JP2000504961A - 検出器応答が安定化されたx線断層撮影システム - Google Patents

検出器応答が安定化されたx線断層撮影システム

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Abstract

(57)【要約】 X線源(12)、複数のX線検出器モジュール(14)および複数の散乱防止板モジュール(22)を有するCT走査システム(8)において、信号の不安定性並びに、これに関連した再構成画像への人工産物の混入が位置合わせ組立体によって防止される。この位置合わせ組立体は、各散乱防止板(22)が、対応する各検出器(14)の実質的に一定の最高感度を有する各領域に位置合わせされることを可能にする。各散乱防止板(22)によって投影される影は、放射線に対して実質的に一定の最高感度を有する前記各領域内に完全に入るため、熱の作用またはX線源(12)、各検出器(14)および各散乱防止板(22)の各走査間の相対的運動に起因する信号変調が最小になる。

Description

【発明の詳細な説明】 検出器応答が安定化されたX線断層撮影システム 発明の分野 本発明は、一般にx線コンピュータ一断層撮影(CT)システムに関し、より 具体的にはかかるシステム内の各X線検出器組立体および各散乱防止板組立体の 配置に関する。発明の背景 第三世代CTスキャナーは、一般的にX線源とX線検出器アレイとを含み、こ れらは環状ディスクの直径方向に向き合った両側に配置されている。環状ディス ク自体は、ガントリー支持体内に回転自在に取りつけられている。ディスクの穴 の中にいる患者の走査の間、ディスクは回転軸を中心として回転し、一方X線は X線源の焦点から患者を通過して検出システムに入射する。 X線源と検出器アレイは、焦点と各検出器との間の各X線路がすべて該ディス クの回転軸に垂直な同一面(いわゆる“スライス面”、“回転面”または“走査 面”)内に存在するように配置される。各X線路は実質的に点源から始まり、異 なる角度でそれぞれの検出器までのびているから、各X線路はあたかも1つの扇 (ファン)に似た形を呈する。したがって、任意の瞬間におけるこれらX線路の すべてを記述するために“ファンビーム”という言葉が使用される。走査中の測 定間隔時間に単一の検出器によって検出される放射線が“線”と考えられる。こ の線はその通過路内の患者の体によって部分的に減衰され、各検出器は減衰の関 数として、すなわち、焦点から検出器までのX線路内に存在する患者の部分の密 度の関数として単一の濃度測定を行う。これらのX線濃度測定、すなわちX線投 射が環状ディスクの多数の点のそれぞれにおいて通常予め定められた測定間隔で 実行される。 理想的には、走査の間にファンビーム内の放射線のすべては均一濃度であるべ きであり、すべての検出器は均一な入力−出力応答(または変換関数)を有すべ きである。すなわち、すべての検出器は、理想的には、与えられたX線入力信号 レベルに対しては同一の出力信号を出すべきである。さらに、放射線に対する検 出器システムの応答の安定性にバラツキがないこと、すなわち、検出器システム が発生する信号が逐次的または周期的な複数の走査の間でドリフトしないことが 理想的である。 気相型や固相型を含む各種のタイプの検出器が開発されている。代表的固相検 出器は、高エネルギーX線フォトンを低エネルギー可視光線フォトンに変換する シンチレーター結晶と、低エネルギー可視光線フォトンを極小振幅電流(すなわ ちピコアンペア乃至ナノアンペアのオーダーの電流)に変換するフォトダイオー ドとを含む。各検出器の極小振幅電流出力は、その検出器に入射したX線束を表 す。検出器アレイの出力は、導電体アレイを通じて、信号処理のためのデータ取 得システム(DAS)へ伝送される。 得られる画像の解像度は、検出器のサイズの関数であるから、CTスキャナー システムは通常ファンビーム円弧内にきわめて密な間隔で配置された数百個の検 出器を包含する。このような検出器アレイのコストを下げるために、予め組み立 られた、それぞれが数個のソリッドステート検出器からなるソリッドステート検 出器モジュールが米国特許第5,487,098号明細書に記載されている。この 特許はJohn DobbsとDavid Banksに与えられ、そして本譲受人に譲渡されたもの であり(以下、“’098特許”という)、本願明細書に参考文献として取り入 れられている。たとえば、本譲受人によって製造された第三世代CTスキャナー システムは、16個の検出器を各々含む24個のモジュールによって提供される 384個の検出器を包含し、それらの検出器は48度より大きくない角度の円弧 内に密接して配置されている。したがって、1個の検出器の幅はミリメートルの オーダーである。 各検出器モジュールは、通常すべての側面が導電性の、X線に対して実質的に 透明であり光学的に不透明なシールドに包まれている。モジュールを包むこのシ ールドは、一般に薄い反射性箔から形成されている。さらに、モジュール内の個 々の検出器(以下、単に“検出器”または“検出器結晶”という)は、白い高反 射性材料によって包囲されている。この材料は少なくとも厚さが0.2ミリのオ ーダーであり、X線は通過させるが、各結晶間の過度の光の漏れを防止する。し たがって、X線はどの角度からも検出器結晶に入射できるが、これらのX線に応 答して結晶内で発生し可視光は、1つの検出器からもう1つの検出器へ通過もで きないし、反射もできない。