JP2000358021A - デジタルpll回路とそれを用いた光受信回路 - Google Patents

デジタルpll回路とそれを用いた光受信回路

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JP2000358021A
JP2000358021A JP11168703A JP16870399A JP2000358021A JP 2000358021 A JP2000358021 A JP 2000358021A JP 11168703 A JP11168703 A JP 11168703A JP 16870399 A JP16870399 A JP 16870399A JP 2000358021 A JP2000358021 A JP 2000358021A
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burst data
clock
data
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JP11168703A
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Hiroaki Asano
弘明 浅野
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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  • Stabilization Of Oscillater, Synchronisation, Frequency Synthesizers (AREA)
  • Synchronisation In Digital Transmission Systems (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 無入力区間に雑音が重畳する場合でも、バー
ストデータのみを、その先頭部分から正確に受信できる
デジタルPLL回路を提供することである。 【解決手段】 多相クロック生成部10は、システムク
ロックから、1/n位相(nは正の整数)ずつ位相がず
れているn相のクロック信号を生成する。データサンプ
リング部11は、入力バーストデータを、n相のクロッ
ク信号を用いてサンプリングして、n系統のバーストデ
ータを生成する。先頭検出部12は、n系統のバースト
データから、入力バーストデータの先頭を検出し、さら
に、検出された先頭に基づいて、n相のクロック信号の
各位相位置から、最適なものを検出する。クロック位相
調整部13は、n系統のバーストデータから、入力バー
ストデータの各エッジの位置を検出して、先頭検出部1
2が検出した最適な位相位置を基準として、検出された
各エッジの位置に基づいて、クロック信号の位相位置を
現在最適なものに調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、デジタルPLL回
路に関し、より特定的には、入力されたバーストデータ
に基づいて再生されるクロック信号の位相が、当該バー
ストデータの各ビットに対する最適位置に同期するよう
に調整するデジタルPLL回路に関する。
【0002】
【従来の技術】センタ装置が複数の端末を収容するポイ
ント−マルチポイントのネットワークでは、互いに周波
数同期の取れた端末同士が双方向データ通信を行う。セ
ンタ装置では、端末からのデータを受信すると、受信デ
ータの位相を識別し、識別された位相を基に再生したク
ロックを用いて、受信データを再生する。かかるデータ
再生方式の1つが、アイ・エス・エス・シー・シー’9
3(ISSCC’93)TA6.4(以下、この文献に
記載された方式を「第1の従来例」と称す)に報告され
ている。
【0003】以下、第1の従来例を説明を行う。第1の
従来例を採用する受信端末は、受信データからその位相
を瞬時に判定し、クロックを再生し、さらに、再生した
クロックにより再生データを識別する処理を行う。この
一連の処理において、第1および第2のVCO(Vol
tage Controlled Oscillato
r)が用いられる。第1および第2のVCOは、ゲート
信号によりそれぞれの発振が制御可能に構成される。第
1および第2のVCOの発振周波数は、システムクロッ
クのそれと同期している。受信データが「Hi」の時、
第1のVCOの初期位相が「0」に設定された後に、当
該第1のVCOが発振を開始する。受信データが「L
o」に変化すると、第1のVCOの発振は休止させられ
る。また、同時に受信データが「Lo」の場合には、第
2のVCOは、その初期位相が「0」に設定された後
に、発振を開始させられる。受信データが「Hi」に変
化すると、第2のVCOの発振は休止させられる。した
がって、受信データにおいて「Hi」が連続する場合、
第1のVCOが発振し続け、受信データにおいて「L
o」が連続の場合、第2のVCOが発振し続ける。第1
のVCOの出力信号と、第2のVCOの出力信号との論
理和出力が、受信データを基に再生されたクロックとし
て用いられる。
【0004】以上の第1の従来例では、入力信号である
バーストデータのパルス幅歪みが十分に抑圧されている
ことが求められる。バーストデータのパルス幅歪みが十
分に抑圧されている場合、再生されたクロックの立ち下
がりエッジ(後縁)は、正確に各ビットの中心に配置さ
れる。この立ち下がりエッジによりバーストデータをサ
ンプリングすることで、受信バーストデータが正確に識
別される。一方、パルス幅歪みがバーストデータに発生
する状況では、当該バーストデータの再生が正確に行わ
れない場合が発生する。例えば、ある「Hi」を示すビ
ットが、パルス幅歪みの影響を受け、本来の幅に対して
半分程度まで狭くなっていた場合、再生されたクロック
の立ち下がりエッジで、入力バーストデータを正確にサ
ンプリングすることができなくなるおそれが発生する。
【0005】また、以上の第1の従来例では、第1およ
び第2のVCOの発振周波数が本来のシステムクロック
に対して同一に設定されなかったり、雑音の影響等で当
該各発振周波数に誤差が発生したりする場合がある。か
かる場合に、データの受信および識別の処理が行われる
と、再生されたクロックの位相は、同レベル(「Hi」
または「Lo」)が連続する各ビットの中心から徐々に
ずれてしまう。そのため、第1の従来例では、データの
識別処理が正確にできなくなる恐れがあるという問題点
があった。
【0006】以下に説明する第2の従来例は、第1の従
来例での問題点を解決するものとして提案されている。
第2の従来例は、「特開平9−36849」号公報に詳
しく開示されている。第2の従来例では、受信端末で利
用するシステムクロックを基準として、2クロック期間
の間に、データの変化点が検出される。検出されたデー
タの変化パターンにより検出される、立ち下がりエッジ
と立ち上がりエッジとの中間位置が、最適位相位置とさ
れる。かかる最適位相位置に、データの識別に用いられ
るクロックは配置される。これによって、立ち上がりエ
ッジと立ち下がりエッジとを常に監視しているため、ク
ロックの位相位置は補償されるので、第1の従来例によ
る問題点が解決される。また、第2の従来例では、パル
ス幅歪みおよび/またはジッタの影響を考慮して、上記
最適位相位置の検出には、積分器を用いて2クロック期
間毎に求めた位相位置の平均値を求めることが望ましい
と記載されている。
【0007】また、第3の従来例としての「特開平8−
237117」号公報に記載された技術がある。この第
3の従来例では、受信データの立ち下がりエッジの位置
の平均値が検出され、その平均値の情報を基に最適な位
相位置が特定される。さらに、この最適位相位置を中心
とする1ビット幅の区間に存在するデータの変化点の数
が検出される。1ビット幅の区間内に2個の変化点が検
出された場合、パルス幅歪みおよび/またはジッタが受
信データに発生していることになる。かかる場合、2個
の変化点の中心の値が最適位相位置として選択される。
これによって、受信データの識別処理において、パルス
幅歪みおよび/またはジッタの影響が抑えられる。一
方、検出された変化点の数が1個または0個の場合、パ
ルス幅歪み等が受信データに発生していないことになる
ので、最適位相位置の値はそのまま維持される。
【0008】また、第4の従来例として、ルーセントテ
クノロジ社のデータシート「20Mb/s−60Mb/
s Burst−Mode Clockand Dat
aRecovery Integrated Circ
uit ATTDC221AJ32」がある。第4の従
来例には、第1の従来例に記載された方式の後段に、エ
ラスティックバッファを備えるデータ再生回路が開示さ
れている。エラスティックバッファには、再生されたク
ロックにより受信データが書き込まれ、読み出しは機器
に備わるクロックで行われることで、ジッタ成分が取り
除かれる。エラスティックバッファには、バーストデー
タを受信する直前に、リセット信号が与えられる。デー
タ再生回路は、リセット信号により、エラスティックバ
ッファからの読み出しのタイミングを、書き込みが開始
された時点で調整し、これによって、読み出しが書き込
みを追い越さないことを保証する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、第1の
従来例では、上述したように、受信データにパルス幅歪
み等が発生する場合、再生されたクロックにより受信デ
ータを正確に識別することができなくなる恐れがあると
いう問題点があった。また、第1および第2のVCOの
発振周波数を、正確にシステムクロックに同期させるこ
とができない場合や、受信データに同レベルのビットが
連続する場合には、受信データを正確に識別できない恐
れがあるという問題点があった。
【0010】また、第2および第3の従来例では、最適
位相位置を選ぶために、複数ビットの変化点情報の平均
値を求める処理が行われる。ただし、第2および第3の
従来例を採用した回路がデータを受信しない無入力区間
には、当該装置に対して前置されるAGCアンプからの
データ信号がないことが前提となる。しかしながら、無
入力区間で発生しうる雑音は、ランダムに発生するデー
タとみなせる。したがって、第2等の従来例では、本来
は無入力区間であり、平均値がとられてはならないにも
かかわらず、当該無入力区間でデータの変化点情報を含
めて平均値がとられてしまう。その結果、正確な位相位
置を有するクロックの再生は、バーストデータの先頭付
近(つまり、無入力区間から、データを受信する時間区
間に遷移した直後)で行えなくなるという問題点があっ
た。かかる問題点を解消するため、第2および第3の従
来例では、AGCアンプの最終段に設けられるコンパレ
ータにヒステリシス機能が組み込まれ、これによって、
バーストデータがない時に、AGCアンプの出力信号が
「0」に固定されていた。ヒステリシス機能は、コンパ
レータ出力に応じて、リファレンス信号の値を入力信号
に対してシフトさせる。ヒステリシス機能により、AG
Cアンプは、無入力区間に発生した雑音を増幅すること
なく、レベルが「0」の信号を出力する。
