JP2000500480A - ペルフルオロアルキル化に使用する方法及びこの方法に使用する反応物 - Google Patents

ペルフルオロアルキル化に使用する方法及びこの方法に使用する反応物

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JP2000500480A JP9519458A JP51945897A JP2000500480A JP 2000500480 A JP2000500480 A JP 2000500480A JP 9519458 A JP9519458 A JP 9519458A JP 51945897 A JP51945897 A JP 51945897A JP 2000500480 A JP2000500480 A JP 2000500480A
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Abstract

(57)【要約】 ペルフルオロアルキル化方法及びそれに使用する試薬を開示する。この方法は、極性の無水媒体中で、式:RfH により表される物質及び塩基(又は塩基を発生することができる化学種)を少なくとも1個の求電子性官能基を有する基質に接触させることを含む。この方法は有機合成に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】 ペルフルオロアルキル化に使用する方法及びこの方法に使用する反応物 本発明の主題は、ペルフルオロアルキル化に使用する方法及びこの方法に使用 する反応物である。本発明は、より詳細には、少なくとも1個の求電子性官能基 を含む化合物に置換ジフルオロメチル基をグラフト化するための反応物及び方法 に関する。本発明は、さらに詳細には、典型的には有機金属誘導体を用いて実施 される付加又は求核性置換反応により種々の化合物をペルフルオロアルキル化す る技術に関する。 ペルフルオロアルキル化技術又はそれと同等の技術は、一般的に、亜鉛の存在 下でヨウ化ペルフルオロアルキル型の誘導体を使用する。従って、この技術は費 用がかかり、それと同時に亜鉛が河川の重大な汚染物質であることから処理する ことが望ましい金属廃棄物の処理のためのプラントを必要とする。 ペルフルオロアルキル基が有機金属型の安定化された反応性中間体を形成しな い他の技術は、一般的に、反応混合物中の遊離ペルフルオロアニオンの非常に低 い安定性のために使用することが困難である。後者の技術では、一般的に、カル ベン型の生成物が生じ、これらが反応するとそれらの置換基のうちの1つが失わ れる。 このため、本発明の目的のうちの1つは、亜鉛のような遷移金属の有機金属誘 導体に頼らずに、カルボアニオンを必要とする種類の機構によりペルフルオロア ルキル化を可能にする反応物を提供することである。 二酸化炭素の遊離によりペルフルオロカルボン酸からカルボキシ ル断片を脱離させることを目的とする分解反応を使用することによって、ペルフ ルオロアルキル基の供給源、より一般的にはトリフルオロメチル基の供給源とし てペルフルオロカルボン酸を使用することがしばしば試みられてきた。しかしな がら、成功したものは非常に複雑であり、特に複雑な触媒系を使用するものであ った。さらに、前記ペルフルオロカルボン酸の分解により生成するペルフルオロ アルキル基又はそれらの等価物は反応混合物中で不安定であり、安定剤の使用を 必要とする。 最近、J.Org.Chem.,1991,56,2-4に掲載されている「A Novel Trifluoromet hylation of Aldehydes and Ketones Promoted by an Electrogenerated Base」 と題する論文で Shonoは、フルオロホルムからペルフルオロメチル化反応を実施 することを試みており、第4級アンモニウムカチオンとの組み合わせでピロリド ニルアニオンからなる塩基の不在下で、この塩基が電気分解により生じるという 明白な状況では、肯定的な結果を得ることは非常に困難であることを示している 。 この比較研究中に、試験反応として、いわゆるバルビエール(Barbier)法(以 下に詳細を記す)によるベンズアルデヒドのトリフルオロメチル化によって、こ の著者は、他の塩基から得られた結果は収率がゼロであるか又は不十分であり、 副反応、特にカニッツァーロ(Cannizzaro)反応(安息香酸及びベンジルアルコ ールに対するベンズアルデヒドの不均化)が支配的であるという結論を下してい る〔普通の塩基(カリウムt−ブトキシド、水素化ナトリウム等)に対する手順 はそこに記載されていない〕。 しかしながら、この著者により述べられている電気分解により生成する塩基を 使用する手法は、一方では、複雑な装置を必要とし、他方では、再現性に問題が あるため慎重さを必要とし、工業規模に 拡大することが極めて困難である。結局、非常に吸湿性の高い第4級アンモニウ ム化合物の使用には、多大な配慮を伴う。 本発明は、環境に対して無毒であり、かつ、十分な収率で所望の生成物をもた らすことのできる反応物を提供することによって、現存する方法の欠点を解消す る。これらの目的及び以下に示す他の目的は、極性かつ非プロトン性又はほんの 僅かにプロトン性の媒体中で、式:RfH により表される物質及び塩基(又は、例 えばトルエン 強塩基を生成することができる化学種、そのような化学種の例としてアルカリ金 属又はアルカリ土類金属を挙げることができる)を、少なくとも1個の求電子性 官能基を有する基質に接触させる工程であって、前記基質が塩基感受性のあるも のであれば基質の添加が最後に実施されず、 ◆ 一方では最終成分の添加の少なくとも90%が実施され、他方では反応混合 物が−20℃以下、都合良くは−30℃以下の温度に少なくとも1/2時間(添加時 間を含む)保たれるように、前記添加を実施し、次に前記添加後に任意に反応を 続けさせること; ◆ 又は、下記条件: ⇒ 含水率が200ppm以下(有効数字2桁)、都合良くは100ppm以下(有効数 字2桁)、好ましくは50ppm以下(有効数字1桁)の値に制限されること; ⇒ 又は、塩基の量が、0℃以下の温度で前記基質に対する化学量論的な量 の 1.3倍以下であるか、さもなくば20℃以下の温度で前記基質に対する化学量論 的な量の1.1倍以下であること; のうちの少なくとも一方、好ましくは両方の条件を満足させること; のいずれかにより前記接触を実施する工程を含む方法により達成さ れる。 上記条件は、前記基質が塩基感受性のないものである場合でも好ましいことに 注目すべきである。しかしながら、経済的な条件である場合には、最適な条件か ら幾分離れることにより反応を実施することが都合良い場合がしばしばあろう。 (無水状態の好ましい範囲を参照されたい。) 本明細書の記載において、H−Rfは式: H−(CX2)p−EWG (II) (式中、互いに同じであるか又は異なるXは、フッ素、若しくはnが5以下の整 数、好ましくは2以下の整数である式: CnF2n+1により表される基、又は塩基を 表し; pは、1以上2以下の整数を表し; EWGは、電子吸引性基を表し、この電子吸引性基として可能な官能基は反応条 件下で不活性なものであり、都合良くはフッ素又はnが8以下、都合良くは5以 下である式: CnF2n+1により表されるペルフルオロ残基であり; ただし、Xが同一炭素上で同時に塩素であることができる。