JP2000505299A - 合成hiv遺伝子 - Google Patents

合成hiv遺伝子

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Abstract

(57)【要約】 HIV遺伝子及び改変型HIV遺伝子をコードする合成DNA分子を提供する。該合成分子のコドンは、宿主細胞が好むコドンを使用する。該合成分子は、中和抗体及び細胞媒介性免疫を介してHIV感染に対して有効な免疫予防を提供するポリヌクレオチドワクチンとして用いられる。

Description

【発明の詳細な説明】発明の名称 合成HIV遺伝子発明の分野 HIVワクチン発明の背景 1. HIV感染 ヒト免疫不全ウイルス−1(HIV−1)は、後天性ヒト免疫不全症候群(A IDS)及び関連疾患の病因物質である。HIV−1はレトロウイルス科のRN Aウイルスであり、全てのレトロウイルスが有する5’LTR−gag−pol −env−LTR3’構造を示す。さらに、HIV−1は、tat及びrev遺 伝子を含めた調節機能又は未解明の機能を有する小数の遺伝子をも含んでいる。 env遺伝子は160キロダルトン(kDa)の前駆体(gp160)として翻 訳され、さらに細性プロテアーゼによって切断されて、120kDaの外層エン ベロープ糖タンパク質(gp120)と41−kDaの膜貫通型エンベロープ糖 タンパク質(gp41)を生成するウイルスエンベロープ糖タンパク質をコード する。gp120とgp 41は結合状態に維持され、ウイルス粒子及びHIV感染細胞表面に呈示される 。gp120は、ヘルパーTリンパ球、マクロフアージ及び他の標的細胞の表面 に存在するCD4受容体と結合する。gp120がCD4と結合した後、gp4 1はウイルスの侵入に関与する融合事象を媒介する。 ウイルス粒子上のgp120がT4リンパ球又は他の標的細胞の表面のCD4 受容体と結合すると感染が始まる。結合したウイルスは標的細胞と同化して、そ のRNAゲノムを該細胞の二本鎖DNA中に逆転写する。ウイルスDNAは細胞 核の遺伝物質中に組み込まれ、そこで、ウイルスDNAが新生ウイルスRNA、 ウイルスタンパク質及び新生ウイルス粒子の産生を誘導する。新生粒子は、標的 細胞の膜から分裂して他の細胞に感染する。 免疫防御にとって重要なT4リンパ球の破壊は、HIV感染症の特徴である進 行性免疫不全の主因である。標的細胞の欠損は、殆どの侵入物に対する身体の抵 抗力を著しく弱めるが、ウイルス、菌類、寄生虫及びマイコバクテリアを含めた 特定のバクテリアに対する防御には特に危険な影響を与える。 HIV−1は、複製し、複製体から分裂し、細胞膜に損傷を 与えることにより、感染した細胞を殺す。HIV−1は、感染した細胞の表面に 呈示されるウイルスgp120を介して間接的に標的細胞を殺し得る。T細胞上 のCD4受容体はgp120に対して強力な親和性を有しているために、CD4 受容体を発現する健康な細胞はgp120と結合し、感染細胞と融合してシンシ チウムを形成し得る。シンシチウムは生存し得ない。 HIV−1は、感染細胞に対する正常な細胞性免疫防御をも誘発し得る。抗体 の助けを借りても借りなくても、細胞傷害性防御細胞は、その表面にウイルスタ ンパク質を呈示する感染細胞を破壊し得る。最後に、遊離gp120がHIV− 1に感染した個体の血液中で循環し得る。該遊離タンパク質は、未感染細胞のC D4受容体に結合し、該細胞を感染しているように見せて、免疫応答を誘発し得 る。 HIV−1に感染すると殆ど全ての場合死に至るが、現在のところ、HIV− 1感染症に対する治療法は存在していない。HIV−1感染症の予防に有効なワ クチンはまだ開発されていない。弱毒生ウイルスは、復帰変異又は感染の恐れが あるために、ワクチンとして用いることは恐らく不可能であろう。殆どのサブユ ニットワクチン法はHIV感染の予防には成功を治め ていない。HIV−1感染症の治療は、それによって生存年数が伸びる感染者が いるにしても、重度の副作用を伴う。従って、この致命的な感染症に対して有効 な治療法やワクチンが大いに必要とされている。 2. ワクチン 予防接種は疾患予防の有効な形態であり、数種のウイルス感染症に有効であるこ とが証明されている。感染防御体液性及び細胞性免疫を誘発するためにヒト免疫 系にHIV−1抗原を呈示する方法を決定することは困難な作業である。今まで のところ、有効なHIVワクチンを製造しようとする試みは成功を治めていない 。AIDS患者では、遊離ウイルスは低レベルでしか存在しない。HIV−1の 伝播は融合及びシンシチウムの形成を介した細胞同士の相互作用によって促進さ れる。従って、一般に遊離ウイルス又はウイルスサブユニットに対して産生され る抗体はウイルス感染細胞の除去には有効でない。 ワクチンは身体の抗原「記憶」能を利用する。所与の抗原との最初の出会いの 後、免疫系は個体の生存期間中該抗原の免疫学的記憶を保持する細胞を生産する 。その後で、該抗原に露出されると、免疫応答が刺激され、該病原体が除去又は 不活化さ れる。 免疫系は、2つの経路、体液性応答及び細胞媒介性応答を介して病原体に対処 する。体液性応答の場合、リンパ球が、抗原に結合して病原体を不活化する特異 抗体を産生する。細胞媒介性応答には、感染細胞を特異的に攻撃して破壊する細 胞傷害性Tリンパ球及びヘルパーTリンパ球が関与する。 HIV−1ウイルスを用いたワクチンの開発には、ワクチンによって免疫系中 で活性化される必要がある細胞と同種の細胞(即ち、T4リンパ球)にHIV− 1が感染するために問題がある。免疫不全が生じる前にHIVを不活化するワク チンを開発すれば有利であろう。特に適当なHIVワクチンのタイプは、HIV 変異体を認識し、感染初期のHIV陽性個体において機能する抗HIV免疫応答 を生起させるものであろう。 中和及び感染防御免疫応答の誘発が望ましいウイルス、特にヒト免疫不全ウイ ルスなどの突然変異率が高いウイルスに対するワクチンの開発にあたっての主要 な難題は、種々のウイルス分離体又はウイルス株間のウイルスエンベロープタン パク質の多様性である。マウスやヒトの細胞傷害性Tリンパ球(CTL)は保存 された内因性ウイルスタンパク質由来のエピトープ を認識し得、従って、ウイルスに対する免疫応答において重要であると考えられ るので、種々のウイルス株に対して異種感染防御を提供し得るCTLワクチンの 開発に努力が傾けられてきた。 CD8+CTLは、そのT細胞受容体がMHCクラスI分子に結合したウイル スペプチドを認識するとウイルスに感染した細胞を殺すことは公知である。ウイ ルスペプチドは、内在性合成ウイルスタンパク質から、該タンパク質のウイルス 内での位置や機能に関係なく誘導される。従って、CTLは、保存されたウイル スタンパク質由来のエピトープを認識することにより、交雑株を防御し得る。C TLが認識するMHCクラスIに結合し得るペプチドは、細胞質又は小胞体中に 存在するか又はそこを通過するタンパク質を起源とする。一般に、(MHCクラ スII分子によって呈示される抗原の場合と同様に)エンドソームプロセシング経 路に入ってくる外因性タンパク質は、CD8+CTL応答の生起には有効でない 。 CTL応答を生起させようとする研究の殆どは、複製ベクターを用いて細胞内 でタンパク質抗原を生産する方法を用いるか、又はサイトゾル中にペプチドを導 入することに焦点を合わせた 方法を用いた。これらの方法は、ワクチンとしてのその有用性を低下させ得る限 界を有している。レトロウイルスベクターは組換えウイルスの複製能を維持しつ つ融合タンパク質として発現させ得るポリペプチドの大きさと構造に限界があり 、連続して免疫感作に用いるワクシニアなどのベタターの有効性はベクター自体 に対する免疫応答によって低下し得る。また、ウイルスベクター及び変性病原体 は、ヒトにおける使用を妨げ得る固有のリスクを有している。さらに、呈示すべ きペプチドエピトープの選択は個体のMHC抗原の構造に依存し、従って、ペプ チドワクチンは、遠縁交配集団におけるMHCハプロタイプの多様性の故に有効 性が制限されてしまう可能性がある。 3. DNAワクチン N.Benvenisty及びL.Reshef〔PNAS 83,9551 −9555,(1986)〕は、マウスに腹腔内(i.p.)、静脈内(i.v .)又は筋肉内(i.m.)導入したCaCl2沈降DNAを発現させ得ること を示した。CaCl2処理せずにマウスにDNA発現ベクターをi.m.注射す ると、筋肉細胞がDNAを取り込み、該DNAによりコードされるタンパク質が 発現した。該プラスミドはエピソ ームで維持され、複製しなかった。次いで、ラット、サカナ及び霊長類の骨格筋 、並びにラットの心筋にi.m.注射すると、持続性発現が認められた。治療薬 として核酸を用いる方法がWO91/11092号(1990年10月4日)に 記載されており、該方法では、脊椎動物に対する子防接種に裸のポリヌクレオチ ドを用いた。 該方法を成功させるために免疫感作を筋肉内に行う必要はない。ウシ成長ホル モン(BGH)をコードするDNAでコートした金微小発射体(gold microproj ectile)をマウスの皮膚内に導入すると、マウスにおいて抗BGH抗体が産生し た。生きている動物の皮膚、筋肉、脂肪及び乳房組織にトランスフェクトする場 合にはジェットインジェクターが用いられた。核酸の導入には種々の方法が検討 された。Zhuら,〔Science 261:209−211(1993年7 月9日)〕により、クローン化トランスジーンの全身性発現を得るために、マウ スにDNA:カチオン性リポソーム複合体を静脈注射する方法が示された。Ul merら,〔Science 259:1745−1749(1993)〕は、 インフルエンザウイルスタンパク質をコードするDNAの筋肉内注射によるイン フルエンザ ウイルス感染に対する異種感染防御を発表した。 病原体及び腫瘍抗原に対して所望の免疫応答を誘発し得る特定の治療薬及び予 防薬に対する要求は本発明により満たされる。この治療法において特に重要な点 は、抗原遺伝子を得た株とは異種のウイルス株によって引き起こされる感染症や 疾患でさえ予防し得るT細胞免疫応答を誘発する能力である。これは、HIVウ イルスが急激に突然変異を起こすことが認識され且つ多くのビルレント分離体が 同定されているので、HIVに対処する際に特に重要である〔例えば、245種 の別個のHIV分離体を同定する、LaRosaら,Science 249: 932−935(1990)を参照されたい〕。この認識された多様性に答えて 、研究者は、ペプチド免疫感作を基にCTLを生産しようと試みた。例えば、T akahashiら,〔Science 255:333−336(1992) 〕は、HIVエンベロープ(gp160)決定基を認識する広域交差反応性の細 胞傷害性T細胞の誘発について発表した。しかし、該研究者は、真に交差反応性 のCTL応答の達成が困難であることを認識し、極めて厳しいT細胞の初回抗原 刺激又は再刺激と、既に刺激を受けたCTLからの細胞傷害性を含めたエフェク タ ー機能の誘発との間には2叉分枝が存在することを示唆している。 Wangらは、マウスにクローン化ゲノム(スプライシングされていない)H IV遺伝子を筋肉内接種することによる抗HIV免疫応答の誘発について発表し た。しかし、これらの研究で達成された免疫応答のレベルは極めて低いものであ った。さらに、Wangらは、DNA構築物としてHIVをコードする隣接Ta t/REV−gp160−Tat/REVコード配列の実質的にゲノムからなる フラグメントを利用した。以下に詳細に述べるように、これはgp160の高レ ベル発現を得るための次善の方法である。さらに該方法は、Tatの発現がカポ ジ肉腫進行の原因となるために潜在的に危険をはらんでいる。 WO93/17706号は、動物にウイルスに対する予防接種を施す方法を記 載しており、該方法では、担体粒子を遺伝子構築物でコートし、コートされた粒 子を動物の細胞中に加速導入(accelerate)する。HIVに関しては、長い末端 反復配列を除く実質的に全てのゲノムを用いることが提案されている。該方法は 受容者に対して重大なリスクを有している。一般に、HIV構築物はHIVゲノ ムの約50%末満しか含まないこと でワクチンの安全性が確保されると考えられている。それによって、多くは未解 明又は解明が進んでいない機能を有する酵素部分及びウイルス調節タンパク質の 排除が確実になる。従って、遺伝子送出技術から有用なヒトHIVワクチンを生 産しようとする方法には未だ多くの問題が残されている。 本発明は、生きている組織にポリヌクレオチドを導入してタンパク質の発現を 誘発する既知方法のいずれをも包含する。しかし、本発明は、HIV及び他のタ ンパク質を抗原プロセシング経路に導入して効率的にHIV特異的CTL及び抗 体を産生させるための新規な免疫原を提供する。医薬品は細胞性抗HIV及び体 液性抗HIVやHIV中和免疫応答を誘発するワクチンとして有効である。本発 明では、上記問題に取り組み、動物中に導入すると、上記方法に係わるリスクを 伴わずにHIVタンパク質及びエピトープの効率的な発現を誘導するポリヌクレ オチド免疫原を提供することにより該問題を解決する。このようにして生起した 免疫応答は、HIVの認識、HIV複製の抑制、HIV感染細胞の同定及び死滅 化に有効であり、且つ多くのHIV株に対して交差反応性である。 4. コドン利用及びコドンのコンテックス 微生物のコドンの組み合わせは高度に規則的であり、微生物毎に異なっている 。この情報を構築に用い、所望レベルの翻訳効率を有する改変又は合成遺伝子を 発現させて、ゲノム中のどの領域がタンパタ質コード領域であるかを決定し、翻 訳終結部位を異種遺伝子中に導入して、ヌクレオチド配列の関係又は始祖を確定 する。 形質転換された微生物における外来異種遺伝子の発現は今や一般的に行われて いる。例えば、ネズミやヒトの遺伝子を含めた多数の哺乳動物の遺伝子が単細胞 微生物中に首尾良く挿入されている。これに関する標準的な技術には、発現させ るべき外来遺伝子をプラスミド又はフアージなどのベクター中に導入し、該ベク ターを用いて該遺伝子を微生物中に挿入する技術が含まれる。一般に、そのよう な遺伝子の天然プロモーターは、該遺伝子が挿入される宿主と適合し得る強力な プロモーターに置き換えられる。タンパク質配列決定装置により、微量の天然タ ンパク質でもアミノ酸配列の解明が可能である。これらのアミノ酸配列から該タ ンパク質をコードするDNA配列を推定し得る。DNA合成法も急速に発展して いる技術であり、推定されたこれらのDNA配列に対応する合成遺伝子を容易に 構築すること ができる。 発現系及び組換えDNAについての知識が急速に増大しているにも拘わらず、 微生物中で外来又は合成遺伝子を発現させようとする場合には未だに重大な障害 が残されている。例えば、多くの天然活性タンパク質は、該タンパク質が外来宿 主中で発現する場合とは違うようにグリコシル化される。そのために、多くの哺 乳動物遺伝子の発現には細菌宿主よりも酵母などの真核生物宿主が好ましい。こ のグリコシル化問題は今後とも研究課題である。 別の問題はもっと解明が進んでいない問題である。合成遺伝子の翻訳は、該遺 伝子が強力なプロモーターと結合している場合でさえ、予想をはるかに下回る効 率でしか進められないことが多い。同じことが発現微生物に対して異種である外 因性遺伝子にもしばしば当てはまる。回収可能な量の翻訳産物を生産するに十分 な程効率的な方法で該遺伝子が転写された場合でも、該タンパク質が不活性であ るか、さもなければ天然タンパク質とは特性が異なるものであることが多い。 後者の問題は、一般に種々の微生物におけるタンパク質の折りたたみ(foldin g)の違いに起因すると認識されている。こ の問題に対する解決法は確立されておらず、タンパク質の折りたたみを調節する 機構の解明も進んでいない。 翻訳効率に関する問題はコドンのコンテックス効果に関連すると考えられる。 全ての微生物における遺伝子のタンパク質コード領域は多岐にわたる機能的規制 に支配されており、該規制のうちには、正常に機能するタンパク質をコードする ための要件や、適切な翻訳開始又は終結シグナルに応じて異なるものがある。し かし、タンパク質コード領域には、これらの規制の観点からは容易に理解し得な いいくつかの特徴が認められている。そのうち2つの重要な特徴には、コドンの 利用とコドンのコンテックスが関与する。 コドンの利用には大きな偏りがあり、微生物毎に相当異なることは公知である 。コドンの利用パターンはtRNAのアイソアクセプターの相対量に関連するこ とが証明されている。高低量のタンパク質をコードする遺伝子はそれらのコドン の優先順位(preference)に差がある。コドン利用における偏りによってペプチ ドの延長速度が変わる可能性が広く検討された。コドン利用における差は翻訳速 度の差に関連するが、翻訳に及ぼすコドン選択の直接的な影響は証明が困難であ った。コドンの利 用パターンに関して提起された他の規制には、翻訳の正確さを最大にし且つタン パク質合成の動力学的効率を最適化することが含まれる。 コドンの規則的な利用とは別に、コドン/アンチコドンの認識がコドン自体以 外の配列、「コドンコンテックス」と称される現象によって影響を受けることを 証明する多くの証拠が示された。ナンセンスコドンやミスセンスコドンの抑制効 率には周囲のヌクレオチドが強力な影響を及ぼす。天然の細菌集団におけるサプ レッサー活性の量やセレノシステイン及びホスホセリンをコードするための「終 結」コドンの利用には、終結がコンテックス依存性であることが要求される。