JP2000503548A - ナッツスプレッドのべとつき感を減少させ風味を強くさせた、各々微粉化したナッツ固形物及び粒状水溶性固形物 - Google Patents

ナッツスプレッドのべとつき感を減少させ風味を強くさせた、各々微粉化したナッツ固形物及び粒状水溶性固形物

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Abstract

(57)【要約】 粘度が約2000センチポイズ以下と相対的に低い値を有し、べとつき感が極めて減少しかつナッツ風味が強くなった、特にピーナツバター等のナッツスプレッド。これらのナッツスプレッドは、ナッツ固形物、油、糖や塩等の粒状水溶性固形物、任意にしかし好ましくはナッツバター安定化剤や乳化剤の混合物を、ざらつき感を減少させるために水溶性固形物の主粒径が20ミクロン以下となるように、微粉化することにより得られる。この微粉化された混合物は、ナッツ固形物の粒径を過度に縮小せずに、合成されたナッツペーストと組み合わせる。

Description

【発明の詳細な説明】 ナッツスプレッドのべとつき感を減少させ風味を強くさせた、各々微粉化したナ ッツ固形物及び粒状水溶性固形物 技術分野 本発明は、べとつきを減少させた、特にピーナツバター等のナッツスプレッド に関する。更に、本発明は、風味を向上させた、特にピーナツバター等のナッツ スプレッドに関する。 発明の背景 従来のピーナツバター及び他のナッツバター類は、通常、油分と粒子との分離 を防ぐため、ナッツペースト等の油中に分散させた固体ナッツ粒子、例えば糖、 高フルクトースコーンシロップまたは蜂蜜等の甘味料、塩、及び例えば高融点脂 肪またはハードストック等の安定化剤等の粘着性ある粉砕混合物を含む。ピーナ ツペーストであるピーナツバターの主要成分は、殻付きのピーナツをローストし 、湯がき、そして粉砕して製造される。粉砕工程中、ピーナツの細胞構造は破壊 されてピーナツオイルを遊離し、粉々になったピーナツ固形物は懸濁することと なる。 消費者がピーナツバターの嗜好を評価するには数多くの要因がある。ひとつは その「べとつき」感である。消費者は、摂取したピーナツバターの塊が口蓋に付 着することにより「べとつき」感を感じ、舌を使ってこれを取り除こうとする。 しかしながら、消費者が「べとつく」と感じるのは、主に粘着力によるのではな く、ピーナツバターの塊の粘着性が口中で化学的(唾液)及び物理的(舌)力の 両方に作用することによるのである。実際、唾液及び舌が容易に飲み込みやすく なるようにピーナツバターの塊の粘度を減少させるにつれ、「べとつき感」は減 少する。 消費者が気にする他の要因は、「ピーナツ風味」の認識である。ピーナツ風味 を感じる機構は、唾液により口中でナッツ固形物が水和されることによるものと 考えられている。ナッツ固形物中に存在するピーナツ風味の全量が重要ではある が、これらのナッツ固形物を効果的に水和できるかどうかがピーナツ風味の強さ に極めて大きく影響することは明白である。実際、これらのナッツ固形物の水和 が均一になればなる程、知覚するピーナツ風味はより強くなる。 ピーナツ風味の強さに悪影響を与えずにピーナツバターのべとつき感を減少し ようとしたこれまでの試みは、通常失敗に終わっている。以前は、べとつき感の 減少とピーナツ風味の強さとは通常相反し、即ち、ピーナツ風味を増加させると べとつき感が増加し、逆にべとつき感を減少させるとピーナツ風味も減少してし まった。例えば、大顆粒のピーナツを用いて製造したチャンキータイプのピーナ ツバターは、クリーミータイプのピーナツバターに比べより強いピーナツ風味を 有している。しかしながら、これらの大粒径のピーナツ固形物を製造する条件で は、一般的に、粘度を増加させるため、よりべとつき感のあるピーナツバターに なる。逆に、ナッツ固形物を微粉化すると、即ち粒径を縮小すると、ナッツペー スト全体に風味成分が分散し、そのためこれらのナッツ固形物の風味が低下して しまう。 ピーナツバターの粘度は、主にナッツ固形物の粒径分布(PSD)により影響 を受ける。ナッツ固形物を単一モードの粒径分布になるよう微粉化することによ り製造されるピーナツバターは、比較的低粘度である。Wongらによる1992年 1月7日発行の米国特許第5,079,207号「roll milling nut solids to a monodispersed/monomodal particle size distribution(単一分散/単一モ ードの粒径分布にまでナッツ固形物をロール微粉化する方法)」参照。逆に、粉 砕が粗いと、ナッツ固形物が多モードの粒径分布となるため、その結果粒子充填 挙動が増加し、ナッツ片が互いに衝突する傾向が増加して、より粘稠性の高いピ ーナツバターとなる。多モードのPSDピーナツバターが高粘性となる他の理由 は、ナッツを粗く粉砕すると油細胞はほとんど破裂せず、よってナッツ固形物懸 濁液中に遊離の油が少なくなることである。 べとつき感を減少させるには、ピーナツバターの粘度を低下させる必要がある 。これはナッツペーストに与える剪断量を増加し、及び/またはナッツ固形物の 粒径を縮小することにより達成することができる。ピーナツペーストの高圧また は多段の均質化は、典型的には、必要な寸法減少及び剪断を達成するために用い ら れてきた。Dzurikらによる1971年11月9日発行の米国特許第3,619, 207号には、1つの高圧均質化方法が開示されている。残念ながら、ピーナツ バターの粘度を減少させるこれまでの試みは、ピーナツ風味の強さをも極めて低 下させてしまっていた。これは、摂取したピーナツバターの塊が口中で滞留する 時間が減少することに起因していた。口中での滞留時間が短いため、固形物の加 水分解が充分なされず、よってピーナツ風味の強さが低下してしまう。加えて、 高圧または多段の均質化はしばしばナッツ固形物を微細径にまで粉砕し、もとも と存在していた揮発性のピーナツ風味成分がかなり失われてしまう。 消費者がピーナツバターを受け入れるのに影響する他の要因はざらつき感であ る。ざらつき感は、ピーナツバター中の固体粒子が舌が感じるのに充分な大きさ と適当なジオメトリを有する時に起こる。ざらつき感を与える固体は、ピーナツ 固形物のみならず、特に糖や塩等の水溶性固体等のピーナツバター中に通常存在 する他の非脂肪性固体をも含んでいる。