JPH08198774A - Dnaワクチン - Google Patents

Dnaワクチン

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JPH08198774A
JPH08198774A JP728895A JP728895A JPH08198774A JP H08198774 A JPH08198774 A JP H08198774A JP 728895 A JP728895 A JP 728895A JP 728895 A JP728895 A JP 728895A JP H08198774 A JPH08198774 A JP H08198774A
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JP
Japan
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hiv
plasmid
cells
dna vaccine
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JP728895A
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Kenji Okuda
研爾 奥田
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Terumo Corp
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  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】エイズ用のワクチンとして有用な、HIVのエ
ンベロープ蛋白質の遺伝常法の少なくとも一部をコード
する塩基配列を有し、動物細胞内で発現可能なプラスミ
ドである。 【効果】安全でかつ液性免疫と細胞性免疫の双方を誘導
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エイズ(AIDS:Ac
quired Immune Deficiency Syndrome 後天性免疫不全症
候群)の予防あるいは治療に使用されるワクチンに関す
るものである。詳しく述べると本発明は、エイズウイル
ス(以下、HIVと記する)感染症に対する、DNAワ
クチンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】レトロウイルスの一種とされるHIV
は、血液を媒介として、例えば感染者との性交渉あるい
は患者の血液輸血などによって感染する。そして感染に
より血中のT細胞が破壊され、免疫機能が著しく低下
し、カポシ肉腫、ニューモシスチスカリニ肺炎等に罹患
して死に至る。HIV感染者数は、近年、加速度的に増
加しており、特にタイ王国、アメリカ合衆国などの諸国
においては、エイズが国民の死亡原因の上位に位置する
といったような事態となっており、その対処策が全世界
的に極めて重要なものになっている。このようなHIV
感染に対する予防および治療法については、現在数多く
の研究がなされており、HIVに対するワクチンの開発
についてもいくつかの報告がなされている。その1つに
弱毒性ウイルスワクチンがある。これは、病原性を持つ
HIVに遺伝子操作を施し、病原性を消失させたり、あ
るいは、HIVと共通の抗原性を有するウイルスを免疫
原として使用する方法である。弱毒化したウイルスは接
種された宿主に対して効果的に長期間持続する強い免疫
原性を誘導するが、理論的にはウイルスの病原性が回復
したり、非常にまれなケースではあるが他のウイルスに
汚染されている可能性が残る等の危険性がともなう。
【0003】またHIVの蛋白の一部を合成したペプチ
ドワクチンも報告されている。その多くはV3領域のペ
プチドであるが、Hoらはenv領域のペプチドをKL
Hに結合させてワクチンとしている。またタイプの異な
るウイルス株のペプチド配列を組み合わせたり、高分子
ペプチドにすることによって免疫原性を高める方法が試
みられてきた。しかしながら、一般的には修飾していな
いペプチドをアジュバントなしに接種したとしても、強
い細胞傷害性T細胞を誘導することは、極めて困難であ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように従来から、
エイズに対するワクチンとして、各種の報告がなされて
いるにも拘わらず、安全性が高くしかも予防効果の高い
決定的なワクチンは未だ報告されていない。従って本発
明は、新規なエイズ用ワクチンを提供することを目的と