なぜならば、検出器は光学的に不透明なシールドで 包囲されているからである。これによって隣接する検出器チャンネル間の混信が 実質的に減少または排除されているのである。 隣接する検出器結晶間のコーティングの厚さと個々の結晶の製造に関連する機 械的許容誤差の故に、真に連続する1つの検出領域を形成するように、ある結晶 を他の結晶に十分に密接して配置することは実際上不可能である。アレイ内に最 も密に配列された検出器結晶でも、結晶間に反射材料の多層を収容するため少な くとも約0.2mmの距離だけ分離される。この微小な各結晶間の間隔またはギャ ップは、患者の各X線投影において減少された信号情報の領域として現れる。こ のような領域の存在は、検出器結晶がファンビームを横切る放射線を均等に検出 し得る有効性を低下させ、したがって再構成される画像の精度と解像度に影響を 与える。 この条件は、各検出器結晶に入射する前に放射線をコリメートする必要がある ことによってさらに悪化する。高密度物質はX線を散乱させる傾向があるから、 X線源の焦点から各検出器結晶までの直線路を通らない放射線が検出器結晶に入 射するのをできるだけ排除する必要がある。このような迷走または散乱する放射 線の検出器結晶への入射を排除するために、X線源と各検出器結晶との間に、複 数の細長く薄いコリメーション板あるいは“散乱防止”板からなるアレイが置か れる。それら散乱防止板は、X線に対して不透明であり、また、X線をコリメー トして実質的にX線源から検出器結晶までの直線路を進むX線のみを通過させる ように、各検出器結晶に対して各散乱防止板は配列される。かかる散乱防止板は 、一般には、焦点からのび、かつアレイの隣接検出器結晶間のギャップに対応す る放射状の線と整合するよう配置され、しかして、各X線路に沿って垂直に入射 する放射線から、たとえば約3度だけの偏向角度で検出器結晶に入射するどのX 線をもブロックする。各散乱防止板と検出器間の対応するギャップとの位置合わ せは、各散乱防止板が隣接検出器の最も感度の低い部分をさえぎり、対応する各 検出器結晶によって最大量の放射線が検出されることを保証する。 既存のCTスキャナーシステムでは、アレイ内の各検出器結晶間に少なくとも いくらかのスペースが、散乱防止板およびそれらが検出器結晶に投影する影を収 容するために必要であると考える。各散乱防止板は厚さが、例えば、厚さが0. 1mmオーダーの極めて薄いものであるが、それでもなお場合によっては、X線を ブロックするか、または対応する隣接検出器結晶の一方または双方の上に“影” をつくる。散乱防止板によってさえぎられた検出器結晶は、さえぎられない検出 器結晶からの信号に対して強度の低下した信号を発生する。しかしながら、検出 システムの応答は、低下された信号強度によるよりも、むしろ信号の不安定性に よって影響される。複数の検出器結晶と散乱防止板とを有するディスクが走査中 に回転する時に、散乱防止板は熱的作用の結果として、またはディスクの回転の 結果として、時間を超過して運動し得る。検出器結晶に対する散乱防止板のこの 時間超過運動は、対応する検出器結晶上の散乱防止板がさえぎる程度にバラツキ を生じさせる。このバラツキのあるさえぎりの結果として、さえぎられた検出器 の出力信号が、移動する散乱防止板によって変調されることがある。散乱防止板 のこの動きは空間運動ではわずかではあるが、各検出器結晶の出力は極めて高い 精度(0.03%)で較正され、この出力はこのようなレベルの精度で測定され るから、電流の振幅における変動の量は意味をもち得る。すなわち、本発明以前 においては、各散乱防止板はできるだけ薄くすべきであり、かつまた2つの隣接 検出器結晶間の対応するギャップ(各検出器結晶の最も感度の低い部分)とでき るだけ密接して位置合わせされるべきであり、これにより隣接検出器結晶の検出 領域上に形成される影を最小にし、検出器からの出力信号の変調を最小限におさ えられると信じられてきた。 しかしながら、最適システムの設計は、検出器組立体の設計変更を必要とする 。一方において、連続する検出領域により近似させるためには、検出器結晶間の ギャップをできるだけ小さくするのが望ましい。他方においては、散乱防止板の 影に対処するために、隣接検出器結晶間のギャップを十分に大きくして、検出領 域に形成される散乱防止板の影の影響を最小限にすることが望まれる。このよう な設計変更は、散乱防止板の影が検出器結晶間のギャップに完全に形成され、検 出器結晶の検出領域上には形成されないように、複数の散乱防止板を配置するこ とを極めて実現困難にするものである。検出器結晶の放射線に対する感度は、一 般に検出器結晶の中央検出領域にわたり一定の最高値であり、結晶のエッジ近く で急激に低下する。検出器結晶のエッジ、それゆえ感度の低い領域、すなわち隣 接する検出器結晶間のギャップ近傍をさえぎることは、散乱防止板の比較的小さ い運動に関して信号強度の重大な変化を生じさせ、したがって望ましくない信号 変調と不安定性の原因となる。 上記のような条件の結果として、検出器モジュールと散乱防止板とを非常に苦 心して精密に互いに位置決めすることが従来必要であった。影を最小にして、検 出される直射放射線の量を最大とし、散乱放射線の検出を最少限にとどめ、かつ 信号の不安定を防止するためには、散乱防止板と検出器結晶の間の相対運動のす べてを実質的に防止しまたは最小限にしなければならない。