JP2000502524A - 音響リフレクタ - Google Patents

音響リフレクタ

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Abstract

(57)【要約】 音響リフレクタを開示するが、このリフレクタを、楕円(12)の一方の焦点(F1)を通る線(L)に関して約180゜回転した楕円によって得られる表面から形成し、回転軸線(L)を主軸線(A)と鋭角(α)で交差させる。回転軸線(L)上の焦点(F1)に配置された変換器(30)は、付勢した場合には、音波を発生し、この音波は表面(10)から反射され、楕円の第2の焦点のアークを通過する。

Description

【発明の詳細な説明】 音響リフレクタ 本発明は、音響リフレクタに関するものであり、特には、変換器に結合した場 合に、歪みが殆どないか或いはないように、広範囲なスペクトルの周波数に亘っ て音を広範囲に分散できるリフレクタに関するものである。 直接空気に放射する音響変換器には、数個の根本的な設計に関する問題がある 。最も重要な問題は、これらの音響変換器が全ての周波数の音波を全方向に等し く放射しないことである。この音の分散が不規則であるという問題を解決する為 の試みには、複数の変換器と拡散リフレクタとを利用した層状のアレイが含まれ る。層状のアレイによって、一方向のコヒーレンスを他方向の層コヒーレンスの 損失に対して順番に維持する。拡散リフレクタの場合には、音波を幅広く分散さ せる機能によって全層のコヒーレンスが失なわれる。 もう一つの問題は、このような変換器用の装着プレート即ちバッフルによって 、破壊的な干渉パターン及び変換器出力の歪みを引き起こす反射が生じる恐れが あることである。変換器のとその装着表面の間の干渉効果の問題を解決する試み としては、変換器に結合したホーンを用いると共に、干渉パターンが殆ど生ずる ことなく変換器を空気に結合するように装着面を形状形成することが用いられて いる。このホーンにより、この目的は広範囲に亘る分散を犠牲にして達成される 。輪郭が描かれた装着表面は干渉効果を低下させるが分散を改良することはない 。 一つの解決策では、放物線或いは放物面の焦点に配置され且つ放物面に向かっ て指向された変換器を含ませ、これにより平行な反射音波が得られる。このよう にして、変換器が楕円の焦点に配置される場合には、楕円の内側表面で反射され た音波は、楕円のもう一つの焦点に向かって指向される。 楕円形状のリフレクタの実施例は、1986年12月16日にフェラーリに与 えられた米国特許明細書第4629030号において開示されている。フェラー リの特許においては、単一の焦点を共有する2つの楕円形状が開示されている。 この2つの楕円形状は、実際には、一般的なトロイド形状を形成する回転面であ る。この場合にはこのリフレクタは一般的なトロイド形状の半分である。好適に 位置決めされた変換器は、半楕円形状の他の焦点に配置される。しかしながら、 フェラーリの特許においては、トロイド形状の一方の側にある変換器からの反射 波の不所望な干渉がトロイドの第2の側から反射するのを回避する為にはバッフ ルを使用することが必要である。更には、フェラーリの特許に記載されているよ うなバッフリングにより、更なる歪みを誘因する共振空洞が生じてしまう。従っ て、周波数に対して本質的には不変のバンドを必要とする場合、フェラーリの特 許は自身の目的を遂行する為にリフレクタをバッフリングすることにより相当の 出力パワーを失うに違いなく、実際には音波干渉により忠実度が失われる。 本発明の目的は、単一の楕円により成る回転面を基とする幾何学的な形状を提 供することにあり、これにより以前の装置の欠陥を克服し、全周波数範囲に亘っ て比較的均一なレスポンスを達成する。 本発明の更にもう一つの目的は、出力信号に対する音波干渉を克服する為にバ ッフリングを必要としない音響リフレクタを提供することにある。 本発明の更にもう一つの目的は、リフレクタに対して何処に位置していても、 全反射エネルギーがユーザに向かって指向される、高効率の音響反射面を提供す ることにある。 本発明は、楕円の焦点の一つを通る線Lに関して約180°に亘って楕円を回 転させて得られる回転面によって形成された音響リフレクタを含むものである。 この線Lが、楕円の主軸線と鋭角に交差すると共に、線Lは点Pで楕円と交差す る。回転表面は平面Tによって一端で境界を成し、線Lに対して垂直である。こ の表面は第2表面Sによってその他端で境界を成し、点Rで線Lに対しても垂直 である。この点Rは線L上の一方の焦点から延在し且つ点Pを通る線Lと一致す る光線上に存在する。この点Rは楕円の外側にある。この表面は平面Tに対して 垂直な平面Sによりその両側で境界を成す。 図面の簡単な説明 図1は、反射表面の斜視図であり、 図2は、反射表面の側面図であり、 図3は、反射表面の前面図であり、 図4は、反射表面の頂上図である。 図2Aは、図4の線2A−2Aで切って見て楕円の出現を示した反射表面の断 面図である。 