JPH09504296A - Hiv粘膜感染の阻止 - Google Patents
Hiv粘膜感染の阻止Info
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Abstract
(57)【要約】
ペプチドワクチンを投与することによって膣及び直腸粘膜上皮へのHIV侵入を阻止する方法を開示する。粘膜細胞への侵入に関与するgp120のエピトープに対応するペプチドに対して産生される抗体はペプチド又はペプチド−コレラ毒素複合体を上皮細胞に導入することによってインビボで産生される。得られた中和抗体は、その後のHIVによるこれら組織の感染を阻止することができる。
Description
【発明の詳細な説明】
HIV粘膜感染の阻止
発明の分野
本発明はHIVと生殖器及び直腸粘膜上皮との結合阻止に関するものである。
発明の背景
非被包性リンパ球様組織の分散性凝集物はしばしば胃腸管、気道及び泌尿生殖
路の粘膜下領域に局在化している。これらの管は外来微生物が身体内に侵入する
主要な媒介である。分泌型免疫グロブリンA(IgA)は粘膜を横切ることがで
き、病原体の侵入から粘膜を保護できる抗体である。かくして、粘膜リンパ球様
組織は粘膜表面で生起する局所免疫応答に重要な役割を果たしている。
T細胞、マクロファージ及びランゲルハンス細胞に侵入するためにHIVが使
用する細胞表面CD4レセプターを粘膜上皮細胞が発現するかどうかに関係なく
、HIVが粘膜上皮細胞に潜在的に感染し得ることは良く確立されている(Fant
ini等、(1992年)J.Virol.、66: 5805; Fantini等、(1991年)Virology、185:
904)。HIVが粘膜腸管上皮細胞に侵入するためのレセプターは糖脂質である
と思われる(Yahi等、(1992年)J.Virol.、66:4848)が、これら細胞との結
合に介在するHIVエピトープに関する情報は無い。この(これらの)エピトー
プはHIVの粘膜侵入を防止するために局所粘膜免疫系が作用し得る理想的な標
的となるので、上記のような知識は最も重要なものであろう。
直腸及び生殖器(膣)粘膜からのヒト免疫不全ウイルス(HIV−1)の侵入
を防ぐために粘膜免疫応答を誘発することはエイズ(AIDS)予防の1方法と
して有意には研究されていない。ウイルス性糖タンパク質gp120から誘導され慣
用的に投与されているワクチンはHIVに対する免疫を殆ど提供しない。全身免
疫法は、HIVのサル対応物であるサルのシミアン免疫不全ウイルス(SIV)
の静脈内投与に対して保護したが、膣粘膜から導入されたSIVによる感染を防
ぐことはできなかった(Miller等、(1990年)J.Immunol.、144: 122)。
一般的に、抗原を粘膜に送達しても強力な免疫応答は誘発されない。しかし乍
ら、重要な例外は、既知の最も強力な粘膜免疫原の1つである細菌コレラ菌(Vi
brio chorela)によって産生されるコレラ毒素(CT)である。CTは、そのB
サブユニットを使用して粘膜細胞表面のガングリオシドGM1と呼ばれるスフィ
ンゴ糖脂質と強く結合する。Bサブユニット(CTB)と共有結合した少量の抗
原を粘膜に投与すると、非ヒト霊長類を含む実験動物において粘膜並びに粘膜外
免疫応答を活発に誘発することが示されている(Czerkinsky等、(1989年)Infec
t.Immun.、57: 1072〜1077; Liang等、(1988年)J.Immunol.、141、3781〜37
87;Lehner等、(1992年)Science、258: 1365〜1369; Holmgren等、(1993年)
Vaccine、11: 1179〜1184)。経口的に免疫化したヒトで特異的B細胞応答を腸か
ら他の粘膜組織まで拡散させる可能性も証明されている(Czerkinsky等、(1991
年)Infect.Immun.、59:996〜1001)。加えて、HIV−1感染者の粘膜免疫応
答は非経口的に投与されたワクチンに対する劇的な応答低下と比較して比較的安
定なままであることも示されている(Eriksson等、(1993年)AIDS、7: 1087〜10
91)。この研究は粘膜免疫と全身免疫の相対的独立性を強調するだけでなく、既
に感染した者ではHIV−特異的粘膜免疫が誘発され、その結果その後の粘膜伝
染を妨げる可能性も提起している。生殖器及び直腸粘膜の免疫応答を誘発するの
に有効な免疫化法は非ヒト霊長類で評価されている(Lehner等、(1992年)Scien
ce、258:1365〜1369)。
性的に伝染されたHIV感染の発生率(全症例の75%以上)、新規AIDS症例
