JP2000505746A - 熱可塑性部材の高周波結合用装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 高周波エネルギーを用いて、カーペット（Ｃ）の第１面に、所定の周辺形状を有する熱可塑性のパッド（３８）を結合するための結合装置は、ダイ電極（２２）および背面電極（１４）を含む。ダイ電極および背面電極の双方とも、パッドの周辺形状に対応する周辺形状を有する。加えて、ダイ電極および背面電極双方が、それらの上に、対応する寸法を有しおよび配置される浮き彫り形状（１８、２４）を有してもよい。ダイ電極の周辺部エッジ付近の、またダイ電極上の浮き彫り形状のエッジに沿った電界強度の集中を最小限にするので、熱暴走なしに、カーペットに対するパッドの結合を行うことができる。パッドは、カーペットパイルの局部的な発火あるいはパッドの穿孔を起こすことなく、カーペットに対して完全に結合される。

Description

【発明の詳細な説明】 熱可塑性部材の高周波結合用装置 発明の背景 発明の分野 本発明は、高周波電磁エネルギー（ＲＦエネルギー）を用いてパ イルカーペットに、熱可塑性のパッドなどの熱可塑性部材を直接結合する装置に 関する。 従来技術の説明 自動車内部のカーペットを敷いた床の区域上の耐摩耗性のパ ッドの存在は、全ての運転者によく知られている。大抵の場合において、そのよ うなパッドは所定の周辺形状をもつ熱可塑性シート材料で作られている。典型的 には、パッドは、ポリ塩化ビニルなどのビニルシートから作られる。熱可塑性パ ッドは、カーペットに接着させるか、あるいは直接結合される。一般的な接着に おいては、パッドとカーペットとの間に熱可塑性の接着剤を塗布し、高周波電磁 エネルギー（ＲＦエネルギー）または熱を用いて接着剤を融解し、パッドとカー ペット間の結合をもたらす。接着の場合には、過熱あるいは発火は通常問題には ならない。なぜなら熱可塑性の接着剤の融点はカーペットパイルあるいはパッド の材料の融点より十分低いからである。直接結合においては、パッドとカーペッ トとに対してＲＦエネルギーを印加し、それらの間の結合をもたらす。ＲＦエネ ルギーを用いる直接結合は、「誘電結合」としても知られている。このようなパ ッドのカーペットとの直接結合は好ましいものである。なぜなら、接着剤を必要 とせず、かつ結合サイクル時間が短縮されるからである。 しかしながら、本明細書中できちんと説明するように、ある場合において、特 に製造環境において、カーペットに対してパッドを直接結合することは、カーペ ットパイルの過熱あるいは変色なしに達成することが困難である。この過熱ある いは変色は、高周波エネルギーに対するその感受性が特定の温度依存性を有する カーペット材料に作用する、結合装置の電極の形状寸法と関係するエッジ効果に よる電界強度の増加によって起こる。本明細書の中で用いられる術語「感受 性」とは、電界強度を熱に変換する材料の能力を意味する。 一般に参照符号１０によって示される直接結合装置を、図１Ａおよび図１Ｂに 示し、それは、ＲＦエネルギーを印加して、熱可塑性のパッドＰのような第１熱 可塑性部材と、熱可塑性のカーペットＣなどの第２の熱可塑性部材の第１の面と 間との結合をもたらすために、先行技術において用いられている。そこに結合し たパッドＰを有する完成された自動車用カーペットＣを、図２Ａおよび図２Ｂに 示す。図２Ａにおいて示唆されるように、パッドＰは、それが配置される自動車 の内部の領域に依存する所定の周辺形状を有する。パッドＰはまた、周辺の内側 において、その上に隆起した区域Ｒを有してもよい。平坦な領域Ｆは、パッドＰ 上で、パッドＰの周辺部エッジに沿って、また隆起した区域Ｒの中間のパッド上 に形成される。 結合装置１０には、第１のダイ電極１４および第２の背面電極２２を含む。