JP2000500876A - センサ素子の、高温で安定した電気的な接触結合部及びその製法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 センサ素子（１６）の電気的な接触結合部とその製法が提案される。センサ素子（１６）は接点箇所（５２）を備えた接続側の部分を有しており、この接点箇所（５２）がそれぞれ１つの接点部分（５０）に接合により接触結合される。接点部分（５０）は少なくとも接続接点（５２）に結合される部分に層（６０）を備えており、この層を介して、接点部分（５０）と接続接点（５２）との間の接合による結合が実現される。接点部分（５０）は拡散ろう接もしくは拡散溶接により接点箇所（５２）に結合される。

Description

【発明の詳細な説明】 センサ素子の、高温で安定した電気的な接触結合部及びその製法 従来の技術 本発明は請求項１及び８の上位概念に記載した形式の、センサ素子の電気的な 接触結合部及びその製法に関する。 燃焼機関の排ガス中の酸素含有量を決定するための面状のセンサ素子はセンサ 信号の取出しと、表面におけるヒータ電圧の供給とのために接触結合部を必要と する。燃焼機関の排気装置内にセンサ素子を使用するため、接触結合部はほぼ７ ００℃までの温度にさらされる。接触結合部はこの高温度範囲内で電気的かつ機 械的な確実な結合を保証しなければならず、かつ製作時の簡単かつ確実な取り扱 いを可能にしなければならない。 国際公開第９５／１８９６５号パンフレットによれば、ガスセンサのセンサ素 子の電気的な接触結合部が公知であり、この接触結合部では接点部分がレーザ溶 接による接合によりセンサ素子の接続接点に接触結合されている。その場合、金 属素材のままの接点部分が接続接点に溶接される。 発明の利点 請求項に記載の特徴要件を有する本発明が有する利 点とするところは、電気的かつ機械的な確実な結合が形成され、この結合が少な くとも７００℃の温度範囲に耐え得ることにある。この接触結合部は製作技術的 に簡単に取り扱い可能である。 従属請求項に記載の手段は本発明に基づく接触結合部の有利な実施例及び改善 をもたらす。接点部分が接続接点とのろう接もしくは溶接時には結束されており 、要するに個々の接点部分が１つの金属バンドを介して互いに結合されていて、 かつ、ろう接もしくは溶接の後には金属バンドから分離されるようにすれば、接 点部分の特別簡単な製作技術的な取り扱が可能である。拡散溶接もしくは拡散ろ う接によって特別確実な結合が得られる。 図面 本発明の実施例が図面に示されており、以下に詳しく説明される。第１図はガ スセンサの断面を、第２図は第１実施例に基づくセンサ素子の接触結合部の平面 図を、第３図は第２図に基づく接触結合部の拡大側面図を、第４図は第２実施例 に基づくセンサ素子の接触結合部の斜視図を、かつ第５ａ図から第５ｄ図までは 第２図及び第３図に基づく接触結合部の製作のための製作技術的なプロセスを示 す。 実施例 電気化学的な酸素センサ１０が排気管１１内に挿入されており、この酸素セン サが測定ガス側の金属製のケーシング部分１２と接続側の金属製のケーシング部 分１３とを備えており、これらの両ケーシング部分はあいまって１つのケーシン グ１４を形成している。ケーシング１４内には、測定ガス側の部分１７と接続側 の部分１８とを備えた面状のセンサ素子１６が配置されている。測定ガス側のケ ーシング部分１２は例えば両側で開いている管エレメントから成り、この管エレ メント内に２つのセラミック成形部分３３と、例えばステアタイト粉末から成る １つのシールエレメント３４がセンサ素子１６を気密に保持している。センサ素 子１６は測定ガス側では、ガス入口及び／又はガス出口のためのガス開口２７を 備えた二重壁状の保護管２６によって囲まれている。 接続側のケーシング部分１３は同様に管状に形成されていて、シールフランジ １９を備えている。接続側のケーシング部分１３は、測定ガスに近い方の端部で 、環状の溶接ビードにより測定ガス側のケーシング部分１２に気密に溶接されて いる。