JP2001053734A - バースト光信号用の光受信回路 - Google Patents

バースト光信号用の光受信回路

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JP2001053734A
JP2001053734A JP11223912A JP22391299A JP2001053734A JP 2001053734 A JP2001053734 A JP 2001053734A JP 11223912 A JP11223912 A JP 11223912A JP 22391299 A JP22391299 A JP 22391299A JP 2001053734 A JP2001053734 A JP 2001053734A
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Japan
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signal
unit
phase
burst data
clock
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JP11223912A
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English (en)
Inventor
Hiroaki Asano
弘明 浅野
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 バースト光信号の有無に基づいてヒステリシ
ス制御部を制御することにより、SN比の劣化を抑制で
きる光受信回路を提供することである。 【解決手段】 光電変換素子1は、入力バースト光信号
を電気信号に変換する。線形増幅部2は、光電変換素子
1からの電気信号を増幅する。比較部3は、デジタルP
LL回路4からの先頭検出信号に基づいて働くヒステリ
シス制御部を有する。ヒステリシス制御部は、先頭検出
信号に基づいて、その値が変化するリファレンス信号を
生成する。さらに、比較部3は、増幅部からの電気信号
と、リファレンス信号とを比較して、バーストデータを
再生する。デジタルPLL回路4は、入力バーストデー
タの先頭部分を検出して、先頭検出信号を生成する。さ
らに、デジタルPLL回路4は、先頭検出信号に基づい
て、バーストデータから再生されたクロック信号の位相
位置を最適に調整して、バーストデータを再生する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バースト光信号を
受信する光受信回路に関し、より特定的には、バースト
光信号の有無を正確に区別して、電気的なバーストデー
タを再生する光受信回路に関する。
【0002】
【従来の技術】センタ装置が複数の端末を収容するポイ
ント−マルチポイントのネットワークでは、互いに周波
数同期の取れた端末同士が双方向データ通信を行う。セ
ンタ装置では、端末からのデータを受信すると、受信デ
ータの位相を識別し、識別された位相を基に再生したク
ロックを用いて、受信データを再生する。かかるデータ
再生方式の1つが、アイ・エス・エス・シー・シー’9
3(ISSCC’93)TA6.4(以下、この文献に
記載された方式を「第1の従来例」と称す)に報告され
ている。
【0003】第1の従来例を採用する受信端末は、受信
データからその位相を瞬時に判定し、クロックを再生
し、さらに、再生したクロックにより再生データを識別
する処理を行う。この一連の処理において、第1および
第2のVCO(VoltageControlled
Oscillator)が用いられる。第1および第2
のVCOは、ゲート信号によりそれぞれの発振が制御可
能に構成される。第1および第2のVCOの発振周波数
は、システムクロックのそれと同期している。受信デー
タが「Hi」の時、第1のVCOの初期位相が「0」に
設定された後に、当該第1のVCOが発振を開始する。
受信データが「Lo」に変化すると、第1のVCOの発
振は休止する。また、同時に受信データが「Lo」の場
合には、第2のVCOは、その初期位相が「0」に設定
された後に、発振を開始する。受信データが「Hi」に
変化すると、第2のVCOの発振は休止する。したがっ
て、受信データにおいて「Hi」が連続する場合、第1
のVCOが発振し続け、受信データにおいて「Lo」が
連続の場合、第2のVCOが発振し続ける。第1のVC
Oの出力信号と、第2のVCOの出力信号との論理和出
力が、受信データを基に再生されたクロックとして用い
られる。
【0004】以上の第1の従来例では、入力信号である
バーストデータのパルス幅歪みが十分に抑圧されている
ことが求められる。バーストデータのパルス幅歪みが十
分に抑圧されている場合、再生されたクロックの立ち下
がりエッジ(後縁)は、正確に各ビットの中心に配置さ
れ、これによって、受信バーストデータが正確に再生さ
れる。しかしながら、パルス幅歪みが発生する状況で
は、下記のような問題点があった。例えば、パルス幅歪
みにより、ある「Hi」を示すビットの幅が、本来の幅
に対して半分程度まで狭くなっていた場合を想定する。
かかる場合、再生されたクロックの立ち下がりエッジ
で、入力バーストデータを正確にサンプリングすること
ができない。以上から明らかなように、第1の従来例で
は、パルス幅歪みが発生する状況下では、バーストデー
タの識別を正確に行えない場合があるという問題点があ
った。
【0005】また、以上の第1の従来例では、第1およ
び第2のVCOの発振周波数が本来のシステムクロック
に対して同一に設定されなかったり、雑音の影響等で当
該各発振周波数に誤差が発生したりする場合がある。か
かる場合に、データの受信および識別の処理が行われる
と、再生されたクロックの位相は、同レベル(「Hi」
または「Lo」)が連続する各ビットの中心から徐々に
ずれてしまう。そのため、第1の従来例では、データの
識別処理が正確にできなくなる恐れがあるという問題点
があった。
【0006】以下に説明する第2の従来例は、第1の従
来例での問題点を解決するものとして、「特開平9−3
6849」号公報に詳しく開示されている。第2の従来
例では、受信端末で利用するシステムクロックを基準と
して、2クロック期間の間に、データの変化点が検出さ
れる。検出されたデータの変化点によって、立ち下がり
エッジと立ち上がりエッジとの中間位置が検出される。
検出された中間位置は最適位相位置とされる。かかる最
適位相位置に、データの識別に用いられるクロックは配
置される。このようにして、立ち上がりエッジと立ち下
がりエッジとを常に監視しているため、クロックの位相
は、最適な位置に補償されるので、第1の従来例による
問題点が解決される。また、第2の従来例では、パルス
幅歪みおよび/またはジッタの影響を考慮して、上記最
適位相位置の検出には、積分器を用いて2クロック期間
毎に求めた位相位置の平均値を求めることが望ましいと
記載されている。
【0007】また、第3の従来例としての「特開平8−
237117」号公報に記載された技術がある。この第
3の従来例では、受信データの立ち下がりエッジの位置
の平均値が検出され、その平均値の情報を基に最適な位
相位置が特定される。さらに、この最適位相位置を中心
とする1ビット幅の区間に存在するデータの変化点の数
が検出される。1ビット幅の区間内に2個の変化点が検
出された場合、パルス幅歪みおよび/またはジッタが受
信データに発生していることになる。かかる場合、2個
の変化点の中心の値が最適位相位置として選択される。
これによって、受信データの識別処理において、パルス
幅歪みおよび/またはジッタの影響が抑えられる。一
方、検出された変化点の数が1個または0個の場合、パ
ルス幅歪み等が受信データに発生していないことになる
ので、最適位相位置の値はそのまま維持される。
【0008】以上の第2および第3の従来例では、最適
位相位置を選ぶために、複数ビットの変化点情報の平均
値を求める処理が行われる。ただし、第2および第3の
従来例を採用した回路がデータを受信しない無信号区間
には、当該回路に対して前置されるAGCアンプの最終
段のコンパレータから、データ信号が出力されないこと
が前提となる。そうでなければ、このコンパレータは、
無入力区間で発生しうる雑音を、ランダムに発生するデ
ータとして誤って出力してしまう。したがって、第2の
従来例等では、本来は無信号区間であり、平均値がとら
れてはならないにもかかわらず、当該無信号区間でデー
タの変化点情報を含めて平均値がとられてしまう。その
結果、正確な位相位置を有するクロックの再生は、バー
ストデータの先頭付近(つまり、無信号区間から有信号
区間に遷移した直後)で行えなくなるという問題点があ
った。かかる問題点を解消するため、第2および第3の
従来例では、AGCアンプの最終段に設けられるコンパ
レータにヒステリシス制御部が組み込まれていた。ヒス
テリシス制御部は、コンパレータ出力に応じて、リファ
レンス信号の値を入力信号に対してシフトさせる。ヒス
テリシス制御部により、AGCアンプは、無信号区間に
発生した雑音を増幅することなく、レベルが「0」の信
号を出力する。このヒステリシス制御部によって、AG
Cアンプの出力信号は、無信号区間において「0」に固
定されていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、第2お
よび第3の従来例では、ヒステリシス制御部は、有信号
区間でも有効にされており、リファレンス信号の値が、
入力されたバーストデータに応じてシフトしていた。そ
の結果、SN比(Signal to Noise R
atio)が劣化する。つまり、ビットエラーレートを
低く抑制し、十分に高品質なデータ通信が行える受信レ
ベルが劣化するという問題があった。また、入力信号に
対するリファレンス信号の値のシフト量が、出力信号が
「0」の場合と「1」の場合とで同一にできれば、ヒス
テリシス制御部が組み込まれることに問題はない。しか
しながら、ヒステリシス制御部を実現する素子のばらつ
き等により、出力信号が「0」の場合と「1」の場合と
でシフト量を同一にできない場合には、コンパレータ
は、パルス幅歪みを強調して、信号を出力するという問
題点があった。
【0010】それゆえに、本発明の目的は、バースト光
信号の有無に基づいてヒステリシス制御部を制御するこ
とにより、SN比の劣化を抑制できる光受信回路を提供
することである。
【0011】
【課題を解決するための手段および発明の効果】上記課
題を解決し、上記目的を達成するために、本発明は、以
下のような限定事項により特定される。また、各発明
は、以下に述べるような特有の技術的効果を有する。第
1の発明は、バースト光信号を受信する光受信回路であ
って、入力バースト光信号を電気信号に変換する光電変
換素子と、光電変換素子が変換した電気信号を増幅する
増幅部と、ヒステリシス特性を有し、その値が変化する
リファレンス信号を生成し、当該リファレンス信号と、
増幅部が増幅した電気信号とを比較して、バーストデー
タを再生する比較部と、比較部が再生したバーストデー
タの先頭部分を検出して、先頭検出信号を生成し、当該
先頭検出信号に基づいて、当該バーストデータから再生
されたクロック信号の位相位置を最適に調整するデジタ
ルPLL回路とを含み、デジタルPLL回路はさらに、
生成した先頭検出信号を比較部にフィードバックし、比
較部は、デジタルPLL回路からフィードバックされた
先頭検出信号に基づいて、リファレンス信号の値を変更
する。
【0012】第1の発明では、比較部は、ヒステリシス
制御部により、無信号区間と有信号区間との間で、互い
に異なるリファレンス信号を使い分ける。そのため、比
較部は、従来のように有信号区間でオフセットされたリ
ファレンス信号を使わず、有信号区間に限り、電気信号
に対して、最適かつ一定のレベルを有するリファレンス
信号を使うことができる。これによって、比較部は、有
信号区間ではパルス幅歪みを十分に抑圧したバーストデ
ータを再生し、無信号区間では、オフセットされたリフ
ァレンス信号で比較動作を実行するので、誤作動するこ
とを抑えることができる。
【0013】第2の発明は第1の発明に従属しており、
デジタルPLL回路により生成される先頭検出信号は、
先頭部分の検出または未検出を示しており、比較部は、
デジタルPLL回路によりフィードバックされた先頭検
出信号に基づいて、その値が変化するリファレンス信号
を生成するヒステリシス制御部と、ヒステリシス制御部
からのリファレンス信号と、増幅部からの電気信号とを
比較するコンパレータとを含み、ヒステリシス制御部