【0011】しかしながら、ヒステリシス機能を組み込
む場合には、SN比(Signalto Noise
Ratio)が劣化する。つまり、ビットエラーレート
を低く抑制し、十分に高品質なデータ通信が行える受信
レベルが劣化するという問題がある。また、入力信号に
対するリファレンス信号の値のシフト量が、出力信号が
「0」の場合と「1」の場合とで同一にできれば、ヒス
テリシス機能が組み込まれることに問題はない。しかし
ながら、ヒステリシス機能を実現する素子のばらつき等
により、出力信号が「0」の場合と「1」の場合とでシ
フト量を同一にできない場合には、コンパレータは、パ
ルス幅歪みを強調して、信号を出力するという問題点が
あった。
【0012】また、第4の従来例では、無入力区間にお
いて発生した雑音に基づいて、誤ったクロックが再生さ
れ、再生されたクロックに基づいて、データがエラステ
ィックバッファに書き込まれてしまう。これによって、
データの書き込み位置が当初想定した位置に対してずれ
てしまう可能性があった。その結果、データの書き込み
位置が読み出し位置を追い越してしまうという問題点が
あった。この問題点によって、最悪の場合、エラスティ
ックバッファの段数分のビットが抜けてしまい、以降の
バーストデータの再生がエラーになってしまう。
【0013】それゆえに、本発明の目的は、無入力区間
に雑音が重畳する場合であっても、雑音とバーストデー
タとを正確に識別して、バーストデータのみを、その先
頭部分から正確に受信することができるデジタルPLL
回路を提供することである。また、本発明の他の目的
は、AGCアンプの後段にヒステリシス機能を組み込む
ことなく、バースト的に発生する光信号を正確に受信し
再生することができる光受信回路を提供することであ
る。
【0014】
【課題を解決するための手段および発明の効果】上記課
題を解決し、上記目的を達成するために、本発明は、以
下のような限定事項により特定される。また、各発明
は、以下に述べるような特有の技術的効果を有する。
【0015】第1の発明は、入力されたバーストデータ
に基づいて再生されるクロック信号の位相が、バースト
データの各ビットに対する最適位置に同期するように調
整するデジタルPLL回路であって、システムクロック
に基づいて、1/n位相(nは正の整数)ずつ位相がず
らされたn相のクロック信号を生成する多相クロック生
成部と、入力バーストデータを、多相クロック生成部で
生成されたn相のクロック信号を用いてサンプリングし
て、n系統のバーストデータを生成するサンプリング部
と、サンプリング部が生成したn系統のバーストデータ
から、入力バーストデータの先頭を検出するとともに、
検出された先頭に基づいて、多相クロック生成部が生成
したn相のクロック信号の各位相位置から、最適な位相
位置を検出する先頭検出部と、サンプリング部が生成し
たn系統のバーストデータから、入力バーストデータの
各エッジの位置を検出して、先頭検出部が検出した最適
な位相位置を基準として、検出された各エッジの位置に
基づいて、クロック信号の位相位置を現在最適なものに
調整するクロック位相調整部とを含む。
【0016】第1の発明では、先頭検出部の動作によ
り、バーストデータの先頭が検出される。したがって、
デジタルPLL回路は、バーストデータが入力されない
無入力区間と、それが入力される区間とを正確に区別し
て動作することができる。また、バーストデータの先頭
に基づいて、クロック信号の最適な位相位置が検出され
た後に、クロック位相調整部は、入力バーストデータの
エッジ位置に基づいて、現在最適な位相位置を検出す
る。したがって、入力バーストデータにパルス幅歪みお
よび/またはジッタが生じていたとしても、クロック位
相調整部は、入力バーストデータのエッジ位置を基準と
した最適位置にクロック信号の位相を配置し続ける。こ
れによって、入力バーストデータは正確に識別されるよ
うになる。また、n相のクロック信号がシステムクロッ
クに基づいて生成されるため、n相のクロック信号とシ
ステムクロックとの周波数同期を簡単かつ正確にとるこ
とができる。そのため、クロック信号の周波数変動は抑
圧されるため、入力バーストデータに同レベルのビット
が連続していたとしても、当該バーストデータの各ビッ
トの中心にクロック信号のエッジを常に配置することが
できる。これによって、正確なデータ判別が可能とな
る。
【0017】第2の発明は第1の発明に従属しており、
クロック調整部は、入力バーストデータのエッジの位置
を検出するたびに、検出されたエッジの位置に基づい
て、当該ビットの中間点を導出し、現在設定されている
最適な位相位置と、導出されたビットの中間点とのずれ
に関する評価値を導出して蓄積し、評価値がa回導出さ
れた後に、現在蓄積されているa個の評価値の平均値を
算出し、算出された平均値に基づいて、クロック信号の
位相位置を現在最適なものに調整する。
【0018】第2の発明によれば、a個の評価値の平均
値に基づいて、クロック信号の位相位置が調整されるの
で、ジッタ成分が抑圧され、入力バーストデータは常に
最適な位相位置を有するクロック信号で再生される。
【0019】第3の発明は第1の発明に従属しており、
クロック調整部は、先頭検出部が入力バーストデータの
先頭を検出したタイミングで、サンプリング部が生成し
たn系統のバーストデータから、入力バーストデータの
各エッジの位置を検出することを開始する。第3の発明
では、クロック調整部は、入力バーストデータの先頭が
検出されたタイミングで動作を開始するため、バースト
データが入力されない無入力区間に、クロック信号の位
相位置を誤って調整することがなくなる。これによっ
て、入力バーストデータはさらに正確に判別されるよう
になる。
【0020】第4の発明は第1の発明に従属しており、
バーストデータには、先頭を特定するための識別パター
ンが予め設定されており、先頭検出部は、サンプリング
部が生成したn系統のバーストデータを保持するn個の
シフトレジスタと、n個のシフトレジスタの後段に1個
ずつ接続されており、自身と接続されたシフトレジスタ
に保持されるビットパターンが、識別パターンと一致す
るか否かを判定するn個のデコード部とを含み、n個の
デコード部の判定結果に基づいて、入力バーストデータ
の先頭を検出する。第4の発明では、n個のデコード部
は、互いに独立的に動作して、n系統のバーストデータ
のビットパターンから識別パターンを探し出す。そのた
め、入力バーストデータの先頭が正確に特定される。こ
れによって、デジタルPLL回路は、無入力区間に生じ
る雑音をバーストデータとみなして動作することがなく
なる。つまり、デジタルPLL回路は、無入力区間の雑
音とバーストデータとを正確に識別することができる。
【0021】第5の発明は第4の発明に従属しており、
各シフトレジスタが保持するビット数iは予め定められ
ており、デコード部が、自身と接続されたシフトレジス
タに保持されたiビットのパターンの内、jビット(j
はj=iを満たす自然数)が識別パターンと一致したと
判定したとき、先頭検出部は、入力バーストデータの先
頭を検出したとみなす。第5の発明によれば、デコード
部は、可能な限り多くのビット数(jビット)を用いて
判定動作を行うので、入力バーストデータの先頭を確実
に検出できるようになる。
【0022】第6の発明は第5の発明に従属しており、
連続するq個(qはq<nを満たす自然数)のデコード
部が、自身と接続されたシフトレジスタに保持されたi
ビットのパターンの内、最新のkビット(kはk<jを
満たす自然数)が識別パターンと一致したと判定したと
き、先頭検出部は、入力バーストデータの先頭を検出し
たとみなす。qおよびkは、伝送品質として要求される
ビットエラーレートを満足する値に選ばれる。第6の発
明によれば、デコード部は、十分に高い伝送品質を満足
しつつ、より少ないビット数(kビット)を用いても判
定動作を行えるので、入力バーストデータの先頭を即座
に検出できるようになる。
【0023】第7の発明は第4の発明に従属しており、
先頭検出部は、n個のデコード部の判定結果に基づい
て、クロック信号の最適な位相位置を検出するクロック
位相検出部をさらに含み、クロック位相検出部は、n個
のデコード部の判定結果に基づいて、入力バーストデー
タの先頭における各ビットの中心の位相位置を検出し
て、検出された中心の位相位置を最適な位相位置とみな
す。
【0024】識別パターンを検出したデコード部は、デ
ータを識別可能な位相位置を有するクロック信号を特定
することができる。したがって、複数のデコード部が識
別パターンを検出した場合、適切な位相位置は複数個存
在する。第7の発明では、クロック位相検出部は、この
ような複数個のものから、中心の位相位置を検出する。
これによって、デジタルPLL回路は、バーストデータ
を識別するために、最適な位相位置を有するクロック信
号を再生することができる。
【0025】第8の発明は第1の発明に従属しており、
クロック位相調整部は、入力バーストデータの各エッジ
の位置を検出するエッジ位置検出部を含み、エッジ位置
検出部は、排他的論理和をとって、入力バーストデータ
における「Lo」から「Hi」への変化点または「H
i」から「Lo」への変化点を検出する排他的論理和回
路と、排他的論理和回路が検出した「Lo」から「H
i」への変化点または「Hi」から「Lo」への変化点
の後に、「Hi」または「Lo」が連続するか否かを判
定する判定部とを含み、判定部により「Hi」または
「Lo」が連続すると判定された場合に限り、排他的論
理和回路が検出した「Lo」から「Hi」への変化点ま
たは「Hi」から「Lo」への変化点が、入力バースト
データのエッジ位置として検出される。
【0026】雑音は無入力区間だけでなく、バーストデ
ータの入力時にも瞬間的に発生する。第8の発明におい
て、排他的論理和回路により検出された変化点を、バー
ストデータに起因する変化点か、雑音に起因するレベル
の変化点かを特定することはできない。そこで、判定部
は、排他的論理和で変化点が検出された後、同レベルが
連続するか否かを判定して、雑音に起因するレベル変化
を、入力バーストデータの変化点として検出することを
防止する。これによって、クロック位相調整部は、雑音
に起因する変化点に基づいて位相位置を調整しなくなる
ので、クロック信号の位相を常に正確な位置に調整する
ことができる。
【0027】第9の発明は第1の発明に従属しており、
クロック位相調整部が調整した位相位置に基づいて、サ
ンプリング部が生成したn系統のバーストデータから、
受信すべきビットを判別する判別部をさらに含む。第9
の発明によれば、判別部は、最適に調整された位相位置
に合わせたタイミングにより動作するので、受信すべき
ビットを正確に判別できるようになる。
【0028】第10の発明は第9の発明に従属してお
り、判別部は、クロック位相調整部が調整した位相位置
に基づいて、サンプリング部が生成したn系統のバース
トデータから、p系統(pはp<nを満たす自然数)の
バーストデータを選択する選択部と、選択部が選択した
p系統のバーストデータから、多数決によって、受信す
べきビットを決定する多数決回路とを含む。
【0029】入力バーストデータに雑音が重畳された場