する。本発明はまた安全性が高く、かつ種々のHIVの
変異株に対して強い液性免疫と細胞性免疫とを誘導する
ことができ、予防効果の高いエイズ用ワクチンを提供す
ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記諸目的は、以下の手
段によって達成される。 (1) HIV(ヒト免疫不全ウイルス)のエンベロー
プ蛋白質の遺伝情報の少なくとも一部をコードする塩基
配列を有する発現プラスミドからなるDNAワクチン。
【0006】(2) 上記エンベロープ蛋白質の遺伝情
報をコードする塩基配列は、CMV(サイトメガロウイ
ルス)のプロモーター領域をコードする塩基配列の下流
に連結されている上記(1)に記載のDNAワクチン。
【0007】(3) 上記エンベロープ蛋白質の遺伝情
報をコードする塩基配列が、gp160である上記
(1)または(2)に記載のDNAワクチン。
【0008】(4) 蛋白質revの遺伝情報をコード
する塩基配列を有する発現プラスミドをさらに有する
(1)〜(3)のいずれかに記載のDNAワクチン。
【0009】
【作用】本発明者は、エイズの予防あるいは治療に有効
なワクチンとして安全性が高くかつ液性免疫および細胞
性免疫を強く誘導するものを得るため、鋭意研究の結
果、HIVを構成する蛋白質の一部をコードするDNA
による直接の免疫により宿主細胞の中で外来蛋白質が産
生され、細胞傷害性T細胞が誘導されることによって長
期防御効果を維持することができるとの知見を得た。な
お、細胞傷害性T細胞を誘導するためには、小胞体の主
要組織適合性抗原クラスI分子に抗原性のペプチドを結
合させる必要があると言われているが、これは細胞にお
ける内因性の抗原性ペプチドの産生が細胞傷害性T細胞
の誘導過程に重要であることを示唆しており、DNAワ
クチンは宿主細胞の中で外来蛋白質を発現させるため、
特にこの点においても有用であると考えられる。
【0010】そして、DNAワクチンとしてHIVのエ
ンベロープの蛋白質の遺伝情報をコードする塩基配列を
有し、動物細胞内で発現可能なプラスミドを調製した。
これはさらにサイトメガロウイルスのプロモーター領域
の遺伝情報をコードする塩基配列の下流にHIVのエン
ベロープの蛋白質の遺伝情報をコードする塩基配列を連
結することにより、サイトメガロウイルス(以下、CM
Vと記す)の強力なプロモーターよりワクチンとして働
くHIVのエンベロープの蛋白質が高レベルで産生さ
れ、この蛋白質により強い液性免疫と細胞性免疫とが誘
導される。
【0011】また本発明は、さらにHIVエンベロープ
の蛋白質の発現を促進させる作用を有する蛋白質である
revの遺伝情報をコードする塩基配列を有するプラス
ミドを同時に接種することによってその作用が増強され
る。なお、これらに使用されるプラスミドは、ある特定
の大腸菌細胞内では自己複製が可能であるが、動物細胞
内では自己複製が不可能である例えばpCMV160の
ようなプラスミドを用いることが望ましい。
【0012】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明する。 実施例1) プラスミドの作製 HIV−1 IIIB株のenv(エンベロープ)領域(g
p160遺伝子を含む)を有するプラスミド pSMT
E7(J.Immunol.144,94-102) からenv領域のDNA
断片を制限酵素 SalIおよびBpu1102Iによ
って切り出し、T4ポリヌクレオチドキナーゼによって
平滑末端とした。次にサイトメガロウイルスのプロモー
ターを有する発現プラスミド pBC/CMVを制限酵
素 HindIIIおよびBamHIによって開環し、T4
DNAポリメラーゼによって平滑末端とした後、前記
env領域のDNAをDNAリガーゼによって結合さ
せ、図1に示すプラスミド pCMV160を作製し
た。
【0013】実施例2) マウス筋肉中でのプラスミド
pCM160の発現 《RT−PCRによるエンベロープ遺伝子転写産物の確
認》上記実施例1により調製したプラスミド pCMV
160がマウス筋肉中でgp160のmRNAを産生し
ているか否かをRT−PCRで解析した。6〜10週令
のBALB/Cマウスにプラスミド pCMV160 5
0μgおよびプラスミド pcREV 50μgを接種し
た。接種2日後、マウスの筋肉0.1gからRNAを抽
出し、その10μgに逆転写酵素を作用させDNA鎖の
作製を行ないさらにPCRによる増幅を行なった。PC
R産物は1%アガロースゲル電気泳動により分離後臭化
エチジウムで染色を行なった。対照としてプラスミド
pBC/CMVを接種したマウスの筋肉から抽出したR
NAを用いた。PCRに用いたエンベロープ遺伝子のプ