水素原子を有する 炭素に塩素以外の2つのXが存在する場合が特に好ましい。) により表される基を意味する。 X及び EWGのうちの少なくとも1つ、都合良くは少なくとも2つが(塩基又は フッ素の)原子であることも望ましい。 Rfの全炭素数は1〜15であることが都合良く、1〜10であることが好ましい。 本発明の反応物である物質 RfHにおいて、ジフルオロ炭素原子に対して電子吸 引効果を発揮する EWGは、ハメット定数σpが少なくとも 0.1に等しい官能基か ら選ばれることが好ましい。さらに、σp の誘起成分σiは少なくとも 0.2、都合良くは少なくとも 0.3であるべきである 。このことに関し、「Advanced Organic Chemistry」第3版、John Wiley and S ons、第 242〜250 頁に記載の Marchによる研究結果、特にこのセクション中の 表4を参照されたい。 特に、電子吸引性のものは、ハロゲン原子、好ましくは軽いハロゲン原子〔特 に塩基及びフッ素〕から選ぶことができる。対応する物質 RfHは、pが1に等し い場合に、ハロホルムである。 EWGは、ニトリル基、カルボニル含有基、スルホン化された基及びペルフルオ ロアルキル含有基から都合良く選ぶことができる。 使用することができるこの種の式:RfH により表される好ましい物質は、式: R−G−CF2−Hに対応する。 ここで、 ・ Gは式:−Z−G′−により表される二価基を表し、この式の中で、 ◆ 二価のZは単結合、カルコゲン原子又は二価残基−Y(R′)−〔式中 、R′は10個以下、都合良くは6個以下、さらに都合良くは2個以下の炭素原子 を含む炭化水素含有基であり、Yは第V族の半金属(窒素、リン等)である〕を 表す; ◆ G′は>C=O,>S=O,−SO2−又は−(CF2)n−〔式中、nは1以 上の整数である〕を表す; ・ Rは、区別なく有機又は無機残基、アラルキルを包含する好ましくはアリ ール又はアルキルのような有機基であり、任意に置換されていてもよい。Rは固 体無機又は有機担体、例えば樹脂である; ・ 又は、R−Gの組み合わせはニトリル、エステル又はスルファミド基を包 含するアミド基(都合良くは水素を有しない)を表す。 Gがペルフルオロアルキレン基−(CF2)n−を表す場合に、nは都合良くは1〜 10の値、好ましくは1〜5の値である。しかしながら、この場合において、Rは ハロゲン原子、特にフッ素を表すこともあり得る。 例えば、本発明の都合良い代替的形態によると、式:RfH により表される前記 物質は、 EWGが式III: R−CnX′2n− (III) (式中、nは5以下の整数であり; Rは水素、1〜10個の炭素原子を含むアリール及びアルキルのような炭化水素 含有基、並びに軽いハロゲン(塩素又はフッ素、都合良くはフッ素)から選ばれ ; 互いに同じであるか又は異なるX′は、軽いハロゲン(塩素又はフッ素、都合 良くはフッ素)、又はmが5以下、好ましくは2以下の整数である式: CmF2m+ 1 により表される基を表す) により表される電子吸引性基を表す式IIに対応する。 Rが水素を表す場合、反応はより複雑であり、前記物質は幾つかの末端で反応 することができ、反応物同士の比は、化学量論でのこの反応性を考慮したもので なくてはならない。この物質の多価性(polyvalence)は欠点となる場合があり、 このため、Rにとって価値 X及びX′の少なくとも3/4、都合良くは少なくとも9/10、好ましくは全 て、場合に応じて1未満はフッ素又はペルフルオロアルキル(厳密には、CνF2 ν+1 型の一般式により表されるもの)であるべきである。 前記塩基と会合した酸が少なくとも15のpKaを有することが都合よい。 しかしながら、良い結果を得るには、少なくとも1個の求電子性 官能基を有する前記基質が非常に好ましいもの(α位に酸性水素を有しないアル デヒド又はケトン)であるか、又は前記塩基と会合する酸が、少なくとも20、都 合良くは少なくとも25、好ましくは少なくとも30に等しいpKaを有することが必 要である。 さらに、塩基が上記値のうちの小さな値の領域に属するものである場合には、 前記塩基は、反応条件下で揮発性である会合した酸を有することが望ましい。 都合良くは、前記極性の無水媒体は、前記物質 RfH及び前記基質を考慮に入れ ずに、その媒体中に存在する最も強い酸が少なくとも25、都合良くは少なくとも 30、好ましくは35のpKaを有するようなものである。 この媒体がより非プロトン性の高いものであるほど、すなわち反応物中に放出 されうるそのプロトンの含有量がより少ないほど、副反応のおそれはなくなり、 収率が向上する。 従って、反応物中の活性水素原子の含有量は、前記塩基又は過剰でない前記物 質の初期含有量の(モル数で)1/3以下、都合良くは1/4以下、好ましくは 10%以下であることが好ましい。 この効果は、反応がおよそ240°Kよりも高い温度で実施される場合に特に重 要である(本明細書の記載において、「およそ」なる語句は、値の最も右側にあ る数字がゼロである場合に、これらのゼロは位取りのためのゼロであって、有効 数字ではないことを強調するために使用する。当然のことながら、他に断わらな い限り同様とする。)。 活性水素原子を含む主たる不純物は、分子当たり2個以下の水素原子を放出す ることができる水である。 この理由から、基質及び前記物質 RfHを含む前記極性媒体は無水物であること が都合良い。すなわち、前記極性媒体は、導入される 塩基の量の1/3未満、都合良くは1/4未満、好ましくは1/10未満のモル量 の水を含む。無水状態に関するこの制約は、反応が240°K(有効数字2桁)未 満の温度で実施される場合には、当該方法にとってあまり重要ではない。 概して、反応物中の重量での含水量が反応物の全重量に対し、100当たり1以 下、都合良くは1000当たり1以下、好ましくは10,000当たり1以下であるように 、慎重に脱水された反応物及び溶剤を使用することが好ましい。 さらに、他の元素、すなわち2つの安定な原子価状態を有する遷移元素、例え ば銅は好都合なものでないどころか、有害である。 本発明のこの反応物は触媒を必要しないが、そのような金属元素は特に溶剤に より導入される不純物として存在しうる。 従って、これらの元素のモル含有量は、前記物質 RfHの初期含有量に対し、10 00ppm 未満、都合良くは100ppm未満、好ましくは10ppm 未満であるべきである。 また、特定の基質を促進させるため及び反応の特定の種類を促進させるために ペルフルオロアルキル化剤と共に元素の周期表の第VIII族の元素を使用すること がしばしば推奨されてきたが、このことが上記反応にとって特に好都合であると は証明されていない。 この理由から、第VIII族の金属、特に白金、オスミウム、イリジウム、パラジ ウム、ロジウム及びルテニウムからなる白金族金属を含まない反応物を使用する ことが好ましい。 本明細書の記載において、補足のために元素の周期表が掲載され 66年1月を言及しておく。 例えば、第VIII族の金属でもある白金族金属の含有量は、100ppm未満、都合良 くは10ppm未満、好ましくは1ppm未満であることが好 ましい。これらの値は、始めの塩基に対してモルで表した量である。 より一般的かつより経験的には、これらの2つのカテゴリーに属する金属、す なわち2つの原子価状態を有する遷移金属元素及び第VIII族元素は、モル基準で 1000ppm以下、好ましくはモル基準で10ppm 以下の全濃度レベルで反応物中に存 在すべきである。 