の収縮割合をもつことが好ましい。例として、このチューブは、直径が3
5mmであるカラーの周りに配置されている。その結果、そのように形成された
熱収縮チューブは、封鎖されるべきハーネス領域と同じぐらいの長さになる。既
知の高温感圧接着テープは、スリットチューブをしっかりと締め付けるために使
用される。誘導加熱サイクルの間、サイドエントリーフィードスルーのカラーの
形状と封鎖されているケーブルに合わせるために、スリットチューブは収縮する
。このスリーブにおける熱は、カラーに適用された、収縮力が最大である場によ
って制御される。タイラップのような機械の特徴は、スリットチューブを回復前
に適切な位置に固定するため、また加熱と回復の過程の間に動かないようにする
ために、使用されるであろう。熱の発生は、ケーブルが封鎖されるべき領域、つ
まり封鎖シーラントが配置されている領域または配線の周りの領域に場を集中す
ることによって最大になるであろう。サイクルの終了時に、冷めた後で接着テー
プが取り除かれるであろう。
別の技術は、長さが約50%収縮するテープを使用するであろう。このテープ
は、その中に誘導加熱物質を含むであろう。その結果、このテープは磁場内で加
熱するであろう。またはその代わりに誘導加熱可能な熱溶解接着剤のコーティン
グを有するテープが使用されたならば、テープは誘導加熱可能な物質を含まない
ことが可能であろう。この加熱は、(局所的にコイルのデザインを変えることに
よって達成される)場の強さと場の集中とによって制御されることが可能であろ
う。このテープは、設置しやすくするために感圧熱溶解接着剤か、感圧接着剤を
有する熱溶解接着コーティングのいずれかで覆われることが可能であろう。適切
なテープはそれ自体が既知の方法で作られるであろう。例えば、電子ビームをク
ロスリンクの前に、それは押し出され、方向付けられ、それから多くの縦収縮が
固定され、25から50%だけ残るようなビーム線量が照射される。このテープ
は、封鎖物質を保持するケーブルの一部を覆ってケーブルの表面で終わるように
カラーの周りに巻きつけられ、ケーブル上の指状の構造にらせんに巻きつけられ
る。誘導加熱中に、熱をコイルデザインによって封鎖されているケーブルの一部
に集中させる。さらに、テープをカラーまたはケーブル表面上で動かす、または
滑らせる過度の収縮力の危険性を減らすために、2つの端において熱は最小限に
されるであろう。テープは長さを短くし、つまり縮んで基本的な構成部品に合わ
せようとするであろう。接着コーティングは、巻かれたテープを固め、それがケ
ーブル束とカラーの内部まで密封することを助ける。比較的低収縮率であるテー
プについてのさらなる利点は、プロセスの間ケーブルの封鎖部分に加わる力が比
較的弱くなり、その結果感熱性絶縁配線に被害が及ぶ危険性を減らすことができ
ることであろう。
このシステムが最善の効果を得るために、収縮過程の前にスリーブ内の封鎖接
着剤の高さを低くするためにできるだけ広い封鎖断面の接着剤を使用することが
好ましい。封鎖接着剤の塊が積み重ねられて望んでいる封鎖シーラント量に到達
すると、全スタックの高さはケーブルの直径よりかなり大きいであろう。そのた
めテープは、望んでいる以上の収縮率を必要とされるであろう。これは、1層封
鎖シーラントを使用することによって避けることが可能であろう。例えば、実質
的に平らな断面を有するシーラントテープ、または配線の間に挿入するために、
実質的にブロックの最適な幅に等しいことが好ましい複数の突起を有しかつ例え
ばわずか7mm幅の積み重ねられた封鎖シーラントの小さな塊と比較して低い断
面である複数の突起を有するシーラントテープ(口語で“ヤスデテープ”として
知られている)である。1層の断面のために、構成要素の数を減らすことによっ
てプロセスはもっと簡単になる。
したがって、本出願書類のさらに別の態様は周りを巻かれたスリーブの固定に
関するものである。例えば、以前に言及されたスリーブと以前に記載されたよう
な接着性オーバーラップボンドを使用するスリーブである。この態様にしたがっ