このざらつき感を減少する1つの方法は 、高圧のホモジナイザーにピーナツペースト及び他の非脂肪性固体の混合物を単 純に通過させて、全ての固体の粒径を微細径へと縮小することである。Wongらに よる1996年5月21日発行の米国特許第5,518,755号参照。しかし ながら、前述のように、ピーナツ固形物中に起こる径縮小のため、これも得られ たピーナツバターのピーナツ風味の強さに悪影響を与えてしまう。 従って、(1)べとつき感を減少し、(2)ピーナツ風味の強さに悪影響を与 えず、そして(3)ざらつき感を減少させた、ピーナツバターを製造できること が好ましい。 発明の開示 本発明は、べとつきを減少させ、なおナッツ風味を極めて向上させた、特にピ ーナツバター等のナッツスプレッドに関する。これらのナッツスプレッドは、6 .8/秒で測定した時、約2000センチポイズ以下の粘度を有し、 a.(1)ナッツ固形物粒子の約3から約10%が約38ミクロンより大きく、 (2)ナッツ固形物粒子の約1から約7%が約75ミクロンより大きく、 (3)ナッツ固形物粒子の約0.3から約6%が約150ミクロンより大きく 、 (4)ナッツ固形物粒子の約0.1から約3%が約250ミクロンより大きい 、粒径分布を有するナッツ固形物約25から約60%、 b.約20ミクロン以下の主粒径を有し、香味料、調味料、充填剤及びこれらの 混合物から選ばれる粒状水溶性成分約5から約25%、 c.任意選択で、好ましくはナッツバター安定化剤、及び d.任意選択で、好ましくは乳化剤 を含む。 本発明は、更にこれらのナッツスプレッドを製造する方法に関する。この方法 は、 a.(1)ナッツ固形物約15%未満、 (2)油約5から約75%、 (3)香味料、調味料、充填剤及びこれらの混合物から選ばれる粒状水溶性成 分約5から約75%、 (4)任意選択で、好ましくはナッツバター安定化剤、及び (5)任意選択で、好ましくは乳化剤 を基本的に含む混合物を形成し、 b.水溶性成分が約20ミクロン以下の主粒径を有するように(a)工程の混合 物を微粉化し、 c.(1)ナッツ固形物粒子の約3から約10%が約38ミクロンより大きく、 (2)ナッツ固形物粒子の約1から約7%が約75ミクロンより大きく、 (3)ナッツ固形物粒子の約0.3から約6%が約150ミクロンより大きく 、 (4)ナッツ固形物粒子の約0.1から約3%が約250ミクロンより大きい 、粒径分布を有するナッツ固形物約25から約60%を含むナッツペーストと、 (b)工程にて微粉化された混合物とを、6.8/秒で測定したナッツスプレッ ドの粘度が約2000センチポイズ以下となるよう、ナッツペーストの製粉混合 物に対する重量比が約3:1から約7:1で混合する、 工程を含む。 本発明のナッツスプレッド及び特にピーナツバターは、これまでのピーナツバ ターに比べてべとつき感が極めて減少している。これは、ナッツスプレッドの粘 度を約2000センチポイズ以下へと大きく減少させることにより達成されてい る。この粘度減少は、(1)ピーナツペーストの高剪断混合、及び(2)典型的 には、糖及び塩等の粒状水溶性成分を含む予備混合物を経由するナッツスプレッ ド剤形への油の添加、という2つの要因の組み合わせにより得られる。本発明の ナッツスプレッドは粘度が極めて低くなっているため、摂取したナッツスプレッ ドをかみ砕き飲み込みやすくするのに労力がいらなくなっている。これによりナ ッツスプレッドのべとつき感が減少しているように感じられる。 驚くべき事に、本発明のナッツスプレッドはべとつき感が減少してはいても、 ナッツ風味の強さは消失していない。実際、本発明に従って製造したナッツスプ レッドは、従来のナッツスプレッドと比べてナッツ風味が強くなっている。これ は、(1)ナッツ固形物の粒径を過度に縮小せず、(2)ナッツペーストに含ま れるナッツ固形物及び/または油から所望のナッツ揮発成分が過度に消失しない 、条件下にナッツペーストを形成することにより達成される。また、ナッツスプ レッドの粘度が極めて低下するために、ナッツ風味がより遊離しやすくなってい る。これは、ナッツ固形物を水和するための口中の保持時間が従来のナッツバタ ーやナッツスプレッドに比べて短くなっているにも関わらず、口中での混合効率 が増加していることにより、ナッツ固形物がより早く水和されるためである。 本発明のナッツスプレッドのべとつき感を減少し、同時にナッツ風味を強化す ることのできる重要な要因の少なくとも一部は、ナッツスプレッドがざらざらせ ずクリーミーな食感になるまで微細にナッツ固形物を粉砕するべきではないとい う驚くべき発見による。そうではなくて、ざらつき感は主に、ナッツスプレッド に存在する粒状水溶性固形物、特に糖や塩等の粒状水溶性香味料及び調味料等に 起因することを発見した。これらの粒状水溶性固形物は、鋭角で固く角張った形 であり、またナッツスプレッドを食する時にそれが壊れるような音が聞こえてく るので、ざらつき感を感じてしまう。この驚くべき発見により、水溶性固形物の みを微粉化、即ち主粒径が20ミクロン以下となるよう粉砕することが、ざらつ き感を減少させるのに最も重要であることがわかった。このことによって、粘度 (及びべとつき感)は低下するが、ナッツ固形物の粒径を過度に(かつ望ましく ないほど)縮小せず、または揮発性のナッツ風味成分を遊離しない条件下で、別 々 にナッツペーストが形成できるようになる。 粒状水溶性固形物を別々に微粉化できると、成形及び加工に柔軟性が生じ、有 利である。例えば、糖及び塩等の粒状水溶性固形物は、油とともに、任意選択で 少量のナッツ固形物、任意選択で安定化剤及び任意選択で乳化剤とともに微粉化 して、異なるナッツ固形物粒径分布を有するナッツペーストと組み合わせるのに 適した、様々な加工及びロースト条件下で調製された予備混合物を形成すること ができる。この予備混合物は調製した後、将来の利用のために貯蔵でき、また本 発明によるナッツスプレッドを製造する目的で遠隔地で製造されたナッツペース トと組み合わせるために遠隔地に運搬することもできる。 発明の詳細な説明 A.定義 ここに用いられるように、「ナッツスプレッド」とは、ナッツ固形物及び脂肪 /油から、そして更に例えばナッツバター安定化剤、香味料、調味料、充填剤、 乳化剤等の他の成分から主に得られる広範な食品を意味する。ナッツスプレッド は、食品医薬品局が独自に標準化して定義している「ナッツバター」及び「ピー ナツバター」を含むが、これに限定されるものではない。 ここに用いる「全脂肪」とは、ナッツスプレッド中に存在する脂肪と油の全量 に関する。