は、入力された先頭検出信号が先頭部分の検出を示す場
合に、増幅部からの電気信号の基準値と実質的に同じ値
のリファレンス信号を生成し、入力された先頭検出信号
が先頭部分の未検出を示す場合に、増幅部からの電気信
号の基準値から所定量だけオフセットされた値のリファ
レンス信号を生成する。
【0014】第2の発明によれば、有信号区間では、リ
ファレンス信号が電気信号の基準値と同じ値に設定され
るので、比較部は、最適レベルのリファレンス信号で比
較動作を実行することができる。そのため、再生された
バーストデータのパルス幅歪みは十分に抑圧される。ま
た、無信号区間では、基準値に対して所定量だけオフセ
ットされた値のリファレンス信号で比較動作が実行され
るので、雑音成分をバーストデータとして誤って再生し
ないようにすることができる。
【0015】第3の発明は第2の発明に従属しており、
コンパレータに入力される電気信号は両相信号である。
第3の発明では、基準値に対して正の方向および負の方
向にレベルが変化する両相信号が入力される。そのた
め、有信号区間において、受信感度が悪くとも、、リフ
ァレンス信号を基準値に設定しさえすれば、比較部は比
較動作を正確に行える。
【0016】第4の発明は第2の発明に従属しており、
所定量は、増幅部で発生する熱雑音成分の分散値の2〜
3倍に選ばれる。第4の発明によれば、所定量は、熱雑
音成分の分散値に対して、十分な余裕が取られるので、
比較部は、無信号区間に雑音成分をバーストデータとし
て誤って再生することがなくなる。
【0017】第5の発明は第1の発明に従属しており、
デジタルPLL回路は、システムクロックに基づいて、
1周期の1/n位相(nは正の整数)ずつ位相がずらさ
れたn相のクロック信号を生成する多相クロック生成部
と、比較部で再生されたバーストデータを、多相クロッ
ク生成部で生成されたn相のクロック信号を用いてサン
プリングして、n系統のバーストデータを生成するサン
プリング部と、サンプリング部が生成したn系統のバー
ストデータから、比較部で再生されたバーストデータの
先頭を検出して先頭検出信号を生成した後、当該先頭検
出信号に基づいて、多相クロック生成部が生成したn相
のクロック信号の各位相位置から、最適な位相位置を検
出する先頭検出部と、サンプリング部が生成したn系統
のバーストデータから、比較部で再生されたバーストデ
ータの各エッジの位置を検出して、先頭検出部が検出し
た最適な位相位置を基準として、検出された各エッジの
位置に基づいて、クロック信号の位相位置を現在最適な
ものに調整するクロック位相調整部とを含み、先頭検出
部は、生成した先頭検出信号を比較部にフィードバック
する。
【0018】第5の発明では、先頭検出部の動作によ
り、比較部で再生されたバーストデータの先頭が検出さ
れる。したがって、デジタルPLL回路は、バーストデ
ータが入力されない無信号区間と、それが入力される有
信号区間とを正確に区別して動作することができる。ま
た、バーストデータの先頭に基づいて、クロック信号の
最適な位相位置が検出された後に、クロック位相調整部
は、入力バーストデータのエッジ位置に基づいて、現在
最適な位相位置を検出する。したがって、入力バースト
データにパルス幅歪みおよび/またはジッタが生じてい
たとしても、クロック位相調整部は、入力バーストデー
タのエッジ位置を基準とした最適位置にクロック信号の
位相を配置し続ける。これによって、入力バーストデー
タは正確に識別されるようになる。また、n相のクロッ
ク信号がシステムクロックに基づいて生成されるため、
n相のクロック信号とシステムクロックとの周波数同期
を簡単かつ正確にとることができる。そのため、クロッ
ク信号の周波数変動は抑圧されるため、入力バーストデ
ータに同レベルのビットが連続していたとしても、当該
バーストデータの各ビットの中心にクロック信号のエッ
ジを常に配置することができる。これによって、正確な
データ判別が可能となる。
【0019】第6の発明は第5の発明に従属しており、
クロック位相調整部は、比較部で再生されたバーストデ
ータのエッジの位置を検出するたびに、検出されたエッ
ジの位置に基づいて、当該ビットの中間点を導出し、現
在設定されている最適な位相位置と、導出されたビット
の中間点とのずれに関する評価値を導出して蓄積し、評
価値がa回導出された後に、現在蓄積されているa個の
評価値の平均値を算出し、算出された平均値に基づい
て、クロック信号の位相位置を現在最適なものに調整す
る。
【0020】第6の発明によれば、a個の評価値の平均
値に基づいて、クロック信号の位相位置が調整されるの
で、ジッタ成分が抑圧され、入力バーストデータは常に
最適な位相位置を有するクロック信号で再生される。
【0021】第7の発明は第5の発明に従属しており、
クロック位相調整部は、先頭検出部が先頭部分を検出し
たタイミングで、n系統のバーストデータから、比較部
で再生されたバーストデータの各エッジの位置を検出す
ることを開始する。
【0022】第7の発明では、クロック位相調整部は、
入力バーストデータの先頭が検出されたタイミングで動
作を開始するため、無信号区間に、クロック信号の位相
位置を誤って調整することがなくなる。これによって、
入力バーストデータはさらに正確に判別されるようにな
る。
【0023】第8の発明は第5の発明に従属しており、
比較部で再生されたバーストデータには、先頭部分を特
定するための識別パターンが予め設定されており、先頭
検出部は、サンプリング部が生成したn系統のバースト
データを保持するn個のシフトレジスタと、n個のシフ
トレジスタの後段に1個ずつ接続されており、自身と接
続されたシフトレジスタに保持されるビットパターン
が、識別パターンと一致するか否かを判定するn個のデ
コード部とを含み、n個のデコード部の判定結果に基づ
いて、入力バーストデータの先頭を検出する。
【0024】第8の発明では、n個のデコード部は、互
いに独立的に動作して、n系統のバーストデータのビッ
トパターンから識別パターンを探し出す。そのため、入
力バーストデータの先頭が正確に特定される。これによ
って、デジタルPLL回路は、無信号区間に生じる雑音
をバーストデータとみなして動作することがなくなる。
つまり、デジタルPLL回路は、無信号区間の雑音とバ
ーストデータとを正確に識別することができる。
【0025】第9の発明は第5の発明に従属しており、
各シフトレジスタが保持するビット数iは予め定められ
ており、デコード部が、自身と接続されたシフトレジス
タに保持されたiビットのパターンの内、jビット(j
はj=iを満たす自然数)が識別パターンと一致したと
判定したとき、先頭検出部は、比較部で再生されたバー
ストデータの先頭を検出したとみなす。
【0026】第9の発明によれば、デコード部は、可能
な限り多くのビット数(jビット)を用いて判定動作を
行うので、バーストデータの先頭を確実に検出できるよ
うになる。
【0027】第10の発明は第9の発明に従属してお
り、連続するq個(qはq<nを満たす自然数)のデコ
ード部が、自身と接続されたシフトレジスタに保持され
たiビットのパターンの内、最新のkビット(kはk<
jを満たす自然数)が識別パターンと一致したと判定し
たとき、先頭検出部は、比較部で再生されたバーストデ
ータの先頭を検出したとみなし、qおよびkは、伝送品
質として要求されるビットエラーレートを満足する値に
選ばれる。
【0028】第10の発明によれば、デコード部は、十
分に高い伝送品質を満足しつつ、より少ないビット数
(kビット)を用いても判定動作を行えるので、入力バ
ーストデータの先頭を即座に検出できるようになる。
【0029】第11の発明は第8の発明に従属してお
り、先頭検出部は、n個のデコード部の判定結果に基づ
いて、クロック信号の最適な位相位置を検出するクロッ
ク位相検出部をさらに含み、クロック位相検出部は、n
個のデコード部の判定結果に基づいて、比較部で再生さ
れたバーストデータの先頭部分に位置する各ビットの中
心の位相位置を検出して、検出された中心の位相位置を
最適な位相位置とみなす。
【0030】識別パターンを検出したデコード部は、デ
ータを識別可能な位相位置を有するクロック信号を特定
することができる。したがって、複数のデコード部が識
別パターンを検出した場合、適切な位相位置は複数個存
在する。第11の発明では、クロック位相検出部は、こ
のような複数個のものから、中心の位相位置を検出す
る。これによって、デジタルPLL回路は、バーストデ
ータを識別するために、最適な位相位置を有するクロッ
ク信号を再生することができる。
【0031】第12の発明は第5の発明に従属してお
り、クロック位相調整部は、比較部で再生されたバース
トデータの各エッジの位置を検出するエッジ位置検出部
を含み、エッジ位置検出部は、n相クロックの中で、隣
接する2つのクロックでサンプリングした値間での排他
的論理和をとって、比較部で再生されたバーストデータ
における「Lo」から「Hi」への変化点または「H
i」から「Lo」への変化点を検出する排他的論理和回
路と、排他的論理和回路が検出した「Lo」から「H
i」への変化点または「Hi」から「Lo」への変化点
の後に、「Hi」または「Lo」が連続するか否かを判
定する判定部とを含み、判定部により「Hi」または
「Lo」が連続すると判定された場合に限り、排他的論
理和回路が検出した「Lo」から「Hi」への変化点ま
たは「Hi」から「Lo」への変化点が、比較部で再生
されたバーストデータのエッジ位置として検出される。
【0032】雑音は、無信号区間だけでなく、有信号区
間にも瞬間的に発生する。第12の発明において、排他
的論理和回路だけでは、検出した変化点が、バーストデ
ータに起因する変化点であるか、雑音に起因するレベル
の変化点であるかを特定することはできない。そこで、
判定部は、排他的論理和回路で変化点が検出された後、
同レベルが連続するか否かを判定して、雑音に起因する
レベル変化を、バーストデータの変化点として検出する
ことを防止する。これによって、クロック位相調整部
は、雑音に起因する変化点に基づいて位相位置を調整し
なくなるので、クロック信号の位相を常に正確な位置に
調整することができる。
【0033】第13の発明は第5の発明に従属してお
り、デジタルPLL回路は、クロック位相調整部が調整
した位相位置に基づいて、サンプリング部が生成したn
系統のバーストデータから、受信すべきビットを判別す
る判別部をさらに含む。
【0034】第13の発明によれば、判別部は、最適に
調整された位相位置に合わせたタイミングにより動作す
るので、受信すべきビットを正確に判別できるようにな
る。
【0035】第14の発明は第13の発明に従属してお
り、判別部は、クロック位相調整部が調整した位相位置
に基づいて、サンプリング部が生成したn系統のバース
トデータから、p系統(pはp≦nを満たす自然数)の
バーストデータを選択する選択部と、選択部が選択した
p系統のバーストデータから、多数決によって、受信す
べきビットを決定する多数決回路とを含む。
【0036】バーストデータに雑音が重畳された場合、
判別部は、たとえ最適に調整された位相位置を用いたと
しても、ビットを誤って判別する場合がある。第14の
発明では、最適な位相位置を中心とするp個のクロック
信号でサンプリングされたp系統のバーストデータが選
択された後、選択されたp系統のバーストデータから、
多数決によって、受信すべきビットが決定される。これ
によって、最適なクロック信号でサンプリングされたバ
ーストデータに雑音が重畳されたとしても、判別部は、
ビットを正確に判別できるようになる。
【0037】第15の発明は第5の発明に従属してお
り、デジタルPLL回路は、クロック位相調整部により
最適に調整された位相位置のクロック信号に基づいて、
判別部により判別されたビットが書き込まれるエラステ
ィックバッファをさらに含み、エラスティックバッファ
に書き込まれたビットは、システムクロックに基づいて
読み出される。
【0038】第15の発明により、入力バーストデータ
にジッタが重畳されていても、エラスティックバッファ
によりジッタが吸収される。これによって、エラスティ
ックバッファから読み出されたビット(バーストデー
タ)から、ジッタを排除することができる。
【0039】第16の発明は第15の発明に従属してお
り、エラスティックバッファへの書き込みおよび読み出
しを開始するタイミングは、先頭検出部が入力バースト
データの先頭を検出した時点である。
【0040】第16の発明によれば、バーストデータの
受信前(無信号区間)に、雑音が重畳された場合であっ
ても、先頭検出部がバーストデータの先頭を検出しない
限り、エラスティックバッファへの書き込みおよび読み
