JP2000356912A - シームレスベルト - Google Patents

シームレスベルト

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JP2000356912A JP17002199A JP17002199A JP2000356912A JP 2000356912 A JP2000356912 A JP 2000356912A JP 17002199 A JP17002199 A JP 17002199A JP 17002199 A JP17002199 A JP 17002199A JP 2000356912 A JP2000356912 A JP 2000356912A
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利行 川口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トナーの搬送や転写の性能には十分な導電性
が期待でき、しかも、OHP用のシート等を搬送するこ
とが可能なシームレスベルトを提供する。 【解決手段】 シームレスベルト1を、樹脂材料にカー
ボンフィラーを添加分散させた厚さ0.02〜0.5m
mの円筒形に遠心成形する。そして、OHP用のシート
に接触する周面外側1aの表面抵抗率ρs(Ω/□)と体
積抵抗率ρv(Ω・cm)との関係をρs/ρv≧40と
し、表面抵抗率ρs(Ω/□)を2×1013(Ω/□)以上
とする。シームレスベルト1は、全体的には導電ないし
半導電領域の抵抗値を有し、周面外側1aの表面におい
ては絶縁領域の抵抗値を有するので、トナーの搬送、転
写等の性能を満足し、しかも、OHP用のシートを搬送
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真式の複写
機やレーザプリンタ等に使用されるシームレスベルトに
関し、より詳しくは、感光体基体用、中間転写用、紙搬
送用、現像用、あるいは定着用等のシームレスベルトの
改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、フルカラー複写機等の電子写真複
写機の実用化に伴い、感光体上に現像されたトナー像を
複写紙に転写する際、一旦トナーを中間転写体に写し取
った後、複写紙に転写するというプロセスが採用されて
いる。このプロセスでは、感光ドラムの表面にトナー像
が現像装置により形成され、このトナー像が感光ドラム
の下部の中間転写体であるシームレスベルトに転写され
た後、このシームレスベルト上のトナー像がシームレス
ベルトと二次転写ローラとの間に挟まれた複写紙に転写
される。このようにシームレスベルトは、中間転写体と
して使用されるが、それだけではなく、感光体等にも使
用が検討されている。
【0003】従来、シームレスベルトは、成形性が良い
こと、軽量であること等の理由から導電あるいは半導電
といわれる領域のプラスチック材料で成形されている。
このような導電又は半導電製のシームレスベルトは、例
えば特開平10−226028号公報に開示されてい
る。いずれの材料のシームレスベルトにおいても、付与
される導電性は、表面抵抗率を基準とすると、1〜1×
1013Ω/□の範囲とされる。これは、1〜1×1013
Ω/□の範囲を超える表面抵抗率とすると、一般に体積
抵抗も大きくなり、トナーの搬送、転写という重要、か
つ基本的な性能を満たすことができなくなるからであ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のシームレスベル
トは、以上のように導電性が表面抵抗率を基準として1
〜1×1013Ω/□の範囲とされ、トナーの搬送、転写
という重要、かつ基本的な性能が確保されている。しか
しながら、このような表面抵抗率ではコピー紙に印刷す
る場合には特に問題がないものの、OHP用のプラスチ
ックシートに印刷する場合、シートを搬送することがで
きず、満足する性能が到底得られないという大きな問題
がある。
【0005】本発明は、上記問題に鑑みなされたもの
で、トナーの搬送や転写の性能として十分な導電性が期
待でき、しかも、OHP用のシート等を搬送することが
可能なシームレスベルトを提供することを目的としてい