そのような全濃度レベルで存在する別の金属は非常に少量であり、この観点か ら、それらは触媒作用を果たさない。別の金属の存在は、反応の動力学を改良し ないばかりでなく、非常に多量に存在する場合には、反応の動力学に有害である 。 上記反応物構成成分に加え、フッ素化カルボキシレートを使用する反応系に通 常存在するアルカリ金属フッ化物又は第4級ホスホニウムフッ化物〔第4級アン モニウムフッ化物型の化合物の生成が観察される場合には、第4級アンモニウム フッ化物も〕は有害なものであると証明されていないが、特に処理することが困 難な塩類排液を生じるという事実のために、ほとんど利点がないことが概して証 明されている。この理由から、それらの含有量、特にそれらの初期含有量を制限 することが好ましい。従って、イオン性、すなわち反応物の極性媒体中でイオン 化されうるフッ化物の含有量は、最大でも前記物質 RfHの初期モル濃度に等しい ことが好ましく、その半分であることが都合良く、その1/4であることが好ま しい。 前記極性媒体は溶剤を含みことができる。 繰返しになるかもしれないが、溶剤(幾つかの構成成分からなりうる)は使用 温度で液体でなくてはならない。 特に、前記溶剤は、10°以下、都合良くは0℃以下、好ましくは−10℃以下の (溶剤から固相の外観が生じる)凝固開始点を有することが望ましいことを示し ておく。より広いH+及び/水の許容範 囲で実施することが望ましい場合には、−30℃以下の(溶剤から固相の外観が生 じる)凝固開始点を有する溶剤を選択することが推奨される。 例えば、溶剤自体は混合物からなる。これらの混合物は、特に、極性溶剤及び 以下で希釈剤として説明する無極性であるか又はほんの僅かに極性の溶剤を含み うる。 上記のように、溶剤は、本発明において重要な役割を果たすものであって、非 プロトン性かつ都合良くは極性のものであって、酸性水素を有する不純物をほと んど含まないものでなくてはならない。 従って、使用することができる極性非プロトン性溶剤は実質的な双極子モーメ ントを有することが好ましい。例えばその比誘電率εは都合良くは少なくともお よそ5である。εがおよそ50以下5以上であることが好ましい(本明細書の記載 において、「およそ」なる語句は、値の最も右側の数字がゼロである場合に、こ れらのゼロは位取りのためのゼロであって、有効数字ではないことを強調するた めに使用する。当然のことながら、他に断わらない限り同様とする。)。 さらに、本発明の極性溶剤は、カチオン(本発明の溶剤のドナー数Dにより符 号化することができる)を溶媒和することができるものであることが好ましい。 例えば、これらの溶剤のドナー数Dは好ましくは10〜30、都合良くは20〜30であ る。前記ドナー数は、前記極性非プロトン性溶剤と五塩化アンチモンを混合する 際のキロカロリーで表されるΔH(エンタルピーの変化分)に対応する。Christ ian Reichardtによる研究結果〔Solvents and Solvent Effects in Organic Che mistry,VCH、第19頁(1988)〕では、このドナー数は、希ジクロロメタン溶液 中での溶剤と五塩化アンチモンの間の負の相互作用エンタルピー(−ΔH)(kcal /mol)として定義されてい る。 クリプタンド類の利点のうちの1つは、高ドナー数の溶剤から少なくとも部分 的に遊離させることができることである。 本発明によると、反応物は、それを含む極性の溶剤又は複数の溶剤に酸性水素 を反応物に与えないことが好ましい。特に、溶剤又は複数の溶剤の極性が電子吸 引性基の存在により得られる場合には、電子吸引性官能基に対して水素がα位に 存在しないことが望ましい。 より一般的には、溶剤の一次酸性度に対応するpKaは少なくともおよそ20(「 およそ」は最初の数字だけが有効であることを意味する)であることが好ましく 、少なくとも25であることが都合良く、25〜35の間にあることが好ましい。 前記塩基は、反応物を構成する媒体に部分的に可溶、好ましくは完全に可溶で あることが好ましい。式:RfH により表される前記物質についても同じことが言 える。 良い結果を与える極性溶剤は、特に、アミド型の溶剤でありうる。アミドは、 四置換ウレア及び一置換ラクタムのような特定の性質を有するアミドを意味する 。このアミドは置換されたもの(通常のアミドに対しては二置換されたもの)で あることが好ましい。例えば、N−メチルピロリドン若しくはN,N−ジメチル ホルムアミド又はN,N−ジメチルアセトアミドのようなピロリドン誘導体を言 及することができる。 他の特に好都合な極性溶剤の部類は、対称又は非対称な、鎖状又は環状のエー テルからなる。種々のグライム類、例えばジグライムのようなグリコールエーテ ルの種々の誘導体は、エーテルの部類に含まれる。他の部類としては、スルホキ シド、特にDMSOのようなスルホキシ化誘導体が挙げられる。 このように、それらの価格及びそれらの特性のために最も適する極性溶剤は、 エーテル類、特に THFのような環状エーテル類から、又はグライム類のような多 官能エーテル類から、酸性水素を有していないアミド類、例えば DMF又はDMEU( N,N′−ジメチルエチレンウレア)若しくはDMPU(N,N′−ジメチルプロピ レンウレア)のようなDAAU(N,N−ジアルキルアルキレンウレア)、及びピリ ジンのような塩基性の複素環式化合物、並びにこれらの混合物から都合良く選ば れる。 ドナー数と相関のある溶媒和作用を果たす適切な極性溶剤に加え、溶剤は、そ の特性を有しない希釈剤を含みうる。希釈剤の中で、アルカン又はアリール誘導 体のような脂肪族又は芳香族炭化水素に属するものを言及することができる。ア リールメタンにも言及するが、アリールメタンは、(反応条件下で不活性である ために)希釈剤として作用することも、塩基が現場(in situ)で調製される場合 には塩基の供給源として作用することもできる。 塩基を増強することができる対カチオンは、式:RfH により表される前記物質 の反応が起きるように、塊状であることが都合良い。従って、アルカリ金属塩、 都合良くはアルカリ金属がナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム及びフ ランシウムから選ばれるものが好ましい。前記金属は、ナトリウム、都合良くは カリウムの順位に少なくとも等しい順位の周期から選ばれる。第4級ホスホニウ ム塩も好ましく、第4級アンモニウム塩型の化合物の生成が観察される場合には 第4級アンモニウム塩も好ましい。 特に溶剤がエーテルであるか又は溶剤がエーテルを含む場合に、第4級ホスホ ニウム〔第4級アンモニウム型の化合物の生成が観察される場合には、第4級ア ンモニウムも〕のような本来塊状のものであるか、又はキレート化剤若しくは好 ましくは例えばクラウンエ ーテルのようなクリプタンド若しくはアミン基と酸素原子の両方を含む誘導体の 添加により塊状になるカチオンを使用することによって、反応を改良することも できる。それらは往々にして禁制の、非常に吸湿性が高いものであるという欠点 を示すが、徹底的な予防措置がとられることを条件として、第4級アンモニウム カチオン又は第4級アンモニウム官能基を有するカチオンを使用することができ る。 