出しは開始されない。つまり、エラスティックバッファ
は雑音を無視して動作するので、書き込み位置と読み出
し位置との整合性を図ることができる。
【0041】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の一実施形態に係
る光受信回路の構成を示すブロック図である。また、図
2〜図4は、本光受信回路の要部における信号波形を示
している。図1において、光受信回路は、バーストモー
ドの光伝送系に収容されており、光電変換素子1と、線
形増幅部2と、比較部3と、デジタルPLL回路4と、
通信制御部5とを含む。
【0042】光電変換素子1は、典型的にはフォトダイ
オードで構成される。光電変換素子1には、図2(a)
に例示する波形のバースト光信号が入力される。図2
(a)において、バースト光信号は、典型的には、半導
体レーザ等の電気−光変換素子を、バースト的に発生す
るバーストデータで駆動して生成される。つまり、電気
−光変換素子は、有信号区間T2にのみ、バーストデー
タの内容に応じて発光・消光を繰り返して、バースト光
信号を生成する。そのため、有信号区間T2では、光電
変換素子1は、電気−光変換素子の発光・消光に応じた
電気信号が出力する。逆に、無信号区間T1では、電気
−光変換素子の消光状態が続くので、光電変換素子1か
らは電気信号が出力されない。また、バースト光信号は
単相信号である。単相信号は、基準値(基底値)V1
上または以下のレベルのみをとる信号である。図2
(a)では、基準値V1 以上でのみレベルが変動する単
相信号を示している。ここで、基準値V1 は単相信号の
「Lo」レベルを意味する。光電変換素子1は、以上の
ような入力バースト光信号を、電気信号に変換して、線
形増幅部2に出力する。出力された電気信号は、バース
ト光信号と同様に単相信号である。
【0043】図1の線形増幅部2には、好ましくは、
「特開平9−289495号」公報に開示されたものが
用いられる。線形増幅部2は、光電変換素子1から出力
単相信号を、両相信号に変換する。両相信号は、線形増
幅部2の自動利得制御(AGC)により、一定の振幅レ
ベルを持つように増幅される。さらに、線形増幅部2
は、後段の比較部3で使用されるリファレンス信号を生
成する。ここで、図2(b)の波形αは、線形増幅部2
で生成される両相信号を示す。同図からも明らかなよう
に、両相信号は、基準値V2 に対して両方向(正の方向
および負の方向)にレベルが変化する信号である。基準
値V2 は、無信号区間T1における両相信号のレベルで
ある。また、同図の波形βは、線形増幅部2で生成され
るリファレンス信号を示す。リファレンス信号は、線形
増幅部2で生成された時点では一定レベルである。ま
た、リファレンス信号のレベルは、基準値V 2 と実質的
に同じである。言い換えれば、リファレンス信号は、両
相信号の振幅の中間値に設定される。そのため、無信号
区間T1は、両相信号の波形αとリファレンス信号の波
形βとは重なる。厳密には、図2(b)の点線の楕円内
に示すように、線形増幅部2の回路で発生する熱雑音成
分が、両相信号には重畳される。その結果、両相信号の
波形αは、リファレンス信号の波形βを境にして、正お
よび負の方向に変化する。以上のような両相信号および
リファレンス信号は共に、図1に示すように比較部3に
出力される。
【0044】ここで、図5は、比較部3の詳細な構成を
示すブロック図である。図5において、比較部3は、主
要な構成として、ヒステリシス制御部31と、コンパレ
ータ32と、差動アンプ33とを含む。ヒステリシス制
御部31は、第1のトランジスタ34と、第2のトラン
ジスタ35と、第1の電流源36と、第2の電流源37
と、第1の電圧駆動電流源38と、第2の電圧駆動電流
源39とを含む。以下、比較部3の構成をより詳細に説
明する。
【0045】第3のトランジスタ311のゲートには、
信号線310を通じて、線形増幅部2から出力されたリ
ファレンス信号が入力される。第3のトランジスタ31
1はソースフォロワとして用いられる。第3のトランジ
スタ311のソースには第1の電流源36が接続され
る。第3のトランジスタ311のソースと、第1の電流
源36との間には、信号線312の一方端が結線され
る。信号線312の他方端は、コンパレータ32の−端
子と接続される。
【0046】また、第4のトランジスタ314のゲート
には、線形増幅部2から出力された両相信号が信号線3
13を通じて入力される。第4のトランジスタ314は
ソースフォロワとして用いられる。第4のトランジスタ
314のソースには第2の電流源37が接続される。第
4のトランジスタ314のソースと、第2の電流源37
との間には、信号線315の一方端が結線されている。
信号線315の他方端は、コンパレータ32の+端子と
接続されている。また、コンパレータ32の出力端に
は、信号線316および信号線317とが結線される。
信号線316および317はそれぞれ、差動アンプ33
の入力端と結線される。差動アンプ33の出力端には、
信号線318が結線される。また、信号線316および
317はそれぞれ途中で分岐している。分岐した信号線
316および信号線317は、第1の電圧駆動電流源3
8および第2の電圧駆動電流源39に接続される。ここ
で注意を要するのは、第1の電流源36および第2の電
流源37が発生する電流は同じ値である。また、第1の
電圧駆動電流源38および第2の電圧駆動電流源39が
発生する電流も同じ値である。
【0047】また、図1に示すように、比較部3には、
先頭検出信号がデジタルPLL回路4からフィードバッ
クされてくる。この先頭検出信号の詳細については後述
するので、ここでは、簡単に説明するに留める。先頭検
出信号は、図2(c)に示すように、「Hi」または
「Lo」の2値信号である。同図は負論理を場合を示し
ており、「Hi」は、バースト的なバーストデータの先
頭部分が未検出であることを示す。逆に、「Lo」は、
この先頭部分が検出されたことを示す。以上の先頭検出
信号は、第1のトランジスタ34および第2のトランジ
スタ35の各ゲート端子に入力される。第1のトランジ
スタ34および第2のトランジスタ35のソースは、第
1の電圧駆動電流源38および第2の電圧駆動電流源3
9と接続される。また、第1のトランジスタ34のドレ
インは第1の電流源36と結線される。第2のトランジ
スタ35のドレインは第2の電流源37と結線される。
【0048】以上の第1のトランジスタ34および第2
のトランジスタ35は、先頭検出信号が「Hi」の時、
つまりバーストデータの先頭部分が未検出時(実質的な
無信号区間T1)にオンの状態になる。逆に、それが
「Lo」の時、つまりバーストデータの先頭部分が検出
済みの時(実質的な有信号区間T2)にオフの状態にな
る。これによって、ヒステリシス制御部31は、無信号
区間T1の時と、有信号区間T2とでは異なる動作を実
行する。以下、説明の便宜上、有信号区間T2における
比較部3の動作を先に説明し、その後に、無信号区間T
1における比較部3の動作を説明する。
【0049】有信号区間T2では、第1のトランジスタ
34および第2のトランジスタ35は共にオフであり、
ヒステリシス制御部31は働かない。そのため、第3の
トランジスタ311のドレイン−ソース間に流れる電流
値I1 と、第4のトランジスタ314のドレイン−ソー
ス間に流れる電流値I2 とは同じである。今、第3のト
ランジスタ311のゲートに接続される信号線310の
電位から、ソースに接続される信号線312の電位まで
の電位差をV3 とする。また、第4のトランジスタ31
4のゲートに接続される信号線313の電位から、ソー
スに接続される信号線314の電位までの電位差をV4
とする。この電位差V3 および電位差V 4 は、有信号区
間T2ではI1 =I2 であるから、V3 =V4 を満足す
る。そのため、有信号区間T1では、コンパレータ32
の−端子には、リファレンス信号の値が変更されること
無く入力されることになる。また、+端子には、両相信
号が、信号線313および315を通じて、そのまま入
力されることになる。この場合、コンパレータ32は、
+端子に入力された両相信号と、一定の閾値(リファレ
ンス信号)との大小を比較して、比較結果を示す正相出
力(図3(b)の波形γ参照)を信号線316に出力す
る。さらに、コンパレータ32は、正相出力を反転した
逆相出力(図3(b)の波形δ参照)を信号線317に
出力する。以上の正相出力と逆相出力とは、差動信号と
して差動アンプ33に入力される。差動アンプ33は、
入力された差動信号を、単相信号に変換することによ
り、電気的なバーストデータを再生する。このバースト
データは、信号線318を通じて後段のデジタルPLL
回路4に出力される。
【0050】一方、無信号区間T1では、第1のトラン
ジスタ34および第2のトランジスタ35は共にオンの
状態であり、ヒステリシス制御部31が働く。例えば、
コンパレータ32の比較結果が「Hi」の場合、つまり
両相信号の値がリファレンス信号の値よりも大きい場
合、正相出力は「Hi」になり、逆相出力は「Lo」に
なる。「Hi」の正相出力は、信号線316を通じて、
第1の電圧駆動電流源38に与えられる。その結果、第
1の電圧駆動電流源38には、予め設定された値の電流
が流れることになる。一方、第2の電圧駆動型電流源3
9には、「Lo」の逆相出力が信号線317を通じて入
力される。しかし、第2の電圧駆動型電流源39は「L
o」の逆相出力では動作しないので、当該電流源39に
は電流が流れない。
【0051】さらに、第1のトランジスタ34がオンで
あるため、第1の電圧駆動電流源38で発生した電流
は、第3のトランジスタ311のドレイン−ソース間を
流れる。そのため、第3のトランジスタ311のゲート
に接続される信号線310の電位から、ソースに接続さ
れる信号線312の電位までの現在の電位差は、上述の
電位差V3 よりも大きくなる。一方、第2の電圧駆動電
流源39には電流が流れないので、第4のトランジスタ
314のゲートに接続される信号線313の電位から、
ソースに接続される信号線314の電位までの現在の電
位差V6 は、上述の電位差V4 と同じ値になる。これに
よって、コンパレータ32の+端子への入力レベルに対
して、−端子への入力レベルは低くなる。つまり、リフ
ァレンス信号の値は、両相信号の基準値V2 よりも小さ
くなる。
【0052】上述はコンパレータ32の比較結果が「H
i」の場合であったが、今度は、それが「Lo」の場合
を説明する。かかる場合、正相出力は「Lo」になり、
逆相出力は「Hi」になるので、第1の電圧駆動電流源
38には電流が流れず、第2の電圧駆動型電流源39に
は、予め設定された値の電流が流れることになる。第2
の電圧駆動電流源39で発生した電流は、第4のトラン
ジスタ314のドレイン−ソース間を流れる。そのた
め、第4のトランジスタ314のゲートに接続される信
号線313の電位から、ソースに接続される信号線31
5の電位までの現在の電位差V7 は、上述の電位差V4
よりも大きくなる。一方、第1の電圧駆動電流源38に
は電流が流れないので、第3のトランジスタ311のゲ
ートに接続される信号線310の電位から、ソースに接
続される信号線312の電位までの電位差V8 は、上述
の電位差V3 と同じ値になる。これによって、コンパレ
ータ32の+端子への入力レベルに対して、−端子への
入力レベルは高くなる。つまり、リファレンス信号の値
は、両相信号の基準値V2 よりも大きくなる。以上のよ
うに、ヒステリシス制御部31は、無信号区間T1の間
に限り、リファレンス信号の値を変化させる。
【0053】以下、図2(b)に示すリファレンス信号
および両相信号が入力された場合における、比較部3の
動作を詳しく説明する。図2(c)に示す先頭検出信号
が「Hi」の時(実質的には無信号区間T1)では、上
述したように、信号線310に与えられるリファレンス
信号と、信号線313に与えられる両相信号とは実質的
に同じ値を有する(図2(c)参照)。しかし、無信号
区間T1では、上述のヒステリシス制御部31が働くの
で、コンパレータ32の−端子に入力されるリファレン
ス信号は、当初のレベル(=V2 )にオフセット値V
OFFSETが加算された値をもつ。ここで、オフセット値V
OFFSETは、線形増幅部2において両相信号に重畳される
熱雑音成分の分散値の2〜3倍程度に選ばれることが好
ましい。以上のオフセット値VOFFSETにより、図3
(a)に示すように、−端子への入力リファレンス信号
の値は、+端子への入力両相信号の値よりも若干高く設
定される。
【0054】両相信号のレベルは、無信号区間T1であ
っても、線形増幅部2で重畳される熱雑音成分により一