て、以前に記載されたようなアセンブリまたはキットを提供する。ここにおいて
前記スリーブは、特にその後誘導加熱が適用されるべきときに、配線束およびカ
ラーまたはカラーアセンブリに巻かれた、または配線束およびカラーまたはカラ
ーアセンブリを巻くために適切なシートまたは縦にスリットの入ったスリーブに
よって与えられ、固定手段は、適切な位置に巻かれたスリーブを固定するために
感圧接着テープまたはタイラップの形で与えられる。
例えば感圧接着剤とともに、接着テープまたはオーバーラップ接着ボンドによ
って固定された前記のシートまたはスリットスリーブのような1重に巻かれた封
鎖は、追加の締め付けタイラップまたはテープのあるなしにかかわらず、驚くほ
どうまくいくことに気付かされる。そのとき前記の共同出願中の出願書類に記載
されているようなアセンブリの誘導加熱によって、巻かれたスリーブを熱収縮さ
せることが可能である。アセンブリの内部から収縮熱を生じる誘導加熱によって
、熱収縮可能なスリーブを接着剤で巻く封鎖の予想外の成功は、過去に接着剤で
巻く封鎖を失敗させた熱い外気または炎の外部アプリケーションと著しく相違し
ている。
接着剤で封鎖されたサイドエントリー(“ラップアラウンド”)熱収縮可能な
スリーブの当該誘導熱収縮はそれ自身において発明としてみなされるであろう。
誘導熱が、誘導加熱物質(例えば、スリーブによって保持されている粒子で、そ
の内面上または付近にあることが好ましい。または例えば熱溶解接着性コーティ
ングのようなコーティング上またはコーティング内に保持されている粒子はスリ
ーブの内面上にある。または粒子は、配線束上にまたは配線束内のシーラント物
質によって保持されている。それには、配線束上にまたは配線束内における隙間
をふさぐ目的がある。)によって、または束内の配線の金属導体によって、また
はこれらの任意な組み合わせによって発生するであろう。
本出願書類の別の態様は、前記に記載されたような、または英国特許出願書類
第9603629.8号の1から16までの請求項のいずれか1つに係る、また
は英国特許出願書類第9606393.8号の1から14までおよび18から2
2までの請求項のいずれか1つに係るアセンブリまたはキットを提供する。ここ
において前記スリーブは、スリーブについて任意の熱収縮の前に前記カラーアセ
ンブリから配線束の表面方向へテーパーを配置させることが可能なテーパー構造
で使用の際に与えられる。
このようなテーパーチューブまたはテーパースリットスリーブの使用は、テー
パーのカラーまたはアセンブリに適用されたときにまっすぐな管状チューブに起
こる未解決の大収縮を緩和するであろう。しかしながら好ましい解決は、前記テ
ーパースリーブを形成するために前記のらせん状に巻かれたテープを使用するこ
とであろう。
したがって本出願書類の別の態様は、前記のようなアセンブリまたはキットを
提供する。それにおいて前記スリーブの前記テーパー構造は、前記カラーまたは
カラーアセンブリの対応するテーパー部分の周りをラバーまたはプラスチックの
テープで2巻きするまたはもっと多く巻くことによって与えられる。前記テープ
は、熱活性化シーラントまたは接着性物質を保持することが好ましい。
テープは、誘導加熱シーラントのコーティングを保持することが好ましく、前
記に記載されたようなものおよび/または前記英国特許出願書類に記載されてい
るようなものが好ましいであろう。その開示は、参照によってここにおいて組み
込まれている。テープは、配線束の表面からテーパーのカラーまたはアセンブリ
の狭いほうの端を通ってその広いほうの端まで、潜在的漏出通路を最小限にする
ために配置されることが好ましい連続らせんラップで、らせん状に巻かれるのが
好ましいであろう。
本出願書類の別の態様は、前記に参照されるようなアセンブリを作るために好
ましい誘導加熱によって配線束隔壁フィードスルーアセンブリをつくる方法を提
供する。ここにおいて(i)対応するテーパーコイルによってテーパー構造に誘