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明にお
いては、上記課題を達成するため、樹脂材料にカーボン
フィラーを分散させた厚さ0.02〜0.5mmで円筒
形のものであって、周面外側の表面抵抗率ρs(Ω/□)
と体積抵抗率ρv(Ω・cm)との関係をρs/ρv≧4
0としたことを特徴としている。なお、上記表面抵抗率
ρs(Ω/□)を2×1013(Ω/□)以上とすることが好
ましい。
【0007】すなわち、本発明者らはトナーの搬送、転
写時には十分な導電性を有し、OHP用のシート等を搬
送することが可能なシームレスベルトを得るためには、
周面外側の表面においては絶縁領域の抵抗値を有し、全
体的には導電ないし半導電領域の抵抗値を有するものと
すれば良いことに着眼し、その方法、構成について種々
検討を重ねた結果、上記構成により、トナーの搬送、転
写の性能を満足し、OHP用のシート等を搬送すること
が可能なシームレスベルトが得られることを確認して本
発明を完成させた。
【0008】本発明によれば、全体としては導電ないし
半導電領域の抵抗値を有し、周面外側の表面においては
絶縁領域の抵抗値を有するシームレスベルトとなってい
るので、トナーの搬送、転写等という性能を満足し、O
HP用のシート又はこれと略同様と認められる被印刷基
材を搬送することができる。すなわち、被印刷基材の搬
送にはシームレスベルトと被印刷基材との間に生じる静
電吸着力を利用しているが、OHP用のシート等を構成
するプラスチック材料とシームレスベルトを構成する樹
脂材料の帯電列とが近いことから、周面外側の表面が導
電ないし半導電領域の抵抗値を示すものであると、十分
な静電吸着力が発現しないこととなる。本発明によれ
ば、周面外側の表面が絶縁領域の抵抗値を有するものと
することにより、帯電列が近いもの同士でも、静電気の
自然減衰が少なく、十分な静電吸着力が発現する。した
がって、プラスチック材料からなるOHP用のシート等
の搬送が可能になる。
【0009】
【発明の実施形態】以下、図面を参照して本発明の好ま
しい実施形態を説明するが、本発明は以下の実施形態に
なんら限定されるものではない。本実施形態におけるシ
ームレスベルト1は、図1に示すように、樹脂材料にカ
ーボンフィラーを添加分散させた厚さ0.02〜0.5
mmの円筒形に成形され、図示しないOHP用のシート
に接触する周面外側1aの表面抵抗率ρs(Ω/□)と体
積抵抗率ρv(Ω・cm)との関係がρs/ρv≧40に
設定されるとともに、表面抵抗率ρs(Ω/□)が2×1
13(Ω/□)以上に設定されている。
【0010】樹脂材料としては、公知の材料が使用され
るが、シームレスベルト1が複数のロールに支持されて
使用されるので、十分な機械的強度と可撓性とを有する
材料が選択される。このような材料としては、PET、
PBT、PEN等のポリエステル系樹脂、ポリイミド系
樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、フ
ッ素樹脂、ポリサルフォン、アラミド樹脂、ポリエーテ
ルエーテルケトン等があげられる。樹脂材料は、熱硬化
性、熱可塑性のいずれでも良いが、使用する製法により
適当な材料を選択することができる。
【0011】カーボンフィラーとしては、ケッチェンブ
ラック、アセチレンブラック、オイルファーネスブラッ
ク等があげられる。これらカーボンブラックは、その分
散状態が必要な特性を得るために重要な役割を果たす。
この点を詳説すると、シームレスベルト1は、可撓性を
確保するため、厚さが0.02〜0.5mm程度と薄く
成形される。この中でカーボンブラックが凝集している
と、その凝集粒子は1ではないアスペクト比、1.5以
上のアスペクト比を有する状態となり、成形時の樹脂の
流れ、遠心力等の力が凝集粒子に加わると、モーメント
が発生し、面方向に配向しやすくなる。この結果、面方
向の抵抗が厚さ方向の抵抗と比較して低くなり、特にそ
の体積抵抗率が1×106〜1×1013Ω・cm程度で
は微妙な配向が抵抗の方向性に大きく影響する。
【0012】そこで本実施形態では、カーボンブラック
の二次凝集粒子の割合がカーボンフィラー全量中20重
量%以下、好ましくは10重量%以下、さらに好ましく