電 極１４、２２は、互いに関して対立的に配列される。ダイ電極１４には、賦形さ れたダイ部材１８を取り付けられる概平坦な取付部分１６を含む。（取付部分１ ６およびダイ部材１８で形成される）ダイ電極１４、および背面電極２２の双方 とともに、金属または導電性複合材料のような導電性材料で作成される。 ダイ部材１８は、装置１０中で結合されるパッドＰの周辺形状に対応する周辺 形状をもつ。加えて、ダイ部材１８の作用表面は、１個または複数の浮き彫り形 状１８Ｆをもち、そのエッジはくぼみ１８Ｄにより規定される。ダイ部材１８の 浮き彫り形状１８Ｆは、パッドＰ上の平坦な領域Ｆに対応し、一方ダイ部材１８ のくぼみ１８Ｄは、パッドＰ上の隆起した面域Ｒに対応する。くぼみ１８Ｄの幅 の寸法（寸法１８ＷＬ、１８Ｗ２など）およびくぼみ１８Ｄの深さの寸法（寸法 １８Ｅなど）、および、したがって隆起した区域Ｒの幅と高さの寸法は、パッド Ｐに付与されるデザインによって決定される。典型的には、深さの寸法１８Ｅは 、数ミリメートルのオーダーである。 先行技術の装置１０においては、背面電極２２は概平坦である。電極１４、２ ２は、プレス２６の骨組２８の中に取り付けられる（図１Ａ）。結合用電極２２ の真下にダイ電極１４が配置されるように、それらの電極は水平に配列されてい るが、本出願全体にわたって、骨組２８および互いに対して、いずれの都合のよ い電極１４、２２の配置を用いてもよいことは理解されるであろう。プレス２６ は、開位置（図１Ａに示した）から閉位置（図１Ｃに示唆される）まで電極１４ 、２２をお互いに関して（指向性矢印３４で示唆されるように）動かすのに使用 できるアクチュエータ３０を含む。両電極１４、２２は、高電圧ＲＦエネルギー の適切な電源３６と電気的に接続されている。典型的には、電源３６は、約３， ０００ボルト（３ｋＶ）から約１０，０００ボルト（１０ｋＶ）の範囲の電圧に おける、約１メガヘルツ（１ＭＨｚ）から１００メガヘルツ（１００ＭＨｚ）の 範囲の高周波信号を出力する。高周波結合装置の典型的電力レベルは、５キロワ ット（５ｋＷ）から１００キロワット（１００ｋＷ）の範囲にある。 パッドＰをカーペットＣに結合するために、パッドＰを、図１Ａに見られるよ うにダイ電極１４の賦形されたダイ部材１８上に配置する。その後、カーペット Ｃを、パイル面ＳがパッドＰの下面と接触するように配置する。カーペットＣの 裏地面Ｂは、背面電極２２の方に向いている。一般にＲＦエネルギーに対して感 受性の低い材料（シリコーンゴムなどの）から作られた弾性緩衝層３８を、カー ペットＣの裏地面Ｂと背面電極２２の間に介在させる。 記載しおよび図１Ａに図示したようなそれらの相対的な位置へと、材料を層状 に積み重ねた後に、結合サイクルを開始する。アクチュエータ３０は、ダイ型電 極１４に向かって背面電極２２を移動させて、所定の締付圧で、層状に積み重ね られた材料を締付ける。締付圧は、通常、生ずる間隙（図１Ｃ）の点から指定さ れ、それは通常ダイ電極１４の隆起した区域１８Ｆと背面電極２２との間で規定 される。実際には、間隙は、プレス機構中の物理的な止め金具（非表示）によっ て制限される。 材料が締め付けられると同時に、電源３６が作動され、およびＲＦエネルギー が電極１４、２２の間で、それらの間で締め付けられている層状に積み重ねられ た材料に印加される。ＲＦエネルギーは、（典型的には、３，０００から１０， ０００ボルト程度）所定の電圧で、「加熱サイクル」と呼ばれる所定の時間（通 常５から２０秒程度）にわたって印加されて、パッドＰおよびカーペットＣのパ イルの材料を加熱する。電源３６を切り、材料は「均熱サイクル」と呼ばれる第 ２の所定の時間（一般にはこれもまた５から２０秒程度）にわたって、締め付け られたままにされて、加熱された材料を冷却すること、およびそれらの間の結合 を定着することを可能にする。