数の驚くべき増加及び全身免疫化法では顕著な粘膜免疫応答を誘発できないこと
からみて、HIVが循環に侵入してくる粘膜表面で免疫応答を生じさせ得るワク
チンはHIV−1感染を低下させる総合的なアプローチの一部としてかなりの価
値を有しているであろう。
発明の要約
本発明の1つの実施態様は、ワクチンを粘膜に投与し、それによって粘膜に約
10から約50個までのアミノ酸を有するHIV−1 gp120のペプチドを送達し、そ
してそれによって、ペプチドに対する抗体を粘膜に産生させる(上記ペプチドは
こ
れらの抗体が粘膜上皮細胞内でのHIV−1感染を阻止するように選択されてい
る)ことによってHIV−1による粘膜細胞の感染を阻止する方法である。
好ましい実施態様では、ペプチドは、HIV−1による粘膜細胞の感染を阻止
する抗体を粘膜に産生させるのに有効なエピトープを含んでおり、該ペプチドは
本質的に配列番号(SEQ IDNOS):9、10、11、12又は13からなってい
る。ワクチンは粘膜へのペプチド送達を高める物質を含んでいるのが有利である
。好ましくは、この物質は粘膜結合タンパク質であり; 最も好ましくは、この物
質はコレラ毒素の結合サブユニットか又は大腸菌の熱に不安定なエンテロトキシ
ンの結合サブユニットのどちらかである。本発明によって、ペプチドと粘膜結合
タンパク質は一緒に結合して、有利には組換えDNAの発現産生物であるキメラ
タンパク質を形成することも提供される。本発明のもう1つの実施態様では、上
記の物質は脂質である。好ましくは、この脂質は脂質小胞の形態である。好まし
い実施態様では、投与段階は上記ペプチドを機能的にコードするポリヌクレオチ
ドを粘膜に投与し、それによって粘膜細胞に該ペプチドを産生させることからな
る。
本発明の更なる実施態様は、HIV−1による粘膜細胞の感染を阻止するワク
チンを提供し、該ワクチンはエピトープに対する抗体がHIV−1による粘膜上
皮細胞の感染を阻止するように選択されているエピトープを有する、HIV−1
gp120の10から50個のアミノ酸ペプチド、及び該ペプチドの粘膜への送達を促進
するためペプチドと結合した化合物又は構造体を含んでいる。好ましくは、この
ペプチドは本質的に配列番号9、10、11、12又は13からなっており、上記化合物
又は構造体は脂質小胞である。最も好ましくは、この化合物又は構造体は粘膜結
合タンパク質である。特に好ましい実施態様では、結合タンパク質は、有利には
結合サブユニットであるコレラ毒素タンパク質である。他の好ましい実施態様で
は、結合タンパク質は大腸菌の熱に不安定なエンテロトキシンの結合サブユニッ
トである。
発明の詳細な説明
本発明は、HIV−1のエンベロープ糖タンパク質gp120の配列から誘導され
た合成ペプチドの識別を開示する。これらのペプチドを使用して、形質転換され
たヒト膣及び結腸直腸細胞株の感染をインビトロで阻止する中和抗体を産生させ
た。これらのペプチドは局在性粘膜免疫応答産生を誘発し、ヒト結腸直腸及び膣
上皮細胞のHIV−1による感染を中和できる抗体を産生させる。これらのペプ
チドは本願明細書では配列番号: 9〜13として記載する。本発明の1つの態様では
、配列番号: 9、10、11、12及び13の1つ又はそれより多くを使用して抗体を産生
させる。これらの抗体は、動物の筋肉内、腹腔内、皮下又は粘膜に投与すること
を含む任意の慣用の方法で産生させることができる。モノクローナル及びポリク
ローナルの両抗体の産生が意図されている。これらの抗体を使用すると、粘膜細
胞と結合した抗体が提供され、その後細胞にHIV−1を投与しても粘膜上皮細
胞の感染が予防される。これらの抗体はウイルスと細胞の結合を阻止又は予防し
、それによってウイルスによる細胞感染を阻止又は予防する。
抗体は外来性であっても内在性抗体であってもよく、また細胞はインビトロで
あってもインビボであってもよい。細胞がインビトロであるとき、抗体は典型的
には実験室若しくは家畜で発生させるか又はモノクローナル抗体である。更に重
要なことには、上記結合に関与するメカニズムや構造を分析するための価値ある
道具が提供される。
細胞がインビボであるとき、抗体は好ましくは、配列番号9〜13の1つまたはそ
れより多いペプチドをその細胞が存在する動物に投与して発生させられている内
在性粘膜抗体である。以下で記載する粘膜ワクチン化が特に好ましい。しかし乍
ら、外来性抗体を動物に投与して粘膜細胞のHIV−1感染を阻止することもで
きる。本願明細書に記載した処置の全てで、粘膜細胞は好ましくはヒト起源であ
る。
本発明のペプチドは単独又は組み合わせて使用することができ、そしてCT、
CTB及び大腸菌の熱に不安定なエンテロトキシンの結合サブユニットを含む他
