JP2000503855A - モラクセラ菌のトランスフェリン受容体遺伝子 - Google Patents

モラクセラ菌のトランスフェリン受容体遺伝子

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Abstract

(57)【要約】 カタル球菌のようなモラクセラ菌のトランスフェリン受容体タンパク質またはフラグメント、または類似体の精製・分離した核酸分子を提供する。診断と医療治療に使用する目的で、モラクセラ菌の他のタンパク質を含まないモラクセラ菌株の組み換えトランスフェリン受容体タンパク質Tbp1およびTbp2を産生させるために、この核酸配列を使用する。この核酸は感染症の診断にも使用できる。

Description

【発明の詳細な説明】 モラクセラ菌のトランスフェリン受容体遺伝子 発明の属する技術分野 本発明は、トランスフェリン受容体(TfR)タンパク質をコードする遺伝子 の分子クローニング、特に、モラクセラ属(ブランハメラ属)カタル球菌由来の トランスフェリン受容体遺伝子のクローニングに関する。 関連出願の参考資料 本出願は、同時継続出願である、1997年1月3日出願の米国特許出願番号 第08/778,570の一部継続出願で、それは1996年3月8日出願の米 国特許出願第08/613,009の一部継続出願である。 発明の背景 モラクせラ属(ブランハメラ属)カタル球菌は、健常なヒトの気道に無症候的 に保持されるグラム陰性の双球菌病原菌である。最近、カタル球菌が中耳炎の原 因菌であることが判明した。さらに、カタル球菌は、副鼻腔炎、結膜炎、泌尿性 器感染、小児および成人における肺炎、慢性気管支炎、気腫などの下部気道の多 数の炎症疾患と関連がある(参考文献1〜8参照)。(この出願書には、本発明が 完成する技術をより詳しく説明するために多様な参考文献を丸括弧で囲んで引用 している。各引用文献の完全な文献情報は、この明細書の最後のクレームの記載 のすぐ後に記載してある。これらの参考文献で開示されていることを、それらの 文献名を参照することで、本発明の開示内容の説明に使用している。)このカタ ル球菌は、ヒトに侵入して、敗血症、関節炎、心内膜症、髄膜炎の原因ともなる (参考文献9〜13)。 中耳炎は、若年の小児に最も多く見られる疾病の1つであり、全小児のおよそ 80%は、13歳までに、少なくとも1種類の中耳感染症にかかる(文献14)。 慢性中耳炎は、小児の聴覚障害、言語障害と関連があり、学習障害にも関係する 場合もある。中耳炎に対する従来の治療法としては、抗生物質の投与、扁桃摘出 、アデノイド切除、鼓室穿刺などの外科手術がある。米国では、中耳炎の治療経 費は年間10〜20億ドルになると推定される。 中耳炎の症例においては、カタル球菌は、通常、肺炎連鎖球菌および型別不能 インフルエンザ菌と一緒に分離され、肺炎連鎖球菌は、中耳炎感染原因の50% 、インフルエンザ菌は中耳炎感染原因の30%まで関与していると考えられてい る。カタル球菌は、中耳炎感染原因のおよそ20%まで関与しているとされてい る(文献15)。 疫学的報告によれば、カタル球菌が原因で発症する中耳炎の症例が増加してお り、同時に、抗生物質に耐性を獲得したカタル球菌の分離菌も増えているとのこ とである。このように、1970年以前には、β-ラクトマーゼ産生カタル球菌 分離菌の検出は報告されていないが、70年代中頃以来、β-ラクトマーゼ産生 カタル球菌が多く検出されているとの報告がある。最近の研究では、臨床的に分 離された菌の75%がβ-ラクトマーゼを産生している(文献16,26)。 鉄は多数の細菌が増殖するための必須の栄養源である。カタル球菌を含む数種 の細菌は、トランスフェリンを獲得するトランスフェリン受容体タンパク質を利 用して宿主から鉄を取り入れている。カタル球菌(文献20)と同様に、髄膜炎 菌(文献17)、淋菌(文献18)、インフルエンザ菌(文献19)を含む多数の細 菌は、ヒト・トランスフェリンと特異的に結合する外膜タンパク質を産生する。 これらのタンパク質の発現は、環境中にある鉄量により規制を受ける。カタル球 菌には、2つのトランスフェリン受容体があり、その1つであるトランスフェリ ン結合タンパク質1(Tbp1)の分子量は115kDa(Tbp1)であり、 他方のトランスフェリン結合タンパク質2(Tbp2)の分子量はおよそ80〜 90kDa(Tbp2)である。アポトランスフェリンに親和性を示す他の細菌 のトランスフェリン受容体タンパク質と違って、カタル球菌のTbp2受容体は 、鉄飽和トランスフェリン(例えば、フェリトランスフェリン)(文献21)に 親和性を示す。 カタル球菌感染は重篤な疾病に至る。トランスフェリン結合タンパク質の組み 換え源を、他の抗原や免疫原のキャリヤやワクチンなどの免疫原調剤にした抗原 の形で提供することにはメリットがあり、診断薬の生産につながる。トランスフ ェリン結合タンパク質およびそのフラグメントをコードしている遺伝子が特に望 ましく、モラクセラ菌の特異的同定と診断、カタル球菌が原因である疾病に対す る免疫、診断薬の生産のために有益である。 発明の概要 本発明の目的は、モラクセラ菌のトランスフェリン受容体またはそのトランス フェリン受容体タンパク質のフラグメントまたは類似体をコードしている、精製 ・分離した核酸分子を提供することである。ここで提供する核酸分子は、モレク セラ菌の特異的検出およびモレクセラ菌の感染の診断に有益である。ここで提供 する分離・精製した、DNAのような核酸分子は、組み換えDNA法を使用する ことにより、tbp遺伝子を発現させたい場合に有益であり、これを利用するこ とで、精製・分離したトランスフェリン受容体タンパク質、そのサブユニット、 フラグメント、類似体を安価に提供できることになる。トランスフェリン受容体 、そのサブユニット、フラグメント、類似体は、それらをコードしている核酸分 子は、それらを含有しているベクターと同様に、モラクセラ菌が原因で起こる疾 病に対するワクチン用の免疫原性成分として、モラクセラ菌感染の診断用として 、あるいは、免疫原性試薬の生産のツールとして使用する場合に有用である。本 発明の態様として、生産されたトランスフェリン受容体タンパク質に対して産生 されたモノクローナル抗体または単一特異性抗血清(抗体)は、モラクセラ菌感 染の診断、モラクセラ菌の特異的検出(インビトロおよびインビボ試験で使用)、 モラクセラ菌が原因で発症した疾病の治療に有効である。 本発明の態様の1つによれば、本発明は、モラクセラ(Moraxella)菌株、特 に、カタル球菌(M.catarrhalis)の4223,Q8,R1株のトランスフェリ ン受容体タンパク質またはトランスフェリン受容体タンパク質のフラグメントま たは類似体をコードしている、精製・分離した核酸分子を提供するものである。 本発明の好適な実施例では、核酸分子はモラクセラ菌株のTbp1タンパク質 だけ、あるいは、Tbp2タンパク質だけをコードしているものでもよい。本発 明の別の好適な実施例では、この核酸は、保存的なアミノ酸を有しているモラク セラ菌株のトランスフェリン受容体タンパク質のフラグメントをコードしている ものでもよい。 本発明のさらに別の態様によれば、(a)図5,6,10,11,27に示さ れたDNA配列(配列番号:1,2,3,4,5,6,7,8,45,46)ま たは、これらの配列に相補的なDNA配列、(b)図5,6,10,11,27 に示されたアミノ酸配列をコードするDNA配列(配列番号:9,10,11, 12,13,14,15,16、47)および(c)(a)または、(b)での DNA配列のどれか1つに、厳しい条件下でハイブリダイズするDNA配列から 成るグループから選択されたDNA配列を有する、精製・分離した核酸分子を提 供する。(c)で規定されたDNA配列が、(a)および(b)で規定されたD NA配列のいずれか1つと、少なくとも約90%の配列上の同一性を有すること が望ましい。(c)で規定されたDNA配列は、モラクセラ菌の別の株由来のト ランスフェリン受容体タンパク質の同等物質をコードするものである。 追加の態様によれば、本発明には、宿主の形質転換のための、本発明で提供す る核酸分子から成るベクタを含み、ベクターであるLEM3−24,pLEM3 ,pLEM25,pLEM23,SLRD-A、DS-1698-1-1、DS-1 754-1,pSLRD2、pSLRD3,pSLRD4,pSLRD5に含ま れるヌクレオチド配列の特質を持つ。 このベクターは、コードされたトランスフェリン受容体、そのフラグメント、 またはその類似体を、非相同または相同宿主内での脂質化した状態または脂質化 していない状態で発現させるようにしたものである。従って、さらに別の態様に よれば、本発明は、宿主の形質転換のための、本発明で提供された核酸から成る 発現ベクターを提供すると共に、トランスフェリン受容体またはそのフラグメン トまたはその類似体を宿主内で発現させるために、核酸分子と有効に連動して作 用するような発現手段も提供するものである。本発明の特別な態様によれば、こ の核酸分子は、実質的には、モラクッセラ菌のすべてのトランスフェリン受容体 タンパク質、あるいは、Tbp1タンパク質だけ、または、Tbp2タンパク質 だけをコードするものである。この発現手段には、プロモータと、トランスフェ リン受容体タンパク質またはそのフラグメントまたは類似体の宿主からの分泌の ためのリーダ配列をコードする核酸タンパク質が含まれている。この発現手段に は、ホストからの脂質化したトランスフェリン受容体タンパク質またはそのフラ グメントまたはその類似体を発現させるための脂質化シグナルをコードする核酸 部分も含まれている。宿主には、例えば、大腸菌、ボルデテラ菌、バチルス菌、 ヘモ フィルス菌、モラクセラ菌、真菌、酵母があり、バキュロウイルス発現システム 、セムリキ森林ウイルスの発現システムも使用できる。さらに、別の実施例では 、Tbp1を発現させるためのプラスミドとしてpLEM29、Tbp2を発現 させるためのプラスミドとしてpLEM33が使用される。ベクターとしては、 pLEM-37,SLRD35-A、SLRD-35-Bが使われる。 さらに追加の態様によれば、本発明は、ここで提供した発現ベクターを取り込 んだ形質転換宿主を提供する。本発明は、さらに、モラクセラ菌の、形質転換宿 主を使用した組み換えトランスフェリン受容体タンパク質またはそのフラグメン トまたはその類似体も提供するものである。 別の態様によれば、本発明は、実質的に純粋の組み換えトランスフェリン受容 体タンパク質を提供すると同時に、この純粋の組み換えトランスフェリンを作成 する方法も提供し、その方法には、トランスフェリン受容体タンパク質を封入体 として発現させるために提供された形質転換させた宿主を増殖させること、発現 した封入体を別の細胞物質や溶解性タンパク質から分離・精製すること、精製し た封入体からトランスフェリン受容体タンパク質だけを溶解させること、溶解し たトランスフェリン受容体タンパク質から他の溶解物質を除去・精製することを 含む。実質的に純粋な組み換えトランスフェリン受容体タンパク質は、Tbp1 のみ、Tbp2のみ、あるいは、それらの混合物から成る。この組み換えタンパ ク質の純度は、一般的には少なくとも70%、好ましくは、約90%である。 さらに別の態様によれば、本発明は、組み換えにより産生させたモラクセラ菌 Tbp2タンパク質が欠失しているモラクセラ菌Tbp1タンパク質およびモラ クセラ菌のその他のタンパク質、モラクセラ菌Tbp1タンパク質を欠失してい る組み換えにより産生させたモラクセラ菌Tbp2タンパク質およびモラクセラ 菌のその他のタンパク質も提供する。ここで使用するモラクセラ菌としては、カ タル球菌4223株、カタル球菌Q8株、カタル球菌R1株がある。 さらに別の態様では、本発明は、ここで提供する少なくとも1つの核酸分子か ら選択した少なくとも1つの活性成分から成る免疫原性成分、本発明の提供した 少なくとも1つの組み換えタンパク質および製薬的に受け入れ可能なキャリヤ( 担体)またはベクターを提供する。少なくとも1つの活性分子は、宿主に投与し た 時には免疫反応を起こさせるものである。 ここで提供する免疫成分は、宿主へのインビボ投与が可能なワクチンとして調 剤ができるものである。インビボ投与のために、この成分は、ミクロ粒子、カプ セル、ISCOM、リポソームに製剤化が可能なものである。この成分は免疫系 の特定の細胞または粘膜表面にデリバリーするためのターゲット分子と組み合わ せて提供してもよい。本発明の免疫原性成分(ワクチンを含む)は、少なくとも 1つの免疫原性物質または免疫刺激物質から成り、その免疫刺激物質としては、 少なくとも1つのアジュバンド、または少なくとも1つのサイトカインである。 本発明で使用できる適当なアジュバントには、リン酸アルミニウム、水酸化アル ミニウム、QS21,Qui1A、それらの誘導体、ISCOMマトリックス、 リン酸カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化亜鉛、糖脂質類似体、アミノ酸の オクタデシルエステル、ムラミルジペプチド・ポリホスファゼン、ISCOPR EP、DC-chol、DDBA、リポタンパク質があるが、これらに限定され るものではない。アジュバントの望ましい組み合わせは同時係属出願の米国特許 出願番号08/261,194(1996年6月7日出願、現在は譲受人に譲渡 されている)に記載されており、この出願で開示されている内容は、参考文献番 号を示して、本出願でも触れている(WO95/34308)。 発明の別の態様によれば、本発明は、宿主に免疫応答を起こさせる方法を提供 し、その方法には、ヒトのような感受性のある宿主に本発明による提供される免 疫原性成分の有効量を投与するステップから成る。免疫応答は、体液性あるいは 細胞性免疫応答であり、マラクセラ菌により発症する疾病の予防をするものであ る。疾病に対する保護の対象となる宿主はヒトを含む霊長動物である。 さらに別の態様によれば、本発明は、宿主に対してトランスフェリン受容体を 運搬する生きたベクターを提供するものであり、このベクターは、上記で述べた 核酸分子から構成されている。ベクターは、サルモネラ菌、BCG、アデノウイ ルス、天然痘ウイルス、ワクシノウイルス、ポリオウイルスから選択してもよい 。 ここで提供される核酸分子は診断分野に使用できる。本発明は、試料中におけ るモラクセラ菌株のトランスフェリン受容体タンパク質をコードしている核酸の 存否を決定する方法を提供し、その方法は、(a)試料と本発明で提供する核酸 分子を接触させ、核酸分子と、試料中に存在し、本発明で提供する核酸分子と特 異的にハイブリダイズが可能な、モラクセラ菌株のトランスフェリン受容体タン パク質をコードしている核酸分子から成る複合体を産生させるステップと(b) その複合体の産生量を定量するステップから成る。 