許容可能の結合においては、パッドＰの変色また は溶融−貫通（melt-through）、あるいはパッドの周辺近傍のカーペットパイル の変色または過度の溶融なしに、パッドＰとカーペットＣとの間の界面全域にわ たって、パッド材料は接着される（すなわちパッドは「完全に接着」される）。 完全に接着したパッドを生成することのできる電圧と時間の組み合わせの範囲を 、「操作ウィンドウ」と呼ぶ。 特に製造環境においては、カーペットのパイルが、局所的な耐汚染材料を有す る生産者着色のナイロンである場合に、従来の結合装置はパッドとカーペット間 の満足な結合を生成することができないことが見いだされている。たとえ操作ウ ィンドウにどのような電圧と時間のパラメータが選ばれようとも、（１）パッド Ｐが完全にはカーペットＣに接着しない、（２）隆起した区域Ｒの角あるいはエ ッジの近傍のパッドＰにおいて、変色あるいは穿孔が生じる、および／または（ ３）パッドＰの周辺部近傍において、カーペットＣの変色あるいは溶融が生じる のいずれかである。満足な結合を得ることができないことは、（１）結合装置の 対になった電極の形状寸法に起因するエッジ効果による電界強度の局部的な増大 と、（２）カーペット材料の温度依存性を有するＲＦ感受性特性と、（３）カー ペット裏地のＲＦ感受性および熱伝導性の特性の組み合わせとによると信じられ ている。 図１Ｃは、図１Ａの破線の枠で囲まれた部分のダイ電極と背面電極との間の電 気力線（細い線で示されている）を図示する。図解の明瞭性のために、間隙中に 置かれる結合される材料を示していない。ダイ部材１８の周辺に沿って、ならび にその浮き彫り形状１８Ｆに沿って、比較的急激なエッジの特徴が規定される。 周縁部および浮き彫り形状のエッジは、背面電極２２と一緒になって、電界パタ ーンを生じ、そこでは、力線はエッジ付近に集中する傾向がある。図１Ｃにおい て隣接する電気力線の間隔は、電界強度を示す。図１Ｃに図式的に示した（正規 化した）電界強度の二乗の定量的プロットを、参照記号「従来技術」によって指 示される破線により、図４に示す。そのプロットは、電極１８、２２間の間隙の 幅Ｇの１０パーセントに等しい距離にある基準線４−４に沿って得られる。プ ロットの横座標は、横方向の相対位置であり、一方、プロットの縦座標は電界強 度（浮き彫り形状１８Ｆと背面電極２２との中央の領域の電界強度に正規化した ）の二乗である。 自動車用途において、カーペットＣのパイル面Ｓは、通常熱可塑性のポリマー 材料、典型的にはナイロンなどのポリアミドから形成される。ナイロンはその耐 摩耗性のために、好ましいものである。しかしながらナイロン（および、特にナ イロン６、６）は、カーペットにおいて用いられるポリエステルやポリプロピレ ンなど他のポリマー材料とは異なる。なぜなら、高周波エネルギーに対するナイ ロンの感受性は、温度が上昇するとともに増加するからである。このような温度 依存性のある感受性特性をもつ材料は、「熱暴走」として知られる現象の影響を 受ける。熱暴走の状態では、カーペット材料は溶融するので、個々のタフトはそ の明確性を失う。同様に変色も発生するおそれがある。従ってカーペットのパイ ル面Ｓは、非晶質で表面の硬くなった外観を呈する。ダイ電極の周辺部エッジに 関連する電界強度のピーク（図４の参照符号４０で示されている）および／また はダイ電極の浮き彫り形状のエッジに関連する電界強度のピーク（図４の参照符 号４２で示されている）は、カーペットに用いられるナイロンの特有の温度依存 性のある感受性特性とそれぞれ一緒になって、局部的な過熱を生じ、それは、ダ イ部材１８のエッジ付近のカーペットパイル材料の局部的な領域において、熱暴 走をもたらす。