の上皮細胞結合タンパク質と結合させないか又は結合させることもできる。ペプ
チドは化学的手段か組換え手段のどちらによって結合されていてもよい。ペプチ
ドをコードするDNAは周知の方法によってコレラ毒素またはそのBサブユニッ
トをコードするDNAと結合させ、真核生物の発現ベクター内に挿入し、脂質小
胞又は層板状構造体(lamellar structures)を使用して上皮細胞に送達するこ
と
ができる。次に、これらのペプチド−CT、CTB又はエンテロトキシン複合体
をインビボで産生させると、局在性粘膜免疫応答を発揮し、その後のHIV感染
から保護される。コレラ毒素のような粘膜上皮細胞結合タンパク質を含めると、
ペプチドがこれらの細胞内に入る効率が有利に高められる。コレラ毒素A−B二
量体のBサブユニットは細胞表面レセプターへの結合に関与しているので、ペプ
チド−CTB複合体も上皮細胞に効果的に結合する。文献もまた、免疫原ペプチ
ドと他の腸結合タンパク質の組成物を形成する方法を報告している(Wenneras等
、(1990年)FEMS Microbiol.Lett.、66: 107〜112)。ペプチド−CTB複合体
の形成技術は良く知られている(Liang等、(1988年)J.Immunol.141: 3781〜3
787; Sanchez等、(1990年)Res.Microbiol.141: 971〜979)。リポソーム形成
及びリポソーム内に封入されたペプチドの送達もローウェル(Lowell)によって
記載されているように周知である(New Generation Vaccines、Woodrow,G.C.及
びLevine,M.M.編集、Marcel Dekker,Inc.、ニューヨーク州、141〜160頁)。こ
れらのペプチドはモノクローナル及びポリクローナル抗体の産生にも有用である
。これらの抗体はHIV−1に対する明白な中和効果を有している。これらのペ
プチドは単独でか又はCT若しくは他の分子と結合させた後、HIV−1の粘膜
上皮細胞内侵入を阻止するのに十分な粘膜抗体応答を生じさせるのに十分な量で
経口、直腸、膣又はこれらの経路を組み合わせて投与することができる。使用さ
れるペプチドの量はそれらの製薬製剤並びに送達部位及び経路に依存する;しか
し乍ら、成人ではペプチドの免疫原の適量は一般的に約50μgから約1mgの間で
あり、これを2週間から1年又はそれ以上の期間に亘って1〜4回投与する。
本発明のペプチド、ペプチド結合タンパク質複合体及び他の組成物を経口投与
して局在性胃腸粘膜免疫応答を生じさせるか又は膣内若しくは直腸内投与して性
的接触によりウイルスが侵入し易いこれらの領域に局在性粘膜免疫応答を生じさ
せることができる。これらのペプチドはHIV−1感染に対する局在性粘膜免疫
を産生させるのに必要な量の単位投与量で投与することができる。経口的に投与
するために考えられる医薬組成物には錠剤、カプセル、液剤等が含まれ、そして
膣内又は直腸内に投与するために意図される医薬組成物には、約10μgから約10m
gまで又はそれ以上の量の注射用担体、坐剤、軟膏、ゲル、クリーム、発泡剤、
ス
プレー剤、分散剤、懸濁剤、ペースト剤等が含まれる。これらの製剤は任意の形
態であることができ、一般的には周知の医薬的に許容可能な任意の担体と組み合
わせた活性成分を含んでいる。これらの製剤は更に有利には保存剤、抗細菌剤、
抗真菌剤、抗酸化剤、浸透性剤及び同様な物質を慣用の組成及び量で含んでいる
。本発明の組成物の製剤化を支援するために、レミングトンの製薬科学(Reming
ton's Pharmaceutical Sciences)第15版、ペンシルベニア州イーストンのマッ
クパブリッシングカンパニー(Mack Publishing Co.)(1975年)を参照するこ
とができる。
意図した投与態様によって、ペプチド又は複合体は、これらの領域を裏張りし
ている上皮細胞に直接取り込まれることができると推定される。これらのペプチ
ド及び複合体は有利にはリポソーム内に入れてこれらの物質の細胞への送達を促
進することができる。ペプチド又はペプチド結合タンパク質複合体を単独か又は
脂質小胞若しくは他の層板状構造体と組み合わせるかのどちらかで同様な投与量
範囲で直接注射することも、これらの組織で抗HIV応答を発揮する方法である
と考えられる。
実施例1
結腸直腸及び膣上皮細胞のHIV−1感染に対する感受性
HTLV−IIIBに感染したH9T細胞リンパ腫細胞(ATCC HTB−176)
(Popovic等、(1984年)Science、224: 497〜500)のHIV−1感染性ウイル
スストックを以下の実験で使用した。これらの細胞は、20%の胎児ウシ血清(F