定に保たれずに変動する。しかし、リファレンス信号
は、好ましくは熱雑音成分の分散値の2〜3倍程度に選
ばれるので、両相信号のレベルがリファレンス信号の値
を超える確率は非常に低くなる。つまり、コンパレータ
32が「Hi」の比較結果を得る確率は非常に低くな
り、無信号区間T1において、「Hi」および「Lo」
が混在する不定値を得ることはない。そのため、差動ア
ンプ33は、図3(c)に示すように、無信号区間T1
では、ほぼ「Lo」一定の出力を生成する。
【0055】また、図2(b)および(c)に示すよう
に、先頭検出信号が「Lo」に変化した後(実質的な有
信号区間T2)でも、信号線310に与えられるリファ
レンス信号は、信号線313に与えられる両相信号の基
準値V2 (平均値)と同じである。しかし、有信号区間
T2では、上述のヒステリシス制御部31が働かないの
で、図3(a)に示すように、−端子への入力リファレ
ンス信号の値は両相信号の基準値V2 のままである。つ
まり、コンパレータ32は、両相信号のちょうど真ん中
の値と、両相信号の値とを比較するので、差動アンプ3
3から出力されるバースト的なバーストデータには、パ
ルス幅歪みが生じにくく、これによって、バーストデー
タのSN比の劣化を防止している。
【0056】ところで、図1に示す通信制御部5は、少
なくとも、バーストデータの終了時を大まかではあるが
予め知っている。通信制御部5は、バーストデータの終
了時になると、リセット信号を生成する。リセット信号
は、線形増幅部2とデジタルPLL回路4とに出力され
る。線形増幅部2は、リセット信号の受信に応答して、
互いに値が同じ両相信号とリファレンス信号とを、比較
部3に出力する。また、デジタルPLL回路4は、リセ
ット信号の受信に応答して、先頭検出信号を「Hi」に
設定する。かかる先頭検出信号により、ヒステリシス制
御部31は働くので、互いに同じ値のリファレンス信号
と両相信号とが入力されても、比較部3からは、「L
o」一定のバーストデータが出力されるようになる。
【0057】なお、以上の説明では、比較部3には両相
信号が入力されるとした。これは好ましい構成であり、
比較部3に入力されるのは両相信号であると限定解釈さ
れてはならない。つまり、単相信号がそのまま比較部3
に入力されても良い。両相信号の場合には、基準値V2
に対して正負の方向にレベルが変化する。したがって、
たとえ両相信号の振幅レベルが線形増幅部2で十分に増
幅されなくとも、比較部3は基準値V2 に設定されたリ
ファレンス信号を用いれば、正確な比較動作を実行でき
るという利点がある。一方、単相信号の場合は、基準値
1 に対して端方向にしかレベルが変化しないので、振
幅レベルの増幅度が不十分な場合、比較部3は正確な比
較動作を実行できない場合がある。
【0058】また、以上の説明では、リファレンス信号
は線形増幅部2から比較部3へと供給されていた。しか
し、他にも、比較部3には、図示しない基準電源によっ
てリファレンス信号が供給されれてもよい。
【0059】次に、図1のデジタルPLL回路4につい
て説明する。図6は、デジタルPLL回路4の構成を示
すブロック図である。図6において、デジタルPLL回
路4は、多相クロック生成部40と、データサンプリン
グ部41と、先頭検出部42と、クロック位相調整部4
3と、データ再生部44とを含む。多相クロック生成部
40の入力には、信号線46を通じて、システムクロッ
クclkS が接続される。システムクロックclkS
位相はφS とする。多相クロック生成部40は、入力さ
れたシステムクロックclkS をn分岐(図6ではn=
8である)する。ただし、nは正の整数である。さら
に、多相クロック生成部40は、内部に有するディレイ
ラインまたは分周器等により、n分岐されたシステムク
ロックclkS の位相を均等にずらして、n相のクロッ
ク信号clk1〜clkn を生成する。より具体的に
は、クロック信号clk1 〜clkn の位相位置をφ1
〜φn とすると、位相差Δφは、Δφ=φ1 −φ2 =φ
2 −φ3 …=φn-1 −φn =φn −φ1 を満たす。以上
のn相のクロック信号clk1 〜clkn はデータサン
プリング部41およびデータ再生部44に出力される。
【0060】ところで、図6のデジタルPLL回路4に
は、図5の比較部3により再生されたバーストデータ
(バーストデータ)が入力される。この入力信号波形に
は、図4(a)に示すように、バーストデータが存在し
ない無信号区間T1と、バーストデータが存在する有信
号区間T2が存在する。以上のようなバーストデータデ
ータは、信号線47を通じてデータサンプリング部41
に入力される。また、データサンプリング部41には、
多相クロック生成部40から出力されたn相のクロック
信号clk1 〜clkn が入力される。データサンプリ
ング部41は、入力バーストデータをn分岐した後、図
4(b)に示すように、n分岐されたバーストデータ
を、入力されたn相のクロック信号clk1 〜clkn
を用いてサンプリングして、n系統のバーストデータを
生成する。n系統のバーストデータは、データバス45
を通じて、先頭検出部42、クロック位相調整部43お
よびデータ再生部44に送信される。
【0061】先頭検出部42は、n系統のバーストデー
タから、入力バーストデータの先頭を検出して、その旨
を示す先頭検出信号(図2(c)参照)を信号線48上
に送出する。先頭検出信号は、クロック位相調整部43
およびデータ再生部44により受信される。ところで、
n系統のバーストデータは、クロック信号clk1 〜c
lkn を用いてサンプリングされている。したがって、
位相位置φ1 〜φn のいずれかは、図4(b)から明ら
かなように、各ビットの前縁(立ち上がりエッジ)LE
から後縁(立ち下がりエッジ)REまでの長さ(以下、
1ビット幅BWと称す)のほぼ中間点CPに位置してお
り、データ再生部44の処理(後述)に最適な位相位置
φOPT となる。図4(b)の例では、n=8の場合を示
しており、この場合では、クロック信号clk4 が最適
な位相位置φOPT である。先頭検出部42は、n系統の
バーストデータに基づいて、最適な位相位置φOPT を検
出して、検出された位相位置φOPT を特定する値を初期
最適位相情報として、バス25を通じてクロック位相調
整部43に送信する。
【0062】なお、ここで、注意を要するのは、入力バ
ーストデータには、パルス幅歪みまたはジッタが重畳さ
れている可能性があるので、各ビットの中間点CPは時
々刻々と変わりうる。したがって、初期最適位相情報
は、入力バーストデータの先頭では最適な位相位置φ
OPT を示すが、時間が経過すると最適でなくなる場合が
ある。
【0063】クロック位相調整部43は、先頭検出信号
の受信に応答して動作を開始した後、時間変動する中間
点CPに、最適な位相位置φOPT を追従させる。より具
体的には、動作開始直後、クロック位相調整部43に
は、バス49を通じて初期最適位相情報が入力され、さ
らにデータバス45を通じてn系統のバーストデータが
入力される。クロック位相調整部43は、入力された初
期最適位相情報が示す最適な位相位置φOPT をそのま
ま、最適位相情報としてバス410を通じてデータ再生
部44に送信する。その後、クロック位相調整部43
は、送信された最適位相情報と、入力されたn系統のバ
ーストデータとに基づいて、現在最適な位相位置φOPT
(φOPT はφ1 〜φn のいずれか)を導出する。クロッ
ク位相調整部43は、導出された最適位相位置φ
OPT を、新たな最適位相情報としてデータ再生部44に
送信する。以降、クロック位相調整部43は、現在最適
な位相位置φOP T を特定する最適位相情報を生成して送
信する、という動作を繰り返す。
【0064】データ再生部44は、先頭検出信号の受信
により動作を開始した後、バーストデータを再生する。
動作開始直後、データ再生部44には、バス410を通
じて最適位相情報が入力され、データバス45を通じて
n系統のバーストデータが入力され、さらに、多相クロ
ック生成部40により生成されたクロック信号clk 1
〜clkn が入力される。データ再生部44は、n系統
のバーストデータに基づいて、内部のエラスティックバ
ッファ2104(図21参照)にビット列を書き込む。
この書き込みは、最適位相情報が示す最適位相位置φ
OPT を有するクロック信号clkb (bは1〜nのいず
れかの数)に基づいて行われる。さらに、データ再生部
44は、エラスティックバッファ2104に書き込まれ
たビット列を読み出して、再生されたバーストデータと
して信号線411に出力する。この読み出しは、システ
ムクロックclkS と同相のクロック信号clkb に基
づいて行われるので、データ再生部44の出力信号(再
生されたバーストデータ)は、当該システムクロックc
lkS に同期している。以上のようにして、本デジタル
PLL回路4は、システムクロックclkS に同期した
バーストデータを再生する。
【0065】次に、図6に示されるデジタルPLL回路
4の要部の詳細な構成を説明する。ただし、以下の説明
では、n=8の場合について説明する。つまり、多相ク
ロック生成部40は、入力システムクロックclkS
基づいて、8相のクロック信号clk1 〜clk8 を生
成し、データサンプリング部41に出力する。ここで、
注意を要するのは、nは、デジタルPLL回路4の設計
要件に依存して、様々な値に選ばれる点である。つま
り、本願発明の技術的範囲は、n=8に限定されてはな
らない。データサンプリング部41は、入力されたバー
ストデータを、入力された8相のクロック信号clk1
〜clk8 を用いてサンプリングして(図4(b)参
照)、8系統のバーストデータを生成し出力する。
【0066】図7は、図6の先頭検出部42の詳細な構
成を示している。図7において、先頭検出部42は、8
個のシフトレジスタ711 〜718 と、8個のデコード
部721 〜728 と、先頭クロック位相検出部73とを
含む。各シフトレジスタ711 〜718 の容量は7ビッ
トである。シフトレジスタ711 は、第1系統のバース
トデータを保持し、連続する7ビットをデコード部72
1 に出力する。シフトレジスタ712 〜718 は、シフ
トレジスタ711 と同様の機能を有するが、第2〜第8
系統のバーストデータにおいて連続する7ビットをデコ
ード部722 〜728 に出力する点でのみ、当該シフト
レジスタ711と異なる。そのため、シフトレジスタ7
2 〜718 の説明を省略する。
【0067】各デコード部721 〜728 は、バースト
データの先頭を特定する識別パターンを予め記憶する。
デコード部721 には、シフトレジスタ711 からの第
1系統のバーストデータが7ビット分入力される。デコ
ード部721 は、入力された7ビットのパターンが、識
別パターンと完全に一致する場合、(i=7)信号線7
11を「Hi」に設定する。また、7ビットの内、最新
の6ビットのパターンが、識別パターンと一致する場
合、(i=6)信号線7212が「Hi」に設定される。
さらに、7ビットの内、最新の5ビットのパターンが、
識別パターンと一致する場合、(i=5)信号線7213
が「Hi」に設定される。デコード部72 2 〜72
8 は、デコード部721 と同様の機能を有するが、シフ
トレジスタ71 2 〜718 からの連続7ビットに基づい
て、上述のように処理する点でのみ、当該デコード部7
1 と異なる。そのため、デコード部722 〜728
詳細な説明を省略する。
【0068】先頭クロック位相検出部73には、8本の
(i=7)信号線7211〜7281、8本の(i=6)信
号線7212〜7282および(i=5)信号線7213〜7
83を通じて、デコード部721 〜728 のデコード結
果が入力される。先頭クロック位相検出部73は識別パ
ターン検出部731を含み、当該識別パターン検出部7
31は、入力されたデコード結果に基づいて、バースト
データの先頭を検出した旨を示す先頭検出信号を生成
し、信号線48に出力する。さらに、先頭クロック位相
検出部73は、初期クロック位相検出部732を含み、
当該初期クロック位相検出部732は、入力されたデコ
ード結果に基づいて、位相位置φ1 〜φ8の中から、最
適な位相位置φOPT を選択する。選択された最適位相位
置φOPT は初期最適位相情報として、バス49に出力さ
れる。以下、まず、図8〜図10等を参照して識別パタ
ーン検出部731を詳細に説明し、その後、図11等を
参照して、初期クロック位相検出部732を詳細に説明
する。
【0069】図8〜図10に示すように、識別パターン
検出部731は、8個のANDゲート8111 〜811