は5重量%以下とされる。これにより、必要な体積抵抗
率を得るために表面抵抗率が必要以上に低下するのを抑
制することができる。
【0013】全カーボン粒子中における凝集粒子の割合
の測定方法は、カーボン粒子の粒子径を測定する方法に
よる。すなわち、あるカーボン粒子の一次粒子径に対
し、凝集粒子の粒子径は、数倍〜数十倍以上のレベルで
大きな値を示し、粒度分布において一次粒子径の2倍以
上の粒径を示したものが二次凝集している粒子であり、
この粒子の全量に対する割合を算出すれば良い。
【0014】この測定法によれば、市販のカーボンフィ
ラーは、略50%以上が二次凝集しており、この二次凝
集を解砕する処理を施すことが必要となる。このような
処理方法としては、図2(a)、(b)、(c)、(d)に示すよう
に、流路の最小部の間隙が0.1mm以下で、液剤の分
離、衝突が行われるスタティックミキサ2に通す方法が
あげられる。このスタティックミキサ2は、金属製の上
下一対の型から構成され、下型3に溝4が加工されてい
る。スタティックミキサ2は、上型5と下型3とが型締
めされることにより、溝4が流路となり、一方より流入
したカーボンフィラーを含む材料がもう一方より排出さ
れる間に分離、衝突する。図2(a)、(b)、(c)、(d)の例に
おいては、分離、衝突が2回ずつ行われる。
【0015】カーボンフィラーの一次粒子の大きさは、
数〜数百nmと非常に細かいため、通常用いられるボー
ルミルや三本ロール等の方法では間隙が大き過ぎたり、
解砕が確率的にしか行われないため、凝集粒子を減少さ
せるには長時間を要する。しかしながら、スタティック
ミキサ2を使用すれば、このスタティックミキサ2を通
過するカーボン粒子は必ず解砕処理を受けるので、きわ
めて効率的に処理することが可能となる。
【0016】樹脂材料にカーボンフィラーを分散させる
方法としては、適当な溶媒中で上記二次凝集解砕処理し
た後に樹脂材料と混合する方法、樹脂材料に直接カーボ
ンフィラーを投入し、その後に上記解砕処理を行う方法
があげられる。但し、樹脂材料と混合する際に、一旦解
砕された粒子が再凝集することがあるので、樹脂材料と
の混合前に解砕処理を行う場合においても、樹脂材料と
混合した後に再度解砕処理することが好ましい。
【0017】樹脂材料に対するカーボンフィラーの添加
量は、必要とされる導電性に応じて適宜決定されるが、
具体的には樹脂材料100重量部に対し1〜30重量部
の範囲から選択される。本実施形態においては、上記解
砕処理を行うことにより、表面抵抗率と体積抵抗率が従
来の関係を有しないので、注意が必要である。
【0018】シームレスベルト1の周面外側1aの表面
抵抗率は同一面で測定される抵抗値により算出され、体
積抵抗率はシームレスベルト1の表裏面の間で測定され
る抵抗値より算出される。抵抗値の測定方法により、特
に測定電圧により得られる値が変わるが、本発明に係る
シームレスベルト1は、JIS K 6911における
5.13 抵抗率の試験方法に略準拠した方法により、
表面抵抗率及び体積抵抗率が算出される。
【0019】測定試験の装置としては、図3(a)、(b)の
斜線部分の形状に切断した導電性ゴム又は透湿性の導電
性ペイント、直流電圧500Vの電源(乾電池又は蓄電
池)、図4に示す絶縁抵抗測定装置6、適当に絶縁保護
されたスイッチ、JIS B7502に規定された外側
マイクロメータ又はこれと同等以上の精度をもつもの、
JIS B 7507に規定された最小読取値0.02
mmのノギス又はこれと同等以上の精度をもつもの等が
使用される。試験体としては、成形されたシームレスベ
ルト1がそのまま用いられる。この試験体の前処理は、
C−90+4 -2h/20±2℃/(65±5)%RHで行わ
れる。
【0020】測定試験の方法は、先ず、処理した試験体
の厚さを外側マイクロメータで0.01mmまで正確に
測り、その後、導電性ゴムを配置し、試験体に圧着して
電極とする。なお、図3に示すように、試験体上に透湿
性の導電性ペイントで描いて電極とすることができる。
この場合、電極を描いた後に試験体を処理し、操作中に
透湿性の導電性ペイントが試験体から剥がれないように
注意する。表面電極の内円の外径及び環状電極の内径を
ノギスで0.02mmまで測り、表面抵抗率を測定する