さらに、本発明は、試料中に存在する、モラクセラ菌のトランスフェリン受容 体タンパク質をコードしている核酸の存否を決定するための診断キットを提供し 、そのキットは、(a)本発明により提供された核酸分子を含み、(b)試料中 に存在し、本発明の提供する核酸とハイブリダイズが可能な核酸との複合体を産 生させるために、試料と本発明の提供する核酸分子を接触させる手段、おおよび (c)複合体の産生量を定量する方法から成る。さらに、本発明の提供する核酸 分子とタンパク質は、モラクセラ菌による感染を予防するための薬剤を生産する 場合に使用されるものである。 本発明の長所として以下の点が挙げられる。 ・本発明で提供するものは、モラクセラ菌のトランスフェリン受容体タンパク質 またはそのフラグメントまたはその類似体をコードしている、分離・精製した核 酸分子であること。 ・組み換え技術で生産した、他のタンパク質を含んでいない純粋なトランスフェ リン受容体タンパク質(Tbp1タンパク質およびTbp2タンパク質)である こと。 ・モラクセラ菌の特異的な同定を可能にする診断キットおよび免疫原性試薬の生 産に使用できるものであること。 図面の簡単な説明 本発明は、添付図面と下記の説明により、さらに詳しく理解されるであろう。 図1は、カタル球菌株4223のtbpA遺伝子のPCR増幅用の縮重プライ マーの合成に使用したTbp1タンパク質の保存部分のアミノ酸配列(配列番号 :17、18)である。 図2は、カタル球菌分離菌4223由来のtbpAとtbpB遺伝子を含むク ローンLME3−24の制限酵素切断地図である。 図3は、カタル球菌4223のtbpA遺伝子の制限酵素切断地図である。 図4は、カタル球菌4223のtbpBの制限酵素切断地図である。 図5は、tbpA遺伝子のヌクレオチド配列(配列番号:1−全配列、配列番 号:2―コード配列)および、カタル球菌4223由来のTbp1タンパク質の 推定のアミノ酸配列(配列番号:9−全長、配列番号:10―成熟タンパク質)で ある。下線部はリーダ配列(配列番号:19)である。 図6は、tbpB遺伝子のヌクレオチド配列(配列番号:3は全配列、配列番 号:4はコード配列)、および、カタル球菌4223由来のTbp2タンパク質 の推定のアミノ酸配列(配列番号:11−全長、配列番号:12−成熟タンパク 質)である。下線部はリーダ配列(配列番号:20)である。 図7は、カタル球菌Q8由来のtbpAとtbpB遺伝子を含むクローンSL RD−Aの制限酵素切断地図である。 図8は、カタル球菌Q8由来のtbpAの制限酵素切断地図である。 図9は、カタル球菌Q8由来のtbpBの制限酵素切断地図である。 図10は、tbpA遺伝子のヌクレトチド配列(配列番号:5−全配列、配列 番号:6−コード配列)、および、カタル球菌Q8由来のTbp1タンパク質の 推定アミノ酸配列(配列配列:13−全長、配列番号:14−成熟タンパク質)で ある。 図11は、tbpB遺伝子のヌクレオチド配列(配列番号:7−全配列、配列 番号:8−コード配列)、および、カタル球菌のTbp2タンパク質の推定アミ ノ酸配列(配列番号:15−全長、配列番号:16−成熟タンパク質)である。 図12は、カタル球菌株4223由来のTbp1(配列番号:9)とQ8(配列 番号:13)、インフルエンザ菌株Eagan(配列番号:21)、髄膜炎菌株B16B 6(配列番号:22)とM982(配列番号:23)、淋菌株FA19(配列番号: 24)のアミノ酸配列の比較である。ドットは、同一の残基を示し、最大列には ダッシュが挿入されている。 図13は、カタル球菌の分離菌4223(配列番号:11)、Q8(配列番号: 15)と、インフルエンザ株Eagan(配列番号:25)と、髄膜炎菌株B16B6( (列番号:26)、M918(配列番号:27)、淋菌株FA19(配列番号28)と のアミノ酸配列の比較である。ドットは、同一の残基を示し、最大列にはダッシ ュが挿入されている。 図14は、組み換えTbp1タンパク質の発現のための大腸菌由来のプラスミ ドpLEM29の構造を示す。 図15は、プラスミドpLEM29で形質転換した大腸菌細胞によるTbp1 タンパク質の発現のSDS−PAGE分析を示す。 図16は、組み換えTbp1タンパク質の精製のためのフローチャートを示す 。 図17は、精製した組み換えTbp1タンパク質のSDS−PAGE分析を示 したものである。 図18は、カタル球菌株4223のTbpA遺伝子の大腸菌内での発現のため のプラスミドpLEM33とpLEM37の構造を示したものである。リーダ配 列がある場合とない場合をそれぞれ示す。 図19は、プラスミドpLEM37により形質転換した大腸菌によるrTbp 2の発現に関してのSDS−PAGE分析を示したものである 図20は、カタル球菌株Q8由来のtbpB遺伝子の大腸菌内での発現のため のプラスミドsLRD35Bの構造を示したものでリーダ配列のない場合、およ びカタル球菌Q8由来のtbpB遺伝子の大腸菌内での発現のためのプラスミド SLRD35Aの構造を示したものでリーダ配列がある場合を示したものである 。制限酵素位置は下記の通り。 B=BamHI;Bg=BgIII;H=HindIII;R=EcoRI。 図21は、プラスミドSLRD35AおよびSLRD35Bにより形質転換し た大腸菌内でのrTbp2タンパク質の発現に関するSDS−PAGE分析を示 したものである。 図22は、大腸菌由来の組み換えTbp2タンパク質の精製のフローチャート である。 図23(パネルA,Bを含む)は、大腸菌内で発現させた、カタル球菌株42 23(パネルA)と株Q8(パネルB)由来の組み換えTbp2タンパク質のS DS−PAGE分析を示したものである。 図24は、Tbp2のヒト・トランスフェリンとの結合を示したものである。 図25(パネルA,B,Cを含む)は、カタル球菌株でのTbp2タンパク質 の抗原性保存を示したものである。 図26は、カタル球菌R1のtbpB遺伝子の制限酵素切断地図である。 図27は、tbpB遺伝子のヌクレトチド配列(配列番号:45―全体配列、 配列番号:46−コード配列)、および、カタル球菌R1のTbp2タンパク質 の推定アミノ酸配列(配列番号:47)である。 図28は、カタル球菌4223(SEQW ID番号:21)およびR1(配列番号:1 5)、Q8(配列番号:47)のアミノ酸配列の比較である。ドットは、同一の残 基を示し、最大列にはダッシュが挿入されている。アスタリスクは、停止コドン を示す。 発明の一般的説明 どのモラクセラ菌でも、本発明の実施例で利用するようなトランスフェリン受 容体をコードする核酸の少なくとも1つの部分から精製・分離した核酸(DNA 分子として)を得るための細菌として使用可能である。これらの菌株は、臨床現 場や、「アメリカ型細菌培養コレクション」のような細菌培養コレクション機関 から一般に入手が可能である。 本出願においては、「トランスフェリン受容体(Tfr)」および「トランスフ ェリン結合タンパク質(Tbp)」という用語は、Tbp1および/またはTbp 2タンパク質群を定義するために使用されるが、多様なアミノ酸配列を有するタ ンパク質も含まれ、例えば、モラクセラ菌に属する種々の菌株の中に天然に存在 するタンパク質も含むものとする。さらに、本発明にかかるトランスフェリン受 容体をコードする部分から成る精製・分離したDNA分子には、モラクセラ菌の トランスフェリン受容体タンパク質であるTbp1およびTbp2の機能的な類 似体をコードする分子も含まれる。 本出願において、第1のタンパク質が免疫的に第2のタンパク質に関連があるか 、あるいは、第1のタンパク質が第2のタンパク質と同じ機能を有する場合には 、第1のタンパク質は、第2のタンパク質の「機能的類似体」であるとする。こ こで「機能的類似体」とは、例えば、同じタンパク質のフラグメントやそのタン パク質の置換突然変異体、付加突然変異体、欠失突然変異体のことである。 カタル球菌由来の染色体DNAを制限酵素Sau3Aにて切断し、15〜23 kbの長さ範囲のフラグメントとし、それをλベクタ-EMBL3のBamHI 位 置にクローン化した。ライブラリーを抗-Tbp1モルモット抗血清でスクリー ニングを行い、約13.2kbの挿入フラグメントを含むポジティブ・クローン LEM3-24を分析用に選択した。LEM3-24で感染させた大腸菌LE39 2由来のリゼイトには、約115kDaのタンパク質を含んでいることが判明し た。このリゼイトをウェスタンブロット法により抗-Tbp1抗血清と反応させ た。約80kDaの第2のタンパク質を、ウェスタンブロット法により、抗-T bp2モルモット抗血清と反応させた。 tbpA遺伝子の、LEM3-24の13.2kb挿入フラグメント上の位置 を決めるために、縮重PCRプライマーを使用して、カタル球菌4223の推定 tbpAの小さい部位を増幅させた。縮重オリゴヌクレオチド・プライマの配列 は、数個のナイセリア菌およびヘモフィリア菌のTbp1タンパク質の保存アミ ノ酸配列を基礎にした(これは図1に示されている)(配列番号:17,18)。 300塩基対の増幅産物が産生され、4223tbpA遺伝子内の位置は、図5 内の太文字で示されている(配列番号:29)。増幅産物はベクターpCRIIに サブクローン化して、ラベルを付けて、サザンブロット法により、制限エンドヌ クレアーゼで切断したクローンLEM3-24DNAのプローブとして使用した 。このプローブは、3.8kbのHinIIIl−HindIIIフラグメント 、2.0kbのAvrIIAvrIIフラグメント、4.2kbのSalt-S PhIフラグメントとハイブリダイズした(図2)。 3.8kbのHindIII-HindIIIフラグメントをpACYC177 にサブクローン化して、シーケンスをした。大きなオーオプン・リーディングフ レームが同定され、約2kbのtbPa遺伝子を含んでいることが判明した。隣 接する下流のHindIII-HindIIIフラグメントをベクターpACY C177にサブクローン化することにより、tbpA遺伝子の残りの1kbを得 た。カタル球菌4223由来のtbpA遺伝子のヌクレオチド配列(配列番号: 1,2)と推定のアミノ酸配列(配列番号:9−全長、配列番号:10成熟タンパ ク質)を図5に示す。 カタル球菌株Q8由来の染色体DNAをSau3A・Iで消化し、15-23 bpのフラグメントをEMBL3のBamMIアームに結合させた。高力価ライ ブ ラリーを大腸菌LE392細胞内に産生させ、4223tbpA配列を基礎にし たオリゴヌクレトチド・プローブを使用してスクリーニングを行った。ファージ DNAを準備して、制限酵素分析を実施した結果、約13−15kbの挿入フラ グメントがクローニングされていることが判明した。ファージクローンSLRD -Aを使用して、配列分析のためのフラグメントのサブクローン化を行った。ク ローニングベクター(pSKMA)を作製し、フラグメントのクローニングを促 進させた。tbpAの全部およびtbpBのほとんどを含むプラスミドpSRR D1,pSLRD2,pSLRD3,pSLRD4,pSLRD5を産生させた 。図10は、菌株Q8由来のtbpA遺伝子のヌクレオチド配列(配列番号:5 ,6)と推定アミノ酸配列(配列番号:13−全長、配列番号:14−成熟タンパ ク質)を示したものである。tbpA遺伝子によりコードされたTbp1タンパ ク質の推定アミノ酸配列は、ナイセリア菌とヘモフィリス菌株由来の遺伝子によ りコードされたアミノ酸と、その配列に相同性があることが判明した(図12, 配列番号:21,22,23,24)。 今回の発見に先だって、ナイセリア菌、ヘモフィリス菌、アクチニノバチルス 菌で同定されたtbpA遺伝子の前の位置に、数個の保存的部位と共に、tbp B遺伝子が存在することが判明した。この2つの遺伝子は、通常、短い遺伝子間 配列により分離されている。しかし、カタル球菌においては、このtbpB遺伝 子は、tbpA遺伝子の上流には見つからなかった。クローンLEM3-24の 13.2kbの挿入フラグメント内のtbpB遺伝子の位置を同定するために、 Tbp2タンパク質の中に保存されているアミノ酸配列EGGFYGP(配列番 号:30)を基礎にして縮重オリゴヌクレトチドプローブを合成した。オリゴヌ クレオチドにラベルを付けて、サザンブロット法により、制限エンドヌクレアー ゼで切断したクローンLEM3-24DNAのプローブとして使用した。このプ ローブは、5.5kbのNheI-SalIフラグメントとハイブリダイズさせ 、その後pBR328にサブクローン化して、配列決定をした。このフラグメン トには、プロモータ部位を除いて、大抵の推定tbpB遺伝子を含んでいた。こ のクローンLEM3-24は、残りの上流部分の配列を知るために、シーケンス した。ヘモフィリス菌やナイセリア菌内でのtbpAとtbpB遺伝子の場合と 違って、t bpB遺伝子の場合は、tbpA遺伝子の先端から約3kb下流に位置していた 。図6は、カタル球菌のtbpB遺伝子のヌクレオチド配列(配列番号:3,4) と推定アミノ酸配列(配列番号:11,12)を示したものである。カタル球菌株 Q8由来のtbpB遺伝子もクローニングをして配列決定を行った。図11は、 ヌクレオチド配列(配列番号:7,8)と推定アミノ酸配列(配列番号:15,1 6)を示したものである。カタル球菌株R1由来のtbpB遺伝子もクローニン グをして配列決定を行った。図27は、ヌクレオチド配列(配列番号:45,4 6)と推定アミノ酸配列(配列番号:47)を示したものである。図28の比較で 示されているカタル球菌Tbp2アミノ酸配列(配列番号:11,15,47)と 、カタル球菌Tbp2アミノ酸配列と、図13の比較で示されている多数のナイ セリア菌とヘモフィリス菌のTbp2配列(配列番号:25,26,27,28) との間に相同性のある部位があることは明白である。クローン化されたtbpA とtbpB遺伝子が大腸菌内に発現し、他のモラクセラ菌のタンパク質の混入し ていない組み換えTbp1とTbp2タンパク質が産生された。これらの組み換 えタンパク質を精製して免疫に使用した。 カタル球菌または組み換えTbp2タンパク質を発現している大腸菌の全細胞 リゼイト内のタンパク質を、SDS―PAGE法により分離することにより、さ らに、モルモットを使用した、抗-4223rTbp2抗血清または抗-Q8rT bp2抗血清との抗血清免疫ブロッティングを実施することで、カタル球菌株で のTbp2タンパク質の抗原性の保存を確認した。この方法により、カタル球菌 株3,56,135,585,4223,5191,8185およびATCC2 5240を試験した結果、これら全部が、抗-4223rTbp2または抗-Q8 rTbp2抗体に対して特異的な反応を示した(図25)。 さらに、下の表1は、ある株由来の抗-rTbp2抗体の、相同または非相同 株由来の天然あるいは組み換えタンパク質を認識する能力を、ELISAを使用 して測定したものを示したものである。 