「脂肪」及び「油」という用語はしばしば混同して使用されるが、「 脂肪」とは通常室温にて固体または樹脂状であるトリグリセリド類及びこれらの 類緑物質であり、一方「油」とは通常室温にて液体または流体であるトリグリセ リド類及びこれらの類縁物質である。 ここに用いる「含む」とは、本発明のナッツスプレッド中で様々な成分が一緒 に使用できること、及びこれらのスプレッドを調製するのに様々な工程が一緒に 使用できることを意味している。従って、「基本的に〜からなる」や「〜からな る」は、「含む」という用語の具体例である。 ここに用いる全ての量、比、部分及び百分率は、特に指定しない限り重量によ るものとする。 B.ナッツ固形物、ナッツペーストおよび油脂または油 本発明に記載のナッツスプレッドの主要な材料は、ナッツ類と脂肪種子類由来 のナッツ固形物である。本発明には、概してピーナツ由来のナッツ固形物に関し て記載するが、アーモンド、ペカン、クルミ、カシュー、セイヨウハシバミ、マ カダミアナッツ、ブラジルナッツ、ハシバミ、ヒマワリの種子、ゴマの種子、カ ボチャの種子および大豆等のナッツ固形物といった他の材料も同様に使用できる ことは明らかなはずである。これらのナッツ固形物の混合物もまた使用できる。 ナッツペーストの風味は加工しない(生の)ナッツの風味であり、またはより 典型的には通常ロースティングといった熱による処置をナッツに施すことによっ て亢進される。例えば、ピーナツを、Wolverine製のJet Zoneロースタ等の熱気 流ロースタでローストすることができる。ロースト温度とロースト時間によって 風味の特徴や強さを調整する。 一般に、より高いロースト温度で、より短い時間ローストしたピーナツは最も 好ましいピーナツ風味となる。しかしながら、この方法によって亢進させること の出来るピーナツ風味の量には限度がある。高温でピーナツをローストすると、 ピーナツ中で温度が不均一となり、よって風味も不均一となる。低温で外から中 まで同一色にローストしたピーナツに比べてより好ましいピーナツ風味を生み出 すのは、この風味の不均一性(外側をよくローストし、内側を軽くローストする こと)である。しかしながら、ビーナッツ中で不均一にローストされるため、ピ ーナツ風味を更に強めるためにより濃い色までローストすると、ピーナツ外部の 過剰ローストを引き起こし、焦げた様子となることがある。 過剰ローストによる焦げた様子を最小限にしながらピーナツ風味を強める1つ の方法として、別々に色々なロースト色までローストしたピーナツを組み合わせ ることがある。軽くローストしたピーナツと濃い色までローストしたピーナツの 組み合わせが、より強くかつ好ましいピーナツ風味の特性をもたらすことが分か った。軽くローストした破片と濃い色までローストした破片の組み合わせは、高 いロースト温度でローストしたピーナツ中の亢進された風味に近づく。この風味 は異なったロースト色までローストしたピーナツの比率を変えることによって容 易に操作することが出来る。さらに、ピーナツ風味の知覚は、色々にロースト したピーナツ片の粉砕サイズを調整することによっても操作することが出来る。 例えば、より濃い色までローストしたピーナツは、ロースト中に風味を失いにく いので、風味を損なうことなく微粒径にまで微粉化することが出来る。逆に、比 較的軽い色までしかローストしなかったピーナツは、ロースト中に風味を失いや すいので、より大きな粒径に粉砕するべきである。 本発明に記載のナッツスプレッドは、約25から約60%のナッツ固形物、好 ましくは約35から約55%のナッツ固形物、更に好ましくは約40から約50 %のナッツ固形物を含む。これらのナッツ固形物は、典型的には、一般的に「ナ ッツペースト」と呼ばれるそれぞれのナッツから得られる油中で、分散又は懸濁 させる。ナッツスプレッド中で使用する油は、典型的には、ナッツペーストを形 成する間に、ナッツまたは種子から天然に得られるものである。しかしながら、 大豆油、パーム油、綿実油、ココナッツ油、クルミ油、およびその他の適切な食 用油等の油もまた、本発明のナッツスプレッドを製造する際に全体的または部分 的に使用することができる。好ましくは、ピーナツペーストを形成する間に絞り 出されたピーナツ油が、本発明に記載のピーナツバターを製造する際に使用する 主要な油である。その他のナッツ類、及びヒマワリの種子類等の油用種子類から 製造されるナッツスプレッドには、風味のために複数の油を混ぜて用いるのが好 ましい。 長鎖の脂肪酸のショ糖ポリエステル類であるolestra及びその他の脂肪酸類の ポリオールポリエステル類等の低カロリー及びゼロカロリーの油脂代用品をこれ らのナッツスプレッドを製造する際に使用できる。例えばMattsonらによる19 71年8月17日発行の米国特許第3,600,186号、Elsenらによる19 95年6月6日発行の米国特許第5,422,131号、Seidenらによる199 5年5月30日発行の米国特許第5,419,925号、Seidenによる1991 年12月10日発行の米国特許第5,071,669号参照。これら全ての開示 は参照として本明細書に組み込まれる。中および長鎖の飽和および/または不飽 和脂肪酸類から得られる混合トリグリセリド類もまたここに記載の脂肪/油とし て使用できる。例えばSeidenによる1994年2月22日発行の米国特許第5, 288,512号参照。この開示も参照として本明細書に組み込まれる。中鎖ト リグ リセリド類を含む油類もまた脂肪/油源として使用できる。Hunterによる198 9年9月5日発行の米国特許第4,863,753号参照。この開示も参照とし て本明細書に組み込まれる。 ナッツペーストは、Bauer mill、UrschelまたはFitzmill等の従来型グラインダ ーを使用してナッツを粉砕して製造することができる。これらの従来型グライン ダーは油連続懸濁液を供給し、ペーストの粘度を減じるが、ナッツ固形物の粒径 を過剰に縮小することなく、または揮発性のナッツ風味を遊離することもない。 ナッツ固形物の粒径を、ピーナツ風味を最大にしかつざらつき感を最小にするた めに注意深く調整する。本発明においては、より大きな粒子径を有するナッツ固 形物の比率が高くなるようにナッツペーストを粉砕することによってこれを達成 する。本発明のナッツペーストについては、以下のような粒径分布である。