検出器結晶の解像度 が高くなるにつれて、該結晶ならびに該結晶間のギャップは小さくなる。そして 、散乱防止板の各影を完全に各ギャップ領域内におさめることはますます実現困 難となる。さらに、検出領域は連続してはおらず、検出器結晶の各エッジ部分で の感度の低い領域によって分離された、実質的に一定の最大感度を有する複数の 分 離検出領域のアレイであるために、患者の体を通過した全放射線うちのわずかな 、ただし潜在的に重要な部分が検出されない可能性がある。各検出器から得られ る各信号は比較的不安定になり易く、各信号から再構成される各画像は、それら によって導入された人為的事象により、歪みを受けかつ不鮮明となる可能性があ る。 したがって、従来のシステムの欠点を解決することが、CTスキャナーシステ ムの分野での1つの利点となるはずである。発明の目的 したがって、本発明の目的は、各検出器結晶上での各散乱防止板による影の発 生と位置とを制御するために、X線源と検出器組立体とに対して正確に配置し得 る散乱防止板組立体を有するCTスキャナーシステムを提供することである。 本発明のいま1つの目的は、各散乱防止板を収容するために、各検出器結晶間 に最小の間隔を与えることを必要としない検出器組立体を有するCTスキャナー システムを提供することである。 本発明のさらにいま1つの目的は、散乱防止板組立体を、その各散乱防止板が 放射線通路に存在することによって生じるいかなる影も、また、熱の影響または ディスクの回転の結果としての各検出器に対する各散乱防止板のいかなる運動も 、各検出器によって発生する各信号に実質的に影響を及ぼさないように位置させ ることのできるCTスキャナーシステムを提供することである。発明の概要 本発明によるX線走査システムは(a)X線源とX線検出器組立体とを支持す るためのディスクと、回転軸を中心として回転する該ディスクを回転可能に支持 するためのフレームとを含むガントリー、(b)該X線源と協働する複数のX線 検出器を含むX線検出器組立体、(c)該X線源と該検出器組立体との間の放射 線路内に配置された複数の散乱防止板を有する散乱防止板組立体、および(d) 該検出器組立体と散乱防止板組立体とを支持するための、前記ディスクに接続さ れた支持構造体を包含する。本走査システムはさらにX線源、各検出器および各 散乱防止板の相対運動に起因する変調に対して各信号を安定化するための組立体 を含む。 この信号安定化組立体は、上記支持構造体上で、各散乱防止板が、対応する検 出器が放射線に対する実質的に一定の最大感度を有する連続領域と実質的に位置 合わせするように、検出器組立体に対して散乱防止板組立体を位置させるための 位置決め組立体を含む。各検出器に対して各散乱防止板をこのように位置合わせ させることにより、各検出器によって発生する信号のすべてが均等に減衰され、 検出器に対するX線源または散乱防止板のいかなる運動によっても、散乱防止板 が、対応する検出器の一定最大感度の領域に影を落とすことになる。この結果、 検出器の出力は散乱防止板のいかなる運動によっても影響されなくなる。すなわ ち、熱の作用またはディスクの回転に起因するX線源、各散乱防止板、各検出器 のなんらかの相対運動が信号に与える影響は無視できるものとなる。 各検出器組立体および各散乱防止板組立体は、好ましくは、支持構造体の基準 面と合わせるためのそれぞれの基準面を有するモジュールユニットである。支持 構造体は、好ましくは、そのベース基準面から延び、支持構造体に対して固定さ れている位置決め組立体を含む。散乱防止板モジュールが検出器モジュールに対 して支持構造体上で位置決めされる時、各散乱防止板は対応する各検出器の実質 的に一定の最大感度の領域と実質的に位置合わせされる。 1つの実施形態においては、散乱防止板の枚数は検出器の個数と等しい。別の 実施形態では、散乱防止板の枚数は検出器の個数と等しい必要はなく、検出器の 個数よりも多くまたは少なくすることができる。 本発明のさらに別の観点によれば、X線システム内の検出器組立体、X線源お よび散乱防止板組立体の相対運動に起因する変調に対して、各検出器が発生する 各信号を安定化する方法が提供される。この方法によれば、散乱防止板組立体は 、各散乱防止板が、対応する各検出器の実質的に一定の最大感度を有する領域と 実質的に位置合わせされるように、検出器組立体に対して位置させられる。 本発明のさらにいま1つの観点においては、X線システム内のX線源と共に使 用されるX線検出器組立体のためのモジュールの構成についての改良が提供され る。この構成は、基準面と、該基準面に対して固定された、線源により発生した X線を検出するための1つまたは2つ以上の検出器とを有する少なくとも1つの 検出器モジュールと、第2の基準面と、該第2の基準面に対して固定された、検 出器が受ける散乱X線の量を減少させる手段とを含む少なくとも1つの散乱防止 板モジュールとを包含する。ベース支持組立体は、検出器モジュールと散乱防止 板モジュールとを支持するためX線システムに固定されている。このベース支持 組立体は、ベース基準面と、各モジュールを、ベース支持組立体に対し、かつま た互いに対して適切に位置させ、かつ固定するための位置決め組立体を有する。 