類 似のコンテックス効果が翻訳の正確さや翻訳開始効率にも影響を与えることが示 された。 E.coliのタンパク質コード領域の統計的分析により、「コドンコンテッ クス」の別の徴候が証明された。ある位置に特定のコドンが存在すると、隣接す るコドンにおける特定のヌクレオチドの頻度に強力な影響を与え、且つこれらの コンテックスの規制は、高低レベルで発現した遺伝子では著しく異なる。コンテ ックス効果は認識されたものの、コドンに隣接する好ま しいヌクレオチドに関する統計的規則の子言的価値は比較的低い。そのために、 所望レベルの翻訳効率を得るべくコドンを選択する際のそのようなヌクレオチド 優先データの有用性が制限されている。 自動化ヌクレオチド配列決定装置の出現により、多岐にわたる微生物に関し大 量の配列データが利用可能になった。これらのデータを理解することは相当に困 難である。例えば、遺伝子配列データとタンパク質配列とを関連づけるためには ゲノムのコード領域の同定が重要である。さらに、特定の微生物のゲノムの祖先 は基本的に重要である。ある種の微生物のゲノムが交雑祖先由来であることは公 知である。ウイルスを起源とする配列のなかには、今や真核微生物のゲノム中に 安定に組み込まれているものもある。該ウイルス配列自体は別の実質的に無関係 の種由来であったかもしれない。遺伝子の祖先を理解することは、関連遺伝子と 他の微生物における該遺伝子の翻訳産物との正しい相似性を明確にする際に重要 であり得る。 翻訳に対するコドンコンテックス効果をより良く理解すること、及び所望の翻 訳作用を得るために適切なコドンを決定する方法が必要である。ヌクレオチド配 列データからゲノムのコー ド領域を同定する方法も必要である。さらに、タンパク質の折りたたみを調節す る方法や外来遺伝子が宿主中で発現したときに適切に折りたたまれることを確実 にする方法も必要である。所望の翻訳効率に従って改変又は構築された遺伝子は 有意な両値を有するであろう。 工業的に且つ医薬品として重要なタンパク質を微生物により発現させる組換え DNA技術の別の実施態様は「コドン優先順位」現象である。現行の遺伝子発現 法は、所与の所望産物を構築するべく「働く」(operate)ように宿主細胞を遺 伝子的に形質転換するものであることは先に記載したが、微生物中で達成される 発現レベルは、部分的には挿入される外因性遺伝子中に存在するアミノ酸指定遺 伝子コードの特定の代替え形態に応じて大きく変動し得る。4種の可能なヌクレ オチド塩基のうちの「トリプレット」コドンは64通りの変異形態で存在し得る 。これらの形態がたった20種の異なるアミノ酸(並びに転写開始及び終結)に 対応するメッセージを提供するということは、アミノ酸のなかには1種以上のコ ドンによってコードされ得るものもあることを意味する。実際、6種もの「過剰 な」(redundant)代替えコドンを有するアミノ酸もあれば、必要 なたった1種のコドンしか有していないアミノ酸もある。完全には解明されてい ない理由から、代替えコドンは必ずしも全てが均一に種々のタイプの細胞の内因 性DNA中に存在するわけではなく、特定のタイプの細胞には特定のコドンに対 して不変の天然の階層関係、即ち「優先順位」が存在するようである。 1つの例として、アミノ酸ロイシンは、(それそれ、mRNAコドン、CUA 、CUC、CUG、CUU、UUA及びUUGに対応する)CTA、CTC、C TG、CTT、TTA及びTTGを含めた6通りのDNAコドンのいずれかによ って表される。微生物のゲノムコドンの頻度についての徹底的な分析により、 .coli の内因性DNAは最も一般的にはCTGロイシン指定コドンを含んで おり、酵母及び変形菌類のDNAは最も一般的にはTTAロイシン指定コドンを 含んでいることが判明した。この階層関係から見ると、一般に、E.coli宿 主によるロイシンに富むポリペプチドの高レベル発現を得る可能性は、ある程度 コドンの利用頻度に依存すると考えられる。例えば、TTAコドンに富む遺伝子 は、恐らくE.coliでは発現レベルが低いが、CTGに富む遺伝子は恐らく ポリペプチドを高レベルで発現するであろう。同様に、酵母細胞がロイ シンに富むポリペプチドを発現させるように計画された形質転換宿主細胞である 場合、挿入されるDNAに使用するのに好ましいコドンはTTAであろう。 組換えDNA技術にコドンの優先順位現象が影響を与えることは明らかであり 、該現象は、首尾良く形質転換された宿主微生物中で外因性遺伝子の高発現レベ ルを達成し得なかったり、「好ましい」ものではないコドンが挿入遺伝子中に繰 り返し存在したり、また宿主細胞の発現機構が効率的に働かないといったこれま での数々の失敗の説明に役立つであろう。この現象は、計画された宿主細胞の好 ましいコドンを含むように設計された合成遺伝子が、組換えDNA技術の実施に 好ましい形態の外来遺伝子物質を提供することを示唆している。 5. タンパク質の交通 真核生物細胞の特徴を表す機能の多様性は、該細胞の膜境界の構造の差異によ る。これらの構造を形成・維持するためには、タンパク質は、小胞体中のタンパ ク質の合成部位から細胞中の所与の目的地に輸送されなければならない。そのた めには、交通(traficking)タンパク質が主要交通経路に至るアクセスポイント に位置する経路選択に関与する分子機構によって認識さ れる選別シグナル(sorting signal)を示すことが必要である。殆どのタンパク 質では、選別決定は、タンパク質がその生合成経路を通るときに1度だけ行えば よい。というのは、タンパク質の最終目的地、即ち、タンパク質がその機能を果 たす細胞位置がタンパク質の永久の住処となるからである。 細胞内結合性の維持は、部分的にはタンパク質の正しい目的地への選択的選別 と正確な輸送とに依存する。数年前から、タンパク質の標的化及び局在化分子機 構についての詳細な分析が活発に行われている。「アドレスラベル」として機能 し得るタンパク質に関する確定配列モチーフが同定された。膜タンパク質の細胞 質ドメインに関連する多くの選別シグナルが見出された。発明の要旨 HIVenv及び改変型HIVenvをコードする合成DNA分子を提供する 。該合成分子のコドンには、計画された宿主細胞の好ましいコドンが含まれる。 該合成分子は好ましい形態の外来遺伝物質を提供する。該合成分子は、中和抗体 及び細胞媒介性免疫を介してHIV感染に対する効果的な免疫予防を提供するポ リヌクレオチドワクチンとして用い得る。本発明は、 霊長類やヒトなどの哺乳動物を含めた脊椎動物中にin vivoで直接導入す ると、動物内でコードされたタンパク質の発現を誘導するポリヌクレオチドを提 供する。図面の簡単な説明 図1は、HIVenvカセットをベースとする発現法を示す。 図2は、DNAワクチン媒介性抗gp120応答を示す。 図3は、ネズミDNAワクチンの接種血清の抗gp120ELISAタイター を示す。 図4は、HIVenvPNV細胞培養株のトランスフェクション後のgp12 0の相対発現を示す。 図5は、tPA−gp143/optA対optB DNA予防接種後の平均 抗gp120 ELISA応答を示す。 図6は、ネズミDNAワクチンの接種血清によるHIVの中和を示す。 図7は、ネズミHIVenvDNAワクチンの接種血清によるHIVの中和を 示す。 図8は、最適化HIVenvDNA構築物のイムノブロット分析である。発明の詳細な説明 HIVenvをコードする合成DNA分子及び改変型HIVenvをコードす る合成DNA分子を提供する。該合成分子のコドンは、計画された宿主細胞が好 むコドンを利用するように設計されている。該合成分子は、中和抗体及び細胞媒 介性免疫を介してHIV感染に対して有効な免疫予防を提供するポリヌクレオチ ドワクチンとして使用し得る。該合成分子は免疫原性組成物として使用し得る。 本発明は、霊長類やヒトなどの哺乳動物を含めた脊椎動物中にin vivoで 直接導入すると、該動物内でコードされたタンパク質の発現を誘発する。 本明細書に用いられているポリヌクレオチドは、生きている脊椎動物細胞中に 導入すると、該ポリヌクレオチドが細胞機構に該ポリヌクレオチドを含む核酸に よってコードされる翻訳産物を産生するように誘導し得るような調節成分を含む 核酸の組み合わせである。本発明の1つの実施態様において、該ポリヌクレオチ ドは、転写プロモーターに作動可能に結合した少なくとも1種のHIV遺伝子を 含むポリデオキシリボ核酸である。本発明の別の実施態様において、ポリヌクレ オチドワクチン(PNV)は、真核細胞機構(リボソーム、tRNA及び他の翻 訳因子)による翻訳が可能な少なくとも1種のHIV遺伝子 をコードするポリリボ核酸を含む。ポリヌクレオチドによりコードされるタンパ ク質が、通常、病的状態にある動物でしか産生されないタンパク質(即ち、外因 性タンパク質)、例えば、後天性免疫不全症候群(AIDS)の病因物質である ヒト免疫不全ウイルス(HIV)に関連するタンパク質である場合、該動物の免 疫系は感染防御免疫応答を生起するように活性化される。これらの異種タンパク 質は動物の組織により産生されるために、発現した産物は主要組織適合抗原系( MHC)により、関連微生物(HIV)に実際に感染したときと同じようにプロ セシングされる。その結果、同種病原体に対する免疫応答が誘発される。 本発明のポリヌクレオチドは、生物系中に導入されると、HIVタンパク質及 びエピトープの発現並びに特異的免疫応答の生起を誘発する。誘発された抗体応 答は、発現したHIVタンパク質に特異的であり、HIVを中和する。さらに、 HIV感染細胞を特異的に認識して破壊する細胞傷害性Tリンパ球(CTL)が 誘発される。 本発明は、哺乳動物組織中に導入されると、in vivoで単一細胞におけ る離散遺伝子産物の発現を誘発するポリヌク レオチドの使用法を提供する。本発明は、REV非依存性遺伝子を得るためにR EV依存性HIV遺伝子の多重操作を必要としない解決法を提供する。本明細書 に記載のREV非依存性発現系は、それ自体有用であり、in vivoで単一 細胞における単一の所望遺伝子産物の発現を示す系である。 本発明の用途の多くは抗ウイルス予防接種用であるので、該ポリヌクレオチド はしばしばポリヌクレオチドワクチン又はPNVと称される。これは、免疫刺激 や抗腫瘍治療薬におけるこれらのポリヌクレオチドの別の有用性が本発明の範囲 外であると考えられるということではない。 1つの実施態様においては、HIV遺伝子産物をコードする遺伝子を発現ベク ターに組み込む。該ベクターは、真核生物RNAポリメラーゼによって認識され る転写プロモーターとHIV遺伝子コード配列の末端の転写ターミネーターとを 含む。好ましい実施態様において、該プロモーターは、イントロンA配列(CM V−intA)を含むサイトメガロウイルスプロモーターであるが、当業者には 、強力な免疫グロブリンなどの他の多くの公知プロモーター又は他の真核生物遺 伝子ブロモーターのいずれをも使用し得ることが認識されよう。好ましい転写タ ーミネーターは、ウシ成長ホルモンターミネーターである。CMVintA−B GHターミネーターの組み合わせが特に好ましい。 原核細胞におけるポリヌクレオチドの生産を支援するために、発現ベクター中 に抗生物質耐性マーカーを含めてもよく、該マーカーは、その発現が真核細胞中 では起こらないように原核生物プロモーターの転写調節下に置くことができる。 アンピシリン耐性遺伝子、ネオマイシン耐性遺伝子及び他の医薬上許容し得る抗 生物質耐性マーカーを用い得る。原核微生物中での発酵による高レベルのポリヌ クレオチドの生産を支援するためには、ベクターが原核生物複製源を含み且つ高 コピー数のものであることが有利であり得る。多くの市販の原核生物クローニン グベクターがこれらの利点を提供する。必須ではないDNA配列を除去して、該 ベクターが真核細胞中では複製し得ないことを確実にするのが望ましい。そうす ることにより、ポリヌクレオチドワクチン配列が受容者のゲノム中に組み込まれ るというリスクが最小限になる。ポリヌクレオチドの発現を特定の組織タイプに 限定することが望ましい場合には組織特異プロモーター又はエンハンサーを用い 得る。 1つの実施態様においては、ラウス肉腫ウイルス(RSV)の長い末端反復配 列(LTR)がプロモーターとして用いられる発現ベクターpnRSVを用いる 。別の実施態様では、CMVプロモーターとBGH転写ターミネーターがクロー ン化された突然変異型pBR322ベクター、V1を用いる。別の実施態様にお いては、V1及びpUC19成分を組み合わせてV1Jと称される発現ベクター を作製した。V1J又は別の望ましい発現ベクター中には、gp120、gp4 1、gp160、gag、pol、envなどのHIV遺伝子、又は抗HIV免 疫応答を誘発し得る任意の他のHIV遺伝子をクローン化した。別の実施態様で は、V1Jからアンピシリン耐性遺伝子を除去して、ネオマイシン耐性遺伝子と 置き換え、本発明に従って用いるためにクローン化された異なるHIV遺伝子中 にV1J−neoを生成させる。別の実施態様では、ベクターはV1Jnsであ り、該ベクターは、独特なSfi1制限部位がV1Jneoの2114位の単一 のKpn1部位に組み込まれていること以外はV1Jneoと同じである。ヒト ゲノムDNA中のSfil部位の数は極めて少ない(100,000塩基当たり 約1部位)。従って、このベクターは、抽出されたゲノムDNA をSfi1部位消化するだけで、宿主DNA中への発現ベクターの組み込みを慎 重にモニターする手間が省ける。さらに改良された態様では、ベクターはV1R である。該ベクターにおいて、出来る限り多くの非必須DNAをベクターから「 取り除いて」、高度にコンパクトなベクターを作製した。このベクターはV1J nsの誘導体である。該ベクターにより、大きな挿入物の使用が可能となり、望 ましくない配列がコードされる心配が少なく、且つ細胞による取り込みが最適化 される。 本発明の1つの実施態様は、HIV gp160、gp120、gag及びS F2、IIIB又はMNなどの実験室適合HIV株由来の他の遺伝子産物をコード する遺伝子を含む。当業者には、HIV−1由来の遺伝子に対して類似の機能を 有するHIV−2株由来の遺伝子を用いると、HIV−1構築物に関して本明細 書に記載のものと類似の免疫応答の生起が期待されることが認識されよう。これ らの遺伝子を得るためのクローン化及び操作法は当業者には公知である。 実験室適応HIV株に対する免疫応答の誘発はHIVの初代圃場分離体の中和 には不適であり得ると認識される。従って、本発明の別の実施態様では、HIV のビルレント、初代圃場分 離体由来の遺伝子をポリヌクレオチド免疫原に組み込む。これは、ウイルス遺伝 子のcDNAコピーを作製し、次いで、個々の遺伝子をポリヌクレオチド免疫原 中にサブクローン化することにより達成される。今や、多くのHIV株の多くの 遺伝子の配列がGENBANK上で公に入手し得、そのようなHIVの初代圃場 分離体は、Quality Biological,Inc.,〔7581 L indbergh Drive,Gaithersburg,Mary1and 20879〕と契約したNational Institute of All ergy and Infectious Dieseases(NIAID )から入手し得る。そのような株は、世界保健機構(WHO)〔Network for HIV Isolation and Characterizat ion,Vaccine Development Unit,Office of Research,Global Programme on AIDS ,CH−1211 Geneva 27,Switzerland〕からも入手 し得る。本研究から、当業者には、本発明の有効性の1つは、HIV配列の多様 性とHIV中和の血清学との相互作用並びに他のパラメーターを得ることが できる、in vivo及びin vitroでのテスト及び分析法を提供するこ とであることが認識されよう。HIV株の初代分離体由来の遺伝子を組み込むこ とにより、該ウイルスの臨床分離体に対する免疫応答が誘発され、それによって 当該分野において未だに満たされていない要求を満たす免疫原が提供される。さ らに、ビルレント分離体は変異するので、必要に応じてその免疫原を新規な配列 を反映するように改変し得る。 本明細書では、用語の統一をはかるために、ポリヌクレオチド免疫原構築物の 記載は以下の取り決めに従う:「ベクター名−HIV株−遺伝子−追加成分」。 従って、MN株のgp160遺伝子を発現ベクターV1Jneo中にクローン化 した構築物は、本明細書では、「V1Jneo−MN−gpl60」と称される 。構築物に添加される追加成分については以下にさらに詳細に記載する。ウイル スの病因株は変異するので、医薬品に組み込むのに最適な厳密な遺伝子も変化し 得る。しかし、以下に示すように、異種株に対して感染防御し得るCTL応答が 誘発されるために、本発明の免疫原及びワクチンにおける株の変異性は、全ウイ ルス又はサブユニットポリペプチドをベースとするワクチンに比べてあまり重要 ではない。さらに、医薬品 は新たな遺伝子を挿入するように容易に操作し得るので、これは、分子生物学の 標準的な技術によって容易に行われる調整である。 本明細書に用いられている用語「プロモーター」とは、RNAポリメラーゼが 結合するDNA鎖上の認識部位を指す。プロモーターは、RNAポリメラーゼと 共に開始複合体を形成して、転写活性を開始・推進する。該複合体は、「エンハ ンサー」と称される活性化配列又は「サイレンサー」と称される抑制配列を用い て改変し得る。 