図2Bは、出現した楕円の焦点の一つに配置した変換器を含む、図2Aに示し たものと同じ断面図である。 図5は、反射表面と生じた楕円との関係を線図的に示したものである。 図6は、ある周波数範囲に亘って反射表面のレスポンスをデシベルで示したグ ラフである。 図7は、図5の変形例を示した他の実施例である。 好適な実施例の詳細な説明 図1には、反射表面10を示した。反射表面10を、図2A及び図5に最も良 好に記載されているように形成する。楕円12を、楕円の一方の焦点F1を通る 線Lが楕円12の主軸Aと角度αで交差するように配置する。この線Lは、点P で楕円12の境界線と交差する。焦点F1から線Lと完全に一致して延在する光 線Mを、点Pを介して楕円の外方に少なくとも点Rまで到達させる。図5によれ ば、楕円12を線Lに関してほぼ180゜回転させる。このような回転によって 回転面10を形成する。この面10を、線Lに垂直で焦点F1又はその付近で線 Lと交差する平面Tにより更に規定する。線Lに垂直で点Rで線Lと交差する第 2平面Bにより面10の下側境界を形成する。面10の両側を、平面Tに垂直で 線Lから外側に一方向に延在する平面S1により決定する。この平面S1は、図5 のアーク16と18とを交差させることにより規定されるようにこの面の一方の 側を形成する。第2の表面S2は、通常は平面S1から反対の方向に線Lから外側 に向けて延在し、楕円曲線20と22とを交差させることにより規定される第2 の側を形成する。 この表面は、以下のように規定し得る。 図1を参照するに、立体形状50は一方の側に面10を有する。点Pの上方の 面10は楕円12を回転することにより形成される楕円トロイドの内面となり、 点Pの下側の面10は楕円12を回転することにより形成されるトロイドの内面 となる。 この立体形状面50は、平面T、平坦な基部B’及び背面52により規定され た頂部をも有する。一対の側方パネルS1及びS2は前側面の残部を規定する。一 対の側方壁54及び56は、側方パネルS1及びS2を、各々背表面52に連結す る。 平面Tと回転表面との交点を円形曲線24により規定するとともに、平面Bと 回転表面との交点を平面B内の円形アーク25により規定する。曲線20及びそ の延長上の曲線18が、楕円のセグメントを形成し、曲線16及び22が楕円の セグメントを形成する。楕円の部分を形成することが判明した。平面S1及びS2 を単一の平面とすることができ、これによって回転面を形成する楕円が180゜ だけ回転することを示す。このようにして、角度βで交差する平面S1及びS2は 、180゜よりも幾分小さい角か或いは180゜よりも幾分大きな角度で交差す ることができる。この角βは、反射面の動作を低下させることなくほぼ140゜ から220゜まで変化できることが判明した。 図2Aによれば、回転面を基とする楕円12は、好適には、長軸Aが線Lに対 して40゜を成し、即ち、角αがほぼ40゜に等しくなるように配向する。この 角は、角αが大きくなるにつれて反射音の分散が大きくなるように、垂直面内で の分散を通常は制御する。この楕円を、端軸Bに対する長軸Aの比が1.5:1 となるようにも形成する。この比は、このリフレクタの特性を劣化させることな く約1.25:1から約3.00:1まで変化することができる。 図2Bによれば、いかなる好適な装置の形態とすることもできる変換器30は 、その方向がほぼ楕円に向くように焦点F1に配置する。楕円の面に対して変換 器の角度を変えることにより、垂直方向のレスポンスが変化する。この際、変換 器30から放出する音波は、図2Bに最も良好に示したように、面10で反射し 、楕円の第2の焦点F2を通過する。明らかなように、第2の焦点F2を介して反 射して戻る音波は、F2のアークで収束し、次にこれらの点からほぼ均一に外側 に向かって発散する。図2に示したように、反射表面10の特性は、反射した音 波が図2Bに示した構造の角度指向によって幅広く分散することである(図2B に示した構造は、変換器30が図示されたように配置できるような付加的な拡が り部分36を有する。)。 或いは又、焦点F1が同じであるが、短軸に対する長軸の比が異なる第2の楕 円12’を存在させることができる。この楕円は同じ第2の焦点F2を有するこ ともでき、或いはそうでない場合もあり得る。それ故に、この点Pより上方の部 分は、図1により明らかなように、点Pの下方の部分とは異なる。図7に示した 更にもう一つの条件において、図1に示したようなアーク20及び16は、点P よりも上方の凹形部分が点Pの下方の角β’よりも大きな角β″を有するように S1及びS2以外の平面S1’及びS2″により規定することができる。これらの条 件は図7に最も良好に示した。 使用に際して、音響リフレクタは、上述して明らかにした原理により動作する 。特に、変換器30を、焦点F1に配置して作動するので、回りの空気中に生じ る音波は反射表面10に向かって指向される。