パッドＰの周辺部近傍において、変色および非晶質で表面が硬く なった外観がはっきり現れるおそれがある。パッドＰの内部領域においては、パ ッド材料のＲＦ加熱と組み合わされるカーペットパイル材料の熱暴走は、特に浮 き彫り形状の縁、とりわけ角の部分で発生するパッドの穿孔をもたらすおそれが ある。用いられる材料に依存して、カーペットの裏地もまた全体の過熱の問題に 寄与する可能性がある。 着色顔料および／または局所的な耐汚染材料のような添加物の存在が、ナイロ ンの高周波エネルギーに対する感受性の温度依存性をさらに増大させ、そして熱 暴走問題を悪化させる。温度依存性のさらなる増大は、局所的な耐汚染材料中の イオンの移動度によると考えられる。 上記に鑑みて、第２の熱可塑性部材に対して第１の熱可塑性部材を結合すると きに、局部的な過度の加熱の問題を最小限にする結合装置を提供することは、好 都合であると信じられる。より具体的には、ナイロン製パイルカーペットに対し て熱可塑性のパッドを結合するときに、熱暴走の問題を最小限にする結合装置を 提供することは、好都合であると信じられる。 発明の要旨 本発明は、所定の周辺形状をもつ熱可塑性のパッドのような第１の熱可塑性部 材を、カーペットのような第２の熱可塑性部材の第１の表面に、高周波エネルギ ーを用いて結合するための結合装置に関する。カーペットは、熱暴走の影響を受 けやすいポリマー材料から作られたパイル面を有する。結合装置は、第１のダイ 電極と、第２の背面電極とから構成される。ダイ電極は、パッドの周辺形状に対 応する周辺形状を有する。また、ダイ電極は、その上に少なくとも１つの浮き彫 り形状を有してもよい。ダイ電極はその上に周辺部エッジを有する。（もし設け られるならば）浮き彫り形状も同様にその上にエッジを有する。 本発明によれば、背面電極は、ダイ電極の周辺形状に対応する周辺形状を有す る結合部材を有する。背面電極も同様に、（もし存在するならば）ダイ電極上の 浮き彫り形状の寸法と位置に対応して、その大きさに作られおよび配置される浮 き彫り形状を有する。このようにして、ダイ電極の周辺部エッジ付近（および、 もし存在するならば、浮き彫り形状のエッジ付近）における電界強度の集中は最 小限にされるので、熱暴走の発生なしにカーペットに対するパッドの結合をもた らすことができる。パッドは、カーペットパイルの局部的過熱もパッドの穿孔の 発生もなしに、カーペットに対して完全に結合される。 図面の簡単な説明 本発明は、添付図とともに考慮される、以下の詳細な説明でより十分に理解さ れるであろう。添付図において、 図１Ａは、先行技術の結合装置断面の側面図であり、一方図１Ｂは、図１Ａの 結合装置の傾斜（クラムシェル風の）透視図であり（図面の明瞭性のために結合 される材料を図示していない）、また図１Ｃは、図１Ａの結合装置の破線の枠で 囲われた部分を示す概略図であって、そこにおけるダイ電極と背面電極との間の 電気力線を示す図であり； 図２Ａは、図１Ａおよび図１Ｂ、並びに図３Ａおよび図３Ｂの結合装置を用い てカーペットに結合させたパッドの透視図であり、一方、図２Ｂは、図２Ａにお ける切断線２Ｂ−２Ｂに沿って得られる断面図であり； 図３Ａは、本発明による結合装置断面の側面図であり、図３Ｂは、ダイ電極お よび結合部材の表面の対応する浮き彫り形状を示すために電極を露出させた状態 の図３Ａの結合装置の傾斜（クラムシェル風の）透視図であり、また図３Ｃは、 図３Ａの結合装置の破線の枠で囲われた部分を図示する概略図であって、そこに おけるダイ電極と、背面電極上の対をなす結合部材との間の電気力線を示す図で あり； 図４は、図１Ｃ（従来技術）で図式的に示された電界強度の二乗と、本発明の 装置について図３Ｃで図式的に示された電界強度の二乗との比較を示すグラフで あり、そのグラフは、浮き彫り形状１８Ｆの中央領域および背面電極２２の間の 電界強度に対して正規化されており；および 図５は、本発明による結合装置に対する、さらなる種々の別の変形を図示する 断面の側面図である。 