本明細書に用いられている用語「リーダー」とは、構造遺伝子と共に転写され る構造遺伝子の5’末端のDNA配列を指す。通常、リーダーにより、プロ配列 (pro-sequence)と称されることもあるN末端ペプチド延長配列を有するタンパ ク質が得られる。細胞外媒体又は膜に分泌されるタンパク質の場合、一般に疎水 性であるこのシグナル配列は、タンパク質を小胞体中に誘導し、タンパク質はそ こから適切な目的地に向けて放出される。 本明細書に用いられている用語「イントロン」とは、遺伝子産物中でアミノ酸 をコードしない遺伝子の中央に生ずるDNA セクションを指す。イントロンの前駆体RNAは切り取られるので、mRNA中 に転写されることも、タンパク質に翻訳されることもない。 用語「カセット」とは、発現されるべき核酸配列を含む本発明の配列を指す。 カセットは、概念的にはカセットテープと類似である。各カセットはそれ自身の 配列を有する。従って、カセットを交換すると、ベクターは異なる配列を発現す る。5’及び3’末端の制限部位のために、カセットは容易に挿入、除去又は別 のカセットと交換し得る。 用語「3’非翻訳領域」又は「3’UTR」とは、通常、構造遺伝子と共に転 写される構造遺伝子の3’末端側の配列を指す。この3’UTR領域は、通常、 ポリA配列を含んでいる。3’UTRはDNAから転写されるが、タンパク質に 翻訳される前に切り取られる。 用語「非コード領域」又は「NCR」とは、構造遺伝子の3’UTR領域に隣 接する領域を指す。NCR領域は転写終結シグナルを含んでいる。 用語「制限部位」とは、制限エンドヌクレアーゼの配列特異的切断部位を指す 。 用語「ベクター」とは、DNA断片を宿主微生物又は宿主組織中に導入し得る ある種の手段を指す。プラスミド、バクテリオファージ及びコスミドを含めた種 々のタイプのベクターがある。 用語「有効量」とは、適切なレベルのポリペプチドの産生に十分なPNVの注 入量を指す。当業者は、このレベルが変動し得ることを認識している。 本発明を説明するために、HIVに関する情報を以下に記載する。ヒト免疫不 全ウイルスは、その構造が図1に示されているリボ核酸(RNA)ゲノムを有し ている。このRNAゲノムは、本明細書に教示されている方法に従ってクローン 化及び操作するためのcDNAコピーを作製するためには、当業界で公知の方法 に従って逆転写されなければならない。該ゲノムの各末端には、プロモーターと しての働きをする長い末端反復配列がある。これらの末端の間で、該ゲノムは、 種々の読み取りフレームで、主要遺伝子産物としてgag−pol−envをコ ードする。gagはグループ特異抗原であり、polは逆転写酵素又はポリメラ ーゼである。代替え読み取りフレームでこの領域によりコードされるものには、 さらに、例えば、gpl 60からgp120及びgp41への翻訳後プロセシングに関与するウイルスプ ロテアーゼがある。envはエンベロープタンパク質である。vifはビリオン 感染性因子である。REVはビリオンタンパク質発現の調節物質である。neg は負の調節因子である。vpuはビリオン産生因子「u」である。tatは転写 のトランスアクチベーターである。vprはウイルスタンパク質rである。これ らの成分のそれぞれの機能は既に記載されている。 本発明の1つの実施態様においては、HIV又はSIVタンパク質をコードす る遺伝子を直接転写プロモーターに結合する。env遺伝子は大きな膜結合タン パク質、gp160をコードする。該タンパク質は、翻訳後修飾を受けてgp4 1及びgp120を生成する。gp120遺伝子は発現のためにサイトメガロウ イルスプロモーターターの調節下に置かれ得る。しかし、gp120は膜結合タ ンパク質ではなく、従って、発現すると、細胞から分泌され得る。HIVは感染 細胞中で休眠状態に保たれる傾向があるので、細胞結合HIVエピトープで誘導 される免疫応答も生起させるのが望ましい。さらに、ウイルスの中和に最も効力 のある抗体応答を生起させるためには、ワクチンが、 ウイルス感染により生成されるものと構造が類似した膜結合オリゴマーENV抗 原を生成することが望ましい。この目的は、本発明において、細胞膜結合エピト ープ、gp160をin vivoで発現させて免疫系を始動させることにより 達成される。しかし、gp160の発現は、スプライスされていない遺伝子が核 からは輸送されないためにREVの不在下には抑制される。このシステムを理解 するためには、HIVの生活環をさらに詳細に説明する必要がある。 HIVの生活環において、HIVのRNAゲノムは、宿主細胞に感染すると、 プロウイルスDNA中に逆転写され、単一の転写単位として宿主のゲノムDNA に組み込まれる。LTRは5’→3’方向にHIV遺伝子(gag、pol、e nv)を転写して、全ゲノムのスプライスされていない転写産物を形成するプロ モーターを提供する。スプライスされていない転写産物は、gag及びpolに 翻訳されるmRNAとして機能するが、envをコードする遺伝子の翻訳には限 定されたスプライシングが生起しなければならない。調節遺伝子産物REVを発 現させるためには、1回以上のスプライシング事象が生起しなければならない。 というのは、図1に示されているように、 ゲノム設定において、REVとenvはオーバーラップするからである。env が転写されるためには、REVの転写を中断しなければならず、またREVが転 写されるためにはenvの転写を中断しなければならない。さらに、スプライス されていないRNAを核から輸送するには、REVの存在を必要とする。しかし 、このようにREVを機能させるには、REVの応答成分(RRE)が転写産物 上に存在していなければならない〔Malimら,Nature 338:25 4−257(1989)〕。 本発明のポリヌクレオチドワクチンの場合、完全にスプライスされた遺伝子を 提供すること(即ち、読み取りフレームにおけるスイッチ又は非コード領域の除 去を必要とせずに所望の遺伝子産物の完全な読み取りフレームが得られること; 当業者は、特定の遺伝子をスプライスする際に、得られる厳密な配列中に幾分か のゆとりが存在することを認識するであろう;しかし、機能的コード配列が得ら れる限り、これは許容し得る)により、特定のHIV遺伝子の義務的スプライシ ングが排除される。従って、1つの実施態様において、gp160の全コード配 列は、各遺伝子産物の間欠的な発現が不要となるようにスプライ スされる。 本発明によって生起される体液性及び細胞性の二重免疫応答は、感染集団内や 感染個体においてHIVが突然変異を起こす傾向があることを考えれば、HIV 感染の抑制に特に重要である。HIVに対する有効な感染防御ワクチンを配合す るためには、例えば、HIVに関する主要な中和標的であるgp160(env は、米国のヒト集団における主要株である種々のHIV−1、グレードB株全体 に約80%保存されている)並びにgp160の保存部分及びgagによってコ ードされる内因性ウイルスタンパク質に対して反応性の細胞傷害性T細胞に対す る多価抗体応答を生起させることが望ましい。本発明者は、共通実験室株から; 感染集団内に認められる優勢な初代ウイルス分離体から;交雑株の中和抗体エピ トープを露出するように設計された突然変異型gp160から;及び(HIV分 離体間に〜95%保存されている)gagやpol遺伝子などの他の代表的なH IV遺伝子から選択されたgp160遺伝子を含むHIVワクチンを製造した。 未だ免疫不全状態には進行していない実質的に全てのHIV血清反応陽性患者 は抗gagCTLを有しているが、これらの 患者のうち約60%は、交雑株、gp160特異的CTLを示す。しかし、AI DSとして知られる疾患状態まで進行した感染個体に認められるHIV特異的C TLの量ははるかに低く、これは、本発明者が交雑株CTL応答を誘発し得ると いう本発明者の知見の重要性を証明している。 本発明のenv及びgagポリヌクレオチドワクチン構築物によって誘発され る免疫応答はマウス及び霊長類で示される。マウスにおける抗env抗体の産生 をモニターすることにより、所与の構築物が適切に免疫原性であること、即ち、 予防接種した動物の大部分が抗体応答を示すことを確認し得る。マウスはさらに 、本発明の構築物によるCTL誘発のテストに適切な最も手軽な動物モデルを提 供し、従って、特定の構築物がそのような活性を生成し得るかどうかの評価に用 いられる。サル(サバンナモンキー、アカゲザル、チンパンジー)は、大型の非 げっ歯動物における抗体評価において霊長類を含めた別の種を提供する。該種は 、抗血清中和アッセイの場合にも、マウスの血清中に認められるレトロウイルス に対する高レベルの内因性中和活性の故にマウスより好まれる。これらのデータ は、本発明のワクチンにより、該系に対する既知感染防御レベルの中和 抗体に基づくチンパンジー/HIV/IIIBチャレンジモデルでの実験において、 感染防御の達成に十分な免疫原性が生じることを証明している。しかし、科学コ ミュニティーにおいて感染防御について最近明らかになり且つますます適切であ ると見なされている定義は、HIV感染からの完全な感染防御を示す、疾患の予 防に対するいわゆる「殺ウイルス性免疫」からは遠ざかろうとしている。この目 的に相関するものとしては、HIV逆転写酵素活性、血清試料の感染性、血中の p24又は他のHIV抗原濃度に関するELISAアッセイ、CD4+T細胞の 増大濃度、及び生存率の上昇により測定される血中ウイルス価の低下が含まれる 〔例えば、抗HIVワクチンの効力について進展している定義に関する、J.C ohen,Science 262:1820−1821.1993を参照され たい〕。本発明の免疫原は、HIVの感染性(臨床、初代圃場)分離体に対する 中和免疫応答をも生起する。免疫学 A. envに対する抗体応答 1. gp160及びgp120. ELISAアッセイを用い、分泌型 gp120又は膜結合型gp160のいずれ かを発現するワクチンベクターがenv特異抗体の産生に有効かどうかを決定す る。本発明の予防接種ベクターによるenv発現の初期in vitro特性決 定は、gp160トランスフェクト細胞溶解物のイムノブロット分析により行わ れる。これらのデータにより、トランスフェクトされた細胞gp160の発現を 視覚化するために抗gp41及び抗gp120モノクローナル抗体を用いたgp 160の発現を確認・評価する。本発明の1つの実施態様においては、以下の理 由からgp160の方がgp120より好ましい:(1)一次gp120ベクタ ーは、マウスでは一貫性でない免疫原性を生起し、サバンナモンキーにおいては 極めて低応答又は無応答であった;(2)gp160はgp41を含んでいるた めに約190個のアミノ酸残基が加わることにより追加の中和抗体及びCTLエ ピトープを産生する;(3)gp160の発現はテトラマーアセンブリー及び全 体構造に関してウイルスenvにより類似しているので、オリゴマー依存性中和 エピトープを提供し得る;且つ(4)本発明者は、マウスやフェレット及び非ヒ ト霊長類における中和抗体応答の生起に膜結合インフルエンザHA構築物が成功 を治めた場合のように、抗gp160抗体の産生の方が抗 gp120抗体の産生より多いことを知見している。いずれかのタイプのenv を選択するのが好ましいか、又はenvサブフラグメントのカクテルが好ましい かどうかは、以下に略記する実験によって決定される。 2. 中和抗体の存在及び大きさ. サル由来のELISA陽性抗血清を テストし、該血清が同種及び異種HIV株のいずれをも中和することを証明する 。 3. V3対非V3中和抗体. envPNVの主要目的は、広域中和抗 体を産生させることである。V3ループに対して誘導される抗体は極めて株特異 的であることが示され、この応答の血清学を株の定義に用いた。 a. 非V3中和抗体は、最初にCD4の結合に関与するgp1 20内の不連続構造エピトープを認識するようである。このドメインに対する抗 体は、恐らく、ウイルスがその細胞リガンドに結合する必要性により課される突 然変異に対する制約のためにポリクローナルであり且つより広義には交差中和性 である。in vitroアッセイを用い、免疫感作した動物由来の血清を用い て96ウエルプレートに固定されたCD4に対するgp120の結合阻止テスト を行う。第2のin vitro アッセイで、プラスチック上に固定した選択されたV3ドメインを表 す合成ペプチドに直接結合した抗体を検出する。これらのアッセイは、本発明の 研究に用いたいずれの動物タイプ由来の血清にも適合し得、且つ本発明のワクチ ンが生成した中和抗体のタイプを明確にすると共に、ウイルス中和に対するin vitro相関物を提供する。 b. gp41は、広域中和性2F5モノクローナル抗体〔Vir al Testing Systems Corp.,Texas Comme rce Tower,600 Travis Street,Suite 47 50,Houston,TX77002−3005(USA)又はWaldhe im Pharmazeutika GmbH,Boltzmangasse 11,A−1091 Wien,A-ustriaから市販されている〕により 認識される高度に保存された直鎖状エピトープに対応する少なくとも1個の主要 中和決定基、及びgp41のN末端に位置する十分に保存された「融合ペプチド 」ドメインを含めた他の潜在部位を有している。上記イムノブロットによる、g p41に対して誘導された抗体の検出の他に、プラスチック上に固定された上述 のドメインを表 す合成ペプチドに結合する抗体に対してもin vitroアッセイテストを用 いる。 4. 抗体応答の成熟. HIV血清反応陽性患者においては、中和抗体 応答は、主として抗V3から進行して、gp41エピトープを含めた上記の構造 gp120ドメインエピトープ(#3)を含むより広域の中和抗体を含むものと なる。これらのタイプの抗体応答を、時間経過とその後の予防接種にわたってモ ニターする。 B. env及びgagに対するT細胞の反応性 1. CTL応答の生起. 細胞内で合成されるウイルスタンパク質はM HC I拘束型CTL応答を生起する。これらのタンパク質はぞれそれ血清反応 陽性患者にCTLを誘発する。本発明のワクチンもマウスにCTLを誘発し得る 。インフルエンザNPの場合に証明されたように、そのような研究に対してマウ ス株の免疫遺伝学が役に立つ。Balb/cマウスにおいては、HIVタンパク 質、env、REV、nef及びgagについて数種のエピトープが明確にされ ており、それによってin vitroでのCTL培養アッセイ及び細胞傷害性 アッセイが容易になる。これらの遺伝子でトランスフェクト されたネズミ肥満細胞腫P815などの同系腫瘍株をCTL及びin vitr 抗原特異的再刺激の標的とするのが有利である。MHCクラスI拘束性細胞傷 害性Tリンパ球を誘発し得る免疫原を確定する方法は公知である。152〜17 5アミノ酸にわたるペプチドもHIV中和抗体を誘発させることが知見されてお り、これらの方法は、本発明のPNVに包含される免疫原性エピトープの同定に も用い得る。あるいは、gp160、gp120プロテアーゼ又はgagをコー ドする全遺伝子を用いてもよい。本明細書においては、T細胞エフェクター機能 は、成熟T細胞表現型、例えば、細胞傷害性、B細胞を活性化するためのサイト カインの分泌及び/又はマクロファージや好中球の補充若しくは刺激に関与する 。 2. H活性の測定. 組換えタンパク質又はペプチドエピトープを加 えて、予防接種した動物由来の脾臓細胞培養を特異抗原に対する記憶についてテ ストする。随伴する脾臓抗原提示細胞、APCによって提示されるそのような抗 原によるT細胞の活性化を、上記培養細胞の増殖又はサイトカインの産生により モニターする。サイトカインの産生パターンによっても、TH応答がタイプ1で あるかタイプ2であるかの分類が可 能である。免疫減弱血清反応陽性患者においては優位なTH2応答が細胞性免疫 の排除と相関するようなので、患者の所与のPNVによって生ずる応答のタイプ を明確にすることが可能であり、それによって、得られる免疫応答を操作し得る 。 3. 遅延型過敏症(DTH). i.d.注射後のウイルス抗原に対 するDTHは、細胞性の、主としてMHCクラスII拘束性免疫を示すものである 。既知エピトープに対する組換えHIVタンパク質及び合成ペプチドは市販され ているので、DTH応答は、これらの試薬を用いて予防接種した脊椎動物中で容 易に定量し得、それによって細胞性免疫を誘発させるためのさらなるin vi vo 相関物が得られる。感染防御 上述の免疫学的研究に基づき、本発明のワクチンは、脊椎動物においてビルレ ントHIVによるチャレンジに対して有効であると予測し得る。これらの研究は 、HIVIIIB/チンパンジーチャレンジモデルに、PNV構築物、又はgp16 0IIIB、gagIIIB、nefIIIB及びREVIIIBからなるPNV構築物カクテル を用いて十分な予防接種を行うことにより達成される。これに関し、IIIB株は 、致死量の該株のチンパンジー価が確立さ れているので有用である。しかし、同じ研究をHIVの任意の株及び所与の株に 対して特異的であるか又は異種のエピトープを用いて行うことも考えられる。チ ンパンジー以外の第2の予防接種/チャレンジモデルはscid−huPBLマ ウスである。このモデルにより、マウス宿主におけるその後のHIVチャレンジ に対するヒトリンパ球免疫系及び本発明のワクチンのテストが可能になる。