場合には図5(a)のように、体積抵抗率を測定する場合
には図5(b)のようにそれぞれ接続する。これをさらに
絶縁抵抗測定装置6の回路位置に接続し、1分間充電し
て表面抵抗率及び体積抵抗を測定する。この場合、試験
は、温度20±2℃、相対温度(65±5%)の条件で行
う。
【0021】表面抵抗率と体積抵抗とを測定したら、以
下の式により表面抵抗率及び体積抵抗率を算出する。 ρv=πd2/4t×RV ρs=π(D+d)/D−d×Rs ここに、ρs:表面抵抗率(MΩ) ρv:体積抵抗率(MΩ・cm) d:表面電極の内円の外径(cm) t:試験体の厚さ(cm) RV :体積抵抗(MΩ) D:表面の環状電極の内径(cm) Rs :表面抵抗(MΩ) π:円周率=3.14
【0022】シームレスベルト1の成形方法としては、
遠心成形、押出成形、又は射出成形等があげられるが、
厚さの精度や表面状態等に優れる遠心成形法を選択する
ことが好ましい。ここで、遠心成形法とは、上記原材料
からなる流動状液体を円筒状の金型内に注入して回転さ
せることにより、金型の内周面に流動状液体の層を遠心
力により形成し、溶媒の除去あるいは反応硬化型の樹脂
を硬化させることにより、金型の内周面に樹脂層を形成
して脱型する方法をいう。シームレスベルト1の厚さ
は、0.02〜0.5mmの範囲とされる。これは、複
数のロールにシームレスベルト1が支持されて用いられ
るので、0.02mm未満では機械的強度が不足するか
らである。また、0.5mmを超えると、可撓性が十分
でないからである。
【0023】次に、シームレスベルト1の製造方法につ
いて説明すると、先ず、樹脂材料溶液を調整する。具体
的には、ベースとなる樹脂材料を適当な溶媒で溶液化
し、カーボンフィラーを上記方法で分散させる。この
際、樹脂材料溶液の粘度が50,000cp以下となる
よう調整する。50,000cpを超える粘度では、遠
心力による金型8の内周面へのレベリングが困難となる
からである。下限は特に限定されないが、10cp以上
とすることが樹脂材料溶液の取扱上好ましいといえる。
【0024】樹脂材料溶液を調整したら、図6に示すよ
うに、回転可能な複数のローラ7上に配置された金型8
の中に樹脂材料溶液を必要量だけ注入する。この金型8
は、金属を用いて円筒形に形成され、内周面が鏡面加
工、又はフッ素樹脂やシリコーン樹脂等で処理されてお
り、簡単にシームレスベルト1を脱型することができ
る。金型8の両端部には注入した樹脂材料溶液が漏れな
いよう、金属製、樹脂製等の蓋(図示せず)が嵌合されて
いる。この蓋は、その中央に樹脂材料溶液注入のための
孔が穿設され、リング形を呈している。樹脂材料溶液
は、溶液の濃度、固形分の比重、金型8の内周面寸法、
製品の厚さから算出し、所定量を注入すれば良い。本実
施形態のシームレスベルト1には、機械的強度と可撓性
とが求められるので、厚さの範囲が略0.02〜0.5
mm程度とされる。
【0025】次いで、金型8を当初ゆっくりと回転さ
せ、金型8の内周面に樹脂材料溶液を均一に塗布しつつ
徐々に回転数を上げ、シームレスベルト1を遠心成形す
る。この際、必要に応じて金型8を外部から適当なヒー
タで加熱すれば、樹脂材料溶液の粘度低減、有機溶媒の
蒸発を促進することができる。但し、急激な乾燥は、シ
ームレスベルト1の表面状態に悪影響を与えるため、初
めのうちは金型8の加熱を樹脂溶液の沸点より120〜
50℃程度低くし、指触乾燥状態が得られた後に温度を
上昇させ、乾燥を完了すれば良い。
【0026】こうしてシームレスベルト1の遠心成形が
終了したら、金型8ごと空冷する。すると、金型8とシ
ームレスベルト1を構成するポリアミドイミドとの熱膨
張率の差により、シームレスベルト1が金型8の内周面
から自然に脱型する。シームレスベルト1と金型8の内
周面との密着度が強く、自然に剥離しない場合には、端
部から徐々にシームレスベルト1を剥離すれば良い。最
後に所定の幅にカットすれば、シームレスベルト1を得
ることができる。
【0027】なお、上記実施形態ではシームレスベルト
1の周面外側1aの表面抵抗率ρs(Ω/□)と体積抵抗
率ρv(Ω・cm)との関係をρs/ρv≧40とした
が、実用上、表面抵抗率ρs(Ω/□)と体積抵抗率ρv
(Ω・cm)との関係をρs/ρv≧50とすると良い。