CS)、100単位/mlのペニシリン及び100μg/mlのストレプトマイシンを含有す
るRPMI−1640培地中で維持した。ウイルスストックは周知の方法を使用して
調製し、−90℃で冷凍した。1×104の組織培養感染性投与量(TCID50)の
終点力価を有するHTLV−IIIBの1つのストックを全ての実験に使用した。
形質転換した膣上皮細胞(Hs 760 T及びHs 769.Vg細胞; それぞれATC
CCRL−7491及び7499)の2つのクローン及び結腸腺癌HT−29細胞(ATC
CHTB−38)の12のサブクローン中のHIV−1のHTLV−IIIB単離物の
終点力価は、それぞれの細胞株を100μl/ウェル(ITCID50/細胞から0.00
00
1TCID50/細胞までの範囲)のウイルス連続10倍希釈物と共に24ウェルのプ
レート(Costar)に接種して37℃で2時間実施した。吸着後、細胞を修正イーグ
ル培地(MEM)で5回洗浄し、そして1.5mlの増殖培地(膣細胞にはDMEM
及び結腸細胞にはMEM、これらは共に10%の胎児ウシ血清(FCS)、1%のL
−グルタミン及び抗生物質を含有している)を補充した。感染7日後、上皮細胞
をMEMで5回洗浄し、リン酸緩衝生理食塩液(PBS)中0.1%のトリプシン
で5分間37℃で処理した。H9維持培地中のHTLV−IIIB感染H9細胞(106個
の細胞)を各ウェルに加え、上皮細胞と共に24時間共培養(coculture)した。H
9培養物は、HIV−誘導シンシチウム形成を、顕微鏡的に7日間追跡し、p24
抗原産生物の存在を、100pg/mlほどの少ないp24を測定できるエリザ法を使用し
て追跡した。膣細胞株Hs 760.T及びHs 769.Vgは許容であった。Hs 760.Tの
ウイルス感染は共培養によって高多重度(1TCID50/細胞)で検出され、そ
してHT−29結腸細胞クローンのうち6つは0.1〜0.01TCID50/細胞の範囲
の多重度で許容であった。更に試験するため、これらのクローンのうちクローン
L20を選択した。
HIV−1RNA及びDNAは、以下の実施例に記載したようにして上皮細胞
中と培養上清液中の両方で検出した。
実施例2
PCRによるプロウイルスDNAの検出
上皮細胞を感染7日後に採取してDNAを抽出した(Sambrook等、(1989年)M
olecular Cloning、第2版、Cold Spring Harbor Laboratory Press、2: 9.16〜
9.19)。HIV−1env遺伝子に特異的なプライマー、(5'−GTAACGCAC
AGTTTTAATTGTGGAGGGGAA−3';配列番号: 1)及び(5'−
CCTCATATTTCCTCCTCCAGGTCT−3'; 配列番号: 2)をプ
ロウイルスDNAの検出に使用した。DNA(200ng)は、α−32P−dCTP
を使用してDNA熱サイクラー(Perkin−Elmer、コネティカット州ノルウォー
ク)で増幅してフラグメントを標識した。反応混合物は、10μlの10×PCR緩
衝液(Promega、ウィスコンシン州メディソン)、1.5mMのMgCl2、20pmolのプラ
イマー、0.125mMのdNTPs、5μCiのα-32P−dCTP及び0.5単位のTaq
DNAポリメラーゼ(Promega)からなっていた。増幅は35サイクルであり、94
℃で1分間の変性、55℃で1分間のアニーリング及び72℃で1分間の延長が含ま
れていた。最終反応混合物の10分の1を5%ポリアクリルアミドゲルでの電気泳
動によって分析した。ゲルを乾燥し、増感スクリーンを使用してX線フィルム(
X-OMAT;Eastman Kodak、ニューヨーク州ロチェスター)に13〜16時間暴露した
。
HIVコピー数(HIVゲノムの数)を測定するために、ACH−2細胞から
DNAの連続2倍希釈物を単離し、そしてこの細胞は細胞当たり1個のプロウイ
ルスコピーを含有していた(Clouse等、(1989年)J.Immunol.、142: 431〜438;
Seshamma等、(1992年)J.Virol.Methods、40: 331〜346; Graziosi等、(19
93年)Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.、90: 6405〜6409)。各希釈物中の総DN
A量を、H9細胞から抽出されたDNAを使用して200ngにそろえ、PCRを上記
のようにして実施した。HIVコピー数は、増幅したバンドの強度を比較して概
算した。内部標準として1対のヒトβ−アクチンプライマーを使用するPCR分
析を平行して実施した。
実施例3