該系 は、HIV株と共に用いるように容易に適合し得、且つHIVの初代圃場分離体 の多くの株に対する感染防御の証拠を提供するのが有利である。第3のチャレン ジモデルはハイブリッドHIV/SIVウイルス(SHIV)を利用する。該S HIVのなかには、アカゲザルに感染し、免疫不全疾患に至らせて死を招くこと が証明されたものもある〔J.Liら,J.AIDS 5:639−646,1 992〕。本発明のポリヌクレオチドワクチン構築物を用いてアカゲザルに予防 接種すると、致死量のSHIVを用いたその後のチャレンジに対しても防御し得 る。PNV構築物の概要 HIV及び他の遺伝子をポリヌクレオチド予防接種用に最適化した発現ベクタ ー中に連結する。転写プロモーター、免疫原 性エピトープ、転写ターミネーター、複製細菌源及び抗生物質耐性遺伝子からな る必須成分を残し、実質的に全ての異種遺伝子を除去する。 env及びgagなどのHIV後期遺伝子の発現はREV依存性であり、且つ REV応答成分(RRE)がウイルス遺伝子転写産物上に存在することを必要と する。分泌型gp120は、gp120リーダーペプチドを、tpA(組織型プ ラスミノーゲンアクチベーター)などの異種リーダー、好ましくは免疫グロブリ ンリーダーペプチドなどの高度に発現した哺乳動物タンパク質中に見出されるよ うなリーダーペプチドに置き換えることによりREVの不在下に産生させ得る。 本発明では、tPA−gp120キメラ遺伝子を、トランスフェクトされた細胞 (RD、ヒト横紋筋肉腫株)で効率的に分泌型gp120を発現するV1Jns 中に挿入した。モノシストロニックgp160は、REV発現ベクターを加えず にトランスフェクトしてもタンパク質を産生しない。代表的な構築物構成成分には以下が含まれる(但し、それらに は限定されない): 1. tPA−gp120MN; 3. gP160IIIB; 10.gagIIIB:抗gagCTLの場合; 11.tPA−gp120IIIB; 12.構造的突然変異:V1、V2及び/又はV3 ループ欠失又は置換を有するgp160; 20.HIV以外の病原体により発現した抗原、 例えば、インフルエンザウイルス抗タンパク質 赤血球凝集素、マトリックス、ノイラミニダー ゼや他の抗原タンパク質(但し、それらには限 定されない)をコードする遺伝子;単純ヘルペ スウイルス遺伝子;ヒトパピローマウイルス遺 伝子;結核症抗原;A型、B型又はC型肝炎ウ イルス抗原。 本発明の非複製型プラスミドDNAを用いて免疫感作して、その後のウイルス チャレンジに対するポリヌクレオチドHIV免疫原の感染防御力を証明する。こ れは、感染性物質が関与せず、ウイルス粒子アセンブリーの必要がなく、且つ決 定基の選択が可能である故に有利である。さらに、gagやプロテアーゼ及び他 の数種のウイルス遺伝子産物の配列がHIVの種々の 株間に保存されているために、クローン化遺伝子を得る株と同種及び異種のHI Vビルレント株によるその後のチャレンジに対する防御が可能である。 gp160をコードするDNA発現ベクターのi.m.注射により、その後の ウイルスチャレンジに対する有意な感染防御免疫が生ずる。特に、gp160特 異抗体及び一次CTLが産生する。保存されたタンパク質に対して誘導される免 疫応答は、変異性エンベロープタンパク質の抗原不連続変異や連続変異にも拘わ らず有効であり得る。HIV遺伝子産物はそれぞれある程度保存され、且つCT Lは細胞内発現及びMHCプロセシングに応答して生成するので、多くのウイル ス遺伝子はgp160の場合に生ずるものと類似の応答を生起すると予言し得る 。従って、これらの遺伝子の多くは、発現ベクター中でクローン化且つ配列決定 された接合部(以下参照)によって示されるように、これらの構築物が利用可能 な形態の免疫原性物質となるようにクローン化されている。 本発明は、自己複製物質又はアジュバントを必要とせずに交雑株の感染防御免 疫を誘導する手段を提供する。さらに、本発明のポリヌクレオチドを用いた免疫 感作は他にも多くの利点を 提供する。この予防接種法は腫瘍にも伝染性物質にも適用可能な筈である。とい うのは、CD8+CTL応答はどちらの病態生理学的プロセスにも重要であるか らである〔K.Tanakaら,Annu.Rev.Immunol.6,35 9(1988)〕。従って、形質転換プロセスに極めて重要なタンパク質に対す る免疫応答を誘発させることは、ガンの防御や免疫療法の有効な手段となり得る 。ウイルスタンパク質やヒト成長ホルモンDNAの注射後に発現したタンパク質 に対する高タイターの抗体が産生するということは、これが、抗体ベースのワク チンを、保存された抗原を標的とする細胞傷害性Tリンパ球ワクチンとは別個に 又は該ワクチンと組み合わせて製造する容易且つ極めて有効な手段であることを 示唆している。 DNA構築物の作製及び精製法は、従来のタンパク質精製法に比べて容易であ り、故に、組み合わせワクチンの製造も容易になる。従って、例えば、gp16 0、gp120、gp41又は任意の他のHIV遺伝子をコードする多重構築物 を、作製、混合、同時投与し得る。タンパク質の発現はDNAの注射後も維持さ れるので、B細胞やT細胞の記憶の持続性が促進され得、それによって長期的な 体液性及び細胞媒介性免疫が生じる。 DNA構築物を作製及び精製するための標準的な分子生物学技術により、本発 明のDNA免疫原を製造し得る。従って、標準的な分子生物学技術は本発明の産 物の生産には十分であるが、本明細書に開示されている特定の構築物は、驚くべ きことに、交雑株及び初代HIV分離体を中和し、これまで標準的な不活化全ウ イルス又はサブユニットタンパク質ワクチンでは達成し得なかった結果を生み出 す新規なポリヌクレオチド免疫原を提供する。 発現し得るDNA又は転写RNAのワクチン受容者への導入量は、用いられる 転写及び翻訳プロモーターの強さと、発現する遺伝子産物の免疫原性とに応じて 異なる。一般に、免疫又は予防に有効な用量約1ng〜100mg、好ましくは 約10〜300μgを直接筋肉組織中に投与する。皮下注射、皮内導入、経皮圧 入や、腹腔内、静脈内、又は吸入投与などの他の投与形態も考えられる。また、 追加免疫接種を行うことも企図される。HIVポリヌクレオチド免疫原を用いて 予防接種した後、gp160、gp120及びgag遺伝子産物などのHIVタ ンパク質免疫原を用いた追加免疫を行うことも企図される。本発明のPNVの非 経口導入と同時に又はその後で、静脈内、筋肉内、 皮下又は他の投与手段などによるインターロイキン−12タンパク質の非経口投 与を行うことも有利である。 本発明のポリヌクレオチドは、裸、即ち、タンパク質、アジュバント又は受容 者の免疫系に強い影響を与える他の物質と結合していないものであってよい。こ の場合、該ポリヌクレオチドは、滅菌生理食塩液又は滅菌緩衝生理食塩液など( 但し、それらには限定されない)の生理的に許容し得る溶液であることが望まし い。あるいは、該DNAは、レシチンリポソームや、DNA−リポソーム混合物 のような当業界で公知の他のリポソームなどと結合していてもよいし、免疫応答 をさらに刺激する当業界で公知のタンパク質や他の担体などのアジュバントと結 合していてもよい。DNAの細胞取り込みを支援するカルシウムイオン(但し、 それには限定されない)などの物質を用いるのも有利である。これらの物質は、 本明細書では概して、トランスフェクション促進試薬及び医薬上許容し得る担体 と称されている。ポリヌクレオチドでコートした微小発射体のコーティング法は 当業界では公知であり、本発明に関しても有用である。 以下の実施例は、本発明を例示するために提供されており、本発明の範囲を限 定するものではない。実施例1 材料の説明 ベクターpF411及びpF412:これらのベクターを、R.Galloの 実験室で構築したベクターpSP62からサブクローン化した。pSP62はB iotech Reserach Laboratories,Inc.から入 手し得る試薬である。pSP62は、ラムダHXB2からサブクローン化された HXB2ゲノムの12.5kgのKbaIフラグメントを有する。pSP62を SalI及びXbaIで消化して、HXB2フラクメント:5’−XbaI/S alI(6.5kb)及び3’−Sa1I/XbaI(6kb)を得る。これら の挿入体をSmaI及びSalI部位でpUC18にサブクローン化して、pF 411(5’−XbaI/SalI)及びpF412(3’−XbaI/Sal I)を得る。pF411はgag/polを含んでおり、pF412はtat/ rev/env/nefを含んでいる。レプリゲン試薬: 組換えrev(IIIB)、#RP1024−10 組換えgp120(IIIB)、#RP1001−10 抗revモノクローナル抗体、#RP1029−10 抗gp120mAB、#1C1、#RP1010−10AIDS Research and Reference Rea ent Pro ram: 抗gp41mABハイブリドーマ、Chessie 8、#526 該方法は、主としてHIVgag(〜95%保存)及びenv(gp160又 はgp120;70〜80%保存)遺伝子産物で誘導される、HIVに対する細 胞傷害性Tリンパ球(CTL)応答と中和抗体応答とを誘発させるように設計さ れている。gp160は、HIV粒子上に既知中和抗体エピトープのみを含んで いるが、抗env及び抗gagCTL応答の重要性は、これらの細胞性免疫の開 始と中和抗体の出現に先だって生じる感染後の初期ウイルス血症のクリアランス との既知関連、並びに無病状態の維持におけるCTLの役割によって強調される 。HIVはその遺伝子多様性で悪名高いので、本発明者は、臨床分離体及びgp 41(〜90%保存)由来の数種の代表的なenv遺伝子を含めることによりさ らに広範囲の中和抗体を得ることを希望しているが、高度に保存されたgag遺 伝子は広域 の交雑株CTL応答を生起するであろう。 実施例2 HIV後期遺伝子産物の外因性発現 env及びgagなどのHIV構造遺伝子は、全長のタンパク質を効率的に産 生させるためには、HIV調節遺伝子、revの発現を必要とする。本発明者は 、gagのrev依存性発現からは低レベルのタンパク質しか産生されず、且つ rev自体が細胞に対して毒性であり得ることを知見した。本発明者はin itro でgp160の比較的高レベルのrev依存性発現を達成したが、この ワクチンは、rev/gp160DNAを用いたin vivo免疫感作後には 低レベルの抗gp160抗体しか誘発しなかった。これは、revの既知細胞障 害作用や、数百個の核を含む筋細管においてrev機能を得ることが極めて困難 であること(revタンパク質は、gag又はenvタンパク質を発現させるた めにはrev依存性転写産物と同じ核内に存在する必要があること)に起因し得 る。しかし、env及びgag遺伝子の選択的改変を用いてrev非依存性発現 を得ることは可能であった。ワクチンに用いることを目的とするこれらのプラス ミドの評価は進行中である。 一般に、本発明のワクチンは、発現を最適化するために、主としてCMVタン パク質合成前〔IE(immediate−early)〕プロモーター、BGHポリアデニル 化部位及びpUCバックボーンからなる本発明の全身性(generalized)予防接 種ベクター、V1Jns内にHIV(IIIB)env及びgag遺伝子を用いた 。用いる遺伝子セグメントの大きさ(例えば、gp120対gp160)に応じ て変わるrev非依存性発現の効率は、envに関しては、その天然の分泌型リ ーダーペプチドを組織特異プラスミノーゲンアクチベーター(tPA)遺伝子由 来のものに置き換え、得られたキメラ遺伝子をCMVイントロンAを含むCMV IEプロモーターの後で発現させることにより達成し得る。tPA−gp120 は、予防接種したマウス及びサルに抗gp120免疫応答を誘発させるのに十分 な程度機能するように構築された分泌型gp120ベクターの例である。 膜結合タンパク質が分泌型タンパク質よりはるかにより実質的な(且つ恐らく HIV中和に対してより特異的な)抗体応答を誘発し得るとの報告があったこと 、及び追加の免疫エピトープを得るために、本発明者は、V1Jns−tPA− gP160及びV1Jns−rev/gp160を作製した。トランス フェクトされた細胞のイムノブロット分析により示されるように、tPA−gp 160ベクターはrevを加えなくとも検出可能な量のgp160及びgp12 0を産生したが、その発現レベルは、rev依存性gp160発現プラスミドで あるrev/gp160を用いて得られた発現レベルよりはるかに低かった。こ れは、恐らくgp160転写産物にrev依存性を付与する抑制領域(INSと 称される)がgp41のCOOH末端におけるものを含めたgp160内の多重 部位で生ずるためと考えられる(以下の概要参照)。tPA−gp160、tP A−gp143を得るための、COOH末端がトランケイトされた形態のベクタ ーを作製した。該ベクターは上記抑制配列を排除することによりenvの全発現 レベルを増大させるように設計された。gp143ベクターは、細胞表面よりむ しろリソソームに向かって膜タンパク質の分岐を引き起こすことが知られている ペプチドモチーフ(例えばleu−leu)を含む細胞内gp41領域も排除さ れている。従って、gp143は、(rev依存性を低下させることによる)e nvタンパク質の発現も、全長のgp160に比べ、DNA予防接種後にこれら のタンパク質が抗gp160抗体をより良く誘発し得る細胞表 面へのタンパク質の輸送効率をも増大させることが期待される。rev応答成分 (RRE)配列(350bp)の広域サイレント突然変異によりtPA−gp1 43をさらに改変してさらなる抑制配列の発現を排除した。この構築物、gp1 43/mutRREは、2つの形態:gp120/41のタンパク質分解性切断 部位を排除したもの(A形態)又は保持したもの(B形態)で作製した。2つの 形態を作製した理由は、ワクシニア中で発現させた非切断型gp160を用いて マウスに予防接種すると、切断型を用いた場合よりはるかに高レベルの抗gp1 60抗体が誘発されたとの文献記載があったためである。 トランスフェクトされた細胞におけるgp160/gp120の発現に関する 定量ELISAを展開して、これらのベクターの相対発現能力を定量した。29 3個の細胞をin vitroでトランスフェクトし、次いで細胞結合型対分泌 /放出型gp120の定量を行って、以下の結果を得た:(1)tPAーgp1 60はrev/gp160の5〜10倍少ないgp120しか発現しなかったが 、細胞内に保持されたものと細胞表面に向かったものの比率は類似であった;( 2)tPA−gP143はrev/gp160より3〜6倍多いgp120を分 泌したが、細胞結合型gp143は極く低レベルであり、これは、gp160の 細胞質テールがこの配列の部分的な欠失により克服され得るgp160の細胞内 保持を引き起こすことを確認するものである;及び(3)tPA−gp143/ mutRRE A及びBは、親のtPA−gp143の10倍以上の高い発現レ ベルでタンパク質を産生し、A形態では、タンパク質分解プロセシングが排除さ れているのが確認された。 このように、rev非依存性発現を増大させる本発明の方法により、発現全体 における段階的増大及びリソソームではなく細胞表面への膜結合gp143の再 誘導が生じた。種々のウイルス分離体由来のgp120配列を、種々のウイルス 株間に抗原性の違いが少ないNH2末端(tPAリーダー)又はCOOH末端( gp41)に所在する上記改変を含むベクターカセット内に挿入するのは可能な 筈であることに留意することが重要である。言い換えれば、これは、種々の初代 ウイルス分離体由来のgp120を挿入して臨床的に関連するワクチンを得るこ とにより、容易に改変し得る遺伝子構築物である。 これらの発現法をワクチンの製造に関連するウイルスに適用し且つ本発明の方 法の普遍性を確認するために、本発明者はさ らに、(North American共通V3ペプチドループ;マクロファー ジ向性、非シンシチウム誘発性表現型を含む)初代HIV分離体由来のtPA− gp120ベクターを作製した。このベクターにより、トランスフェクトされた 293個の細胞から高発現/分泌率でgp120を得、且つマウスにおいては抗 gp120抗体が誘発されたが、これは、該ベクターが機能性形態でクローン化 されたことを証明している。初代分離体gp160遺伝子も、実験室株由来のg p160の場合と同じ方法で発現に用い得る。 実施例3 HIV−1envポリヌクレオチドワクチンに対する免疫応答 : gp120DNAワクチンの投与を受けたサバンナモンキー(AGM)及びア カゲザル(RHM)は、2〜3回の予防接種後に低レベルの中和抗体を示したが 、追加の予防接種をしても抗体のレベルを増大させることができなかった。これ らの結果や、HIVワクチン分野においてオリゴマーgp160がgp120モ ノマーより中和抗体の誘発により関連のある標的抗原であろうという見解〔Mo ore及びHo,J.Virol. 67:863(1995)〕が広まりつつあることから、本発明者は、gp16 0ベースのベクター(上記参照)の効率的な発現を得ることに集中した。マウス とAGMには、初代分離体由来のtPA−gp120ワクチンを用いた予防接種 も行った。これらの動物は、500〜5,000の範囲の(同種配列を用いた) 抗V3ペプチドの逆数終末点抗体価を示したが、これは、該ワクチンの設計が臨 床的に関連するウイルス分離体に対して機能性であることを示している。 