前記基質は、ハロゲン原子若しくは擬ハロゲン基が反応中に置換ジフルオロメ チル基により置換されるハロゲン化若しくは擬ハロゲン化炭化水素含有化合物、 特にアルキル、アリール若しくはアラルキルのハロゲン化物若しくは擬ハロゲン 化物、有機ケイ素化合物のハロゲン化誘導体、特にシラン若しくはシロキサンの ハロゲン化物、有機硫黄化合物のハロゲン化誘導体、特にスルフェニル、スルフ ィニル若しくはスルホニルのハロゲン化物、又はシアノ基が反応中に置換ジフル オロメチル基により置換されるチオシアネート型の化合物から選ぶことができる 。四面体型中間体が存在し、前記基質がフルオロアルキル化反応が付加中間体を 越えられない(又はかろうじて越える)ようなものである場合には、この種の基 質を変化させ、特に、四面体型中間体の安定な誘導体とすることができる。すな わち、Rf-を経ずに四面体型誘導体を経て求核置換が起こる。 上記化合物において、ハロゲン原子は、ヨウ素原子、臭素原子、塩基原子及び フッ素原子から選ぶことができる。「擬ハロゲン」基とは、アニオンの形態で出 発し、4未満、好ましくは3未満、特に0未満のpKaを有する会合した酸を有す る。 会合した酸が酢酸の酸性度以下の酸性度、都合良くはスルホン酸又はα−トリ ハロゲン化酸の酸性度以下の酸性度を有する基が好ましい。典型的な擬ハロゲン のうちの1つは、ペルフルオロアルカン スルホネートを放出するペルフルオロアルカンスルホニルオキシ基である。好ま しい擬ハロゲン基は、スルホネートに属する脱離基を与える基から選ぶことがで き、その典型は、それらが最もよく使用されることから、トシレート(p−トル エンスルホニルオキシアニオン又はp−トルエンスルホニルオキシレート)、メ シレート(メチルスルホニルオキシレート)、トリフレート(トリフルオロメチ ルスルホニルオキシレート)又はさもなくばα−ポリハロゲン化カルボキシレー トであり、この典型のうちの1つにトリフルオロアセテートがある。アシルオキ シレート基(すなわちカルボキシレート、例えばアセテート)もそのような脱離 基と見なすことができる。 しかしながら、本発明につながる研究の間に、前記基質が少なくとも1つの求 電子性官能基を付加により有しているのが望ましいということが示された。言い 換えれば、二重結合(ドナーアクセプター型のものを当然に包含する)または順 位が少なくとも3に等しい周期を有する半金属に属するタブレットを示す官能基 への付加により、上記反応が(いずれにしても遷移反応として)起こるのが望ま しい。 従って、本発明の特に好都合な実施化によれば、このような付加による求電子 性官能基は、場合に応じて1つ以上のエチレン型の結合と共役していてもよいカ ルボニルまたはチオカルボニル(>C=S)官能基、好ましい脱離基(上記を参 照されたい)を有するカルコゲニド(そのカルコゲンが少なくとも硫黄の原子順 位に等しい原子順位を有する)および特にジカルコゲニド(それらのカルコゲン が少なくとも硫黄の原子順位に等しい原子順位を有する)から選ばれる。 従って、上記反応体は、ケトン、アルデヒド、活性化エステル(または酸ハロ ゲン化物)または非活性化エステル型のカルボニル含 有化合物とも好都合に反応して、そのカルボニル官能基への付加が行われる。そ の反応生成物は、そのヒドロキシル官能基を有する炭素原子が置換ジフルオロメ チル基により置換されているアルコールまたはアルコキシドである。これらの過 渡的なアルコキシドは、加水分解後(一般に酸加水分解)、その置換化合物また は付加化合物を生ずる。アミドの場合は、四面体型中間体に関する経路にまで進 展する。 上記基質の求電子性官能基が上記塩基とのエステル交換反応を起こすおそれが ある場合には、以下の処置、すなわち ・脱離基の塩基性度を、反応体として最初に用いられる塩基のそれと同等か、 またはそれよりも大きくすること。 ・グリニャール(Grignard)型の反応体を使用する経路とすること。 の一方または両方を選ぶのが望ましい。 ある副反応を避けるためには、前記基質が、酸性ではないか、または少なくと も20、好都合には少なくとも25、好ましくは少なくとも30のpKaを有しているの が望ましい。 上記基質の全炭素数は、上記媒体における溶解度(好都合には少なくとも 0.1 、好ましくは1ミリモル毎リットルに等しい)による以外の制限をうけず、およ そ50個に及ぶこともできる。しかしながら、およそ30個の炭素原子を超えないの が好ましい。 上記反応は、一般に、上記反応の圧力条件下での上記媒体の融点から沸点の間 の温度において行われる。 より明確には、上記反応は、液相において、およそ− 100℃〜 160℃の間の温 度、好都合にはおよそ− 60℃〜 100℃の間の温度において行われる。 RfHが非 常に揮発性である場合には、蒸発を確実に無くすのが好ましく、これを行うため には、上記反応温度と上記沸 点との間の差が過度に大きくならないようにするのが賢明であり、より明確には 、(大気圧での)上記沸点+ 100℃(有効数字2桁)、好都合には上記沸点+80 ℃以下の温度において操作するか、または密閉容器中で操作するか、または前記 RfHの分圧を高くして操作するか、またはグリニャール法により操作するかのい ずれかとするのが望ましい。上記処置の少なくとも2つを組み合わせるのも可能 であり、むしろ好都合でさえある。 最後に、非常に無水の条件下でバルビエール型を用いる場合には、カルベンの 形成は、その温度によって促進される。このカルベンの形成はハロゲン化水素酸 の脱離と相互関係があり、それは、それらの副反応を促進する。このようなおそ れがある場合(本質的には、 RfHの炭素数が1に等しい場合、または EWGおよび /またはXが塩素である場合)には、高くとも室温(20℃)に等しい温度におけ る操作を避けるのが結果として好ましい。 上記基質が塩基分解しやすい場合には、高くとも室温に等しい温度において操 作するのも好ましい。カルベンの形成およびその基質の塩基に対する過敏性とい う2倍のおそれがある場合には、およそ10℃を超えないのが好ましい。本発明の 好都合な代替様式によれば、先ずその基質、次に物質 RfH、そして最後に塩基を 導入するように、その反応を行う。この代替様式は、これ以降、バルビエール代 替様式という表現で表す(“March”、第4版、第 921頁(ref.365)を参照さ れたい)。 本発明の特に好都合な実施化によれば、先ずその媒体中に物質 RfHまたは塩基 を、そして最後に基質を導入するように、その反応を行う。言い換えると、物質 RfH、塩基、そして適当な場合には、溶媒および/または希釈剤から反応体を生 じさせ、次にこの反応体を基質と反応させる。この代替様式は、これ以降、グリ ニャール代替 様式という表現で表す。 上記2つの代替様式においては、その反応体の最終成分を徐々に、好都合には 5〜300 分の時間をかけて導入するように、上記反応を行う。 前記塩基を徐々に、好都合には5〜300 分の時間をかけて導入するように、上 記反応を行う(下記反応体の説明を参照されたい)。 さらに、特に、「高い」温度(つまり、低くとも240°Kに等しい)において 上記反応を行う場合には、物質 RfHの塩基に対する比(RfH/塩基)を、少なく とも1、好都合には2に、かつ多くとも10に等しく、好ましくはその化学量論的 な量の少なくとも3倍以上5倍以下に等しくするのが望ましい。 とりわけ、主に上記バルビエール法に準じて上記反応を行う場合に、上記基質 が塩基分解されやすい際には、その量を制限、とりわけ過剰に制限するのが賢明 であり、従って、カニッツァーロ反応および/またはティチェンコ(Tishchenko )反応またはクロトン化反応を起こすことができるアルデヒドには見られること であるけれども、それらの基質が不均化反応を起こしやすい場合においては、塩 基の量を、その基質に対するS.A.