発明の詳細な説明 以下の詳細な説明を通じて、同一の参照符号は、図面の全ての図において同じ 要素を指している。本発明は、熱可塑性のパッドとナイロン製パイルカーペット の表面との結合について記載するが、本発明は、第２の熱可塑性部材に対する第 １の熱可塑性部材の結合に一般に応用できるものと理解されるべきである。 図３Ａおよび図３Ｂは、対をなす電極間の電界強度の局所的な集中を減ずるこ とによって熱暴走を最小限にする結合装置１０’を示す図である。本発明により 、対をなす結合部材２４は、背面電極２２と電気伝導的に接触して取り付けられ る。ダイ型電極１４と背面電極２２の両方の場合と同様に、対をなす部材２４は 、金属または導電性複合体のような導電性材料から作られる。 対をなす結合部材２４は、ダイ電極１８の周辺形状に対応する周辺形状を有す る。加えて、対をなす結合部材２４にも同様に、ダイ電極１８上の各浮き彫り形 状１８Ｆの寸法と位置に対応して、その大きさで作られおよび配置される浮き彫 り形状２４Ｆを含む。従って、対をなす結合部材２４上に形成されたエッジのそ れぞれは、それが周辺部エッジであるにせよ、浮き彫り形状の上のエッジである にせよ、ダイ電極１８上に設けられたエッジに対応する。 対をなす結合部材２４は、好ましくはプレス２６中の背面電極２２に対して、 対をなす結合部材２４を取り付けるのに要する時間を最小化するようなやり方で 製作、あるいは組み立てられる。好ましくは、これは、導電性材料の単一部品か ら、一体の部材として対をなす結合部材２４を形成することによって達成される 。そのように形成されるときには、対をなす結合部材２４は名目厚さ２４Ｔを有 するベース部分２４Ｂを含み、浮き彫り形状２４Ｆはそこから延びる。あるいは また、対をなす部材２４は、ベースあるいは背面電極２２の表面に直接的に取り 付けられる（適切なファスナーによるように）個々のモジュール式部品から１つ のものにされる構造物へと組み立てることもできる。 所望されるならば、対をなす結合部材２４（どのように構成されていても）を 、いずれの都合のよい形態の導電性の支柱部（図示されていない）を用いて背面 電極２２から離隔してよい。 どのように形づけられていても、浮き彫り形状２４Ｆのそれぞれは、ダイ電極 １８上のくぼみ部１８Ｄの鏡像として位置するくぼみ部２４Ｄにより、対をなす 結合部材２４上に規定される。くぼみ部２４Ｄのそれぞれは、ダイ電極１８上の 対応するくぼみ部１８Ｄの幅によって決定される所定の幅寸法を有する。好まし くは、くぼみ部２４Ｄの幅寸法（および、同様に、それによって規定される浮き 彫り形状２４Ｆの幅）は、対応するくぼみ部１８Ｄの幅寸法（および、同様に、 それによって規定される浮き彫り形状１８Ｆの幅）に実質的に等しい。実質的に 等しいとは、幅は約１０パーセントまで変化してもよいことを意味する。 くぼみ部２４Ｄの幅は、対をなす結合部材２４の幅を横断して変化することが できる。従って、図３Ａから分かるように、対をなす結合部材２４上の幅寸法２ ４Ｗ１および２４Ｗ２は、ダイ型電極１８上の幅寸法１８Ｗ１および１８Ｗ２に したがって変化する。 くぼみ部２４Ｄのそれぞれは、参照符号２４Ｅで示された深さ寸法を有する。 従って、各浮き彫り形状２４Ｆの作用面は、対合結合部材２４のベース部分２４ Ｂの表面から、少なくとも所定の距離２４Ｅより上に配置される。ベース２４Ｂ の厚さ寸法２４Ｔに基づいて、そのような配置は、背面電極２２の周辺部エッジ を、背面電極２２の表面から距離２４Ｈ（距離２４Ｅプラス厚さ２４Ｔに等しい ）のところに設置する。 約２センチメートルより大きい距離は、距離２４Ｅにとって十分であることが 見いだされた。