(1 )ナッツ固形物粒子の約3から約10%、好ましくは約4から約10%、更に好 ましくは約5から約8%が約38ミクロンより大きく、(2)ナッツ固形物粒子 の約1から約7%、好ましくは約2から約6%、更に好ましくは約2から約4% が、約75ミクロンより大きく、(3)ナッツ固形物粒子の約0.3から約6% 、好ましくは約0.5から約5%、更に好ましくは約0.75から約3%が約1 50ミクロンより大きく、(4)ナッツ固形物粒子の約0.1から約3%、好ま しくは約0.1から約2.5%、更に好ましくは約0.1から約1.5%が約2 50ミクロンより大きい。これらのナッツペーストは、典型的には、二峰性の粒 径分布を持つ。すなわちナッツ固形物はオーバーラップする2つの異なった粒径 分布曲線を形成する。 ナッツを粉砕する間または脂肪/油の別々の添加によって得られる、本発明の ナッツスプレッド中に存在する総脂肪量は、所望する粘度、所望する脂肪レベル 、およびその他の要因によって広く変えることが出来る。もし所望するならば、 存在する総脂肪量は、ピーナツバター等ナッツスプレッドを同定する事の標準化 を満足する量でありうる。本発明のナッツスプレッドは、典型的には約42から 約60%の総脂肪を含む。本発明のナッツスプレッドは、好ましくは約45から 約55%、更に好ましくは約48から約53%の総脂肪を含む。 C.粒状水溶性成分 本発明のナッツスプレッドも、約5から約25%、好ましくは約5から約10 %の粒状水溶性成分を含む。これらの粒状水溶性固形物は、香味料、調味料、充 填剤、及びこれらの混合物から選ぶことができる。 ここで用いる「香味料」とは、ナッツスプレッドの風味に貢献する剤のことを 言う。これらは、甘味料、天然及び合成香料、及び例えば天然及び合成ピーナツ 香料、ローストされた香料、プラリーヌ/カラメル香料、くるみ香料、アーモン ド香料及び香料成分等のナッツスプレッドの風味に貢献するその他の香味料を含 む。甘味料は、糖、糖混合物、人工甘味料、及び他の天然の甘味物質から選ぶこ とができる。糖は、例えば、ショ糖、フルクトース、ブドウ糖、蜂蜜、高フルク トースコーンシロップ、乳糖、麦芽糖、及び麦芽糖シロップ等を含む。好ましく は、甘味料はショ糖またはフルクトースの甘味と同一または同等の甘味を有する ものである。糖類は、典型的には、本発明のナッツスプレッドに約0.5から約 10%、好ましくは約1から約7%の量含まれる。 アスパルテーム、アセスルファン、サッカリン、シクラメート及びグリシルヒ ジン等の人工甘味料も本発明のナッツスプレッドに使用することができる。用い られる人工甘味料の量は、その甘味強度に依存する。典型的には、これらの人工 甘味料は、約0.5から約10%、好ましくは約1%から約7%のショ糖を添加 するのと同様の甘味強度を与える量を含む。通常、約0.001%から約2%の 人工甘味料が使用される。 ここで用いる「調味料」とは、ナッツスプレッドの風味を高めまたは補足する 剤のことを言う。調味料は、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化ナトリ ウム/塩化カリウム混合物、及び調味塩等の塩または塩置換体を含む。使用され る調味料の量は、所望される味のレベルの問題であるが、通常は、ナッツスプレ ッドの約0.1から約2%、好ましくは約0.5から約1.5%である。 本発明のナッツスプレッドは、調味料としてクエン酸約0.01%から約0. 02%をも含む。好ましくは、約0.01%から約0.015%のクエン酸が用 いられる。クエン酸を添加すると、ローストされたナッツ特にローストされたピ ーナツバターの風味や塩加減を高め、それにより必要な塩の量を減少して、本発 明 のナッツスプレッド特にピーナツバターに許容しうる風味を与える。クエン酸を 添加すると、特に金属イオン塩の存在下において、クエン酸が金属イオンをキレ ートすることによって、ナッツスプレッドが酸化的安定性を得られることにもな る。 本発明のナッツスプレッドに使用される特に好ましい風味系は、糖及び塩を組 み合わせて用いることである。この好ましい風味系を用いるナッツスプレッドに ついては、糖は通常約0.5から約10%、好ましくは約1から約7%の量、ス プレッド中に存在しており、また、塩の量は通常約0.1から約2%、好ましく は約1から約1.5%の量、スプレッド中に存在している。 粒状水溶性充填剤も本発明のナッツスプレッドに用いることが出来る。これら の充填剤は通常スプレッドに主部と肌目を与え、栄養価のないまたは低カロリー の物質である。適当な充填剤は、コーンシロップ固形物、マルトデキストリン、 ブドウ糖、ポリブドウ糖、モノー及びジ−サッカリド類、例えばコーン、ポテト 、タピオカ小麦等のでんぷん類、及びこれらの剤の混合物を含む。コーンシロッ プ固形物、Pfizer Chemicals製のポリブドウ糖及びマルトデキストリンが好まし い充填剤である。糖と同様の機能を有するが栄養価のない糖置換体もここに用い ることが出来る。そのような糖置換体としては、Mazurによる1991年8月2 0日発行の米国特許第5,041,541号に記載の5−C−ヒドロキシアルキ ルアルドヘキソシスを含む。 ざらつき感を最小にするために、これらの粒状水溶性固形物は比較的微細な粒 径を有する必要がある。本発明のナッツスプレッドに含まれる粒状水溶性固形物 は、主粒径が約20ミクロン以下のものである。特に好ましい粒状水溶性固形物 は、主粒径が約10ミクロン以下のものである。 D.他の固形物 本発明のナッツスプレッドは、ナッツ固形物及び粒状水溶性成分以外にも他の 固形物を含むことができる。これらの他の固形物は、約20%未満、好ましくは 約10%未満の量、本発明のナッツスプレッドに存在することができる。これら の他の固形物としては、例えばセルロース等の繊維類、例えば小麦、ライ麦、エ ンドウ豆等の穀粉、及び例えばピーナツ固形物、大豆粉、大豆濃縮物、大豆単離 物、カゼイン、卵白、及び他の動物や野菜源からのタンパク質等のタンパク質補 充剤、またはこれらの組み合わせ等が挙げられる。 E.ナッツバター安定化剤及び乳化剤 本発明のナッツスプレッドは、任意選択で好ましくは約5%以下の有効量のナ ッツバター安定化剤を含むことができる。好ましくは約1から約3%のナッツバ ター安定化剤が用いられる。これらのナッツバター安定化剤は、あらゆる公知の ピーナツバター安定化剤であってよく、例えば、水素化菜種油、または高比率の C20及びC22脂肪酸類を有する他の水素化トリグリセライド類が挙げられる。