(つまり、化学量論的な量)の4/3に、好 都合には5/4に、好ましくは 1.1に限定するのが賢明である。 特にアミド(好ましくは四面体型化合物の先駆物質として適するもの。下記を 参照されたい)の存在下における、いわゆるグリニャール法の使用は、上記問題 を本質的に克服し、大過剰の塩基および反応体の使用を可能にする。その場合、 20〜300 %の過剰が可能であるけれども、コストの理由から、一般におよそ 100 %の値に、それを限定するのが好ましい。もちろん、基質が塩基に対して過敏で ある場合にも、同じ値を適用することができる。 本発明のもう1つの目的は、ペルフルオロ化に使用することができる反応体を 提供することである。 この目的および後に明らかとなるであろう他の目的は、極性無水溶媒中で、初 めの式 RfHの物質および塩基(または塩基を発生することができる種)を含んで いる反応体によって達成される。 上記反応体は少なくとも1種の極性非プロトン溶媒をさらに含むことが好都合 である。 さらに、物質 RfHの上記塩基に対する比(RfH/塩基)は、その化学量論的な量 の3〜1/2倍であるのが望ましい。 上述したように、上記溶媒は本発明において重要な使用を果たし、非プロトン 性であり、好都合には極性であり、酸性水素を有する不純物をほとんど含んでい ないものでなければならない。 従って、使用することのできる上記極性非プロトン溶媒は、かなりの双極子モ ーメントを有しているのが好ましい。従って、その比誘電率εは少なくともおよ そ5に等しいのが好都合である。好ましくは、εは50(特に明記しない限り、本 明細書においては、位を表すゼロは有効数字とはみなさない)以下および5以上 である。 さらに、本発明の溶媒は、陽イオンを十分に溶媒和することができるものであ るのが好ましく、これらの溶媒のドナー数Dによって分類することができる。例 えば、これらの溶媒のドナー数Dは10〜30であるのが好ましい。前記ドナー数は 前記極性非プロトン溶媒と五塩化アンチモンとを混合する際のキロカロリーで表 されるΔH(エンタルピーの変化分)に相当する。 本発明によれば、上記反応体は、それが使用する極性溶媒または混合溶媒につ いて、酸性溶媒を有しないのが好ましい。特に、その溶媒または混合溶媒の極性 が電子吸引性基の存在により得られている場合には、その電子吸引性官能基に対 するα水素が無いのが望ま しい。 より一般には、上記溶媒の一次酸性度に相当するpKaが少なくともおよそ20( 「およそ」は、1つ目の数字だけが有効であるということを強調している)に等 しく、好都合には少なくとも25に等しく、好ましくは25〜35の間であるのが好ま しい。 前記酸または酸性塩および前記物質は、上記反応体を構成している媒体におい て、少なくとも部分的に、好ましくは完全に可溶性であるのが好ましい。 良好な結果を生ずる溶媒は、特にアミド型の溶媒であってもよい。アミドは、 特定の性質を有するアミド、例えば四置換ウレアおよび一置換ラクタムを意味す る。こののアミドは置換されているもの(普通のアミドの代わりに二置換アミド )が好ましい。例えば、ピロリドン誘導体(例えばN−メチルピロリドン)また はN,N−ジメチルホルムアミドまたはN,N−ジメチルアセトアミドを挙げる ことができる。 もう一つの特に好都合な溶媒の部類は、対称および非対称な、開環および閉環 のエーテルからなる。さまざまなグライム、例えばジグライムのような、グリコ ールエーテルの種々の誘導体も、エーテルの部類に組み込まれる。 従って、もっとも適当な溶媒は、それらの価格および性質の故に、エーテル、 特に THFのような環状エーテルから、またはグライムのような多官能エーテルか ら、酸性水素を有していないアミド類のもの(例えば DMFまたはDMEU(N,N′ −ジメチルエチレンウレア)若しくはDMPU(N,N′−ジメチルプロピレン尿素 )のようなDAAU(N,N′−ジアルキルアルキレンウレア、およびピリジンのよ うな塩基性を有する複素環式化合物から選ぶのが好都合である。 それらが用いられる場合、使用されるアミドは、上記反応体の形 成という、一見して思うよりも大きな役割を演じる。これは、それらのアミド中 で形成された反応体は、(特に、それらが下記四面体型化合物の式の先駆物質に 相当する場合には)それらの反応性種が、 CF3 -のそのカルボニル官能基の炭素 への付加化合物であり、その後者の官能基の酸素が陰イオンになっている反応体 であったということを証明することができるからである。それは、 CF3 -または より明確にはRf-のキャリアとしてはたらく化合物である。この新規な反応体の 重要な特徴は、結果として、この種が、その反応体において存在するということ である。本発明は、結果として、式(IV):Rf− C[O-(M+)][R13][N(R11)(R12)] の化合物を含んでいる反応体をも目的としている。もちろん、上式は他の鏡像異 性体をも目的としている。 この中間体は、フッ素 NMRにより同定することができる(ジメチルホルムアミ ドの場合、HCF3に関するδはおよそ1ppm 〔分解困難なタブレット〕である)。 この式において、M+は本説明において明記されている塩基に相当する好都合に は一価の陽イオンを表し、好都合にはアルカリ金属およびホスホニウムである。 Rfは既に上記に規定されており、R11,R12およびR13は炭化水素含有鎖また はアリール鎖を表しており、アルキルアリール鎖またはアルキル鎖を包含してお り、アラルキル鎖およびシクロアルキル鎖を包含しており、これらの鎖がお互い に連結されて1つ(またはそれ以上)の環を形成することもできる。R13に関し ては、絶対値で 0.2未満、好ましくは 0.1未満のハメット定数値を有する。 しかしながら、R13は、その好ましいとされる水素値(value hydrogen)をと ることができる。R13を満足するもう1つの値はアリール値(value aryl)であ り、そのハメット定数は、絶対値で 0.2未満、好ましくは 0.1未満であるのが好 都合である。 この中間体は、特に低温(例えば−10℃、好都合には−20℃、好ましくは−30 ℃)において良好な安定性を示す。 従って、本発明は、少なくとも1ミリモル毎リットル、好都合には5ミリモル 毎リットル、好ましくは10ミリモル毎リットルに等しい濃度で、少なくとも1種 の式IVの化合物を含んでいる上記タイプの反応体を目的としている。 この中間体は、上述のように、ペルフルオロアルキル化反応体として作用する けれども、結果として好都合な化合物、特にアルデヒド、o−シリル化誘導体、 亜硫酸水素塩誘導体またはo−アクリル化誘導体を生ずる反応中間体を構成する こともできる。 ペルフルオロアルキル化反応体として使用する場合に、上記R11,R12および R13基は、サイズが小さい、すなわち、それらがアルキルである場合には、それ らの炭素数は、多くとも6、好都合には多くとも3に等しいのが好都合であり、 好ましくはメチルであり、それらがアリール、好都合には(置換されているかま たは置換されていない)フェニルである場合には、それらの炭素数は、好都合に は多くとも10に、好都合には多くとも8に等しいのが好ましい。R11,R12およ びR13基は、多くとも15、好都合には多くとも12、好ましくは多くとも8に等し い炭素数を有するのが好ましい。 