RT−PCRによるHIV RNA発現の検出
感染7日後に上皮細胞を採取し、RNAゾル(RNAzol)法(Biotex Laborator
ies、テキサス州ヒューストン)によって総RNAを抽出した。各試料について
、総RNA 500ngをRNアーゼ不含DNアーゼI(Boehringer Mannheim、ドイ
ツ国マンハイム)10単位と共に37℃で1時間インキュベートした。次に、試料を
80℃で10分間加熱してDNアーゼを分解した。cDNAは、下流PCRプライマ
ー(下記)10pmol、0.625mMのdNTPs、5×反応緩衝液(Promega)及び200
単位のモロニー(Moloney)ネズミ白血病ウイルス逆転写酵素(RT)(Promega
)を用いて最終容量を20μlとしてRT反応で合成した。この混合物を37℃で1
時間インキュベートした。cDNAは実施例3に記載したようにしてPCRによ
り30サイクルで増幅した。HIV−1の調節RNAを検出するために使用したプ
ライマーは次のとおりであった:
5'−GAAGAAGCGGAGACAGCGACG−3'(配列番号: 3)
5'−GGCCTGTCGGGTCCCCTCG−3'(配列番号: 4)
HIV−1の構造RNAを検出するために使用したHIV−1主要スプライス
ドナー(MSD)部位に特異的なプライマーは次のとおりであった:
5'−CTCTCGACGCAGGACTCGGC−3'(配列番号: 5)
5'−CTTTCCCCCTGGCCTTAACCG−3'(配列番号: 6)
増幅したフラグメント中に32P−dCTPを導入し、その最終反応混合物の10
分の1を8%ポリアクリルアミドゲルでの電気泳動によって分析した。各試料に
おいて、逆転写酵素処理をしないRNAもPCRで増幅させ、増幅されたフラグ
メントがHIV cDNAからのものであってHIV DNAの夾雑によるもので
はないことが証明された。
実施例4
RT組合せ(nested)PCRによる培養上清液中のHIV RNAの検出
RNAをRNAゾル(RNAzol)法で培養上清液500μlから抽出した。DNアー
ゼI処理後、RTプライマーとして配列番号:8を用いたRT反応でcDNAを
合成した。合成したcDNAを組合せPCR方法で増幅した。最初のPCR用の
プライマーは次のとおりであった:
5'−GAAGAAGAGATAGTAATTAGATCT−3'(配列番号: 7)
5'−GGTGGGTGCTACTCCTAATTGTTCAATTC−3'(配列
番号: 8)
2番目の(組合せ)PCR用に使用したプライマーは配列番号: 7及び配列番
号: 2であった。最初のPCR生成物の10分の1を2番目のPCR反応に加えた
。PCR条件は、増幅を40サイクルで実施したことを除いて実施例3に記載した
とおりであった。最終反応混合物の10分の1を2%アガロースゲルでの電気泳動
によって分析し、臭化エチジウムで染色した。RT処理をしないRNA試料もD
NA夾雑用の試験として組合せプライマーで増幅させた。HIV−1で感染した
上皮細胞におけるDNA含量及びRNA発現を表2に示す。
HIV感染細胞が細胞当たりプロウイルスDNAを1コピー含有している場合
、HT29 L20細胞の約1%がHIV−1で感染されている。表2に見られるよ
うに、HIV−1で感染したHT29 L20細胞中の調節RNAの発現はHIV−
1で感染したH9細胞やACH−2細胞より低い。構造RNAの発現はかろうじて
検出できる。
実施例6 抗ペプチド抗血清によるL20及びHs769細胞でのHTLV−IIIB感染性の中和
高度免疫血清を、以下で示すgp120配列から誘導された5つのペプチド(表
3)で免疫化したサルから単離した。
アプライドバイオシステムズ(Applied Biosystems)(カリフォルニア州フォ
スターシティ)430Aペプチド合成器を使用して固相ペプチド合成を実施した。
ア
ミノ末端システイン残基を各ペプチドに加えて担体タンパク質とのカップリング
を促進した。ペプチドは、N−スクシンイミジル3−(2−ピリジルジチオ)プロピ
オネート(SPDP; Pharmacia、スウェーデン国ウプサラ)を使用して等級V
のオボアルブミン(Sigma、ミズーリー州セントルイス)と約10:1(ペプチド:
オボアルブミン)のモル比で共有結合させた。3から5歳の雄及び雌サル(Mac
aca fascicularis)を、フロイントの完全(1回目の注射)又は不完全(2回目
と3回目の注射)アジュバント中で乳化したオボアルブミン複合ペプチド100μg
を3週間間隔で連続的に3回筋肉内注射して免疫化した。免疫化前と、最後に免
疫化して1又は2週間後に大腿静脈から血液を集めた。免疫前及び免疫後血清を