gp160ベースのワクチン、rev−gp160及びtPA−gp160は 、マウス及び非ヒト霊長類において持続的な抗体応答を誘発し得なかったか又は 低抗体価しか生成しなかった。tPA−gp143プラスミドを用いた本発明の 初期の結果から、2回の予防接種後のマウス及びAGMにおいて>103の幾何 学的平均タイターを得た。これらのデータは、本発明者が、発現レベルを増大さ せることによりgp160様ワクチンの免疫原性を有意に向上させたことを示し ている。この構築物並びにtPA−gp143/mutRRE A及びBベクタ ーにより、抗体応答、特にウイルスの中和が特徴づけられ続けることであろう。 gp120DNAの予防接種により、テストした全てのリンパ球区分(脾臓、血 液、鼡径部、腸間膜及び腸骨節)において、TH1様サイトカイン分泌プロフィ ール(即ち、g−インターフェロン及びIL−2が産生したが、IL−4は殆ど 又は全く産生しない)を有する有効なヘルパーT細胞応答が生起したことは重要 である。これらのサイトカインは、一般に強力な細胞性免疫を促進し、HIV血 清反応陽性患者の無病状態の維持に関与している。リンパ節は、ウイルスが血液 中では容易に検出し得ないときでさえ大量のウイルスを保有している初期HIV 複製部位であることが証明されている。本発明のDNAワクチンで示されたよう な、種々のリンパ部位で抗HIV免疫応答を誘発し得るワクチンは、初感染後の リンパ系のコロニー形成の阻止を支援し得る。 先に述べたように、本発明者は、以下の目標を達成することがこのプログラム の成功のチャンスを最大限にするために必須であると考える:(1)霊長類にお ける強力な中和抗体応答を生起させ得るenvベースベクター;(2)霊長類に おけるCTL及びヘルパーエフェクター機能を特徴とする強力なTリンパ球応答 を誘発するgag及びenvベクター;(3)本発明 のワクチンにおける臨床的に関連するHIV−1株由来のenv及びgag遺伝 子の使用、及び該遺伝子が誘発する免疫応答、特に初代分離体の中和の特性決定 ;(4)適切な最適化ワクチンを用いたチンパンジー/HIV(IIIB)又はア カゲザル/SHIVなどの動物チャレンジモデルにおける感染防御の証明;及び (5)臨床使用に適切な免疫応答の持続期間の測定。上記目標の最初の3項目に 関しては有意な進展が見られ、本発明の最近のgp160及びgagに対する予 防接種構築物がこれらの初期の結果を改善するかどうかを決定する実験が進行中 である。 実施例4 ワクチン製造用ベクター A. V1Jneo発現ベクター: アンピシリンは大規模発酵槽では使用し得ないのでV1Jを保有する細菌の抗 生物質の選択にあたってはampr遺伝子を除去することが必要であった。V1 JのpUCバックボーン由来のampr遺伝子を、SspI及びEamI 10 51制限酵素で消化して除去した。残留プラスミドをアガロースゲル電気泳動に かけて精製し、T4DNAポリメラーゼで平滑末端と し、次いでウシ腸アルカリホスファターゼで処理した。トランスポゾン903か ら誘導され、pUC4Kプラスミド内に含まれる市販のkanr遺伝子をPst I制限酵素で切断し、アガロースゲル電気泳動にかけて精製、T4DNAポリメ ラーゼで平滑末端とした。このフラグメントをV1Jバックボーンと連結し、い ずれかの配向でkanr遺伝子を含むプラスミドを誘導し、これをV1Jneo #1及び3と称した。これらのプラスミドのそれぞれを、制限酵素消化分析、結 合領域のDNA配列決定により確認すると、V1Jと類似の量のプラスミドが生 成することが示された。異種遺伝子産物の発現もこれらのV1Jneoベクター と同等であった。本発明者は、発現構築物としてV1Jのampr遺伝子と同じ 配向でkanr遺伝子を含む、以後V1Jneoと称されるV1Jneo#3を 任意に選択した。 B. V1Jns発現ベクター: 統合研究を容易にするために、V1JneoにSfiI部位を加えた。市販の 13塩基対SfiIリンカー(New England Biolabs)をベ クターのBGH配列内のKpnI部位に加えた。V1JneoでKpnIと線状 にし、ゲ ル精製し、T4DNAポリメラーゼで平滑末端とし、平滑SfiIリンカーに連 結した。クローナル分離体を制限マッピングにより選択し、リンカーを介した配 列決定により確認した。新規ベクターをV1Jnsと称した。(SfiIを含む )V1Jnsにおける異種遺伝子の発現は(KpnIを含む)V1Jneoにお ける同一遺伝子の発現と比較し得るものであった。 C. V1Jns−tPA: 分泌型タンパク質及び/又は膜タンパク質に対して異種のリーダーペプチド配 列を得るために、V1Jnをヒト組織特異プラスミノーゲンアクチベーター(t PA)リーダーを含めるように改変した。2つの合成相補オリゴマーをアニーリ ングし、次いで、BglII消化したV1Jnに連結した。センス及びアンチセン スオリゴマーは、5’−GATC ACC ATG GAT GCA ATG AAG AGA GGG CTC TGCTGT GTG CTG CTG C TG TGT GGA GCA GTC TTC GTT TCG CCC A GC GA−3’、配列番号18;及び5’−GAT CTC GCT GGG CGA AAC GAA GAC TGC TCC ACA CAG CAG CAG CAC ACA GCA GAG CC C TCT CTT CAT TGC ATC CAT GGT−3’であった 。センスオリゴマー中Kozak配列には下線を付してある。これらのオリゴマ ーはBglII切断配列への連結に適合したオーバーハング塩基を有している。連 結後、上流のBglII部位を破壊し、下流のBglIIをその後の連結用に保持す る。両接合部位及び全tPAリーダー配列をDNA配列決定して確認した。さら に、本発明の共通最適化ベクターV1Jns(=SfiI部位を含むV1Jne o)と一致させるために、KpnI部位をT4DNAポリメラーゼで平滑とし、 次いでSfiIリンカー(カタログ#1138、New England Bi olabs)と連結して、V1Jn−tPAのBGHターミネーター領域内のK pnI部位にSfiI制限部位を配置した。この改変を制限消化及びアガロース ゲル電気泳動により確認した。 実施例5 I. HIVenvワクチン構築物分泌型env由来抗原(gp120及びgp140)を生成するワクチン : REV依存性env遺伝子をgp120として以下の方法で 発現させた:天然リーダーペプチド配列(V1Jns−gp120)を用いるか 又は天然リーダーペプチドを置き換える組織−プラスミノーゲンアクチベーター (tPA)リーダーペプチドとの融合体(V1Jns−tPA−gp120)と してHIVのMN株からgp120をPCRクローン化した。tPA−gp12 0nの発現はREV依存性であることが示された〔B.S.Chapmanら, Nuc.Acids Res.19,3979(1991);他のリーダー配列 はgp120遺伝子のREV依存性の付与において類似の機能を果たすであろう ことに留意されたい〕。これは、上記ベクターを用いて以下のgp120構築物 を形成することにより達成された: 実施例6 gp120ワクチン構築物 : A. V1Jns−tPA−HIVMNgp120: ペプチドリーダー配列の最初の30個のアミノ酸を除去し、V1Jns−tP Aへのクローン化を容易にして、tPAリーダーペプチド、アミノ酸残基30の 後の残留gp120配列からなるキメラタンパク質を形成するするように設計し たオリゴマーを用いてHIVMNgp120遺伝子(Medimmun e)をPCR増幅した。このように設計することにより、このプラスミドを保有 する細胞からのREV依存性gp120の発現及び可溶性gp120の分泌が可 能になる。用いたセンス及びアンチセンスオリゴマーは、5’−CCC CGG ATC CTG ATC ACA GAA AAA TTG TGG GTC ACA GTC−3’、及び5’−C CCC AGG AATC CAC CTG TTA GCG CTT TTC TCTCTG CAC CAC T CT TCT C−3’であった。翻訳終結コドンには下線が付されている。こ れらのオリゴマーは、翻訳読み取りフレームのいずれかの末端にBamHI制限 酵素部位を含み、BclI部位はセンスオリゴマーのBamHIに対して3’に 位置している。PCR産物を逐次Bc1I、BamHIで消化し、BglII消化 し、次いでウシ腸アルカリホスファターゼ処理しておいたV1Jns−tPAに 連結した。得られたベクターを配列決定して、tPAリーダーとgp120コー ド配列の間のフレーム内融合を確認し、gp120の発現及び分泌をトランスフ ェクトされたRB細胞のイムノブロット分析により確認した。 B. V1Jns−tPA−HIVIIIBgp120: このベクターは、gp120配列にHIVIIIB株を用いたこと以外はI.A .に類似である。用いたセンス及びアンチセンスPCRオリゴマーはそれぞれ: 5’−GGT ACA TGA TCA CA GAA AAA TTG TG G GTC ACA GTC−3’、及び5’−CCA CAT TGA TC A GAT ATC TTA TCT TTT TTC TCTCTG CAC CAC TCT TC−3’であった。これらのオリゴマーは、挿入体のいず れかの末端にBclI部位を、また3’末端のBclI部位のすぐ上流にEco RVを提供する。5’末端のBclI部位により、tpAリーダー配列及びその 天然リーダー配列を含まないgp120をコードするキメラtpA−gp120 遺伝子を形成するためのV1Jns−tPAのBglII部位への連結が可能にな る。連結産物を制限消化及びDNA配列決定により確認した。 実施例7 gp140ワクチン構築物 : これらの構築物は、天然リーダーの代わりにtPAリーダーを用いてtPA− gp120と同じようにPCRにより作製したが、該遺伝子を膜貫通型ペプチド のNH2末端の後で終結さ せて分泌型抗原を産生するように設計した(計画されたカルボキシ末端アミノ酸 配列=NH2...−TNWLWYIK−COOH)。gp120産生構築物とは異 なり、gp140構築物はオリゴマー抗原を産生し、2F5モノクローナル抗体 によって範囲が定められるELDKWAなどの既知gp140含有抗体中和エピ トープを保持するであろう。 構築物は、gp120とgp41の接合部のgp160タンパク質分解性切断 部位を保持する(B)か、又はKienyら,Prot.Eng.2:219− 255(1988)により記載されたような適切なアミノ酸置換により排除する (A)かによって2つの形態(A又はB)で作製した。(野生型配列=NH2−. ..KAKRRVVQREKR...COOH、及び変異配列=NH2−...KAQN VVQHQ...COOH(変異アミノ酸には下線が付されている)。 A. V1Jns−tPA−gp140/mutRRE−A/SRV−1 3’ −UTR(HIV−1IIIBをベースとする この構築物は、以下のセンス及びアンチセンスPCRオリゴマー:5’−CT GAA AGA CCA GCA ACT CCT AGG GAAT TT G GGG TTG CTC TG G−3’、及び5’−CGC AGG GGA GGT GGT CTA GA T ATC TTA TTA TTT TAT ATA CCA CAG CC A ATT TGT TAT G−3’を用いて(最適化RRE−Aセグメント を含む)ベクターIVBからPCRによりAvrII/EcoRVセグメントを得 た。合成遺伝子セグメントとして作製した、Simian Retroviru s−1(SRV−1、以下参照)由来の3’−UTRを、gp140読み取りフ レームの3’末端のすぐ後に導入したSrfI制限酵素部位に挿入した。このU TR配列は先にHIVenv及びgagのrev依存性発現を容易にするものと して記載した。 B. V1Jns−tPA−gp140/mutRRE−B/SRV−1 3’ −UTR(HIV−1IIIBをベースとする) : この構築物は、出発物質として構築物IVCを用いることによりenvタンパ ク質分解性切断部位が保持されていること以外はIIAと類似である。 C. V1Jns−tPA−gp140/opt30−A(HIV−1IIIBをベ ースとする) : この構築物は、AvrII及びSrfI制限酵素消化、次いで gp30に対応するが翻訳に最適なコドン(以下のgp32−opt参照)から なる合成DNAと連結したIVBから誘導された。gp30−optDNAは、 gp32−optから、それぞれ以下のセンス及びアンチセンスオリゴマー:5 ’−GGT ACA CCT AGG CAT CTG GGG CTG CT C TGG−3’、及び5(−CCA CAT GAT ATC G CCC GGG C TTA TTA TTT GAT GTA CCA CAG CC A GTT GGT GAT G−3’を用いてPCR増幅した。このDNAセ グメントをAvrII及びEcoRV制限酵素で消化し、AvrII及びSrfIで 消化して対応DNAセグメントを除去しておいたV1Jns−tPA−gp14 3/opt32−A(IVD)に連結した。得られた生成物を連結接合部のDN A配列決定及びイムノブロット分析により確認した。 D. V1Jns−tPA−gp140/opt30−B(HIV−1IIIBをベ ースとする) : この構築物は、envタンパク質分解性節電部位を保持したこと以外はIICと 類似である。 E. V1Jns−tPA−gp140/opt all− : この構築物のenv遺伝子は、完全に最適コドンからなる。不変領域(C1、 C5、gp32)は、IVB、D、Hに記載されているものであり、可変領域1 〜5に対応する追加の合成DNAセグメントは、翻訳に最適なコドン(HIV− 1 MNV1−V5ベースの以下の例を参照)からなる合成DNAセグメントを 用いて挿入する。 F. V1Jns−tPA−gp140/opt all− : この構築物は、envタンパク質分解性切断部位を保持したこと以外はIIEと 類似である。 G. V1Jns−tPA−gp140/opt all−A (非IIIB株) : この構築物は、IIIB以外のカブ由来のenvアミノ酸配列を用いて可変(V 1−V5)領域全体の最適コドン利用を決定したこと以外は上記IIEと類似であ る。 H. V1Jns−tPA−gp140/opt all−B非IIIB株): この構築物は、envタンパク質分解性切断部位を保持した こと以外はIIGと類似である。 実施例8 gp160ワクチン構築物 : 構築物は、gp160タンパク質分解性切断部位が上述の通りであるかどうか により2つの形態(A又はB)で作製した。 A. V1Jns−rev/env: このベクターは上記セクションDに記載のものの変異形である。但し、エキソ ン1の全tatコード領域はREV読み取りフレームの開始部までが欠失してい る。V1Jns−gp160IIIB(上記セクションA参照)をPstI及びKp nI制限酵素で消化してgp160遺伝子の5’領域を除去した。PCR増幅に より、HXB2ゲノムクローン由来のgp160のKpnI部位までの最初のR EVエキソンをコードするDNAセグメントを得た。センス及びアンチセンスP CRオリゴマーは、それぞれ:5’−GGT ACA CTG CAG TCA CCG TCC T ATG GCA GGA AGA AGC GGA G AC−3’、及び5’−CCA CAT CA GGT ACC CCA TA A TAG ACT GTG ACC−3’であった。これらのオリゴマーは、 それぞれDNAフラグメン トの5’末端及び3’末端のPstI及びKpnI制限酵素部位を提供する。得 られたDNAをPstI及びKpnIで消化し、アガロース電気泳動ゲルから精 製し、V1Jns−gp160(PstI/KpnI)と連結した。得られたプ ラスミドを制限酵素消化により確認した。 B. V1Jns−gp160: HIVIIIbクローンHXB2由来のHIVIIIbゲノムの半分の3’末端を含む プラスミドpF412からPCR増幅によりHIVIIIbgP160をクローン化 した。PCRセンス及びアンチセンスオリゴマーはそれぞれ、5’−GGT A CA TGA TCA ACC ATG AGA GTG AAG GAG A AA TAT CAG C−3’、及び5’−CCA CAT TGA TCA GAT ATC CCC ATC TTA TAG CAA AAT CCT TTC C−3’であった。Kozak配列及び翻訳終結コドンには下線を付 してある。これらのオリゴマーは、env遺伝子の両末端の翻訳読み取りフレー ムの外側のBc1I制限酵素部位を提供する。(BclI消化部位は、BglII 消化部位との連結に適合しており、それによって両制限酵素に対する感受性が失 われる。gp160のP CRクローン化にBclIを選んだ理由は、該遺伝子が内部BglII部位とBa mHI部位とを含んでいるからである)。アンチセンスオリゴマーにはさらに、 他のPCR由来の遺伝子について上述したBclI部位の直前にEcoRV部位 を挿入する。増幅されたgp160遺伝子をアガロースゲル精製し、BclIで 消化し、V1Jnsに連結した。該V1Jnsは、BglIIで消化し、ウシ腸ア ルカリホスファターゼで処理しておいた。クローン化遺伝子は約2.6kbの大 きさであり、gp160のV1Jnsとの各接合部をDNA配列決定により確認 した。 C. V1Jns−tPA−gp160(HIV−1IIIBをベースとする): このべクターは上記実施例1(C)に類似である。但し、全長のgp160を 天然リーダー配列を用いずにPCRにより得た。