カタル球菌株4223由来のトランスフェリン受容体のN末端と臭化シアンフ ラグメントのアミノ酸配列決定を行った。Tbp1とTbp2の両方のN末端を ブロックした。図5と6の中の下線を引いた部分は、Tbp1とTbp2の推定 シグナル配列(配列番号:19と20)をそれぞれ示している。Tbp2のN末端 部分の推定アミノ酸配列は、多糖の構造を示唆している。 下記表1,2の結果は、Tbp1またはTbp2で免疫することで産生された 抗.Tbp1と抗-Tbp2モルモット抗血清のカタル球菌を溶菌する能力を示し ている。結果は、カタル球菌分離株4223由来Tbp1またはTbp2タンパ ク質を使用した免疫により産生された抗血清が、分離株4223由来の相同的非 凝集性カタル球菌株RH408(以前に、すでに譲受人に譲渡されている米国特 許出願番号08/328,589に関して,1994年12月13にブタベスト 条約下により「アメリカンタイプカルチャーコレクション」(Amerlcan Type Cul uture Collection、またはATTCC、住所:1301 Parklawn Drlve,Rockville, Maryland 20852,USA)に寄託された株、寄託番号:55,637))(WO96/12733) に対して殺菌性であることを示している。さらに、カタル球菌株4223から分 離されたTbp1タンパク質で免疫することにより産生された抗血清が、非相同 性の非凝集性株Q8(Centre Hospitalier de l'Unlversite Laval,St.Foy,Queb ecのM.G.Bergeron博士により提供された株)に対して殺菌性を示した。さらに、 組み換えTbp2(rTbp2)タンパク質に対して生産された抗血清は、カタ ル球菌の相同株に殺菌性を示した。 分離・精製結合タンパク質の殺菌性抗体を産生する能力がインビボで明らかで あることから、モラクセラ菌が原因となる疾病に対する予防としてワクチンに使 用できることになる。 このように、本発明の別の態様によれば、本発明はモラクセラ菌が原因となる 感染に対するワクチンを提供することであり、このワクチンは、免疫原性効果の ある量の、モラクセラ菌由来のトランスフェリン結合タンパク質と薬学的に受け 入れ可能なキャリヤから成る。ワクチン製剤は、抗原として使用できる、配列の 分岐したトランスフェリン結合タンパクで構成するようにしてもよい。 本発明で提供されるトランスフェリン結合タンパク質は、診断試薬としても有 効である。つまり、抗トランスフェリンタンパク質結合抗体の産生を誘導する抗 原として、あるいは、モラクセラ菌が原因となる疾病に対するワクチン用の抗原 、モラクセラ菌や同種の細菌の感染を探知する抗原として使用できるのである。 ここで提供されるトランスフェリン結合タンパク質は、トランスフェリン結合 タンパク質と関係のない抗原決定基に対する複合ワクチンを生産する場合の、ハ プテン、多糖、ペプチドの担体タンパク質としても利用できる。さらに、本発明 の別の実施例によれば、このトランスフェリン結合タンパク質は、被包性細菌の ような病原菌に対するキメラ分子や複合ワクチン(複合糖質を含む)を作製する ために担体分子としても使用可能である。このように、例えば、本発明の複合糖 質は、リポオリゴ糖(LOS)やPRPのような多糖抗原を有する細菌による疾 病や感染に対する予防をするためにも使用できる。これが使用できる細菌性病原 菌には、例えば、ヘモフィリス属インフルエンザ菌、肺炎連鎖球菌、大腸菌、髄 膜炎菌、チフス菌、ストレプトコッカス・ミュータンス、クリプトコッカス・ネ オフォルマンス、クレブシェラ菌、黄色ブドウ球菌、緑膿菌がある。トランスフ ェリン結合タンパク質と接合させることのできる特別な抗原、そのような接合を 行う方法については、1993年12月23日出願の米国特許出願番号0.8/ 433,522(現在は譲受人に譲渡されている:WO94/12641)に開 示されており、その開示内容は、本出願の中でも参考文献を参照することで説明 している。 別の実施例では、トランスフェリン結合タンパク質のキャリヤ機能が、腫瘍細 胞の異常な多糖に対する免疫応答を誘導するために、あるいは、化学療法剤また は生物活性剤と接合可能な抗-腫瘍抗体を生産するために利用されている。 本発明では、カタル球菌由来のトランスフェリン結合タンパク質をモラクセラ 菌による感染が原因である疾病用のワクチンの有効成分として使用している。さ らに、本発明では、カタル球菌由来のトランスフェリン結合タンパク質を含むワ クチン製剤の成分として使用し、任意で、薬学的に受け入れ可能なキャリヤおよ び/または希釈剤と一緒に使用する。 本発明のさらに別の態様によれば、本発明では、このトランスフェリン結合タ ンパク質をモラクセラ菌による感染が原因である疾病に対する免疫用としてのワ クチン製剤に使用する。 本発明の実施例で示した技術は、予防接種、診断、モラクセラ菌の感染による 疾病の治療、免疫薬剤や診断薬の生産などに広く応用可能であることは当業者に は明白である。以下に、そのような応用について説明をする。 1.ワクチン製剤およびその使用 ワクチンとして使用できる免疫原性成分を、核酸分子によりコードされている、 免疫原性のあるトランスフェリン受容体タンパク質、その類似体、そのフラグメ ントから調剤可能である。ワクチンは免疫応答を誘導し、抗-トランスフェリン 受容体抗体あるいは、食菌作用または殺菌作用のある抗体を産生させる。モラク セラ菌がワクチン投与をした患者に感染すると、抗体がトランスフェリン受容体 に結合し、それにより、細菌が、生存に必要な鉄源に接近することを阻止する。 さらに、食菌作用または殺菌作用のある抗-トランスフェリン受容体抗体が、代 替メカニズムにより保護作用を与える。 ワクチンを含む免疫原性成分は、液体溶液やエマルジョンの形で、注射が可能 な薬剤に製剤が可能である。核酸によりコードされるトランスフェリン受容体タ ンパク質、その類似体やフラグメントを、トランスフェリン受容体タンパク質、 そのフラグメントまたは核酸と適合する、薬学的に受け入れ可能な添加物と混合 させることができる。この添加物して、水、生理食塩水、デキストロース、グリ セロール、エタノール、およびその組み合わせたものがある。免疫原性成分およ びワクチンには、さらに、ワクチンの効果を高めるために、湿潤剤や乳化剤、p H緩衝液、アジュバントなどの補助物質を混入してもよい。免疫原性成分および ワクチンは、非経口でも、皮下注射、皮内、筋肉内経由でも投与できる。本発明 の免疫原性成分は、粘膜表面での免疫応答を誘発するような方法で調製し投与し てもよい。このように、この免疫原性成分は、例えば、経鼻経由または経口(胃 内)で投与して粘膜表面を刺激できるようにしてもよい。この免疫原性成分は、 免疫系の特定の細胞または粘膜表面に、その免疫成分を送り込むターゲット分子 と一緒に投与してもよい。このようなターゲット分子として、ビタミンB12や 、WO92/17167(Biotech Australia Pty Ltd)で開示されているような 細菌毒素のフラグメント、米国特許第5,194,254(Barber et al)で開示 されているようなモノクローナル抗体でもよい。代替の投与法として、座薬によ る投与やその他の経口調剤なども使用できる。座薬の場合には、例えば、ポリア ルカリン・グリコールまたはトリグリセリドなどの結合剤やキャリヤを併用する 。経口 調剤には、通常、薬剤として使用されているサッカリン、セルロース、炭酸マグ ネシウムのような添加剤を含む。これらの成分は、溶液、懸濁液、錠剤、ピル、 カプセル、徐放剤、粉末などの製剤の形にして、約1〜95%のトランスフェリ ン受容体タンパク質、そのフラグメントや類似体および/または核酸分子を含有 するようにする。 ワクチンは、製剤形態に適合した方法で、しかも、薬学的に有効であり、予防 作用と免疫原性を与えるだけの十分な量を投与する必要がある。投与量は、治療 を行う対象により異なり、例えば、各対象の抗体を合成する能力、あるいは、必 要によっては、細胞性免疫を起こさせる免疫系の能力などに依存する。投与すべ き有効成分の正確な量は、担当医の判断による。しかし、適切な投与量の範囲は 、当業者には容易に決定することができ、トランスフェリン受容体タンパク質お よびそのフラグメントや類似体では、マイクログラムのオーダである。当初投与 の適切な処方およびブースタ投与をするかどうかは状況により多様である。ワク チンの投与量は投与経路や宿主の体重によっても違ってくる。 モラクセラ菌のトランスフェリン受容体をコードしている核酸分子は、免疫に 使う場合には、直接DNAを投与してもよいし、例えば、免疫原性成分の注射を したり、核酸分子を含むサルモネラ菌、BCG、アデノウイルス、ポックスウイ ルス、バクシニア、ボリオウイルスなどの生きたベクターを作製して使用しても よい。 非相同性の抗原を免疫系に送り込むために使用する数種の生きたベクターに関す る検討がO'Haganによりなされている(文献22)。免疫のために、DNAを直接 に試験対象に注射する方法がUlmerらにより検討されている(文献23)。 免疫原性は、抗原をアジュバントと同時投与することにより大きく改善され、 通常の場合、リン酸緩衝生理食塩水の0.05〜1.0%溶液として使用される 。アジュバントは抗原の免疫原性を強化するが、それ自体は免疫原性がない。ア ジュバントは、抗原を投与部位の近くに保持・貯蔵させ、抗原の免疫系に対する ゆっくりした徐放性効果をもたらす。さらに、アジュバントは、免疫系の細胞を 抗原が貯蔵されている場所に引出し、その細胞に免疫応答を誘発させる作用があ る。免疫刺激剤またはアジュバントは、ワクチンに対する宿主の免疫応答を改善 する 薬剤として長年使用されている。リポ多糖のような内因性のアジュバントは、通 常、ワクチンとして使用される弱毒化細菌の構成成分である。外因性のアジュバ ントは、通常、非共有的に抗原に結合している免疫調整剤であり、宿主の免疫応 答機構を強化するものとして調製される。このように、アジュバントは、非経口 的に投与された抗原に対する免疫応答を強化するものとして認められている。ア ジュバントには、毒性を有し、望ましくない副作用を起こすものもあり、それら はヒトまたは多くの動物には使用できない。実際のところ、通常、ヒトおよび動 物ワクチン用のアジュバントとして使用されているのは、水酸化アルミニウムお よびリン酸アルミニウムのみである。ジフテリアおよび破傷風トキソイドに対す る抗体応答を増加させる明ばんの有効性についてはすでによく認識されており、 例えば、HBsAGワクチンには、明ばんがアジュバントとして使用されている 。明ばんが非常に有益なアジュバントである分野もあるが、一方限界もある。 明ばんは、インフルエンザのワクチンではアジュバントとして効果はないし、細 胞性免疫応答を刺激する作用もない。マウスにおいては、明ばんをアジュバント として使用した抗原により誘導された抗体は、主として、IgG1アイソタイプ のものであり、2.3のワクチンによる予防効果はない。 広範囲の外因性アジュバントは、抗原に対する潜在的な免疫応答を誘導する。 このようなアジュバントとして、膜タンパク抗原と錯体を作るサポニン(免疫刺 激錯体)、鉱物油と結合したプルロン高分子物質、死マイコバクレリア、フロイ ンド完全アジュバント、ムラミルジペプタイド(MDP)、リポ多糖、リピドA、 リポソームなどがある。 効果的に体液性および細胞性免疫を誘発するために、免疫原をアジュバントの 中で乳化させて使用することがよくある。多くのアジュバントには毒性があり、 肉芽腫、急性および慢性炎症を引き起こしたり(フロインド完全アジュバント) (FCA)、細胞崩壊(サポニンおよびプルロン高分子)や、発熱、関節炎、全部 ブドウ膜炎(LPS、MDP)の原因となる。FCAは、優れたアジュバントで あり、研究用として広く使用されているが、毒性があるので、ヒトおよび動物用 のワクチンでは使用許可がなされていない。理想的なアジュバントの特性として は下記のことが挙げられる。 (1)毒性がないこと。 (2)長時間持続する免疫応答を刺激する能力があること。 (3)生産が簡単であり、長期保存でも安定性があること。 (4)種々の経路で投与された抗原に対して、体液性、細胞性の両方の免疫応答 を誘起させること。 (5)他のアジュバントとの相乗効果を発揮すること。 (6)抗原提示細胞(APC)との選択的な相互作用をする能力があること。 (7)適当なTH1またはTH2細胞特異的免疫応答を誘起する特別な能力がある こと。 (8)抗原に対する適当な抗体アイソタイプレベル(例えば、IgA)を選択的 に増加させる能力があること。 公告日が1989年8月8日である米国特許第4,855,283(Lockhoff ら)(これは本出願でも参考文献として引用)には、N−グリコシルアミド、N ―グリコシルウリア、N−グリコシルカーバメートを含むグリコリピド類似体( これらは糖残基がアミノ酸で置換されている)が、免疫調整剤またはアジュバン トとして使用できることを開示している。Lockhoffら(1991)(文献24) は、グリコホスホリピドやグリコグリセロリピドのような天然に存在するグリコ リピドと構造上の類似性のあるN−グリコリピド類似体は、単純ヘルペスウイル スワクチンと仮性狂犬病ウイルスワクチンと併用した場合には、強い免疫応答を 誘起する能力があることを報告している。ある種のグリコリピドが、アノマー炭 素原子により糖と直接に結合している長鎖アルカリアミンと脂肪酸から合成され ており、これは天然のリピドの機能をまねたものである。 米国特許第4,258,029(Moloney、現在は譲受人に譲渡されている。本 出願でも引用)は、オクタデシル・チロシン・ヒドロクロリド(OTH)が、破 傷風トキソイドとホルマリンで不活化させたタイプI,II,IIIポリオウイ ルス・ワクチンとの錯体を形成して、アジュバントとして機能することを示して いる。また、Nixonら(1990)(文献25)は、組み換えB型肝炎ウイルス ・表面抗原と錯体を形成している芳香族アミノ酸のオクタデシルエステルが、宿 主のB型肝炎ウイルスに対する免疫応答を強化することを報告している。 2.免疫検定(イムノアッセイ) 本発明にかかるトランスフェリン受容体タンパク質、その類似体および/または 、そのフラグメントは免疫原、ELISA(固相酵素免疫検定法)、RIAおよび その他の非酵素抗体結合検定または抗-モラクセラ菌、トランスフェリン受容体 タンパク質抗体の検出手順を含む免疫検定における抗原として有益である。EL ISA検定において、TfRタンパク質の部分に対応するトランスフェリン受容 体タンパク質、その類似体および/またはそのフラグメントが選択された表面上 に固定化される。