調製して−20℃で貯蔵した。
これらのペプチドはサルでHIVに対する中和抗体を誘発することが示されて
いる(Vahlne等、(1991年)Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.、88: 10744〜10748
)。これらの抗体、高度のHTLV−IIIB中和能力を有するモルモット高度免疫
血清及びgp120に対するモノクローナル抗体(後の2つはスウェーデン国ウプ
サラのL.Akerblomの好意によって提供された)は、HT−29、クローンL20、
結腸細胞及びHs 760.T膣細胞におけるHIV−1感染性の一次阻止によりHT
LV−IIIB感染性を中和する能力についてアッセイし、続いて、非常に許容な
H9リンパ球様細胞と共培養してアッセイした。
ストックウイルスは、結腸細胞での中和には104 TCID50に希釈しそして膣
細胞での中和には希釈しないで(106 TCID50)使用し、そして1:5で開始
する熱不活性化サル血清の連続4倍希釈物と混合した。サル血清は1:10又は1
:20の最終希釈で使用した。モルモット高度免疫血清は陽性対照として使用した
。37℃で2時間インキュベートした後、血清ウイルス混合物を上皮細胞と共に37
℃で2時間インキュベートした。これらの細胞を培地で2回洗浄し、各ウエルに
1.5mlの維持培地をそれぞれ補充した。感染7日後に、細胞を5回洗浄して0.1%
トリプシンで5分間37℃で処理した。H9細胞(106個)を各ウェルに加え、そし
て共培養物をシンシチウム形成及びp24抗原の存在について7日間モニターした
。HS 760.T細胞、Hs769細胞及びHT−29 L20細胞での結果をそれぞれ表4
/5、6及び7に示し、そしてp24抗原を少なくとも90%減少させた血清希釈の
逆数と
して定義される平均中和力価として表わす。HIV−1コピー数もHIV−1に
感染したHS 760.T細胞について示す(表4及び5)。
これらの結果によって、プロウイルスDNAの値はHT29 L20と抗−gp120モ
ルモット血清とのインキュベーションによって顕著に減少したことが示された。
ウイルス負荷の減少は、配列番号: 9、10、11及び13に対応するペプチド(表3
)に対する抗血清と共にインキュベートした細胞においても見られた。HIV−
1コピー数は、配列番号: 13のペプチドに対する抗血清によってHS769膣上皮
細胞においても顕著に減少した。
実施例7 gp120エピトープに対するワクチンによるインビボHIV−1粘膜感染からの保 護
配列番号: 9〜13の配列を有するペプチドに対応するDNAをコレラ毒素のB
サブユニットをコードするDNAと分子生物学の標準的な方法によって結合させ
る。得られたキメラ構築物を、適当な翻訳開始及び終結シグナルを含有するpG
EX(Pharmacia、ニュージャージー州ピスカッタウェイ)のような市販で入手
できる真核生物発現ベクター内に入れる。次に、この構築物を当該技術分野で周
知の方法によって脂質小胞中に導入する。次いで、この脂質小胞を周知の薬理学
的な調製方法によって発泡組成物又は坐剤組成物中に処方し、そしてHIV感染
の危険性の高いヒトの膣及び/又は直腸に投与する。投与される投与量範囲は約
10μgから10mgまでの範囲である。投与は合計3回の投与を2週間間隔で繰り返
す。膣及び直腸粘膜における抗−HIV抗体の存在は膣分泌物及び糞(これらは
それぞれ膣及び直腸上皮から剥離した細胞を含んでいる)からタンパク質を単離
し、そしてp24エリザ法を実施することによりアッセイし、抗体が存在するかど
うかを測定する。次いで、これらの抗体をHIV−1ウイルス中和アッセイ(Va
hlne等、(1991年)Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.、88: 10744〜10748)で使
用することができる。
【手続補正書】特許法第184条の7第1項
【提出日】1995年3月30日
【補正内容】
請求の範囲
1.粘膜上皮にワクチンを投与する段階を含むHIV−1による粘膜上皮細胞
の感染を阻止する方法であって、上記ワクチンは約10から約50個までのアミノ酸
を有するHIV−1 gp120のペプチドを含んでおり、そしてそれによって上記ペ
プチドに対する抗体が上記粘膜内に産生され、上記ぺプチドは上記抗体がHIV
−1による上記細胞の感染を阻止するように選択されている該方法。
2.上記ペプチドが、上記粘膜細胞とHIV−1間の結合を阻止する抗体の粘
膜産生を生じさせるのに有効なエピトープを含有し、上記エピトープは配列番号
: 9、10、11、12又は13に存在する請求項1に記載の方法。