8 と、ORゲート812と、8個のANDゲート813
1 〜8138 と、ORゲート814と、8個のANDゲ
ート8151 〜8158 と、ORゲート816と、OR
ゲート817とを含む。まず、図8において、ANDゲ
ート8111 には、8本の内、5本の(i=7)信号線
7211〜7251が接続される。ANDゲート811
1 は、(i=7)信号線7211〜7251からの入力に対
し論理演算を行って、当該論理演算の結果を信号線81
1 に出力する。また、ANDゲート8112 では、5
本の(i=7)信号線7221〜7261からの入力に対し
論理演算が行われる。論理演算の結果は信号線8182
に出力される。同様に、他のANDゲート8113 〜8
118もそれぞれ、図示された通りの5本の(i=7)
信号線72からの入力に対し論理演算を行う。ANDゲ
ート8113 〜8118 の演算結果は、信号線8183
〜8188 に出力される。ORゲート812は、信号線
8181 〜8188 を通じて入力される各ANDゲート
8111 〜8118 の演算結果に対して論理演算を行っ
て、信号線819に出力する。
【0070】図9において、ANDゲート8131
は、6本の(i=6)信号線7212〜7262が接続され
る。ANDゲート8131 は、(i=6)信号線7212
〜72 62からの入力に対し論理演算を行って、当該演算
の結果を信号線81101 に出力する。同様に、他のA
NDゲート8132 〜8138 では、それぞれに接続さ
れた6本の(i=6)信号線72からの入力に対し論理
演算が行われ、当該論理演算の結果は信号線81102
〜81108 に出力される。ORゲート814では、信
号線81101 〜81108 を通じて入力される演算結
果に対して論理演算が行われる。この演算結果は信号線
8111に出力される。
【0071】図10において、ANDゲート815
1 は、自身に接続された(i=5)信号線7213〜72
73からの入力に対し論理演算を行って、当該論理演算の
結果を信号線81121 に出力する。同様に、他のAN
Dゲート8152 〜8158 もまた、それぞれに接続さ
れた7本の(i=5)信号線からの入力に対し論理演算
を行って、当該論理演算の結果を信号線81123 〜8
1128 に出力する。ORゲート816は、信号線81
121 〜81128 を通じて入力される各ANDゲート
8151 〜8158 の演算結果に対して論理演算を行っ
て、信号線8113に出力する。ORゲート817に
は、信号線819、8111および8113を通じて、
ORゲート812、414および816の演算結果が入
力される。ORゲート817は、入力された演算結果に
対して論理演算を行って、当該論理演算の結果を先頭検
出信号として出力する。
【0072】ところで、前述したように、本デジタルP
LL回路4に入力されるバーストデータには、パルス幅
歪みおよび/またはジッタが重畳されている場合があ
る。入力バーストデータの1ビット幅BWは前述の通り
予め定められているが、パルス幅および/またはジッタ
成分により時間変動する。以下、1ビット幅BWが、本
来のもの(予め定められた値)と比較して、5/8〜1
1/8の範囲内で変動する場合を考慮して、各シフトレ
ジスタ711 〜718 の容量が7ビット(請求項におけ
る自然数iに相当する)である理由、および、デコード
部721 〜728が取り扱うビット数(請求項における
jまたはkに相当する)が5〜7ビットである理由を説
明する。
【0073】図4(a)において、無信号区間T1で
は、上述のヒステリシス制御部31により、リファレン
ス信号の値が変更される。そのため、デジタルPLL回
路4への入力バーストデータは、無信号区間T1におい
て、「Hi」および「Lo」が混在する不定値をほとん
ど持たない。しかし、以下の説明では、便宜的に、デジ
タルPLL回路4には、無信号区間T1に、「Hi」お
よび「Lo」を有するランダムなデータが入力されると
仮定する。この仮定下では、データサンプリング部41
は、ランダムなデータを、クロック信号clk1 〜cl
8 (図2(b)参照)でサンプリングすると、0.5
の確率で「Hi」または「Lo」をとる信号を第1〜第
8系統のバーストデータとして出力してしまう。
【0074】今、図8のANDゲート8111 を例にと
る。ANDゲート8111 は、(i=7)信号線7211
〜7251と接続されている。(i=7)信号線7211
72 51が全て、「Hi」に設定される確率Pe1 は、確
率0.5を7乗した値をさらに5乗した値であり、次式
(1)で示される。言い換えれば、次式(1)で示され
る値は、ANDゲート8111 が「Hi」を出力する確
率でもある。 Pe1 =(0.575 =2.9*10(-11)…(1) 同様に、図8のANDゲート8112 〜8118 のそれ
ぞれも、上式(1)で示される通りの確率で「Hi」を
出力する。
【0075】次に、図9のANDゲート8131 を例に
とる。(i=6)信号線7212〜7262が全て、「H
i」に設定された場合、ANDゲート8131 は「H
i」を出力する。ANDゲート8131 が「Hi」を出
力する確率Pe2 は、次式(2)で示される通り、確率
0.5を6乗した値をさらに6乗した値となる。 Pe2 =(0.56 6 =1.5*10(-11) …(2) 同様に、ANDゲート8132 〜8138 のそれぞれ
も、上式(2)で示される確率で「Hi」を出力する。
【0076】次に、図10のANDゲート8151 を例
にとる。(i=5)信号線7213〜7273が全て、「H
i」に設定された場合、ANDゲート8151 は「H
i」を出力する。ANDゲート8151 が「Hi」を出
力する確率Pe3 は、次式(3)で示される通り、確率
0.5を5乗した値をさらに7乗した値となる。 Pe3 =(0.55 7 =2.9*10(-11) …(3) 同様に、ANDゲート8152 〜8158 のそれぞれ
も、上式(3)で示される確率で「Hi」を出力する。
【0077】以上の結果から、ランダムなデータ(不定
値を有する信号)がデジタルPLL回路4に与えられた
場合、ANDゲート8111 〜8118 、8131 〜8
13 8 および8151 〜8158 のいずれかが「Hi」
を出力する確率、つまり、先頭検出信号が「Hi」にな
る確率は、Pe1 、Pe2 およびPe3 で表される。言
い換えれば、Pe1 、Pe2 およびPe3 は、不定値を
有する入力信号がバーストデータの先頭として誤検出さ
れる確率を示す。伝送品質として、例えばビットエラー
レート10(-9)が要求される通信システムにおいて、P
1 、Pe2 およびPe3 は十分に小さい値である。本
先頭検出部42を採用すれば、先頭の誤検出に起因し
て、デジタルPLL回路4でビットエラーが引き起こさ
れたとしても、実用上問題ないことが判る。ただし、上
述したように、本光受信回路はヒステリシス制御部31
を有するため、実際のPe1 、Pe2 およびPe3 は、
上式(1)〜(3)に示される数値よりも小さくなるこ
とには注意を要する。
【0078】また、ANDゲート8111 〜811
8 は、5本の(i=7)信号線としか接続されない。つ
まり、ANDゲート8111 〜8118 は、入力バース
トデータの各ビットの幅が、本来の1ビット幅BWと比
較して5/8位相分以上あれば、「Hi」および「L
o」を正しく出力できる。ANDゲート8131 〜81
8は、各ビットの幅が、1ビット幅の6/8位相分以
上であれば、「Hi」および「Lo」を正しく出力でき
る。ANDゲート8151 〜8158 は、各ビットの幅
が、1ビット幅BWの7/8位相分以上であれば、「H
i」および「Lo」を正しく出力できる。上述したよう
に、入力バーストデータの各ビットの幅は、たとえ変動
したとしても、1ビット幅BWの5/8位相分以上あ
る。したがって、ANDゲート8111 〜8118 、8
131 〜8138 、および8151 〜8158 は、各ビ
ット幅が変動しても、入力バーストデータの先頭を確実
に誤りなく検出する。
【0079】また、以上のANDゲート811b (b=
1,2…,8)は、5個のシフトレジスタ71b 〜71
(b+4) が保持する連続7ビットのパターンが、識別パタ
ーンと完全に一致した場合に、入力バーストデータの先
頭が検出されたと判定する。この判定に応答して、OR
ゲート817は先頭検出信号を出力する。このように、
識別パターンとの一致/不一致の判定に、可能な限り多
くのビット数(つまり7ビット)を用いることにより、
入力バーストデータの先頭は確実に検出される。また、
ANDゲート813b (b=1,2…,8)は、6個の
シフトレジスタ71b 〜71(b+5) が保持する最新6ビ
ットのパターンが、識別パターンと一致した場合、また
は、ANDゲート815b (b=1,2…,8)は、7
個のシフトレジスタ71b 〜71(b+5) が保持する最新
5ビットのパターンが、識別パターンと一致した場合、
入力バーストデータの先頭が検出されたと判定する。こ
のように、識別パターンとの一致/不一致の判定に、よ
り少ないビット数(つまり最新の6ビットまたは最新の
5ビット)を用いることにより、入力バーストデータの
先頭は即座に検出される。ここで、注意を要するのは、
より少ないビット数を単純に判定に用いれば、バースト
データの先頭が誤検出される確率が上がる。しかし、本
実施形態では、ANDゲート813b または815b
接続されるデコード部72(つまりシフトレジスタ7
1)の個数(請求項におけるqに相当する)をより多く
することで、誤検出の確率を下げている。つまり、上述
の例では、AND8131 には、6本の(i=6)信号
線7212〜7262を通じて6個のデコード部721 〜7
6 (6個のシフトレジスタ711 〜716 )と接続さ
れている。AND8151 には、7本の(i=5)信号
線7213〜7273を通じて7個のデコード部721 〜7
7 (7個のシフトレジスタ711 〜717 )と接続さ
れている。以上、請求項における「連続するq個のデコ
ード部」とは、連続するq系統のバーストデータ(連続
する位相位置φb が連続するq個のクロック信号clk
b でサンプリングされたもの)が入力されるq個のデコ
ード部72を意味する。
【0080】なお、パルス幅歪み等が発生する程度は、
本デジタルPLL回路4が適用される通信システム毎に
変わる。そのため、各シフトレジスタ711 〜718
容量、および、デコード部721 〜728 が取り扱うビ
ット数は、通信システムに要求されるビットレート等の
仕様に応じて、最適に選ばれる必要があることに注意を
要する。つまり、本願発明の技術的範囲は、各シフトレ
ジスタ711 〜718の容量が7ビットであると限定さ
れたり、デコード部721 〜728 が取り扱うビット数
が5〜7ビットであると限定されてはならない。先頭の
誤検出が発生する確率を変更するには、シフトレジス
タ71の段数および/または容量を増減したり、各デ
コード部71が判定に用いるビット数を増減したり、
各ANDゲート811、813および/または815に
接続される信号線72の本数を増減したりすればよい。
【0081】次に、図11を参照して、初期クロック位
相検出部732を詳細に説明する。図11において、初
期クロック位相検出部732には、ANDゲート811
1 〜8118 、8131 〜8138 、および8151
8158 の演算結果が、信号線8181 〜8188 、8
1101 〜81108 および81121 〜81128
通じて入力される。初期クロック位相検出部732は、
上記演算結果が入力されると、予め定められた規則ε
(図12参照)に従って動作して、最適な位相位置φ
OPT を有するクロック信号clkOPT を特定する。ここ
で、クロック信号clkOPT は、クロック信号clk1
〜clk8 のいずれかである。図12の規則εには、
「Hi」の演算結果を出力したANDゲート毎に、選択
すべきクロック信号clkOPT が示されている。例え
ば、図12の最上段に示すように、ANDゲート811
1 が「Hi」を出力した場合、第3相のクロック信号c
lk3 が選択される。また、上から2番目の段に示すよ
うに、ANDゲート8112 が「Hi」を出力した場
合、第4相のクロック信号clk4 が選択される。以
降、図示した通りに、最適なクロック信号clkOPT
選択される。
【0082】図12の規則εは、以下に説明するように
して定められる。図13(a)において1ビット幅BW
および位相差Δφは既知の値である。例えば、ANDゲ
ート8111 が「Hi」を出力するには、5本の(i=
7)信号線7211〜7251が「Hi」に設定されなけれ