導加熱がもたらされ、および/または(ii)隣接する巻き間隔を変えられるコイ
ルによって誘導加熱がもたらされる。その結果、使用においてコイルの長さに沿
って生じる場が変わる。誘導加熱されるためにアセンブリのテーパーにもっと従
ってまたはあまり従わないように先細くする誘導コイルの使用によって、アセン
ブリに対する誘導加熱場のアプリケーションがもっと効果的になるであろう。テ
ーパーまたは間隔を変えられる誘導コイル自身は、したがってそれ自身の権利に
おいて発明の特徴としてみなされるであろう。したがって本発明は、前記に記載
されているような配線束隔壁フィードスルーアセンブリを誘導加熱するために適
切なコイルを含むことが好ましいであろう。
本出願書類の別の態様は、シートまたはスリーブの表面上のコーティングに誘
導加熱物質を保持することが好ましい熱収縮可能なプラスチック物質でできた、
巻かれたシートまたはスリーブを提供する。プラスチック物質を収縮させるため
の誘導加熱前に、好ましいオーバーラップ接着ボンドによって巻かれた位置にシ
ートまたはスリーブを固定するために使用の際にシートまたはスリーブの表面は
、感圧が好ましい接着剤とともに内側を向いている。この種の周りを巻かれた誘
導加熱収縮可能なスリーブは、前記に記載されたアセンブリをつくるために好ま
しいであろう。
使用の際にコイルで生じた場内のあらかじめ定められた正確な位置で、加熱さ
れる構成部品を設けるための設置手段と組み合わせるまたは関連付けられること
は、前記に記載されたアセンブリを形成するために使用される誘導加熱コイルに
とって好ましいであろう。当該設置手段は、例えばジグのような構造を含むであ
ろう。前記のカラーアセンブリの適切な形状の部品がそこにぴったり合うであろ
う。したがって当該設置手段は、自動車ハーネス工場のようなアセンブリライン
工程において、それぞれの連続誘導加熱操作に対して、実質的に同じ位置に配置
させるためにそれぞれそこを通る連続配線束を必要とする。
壁または隔壁フィードスルー GB4
前記封鎖接着剤を使用すべきとき、配線の外側に接着剤の塊を付けるまたは付
ける代わりに、封鎖接着剤を束内の配線間に挿入させるために配線束を開くこと
がたいてい好ましい。これを心に留めながら、本発明の別の態様は、伸びて曲が
る物体(例えば、前記配線束)の束を2つまたはもっと多くの小さな束に分ける
ための装置と方法を提供する。この態様にしたがって伸びて曲がる物体の束を、
2つまたはもっと多くの小さな束に分けるための装置を提供する。該装置は、支
えから直立している少なくとも2つの突起(実質的に堅いことが好ましい)の列
を有する支えを含む。(そこを通って伸びていることが好ましい)突起を束に挿
入させることが可能であり、束に対する突起の挿入方向に垂直な平面において、
列の角運動が各小さな束の横間隔を広げるオリエンテーションで、束を前記の小
さな束に分ける。
平らな表面から実質的にまっすぐな突起が伸びている平らな支えは、この概念
の簡単な実施の形態として好ましいであろう。しかしながらほかの形およびオリ
エンテーションの支えおよび突起が排除されない。束への突起の挿入を容易に行
うために、前記突起のそれぞれは、前記挿入方向に実質的に垂直な平面において
横断面が伸びる形状をしていること、また突起は実質的にお互いが平行で、横断
面が伸びる形状で配置されていることが好ましいであろう。その結果、突起は、
全突起が配線に沿った方向へ向いている横断面が伸びる形状で、前記角運動の前
に配線束へ挿入させることが可能になる。この装置の好ましい構造は、実質的に
まっすぐな列で配列された前記突起を3つまたはもっと多く含む。
突起を挿入させることが可能な束の直径より列全体が長い当該突起の列は、束
の縦軸に対して90°より小さな角度で挿入させると理解されるであろう。した
がって束の元々の直径内または直径に近い列の先端で束を細分化する。2つの小
さな束が必要とされる場合、束の中心軸上に整列させた突起で、当該突起が2つ
だけの列を挿入させる一方で、3つまたはもっと多くの小さな束が必要とされる