距離２４Ｅは、およそ、ダイ型電極１８中のくぼみ部の深さ寸法 １８Ｅより大きい大きさのオーダーであることに注意しなければならない。 距離２４Ｅが、上述の最低限の必要条件を満たしている限りにおいて、ダイ電 極１８の周辺部エッジ付近における、およびダイ電極１８上の浮き彫り形状のエ ッジに沿った電界強度の集中は最小限にされる。これを図３Ｃおよび図４に対す る参照により説明する。 図３Ｃは、図１Ｃと同様であり、図３Ａの破線の枠で囲われた部分におけるダ イ型電極と背面電極２２上の対をなす結合部材２４との間の電気力線（再び、細 い線で図示されている）を示す図である。再び、図解の明瞭性のために、間隙内 部にある結合される材料は図示されていない。ダイ電極１８の周辺部と浮き彫り 形状とのエッジは、対をなす結合部材２４上の対応するエッジとともに、電界パ ターンを作りだし、そこでは、力線は、図１Ｃの場合におけるよりも少ない量が エッジ付近に集中する傾向を有する。図３Ｃに図示された電界強度の定性的なプ ロットが、「対をなす電極」と指示される実線により、図４上に図示されている 。そのプロットは、ダイ電極１８と、対をなす結合部材２４との間の間隙の幅Ｇ の１０パーセントに等しい距離にある基準線４’−４’に沿って得られる。ダイ 電極の周辺部エッジに関連する電界強度の二乗のピークは、図４において参照符 号４０’で示され、一方ダイ電極の浮き彫り形状のエッジに関連する電界強度の 二乗のピークは、参照符号４２’で示されている。ピーク４０’、４２’は、そ れぞれピーク４０、４２と同一の横方向の相対位置に与えられる。 本発明の装置から得られる電界の強さの集中の減少を、（ダイ電極の周辺部エ ッジに対応する）ピーク４０、４０’の大きさと、（ダイ電極上の浮き彫り形 状のエッジに対応する）ピーク４２、４２’の大きさとを比較することによって 、認識することができる。それぞれの場合において、本発明による対をなす結合 部材２４を有する結合装置１０’において、電界強度の集中が減少することは、 容易に分かるだろう。 エッジに隣接する電界強度の集中は、図５に図示されるさらなる変形を利用す ることによって、さらに減少することができる。１つの別の配列において、スリ ーブ５２は、浮き彫り形状２４Ｆの側面を取り巻いて配置されるスリーブである 。スリーブ５２は、石英、ガラス、または低損失の複合材料のような低いＲＦ感 受性を有する堅い非導電性材料から形成される。もう１つの別の配列においては 、クラウン５４が、浮き彫り形状２４Ｆの作用面を覆って配置される。クラウン ５４は、石英、ガラス、または低損失の複合材料のような低いＲＦ感受性を有す る堅い非導電性材料から、同様に形成される。パッドに付与された模様に合致す るようにスリーブ５６あるいはクラウン５８を、ダイ電極１８上の浮き彫り形状 １８Ｆに与えてもよい。 本発明の結合装置が、局部的な過熱あるいは変色を起こすことなく、第２の熱 可塑性部材に対して第１の熱可塑性部材を完全に結合させることを可能にするこ とは、上記の記述から理解されるべきである。もし結合される材料が温度に依存 するＲＦ感受性特性を示さないとしても、本発明による結合装置の使用は、より 高い印加ＲＦ電圧およびより短い結合サイクル時間で結合を生成することを可能 にする。 当業者には、本明細書中に示された本発明の教示の利点を有して、これに多数 の変更を加えることができる。たとえば、くぼみ部２４Ｄを規定する壁を、図３ Ａに図示された垂直方向から、内側あるいは外側に傾斜あるいは湾曲させて、ベ ース部分２４Ｂに隣接してより広い（すなわち朝顔形）あるいはより狭い（すな わちアンダーカット）浮き彫り形状を規定することができる。これらの選択肢は 、図５において参照符号５６および５８で、概略的に示されている。所望ならば 、対をなす部材の周辺部は、同等の別の形状を有してもよい。