ばならない(図7および図8参照)。つまり、図13
(b)に示すように、バーストデータの各ビットにゆら
ぎが生じていても、当該各ビットは少なくとも位相位置
φ1 〜φ5 をカバーする。したがって、クロック信号c
lk3 が各ビットの中間点CPに位置する可能性が最も
高い。そのため、図12に示すように、ANDゲート8
111 の演算結果が「Hi」の場合、クロック信号cl
3 が選ばれる。以下、同様に、ANDゲート8112
〜8116が「Hi」を出力した場合、クロック信号c
lk4 〜clk8 が選ばれる。また、ANDゲート81
8 および8118 が「Hi」を出力した場合、クロッ
ク信号clk1 およびclk2 が選ばれる。
【0083】また、図12において、ANDゲート81
1 が「Hi」を出力するには、6本の(i=6)信号
線7212〜7262が「Hi」に設定されなければならな
い(図7および図9参照)。つまり、図13(c)のよ
うに、バーストデータの各ビットは少なくとも、位相位
置φ1 〜φ6 をカバーする範囲内でゆらぐ。したがっ
て、クロック信号clk3 が各ビットの中間点CPに位
置する可能性が最も高い。そのため、図12に示すよう
に、ANDゲート8131 が「Hi」を出力した場合、
クロック信号clk3 が選択される。以下、同様に、A
NDゲート813 2 〜8136 が「Hi」を出力した場
合、クロック信号clk4 〜clk8 が選ばれる。ま
た、ANDゲート8137 および8138 が「Hi」を
出力した場合、クロック信号clk1 およびclk2
選ばれる。
【0084】さらに、図12において、ANDゲート8
151 が「Hi」を出力するには、7本の(i=5)信
号線7213〜7273が「Hi」に設定されなければなら
ない(図7および図10参照)。つまり、図14のよう
に、バーストデータの各ビットは少なくとも、位相位置
φ1 〜φ7 をカバーする範囲内でゆらぐ。したがって、
クロック信号clk4 が各ビットの中間点CPに位置す
る可能性が最も高い。そのため、図12に示すように、
ANDゲート8151 の演算結果が「Hi」の場合、ク
ロック信号clk4 が選ばれる。以下、同様に、AND
ゲート8152〜8155 が「Hi」を出力した場合、
クロック信号clk5 〜clk8 が選ばれる。ANDゲ
ート8156 〜8138 が「Hi」を出力した場合、ク
ロック信号clk1 〜clk3 が選ばれる。初期クロッ
ク位相検出部732は、以上の規則εに従って、各ビッ
トの中間点CPに最も近接するクロック信号clkOPT
を特定する。初期クロック位相検出部732は、特定さ
れたクロック信号clkOPT を示す値を生成し、これを
初期最適位相情報として、クロック位相調整部43(図
15参照)に送信する。
【0085】次に、図15を参照して、クロック位相調
整部43を詳細に説明する。図15において、クロック
位相調整部43は、最適位相保持部1501と、エッジ
位置検出部1502と、7個のレジスタ15031 〜1
5037 と、セレクタ1504と、アドレス制御部15
05と、カウンタ1506と、レジスタ1507と、加
算回路1508と、割り算回路1509と、アップパル
ス発生部1510と、ダウンパルス発生部1511とを
含む。
【0086】最適位相保持部1501は、先頭検出信号
の受信により動作を開始する。その後、最適位相保持部
1501は、入力された初期最適位相情報、つまりクロ
ック信号clkOPT の値を保持する。最適位相保持部1
501は、現在保持しているクロック信号clkOPT
初期値として用いる。つまり、このクロック信号clk
OPT を示す値はそのまま、最適位相情報として、バス4
10を通じて、セレクタ1504およびデータ再生部4
4(後述)に送信される。初期最適位相情報により特定
される位相位置φOPT (つまりクロック信号cl
OPT )は、入力バーストデータの先頭から導出され
る。そのため、この位相位置φOPT は、初期の時点では
有効であるが、時間が経過すると有効でなくなる場合が
ある。なぜなら、各ビットの中間点CPがパルス幅歪み
および/またはジッタ成分の条件により時間変動するか
らである。そこで、クロック位相調整部43は、以下の
ようにして、最適位相情報により特定される最適な位相
位置φOPT を、各ビットの中間点CPに追従させる。
【0087】エッジ位置検出部1502は、データバス
45を通じて入力される第1〜第8系統のバーストデー
タに基づいて、各ビットの前縁LE(立ち上がりエッ
ジ)または後縁RE(立ち下がりエッジ)のエッジ位置
φEDGEを検出する。検出されたエッジ位置φEDGEは、エ
ッジ位置情報として、バス1512を通じて、セレクタ
1504およびカウンタ1506に送信される。このエ
ッジ位置検出部1502は、より具体的には、図16に
示す構成を有する。図16において、エッジ位置検出部
1502は、8個の排他的論理和回路16011 〜16
018 と、8個の判定回路16021 と、8個のAND
ゲート16031 〜16038 と、D型フリップフロッ
プ16041 〜16048 とを含む。各排他的論理和回
路1601b (b=1,2…,8)には、互いに位相位
置が隣り合う2個のクロック信号clkb およびclk
(b+1) でサンプリングされた第b系統および第(b+
1)系統のバーストデータが入力される。例えば、排他
的論理和回路16011 には、第1系統および第2系統
のバーストデータが入力される。また、排他的論理和回
路16018 には、第8系統および第1系統のバースト
データが入力される。
【0088】各排他的論理和回路1601b は、入力さ
れる第b系統および第(b+1)系統のバーストデータ
の排他的論理和を演算して、入力バーストデータにおい
て、レベルが「Hi」から「Lo」へと変わる変化点、
または「Lo」から「Hi」へと変わる変化点を検出す
る。各排他的論理和回路1601b は、変化点を検出し
た場合、「Hi」を出力し、変化点を検出しなかった場
合、「Lo」を出力する。各排他的論理和回路1601
b では、2種類の変化点が検出される。第1の変化点
は、各ビットの前縁LEまたは後縁REに起因してお
り、本クロック位相調整部43にとって必要なエッジ位
置情報である。例えば、図17(a)に示した例では、
位相位置φ1 およびφ2 の間に、各ビットの前縁LEが
存在する。この場合、排他的論理和回路16011 のみ
が「Hi」を出力し、他の排他的論理和回路16012
〜16018 は「Hi」を出力しない。一方、第2の変
化点は、入力バーストデータに重畳される雑音に起因
し、不要な情報である。かかる不要な第2の変化点も、
各排他的論理和回路1601b は検出してしまう。図1
7(b)のように、雑音(矢印ξ参照)が瞬間的に発生
した場合、排他的論理和回路16011 および1601
2 が「Hi」を出力する。本クロック位相調整部43の
処理には、各ビットの前縁LEまたは後縁REの位置情
報のみが必要となるため、雑音に起因する第2の変化点
は不要である。
【0089】そこで、各判定回路1602b (b=1,
2…,8)には、位相位置が連続する5個のクロック信
号clk(b+1) 〜clk(b+5) でサンプリングされた第
(b+1)系統〜第(b+5)系統のバーストデータが
入力される。例えば、判定回路16021 には、第2系
統から第6系統のバーストデータが入力される。また、
判定回路16028 には、第1系統から第5系統のバー
ストデータが入力される。
【0090】各判定回路1602b は、ANDゲート1
602b1および1602b2と、ORゲート1602b3
を含む。便宜上、図16には、判定回路16021 の内
部構成のみが示され、判定回路16022 〜16028
の内部構成は示されない。以下、判定回路16021
内部構成を代表的に説明する。ANDゲート1602 11
には、第2系統〜第5系統のバーストデータがそのまま
入力される。したがって、入力バーストデータが図17
(a)のような波形を有する場合、全系統のバーストデ
ータが「Hi」を示すので、ANDゲート160211
「Hi」を出力する。つまり、ANDゲート160211
は、位相位置φ2 〜φ5 において、「Hi」が続いてい
るか否かを検出している。また、入力バーストデータが
図17(b)のような波形を有する場合、いずれかの系
統のバーストデータが「Lo」を示すので、ANDゲー
ト160211は「Lo」を出力する。また、ANDゲー
ト160212には、第2系統〜第5系統のバーストデー
タが反転された後に入力される。したがって、全系統の
バーストデータが「Lo」の場合に限り、ANDゲート
160212は「Hi」を出力する。つまり、ANDゲー
ト160212は、位相位置φ2 〜φ5 において、「L
o」が続いているか否かを検出している。また、AND
ゲート160211および160212の出力は、ORゲー
ト160213に入力される。いずれかの出力が「Hi」
の場合、ORゲート160213は、「Hi」を出力す
る。他の判定回路1602b (b=2…,8)もまた、
判定回路16021 と同様に動作するが、入力されるバ
ーストデータの系統が異なるので、位相位置φb 〜φ
(b+4) において、「Hi」または「Lo」が続いている
か否かを検出する。
【0091】ANDゲート1603b (b=1,2…,
8)は、上述した排他的論理和回路1601b の出力
と、判定回路1602b の出力との論理積をとる。つま
り、排他的論理和回路1601b により「Lo」から
「Hi」への変化点または「Hi」から「Lo」への変
化点が検出され、かつ判定回路1602b により「H
i」または「Lo」の連続が検出した場合、ANDゲー
ト1603b の出力は「Hi」となる。例えば、入力バ
ーストデータが図17(a)に示すような場合、AND
ゲート1603b のみが「Hi」を出力し、これによっ
て、位相位置φ1 およびφ2 の間に、ビットの前縁LE
に起因する第1の変化点が検出される。また、例えば、
入力バーストデータが図17(b)に示すような場合、
ANDゲート1603b は、位相位置φ1 およびφ2
間に変化点があっても、判定回路1602b により「H
i」の連続が検出されないので、「Hi」を出力しな
い。つまり、ANDゲート16031 は、位相位置φ1
およびφ2 の間にはビットの前LEまたは後縁REでは
なく、雑音(矢印ξ参照)が発生していると判定する。
以上のように、排他的論理和回路1601b 、判定回路
1602b およびANDゲート1603b の組み合わせ
により、ビットの前縁LEまたは後縁REに起因する第
1の変化点のみが検出される。
【0092】D型フリップフロップ1604b (b=
1,2…,8)は、ANDゲート1603b の出力を保
持する。各フリップフロップ1604b が保持する値
は、同じタイミングで送出され、バス1512上で多重
される。これによって、8ビット幅のエッジ位置情報が
生成される。エッジ位置情報は、ビットのエッジ位置φ
ED GEを位相位置φ1 〜φ8 のいずれかにより特定する。
例えば、入力バーストデータが図17(a)に示すよう
な場合、フリップフロップ16041 のみが「Hi」を
出力し、他のフリップフロップ16042 〜16048
は「Lo」を出力する。したがって、エッジ位置情報
は、(Hi,Lo,Lo,Lo,Lo,Lo,Lo,L
o)となる。この場合、エッジ位置φEDGEは位相位置φ
1 に相当する。
【0093】以上説明したように、エッジ位置検出部1
502は、雑音等に起因するレベルの変化に反応するこ
となく、ビットの前縁または後縁に起因するレベル変化
のみを反応する。さらに、エッジ位置検出部1502
は、検出したエッジ位置φEDGEを位相位置φb で示すエ
ッジ位置情報を、バス1512を通じて、セレクタ15
04とカウンタ1506に送信する。
【0094】再度図15を参照する。セレクタ1504
には、エッジ位置情報および最適位相情報とが入力され
る。以下、説明を明確にするために、セレクタ1504
に入力された最適位置情報、つまり最適位相保持部15
01により現在保持されている最適位置情報が示す最適
な位相位置φOPT を、前回最適な位相位置φOPT ’と称
する。まず、エッジ位置情報が示すエッジ位置φ
EDGEと、前回最適な位相位置φOPT ’との関係につい
て、図18を参照して説明する。図18(a)に示すよ
うに、前回最適な位相位置φOPT ’は、前回の処理にお
いて、入力バーストデータの各ビットの中間点に最も近
接すると判定された位相位置である。しかし、パルス幅
歪みおよび/またはジッタ成分により、前回最適な位相
位置φOPT ’が、ある程度の時間が経過した後も、各ビ