ならば、2つまたは3つまたはもっと多くの当該突起の列を、軸に対して前記鋭
角で挿入させることが好ましい。縦の配線軸に対して列が90°の角度になるた
めに、突起の挿入方向に対して実質的に垂直な平面において挿入させた突起の列
を回転させるとき、列の長さが束の元々の直径よりもっと伸びるであろう。その
結果それぞれの突起は、お互いから小さな束をますます離すであろう。
本出願書類のこの態様にしたがって、伸びて曲がる物体の束を2つまたはもっ
とたくさんの小さな束に分離する方法も提供する。該方法は、束を前記の小さな
束に分離するために、前記装置における突起の列を束へ挿入する段階と、各小さ
な束の横間隔を広げるために該列を角運動させる段階とを含む。元々の束を広げ
るこの方法は、前記のような方法によって前記分離装置を用いる伸びる物体の束
内における隙間を封鎖する方法と、分離された小さな束の間に封鎖物質を挿入す
る方法と、分離装置を取り除く方法に特に適する。この結果、挿入された封鎖物
質の周りに小さな束が取り巻くことは好ましい。小さな束が封鎖物質を取り巻く
範囲は臨界ではない。封鎖物質の周りに互いに密接して詰めることが必要ならば
、外部圧力が適用されるであろう。封鎖物質は、前記共同出願中の英国特許出願
書類に記載されているように、(誘導加熱が好ましい)熱活性化シーラント物質
で
あることが好ましく、それを流して束内の隙間をふさぐために加熱させる。
この束分離装置および方法は、それら自身において発明としてみなされ、請求
されているが、前記に参照されているように配線束隔壁フィードスルーをつくる
方法において使用するために特に適している。
本出願書類の別の態様は、小さい束の間をつなぎ合わせるためおよび/または
主束の外側の周りを巻くために、封鎖物質の有利なテープ構造を提供する。この
態様にしたがってそれ自体がシーラント物質の伸びるテープは、前記に記載され
たようなアセンブリ、キットまたは方法において使用される場合もあるテープを
提供する。主テープ表面の一方または両側から突き出ている、シーラント物質の
横へ伸びている隆起部を有する、またはテープの幅を横切って横へ伸びている波
形を有し、隆起部または波形は、テープに沿って規則的に一定の間隔が空けられ
ていることが好ましく、隆起部についての間隔が2から10mmが好ましく、2
.5から5mmがもっと好ましい。隆起部または波形の高さが臨界ではなく、隆
起部はテープの両側で2から5mmの高さであることが便利であり、波形の頂点
から谷までの全体の高さは4から10mmであることが便利である。隆起させた
テープの好ましい構造は、その主テープの表面の両方から突き出ている前記隆起
部を有するであろう。また一方の表面上の隆起部が、もう一方の表面上の隆起部
と実質的に一直線に並んでいるまたはもう一方の表面上の隆起部の実質的に中心
に互い違いに配列されていることが好ましい。接着性誘導加熱を実行するための
適当な熱活性化接着性物質および誘導加熱金属粒子は、WO‐A‐942483
7に記載されていて、その開示は参照によってここに組み込まれている。例えば
物質を適切に隆起させた型または複雑な型で不連続な長さにつくることによって
、または隆起させた構造のテープおよび特に好ましい波形構造のテープを製造す
るために平らなテープを連続的に押し出して、その後まだ温かい間に互いにかみ
合う波形ギヤのような形作り手段を通すことによって、該形状のテープは作られ
るであろう。
ここにおいて本発明のこれらの態様による特別の実施の形態が、添付図面の参
照とともに記載されるであろう。
図3Aから3Cは、配線束を複数の小さな束に分離するための前記装置におけ
る1つの構造を、概略的に平面図、側面図および端面図で示している。
図4Aおよび4Bは、図3の装置を初めに配線束に挿入させるとき、またその
後それを回転させて小さな束に分離するときについて、それぞれ平面図で示して
いる。
図5は、テープの両表面(前記のいわゆる“ヤスデテープ”)から伸びている
、一列に並んだ隆起部を有する封鎖接着テープの好ましい構造を概略的に斜視図