ライマーは、センス鎖5'−TGCTGTGCCTTG
GAATGCTAGTTG−3'、アンチセンス鎖5'−
CGGGATCCTCAGCTCGTCTCATTCT
TTCCCT−3'である。
【0014】また実験法の対照としてマウス筋肉のβ−
アクチンの転写産物の確認を同時に行なった。β−アク
チンのPCR用プライマーとしては、センス鎖5'−T
GGAATCCTGTGTGGCATCCAATGAA
AC−3'、アンチセンス鎖5'−TAAAACGCAG
CTCAGTAACAGTCCG−3'を用いた。DN
Aワクチンを接種したマウスで1、2共に1kbのエン
ベロープ遺伝子の転写産物が確認された。対象のプラス
ミド pBC/CMVを接種したマウスでは、エンベロ
ープ遺伝子の転写産物は確認できなかった。これにより
DNAワクチンはマウス筋肉中でエンベロープ遺伝子の
mRNAを発現可能であることが示された。
【0015】《免疫組織染色によるエンベロープの遺伝
子の発現の確認》6〜10週令のBALB/Cマウスに
プラスミド pCMV160 10μgおよびプラスミド
pcREV 10μgを接種した。接種10日後、接種
部位のマウスの筋肉を固定し、切片を作製した。その切
片を最初に抗HIVエンベロープ蛋白質マウスモノクロ
ーナル抗体と反応させた。次にPBSで洗浄後、ペルオ
キシダーゼ標識した抗マウスIgGを反応させた。再び
PBSで洗浄後、3,3’−ジアミノベンジジンで染色
したところ、いくつかの細胞が特異的に染色されてお
り、プラスミド pCMV 160はマウス筋肉細胞中
でエンベロープの蛋白質を発現していることが確認され
た。
【0016】実施例3) ウサギを用いての免疫原性の
検討 《ワクチンの接種回数と抗体価の変動》日本SLCより
購入した10週令のSTD:JW/CSKウサギに対し
て、上記実施例1により調製したプラスミド pCM1
60 10μgをプラスミド pcREV10μgと共に
接種した。次に2週、4週、6週、8週間後に再び同様
の接種を行なった。それぞれの免疫1週間後に血清を採
取し、ELISA法によって抗体価を測定した。
【0017】ELISAは、Inami らの方法に従って行
なった。(AIDS 5,1140-1141.1991)すなわちpCM16
0およびpcREVが産生したペプチドと、gp120
とを20μg/mlの濃度で96穴プレートに固相化し
た。マッコウクジラのミオグロビンのペプチド(ALV
EADVA)も対照として同一濃度で固相化した。1時
間後、ウエルを洗浄し、希釈した血清を分注し1時間反
応させた。その後、再びウエルを洗浄しペルオキシダー
ゼ標識した抗ウサギIgGを反応させ、さらにウエルを
洗浄後、OPD溶液を加えて発色させた。図2に示した
ように抗HIV抗体価は、2週目の免疫以降大きく上昇
した。それ以降は、免疫回数に応じて徐々に上昇した。
抗体価はOD490 が0.2以上となる最高希釈倍率の逆
数として表現している。
【0018】《ワクチン2回接種後の抗体価の変動》前
記のウサギにプラスミド pCMV160 25μgおよ
びプラスミド pcREV25μgを2回接種した。抗
体価は前記と同様な方法で測定した。図3に示したよう
に抗HIV抗体価は免疫8週間後でさえ上昇し続けてい
る。
【0019】実施例4) 中和試験 HIV感染に対する血清の中和効果をHIVを感染させ
たMT−4細胞または感染させてないMT−4細胞の生
存率を測定することによって求めた。HIV−1 III
B,SF2,Gun1株のTCID50(50%Tissue Cul
ture Infectious Dose)の100倍量をDNAワクチン
を接種したニホンザルから採取し段階希釈した血清で4
℃、90分間、前処理した。続いて1ウエル当たり15
0μlの完全培地(5%牛胎児血清を含むRPMI−1
640)に2.5×104のMT−4細胞を含む96穴マ
イクロプレートに前処理したウイルスを50μl接種
し、5%CO2、37℃で5日間培養した。コントロー
ルとして前処理していないHIV−1および感染させて
いない細胞も培養した。感染5日後、HIVを感染させ
た細胞および感染させていない細胞の生存率をMTT法
によって測定した。
【0020】MTT法は、黄色の 3-(4,5-dimethyl 1-2
-Thiazolyl)-2,5-diphenyl-2H tetorazoum bromide(M
TT)が生細胞のミトコンドリアの脱水素酵素によって
青いホルマザンに還元されるのを光学的に測定する方法
である。培養液中に添加されたMTTの還元をマイクロ
プレートリーダーを用いて540nmの吸光度を測定す
ることによって求める。中和活性は、次の式から算出さ