この位置決め組立体は、該ベース基準面を通って延び、ベース支持組立体に対し て固定された3本のピンであって、その第1のピンが検出器モジュールと協働し 、第2のピンが散乱防止板モジュールと協働し、かつ第3のピンが検出器モジュ ールと散乱防止板モジュールの双方に対し共通で、かつ双方と協働し、その結果 、各モジュールの各基準面がベース基準面と互に向き合う関係にあるような3本 のピンを含む。検出器モジュールと散乱防止板モジュールとは、したがって、そ れらモジュールとベース支持組立体がX線システムに固定された場合、互に対し て、かつまた線源に対して正確に位置決めされることとなる。本発明による改良 は、各検出器から受ける信号を、X線源、各検出器、各散乱防止板の相対運動に 起因する変調に対して安定化するための組立体を包含する。特に、この信号安定 化組立体は、各散乱防止板モジュールと各検出器モジュールとを、互に対して、 各散乱防止板が、対応する各検出器の一定最大感度の各領域と実質的に位置合わ せされるように取りつけることを可能にする。 本発明のその他の目的ならびに利点は、以下の詳細な説明から、本技術分野に おける通常の知識を有する者が容易に理解できるであろう。以下の詳細な説明で は、単に本発明の最良の実施形態を説明する目的で、ただ2つの好ましい実施形 態のみが図示され、説明される。明らかなように、本発明は他の各種実施形態を 可能にするものであり、その細部は本発明から逸脱することなく各種の点で変更 することが可能である。したがって、図面と実施形態の記載は本発明を説明する ためのものであって、決して本発明を限定するものではないことを理解されたい 。図面の簡単な説明 本発明の本質と目的を十分に理解するためには、添付図面に関連した以下の詳 細な説明を考慮すべきである。添付図面中: 図1は、本発明の1つの実施形態を組み入れたCTスキャナーシステムを軸方 向から見た図である; 図2は、支持構造体に取りつけられる検出器モジュールと散乱防止板モジュー ルを示す一部破断した部品展開斜視図である; 図3は、検出器モジュールの斜視図である; 図4Aおよび4Bは、アレイ内の単一検出器と多検出器とをそれぞれ簡単化し て示す斜視図である; 図5は、従来技術のX線システムの一部の、検出器と散乱防止板との相対位置 を示す簡単化した斜視図および従来技術のX線システムでの対応する検出器の信 号応答のグラフである; 図6は、散乱防止板が、対応する検出器の一定最大感度の領域上に位置合わせ されている、本発明によるX線システムの一部の簡単化した斜視図、および本発 明によるX線システムにおける対応する検出器の信号応答のグラフである; 図7Aおよび7Bは、散乱防止板の数が検出器結晶の数と等しくない本発明の 別の2つの実施形態によるx線システムの一部のそれぞれ簡単化した斜視図であ る。図面の詳細な説明 図1は、本発明によるCTスキャナーシステムを示している。CTスキャンの ためのデータを与えるために、スキャナー8はディスク10に取り付けられたX 線源12と検出器組立体14とを包含する。X線源12と検出器組立体14は、 回転軸16(図1で見て図面に垂直な方向にのびている)を中心として回転され 、CTスキャンの間にディスクの中央開口部に沿って延在している検体18のま わりを回る。検体18は、生きている人間の患者の一部分、たとえば頭または胴 体であり得る。X線源12は、走査面(回転軸16に垂直)内にX線の連続した 扇形ビーム20を放射する。X線は焦点9から発散して広がり、検体18を通過 した後、検出器組立体14に到達して、組立体の多数の検出器によって検知され る。検体18と組立体の多数の検出器との間には、検出器によって検出される散 乱放射線の量を実質的に減少させるために、散乱防止板22のアレイが配置され ている。 好ましい実施例においては、検出器の個数は384個であり、48゜の円弧を カバーする。ただし、この数と角度は変えられる。再び図1を見ると、アルミニ ウムのごとき有利な軽量材料からつくられているディスク10は、軸16を中心 として迅速かつ円滑に回転させられる。ディスク10は、検体18をディスクの 開口部に沿って位置させることができる開口フレーム構造である。検体18は、 たとえば、パレットまたはテーブル32の上に載置することができる。このパレ ットまたはテーブル32は、実際上X線をできるだけ透過するものであるべきで ある。ディスク10が回転するにしたがって、組立体14の多数の検出器は、多 くの投射角度から走査面内の検体18を通過するX線のそれぞれの測定値を与え るために、周期的にサンプリングされる。多数の測定値は、そのあと適当な信号 処理装置(不図示)を使用して公知の数学的技術によって電子的に処理され、最 終的画像情報が得られる。画像情報は、この後メモリーに記憶され、コンピュー タで解析することができ、また、適切に表示することができる。 図1を再び参照してさらに詳細に説明すると、本発明によれば、検出器組立体 14は、工作機械の直交座標系内で容易かつ精密に仕上加工することができるよ うに設計された、平らな基準面を有する基準支持台28の形のベース基準部材を 含む。多数の検出器と散乱防止板は、それぞれ複数の同じモジュール24と26 の中に組み込まれている。これらのモジュールも、標準的工作機械の直交座標内 で精密に仕上加工される。そのあと、各モジュールは支持台28の基準面に正確 に位置合わせされ、支持台28の基準面に固定される。支持台28は、適当な支 持体、たとえば支持部材30を使用してディスク10によって支持される。