で示している。
図6は、テープのそれぞれの表面(いわゆる“ムカデテープ”)から突き出て
いる、互い違いにされた隆起部を有する封鎖接着テープの構造を示している。
図7は、封鎖接着テープ(いわゆる“正弦波テープ”)のうねまたは波形構造
を概略的に斜視図で示している。
図3Aから3Cは、支えから実質的に垂直に出ている突起52を有する平らな
支え50を含む束分離装置を、概略的に図示している。突起は、包括的に支えの
長辺に配列された、横断面が伸びる形状を有している。支え上の突起は、支えの
長辺に対して鋭角に勾配をつけて、ずらされた列で配置されている。装置は、金
属または十分に堅いエンジニアリングプラスチック物質で作られているであろう
。
図4Aにおいて、支え50は配線束60によってかぶせられている。それを通
って突起52は束を細分化するために挿入されている。図示されている突起の列
は、配線束60の縦軸に対して90°より小さな角度で傾けられている。図4B
において、支え50は矢印方向に回転させられていて、その結果突起52の列は
、配線束60の縦軸に対して90°の角度に近くなる。突起の列全体の長さが配
線束の元々の直径より長くなるので、この回転には、小さな束を離す効果があり
、図示された突起の伸びる形状によってこの効果が高められる。ここでそれは、
丸い突起が使用された場合よりも、小さな束をお互いにもっと分離する状態に保
つために、束の縦軸に対して横に向いている。配線束を細分化する該装置および
該方法の単純さは、時間が大切にされている自動車ハーネス工場のような組み立
てラインにおいて好都合であろう。
図5は、前記に記載されたような小さな束の間に挿入するための誘導加熱封鎖
接着テープの好ましい1つの構造を概略的に図示している。この構造において、
例えば前記共同出願中の出願書類に記載されているような物質のテープ70は、
(図示されているような)テープ上面の隆起部72と(図示されているような)
テープ下面の対応する隆起部74が実質的に一直線に並べて作られている。この
例において、隣接する隆起部との間隔aが2.5mmであり、隆起部の高さbも
約2.5mmである。
図6は、対応するテープ70を示している。そこにおいて、隣接する隆起部と
の間隔が約5mmであり、隆起部の高さbは再び約2.5mmである。(図示さ
れているような)上面の隆起部72は、(図示されているような)下面から突き
出ている隆起部74の間に均一にずらされている。
図7は、規則的なうねまたは波形を有する誘導加熱封鎖接着テープ80の1つ
の構造を概略的に斜視図で示している。そこにおいて、波の隣接する頂点間の距
離aが約5mmであり、波の谷から頂点までの全体の高さも、約5mmである。
図7において示されている特にうねまたは波型タイプであるこれらの封鎖接着
テープの構造は、前記に記載されたような自動車の隔壁フィードスルー製造にお
いて接着剤を溶かし、スリーブを収縮するために加熱されるとき、配線束におい
て接着剤を広く分布させることは、細分化された配線束を縫うように通すために
都合がよいことがわかっている。
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(31)優先権主張番号 9613580.1
(32)優先日 平成8年6月27日(1996.6.27)
(33)優先権主張国 イギリス(GB)
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),BR,CN,JP,K
R,MX,RU,US
(72)発明者 ソーヤー,マーク・デイビッド
イギリス、エスエヌ3・5ビーダブリュ
ー、ウィルトシャー、スウィンドン、コビ
ンガム、フォックスブリッジ19番
(72)発明者 バラット,アラン
イギリス、エスエヌ5・9ピーエス、ウィ
ルトシャー、スウィンドン、ラムリーズ、
アンガス・クロース6番
(72)発明者 クロフツ,デイビッド
イギリス、ジーエル7・6ディティ、グロ
スターシャー、シレンスター、サマーフォ
ード・キーンズ、ロリーン