例 えば、Japikseによる1966年8月9日発行の米国特許第3,265,507 号、及びSandersによる1964年4月14日発行の米国特許第3,129,1 02号であり、これらを参考として組み込む。通常これらの安定化剤は、室温で 固体のトリグリセリド類である。これらはナッツスプレッド中特定の結晶状態で 固化し、油の分離を防止する。これらの材料は、例えば、水素化パーム油、紅花 油、大豆油、菜種油、綿実油、ココナッツ油、及び類似の材料等の、ヨウ素価が 8未満の第2水素化油と混合可能である。この安定化剤も、McCoyによる198 2年7月27日発行の米国特許第4,341,814号に開示されているピーナ ツバター安定化剤組成物のように、低融点脂肪部分と混合可能である。本開示も 参考として組み込む。 本発明のナッツスプレッドに対する特に好ましいナッツバター安定化剤は、Se idenらによる1991年2月26日発行の米国特許第4,996,074号に記 載されているように、「PSP/PSS」ハードストックとして参照される末端 β′安定ハードストックを含む。この開示を参照により本明細書に組み込む。前 記特許の実施例VIに示す高水素化高エルカ酸菜種油は、PSP/PSSハードス トックと組み合わせて使用するのに特に好ましいβ′傾向ハードストックの例で ある。PSP/PSSハードストックを、ヨウ素値が20未満、好ましくは10 未満の高水素化、好ましくは約40%以上の高エルカ酸菜種油と組み合わせて使 用する場合、PSP/PSSハードストックと高エルカ酸菜種油との比を約30 :1から約10:1、好ましくは約27:1から約20:1の比となるよう使 用すべきである。高エルカ酸菜種油については、前記特許の第7欄50行から第 8欄14行にかけてより詳しく記載している。 本発明のナッツスプレッドにおいては、適切な肌目を達成するために乳化剤を 用いることもできる。乳化剤は、食品に適合する乳化剤であれば如何なるもので あってもよく、例えば、モノー及びジ−グリセリド、レシチン、ショ糖モノエス テル類、ポリグリセロールエステル類、ソルビタンエステル類、ポリエトキシル 化グリコール類及びこれらの混合物等が挙げられる。約5%以下、好ましくは約 0.1から約3%の乳化剤が用いられる。 F.他の任意成分 本発明のナッツスプレッドにおいては、脱脂ナッツチャンクを含むナッツチャ ンク、風味料または糖化料、及び他の任意成分を種々のレベルで含むことができ る。これらの他の成分としては、チョコレートチップまたはいくつかの他の風味 料の小片、例えばバタースコッチ及びピーナツ、低カロリーゼリーまたは通常の ゼリーかジャム等のゼリー、及びプラリーヌナッツまたは他のキャンディ類が挙 げられる。通常これらの他の添加剤は、ナッツスプレッドに約20%以下の量で 含まれる。 G.ナッツスプレッドの合成 本発明のナッツスプレッドは、好ましくは、 (1)ナッツ固形物約15%未満、好ましくは約1から約10%、 (2)油約5から約75%、好ましくは約15から約50%、 (3)香味料、調味料、充填剤及びこれらの混合物から選ばれる微粒子水溶性 成分約5から約75%、好ましくは約25から約55%、 (4)ナッツバター安定化剤約15%未満、好ましくは約1から約7%、及び (5)乳化剤約5%未満、好ましくは約1から約3% を主に含む混合物(以降、予備混合物と称する)を形成することにより合成され る。 この予備混合物に用いられるナッツ固形物は、上述のように合成したナッツ ペーストから得ることが出来る。例えば、糖蜜、コーンシロップ固形物等の多く の水溶性固形物がナッツスプレッドに含まれており、これらは通常または好まし くは予備混合物中に存在する。予備混合物に含まれる油は、既に記述した如何な る油でもよい。予備混合物中に存在する油の全量を決定する際には、ナッツペー ストからの油は全てこの全量に組み入れる。油は主に、粒状水溶性固形物を所望 の微細径に効率よく微粉化するための加工用助剤として作用する。しかしながら 、油の副次的な利点は、後に予備混合物をナッツペーストと組み合わせる際、得 られたナッツスプレッドの粘度を低下させることである。 油、水溶性固形物、任意選択で安定化剤、任意選択でナッツ固形物、及び任意 選択で乳化剤を混ぜ合わせ、混合し、または互いに結合させて予備混合物を形成 する。これらの予備混合物成分を混合槽に加える際には、得られた予備混合物の 一部を同時にコロイドミルを通して再循環し、そして混合槽に戻すことが好まし い。一般的には、少なくとも全ての固形物を予備混合物に加えるまでこの再循環 を継続する。 全ての予備混合物成分を一緒に混合した後、予備混合物を、粒径が約20ミク ロン以下、好ましくは約10ミクロン以下である、粒状水溶性固形物へと細かく 粉砕して微粉化する。この予備混合物を微粉化する方法は、microfluidizer、コ ロイドミル及びロールミルを含む。水溶性固体を微粉化する特に好ましい方法の 1つは、約2000から約14,500psigの範囲の圧力で、M−8APV ガウリンまたはRannieモデル1351ホモジナイザー等の高圧ホモジナイザーに この予備混合物を通すことである。Pandolfeによる1982年10月5日発行の 米国特許第4,352,573号及びPandolfeによる1983年5月17日発行 の米国特許第4,383,769号には、APVガウリンにより作成された適当 な高圧ホモジナイザーが開示されている。ホモジナイザーの圧力は約4000か ら約8000psigの範囲が好ましい。粒状固形物がまちがいなく所望の微細 径を得られるよう、予備混合物を複数回ホモジナイザーに導入してもよい。 この微粉化された予備混合物は、その後、前述のような粒径分布を有するナッ ツ固形物を含むナッツペーストと混ぜ合わせ、混合し、またはブレンドする。こ の混ぜ合わせた混合物は、Greercoコロイドミル等のコロイドミルに通すなどの 付 加的な高剪断混合を行って、粘度を低下させることができる。コロイドミルは、 大開口ギャップかつ約3600rpmで操作するのが一般的である。そして、付 加的高剪断混合処理の有無にかかわらず、ナッツスプレッドは、空気分離器(バ ーサター)及びスクレープドウォール熱交換器に通して仕上げ、酸化安定性を向 上させ、かつ結晶構造を調整する。スクレープドウォール熱交換器は、冷蔵室の 出口温度が華氏97から100度(36℃から38℃)の状態で操作されるのが 一般的である。この時点で、好みによってはナッツのチャンクまたは小片を、仕 上がったスプレッドに添加してもよい。 