JP2000503926A - 板を解離するための装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 輪転印刷機の胴から板を解離するための装置において、簡単な技術的手段を用いて、折り曲げられた端部（３，４）を胴（１）から解離することが望まれる。このことは本発明によれば、胴（１）に配置された旋回可能なスピンドル（１８）がその周面に、該スピンドルの軸方向で相並んで位置しかつ該スピンドルの半径方向で板（９）の後端部にばね弾性的に作用する突起（２１）を有していることにより行われる。

Description

【発明の詳細な説明】 板を解離するための装置 本発明は、請求項１の上位概念部に記載の形式の、輪転印刷機の胴から板を、 たとえばクランプ状態から解離するための装置に関する。 ドイツ連邦共和国特許出願公開第４３０３３８１号明細書に基づき、版板を持 ち上げるための装置を備えた版胴が公知である。このためには、版胴が版板の下 方に、版板を持ち上げるための、圧縮空気で負荷される複数の孔を有している。 この公知の版胴の欠点は、手間のかかる圧縮空気供給が必要となることである 。 本発明の課題は、輪転印刷機の胴から、折り曲げられた端部を備えた板を解離 するための装置を改良して、板の、少なくとも一方の折り曲げられた端部を胴か ら解離することのできる装置を提供することである。 この課題は本発明によれば、請求項１の特徴部に記載の特徴により解決される 。 本発明により得られる利点は特に次の点に認められる。すなわち、公知の単純 なクランプ装置を利用して、板の折り曲げられた端部を版胴の表面から解離する ことができる。公知のクランプ装置は旋回可能なスピンドルを有しており、この スピンドルはその周面に、 板の後端部に対して本発明によるフックまたは突起を有している。したがって、 スピンドルの回転によって版胴の表面から解離された板の端部は、別の補助手段 なしに、たとえば胴の軸方向のスリットから取り外すことができる。さらに、胴 の外部に配置された構成部分または胴の外周面を越えて突出した構成部分は存在 していない。本発明による装置に設けられたフックは、板の端部を収容するスリ ットもしくはスピンドルに設けられた溝の内部で運動する。したがって、胴の外 周面の範囲に本発明による装置のための付加的なスペースは必要とならない。板 に関して最大印刷可能となる面が維持される。しかもこの面は、たとえば胴の外 周面に孔または可動の条片が配置されることによって減じられることはない。 以下に、本発明の実施例を図面につき詳しく説明する。 第１図は本発明による装置をクランプ位置で示す横断面図であり； 第２図は第１図に「Ｚ」で示した部分を拡大した、クランプ位置に位置するフ ックの拡大図であり； 第３図は第２図に相応する図をフックが解離位置に位置する状態で示す拡大図 であり； 第４図は第２図の矢印Ａの方向で見た図であり、ただし板の折り曲げられた脚 部は図示されてお らず； 第５図は第２図の矢印Ｈの方向で見た別の実施例を示す図である。 輪転印刷機の胴１は、折り曲げられた２つの端部３，４を有するフレキシブル な板２を収容するために少なくとも１つの狭いスリット８（＝導入スリット８） を備えている。このスリット８は胴１の回転軸線に対して平行に延びていて、し かも胴１の外周面６から胴１の内部７に突入して延びている。 厚さｄ２、たとえばｄ２＝０．２〜０．３ｍｍを有する板２は有利には版板で あるか、または支持板である。支持板の場合には、この板の上に、たとえばゴム ブランケット９が固定される。板２の前端部３の脚部１１は図示の実施例では、 板２の後端部４の対応する脚部１２よりも長く形成されている。 スリット８は横断面で見て方形に形成されていると有利である。スリット８の 横断面の幅ｂ８はスリット始端部１３において板２の厚さｄ２の２倍よりも少し だけ大きく形成されている。つまり、たとえばｂ８＝１ｍｍである。スリット８ は、スリット８の範囲で外周面６に接するように描かれた仮想接線１４に対して 、傾斜角度α、たとえばα＝４５゜だけ傾けられている。スリット８は、スリッ ト８に対して平行に延びる切欠き１６に開口している。この切欠き１６は孔の形 を有している（以下、孔１６と呼ぶ）。孔１６はスリ ット８に接続されている。この孔１６内には、長手方向軸線１７を中心にして旋 回可能なレバー１８または旋回可能なホルダ１８またはスピンドル１８が配置さ れている。図示の実施例では、公知の駆動装置を備えたスピンドル１８が使用さ れる。 スピンドル１８は半径ｒ１８、たとえばｒ１８＝１５ｍｍを備えていて、旋回 可能にかつ中心で支承されている。 