センスオリゴマーはI.Cに用 いたものと同じであり、アンチセンスオリゴマーは、5’−CCA CAT T GA TCA GAT ATC CCC ATC TTA TAG CAA A AT CCT TTC C−3’であった。これらのオリゴマーは、挿入体のど ちらかの末端にBclIIを、また3’末端の BclI部位のすぐ上流にEcoRVを提供する。5’末端のBclI部位は、 tPAリーダー配列及び天然リーダー配列を含まないgp160をコードするキ メラtPA−gp160遺伝子を形成するためのV1Jns−tPAのBglII 部位への連結を可能にする。連結生成物を制限消化及びDNA配列決定により確 認した。 D. V1Jns−tPA−gp160/optC1/opt41−A(HIV −1IIIBをベースとする) : この構築物は、gp22よりむしろC5及びgp41の完全な最適化コドンセ グメントを有するIVHをベースとし、追加の最適化コドンセグメント(以下参 照)がtPAリーダーの後のgp120のアミノ末端でC1に置き換わる。該新 規C1セグメントを、以下のPCRオリゴマー:5’−CCT GTG TGT GAG TTT AAA C TGC ACT GAT TTG AAG A AT GAT ACT AAT AC−3’を用いてSOE PCRにより残留 gp143セグメントに結合し、結合したC1/143セグメントを合成した。 得られたgp143遺伝子は、V1−V5領域を除いて最適コドン利用を含み、 他のHIV遺伝子由来の可変領域を挿入するためのC1 とV1の接合部に位置する非反復PmeI制限酵素部位を有する。 E. V1Jns−tPA−gp160/optC1/opt41−B(HI V−1IIIBをベースとする) : この構築物はenvタンパク質分解性切断部位を保持したこと以外はIIIDと 類似である。 F. V1Jns−tPA−gp160/opt all−A(HIV−1IIIB をベースとする) : この構築物のenv遺伝子は、上述のように完全に最適コドンからなる。不変 領域(C1、C5、gp32)は、(全ての完全に最適化されたgp160に用 いられる)カセットとして用いられる、IIID、Eに記載のものであるが、可変 領域(V1−V5)は最適コドンからなる合成DNAセグメント由来である。 G. V1Jns−tPA−gp160/opt all−B: この構築物はenvタンパク質分解性切断部位を保持したこと以外はIIIFと 類似である。 H. V1Jns−tPA−gp160/opt all−A (非IIIB株) : この構築物は、IIIB以外の株由来のenvアミノ酸配列を用いて可変(V1 −V5)領域全体の最適コドン利用を決定したこと以外は上記IIIFと類似であ る。 I. V1Jns−tPA−gp160/opt all−B(非IIIB株): この構築物はenvタンパク質分解性切断部位を保持したこと以外はIIIHと 類似である。 実施例9 gp143ワクチン構築物 : これらの構築物は上記の他のtPA含有構築物(tPA−gp120、tPA −gp140及びtPA−gp160)と同じようにPCRにより作製した。但 し、天然のリーダーの代わりにtPAリーダーを用い、末端にCOOHを有する 膜結合envを生成するように設計した(計画された細胞内アミノ酸配列=NH2 −NRVRQGYSP−COOH)。この構築物は、tPAの導入を伴うen vの発現を増大させることと、envの細胞内部分に対応する転写産物又はペプ チド領域が発現又はタンパク質の安定性/細胞表面に対する輸送に悪影響を与え る 可能性を最小限にすることとの両立を目的として設計した。構築物は、上記のよ うにgp160タンパク質分解性切断部位を除去したか、又は保有したかに応じ て2つの形態(A又はB)で作製した。gp143が切り取られた後に残留する gp41フラグメントはgp32と称される。 A. V1Jns−tPA−gp143: この構築物は、以下のセンス及びアンチセンスPCRオリゴマー:5’−GG T ACA TGA TCA CA GAA AAA TTG TGG GTC ACA GTC−3’、及び5’−CCA CAT TGA TCA G C CC GGG C TTA GGG TGA ATA GCC CTG CCT CAC TCT GTT CAC−3’を用い、プラスミドpF412を用い てPCRにより作製した。得られたDNAセグメントは、どちらかの末端に、e nv読み取りフレームに対して3’末端のすぐ後に位置する、SrfI部位で消 化したV1Jns−tPA/BglIIにクローン化するためのBclI制限部位 を含む。構築物を連結接合部のDNA配列決定及びトランスフェクトされた細胞 のイムノブロット分析により確認した。 B. V1Jns−tPA−gp143/mutRRE−A: この構築物は、非反復MunI制限酵素部位及びその下流の上記SrfI部位 を用いてDNAセグメントを切断したIVAをベースとする。このセグメントは 、gp120のC5ドメインの一部及びgp32全体に対応する。翻訳最適コド ンからなるgp160の〜350bpのrev応答成分(RRE A)に対応す る合成DNAセグメントを、2つのセグメントの接合部にAvrII制限酵素部位 を形成する(但しアミノ酸配列には変化がない)スプライスオーバーラップ延長 (SOE)PCRにより残留gp32セグメントに結合した。これらのPCR反 応は、gp32含有ドメインを生成させるために、それぞれ以下のセンス及びア ンチセンスPCRオリゴマー:5’−CTGAA AGA CCA GCA A CT CCT AGG GAT TTG GGG TTG CTG TGG − 3’、及び5’−CCA CAT TGA TCA G CCC GGG C TTA GGG TGA ATA GCC CTG CCT CAC TCT GTT CAC−3’(IVAを得るためのアンチセンスオリゴマーとして用い た)を用いて行った。変異型RRE(mutRRE−A)セグメントを、以下の センスオリゴマー、5’−GGT ACA CAA TTG GAG GAG CGA GTT ATA TAA ATA TAA G−3’と、gp32セグメントの 作製に用いたアンチセンスオリゴマーとを用いてSOE PCRによりgp32 の野生型配列に結合した。得られた結合DNAセグメントをMunI及びSrf I制限酵素で消化し、親のgp143/MunI/SrfI消化プラスミドに連 結した。得られた構築物を連結体及びSOE PCR接合部のDNA配列決定及 びトランスフェクトされた細胞のイムノブロット分析により確認した。 C. VIJns−gp143/mutRRE−B: この構築物は、mutRRE−Aの代わりにmutRRE−B合成遺伝子セグ メントを用いてenvタンパク質分解性切断部位を保持したこと以外はIVBと 類似である。 D. V1Jns−tPA−gp143/opt32−A: この構築物は、AvrII及びSrfI制限酵素による消化、その後のgp32 に対応するが翻訳最適コドン(以下のgp32opt参照)からなる合成DNA セグメントの連結によりIVBから誘導した。得られた生成物を連結接合部のD NA配列決定及びイムノブロット分析により確認した。 E. V1Jns−tPA−gp143/opt32−B: この構築物は、初期プラスミドとしてIVCを用いることによりenvタンパ ク質分解性切断部位を保持したこと以外は、IVDと類似である。 G. V1Jns−tPA−gp143/SRV−1 3’UTR: この構築物は、Simian Retrovirus−1(SRV−1,以下 参照)由来の3’−UTRを、gp143読み取りフレームの3’末端のすぐ後 に導入したSrfI制限酵素部位に挿入したこと以外はIVAと類似である。こ のUTR配列はHIVenv及びgagのrev依存性発現を容易にするものと して先に記載されている。 H. V1Jns−tPA−gp143/optC1/opt32A: この構築物は、C5及びgp32の完全な最適化コドンセグメントを有するI VDをベースとし、追加の最適化コドンセグメント(以下参照)はtPAリーダ ーの後のgp120のアミノ末端でC1を置き換える。新規なC1セグメントを 、以下のPCR用オリゴマー:5’−CCT GTG TGT GAG TTT AAA C TGC ACT GAT TTG AAG AAT GAT ACT AAT AC−3’を用い、SOE PCRにより残 留gp143セグメントに結合して、結合C1/143セグメントを合成した。 得られたgp143遺伝子は、V1−V5領域を除き最適コドン利用を含み、他 のHIV遺伝子由来の可変領域を挿入するための、C1とV1の接合部に配置さ れた非反復PmeI制限酵素部位を有する。 I. V1Jns−tPA−gp143/optC1/opt32B: この構築物は、envタンパク質分解性切断部位を保持したこと以外はTVH と類似である。 J. V1Jns−tPA−gp143/opt all−A: この構築物のenv遺伝子は、完全に最適コドンからなる。 不変領域(C1、C5、gp32)は4B、D、Hに記載のものであり、可変領 域V1−V5に対応する追加の合成DNAセグメントは、翻訳用最適コドンから なる合成DNAセグメントを用いて挿入する。 K. V1Jns−tPA−gp143/opt all−B: この構築物は、envタンパク質分解性切断部位を保持したこと以外はIVJ と類似である。 L. V1Jns−tPA−gp143/opt all−A(非IIIB株): この構築物は、IIIB以外の株由来のenvアミノ酸配列を用いて可変(V1 −V5)領域全体の最適コドン利用を決定したこと以外は上記IIIGと類似であ る。 M. V1Jns−tPA−gp143/opt all−B(非IIIB株): この構築物は、IIIB以外の株由来のenvアミノ酸配列を用いて可変(V1 −V5)領域全体の最適コドン利用を決定したこと以外は上記IIIGと類似であ る。 実施例10 gp143/glyBワクチン構築物 これらの構築物は、天然リーダーの代わりにtPAリーダーを用い、上記の他 のtPA含有構築物(tPA−gp120、tPA−gp140、tPA−gp 143及びtPA−gp160)と同じようにPCRにより作製した。gp14 3の場合と同様にCOOH末端を有する膜結合envを生成するように 設計した、しかし、gp143/glyB構築物は、細胞内ペプチドドメインを 含むように計画された6個のアミノ酸のうち最後の4個がヒトグリコホリンB( glyB)タンパク質のカルボキシル末端におけるものと同じであるという点で gp143と異なる〔計画された細胞内アミノ酸配列=NH2−NRLIKA− COOH(下線を付した残基はg1yBに対応し、「R」はenvとglyBに 共通である)〕。この構築物は、さらなるenv発現を得る目的で設計され、発 現又はタンパク質安定性/細胞表面に対する輸送に悪影響を与えかねないenv の細胞内部分に対応する転写産物又はペプチド領域を、短い細胞質ドメインを有 する豊富に発現したタンパク質(glyB)由来のペプチド配列で置き換えて、 前記転写産物又はペプチド領域を完全に排除することにより細胞表面に対する標 的化を誘導した(細胞内アミノ酸配列=NH2−RRLIKA−COH)。構築 物は、上記のようにgp160タンパク質分解性切断部位を除去するか、又は保 持するかにより2つの形態(A又はB)で作製した。 A. V1Jns−tPA−gp143/opt32−AlyB: この構築物は、以下のアンチセンスPCRオリゴマー:5’−CCA CAT GAT ATC G CCC GGG C TTA TTA GGC CTT GAT CAG CCG GTT CAC AAT GGA CAG CAC AGC−3’を用いて、gp143の細胞内ペプチドドメインを上記のグリコ ホリンBのものと置き換えたこと以外はIVDと同じである。 B. V1Jns−tPA−gp143/opt32−B/lyB: この構築物は、envタンパタ質分解性切断部位を保持したこと以外はVAと 類似である。 C. V1Jns−tpA−gp143/optC1/opt32−A/gly : この構築物は、gp120の最初の不変領域(C1)をIVHの場合のように 翻訳最適コドンで置き換えること以外はVAと同じである。 D. V1Jns−tPA−gp143/optC1/opt32−B/gly : この構築物は、envタンパク質分解性切断部位が保持されていること以外は VCと類似である。 E. V1Jns−tPA−gp143/opt all−A/glyB: この構築物のenv遺伝子は完全に上記最適コドンからなる。 F. V1Jns−tPA−gp143/opt all−B/glyB: この構築物は、envタンパク質分解性切断部位が保持されていること以外は VEと類似である。 G. V1Jns−tPA−gp143/opt all−A/glyB(非II IB株) : この構築物は、IIIB以外の株由来のenvアミノ酸配列を用いて可変(V1 −V5)領域全体の最適コドン利用を決定したこと以外はIIIBと類似である。 H. V1Jns−tPA−gp143/opt all−B/glyB(非II IB株) : この構築物は、envタンパク質分解性切断部位が保持されえいること以外は VGと類似である。可変ループを欠失するHIVenvワクチン構築物 : これらの構築物には、上記にリストした全てのenv形態(gp120、gp 140、gp143、gp160、gpl 43/glyB)が含まれ得るが、該構築物は、製造中にgp120領域内の可 変ループ(例えば、V1、V2及び/又はV3)を欠失させた。これらの改変の 目的は、CD4接合部位などの保存された中和エピトープの露出を妨げ得るペプ チドセグメントを排除することにある。例えば、PCR反応において以下のオリ ゴマー:5’−CTG ACC CCC CTG TGT GTG GGG G CT GGC AGT TGT AAC ACC TCA GTC ATT A CA CAG−3’を用いてV1/V2欠失部をつくり、隣接するTHE C1 及びC2セグメントを得た。 実施例11 env遺伝子の発現を増大させるための合成遺伝子セグメントの設計 : 遺伝子セグメントを、同一翻訳配列(注記した箇所を除く)を有するがJ.M olec.Biol.第183巻,1〜12ページ(1985)の“Synth etic Oligonucleotide Probes Deduced from Amino Acid Sequence Data:Theore tical and Practical Conside rations”と題する研究論文でR.Latheが定義した代替えコドン利 用を含む配列に変換した。HIVenv遺伝子セグメントのrev依存性発現を 増大させるための以下に記載の方法は、哺乳動物細胞中で該遺伝子を効率的に発 現させることが不可能であることが公知であるが、それは全転写産物組成物を用 いることによるとの本発明者の仮説に基づくものであった。例えば、同じタンパ ク質配列をコードする代替えコドンを用いてrev不在下のenv発現の制約を 除去し得る。env内のコドン利用を調べると、コドンの大部分が高度に発現さ れたヒト遺伝子では滅多に利用されていないコドンであることが判明した。利用 した特異的コドン置換法は、Latheらのデータを用いて以下のように説明し 得る: 1. 正しい読み取りフレームに対するコドンの配置を同定する; 2. 観察されたヒト遺伝子による利用頻度に関して野生型コドンを比較する (Latheらの表3を参照)。 3. コドンが最も一般的に用いられているものでない場合、該コドンを表5 のデータに基づいて高発現に最適なコドンと置き換える。 4. 新規なコドンの第3ヌクレオチドと、第1のヌクレオチドの3’末端の すぐ後の隣接コドンの第1ヌクレオチドを調べる。5’−CG−3’のペア形成 が、該新規なコドンの選択により形成された場合には、該コドンを表5に示され ている選択されたものと置き換える。 5. 全遺伝子セグメントが置き換えられるまで上記手順を繰り返す。 6. 新規な遺伝子配列を、これらのコドン置換により生成した望ましくない 配列(例えば、「ATTTA」配列、不注意によるイントロンスプライス認識部 位の形成、不要な制限酵素部位など)について調べ、これらの配列を排除するコ ドンと置き換える。 7. 合成遺伝子セグメントを集め、発現の改良についてテストする。 これらの方法を用い、HIVenvを得るための、全体が発現に最適なコドン 利用からなる遺伝子を形成する以下の合成遺伝子セグメントを形成した:(i) gp120−C1(opt);(ii)V1−V5(opt);(iii)RRE− A/B(mut又はopt);及び(iv)gp30(opt)。各セ グメントに関し、それぞれ56/19、73/26、78/28及び61/25 のコドン置換/ヌクレオチド置換率を得た。これらのセグメントはそれぞれ、以 下にリストした実際の配列と共に上記に詳細に記載されている。 gp120−C1(opt) これは、発現に最適なコドン利用を有するように設計された、成熟N末端から V1の始めまでのgp120不変領域1(C1)遺伝子セグメントである。 MN v1−V5(opt) これは、発現に最適なコドン利用を有するHIV MN V1−V5誘導タン パク質配列(1066bp)に対応する遺伝子セグメントである。 RRE.Mut(A) これは、発現に最適なコドン利用からなるHIV−1のrev応答成分(RR E)に対応するDNAセグメントである。「A」形態も、太字で示されているヌ クレオチドを用いてgp120/gp41接合部の既知タンパク質分解性切断部 位を除去してある。 