ットの中間点CPに最も近接するとは限らない。つま
り、前回の最適な位相位置φOPT ’が新しい最適な位相
位置φOPT に更新されないと仮定した場合、図18
(b)に示すように、時間経過と共に、前回最適な位相
位置φOPT ’は、現在の各ビットの中間点CPから離れ
てしまう場合がある。
【0095】また、1ビット幅BWは、変動しうるが、
既知である。したがって、パルス幅歪み等がビットに生
じないという条件下では、エッジ位置φEDGEから中間点
CPまでの時間dもまた既知である。さらに、位相位置
φ1 〜φ8 において、隣り合うもの同士の差Δφが同一
である場合には、時間dはΔφに比例する。今、この時
間dを4*Δφ(つまり、4/8位相)とする。この場
合、エッジ位置φEDGEに4*Δφを足し合わせた位置
が、本来の中間点CPに最も近いとみなせる。つまり、
φEDGE+4*Δφは、現在の各ビットの中間点CP(以
下、現在の中間点CPPRE と称す)として最も確からし
い位置を表す。セレクタ1504は、以上のような演算
を行って、現在の中間点CPPRE を求める。また、エッ
ジ位置φEDGEはおよび現在の中間点CPPRE は、位相位
置φ1〜φ8 のいずれかで表されることになる。
【0096】次に、セレクタ1504は、現在の中間点
CPPRE と前回最適な位相位置φOP T ’とを比較する。
比較の結果、現在の中間点CPPRE が前回最適な位相位
置φ OPT ’と等しい位置ならば、セレクタ1504はレ
ジスタ15034 に蓄積された重み付け値「0」を取り
出して、評価値「0」として出力する。また、図19
(a)のように、現在の中間点CPPRE が前回最適な位
相位置φOPT ’を基準として前に1/8位相分ずれてい
るならば、セレクタ1504はレジスタ1503 5 に蓄
積された重み付け値「−1」を取り出して、評価値「−
1」として得る。また、図19(b)のように、現在の
中間点CPPRE が前回最適な位相位置φOP T ’を基準と
して後ろに1/8位相分ずれているならば、セレクタ1
504はレジスタ15035 に蓄積された重み付け値
「+1」を、評価値「+1」として得る。他の場合も同
様に、現在の中間点CPPRE が位相位置φOPT を基準と
して前に2/8位相分または3/8位相分ずれているな
らば、評価値「−2」または「−3」が得られる。ま
た、現在の中間点CPPRE が位相位置φOPT に対して後
ろに2/8位相分または3/8位相分ずれているなら
ば、評価値「+2」または「+3」が得られる。セレク
タ1504は、以上の説明したように、エッジ位置情報
の入力毎に、現在の中間点CPPRE を導出して、「−
3」〜「+3」のいずれかの評価値を得る。評価値は、
上述から明らかなように、前回最適な位相位置φ OPT
を基準とした現在の中間点CPPRE のずれを示し、セレ
クタ1504からアドレス制御部1505へと送信され
る。
【0097】ところで、エッジ位置情報は、セレクタ1
504だけでなく、バス1512を通じてカウンタ15
06にも送信される。カウンタ1506は、エッジ位置
情報の入力毎に(つまりエッジ位置φEDGEの検出毎
に)、カウント値をインクリメントして、アドレス制御
部1505に出力する。したがって、評価値とカウント
値とがアドレス制御部1505に入力される。アドレス
制御部1505の後段には、aワード分(請求項におけ
るaに相当)の評価値を保持可能なレジスタ1507が
接続される。アドレス制御部1505は、入力されたカ
ウント値に基づいて、評価値をレジスタ1507に書き
込む。つまり、カウント値は、評価値を書き込むための
アドレス位置を特定している。このように、評価値は、
各ビットのエッジ位置φEDGEが検出される度に、レジス
タ1507に順次蓄積される。評価値がaワード分蓄積
されると、加算回路1508は、aワード分の評価値を
レジスタ1507から得て、得られた評価値の合計をと
る。その後、割り算回路1509は、評価値の合計をa
で割る。これによって、a個の評価値の平均値が算出さ
れる。算出された平均値は、アップパルス発生部151
0およびダウンパルス発生部1511に出力される。ア
ップパルス発生部1510は、入力された平均値が「+
1」以上である場合にのみ、最適位相保持部1501に
アップパルスを出力する。ダウンパルス発生部1511
は、入力された平均値が「−1」以上である場合にの
み、最適位相保持部1501にダウンパルスを出力す
る。
【0098】アップパルスおよびダウンパルスは、a回
検出された中間点CPPRE が平均的に、前回最適な位相
位置φOPT ’に対して後ろおよび前にずれていることを
示す。最適位相保持部1501は、入力されたアップパ
ルスまたはダウンパルスに基づいて、現在の最適な位相
位置φOPT を示す新しい最適位相情報を生成し保持す
る。より具体的には、アップパルスの入力時には、図2
0(a)のように、前回最適な位相位置φOPT ’から1
位相差Δφ分だけ前の方向にずらされたものが、現在の
最適位相位置φOPT として得られる。一方、ダウンパル
スの入力時に得られる現在の最適位相位置φOPT は、図
20(b)に示すように、前回最適な位相位置φOPT
から1位相差Δφ分だけ後ろの方向にずれたものであ
る。以上のような新しい最適位相情報は、バス410を
通じてデータ再生部44に出力される。
【0099】ところで、アップパルスまたはダウンパル
スは、カウンタ1506にも出力される。カウンタ15
06は、入力されたいずれかのパルスをリセット信号と
みなし、カウント動作をリセットする。したがって、レ
ジスタ1507には、a個の評価値の平均値が新規に蓄
積されるので、現在最適な位相位置φOPTが随時更新さ
れていく。以上のようにして、最適位相保持部1501
は、所定の時間毎に(エッジ位置φEDGEがa回検出され
る度に)、新しい最適な位相位置φOPT を検出する。こ
れによって、最適な位相位置φOPT は常に、入力バース
トデータの各ビットの中心点CPに追従させることがで
きる。
【0100】次に、図21を参照して、データ再生部4
4を詳細に説明する。図21において、データ再生部4
4は、セレクタ2101と、多数決回路2102と、ポ
インタ制御部2103と、エラスティックバッファ21
04と、読み出し部2105とを含む。なお、セレクタ
2101および多数決回路2102とは、データ判別部
2106を構成する。セレクタ2101には、データバ
ス45(図6参照)を通じて、第1系統〜第8系統のバ
ーストデータが入力される。さらに、セレクタ2101
には、バス410を通じて、現在最適な位相位置φOPT
を示す最適位相情報が入力される。φ OPT は、φb (b
は1〜8のいずれかの自然数)で特定される。セレクタ
2101は、最適位相情報の入力毎に得られる最適な位
相位置φOPT (つまり、φb )を中心として、後ろの位
相位置φ(b-1) および前のφ(b+1) を選択する。例え
ば、φOPT がφ5 であった場合、図22に示すように、
位相位置φ4 〜φ6 とが選択される。その後、セレクタ
2101は、位相位置φ(b-1) 〜φ(b+1) を有するクロ
ック信号clk(b-1) 〜clk(b+1) を選択する。次
に、セレクタ2101は、入力された全系統のバースト
データから、クロック信号clk(b-1) 〜clk(b+1)
でサンプリングされた第(b−1)〜第(b+1)系統
のバーストデータのみを選択して、多数決回路2102
に出力する。
【0101】また、ポインタ制御部2103には、先頭
検出信号、最適位相情報および8相のクロック信号cl
1 〜clk8 が入力される。ポインタ制御部2103
は、先頭検出信号の入力に応答して動作を開始する。動
作開始後、ポインタ制御部2103は、最適位相情報が
示すφOPT (つまりφb )を有するクロック信号clk
b を、入力されたクロック信号clk1 〜clk8 から
選択する。さらに、ポインタ制御部2103は、クロッ
クclkb (位相位置φb )に同期して、第1のカウン
ト値をインクリメントした後に、インクリメントされた
第1のカウンタ値を多数決回路2102に出力する。
【0102】多数決回路2102は、入力された第(b
−1)〜第(b+1)系統のバーストデータの多数決を
とって、後段のエラスティックバッファ2104に書き
込むべきビット(レベル「Hi」またはレベル「L
o」)を決定する。例えば、第(b−1)、第bおよび
第(b+1)系統のバーストデータが「Hi」、「L
o」および「Hi」を示す場合、「Hi」の個数が「L
o」の個数を上回っているので、レベル「Hi」を書き
込むべきビット(バーストデータ)として判別する。そ
の後、多数決回路2102は、ポインタ制御部2103
から入力された第1のカウント値に従って、判別された
ビット(バーストデータ)をエラスティックバッファ2
104に書き込む。つまり、第1のカウント値は、エラ
スティックバッファ2104における書き込み位置を示
している。また、第1のカウント値は、クロック信号c
lkb と同期しているので、この書き込みもまた、クロ
ック信号clkb と同期している。
【0103】なお、多数決回路2102は、本デジタル
PLL回路4の必須の構成でないことには注意を要す
る。しかしながら、多数決回路2102は、簡単に言え
ば、入力バーストデータに生じうる雑音に対する耐性を
向上させるので、デジタルPLL回路4に備えられるこ
とが好ましい。以下、雑音に対する耐性の向上について
説明する。本質的には、セレクタ2101は、全系統の
バーストデータから選択される第b系統のバーストデー
タのみをエラスティックバッファ2104に書き込めば
よい。これによって、本デジタルPLL回路4の目的
(つまり、無入力区間とバーストデータとを正確に識別
して、バーストデータのみを正しく再生すること)は達
成される。
【0104】さて、雑音はランダムに発生するので、最
適位相位置φOPT (φb )で雑音が入力バーストデータ
に重畳される場合がある。かかる場合、クロック信号c
lk b (位相位置φb )でサンプリングされた第b系統
のバーストデータにはビット誤りが生じている可能性が
ある。しかしながら、雑音には様々な種類がある。その
中には、入力バーストデータに瞬間的に重畳する雑音が
ある。かかる雑音は、たとえ位相位置φb で重畳されて
も、位相位置φb の周辺の位相位置φ(b-1) およびφ
(b+1) には重畳されないことが多い。つまり、第(b−
1)および第(b+1)系統のバーストデータにはビッ
ト誤りが生じていない場合が多い。そこで、多数決回路
2102は、上述したように、セレクタ2101により
選択された第(b−1)〜第(b+1)系統のバースト
データの多数決をとる。したがって、エラスティックバ
ッファ2104に書き込まれるビットには、雑音による
誤りが発生している可能性は、多数決回路2102が無
い場合と比較して小さくなる。これによって、入力バー
ストデータに生じうる雑音に対する耐性を向上させるこ
とができる。
【0105】なお、以上の説明では、セレクタ2101
は、第(b−1)〜第(b+1)系統分、つまり3系統
分のバーストデータを選択していた。しかしながら、選
択されるのは、3系統分に限られず、複数系統分(請求
項におけるp系統に相当する)のバーストデータが選択
されればよい。
【0106】さて、再度、図21を参照する。ポインタ
制御部2103は、動作開始後、第1のカウント値だけ
でなく、第2のカウント値を出力する。以下、第2のカ
ウント値の出力時の動作を説明する。ポインタ制御部2
103に入力されるクロック信号clk1 〜clk8
中には、システムクロックclkS と同じ位相位置φ S
を有するものがある。ポインタ制御部2103は、この
システムクロックclkS (位相位置φS )に同期し
て、第2のカウント値をインクリメントした後に、イン
クリメントされた第2のカウンタ値を読み出し部210
5に出力する。
【0107】読み出し部2105は、ポインタ制御部2
103から入力された第2のカウント値に従って、エラ
スティックバッファ2104に書き込まれているバース
トデータを読み出す。つまり、第2のカウント値は、エ
ラスティックバッファ2104における読み出しアドレ
スを示している。第2のカウント値は、システムクロッ
クclkS と同期しているので、この読み出しもまた、
システムクロックclkS と同期して行われることにな
る。ただし、多数決回路2102の書き込みアドレスの
初期値と、読み出し部2105の読み出しアドレスの初
期値とは、エラスティックバッファ2104のアドレス
領域において最も遠くなるように予め選ばれている。読