このスピンドル１８の周面１９はスピンドル１８の軸方向および半径方向に（ または割線に沿って）延びる溝２３を有しており、この溝２３は、たとえば方形 の横断面を有している。この溝２３内には、少なくとも１つの、板幅にわたって 延びる唯一つの押出し条片２２が配置されているか、または板幅にわたって複数 の短い押出し条片２２が配置されている。この押出し条片２２の横断面の真ん中 の部分および下側の部分は、溝２３の横断面に適合されているので、押出し条片 ２２を溝２３内で半径方向に良好に移動させることができる。押出し条片２２は スリット８に面した側に、１つまたは複数の突起２１またはフック２１を有して いる。突起２１またはフック２１は軸平行な方向に延びかつ互いに間隔を置いて 配置されていて、軸方向に延在している。これらの突起またはフック２１は、た とえば互いに１０ｍｍの間隔ｅを置いて、たとえば６０〜１０ｍｍの長さｃを有 している。 溝２３の底面２４には、軸方向で互いに間隔を置いて配置された複数の盲孔２ ６が設けられており、これらの盲孔２６内には、それぞれ１つの圧縮ばね２７が 配置されている。各圧縮ばね２７は盲孔２６の底部に支持されており、この圧縮 ばね２７の力作用点はスピンドル１８の半径方向もしくは平行な方向において押 出し条片２２の底面近傍の下面２８に作用している。したがって、突起またはフ ック２１は板２のクランプ位置では少なくともその前縁部２９で、スリット８内 に導入された脚部１２；１１に押圧される。これにより、脚部１１；１２は胴１ に対して位置固定される（第１図および第２図）。 胴１に沿って位置する板２を解離して取り外したい場合には、スピンドル１８ が、折り曲げられた脚部１１；１２の端部の方向に向かって、たとえば逆時計回 りの方向に回転させられ、その結果、突起またはフック２１の端面１５が、ばね 作用に基づき、後端部４の脚部１２の端部に設けられた、端面１０を有する切欠 き３１に突入して係合するか、または後端部４の脚部１２の端部２０，３４に設 けられた端面５に作用する。板端部が穿孔されていると、各突起またはフック２ １には、脚１２の端部２０，３４に設けられた、たとえば方形の切欠き３１が対 応している。 押出し面として働く端面１５を備えた突起またはフック２１は、それぞれ切欠 き３１の端面１０を備えた 上縁部３２に背後から係合するか、または短縮された脚部１２の端面５を備えた 端部２０，３４に背後から係合する。次いで、スピンドル１８を図示の実施例で は時計回り方向に回転させることにより、板２の後端部４はスリット８のスリッ ト始端部１３の方向へ移動させられ、その結果、スピンドル１８の回転運動に基 づき、突起２１の前縁部２９／押出し面１５が切欠き３１の上縁部３２／端面１ ０から係合解除されるか、もしくは短縮された脚部１２の端面５を有する端部２ ０，３４から係合解除される。この場合、後端部４は既に大きくスリット８内で 運動させられ、板２の後端部４は胴１の外周面６から大きく持ち上げられている ので、板２を手で、または適合な装置を用いて容易に取り外すことができる。 押出し条片２２はばね力により溝２３の半径方向で、その周面３３の一部が溝 ２３内に設けられたスピンドル固定のストッパ３６に当接するまで運動させるこ とができる。 スピンドル１８を図示の実施例では時計回り方向に回転運動させることにより 、突起またはフック２１は孔１６の内部でかつスリット始端部１３の下方で板導 入位置へもたらされる（図示しない）。スピンドル１８のクランプ位置と導入位 置との間では、たとえば回転角度β＝４５゜で十分となる。 押出し条片２２の突起またはフック２１は、軸方向 で見て一貫して延びているか、または互いに間隔を置いて配置されていてよい。 溝２３内には複数の、より短い押出し条片２２を設けることもできる。これら の押出し条片２２は軸方向で直接に相並んで配置されているか、または互いに間 隔を置いて配置されている。 互いに間隔を置いて配置された押出し条片２２の場合には、軸方向で見て複数 のクランプ片Ｇが設けられている。その場合、これらのクランプ片Ｇの間には、 突起もしくはフック２１を備えた押出し条片２２がそれぞれ配置されている。 クランプ片Ｇの横断面は任意であってよく、たとえば方形、円形、円形端面を 有する方形体の形または段付半円板の形等に形成されていてよい。 突起またはフック２１を備えた押出し条片２２の数はクランプ片Ｇの数よりも 少なく、たとえば１：２〜１：４個の押出し条片２２およびクランプ片Ｇが、た とえば６０ｍｍの同じ長さを有していてよい。 