RRE.Mut(B) これは、発現に最適なコドン利用からなるHIV−1のrev応答成分(RR E)に対応するDNAセグメントである。「B」形態はgp120/gp41接 合部に既知タンパク質分解性切断部位を保持している。 gp32(opt) これは、(RREの末端のすぐ後で始まる)AvrII部位から発現に最適なコ ドンからなるgp143の末端までのgp32遺伝子セグメントである。 SRV−1 CTE(A) これは、Simian Retrovirus−1ゲノム由来の3’−UTR に対応する合成遺伝子セグメントである。このDNAを以下の配向でHIV遺伝 子の3’末端に挿入して、rev依存性発現を増大させる。 SRV−1 CTE(B) この合成遺伝子セグメントは、単一のヌクレオチド変異(太字で示されている )を用いてATTTA配列を除去したこと以外は、上記に示されているSRV− 1 CTE(A)と同一である。この配列はmRNAの回転の増大に関与してい る。 実施例11 in vitro gp120ワクチンの発現 : これらの構築物に関し、トランスフェクトされたヒト横紋筋肉腫(RD)細胞 でin vitro発現をテストした。トランスフェクトされたRD細胞由来の 分泌型tPA−gp120の定量により、V1Jns−tPA−gp120ベク ターが分 泌型gp120を産生することが示された。in vivogp120予防接種 図12(マウスデータ)参照: V1Jns−tPA−gp120MNPNV誘発クラスIIMHC拘束T リンパ球gp120特異抗原の反応性 200μgのV1Jns−tPA−gp120MNを用いて2回予防接種してお いたBalb/cマウスを殺し、組換えgp120に対するヘルパーTリンパ球 の反応性をin vitro定量するために該マウスの脾臓を抽出した。PBM C(末梢血単核細胞)に関し、4×105細胞/mlに対して組換えgp120I IIB (Repligen,カタログ#RP1016−20)を5μg/mlで用 いてT細胞増殖アッセイを行った。これらの細胞を培地のみで培養して、該細胞 による3H−チミジン取り込みの基準レベルを得、2μg/mlのConA刺激 を用いて最大増殖を誘発した。ConA誘発反応性は〜3日目にピークに達し、 その時点で培地対照試料と共に収穫し、抗原処理試料は5日目に追加の培地対照 と共に収穫した。予防接種を受けたマウスの応答を予防接種を受けていない同年 令の同系マウスと比較した。ConA陽性対照は予想通り予防接種を受 けていないマウスにも免疫感作したマウスにも極めて高い増殖を与えた。予防接 種したマウスをgp120処理して極めて強力なヘルパーT細胞記憶応答を得た が、子防接種をしなかったマウスは応答しなかった〔比反応性のしきい値は>3 〜4の刺激指数(SI)である;SIは試料cpm/培地cpm比として計算す る〕。予防接種したマウスでは、該マウスのそれぞれ5,643及び11,90 0の抗gp120ELISAタイターに対応する65及び14のSIを得た。興 味深いことには、これら2匹のマウスの場合、抗体に対する応答が高いマウスの 方が、抗体価が低いマウスより著しく低いT細胞反応性を示した。この実験は、 分泌型gp120ベクターがin vivoで効率的にヘルパーT細胞を活性化 すると同時に強力な抗体応答を生起することを証明している。さらに、これらの 免疫応答はいずれも、PNVの接種によりコードされるものに対して異種である 抗原(IIIB対MN)を用いて定量した。 実施例12 gp160ワクチン : 本発明者は、分泌型gp120構築物の他に、全長の膜結合gp160を発現 させる構築物を作製した。gp120に加え てgp160構築物を作製した理論的根拠は、(1)より多くのエピトープが、 CTL刺激にも、強力なHIV中和モノクローナル抗体(2F5、上記参照)を 誘導する、gp41を含めた中和抗体の産生にも利用し得ること;(2)ウイル ス産生gp160に関してより天然に近いタンパク質構造が得られること;及び (3)免疫原性を得るための膜結合インフルエンザHA構築物が成功したこと〔 Ulmerら,Science 259:1745−1749,1993;D. Montgomeryら,DNA and Cell Biol.12:77 7−783,1993〕である。gp160は、異種リーダーペプチド配列を用 いた場合でも、実質的なREV依存性を保持するので、REV不在下に発現を増 大させるべく他の構築物を作製した。 実施例13 HIV細胞傷害性Tリンパ球アッセイ : この項に記載の方法は、予防接種したマウスに用いたアッセイを示している。 実質的に類似のアッセイを霊長類にも用い得るが、但し、各動物に対する標的細 胞として用いるには自己由来のB細胞系を確立しなければならない。これは、ヒ トの場合 にはEpstein−Barrウイルスを用い、アカゲザルの場合にはB型ヘル ペスウイルスを用いて達成し得る。 新たに抽出した血液又は脾臓から末梢血単核細胞(PBMC)を採取し、Fi coll−Hypaque遠心分離を用いて赤血球と白血球を分離した。マウス の場合には、リンパ節を用いてもよい。エフェクターCTLは、PBMCからI L−2(20U/m)及びコンカナバリンA(2μg/ml)中で6〜120日 間in vitro培養するか、又は同数の放射線照射抗原提示細胞を用いた特 異抗原を用いることにより作製し得る。特異抗原は、用いられる動物のMHCハ プロタイプに対する既知CTL認識エピトープである合成ペプチド(通常9〜1 5アミノ酸)か、又は適切な抗原を発現するように工学的に合成されたワクシニ アウイルス構築物から構成し得る。標的細胞は、CTLのin vitro刺激 について記載したような適切な抗原を提示するように処理された同系又はMHC ハプロタイプ適合細胞系であってよい。Balb/cマウスの場合、P18ペプ チド(ArgIleHisIleGlyProGlyArgAlaPheTyr ThrThrLysAsn(配列番号51:HIV MN株用)を10μMの濃 度で用い、放射 線照射同系脾細胞を用いて、CTLをin vitroで再刺激し得る。該ペプ チドは、細胞傷害性アッセイにおいては、1〜10μMの濃度で、アッセイの約 2時間前に37℃でインキュベーションすることにより標的細胞の感作に用いる ことができる。これらのH−2dMHCハプロタイプマウスの場合、ネズミの肥 満細胞腫細胞系(P815)は良好な標的細胞を提供する。抗原感作標的細胞は 、CTLで殺し、標的を37℃で1〜2時間インキュベート(〜5×106細胞 に対し0.2mCi)し、その後で標的細胞を数回洗浄すると標的細胞の内部か ら放出されるNa51CrO4を積み込んでいる。CTL集団を、100:1、5 0:1、25:1などの変動エフェクター:標的比で標的細胞と混合し、一緒に ペレット化し、37℃で4〜6時間インキュベートしてから、上清を収穫し、次 いで、ガンマ計数管を用い、上清を放射能の放出についてアッセイする。細胞傷 害性は、標的細胞からの自発性放出を差し引いた(0.2%TritonX−1 00処理を用いて得た)標的細胞からの総放出可能カウントの百分率として計算 する。実施例14 HIV特異抗体アッセイ : 基質抗原として特異的組換えタンパク質又は合成ペプチドを用い、HIVに対 して産生される抗体を検出するようにELISAを設計した。96ウエルマイク ロタイタープレートを、4℃で一晩、揺動プラットフォーム上50μ/ウエルで 用いるPBS(リン酸緩衝生理的食塩水)溶液中2μgの組換え抗原でコートし た。抗原は、組換えタンパク質(gp120、rev:Repligen Co rp.;gp160、gp41:American Bio−Technolo gies,Inc.)又は合成ペプチド(IIIBなど由来のウイルス分離体配列 に対応するV3ペプチド:American Bio−Technologie s, Inc.;モノクローナル抗体2F5のgp41エピトープ)から構成し た。プレートを洗浄緩衝液(PBS/0.05%Tween20)で4回、次い で200μl/ウエルのブロッキング緩衝液(PBS/0.05%Tween− 20中1%Carnation無糖練乳液)を加えて1時間室温で揺動下にリン スした。免疫前血清及び免疫血清をブロッキング緩衝液に所望の稀釈度範囲で稀 釈し、1ウエルに付き100μlを加えた。プレートを室温で1時間揺動下にイ ンキュベートし、次いで、洗浄緩衝液で4回洗浄した。次いで、 各試料に、ブロッキング緩衝液に1:2,000稀釈した西洋ワサビペルオキシ ダーゼと結合した二次抗体(抗アカゲザルIg、Southern Biote chnology Associate;抗マウス及び抗ウサギIg、Jack son Immuno Reserach)を100μl/ウエルで加え、室温 で1時間揺動下にインキュベートした。プレートを洗浄緩衝液で4回洗浄し、次 いで、pH4.5の100mMクエン酸緩衝液中1mg/mlのo−フェニレン ジアミン(o−PD、Calbiochem)溶液100μl/ウエルを加えて 展開させた。動力学的に(反応の最初の10分問)及び10分及び30分の終末 点で450nmでの吸光度についてプレートの読み取り(Thermomaxマ イクロプレート読み取り機、Molecular Devices)を行った。実施例15 HIV中和抗体アッセイ : 予防接種した動物由来の血清を用い、以下のように、HIV分離体のin itro 中和アッセイを行った。テスト血清と免疫前血清を56℃で60分間熱 失活させてから用いた。滴定量のHIV−1を1:2系列稀釈のテスト血清に加 え、室温 で60分間インキュベートしてから、96ウエルマイクロタイタープレート中の 105MT−4ヒトリンパ球に加えた。ウイルス/細胞混合物を37℃で7日間 インキュベートし、テトラゾリウム染料で培養株を染色して細胞のウイルス媒介 性死滅化についてアッセイした。ウイルスの中和はウイルス媒介性細胞死の阻止 により認められる。 実施例16 臨床HIV分離体由来の遺伝子の分離 : ConA処理により活性化された感染PBMCからHIVウイルス遺伝子をク ローン化した。該ウイルス遺伝子を得るための好ましい方法は、所望の遺伝子を フランキングする特異的オリゴマーを用いて感染細胞のゲノムからPCR増幅す る方法であった。ウイルス遺伝子を得るための第2の方法は、感染細胞の上清か らウイルスRNAを精製し、該物質からcDNAを作製し、次いでPCRを行う 方法であった。この方法は、ネズミB7遺伝子のクローン化について上述した方 法に極めて類似した方法であるが、但し、PCRオリゴマーを用い、cDNAの 作製には特異的プライミングオリゴマーよりむしろランダムヘキサマーを用いた 。 感染細胞のペレットをSTE溶液(10mMのNaCl、10mMのEDTA 、10mMのTris−HCl、pH8.0)に溶解してケノムDNAを精製し 、これに、タンパク質分解酵素K及びSDSをそれぞれ0.1mg/ml及び0 .5%の最終濃度まで加えた。この混合物を56℃で一晩インキュベートし、0 .5容量のフェノール:クロロホルム:イソアミルアルコール(25:24:1 )で抽出した。次いで、0.3Mの最終濃度までの酢酸ナトリウム及び2容量の 冷エタノールを加えて水性相を沈降させた。溶液からDNAをペレット化した後 、該DNAを0.1×TE溶液(1×TE=10mMのTris−HCl、pH 8.0、1mMのEDTA)に再懸濁した。次いで、0.1%までのSDSと、 2UのリボヌクレアーゼAを加え、37℃で30分間インキュベートした。この 溶液をフェノール/クロロホルム/イソアミルアルコールで抽出し、次いで、上 記のようにエタノールで沈降させた。DNAを0.1×TEに懸濁し、その26 0nmでの紫外線吸光度を測定して定量した。試料をPCRに使用するまで−2 0℃で貯蔵した。 Perkin−Elmer Cetusキットを用い、以下のセンス及びアン チセンスオリゴマー:5’−GA AAG AGC AGA AGA CAG TGG CAA TGA−3’及び5’−G GG CTT TGC TAA ATG GGT GGC AAG TGG C CC GGG C ATG TGG−3’を用いてgp160を得るためのPC Rを実施した。これらのオリゴマーにより得られたDNAフラグメントの3’末 端にSrfI部位が加えられる。PCR誘導セグメントをV1Jns又はV1R 予防接種ベクター中にクローン化し、V3領域及び連結接合部位をDNA配列決 定により確認する。 実施例17 T細胞増殖アッセイ : PBMCを得、PBMC集団内での増殖により定量される特異抗原に対する記 憶応答についてテストする。収穫前の最後の18〜24時間のインキュベーシヨ ンの間に細胞培養株に3H−チミジンを加えて増殖をモニターする。細胞収穫装 置は、増殖が起こった場合にはフィルター上に同位元素含有DNAを保持するが 、静止細胞は遊離形態でフィルター上に保持されない同位元素を取り込まない。 げっ歯類又は霊長類の場合、合計200μlの完全培地(RPMI/10%ウシ 胎児血清)中の96ウエルマイクロタイタープレートに4×105個の細胞を平 板培養する。PBMC及び培地のみを用いてバックグラウンド増殖応答を定量し 、非特異的応答は、陽性対照として働く植物性血球凝集素又はコンカナバリンA (ConA)などのレクチンを1〜5μg/mlの濃度で用いて生起させる。特 異抗原は既知ペプチドエピトープ、精製タンパク質又は不活化ウイルスから構成 する。抗原濃度は、ペプチドの場合は1〜10μM、タンパク質の場合は1〜1 0μg/mlである。レクチン誘発性増殖は細胞培養株のインキュベーション3 〜5日目にピークに達するが、抗原特異応答は5〜7日目にピークに達する。特 異的増殖は、培地バックグラウンドの少なくとも3倍である放射線カウントが得 られたときに起こり、しばしばバックグラウンドに対する比又は刺激指数(SI )として示される。HIVgp160が、gp160/gp120免疫感作又は HIV感染個体にT細胞増殖を起こさせることが知られている数種のペプチドを 含むことは公知である。これらのうち最も一般的に用いられているのは:T1( LysGlnIleI1eAsnMetTrpGlnGluValGlyLys AlaMetTyrAla;T2(HisGluAspIleIleSerLe uTrpAspGlnSerLeuLys);及びTH4(A spArgValIleGluValValGlnGlyAalTyrArgA laIleArg)である。これらのペプチドは、抗原感作マウス、非ヒト霊長 類及びヒト由来のPBMCの増殖を刺激することが証明されている。 実施例18 ベクターV1Rの作製 : 本発明の基本的な予防接種ベクターを最適化しようとの継続的な試みにおいて 、本発明者はVIRと称されるV1Jnsの誘導体を作製した。このベクター構 築の目的は、最小サイズのワクチンベクター、即ち、全最適化異種遺伝子発現特 性及びV1j及びV1Jnsを生成する高プラスミド収率は保持するが、不必要 なDNAを含まないワクチンベクターを得ることであった。本発明者は、文献か ら又は実験により、(1)E.coli複製起源を含むpUCバックボーン内の 領域を細菌からプラスミド収率に影響を与えずに除去し得ること;(2)カナマ イシン読み取りフレーム後のkanr遺伝子の3’末端領域は、その代わりに細 菌ターミネーターを挿入すれば除去し得ること;及び(3)3’末端側からBG Hターミネーターの半分の(BGH成分内の初期KpnI制限酵素部位の後の) 〜300 bpをその調節機能に影響を与えずに除去し得ることを決定した。 PCRを用い、それぞれ、CMVintAプロモーター/BGHターミネータ ー、複製起源及びカナマイシン耐性成分を構成するV1Jns由来のDNAの3 つのセグメントを合成してV1Rを構築した。PCRオリゴマー:CMVint A/BGHの場合にはSspI及びXhoI;kanr遺伝子の場合にはEco RV及びBamHI;及びorirの場合にはBclI及びSalIを用いて、 各セグメントに特異的な制限酵素を各セグメントの末端に加えた。これらの酵素 部位を選択した理由は、該酵素が各PCR誘導DNAセグメントの誘導性連結反 応とその後の各部位の欠損を可能にするからである。EcoRVとSspIは連 結に適合する平滑末端DNAを生成し、BamHIとBclIはSalIやXh oIのように相補的オーバーハングを生成する。PCRによりこれらのセグメン トを得た後、各セグメントを上述のような適切な制限酵素で消化し、次いで3つ のDNAセグメント全てを含む単一の反応混合物として連結した。orirの5 ’末端は、カナマイシン耐性遺伝子に関する終結情報を提供し得るように、該領 域に通常認められ るT2 rho依存性ターミネーター配列を含むように設計した。連結生成物を 、制限酵素消化(>8酵素)及び連結接合部のDNA配列決定により確認した。 V1R内のウイルス遺伝子を用いたDNAプラスミド収率及び異種発現は、V1 Jnsと類似のようである。達成されたベクターサイズの正味の減少は1,34 6bp(V1Jns=4.86kb;V1R=3.52kb)であった。図11 の配列番号45を参照されたい。 V1Rの合成に用いたPCRオリゴマー配列(制限酵素部位には下線が付され ており、配列の後の括弧内で確認される): 以下のオリゴマーを用いてV1Rの連結接合部の配列決定を行った: 5’−GAG CCA ATA TAA ATG TAC−3’ [CMVintA/kanr接合部] 5’−CAA TAG CAG GCA TGC−3’ [BGH/ori接合部] 5’−G CAA GCA GCA GAT TAC−3’ [ori/kanr接合部]。 