れる。 100×[(ODT)HIV − (ODC)HIV]/
[(ODC)mock−(ODC)HIV] (ODT)HIV : 血清で前処理したHIV感染細
胞の吸光度 (ODC)HIV : コントロ−ルの未処理HIV感
染細胞の吸光度 (ODC)mock: コントロ−ルの感染させていな
い細胞の吸光度 図4に示したようにHIV−1 IIIB株に対して強い中
和特性を示した。
【0021】実施例5) 抗融合試験 HIVに感染したCEM細胞を約10〜14日培養す
る。その間培養は、最大CPE(Cytopathic Effect)
に達し、大多数の細胞は死滅する。しかし細胞の生き残
った分画は安定的に感染してそのうちの一部が融合し、
巨大細胞を作る。DNAワクチンを接種したニホンザル
から採取した血清が、この融合を阻止するか否かを Put
neyらが報告した方法を用いて調べた(Science, 234, 1
392-1395 1986))。
【0022】HIV−1 IIIB株を感染させたCEM細
胞 2.5 ×105/mlの40μl、感染させていない
CEM細胞 1.75×106/mlの40μl、および
DNAワクチンを接種したニホンザルから採取し、段階
希釈した被験血清20μlを96穴プレートで37℃、
20〜24時間培養した。巨大細胞(これらの細胞は最
初に入れた細胞の5倍以上の直径を持つ)の出現数を4
0倍の倒立顕微鏡で計測した。抗融合活性は巨大細胞の
出現阻止の割合によって求めた。対照の被験血清はDN
Aワクチンを接種する前に採取した血清を用いた。 出現阻止率=(NC −Nt)/NC×100 Nt : 被検血清中で出現した巨大細胞の数 NC : 対照の血清中で出現した巨大細胞の数 図4に示したようにHIV−1 IIIB株に対して強い抗
融合活性を示した。
【0023】実施例6) フットパッド腫張反応 DNAワクチンを接種されたマウスが、HIV特異的な
遅延型過敏反応を誘導できるか否かをフットパッド腫張
反応で確認した。プラスミド pCMV160およびプ
ラスミド pcREVを表1に示した分量でマウスの四
頭筋に1回接種した。3週間後10μgのPND(prin
cipal Neutralizing Determinant)ペプチド、リコンビ
ナントgp120抗原をマウスのフットパッドに接種し
た。24時間後、フットパッドの腫張の大きさを抗原接
種前後のフットパッドの厚さの差を0.01mmを1単
位とした測定法で求めた。コントロールのマウスにはマ
ッコウクジラミオグロビンのペプチドを接種した。
【0024】表1に示したように1回のDNAワクチン
の接種のみで、高いレベルの遅延型過敏反応を誘導すこ
とができた。しかし接種量が、合計で10μgを超える
と遅延型過敏反応は減少していた。
【0025】
【表1】
【0026】接種量が合計で0.4μg以下の場合に最
大の遅延型過敏反応を誘導することができた。また、プ
ラスミド pCMV160のみの接種では遅延型過敏反
応を誘導することができなかった。
【0027】実施例7) 免疫されたリンパ球の増殖反
応 動物が抗原に一度感作され、細胞性免疫が応答すると、
その免疫学的記憶がリンパ球に保存される。このリンパ
球を取り出し、抗原で刺激すると対照と比較して有意に
その増殖が起る。ここでは、DNAワクチンの接種が、
抗原特異的なリンパ球の増殖反応を誘導できるか否かを
確認した。プラスミド pCMV160 10μgおよび
プラスミド pcREV 10μgをBALB/Cマウス
の腓腹筋に接種した。またベクターDNAすなわちpB
C12/CMVのみも接種した。接種3週間後、脾細胞
と接種部位のリンパ腺細胞球を調製した。4×105
の脾細胞を5%FCS、L−グルタミン、メルカプトエ
タノール、および抗生物質を含むRPMI1640培地
で96穴平底プレ−トを用いて4日間培養した。
【0028】HIV−1 IIIB株、ThaiA株のPN
Dペプチドおよびマッコウクジラのミオグロビンペプチ
ドそれぞれ50μgをウエルに添加した。分化反応は、
3H-thymidineの取り込みを見る方法で測定した(J.Imu
nol. 123,182-188 (1978))。表2に示したようにプラス
ミド pCMV160 10μgおよびプラスミドpcR
EV 5μgを接種されたマウスから調製したリンパ球
は、IIIB株のPNDペプチドに対して増殖反応を示し
た。ThaiA株のPNDペプチドには幾分弱い増殖反
応を示したが、対照のマッコウクジラのミオグロビンペ
プチドには増殖反応を示さなかった。またベクターのみ
のpBC12/CMVを接種したマウスから調製したリ
ンパ球では、増殖反応を示さなかった。
【0029】
【表2】
【0030】実施例8) 細胞傷害性試験 DNAワクチンの接種により、抗原特異的細胞傷害性T