本方法に従って得られるナッツスプレッドは、典型的には、二峰性の粒径分布 を有する。本方法に従って得られるナッツスプレッドは、更には、約2000セ ンチポイズ以下、好ましくは約1800センチポイズ以下、最も好ましくは約1 500センチポイズ以下の粘度、及び約50dynes/cm2未満、好ましく は約30dynes/cm2未満のカソン降伏値を有する。本スプレッドのカソ ン塑性粘度は、典型的には、約10ポイズ未満、好ましくは約5ポイズ未満であ る。 分析試験方法 1.ナッツペースト及びナッツスブレッドの粘度及びカソン降伏値 8C4−27スピンドル装備の5C4−13Rチャンバーのブルックフィール ド粘度計(HATシリーズ)を用いる。この装置は0.465インチ(1.12 cm)のスピンドル「束」から構成される。試料用セルの内径は0.750イン チ(1.87cm)である。装置を65℃(華氏149度)で検量し、全ての試 料を65℃(華氏149度)で測定する。 非曝気のナッツスプレッドまたはナッツペーストの試料14.0gを試料用セ ルに入れる。次いでこの試料用セルをジャケット付きセルホルダーに挿入する。 チューブ材料等を介した熱損失を補うために、ジャケット付きセルホルダーに導 入する水の温度は、65℃(華氏149度)という所望の試料温度よりも数度高 くしておかねばならない。試料の温度が65℃(華氏149度)に達した後、該 試料を50rpmで5分間予備剪断する。そして速度を100rpmに変え、ダ イヤル読みが一定値に落ち着いた後に測定を行う。100,50,20,10及 び5rpmという5段階の読みの合計を記録する。一般的に、読み取り前の時間 は表1のように設定しなければならない。 ダイヤル読み及びrpmは、rpm及びダイヤル読みに各々0.34及び17 を掛け算することにより、剪断応力及び剪断速度値に換算する。剪断応力の平方 根に対する剪断速度の平方根をプロットして直線が得られる。ダイヤルの指針が スケールを振り切った読みは無視する。最小二乗法線形回帰をデータ全体につい て行い、勾配及び切片を算出する。 このデータは、2つの値を算出するために用いる。これらの第1の値は、塑性 粘度であり、これは二乗した線の勾配と等しい。この塑性粘度は、無限剪断速度 におけるナッツスプレッドまたはナッツペーストの粘度の測定値である。それは ポンプ汲み上げ、流動または混合状態下の流動抵抗性を正確に予測する。カソン 塑性粘度はポイズとして測定する。 第2の値は、降伏値であり、これは二乗したx切片(横座標)の値に等しい。 この降伏値は、ナッツスプレッド/ナッツペーストが流動し始める上で必要な力 または剪断の量の測定値である。この降伏値はdyne/cm2で測定する。塑 性粘度と降伏値との相関は、ナッツスプレッド/ナッツペーストが更なる処理に て如何なる挙動を示すかを決定する。 2.ナッツ固形物の粒径分布 400mlガラスビーカーにナッツ(ピーナツ)バターまたはペースト20グ ラム(±0.1グラム)を秤量する。ビーカーにアセトン150グラム(±0. 1グラム)を添加する。ピーナツバター/ペーストとアセトンとを、バター/ペ ー ストがアセトン中によく分散されるまで攪拌する。 粒径分布は以下のふるいにより保持されるナッツ固形物の量を測定することに より決定する。 No.60(250ミクロン) No.100(150ミクロン) No.200(75ミクロン) No.400(38ミクロン) 平鍋 ふるいは最初に、ふるいの開口径の順にそれぞれの上部で重ね合わせる。それ ゆえ、No.60のふるいが一番上で、次にNo.100のふるい、そして重ね 合わせの一番下にNo.400のふるいがくる。最も小さいナッツ固形物粒子は 、ふるいの重なりの下に置かれた平鍋に溜まる。 バター/ペーストのアセトン懸濁液をふるいの重なりの上に注ぎ入れる。アセ トンで3回ビーカーを洗浄して、これをふるいに注ぎ入れ、ビーカーからナッツ 固形物全量を完全に取り除く。そして、アセトンをNo.60のふるい上のふる い分けられた固形物に柔らかく噴霧する。これがふるいを通過しかつ次のふるい 上へ留まる粒子のふるい分けを円滑にしている。全ての微粒子が除去されたこと が明白になる時、一番上のふるい(No.60)を重なりから外し、平鍋の上に 置く。そして最後のナッツ固形物のアセトンでの洗浄を行う。この時点で、平鍋 に集められたアセトンは透明であり、もはやナッツ固形物は含まれていない。( もし平鍋上にナッツ固形物が少しでもあれば、残っているふるいの重なりに再び 注ぎ入れる。)ふるい取られたナッツ固形物を有するNo.60のふるいを乾燥 するために取り除く。全てのアセトンを濃縮乾固するのに約10分必要である。 そしてこの操作は残りのふるいについても繰り返して行う。 それぞれのふるいにふるい取られたナッツ固形物を秤量する。そして、それぞ れのふるいにふるい取られた粒子の比率は、ふるい取られた重量を初期の重量( 20グラム)で割って算出する。以下に試料の計算を示す。 初期のピーナツバター試料の重量:20.00g N0.60のふるい上のナッツ固形物の重量:0.35g No.60のふるい上の粒子%:100×0.35/20=1.75% 本方法によるナッツ固形物の粒径分布は繰り返して行うことにより決定され、 平均値を報告する。 実施例 以下に本発明に従って得られるピーナツバター及びスプレッドの代表例を示す 。 実施例1 ピーナツバターを製造するために用いられた全成分は以下のとおりである。 成分 重量% ピーナツ 83.90 糖 5.8 ピーナツ油 6.45 塩 1.2 糖蜜 0.5 安定化剤* 1.85 乳化剤(パルミチン酸及び 0.3 ステアリン酸のモノ及びジグリセリド)* 水素化大豆油とブレンドされた硬化した菜種油 最初に、次の成分から1バッチで300ポンドの予備混合物を製造する。 成分 量(ポンド) 重量% 糖 168.93 56.31 塩 34.95 11.65 乳化剤 8.14 2.91 ピーナツ油 87.38 29.13 予備混合物成分を、一部の予備混合物をコロイドミルを通じて再循環してケト ルに戻す再循環ループを用いて、100ガロンのハミルトンケトルに一括して混 合する。全ての固形物を加えた後、予備混合物を4000psigにてガウリン ホモジナイザーを通してポンプ汲み上げする。ホモジナイズした粒子は主に10 ミクロンの粒径を有している。 ローストピーナツをバウアーミル内で粉砕ローストし、ピーナツペーストを製 造する。