み出し部2105は、読み出したものを再生されたバー
ストデータとして信号線411に出力する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る光受信回路の全体構
成を示すブロック図である。
【図2】図1の光受信回路の要部における各信号の波形
を示している。
【図3】図1の光受信回路の要部における各信号の波形
を示している。
【図4】図1の光受信回路の要部における各信号の波形
を示している。
【図5】図1の比較部3の詳細な構成を示すブロック図
である。
【図6】図1に示すデジタルPLL回路4のブロック構
成を示している。
【図7】図6の先頭検出部42の詳細な構成を示してい
る。
【図8】図7の先頭パターン検出部731について部分
的な構成を詳細に示している。
【図9】図7の先頭パターン検出部731について部分
的な構成を詳細に示している。
【図10】図7の先頭パターン検出部731について部
分的な構成を詳細に示している。
【図11】図7の初期クロック位相検出部732の詳細
な構成を示している。
【図12】図11の規則εを詳細に説明するための図で
ある。
【図13】図12の規則εに関し、最適な位相位置φ
OPT を有するクロック信号clkOP T の選び方を説明す
るための図である。
【図14】図12の規則εに関し、最適な位相位置φ
OPT を有するクロック信号clkOP T の選び方を示して
いる。
【図15】図6のクロック位相調整部43の詳細な構成
を示している。
【図16】図15のエッジ位置検出部1502の詳細な
構成を示している。
【図17】図6のデジタルPLL回路4に入力されるバ
ーストデータ波形の例を示している。
【図18】図15のエッジ位置検出部1502により生
成されるエッジ位置情報が示すエッジ位置φEDGEと、前
回最適な位相位置φOPT ’との関係を説明するための図
である。
【図19】図15のセレクタ1504が導出する評価値
と、現在の中間点CPPRE と前回最適な位相位置
φOPT ’との間に生じるずれとの関係を示している。
【図20】図15の最適位相保持部1501における位
相位置φOPT の調整の仕方を説明する図である。
【図21】図6のデータ再生部44の詳細な構成を示し
ている。
【図22】図21のセレクタ2101が選択する位相位
置φ(b-1) 〜φ(b+1) の一例を示している。
【符号の説明】
1…光電変換素子 2…線形増幅部 3…比較部 4…デジタルPLL回路 40…多相クロック生成部 41…データサンプリング部 42…先頭検出部 43…クロック位相調整部 44…データ再生部 711 〜718 …シフトレジスタ 721 〜728 …デコード部 731…識別パターン検出部 732…初期クロック位相検出部 1502…エッジ位置検出部

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バースト光信号を受信する光受信回路で
    あって、 入力バースト光信号を電気信号に変換する光電変換素子
    と、 前記光電変換素子が変換した電気信号を増幅する増幅部
    と、 ヒステリシス特性を有し、その値が変化するリファレン
    ス信号を生成し、当該リファレンス信号と、前記増幅部
    が増幅した電気信号とを比較して、バーストデータを再
    生する比較部と、 前記比較部が再生したバーストデータの先頭部分を検出
    して、先頭検出信号を生成し、当該先頭検出信号に基づ
    いて、当該バーストデータから再生されたクロック信号
    の位相位置を最適に調整するデジタルPLL回路とを含
    み、 前記デジタルPLL回路はさらに、生成した先頭検出信
    号を前記比較部にフィードバックし、 前記比較部は、前記デジタルPLL回路からフィードバ
    ックされた先頭検出信号に基づいて、リファレンス信号
    の値を変更する、光受信回路。
  2. 【請求項2】 前記デジタルPLL回路により生成され
    る先頭検出信号は、前記先頭部分の検出または未検出を
    示しており、 前記比較部は、 前記デジタルPLL回路によりフィードバックされた先
    頭検出信号に基づいて、その値が変化するリファレンス
    信号を生成するヒステリシス制御部と、 前記ヒステリシス制御部からのリファレンス信号と、前
    記増幅部からの電気信号とを比較するコンパレータとを
    含み、 前記ヒステリシス制御部は、 入力された先頭検出信号が前記先頭部分の検出を示す場
    合に、前記増幅部からの電気信号の基準値と実質的に同
    じ値のリファレンス信号を生成し、 入力された先頭検出信号が前記先頭部分の未検出を示す
    場合に、前記増幅部からの電気信号の基準値から所定量
    だけオフセットされた値のリファレンス信号を生成す
    る、請求項1に記載の光受信回路。
  3. 【請求項3】 前記コンパレータに入力される電気信号
    は両相信号である、請求項2の光受信回路。
  4. 【請求項4】 前記所定量は、前記増幅部で発生する熱
    雑音成分の分散値の2〜3倍に選ばれる、請求項2に記
    載の光受信回路。
  5. 【請求項5】 前記デジタルPLL回路は、 システムクロックに基づいて、1周期の1/n位相(n
    は正の整数)ずつ位相がずらされたn相のクロック信号
    を生成する多相クロック生成部と、 前記比較部で再生されたバーストデータを、前記多相ク
    ロック生成部で生成されたn相のクロック信号を用いて
    サンプリングして、n系統のバーストデータを生成する
    サンプリング部と、 前記サンプリング部が生成したn系統のバーストデータ
    から、前記比較部から出力されたバーストデータの先頭
    を検出して先頭検出信号を生成した後に、当該先頭検出
    信号に基づいて、前記多相クロック生成部が生成したn
    相のクロック信号の各位相位置から、最適な位相位置を
    検出する先頭検出部と、 前記サンプリング部が生成したn系統のバーストデータ
    から、前記比較部で再生されたバーストデータの各エッ
    ジの位置を検出して、前記先頭検出部が検出した最適な
    位相位置を基準として、検出された各エッジの位置に基
    づいて、クロック信号の位相位置を現在最適なものに調
    整するクロック位相調整部とを含み、 前記先頭検出部は、生成した先頭検出信号を前記比較部
    にフィードバックする、請求項1に記載の光受信回路。
  6. 【請求項6】 前記クロック位相調整部は、 前記比較部で再生されたバーストデータのエッジの位置
    を検出するたびに、当該検出エッジの位置に基づいて、
    当該ビットの中間点を導出し、 現在設定されている最適な位相位置と、導出されたビッ
    トの中間点とのずれに関する評価値を導出して蓄積し、 評価値がa回導出された後に、現在蓄積されているa個
    の評価値の平均値を算出し、 算出された平均値に基づいて、クロック信号の位相位置
    を現在最適なものに調整する、請求項5に記載の光受信
    回路。
  7. 【請求項7】 前記クロック位相調整部は、前記先頭検
    出部が先頭部分を検出したタイミングで、前記n系統の
    バーストデータから、前記比較部で再生されたバースト
    データの各エッジの位置を検出することを開始する、請
    求項5に記載の光受信回路。
  8. 【請求項8】 前記比較部で再生されたバーストデータ
    には、先頭部分を特定するための識別パターンが予め設
    定されており、 前記先頭検出部は、 前記サンプリング部が生成したn系統のバーストデータ
    を保持するn個のシフトレジスタと、 前記n個のシフトレジスタの後段に1個ずつ接続されて
    おり、自身と接続されたシフトレジスタに保持されるビ
    ットパターンが、前記識別パターンと一致するか否かを
    判定するn個のデコード部とを含み、 前記n個のデコード部の判定結果に基づいて、前記比較
    部で再生されたバーストデータの先頭を検出する、請求
    項5に記載の光受信回路。
  9. 【請求項9】 各前記シフトレジスタが保持するビット
    数iは予め定められており、 前記デコード部が、自身と接続されたシフトレジスタに
    保持されたiビットのパターンの内、jビット(jはj
    =iを満たす自然数)が識別パターンと一致したと判定
    したとき、前記先頭検出部は、前記比較部で再生された
    バーストデータの先頭を検出したとみなす、請求項5に
    記載の光受信回路。
  10. 【請求項10】 連続するq個(qはq<nを満たす自
    然数)の前記デコード部が、自身と接続されたシフトレ
    ジスタに保持されたiビットのパターンの内、最新のk
    ビット(kはk<jを満たす自然数)が識別パターンと
    一致したと判定したとき、前記先頭検出部は、前記比較
    部で再生されたバーストデータの先頭を検出したとみな
    し、 前記qおよびkは、伝送品質として要求されるビットエ
    ラーレートを満足する値に選ばれる、請求項9に記載の
    光受信回路。
  11. 【請求項11】 前記先頭検出部は、前記n個のデコー
    ド部の判定結果に基づいて、クロック信号の最適な位相
    位置を検出するクロック位相検出部をさらに含み、 前記クロック位相検出部は、 前記n個のデコード部の判定結果に基づいて、前記比較
    部で再生されたバーストデータの先頭部分に位置する各
    ビットの中心の位相位置を検出して、検出された中心の
    位相位置を最適な位相位置とみなす、請求項8に記載の
    光受信回路。
  12. 【請求項12】 前記クロック位相調整部は、前記比較
    部で再生されたバーストデータの各エッジの位置を検出
    するエッジ位置検出部を含み、 前記エッジ位置検出部は、 n相クロックの中で、隣接する2つのクロックでサンプ
    リングした値間での排他的論理和をとって、前記比較部
    で再生されたバーストデータにおける「Lo」から「H
    i」への変化点または「Hi」から「Lo」への変化点
    を検出する排他的論理和回路と、 前記排他的論理和回路が検出した「Lo」から「Hi」
    への変化点または「Hi」から「Lo」への変化点の後
    に、「Hi」または「Lo」が連続するか否かを判定す
    る判定部とを含み、 前記判定部により「Hi」または「Lo」が連続すると
    判定された場合に限り、前記排他的論理和回路が検出し
    た「Lo」から「Hi」への変化点または「Hi」から
    「Lo」への変化点が、前記比較部で再生されたバース
    トデータのエッジ位置として検出される、請求項5に記
    載の光受信回路。
  13. 【請求項13】 前記デジタルPLL回路は、前記クロ
    ック位相調整部が調整した位相位置に基づいて、前記サ
    ンプリング部が生成したn系統のバーストデータから、
    受信すべきビットを判別する判別部をさらに含む、請求
    項5に記載の光受信回路。
  14. 【請求項14】 前記判別部は、 前記クロック位相調整部が調整した位相位置に基づい
    て、前記サンプリング部が生成したn系統のバーストデ
    ータから、p系統(pはp≦nを満たす自然数)のバー
    ストデータを選択する選択部と、 前記選択部が選択したp系統のバーストデータから、多
    数決によって、受信すべきビットを決定する多数決回路
    とを含む、請求項13に記載の光受信回路。
  15. 【請求項15】 前記デジタルPLL回路は、前記クロ
    ック位相調整部により最適に調整された位相位置のクロ
    ック信号に基づいて、前記判別部により判別されたビッ
    トが書き込まれるエラスティックバッファをさらに含
    み、 前記エラスティックバッファに書き込まれたビットは、
    前記システムクロックに基づいて読み出される、請求項
    5に記載の光受信回路。
  16. 【請求項16】 前記エラスティックバッファへの書き
    込みおよび読み出しを開始するタイミングは、前記先頭
    検出部が入力バーストデータの先頭を検出した時点であ
    る、請求項15に記載の光受信回路。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005312051A (ja) * 2004-04-21 2005-11-04 Stmicroelectronics Sa 適応復調器

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