フックまたは突起２１を備えた押出し条片２２およびクランプ片Ｇは、溝２３ 内でスピンドル１８の半径方向もしくは割線方向にばね弾性的に支承されている （第１図参照）。クランプ片Ｇが、胴１の、スリット８を側方で仕切る壁に両脚 部１１，１２を永続的にクランプするために働くのに対して、フックまたは突起 ２１を備えた押出し条片２２は、スピンドル１８を逆 時計回りの方向に戻し回転させる際に、脚部１２の切欠き３１に設けられた上縁 部３２と端面１０とに背後から係合する（第３図）。スピンドル１８をクランプ 方向に対して逆方向に、つまり時計回り方向に回転させることにより、板２の脚 部１２はスリット始端部１３の方向に運動させられる。したがって、板２の後端 部４を引き出すことができる。 フックまたは突起２１を備えた押出し条片２２を、短縮されて形成された脚部 １２の端面５に設けられた端部２０，３４に背後から係合させることも可能であ る。この場合、脚部１２に設けられた、フックもしくは突起２１に対応する切欠 き３１は不要になる。 フックまたは突起２１に向かい合って位置するように、たとえば上側の部分に おいて溝２３の内部にストッパ３６が設けられている。これらのストッパ３６の 輪郭はフック２１もしくはクランプ片Ｇの輪郭に適合されている。これらのスト ッパ３６はフック２１もしくはクランプ片Ｇの、導入スリット８の方向における 半径方向の運動制限部を形成すると望ましい。突起もしくはフック２１を備えた 押出し条片２２の上側の部分は、図示の実施例では横断面で見て段付半円板の形 を有している。

【手続補正書】特許法第１８４条の８第１項 【提出日】１９９８年１０月２７日（１９９８．１０．２７） 【補正内容】 明細書 板を解離するための装置 本発明は、請求項１の上位概念部に記載の形式の、輪転印刷機の胴から板を解 離するための装置に関する。 ドイツ連邦共和国特許出願公開第４３０３３８１号明細書に基づき、版板を持 ち上げるための装置を備えた版胴が公知である。このためには、版胴が版板の下 方に、版板を持ち上げるための、圧縮空気で負荷される複数の孔を有している。 この公知の版胴の欠点は、手間のかかる圧縮空気供給が必要となることである 。 ドイツ連邦共和国特許出願公開第４４１５６２２号明細書には、版胴に板を固 定するための装置が記載されている。この公知の構成では、クランプのための遠 心力体を備えた軸と、板をクランプ解離するための押出し縁部とが設けられてい る。 ドイツ連邦共和国特許第１９５０９５６２号明細書には、シート状の持上げ器 を用いて輪転印刷機の胴から板を解離するための装置が開示されている。 本発明の課題は、輪転印刷機の胴から、折り曲げられた端部を備えた板を解離 するための装置を改良して、板の、少なくとも一方の折り曲げられた端部を胴か ら解離することのできる装置を提供することである。 この課題は本発明によれば、請求項１の特徴部に記載の特徴により解決される 。 請求の範囲 ２．輪転印刷機の胴（１）から、折り曲げられた平滑な端部（３，４）を備え た板（２）を解離するための装置であって、胴（１）が、板（２）の折り曲げら れた端部（３；４）の脚部（１１；１２）を収容するために、軸方向に延びる狭 い導入スリット（８）を備えており、該導入スリット（８）が、軸方向に延びる 切欠き（１６）に接続されており、該切欠き（１６）内に、固有の長手方向軸線 （１７）を中心にして旋回可能なホルダ（１８）が設けられており、該ホルダ（ １８）が、板（２）の一方の折り曲げられた端部（１２）を押圧する、ばね支承 された所定数のクランプ片（Ｇ）を備えている形式のものにおいて、純然たるク ランプ機能を発揮する所定数のクランプ片（Ｇ）の他に、押出し機能を発揮する 、軸方向および半径方向または割線方向に延びる、ばね支承された所定数の押出 し条片（２２）が付加的に設けられており、該押出し条片（２２）が、押し出し たい脚部（１２）の端部（２０，３４）の端面（５）または押し出したい脚部（ １２）の端部（２０，３４）に設けられた開口部（３１）の、脚端部から遠い方 の端面（１０）と接触させることのできる押出し面（１５）を有しており、押出 し条片（２２）とホルダ（１８）との間に圧縮ばね（２７）が配置されているこ とを特徴とする、板を解離 するための装置。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．