この表面は、例えば、ボリスチレン・マイクロプレートのよう なタンパク質またはペプチドを結合することができるものである。不完全に吸着 したトランスフェリン受容体、その類似体および/またはフラグメントを除去す るために洗浄をした後、ウシ血清アルブミン(BSA)のような非特異的タンパ ク質またはテスト試料に対して抗原性では中立であることが知られているカゼイ ンを選択された表面に結合させる。これにより、固定表面での非特異的吸着部位 がブロッキングされ、抗血清の、表面への非特異的結合が原因となるバックグラ ウンドを小さくする。 その後、固定表面に臨床的または生物学的試料を接触させて、免疫錯体(抗原 /抗体)の形成を誘導するような方法で試験をする。 この手順には、BSAやウシγグロブリン(BGG)および/またはリン酸緩衝 液(PBS)/トゥイーンのような希釈剤で試料を希釈するステップを含む。そ の後、試料は、約25℃〜37℃の温度で、2〜4時間インキュベートされる。 インキュベーションの後、試料が付着している表面を、非免疫錯体物質を除去す るために洗浄する。この洗浄手順には、PBS/トゥイーンまたはホウ酸塩緩衝 液のような溶液で洗浄するステップを含む。 試料と結合したトランスフェリン受容体タンパク質、その類似体および/また はフラグメントとの間の特異的な免疫錯体の形成およびその後の洗浄に続いて、 免疫錯体形成の発生とその発生量を、その免疫錯体を第1の抗体に特異性を有し ている第2の抗体に触れさせることにより定量する。試料がヒト由来のものであ れば、この第2の抗体はヒト免疫グロブリンに特異性を有する抗体、一般にはI gGである。検出手段を提供するために、第2の抗体は適当な色素物質とインキ ュベートすると発色する酵素活性のような関連活性を有する。分光光度計を使用 して発色の度合いを測定することにより定量を実施する。 3.ハイブリダイゼーションプローブとしてのシーケンスの使用 トランスフェリン受容体遺伝子から成る本発明のヌクレオチド配列を使用するこ とで、モラクセラ菌のすべての菌株由来のトランスフェリン受容体遺伝子の同定 とクローニングが可能である。 本発明のトランスフェリン受容体遺伝子の配列から成るヌクレオチド配列は、 他のTfR遺伝子の相補的伸長により選択的に複製分子を作製する場合に有益で ある。他のTfR遺伝子に対するプローブの選択性の幅を広げるために、多様な ハイブリダイゼーション条件を使用することができる。選択性を広げるために、 複製の作製では、少ない塩および/または高い温度(例えば、温度を約50℃〜 70℃にして、0.02M〜0.15M NaClを使用)などの比較的厳しい 条件を使用する。温度が約20℃〜55℃で、0.15M〜0.9MNaClを 使用するという、条件がやや緩やかなハイブリダイゼーションでもよい応用分野 もある。 ハイブリッド複製物質を不安定化させるより多量のホルムアミドを添加すること で、ハイブリダイゼーションの条件をより厳しくすることもできる。このように 、ハイブリダイゼーション条件を容易に特殊なものにすることができ、一般的に は、望ましい結果を得るために多様な方法を選択できる。一般的には、50%ホ ルムアミド存在下での、便利なハイブリダイゼーション温度は、以下の通りであ る。つまり、ターゲットフラグメントに対して95〜100%の相同性を有する プローブには42℃、90〜95%の相同性を有するプローブには37℃、85 〜90%の相同性を有するプローブには32℃である。 臨床診断のための実施例においては、ハイブリダイゼーションの方法を決定す る場合には、本発明のTfR遺伝子の核酸配列をラベルのような適当な手段と組 み合わせて使用することができる。 例えば、検出シグナルを出すことができる、アビジン/ビオチン、ジゴキシを使 用したラベル標識、放射標識、酵素標識、その他のリガンド標識を含む多様な指 示方法が知られている。放射性標識の代わりに、ウレアーゼ、アルカリ性ホスフ ァターゼまたはペロキシダーゼのような酵素標識を使用する診断分野用の実施例 もある。酵素標識の場合、TfR遺伝子配列を含む試料との特定のハイブリダイ ゼーションをさせる場合に、ヒトの目に見える、あるいは、分光光度計で観察で きる比色基質が知られている。本発明にかかるTfR遺伝子配列は、溶液ハイブ リダィゼーションおよび固相法を採用する実施例において、プローブとしても有 用であることを示している。固相法を含む実施例では、浸出液、体液(例:血清 、羊水、中耳流出液、唾、気管支肺胞洗浄液(場合によっては組織そのもの)を 含む臨床試料から得た試験対象のDNA(またはRNA)が吸着されるか、選択 したマトリックスまたは表面に付着する。固定された1本鎖核酸が、本発明のT fR遺伝子またはそのフラグメント核酸配列を含むプローブと、望ましい条件下 で、特別にハイブリダイズされる。ここで採用される選択条件は、必要な特別の 基準(例えば、G+C含有量、ターゲット核酸の型、核酸のソース、ハイブリダ イゼーションプローブのサイズ)に基づいた環境により変動する。非特異的に結 合しているプローブ分子を除去するためにハイブリダイズさせた表面を洗浄した 後、ラベルを使用して、特別なハイブリダイゼーションまたは定量分析を実施す る。モラクセラ菌内に保存されている核酸配列を選択することが好ましい。選択 するプローブの長さは、最小で18bpであり、通常は、およそ30〜90bp の範囲である。 4.トランスフェリン受容体遺伝子の発現 レプリコンおよび宿主細胞と適合する菌由来のコントロール配列を含むプラス ミドベクターを、発現システム内でのトランスフェリン受容体遺伝子の発現のた めに使用できる。ベクターには、通常、複製部位があり、それは、形質転換細胞 に発現型選択を与える配列を作る。例えば、大腸菌をアンピシリン耐性およびテ トラサイクリン耐性を有し、それにより、細胞の形質転換を容易に見分けること のできるpBR322を使用して形質転換が可能である。pBR322プラスミ ド、またはその他の細胞プラスミドまたはファージには、宿主細胞がタンパク質 を発現するために利用できるようなプロモータが含まれているか、含まれている ように改変されていることが必要である。 さらに、宿主に適合するようなレプリコンとコントロール配列を含むファージ ベクターを、その宿主の形質転換ベクターとして使用可能である。例えば、大腸 菌LE392のような宿主細胞を形質転換するために使用できる組み換えファー ジベクターを作製するために、λGEMTM-11のファージが利用できる。 組み換えDNA構築で通常使用されるプロモータには、β-ラクタマーゼ(ペ ニシリナーゼ)およびラクトース・プロモータシステム、米国特許第4,952 ,496で開示されているT7プロモータ・システムのようなその他の細菌プロ モータがある。プロモータのヌクレオチド配列の詳細はすでに既知であり、当業 者はこれらを機能的に遺伝子に結合させることができる。どのような特別なプロ モータを使用するかは、一般的には、どのような結果を望むかにより違ってくる ので、選択の問題である。トランスフェリン受容体遺伝子、そのフラグメントま たはその類似体またはその変種の発現に適している宿主としては、大腸菌、バチ ルス菌、ヘモフィリス菌、真菌、酵母、モラセ七ラ菌、ボルデテラ菌がああり、 バキュロウイルス発現システムも使用できる。 本発明によるトランスフェリン受容体タンパク質、そのフラグメント、または その類似体は、モラクセラ菌の培養・精製から得られる天然に存在するTfrタ ンパク質には微量の毒性があるか、または他の汚染物質を含むために、遺伝子組 み換え法により作製することが望ましい。 非相同システム内で組み換え技術により作製したTfRタンパク質を使用する ことで、精製上での汚染物質の混入を最小にする方法で宿主から分離できる。発 現のための宿主として、LPSを持っていない、つまり、エンドトキシンのない グラム陽性細菌を使用することが望ましい。そのような宿主として、バチルス菌 があり、これは特に非発熱性のトランスフェリン受容体、そのフラグメントまた はその類似体の生産に有用である。さらに、組み換え法により、Tbp1または Tbp2またはこれらの類似体やフラグメントの生産と分離が可能である。 細菌の寄託 カタル球菌株4223、Q8由来のトランスフェリン受容体タンパク質をコー ドする部分を含む数種のプラスミドベクターとカタル球菌株RH408は、本出 願より前に、ATCC(住所:12301 Parklawn Drlve,rockville,Maryland,USA,) にブタベスト条約により寄託をしていたものである。本米国特許出願が特許とし て認められ次第、その寄託をしているベクターと細菌株のサンプルは一般に利用 できるようになり、その寄託にアクセスするための制限も無くなる。さらに、寄 託したものが分配できなくなれば、その取り替えがなされる。本出願では、説明 目的のために、寄託した材料や実施例を示したが、本発明は、ここに寄託された 生物材料に限定されるものではないし、実施例で使用したものに限定されない。 同じようなベクターや、この出願で記載している抗原をコードしている菌株につ いても、本発明の範囲内にあるものである。 寄託物の概要 例 本発明の一般的な開示は以上の通りであるが、本発明をさらに詳しく理解でき るように、以下では、例について説明をしている。これらの例は、単に例示が目 的であって、本発明の範囲を限定するものではない。状況により例の内容や構造 を変更することが可能である。特別な用語が使用されているが、それらは説明目 的のためであり、それにより限定的な意味をもつものではない。 本開示では、分子遺伝学、タンパク質生化学、免疫学の方法が使用されている が、その内容を詳しくは説明しておらず、これらの例も科学文献に報告されてい るものを含んでいるが、それらの点は本技術分野の当業者には明らかなことであ る。 例1 この例は、カタル球菌由来のTbp1,Tbp2タンパク質の調製及びこれら によるモルモットの免疫を説明したものである。 Tbp1とTbp2タンパク質は、下記の手順で入手した。 鉄欠乏の粗全膜液を、合計容量が384mlの50mMトリス・HCl-1M ・NaCl(pH8)で希釈して、その濃度を4mg/mlとした。膜を0.5 M・ EDTAの8ml、30%サルコシルの8mlを添加して溶解させ、その試料を 静かに撹拌しながら、室温で2時間インキュベートした。溶解した膜を10K・ rpmで20分間遠心分離を行った。15mlのアポ-hTf-セファロース/4 Bをその上清に加え、静かに撹拌しながら、室温にて2時間インキュベートした 。その混合液をカラムに注入した。そのカラムを、汚染タンパク質を除去するた めに、50mlの50mM・トリス・HCl-1M-NaCl-250mM塩酸グ アニジンで洗浄した。100mlの1.5M塩酸グアニジンを添加してカラムか らTbp2を溶出させた。100mlの3M塩酸グアニジンを添加することでT bplを溶出させた。最初の20mlの分画を、50mMトリス・HCl(pH 8.0)を3回取り替えてながら透析をした。試料を−20℃で貯蔵するか、重 炭酸塩アンモニウムで透析し、凍結乾燥した。 モルモット(Charles River)に、フロインド完全アジュバントで乳化させた1 0μgのTbp1またはTbp2を筋肉内投与することにより免疫した。投与後 14日目、29日目に、フロインド不完全アジュバントで乳化させたタンパク質 を同じ量だけブースタとして投与した。42日目に血液サンプルを採取して、そ の血清を使って、細菌の抗体活性を分析した。さらに、イムノブロット法により 、全部の抗血清のカタル球菌4223タンパク質との反応性を検討した。 モルモット抗-カタル球菌4223Tbp1またはTbp2抗血清の細菌抗体 活性を以下の方法で測定した。非凝集性のカタル球菌株RH408(分離菌42 23由来のもの)を20mlブイヨン(BHI)に播種して、170rpmで振 動させながら、37℃で18時間増殖させた。この培養物の1mlを、20ml の25mMエチレンジアミン-ジ-ヒドロキシフェニル酢酸(EDDA、シグマ) を補充したBHIと共にインキュベートするために使用した。この培養物を、5 70nmの吸光度が0.5になるまで増殖させた。細胞を、0.1%ウシ血清ア ルブミン(VBS)を含む、140mM・NaCl、93mM・NaHCO3、 0.4mM・CaCl、0.4mM・CaCl2・2H2O、(pH7.6,ベロ ナール緩衝液)により1:200,000になるように希釈し、氷水に入れた。 モルモット抗-カタル球菌4223Tbp1またはTbp2抗血清を、事前に採 取していた対照抗血清と一緒に、内在性の補体を不活化させるために、56℃で 3 0分間加熱した。各抗血清をVBSで2倍に連続希釈したものを、96ウエル型 NunC1onマイクロプレート(Nunc社、Roskilde,Denmark)のウエルに添加した。 希釈は1:8の希釈率で始め、最終的に、各ウエルの容量が25μlになるよう に調製した。希釈した細菌細胞の25μlを各ウエルに添加した。モルモット補 体(Biowhittaker 社,Walkersville,MD)を、VBSで1:10に希釈し、そのう ちの25μlを各ウエルに添加した。プレートを回転プレート上で70rpmで 撹拌しながら、37℃で60分間インキュベートした。各反応混合物の50μl をMuel1er Hinton寒天プレート(Becton-Dicklnson 社,Cockeysvil1e,MD)に移し た。プレートを37℃で72分間インキュベートし、プレート当たりのコロニー 数を計数した。免疫前の血清の殺菌力よりも50%以上の強い殺菌力のある抗血 清における高希釈率の逆数としての殺菌力価を評価した。下表1で示された結果 は、カタル球菌を溶菌する抗-Tbp1と抗-Tbp2モルモット抗血清の能力を 示したものである。 例2 この例は、カタル球菌株4223とQ8由来の染色体DNAとその調製法を説 明したものである。 カタル球菌分離菌4223をBHIブイヨンに接種して、撹拌しながら、37 ゜Cで18時間インキュベートした。細胞を、10,000xgで20分間遠心 分離した後、集めた。カタル球菌株4223染色体DNAの抽出にはペレットを 使用した。細胞の入ったペレットを10mMトリス-HCl(pH7.5)と1.0 mM・EDTA(TE)の20ml溶液中に再懸濁させた。最終濃度500μg /ml及び1.0でプロナーゼ及びSDSをそれぞれ添加し、この懸濁液を37 ゜Cで2時間インキュベートした。フェノール、フェノール:クロロフオルム( 1:1)およびクロロフォルム:イソアミールアルコール(24:1)で数回抽 出した後、液体抽出物を1.0M・NaClで温度4℃、4時間、および、TE(p H7.5)で、さらに48時間、3回緩衝液を変えて透析を行った。この透析液 に2容量のエタノールを添加し、DNAをガラス棒に巻き付けた。DNAを空気 で乾燥して、3.0mlの水に溶解させた。分光光度計にて濃度を測定した結果 、290μg/mlであると判明した。 