JP2000506589A - 自動車歯車箱 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本願発明は、２本の同軸上に装着された入力軸群（６、９）を具備する自動車歯車箱に関し、それぞれの入力軸は別個の副軸（１２、１５）を駆動し、前記副軸群は出力軸から異なる半径距離（S₁、S₂）に配設されていることからなる前記自動車歯車箱である。前記出力軸（２０）上の共通歯車（２１、２２）に対になって噛み合っている対向する歯車群（１６、１７、１８、１９）は、一方の歯車の歯が他方の歯車の歯に関して歯先修正されているため異なる歯数を有する。

Description

【発明の詳細な説明】 自動車歯車箱 本願発明は、交互に駆動するように配列され、同軸上に装着された２本の入力 軸群、及び、前記入力軸群によって駆動され、出力軸上の歯車群と噛み合ってい る歯車群を有する２本の副軸群、各副軸上に回転可能に装着された少なくとも１ 個の歯車であって、前記出力軸上の共通歯車と噛み合っている係合手段によって 軸に固着可能な前記１個の歯車からなる自動車歯車箱に関する。 対を成している副軸群は、一方では、与えられた歯車箱の長さに対し、１本の 副軸を有する従来の歯車箱の設計において実際上可能な歯車速度よりも多くの歯 車速度を得ることが要望される場合の歯車箱において使用され、他方では、別個 のクラッチによってそれぞれが駆動される対の入力軸群を有する歯車箱であるい わゆる動力変速歯車箱に使用される。そのような歯車箱では、歯車位置は事前に 選択され、その後に、１個のクラッチを開放し、他方のクラッチを係合すること によって実際の歯車変換はなされる。前記対の副軸群を有する歯車箱の型には主 に既知な２種類の型がある。第１の型では、２本の副軸群上の歯車群が対となっ て外側の軸上の共通歯車に係合している。第２の型では、各々の副軸歯車は外側 の軸上の個別の歯車に係合している。SE8003158-6に示され、記載されているこ れら２つの型に共通することは、副軸群が主軸から等しい半径距離にあると言う ことである。両方の型には長所と短所がある。出力軸上の共通歯車と噛み合うよ うに対の副軸歯車群を配置することの長所は、与えられた歯車速度の数に対して 、歯車箱が最小限の短さで寸法が決められると言うことである。しかし、それぞ れ対となっている前記副軸歯車群は同一寸法でなければならず、このことが歯車 速度間の増加を選択する上での自由度を制限してしまう、と言う短所がある。第 ２の型の場合、歯車速度の選択に関して大きな自由度を提供するが、歯車速度の 数が同一な場合、軸方向の寸法がより大きな歯車箱であることが要求される。 最初に記載した型の歯車箱はトラックや他の作業車のような大型車両への使用 を意図しており、最低の歯車速度において非常に高い歯車比を要求する。それは 、歯車箱の設計上、最低の歯車速度のための副軸歯車群に対して非常に小さな直 径 を有している。これらがそれらの軸群に開放可能に装着される場合、針軸受群上 に装着されなければならず、このことは、問題となる小さな直径に対し、細い歯 車ハブ群に帰着し、結果として伝達され得るトルクは制限される。 SE-A-8700583は、第２、第３歯車速度に対し軸上に開放可能に装着され、主軸 上の固定歯車に係合している副軸歯車群を有する歯車箱を示し、記載している。 しかし、第１歯車速度に対する副軸歯車は副軸の中へ直接に切り込まれている歯 車環を有しており、このことは、それが非常に小さな直径で造ることができ、そ れにも係わらず大きなトルクを伝達することが可能であることを意味している。 しかし、この設計は、第１歯車速度のための開放可能な歯車が出力軸上に装着さ れることを要求する。 本願発明の目的は、最小限に短い寸法と言う上記の長所を保持しながら、歯車 速度間の増加の選択と、より低い歯車速度に対する開放可能な歯車群の配置とに 関してより大きな自由度を提供し得る序文に記載の型の歯車箱を達成することに ある。 これは、副軸群上に装着され、出力軸上の共通軸を有する歯車群は異なる歯数 を有していると言う事実に基づく本願発明によって達成される。 このような設計は、実際上は、一方では、副軸群を出力軸から異なった半径距 離に配設し、他方では、歯車群のいわゆる歯先修正を使用することによる本願発 明によって達成される。 副軸群上の等寸法の対向する歯車群を具備する以前から既知の歯車箱の場合、 連続する歯車速度間、たとえば第３と第４歯車速度の間の歯車速度の増加は、そ れぞれの入力軸及びそれぞれの副軸上の内部係合歯車群である前記副軸群の主要 な歯車環群の間の歯車比の相違に完全に依存していた。本願発明は、さまざまな 歯車速度間の歯車比の差に作用する２個の付加的変数を導入する。出力軸からよ り遠い距離にある最低歯車速度用の歯車群を支持している副軸群を配設すること によって達成される付加的な長所は、これら歯車群は以前よりも大きな直径で造 ることができることと、したがって、針軸受群や係合手段が配設され得ることで あって、このことはある場合等において長所となり得ることである。 本願発明は、添付図面に示されている例を参照にしながらより詳細に記載され る。図形は７速自動車歯車箱の縦断面を示している。 図の中で、参照番号１はエンジンフライホイールを示し、それは、本願発明に したがえば、参照番号２で示されるマルチディスクウェットディスククラッチを 通じて、歯車箱３を駆動する。前記クラッチ２は既知の型のダブルクラッチであ るため、ここでより詳細に説明する必要はない。