合、判別部は、たとえ最適に調整された位相位置を用い
たとしても、ビットを誤って判別する場合がある。第1
0の発明では、最適な位相位置を中心とするp個のクロ
ック信号でサンプリングされたp系統のバーストデータ
が選択された後、選択されたp系統のバーストデータか
ら、多数決によって、受信すべきビットが決定される。
これによって、最適なクロック信号でサンプリングされ
たバーストデータに雑音が重畳されたとしても、判別部
は、ビットを正確に判別できるようになる。
【0030】第11の発明は第1の発明に従属してお
り、判別部により判別されたビットが、クロック位相調
整部により最適に調整された位相位置のクロック信号に
基づいて書き込まれるエラスティックバッファをさらに
含み、エラスティックバッファに書き込まれたビット
は、システムクロックに基づいて読み出される。第11
の発明により、入力バーストデータにジッタが重畳され
ていても、エラスティックバッファによりジッタが吸収
される。これによって、エラスティックバッファから読
み出されたビット(バーストデータ)からはジッタを排
除することができる。
【0031】第12の発明は第11の発明に従属してお
り、エラスティックバッファへの書き込みおよび読み出
しのタイミングは、先頭検出部が入力バーストデータの
先頭を検出した時点である。第12の発明によれば、バ
ーストデータの受信前(無入力区間)に、雑音が重畳さ
れた場合であっても、先頭検出部がバーストデータの先
頭を検出しない限り、エラスティックバッファへの書き
込みおよび読み出しは行われない。つまり、エラスティ
ックバッファは雑音を無視して動作するので、書き込み
位置と読み出し位置との整合性を図ることができる。
【0032】第13の発明は、バースト的な光信号を受
信する光受信回路であって、入力された光信号を電気信
号に変換する光電変換素子と、光電変換素子により変換
された電気信号を増幅するアンプと、アンプにより出力
された電気信号と、所定のしきい値とを比較して、当該
電気信号をデジタルデータに変換するコンパレータと、
コンパレータにより変換されたデジタルデータに基づい
て再生されるクロック信号の位相が、当該デジタルデー
タの各ビットに対する最適位置に同期するように調整す
るデジタルPLL回路とを含み、デジタルPLL回路
は、システムクロックに基づいて、1/n位相(nは正
の整数)づつ位相がずらされたn相のクロック信号を生
成する多相クロック生成部と、入力デジタルデータを、
多相クロック生成部で生成されたn相のクロック信号を
用いてサンプリングして、n系統のデジタルデータを生
成するサンプリング部と、サンプリング部が生成したn
系統のデジタルデータから、入力デジタルデータの先頭
を検出するとともに、検出された先頭に基づいて、多相
クロック生成部が生成したn相のクロック信号の各位相
位置から、最適な位相位置を検出する先頭検出部と、サ
ンプリング部が生成したn系統のデジタルデータから、
入力デジタルデータの各エッジの位置を検出して、先頭
検出部が検出した最適な位相位置を基準として、検出さ
れたエッジの位置に基づいて、クロック信号の位相位置
を現在最適なものに調整するクロック位相調整部とを含
む。
【0033】第12の発明によれば、無入力区間にコン
パレータの出力を強制的に「0」に固定する必要がなく
なる。つまり、デジタルPLL回路は、バースト的に入
力されるデジタルデータの先頭が検出されない限り、ク
ロック信号の位相調整を行わない。したがって、たと
え、無入力区間におけるコンパレータの出力に雑音が重
畳されていたとしても、デジタルPLL回路は誤動作し
ない。これによって、コンパレータにヒステリシス機能
を組み込む必要がなくなり、SN比およびビットエラー
レートを劣化させることなく、本光受信回路は良好な受
信レベルを確保できるようになる。
【0034】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)図1は、本発
明の第1の実施形態に係るデジタルPLL回路1の構成
を示すブロック図である。図1において、デジタルPL
L回路1は、多相クロック生成部10と、データサンプ
リング部11と、先頭検出部12と、クロック位相調整
部13と、データ再生部14とを含む。多相クロック生
成部10の入力には、信号線16を通じて、システムク
ロックclkS が接続される。システムクロックclk
S の位相はφS とする。多相クロック生成部10は、入
力されたシステムクロックclkS をn分岐(図1では
n=8である)する。ただし、nは正の整数である。さ
らに、多相クロック生成部10は、内部に有するディレ
イラインまたは分周器等により、n分岐されたシステム
クロックclkS の位相を均等にずらして、n相のクロ
ック信号clk1〜clkn を生成する。より具体的に
は、クロック信号clk1 〜clkn の位相位置をφ1
〜φn とすると、位相差Δφは、Δφ=φ1 −φ2 =φ
2 −φ3 …=φn-1 −φn =φn −φ1 を満たす。以上
のn相のクロック信号clk1 〜clkn はデータサン
プリング部11およびデータ再生部14に出力される。
【0035】ところで、図1のデジタルPLL回路1に
は、バースト的に発生するデジタルデータ(以下、バー
ストデータと略記する)が入力される。この入力信号波
形は、図2(a)に示すように、バーストデータが存在
しない無入力区間としての第1の時間区間T1 と、バー
ストデータが存在する第2の時間区間T2 が存在する。
以上のようなバーストデータは、信号線17を通じてデ
ータサンプリング部11に入力される。また、データサ
ンプリング部11には、多相クロック生成部10から出
力されたn相のクロック信号clk1 〜clkn が入力
される。データサンプリング部11は、入力バーストデ
ータをn分岐した後、図2(b)に示すように、n分岐
されたバーストデータを、入力されたn相のクロック信
号clk 1 〜clkn を用いてサンプリングして、n系
統のバーストデータを生成する。n系統のバーストデー
タは、データバス15を通じて、先頭検出部12、クロ
ック位相調整部13およびデータ再生部14に送信され
る。
【0036】先頭検出部12は、n系統のバーストデー
タから、入力バーストデータの先頭を検出して、その旨
を示す先頭検出信号を信号線18上に送出する。先頭検
出信号は、クロック位相調整部13およびデータ再生部
14により受信される。ところで、n系統のバーストデ
ータは、クロック信号clk1 〜clkn を用いてサン
プリングされている。したがって、位相位置φ1 〜φn
のいずれかは、図2(b)のように、各ビットの前縁
(立ち上がりエッジ)LEから後縁(立ち下がりエッ
ジ)REまでの長さ(以下、1ビット幅BWと称す)の
ほぼ中間点CPに位置しており、データ再生部14の処
理(後述)に最適な位相位置φOPT となる。図2(b)
の例では、n=8の場合を示しており、この場合では、
クロック信号clk4 が最適な位相位置φOPT である。
先頭検出部12は、n系統のバーストデータに基づい
て、最適な位相位置φOPT を検出して、検出された位相
位置φOPT を特定する値を初期最適位相情報として、バ
ス25を通じてクロック位相調整部13に送信する。
【0037】なお、ここで、注意を要するのは、入力バ
ーストデータには、パルス幅歪みまたはジッタが重畳さ
れている可能性があるので、各ビットの中間点CPは時
々刻々と変わりうる。したがって、初期最適位相情報
は、入力バーストデータの先頭では最適な位相位置φ
OPT を示すが、時間が経過すると最適でなくなる場合が
ある。
【0038】クロック位相調整部13は、先頭検出信号
の受信に応答して動作を開始した後、時間変動する中間
点CPに、最適な位相位置φOPT を追従させる。より具
体的には、動作開始直後、クロック位相調整部13に
は、バス19を通じて初期最適位相情報が入力され、さ
らにデータバス15を通じてn系統のバーストデータが
入力される。クロック位相調整部13は、入力された初
期最適位相情報が示す最適な位相位置φOPT をそのま
ま、最適位相情報としてバス110を通じてデータ再生
部14に送信する。その後、クロック位相調整部13
は、送信された最適位相情報と、入力されたn系統のバ
ーストデータとに基づいて、現在最適な位相位置φOPT
(φOPT はφ1 〜φn のいずれか)を導出する。クロッ
ク位相調整部13は、導出された最適位相位置φ
OPT を、新たな最適位相情報としてデータ再生部14に
送信する。以降、クロック位相調整部13は、現在最適
な位相位置φOP T を特定する最適位相情報を生成して送
信する、という動作を繰り返す。
【0039】データ再生部14は、先頭検出信号の受信
により動作を開始した後、バーストデータを再生する。
動作開始直後、データ再生部14には、バス110を通
じて最適位相情報が入力され、データバス15を通じて
n系統のバーストデータが入力され、さらに、多相クロ
ック生成部10により生成されたクロック信号clk 1
〜clkn が入力される。データ再生部14は、n系統
のバーストデータに基づいて、内部のエラスティックバ
ッファ1404(図17参照)にビット列を書き込む。
この書き込みは、最適位相情報が示す最適位相位置φ
OPT を有するクロック信号clkb (bは1〜nのいず
れかの数)に基づいて行われる。さらに、データ再生部
14は、エラスティックバッファ44に書き込まれたビ
ット列を読み出して、再生されたバーストデータとして
信号線111に出力する。この読み出しは、システムク
ロックclkS と同相のクロック信号clkb に基づい
て行われるので、データ再生部14の出力信号(再生さ
れたバーストデータ)は、当該システムクロックclk
S に同期している。以上のようにして、本デジタルPL
L回路1は、システムクロックclkS に同期したバー
ストデータを再生する。
【0040】次に、図1に示されるデジタルPLL回路
1の要部の詳細な構成を説明する。ただし、以下の説明
では、n=8の場合について説明する。つまり、多相ク
ロック生成部10は、入力システムクロックclkS
基づいて、8相のクロック信号clk1 〜clk8 を生
成し、データサンプリング部11に出力する。ここで、
注意を要するのは、nは、デジタルPLL回路1の設計
要件に依存して、様々な値に選ばれる点である。つま
り、本願発明の技術的範囲は、n=8に限定されてはな
らない。データサンプリング部11は、入力されたバー
ストデータを、入力された8相のクロック信号clk1
〜clk8 を用いてサンプリングして(図2参照)、8
系統のバーストデータを生成し出力する。
【0041】図3は、図1の先頭検出部12の詳細な構
成を示している。図3において、先頭検出部12は、8
個のシフトレジスタ311 〜318 と、8個のデコード
部321 〜328 と、先頭クロック位相検出部33とを
含む。各シフトレジスタ311 〜318 の容量は7ビッ
トである。シフトレジスタ311 は、第1系統のバース
トデータを保持し、連続する7ビットをデコード部32
1 に出力する。シフトレジスタ312 〜318 は、シフ