3.上記ワクチンが上記ペプチドの粘膜への送達を高める物質を更に含んでい
る請求項2に記載の方法。
4.上記物質が粘膜結合タンパク質を含んでいる請求項3に記載の方法。
5.上記粘膜結合タンパク質がコレラ毒素の結合サブユニットである請求項4
に記載の方法。
6.上記粘膜結合タンパク質が大腸菌の熱に不安定なエンテロトキシンの結合
サブユニットである請求項4に記載の方法。
7.上記ペプチドと上記粘膜結合タンパク質が一緒に結合してキメラタンパク
質を形成する請求項4に記載の方法。
8.上記キメラタンパク質が組換えDNAの発現産生物である請求項7に記載
の方法。
9.上記物質が脂質を含んでいる請求項3に記載の方法。
10.上記脂質が脂質小胞の形態である請求項9に記載の方法。
11.上記投与段階が、上記ペプチドを機能的にコードするポリヌクレオチド
を粘膜に投与し、そしてそれによって上記ペプチドを粘膜細胞に産生させること
を含む請求項1に記載の方法。
12.HIV−1による粘膜細胞の感染を阻止するための組成物であって、
エピトープに対する抗体がHIV−1の粘膜上皮細胞への結合を阻止するよう
に選択されたエピトープを有するHIV−1 gp120の10から50個のアミノ酸のペ
プ
チド; 及び
上記ペプチドの粘膜への送達を促進するために上記ペプチドと結合した化合物
又は構造体、
を含んでいる該組成物。
13.上記エピトープが配列番号: 9、10、11、12又は13に存在する請求項1
2に記載の組成物。
14.上記化合物又は構造体が脂質小胞である請求項12に記載の組成物。
15.上記化合物又は構造体が粘膜結合タンパク質である請求項12に記載の
組成物。
16.上記結合タンパク質がコレラ毒素タンパク質である請求項15に記載の
組成物。
17.上記結合タンパク質がコレラ毒素の結合サブユニットである請求項15
に記載の組成物。
18.上記結合タンパク質が大腸菌の熱に不安定なエンテロトキシンの結合サ
ブユニットである請求項15に記載の組成物。
19.HIV−1による粘膜上皮細胞の感染阻止用の約10から約50個までのア
ミノ酸を有するHIV−1 gp120のペプチドであって、粘膜に投与され、該ペプ
チドに対する、上記HIV−1による上記粘膜上皮細胞の感染を阻止する抗体が
上記粘膜に産生されるように選択されている該ペプチド。
20.上記ぺプチドが、HIV−1による上記粘膜細胞の感染を阻止する抗体
の粘膜産生を生じさせるのに有効なエピトープを含み、上記エピトープは配列番
号: 9、10、11、12又は13に存在する請求項19に記載のペプチド。
21.上記ペプチドが、該ペプチドの粘膜への送達を高める物質を更に含んで
いる請求項20に記載のペプチド。
22.上記物質が粘膜結合タンパク質を含んでいる請求項21に記載のペプチ
ド。
23.上記粘膜結合タンパク質がコレラ毒素の結合サブユニットである請求項
22に記載のペプチド。
24.上記粘膜結合タンパク質が大腸菌の熱に不安定なエンテロトキシンの結
合サブユニットである請求項22に記載のペプチド。
25.上記ペプチドと上記粘膜結合タンパク質が一緒に結合してキメラタンパ
ク質を形成する請求項22に記載のペプチド。
26.上記キメラタンパク質が組換えDNAの発現産生物である請求項25に
記載のペプチド。
27.上記物質が脂質を含んでいる請求項21に記載のペプチド。
28.上記脂質が脂質小胞の形態である請求項27に記載のペプチド。
29.上記投与段階が、上記ペプチドを機能的にコードするポリヌクレオチド
を粘膜に投与し、そしてそれによって上記ペプチドを粘膜細胞に産生させること
を含む請求項19に記載のペプチド。
30.HIV−1による粘膜細胞の感染を阻止する方法であって、
配列番号: 9、10、11、12又は13の1つ又はそれより多いペプチドに対する粘
膜抗体を産生させ;
上記抗体を粘膜上皮細胞と接触させて提供し; そして
上記細胞をHIV−1と接触させ、それによって上記抗体がHIV−1による
上記細胞の感染を阻止する、
段階を含む該方法。
31.上記抗体が免疫原をインビボで粘膜組織に投与することによって産生さ
れる請求項30に記載の方法。
32.上記免疫原が粘膜結合タンパク質と結合している請求項31に記載の方
法。
33.上記粘膜結合タンパク質がコレラ毒素のBサブユニットである請求項3
2に記載の方法。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 ホーラル,ペーテル
スウェーデン,イェーテボリ,エス―412
66,オランジェリーガータン 21 ビー
(72)発明者 スヴェンネルホルム,ブー
スウェーデン,イェーテボリ,エス―412
66,ヤーコブスダールスガータン 48