図示の左側のクラッチ４はスリ ーブ素子５を通じて歯車箱の第１入力軸６に連結されていて、一方では右側のク ラッチ構成部分７はスリーブ素子８を通じて第２入力軸９に連結されている。こ こで、第２入力軸９は第１入力軸６に同軸に装着されており、中空軸の形態をし ている。前記２つのクラッチ構成部分は、最終的に前記入力軸群６と９を駆動す るために交互に係合、非係合される。図示のウェットディスククラッチはダブル ドライディスククラッチによって交換可能である。 第１入力軸６には、第１副軸１２上に固定装着されている歯車１１と噛み合う 歯車環１０が配設されている。第２入力軸９には、第２副軸１５上に固定装着さ れている歯車１４と噛み合う歯車環１３が配設されている。歯車群１０と１１と の間の歯車比は、歯車群１３と１４との間の歯車比よりも大きく、このことは、 第１副軸１２と第２副軸１５に関して、それぞれの入力軸に対して同一の入力回 転速度を与えることを想定する場合、前記第２副軸１５は前記第１副軸１２より も速く回転することを意味している。副軸群１２、１５の回転軸群は、出力軸２ ０の回転軸から半径距離S₁、S₂の位置にそれぞれ配設される。距離S₂は距離S₁よ りも１〜６％大きく取られ得る。図示の例では、その差は３％である。副軸群１ ２、１５はそれぞれ自由回転可能に装着されている一対の歯車群１６、１７と１ ８、１９とを支持している。これら歯車群の中で、歯車群１６、１８は両方とも 出力軸２０に固定接合されている歯車２１と噛み合っている。歯車１７、１９は 、前記出力軸に装着されている、係合歯を具備した自由回転可能な歯車２２に係 合している。歯車群１６、１７、１８、１９には、歯先修正を通じて、歯先修正 無しで得られる歯数とは異なった歯数が与えられ、これは、増加についてのより 高い自由度に関して利用できる。前記軸群はＶ字状に配列され、これによって、 副軸１２上の歯車１１と噛み合っている副軸１５上の余分な歯車２３を使い、逆 転歯車用に副軸のいずれかを逆転させることが可能となる。筐体の中の別個の軸 上に取付けられており、歯車環群１０と１１に係合している歯車を使うことによ ってそれぞれの副軸の回転方向を逆転させることもまた可能である。これはＶ字 形と歯車比に対して自由な選択を可能とし、そしてまた、前記軸群を同一平面内 に配置することもまた可能にしてくれる。歯車群１６、１７、１８、１９及び２ ３は、それらの軸群に対して、軸方向に変位可能な係合スリーブ群２４、２５及 び２６を使って固着され得る。出力軸２０上に自由回転可能に装着されている歯 車４０は、副軸１５上に固定されている歯車４１と噛み合い、係合スリーブ４２ を使って軸２０に対し固着可能となる。択一的には、歯車４０は軸２０へ固定さ れ、歯車４１には係合手段が配設される。係合スリーブ２７を使って、自由に回 転する歯車２１は前記出力軸へ固着され、入力軸６と出力軸２０は直接駆動のた めに一体的に固着される。これら係合手段の全ては別個の従来の同期装置を欠い ている。 図示の実施の態様では、係合スリーブ群２４、２５、２６、２７及び４２は協 働同期装置を欠いている。その代わり、参照番号３０で示されているいわゆる中 央同期装置が配列されていて、それは SE-A-8700583 に示され、記載されている 型であり、本願発明の一部を構成する物ではない。中央同期装置を使用するとき の歯車変換過程についてのより詳細に関しては上記明細書を参照されたい。前記 中央同期に対する一選択肢としてここに記載され、添付図面に示されている歯車 箱には、各係合スリーブのために個別の従来の型の同期装置が配設されることと 勿論解釈されるべきである。 図には、歯車箱が、開放可能な歯車群が全てそれらの軸群から開放された状態 にあるニュートラル位置で示されている。矢印はさまざまな歯車速度で駆動する ときの入力軸群６と９から出力軸２０までの動力の流れを示している。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． 交互に駆動するように配列され、同軸上に装着された２本の入力軸群、及 び、前記入力軸群によって駆動され、出力軸上の歯車群と噛み合っている歯車群 を有する２本の副軸群、各副軸上に回転可能に装着された少なくとも１個の歯車 であって、前記出力軸上の共通歯車と噛み合っている係合手段によって軸に固着 可能な前記１個の歯車からなるエンジン自動車歯車箱において、前記副軸群上に 装着され、前記出力軸（２０）上で共通歯車（２１、２２）を有する歯車群（１ ６、１７、１８、１９）が異なった歯数を有することを特徴とする前記エンジン 自動車歯車箱。 ２． 前記副軸群（１２、１５）が前記出力軸から異なった半径距離（S₁、S₂） に配設されることを特徴とする請求項１に記載の歯車箱。 ３． 出力軸（２０）上で共通歯車（２１、２２）を有する副軸群（１２、１５ ）上の歯車群（１６、１７、１８、１９）が歯先修正されることを特徴とする請 求項１に記載の歯車箱。 ４． 与えられた入力回転速度において、前記２本の副軸（１２、１５）の内で 最高の回転速度を有する副軸（１５）上の前記歯車（１８、１９）が、前記出力 軸上の共通歯車（２１、２２）と噛み合っている第２副軸上の前記歯車（１６、 １７）よりは歯が少なくとも１本多いことを特徴とする請求項１から３のいずれ か１つに記載の歯車箱。 ５． 与えられた入力回転速度において、前記中間軸群（１２、１５）の内で最 高の回転速度を有する副軸（１５）が前記出力軸へ最も大きい距離(S₂)を有する ことを特徴とする請求項１或いは４に記載の歯車箱。