ペルフルオロアルキル化反応体として使用せずに、合成中間体として使用する 場合には、上記R11,R12およびR13基のサイズは、(上記媒体に可溶であるな らば)より大きくてもよく、その際、全炭素数はおよそ50に及んでもよい。それ らがアルキルである場合に は、それらの炭素数は、多くとも6、好都合には多くとも3に等しいのが好都合 であり、好ましくはメチルであり、それらがアリール、好都合には(置換されて いるかまたは置換されていない)フェニルである場合には、それらの炭素数は、 好都合には多くとも10に、好都合には多くとも8に等しいのが好ましい。R11, R12およびR13基は、多くとも15、好都合には多くとも12、好ましくは多くとも 8に等しい炭素数を有するのが好ましい。しかしながら、およそ30個の炭素原子 を超えないのが好ましい。 それゆえに、グリニャール反応体の使用時には、式 R13−CO−N(R11)(R12)に より表されるアミドを、単独でまたは混合物(他のアミドとでもよい)として使 用することが強く推奨され、この際、これらのアミドの使用される塩基に対する 推奨される比は少なくとも1、好都合には少なくとも2、好ましくは少なくとも 5に等しい。それ(それら)が上記極性溶媒のすべてを構成することを除いて、 上限は無い。これらのアミドを溶媒として使用する場合(行った試験においては 、そうでない場合よりも多い)(これが必ずしも最適であるという訳ではない)、 上記極性溶媒の総量に対するこれらのアミドの含有率は、およそ40〜80%である 。 上記希釈剤の中では、脂肪族または芳香族の炭化水素、例えばアルカンまたは アリールの誘導体を挙げることができる。(上記反応条件下では不活性であるの で)希釈剤、およびその場で塩基を調製する際の塩基の源の両方としてはたらく ことができるアリールメタンを挙げるべきである。 以下の非限定的な実施例により本発明を説明する。典型的手順 :フルオロホルム「バルビエール」法 −50℃に維持されており、無水溶液中に約100ppm(質量)以下の 基質を含む、適切に攪拌された溶液に、バブリングすることによりフルオロホル ム0を加える。この溶液中へのバブリングは約15分にわたって行う。塩基を、概 して極性溶剤、一般的にエーテル〔環状若しくは非環状のもの、例えば、 THF、 対称若しくは非対称のジアルキルエーテル(例えば、ジメチルエーテル、ジエチ ルエーテル、ジブチルエーテル、メチルエチルエーテル等)またはポリエーテル 、例えば、グライム〕中の塩基の溶液として20分間にわたって滴下し、温度を− 50℃に維持する。 反応混合物を−50℃において更に10分間、攪拌せずに放置する。 過剰量の酢酸をこの同一の温度で加え、そして温度を室温にまで上昇させる。 不活性アルゴン雰囲気下で取り扱う。「グリニャール」法 塩基、または、極性溶剤、一般的にエーテル〔環状若しくは非環状のもの、例 えば、 THF、対称若しくは非対称のジアルキルエーテル(例えば、ジメチルエー テル、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、メチルエチルエーテル等)、また は、ポリエーテル、例えば、グライム〕中の塩基の溶液を、適切に攪拌された無 水 DMF中のフルオロホルムの溶液に、−40℃において、10分間にわたって滴下し て加える。 反応混合物を−40℃において30分間攪拌せずに放置し、その後、基質を加える 。 この溶液を攪拌せずに更に30分間保持し、その後に、酢酸を添加する。 温度を室温に上昇させ、そして混合物の組成を、内部補正による GLC検定によ り決定する。 例1:反応体の添加順序の役割 ⇒ 一般手順1(いわゆる、「バルビエール」法) フルオロホルム(4.9g、70ミリモル)を、−50℃に維持されている、適切に攪 拌された(400回転/分)、無水 DMF中のベンズアルデヒド(0.64g、6ミリモル )の溶液に15分にわたって加える。次に、 THF中のt−BUOKの1M溶液(5ml、 5ミリモル)を20分にわたって滴下して加え、温度を−50℃に維持する。 反応混合物を−50℃において更に10分間攪拌し、その後、酢酸(0.5ml)を添加 する。 混合物の組成を内部補正によるGLC検定により決定する。 DC(PhCHO)=74% RY(PhCHOHCF3)=60% RY(PhCH2OH)=0.3% 特に塩基感受性である基質では、基質に対して理論量より少量の塩基はバルビ エール法において優れた結果をもたらすことが注目され、そしてこのことは明細 書全体にわたって一般的に言えることである。 ⇒ 一般手順2(いわゆる、「グリニャール」法) THF中のt−BuOKの1M溶液(5ml、5ミリモル)を、適切に攪拌された(400 回転/分)、無水DMF 30ml中のフルオロホルム溶液(3.0g、43ミリモル)に、−40 ℃において10分にわたって滴下して加える。反応混合物を−40℃で30分間攪拌し 、その後、ベンズアルデヒド(0.47g、 4.4ミリモル)を添加する。 溶液を−40℃において更に30分間攪拌し、その後、酢酸(0.5ml)を添加する。 混合物の組成を内部補正による GLC検定により決める。 DC(PhCHO)=67% RY(PhCHOHCF3)=46% RY(PhCH2OH)=微量 例2:副反応(T.SHONOによるカニッツァーロ反応(Cannizzaro reaction))の役割 ベンズアルデヒドとCF3H/t-BuOK/DMF 系との反応において、もし操作条件を うまく選択しないならば、副反応(特に、 T.Shonoによるカニッツァーロ反応に 基づくベンジルアルコールの生成)が支配的になる。 一般手順1(用いる反応温度および塩基の当量数の変更) ⇒ 過剰量の塩基:−50℃大過剰の塩基(2.2当量)の存在下において、ベンジ ルアルコールの生成は起こらない。 ⇒ 水の存在:もし、反応体のいずれかが低い品質であるならば、少量の水が 含まれることがあり、そのことはカニッツァーロ反応を誘発するであろう。しか し、−50℃で、水の存在下(20モル%/使用t−BuOK)においては、わずか6% のベンジルアルコールが検知される。 ⇒ 熱レベル:−10℃で、1当量の塩基の存在下において、ベン ジルアルコールの生成は起こらず、一方、過剰量の塩基/熱レベル(−10℃)の 組み合わせがこの反応を促進する。というのは、トリフルオロメチル化収率が70 %から19%に低下するからである。例3 :溶剤の性質の役割 フルオロホルム(3g、 42.85ミリモル)を、適切に攪拌された(400回転/ 分)無水溶剤(S)30ml中のt−BuOK(0.53g、 4.7ミリモル)の溶液に、−10 ℃において加える。反応混合物を−10℃において30分間攪拌し、その後、ベンズ アルデヒド(0.47g、4.4ミリモル)を加える。 この溶液を−10℃で更に60分間攪拌し、その後、酢酸(0.5ml)を加える。 混合物の組成を内部補正による GLC検定により決める。 例4:塩基の性質の役割 ⇒ 会合しているカチオン(タイプ2の一般手順) (a)CF3H/tBuOM/PhCOH(9/1.1/1). ⇒ 塩基のタイプ(タイプ1の一般手順) 例5:四面体型中間体の例示および役割 1.フルオラルヘミアミナールおよび誘導体の合成 フルオロホルム(3g、 42.85ミリモル)を、適切に攪拌された、無水DMF 30 ml中の塩基の溶液に、−10℃において加える。この溶液を−10℃に30分間維持し 、その後、同温度において下記のものを滴下して加える。 ⇒ R=H(塩基:KH/DMSO、 5.7ミリモル)の場合、AcOH(0. 37g、 6.2ミリモル) ⇒ R=Me3Si(塩基:KHMDZ 、7ミリモル)の場合、Me3SiCl(1.3ミリモル、 10.25ミリモル) ⇒ R=SO2 -K+(塩基:KH/DMSO、 5.9ミリモル)の場合、SO2(0.8g、 12. 5ミリモル) 反応混合物を、その後、同温度に30分間保持し、その後、室温に上昇させる。 生成した生成物は1H−,19F−および13C-NMRにより同定した。 2.フルオラール水和物の合成 フルオロホルム(3g、42.8ミリモル)を、−15℃に維持された、適切に攪拌 された、無水の溶剤(30ml)中のt−BuOK(5ミリモル)の溶液に加える。この 温度で30分間攪拌した後、反応混合物を硫酸2mlで酸性化する。次の表は操作パ ラメータの関係でのフルオラール水和物の結果を示す。 (1)内部標準を用いる19F-NMR 例6:2,2,2−トリフルオロアセトフェノンの合成 フルオロホルム(3.0g、43ミリモル)を、適切に攪拌された(400回転/分)、無 水DMF 30ml中のKHMDZ(1.15g、5.75ミリモル)の溶液に、−10℃において添加す る。反応混合物を−10℃において30分間攪拌し、その後、メチルベンゾエート( 0.51g、3.75ミリモル)を滴下して加える。 この溶液を−10℃において更に 1.5時間攪拌し、その後、酢酸(0.6ml)を加え る。 反応混合物に対する従来の処理(抽出および蒸留)の後、トリフルオロアセト フェノンを55%の収率で単離する。 例7:1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−フェニル−2−プロパノ ール フルオロホルム(3.0g、43ミリモル)を、適切に攪拌された(400回転/分)、 無水DMF/DMSO(2/1)混合物30ml中のカリウムジムシレート(potassium dims ylate)(5.85ミリモル)の溶液に、−10℃において加える。反応混合物を10℃にお いて30分間攪拌し、その後、トリフルオロアセトフェノン(0.615g、3.5ミリモ ル)を滴下 して加える。 この溶液を−10℃において更に1時間10分攪拌し、その後、酢酸(0.6ml)を 加える。 混合物の組成を内部補正による19F-NMRおよび GLC検定により決める。 DC(PhCOCF3)=35% RY(PhCOH(CF3)2)=79% YD(PhCOH(CF3)2)=44% 例8:アリールトリフルオロメチルスルフィド(ArSCF3)の合成 フルオロホルム(3g、 42.85ミリモル)を、−30℃に維持された、適切に攪 拌された、無水DMF 30ml中のArSX(X=SAr,SO2Ph,Cl、4ミリモル)の溶液に 加える。THF(5ml)中のt−BuOKの1M溶液をこの溶液を滴下して加え、そして 混合物を30〜40分間、−30℃に維持し、その後、AcOHにより酸性化する。混合物 の組成を、内部標準による19F-NMRおよび GLC検定により決める。生成物を、従 来の処理の後に単離する。 得られた結果を下記表にまとめる。 (1)GLC検定(2)GLCおよび19F-NMR検定 例9:他のハロホルムの役割 一般手順 約5gのカリウムtert−ブトキシド、その後、 120mlの無水 DMFを、窒素パー ジ下に維持された、メカニカルスターラーを具備した、完全に攪拌されている 5 00ml反応器(650回転/分)に導入する。その後、反応混合物をアセトン/ドライ アイス沿により−40℃に冷却する。その後、約5gのベンズアルデヒドを滴下し て導入し、次に、3〜4当量のハロホルムを、もしそれが気体(CCl2FH,CF3CF2H )であるならば、反応混合物中へのバブリングにより導入し、もしそれが液体(CC l3H)であるならば、滴下して導入する。−40℃〜−45℃の間で1時間攪拌した後 、5mlの濃酢酸を滴下して加え、その後、反応混合物を室温に戻させる。粗反応 混合物を GLCにより、そしてその後組み合わせた GLC/MSにより分析し、生成し た生成物および副生成物を同定する。 反応混合物を 150mlの水により希釈し、その後、生成物を酢酸エチル(3×170 ml)で抽出する。合わせた有機相を 100mlの水で4回〜6回洗浄して DMFを除去 し(GLCモニタリング)、その後、飽和NaCl溶液50mlで2回洗浄する。有機相を無 水 MgSO4で30〜60分間乾燥し、その後、ガラスろ過器でろ過する。 合成した化合物の沸点が十分に高いならば、35℃の温度、20mmHgの真空下にお いてロータリーエバポレータで酢酸エチルを蒸発させることができ、そうでない 場合には、酢酸エチルを常圧において留去する。 分留は約15mmHgの真空下で行われる。カルビノールは、このようにして、90% を越える純度で単離される。 (a)−当量数 (B)−大気圧における概算値
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 215/08 C07C 215/08 303/24 303/24 305/06 305/06 319/14 319/14 323/09 323/09 C07F 7/18 C07F 7/18 M (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AU,BB,BG ,BR,CA,CN,CZ,EE,GE,HU,IS, JP,KG,KP,KR,LK,LR,LT,LV,M D,MG,MK,MN,MX,NO,NZ,PL,RO ,SG,SI,SK,TR,TT,UA,US,UZ, VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.極性媒体中で、式:RfH により表される物質及び塩基(又は、塩基を発生 することができる化学種)を、少なくとも1個の求電子性官能基を有する基質に 接触させる工程であって、前記基質が塩基感受性のあるものであれば基質の添加 が最後に実施されず、 ◆ 一方では最終成分の添加の少なくとも90%が実施され、他方では反応混合 物が−20℃以下、都合良くは−30℃以下の温度に少なくとも1/2時間(添加時 間を含む)保たれるように、前記添加を実施し、次に前記添加後に任意に反応を 続けさせること; ◆ 又は、下記条件: ⇒ 含水率が200ppm以下(有効数字2桁)、都合良くは100ppm以下(有効数 字2桁)、好ましくは50ppm以下(有効数字1桁)の値に制限されること; ⇒ 又は、塩基の量が、0℃以下の温度で前記基質に対する化学量論的な量 の 1.3倍以下であるか、さもなくば20℃以下の温度で前記基質に対する化学量論 的な量の1.1倍以下であること; のうちの少なくとも一方、好ましくは両方の条件を満足させること; のいずれかにより前記接触を実施する工程を含むことを特徴とする、ペルフルオ ロアルキル化に使用する有機合成方法。 2.式:RfH により表される前記物質が次式: H−(CX2)p−EWG (式中、互いに同じであるか又は異なるXは、塩素、フッ素又は式: CnF2n+1( 式中、nは5以下の整数、好ましくは2以下の整数である)により表される基を 表し; pは、2以下の整数を表し; EWGは、電子吸引性基を表し、この電子吸引性基として可能な官能基は反応条 件下で不活性なものであり、都合良くはフッ素又は式: CnF2n+1(式中、nは8 以下、都合良くは5以下の整数である)により表されるペルフルオロ残基である ) に対応することを特徴とする請求項1記載の方法。 