1バッチ300ポンドのピーナツバターを製造するために、以下の成分 、即ちピーナツペースト251.7ポンド、予備混合物30.90ポンド、糖蜜 1.5ポンド、安定化剤5.55ポンド及びピーナツ油10.35ポンドを10 0ガロンのハミルトンケトル内に一括混合する。この成分を25rpmにて30 分間混合する。そして、この混合物を1500センチポイズの粘度にまで低下さ せるため、グリーココロイドミルに通す。その後本混合物を空気分離器(バーサ ター)及びスクレープドウォール熱交換器を通過させることにより仕上げて、ピ ーナツバターの酸化安定性を向上させ、かつその結晶構造を調整する。スクレー プドウォール熱交換器は、冷蔵室の出口温度が華氏97から100度(36℃か ら38℃)であるように操作される。好みにより、ナッツのチャンクまたは小片 を、ここで仕上げのピーナツバターに添加することもできる。 ピーナツバターの脂肪含有率は約52%である。これは、滑らかでクリーミー な肌目で、べとつき感が減少しており、ピーナツ風味が増加し、そしてざらつき 感がない。光学顕微鏡によると、ピーナツバター中の糖、塩等の粒状水溶性固形 物の平均粒径は10ミクロン未満である。 実施例2 実施例1と同様の諸成分であるピーナツバターを、安定化剤と糖蜜とを含むピ ーナツペーストと予備混合物とを連続的にブレンドすることにより製造する。ロ ーストナッツを、ナッツと安定化剤とが251.7部対5.55部の比、即ちナ ッツ:安定化剤が54.35:1の比で連続的に供給し、粉砕する。そして、糖 蜜を、ナッツと安定化剤との合計に対する糖蜜の比が257.25部対1.5部 となるよう本ブレンドに混合する。 予備混合物はReadco混合機に成分を測定することにより製造される。糖や塩等 の乾燥成分とピーナツ油と乳化剤等の流体成分とはReadco混合機にて円滑に定量 できるように事前にブレンドしておく。乾燥成分は糖82.86%及び塩17. 14%を含む。流体成分はピーナツ油95.56%及び乳化剤4.44%を含む 。乾燥成分に対する流体成分の比は21.00:20.25である。Readcoから 出る混合物も、Readco混合機の外部ジャケットを通過させ、循環型熱水/スチー ムにより少なくとも華氏150度(65.6℃)に加熱する。そして、本予備混 合物を、固形物の主な粒径が10ミクロン未満となるように、4000psig にてAPVガウリンホモジナイザーを通過させる。このホモジナイズされた予備 混合物を、ピーナツペースト/安定化剤/糖蜜混合物との比が41.25:25 8.75となるよう混合し、コロイドミルまたはグリーコタンデムパイプライン 混合機等の高剪断混合機に通過させる。混合または通過は、ピーナツバターの粘 度が1500センチポイズ未満に低下するまで繰り返すべきである。そして、ピ ーナツバターを、実施例1におけるように、例えばバーサター及びスクレープド ウォール熱交換器等の仕上げシステムを通過させる。 実施例3 ピーナツバターを製造するために用いられた全成分は以下のとおりである。 成分 重量% ピーナツ 83.9 糖 5.8 ピーナツ油 6.45 塩 1.2 糖蜜 0.5 安定化剤* 1.85 乳化剤(パルミチン酸及び 0.3 ステアリン酸のモノ及びジグリセリド)* 実施例1と同様 次の成分を100ガロンのハミルトンケトル中で混合して1バッチで300ポ ンドの予備混合物を製造する。 成分 量(ポンド) 重量% ピーナツペースト 81.3 27.10 糖 141.46 47.15 塩 29.27 10.00 乳化剤 7.32 2.44 ピーナツ油 40.65 14.00 最初にピーナツペーストを乳化剤とピーナツ油とともにケトルに挿入する。そ して、糖及び塩をケトルに定量する。一部の予備混合物をコロイドミルを通して 再循環し、そしてケトルに戻す。全ての固形物を添加した後、予備混合物を40 00psigにてAPVガウリンホモジナイザーを通過させる。予備混合物中の 粒状水溶性固形物は主に10ミクロンの粒径を有する。 ピーナツを華氏422度(217℃)でローストし、湯がき、バウアーミル内 で粉砕してピーナツペーストを形成する。ピーナツバターを製造するために、以 下の成分、即ち、予備混合物36.90ポンド、ピーナツペースト241.70 ポンド、安定化剤5.55ポンド、糖蜜1.5ポンド及びピーナツ油14.35 ポンドを100ガロンのハミルトンケトル中に混合する。そして、この混合物を 実施例1にて記載した方法によりピーナツバターに加工する。得られたピーナツ バターは、滑らかでクリーミー、即ちざらつき感がなく、6.8/秒で測定した 粘度が1500センチポイズ未満である。本生成物は、良好なピーナツバターの 風味を有し、かつべとつき感が極めて減少している。 実施例4 ピーナツスプレッドを製造するために用いられた全成分は以下のとおりである 。成分 重量% ピーナツ 50.0 糖 5.8 塩 1.2 糖蜜 0.5 安定化剤 1.75 乳化剤 0.3 ピーナツ油 22.45 コーンシロップ固形物 18.0 最初に、次の成分から1バッチで300ポンドの予備混合物を製造する。 成分 量(ポンド) 重量% 糖 34.8 11.6 塩 7.2 2.4 糖蜜 3.0 1.0 安定化剤* 10.5 3.5 乳化剤 1.8 0.6 コーンシロップ固形物 108.0 36.0 ピーナツ油 134.7 44.9* 実施例1と同様 上記成分を100ガロンのハミルトンケトルに混合し、華氏150度(65. 6℃)に加熱する。コロイドミルが装備された再循環ループを混合を円滑にする ため用いる。そして、予備混合物を、粒径が10ミクロン未満となるように、4 000psigにてAPVガウリンホモジナイザーを通過させる。最終製品はホ モジナイズされた予備混台物150ポンドとピーナツペースト150ポンドを合 わせて製造される。そして、実施例1と同様の方法でスプレッドを仕上げる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG,ZW),UA(AM,AZ,BY,KG ,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT ,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA, CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,F I,GB,GE,GH,HU,IL,IS,JP,KE ,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS, LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,M X,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE ,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT, UA,UG,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 ザッケンハイム,リチャード,ジョーゼ フ. アメリカ合衆国 45013 オハイオ州 ハ ミルトン ウッドリッジ ドライブ 1431