した がって、すべての検出器は走査面内に存在し、X線源12の焦点9に関して等し い角度で円弧配列される。 図2を参照すると、検出器組立体14は、支持台28、検出器モジュール24 および散乱防止板モジュール26を含む。使用時には、完全な検出器組立体はデ ィスク10に固定されており、たとえば、1つの支持台、8個の散乱防止板モジ ュールおよび24個の検出器モジュールを包含し得る。各検出器モジュールは、 たとえば、16個の検出器を有する。支持台28は好ましくは円弧形であり、正 しくディスク10に取り付けられた時には、円弧の中心はX線源12の焦点9と 一致する。支持台はさらに2つの平行平面40と42を含み、そのうちの平面4 0は前基準面と考えられる。これらの平面は、基準孔44、48、50、56と 取付け孔54、58とを支持台28内部に市販の標準的工具を使用して、基準面 40から垂直に非常に精確に掘削することを可能にするものである。ドエルピン 60A−Dが’098特許明細書に詳細に記載されているように基準孔の中に差 し込まれる。 正確に位置決めするために、多数の散乱防止板22は、まず散乱防止板モジュ ール26に組み込まれる。このモジュールは、たとえば、図2に示されているよ うに、平らな外側基準面72を有する底板70と天井板74との間に取りつけら れた48枚の散乱防止板22を含む。底板70と天井板74の互いに向き合って いる面は、検出器組立体が正しく組み立てられ、ディスクに固定された時に、各 板が半径方向に焦点9と位置合わせされるよう、各散乱防止板22を支持する手 段を好ましくは含む。この支持手段は、好ましくは、非常に薄い突起したリッジ 76であり、各散乱防止板22を受容するための位置決めスロットを備える。こ れらの位置決めスロットは突起リッジの上に配置されており、各散乱防止板モジ ュールと検出器モジュールが支持台上に取り付けられた時に、散乱防止板22は 対応する検出器の一定最大感度の領域と位置合わせされる。この位置合わせは、 本発明においては、位置決めスロットを’098特許明細書に開示されている位 置から、検出器結晶および隣接結晶間のギャップの幅の半分に等しい距離だけ右 側または左側に、均等に配置することによって達成される。散乱防止板モジュー ルの構成は’098特許明細書に詳細に記載されているので、ここではさらに詳 細な説明は省略する。 好ましい検出器モジュール24がさらに詳細に図3に示されている。このモジ ュールは金属ブロック90を含み、このブロックの1つの面上にはソリッドステ ート検出器92のアレイおよびマルチ導線リボンケーブル94、または他の可撓 性接続導体が取り付けられている。ブロック90は有利には圧延アルミニウムか らつくられるが、他の材料も使用できる。図4Aおよび4Bにさらに詳細に示さ れているように、各検出器92は、X線エネルギーを光に変換するためのシンチ レート結晶97、およびその光を電流に変換するためのフォトダイオード99を 包含し得る。ダイオードは公知技術によって基板96の上に形成することができ 、結晶は直接ダイオードの頂面に接合される。マルチ導線リボン94は、ハンダ または他の方法で基板96に取り付けることができ、各検出器の出力は、個々に リボン内の対応する導線を通じてスキャナー信号処理ユニットに送られる。完成 した基板組立体はブロック90に接合することができる。モジュール24は、た とえば、それぞれ幅が1ミリメートルのオーダーの検出器16個を包含すること ができる。それら検出器が1/8度の円弧間隔で配置されているとすれば、それ らの中心の離間距離は2ミリメートル以下となる。前記したように、検出器の間 隔の均一性は、測定値を再構成画像内の正しいピクセルに割り当てるために重要 である。検出器特性が均一であることが望ましいが、実際には検出器は予想され る温度範囲の全体にわたって較正されるのが好ましい。したがって、均一な検出 器 温度を得るための良好な熱伝導結合が望ましい。 位置決め組立体は、たとえば、3本のピンまたはキーを含み、これらはベース 基準面を通って延び、次のような態様で支持構造体に対して固定される。すなわ ち、第1のピンまたはキーが検出器モジュールと協働し、第2のピンまたはキー が散乱防止板モジュールと協働し、そして第3のピンまたはキーが両方のモジュ ールに共通でそれらと協働し、両モジュールの基準面が支持構造体のベース基準 面と互いに向き合う関係になるよう固定される。これによって、各検出器モジュ ールと各散乱防止板モジュールは、互いに、かつX線源に対して、それらモジュ ールと支持構造体がX線システムに固定された時に、正確に位置決めされる。 検出器モジュールと散乱防止板モジュールはそれぞれ、3つのピンのうちの3 番目のものをしっかりと受容するための1つの円形孔、ならびに、長さよりも小 さい幅を有し、該円形孔と位置合わせされている1つのスロットを有する。スロ ットの幅は、それぞれ第1ピンと第2ピンとをしっかりと受容するよう定められ ている。他方、スロットの長さは、第1ピンと第3ピンの間隔、および第1ピン と第3ピンとの間隔の許容誤差に対応するよう定められている。 検出器組立体、散乱防止板組立体、検出器モジュールと散乱防止板モジュール の支持台上の配置、およびそれらを調整する手段の詳細は’098特許明細書に 開示されているので、ここではさらに詳細な説明は省略する。 