実施例19 HIV後期遺伝子産物の異種発現 : envやgagなどのHIV構造遺伝子は、効率的に全長タンパク質を発現さ せるためには、HIV調節遺伝子、revの発現を必要とする。本発明者は、g agのrev依存性発現により、低レベルのタンパク質が生成し、且つrev自 体が細胞に対して毒性であり得ることを知見した。本発明者はgp160の比較 的高レベルのrev依存性発現をin vitroで達成したが、このワクチン は、in vivoでrev/gp160DNAで感作した後ではgp160に 対し低レベルの抗体しか誘発しなかった。これは、revの既知細胞障害作用や 、 数百の核を含む筋細管においてrev機能を得ることが極めて困難である(re vタンパク質はgag又はenvタンパク質発現を生起させるためにはrev依 Yj性転写産物と同じ核内に存在しなければならない)ことに起因し得る。しかし 、env遺伝子を選択的に改変することによりrev(衣存性発現を得ることは 可能であった。 1. envのrev依存性発現: 一般に、本発明のワクチンは、発現を最適化するために本発明の全身性予防接 種ベクター、V1Jns内に一次HIV(IIIB)env及びgag遺伝子を用 いた。V1Jnsは、CMVタンパク質合成前(IE)プロモーター、BGH誘 導ポリアデニル化及び転写終結配列及びpUCバックボーンからなる。用いられ る遺伝子セグメントの大きさ(例えば、gp120対gp160)に応じて異な るrev依存性発現の効率は、envの場合、その天然の分泌型リーダーペプチ ドを組織特異プラスミノーゲンアクチベーター(tPA)遺伝子由来のものと置 き換え、得られたキメラ遺伝子を、CMVイントロンAを含むCMVIEプロモ ーターの後で発現させることにより達成し得る。tPA−gp120はこの方法 で構築された分泌型gp120 ベクターの例であり、該ベクターは、予防接種したマウスやサルで抗gp120 免疫応答を誘発させるに十分な機能を果たす。 膜結合タンパク質が分泌型タンパク質よりもはるかに実質的な(且つ恐らくH IV中和に対してより特異的な)抗体応答を誘発し得るとの論文の存在や、追加 のエピトープを得るために、本発明者はV1Jns−tPA−gp160及びV 1Jns−rev/gp160を作製した。tPA−gp160ベクターは、ト ランスフェクトされた細胞のイムノブロット分析により示されるように、rev を加えなくても検出可能な量のgp160及びgp120を産生したが、その発 現レベルは、rev依存性gp160発現プラスミドであるrev/gp160 を用いて得られたレベルよりはるかに低かった。これは、恐らく、gp160転 写産物にrev依存性を付与する阻害性領域がgp41のCOOH末端における ものを含むgp160内の多重部位で生じるためである。COOH末端がトラン ケイト形態のtPA−gp160(tPA−gp143)を得るためのベクター を作製した。該ベクターは、これらの阻害性領域を排除することによりenvの 全発現レベルを増大させるように設計した。gp143ベクターも、膜タンパク 質の転換を細胞表面よ りもリソソームに対して起こすことが知られているペプチドモチーフ(例えばL eu−Leu)を含む細胞内gp41領域が排除されている。例えば、gp14 3は、(rev依存性を低減させることによる)envタンパク質の発現レベル を増大させること、及び全長のgp160に比べて、DNA子防接種後にこれら のタンパク質が抗gp160抗体をより良好に誘発し得る細胞表面へのタンパク 質の輸送効率をより高めることが期待され得る。広域サイレント突然変異により 、tPA−gpl43をさらに改変して、rev応答成分(RRE)配列(35 0bp)のさらなる阻害性配列の発現を排除した。この構築物、gp143/m utRREは、2つの形態:gp120/41のタンパク質分解性切断部位を排 除した形態(A形態)と該部位を保持した形態(B形態)で作製した。2つの形 態を作製した理由は、ワクシニアで発現させた切断不能なgp160を用いてマ ウスに予防接種すると、切断可能な形態を用いた場合よりgp160に対しては るかに高レベルの抗体が誘発されたという文献論文があったからである。 トランスフェクトされた細胞におけるgp160/gp120発現に関する定 量的ELISAを展開して、これらのベクタ ーの相対発現能力を定量した。293個の細胞をin vitroでトランスフ エクトし、次いで細胞結合型gp120と分泌/放出型gp120の定量を行っ て以下の結果を得た: (1)tPA−gp160はrev/gp160より5〜10倍少ないgp12 0を発現し、細胞内に保持されたものと細胞表面から放出されたものは同じ割合 であった;(2)tpA−gp143はrev/gp160より3〜6倍多いg p120を分泌し、細胞結合型gp143は極く低レベルでしかなかった。これ は、gp160の細胞質テールが該配列を部分的に欠失させることにより克服し 得るgp160の細胞内保持を生起させたことを証明するものである;さらに( 3)tPA−gp143/mutRRE A及びBは親tPA−gp143より も10倍以上高い発現レベルでタンパク質を産生したが、A形態では、タンパク 質分解プロセシングが排除されていることが確認された。 このように、rev依存性発現を増大させる本発明の方法により、全発現レベ ルの段階的増大及び膜結合gp143のリソソームではなく細胞表面への再誘導 が生じた。これは、種々の初代ウイルス分離体由来のgp120配列を、種々の ウイルス 株間で抗原性の違いが少ないNH2末端(tpAリーダー)又はCOOH末端( gp41)に所在するこれらの改変を含むベクターカセット内に挿入し得ると考 えられる遺伝子構築物であることに留意することが重要である。 2. 臨床分離体由来のgp120の発現: これらの発現法を、ワクチン用として関連するウイルスに適用し、本発明の方 法の一般性を確認するために、本発明者はさらに、(北アメリカ共通V3ペプチ ドループ;マクロファージ性及び非シンシチア誘発性表現型を含む)初代HIV 分離体由来のtPA−gp120ベクターを作製した。このベクターは、トラン スフェクトされた293個の細胞から高発現/分泌率でgp120を得、且つマ ウスでは抗gp120抗体が誘発されたが、これは、該ベクターが機能性形態で クローン化されたことを証明している。初代分離体gp160遺伝子も、実験室 株由来のgp160の場合と同じ方法で発現に用い得る。 B. HIV−1envポリヌクレオチドワクチンに対する免疫応答 マウスにおける免疫応答に及ぼす予防接種経路の作用:gp160の発現を改 良する努力を続けている際に、本発明者は、 免疫応答及び免疫応答を高める方法の評価にtPA−gp120 DNA構築物 を用いた。このベクターに関し、マウスにおける100,10及び1μg用量の 筋肉内(i.m.)及び皮内(i.d.)予防接種経路を比較した。どちらの経 路を介した予防接種も、全3種の用量レベルで2〜3回予防接種した後で、全て のマウスに抗体応答を誘発した。各経路は、明瞭な用量依存性応答を伴う類似の 抗gp120抗体価を誘発した。しかし、i.d.予防接種、特に最初の接種後 の低用量でのi.d.接種に対して極めて変異性の応答が認められた。さらに、 抗原特異的in vitro増殖及びサイトカイン分泌により測定される、ヘル パーT細胞応答は、i.d.予防接種後よりもi.m.予防接種後に高かった。 本発明者は、このワクチンの場合、i.d.予防接種はi.m.に比べて利点が ないとの結論に達した。 2. マウスにおけるgp120DNAワクチン媒介性ヘルパーT細胞免疫: gp120DNA予防接種は、テストした全てのリンパ系コンパートメント( 脾臓、血液、鼡径部、腸間膜及び腸骨節)において、TH1様サイトカイン分泌 プロフィール(即ち、g− インターフェロン及びIL−2は産生するが、IL−4は殆ど又は全く産生しな い)を伴う強力なヘルパーT細胞応答を生起した。一般にこれらのサイトカイン は強力な細胞性免疫を促進し、且つHIV血清反応陽性患者の無病状態の維持に 関与している。リンパ節は、ウイルスが血液中に容易に検出し得ないときでさえ 大量のウイルスを保有している一次HIV複製部位であることが示された。本発 明のDNAワクチンを用いて示したように、種々のリンパ部位で抗HIV免疫応 答を誘発し得るワクチンは初感染後のリンパ系のコロニー化を阻止する助けとな り得る。 3. envDNAワクチン媒介性抗体応答: gp120DNAワクチンの接種を受けたサバンナモンキー(AGM)及びア カゲザル(RHM)は、2〜3回の予防接種後に低レベルの中和抗体を示したが 、該抗体レベルは追加の予防接種を行っても増大させることができなかった。こ れらの結果や、HIVワクチン分野において、中和抗体の誘発には恐らくオリゴ マーgp160がgp120モノマーより関連性の高い標的抗原であろうという 見解がますます広まっていることから、本発明者は、gp160ベースのベクタ ー(上記参照)の 効率的な発現を得ることに集中した。マウス及びAGMには、初代分離体由来の tPA−gp120ワクチンを用いた予防接種も行った。これらの動物は、50 0〜5,000の範囲の(同種配列を用いた)抗V3ペプチド逆数終末点抗体価 を示したが、これは、このワクチンの設計が臨床的に関連したウイルス分離体に 対して機能性であることを示している。 gp160ベースのワクチン、rev−gp160及びtPA−gp160は 、マウスや非ヒト霊長類では持続的に抗体応答を誘発し得ないか、又は低抗体価 しか生成しなかった。tPA−gp143プラスミドを用いた本発明者の初期の 結果は、マウス及びAGMでは2回の予防接種後に>103の相乗平均力価(G MT)を生成した。これらのデータは、本発明者が発現レベルの増大及びenv の細胞表面へのより効率的な細胞内交通により、gp160様ワクチンの免疫原 性を著しく高めたことを示している。この構築物並びにtPA−gp143/m utRRE A及びBの抗体応答、特にウイルス中和に関して特性決定を続ける 。 4. サルにおけるenvDNA媒介性CTL応答: 本発明者は、gp120及びgp160/IRES/rev DNAを用いて予防接種したRHMのCTL応答の特性決定を続けた。このワク チンを受容した4匹のサルは全て、2回の予防接種後に優位なMHCクラスI拘 束性CTL活性(エフェクター/標的における20〜35%の特異的死滅率=2 0)を示した。4回予防接種を行った後では、これらの活性は、類似のテスト条 件下に50〜60%の死滅率に増大したが、これは、追加の予防接種が応答を優 位に刺激したことを示している。該CTL活性は、最終予防接種後の少なくとも 7ヵ月間にそのピークレベルの約50%のCTL活性を持続したが、これは、長 期記憶が確立されたことを示している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 5/10 C12Q 1/68 Z C12Q 1/68 C12N 5/00 B //(C12N 15/09 C12R 1:92) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CN,CU,CZ, EE,GE,HU,IL,IS,JP,KG,KR,K Z,LC,LK,LR,LT,LV,MD,MG,MK ,MN,MX,NO,NZ,PL,RO,RU,SG, SI,SK,TJ,TM,TR,TT,UA,US,U Z,VN,YU (72)発明者 デイビス,マリー―エレン アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージー・ 07065、ローウエイ、イースト・リンカー ン・アベニユー・126 (72)発明者 フリード,ダニエル・シイ アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージー・ 07065、ローウエイ、イースト・リンカー ン・アベニユー・126 (72)発明者 リウ,マーガレツト・エイ アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージー・ 07065、ローウエイ、イースト・リンカー ン・アベニユー・126 (72)発明者 ペリイ,ヘレン・シイ アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージー・ 07065、ローウエイ、イースト・リンカー ン・アベニユー・126

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. HIVenvタンパク質又はそのフラグメントをコードするDNA配列を 含む合成ポリヌクレオチドであって、該DNA配列が哺乳動物宿主における発現 に対して最適化されたコドンを含むことを特徴とするポリヌクレオチド。 2. V1Jns−tPA−HIVMNgp120; V1Jns−tPA−HIVIIIBgp120; V1Jns−tPA−gp140/mutRRE−A/ SRV−1 3’−UTR; V1Jns−tPA−gp140/mutRRE−B/ SRV−1 3′−UTR; V1Jns−tPA−gp140/opt30−A; V1Jns−tPA−gp140/opt30−B; V1Jns−tPA−gp140/opt all− A; V1Jns−tPA−gp140/opt all− B; V1Jns−tPA−gp140/opt all− A; V1Jns−tPA−gp140/opt all− B; V1Jns−rev/env; V1Jns−gp160; V1Jns−tPA−gp160; V1Jns−tPA−gp160/opt C1/op t41−A; V1JnS−tPA−gP160/opt C1/op t41−B; V1Jns−tPA−gp160/opt all− A; V1Jns−tPA−gp160/opt all− B; V1Jns−tPA−gp160/opt all− A; V1Jns−tPA−gp160/opt all− B; V1Jns−tPA−gp143; V1Jns−tPA−gp143/mutRRE−A; V1Jns−tPA−gp143/mutRRE−B; V1Jns−tpA−gp143/opt32−A; V1Jns−tPA−gp143/opt32−B; V1Jns−tPA−gp143/SRV−1 3’− UTR; V1Jns−tPA−gp143/opt C1/op t32−A; V1Jns−tPA−gp143/opt C1/op t32−B; V1Jns−tPA−gp143/opt all− A; V1Jns−tPA−gp143/opt all− B; V1Jns−tPA−gp143/opt all− A; V1Jns−tPA−gp143/opt all− B; V1Jns−tPA−gp143/opt32−A/g lyB; V1Jns−tPA−gp143/opt32−B/g lyB; V1Jns−tPA−gp143/optC1/opt 32−A/glyB; V1Jns−tPA−gp143/optC1/opt 32−B/g1yB; V1Jns−tPA−gp143/opt all−A /glyB; V1Jns−tPA−gp143/opt all−B /glyB; V1Jns−tPA−gp143/opt all−A /glyB; V1Jns−tPA−gp143/opt all−B /g1yB; 及びその組み合わせ から選択されることを特徴とする、請求項1に記載のポリヌクレオチド。 3. ヒト組織を含めた脊椎動物の組織中にin vivo導 入すると、抗HIV中和抗体、HIV特異T細胞免疫応答又は感染防御免疫応答 を誘発し、HIVgag、gagプロテアーゼ又はenv遺伝子産物をコードす る遺伝子を含むことを特徴とする、詰求項1に記載のポリヌクレオチド。 4. 詰求項1に記載のポリヌクレオチド1ng〜100mgを脊椎動物の組織 中に導入することを含む、脊椎動物においてHIVエピトープに対する免疫応答 を誘発する方法。 5. 脊椎動物の組織中に請求項1に記載のポリヌクレオチドを導入することを 含む、HIVのビルレント株により引き起こされる感染又は疾患に対する免疫応 答を誘発させる方法。 6. 弱毒HIV、死滅化HIV、HIVenvタンパク質、HIVgagタン パク質、HIVpolタンパク質及びその組み合わせの投与をさらに含むことを 特徴とする、請求項5に記載の方法。 7. 請求項1に記載のポリヌクレオチド及び医薬上許容し得る担体を含む、H IV感染に対するワクチン。 8. 霊長類の組織中に請求項1に記載のポリヌクレオチドを導入し、同時にイ ンターロイキン−12を非経口投与することを含む、霊長類において抗HIV免 疫応答を誘発させる方法。 9. 脊椎動物の細胞をin vivoで請求項1に記載のポリヌクレオチドに 露出することを含む、抗原提示細胞に細胞傷害性及びヘルパーT細胞の増殖を刺 激して、HIV抗原に特異的なリンホカインの分泌を含めたエフェクター機能を 誘発させる方法。 10. HIVタンパク質又はそのフラグメントをコードするDNAの発現を増 大させる方法であって、 (a) 正しい読み取りフレームに対するコドンの配置を確認するステップ; (b) 観察されたヒト遺伝子による利用頻度に関して野生型コドンを比較す るステップ; (c) 野生型コドンを、ヒト遺伝子を高度に発現するように最適化されたコ ドンで置き換えるステップ;及び (d) 発現の増大についてテストするステップ を含むことを特徴とする前記方法。
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