カタル球菌株Q8を、例1と同様に、BHIブイヨンで増殖させた。細胞を、 4℃、5000rmpで20分間遠心分離をして、50mlの培養基からペレッ トで取り出した。細胞の付いたペレットを10mlのTE(10mMトリス-H Cl、1mM-EDTA、pH7.5)中に懸濁させ、プロテナーゼKとSDS を最終濃度500μg/ml及び1%でそれぞれ添加した。透明な溶解物(リゼ イト)が得られるまで、試料を37℃で4時間インキュベートした。リゼイトを 、トリスー飽和フェノール/クロロフォルム(1:1)にて2回抽出し、クロロ フォルムで2回抽出した。最終液状産物を、4℃で24時間、1M・NaClの 2x1000mlで、緩衝液を1回変えて透析し、さらに、4℃で24時間、T Eの2x1000mlで、緩衝液を1回変えて透析した。最終透析物を100% エタノールの2容量で沈殿させた。DNAを巻き取って乾燥して、5〜10ml のTE緩衝液中に再懸濁させた。 例3 この例は、EMBL3におけるカタル球菌染色体ライブラリの構造を説明した ものである。 サイズが15から23kb以内の制限フラグメントの最大量を産生させるのに 必要な条件を最適にするために、最終容量が10μlである染色体DNAを制限 酵素Sau3Aで消化させた。最適の消化条件で、下記のものを含む100μl 容量で大規模な消化がなされるように設定をした。染色体DNA(290μg/ ml)の50μl、水33μl、10XSau3A緩衝液(New England Biolab 社)の10μl、BSA(10mg/ml,New England Biolabs)の1.0μl、Sau3 Aの6.3μl(0.04U/μl)。 37℃で15分間インキュベートをした後、10μlの100mM・トリス- HCl(pH8.0)-10mM-EDTA-0.1%ブロモフェノールブル-50% グリセロール(ローディング緩衝液)を加えて消化を終了させた。40mM・ト リス・酢酸-2mM・Na2EDTA・2H2O(pH8.5)(TAE緩衝液) を使用して、切断したDNAを、50Vで6時間、0.5%アガロースゲル電気 泳動させた。長さが15〜23kbの制限フラグメントを含む部分をゲルから切 り取り、3.0mlのTAEを含む透析チューブの中に入れた。1.0V/cm の 電場強度を18時間与えて、DNAをゲルフラグメントから電気溶出させた。電 気溶出させたDNAをフェノールとフェノール:クロロフオルム(1:1)でそ れぞれ1回抽出させ、エタノールで沈殿させた。乾燥したDNAを5.0μlの 水に溶解させた。 サイズにより分画した染色体DNAを、最終容積9μl中で、T4DNAリガ ーゼを用いて、BamHIで切断したEMBL3アーム(Promega)と結合させた 。結合した全体混合物をラムダファージに、市販のパッキングキット(詰め込み キット)(Amersham)を使用して、製造者の指示に従ってパッキングした。 パッキングしたDNAライブラリを固体培地で増幅させた。10mM・MgS 04(OD260=0.5)内の大腸菌株NM539の0.1ml部分を、15〜2 5μlのパッキングしたDNAライブラリと一緒に37℃で15分間インキュベ ートをした。試料を、1.0%BBLトリプチカーゼ・ペプトン-0.5%Na Cl(BBLトップ・アガロース)を含む3mlの0.6%アガロースと混合し て、その混合物を、1.0%BBLトリプチカーゼ・ペプトン-0.5%NaC lを含む1.5%寒天プレートにプレーティングした後、37℃で18分間イン キュベートをした。3mlの50mMトリス-HCl(pH7.5)−8mMマ グネシウム サルファイト ヘプタハイドレート(magnesium sulfate heptahyd rate)−100mM NaCl-0.01%(w/v)ジェラチン(SM緩衝液)を各 プレートに添加し、そのプレートを4℃で7時間放置した。ファージを含むSM 緩衝液をプレートから集め、一緒にプールをして、クロロフォルムを使用して、 4℃でスクリュウカップ内に保管した。 カタル球菌株Q8由来の染色体DNAを、37℃で30分間、Sau3A/I (0.1ユニット/30μg−DNA)で切断して、0.6%低融点アガロース ゲルでサイズごとに分画した。長さが15〜23kbであるDNAフラグメント を切り出し、DNAをTAE(40mMトリスアセテートpH8.5,2mM/ EDTA)を含む透析チューブ内において、150Vで25分間、電気溶出させ た。DNAをフェノール/クロロフォルム(1:1)で1回抽出し、沈殿させ、 水に懸濁させた。DNAを1晩EMBL3・Iアーム(Promega)と結合させ、そ の結合混合物をラムダ・インビトロ・パッキングキット(Stratagene社)を使用し てパッキングを行い、大腸菌LE392細胞にプレーティングした。ライブラリ ーを滴定し、0.3%クロロフォルム存在下、4℃で貯蔵した。 例4 この例は、カタル球菌ライブラリのスクリーニングを説明したものである。 例3において調製されたEMBL3/4223試料から取ったファージストッ クの10μl部分を、10mM・MgSO4(OD260=0.5)(プレーティン グ細胞)内の100μlの大腸菌株LE392と結合させ、37℃で15分間イ ンキュベートをした。試料を3mlのBBLトップアガロースと混合させ、1% バクト・トリプトーン-0.5%バクト・酵母抽出-0.05%NaCl(LBア ガロース:Difco)を含み、200μM・EDDAを補給した1.5%アガロース ・プレートに注入した。このプレートを37℃で18時間インキュベートをした 。プラークを、標準プロコルを使用して、ニトロセルロース・フイルタ(Amersha m Hybond-CEtract)に載せ、そのフィルタを、5%ウシ血清アルブミン(BSA 、Boehringer)の20mM・トリス-HCl(pH7.5)-150mM・NaC l(TBS)溶液に室温で30分間または4℃で1晩浸した。フィルタを室温で 少なくとも1時間、または4℃で18時間、1:1000に希釈したモルモット 抗-カタル球菌4223Tbp1抗血清を含むTBS内でインキュベートした。 0.05%トゥイーン20(TBS-Tween)の入ったTBSで4回連続で10分 間洗浄を行った後、このフィルタを、ホースラディッシュ・ペルオキシダーゼ( rタンパク質・G-HRP:Zymed)で標識した組み換えタンパク質Gの1/40 00希釈を含んだTBS-トゥイーン内において、室温で30分間インキュベー トした。上記と同様にフィルタを洗浄し、そのフィルタをCN/DAB基質溶液 (Pierce)に浸した。フィルタを水に浸すことにより、発色を阻止した。陽性の プラークをプレートから抜き取り、それぞれを0.5mlのクロロフォルムを数 滴加えたSM緩衝液にプレーティングした。モルモット抗-カタル球菌4223 Tbp1抗血清を使用して、取り上げたプラークが100%陽性になるまでスク リーニングを2回以上繰り返した。 EMBL3/Q8ライブラリを、被覆層としてのYT中の0.7%トップ寒天 を使用してYTプレート上のLE392細胞にプレーティングした。プラークを ニトロセルロース・フィルタに載せ、そのフィルタを32Pα-dCTP(ランダ ム・プライムDNAラベルキット、Boehringer Mannheim社)で標識したオリゴ ヌクレオチド・プローブで検出した。塩酸ナトリム/クエン酸ナトリウム(SS C)緩衝液(文献27)中で、温度37℃で1時間、プリ・ハイブリダイゼーシ ョンを実施し、その後、42℃で1晩ハイブリダイゼーションを行った。プロー ブは、下記のような4223tbpAの内部配列を基礎にした。 推定のプラークを再度プレーティングして、同じ手順で2.3回スクリーニン グした。配列分析のために、ファージクローンSLRD−Aを使用して、tfr 遺伝子のサブクローン化をした。 例5 この例は、抗-カタル球菌4223Tbp1とTbp2抗血清を使用して行う ファージリゼイトのイムノブロット分析を説明したものである。 例4で選択されたファージ溶出物により発現したタンパク質を以下の手順で沈 殿させた。60μlのファージ溶出物を200μlの大腸菌LE392プレーテ ィング細胞に結合させ、37℃で15分間インキュベートした。混合物を10m lの1.0%NZアミン・A-0.5%NaCl-0.1%カザミノ酸-0.5% 酵母抽出物-0.2%硫酸マグネシウム・ヘプタ水和物(NZCYMブイヨン) (200mM・EDDAを補充)に接種し、撹拌しながら37℃で18時間増殖 させた。DNアーゼ(DNAse)を1.0mlの培養基に添加して、最終濃度 を50μg/mlとし、その試料を37℃で30分間インキュベートした。トリ クロロ酢酸を添加して最終濃度を12.5%とし、その混合物を氷水内に15分 間放置した。13,000xgにて10分間遠心分離をして、ペレットでタンパ ク質を取り、そのペレットを1.0mlのアセトンで洗浄した。このペレットを 風乾 させ、50μlの4%SDS-20mMトリス-HCl(pH8.0)-0.2m M/EDTA(溶解緩衝液)内に再懸濁させた。 11.5%ゲルを使用したSDS-PAGE電気泳動を、25mMトリス-HC 1、220mMグリシン-20%メタノール(移転バッフア)内で、20Vの一 定電圧で18時間実施して、タンパク質をイモビロン−P(Immobilon-P)フィル タに移した。膜を5%BSAのTBS溶液を使用して、室温で30分間、ブロッ クした。ブロットを、TBS-トゥイーンで1:500に希釈したモルモット抗- カタル球菌4223Tbp1抗血清またはモルモット抗-カタル球菌4223T bp2抗血清のいずれかに、室温で2時間、曝露させた。TBS-トゥイーンに よる10分間洗浄を3回行った後、1:4000に希釈したrタンパク質G-H RPを含むTBS-トゥイーン内で膜をインキュベートした。上記の方法で、膜 を洗浄し、CN/DAB基質溶液に浸した。ブロットを水に浸すことにより、発 色を阻止した。 3個のEMBL3ファージクローンは、ウエスタンブロット法により、抗-T bp1抗血清と反応した115kDaタンパク質と、抗-Tbp2抗血清と反応 した80kDaタンパク質の両方を発現し、これにより、カタル球菌のトランス フェリン受容体タンパク質をコードする遺伝子を含むと結論された。 例6 この例は、カタル球菌4223Tbp1タンパク質遺伝子,tbpAのサブク ローニングを説明したものである。 LB寒天プレート上での全面溶菌(コンフルエントリシス)を起こさせるため に、例5に記載された組み換えファージのプレートリゼイト培養物を、ファージ 溶出物と大腸菌LE392プレーティング細胞を組み合わせることにより調製し た。Wizard Lamda Prep DNA精製システム(Promega)を使用して、メーカの指示 により、ファージDNAをプレートリゼイトから抽出した。 EMBL3クローンLM3−24には、2つのSaII部位に隣接している1 3.2kbの挿入フラグメントが含まれていることが判明した。Tbp1タンパ ク質の一部のアミノ酸配列に対応する、2つの縮重オリゴヌクレオチド・プライ マーを使用したPCRにより産生された300塩基対の増幅産物から成るtbp A遺伝子に対するプローブを調製した(図1)。プライマ配列は、数種の髄膜炎菌 とインフルエンザ菌のtbpA遺伝子由来の推定アミノ酸配列に保存されている ことが判明しているアミノ酸配列・NEVTGLG(配列番号:17)と、GAI NEIE(配列番号:18)を基礎にしている。この増幅産物をpCRII(Invit rogen社、San Diego,CA)にクローン化して、配列決定をした。推定のアミノ酸配 列は、髄膜炎菌とインフルエンザ菌のtbpA遺伝子由来の他の推定アミノ酸配 列と相同性がある(図12)。このサブクローンをNotI(New England Biolabs )で線状化し、デゴキシジニン・ランダム標識キットを使用し、メーカの指示に 従って標識した(Boehringer Mannheim社)。プローブの濃度は、2ng/μlで あると推定された。 ファージクローン由来のDNAを、HindIII、AvrII、SaII/ SphIまたはSalI/AvrIIで切断し、0.8%アガロースゲルを使用 して電気泳動した。LKB・VacuGene・XL真空移転装置(Pharmacia) を使用して、DNAをナイロン膜(Genescreen Plus,Dupont)に移転した。転移の 後、ブロットを風乾させ、5X・SSC-0.1%・N-ラウリルサルコシン-0 .02%ドデシル硫酸ナトリム-1.0%ブロッキング試薬(Boehringer Mannhei m社)の10mM・マレイン酸-15mM・NaCl(pH7.5)(プレ・ハイ ブリダイゼーション溶液)溶液中で、プレ・ハイブリダイズさせた。標識したプ ローブをプレ・ハイブリダイゼーションした溶液に添加して、最終濃度を6ng /mlとし、プローブ溶液の中でブロットを42℃で18時間インキュベートし た。ブロットを2X・SSC-0.1%SDSで、室温で5分間、2回洗浄し、 その後、0.1X−SSC-0.16%・SDSで、温度60℃で15分間、洗 浄した。洗浄後、膜を100mMマレイン酸-150mM・NaCl(pH7. 5)(緩衝液1)で1分間、平衡化させ、その後、1.0%ブロッキング試薬(B oehring Mannheim社)の緩衝液1溶液(緩衝液2)中で、室温で60分間放置し た。ブロットを、緩衝液2で1:5000に希釈した抗-DIGアルカリ性フォ スファターゼに、室温で30分間曝露した。緩衝液1で15分間の洗浄を2回実 施した後、ブロットを、100mM・トリス-HCl(pH9.5)、100m M・NaCl、50mM/MgCl2(緩衝液3)で2分間平衡化させた。ブロ ットを、緩衝液 3で1;100に希釈したLumigenn PPD(Boehringer-Mannhelm社)基質で湿潤化 させ、サランラップで包み、30間X-線に暴露した。プローブを、3.8kb のHinIII-HindIII、2.0kbのAvrII-AvrII、4.2 kbのSalI-SphIフラグメントとハイブリダイズさせた。 3.8kbのHindIII-HindIIIフラグメントを、pACYC1 77にサブクローン化するために、EMBL3クローン由来のファージDNA、 ベクターpCYC177(New England Biolabs)由来のプラスミドDNAをHi ndIIIで切断し、0.8%アガロースゲル電気泳動により分画化した。3. 8kbのHindIII-HindIIIファージフラグメント及び3.9kb のHindIII−HindIII・pACYC177フラグメントをゲルから 切り離し、Genecleanキット(Bio 101 Inc.,LaJolla,CA)を使用し、メーカの指 示に従って精製した。