トレジスタ311 と同様の機能を有するが、第2〜第8
系統のバーストデータにおいて連続する7ビットをデコ
ード部322 〜328 に出力する点でのみ、当該シフト
レジスタ311と異なる。そのため、シフトレジスタ3
2 〜318 の説明を省略する。
【0042】各デコード部321 〜328 は、上述した
識別パターンを予め記憶する。デコード部321 には、
シフトレジスタ311 からの第1系統のバーストデータ
が7ビット分入力される。デコード部321 は、入力さ
れた7ビットのパターンが、識別パターンと完全に一致
する場合、(i=7)信号線3211を「Hi」に設定す
る。また、7ビットの内、最新の6ビットのパターン
が、識別パターンと一致する場合、(i=6)信号線3
12が「Hi」に設定される。さらに、7ビットの内、
最新の5ビットのパターンが、識別パターンと一致する
場合、(i=5)信号線3213が「Hi」に設定され
る。デコード部322 〜328 は、デコード部321
同様の機能を有するが、シフトレジスタ312 〜318
からの連続7ビットに基づいて、上述のように処理する
点でのみ、当該デコード部321 と異なる。そのため、
デコード部322 〜328 の詳細な説明を省略する。
【0043】先頭クロック位相検出部33には、8本の
(i=7)信号線3211〜3281、8本の(i=6)信
号線3212〜3282および(i=5)信号線3213〜3
83を通じて、デコード部321 〜328 のデコード結
果が入力される。先頭クロック位相検出部33は識別パ
ターン検出部331を含み、当該識別パターン検出部3
31は、入力されたデコード結果に基づいて、バースト
データの先頭を検出した旨を示す先頭検出信号を生成
し、信号線18に出力する。さらに、先頭クロック位相
検出部33は、初期クロック位相検出部332を含み、
当該初期クロック位相検出部332は、入力されたデコ
ード結果に基づいて、位相位置φ1 〜φ8の中から、最
適な位相位置φOPT を選択する。選択された最適位相位
置φOPT は初期最適位相情報として、バス19に出力さ
れる。以下、まず、図4〜図6等を参照して識別パター
ン検出部331を詳細に説明し、その後、図7等を参照
して、初期クロック位相検出部332を詳細に説明す
る。
【0044】図4〜図6に示すように、識別パターン検
出部331は、8個のANDゲート4111 〜4118
と、ORゲート412と、8個のANDゲート4131
〜4138 と、ORゲート414と、8個のANDゲー
ト4151 〜4158 と、ORゲート416と、ORゲ
ート417とを含む。まず、図4において、ANDゲー
ト4111 には、8本の内、5本の(i=7)信号線3
11〜3251が接続される。ANDゲート4111 は、
(i=7)信号線3211〜3251からの入力に対し論理
演算を行って、当該論理演算の結果を信号線4181
出力する。また、ANDゲート4112 では、5本の
(i=7)信号線3221〜3261からの入力に対し論理
演算が行われる。論理演算の結果は信号線4182 に出
力される。同様に、他のANDゲート4113 〜411
8もそれぞれ、図示された通りの5本の(i=7)信号
線32からの入力に対し論理演算を行う。ANDゲート
4113 〜4118 の演算結果は、信号線4183〜4
188 に出力される。ORゲート412は、信号線41
1 〜4188 を通じて入力される各ANDゲート41
1 〜4118 の演算結果に対して論理演算を行って、
信号線419に出力する。
【0045】図5において、ANDゲート4131
は、6本の(i=6)信号線3212〜3262が接続され
る。ANDゲート4131 は、(i=6)信号線3212
〜32 62からの入力に対し論理演算を行って、当該演算
の結果を信号線41101 に出力する。同様に、他のA
NDゲート4132 〜4138 では、それぞれに接続さ
れた6本の(i=6)信号線32からの入力に対し論理
演算が行われ、当該論理演算の結果は信号線41102
〜41108 に出力される。ORゲート414では、信
号線41101 〜41108 を通じて入力される演算結
果に対して論理演算が行われる。この演算結果は信号線
4111に出力される。
【0046】図6において、ANDゲート4151 は、
自身に接続された(i=5)信号線3213〜3273から
の入力に対し論理演算を行って、当該論理演算の結果を
信号線41121 に出力する。同様に、他のANDゲー
ト4152 〜4158 もまた、それぞれに接続された7
本の(i=5)信号線からの入力に対し論理演算を行っ
て、当該論理演算の結果を信号線41123 〜4112
8 に出力する。ORゲート416は、信号線41121
〜41128 を通じて入力される各ANDゲート415
1 〜4158 の演算結果に対して論理演算を行って、信
号線4113に出力する。ORゲート417には、信号
線419、4111および4113を通じて、ORゲー
ト412、414および416の演算結果が入力され
る。ORゲート417は、入力された演算結果に対して
論理演算を行って、当該論理演算の結果を先頭検出信号
として出力する。
【0047】ところで、前述したように、本デジタルP
LL回路1に入力されるバーストデータには、パルス幅
歪みおよび/またはジッタが重畳されている場合があ
る。入力バーストデータの1ビット幅BWは前述の通り
予め定められているが、パルス幅および/またはジッタ
成分により時間変動する。以下、1ビット幅BWが、本
来のもの(予め定められた値)と比較して、5/8〜1
1/8の範囲内で変動する場合を考慮して、各シフトレ
ジスタ311 〜318 の容量が7ビット(請求項におけ
る自然数iに相当する)である理由、および、デコード
部321 〜328が取り扱うビット数(請求項における
jまたはkに相当する)が5〜7ビットである理由を説
明する。
【0048】図2(a)において、無入力区間である第
1の時間区間T1 では、「Hi」または「Lo」のレベ
ルを有するランダムなデータがデジタルPLL回路1に
入力されるとみなせる。そのため、データサンプリング
部11は、ランダムなデータを、クロック信号clk1
〜clk8 (図1参照)でサンプリングすると、0.5
の確率で「Hi」または「Lo」をとる信号を第1〜第
8系統のバーストデータとして出力してしまう。
【0049】今、図4のANDゲート4111 を例にと
る。ANDゲート4111 は、(i=7)信号線3211
〜3251と接続されている。(i=7)信号線3211
32 51が全て、「Hi」に設定される確率Pe1 は、確
率0.5を7乗した値をさらに5乗した値であり、次式
(1)で示される。言い換えれば、次式(1)で示され
る値は、ANDゲート4111 が「Hi」を出力する確
率でもある。 Pe1 =(0.575 =2.9*10(-11)…(1) 同様に、図4のANDゲート4112 〜4118 のそれ
ぞれも、上式(1)で示される通りの確率で「Hi」を
出力する。
【0050】次に、図5のANDゲート4131 を例に
とる。(i=6)信号線3212〜3262が全て、「H
i」に設定された場合、ANDゲート4131 は「H
i」を出力する。ANDゲート4131 が「Hi」を出
力する確率Pe2 は、次式(2)で示される通り、確率
0.5を6乗した値をさらに6乗した値となる。 Pe2 =(0.56 6 =1.5*10(-11) …(2) 同様に、ANDゲート4132 〜4138 のそれぞれ
も、上式(2)で示される確率で「Hi」を出力する。
【0051】次に、図6のANDゲート4151 を例に
とる。(i=5)信号線3213〜3273が全て、「H
i」に設定された場合、ANDゲート4151 は「H
i」を出力する。ANDゲート4151 が「Hi」を出
力する確率Pe3 は、次式(3)で示される通り、確率
0.5を5乗した値をさらに7乗した値となる。 Pe3 =(0.55 7 =2.9*10(-11) …(3) 同様に、ANDゲート4152 〜4158 のそれぞれ
も、上式(3)で示される確率で「Hi」を出力する。
【0052】以上の結果から、ランダムなデータ(不定
値を有する信号)がデジタルPLL回路1に与えられた
場合、ANDゲート4111 〜4118 、4131 〜4
13 8 および4151 〜4158 のいずれかが「Hi」
を出力する確率、つまり、先頭検出信号が「Hi」にな
る確率は、Pe1 、Pe2 およびPe3 で表される。言
い換えれば、Pe1 、Pe2 およびPe3 は、不定値を
有する入力信号がバーストデータの先頭として誤検出さ
れる確率を示す。伝送品質として、例えばビットエラー
レート10(-9)が要求される通信システムにおいて、P
1 、Pe2 およびPe3 は十分に小さい値である。本
先頭検出部12を採用すれば、先頭の誤検出に起因し
て、デジタルPLL回路1でビットエラーが引き起こさ
れたとしても、実用上問題ないことが判る。
【0053】また、ANDゲート4111 〜411
8 は、5本の(i=7)信号線としか接続されない。つ
まり、ANDゲート4111 〜4118 は、入力バース
トデータの各ビットの幅が、本来の1ビット幅BWと比
較して5/8位相分以上あれば、「Hi」および「L
o」を正しく出力できる。ANDゲート4131 〜41
8は、各ビットの幅が、1ビット幅の6/8位相分以
上であれば、「Hi」および「Lo」を正しく出力でき
る。ANDゲート4151 〜4158 は、各ビットの幅
が、1ビット幅BWの7/8位相分以上であれば、「H
i」および「Lo」を正しく出力できる。上述したよう
に、入力バーストデータの各ビットの幅は、たとえ変動
したとしても、1ビット幅BWの5/8位相分以上あ
る。したがって、ANDゲート4111 〜4118 、4
131 〜4138 、および4151 〜4158 は、各ビ
ット幅が変動しても、入力バーストデータの先頭を確実
に誤りなく検出する。
【0054】また、以上のANDゲート411b (b=
1,2…,8)は、5個のシフトレジスタ31b 〜31
(b+4) が保持する連続7ビットのパターンが、識別パタ
ーンと完全に一致した場合に、入力バーストデータの先
頭が検出されたと判定する。この判定に応答して、OR
ゲート417は先頭検出信号を出力する。このように、
識別パターンとの一致/不一致の判定に、可能な限り多
くのビット数(つまり7ビット)を用いることにより、
入力バーストデータの先頭は確実に検出される。また、
ANDゲート413b (b=1,2…,8)は、6個の
シフトレジスタ31b 〜31(b+5) が保持する最新6ビ
ットのパターンが、識別パターンと一致した場合、また
は、ANDゲート415b (b=1,2…,8)は、7
個のシフトレジスタ31b 〜31(b+5) が保持する最新
5ビットのパターンが、識別パターンと一致した場合、
入力バーストデータの先頭が検出されたと判定する。こ
のように、識別パターンとの一致/不一致の判定に、よ
り少ないビット数(つまり最新の6ビットまたは最新の
5ビット)を用いることにより、入力バーストデータの
先頭は即座に検出される。ここで、注意を要するのは、
より少ないビット数を単純に判定に用いれば、バースト