パッドに付与され た模様に合致するように、ダイ電極１８上のくぼみ部１８Ｄを規定する壁に同様 の変更を行ってもよい。そのような変更は、添付される請求の範囲により定義 されるような本発明の意図の範囲内にあると解釈されるべきである。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． 所定の周辺形状をもつ第１の熱可塑性部材を、第２の熱可塑性部材の第１ の面に対して、高周波エネルギーを用いて結合する結合装置において、前記２つ の熱可塑性部材が高周波エネルギーを吸収する材料から作成され、 前記結合装置が第１のダイ電極と第２の背面電極とを含み、 前記ダイ電極は前記第１の熱可塑性部材の周辺形状に対応する周辺形状を有し 、前記ダイ電極はその上にエッジを有する結合装置であって、 前記背面電極は、その上に対をなす結合部材を有し、前記対をなす結合部材が 前記ダイ電極の周辺形状に対応する周辺形状を有し、 それによって、前記ダイ電極のエッジ付近における電界の集中を最小限にし、 いずれの部材の過熱の発生もなしに、第２熱可塑性部材に対して前記第１の熱可 塑性部材が完全に結合することを特徴とする結合装置。 ２． 前記ダイ電極は、その上に少なくとも１つの浮き彫り形状を有し、および 、 前記対をなす結合部材は、ダイ電極上の浮き彫り形状の寸法と位置に対応して 、その大きさに作られおよび配置される浮き彫り形状を有し、 それによって、前記ダイ電極上の浮き彫り形状と、前記対をなす結合部材上の 浮き彫り形状との対向するエッジ付近における電界の集中を最小限にすることを 特徴とする請求項１に記載の結合装置。 ３． 所定の周辺形状をもつ熱可塑性パッドを、カーペットの第１の面に対して 、高周波エネルギーを用いて結合する結合装置において、前記カーペットが熱暴 走の影響を受けやすいポリマー材料から作製されたパイル面を有し、 前記結合装置が第１のダイ電極と第２の背面電極とを含み、 前記ダイ電極が前記パッドの周縁形状に対応する周縁形状を有し、前記ダイ電 極がその上に少なくとも１つの浮き彫り形状を有し、前記ダイ電極は周辺部およ び浮き彫り形状のエッジを有する結合装置であって、 前記背面電極は、その上に、対をなす結合部材を有し、前記対をなす結合部材 は、前記ダイ電極の周辺形状に対応する周辺形状と、前記ダイ電極上の浮き彫り 形状の寸法と位置に対応した寸法を有しおよび配置される浮き彫り形状とを有し 、 それによって、前記ダイ電極の周縁部付近における、および前記ダイ電極上の 浮き彫り形状のエッジ付近における電界の集中を最小限にして、熱暴走なしにカ ーペットに対するパッドの結合を実施できるので、前記カーペットに対する前記 パッドの結合が、前記カーペットのパイルの過熱の発生を伴うことなく前記カー ペットに対して完全に結合されることを特徴とする結合装置。 ４．前記対をなす結合部材上の浮き彫り形状のそれぞれは、その上に作用面を有 し、前記対をなす結合部材上の浮き彫り形状の作用面は、前記背面電極面の少な くとも約２センチメートル上方に広がることを特徴とする請求項３に記載の結合 装置。 ５．前記対をなす結合部材上の浮き彫り形状のそれぞれは、その上に作用面を有 し、前記結合装置は、前記対をなす結合部材上の少なくとも１つの浮き彫り形状 の作用面上に配置されたクラウンをさらに具え、前記クラウンは、低いＲＦ感受 性を有する非導電性材料から形成されることを特徴とする請求項３に記載の結合 装置。 ６．前記対をなす結合部材上の各浮き彫り形状は、その上に側面を有し、前記結 合装置は、前記対をなす結合部材上の少なくとも１つの浮き彫り形状の側面の周 囲に配置されるスリーブをさらに具え、スリーブのそれぞれは低いＲＦ感受性を 有する非導電性材料から形成されることを特徴とする請求項３に記載の結合装置 。