精製した挿入フラグメントとベクターを、T4・DNAリ ガーゼ(New England Biolabs)を使用して結合させ、大腸菌HB101に形質転 換させた(Gibco BRL)。Qiagen Plasmid Midikit(Qiagen社)を使用して、アンピ シリン抵抗性/カナマイシン感受性形質転換体の1つから取り出したDNAを抽 出・精製した(このDNAには、3.8kbのHindIII-HindIII挿 入フラグメントを有していることが判明した)。ここで得られたサブクローンを pLEM3と名付けた。下記の例7で説明しているように、この後に行った配列 決定により、pLEM3には、約2.0kbのtbpA配列が含まれていること が判明した(図2,5)。 残りの1kbのtbpA遺伝子をサブクローン化するために、1.6kbのH idIII-HindIIIフラグメントをpACYC177にサブクローン化 して、電気穿孔法により大腸菌HB101(Gibco BRL)に形質転換させた。Mi di−plasmid DNAkit(Qiagen)が1.6kb Hind III−HindIII挿入断片を含むプラスミドを有すると思われるカナマイ シン感受性の形質転換体からのDNAの抽出に利用された。ここで得られたサブ クローンをpLME25と名付けた。例7で説明しているように、配列決定によ り、pLEM25には、残りの1kbのtbpA遺伝子が含まれていることが判 明した(図2,5)。 例7 この例は、カタル球菌4223tbpB遺伝子のサブクローニングを説明した ものである。 上記で説明したように、本発明に先立って実施した全部のナイセリア菌とヘモ フィルス菌では、tbpB遺伝子が、tbpA遺伝子のすぐ上流で見つかってお り、これは、カタル球菌4223のtbpA遺伝子と相同性がある。しかし、カ タル球菌4223の上流にある配列にはtbpBをコードしている他の配列とは 対応していなかった。 EMBL3ファージクローン内にあるtbpB遺伝子の位置を特定するために 、Tbp2タンパク質内の保存性の高いアミノ酸部位由来の縮重プローブを使用 して、サザンブロット法を実施した。多数のナイセリア菌とヘモフィリス菌内の Tbp2タンパク質に保存されているEGGFYGP(配列番号:30)をコード している配列に対応するような縮重オリゴヌクレオチド・プローブを作製した。 オリゴヌクレオチド・テーリングキツト(Boehringer Mannheim社)をメーカの指 示に従って使用して、プローブを標識した。HindIIIで切断したEMBL 3クローンDNAを0.8%アガロースゲルにより分画し、例6の場合と同様に 、Geneclean Plusナイロン膜に移した。上記で述べたようなハイブリダイゼーシ ョンを行った後、膜を2X・SSC-0.1%SDSにより、室温で5分間2回 、0.1X・SSC-0.1%SDSにより、50℃で15分、2回洗浄した。 上記の通り、標識をしたプローブによる探知を行った。このプローブを5.5k bのNheI・SalIフラグメントにハイブリダイズさせた。 5.5kbのNheI-SalIフラグメントをpBR328にサブクローン 化した。LEM-24DNAとpBR328DNAをNheI-SalIで切断し て、0.8%アガロースゲル電気泳動した。5.5kbのNhI-.SalIフラ グメントおよび4.9kbのpBR328NheI-SalIフラグメントをゲ ルから切り離し、例6と同様に、Geneleanキットを使用して精製した。そのフラ グメントをT4DNAリガーゼで結合させ、大腸菌DH5に形質転換させた。Mi diプラスミドDNAキット(Qiagen社)を使用して、DNAを、5.5kbのNh eI-SalI挿入フラグメントを含むアンピシリン抵抗性/テトラサイクリン 感 受性クローンから抽出した。このサブクローンはpLEM23と名付けた。配列 決定により、pLEM23には、2kbのカタル球菌由来のtbpB遺伝子が含 まれていることが判明した(図2)。 例8 この例は、カタル球菌Q8tfr遺伝子を説明したものである。 カタル球菌Q8tfr遺伝子を以下のようにサブクローン化した。プレートで ファージDNAを調製した。簡単に言えば、3本のコンフルエントプレートから トップアガロース層を掻き取り、9mlのSM緩衝液(0.1M・NaCl、0 .2%MgSO4、50mMトリス-HCl、pH7.6,0.01%ジェラチン )に入れ、それに100μlのクロロフォルムを添加した。混合物を10分間ボ ルテックスにかけた後、室温で2時間インキュベートした。SS34ロータ(Sor vall model RC5C)内で、8000rpm、15分間の遠心分離をして、細胞破片 を除去した。ファージを、70.1Tiロータ(ベックマンモデル L8−80 )内で、35000rpm、10℃で2時間遠心分離にかけ、ペレットで取り出 し、500μlのSM緩衝液内で再懸濁させた。試料を4℃で1晩インキュベー トし、RNAseとDNAseを添加して、最終濃度をそれぞれ40μg/ml と10μg/mlとし、混合物を37℃で1時間インキュベートした。10μl の0.5M/EDTAと5μlの10%SDSをその混合物に添加し、サンプル を6゜Cで15分間インキュベートした。混合物をフェノール/クロロフォルム (1:1)で2回、クロロフォルムで2回抽出し、絶対エタノールの2.5容量 を添加してDNAを沈殿させた。 部分制限地図を作製し、図4で示したように、EMBL3由来の外部SalI 部位、内部AvrIIまたはEcoRI部位を使用してフラグメントをサブクロ ーンした。このサブクローニングを促進するために、新規の複数クローニング部 位をpBluescript.SK(Straragene)に導入するプラスミドpSKM Aを構築した。pBluescript.SKのMstI、LSfiI、SaI IとHindIII部位との間のAvrIIのための制限酵素切断位置を導入す るためにオリゴヌクレオチドを使用した。 プラスミドpSLRD1には、pSKMAにクローン化された約1.5kbの SalI-AvrIIフラグメントが含まれ、プラスミドpSLRD2とpSL RD4には、pSKMAにクローン化された約2kbおよび4kbのAvrII フラグメントがそれぞれ含まれる。すなわち、完全tbpA遺伝子が含まれる。 プラスミドpSLRD3には、pSKMAにクローン化された約2.3kbのA vrII-EcoRIフラグメントが含まれ、プラスミドSLRD5は、pSK MAにクローン化された22.7kbEcoRI-EcoRIフラグメントであ る。これらの2つのクローンには、完全tbpB遺伝子が含まれる(図7)。 例9 この例は、カタル球菌tbp遺伝子の配列を説明したものである。 例6〜8に従ってサブクローン化したtbp遺伝子の両方の鎖を、Applied Bi osystem DNAシーケンサーを使用して配列決定をした。図5と図10は、カタル 球菌4223とQ8tbpA遺伝子の配列をそれぞれ示している。誘導アミノ酸 配列を、髄膜炎菌(Neisseriae meningitidis)、淋菌(Neisseriae gonorrhoeae) 、インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)の配列を含む別のTbp1アミ ノ酸配列と比較した(図12)。図6と図11は、カタル球菌4223とQ8tb pB遺伝子の配列をそれぞれ示している。カタル球菌4223のtbpB遺伝子 の推定の開始部分の配列を得るために、配列データをクローンLEM3-24・ DNAから直接に入手した。クローンDS-1754-1をスクリーニングするこ とにより配列の正確度を確認した。カタル球菌4223とQ8のtbpB遺伝子 から翻訳されたものの配列は、髄膜炎菌、淋菌、インフルエンザ菌の推定のTb p2アミノ酸配列との相同性が認められた(図13)。 例10 この例は、組み換えTbp1タンパク質を産生させるための発現ベクターの作 製について説明したものである。構築スキームは図14に示してある。 例6で説明したような、サブクローンpLEM3由来のプラスミドDNAを、 tbpA遺伝子の約2/3を含む1.84kbのBglI-HindIIIフラ グメントを生産するために、HindIIIおよびBglIで切断した。共同移 入をした1.89kbのBglI-HindIIIベクターフラグメントを除去 するために、消化物にBamHIを添加した。さらに、ベクターpT7−7から 得られたプラスミドDNAをNdeIとHindIIIで切断した。tbpA遺 伝子の開始部分を作製するために、tbpA遺伝子のBglI部位までの最初の 61塩基に基づいて、オリゴヌクレオチドを合成した。NdeI部位を5'末端 に導入した。精製した挿入物、ベクター、オリゴヌクレチドを、T4リガーゼを 用いて結合させ、大腸菌DH5αに形質転換した。DNAを、正確な制限部位( pLEM27)を含む4.4kbのアンピシリン抵抗性の形質転換細胞のうちの 1つから精製した。 精製したpLEM27・DNAをHindIIIで切断して、例6に記載され たような、pLEM25の1.6kbHindIII-HindiiI挿入物フ ラグメントに結合させ、大腸菌DH5αに形質転換させた。DNAを、正確な制 限部位(pLEM29)を含むアンピシリン抵抗性形質転換細胞から精製し、大 腸菌pLEM29B-1を産生するために、電気穿孔法によりBL21(DE3 )(Novagen社,Madison WI)に形質転換した。 単一の分離形質転換コロニーを使用して、100μg/mlのアンピシリンを 含む100mlのYTブイヨンをインキュベートし、その培養物を200rmp で振とうしながら、37℃で1晩増殖させた。200μlの1夜培養物を100 μg/mlのアンピシリンを含む10mlのYTブイヨンに接種し、578nm での吸光度が0.35になるまで、37℃で増殖させた。30μlの100mM /IPTGを添加することにより、その培養物を誘導し、37℃で、さらに3時 間追加して増殖させた。1mlの培養物を誘導時(t=0)、1時間後(t=1)、 3時間後(t−3)に取り出した。1mlの試料を、遠心分離してペレットで採 取し、4%SDS-20mMトリス・Cl(pH8)−200μM・EDTA( 溶 解緩衝液)中で再懸濁させた。試料を11.5%SDS-PAGEゲル上で分画 し、Immobilonフィルタ(Amersham社)に移した。1:1000に希釈した抗-Tb pl(カタル球菌4223)抗血清を第1抗体として、ホースラディッシュ・ペ ルオキシダーゼ(Zymd)結合rproteinGを第2抗体として使用した、ブロ ットを発生させた。化学発光基質(Lumiglo; Kirkegaard and Laboratories,Gait hersburg,MD)を使用して検出を実施した。誘導した組み換えタンパク質がクマシ ブルー染色ゲル上に観察できた。ウエスタンブロット法で、抗-Tbp1(42 23)により、組み換えタンパク質が確認できた。 例11 この例は、カタル球菌4223の組み換えTbp1の抽出と精製を説明したも のである。 図16で示された手順により、細胞封入体に含まれている組み換えTbp1タ ンパク質をtbpA遺伝子(例10)を発現する大腸菌細胞から精製した。例1 0で記載された方法で作製した500mlの培養物から得た大腸菌細胞を、0. 1M・NaClと5mM・AEBSF(プロテアーゼ阻害剤)を含む50mlの 50mMトリス-HCl(pH8.0)中で懸濁させ、その後、超音波処理(3 x10分、70%デューティサイクル)により破壊させた。抽出物を20,00 0xgで30分間遠心分離を行い、その上清(大腸菌由来の溶解性タンパク質を 85%以上含む)を破棄した。 0.5%TritonX-100 および10mM・EDTAを含む50mlの50mMト リス(pH8.0)中で、残りのペレットについても、抽出を行った。20,0 00xgで30分間遠心分離をした後、残留溶解性タンパク質と膜タンパク質( これが大部分)を含む上清を破棄した。2M尿素および5mMジチオトレイトー ル(DTT)を含む50mlの50mMトリス(pH8.0)中で、残りのペレ ット(図16,PPT2)についても、抽出を行った。20,000xgで30 分間遠心分離を行った後、上記のような抽出をして得られたペレット(図16, PPT3)には、精製した細胞封入体を含んでいた。 6M塩酸グアニジンと5mM・DTTを含むPPT3の50mMトリス(pH 8.0)溶液からTbp1を溶解させた。遠心分離をした後、その上清を、さら に2M塩酸グアニジンと5mMDTTを含む50mMトリス(pH8.0)で平 衡化させたSuperdex200ゲル濾過カラム上で精製した。分画をSDS−PAGE により分析し、精製したTbp1を含む分画をプールした。最終濃度が0.1% になるように、そのプールをしたTbp1分画にトリトンX−100を添加した 。この分画を、50mMトリス(pH8.0)にて、4℃で一晩透析し、その後 、20,000xgで30分間遠心分離を行った。この条件下で溶解性であるタ ンパク質を精製したTbp1を−20℃で貯蔵した。図16で示された精製手順 により純度が少なくも70%(SDS−PAGEで分析)であるTbp1タンパ ク質を生産できた(図17)。 例12 この例は、カタル球菌4223の、リーダ配列のないrTbp2タンパク質の 発現プラスミドの構築について説明したものである。 図18は、rTbp2を発現するプラスミドのための構築スキームを示したも のである。成熟タンパク質をコードするカタル球菌4223tbpB遺伝子の最 初の約58bpを構築するためにオリゴヌクレオチドを使用した。NdeI部位 をオリゴヌクレオチドの5'末端に組み込んだ。 例7での調製と同じように、pLEM23由来の約1kbのtbpB遺伝子を 含むNheI-ClaIフラグメントを上記のオリゴヌクレオチドに結合させ、 NdeI−ClaIで切断したpT7−7に挿入した。こうすることで、tbp Bの5'末端の半分が含まれるpLEM31が産生された。同じように、tbpB 遺伝子の、AvaII部位から遺伝子の末端までの最後の約104bpを構築す るために、オリゴヌクレオチドを使用した。BamHI部位を、オリゴヌクレオ チドの3'末端に導入した。 約0.9kbのtbpB遺伝子の3'末端を含むpLEM23由来のClaI− AvaIIフラグメントをAvaII-BamHIオリゴヌクレチドに結合させ、Cl aI-BamHIで切断したpT7−7に挿入して、T7プロモータの制御下に ある全長のtbpBを有するpLEM33を産生させた。 pLEM33B-1を作製するために、pLEM33からDNAを精製し、電 気穿孔によりエレクトロコンピテントBL21(DE 3)細胞に形質転換させた( Novagen社:Madison、I)。例10で記載したような方法で、p LEM33B-1株を増殖 させ、IPTGを使用して誘導した。発現したタンパク質をSDS−PAGEで 溶解させ、適当なメンブレンに移してイムノブロットを実施した。