【0028】
【実施例】以下、本発明に係るシームレスベルト1の実
施例、比較例を説明する。 樹脂材料溶液の調整 トリメリット酸無水物と4,4’−ジアミノジフェニル
メタンとの当量をジメチルアセトアミドに溶解し、加熱
反応して固形分濃度(実質的全閉環のポリアミドイミド)
28重量%の芳香族ポリアミドイミド溶液を得た。さら
に、ジメチルアセトアミドを加え、固形分濃度15重量
%、固形分の比重1.2のポリアミドイミド溶液とし
た。本実施例、比較例においては、全てこのポリアミド
イミド溶液を樹脂材料溶液として使用した。
【0029】実施例1 カーボンフィラーとして、キャボット製「Specia
l Black MONARCH 120」(粒子径7
5nm)を、ジメチルアセトアミドに15重量%となる
よう混合し、これを図2(a)、(b)、(c)、(d)に示すスタテ
ィックミキサ(流路幅0.1mm、深さ0.1mm)2に
500kgf/cm2の圧力を加えて通し、カーボンフ
ィラーの解砕処理を行い、カーボンフィラー混合液を得
た。こうしてカーボンフィラー混合液を得たら、ポリア
ミドイミド溶液100重量部に対し、カーボンブラック
混合液20重量部を加え、再度スタティックミキサ2に
通してポリアミドイミド−カーボンブラック混合溶液と
した。このときの粒度分布をレーザ回折法により測定し
たところ、150nmを超える粒子径を有する粒子の割
合は、2.1wt%であった。
【0030】次いで、内径200mm、外形220m、
長さ400mmの円筒形で、両端部に材料漏れを防止す
る内径170mm、外形220mmのリング形の蓋を有
する金型8を100rpmの速度で回転させるととも
に、この金型8内にポリアミドイミド−カーボンブラッ
ク混合溶液215gを注入した。この際、雰囲気温度を
熱風送風機により80℃に保ち、金型8の回転数を徐々
に上げ、1650回転とした。この作業を30分間続け
たら、金型8の回転を停止し、金型8毎に180℃に設
定したオーブンに投入し、45分後にオーブンより取り
出した。そして、そのまま室温に放置して冷却し、ポリ
アミドイミド製のシームレスベルト1を金型8から脱型
し、厚さ約100μmのシームレスベルト1を得た。
【0031】シームレスベルト1を得たら、JIS K
6911 5.13 抵抗率の項に示される通りの形
状、寸法に導電性ゴムを形成し、これを製造したシーム
レスベルト1に圧着して測定試験用の電極とし、5.1
3 抵抗率の試験方法に略準拠して周面外側1aの表面
抵抗と体積抵抗とをそれぞれ測定し、表面抵抗率及び体
積抵抗率を算出した。この結果、表面抵抗率は1.2×
1014(Ω/□)、体積抵抗率は1.1×1012(Ω・c
m)であった。このシームレスベルト1をカラーレーザ
プリンタの中間転写体として組み込み、普通紙及びOH
P用シートにそれぞれ印字テストしたところ、いずれも
良好な結果を得ることができた。
【0032】実施例2 実施例1と同様のカーボンブラックをジメチルアセトア
ミドに15重量%となるよう混合し、これをボールミル
で48時間撹拌混合し、カーボンブラック混合液を得
た。こうしてカーボンブラック混合液を得たら、ポリア
ミドイミド溶液100重量部に対しカーボンブラック混
合液25重量部を加え、ボールミルで24時間撹拌混合
し、ポリアミドイミド−カーボンブラック混合溶液を得
た。このときの粒度分布をレーザ回折法により測定した
ところ、150nmを超える粒子径を有する粒子の割合
は、8.6wt%であった。次いで、実施例1と同様の
装置を使用し、同様の方法により厚さ100μmのシー
ムレスベルト1を得た。
【0033】そして、実施例1と同様の方法でシームレ
スベルト1の周面外側1aの表面抵抗率、体積抵抗率を
算出したところ、それぞれ6.5×1013(Ω/□)、
1.6×1012(Ω・cm)であった。このシームレスベ
ルト1をカラーレーザプリンタの中間転写体としてセッ
トし、普通紙及びOHP用シートにそれぞれ印字テスト
したところ、どちらも良好な結果を確認した。
【0034】比較例 実施例1と同様のカーボンブラックをジメチルアセトア
ミドに15重量%となるよう混合し、これをボールミル
で8時間撹拌混合し、カーボンブラック混合液を得た。
こうしてカーボンブラック混合液を得たら、ポリアミド