3.式:EWG により表される前記物質が次式III: R−CnX′2n− (III) (式中、nは5以下の整数であり; Rは水素、1〜10個の炭素原子を含むアルキル、並びに軽いハロゲン(塩素又 はフッ素、都合良くはフッ素)から選ばれ; 互いに同じであるか又は異なるX′は、軽いハロゲン(塩素又はフッ素、都合 良くはフッ素)、又はmが5以下、好ましくは2以下の整数である式: CmF2m+1 により表される基を表す) に対応することを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。 4.前記塩基が、pKaが少なくとも15、都合良くは少なくとも20、好ましくは 少なくとも30である会合した酸を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれ か1項に記載の方法。 5.前記塩基が反応条件下で揮発性である会合した酸を有することを特徴とす る請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。 6.前記極性の無水媒体が、前記物質 RfH及び前記基質を考慮に入れずに、そ の媒体中に存在する最も強い酸が少なくとも25、都合良くは少なくとも30、好ま しくは少なくとも35のpKaを有するようなものであることを特徴とする請求項1 〜5のいずれか1項に記載の方法。 7.基質及び前記物質 RfHを含む前記極性の無水媒体が、導入された塩基の量 の1/4未満、都合良くは1/10,1/15のモル含水量を示すことを特徴とする 請求項1〜6のいずれか1項に記載の方 法。 8.基質及び物質 RfHを含む前記極性媒体が無水であり、加えられた塩基の量 の1/3以下、都合良くは1/4以下、好ましくは1/10以下のモル含水量を示 すことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。 9.前記極性の無水媒体が、ドナー数が少なくともおよそ10、都合良くは少な くともおよそ20、好ましくおよそ30以下である少なくとも1種の溶剤を含むこと を特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。 10.前記極性の無水媒体が、比誘電率εが少なくとも5、都合良くは少なくと も10、好ましくはおよそ50以下である少なくとも1種の溶剤を含むことを特徴と する請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。 11.前記基質が付加により少なくとも1個の求電子性官能基を有することを特 徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。 12.前記基質が、任意にエチレン型の1つ以上の結合と共役していてもよいカ ルボニル又はチオカルボニル(>C=S)官能基、脱離基を有するカルコゲナイ ド、特にジカルコゲナイド(カルコゲンが少なくとも硫黄の原子順位に等しい原 子順位を有する)から選ばれる少なくとも1個の求電子性官能基を付加により有 することを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。 13.前記基質が、少なくとも20、都合良くは少なくとも25、好ましくは少なく とも30のpKaを有することを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の方 法。 14.反応が、反応の圧力条件下、前記基質の融点と沸点の間の温度で実施され ることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。 15.反応が−50℃〜 160℃の間の温度で実施されることを特徴とする請求項1 〜14のいずれか1項に記載の方法。 16.最初に基質を導入し、次に前記物質 RfHを導入し、最後に前記塩基を導入 するように反応が実施されることを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記 載の方法。 17.最初に前記媒体に前記物質 RfH又は前記塩基のいずれかを導入し、最後に 前記基質を導入するように反応が実施されることを特徴とする請求項1〜15のい ずれか1項に記載の方法。 18.反応物の最終成分を徐々に、都合良くは5〜300 分間の間の時間にわたっ て導入するように反応が実施されることを特徴とする請求項1〜17のいずれか1 項に記載の方法。 19.前記塩基を徐々に、都合良くは5〜300 分間の間の時間にわたって導入す るように反応が実施されることを特徴とする請求項1〜18のいずれか1項に記載 の方法。 20.前記塩基に対する前記物質 RfHの量の比(RfH/塩基)が化学量論的な量の 少なくとも 1.5倍に等しいことを特徴とする請求項1〜19のいずれか1項に記載 の方法。 21.式:RfH により表される物質及び塩基を含み、前記式:RfHにより表され る物質が次式: H−(CX2)p−EWG (式中、互いに同じであるか又は異なるXは、フッ素、若しくはnが5以下の整 数、好ましくは2以下の整数である式: CnF2n+1により表される基、又は塩基を 表し; pは、2以下の整数を表し; EWGは、電子吸引性基を表し、この電子吸引性基として可能な官能基は反応条 件下で不活性なものであり、都合良くはフッ素又はnが8以下、都合良くは5以 下の整数である式: CnF2n+1により表 されるペルフルオロ残基である) に対応することを特徴とする請求項20に記載のペルフルオロアルキル化に使用す る反応物。 22.前記塩基が、少なくとも15、都合良くは少なくとも20、好ましくは少なく とも30に等しいpKaを有する会合した酸を有することを特徴とする請求項21に記 載の反応物。 23.前記塩基が、反応条件下で揮発性である会合した酸を有することを特徴と する請求項21又は22に記載の反応物。 24.前記極性の無水媒体が、前記物質 RfH及び前記基質を考慮に入れずに、そ の媒体中に存在する最も強い酸が少なくとも25、都合良くは少なくとも30、好ま しくは少なくとも35のpKaを有するようなものであることを特徴とする請求項21 〜23のいずれか1項に記載の反応物。 25.基質及び前記物質 RfHを含む前記極性の無水媒体が、導入された塩基の量 の1/4未満、都合良くは1/10未満、好ましくは1/15未満のモル量の水を有 することを特徴とする請求項21〜24のいずれか1項に記載の反応物。 26.前記極性の無水媒体が、ドナー数が少なくともおよそ10、都合良くは少な くともおよそ20、好ましくおよそ30以下である少なくとも1種の溶剤を含むこと を特徴とする請求項21〜25のいずれか1項に記載の反応物。 27.式IV: (式中、M+は一価カチオン、都合良くはアルカリ金属及び第4級 ホスホニウム(炭素原子数が都合良くは40以下、好ましくは24以下)を表し; R11,R12及びR13は炭化水素含有鎖、例えばアルキルアリール鎖を包含する アリール類、又はアラルキル鎖及びシクロアルキル鎖を包含するアルキル鎖を表 し、これらの鎖は1つ(又はそれ以上)の環を形成するように互いに連結してい てもよい) により表される化合物。
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