第1の抗体と して、1:4000に希釈した抗-4223・Tbp2抗血清を、第2の抗体と してホースラディッシュ・ペロキシダーゼ(Zymed)と接合させたrprotei nGを使用してブロットを作製した。検出には化学発光物質(Lumiglo,Kirkegaar d and Perry Laboratories,Gaithersburg,MD)を使用した。クマシブルー染色ゲ ル上に誘導した組み換えタンパク質を目で確認できた(図19)。ウエスタンブロ ット法を使用することで、抗-4223Tbp2抗血清により組み換えタンパク 質を確認できた。 例13 この例は、カタル球菌のリーダ配列のある、rTbp2の発現プラスミドの作 製について説明したものである。 図18は、構築スキームを示したものである。NheI部位までのtbpB遺 伝子の最初の約115bpを構築するために、カタル球菌4223tbpB遺伝 子の、天然リーダ配列を含むオリゴヌクレオチドを使用した。NdeI部位をオ リゴヌクレチドの5'末端に導入した。 NdeI-NheIオリゴヌクレオチドを、NdeI-NheIで切断したpL EM33に結合させ、リーダ配列のあるTbp2タンパク質をコードしている全 長の4223tbpB遺伝子を含むpLEM37を作製した。 pLEM37B−2を作製するために、pLEM37から得たDNAを精製し 、電気穿孔により、エレクトロコンピテントBL21(DE3)細胞に形質転換 した(Novagen 社,Madison,WI)。例10に記載されたと同じ方法で、LEM37 B−2を増殖させ、IPTGを使用して誘導した。発現したタンパク質をSDS −PAGEにより溶解させ、適当なメンブレンに移してイムノブロットを行った 。第1の抗体として、1:4000に希釈した抗.4223・Tbp2抗血清を 、第2の抗体としてホースラディッシュ・ペロキシダーゼ(Zymed)と接合させた rproteinGを使用して、ブロットを作製した。検出には化学発光物質(L umiglo,Kirkegaard and Perry Laboratories,Gaithersburg,MD)を使用した。ク ーマシーブル染色ゲル上に誘導した組み換えタンパク質を目で確認できた(図1 9)。ウエスタンブロット法を使用して、抗-4223Tbp2抗血清により組み 換えタンパク質を確認できた。 例14 この例は、カタル球菌Q8の、リーダ配列のないrTbp2の発現プラスミド の構築を説明したものである。図20は、rTbp2タンパク質の構築スキーム を示したものである。カタル球菌のtbpB遺伝子の5'末端において、成熟タン パク質のCys1コドンからBamI制限部位までをPCR増幅させた。Nde I制限部位を、後でpT7−7にクローン化できるように5'末端に導入した。最 終PCRフラグメントの長さは238bpであった。PCRプライマは以下の通 りである。 例8の場合と同様に、Q8tbpB遺伝子を、プラスミドSLRD3とSLR D5に含まれていた2つのフラグメントにサブクローン化した。SLRD5をE coRIとDraIで切断し(これにより、tbpBの3'末端を離す)、約619 bpのフラグメントを、EcoRIとSmaIですでに切断してあるSLRD3 に挿入することにより、全長のtbpB遺伝子を含むプラスミドSLRD3−5 を構築した。SLRD3−5から得た1.85kb・Bsm・I−BamH・I フラグメントを、238bp/PCRフラグメントと結合させ、NdeIとBa mHIですでに切断されているpT7−7に挿入し、プラスミドSLRD35B を作製した。このプラスミドには、T7プロモータの制御下にあるリーダ配列の ない全長のtbpB遺伝子が含まれている。SLRD35BD株を作製するため に、SLRD35Bから得たDNAを精製し、電気穿孔により、エレクトロコン ピテントBL21(DE3)細胞に形質転換させ(Novagen社,Madison,WI)、例1 0に記載されたと同じ方法で増殖させ、IPTGを使用して誘導した。発現した タンパク質4は、SDS−PAGEで溶解させ、クマシブルー染色で誘導したT bp2タンパク質を観察し、その結果、目で確認できた。 例15 この例は、カタル球菌Q8の、リーダ配列のあるTbp2の発現プラスミドの 作製について説明している。 図20は、rTbp2の構築スキームを示したものである。カタル球菌のQ8 tbpB遺伝子の5'末端を、ATGスタートコドンからBamI制限部位までP CR増幅させた。5'末端でNdeI部位を調整して、pT7−7発現ベクタへの クローニングを促進させた。その結果、最終PCRフラグメントの長さは295 bpとなった。PCRプライマは以下の通りであった。 SLRD3−5(例14)をBsmIとBamHIで切断して、1.85kb のフラグメントを作製し、これを295bpのPCRフラグメントに結合させ、 NdeIおよびBamIですでに切断してあるpT7−7に結合させた。このよ うにして作製されたプラスミドSLRD35Aには、T7プロモータの制御下に ある内在性のリーダ配列を有する全長のQ8tbpB遺伝子が含まれていた。S LRD35AD株を作製するために、SLRD35Aから得たDNAを精製し、 電気穿孔により、エレクトロコンピテントBL21(DE3)細胞に形質転換さ せ、例10に記載されたと同じ方法で、SLRD35Aを増殖させ、IPTGを 使用して誘導した。発現したタンパク質は、SDS−PAGEで溶解させ、クー マシーブル染色で、誘導したTbp2タンパク質を観察し、その結果、目で確認 できた。 例16 この例は、大腸菌からのカタル球菌4223とQ8のrTbp2の抽出・精製 を説明したものである。 細胞封入体内にTbp2を産生させるために、pLEM37B(4223)と SLRD35AD(Q8)の形質転換細胞を増殖させ、その後、Tbp2を図2 2のスキームに従って精製した。500ml培養からの大腸菌細胞を、5mM・ AEBSF(プロテアーゼ阻害剤)を含む50mlの50mMトリス-HCl( pH8.0懸濁化させ、超音波(3x10分、70%デューティ・サイクル)に より破壊させた。抽出物を、20,000xgで30分間遠心分離し、その上清 (大腸菌の溶解性タンパク質の95%以上を含む)を廃棄した。 残りのペレット(PPT1)を、0.5%のTriton X-100と10mM/EDT Aを含む50mlの50mMトリス(pH8.0)中でさらに抽出させた。混合 物を、4℃で少なくとも2時間、撹拌して、20,000xgで30分間、遠心 分離を行い、残留溶解タンパク質を含み、大部分を占める膜タンパク質を含む上 清を廃棄した。 上記の抽出を行った後に得られたペレット(PPT2)には、細胞封入体が含 まれていた。Tbp2タンパク質を、6Mグアニジンと5mM DTTを含む5 0mMトリス(pH8.0)に溶解させた。遠心分離を行った後、2Mグアニジ ンと5mM DTTを含む50mMトリスで平衡化したSuperdex200ゲル濾過カラ ムを使用して、上清をさらに精製した。分画をSDS−PAGEにより分析し、 精製Tbp2を含むものをプールした。Triton X-100をプールしたTbp2分画 に加えて、最終濃度が0.1%になるようにした。分画をPBSを使用して4℃ で一晩透析した。そのタンパク質は、この条件下で溶解性であった。精製したT bp2を=20℃で貯蔵した。図22は、株4223(パネルA)とQ8(パネ ルB)由来のrTbp2の精製プロセスの分画SDS−PAGE分析を示したも のである。rTbp2の純度は、少なくとも70%であった。5匹のBALB/cか らなるマウスの群に、カタル球菌株4223とQ8から精製したrTbp2(0 .3〜10mg)を、AlPO4の存在下または非存在下で(1回投与当たり1. 5mg)、第1日目、29日目、43日目に、3回皮内(s.c.)注射をした 。抗-rTbp2抗体力価のEIA分析のために、14日目、28日目、42日 目、56日目に採血した。 第1日目に、2匹のウサギと2匹のモルモットに対して、完全フロインドアジ ュバントで乳化させた精製rTbp2タンパク質の5mg投与量を筋肉内経由で 免疫した。これらの動物に対して、第14日目、29日目に、不完全フロインド アジュバント(IFA)で乳化させた同容量のタンパク質で二次免疫した。第4 2日目に、抗-rTbp2抗体力価と抗細菌活性を分析するために採血した。表 2は、組み換えトランスフェリン結合タンパク質rTbp1(4223),rTb p2(4223),rTp2(Q8)によって生成された抗体の、カタル球菌株4 223とQ8由来に対する抗細菌活性を示したものである。 例17 この例は、Tbp2のヒトトランスフェリンに対するインビトロでの結合を説 明したものである。 改良型のSchryvers and Lee(文献28)の方法に従って、Tbp2のトラン スフェリン結合活性を評価した。簡単に言えば、12.5%のSDS−PAGE ゲルを使用して、精製したrTbp2の連続電気泳動を行った。タンパク質を電 気泳動によりPVDF膜に移し、ホースラディッシュ・ペロキシダーゼ接合のヒ トトランスフェリン(HRP−ヒトトランスフェリン、1:50希釈)(Jackso n ImmunoResearch Labs Inc.,Mississuga Ontario)と一緒に、4℃で一晩イン キュベートした。HRP活性の検出のために、LumiGLO基板(Kirkegaard & Perry Laboratories,Inc.,Gaithersburg,MD)を、メーカの指示に従って使用した。図 24に示したように、これらの条件下で、4223rTbp2とQ8rTbp2 の両方がヒトトランスフェリンに結合した。 例18 この例は、カタル球菌株由来のTbp2抗原の保存性を説明したものである。 組み換えTbp2タンパク質を発現するカタル球菌と大腸菌株の全細胞リゼート を、SDS−PAGEにより、分離し、電気泳動によりPVDF膜に移転させた 。Tbp2を検出するために、モルモット抗-4223rTbp2または抗-Q8 rTbp2抗血清を第1抗体として、ヤギ抗-モルモット抗体と接合したアルカ リ性ホスファターゼを第2抗体として使用した。カタル球菌3,56,135, 585,4223,5191,8185、ATCC25240を試験した結果、 その全部が、抗-4223rTbp2または抗-Q8rTbp2抗体に対して特定 の反 応性を示した(図25)。 表3は、1つのカタル球菌株由来の抗-rTbp2抗体の、相同または非相同 カタル球菌株由来の天然または組み換えタンパク質を認識する能力を示したもの である。 例19 この例は、カタル球菌R1由来のtbpB遺伝子のPCR増幅と増幅したR1 ・tbpB遺伝子のキャラクタリゼーションを説明したものである。 標準技術を使用して、カタル球菌株R1由来の染色体DNAを調製した。オリ ゴヌクレオチドセンスプライマーは、カタル球菌4223tbpB遺伝子の約2 74塩基上流の部位を基礎にし、そして、アンチセンス・プライマーは、422 3tbpBの末端から約11塩基下流の部位を基礎にした。下記の配列のプライ マーを使用した。 各反応チューブには、10mMトリス-HCL(pH8.85)、25mM-KC l、5mM(NH42SO4、2mM・MgS04、800mM・dNTPs、1 .0mgのプライマー4940,1.0mgのプライマー4967,10ngの R1・DNA、2.5U・Pwo・DNAポリメラーゼ(Boehringer Mannheim) が含まれ、総容量は100μlであった。サーモサイクラーを5分間95℃にプ ログラムし、さらに、30秒で95℃を25回、45秒で50℃、72℃で2分 、最後に72で10分にプログラムした。Geneclean(BIO 101)を、メーカの指示 に従って使用して、増幅産物を精製した。 図26は、カタル球菌株R1・tbpBの部分制限地図である。図27は、P CR増幅したR1・tbpB遺伝子のヌクレオチド配列とそれから推定されるア ミノ酸配列である。R1・tbpB遺伝子は、分子量が76.8kDaである7 14アミノ酸タンパク質をコードする。R1・Tbp2タンパク質のリーダ配列 は、4223、Q8Tbp2タンパク質のリーダ配列と同じである。推定された R1・Tbp2配列を4223・Tbp2配列を並べてみた時、その配列の83 %が同一であり、88%が相同であった(図28)。インフルエンザ菌や髄膜炎菌 のTbp2タンパク質や他のカタル球菌株由来のTbp2タンパク質で見つかっ たような、保存されているLEGGFYG(配列番号:50)エピトープが存在し た。 開示の概要 本開示の概要として、本発明は、カタル球菌のトランスフェリン受容体遺伝子 配列、これらの遺伝子の塩基配列、これらの遺伝子の推定塩基配列を含む精製・ 分離したDNA分子を提供することである。これらの遺伝子、DNA配列は、診 断、免疫、診断薬や免疫製剤の生産に有用である。本発明にかかるワクチンなど の発現組み換えTbp1および/またはTbp2タンパク質、その断片や類似体 に基礎を置いた免疫原成分を、モラクセラ菌が原因となる疾病の予防に使用する ことができる。本発明の範囲内において改変が可能である。 表1 カタル球菌抗原に対する抗細菌抗体力価 1) カタル球菌4223から分離された抗原 2) GP=モルモット 3) 抗細菌抗体力価:細菌を50%殺菌する能力のある抗血清の希釈率として 、log2で表す。 4) カタル球菌RH408は、カタル球菌4223の非凝集誘導体である。 5) カタル球菌Q8は、非凝集性発現型を現すものとして臨床的に分離された 菌である。 抗細菌抗体力価を細菌を50%殺菌する能力のある抗血清の希釈率として、lo g2で現す。 NT=無試験 表3 ELISAで測定した場合の、4223株由来の天然またはrTbp2、Q8株 由来のrTbp2タンパク質を認識する抗-rTbp2抗体の力価