データの先頭が誤検出される確率が上がる。しかし、本
実施形態では、ANDゲート413b または415b
接続されるデコード部32(つまりシフトレジスタ3
1)の個数(請求項におけるqに相当する)をより多く
することで、誤検出の確率を下げている。つまり、上述
の例では、AND4131 には、6本の(i=6)信号
線3212〜3262を通じて6個のデコード部321 〜3
6 (6個のシフトレジスタ311 〜316 )と接続さ
れている。AND4151 には、7本の(i=5)信号
線3213〜3273を通じて7個のデコード部321 〜3
7 (7個のシフトレジスタ311 〜317 )と接続さ
れている。以上、請求項における「連続するq個のデコ
ード部」とは、連続するq系統のバーストデータ(連続
する位相位置φb が連続するq個のクロック信号clk
b でサンプリングされたもの)が入力されるq個のデコ
ード部32を意味する。
【0055】なお、パルス幅歪み等が発生する程度は、
本デジタルPLL回路1が適用される通信システム毎に
変わる。そのため、各シフトレジスタ311 〜318
容量、および、デコード部321 〜328 が取り扱うビ
ット数は、通信システムに要求されるビットレート等の
仕様に応じて、最適に選ばれる必要があることに注意を
要する。つまり、本願発明の技術的範囲は、各シフトレ
ジスタ311 〜318の容量が7ビットであると限定さ
れたり、デコード部321 〜328 が取り扱うビット数
が5〜7ビットであると限定されてはならない。先頭の
誤検出が発生する確率を変更するには、シフトレジス
タ31の段数および/または容量を増減したり、各デ
コード部31が判定に用いるビット数を増減したり、
各ANDゲート411、413および/または415に
接続される信号線32の本数を増減したりすればよい。
【0056】次に、図7を参照して、初期クロック位相
検出部332を詳細に説明する。図7において、初期ク
ロック位相検出部332には、ANDゲート4111
4118 、4131 〜4138 、および4151 〜41
8 の演算結果が、信号線4181 〜4188 、411
1 〜41108 および41121 〜41128 を通じ
て入力される。初期クロック位相検出部332は、上記
演算結果が入力されると、予め定められた規則α(図8
参照)に従って動作して、最適な位相位置φOP T を有す
るクロック信号clkOPT を特定する。ここで、クロッ
ク信号clkOP T は、クロック信号clk1 〜clk8
のいずれかである。図8の規則αには、「Hi」の演算
結果を出力したANDゲート毎に、選択すべきクロック
信号clkOPT が示されている。例えば、図8の最上段
に示すように、ANDゲート4111 が「Hi」を出力
した場合、第3相のクロック信号clk3 が選択され
る。また、上から2番目の段に示すように、ANDゲー
ト4112 が「Hi」を出力した場合、第4相のクロッ
ク信号clk4 が選択される。以降、図示した通りに、
最適なクロック信号clkOPT が選択される。
【0057】図8の規則αは、以下に説明するようにし
て定められる。図9(a)において1ビット幅BWおよ
び位相差Δφは既知の値である。例えば、ANDゲート
4111 が「Hi」を出力するには、5本の(i=7)
信号線3211〜3251が「Hi」に設定されなければな
らない(図3および図4参照)。つまり、図9(b)に
示すように、バーストデータの各ビットにゆらぎが生じ
ていても、当該各ビットは少なくとも位相位置φ1 〜φ
5 をカバーする。したがって、クロック信号clk3
各ビットの中間点CPに位置する可能性が最も高い。そ
のため、図8に示すように、ANDゲート4111 の演
算結果が「Hi」の場合、クロック信号clk3 が選ば
れる。以下、同様に、ANDゲート4112 〜4116
が「Hi」を出力した場合、クロック信号clk4 〜c
lk8 が選ばれる。また、ANDゲート4118 および
4118 が「Hi」を出力した場合、クロック信号cl
1 およびclk2 が選ばれる。
【0058】また、図8において、ANDゲート413
1 が「Hi」を出力するには、6本の(i=6)信号線
3212〜3262が「Hi」に設定されなければならない
(図3および図5参照)。つまり、図9(c)のよう
に、バーストデータの各ビットは少なくとも、位相位置
φ1 〜φ6 をカバーする範囲内でゆらぐ。したがって、
クロック信号clk3 が各ビットの中間点CPに位置す
る可能性が最も高い。そのため、図8に示すように、A
NDゲート4131 が「Hi」を出力した場合、クロッ
ク信号clk3 が選択される。以下、同様に、ANDゲ
ート4132 〜4136 が「Hi」を出力した場合、ク
ロック信号clk4 〜clk8 が選ばれる。また、AN
Dゲート4137 および4138 が「Hi」を出力した
場合、クロック信号clk1 およびclk2 が選ばれ
る。
【0059】さらに、図8において、ANDゲート41
1 が「Hi」を出力するには、7本の(i=5)信号
線3213〜3273が「Hi」に設定されなければならな
い(図3および図6参照)。つまり、図10のように、
バーストデータの各ビットは少なくとも、位相位置φ1
〜φ7 をカバーする範囲内でゆらぐ。したがって、クロ
ック信号clk4 が各ビットの中間点CPに位置する可
能性が最も高い。そのため、図8に示すように、AND
ゲート4151 の演算結果が「Hi」の場合、クロック
信号clk4 が選ばれる。以下、同様に、ANDゲート
4152 〜4155 が「Hi」を出力した場合、クロッ
ク信号clk5 〜clk8 が選ばれる。ANDゲート4
156 〜4138 が「Hi」を出力した場合、クロック
信号clk1 〜clk3 が選ばれる。初期クロック位相
検出部332は、以上の規則αに従って、各ビットの中
間点CPに最も近接するクロック信号clkOPT を特定
する。初期クロック位相検出部332は、特定されたク
ロック信号clkOPT を示す値を生成し、これを初期最
適位相情報として、クロック位相調整部13(図11参
照)に送信する。
【0060】次に、図11を参照して、クロック位相調
整部13を詳細に説明する。図11において、クロック
位相調整部13は、最適位相保持部1101と、エッジ
位置検出部1102と、7個のレジスタ11031 〜1
1037 と、セレクタ1104と、アドレス制御部11
05と、カウンタ1106と、レジスタ1107と、加
算回路1108と、割り算回路1109と、アップパル
ス発生部1110と、ダウンパルス発生部1111とを
含む。
【0061】最適位相保持部1101は、先頭検出信号
の受信により動作を開始する。その後、最適位相保持部
1101は、入力された初期最適位相情報、つまりクロ
ック信号clkOPT の値を保持する。最適位相保持部1
101は、現在保持しているクロック信号clkOPT
初期値として用いる。つまり、このクロック信号clk
OPT を示す値はそのまま、最適位相情報として、バス1
10を通じて、セレクタ1104およびデータ再生部1
4(後述)に送信される。初期最適位相情報により特定
される位相位置φOPT (つまりクロック信号cl
OPT )は、入力バーストデータの先頭から導出され
る。そのため、この位相位置φOPT は、初期の時点では
有効であるが、時間が経過すると有効でなくなる場合が
ある。なぜなら、各ビットの中間点CPがパルス幅歪み
および/またはジッタ成分の条件により時間変動するか
らである。そこで、クロック位相調整部13は、以下の
ようにして、最適位相情報により特定される最適な位相
位置φOPT を、各ビットの中間点CPに追従させる。
【0062】エッジ位置検出部1102は、データバス
15を通じて入力される第1〜第8系統のバーストデー
タに基づいて、各ビットの前縁LE(立ち上がりエッ
ジ)または後縁RE(立ち下がりエッジ)のエッジ位置
φEDGEを検出する。検出されたエッジ位置φEDGEは、エ
ッジ位置情報として、バス11012を通じて、セレク
タ1104およびカウンタ1106に送信される。この
エッジ位置検出部1102は、より具体的には、図12
に示す構成を有する。図12において、エッジ位置検出
部1102は、8個の排他的論理和回路12011 〜1
2018 と、8個の判定回路12021 と、8個のAN
Dゲート12031 〜12038 と、D型フリップフロ
ップ12041 〜12048 とを含む。各排他的論理和
回路1201b (b=1,2…,8)には、互いに位相
位置が隣り合う2個のクロック信号clkb およびcl
(b+1) でサンプリングされた第b系統および第(b+
1)系統のバーストデータが入力される。例えば、排他
的論理和回路12011 には、第1系統および第2系統
のバーストデータが入力される。また、排他的論理和回
路12018 には、第8系統および第1系統のバースト
データが入力される。
【0063】各排他的論理和回路1201b は、入力さ
れる第b系統および第(b+1)系統のバーストデータ
の排他的論理和を演算して、入力バーストデータにおい
て、レベルが「Hi」から「Lo」へと変わる変化点、
または「Lo」から「Hi」へと変わる変化点を検出す
る。各排他的論理和回路1201b は、変化点を検出し
た場合、「Hi」を出力し、変化点を検出しなかった場
合、「Lo」を出力する。各排他的論理和回路1201
b では、2種類の変化点が検出される。第1の変化点
は、各ビットの前縁LEまたは後縁REに起因してお
り、本クロック位相調整部13にとって必要なエッジ位
置情報である。例えば、図13(a)に示した例では、
位相位置φ1 およびφ2 の間に、各ビットの前縁LEが
存在する。この場合、排他的論理和回路12011 のみ
が「Hi」を出力し、他の排他的論理和回路12012
〜12018 は「Hi」を出力しない。一方、第2の変
化点は、入力バーストデータに重畳される雑音に起因
し、不要な情報である。かかる不要な第2の変化点も、
各排他的論理和回路1201b は検出してしまう。図1
3(b)のように、雑音(矢印β参照)が瞬間的に発生
した場合、排他的論理和回路12011 および1201
2 が「Hi」を出力する。本クロック位相調整部13の
処理には、各ビットの前縁LEまたは後縁REの位置情
報のみが必要となるため、雑音に起因する第2の変化点
は不要である。
【0064】そこで、各判定回路1202b (b=1,
2…,8)には、位相位置が連続する5個のクロック信
号clk(b+1) 〜clk(b+5) でサンプリングされた第
(b+1)系統〜第(b+5)系統のバーストデータが
入力される。例えば、判定回路12021 には、第2系
統から第6系統のバーストデータが入力される。また、
判定回路12028 には、第1系統から第5系統のバー
ストデータが入力される。
【0065】各判定回路1202b は、ANDゲート1
202b1および1202b2と、ORゲート1202b3
を含む。便宜上、図12には、判定回路12021 の内
部構成のみが示され、判定回路12022 〜12028
の内部構成は示されない。以下、判定回路12021
内部構成を代表的に説明する。ANDゲート1202 11