図4Aと4Bに詳細に示されているように、各検出器92は、1つの検出器か ら他の検出器へ光が漏洩するのを防止するため、少なくとも互いに向き合った側 面が(好ましくはフォトダイオードと接触している底面を除くすべての側面が) 、たとえば、高い光学反射性材料の薄いフィルム107からなるシールドでコー ティングされている。ただし、各検出器を包囲するこのシールドはX線(矢印1 09で図示されている)に対して透過性である。前記したように、薄いフィルム コーティン107の間の検出器結晶の領域は、その検出器のエッジ部分よりもX 線に対する感度がはるかに高い。これは一つには、フィルム107の存在によっ て 隣接する2つの検出器の間に隙間、すなわちギャップ121が存在しているから である。多数の検出器は検出器組立体内で近接配置されているが、その各検出器 間の小さな間隔、すなわちギャップ121の大きさは、通常約0.2mmのオーダ ーである。各検出器結晶間のギャップ121に実質的に入射する放射線の信号強 度は、結晶に入射する放射線の信号強度のおよそ1%である。 図5は、従来技術のX線システムにおける検出器92と散乱防止板22との相 対位置を簡単化して示す。従来技術のCTシステムでは、散乱防止板22は隣接 検出器間のギャップ121(高い光学反射性材料107の複数の層からなる)と 実質的に位置合わせされるように配置されている。従来技術のX線システムでは 、各検出器間のギャップの上に各散乱防止板を置くことが、各検出器の上に投影 される各散乱防止板の影の影響を最小にし、しかして各散乱防止板の運動に起因 して各検出器から発生する信号の変調を低減するために、必要であると考えられ ていた。しかしながら、検出器の図面の下の対応する信号応答のグラフから理解 されるように、ギャップ領域は極めて狭いので、散乱防止板22を各検出器間の ギャップ領域121全体に亘って、正確かつ完全に配置することは、極めて非現 実的で困難である。X線源、各散乱防止板または各検出器のごくわずかな運動で も、散乱防止板22がギャップに対してミス位置合わせ状態となり、各板の影は 結晶間のギャップに投影されないで、各検出器結晶の上に投影されることがある 。各結晶上に間欠的に影が投影されると、結晶によって発生される信号に不安定 要素が混入し、再構成された画像に好ましくない人工的画像が生じる。 図5から明らかなように、もし各検出器間のギャップ領域が十分に大きく、各 散乱防止板の影を結晶上には投影させないでギャップ領域に収容できるのであれ ば、各散乱防止板の影が各検出器間のギャップ領域上のみに落ちるよう、散乱防 止板22を配置するのが望ましいであろう。しかしながら、すべての検出器は密 接して一緒に移動されるものであるから、各検出器間のギャップのサイズは減少 され、各散乱防止板の影がギャップ領域121上にのみ投影されるよう、各散乱 防止板を配置することはますます困難となる。各検出器間の低感度ギャップ領域 が狭くなればなるほど、散乱防止板がそれらの領域上にのみ位置するよう、各散 乱防止板をより精密に配置しなければならない。そして、各散乱防止板と検出器 との間のごくわずかな運動だけが許容されるにすぎない。たとえ各検出器間の非 常に狭いギャップ領域上に正確に散乱防止板が置かれたとしても、ごくわずかな 散乱防止板の運動でも、それらの影を検出器の一定最高感度領域の上に投影せし めることになる。その結果として、一定最高感度領域92Aと各検出器間の低感 度ギャップ領域121の両方の上を影がチラつくことによる、予測不可能な信号 強度の変化が生じる。 図5に見られるように、散乱防止板によってさえぎられていない検出器からの 信号の強度は、グラフの領域92Aに相当する実質的に一定感度の領域では、そ の領域全体にわたって一定最大値であり、グラフの領域121Aに相当する各検 出器の間では非常に低レベルである。対照的に、図6には本発明による、X線シ ステムの1つの好ましい実施形態の各散乱防止板と各検出器との相対位置が示さ れている。注目すべきことは、散乱防止板22が検出器間ギャップ領域121の 上には配置されておらず、放射線に対する感度が実質的に一定最大値である各検 出器の領域と、実質的に位置合わせされていることである。図6に示されている ように、散乱防止板によってさえぎられている検出器からの信号の強度は、グラ フの領域92Aに相当する一定最大感度の領域全体にわたって最大値であり、グ ラフの領域121Aに相当する散乱防止板のすぐ下のさえぎられた領域内で最小 値となっている。領域92Aに相当する各検出器結晶に入射する放射線は最大強 度の信号を発生させ、また、領域121Aに相当する各検出器結晶間の領域、あ るいは、領域123Aに相当する散乱防止板上に入射する放射線は最低強度の信 号を発生するであろう。すでに前記したように、各検出器結晶の下に位置してい るフォトダイオードは、検出器結晶の感度に比べて放射線に対して比較的無感度 であるけれども、いくらかの放射線(1%のオーダー)はいぜんとしてギャップ 領域で検出される。 各散乱防止板が、図6に示したように、それらの影が各検出器の一定最高感度 の領域の上にかかるように配置された場合、各検出器からの信号の強度は、放射 線路内に散乱防止板が存在しているので一様に減衰される。しかし、その他の点 において各散乱防止板の存在によって影響されることはない。重要なことは、影 が一定最高感度の領域と低感度の領域とに間欠的に投影される結果として生じる 、信号強度の急激な不連続(すなわち信号の不安定性)がないということである 。