【手続補正書】 【提出日】1998年9月10日(1998.9.10) 【補正内容】 請求の範囲 1.モラクセラ(Moraxella)菌株のトランスフェリン受容体タンパ ク質、その免疫原性フラグメントまたはその類似体をコードすることを特徴とす る単離精製された核酸分子。 2.トランスフェリン受容体タンパク質が、モラクセラ菌株のトランスフェリ ン受容体結合タンパク質1(Tbp1)である請求項1に記載の核酸分子。 3.トランスフェリン受容体タンパク質が、モラクセラ菌株のトランスフェリ ン受容体結合タンパク質2(Tbp2)である請求項1に記載の核酸分子。 4.モラクセラ菌株がカタル球菌(Moraxella catarrhal is)株である請求項1〜3のいずれかに記載の核酸分子。 5.カタル球菌株がカタル球菌4223株、Q8株またはR1株である請求項 4に記載の核酸分子。 6.以下のDNA配列: (a)図5、6、10、11及び27(配列番号:1、2、3、4、5、6、 7、8、45及び46)に記載されているDNA配列またはその相補的DNA配 列、 (b)図5、6、10、11及び27(配列番号:9、10、11、12、1 3、14、15、16及び47)に記載のアミノ酸配列をコードするDNA配列 またはその相補的DNA、及び (c)モラクセラ菌株のトランスフェリン受容体をコードするDNA配列であ って、厳しい条件下で、(a)または(b)に記載されたDNA配列のいずれか 1つにハイブリダイズするDNA配列 からなる群から選択されたDNA配列を有する請求項1〜5のいずれかに記載の 核酸分子。 7.(c)に規定されているDNA配列が、(a)または(b)に規定された DNA配列のいずれか1つと、少なくとも90%以上の配列上の同一性を有する 請求項6に記載の核酸分子。 8.(c)に規定されたDNA配列が、別のモラクセラ菌株由来のトランスフ ェリン受容体タンパク質と同等のタンパク質をコードする配列である請求項6ま たは7に記載の核酸分子。 9.請求項1〜8のいずれかに記載の核酸分子を含み、宿主の形質転換に適し た構造を有することを特徴とするベクター。 10.トランスフェリン受容体の部分断片をコードしており、pLEM3、p LEM25、pLEM23、DS-1698-1-1、DS-1754-1、pSL RD2、pSLRD3、pSLRD4及びpSLRD5からなる群から選択され る1つのプラスミドの特徴的構造を有している請求項9に記載のベクター。 11.宿主による、前記モラクセラ菌株のトランスフェリン受容体タンパク質 、その免疫原性フラグメントまたはその類似体の発現のために機能的に核酸分子 に結合している発現手段を更に有する請求項9に記載のベクター。 12.プラスミドpLEM-29、pLEM-33、pLEM-37及びSLR D35-Aからなる群から選択された1つのプラスミドの特徴的構造を有する請 求項11に記載のベクター。 13.請求項11または12に記載された発現用のベクターを有する形質転換 宿主。 14.実質的に純粋なモラクセラ菌株からの組換えトランスフェリン受容体、 その免疫原性フラグメントまたはその類似体を形成する方法であって、 請求項13に記載の形質転換宿主を増殖させて、トランスフェリン受容体タン パク質、その免疫原性フラグメントまたはその類似体を封入体として発現させる 工程と、 その封入体を細胞物質と溶解性タンパク質を含まないものに精製する工程と、 精製した封入体からトランスフェリン受容体タンパク質、その免疫原性フラグ メントまたはその類似体を溶解させる工程と、 他の溶解物質を含まないようにトランスフェリン受容体タンパク質、その免疫 原性フラグメントまたはその類似体を精製する工程と を有することを特徴とする方法。 15.トランスフェリン受容体タンパク質が、Tbp1のみ、Tbp2のみ、 あるいはTbp1とTbp2の混合物として得られる請求項14の方法。 16.トランスフェリン受容体タンパク質の純度が少なくとも70%である請 求項14または15に記載の方法。 17.トランスフェリン受容体タンパク質の純度が少なくとも90%である請 求項16に記載の方法。 18.請求項13に記載の形質転換された宿主により生産され得る組換えトラ ンスフェリン受容体タンパク質、その免疫原性フラグメントまたはその類似体。 19.(a)モラクセラ菌株の他のタンパク質を含まないモラクセラ菌株のト ランスフェリン受容体結合蛋白質1(Tbp1)、または (b)モラクセラ菌株の他のタンパク質を含まないモラクセラ菌株のトランス フェリン受容体結合蛋白質2(Tbp2) である請求項18に記載の組換えトランスフェリン受容体タンパク質。 20.免疫原性の組成物であって、以下の(A)、(B)及び(C): (A)モラクセラ菌株のトランスフェリン受容体タンパク質、その免疫原性フ ラグメントまたはその類似体をコードしている単離精製された核酸分子; (B)(a)図5、6、10、11及び27(配列番号:1、2、3、4、5 、6、7、8、45及び46)に記載されているDNA配列またはそ の相補的DNA配列、 (b)図5、6、10、11及び27(配列番号:9、10、11,1 2、13、14、15、16及び47)に記載されているアミノ酸配 列をコードしているDNA配列またはその相補的DNA配列、 (c)モラクセラ菌株のトランスフェリン受容体タンパク質をコードす るDNA配列であって、厳しい条件下で(a)または(b)に規定さ れたDNA配列のいずれか1つにハイブリダイズするDNA配列 からなる群から選択されたDNA配列を有する、モラクセラ菌株のトランスフェ リン受容体タンパク質をコードする単離精製されたDNA配列; (C)(A)または(B)に規定された核酸分子と、組換えトランスフェリン 受容体タンパク質、その免疫原性フラグメントまたはその類似体の宿主での発現 のために、該核酸分子と機能的に結合した発現手段とを有する発現ベクターを有 する形質転換された宿主によって生産され得る、組換えトランスフェリン受容体 タンパク質、その免疫原性フラグメントまたはその類似体、 から選択された少なくとも1つの活性成分と、 該活性成分の薬学的に許容される担体と を含み、 該少なくとも1つの活性成分が、免疫対象の宿主への投与時に免疫応答を引き 起こす ことを特徴とする組成物。 21.試料中におけるモラクセラ菌株のトランスフェリン受容体タンパク質を コードする核酸分子の存在を決定する方法であって、 (a)試料に、請求項1〜8のいずれかに記載の核酸分子を接触させ、該核酸 分子と、該試料中に含まれる該核酸分子とハイブリダイズ可能なモラクセラ菌株 のトランスフェリン受容体タンパク質をコードする核酸分子との二本鎖体を形成 する工程と、 (b)該二本鎖体を検出する工程 とを有することを特徴とする方法。 22.試料中におけるモラクセラ菌株のトランスフェリン受容体タンパク質を コードする核酸分子の存在を決定するための診断用のキットであって、 (a)請求項1〜8のいずれかに記載の核酸分子、 (b)該核酸分子と、該試料中に含まれる該核酸分子とハイブリダイズ可能な モラクセラ菌株のトランスフェリン受容体タンパク質をコードする核酸分子との 二本鎖体を形成するための手段と、 (c)該二本鎖体の産生を検出するための手段と を有することを特徴とするキット。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 5/10 C12Q 1/68 A C12Q 1/68 G01N 33/53 D G01N 33/53 33/569 F 33/569 33/68 33/68 C12N 5/00 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU ,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH, CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,G B,GE,HU,IL,IS,JP,KE,KG,KP ,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU, LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,N Z,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI ,SK,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US, UZ,VN,YU (72)発明者 ハークネス、ロビン、イー. カナダ国 エム2ケー 1ビー8 オンタ リオ州 ウィロウダール シェパード ア ヴェニュー イースト 640 アパートメ ント 1706番 (72)発明者 ルースモアー、シーナ、エム. カナダ国 エル4ジー 4アール4 オン タリオ州 オーロラ クロフォード ロー ズ ドライヴ 70 (72)発明者 デュ、ラン―パン カナダ国 エル4ジェイ 7ワイ8 オン タリオ州 トルンヒル シェルウッド ド ライヴ 299 (72)発明者 ヤン、ヤン―ピン カナダ国 エム2アール 3エヌ7 オン タリオ州 ウィロウダール トレスダール アヴェニュー 120 アパートメント 1709 (72)発明者 クレイン、マイケル、エイチ. カナダ国 エム2ピー 1ビー9 オンタ リオ州 ウィロウダール ムンロ ブール ヴァード 16

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.モラクセラ菌のトランスフェリン受容体タンパク質またはそのフラグメント またはその類似体をコードする精製・分離した核酸分子。 2.トランスフェリン受容体タンパク質が、モラクセラ菌株のトランスフェリン 受容体結合タンパク質1(Tbp1)である請求項1に記載の核酸分子。 3.モラクセラ菌株のトランスフェリン受容体タンパク質がトランスフェリン受 容体結合タンパク質2(Tbp2)である請求項2に記載の核酸分子。 4.モラクセラ菌株がカタル球菌の株である請求項1に記載の核酸分子。 5.カタル球菌株がカタル球菌株4223、Q8またはR1である請求項4に記 載の核酸分子。 6.(a)図5,6,10,11,27(配列番号:1,2,3,4,5,6, 7,8、45、46)に記載されているDNA配列またはその相補的DNA配列 、(b)図5,6,10,11,27(配列番号:9,10,11,12,13 ,14,15,16,47)に記載のDNA配列またはその相補的DNA、(c )厳しい条件下で、(a)または(b)に記載されたDNA配列のいずれか1つ にハイブリダイズするDNA配列から成るグループから選択されたDNA配列を 有する精製・分離核酸分子。 7.(c)に記載されているDNA配列が、(a)または(b)に記載されたD NA配列のいずれか1つと、少なくとも約90%以上の配列上の同一性を有する 請求項6に記載の核酸分子。 8.(c)に記載されたDNA配列が、別のモラクセラ菌由来のトランスフェリ ン受容体タンパク質と同等のタンパク質をコードする配列である請求項6に記載 の核酸分子。 9.請求項1または6の核酸分子から成る宿主の形質転換に適しているベクター 。 10.トランスフェリン受容体のフラグメントをコードしており、pLEM3, pLEM25,pLEM23,DS-1698-1-1、DS-1754-1,pS LRD2,pSLRD3,pSLRD4,pSLRD5から成るグループから選 択されるプラスミドの特質を有している請求項9に記載のベクター。 11.宿主による、上記のモラクセラ菌のトランスフェリン受容体タンパク質ま たはそのフラグメントまたはその類似体の発現のために共働的に核酸分子に結合 する発現手段から成る請求項9に記載のベクター。 12.プラスミドpLEM-29,pLEM-33,pLEM-37,SLRD3 5-Aの特質をゆうする請求項11に記載のベクター。 13.請求項11で記載されているような発現ベクターを含む形質転換宿主。 14.トランスフェリン受容体タンパク質を封入体として発現するために、請求 項13での形質転換宿主を増殖させるステップ、その封入体を細胞性物質と溶解 性タンパク質を含まないものに精製するステップ、精製した封入体からトランス フェリン受容体タンパク質を溶解するステップ、他の溶解物質を含まないように トランスフェリン受容体タンパク質を精製するステップから成る、モラクセラ菌 の実質的に純粋な組み換えトランスフェリン受容体タンパク質を作製する方法。 15.上記のトランスフェリン受容体タンパク質が、Tbp1だけ、Tbp2だ け、Tbp1とTbp2の混合物から成る請求項14の方法。 16.上記のトランスフェリン受容体タンパク質の純度が少なくとも約70%で ある請求項15に記載の方法。 17.上記のトランスフェリン受容体タンパク質の純度が少なくとも約90%で ある請求項16に記載の方法。 18.請求項12の形質転換された宿主により生産される組み換えトランスフェ リン受容体タンパク質またはそのフラグメントまたはその類似体。 19.他のモラクセラ菌の別のタンパク質を含まないモラクセラ菌株由来のトラ ンスフェリン受容体結合タンパク質1(Tbp1)である請求項18に記載のタ ンパク質。 20.他のモラクセラ菌の別のタンパク質を含まないモラクセラ菌株由来のトラ ンスフェリン受容体結合タンパク質2(Tbp2)である請求項18に記載のタ ンパク質。 21.由来するモラクセラ菌がカタル球菌株である請求項18に記載のタンパク 質。 22.(A)モラクセラ菌株のトランスフェリン受容体タンパク質またはそのフ ラグメントまたはその類似体をコードしている精製・分離した核酸分子、(B)( a) 図5,6,10,11,27(配列番号:1,2,3,4,5,6,7,8,4 5,4,6)に記載されているようなDNA配列またはその相補的DNA配列、 (b)図5,6,10,11,27(配列番号:91011121314151 647)に記載されているようなアミノ酸配列をコードしているDNA配列また はその相補的DNA配列,(c)厳しい条件下で(a)または(b)に記載され たDNA配列のいずれか1つにハイブリダイズするDNA配列から成るグループ から選択されたDNA配列を有する精製・分離した核酸分子、(C)(A)また は(B)に記載された核酸から成る発現ベクターを含む形質転換された宿主によ る産生が可能な組み換えトランスフェリン受容体タンパク質またはそのフラグメ ントまたはその類似体、および宿主による組み換えトランスフェリン受容体タン パク質またはフラグメントまたはその類似体の発現のための核酸分子と共働的に 結合する発現手段、および薬学的に受け入れ可能なキャリヤ、宿主に投与された 時に免疫応答をする活性成分から成るグループから選択された少なくとも1つの 活性成分から成る免疫原性成分。 23.宿主に対して、免疫的に有効な量の請求項22の免疫原性成分を投与する ことを含む、宿主内で免疫応答をさせる方法。 24.(a)核酸分子と、この核酸分子と特異的にハイブリダイズすることので きる、試料に含まれているモラクセラ菌株のトランスフェリン受容体タンパク質 をコードしているその他の上記の核酸分子との複合体を産生させるために、試料 を請求項1と6の核酸分子と接触させるステップと、(b)複合体の産生を定量 するステップから成るモラクセラ菌株のトランスフェリン受容体タンパク質をコ ードする核酸の試料内における存否を決定する方法。 25.(a)請求項1または6に記載の核酸分子、(b)核酸分子と、試料中に 存在し、その核酸分子とハイブリダイズすることのできるそのほかの核酸との複 合体を産生させるために、核酸と試料を接触させる方法、(c)複合体の産生を 定量する方法から成る試料中のモラクセラ菌株のトランスフェリン受容体タンパ 質をコードしている核酸の存否を決定する診断キット。
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