には、第2系統〜第5系統のバーストデータがそのまま
入力される。したがって、入力バーストデータが図13
(a)のような波形を有する場合、全系統のバーストデ
ータが「Hi」を示すので、ANDゲート120211
「Hi」を出力する。つまり、ANDゲート120211
は、位相位置φ2 〜φ5 において、「Hi」が続いてい
るか否かを検出している。また、入力バーストデータが
図13(b)のような波形を有する場合、いずれかの系
統のバーストデータが「Lo」を示すので、ANDゲー
ト120211は「Lo」を出力する。また、ANDゲー
ト120212には、第2系統〜第5系統のバーストデー
タが反転された後に入力される。したがって、全系統の
バーストデータが「Lo」の場合に限り、ANDゲート
120212は「Hi」を出力する。つまり、ANDゲー
ト120212は、位相位置φ2 〜φ5 において、「L
o」が続いているか否かを検出している。また、AND
ゲート120211および120212の出力は、ORゲー
ト120213に入力される。いずれかの出力が「Hi」
の場合、ORゲート120213は、「Hi」を出力す
る。他の判定回路1202b (b=2…,8)もまた、
判定回路12021 と同様に動作するが、入力されるバ
ーストデータの系統が異なるので、位相位置φb 〜φ
(b+4) において、「Hi」または「Lo」が続いている
か否かを検出する。
【0066】ANDゲート1203b (b=1,2…,
8)は、上述した排他的論理和回路1201b の出力
と、判定回路1202b の出力との論理積をとる。つま
り、排他的論理和回路1201b により「Lo」から
「Hi」への変化点または「Hi」から「Lo」への変
化点が検出され、かつ判定回路1202b により「H
i」または「Lo」の連続が検出した場合、ANDゲー
ト1203b の出力は「Hi」となる。例えば、入力バ
ーストデータが図13(a)に示すような場合、AND
ゲート1203b のみが「Hi」を出力し、これによっ
て、位相位置φ1 およびφ2 の間に、ビットの前縁LE
に起因する第1の変化点が検出される。また、例えば、
入力バーストデータが図13(b)に示すような場合、
ANDゲート1203b は、位相位置φ1 およびφ2
間に変化点があっても、判定回路1202b により「H
i」の連続が検出されないので、「Hi」を出力しな
い。つまり、ANDゲート12031 は、位相位置φ1
およびφ2 の間にはビットの前LEまたは後縁REでは
なく、雑音(矢印β参照)が発生していると判定する。
以上のように、ANDゲート1201b 、判定回路12
02b およびANDゲート1203b の組み合わせによ
り、ビットの前縁LEまたは後縁REに起因する第1の
変化点のみが検出される。
【0067】D型フリップフロップ1204b (b=
1,2…,8)は、ANDゲート1203b の出力を保
持する。各フリップフロップ1204b が保持する値
は、同じタイミングで送出され、バス11012上で多
重される。これによって、8ビット幅のエッジ位置情報
が生成される。エッジ位置情報は、ビットのエッジ位置
φ EDGEを位相位置φ1 〜φ8 のいずれかにより特定す
る。例えば、入力バーストデータが図13(a)に示す
ような場合、フリップフロップ12041 のみが「H
i」を出力し、他のフリップフロップ12042 〜12
048 は「Lo」を出力する。したがって、エッジ位置
情報は、(Hi,Lo,Lo,Lo,Lo,Lo,L
o,Lo)となる。この場合、エッジ位置φEDGEは位相
位置φ1 に相当する。
【0068】以上説明したように、エッジ位置検出部1
102は、雑音等に起因するレベルの変化に反応するこ
となく、ビットの前縁または後縁に起因するレベル変化
のみを反応する。さらに、エッジ位置検出部1102
は、検出したエッジ位置φEDGEを位相位置φb で示すエ
ッジ位置情報を、バス11012を通じて、セレクタ1
104とカウンタ1106に送信する。
【0069】再度図11を参照する。セレクタ1104
には、エッジ位置情報および最適位相情報とが入力され
る。以下、説明を明確にするために、セレクタ1104
に入力された最適位置情報、つまり最適位相保持部11
01により現在保持されている最適位置情報が示す最適
な位相位置φOPT を、前回最適な位相位置φOPT ’と称
する。まず、エッジ位置情報が示すエッジ位置φ
EDGEと、前回最適な位相位置φOPT ’との関係につい
て、図14を参照して説明する。図14(a)に示すよ
うに、前回最適な位相位置φOPT ’は、前回の処理にお
いて、入力バーストデータの各ビットの中間点に最も近
接すると判定された位相位置である。しかし、パルス幅
歪みおよび/またはジッタ成分により、前回最適な位相
位置φOPT ’が、ある程度の時間が経過した後も、各ビ
ットの中間点CPに最も近接するとは限らない。つま
り、前回の最適な位相位置φOPT ’が新しい最適な位相
位置φOPT に更新されないと仮定した場合、図14
(b)に示すように、時間経過と共に、前回最適な位相
位置φOPT ’は、現在の各ビットの中間点CPから離れ
てしまう場合がある。
【0070】また、1ビット幅BWは、変動しうるが、
既知である。したがって、パルス幅歪み等がビットに生
じないという条件下では、エッジ位置φEDGEから中間点
CPまでの時間dもまた既知である。さらに、位相位置
φ1 〜φ8 において、隣り合うもの同士の差Δφが同一
である場合には、時間dはΔφに比例する。今、この時
間dを4*Δφ(つまり、4/8位相)とする。この場
合、エッジ位置φEDGEに4*Δφを足し合わせた位置
が、本来の中間点CPに最も近いとみなせる。つまり、
φEDGE+4*Δφは、現在の各ビットの中間点CP(以
下、現在の中間点CPPRE と称す)として最も確からし
い位置を表す。セレクタ1104は、以上のような演算
を行って、現在の中間点CPPRE を求める。また、エッ
ジ位置φEDGEはおよび現在の中間点CPPRE は、位相位
置φ1〜φ8 のいずれかで表されることになる。
【0071】次に、セレクタ1104は、現在の中間点
CPPRE と前回最適な位相位置φOP T ’とを比較する。
比較の結果、現在の中間点CPPRE が前回最適な位相位
置φ OPT ’と等しい位置ならば、セレクタ1104はレ
ジスタ11034 に蓄積された重み付け値「0」を取り
出して、評価値「0」として出力する。また、図15
(a)のように、現在の中間点CPPRE が前回最適な位
相位置φOPT ’を基準として前に1/8位相分ずれてい
るならば、セレクタ1104はレジスタ1103 5 に蓄
積された重み付け値「−1」を取り出して、評価値「−
1」として得る。また、図15(b)のように、現在の
中間点CPPRE が前回最適な位相位置φOP T ’を基準と
して後ろに1/8位相分ずれているならば、セレクタ1
104はレジスタ11035 に蓄積された重み付け値
「+1」を、評価値「+1」として得る。他の場合も同
様に、現在の中間点CPPRE が位相位置φOPT を基準と
して前に2/8位相分または3/8位相分ずれているな
らば、評価値「−2」または「−3」が得られる。ま
た、現在の中間点CPPRE が位相位置φOPT に対して後
ろに2/8位相分または3/8位相分ずれているなら
ば、評価値「+2」または「+3」が得られる。セレク
タ1104は、以上の説明したように、エッジ位置情報
の入力毎に、現在の中間点CPPRE を導出して、「−
3」〜「+3」のいずれかの評価値を得る。評価値は、
上述から明らかなように、前回最適な位相位置φ OPT
を基準とした現在の中間点CPPRE のずれを示し、セレ
クタ1104からアドレス制御部1105へと送信され
る。
【0072】ところで、エッジ位置情報は、セレクタ1
104だけでなく、バス11012を通じてカウンタ1
106にも送信される。カウンタ1106は、エッジ位
置情報の入力毎に(つまりエッジ位置φEDGEの検出毎
に)、カウント値をインクリメントして、アドレス制御
部1105に出力する。したがって、評価値とカウント
値とがアドレス制御部1105に入力される。アドレス
制御部1105の後段には、aワード分(請求項におけ
るaに相当)の評価値を保持可能なレジスタ1107が
接続される。アドレス制御部1105は、入力されたカ
ウント値に基づいて、評価値をレジスタ1107に書き
込む。つまり、カウント値は、評価値を書き込むための
アドレス位置を特定している。このように、評価値は、
各ビットのエッジ位置φEDGEが検出される度に、レジス
タ1107に順次蓄積される。評価値がaワード分蓄積
されると、加算回路1108は、aワード分の評価値を
レジスタ1107から得て、得られた評価値の合計をと
る。その後、割り算回路1109は、評価値の合計をa
で割る。これによって、a個の評価値の平均値が算出さ
れる。算出された平均値は、アップパルス発生部111
0およびダウンパルス発生部1111に出力される。ア
ップパルス発生部1110は、入力された平均値が「+
1」以上である場合にのみ、最適位相保持部1101に
アップパルスを出力する。ダウンパルス発生部1111
は、入力された平均値が「−1」以上である場合にの
み、最適位相保持部1101にダウンパルスを出力す
る。
【0073】アップパルスおよびダウンパルスは、a回
検出された中間点CPPRE が平均的に、前回最適な位相
位置φOPT ’に対して後ろおよび前にずれていることを
示す。最適位相保持部1101は、入力されたアップパ
ルスまたはダウンパルスに基づいて、現在の最適な位相
位置φOPT を示す新しい最適位相情報を生成し保持す
る。より具体的には、アップパルスの入力時には、図1
6(a)のように、前回最適な位相位置φOPT ’から1
位相差Δφ分だけ前の方向にずらされたものが、現在の
最適位相位置φOPT として得られる。一方、ダウンパル
スの入力時に得られる現在の最適位相位置φOPT は、図
16(b)に示すように、前回最適な位相位置φOPT
から1位相差Δφ分だけ後ろの方向にずれたものであ
る。以上のような新しい最適位相情報は、バス110を
通じてデータ再生部14に出力される。
【0074】ところで、アップパルスまたはダウンパル
スは、カウンタ1106にも出力される。カウンタ11
06は、入力されたいずれかのパルスをリセット信号と
みなし、カウント動作をリセットする。したがって、レ
ジスタ1107には、a個の評価値の平均値が新規に蓄
積されるので、現在最適な位相位置φOPTが随時更新さ
れていく。以上のようにして、最適位相保持部1101
は、所定の時間毎に(エッジ位置φEDGEがa回検出され
る度に)、新しい最適な位相位置φOPT を検出する。こ
れによって、最適な位相位置φOPT は常に、入力バース
トデータの各ビットの中心点CPに追従させることがで
きる。
【0075】次に、図17を参照して、データ再生部1
4を詳細に説明する。図17において、データ再生部1
4は、セレクタ1401と、多数決回路1402と、ポ
インタ制御部1403と、エラスティックバッファ14
04と、読み出し部1405とを含む。なお、セレクタ
1401および多数決回路1402とは、データ判別部