反対側の測定ガスから遠い方の端部のところにはケーシング部分１３に、 開口３７を備えた減径した部分３６が形成されている。開口３７内には例えば金 属製の外套管３８が溶接されている。この外套管３８内には、それぞれ１つの電 気的な導体４１と導体絶縁４２とを備えた接続ケーブル４０が案内されている。 接続ケーブル４０の導体４１は接点部分５０に結合されている（第２図）。 排気管１１に開口１５が設けられており、この開口内に、円筒形の接続部材２ １が挿入されて気密に溶接 されている。この接続部材２１は環状面２２を備えており、この環状面上にシー ルフランジ１９が載着されている。接続部材２１上にはユニオンナット(Ueber-w urfmutter)２３がねじはめられており、このユニオンナットがシールフランジ１ ９に作用してこれを接続部材２１の環状面２２に圧着させている。 接点部分５０の第１実施例が第２図及び第３図に示されている。センサ素子１ ６は、センサ素子１６内へ組み込まれた図示されていない電極のために、かつ同 様にセンサ素子１６内に組み込まれた同様に図示されていない抵抗ヒータのため に、接続側の部分１８のところでその表面に形成された接点箇所５２を備えてい る。この接点箇所５２は例えば少なくとも９５％のプラチナを含む焼結されたプ ラチナサーメットから成っている。第２図及び第３図に基づく実施例では４つの 接点箇所５２が設けられており、その場合、センサ素子１６のそれぞれの側にそ れぞれ２つの接点箇所５２が設けられている。 ４つの接点箇所５２はそれぞれ１つの接点部分５０に接触結合される。接点部 分５０はそれぞれ１つのセンサ素子側の部分５５と、接続側の部分５６と、これ らの間に配置された湾曲状の中間部分５７とを備えている。接続側の部分５６に は接続ケーブル４０の電気的な導体４１が溶接されている。湾曲状の中間部分５ ７は熱的及び又は機械的な膨張及び運動の補償のために役立っている。接点部分 ５０は例えばニッケル又は ニッケル合金から成る。 第２図及び第３図に基づく実施例では、接続側の部分５６はセンサ素子側の部 分５５の配置に対応して位置決めされており、その場合、それぞれ２つの接続側 の部分５６が互いに向き合って位置している。 接点部分５０は第３図によれば、少なくとも接点箇所５２に結合されている面 にそれぞれ１つの層６０を備えている。この層６０は、使用される接合法に応じ て銀、金、銅又はパラジウム又はこれらの金属の合金、又はパラジゥム・ニッケ ル合金から成る。この層６０の層厚は１から５０μｍまでである。この実施例で は層６０は金から成っていて、電気的に析出されており、その場合、層厚は１か ら２μｍまでである。 接点部分５０を実現するための第２実施例が第４図から明らかとなる。この場 合、同様にそれぞれ対向して位置する２つの接点部分５０がセンサ素子１６の接 点箇所５２に接触結合されている。第２図に基づく実施例に対比して異なる点は 、この場合には接続側の部分５６が互いに横並びに面一に位置していることにあ る。第４図に基づく接点箇所５２の配置は、電極のプラス接続部とヒータ素子の プラスの接続部とが互いに横並びに位置しないように選択されている。 材料接続的な結合は有利には拡散溶接もしくは拡散ろう接により行われる。し かしまた、材料接続による結合は硬ろうにより実現されることもでき、その場合 、層６０は例えば溶加された耐熱性のろうから成る。 接触結合部の製作のための製作技術的なプロセスが第５ａ図から第５ｄ図まで に示されている。第５ａ図は接続側の部分１８に配置した接点箇所５２を備えた センサ素子１６を示す。センサ素子１６の反対側には別の２つの図示されていな い接点箇所が設けられている。第５ｂ図によれば接点部分５０は接点部分対６５ としてまとめられており、かつ金属バンド６６に結合されており、このことによ り、接合箇所へ接点部分５０を結束状態で供給することが可能である。第５ｃ図 によれば接点部分対６５のセンサ素子側の部分５５がセンサ素子１６の接点箇所 ５２上にもたらされる。接点部分５０はこの位置で接点箇所５２に接合される。 溶接もしくはろう接過程の終了後に、接点部分対６５は分離箇所６７のところで 金属バンド６６から分離される。