輪転印刷機の胴（１）から、折り曲げられた平滑な端部（３，４）を備え た板（２）を解離するための装置であって、胴（１）が、板（２）の折り曲げら れた端部（３；４）の脚部（１１；１２）を収容するために、軸方向に延びる狭 い導入スリット（８）を備えており、該導入スリット（８）が、軸方向に延びる 切欠き（１６）に接続されており、該切欠き（１６）内に、固有の長手方向軸線 （１７）を中心にして旋回可能なホルダ（１８）が設けられており、該ホルダ（ １８）が、板（２）の一方の折り曲げられた端部（１２）を押圧する、ばね支承 された所定数のクランプ片（Ｇ）を備えており、該クランプ片（Ｇ）が、ホルダ （１８）の半径方向に運動可能である形式のものにおいて、クランプ片（Ｇ）の 全てまたはクランプ片（Ｇ）の一部が、押し出したい脚部（１２）の端部（２０ ，３４）の端面（５）または押し出したい脚部（１２）の端部（２０，３４）に 設けられた開口部（３１）の、脚端部から遠い方の端面（１０）と接触させるこ とのできる突起（２１）を有していることを特徴とする、板を解離するための装 置。 ２．輪転印刷機の胴（１）から、折り曲げられた平滑な端部（３，４）を備え た板（２）を解離するための装置であって、胴（１）が、板（２）の折り曲げら れた端部（３；４）の脚部（１１；１２）を収容するために、軸方向に延びる狭 い導入スリット（８）を備えており、該導入スリット（８）が、軸方向に延びる 切欠き（１６）に接続されており、該切欠き（１６）内に、固有の長手方向軸線 （１７）を中心にして旋回可能なホルダ（１８）が設けられており、該ホルダ（ １８）が、板（２）の一方の折り曲げられた端部（１２）を押圧する、ばね支承 された所定数のクランプ片（Ｇ）を備えている形式のものにおいて、純然たるク ランプ機能を発揮する所定数のクランプ片（Ｇ）の他に、押出し機能を発揮する 、軸方向および半径方向または割線方向に延びる、ばね支承された所定数の押出 し条片（２２）が付加的に設けられており、該押出し条片（２２）が、押し出し たい脚部（１２）の端部（２０，３４）の端面（５）または押し出したい脚部（ １２）の端部（２０，３４）に設けられた開口部（３１）の、脚端部から遠い方 の端面（１０）と接触させることのできる押出し面（１５）を有していることを 特徴とする、板を解離するための装置。 ３．ホルダ（１８）がスピンドル（１８）として形成されている、請求項１ま たは２記載の装置。 ４．フックまたは突起（２１）が、軸方向に延びる押出し条片（２２）に配置 されている、請求項１から３までのいずれか１項記載の装置。 ５．押出し条片（２２）が、スピンドル（１８）に 設けられた軸方向の溝（２３）内に配置されている、請求項１から４までのいず れか１項記載の装置。 ６．前記溝（２３）の底部を起点としてホルダ（１８）の半径方向に、押出し 条片（２２）および／またはクランプ片（Ｇ）に作用する圧縮ばね（２７）を収 容するための複数の盲孔（２６）が設けられている、請求項１から５までのいず れか１項記載の装置。 ７．クランプ片（Ｇ）が前記溝（２３）の全長にわたって延びている、請求項 １から６までのいずれか１項記載の装置。 ８．前記溝（２３）内に所定数（ｎ）の押出し条片（２２）が設けられている 、請求項１から５までのいずれか１項記載の装置。 ９．クランプ片（Ｇ）が円形の横断面を有している、請求項１から８までのい ずれか１項記載の装置。 １０．クランプ片（Ｇ）が、該クランプ片（Ｇ）の、スリット（８）に面した 端面（２５）に、段付半円板状の横断面を有している、請求項１から９までのい ずれか１項記載の装置。 １１．押出し条片（２２）が、正方形および／または方形の横断面を有してい て、かつ／または押出し条片（２２）の、スリット（８）に面した端面（２５） に、段付半円板状の横断面を有している、請求項１から１０までのいずれか１項 記載の装置。 １２．折り曲げられた脚部（１１，１２）の押出し 過程時に前記突起（２１）の前縁部（２９）が、後端部（４）の脚部（１２）を 押圧するようになっている、請求項１から１１までのいずれか１項記載の装置。 １３．後端部（４）の脚部（１２）の押出し時に、前記突起（２１）の前縁部 （２９）が、当該脚部（１２）の端部（３４）に作用するようになっている、請 求項１から１２までのいずれか１項記載の装置。 １４．後端部（４）の脚部（１２）の押出し時に、前記突起（２１）の前縁部 （２９）が、当該脚部（１２）に設けられた切欠き（３１）に設けられた端面（ １０）に作用するようになっている、請求項１から１３までのいずれか１項記載 の装置。 １５．押出し条片（２２）が、一方の脚部（１２）を押し出すための装置（２ ５）に対して付加的に、両脚部（１１；１２）をクランプするための、所定の曲 率を有する装置（２１）を有している、請求項１から１４までのいずれか１項記 載の装置。