1406を構成する。セレクタ1401には、データバ
ス15(図1参照)を通じて、第1系統〜第8系統のバ
ーストデータが入力される。さらに、セレクタ1401
には、バス110を通じて、現在最適な位相位置φOPT
を示す最適位相情報が入力される。φ OPT は、φb (b
は1〜8のいずれかの自然数)で特定される。セレクタ
1401は、最適位相情報の入力毎に得られる最適な位
相位置φOPT (つまり、φb )を中心として、後ろの位
相位置φ(b-1) および前のφ(b+1) を選択する。例え
ば、φOPT がφ5 であった場合、図18に示すように、
位相位置φ4 〜φ6 とが選択される。その後、セレクタ
1401は、位相位置φ(b-1) 〜φ(b+1) を有するクロ
ック信号clk(b-1) 〜clk(b+1) を選択する。次
に、セレクタ1401は、入力された全系統のバースト
データから、クロック信号clk(b-1) 〜clk(b+1)
でサンプリングされた第(b−1)〜第(b+1)系統
のバーストデータのみを選択して、多数決回路1402
に出力する。
【0076】また、ポインタ制御部1403には、先頭
検出信号、最適位相情報および8相のクロック信号cl
1 〜clk8 が入力される。ポインタ制御部1403
は、先頭検出信号の入力に応答して動作を開始する。動
作開始後、ポインタ制御部1403は、最適位相情報が
示すφOPT (つまりφb )を有するクロック信号clk
b を、入力されたクロック信号clk1 〜clk8 から
選択する。さらに、ポインタ制御部1403は、クロッ
クclkb (位相位置φb )に同期して、第1のカウン
ト値をインクリメントした後に、インクリメントされた
第1のカウンタ値を多数決回路1402に出力する。
【0077】多数決回路1402は、入力された第(b
−1)〜第(b+1)系統のバーストデータの多数決を
とって、後段のエラスティックバッファ1404に書き
込むべきビット(レベル「Hi」またはレベル「L
o」)を決定する。例えば、第(b−1)、第bおよび
第(b+1)系統のバーストデータが「Hi」、「L
o」および「Hi」を示す場合、「Hi」の個数が「L
o」の個数を上回っているので、レベル「Hi」を書き
込むべきビット(バーストデータ)として判別する。そ
の後、多数決回路1402は、ポインタ制御部1403
から入力された第1のカウント値に従って、判別された
ビット(バーストデータ)をエラスティックバッファ1
404に書き込む。つまり、第1のカウント値は、エラ
スティックバッファ1404における書き込み位置を示
している。また、第1のカウント値は、クロック信号c
lkb と同期しているので、この書き込みもまた、クロ
ック信号clkb と同期している。
【0078】なお、多数決回路1402は、本デジタル
PLL回路1の必須の構成でないことには注意を要す
る。しかしながら、多数決回路1402は、簡単に言え
ば、入力バーストデータに生じうる雑音に対する耐性を
向上させるので、デジタルPLL回路1に備えられるこ
とが好ましい。以下、雑音に対する耐性の向上について
説明する。本質的には、セレクタ1401は、全系統の
バーストデータから選択される第b系統のバーストデー
タのみをエラスティックバッファ1404に書き込めば
よい。これによって、本デジタルPLL回路1の目的
(つまり、無入力区間とバーストデータとを正確に識別
して、バーストデータのみを正しく再生すること)は達
成される。
【0079】さて、雑音はランダムに発生するので、最
適位相位置φOPT (φb )で雑音が入力バーストデータ
に重畳される場合がある。かかる場合、クロック信号c
lk b (位相位置φb )でサンプリングされた第b系統
のバーストデータにはビット誤りが生じている可能性が
ある。しかしながら、雑音には様々な種類がある。その
中には、入力バーストデータに瞬間的に重畳する雑音が
ある。かかる雑音は、たとえ位相位置φb で重畳されて
も、位相位置φb の周辺の位相位置φ(b-1) およびφ
(b+1) には重畳されないことが多い。つまり、第(b−
1)および第(b+1)系統のバーストデータにはビッ
ト誤りが生じていない場合が多い。そこで、多数決回路
1402は、上述したように、セレクタ1401により
選択された第(b−1)〜第(b+1)系統のバースト
データの多数決をとる。したがって、エラスティックバ
ッファ1404に書き込まれるビットには、雑音による
誤りが発生している可能性は、多数決回路1402が無
い場合と比較して小さくなる。これによって、入力バー
ストデータに生じうる雑音に対する耐性を向上させるこ
とができる。
【0080】なお、以上の説明では、セレクタ1401
は、第(b−1)〜第(b+1)系統分、つまり3系統
分のバーストデータを選択していた。しかしながら、選
択されるのは、3系統分に限られず、複数系統分(請求
項におけるp系統に相当する)のバーストデータが選択
されればよい。
【0081】さて、再度、図17を参照する。ポインタ
制御部1403は、動作開始後、第1のカウント値だけ
でなく、第2のカウント値を出力する。以下、第2のカ
ウント値の出力時の動作を説明する。ポインタ制御部1
403に入力されるクロック信号clk1 〜clk8
中には、システムクロックclkS と同じ位相位置φ S
を有するものがある。ポインタ制御部1403は、この
システムクロックclkS (位相位置φS )に同期し
て、第2のカウント値をインクリメントした後に、イン
クリメントされた第2のカウンタ値を読み出し部140
5に出力する。
【0082】読み出し部1405は、ポインタ制御部1
403から入力された第2のカウント値に従って、エラ
スティックバッファ1404に書き込まれているバース
トデータを読み出す。つまり、第2のカウント値は、エ
ラスティックバッファ1404における読み出しアドレ
スを示している。第2のカウント値は、システムクロッ
クclkS と同期しているので、この読み出しもまた、
システムクロックclkS と同期して行われることにな
る。ただし、多数決回路1402の書き込みアドレスの
初期値と、読み出し部1405の読み出しアドレスの初
期値とは、エラスティックバッファ1404のアドレス
領域において最も遠くなるように予め選ばれている。読
み出し部1405は、読み出したものを再生されたバー
ストデータとして信号線111に出力する。
【0083】(第2の実施形態)次に、図19を参照し
て、本発明の第2の実施形態に係る光受信回路を説明す
る。図19において、光受信回路2は、光電変換素子1
501と、プリアンプ1502と、AGCアンプ150
3と、デジタルPLL回路1とを含む。光電変換素子1
501は、バースト的な光信号が入力されると、入力さ
れた光信号を電気信号に変換する。プリアンプ1502
は、光電変換素子1501により変換された電気信号を
増幅して、後段のAGCアンプ1503に出力する。A
GCアンプ1503は、自動利得制御機能を有してお
り、入力された電気信号の振幅値を常に一定に増幅して
出力する。そのために、AGCアンプ1503は、線形
増幅部1504と、リファレンス信号発生部1505
と、コンパレータ1506とを含む。線形増幅部150
4は、プリアンプ1502からの電気信号を線形に増幅
して、コンパレータ1506に出力する。リファレンス
信号発生部1505は、リファレンス信号を生成して、
コンパレータ1506に出力する。
【0084】コンパレータ1506は、線形増幅部15
04から出力された電気信号と、リファレンス信号発生
部1505から出力されたリファレンス信号とを比較す
る。コンパレータ1506は、電気信号がリファレンス
信号よりも大きい値を有する場合、「Hi」を示す信号
を出力し、逆に、電気信号がリファレンス信号よりも小
さい値を有する場合、「Lo」を示す信号を出力する。
したがって、コンパレータ1506の出力信号は、第1
の実施形態で説明したバーストデータとなる。このバー
ストデータは、デジタルPLL回路1に出力される。
【0085】デジタルPLL回路1は、図1〜図18を
参照して説明した構成および機能を有するので、その説
明は簡素化される。デジタルPLL回路1は、無入力区
間(時間区間T1 )とバーストデータの入力区間(時間
区間T2 )とを正確に区別し、入力バーストデータに基
づいて、最適に制御された位相位置φOPT を有するクロ
ック信号clkb (bは1、2,…nの自然数)を再生
する。そして、デジタルPLL1に含まれるデータ判別
部1406(図17参照)は、最適な位相位置φOPT
有するクロック信号clkb に同期して動作して、入力
バーストデータを判別(識別)する。判別されたバース
トデータはエラスティックバッファ1404に書き込ま
れる。また、読み出し部1405は、システムクロック
clkSと同期して動作して、エラスティックバッファ
からデータを読み出す。読み出されたデータは、再生さ
れたバーストデータとして、信号線111に出力され
る。この光受信回路2により、バースト的に発生する光
信号は、システムクロックclkS に同期したデータと
して再生することができる。
【0086】以上説明したように、本実施形態に係る光
受信回路2は、バーストデータの先頭検出機能を有する
デジタルPLL回路1を備えている。デジタルPLL回
路1において特有な事項は、先頭検出部12が、クロッ
ク位相調整部13およびデータ再生部14に対して前置
されることである。これによって、コンパレータ150
6にヒステリシス機能を組み込む必要がなくなる。より
具体的には、無入力区間(第1の時間区間T1 )におい
て、デジタルPLL回路1には、不定値を有する信号
(ランダムデータ)が入力される。したがって、先頭検
出部12は、入力ランダムデータをバーストデータとし
て取り扱う。しかしながら、先頭検出部12が入力ラン
ダムデータから識別パターンを検出する確率は、前式
(1)〜(3)を用いて説明したように、十分に低い。
そのため、先頭検出部12に対して後置されるクロック
位相調整部13およびデータ再生部14が入力ランダム
データに基づいて動作する確率も十分に低く、バースト
データの入力にのみ応答して動作し、バーストデータの
再生処理を行う。言い換えれば、ヒステリシス機能が、
コンパレータ1506の出力信号を強制的に「0」に設
定しなくとも、クロック位相調整部13およびデータ再
生部14は、バーストデータの入力にのみ応答して動作
し、バーストデータの再生処理を正しく行うことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係るデジタルPLL回路1の
ブロック構成を示している。
【図2】図1のデジタルPLL回路1への入力バースト
データの波形を模式的に示している。
【図3】図1の先頭検出部12の詳細な構成を示してい
る。
【図4】図3の先頭パターン検出部331について部分
的な構成を詳細に示している。
【図5】図3の先頭パターン検出部331について部分
的な構成を詳細に示している。
【図6】図3の先頭パターン検出部331について部分
的な構成を詳細に示している。
【図7】図3の初期クロック位相検出部332の詳細な
構成を示している。
【図8】図7の規則αを詳細に説明するための図であ