イミド溶液100重量部に対し、カーボンブラック混合
液25重量部を加え、ボールミルで3時間撹拌混合し、
ポリアミドイミド−カーボンブラック混合溶液を得た。
このときの粒度分布をレーザ回折法により測定したとこ
ろ、150nmを超える粒子径を有する粒子の割合は3
2.2wt%であった。次いで、実施例1と同様の装置
を使用し、同様の方法により厚さ100μmのシームレ
スベルト1を製造した。
【0035】そして、実施例1と同様の方法でシームレ
スベルト1の周面外側1aの表面抵抗率、体積抵抗率を
算出したところ、それぞれ7.6×1012(Ω/□)、
2.2×1012(Ω・cm)の値が得られた。このシーム
レスベルト1をカラーレーザプリンタの中間転写体とし
て装着し、普通紙及びOHP用シートにそれぞれ印字テ
ストしたところ、普通紙では良好な結果を得ることがで
きた。しかしながら、OHP用シートの場合、OHP用
シートの搬送不良が原因と考えられる色ずれ及びこすれ
が認められた。
【0036】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、トナーの
搬送や転写の性能には十分な導電性が期待でき、しか
も、通常使用される用紙だけではなく、OHP用のシー
ト等をも搬送することができるという効果がある。した
がって、これをプリンタ等に使用すれば、被印刷基材の
利用範囲を広げることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るシームレスベルトの実施形態を示
す斜視説明図である。
【図2】本発明に係るシームレスベルトの実施形態にお
けるスタティックミキサを示す説明図で、(a)図は正面
図、(b)図は横断面説明図、(c)図は側面説明図、(d)図
は型締め状態を示す横断面説明図である。
【図3】本発明に係るシームレスベルトの実施形態にお
ける抵抗率試験の電極を示す説明図で、(a)図は表面電
極を示す説明図、(b)図は裏面電極を示す説明図であ
る。
【図4】本発明に係るシームレスベルトの実施形態にお
ける抵抗率試験の絶縁抵抗測定装置を示す説明図であ
る。
【図5】本発明に係るシームレスベルトの実施形態にお
ける抵抗率試験の電極の接続方法を示す説明図で、(a)
図は表面抵抗率試験時の電極の接続方法を示す断面説明
図、(b)図は体積抵抗率試験時の電極の接続方法を示す
断面説明図である。
【図6】本発明に係るシームレスベルトの実施形態にお
ける金型を示す説明図で、(a)図は正面図、(b)図は側面
図である。
【符号の説明】
1 シームレスベルト 1a 周面外側 2 スタティックミキサ 6 絶縁抵抗測定装置 8 金型
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 日比 登代次 東京都中央区日本橋本町4丁目3番5号 信越ポリマー株式会社内 Fターム(参考) 2H032 BA09 BA18 BA23 2H033 AA14 BA11 BA59 BE03 2H068 AA52 AA55 AA58 CA02

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂材料にカーボンフィラーを分散させ
    た厚さ0.02〜0.5mmで円筒形のシームレスベル
    トであって、 周面外側の表面抵抗率ρs(Ω/□)と体積抵抗率ρv
    (Ω・cm)との関係をρs/ρv≧40としたことを特
    徴とするシームレスベルト。
  2. 【請求項2】 上記表面抵抗率ρs(Ω/□)を2×10
    13(Ω/□)以上とした請求項1記載のシームレスベル
    ト。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006286947A (ja) * 2005-03-31 2006-10-19 Toshiba Corp 電子デバイス洗浄方法及び電子デバイス洗浄装置
JP2006330692A (ja) * 2005-04-26 2006-12-07 Canon Inc 電子写真用ベルト、電子写真装置および電子写真用ベルトの製造方法、ならびに、中間転写ベルト

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