楕円の特性により、楕円上の任意 の点Cから第2の焦点F2までの距離を加えた、焦点F1から楕円上の任意の点C までの距離は、一定であって、又楕円の長軸の長さに等しい。その結果、変換器 30から1点として同時に放出された面10で反射し、第2の焦点F2を通過す る全ての音波は、同じ距離を移動して同位相で焦点F2に到達する。本発明にお いては、変換器からリスナに直接伝藩する音波が、先行技術の場合のように反射 音と干渉することはないが、むしろ反射音によりほぼ同位相で付加されることが 判明した。これにより生じたレスポンスは良好に動作し、先行技術の装置におい ては明らかである櫛型ろ波の効果はない。従って、焦点F2での音波の干渉によ る変質或いはパワー損失はない。その結果、この表面からの反射音の忠実度は、 先行技術により設計された表面よりも著しく高い。 図6は、記載したばかりの2つの反射表面のレスポンスのグラフである。この グラフは、400乃至20000Hzの周波数に対する音圧レベル〔デシベル( y軸方向)〕のプロットである。これにより明らかなように、レスポンスは40 0乃至約1600Hzまでほぼ一定である。 本発明は、好適な実施例を記載すると共に、本発明を限定する添付した請求項 にのみ限定される。
【手続補正書】 【提出日】1998年6月23日(1998.6.23) 【補正内容】 【図2】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.楕円の一方の焦点F1を通る線Lに関してほぼ180゜に亘りこの楕円を回 転させることによって形成した回転面を有する音響リフレクタであって、前記線 Lが前記楕円の長軸Aと角度αで交差し、前記線Lが前記楕円と点Pで交差し、 前記回転面が、一端側において焦点F1付近で線Lと交差し且つこの線Lに垂直 な平面Tによって一端で境界し、前記表面は他端側において点Rにおいてで前記 線Lに垂直な平面Bによって境界を成し、前記点Rは前記一方の焦点から延在し 、前記点Pを通過し線Lと一致するライン上に存在し、前記点Rが前記楕円の外 側に位置し、前記面が一対の平面S1及びS2によりその各側で境界を成し、平面 S1及び2によってこれら平面の交差部分で線Lと一致する線を形成し、前記平面 S1及びS2が角度βで交差する音響リフレクタ。 2.前記角度αを20゜と60゜との間に存在させたことを特徴とする請求項1 に記載の音響リフレクタ。 3.前記角度βを140゜と220゜との間に存在させたことを特徴とする請求 項1に記載の音響リフレクタ。 4.前記角度αを30゜と60゜との間に存在させ、前記角度βを140゜と2 20゜との間に存在させたことを特徴とする請求項1に記載の音響リフレクタ。 5.請求項1に記載の音響リフレクタにおいて、送波変換器がF1に配置されて いる音響リフレクタ。 6.平坦な基部、頂部、及び前記基部を頂部に連結する背面を有する立体構造部 材と、前記背面に位置決めされ前記頂部まで続く反射面とを具え、前記反射面が 軸線を中心にして回転した楕円の回転面として形成され、この楕円が第1の及び 第2の焦点を有し、前記軸線が楕円の第1の焦点を通過し、この軸線の前記平坦 な基部と直交すると共に楕円体と点Pにおいて交差し、前記楕円体の長軸が前記 回転軸線と鋭角で交差し、前記第2の焦点が前記基部付近に接近すると共に第1 の焦点は前記基部の端部付近に接近し、前記反射面が点Pの上側の回転面の外側 に位置すると共に点Pの下側の楕円回転面の外側に位置する音響リフレクタ。 7.請求項6に記載の変換器リフレクタであって、前記後方パネルにほぼ平行で あり且つ回転軸線を含む平面により各々形成されて点Pを通る第1及び第2の側 方パネルを更に含む当該変換器リフレクタ。 8.線Pを通る平面により形成された第1及び第2の平坦な側方パネルを更に含 み、前記回転軸線が前記平面内にあることを特徴とする請求項6に記載の変換器 リフレクタ。 9.請求項6に記載の変換器リフレクタであって、前記第1及び第2のパネルを 前記後方壁に接続する側方壁を更に含むことを特徴とする当該変換器リフレクタ 。 10.前記一つの焦点に配置された変換器を含むことを特徴とする請求項6に記 載の変換器リフレクタ。 11.音波を発生する変換器を前記第1の焦点に配置したことを特徴とする請求 項6に記載の音響リフレクタ。 12.楕円の前記長軸と回転軸線とが交差する角度が20゜と60゜との間にあ ることを特徴とする請求項6に記載の音響リフレクタ。 13.第1及び第2の側方パネルが160゜と220゜との間の角度を成して回 転軸線で交差することを特徴とする請求項8に記載の音響リフレクタ。 14.請求項8に記載の音響リフレクタであって、線Pを通る平面により形成さ れた第3及び第4の平坦な側方パネルを更に含み、前記回転軸線が前記平面内に 存在し、前記第1及び第2の側方パネルにより点Pの上方に反射表面を規定し、 前記第3及び第4の側方パネルにより点Pの下方に反射表面を規定する、当該音 響リフレクタ。
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