る。
【図9】図8の規則αに関し、最適な位相位置φOPT
有するクロック信号clkOPTの選び方を説明するため
の図である。
【図10】図8の規則αに関し、最適な位相位置φOPT
を有するクロック信号clkOPTの選び方を示してい
る。
【図11】図1のクロック位相調整部13の詳細な構成
を示している。
【図12】図11のエッジ位置検出部1102の詳細な
構成を示している。
【図13】本デジタルPLL回路1に入力されるバース
トデータ波形の例を示している。
【図14】図11のエッジ位置検出部1102により生
成されるエッジ位置情報が示すエッジ位置φEDGEと、前
回最適な位相位置φOPT ’との関係を説明するための図
である。
【図15】図11のセレクタ1104が導出する評価値
と、現在の中間点CPPRE と前回最適な位相位置
φOPT ’との間に生じるずれとの関係を示している。
【図16】図11の最適位相保持部1101における位
相位置φOPT の調整の仕方を説明する図である。
【図17】図1のデータ再生部14の詳細な構成を示し
ている。
【図18】図17のセレクタ1401が選択する位相位
置φ(b-1) 〜φ(b+1) の一例を示している。
【図19】第2の実施形態に係る光受信回路2の構成を
示している。
【符号の説明】
1…デジタルPLL回路 10…多相クロック生成部 11…データサンプリング部 12…先頭検出部 13…クロック位相調整部 14…データ再生部 311 〜318 …シフトレジスタ 321 〜328 …デコード部 331…識別パターン検出部 332…初期クロック位相検出部 1102…エッジ位置検出部

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力されたバーストデータに基づいて再
    生されるクロック信号の位相が、バーストデータの各ビ
    ットに対する最適位置に同期するように調整するデジタ
    ルPLL回路であって、 システムクロックに基づいて、1/n位相(nは正の整
    数)ずつ位相がずらされたn相のクロック信号を生成す
    る多相クロック生成部と、 入力バーストデータを、前記多相クロック生成部で生成
    されたn相のクロック信号を用いてサンプリングして、
    n系統のバーストデータを生成するサンプリング部と、 前記サンプリング部が生成したn系統のバーストデータ
    から、入力バーストデータの先頭を検出するとともに、
    検出された先頭に基づいて、前記多相クロック生成部が
    生成したn相のクロック信号の各位相位置から、最適な
    位相位置を検出する先頭検出部と、 前記サンプリング部が生成したn系統のバーストデータ
    から、入力バーストデータの各エッジの位置を検出し
    て、前記先頭検出部が検出した最適な位相位置を基準と
    して、検出された各エッジの位置に基づいて、クロック
    信号の位相位置を現在最適なものに調整するクロック位
    相調整部とを含む、デジタルPLL回路。
  2. 【請求項2】 前記クロック調整部は、 入力バーストデータのエッジの位置を検出するたびに、
    検出されたエッジの位置に基づいて、当該ビットの中間
    点を導出し、 現在設定されている最適な位相位置と、導出されたビッ
    トの中間点とのずれに関する評価値を導出して蓄積し、 評価値がa回導出された後に、現在蓄積されているa個
    の評価値の平均値を算出し、 算出された平均値に基づいて、クロック信号の位相位置
    を現在最適なものに調整する、請求項1に記載のデジタ
    ルPLL回路。
  3. 【請求項3】 前記クロック調整部は、前記先頭検出部
    が入力バーストデータの先頭を検出したタイミングで、
    前記サンプリング部が生成したn系統のバーストデータ
    から、入力バーストデータの各エッジの位置を検出する
    ことを開始する、請求項1に記載のデジタルPLL回
    路。
  4. 【請求項4】 前記バーストデータには、先頭を特定す
    るための識別パターンが予め設定されており、 前記先頭検出部は、 前記サンプリング部が生成したn系統のバーストデータ
    を保持するn個のシフトレジスタと、 前記n個のシフトレジスタの後段に1個ずつ接続されて
    おり、自身と接続されたシフトレジスタに保持されるビ
    ットパターンが、識別パターンと一致するか否かを判定
    するn個のデコード部とを含み、 前記n個のデコード部の判定結果に基づいて、入力バー
    ストデータの先頭を検出する、請求項1に記載のデジタ
    ルPLL回路。
  5. 【請求項5】 各前記シフトレジスタが保持するビット
    数iは予め定められており、 前記デコード部が、自身と接続されたシフトレジスタに
    保持されたiビットのパターンの内、jビット(jはj
    =iを満たす自然数)が識別パターンと一致したと判定
    したとき、前記先頭検出部は、入力バーストデータの先
    頭を検出したとみなす、請求項4に記載のデジタルPL
    L回路。
  6. 【請求項6】 連続するq個(qはq<nを満たす自然
    数)の前記デコード部が、自身と接続されたシフトレジ
    スタに保持されたiビットのパターンの内、最新のkビ
    ット(kはk<jを満たす自然数)が識別パターンと一
    致したと判定したとき、前記先頭検出部は、入力バース
    トデータの先頭を検出したとみなし、 前記qおよびkは、伝送品質として要求されるビットエ
    ラーレートを満足する値に選ばれる、請求項5に記載の
    デジタルPLL回路。
  7. 【請求項7】 前記先頭検出部は、前記n個のデコード
    部の判定結果に基づいて、クロック信号の最適な位相位
    置を検出するクロック位相検出部をさらに含み、 前記クロック位相検出部は、 前記n個のデコード部の判定結果に基づいて、入力バー
    ストデータの先頭における各ビットの中心の位相位置を
    検出して、検出された中心の位相位置を最適な位相位置
    とみなす、請求項4に記載のデジタルPLL回路。
  8. 【請求項8】 前記クロック位相調整部は、入力バース
    トデータの各エッジの位置を検出するエッジ位置検出部
    を含み、 前記エッジ位置検出部は、 排他的論理和をとって、入力バーストデータにおける
    「Lo」から「Hi」への変化点または「Hi」から
    「Lo」への変化点を検出する排他的論理和回路と、 前記排他的論理和回路が検出した「Lo」から「Hi」
    への変化点または「Hi」から「Lo」への変化点の後
    に、「Hi」または「Lo」が連続するか否かを判定す
    る判定部とを含み、 前記判定部により「Hi」または「Lo」が連続すると
    判定された場合に限り、前記排他的論理和回路が検出し
    た「Lo」から「Hi」への変化点または「Hi」から
    「Lo」への変化点が、入力バーストデータのエッジ位
    置として検出される、請求項1に記載のデジタルPLL
    回路。
  9. 【請求項9】 前記クロック位相調整部が調整した位相
    位置に基づいて、前記サンプリング部が生成したn系統
    のバーストデータから、受信すべきビットを判別する判
    別部をさらに含む、請求項1に記載のデジタルPLL回
    路。
  10. 【請求項10】 前記判別部は、 前記クロック位相調整部が調整した位相位置に基づい
    て、前記サンプリング部が生成したn系統のバーストデ
    ータから、p系統(pはp≦nを満たす自然数)のバー
    ストデータを選択する選択部と、 前記選択部が選択したp系統のバーストデータから、多
    数決によって、受信すべきビットを決定する多数決回路
    とを含む、請求項9に記載のデジタルPLL回路。
  11. 【請求項11】 前記判別部により判別されたビット
    が、前記クロック位相調整部により最適に調整された位
    相位置のクロック信号に基づいて書き込まれるエラステ
    ィックバッファをさらに含み、 前記エラスティックバッファに書き込まれたビットは、
    前記システムクロックに基づいて読み出される、請求項
    1に記載のデジタルPLL回路。
  12. 【請求項12】 前記エラスティックバッファへの書き
    込みおよび読み出しのタイミングは、前記先頭検出部が
    入力バーストデータの先頭を検出した時点である、請求
    項11に記載のデジタルPLL回路。
  13. 【請求項13】 バースト的な光信号を受信する光受信
    回路であって、 入力された光信号を電気信号に変換する光電変換素子
    と、 前記光電変換素子により変換された電気信号を増幅する
    アンプと、 前記アンプにより出力された電気信号と、所定のしきい
    値とを比較して、当該電気信号をデジタルデータに変換
    するコンパレータと、 前記コンパレータにより変換されたデジタルデータに基
    づいて再生されるクロック信号の位相が、当該デジタル
    データの各ビットに対する最適位置に同期するように調
    整するデジタルPLL回路とを含み、 前記デジタルPLL回路は、 システムクロックに基づいて、1/n位相(nは正の整
    数)づつ位相がずらされたn相のクロック信号を生成す
    る多相クロック生成部と、 入力デジタルデータを、前記多相クロック生成部で生成
    されたn相のクロック信号を用いてサンプリングして、
    n系統のデジタルデータを生成するサンプリング部と、 前記サンプリング部が生成したn系統のデジタルデータ
    から、入力デジタルデータの先頭を検出するとともに、
    検出された先頭に基づいて、前記多相クロック生成部が
    生成したn相のクロック信号の各位相位置から、最適な
    位相位置を検出する先頭検出部と、 前記サンプリング部が生成したn系統のデジタルデータ
    から、入力デジタルデータの各エッジの位置を検出し
    て、前記先頭検出部が検出した最適な位相位置を基準と
    して、検出されたエッジの位置に基づいて、クロック信
    号の位相位置を現在最適なものに調整するクロック位相
    調整部とを含む、光受信回路。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006505866A (ja) * 2002-11-05 2006-02-16 ラムバス・インコーポレーテッド データ取得の方法と装置
JP2011035495A (ja) * 2009-07-30 2011-02-17 Ricoh Co Ltd インタフェース回路及びそれを備えた半導体装置
JP2011517374A (ja) * 2007-11-20 2011-06-02 アイメック Tdmaネットワークにおける信号検出のための装置及び方法
CN112748656A (zh) * 2019-10-29 2021-05-04 意法半导体股份有限公司 时间测量电路、电子系统以及相应的集成电路

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