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.粘度が2000センチポイズ以下であるナッツスプレッドであって、 a.(1)ナッツ固形物粒子の3から10%が38ミクロンより大きく、 (2)ナッツ固形物粒子の1から7%が75ミクロンより大きく、 (3)ナッツ固形物粒子の0.3から6%が150ミクロンより大きく、 (4)ナッツ固形物粒子の0.1から3%が250ミクロンより大きい、 粒径分布を有するナッツ固形物25から60%、及び、 b.20ミクロン以下の主粒径を有し、香味料、調味料、充填剤及びこれらの混 合物から選ばれる微粒子水溶性成分5から25%、 を含むことを特徴とするナッツスプレッド。 2.粘度が1800センチポイズ以下、カソン降伏値が50dynes/cm2 未満、及びカソン塑性値が10ポイズ未満であることを特徴とする請求項1に記 載のナッツスプレッド。 3.粘度が1500センチポイズ以下、カソン降伏値が30dynes/cm2 未満、及びカソン塑性値が5ポイズ未満であることを特徴とする請求項2に記載 のナッツスプレッド。 4.(1)ナッツ固形物粒子の4から10%が38ミクロンより大きく、 (2)ナッツ固形物粒子の2から6%が75ミクロンより大きく、 (3)ナッツ固形物粒子の0.5から5%が150ミクロンより大きく、 (4)ナッツ固形物粒子の0.1から2.5%が250ミクロンより大きい、 粒径分布を有するナッツ固形物35から55%を含むことを特徴とする請求項2 に記載のナッツスプレッド。 5.(1)ナッツ固形物粒子の5から8%が38ミクロンより大きく、 (2)ナッツ固形物粒子の2から4%が75ミクロンより大きく、 (3)ナッツ固形物粒子の0.75から3%が150ミクロンより大きく、 (4)ナッツ固形物粒子の0.1から1.5%が250ミクロンより大きい、 粒径分布を有するナッツ固形物40から50%を含むことを特徴とする請求項4 に記載のナッツスプレッド。 6.全脂肪分42から60%を含むことを特徴とする請求項2に記載のナッツス プレッド。 7.全脂肪分45から55%を含むことを特徴とする請求項6に記載のナッツス プレッド。 8.主粒径が10ミクロン以下である粒状水溶性固形物成分5から10%を含む ことを特徴とする請求項6に記載のナッツスプレッド。 9.糖0.5から10%及び塩0.1から2%を含むことを特徴とする請求項6 に記載のナッツスプレッド。 10.糖1から7%及び塩1から1.5%を含むことを特徴とする請求項9に記 載のナッツスプレッド。 11.ナッツバター安定剤1から3%及び乳化剤0.1から3%を含むことを特 徴とする請求項9に記載のナッツスプレッド。 12.ナッツスプレッド製造に有用な予備混合物であって、 a.ナッツ固形物15%未満、 b.油5から75%、 c.香味料、調味料、充填剤及びこれらの混合物からなる群より選ばれる、主粒 径が20ミクロン以下の粒状水溶性成分5から75%、 を含むことを特徴とする予備混合物。 13.a.ナッツ固形物1から10%、 b.ピーナツ油15から50%、 c.上記粒状水溶性成分25から55%、 d.ナッツバター安定化剤1から7%、及び、 e.乳化剤1から3%、 を含むことを特徴とする請求項12に記載の予備混合物。 14.上記粒状水溶性成分が糖と塩の混合物を含むことを特徴とする請求項13 に記載の予備混合物。 15.ナッツスプレッドの製造方法であって、 a.(1)ナッツ固形物15%未満、 (2)油5から75%、及び、 (3)香味料、調味料、充填剤及びこれらの混合物からなる群より選ばれる粒状 水溶性成分5から75%、 を基本的に含む混合物を形成する工程、 b.水溶性成分が20ミクロン以下の主粒径を有するように(a)工程の混合物 を微粉化する工程、 c.(1)ナッツ固形物粒子の3から10%が38ミクロンより大きく、 (2)ナッツ固形物粒子の1から7%が75ミクロンより大きく、 (3)ナッツ固形物粒子の0.3から6%が150ミクロンより大きく、 (4)ナッツ固形物粒子の0.1から3%が250ミクロンより大きい、 粒径分布を有するナッツペーストと、(b)工程にて微粉化された混合物とを、 ナッツスプレッドが6.8/秒で測定した粘度が2000センチポイズ以下とな るよう、ナッツペーストの微粉化混合物に対する重量比が3:1から7:1で混 合する工程 を含むことを特徴とする製造方法。 16.(a)工程の混合物が、 (1)ピーナツ固形物1から10%、 (2)ピーナツ油15から50%、 (3)粒状水溶性成分25から55%、 (4)ナッツバター安定化剤1から7%、及び (5)乳化剤1から3%、 を含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。 17.(b)工程が、粒状水溶性成分が10ミクロン以下の粒径を有するように 、(a)工程の混合物を2,000から14,500psigの圧力でホモジナ イザーを通過させることを含むことを特徴とする請求項16に記載の方法。 18.粒状水溶性風味成分が糖と塩の混合物を含むことを特徴とする請求項17 に記載の方法。 19.(a)工程の混合物を、その粘度が1800センチポイズ以下、カソン降 伏値が50dynes/cm2未満及びカソン塑性値が10ポイズ未満となるま で(b)工程中高剪断混合を行うことを特徴とする請求項18に記載の方法。 20.(a)工程の混合物を、その粘度が1500センチポイズ以下、カソン降 伏値が30dynes/cm2未満及びカソン塑性値が5ポイズ未満となるまで (b)工程中高剪断混合を行うことを特徴とする請求項19に記載の方法。
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