細胞が誘導されるか否かを調べた。10μgのDNAを
BALB/C(H−2d )マウスに筋注した。DNA接
種3週間後に脾臓とリンパ腺の細胞を採取した。1×1
6個のリンパ球はin vitro(非必須アミノ酸、メルカ
プトエタノール、ピルビン酸ナトリウムを含むRPMI
1640培地中)でV3ペプチドでを結合した同種のま
たはC3H(H−2K)の脾細胞で再度刺激された。5
日間培養後、これらの脾細胞(エフェクタ−細胞)の細
胞障害活性は Crericiらが報告している6時間51Cr放
出活性を測定することによって求めた(J.Immunol.146,
2214-2219.(1991))。
【0031】標的細胞は、BALB/cマウスまたはC
3Hマウスの脾細胞から調製し、ConA(5μg/m
l)を含むRPMI1640培地で3日間培養した。C
onAで処理された細胞は終濃度2μg/mlのペプチ
ドと60分間培養し、それを結合させた。これらの処理
を行った細胞は、[51Cr]Na24で標識され、十分
な洗浄の後、標的細胞として用いられた。また、エフェ
クター細胞の一部は、精製された抗CD8モノクローナ
ル抗体と4℃、1時間培養した。洗浄後、細胞は10倍
希釈した低毒性ウサギ補体とともに37℃、1時間培養
した。細胞はさらに洗浄後、細胞傷害性試験に用いた。
【0032】エフェクター細胞と標的細胞の比の範囲
は、5:1〜40:1である。特異的な51Crの放出の
百分率は、次の式で計算される。 (検体の放出 − 自然放出)/(最大放出 − 自然放
出)×100 無添加または5%のTriton X-100を添加した培地で培養
された標的細胞からそれぞれ51Crの自然放出または最
大放出を求めた。図5に示したように、CTL反応は5
μgのDNAワクチンの接種で確認された。この反応
は、エフェクター細胞からCD8陽性のTリンパ球を除
去することによって完全にブロックされた。これらの結
果は、DNAの免疫によって、高いレベルのHIV特異
的な細胞性免疫が誘導されることを示している。
【0033】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、エ
イズの予防あるいは治療に有用で、液性免疫ばかりでな
く細胞性免疫を強く誘導することが可能である安全なD
NAワクチンを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、本発明のDNAワクチンに使用するプラス
ミド pCMV160を表す。
【図2】は、本発明のDNAワクチンの接種回数による
抗HIV抗体価の変動を表す。
【図3】は、本発明のDNAワクチン2回接種後の抗H
IV抗体価の経時的変動を表す。
【図4】は、本発明のDNAワクチンの中和活性および
抗融合活性を表す。
【図5】は、 本発明のDNAワクチンの細胞障害活性
を表す。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 HIV(ヒト免疫不全ウイルス)のエン
    ベロープ蛋白質の遺伝情報の少なくとも一部をコードす
    る塩基配列を有し、動物細胞内で発現可能なプラスミド
    からなることを特徴とするDNAワクチン。
  2. 【請求項2】 上記エンベロープ蛋白質の遺伝情報をコ
    ードする塩基配列は、CMV(サイトメガロウイルス)
    のプロモーター領域をコードする塩基配列の下流に連結
    されている請求項1に記載のDNAワクチン。
  3. 【請求項3】 上記エンベロープ蛋白質の遺伝情報をコ
    ードする塩基配列がgp160あるいはその一部である
    請求項1または2に記載のDNAワクチン。
  4. 【請求項4】 蛋白質revの遺伝情報をコードする塩
    基配列を有し動物細胞内で発現可能なプラスミドをさら
    に有する請求項1〜3のいずれかに記載のDNAワクチ
    ン。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1997031115A3 (en) * 1996-02-22 1997-10-09 Merck & Co Inc Synthetic hiv genes
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US6534312B1 (en) 1996-02-22 2003-03-18 Merck & Co., Inc. Vaccines comprising synthetic genes

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