本発明の重要な利点は、各検出器結晶間の最小間隔がもはや各散乱防止板に対 処するために必要とされないことである。なぜならば、各散乱防止板を各検出器 間のスペース内に位置させる必要がないからである。したがって、各散乱防止板 はその影が比較的狭い各検出器間ギャップ領域121に投影されるかわりに、比 較的広い検出領域92Aの任意の場所に投影されるよう配置することができる。 その結果、この領域内での各散乱防止板、各検出器およびX線源の運動は、各検 出器によって発生される信号の安定性に悪影響を及ぼすことなく、かなりの大き さまで許容される。 このように各散乱防止板を検出器間のギャップ領域上に配置しないで、対応す る検出器の一定感度の領域上に配置することによって、さらに別の重要な利点が 得られる。第一に、散乱防止板の影が低感度の各検出器間ギャップ領域上に投影 されるかわりに、高エネルギーフォトンに対する感度が実質的に均一かつ一定の 最高値にある、各検出器の中央領域上に投影されるように各散乱防止板を配置す ると、各検出器からの信号は均等に減衰され(通常の機械的運動を受けた時でも )、したがって熱的作用、または検出器のいくつか、または全部が間欠的にさえ ぎられることに起因する信号変調が防止される。第二に、各散乱防止板を各検出 器間のギャップ領域上に配置する代わりに、各検出器の一定感度の領域上に配置 すると、かなりの程度までの各散乱防止板、各検出器およびX線源の相対運動が 、各検出器からの信号の安定性に悪影響を及ぼすことなく、許容されるようにな る。 従来技術のシステムに関連して前記したように、各検出器間のギャップ領域12 1Aは、比較的狭いにかかわらず、その領域内に散乱防止板22を収容するため に、かなり広いことが要求される。これとは対照的に、本発明の実施例では、散 乱防止板22は各検出器の一定感度領域92A内の任意の場所に配置することが でき、各検出器間のギャップ領域内に置く必要はない。本発明の重要な結果は、 各検出器、検出器を収容するモジュールユニットおよび各散乱防止板の製造許容 誤差が緩和され得ることである。なぜならば、各検出器に対して各散乱防止板を 精密に位置決めすることは、もはや決定的に重要ではないからである。たとえば 、従来技術のように、各散乱防止板が検出器間のギャップ領域の上に配置される ならば、許容誤差は0.0125mm以内におさえなければならない。これに対し て、各散乱防止板が各検出器間のギャップの上ではなく、各検出器の一定感度の 領域の上に配置される場合には、許容誤差は0.1mm以内であればよく、従来技 術のシステムの場合に要求される許容誤差よりも1桁ほど大きくなる。 本発明の好ましい実施例によれば、散乱防止板22は、散乱防止板モジュール 26のハウジング内に設けられた、散乱防止板22のための取り付けスロットを 正確に配置することによって、対応する検出器92の一定最高感度の領域上に実 質的に位置合わせされる。各散乱防止板と検出器との所望される位置合わせは、 所期の目的を達成する任意の方法で行うことができる。たとえば、散乱防止板モ ジュール内の所望位置で、各散乱防止板と検出器の相対位置が所望のごとくなる ように接着することによって行うことができる。あるいは支持台上に基準孔と取 付孔とを正確に配置する方法によって、あるいは、検出器モジュールおよび/ま たは散乱防止板モジュール内に孔の代わりに、これらモジュールを相対的に支持 台上で調節可能に位置ぎめするための、適当に配向されたスロットを設けること によって行うことができる。各散乱防止板と検出器の間の所望の位置合わせを達 成するためのその他の公知の手段は、本明細書に詳細に記載しないが、しかし、 本発明の範囲内にあるものと考えるべきである。 散乱防止板と検出器が1対1の対応をなす必要がないことを注意されたい。特 定の用途のためには、図7Aおよび7Bに示されているように、隣接散乱防止板 の間隔を大きくすることによって、検出器の個数よりも少ない個数の散乱防止板 を使用することが望ましい場合もあろう。また別に、検出器の個数よりも多い個 数の散乱防止板を包含させるのが好ましい場合もあろう。したがって、本システ ムは、たとえば、各n個の検出器について1個の散乱防止板を包含することがで きる。ここで、nは整数またはその分数である。ただし、散乱防止板が隣接する 2つの検出器の間のギャップ領域の上に配置されないことを条件とする。図7B に示したように、散乱防止板22は、その影が一定最高感度の均一な検出領域上 に投影するよう、対応する検出器に対して任意の位置に配置することができる。 各検出器に対する散乱防止板の設置密度に影響を与えるファクターは、各散乱防 止板の機械的寸法、予想される迷走放射線の程度、物理的拘束、および製造コス トならびに散乱防止板モジュールの組立てコストなどである。 以上のごとく、各散乱防止板と対応する検出器の一定最大感度の領域との所望 の位置合わせは、容易にかつ都合よく実施することができる。検出器の解像度が 増加するにつれて、製造の許容誤差はきびしくなり、検出器はますます寸法の均 一性を要求されるであろう。その結果、検出器間ギャップ領域のサイズは小さく ならざるを得ない。このため、各検出器間ギャップの領域内に散乱防止板を位置 させ、そしてその位置を保持することはますます困難となり、そのような試みは 非現実的となるだろう。