(72)発明者 ヴァールネ,アンデシュ
スウェーデン,ヴェストラ フレールン
ダ,エス―421 70,グリマーラズ バイ
10
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.HIV−1による粘膜細胞の感染を阻止する方法であって、粘膜にワクチ ンを投与する段階を含み、それによって粘膜に約10から約50個までのアミノ酸を 有するHIV−1 gp120のペプチドを送達し、上記ペプチドに対する抗体が上記 粘膜内に産生され、上記ペプチドは上記抗体がHIV−1による粘膜上皮細胞の 感染を阻止するように選択されている該方法。 2.上記ペプチドが、HIV−1による上記粘膜細胞の感染を阻止する抗体の 粘膜産生を生じさせるのに有効なエピトープを含有し、本質的に配列番号: 9、1 0、11、12又は13からなる請求項1に記載の方法。 3.上記ワクチンが上記ペプチドの粘膜への送達を高める物質を更に含んでい る請求項2に記載の方法。 4.上記物質が粘膜結合タンパク質を含んでいる請求項3に記載の方法。 5.上記粘膜結合タンパク質がコレラ毒素の結合サブユニットである請求項4 に記載の方法。 6.上記粘膜結合タンパク質が大腸菌の熱に不安定なエンテロトキシンの結合 サブユニットである請求項4に記載の方法。 7.上記ペプチドと上記粘膜結合タンパク質が一緒に結合してキメラタンパク 質を形成する請求項4に記載の方法。 8.上記キメラタンパク質が組換えDNAの発現産生物である請求項7に記載 の方法。 9.上記物質が脂質を含んでいる請求項3に記載の方法。 10.上記脂質が脂質小胞の形態である請求項9に記載の方法。 11.上記投与段階が、上記ペプチドを機能的にコードするポリヌクレオチド を粘膜に投与し、そしてそれによって上記ペプチドを粘膜細胞に産生させること を含む請求項1に記載の方法。 12.HIV−1による粘膜細胞の感染を阻止するためのワクチンであって、 エピトープに対する抗体がHIV−1による粘膜上皮細胞の感染を阻止するよ うに選択されたエピトープを有するHIV−1 gp120の10から50個のアミノ酸ペ プ チド; 及び 上記ペプチドの粘膜への送達を促進するために上記ペプチドと結合した化合物 又は構造体、 を含む該ワクチン。 13.上記ペプチドが本質的に配列番号: 9、10、11、12又は13からなってい る請求項12に記載のワクチン。 14.上記化合物又は構造体が脂質小胞である請求項12に記載のワクチン。 15.上記化合物又は構造体が粘膜結合タンパク質である請求項12に記載の ワクチン。 16.上記結合タンパク質がコレラ毒素タンパク質である請求項15に記載の ワクチン。 17.上記結合タンパク質がコレラ毒素の結合サブユニットである請求項15 に記載のワクチン。 18.上記結合タンパク質が大腸菌の熱に不安定なエンテロトキシンの結合サ ブユニットである請求項15に記載のワクチン。 19.HIV−1による粘膜上皮細胞の感染阻止用の約10から約50個までのア ミノ酸を有するHIV−1 gp120のペプチドであって、粘膜に投与され、該ペプ チドに対する、上記HIV−1による上記粘膜上皮細胞の感染を阻止する抗体が 上記粘膜に産生されるように選択されている該ペプチド。 20.上記ペプチドが、HIV−1による上記粘膜細胞の感染を阻止する抗体 の粘膜産生を生じさせるのに有効なエピトープを含有し、本質的に配列番号: 9 、10、11、12又は13からなっている請求項19に記載のペプチド。 21.上記ペプチドが、該ペプチドの粘膜への送達を高める物質を更に含んで いる請求項20に記載のペプチド。 22.上記物質が粘膜結合タンパク質を含んでいる請求項21に記載のペプチ ド。 23.上記粘膜結合タンパク質がコレラ毒素の結合サブユニットである請求項 22に記載のペプチド。 24.上記粘膜結合タンパク質が大腸菌の熱に不安定なエンテロトキシンの結 合サブユニットである請求項22に記載のペプチド。 25.上記ペプチドと上記粘膜結合タンパク質が一緒に結合してキメラタンパ ク質を形成する請求項22に記載のペプチド。 26.上記キメラタンパク質が組換えDNAの発現産生物である請求項25に 記載のペプチド。 27.上記物質が脂質を含んでいる請求項21に記載のペプチド。 28.上記脂質が脂質小胞の形態である請求項27に記載のペプチド。 29.上記投与段階が、上記ペプチドを機能的にコードするポリヌクレオチド を粘膜に投与し、そしてそれによって上記ペプチドを粘膜細胞に産生させること を含む請求項19に記載のペプチド。
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