これまで記載したこの製作プロセスにより、セ ンサ素子１６はまず始めに一方の側でのみ接点部分５０に接触結合される。次い で、センサ素子１６の反対側の接点箇所５２が同様形式で接点部分５０に結合さ れる。 接触結合部の製作技術的な実現の別の可能性は、接点部分がセンサ素子を予負 荷状態で受容することができるように、接点部分５０を予め組立てられた状態で 互いに結合して少なくとも１つの対向して位置する接点部分対を形成させること にある。このように予め製作された接点部分５０がセンサ素子１６に差しはめら れ、その際、ばね作用にもとづき接点箇所５２に圧着 される。このことにより、センサ素子１６のところでの接点部分５０の位置固定 が、実施されるべき接合法のために可能となる。 接点部分５０に接触結合されたセンサ素子１６は最終的に測定ガス側のケーシ ング部分１２内に挿入され、このように組付けられた状態で接続ケーブルに接触 結合される。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ヨハン ヴェールマン ドイツ連邦共和国 Ｄ−70184 シュツツ トガルト シュヴァーレンベルクシュトラ ーセ 172 (72)発明者 ハインツ アイゼンシュミット ドイツ連邦共和国 Ｄ−85139 ヴェット シュテッテン イルズングシュトラーセ ７

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．接点部分に材料接続的に接触結合された少なくとも１つの接続接点とセンサ 素子との電気的な接触結合部において、接点部分（５０）が、少なくとも接続接 点（５２）に結合される部分に層（６０）を備えており、この層を介して接点部 分（５０）と接続接点（５２）との間の材料接続による結合が実現可能であるこ とを特徴とする、センサ素子の、高温で安定した電気的な接触結合部。 ２．接点部分（５０）が、センサ素子側の接触結合部部分（５５）と、接続側の 接続部分（５６）と、これらの間に配置された湾曲状の中間部分（５７）とを備 えており、接触結合部部分（５５）が少なくとも部分的に面状に接続接点（５２ ）上に載着されていることを特徴とする、請求項１記載の電気的な接触結合部。 ３．複数の接点部分（５０）が予め組立てられた状体で１つの金属バンド（６６ ）を介して互いに結合されており、かつ、金属バンド（６６）と接点部分（５０ ）との間に分離箇所（６７）が設けられていることを特徴とする、請求項１記載 の電気的な接触結合部。 ４．接点部分（５０）が、予め組立てられて状態で互いに結合されていて、互い に向き合って位置する少なくとも１対の接点部分を形成しており、これによ って、センサ素子（１６）がこの接点部分対のばね作用にもとづいてこの接点部 分対の接点部分（５０）の間に締付け可能であることを特徴とする、請求項１記 載の電気的な接触結合部。 ５．層（６０）が銀、金、銅又はパラジュウム、又はこれらの金属の合金又はパ ラジュウム・ニッケル合金から成ることを特徴とする、請求項１記載の電気的な 接触結合部。 ６．層（６０）の層厚が１から５０μｍまで、有利には２から１０μｍまでであ ることを特徴とする、請求項１記載の電気的な接触結合部。 ７．接点箇所（５２）が、焼結後に少なくとも９５重量パーセントのプラチナを 含むサーメット材料から成ることを特徴とする、請求項１記載の電気的な接触結 合部。 ８．請求項１から７までのいずれか１項に記載した電気的な接触結合部の製法に おいて、接点部分（５０）に拡散活性的な層（６０）を備え、かつ、接点部分（ ５０）をこの拡散活性的な層（６０）を介して拡散ろう接もしくは拡散溶接によ りセンサ素子（１６）のそれぞれの接点箇所（５２）に結合することを特徴とす る、電気的な接触結合部の製法。 ９．複数の接点部分（５０）を１つの金属バンド（６７）に結合し、これにより 複数の接点部分（５０）を結束状態で接点箇所（５２）に供給し、かつ接触結合 部の後に接点部分（５０）を金属バンド（６６ ）から分離することを特徴とする、請求項８記載の製法。