しかして、再構成される画像の品質と精度に悪影響を及 ぼさない、散乱防止板の配置の仕方について、別の理論体系を持つことが決定的 に重要となってきたのである。 支持部材30の配置、および支持台の半径方向と接線方向の両方向に対する調 節機能は’098特許明細書に詳細に記載されており、本発明の一部分をなすも のと考えるべきではない。 本明細書に開示された本発明の範囲から逸脱することなく、上記した装置には 各種の変更がなし得るものであるから、上記の説明に含まれている、または、添 付図面に示されているすべての事項は本発明を説明するためのものであって、本 発明を限定するものでないことを理解されたい。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.(a)少なくともX線源を支持するためのディスクと、回転軸を中心として 回転する該ディスクを回転可能に支持するためのフレームとを含むガントリーと 、(b)該X線源と協働する複数のX線検出器を含むX線検出器組立体、(c) 該X線源と該検出器組立体との間の放射線路内に配置された複数の散乱防止板を 有する散乱防止板組立体、および(d)該検出器組立体と該散乱防止板組立体と を支持するための、前記ディスクに結合された支持構造体であって、ベース基準 面を有する支持構造体を包含するタイプのX線走査システムにおいて、さらに、 前記X線源、各検出器および各散乱防止板の相対運動に起因する変調に対して各 信号を安定化するための手段を有することを特徴とするX線走査システム。 2.信号安定化手段が、各散乱防止板が、対応する検出器の実質的に一定の最大 感度の領域と実質的に位置合わせされるように、各X線検出器に対して各散乱防 止板を位置させるための手段からなる請求項1記載のX線走査システム。 3.各検出器組立体と各散乱防止板組立体とが、それぞれの基準面を有するモジ ュールユニットであり、支持構造体が、該ベース基準面から延び、かつ支持構造 体に対して固定された、支持構造体上での該検出器モジュールと散乱防止板モジ ュールとの相対的位置決めをするための位置決め組立体を包含する請求項2記載 のX線走査システム。 4.散乱防止板の数が検出器の数と等しい請求項3記載のX線走査システム。 5.散乱防止板の数が検出器の数と等しくない請求項3記載のX線走査システム 。 6.(a)少なくともX線源を支持するためのディスクと、回転軸を中心として 回転する該ディスクを回転可能に支持するためのフレームとを含むガントリー、 (b)該X線源と協働する複数のX線検出器を含むx線検出器組立体、(c)該 X線源と該検出器組立体との間の放射線路内に配置された複数の散乱防止板を有 する散乱防止板組立体、(d)該検出器組立体と該散乱防止板組立体とを 支持するための、前記ディスクに結合された支持構造体、および(e)該各検出 器から受けた各信号を処理するためのデータ取得システムを包含するタイプのX 線走査システムにおいて、該X線源、該検出器組立体および該散乱防止板組立体 の相対運動に起因する変調に対して前記各信号を安定化する方法であって、該各 散乱防止板が、対応する該各検出器の実質的に一定の最大感度を有する領域と実 質的に位置合わせされるように、該支持構造体上で該検出器組立体に対して該散 乱防止板組立体を位置させることを特徴とする信号安定化方法。 7.X線システム内でX線源と共に使用するためのX線検出器組立体のためのモ ジュール構成であって、基準面と該基準面に対して固定された、該線源が発生し たXを検出するための1つまたはそれ以上の検出器を有する少なくとも1つの検 出器モジュールと、第2の基準面と該第2の基準面に対して固定された、該検出 器が受ける散乱X線の量を減少させる手段とを含む少なくとも1つの散乱防止板 モジュールと、該検出器モジュールと該散乱防止板モジュールとを支持するため の、該X線システムに固定され、かつベース基準面を有しているベース支持手段 と、該各モジュールを該ベース支持手段に対して、かつ互いに対して適切に位置 させ、かつ固定するための位置決め手段であって、該ベース基準面を通って延び 、該ベース支持手段に対して固定された3本のピンを含み、その第1のピンが該 検出器モジュールと協働し、第2のピンが該散乱防止板モジュールと協働し、か つ第3のピンが該検出器モジュールと該散乱防止板モジュールの双方に共通で、 かつ双方と協働し、結果として該各モジュールの該各基準面がベース基準面と互 に向き合う関係となり、また該検出器モジュールと該散乱防止板モジュールが、 それらモジュールと該ベース支持手段とが該X線システムに固定された場合、互 いに対して、かつまた線源に対して正確に位置させられるような位置決め手段を 包含するモジュール構成において、さらに、該各検出器から受ける各信号を、前 記X線源、各検出器、および各散乱防止板の運動に起因する変調に対して安定化 するための手段を含むことを特徴とする モジュール構成。 8.信号安定化手段が、各散乱防止板が、対応する各検出器の実質的に一定の最 大感度を有する領域と実質的に位置合わせされるように、散乱防止板モジュール を検出器モジュールに対して位置合わせするための位置合わせ手段を包含する請 求項7記載の構成。 9.散乱防止板の数が検出器の数と等しい請求項8記載のX線走査システム。 10.散乱防止板の数が検出器の数と等しくない請求項8記載のX線走査システ ム。
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